JP2004513324A - 極低温推進剤を高濃度化する方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
本発明は、液体を高濃度化し、特に、極低温推進剤を高濃度化する方法及びシステムに関する。本発明の1つの好ましいシステムは、向流気体又は液体の流れを利用することにより液体推進剤を過冷し且つ高濃度化する。向流流れは、推進剤よりも低沸点の気体を利用することが好ましい。次に、充填塔を大気圧力以上にて使用して向流流れを推進剤に導入することができる。この方法は、大気圧以下の作動に伴うコスト及び問題点を回避する。1つの好ましい実施の形態は、液体酸素の高濃度化を目的とし、同様の実施の形態は、液体酸素及び液体水素を同時に高濃度化することを目的とする。本発明のシステム及び方法は、同様の仕方にてその他の液体を高濃度化するために使用することもできる。
Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、極低温推進剤及び高濃度化法並びにそのシステムの分野におけるものである。
【0002】
【発明の背景】
本発明は、液体の高濃度化に関する。より具体的には、本発明は、極低温推進剤を大気圧以上にて高濃度化することに関する。
【0003】
極低温推進剤の高濃度化は、燃料の装荷及び搭載重量を最大にするため、将来、より必要となることが予想される。そのとき、最大の効率及び最小の全体コストにて機能する高濃度化システムが要求されるであろう。これらの高濃度化システムは、打ち上げ基地の建設に関係する航空宇宙会社及び政府機関にとって特に関心事である。
【0004】
極低温推進剤を高濃度化する現在の方法は、高価で且つ制御することが困難なコンプレッサシステムを使用して実現される、低圧力下にて沸騰する極低温流体と熱交換することに基づくものである。これらの高濃度化システムは、必要とされる低圧力を発生させるため、真空ポンプ又は高価な冷風ブロアの列と共に、多数の液中コイル群を必要とする。このため、大気圧以上にて作動することに伴うこれらの問題点及びコストを回避するシステムを開発することが望まれる。推定によれば、かかるシステムは、信頼性及び利用可能性が向上することと相俟って、投資額及び運転コストが著しく削減されるものと考えられる。
【0005】
このため、本発明の1つの目的は、極低温推進剤を大気圧以上にて高濃度化する方法及びシステムを開発することである。
極低温技術及び推進剤の分野に関して説明するが、大気圧以上にて液体を高濃度化することの同様の有利な点は、本発明のその他の適用分野でも得られることが理解されよう。かかる有利な点は、本開示に照らし且つ本発明の実施を通じて当該技術分野の当業者に明らかになるであろう。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、高濃度化装置、高濃度化器具及び高濃度化システムを含むものである。本発明は、また、かかる本発明の特徴を使用する機械又はエレクトロニクス装置も含む。本発明は、また、当該技術分野にて既知の方法及び構成要素を使用して、これら型式の既存の機械又はエレクトロニクス装置又は器具を改良し、修理し又は改造するために使用することもできる。本発明は、また、かかる高濃度化を実現する方法も含むものである。
【0007】
本発明のシステム及び方法にて使用することのできる熱交換要素又は装置は、向流形熱交換器及び蒸気相熱交換チャンバを含むことができる。従って、本明細書に記載した例から理解し得るように、高濃度化すべき燃料の適宜な温度変化、相及び体積流れの性質に従って、本発明のシステム及び方法にて任意の適宜な熱交換要素を使用することが可能であることが理解されよう。従って、本発明のシステム及び方法にて使用可能である熱交換要素は、向流形熱交換器(オハイオ州、メイフィールドハイツのチャート・コーポレーション(Chart Corporation)、日本の住友精密(Sumitomo Precision Products)の製品及び英国のマーステン・パルマー(Marsten−Palmer)のような会社から商業的に入手可能なもののような、板フィン式交換器)、及び蒸気相熱交換チャンバを含むことができる。本発明のシステム及び方法は、充填塔のような、蒸気熱交換チャンバを使用することができる。本発明のシステム及び方法にて使用される好ましい蒸気熱交換チャンバは、化学業界にて一般に見られる商業的に入手可能な塔充填材料を使用する充填式熱交換塔である。
【0008】
従って、全体として上述したように、熱交換器又は充填塔に言及する以下の概要及び詳細な説明は、代替的な熱交換要素をも含むものであることが理解されよう。
【0009】
本発明のシステム及び方法は、それぞれ、液体酸素及び(又は)液体水素のような、高濃度化した極低温推進剤を発生させ得るように作動させ且つ実施することができる。このように、本発明は、液体酸素及び(又は)水素を高濃度化し且つ過冷するシステムに関するものである。
【0010】
本発明のシステム及び方法の有利な点の1つは、周囲の大気圧力にて又はそれよりも僅かに高い圧力にてそれぞれ作動させ且つ実施することができる点である。
【0011】
1つのシステムは、液体酸素、液体窒素及び液体水素であることが好ましい、液体の流れを運び得るようにされた導管を利用する。水素及び酸素の直接的な接触を避けるため、液体酸素と液体窒素との熱的相互作用のみを許容する第一の熱交換器が使用される。液体酸素及び液体窒素は第一の熱交換器を通って反対方向に流れる。第一の熱交換器は、液体酸素を冷却し、これにより液体酸素を高濃度化する。
【0012】
液体窒素と液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の熱交換器が使用されることも好ましい。液体窒素及び液体水素は、液体水素が第二の熱交換器から去る前に、熱的相互作用を通じて蒸発するように制御された第二の熱交換器を通って反対方向に流れることが好ましい。この第二の熱交換器は、液体窒素を冷却し得るようにされることが好ましい。
【0013】
充填塔は、液体窒素と液体又は気体状水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の熱交換器と共に又は該第二の熱交換器無しにて使用され、液体窒素及び水素が充填塔を通って反対方向に流れるようにする。充填塔は、液体窒素が充填塔から去る前に、蒸発及び熱的相互作用により液体水素が液体窒素を冷却することを許容する。次に、充填塔は、窒素及び水素から成る蒸発された全ての気体を解放し得るようにされている。
【0014】
システムは、また、液体窒素を第一の熱交換器から充填塔に再循環させて戻すこともできる。冷却した液体窒素は、第二の熱交換器から第一の熱交換器に向けられることが好ましい。蒸発した水素は、塔を通る液体窒素の冷却を助け得るように、第二の熱交換器から充填塔内に向けられることが好ましい。該システムは、また、流体の流れを発生させ且つ液体窒素を再循環させるため、1つ以上のポンプを使用することもできる。
【0015】
液体酸素及び液体水素であることが好ましい、液体の高濃度化及び過冷を同時に行うシステムも本発明に含まれている。該システムは、液体酸素、液体窒素、液体水素及び液体ヘリウムの流れを運び得るようにされた導管を利用する。
【0016】
該システムは、ヘリウムと液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第一の充填塔を使用する。液体水素が充填塔から去る前に、蒸発及び熱的相互作用によって液体水素が冷却されるようにされた充填塔を通って、液体又は気体状ヘリウム及び液体水素が反対方向に流れる。第一の充填塔は、また、ヘリウム及び水素の蒸発した全ての気体を充填塔外に向け得るようにもされている。
【0017】
液体水素と液体ヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた第一の熱交換器が使用されることが好ましい。液体ヘリウムが第一の熱交換器から去る前に、熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御されることが好ましく、第一の熱交換器を通って、液体水素及び液体ヘリウムが反対方向に流れる。第一の熱交換器は、液体水素を冷却し得るようにされることも好ましい。このように、水素のみを高濃度化するのであれば、上述したシステムの部分のみを使用すればよい。
【0018】
2流体高濃度化システムにおいて、液体窒素と蒸発した水素及び蒸発したヘリウムとの熱的相互作用を許容するため、第二の熱交換器が使用されることが好ましい。液体窒素は、蒸発した水素及びヘリウムの流れと反対方向に向けて、第二の熱交換器を通って流れ得るようにされている。第二の熱交換器は、液体窒素を冷却し得るようにされている。
【0019】
液体窒素と蒸発した水素及びヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の充填塔が使用される。液体窒素が充填塔から去る前に、蒸発及び熱的相互作用により冷却され得るようにされた充填塔を通って、液体窒素は蒸発した水素及びヘリウムの流れと反対方向に向けて流れる。第二の充填塔は、また、窒素、ヘリウム及び水素から成る蒸発した全ての気体をシステムから解放し得るようにもされている。
【0020】
システムは、液体酸素と液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第三の熱交換器を使用する。液体酸素は、液体窒素の流れと反対方向に向けて第三の熱交換器を通って流れる。第三の熱交換器は、液体酸素を冷却し得るようにされている。
【0021】
該システムはまた、液体窒素を第三の熱交換器から第二の充填塔に再循環させて戻すこともできる。冷却した液体窒素は、第二の熱交換器から第三の熱交換器に向けられ、該第三の熱交換器にて液体酸素を冷却するために使用されることが好ましい。該システムは液体の流れを発生させるため、1つ以上のポンプを使用することができる。
【0022】
本発明は、液体酸素であることが好ましい液体を高濃度化する方法も含むものである。この方法において、液体酸素の流れは第一の熱交換器を通って流れる。液体窒素の流れも液体酸素の流れと反対方向に向けて第一の熱交換器を通って流れる。第一の熱交換器は、液体酸素と液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされている。第一の熱交換器は、また、液体酸素を高濃度化し得るように液体酸素の流れを冷却し得るようにされている。
【0023】
この方法は、また、充填塔を通って熱交換器から出る液体窒素の流れを通すことも含んでいる。充填塔は、液体窒素と熱的相互作用することが許容される液体窒素の流れと反対方向に流れる蒸発した水素すなわち液体水素の流れを有しており、これにより、液体窒素は、充填塔から出る前に、蒸発により冷却させることができる。充填塔は、蒸発した窒素又は蒸発したの全ての水素を充填塔から排気し得るようにされている。
【0024】
1つの好ましい工程は、充填塔から出る冷却した液体窒素及び液体水素の流れを第二の熱交換器を通すことを含む。この液体水素の流れは、蒸発した水素として、充填塔に入る前に、熱交換器を通り、液体水素の流れは、液体窒素の流れと反対方向に向けて熱交換器を通って流れる。第二の熱交換器は、液体水素と液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、また、液体水素が第二の熱交換器から去る前に、熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御される。第二の熱交換器は、冷却した液体窒素が第一の熱交換器に流れる前に、液体窒素を冷却し得るようにもされている。
【0025】
この方法は、第一の熱交換器から出る高濃度化した液体酸素の流れを捕集する工程を更に備えることができる。別の工程は、蒸発した水素及び蒸発した窒素の流れを大気中に排気することを含むことができる。
【0026】
本発明は、また、液体酸素及び液体水素であることが好ましい、2つの液体を同時に高濃度化する方法も含んでいる。この好ましい方法は、液体水素の流れを第一の充填塔に通すことも含む。液体又は気体状ヘリウムの流れは、第一の充填塔を通り、ヘリウムは、第一の充填塔を通って、液体水素の流れと反対方向に流れる。第一の充填塔は、ヘリウムと水素との熱的相互作用を許容し得るようにされている。第一の充填塔は、蒸発した水素又は蒸発したヘリウムの全てが該塔を通ることを更に許容する。第一の充填塔は、また、液体水素の流れが蒸発により冷却され、液体水素を高濃度化させ得るようにもされている。
【0027】
この方法は、第一の充填塔から出る冷却した液体水素及び液体ヘリウムの流れを第一の熱交換器に通すことも含む。第一の熱交換器は、液体水素と液体ヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされることが好ましい。液体水素及び液体ヘリウムは、液体ヘリウムが第一の熱交換器から去る前に、熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御されることが好ましい第一の熱交換器を通って反対方向に流れる。第一の熱交換器は、液体水素を冷却し得るようにされることが好ましい。水素のみを高濃度化するならば、上述した工程をそれ自体にて行えばよい。
【0028】
2液体高濃度化方法におけるその他の工程は、蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れを第二の充填塔を通すと共に、液体窒素の流れを第二の充填塔に通すことを含む。蒸発した水素及び蒸発したヘリウムは、蒸発した水素及び蒸発したヘリウムと液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の充填塔を通って液体窒素の流れと反対方向に流れることが許容される。第二の充填塔は、また、蒸発した水素、ヘリウム又は窒素の全てが該塔を通って流れるようにもされている。第二の充填塔は、また、液体窒素が塔から出る前に液体窒素の流れが冷却されることも許容する。
【0029】
該方法はまた、第二の充填塔から出る冷却した液体窒素の流れ及び蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れを第二の熱交換器を通すことを含むことも好ましい。蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れは、第二の充填塔に入る前に、第二の熱交換器を通って流れる。液体窒素の流れは、液体窒素と蒸発した水素及び蒸発したヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた、第二の熱交換器を通って蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れと反対方向に流れる。第二の熱交換器は、液体窒素を更に冷却し得るようにされている。
【0030】
この発明のその他の工程は、冷却した液体窒素の流れを第三の熱交換器に通すと共に、液体酸素の流れを第三の熱交換器に通すことを含んでいる。液体窒素は、液体酸素と液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第三の熱交換器を通って液体酸素の流れと反対方向に流れる。第三の熱交換器は、第三の熱交換器から出る前に液体酸素の流れが冷却され、液体酸素が高濃度化され得るようにされている。次に、液体窒素の流れは第二の充填塔に戻るように向けられる。
【0031】
該方法は、熱交換器から出る高濃度化した液体水素の流れを捕集する工程を更に備えることができる。熱交換器から出る高濃度化した液体酸素の流れを捕集することもできる。この方法は、蒸発した水素、ヘリウム及び窒素の流れを大気中に排気することを更に含むことができる。
【0032】
本発明の方法に従って発生された高濃度化した極低温推進剤は、任意の適宜な容器に運ぶことができる。例えば、推進剤は、ロケットエンジンの燃料タンク内に直接供給することができる。好ましくは、高濃度化した極低温推進剤は、ロケット燃料タンク内に及びタンク外に循環させ、燃料タンクを冷却することを許容し、高濃度化した極低温推進剤がロケット燃料タンク内でその可能な最高の高濃度化状態に達し得るようにする。従って、本発明のシステムは、高濃度化した燃料をロケットエンジンの1つの燃料タンク(又は2つ以上の燃料タンク)に供給し、好ましくは高濃度化した燃料をロケットエンジンの燃料タンク(2つ以上のタンク)内に且つ該タンク外に再循環させるための導管を備えている。このように本発明は、好ましくはロケットの打ち上げ基地にて、導管により1つ又は2つ以上のロケットエンジンの燃料タンクに取り付けられた上述したようなシステムを備えることもできる。
【0033】
【非特許文献】
(1)ブラウンらのユニット作動、542−552、ジョンウィリーアンドサンズ、1950
(2)ロボ W.E.ら、米国科学技術者協会会議録、41、693、1945
【0034】
【好ましい実施の形態の詳細な説明】
上記の概要に従って、現在最良の形態であると考えられる本発明の好ましい実施の形態に関して以下に詳細に説明する。
【0035】
本発明の好ましいシステムは、向流型の気体又は液体の流れを利用することにより液体推進剤を過冷し且つ高濃度化するものである。向流流れは、推進剤よりも低沸点の気体を利用することが好ましい。次に、向流の流れを推進剤に導入するため充填塔が大気圧力又はそれ以上にて使用されることが好ましい。この方法は、大気圧以下の作動に伴う上記のコスト及び問題点を回避する。1つの好ましい実施の形態は、液体酸素又は水素を高濃度化することを目的とし、同様に好ましい実施の形態は、液体酸素及び液体水素を同時に高濃度化することを目的とするものである。本発明のシステム及び方法はまた、その他の液体を同様の仕方にて高濃度化するために使用することもできる。
【0036】
この方策の実現可能性を判断するため、充填塔内の状態を推定するコンピュータプログラムが開発された。同様の方法は、組み合わせた熱及び体積伝導により充填塔を分析するためブラウン(Brown)(1)により説明されている。この方法は、気相及び液相に対する熱伝導率及び体積熱伝導率を使用することを必要とする。これらの量は、空気及び水に対して既知であり、液体窒素及び水素に対しては推定が為されている。この方法を使用して、図3及び図7に図示した実施の形態が特定され、また、熱及び材料の勘定を計算した。図2の実施の形態に沿った色々な箇所における値が以下に掲げてある。
11−H、11−Nにおける圧力は、135.827kPa(19.7psi)の搭全圧力の分圧である。
【0037】
図5の実施の形態に沿った色々な箇所の値が以下に掲げてある。
6、7、8における圧力は、144.790、137.895kPa(21、20psi)の全圧力の分圧である。
【0038】
液体酸素システム100の一例が図1に図示されている。この好ましい実施の形態において、水素は、液体窒素の下方向流れに対して、液体又は気体の形態の何れかにて充填塔104の底部に導入される。次に、冷却した液体窒素は、熱交換器102を通して循環され、液体酸素の向流の流れを冷却することが好ましい。次に、液体窒素を塔104に再循環させる。次に、冷却した液体酸素を打上げ台まで圧送することができる。このシステムは、液体窒素のほぼ全ての蒸発が充填塔内で生ずるような設計とされている。第一の熱交換器102は、液体窒素の流れに対して向流である液体酸素に対して作用し、熱交換器内で蒸気が形成されないように制御される。この目的のために鑞付けされたアルミニウム板フィン式熱交換器のような適宜な熱交換器を使用することができる。第一の熱交換器よりも小さいことが好ましい選択的な第二の熱交換器110は、ボイラーであることが好ましい。該ボイラーは、水素が塔104に入る前に、水素を蒸発させ塔の底部で窒素を凍結させる可能性を解消することが好ましい。塔104の頂部にて水素及び窒素気体の混合体を次にその過程の間、大気中に連続的に排気することができる。
【0039】
液体酸素の密度は、過冷状態にて、一例において、1126.58から1252.64kg/m3(70.33から78.20lbs/ft3)まで約11%の増加率にて増大するため、通常の飽和状態における液体酸素と比較して、推進剤タンクの単位容積当たりより多量の燃料を装荷することができる。
【0040】
この好ましい実施の形態のより詳細な概略図が図3に図示されている。この場合、液体酸素(LO2)は、供給ポンプ138によってLO2貯蔵タンク126からシステム内にパイプで供給される。LO2は、制御弁149を通り且つ熱交換器134内に入る。熱交換器は、本明細書に記載したように、LO2を高濃度化する作用を果たす。次に、熱交換器134から出る高濃度化したLO2は、打上げ基地、装荷施設又は貯蔵施設に運ばれる112。
【0041】
液体窒素(LN2)は、LN2貯蔵装置128から制御弁147を通ってシステムに入る。次に、LN2は、LN2供給管116を通って充填塔140に入る。LN2は、液体分配格子142を通って搭充填材料144に入る。次に、冷却されたLN2は、充填支持格子145を通り且つ塔140から出る118。次に、再循環ポンプ136は、冷却したLN2を蒸発器/熱交換器132を通して圧送する。次に、冷却したLN2は、LO2熱交換器134内にパイプを通じて送られる120。
【0042】
液体水素(LH2)は、LH2貯蔵装置130から制御弁146を通ってシステムに入る。次に、LH2は、LN2の向流の流れを有する蒸発器/熱交換器132を通る。次に、蒸発した水素は、充填塔140の底部にパイプを通して送られる122。次に、気体状水素及び蒸発した窒素は、各々、出口124を通り且つ塔140から出る。
【0043】
大気圧以下のシステムと直接、比較するため、1つの好ましいシステムは、X−33プログラムと関係するNASAグレン研究センターの契約第NAS3−98018に対して1998年にPHPKが設計し且つ製造したシステムに適合する寸法とした。図6に図示したNASAシステムは、1つが大気圧にあり、もう一方が16.547kPa(2.4psia)程度の2段の液中コイルから成るものとした。好ましいシステムにおける酸素の流れ及び温度は、NASAシステムと同一とした。NASAシステムは、好ましいシステムにおける9,459.67kg/hr(20,855lbs/hr)のLN2及び358.338kg/hr(790lbs/hr)のLN2と比較して、11,203.7kg/hr(24,700lbs/hr)のLN2を使用した。この性能レベルにおいて、比較的短いデューティサイクルに対する燃料コストは、大気圧以下のシステムに必要とされる真空装置の追加的な投資額と同程度である。
【0044】
充填のため2.54cm(1インチ)のラシッヒ(Raschig)リングを使用する、高さ約274.32cm(9フィート)の塔がこの実施の形態にとって望ましいものであった。塔充填の制限的能力に対しロボ(Lobo(2))の相関値を使用し且つ2.54cm(1インチ)のラシッヒリングを使用するものと仮定するならば、この能力を取り扱うために必要とされる塔の直径は、約121.92cm(4フィート)であった。このことは、比較のために使用した好ましいシステムの能動的な部分の一部分に過ぎなかった。組立体の全体は、高さ約365.76cm(12フィート)とし、より大きい寸法の低温ボックスに包み込むことが好ましいであろう。これらの寸法は、約243.84cm(8フィート)×548.64cm(18フィート)の2つの過冷却器が真空圧を提供するため冷風ブロアの列に対し別個のスキッドにて補強された、LERCシステムと比較することができる。
【0045】
本発明の別の好ましいシステム150が図4に図示されている。このシステムは、液体酸素及び液体水素の双方を同時に高濃度化するために使用することができる。このシステムは、2つの塔152、160を使用することが好ましい。液体ヘリウムは、蒸発型熱交換器154を通して液体水素の下方への流れに抗して水素塔152の底部に導入されることが好ましい。熱交換器154内で更に冷却された冷却した液体水素は、打上げ台に直接、圧送することができる。塔152の頂部から現れる水素及びヘリウムの混合体は、熱交換器158を通り且つ液体窒素の下方への流れに抗して窒素塔160の底部に導入される。冷却した液体窒素は、次に、別の熱交換器156を通じて循環させ、液体酸素の向流流れを冷却し、また、塔160に再循環されることが好ましい。次に、冷却した液体酸素は、打上げ台又はその他の目的地に圧送することができる。塔160の頂部における水素、ヘリウム及び蒸発した窒素は、大気中に排気し、その後にヘリウムを回収するため気体バッグ内に集めるか、又はさもなければ、適宜に処分することができる。このシステムは、3つの熱交換器、2つの充填塔及び1つの液体ポンプのみを利用することが好ましい。
【0046】
この好ましいシステムはまた、NASAシステムと直接比較し得るような寸法ともした。NASAシステムは、1つが大気圧にあり、もう一方が16.547kPa(2.4psi)にある、図6に図示した液体酸素への2段の液中コイルと、図7に図示するように、8.274kPa(1.2psia)にて作動する液体水素用の1組みの液体コイルとから成るものとした。NASAシステム内の水素及び酸素の流れは、化学理論値ではないが、好ましい実施の形態である。温度はNASAシステムと同一とした。NASAシステムを化学理論の比率に校正すれば、NASAシステムは11,203.7kg/hr(24,700lb/hr)のLN2及び841.867kg/hr(1856lb/hr)のLH2を使用することになろう。このことは、好ましいシステムにおける8807.86kg/hr(19,418lb/hr)のLN2、625.957kg/hr(1380lb/hr)のLH2、358.338kg/hr(790lb/hr)のLH2と比較可能である。この実施の形態にて2つの流体を組み合わせると、8.6%の高濃度化が実現された。
【0047】
これらの実施の形態は、主として本発明の実施の形態を実証する目的のため制限されたデータに基づく程度の推定値に過ぎないことを特に認識すべきである。実際上、好ましい、幾つかの変更例が可能である。塔の圧力及び水素の流れは、塔の高さ及び充填剤の使用と共に変更可能である。
【0048】
全ての場合、冷却過程は、充填搭の冷却過程と極めて類似しており、この場合、蒸発のための駆動力は下降する液体の蒸気圧力と上昇する気体流の蒸気の分圧との差である。酸素の例において(図2)、この差は、塔の頂部にて135.827−88.9424(19.7マイナス12.9psi)すなわち46.8843kPa(6.8psi)である。底部にて、119Rにおける窒素の蒸気圧力は、27.5790kPa(4psi)である。多分、より高い塔であれば、この値は小さくなり、より優れた性能となるであろう。2つの塔の例において(図5)、これらの値は、H2塔の頂部にて128.932−109.627(18.7マイナス15.9psi)すなわち19.305kPa(2.8psi)及び底部にて17.9264kPa(2.6psi)である。N2塔の場合、これらの値は図2におけるものとほぼ等しい。
【0049】
本明細書に開示した好ましい実施の形態は、本発明の範囲を限定せず又は不必要に制限することを意図するものではない。好ましい実施の形態は、当該技術分野の当業者が本発明を実施することができるように本発明の原理を説明するために選び且つ記載したものである。本発明の好ましい実施の形態を図示し且つ説明したが、同等の材料の置換又は構造的配置の置換又は同等の過程の工程を使用することにより、特許請求の範囲に記載された本発明の精神から逸脱せずに本発明を実施し得るように、本発明の変更例又は改変例を具体化することは当該技術分野の当業者の能力の範囲内であり、その特許請求の範囲の記述及び教示内容は、その内容を参考として引用し本明細書に含めてある。このため、本発明は、特許請求の範囲及びその等価物の範囲によって示される範囲によってのみ限定することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の1つの実施の形態による、1液体高濃度化装置の概略図である。
【図2】
本発明の1つの実施の形態による、1液体高濃度化装置の別の概略図である。
【図3】
本発明の1つの実施の形態による、1液体高濃度化装置の別の概略図である。
【図4】
本発明の1つの実施の形態による、2液体高濃度化装置の概略図である。
【図5】
本発明の1つの実施の形態による、2液体高濃度化装置の別の概略図である。
【図6】
従来技術の酸素高濃度化装置の概略図である。
【図7】
従来技術の水素高濃度化装置の概略図である。
【発明の技術分野】
本発明は、極低温推進剤及び高濃度化法並びにそのシステムの分野におけるものである。
【0002】
【発明の背景】
本発明は、液体の高濃度化に関する。より具体的には、本発明は、極低温推進剤を大気圧以上にて高濃度化することに関する。
【0003】
極低温推進剤の高濃度化は、燃料の装荷及び搭載重量を最大にするため、将来、より必要となることが予想される。そのとき、最大の効率及び最小の全体コストにて機能する高濃度化システムが要求されるであろう。これらの高濃度化システムは、打ち上げ基地の建設に関係する航空宇宙会社及び政府機関にとって特に関心事である。
【0004】
極低温推進剤を高濃度化する現在の方法は、高価で且つ制御することが困難なコンプレッサシステムを使用して実現される、低圧力下にて沸騰する極低温流体と熱交換することに基づくものである。これらの高濃度化システムは、必要とされる低圧力を発生させるため、真空ポンプ又は高価な冷風ブロアの列と共に、多数の液中コイル群を必要とする。このため、大気圧以上にて作動することに伴うこれらの問題点及びコストを回避するシステムを開発することが望まれる。推定によれば、かかるシステムは、信頼性及び利用可能性が向上することと相俟って、投資額及び運転コストが著しく削減されるものと考えられる。
【0005】
このため、本発明の1つの目的は、極低温推進剤を大気圧以上にて高濃度化する方法及びシステムを開発することである。
極低温技術及び推進剤の分野に関して説明するが、大気圧以上にて液体を高濃度化することの同様の有利な点は、本発明のその他の適用分野でも得られることが理解されよう。かかる有利な点は、本開示に照らし且つ本発明の実施を通じて当該技術分野の当業者に明らかになるであろう。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、高濃度化装置、高濃度化器具及び高濃度化システムを含むものである。本発明は、また、かかる本発明の特徴を使用する機械又はエレクトロニクス装置も含む。本発明は、また、当該技術分野にて既知の方法及び構成要素を使用して、これら型式の既存の機械又はエレクトロニクス装置又は器具を改良し、修理し又は改造するために使用することもできる。本発明は、また、かかる高濃度化を実現する方法も含むものである。
【0007】
本発明のシステム及び方法にて使用することのできる熱交換要素又は装置は、向流形熱交換器及び蒸気相熱交換チャンバを含むことができる。従って、本明細書に記載した例から理解し得るように、高濃度化すべき燃料の適宜な温度変化、相及び体積流れの性質に従って、本発明のシステム及び方法にて任意の適宜な熱交換要素を使用することが可能であることが理解されよう。従って、本発明のシステム及び方法にて使用可能である熱交換要素は、向流形熱交換器(オハイオ州、メイフィールドハイツのチャート・コーポレーション(Chart Corporation)、日本の住友精密(Sumitomo Precision Products)の製品及び英国のマーステン・パルマー(Marsten−Palmer)のような会社から商業的に入手可能なもののような、板フィン式交換器)、及び蒸気相熱交換チャンバを含むことができる。本発明のシステム及び方法は、充填塔のような、蒸気熱交換チャンバを使用することができる。本発明のシステム及び方法にて使用される好ましい蒸気熱交換チャンバは、化学業界にて一般に見られる商業的に入手可能な塔充填材料を使用する充填式熱交換塔である。
【0008】
従って、全体として上述したように、熱交換器又は充填塔に言及する以下の概要及び詳細な説明は、代替的な熱交換要素をも含むものであることが理解されよう。
【0009】
本発明のシステム及び方法は、それぞれ、液体酸素及び(又は)液体水素のような、高濃度化した極低温推進剤を発生させ得るように作動させ且つ実施することができる。このように、本発明は、液体酸素及び(又は)水素を高濃度化し且つ過冷するシステムに関するものである。
【0010】
本発明のシステム及び方法の有利な点の1つは、周囲の大気圧力にて又はそれよりも僅かに高い圧力にてそれぞれ作動させ且つ実施することができる点である。
【0011】
1つのシステムは、液体酸素、液体窒素及び液体水素であることが好ましい、液体の流れを運び得るようにされた導管を利用する。水素及び酸素の直接的な接触を避けるため、液体酸素と液体窒素との熱的相互作用のみを許容する第一の熱交換器が使用される。液体酸素及び液体窒素は第一の熱交換器を通って反対方向に流れる。第一の熱交換器は、液体酸素を冷却し、これにより液体酸素を高濃度化する。
【0012】
液体窒素と液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の熱交換器が使用されることも好ましい。液体窒素及び液体水素は、液体水素が第二の熱交換器から去る前に、熱的相互作用を通じて蒸発するように制御された第二の熱交換器を通って反対方向に流れることが好ましい。この第二の熱交換器は、液体窒素を冷却し得るようにされることが好ましい。
【0013】
充填塔は、液体窒素と液体又は気体状水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の熱交換器と共に又は該第二の熱交換器無しにて使用され、液体窒素及び水素が充填塔を通って反対方向に流れるようにする。充填塔は、液体窒素が充填塔から去る前に、蒸発及び熱的相互作用により液体水素が液体窒素を冷却することを許容する。次に、充填塔は、窒素及び水素から成る蒸発された全ての気体を解放し得るようにされている。
【0014】
システムは、また、液体窒素を第一の熱交換器から充填塔に再循環させて戻すこともできる。冷却した液体窒素は、第二の熱交換器から第一の熱交換器に向けられることが好ましい。蒸発した水素は、塔を通る液体窒素の冷却を助け得るように、第二の熱交換器から充填塔内に向けられることが好ましい。該システムは、また、流体の流れを発生させ且つ液体窒素を再循環させるため、1つ以上のポンプを使用することもできる。
【0015】
液体酸素及び液体水素であることが好ましい、液体の高濃度化及び過冷を同時に行うシステムも本発明に含まれている。該システムは、液体酸素、液体窒素、液体水素及び液体ヘリウムの流れを運び得るようにされた導管を利用する。
【0016】
該システムは、ヘリウムと液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第一の充填塔を使用する。液体水素が充填塔から去る前に、蒸発及び熱的相互作用によって液体水素が冷却されるようにされた充填塔を通って、液体又は気体状ヘリウム及び液体水素が反対方向に流れる。第一の充填塔は、また、ヘリウム及び水素の蒸発した全ての気体を充填塔外に向け得るようにもされている。
【0017】
液体水素と液体ヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた第一の熱交換器が使用されることが好ましい。液体ヘリウムが第一の熱交換器から去る前に、熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御されることが好ましく、第一の熱交換器を通って、液体水素及び液体ヘリウムが反対方向に流れる。第一の熱交換器は、液体水素を冷却し得るようにされることも好ましい。このように、水素のみを高濃度化するのであれば、上述したシステムの部分のみを使用すればよい。
【0018】
2流体高濃度化システムにおいて、液体窒素と蒸発した水素及び蒸発したヘリウムとの熱的相互作用を許容するため、第二の熱交換器が使用されることが好ましい。液体窒素は、蒸発した水素及びヘリウムの流れと反対方向に向けて、第二の熱交換器を通って流れ得るようにされている。第二の熱交換器は、液体窒素を冷却し得るようにされている。
【0019】
液体窒素と蒸発した水素及びヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の充填塔が使用される。液体窒素が充填塔から去る前に、蒸発及び熱的相互作用により冷却され得るようにされた充填塔を通って、液体窒素は蒸発した水素及びヘリウムの流れと反対方向に向けて流れる。第二の充填塔は、また、窒素、ヘリウム及び水素から成る蒸発した全ての気体をシステムから解放し得るようにもされている。
【0020】
システムは、液体酸素と液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第三の熱交換器を使用する。液体酸素は、液体窒素の流れと反対方向に向けて第三の熱交換器を通って流れる。第三の熱交換器は、液体酸素を冷却し得るようにされている。
【0021】
該システムはまた、液体窒素を第三の熱交換器から第二の充填塔に再循環させて戻すこともできる。冷却した液体窒素は、第二の熱交換器から第三の熱交換器に向けられ、該第三の熱交換器にて液体酸素を冷却するために使用されることが好ましい。該システムは液体の流れを発生させるため、1つ以上のポンプを使用することができる。
【0022】
本発明は、液体酸素であることが好ましい液体を高濃度化する方法も含むものである。この方法において、液体酸素の流れは第一の熱交換器を通って流れる。液体窒素の流れも液体酸素の流れと反対方向に向けて第一の熱交換器を通って流れる。第一の熱交換器は、液体酸素と液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされている。第一の熱交換器は、また、液体酸素を高濃度化し得るように液体酸素の流れを冷却し得るようにされている。
【0023】
この方法は、また、充填塔を通って熱交換器から出る液体窒素の流れを通すことも含んでいる。充填塔は、液体窒素と熱的相互作用することが許容される液体窒素の流れと反対方向に流れる蒸発した水素すなわち液体水素の流れを有しており、これにより、液体窒素は、充填塔から出る前に、蒸発により冷却させることができる。充填塔は、蒸発した窒素又は蒸発したの全ての水素を充填塔から排気し得るようにされている。
【0024】
1つの好ましい工程は、充填塔から出る冷却した液体窒素及び液体水素の流れを第二の熱交換器を通すことを含む。この液体水素の流れは、蒸発した水素として、充填塔に入る前に、熱交換器を通り、液体水素の流れは、液体窒素の流れと反対方向に向けて熱交換器を通って流れる。第二の熱交換器は、液体水素と液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、また、液体水素が第二の熱交換器から去る前に、熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御される。第二の熱交換器は、冷却した液体窒素が第一の熱交換器に流れる前に、液体窒素を冷却し得るようにもされている。
【0025】
この方法は、第一の熱交換器から出る高濃度化した液体酸素の流れを捕集する工程を更に備えることができる。別の工程は、蒸発した水素及び蒸発した窒素の流れを大気中に排気することを含むことができる。
【0026】
本発明は、また、液体酸素及び液体水素であることが好ましい、2つの液体を同時に高濃度化する方法も含んでいる。この好ましい方法は、液体水素の流れを第一の充填塔に通すことも含む。液体又は気体状ヘリウムの流れは、第一の充填塔を通り、ヘリウムは、第一の充填塔を通って、液体水素の流れと反対方向に流れる。第一の充填塔は、ヘリウムと水素との熱的相互作用を許容し得るようにされている。第一の充填塔は、蒸発した水素又は蒸発したヘリウムの全てが該塔を通ることを更に許容する。第一の充填塔は、また、液体水素の流れが蒸発により冷却され、液体水素を高濃度化させ得るようにもされている。
【0027】
この方法は、第一の充填塔から出る冷却した液体水素及び液体ヘリウムの流れを第一の熱交換器に通すことも含む。第一の熱交換器は、液体水素と液体ヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされることが好ましい。液体水素及び液体ヘリウムは、液体ヘリウムが第一の熱交換器から去る前に、熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御されることが好ましい第一の熱交換器を通って反対方向に流れる。第一の熱交換器は、液体水素を冷却し得るようにされることが好ましい。水素のみを高濃度化するならば、上述した工程をそれ自体にて行えばよい。
【0028】
2液体高濃度化方法におけるその他の工程は、蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れを第二の充填塔を通すと共に、液体窒素の流れを第二の充填塔に通すことを含む。蒸発した水素及び蒸発したヘリウムは、蒸発した水素及び蒸発したヘリウムと液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の充填塔を通って液体窒素の流れと反対方向に流れることが許容される。第二の充填塔は、また、蒸発した水素、ヘリウム又は窒素の全てが該塔を通って流れるようにもされている。第二の充填塔は、また、液体窒素が塔から出る前に液体窒素の流れが冷却されることも許容する。
【0029】
該方法はまた、第二の充填塔から出る冷却した液体窒素の流れ及び蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れを第二の熱交換器を通すことを含むことも好ましい。蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れは、第二の充填塔に入る前に、第二の熱交換器を通って流れる。液体窒素の流れは、液体窒素と蒸発した水素及び蒸発したヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた、第二の熱交換器を通って蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れと反対方向に流れる。第二の熱交換器は、液体窒素を更に冷却し得るようにされている。
【0030】
この発明のその他の工程は、冷却した液体窒素の流れを第三の熱交換器に通すと共に、液体酸素の流れを第三の熱交換器に通すことを含んでいる。液体窒素は、液体酸素と液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第三の熱交換器を通って液体酸素の流れと反対方向に流れる。第三の熱交換器は、第三の熱交換器から出る前に液体酸素の流れが冷却され、液体酸素が高濃度化され得るようにされている。次に、液体窒素の流れは第二の充填塔に戻るように向けられる。
【0031】
該方法は、熱交換器から出る高濃度化した液体水素の流れを捕集する工程を更に備えることができる。熱交換器から出る高濃度化した液体酸素の流れを捕集することもできる。この方法は、蒸発した水素、ヘリウム及び窒素の流れを大気中に排気することを更に含むことができる。
【0032】
本発明の方法に従って発生された高濃度化した極低温推進剤は、任意の適宜な容器に運ぶことができる。例えば、推進剤は、ロケットエンジンの燃料タンク内に直接供給することができる。好ましくは、高濃度化した極低温推進剤は、ロケット燃料タンク内に及びタンク外に循環させ、燃料タンクを冷却することを許容し、高濃度化した極低温推進剤がロケット燃料タンク内でその可能な最高の高濃度化状態に達し得るようにする。従って、本発明のシステムは、高濃度化した燃料をロケットエンジンの1つの燃料タンク(又は2つ以上の燃料タンク)に供給し、好ましくは高濃度化した燃料をロケットエンジンの燃料タンク(2つ以上のタンク)内に且つ該タンク外に再循環させるための導管を備えている。このように本発明は、好ましくはロケットの打ち上げ基地にて、導管により1つ又は2つ以上のロケットエンジンの燃料タンクに取り付けられた上述したようなシステムを備えることもできる。
【0033】
【非特許文献】
(1)ブラウンらのユニット作動、542−552、ジョンウィリーアンドサンズ、1950
(2)ロボ W.E.ら、米国科学技術者協会会議録、41、693、1945
【0034】
【好ましい実施の形態の詳細な説明】
上記の概要に従って、現在最良の形態であると考えられる本発明の好ましい実施の形態に関して以下に詳細に説明する。
【0035】
本発明の好ましいシステムは、向流型の気体又は液体の流れを利用することにより液体推進剤を過冷し且つ高濃度化するものである。向流流れは、推進剤よりも低沸点の気体を利用することが好ましい。次に、向流の流れを推進剤に導入するため充填塔が大気圧力又はそれ以上にて使用されることが好ましい。この方法は、大気圧以下の作動に伴う上記のコスト及び問題点を回避する。1つの好ましい実施の形態は、液体酸素又は水素を高濃度化することを目的とし、同様に好ましい実施の形態は、液体酸素及び液体水素を同時に高濃度化することを目的とするものである。本発明のシステム及び方法はまた、その他の液体を同様の仕方にて高濃度化するために使用することもできる。
【0036】
この方策の実現可能性を判断するため、充填塔内の状態を推定するコンピュータプログラムが開発された。同様の方法は、組み合わせた熱及び体積伝導により充填塔を分析するためブラウン(Brown)(1)により説明されている。この方法は、気相及び液相に対する熱伝導率及び体積熱伝導率を使用することを必要とする。これらの量は、空気及び水に対して既知であり、液体窒素及び水素に対しては推定が為されている。この方法を使用して、図3及び図7に図示した実施の形態が特定され、また、熱及び材料の勘定を計算した。図2の実施の形態に沿った色々な箇所における値が以下に掲げてある。
11−H、11−Nにおける圧力は、135.827kPa(19.7psi)の搭全圧力の分圧である。
【0037】
図5の実施の形態に沿った色々な箇所の値が以下に掲げてある。
6、7、8における圧力は、144.790、137.895kPa(21、20psi)の全圧力の分圧である。
【0038】
液体酸素システム100の一例が図1に図示されている。この好ましい実施の形態において、水素は、液体窒素の下方向流れに対して、液体又は気体の形態の何れかにて充填塔104の底部に導入される。次に、冷却した液体窒素は、熱交換器102を通して循環され、液体酸素の向流の流れを冷却することが好ましい。次に、液体窒素を塔104に再循環させる。次に、冷却した液体酸素を打上げ台まで圧送することができる。このシステムは、液体窒素のほぼ全ての蒸発が充填塔内で生ずるような設計とされている。第一の熱交換器102は、液体窒素の流れに対して向流である液体酸素に対して作用し、熱交換器内で蒸気が形成されないように制御される。この目的のために鑞付けされたアルミニウム板フィン式熱交換器のような適宜な熱交換器を使用することができる。第一の熱交換器よりも小さいことが好ましい選択的な第二の熱交換器110は、ボイラーであることが好ましい。該ボイラーは、水素が塔104に入る前に、水素を蒸発させ塔の底部で窒素を凍結させる可能性を解消することが好ましい。塔104の頂部にて水素及び窒素気体の混合体を次にその過程の間、大気中に連続的に排気することができる。
【0039】
液体酸素の密度は、過冷状態にて、一例において、1126.58から1252.64kg/m3(70.33から78.20lbs/ft3)まで約11%の増加率にて増大するため、通常の飽和状態における液体酸素と比較して、推進剤タンクの単位容積当たりより多量の燃料を装荷することができる。
【0040】
この好ましい実施の形態のより詳細な概略図が図3に図示されている。この場合、液体酸素(LO2)は、供給ポンプ138によってLO2貯蔵タンク126からシステム内にパイプで供給される。LO2は、制御弁149を通り且つ熱交換器134内に入る。熱交換器は、本明細書に記載したように、LO2を高濃度化する作用を果たす。次に、熱交換器134から出る高濃度化したLO2は、打上げ基地、装荷施設又は貯蔵施設に運ばれる112。
【0041】
液体窒素(LN2)は、LN2貯蔵装置128から制御弁147を通ってシステムに入る。次に、LN2は、LN2供給管116を通って充填塔140に入る。LN2は、液体分配格子142を通って搭充填材料144に入る。次に、冷却されたLN2は、充填支持格子145を通り且つ塔140から出る118。次に、再循環ポンプ136は、冷却したLN2を蒸発器/熱交換器132を通して圧送する。次に、冷却したLN2は、LO2熱交換器134内にパイプを通じて送られる120。
【0042】
液体水素(LH2)は、LH2貯蔵装置130から制御弁146を通ってシステムに入る。次に、LH2は、LN2の向流の流れを有する蒸発器/熱交換器132を通る。次に、蒸発した水素は、充填塔140の底部にパイプを通して送られる122。次に、気体状水素及び蒸発した窒素は、各々、出口124を通り且つ塔140から出る。
【0043】
大気圧以下のシステムと直接、比較するため、1つの好ましいシステムは、X−33プログラムと関係するNASAグレン研究センターの契約第NAS3−98018に対して1998年にPHPKが設計し且つ製造したシステムに適合する寸法とした。図6に図示したNASAシステムは、1つが大気圧にあり、もう一方が16.547kPa(2.4psia)程度の2段の液中コイルから成るものとした。好ましいシステムにおける酸素の流れ及び温度は、NASAシステムと同一とした。NASAシステムは、好ましいシステムにおける9,459.67kg/hr(20,855lbs/hr)のLN2及び358.338kg/hr(790lbs/hr)のLN2と比較して、11,203.7kg/hr(24,700lbs/hr)のLN2を使用した。この性能レベルにおいて、比較的短いデューティサイクルに対する燃料コストは、大気圧以下のシステムに必要とされる真空装置の追加的な投資額と同程度である。
【0044】
充填のため2.54cm(1インチ)のラシッヒ(Raschig)リングを使用する、高さ約274.32cm(9フィート)の塔がこの実施の形態にとって望ましいものであった。塔充填の制限的能力に対しロボ(Lobo(2))の相関値を使用し且つ2.54cm(1インチ)のラシッヒリングを使用するものと仮定するならば、この能力を取り扱うために必要とされる塔の直径は、約121.92cm(4フィート)であった。このことは、比較のために使用した好ましいシステムの能動的な部分の一部分に過ぎなかった。組立体の全体は、高さ約365.76cm(12フィート)とし、より大きい寸法の低温ボックスに包み込むことが好ましいであろう。これらの寸法は、約243.84cm(8フィート)×548.64cm(18フィート)の2つの過冷却器が真空圧を提供するため冷風ブロアの列に対し別個のスキッドにて補強された、LERCシステムと比較することができる。
【0045】
本発明の別の好ましいシステム150が図4に図示されている。このシステムは、液体酸素及び液体水素の双方を同時に高濃度化するために使用することができる。このシステムは、2つの塔152、160を使用することが好ましい。液体ヘリウムは、蒸発型熱交換器154を通して液体水素の下方への流れに抗して水素塔152の底部に導入されることが好ましい。熱交換器154内で更に冷却された冷却した液体水素は、打上げ台に直接、圧送することができる。塔152の頂部から現れる水素及びヘリウムの混合体は、熱交換器158を通り且つ液体窒素の下方への流れに抗して窒素塔160の底部に導入される。冷却した液体窒素は、次に、別の熱交換器156を通じて循環させ、液体酸素の向流流れを冷却し、また、塔160に再循環されることが好ましい。次に、冷却した液体酸素は、打上げ台又はその他の目的地に圧送することができる。塔160の頂部における水素、ヘリウム及び蒸発した窒素は、大気中に排気し、その後にヘリウムを回収するため気体バッグ内に集めるか、又はさもなければ、適宜に処分することができる。このシステムは、3つの熱交換器、2つの充填塔及び1つの液体ポンプのみを利用することが好ましい。
【0046】
この好ましいシステムはまた、NASAシステムと直接比較し得るような寸法ともした。NASAシステムは、1つが大気圧にあり、もう一方が16.547kPa(2.4psi)にある、図6に図示した液体酸素への2段の液中コイルと、図7に図示するように、8.274kPa(1.2psia)にて作動する液体水素用の1組みの液体コイルとから成るものとした。NASAシステム内の水素及び酸素の流れは、化学理論値ではないが、好ましい実施の形態である。温度はNASAシステムと同一とした。NASAシステムを化学理論の比率に校正すれば、NASAシステムは11,203.7kg/hr(24,700lb/hr)のLN2及び841.867kg/hr(1856lb/hr)のLH2を使用することになろう。このことは、好ましいシステムにおける8807.86kg/hr(19,418lb/hr)のLN2、625.957kg/hr(1380lb/hr)のLH2、358.338kg/hr(790lb/hr)のLH2と比較可能である。この実施の形態にて2つの流体を組み合わせると、8.6%の高濃度化が実現された。
【0047】
これらの実施の形態は、主として本発明の実施の形態を実証する目的のため制限されたデータに基づく程度の推定値に過ぎないことを特に認識すべきである。実際上、好ましい、幾つかの変更例が可能である。塔の圧力及び水素の流れは、塔の高さ及び充填剤の使用と共に変更可能である。
【0048】
全ての場合、冷却過程は、充填搭の冷却過程と極めて類似しており、この場合、蒸発のための駆動力は下降する液体の蒸気圧力と上昇する気体流の蒸気の分圧との差である。酸素の例において(図2)、この差は、塔の頂部にて135.827−88.9424(19.7マイナス12.9psi)すなわち46.8843kPa(6.8psi)である。底部にて、119Rにおける窒素の蒸気圧力は、27.5790kPa(4psi)である。多分、より高い塔であれば、この値は小さくなり、より優れた性能となるであろう。2つの塔の例において(図5)、これらの値は、H2塔の頂部にて128.932−109.627(18.7マイナス15.9psi)すなわち19.305kPa(2.8psi)及び底部にて17.9264kPa(2.6psi)である。N2塔の場合、これらの値は図2におけるものとほぼ等しい。
【0049】
本明細書に開示した好ましい実施の形態は、本発明の範囲を限定せず又は不必要に制限することを意図するものではない。好ましい実施の形態は、当該技術分野の当業者が本発明を実施することができるように本発明の原理を説明するために選び且つ記載したものである。本発明の好ましい実施の形態を図示し且つ説明したが、同等の材料の置換又は構造的配置の置換又は同等の過程の工程を使用することにより、特許請求の範囲に記載された本発明の精神から逸脱せずに本発明を実施し得るように、本発明の変更例又は改変例を具体化することは当該技術分野の当業者の能力の範囲内であり、その特許請求の範囲の記述及び教示内容は、その内容を参考として引用し本明細書に含めてある。このため、本発明は、特許請求の範囲及びその等価物の範囲によって示される範囲によってのみ限定することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の1つの実施の形態による、1液体高濃度化装置の概略図である。
【図2】
本発明の1つの実施の形態による、1液体高濃度化装置の別の概略図である。
【図3】
本発明の1つの実施の形態による、1液体高濃度化装置の別の概略図である。
【図4】
本発明の1つの実施の形態による、2液体高濃度化装置の概略図である。
【図5】
本発明の1つの実施の形態による、2液体高濃度化装置の別の概略図である。
【図6】
従来技術の酸素高濃度化装置の概略図である。
【図7】
従来技術の水素高濃度化装置の概略図である。
Claims (56)
- 液体酸素を高濃度化するシステムにおいて、
(a)液体酸素の流れ、液体窒素の流れ及び液体水素の流れを運び得るようにされた導管と、
(b)前記液体酸素と前記液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第一の熱交換器であって、前記液体酸素及び前記液体窒素が該第一の熱交換器を通って反対方向に流れ、前記液体酸素の流れが該液体酸素を高濃度化し得るように冷却され得るようにされた前記第一の熱交換器と、
(c)前記液体窒素と前記液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた充填塔であって、前記液体窒素及び前記水素が該充填塔を通って反対方向に流れ、前記液体窒素が該充填塔から去る前に、前記熱的相互作用を通じて冷却され得るようにされ、前記窒素及び前記水素から成る蒸発した気体を前記システムから解放し得るようにされた前記充填塔とを備える、液体酸素を高濃度化するシステム。 - 請求項1に記載のシステムにおいて、前記液体窒素と前記液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の熱交換器であって、前記液体窒素及び前記液体水素が該第二の熱交換器を通って反対方向に流れ、前記液体水素が該第二の熱交換器から去る前に、前記熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御され、前記液体窒素を冷却し得るようにされた前記第二の熱交換器を更に備える、システム。
- 請求項1に記載のシステムにおいて、前記液体窒素を前記第一の熱交換器から前記充填塔まで再循環させて戻し得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項2に記載のシステムにおいて、前記冷却した液体窒素を前記第二の熱交換器から前記第一の熱交換器に向け得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項2に記載のシステムにおいて、前記蒸発した水素を前記第二の熱交換器から前記充填塔まで運び得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項1に記載のシステムにおいて、前記液体の前記流れを発生させ得るようにされた少なくとも1つのポンプを更に備える、システム。
- 請求項1に記載のシステムにおいて、前記高濃度化した酸素を燃料タンク内に向け得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項6に記載のシステムにおいて、前記高濃度化した酸素を前記燃料タンクから前記システムを通じて再循環させ得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 液体酸素及び液体水素を高濃度化するシステムにおいて、
(a)液体酸素の流れ、液体窒素の流れ、液体水素の流れ及び液体ヘリウムの流れを運び得るようにされた導管と、
(b)前記液体ヘリウムと前記液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第一の充填塔であって、前記液体ヘリウム及び前記液体水素が該充填塔を通って反対方向に流れ、前記液体水素が該充填塔から去る前に、前記熱的相互作用を通じて冷却され得るようにされ、前記ヘリウム及び前記水素から成る蒸発した全ての気体を該充填塔外に向け得るようにされた前記第一の充填塔と、
(c)前記液体窒素と前記蒸発した水素及びヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の充填塔であって、前記液体窒素が該充填塔を通って前記蒸発した水素及びヘリウムの流れと反対方向に流れ、前記液体窒素が該充填塔から去る前に、前記熱的相互作用を通じて冷却され得るようにされ、前記窒素、前記ヘリウム及び前記水素から成る蒸発した全ての気体を前記システムから解放し得るようにされた前記第二の充填塔と、
(d)前記液体酸素と前記液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされた第一の熱交換器であって、前記液体酸素が該第一の熱交換器を通って前記液体窒素の流れと反対方向に流れ、前記液体酸素を冷却させ得るようにされた前記第一の熱交換器とを備える、液体酸素及び液体水素を高濃度化するシステム。 - 請求項9に記載のシステムにおいて、前記液体水素と前記液体ヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の熱交換器であって、前記液体水素及び前記液体ヘリウムが該第二の熱交換器を通って反対方向に流れ、前記液体ヘリウムが該第二の熱交換器から去る前に、前記熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御され、前記液体水素を冷却し得るようにされた前記第二の熱交換器を更に備える、システム。
- 請求項9に記載のシステムにおいて、前記液体窒素と前記蒸発した水素及び前記蒸発したヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた第三の熱交換器であって、前記液体窒素が該第三の熱交換器を通って前記蒸発した水素及びヘリウムの流れと反対方向に流れ、前記液体窒素を冷却し得るようにされた前記第三の熱交換器を更に備える、システム。
- 請求項9に記載のシステムにおいて、前記液体窒素を前記第一の熱交換器から前記第二の充填塔まで再循環させて戻し得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項11に記載のシステムにおいて、前記冷却した液体窒素を前記第三の熱交換器から前記第一の熱交換器に向け得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項11に記載のシステムにおいて、前記蒸発した水素及び前記蒸発したヘリウムを前記第一の充填搭から前記第三の熱交換器まで運び得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項11に記載のシステムにおいて、前記蒸発した水素及び前記蒸発したヘリウムを前記第三の熱交換器から前記第二の充填塔まで運び得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項10に記載のシステムにおいて、前記冷却した液体水素を前記第一の充填搭から前記第二の熱交換器に運び得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項10に記載のシステムにおいて、前記蒸発したヘリウムを前記第二の熱交換器から前記第一の充填塔まで運び得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項9に記載のシステムにおいて、前記液体の前記流れを発生させ得るようにされた少なくとも1つのポンプを更に備える、システム。
- 請求項9に記載のシステムにおいて、前記高濃度化した酸素及び高濃度化した水素を少なくとも1つの燃料タンク内に向け得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項19に記載のシステムにおいて、前記高濃度化した酸素及び高濃度化した水素を少なくとも1つの前記燃料タンクから前記システムを通じて再循環させ得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 液体酸素を高濃度化する方法において、
(a)液体酸素の流れを第一の熱交換器に通す工程と、
(b)液体窒素の流れを前記第一の熱交換器に通し、前記液体窒素が前記第一の熱交換器を通って前記液体酸素の流れと反対方向に流れるようにする工程とを備え、前記第一の熱交換器が、前記液体酸素と前記液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、前記第一の熱交換器が、前記液体酸素の流れが該液体酸素を高濃度化し得るように冷却され得るようにされ、
(c)前記第一の熱交換器から出る前記液体窒素の流れを充填塔に通す工程を備え、該充填塔が、蒸発した水素の流れを前記液体窒素の流れと反対方向に流し且つ前記液体窒素と熱的に相互作用することを許容し、これにより、前記液体窒素が前記充填塔から出る前に冷却され、前記第一の熱交換器に戻ることができるようにし、前記充填塔が、蒸発した窒素又は蒸発した水素の全てを前記充填塔から排気し得るようにされた、液体酸素を高濃度化する方法。 - 請求項21に記載の方法において、前記充填搭から出る前記冷却した液体窒素及び液体水素の流れを第二の熱交換器に通す工程を更に備え、前記液体水素の流れが前記充填塔に入る前に前記蒸発した水素として前記熱交換器を通り、前記液体水素の流れが前記液体窒素の流れと反対方向に前記熱交換器を通って流れ、前記第二の熱交換器が、前記液体水素と前記液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、前記第二の熱交換器が、前記液体水素が前記第二の熱交換器から去る前に、前記熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御され、前記第二の熱交換器が、前記冷却した液体窒素が前記第一の熱交換器に進む前に、該液体窒素を冷却し得るようにされた、方法。
- 請求項21に記載の方法において、前記第一の熱交換器から出る高濃度化した液体酸素の前記流れを捕集する工程を更に備える、方法。
- 請求項21に記載の方法において、前記高濃度化した酸素の流れを燃料タンクに向ける工程を更に備える、方法。
- 請求項21に記載の方法において、蒸発した水素及び蒸発した窒素の前記流れを大気に排気する工程を更に備える、方法。
- 液体酸素及び液体水素を高濃度化する方法において、
(a)液体水素の流れを第一の充填搭に通す工程と、
(b)ヘリウムの流れを前記第一の充填搭に通し、前記ヘリウムが前記第一の充填搭を通って前記液体水素の流れと反対方向に流れるようにする工程とを備え、前記第一の充填搭が、前記ヘリウムと前記液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、前記第一の充填搭が、蒸発した水素又は蒸発したヘリウムの全てが前記第一の充填搭から流れ、該第一の充填搭が、前記液体水素の流れが冷却されて該液体水素を高濃度化し得るようにされ、
(c)液体窒素の流れを第二の充填搭に通す工程と、
(d)前記蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れを前記第二の充填搭に通し、前記蒸発した水素及び蒸発したヘリウムが前記液体窒素の流れと反対方向に向けて該第二の充填搭を通って流れるようにする工程とを備え、前記第二の充填搭が、前記蒸発した水素及び蒸発したヘリウムと前記液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、前記第二の充填搭が、蒸発した水素、ヘリウム又は窒素の全てが該第二の充填搭から流れ、前記液体窒素の流れが該第二の充填搭から出る前に、冷却され得るようにされ、
(e)液体酸素の流れを第一の熱交換器に通す工程と、
(f)冷却した液体窒素の前記流れを前記第一の熱交換器に通し、前記液体窒素が前記第一の熱交換器を通って前記液体酸素の流れと反対方向に流れるようにする工程とを備え、前記第一の熱交換器が、前記液体酸素と前記液体窒素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、前記第一の熱交換器が、前記熱的相互作用を通じて蒸気が形成されないようにされ、該第一の熱交換器が、前記液体酸素の流れが前記第一の熱交換器から出る前に冷却されて前記液体酸素が高濃度化され、次に、前記液体窒素の流れが前記第二の充填搭内に戻るように向けられるようにされた、液体酸素及び液体水素を高濃度化する方法。 - 請求項26に記載の方法において、前記第一の充填搭から出る前記冷却した液体水素及び前記ヘリウムの流れを第二の熱交換器に通す工程を更に備え、前記ヘリウムの流れが前記第一の充填塔に入る前に前記第二の熱交換器を通り、前記ヘリウムの流れが前記液体水素の流れと反対方向に前記第二の熱交換器を通って流れ、前記第二の熱交換器が、前記ヘリウムと前記液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、該第二の熱交換器が、前記液体水素を更に冷却し得るようにされた、方法。
- 請求項26に記載の方法において、前記第二の充填搭から出る冷却した液体窒素の前記流れ及び蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの前記流れを第三の熱交換器に通す工程を更に備え、蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの前記流れが前記第二の充填塔に入る前に前記第三の熱交換器を通り、前記液体窒素の流れが前記蒸発した水素及び蒸発したヘリウムの流れと反対方向に前記第三の熱交換器を通って流れ、前記第三の熱交換器が、前記液体窒素と前記蒸発した水素及び蒸発したヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされ、該第三の熱交換器が前記液体窒素を更に冷却し得るようにされた、方法。
- 請求項27に記載の方法において、前記第二の熱交換器から出る高濃度化した液体水素の前記流れを捕集する工程を更に備える、方法。
- 請求項26に記載の方法において、前記第一の熱交換器から出る高濃度化した液体酸素の前記流れを捕集する工程を更に備える、方法。
- 請求項26に記載の方法において、蒸発した水素、ヘリウム及び窒素の前記流れを大気に排気する工程を更に備える、方法。
- 請求項26に記載の方法において、高濃度化した酸素の前記流れを燃料タンクに向ける工程を更に備える、方法。
- 請求項26に記載の方法において、高濃度化した水素の前記流れを燃料タンクに向ける工程を更に備える、方法。
- 流体を高濃度化するシステムにおいて、
(a)第一の流体の流れ、第二の流体の流れ及び第三の流体の流れを運び得るようにされた導管と、
(b)前記第一の流体と前記第二の材料との熱的相互作用を許容し得るようにされた第一の熱交換器であって、前記第一の流体及び前記第二の流体が該第一の熱交換器を通って反対方向に流れ、前記第一の流体の流れが該第一の流体を高濃度化し得るように冷却され得るようにされた前記第一の熱交換器と、
(c)前記第二の流体と前記第三の流体との熱的相互作用を許容し得るようにされた充填塔であって、前記第二の流体及び前記第三の流体が該充填塔を通って反対方向に流れ、前記第三の流体が該充填塔から去る前に、前記熱的相互作用を通じて冷却され得るようにされ、前記第二の流体及び前記第三の流体から成る蒸発した全ての気体を前記システムから解放し得るようにされた前記充填塔とを備える、流体を高濃度化するシステム。 - 請求項34に記載のシステムにおいて、前記第二の流体と前記第三の流体との熱的相互作用を許容し得るようにされた第二の熱交換器であって、前記第二の流体及び前記第三の流体が該第二の熱交換器を通って反対方向に流れ、前記第三の流体が該第二の熱交換器から去る前に、前記熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御され、前記第二の流体を冷却し得るようにされた前記第二の熱交換器を更に備える、システム。
- 請求項34に記載のシステムにおいて、前記第二の流体を前記第一の熱交換器から前記充填塔まで再循環させて戻し得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項35に記載のシステムにおいて、前記冷却した第二の流体を前記第二の熱交換器から前記第一の熱交換器に向け得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項35に記載のシステムにおいて、前記蒸発した第三の流体を前記第二の熱交換器から前記充填塔まで運び得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項34に記載のシステムにおいて、前記流体の前記流れを発生させ得るようにされた少なくとも1つのポンプを更に備える、システム。
- 請求項34に記載のシステムにおいて、前記高濃度化した第一の流体を燃料タンク内に向け得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項34に記載のシステムにおいて、前記高濃度化した第一の流体を前記燃料タンクから前記システムを通じて再循環させ得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 流体を高濃度化する方法において、
(a)第一の流体の流れを第一の熱交換器に通す工程と、
(b)第二の流体の流れを前記第一の熱交換器に通し、前記第二の流体が前記第一の熱交換器を通って前記第一の流体の流れと反対方向に流れるようにする工程とを備え、前記第一の熱交換器が、前記第一の流体と前記第二の流体との熱的相互作用を許容し得るようにされ、前記第一の熱交換器が、前記第一の流体の前記流れが該第一の流体を高濃度化し得るように冷却され得るようにされ、
(c)前記第一の熱交換器から出る前記第二の流体の前記流れを充填塔に通す工程を備え、該充填塔が、蒸発した第三の流体の流れを前記第二の流体の前記流れと反対方向に流し且つ前記第二の流体と熱的相互作用することを許容し、これにより、前記第二の流体が前記充填塔から出る前に冷却され、前記充填塔が、蒸気の全てを前記充填塔から排気し得るようにされた、流体を高濃度化する方法。 - 請求項42に記載の方法において、前記充填搭から出る前記冷却した第二の流体及び第三の流体の流れを第二の熱交換器に通す工程を更に備え、前記第三の流体の前記流れが前記充填塔に入る前に、蒸発した前記第三の流体として前記熱交換器を通り、第三の流体の前記流れが前記第二の流体の前記流れと反対方向に前記熱交換器を通って流れ、前記第二の熱交換器が、前記第二の流体と前記第三の流体との熱的相互作用を許容し得るようにされ、前記第二の熱交換器が、前記第三の流体が前記第二の熱交換器から去る前に、前記熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御され、前記第二の熱交換器が、前記冷却した第二の窒素が前記第一の熱交換器に流れる前に、前記第二の流体を冷却し得るようにされた、方法。
- 請求項42に記載の方法において、前記第一の熱交換器から出る高濃度化した前記第一の流体の流れを捕集する工程を更に備える、方法。
- 請求項42に記載の方法において、高濃度化した前記第一の流体の流れを燃料タンクに向ける工程を更に備える、方法。
- 請求項42に記載の方法において、蒸発した第三の流体及び蒸発した第二の流体の前記流れを大気に排気する工程を更に備える、方法。
- 液体水素を高濃度化するシステムにおいて、
(a)液体水素の流れ及びヘリウムの流れを運び得るようにされた導管と、
(b)前記ヘリウムと前記液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされた充填塔であって、前記ヘリウム及び前記液体水素が該充填塔を通って反対方向に流れ、前記液体水素が該充填塔から去る前に、前記熱的相互作用を通じて冷却され得るようにされ、前記ヘリウム及び前記水素から成る蒸発した全ての気体を該充填塔外に向け得るようにされた前記充填塔とを備える、液体水素を高濃度化するシステム。 - 請求項47に記載のシステムにおいて、前記液体水素と前記ヘリウムとの熱的相互作用を許容し得るようにされた熱交換器であって、前記液体水素及び前記ヘリウムが該熱交換器を通って反対方向に流れ、前記ヘリウムが該熱交換器から去り且つ前記充填搭に入る前に、前記熱的相互作用を通じて蒸発されるように制御され、前記充填搭から出る前記液体水素を更に冷却し得るようにされた前記熱交換器を更に備える、システム。
- 請求項47に記載のシステムにおいて、前記水素及びヘリウムの前記流れを発生させ得るようにされた少なくとも1つのポンプを更に備える、システム。
- 請求項47に記載のシステムにおいて、前記高濃度化した水素を少なくとも1つの燃料タンク内に向け得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 請求項50に記載のシステムにおいて、前記高濃度化した水素を少なくとも1つの前記燃料タンクから前記システムを通じて再循環させ得るようにされた導管を更に備える、システム。
- 液体水素を高濃度化する方法において、
(a)液体水素の流れを充填搭に通す工程と、
(b)ヘリウムの流れを前記充填搭に通し、前記ヘリウムが前記充填搭を通って前記液体水素の流れと反対方向に流れるようにする工程とを備え、前記充填搭が、前記ヘリウムと前記液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、前記充填搭が、蒸発した水素又は蒸発したヘリウムの全てが前記充填搭から流れ、該充填搭が、前記液体水素の流れが該液体水素を高濃度化し得るように冷却されるようにされた、液体水素を高濃度化する方法。 - 請求項52に記載の方法において、前記充填塔から出る前記冷却した液体水素及び前記ヘリウムの流れを熱交換器に通す工程を更に備え、前記ヘリウムの流れが前記充填塔に入る前に、前記熱交換器を通り、前記ヘリウムの流れが前記液体水素の流れと反対方向に前記熱交換器を通って流れ、前記熱交換器が、前記ヘリウムと前記液体水素との熱的相互作用を許容し得るようにされ、前記熱交換器が、前記充填搭から出る前記液体水素を更に冷却し得るようにされた、方法。
- 請求項52に記載の方法において、前記熱交換器から出る高濃度化した液体窒素の前記流れを捕集する工程を更に備える、方法。
- 請求項52に記載の方法において、蒸発した水素及びヘリウムの前記流れを大気に排気する工程を更に備える、方法。
- 請求項52に記載の方法において、高濃度化した水素の前記流れを燃料タンクに向ける工程を更に備える、方法。
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