JP2004512851A - ラウソニア種による感染を処置する新規な治療用組成物 - Google Patents

ラウソニア種による感染を処置する新規な治療用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、ラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) または同様なまたはそうでなければ関係する微生物により引き起こされるまたは悪化する動物および鳥類における腸疾患を治療および/または予防する治療用組成物に関する。特に、本発明は、ラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) に由来する新規な遺伝子を提供し、この遺伝子は動物宿主におけるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) および関係する病原体に対する体液性免疫性を与えるワクチン調製物中の抗原として特に有用である免疫原性ポリペプチドをコードし、ここで前記ポリペプチドはflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチド、または前記ポリペプチドの1または2以上のホモローグ、アナローグまたは誘導体から成る群から選択される。本発明は、また、このような腸疾患の状態を治療および/または予防する方法、およびラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) または同様なまたはそうでなければ関係する微生物を検出する手法に関する。

Description

【0001】
関係する出願のデータ
この出願は、オーストラリア特許出願No. PR 1381、2000年11月10日提出、および米国特許出願No. 60/249596、2000年11月17日提出からの優先権の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、ラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) または同様なまたはそうでなければ関係する微生物により引き起こされるまたは悪化する動物およびトリにおける腸疾患を治療および/または予防する治療用組成物に関する。特に、本発明は、免疫原性ポリペプチドをコードするラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) に由来する新規な遺伝子を提供する。本明細書に記載するポリペプチドは、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチド、または前記ポリペプチドの1または2以上のホモローグ、アナローグまたは誘導体から成る群から選択され、動物宿主におけるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) および関係する病原体に対する体液性免疫性を与えるワクチン製剤中の抗原として特に有用である。本発明は、また、このような腸疾患の状態を治療および/または予防する方法、およびラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) または同様なまたはそうでなければ関係する微生物を検出する診断剤および手法に関する。
【0003】
一般的事項
この明細書において数値的に言及する刊行物の引用文献の詳細は、この説明の終わりに収集されている。明細書において引用される、すべての特許、特許出願、および刊行物はそれらの全体において引用することによって本明細書の一部分とされる。
【0004】
以後において用語「ラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) 」またはその略号「ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 」は、下記の文献に記載されているように、この微生物に類似するか、あるいはそうでなければそれに関係するすべての微生物を包含する:Stills (1991) またはJones他 (1997) またはLawson他 (1993) またはMcOrist他 (1995)。
【0005】
用語「AGAL」は、オーストラリア国分析研究所 (Australian Government Analytical Laboratories、オーストラリア国ニュー・サウス・ウェールズ2073、ピンブル、スアキン・ストリート1)に対する言及を意味する。割り当てられたAGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) に関して本明細書において言及するすべての生物学的寄託は、特許手続きの目的のための微生物の寄託の国際的承認についてのブタベスト条約の規定に従いなされた。
【0006】
本明細書において使用するとき、用語「flhB」または用語「flhB遺伝子」は本発明の抗原性flhBポリペプチドをコードする遺伝子を意味し、この遺伝子は配列番号1に記載するヌクレオチド配列またはAGAL受託番号No. NM00/16477で寄託されたプラスミドpGTE#2の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる。さらに、用語「flhB」または用語「flhB遺伝子」は、配列番号1またはAGAL受託番号No. NM00/16477で寄託されたプラスミドpGTE#2の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列に対する縮重または相補的ヌクレオチド配列を包含する。また、「flhBポリペプチド」は、配列番号2に記載するアミノ酸配列を含んでなる本発明のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16477で寄託されたプラスミドpGTE#2の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドを意味することを理解すべきである。さらに、用語「flhBポリペプチド」は、配列番号2のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16477で寄託されたプラスミドpGTE#2の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドに機能的に関係するか、あるいはそれと免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを包含する。
【0007】
本明細書において使用するとき、用語「fliR」または用語「fliR遺伝子」は本発明の抗原性fliRポリペプチドをコードする遺伝子を意味し、この遺伝子は配列番号3に記載するヌクレオチド配列またはAGAL受託番号No. NM00/16478で寄託されたプラスミドpGTE#3の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる。さらに、用語「fliR」または用語「fliR遺伝子」は、配列番号3またはAGAL受託番号No. NM00/16478で寄託されたプラスミドpGTE#3の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列に対する縮重または相補的ヌクレオチド配列を包含する。また、「fliRポリペプチド」は、配列番号4に記載するアミノ酸配列を含んでなる本発明のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16478で寄託されたプラスミドpGTE#3の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドを意味することを理解すべきである。さらに、用語「fliRポリペプチド」は、配列番号4のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16478で寄託されたプラスミドpGTE#3の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドに機能的に関係するか、あるいはそれと免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを包含する。
【0008】
本明細書において使用するとき、用語「ntrC」または用語「ntrC遺伝子」は本発明の抗原性ntrCポリペプチドをコードする遺伝子を意味し、この遺伝子は配列番号5に記載するヌクレオチド配列またはAGAL受託番号No. NM00/16481で寄託されたプラスミドpGTE#6の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる。さらに、用語「ntrC」または用語「ntrC遺伝子」は、配列番号5またはAGAL受託番号No. NM00/16481で寄託されたプラスミドpGTE#6の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列に対する縮重または相補的ヌクレオチド配列を包含する。また、「ntrCポリペプチド」は、配列番号6に記載するアミノ酸配列を含んでなる本発明のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16481で寄託されたプラスミドpGTE#6の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドを意味することを理解すべきである。さらに、用語「ntrCポリペプチド」は、配列番号6のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16481で寄託されたプラスミドpGTE#6の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドに機能的に関係するか、あるいはそれと免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを包含する。
【0009】
本明細書において使用するとき、用語「glnH」または用語「glnH遺伝子」は本発明の抗原性glnHポリペプチドをコードする遺伝子を意味し、この遺伝子は配列番号7に記載するヌクレオチド配列またはAGAL受託番号No. NM00/16476で寄託されたプラスミドpGTE#1の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる。さらに、用語「glnH」または用語「glnH遺伝子」は、配列番号7またはAGAL受託番号No. NM00/16476で寄託されたプラスミドpGTE#1の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列に対する縮重または相補的ヌクレオチド配列を包含する。また、「glnHポリペプチド」は、配列番号8に記載するアミノ酸配列を含んでなる本発明のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16476で寄託されたプラスミドpGTE#1の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドを意味することを理解すべきである。さらに、用語「glnHポリペプチド」は、配列番号8のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16476で寄託されたプラスミドpGTE#1の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドに機能的に関係するか、あるいはそれと免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを包含する。
【0010】
本明細書において使用するとき、用語「motA」または用語「motA遺伝子」は本発明の抗原性motAポリペプチドをコードする遺伝子を意味し、この遺伝子は配列番号9に記載するヌクレオチド配列またはAGAL受託番号No. NM00/16479で寄託され、配列番号9に対する相同性を有する、プラスミドpGTE#4の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる。さらに、用語「motA」または用語「motA遺伝子」は、配列番号9またはAGAL受託番号No. NM00/16479で寄託され、配列番号9に対する相同性を有する、プラスミドpGTE#4の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列に対する縮重または相補的ヌクレオチド配列を包含する。また、「motAポリペプチド」は、配列番号10に記載するアミノ酸配列を含んでなる本発明のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16479で寄託され、配列番号9に対する相同性を有する、プラスミドpGTE#4の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドを意味することを理解すべきである。さらに、用語「motAポリペプチド」は、配列番号10のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16479で寄託され、配列番号9に対する相同性を有する、プラスミドpGTE#4の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドに機能的に関係するか、あるいはそれと免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを包含する。
【0011】
本明細書において使用するとき、用語「motB」または用語「motB遺伝子」は本発明の抗原性motBポリペプチドをコードする遺伝子を意味し、この遺伝子は配列番号11に記載するヌクレオチド配列またはAGAL受託番号No. NM00/16479で寄託され、配列番号11に対する相同性を有する、プラスミドpGTE#4の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる。さらに、用語「motB」または用語「motB遺伝子」は、配列番号11またはAGAL受託番号No. NM00/16479で寄託され、配列番号11に対する相同性を有する、プラスミドpGTE#4の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列に対する縮重または相補的ヌクレオチド配列を包含する。また、「motBポリペプチド」は、配列番号12に記載するアミノ酸配列を含んでなる本発明のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16479で寄託され、配列番号11に対する相同性を有する、プラスミドpGTE#4の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドを意味することを理解すべきである。さらに、用語「motBポリペプチド」は、配列番号12のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16479で寄託され、配列番号11に対する相同性を有する、プラスミドpGTE#4の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドに機能的に関係するか、あるいはそれと免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを包含する。
【0012】
本明細書において使用するとき、用語「tlyC」または用語「tlyC遺伝子」は本発明の抗原性tlyCポリペプチドをコードする遺伝子を意味し、この遺伝子は配列番号13に記載するヌクレオチド配列またはAGAL受託番号No. NM00/16480で寄託されたプラスミドpGTE#5の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる。さらに、用語「tlyC」または用語「tlyC遺伝子」は、配列番号13またはAGAL受託番号No. NM00/16480で寄託されたプラスミドpGTE#5の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列に対する縮重または相補的ヌクレオチド配列を包含する。また、「tlyCポリペプチド」は、配列番号14に記載するアミノ酸配列を含んでなる本発明のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16480で寄託されたプラスミドpGTE#5の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドを意味することを理解すべきである。さらに、用語「tlyCポリペプチド」は、配列番号14のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16480で寄託されたプラスミドpGTE#5の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドに機能的に関係するか、あるいはそれと免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを包含する。
【0013】
本明細書において使用するとき、用語「ytfM」または用語「ytfM遺伝子」は本発明の抗原性ytfMポリペプチドをコードする遺伝子を意味し、この遺伝子は配列番号15に記載するヌクレオチド配列またはAGAL受託番号No. NM00/16482で寄託されたプラスミドpGTE#7の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる。さらに、用語「ytfM」または用語「ytfM遺伝子」は、配列番号15またはAGAL受託番号No. NM00/16482で寄託されたプラスミドpGTE#7の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列に対する縮重または相補的ヌクレオチド配列を包含する。また、「ytfMポリペプチド」は、配列番号16に記載するアミノ酸配列を含んでなる本発明のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16482で寄託されたプラスミドpGTE#7の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドを意味することを理解すべきである。さらに、用語「ytfMポリペプチド」は、配列番号16のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16482で寄託されたプラスミドpGTE#7の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドに機能的に関係するか、あるいはそれと免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを包含する。
【0014】
本明細書において使用するとき、用語「ytfN」または用語「ytfN遺伝子」は本発明の抗原性ytfNポリペプチドをコードする遺伝子を意味し、この遺伝子は配列番号17に記載するヌクレオチド配列またはAGAL受託番号No. NM00/16486で寄託されたプラスミドpGTE#8の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる。さらに、用語「ytfN」または用語「ytfN遺伝子」は、配列番号17またはAGAL受託番号No. NM00/16486で寄託されたプラスミドpGTE#8の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子のヌクレオチド配列に対する縮重または相補的ヌクレオチド配列を包含する。また、「ytfNポリペプチド」は、配列番号18に記載するアミノ酸配列を含んでなる本発明のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16486で寄託されたプラスミドpGTE#8の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドを意味することを理解すべきである。さらに、用語「ytfNポリペプチド」は、配列番号18のポリペプチド、またはAGAL受託番号No. NM00/16486で寄託されたプラスミドpGTE#8の中に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子によりコードされるポリペプチドに機能的に関係するか、あるいはそれと免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを包含する。
【0015】
本明細書において使用するとき、用語「からの」または「の」、および用語「に由来する」は、特定した産物、特に高分子、例えば、ポリペプチド、タンパク質、遺伝子または核酸分子、抗体分子、Ig画分、または他の高分子、または前記高分子を含んでなる生物学的試料が特定の得ることができることを示し、ただし必ずしもその源、生物、組織、器官または細胞から直接的に得ることは必要ではない。
【0016】
この明細書を通じて、特記しない限り、用語「含んでなる」またはその変形「含んでなり」または「含む」は、記載した工程または要素または整数あるいは工程または要素または整数のグループを包含することを意味するが、任意の他の工程または要素または整数あるいは要素または整数のグループを排除しない。
【0017】
当業者は理解するように、本明細書に記載する本発明は、特別に記載した変形および変更以外の変形および変更が可能である。
【0018】
本発明はすべてのこのような変形および変更を包含することを理解すべきである。本発明は、また、この明細書の中に、個々にまたは集合的に、言及しまたは示す工程、特徴、組成物および化合物のすべて、および前記工程、特徴、組成物および化合物任意およびすべての組み合わせまたは任意の2またはそれ以上を包含する。
【0019】
本発明は、例示のみを目的とすることを意図する、本明細書に記載する特定の態様にその範囲が限定されない。機能的に同等の産物、組成物および方法は、本明細書に記載するように、本発明の範囲内に入ることが明らかである。
【0020】
発明の背景
農業の食肉生産部門はその家畜類の健康に依存し、そしてヒトの消費のために疾患をもたない家畜類を維持することが要求される。家畜類およびそれらに由来する食肉製品の品質に悪影響を及ぼす疾患状態、例えば、ヒトに潜在的に伝達されることがある疾患に応答して、この産業は急速に景気の低迷を受ける。したがって、家畜類の動物およびヒトにおける感染または潜在的感染を処理できる十分に規定された治療および予防および診断の手法を有することが重要である。
【0021】
ブタおよびトリ種に由来する食肉製品は、農業において重要な商品である。特に、ブタは食肉産業の主要な成分を形成する。しかしながら、ブタは集合的にブタ増殖性腸炎 (PPE) と呼ぶ腸疾患の広いスペクトルに対して感受性である。これらの疾患は従来腸性腺腫症群 (Barkerおよびvan Drumel、1985)、ブタ腸性腺腫症 (PIA)、壊死性腸炎 (RowlandおよびLawson、1976)、増殖性出血性腸炎 (LoveおよびLove、1997)、局所回腸炎 (JonssonおよびMartinsson、1976)、出血性腸炎候群 (O’Neil、1970)、ブタ増殖性腸炎およびカンピロバクター (Campylobacter) 種誘導腸炎 (Straw、1990) として知られてきている。
【0022】
PPEの2つの主要な形態が存在する;頻繁に成長遅延および軽症の下痢を引き起こす腸性腺腫症により代表される非出血性形態;および増殖性出血性腸炎 (PHE) により代表される、しばしば致死的である、出血性形態、ここで遠位の小腸ルーメンは充血する。PPEは多数の動物種、例えば、ブタ (McOrist他、1993)、ハムスター (Stills、1991)、フェレット (Fox他、1989)、モルモット (Elwell他、1981)、ウサギ (SchodebおよびFox、1990) ならびにトリ種 (Mason他、1998) において報告された。
【0023】
PPEは、特に在庫の削減、投薬コスト、ブタの成長速度の減少および飼料コストに関して、ブタ産業に関連する有意なコスト成分である。また、PPEは、例えば、抗生物質残留物の汚染の処理、および生物の他の動物またはヒトへの転移または連行を防止するためのコントロール手段における追加の労力コストおよび環境的コストにおいて、下流部門での間接的コストに寄与する。
【0024】
ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) はPPEの原因となる因子である (McOrist他、1995)。ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) は細胞内、恐らくは偏性細胞内の細菌である。それは組織培養細胞を使用してin vitroでしか培養しえない (Jones他、1997;Lawson他、1993;McOrist他、1995;国際特許出願No. PCT/US96/09576)。ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) は、感染した動物の絨毛細胞および腸陰窩細胞の細胞質中に位置する。PPEを患うブタは絨毛細胞の不規則性および上皮細胞形成異常を伴う腸陰窩構造により特徴づけられ、ここで絨毛および腸陰窩は分岐し、炎症性細胞で充填されるようになるので、陰窩膿瘍が形成する。
【0025】
PPEの現在のコントロール戦略は抗菌剤の使用に頼る。しかしながら、特に政府の調節圧力は予防的抗生物質の使用を包含する動物飼育の実施を不能化する傾向があるので、このような戦略は短期〜中期のみであると考えられる。したがって、抗生物質の使用に代わる有効な、安全な、低いコストの別法を開発すること、特に、家畜動物におけるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の感染に対する保護的免疫性を与えることができるワクチン製剤を開発することが要求されている。
【0026】
一般に、最も有効なワクチン製剤は、高度に免疫原性の成分、例えば、ワクチンが向けられている病原性生物に由来するポリペプチドまたは他の高分子から構成され、ここで前記抗原性成分は、罹病性宿主動物に投与したとき、禁忌をほとんど、あるいはまったく生成せず、そして前記宿主動物の腸管または他の組織の正常なフローラの一部分である望ましい生物、例えば、非病原性生物とほとんど、あるいはまったく交差反応性ではない。要約すると、有効なワクチン製剤は、免疫原性、特異的および安全でなくてはならない。
【0027】
したがって、細菌ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) により産生される、高度に免疫原性の抗原を同定することが必要である。
【0028】
国際特許出願No. PCT/AU96/00767には、いくつかのラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の部分的遺伝子配列、およびそれらによりコードされる一部分ポリペプチドが記載されている。しかしながら、改良されたワクチン組成物において使用するための、細菌ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) およびそれに由来する免疫原性ペプチドにより産生されるポリペプチドの免疫原、例えば、属または種特異的免疫原をさらに同定することが必要である。現在記載する本発明は、このような免疫原を提供する。
【0029】
発明の要約
本発明の1つの観点は、ラウソニア (Lawsonia) 種のポリペプチドのB細胞またはT細胞のエピトープを含んでなり、それを模倣するか、あるいはそれと交差反応する単離されたまたは組換えの免疫原性ポリペプチド、特にflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチド、または前記ポリペプチドの1または2以上のホモローグ、アナローグまたは誘導体から成る群から選択されるポリペプチドに関する。
【0030】
好ましくは、単離されたまたは組換えの免疫原性ポリペプチドは、下記のポリペプチドから成る群から選択される:
(i) 配列番号   2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(iii) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;および
(v) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣する (i) 〜 (iv) の任意の1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体。
【0031】
別の好ましい態様において、単離されたまたは組換えの免疫原性ポリペプチドは、下記のポリペプチドから成る群から選択される:
(i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(iii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;および
(v) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣する (i) 〜 (iv) の任意の1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体。
【0032】
特に好ましい態様において、本発明のポリペプチドは、下記のアミノ酸配列から成る群から選択される:
(i) 配列番号   2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列;および
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択される寄託されたプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列。
本発明の他の観点において、免疫学的に有効量の本明細書に記載するflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択される単離されたまたは組換えポリペプチドを含んでなる免疫原性成分と、1または2以上の獣医学または薬学的使用に適当な担体、希釈剤またはアジュバントとを含んでなる、ラウソニア (Lawsonia)種または同様なまたはそうでなければ関係する微生物による動物、例えば、ブタまたはトリの感染を予防または治療するワクチン組成物が提供される。
【0033】
本発明の他の観点は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択される本発明の免疫原性ポリペプチドに結合することができる、免疫学的に相互作用性の分子、例えば、抗体または抗体フラグメントに及ぶ。
【0034】
本発明の他の観点において、動物に由来する生物学的試料を本発明の免疫学的に相互作用性の分子と複合体、例えば、抗原:抗体複合体が形成するために十分な時間の間および条件下に接触させ、次いで前記複合体の形成を検出する工程を含んでなる、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) または関係する微生物による動物の感染を診断する方法が提供される。
【0035】
本発明の他の観点において、動物に由来する組織または流体試料、例えば、血液または血清をflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチド、またはそれらに由来するペプチドから成る群から選択される免疫原性ポリペプチドと、複合体、例えば、抗原:抗体複合体が形成するために十分な時間の間および条件下に接触させ、次いで前記複合体の形成を検出する工程を含んでなる、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) または関係する微生物による過去の感染にブタまたはトリ動物に悩まされているか、あるいはそれにより前記動物が感染しているかどうかを決定する方法が提供される。
【0036】
本発明の他の観点において、上において定義したflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される任意のおよびすべての遺伝子を包含する、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドをコードする核酸分子をコードするか、あるいはそれに対して相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子が提供される。
【0037】
好ましい態様において、単離された核酸分子はラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはPPEの原因因子と免疫学的に交差反応性であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなり、ここで前記ヌクレオチド配列は下記のヌクレオチド配列を含んでなる:
(i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAに対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;
(iii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択される配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド配列;
(iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAの少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド配列;
(v) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列またはそれに対する相補的ヌクレオチド配列に対して少なくとも低ストリンジェントな、更に好ましくは中程度にストリンジェントな、そして最も好ましくは高ストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列;
(vi) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAに対して少なくとも低ストリンジェント、より好ましくは中程度にストリンジェントな、最も好ましくは高ストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列;および
(vii) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣するポリペプチドをコードする (i) 〜 (vi) の任意の1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体。
【0038】
特に好ましい態様において、本発明の単離された核酸分子は、下記のヌクレオチド配列から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなるか、あるいはから成る:
(i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列;又はそれらの縮重変異体;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択される寄託されたプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列;および
(iii) (i) または (ii) のヌクレオチド配列と同一のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、ここで前記ポリペプチドはflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNから成る群から選択される;
(iv) (i) または (ii) または (iii) に対して相補的であるヌクレオチド配列;および
(v) 高ストリンジェントな条件下に配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択される配列の補体にハイブリダイズするヌクレオチド配列、ここで前記ヌクレオチド配列は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNから成る群から選択されるポリペプチドに対して免疫学的に交差反応性であるポリペプチドをコードする配列の補体である。
【0039】
本発明のなお他の好ましい態様において、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子、またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体から成る群から選択される遺伝子に由来する1または2以上のプローブまたはプライマーを、動物の被検体に由来する生物学的試料に対してハイブリダイゼーションさせ、次いで前記ハイブリダイゼーションを検出手段により検出する工程を含んでなる、前記生物学的試料中のラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) または関係する微生物を検出する診断法が提供される。本発明のこの面に従う検出手段は、任意の核酸をベースとするハイブリダイゼーションまたは増幅反応である。
本発明の他の観点において、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子に由来する単離されたプローブまたはプライマーが提供される。特に好ましい態様において、本発明のプローブまたはプライマーは本明細書に記載するytfMおよび/またはytfN遺伝子の単離に有用である。最も好ましくは、本発明のプローブまたはプライマーは配列番号19〜配列番号68またはそれらに対して相補的であるヌクレオチド配列から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる。
【0040】
発明の詳細な説明
本発明までに導く研究において、本発明者らはブタおよびトリを包含する動物におけるPPEの予防および治療用ワクチンにおいて使用するためのラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の免疫原性タンパク質を同定することを探求した。
【0041】
したがって、本発明の1つの観点は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN、または前記ポリペプチドの1または2以上のホモローグ、アナローグまたは誘導体から成る群から選択されるラウソニア (Lawsonia) 種から誘導されるポリペプチドのB細胞またはT細胞のエピトープを含んでなり、それを模倣するか、あるいはそれと交差反応する単離されたまたは組換え免疫原性ポリペプチドに関する。
【0042】
ラウソニア (Lawsonia) 種のエピトープは、B細胞のエピトープまたはT細胞のエピトープであることができる。抗体結合性部位 (B細胞のエピトープ) は線状ならびにコンフォメーション的エピトープを含むことは、この分野においてよく知られている (van Regenmortel, 1992)。B細胞のエピトープは主としてコンフォメーション的である。対照的に、T細胞はMHCクラスII分子と組み合わせて主として線状エピトープ配列を認識する。
【0043】
ラウソニア (Lawsonia) 種のエピトープの正確な同定および慎重な選択は、ラウソニア (Lawsonia) 感染を有効に治療または予防する診断試薬およびワクチン組成物の開発を促進する。エピトープの同定および特性決定 (すなわち、ラウソニア (Lawsonia) 種のエピトープの分子量、アミノ酸配列、および構造の決定) は、この分野において認識された技術に従い実施することができる。コンフォメーション的エピトープについて、エピトープ分子の減成および変性を回避して三次元構造を保存しなくてはならない。なぜなら、エピトープの二次構造が有意に変更される場合、抗原−抗体反応は減少するからである。実際には、任意の免疫反応性領域は、ある範囲の条件下に精製することができる単一ポリペプチドまたはペプチドフラグメント内に含有されるので、線状非コンフォメーション的エピトープの特性決定および単離はいっそう容易である。
【0044】
ラウソニア (Lawsonia) 種、特にラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 、またはそれらに由来する単離されたポリペプチドに対して免疫化されたまたはそれらに感染した動物の血清からの検出可能な量の抗体 (例えば、IgMまたはIgG) に結合する能力により、あるいは、選択的に、このような血清に由来する精製したIg画分中の検出可能な量の抗体に結合する能力により、非コンフォメーション的およびコンフォメーション的エピトープを同定することができる。抗体はポリクローナル血清のプールに由来し、またはそれらのプール内に含有されるか、あるいはモノクローナル抗体であることができる。また、抗体フラグメントまたは組換え抗体、例えば、バクテリオファージまたはウイルス粒子上で発現される抗体、例えば、ファージディスプレイライブラリーにおける抗体を使用することができる。
【0045】
末梢血リンパ球またはT細胞クローンの増殖を誘導するエピトープペプチドの能力を分析することによって、T細胞のエピトープの決定を実施する。T細胞のエピトープの同定は、この分野において知られている種々の方法、例えば、全体のおよびフラグメント化天然または組換え抗原性タンパク質の使用、ならびにいっそう普通に使用されている「オーバーラッピングペプチド」法により達成される。後者の方法において、ラウソニア (Lawsonia) 種に由来するポリペプチドの全配列に及ぶオーバーラッピングペプチドを合成し、in vitroにおいてT細胞細胞障害性または増殖性応答を刺激する能力について試験する。
【0046】
コンフォメーション的非線状および非コンフォメーション的線状エピトープの両方の構造決定は、核磁気共鳴分光学 (NMR) およびX線結晶学的解析により実施することができる。X線技術を使用してエピトープの決定はタンパク質−抗体複合体を結晶化することを必要するが、NMRは液体状態の複合体の分析を可能とする。NMRはアミノ酸の量ならびに異なるアミノ酸残基のプロトンの近傍を測定し、ここで炭素主鎖に沿った2つのプロトンの交互する作用は特定のエピトープの特徴を示す。
【0047】
非コンフォメーション的線状エピトープを認識する有望な方法はイムノブロット、特にウェスタンブロットである。部位特異的プロテアーゼ、例えば、トリプシンまたはキモトリプシンで消化することによって、完全なラウソニア (Lawsonia) 種のポリペプチドからペプチドを発生させることができ、これにより発生したペプチドを標準的電気泳動またはクロマトグラフィー手法により分離することができる。例えば、電気泳動後、SDS/PAGE (SDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動) を使用する分子量に従いおよび/またはIEF (等電点電気泳動) を使用する等電点に従いあるいは選択的に、二次元電気泳動により、ペプチドを固定化ナイロンまたはニトロセルロース膜に移し、完全なポリペプチドに対して発生させた血清とインキュベートすることができる。免疫原性領域 (すなわち、B細胞またはT細胞のエピトープ) を含んでなるペプチドを血清中の抗体と結合させ、放射性または酵素標識化された二次抗体、例えば、抗IgG抗体を使用して、結合した抗体を検出することができる。次いで、エピトープをそれらのサイズ、電荷または完全なペプチドに対する抗体に特異的に結合する能力に基づく精製により、1または2以上の技術、例えば、なかでもサイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーまたはELISAに従い特性決定することができる。エピトープの精製後、ただ1つのバンドまたはスポットをゲル電気泳動により検出することができるであろう。ポリペプチドまたはペプチドフラグメントのN末端または全体の配列決定は、データベース中の既知のタンパク質とアミノ酸配列を比較する可能性を提供する。
【0048】
現在、タンパク質中のT細胞のエピトープを検索するために、いくつかのコンピューター駆動アルゴリズムが案出されてきている (Margalit他、1987;VajdaおよびC. DeLis、1990;Altuvia他、1994;Parker他、1994;DeGroot他、1995;Gabriel他、1995;Meister他、1995)。これらのアルゴリズムは所定のタンパク質のアミノ酸配列を、細胞のin vitro免疫応答を誘導する領域に位置する、免疫原性ペプチドに共通であると考えられる特性について検索する。コンピューター駆動アルゴリズムは、エピトープを含有し、異なる単離物の間で変動性が低い、ラウソニア (Lawsonia) 種のポリペプチドの領域を同定することができる。あるいは、コンピューター駆動アルゴリズムは、多価ワクチンの中に含められるべき、各単離物のいっそう変動性のタンパク質の領域を急速に同定することができる。
【0049】
AMPHIアルゴリズム (Margalit他、1987) は、T細胞のエピトープの周期性に基づき、配列の情報単独からT細胞抗原性部位を予測するために広く使用されてきている。本質的に、AMPHIにはMHC結合性部位の共通の構造的パターンが記載されている。なぜなら、MHC結合性部位 (すなわち、特異的MHC分子に結合するペプチドの大部分に共通であるように思われるアミノ酸のパターン) はα−ヘリックスと同一の周期性を示すのように思われるからである。アミノ酸配列中のMHC結合モチーフを捜し出すことによってT細胞のエピトープを同定する方法は、診断アッセイにおいて免疫原性エピトープを同定する有効な手段を提供する。
【0050】
EpiMerアルゴリズム (Meister他、1995;Gabriel他、1995;DeGroot他、1995) は、MHC結合モチーフが密な領域と、種々のMHC分子に結合し (プロミスカスまたは多決定因子の結合因子)、その上これらの種々のMHC関係において免疫応答を刺激する (プロミスカスまたは多決定因子のエピトープ) ことができるペプチドとの間の相関に基づいて、タンパク質のアミノ酸配列中のクラスター化MHC結合モチーフを捜し出す。EpiMerアルゴリズムは、多数のクラスIおよびクラスII HLA対立遺伝子のMHC結合モチーフのライブラリーを使用して、種々の遺伝的バックグラウンドを有する被検体において免疫応答を誘導する可能性を有するタンパク質内の抗原性部位を予測する。EpiMerは、所定のタンパク質抗原の主要な配列内の各MHC結合モチーフに対する合致を捜し出す。これらのモチーフの合致の相対密度を抗原の長さに沿って決定し、モチーフ−密度のヒストグラムを製作する。最後に、このアルゴリズムはアルゴリズム規定カットオフ密度値より高いモチーフ合致密度を有するヒストグラム中のタンパク質領域を同定し、そしてこれらのクラスター化、またはモチーフに富んだ領域を表すサブ配列のリストを生成する。EpiMerにより選択された領域は、MHC結合モチーフの合致が集中するために、同一抗原からランダムに選択したペプチドよりも多決定因子の結合性ペプチドとして作用する傾向がいっそう強いことがある。MHC結合モチーフである領域の選択は、予測したポリペプチドまたはペプチドフラグメントが「有効な」モチーフを含有する可能性を増加させ、さらに、同一モチーフの繰返しが結合に寄与する可能性を増加させる。
【0051】
追加のMHC結合モチーフに基づくアルゴリズムは、Parker他 (1994) およびAltuvia他 (1994) により記載された。これらのアルゴリズムにおいて、所定のMHC分子に対する結合は、実験的に規定されたパラメーターに基づいて、各位置における残基の直線関数により予測され、Altuvia他 (1994) アルゴリズムの場合において、既知の結晶学的構造もまた考慮することができる。
【0052】
組換え方法は、診断試薬およびエピトープ特異的ワクチン処方物を製造するために高い純度の十分に特性決定されたエピトープを得る機会を提供する (Mohapatra他、1995)。線状エピトープのアミノ酸配列およびそれをコードする対応するヌクレオチド配列の同定に基づいて、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) を実施してcDNAからエピトープコード領域を増幅することができる。適当なベクター/宿主系においてクローニングし、発現させた後、高い純度のエピトープを大量に抽出することができる。したがって、本発明は単離された非組換えポリペプチドおよび不純のまたは単離された形態の組換えポリペプチドの両方に拡張されることが明らかである。
【0053】
用語「ポリペプチド」は、本明細書において使用するとき、共有結合により結合されたアミノ酸から成るポリマーを意味し、その範囲内に本明細書に開示する全長のアミノ酸、およびそれらの一部分またはフラグメント、例えば、約5〜50アミノ酸残基長さ、好ましくは約5〜30アミノ酸残基長さ、より好ましくは約5〜20アミノ酸残基長さ、最も好ましくは約5〜10アミノ酸残基長さから成るペプチドを包含する。また、「ポリペプチド」の定義の範囲内に、なかでも診断試薬として使用するか、あるいはラウソニア (Lawsonia) 種に対するワクチンとして有効な、前記ポリペプチドの少なくとも1つの必須の性質、例えば、免疫原性を変更しない、1または2以上の好ましくは保存的アミノ酸置換、欠失、または挿入に寄与する、アミノ酸配列の変異型が包含される。したがって、ポリペプチドは天然源から単離するか、あるいは化学的に合成することができる。さらに、ポリペプチドは化学的または酵素的切断により、試薬、例えば、なかでもCNBr、トリプシン、またはキモトリプシンを使用して全長のタンパク質から誘導することができる。
【0054】
保存的なアミノ酸置換はこの分野においてよく知られている。例えば、本発明の天然絨毛フックタンパク質の1または2以上のアミノ酸残基を同様な電荷、サイズまたは極性のアミノ酸残基で保存的に置換し、本明細書に記載するワクチンにおいてまたは診断試薬として機能する能力を保持するポリペプチドを得ることができる。このような置換を行うルールはDayhof (1978) が記載するものを包含する。より詳しくは、保存的なアミノ酸置換は、それらの側鎖において関係するアミノ酸のファミリー内で一般に起こる置換である。一般に、遺伝的にコードされるアミノ酸は4つのグループに分割される: (1) 酸性=アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩; (2) 塩基性=リシン、アルギニン、およびヒスチジン; (3) 非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、およびトリプトファン;および (4) 非帯電=グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、およびチロシン。また、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンは芳香族アミノ酸として共同して分類される。任意の特定のグループ内の1または2以上の置換、例えば、ロイシンのイソロイシンまたはバリンによる置換または選択的に、アスパラギン酸塩のグルタミン酸塩による置換またはトレオニンのセリンによる置換、またはアミノ酸残基の構造的関係するアミノ酸残基による置換は、一般に、生ずるポリペプチドの機能に有意な作用を与えないであろう。
【0055】
本発明は主題の免疫原の源により限定されず、天然源または天然に存在しない源に由来する単離されたおよび組換えポリペプチドに拡張されることが明らかである。
【0056】
用語「組換えポリペプチド」は、本明細書において使用するとき、in vitroまたは宿主細胞において、前記ポリペプチドをコードする遺伝的配列の発現により産生されるポリペプチドを意味し、前記遺伝的配列は適当なプロモーターの制御下にあり、ここで前記発現を達成するために遺伝的操作が施されている。したがって、用語「組換えポリペプチド」は、原核細胞または真核細胞、組織または器官の中に導入されたウイルスベクター、コスミドまたはプラスミドの中に含有される遺伝的配列の発現により産生されるポリペプチドを包含することが明らかである。これに関して使用できる遺伝的操作はこの分野において知られており、そして下記のものを包含するが、これらに限定されない:核酸の単離、制限酵素消化、エキソヌクレアーゼ消化、大腸菌 (E. coli) ポリメラーゼIまたはT4 DNAポリメラーゼ酵素のクレノウフラグメントを使用する末端充填、T4 DNAポリメラーゼまたはExlII酵素を使用するDNA分子の平滑末端化、位置指定突然変異誘発、結合、および増幅反応。当業者に知られているように、追加の技術、例えば、核酸ハイブリダイゼーションおよびヌクレオチド配列の解析を組換えポリペプチドの製造、所望の組換えポリペプチドをコードする核酸分子および核酸分子を含んでなる遺伝的構築物天然に存在する同定の確認において利用することもできる。
【0057】
本発明のポリペプチドが組換えポリペプチドである場合、それは組換えウイルスベクター発現系または宿主細胞中で産生され、必要に応じて、単離することができる。当業者に知られているように、組換えポリペプチドを産生する細胞は、考慮するポリペプチドを発現させるために使用する遺伝的構築物、ならびに前記ポリペプチドの安定性および活性を包含する、いくつかのパラメーターに基づいて選択される。また、当業者に知られているように、組換えポリペプチドの安定性および活性は、少なくとも一部分、ポリペプチドに対する翻訳後の修飾、例えば、なかでもグリコシル化、アシル化またはアルキル化反応により決定することができ、このような修飾は組換えポリペプチドを産生するために使用する細胞系統間で変化させることができる。
【0058】
したがって、いっそう特に好ましい態様において、本発明は、ウイルス粒子の中に存在するような、または原核細胞または真核細胞、またはウイルスまたはその細胞培養物において産生されるような、組換えポリペプチドまたはそれらの誘導体、ホモローグまたはアナローグに拡張される。
【0059】
本発明は、また、ラウソニア (Lawsonia) 属、特にラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の細胞、またはその培養物に属する細菌細胞中で産生される前述の態様のいずれかによる組換えポリペプチドに拡張される。
【0060】
用語「単離されたポリペプチド」は、その天然源から、または天然に存在しないポリペプチドの場合において、それが産生された培地または細胞環境から、ある程度まで、好ましくは少なくとも約20重量%のタンパク質まで、好ましくは少なくとも約50重量%のタンパク質まで、より好ましくは少なくとも約60重量%のタンパク質まで、なおより好ましくは少なくとも約70重量%のタンパク質まで、最も好ましくは少なくとも約80重量%のタンパク質までまたはそれより高く、精製された本発明のポリペプチドを意味する。このような単離は、本発明のポリペプチドの免疫原性を改良するために、またはそのポリペプチドに対する免疫応答の特異性を改良するために、またはそれから毒性または望ましくない汚染物質を除去するために実施することができる。単離されたポリペプチドの必要なまたは要求される純度はポリペプチドが意図する目的に依存して変化し、そして多数の用途のために、ポリペプチド調製物は、宿主動物、特にPPEに対して免疫化されるか、あるいは選択的に、PPEまたはその原因因子を診断するイムノアッセイにおいて免疫特異的結合を阻害するブタまたはトリ動物に投与したとき、ポリペプチドの免疫原性を減少させる汚染物質を含有しないことが十分である。
【0061】
本発明の単離されたポリペプチドの純度は、当業者に知られている任意の手段、例えば、SDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動、二次元電気泳動、またはアミノ酸組成またはアミノ酸配列解析により評価したタンパク質調製物の均質度により決定することができる。
【0062】
好ましくは、本発明のポリペプチドは、SDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動、二次元電気泳動、またはアミノ酸組成解析またはアミノ酸配列解析により評価したとき、実質的に均一であるか、あるいは非特異的タンパク質を実質的に含まないであろう。
【0063】
本発明のポリペプチドは、この分野において知られている方法、例えば、なかでも逆相クロマトグラフィー、HPLC、イオン交換クロマトグラフィー、およびアフィニティークロマトグラフィーの1つまたは組み合わせにより、ワクチン組成物の1成分ような使用するために精製することができる。
【0064】
好ましい態様において、本発明の単離されたまたは組換えポリペプチドの機能は、細胞のペリプラスミック空間の中に、好ましくは原核細胞、例えば、大腸菌 (Escherichia coli) またはラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の周辺質の中に分泌可能であるか、あるいは選択的に、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNから成る群から選択されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドと免疫学的に交差反応性である。
【0065】
特に好ましい態様において、本発明の単離されたまたは組換えポリペプチドはラウソニア (Lawsonia) 種またはPPEの開始および/または発生に関連する他の病原性因子に由来し、より好ましくは、主題のポリペプチドはラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) に由来する。
【0066】
flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチド、または前記ポリペプチドの1または2以上のホモローグ、アナローグまたは誘導体のB細胞またはT細胞のエピトープは、下記の1または2以上のを含んでなることができる:
(i)    この分野において受け入れられている方法により連続的非コンフォメーション的エピトープを含むことが決定された、前記ポリペプチドの任意の1つの一次アミノ酸配列;
(ii)   この分野において受け入れられている方法により連続的コンフォメーション的エピトープを含むことが決定された、前記ポリペプチドの任意の1つが採用する二次構造;
(iii)   この分野において受け入れられている方法により不連続的非コンフォメーション的エピトープを含むことが決定された、同一ポリペプチド分子の他の領域と接触する前記ポリペプチドの任意の1つが採用する三次構造;
(iv)   この分野において受け入れられている方法により不連続的非コンフォメーション的エピトープを含むことが決定された、他のポリペプチド分子のある領域と接触する前記ポリペプチドの任意の1つが採用する四次構造。
【0067】
したがって、同一の、または実質的に同一の一次アミノ酸配列を含んでなる免疫原性ポリペプチドまたはそれらの誘導体、ホモローグまたはアナローグは、以後において「B細胞またはT細胞のエピトープを含んでなる免疫原」または同様な用語として定義される。
【0068】
異なる一次アミノ酸配列を含んでなる免疫原性ポリペプチドまたはそれらの誘導体、ホモローグまたはアナローグは免疫学的に同一の免疫原を含んでなることができる。なぜなら、それらは宿主種の免疫系により同一であると認識されたコンフォメーション的B細胞またはT細胞のエピトープを有するからである。このような免疫原性ポリペプチドまたはそれらの誘導体、ホモローグまたはアナローグは、以後において「B細胞またはT細胞のエピトープを模倣するか、あるいはそれと交差反応性である免疫原」または同様な用語として定義される。
【0069】
したがって、本発明は、前述の態様の任意の1つに従う単離されたまたは組換えポリペプチドまたはそれらの誘導体、ホモローグまたはアナローグのB細胞またはT細胞のエピトープを模倣するか、あるいはそれと交差反応性である免疫原に拡張される。特に好ましい態様において、本発明は、その天然の形態でラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) を包含するが、これらに限定されないラウソニア (Lawsonia) 種から得ることができる、単離されたまたは組換えポリペプチドのB細胞またはT細胞のエピトープを模倣するか、あるいはそれと交差反応性である免疫原を提供し、前記ポリペプチドは好ましくは上において定義したflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNから成る群から選択されるポリペプチドと同一の生物学的機能を有する。
【0070】
好ましくは、このような免疫原性ポリペプチドは、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) および動物、特にブタまたはトリ動物の消化管または他の器官の中に通常存在する他の非病原性微生物の間において高度に保存される、一次アミノ酸配列を含まないであろう。特異性が性能 (例えば、ワクチンおよび診断の用途) に対して必須である、本発明の態様に対するこの排除の意味は当業者にとって明らかであろう。
【0071】
本発明の対象のポリペプチドの免疫原性を改良するために、もとのタンパク質配列に対応しない1または2以上のアミノ酸をポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシ末端に付加することができる。このような余分のアミノ酸は、ポリペプチドまたは他のペプチドまたはポリペプチドを大きい担体または固体支持体にカップリングするために有用である。これらの目的に有用であるアミノ酸は、チロシン、リシン、グルタミン酸、システインおよびそれらの誘導体を包含するが、これらに限定されない。追加のタンパク質修飾技術、例えば、NH−アセチル化またはCOOH−末端のアミド化を使用して、ポリペプチドを他のポリペプチドまたはペプチドに、または固体支持体にカップリングする追加の手段を提供することができる。ポリペプチドを互いに対して、または担体タンパク質または固体支持体にカップリングする手法はこの分野においてよく知られている。前述の余分のアミノ酸残基をカルボキシル末端またはアミノ末端に含有し、担体または固体支持体にカップリングされていないか、あるいはカップリングされているポリペプチドは、結局本発明の範囲内に入る。
【0072】
さらに、ポリペプチドはポリマーの担体または固体支持体に固定化することができる。
【0073】
本発明の別の態様において、担体分子、例えば、高度に免疫原性のタンパク質に融合した本発明の1または2以上のポリペプチドを含有する融合タンパク質を生成する分子生物学的技術を使用して、本発明のポリペプチドの免疫原性を改良することができる。例えば、コレラトキシンの高度に免疫原性のBサブユニットに融合した本発明のポリペプチドを含有する融合タンパク質を使用して、ポリペプチドに対する免疫応答を増加させることができる。本発明は、また、本発明の対象のポリペプチドに融合したサイトカイン、例えば、インターロイキンと、それをコードする遺伝子とを含んでなる融合タンパク質を包含する。
【0074】
好ましくは、本発明のポリペプチド、またはその誘導体、ホモローグまたはアナローグは、哺乳動物に投与したとき、前記哺乳動物において免疫応答を誘導する。より好ましくは、本発明のポリペプチドは、哺乳動物、特にブタ動物 (例えば、ブタ) に投与したとき、ラウソニア (Lawsonia) 種、好ましくはラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) に対する保護的免疫応答を哺乳動物において誘導する。本明細書において使用するとき、句「保護的免疫応答の誘導」およびその他は、ラウソニア (Lawsonia) の感染に関連する症状の開始、発生、または進行を防止し、または検出可能に低下させ、好ましくは、ブタにおけるPPEに関連する症状の開始、発生、または進行を防止し、または検出可能に低下させる。
【0075】
好ましくは、単離されたまたは組換え免疫原性ポリペプチドは、下記のポリペプチドから成る群から選択される:
(i) 配列番号   2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(iii) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;および
(v) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣する (i) 〜 (iv) の任意の1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体。
【0076】
別の好ましい態様において、単離されたまたは組換え免疫原性ポリペプチドは、下記のポリペプチドから成る群から選択される:
(i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(iii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;および
(v) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣する (i) 〜 (iv) のいずれか1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体。
【0077】
好ましくは、本発明に包含される免疫原性ポリペプチドは、上において定義したflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対して少なくとも約70%の同一性、より好ましくは少なくとも約80%の同一性、なおより好ましくは少なくとも約90%の同一性、最も好ましくは少なくとも約95%の同一性を有する。
【0078】
2つのアミノ酸配列がこれらの百分率の限界内に入るかどうかを決定するとき、配列の並列させた比較または複数のアラインメントの実施を必要とすることを当業者は知るであろう。このような比較またはアラインメントにおいて、アラインメントの実施に使用するアルゴリズムに依存して、同一でない残基の位置決定において差が発生するであろう。本発明の関係において、2またはそれ以上のアミノ酸配列間の配列同一性または類似性%に対する言及は、当業者に知られている標準的アルゴリズムを使用して決定して、前記配列間のそれぞれ同一または類似する残基の数を意味する。例えば、アミノ酸配列の同一性または類似性は、GAPプログラム(GAP programme of the Conputer Genetics Group, Inc.、University Research Park、米国ウィスコンシン州マディソン) (Devereaux他、1984)。GAPプログラムはNeedlemanおよびWunsch (1970) を使用して、同一/類似の残基の数を最大にし、アラインメント中の配列ギャップの数および/または長さを最小にする。選択的に、またはさらに、2より多いアミノ酸配列を比較する場合、Thompson他 (1994) のClustalWプログラムを使用することができる。
【0079】
好ましくは、本発明の単離されたまたは組換え免疫原性ポリペプチドは、上において定義した、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドの少なくとも約10の隣接アミノ酸を含んでなる。より好ましくは、本発明の単離されたまたは組換え免疫原性ポリペプチドは、上において定義した、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドの少なくとも約20の隣接アミノ酸残基を含んでなる。なおより好ましくは、本発明の単離されたまたは組換え免疫原性ポリペプチドは、上において定義した、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドの少なくとも約30の隣接アミノ酸残基を含んでなり、最も好ましくは、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドの少なくとも約40の隣接アミノ酸残基を含んでなる。
【0080】
さらに、本発明は、上において定義した、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドのホモローグ、アナローグおよび誘導体を包含する。
【0081】
ポリペプチドの「ホモローグ」は、本明細書に記載する全長のラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドに由来するか、あるいは全長のラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドに関して1または2以上のアミノ酸置換、欠失および/または付加にかかわらず、全長のラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドに対する配列の類似性を有するポリペプチドである。また、ホモローグは、全長のポリペプチドの生物活性または触媒活性を保持することができる。このようなホモローグにおいて、類似する性質、例えば、疎水性、親水性、疎水性モーメント、抗原性、β−シート構造のα−らせん構造を形成または破壊する性向、およびその他を有する他のアミノ酸で、1または2以上のアミノ酸を置換することができる。
【0082】
置換変異体は、配列中の少なくとも1つの残基が除去されており、そしてその位置に異なる残基が挿入されているものである。アミノ酸置換は典型的には単一残基であるが、ポリペプチドに配置された機能的拘束に依存することがある:挿入は通常約1〜10アミノ酸残基程度であり、そして欠失は約1〜20残基の範囲であろう。好ましくは、アミノ酸置換は保護的アミノ酸置換、例えば、前述の置換を含むであろう。
【0083】
挿入のアミノ酸配列の変異体は、1または2以上のアミノ酸残基がタンパク質中の前もって決定した部位の中に導入されているものである。挿入はアミノ末端および/またはカルボキシル末端の融合ならびに単一または複数のアミノ酸の配列内挿入を含むことができる。一般に、アミノ酸配列内の挿入はアミノまたはカルボキシル末端の融合よりも小さく、約1〜4残基程度であろう。
【0084】
欠失変異型は、配列からの1または2以上のアミノ酸の除去により特徴づけられる。
【0085】
本発明のポリペプチドのアミノ酸変異体は、この分野においてよく知られているポリペプチド合成技術、例えば、固相合成およびその他を使用して、または組換えDNA操作により容易に作ることができる。置換、挿入または欠失の変異型として発現する変異型タンパク質を製造するDNA配列の操作はこの分野においてよく知られている。例えば、既知の配列を有するDNA中の前もって決定した部位において置換突然変異体を作る技術、例えば、M13突然変異誘発または他の位置指定突然変異誘発プロトコルは当業者によく知られている。
【0086】
「アナローグ」は、本明細書に記載する全長のラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドに由来するか、あるいは天然に存在する全長のラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドに関して1または2以上の1または2以上の天然に存在しないまたは修飾されたアミノ酸残基にかかわらず、完全なラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドに類似する配列を有する免疫原性ポリペプチドである。また、「アナローグ」は、本明細書に記載する全長のラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドのアミノ酸配列に類似しないが、ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣し、またはそれと交差反応する、好ましくは、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) を模倣し、またはそれと交差反応するアミノ酸配列、例えば、全長のポリペプチドまたはそのエピトープの二次、三次または四次構造を示すコンピューター予測または実験データから誘導されるポリペプチドを包含する。
【0087】
例えば、ミモトープ (本発明のラウソニア (Lawsonia) のポリペプチドのB細胞またはT細胞のエピトープと交差反応するが、前記エピトープと異なるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドアナローグ) は、所望のT細胞またはB細胞のエピトープに結合する抗体でポリペプチドライブラリー中のランダムアミノ酸配列をスクリーニングすることによって同定することができる。前述したようにB細胞またはT細胞のエピトープを同定する技術を使用するとき、このようなミモトープの同定に使用する抗体は、粗製または精製された形態の、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体であることができる。次いで、T細胞のエピトープのミモトープをさらにin vitroにおいてT細胞の細胞障害性または増殖性応答を刺激する能力についてアッセイすることができる。コンフォメーション的エピトープは一般にポリペプチド中の非隣接範囲から形成されるので、ミモトープは本発明のポリペプチドの非線状 (すなわち、コンフォメーション的) エピトープのアナローグとして特に有用であり、そしてミモトープはその免疫原性同等物を単一ポリペプチド分子の形態で提供する。
【0088】
さらに、ポリペプチドのアナローグを使用すると、免疫原性および/または抗原活性が増加し、酵素的消化に対する感受性が低く、いっそう選択的であるポリペプチドを生成することができる。適当なプロリンアナローグは、天然ポリペプチドの免疫原活性を20倍より高く増加させることが示された、2−アミノシクロペンタンカルボン酸 (βACc) である (Mierke他、1990;Portoghese他、1990;Goodman他、1987)。
【0089】
上において定義した、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドの「誘導体」は、前記flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドの任意の1または2以上の少なくとも約5つの隣接アミノ酸残基を含んでなるペプチドまたはポリペプチドである。
【0090】
さらに、「誘導体」は、上において定義した、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドのアミノ酸配列に比較して、追加の天然に存在する、変更された、グリコシル化された、アシル化された、または天然に存在しないアミノ酸残基を含んでなることができる。選択的にまたはさらに、誘導体は1または2以上の非アミノ酸置換、例えば、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドのアミノ酸配列に共有結合または非共有結合したリポーター分子または他のリガンド、例えば、その検出を促進するために、それに結合したリポーター分子を含んでなることができる。
【0091】
本発明のポリペプチド免疫原の組換えまたは合成突然変異体および誘導体の他の例は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列中の単一または複数の置換を組込んだものを包含する。また、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列から欠失を作ることによって製造された組換えまたは合成の突然変異体は本発明の範囲内に含まれる。さらに、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドに対する付加により、例えば、炭水化物、脂質および/またはタンパク質またはポリペプチドを使用して、製造された組換えまたは合成の突然変異体は本発明の範囲内に包含される。
【0092】
flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、またはytfNポリペプチドの天然に存在するまたは変更された、グリコシル化またはアシル化された形態は特に本発明において意図される。
【0093】
さらに、参照ポリペプチドの1または2以上のコピー、または1または2以上のそれらの誘導体、ホモローグまたはアナローグを含んでなるホモポリマーまたはヘテロポリマーは明らかに本発明の範囲内に入る。
【0094】
好ましくは、本発明のflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、またはytfNポリペプチドのホモローグ、アナローグおよび誘導体は、以後において、免疫化に応答して、宿主中でB細胞および/またはT細胞の応答を誘発する、前記ポリペプチド、またはそれらの誘導体、ホモローグまたはアナローグの能力として定義される。
【0095】
本発明のflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、またはytfNポリペプチドの好ましいホモローグ、アナローグおよび誘導体は、前記ポリペプチドの任意の1つのB細胞またはT細胞のエピトープとして機能するアミノ酸変異型を包含し、ここで前記変異型は免疫応答を仲介することができ、例えば、合成手段、例えば、Fmoc化学により製造された免疫原性ポリペプチドのミモトープである。このような変異型分子の唯一の必要条件は、それらが上において定義したflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチド、または前記ポリペプチドのエピトープと免疫学的に交差反応することである。
【0096】
当業者にとって明らかなように、本発明の分子のポリペプチドのこのようなホモローグ、アナローグおよび誘導体は、前記ポリペプチドに対する抗体と交差反応する抗体を製造するために、および/または前記ポリペプチドにより誘発される応答に対して類似する特異性の保護的免疫応答を誘発するために有用であろう。
【0097】
このような分子は、また、特質が免疫学的である診断および他の用途、例えば、1または2以上のイムノアッセイのフォーマット (例えば、ELISA、RIAおよびその他) を利用する診断において有用であろう。
【0098】
したがって、本発明の免疫原またはその誘導体、ホモローグまたはアナローグは、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) による感染に対して個体を保護するワクチン組成物において、および/またはポリクローナルまたはモノクローナル抗体の産生を誘発する抗原として、および/または感染した動物、特にブタおよびトリ動物におけるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) に対する抗体の検出において有用である。
【0099】
本発明のポリペプチドは、ペリプラスミック空間の中へのそれらの分泌を促進するリーダー配列を、天然タンパク質の一部分として、あるいは選択的に、組換え操作手段により付加された形態で、含んでなることができる。このようなポリペプチドは、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の非分泌のまたは分泌不可能なポリペプチド、またはPPEの他の原因因子の非分泌のまたは分泌不可能なポリペプチドに比較して、改良された免疫原性を有することができる。このようなペプチドの特定の利点は、ワクチン組成物の製造分野における当業者にとって直ちに明らかであり、ここで免疫原の固有の免疫原性は与えるべき保護的免疫応答について考慮すべき重要事項である。
【0100】
その上、本明細書において例示するラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドのユニーク領域は、ラウソニア (Lawsonia) 特異的ワクチンの処方のために有望な抗原性ペプチドであり、そして生物学的試料中のラウソニア (Lawsonia) 種の特異的検出のための有望な診断剤である。
【0101】
本発明の第2面は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) または同様なまたはそうでなければ関係する微生物による哺乳動物またはトリにおける感染の予防または治療用ワクチン組成物を提供し、前記組成物は下記の成分を含んでなる:
(i)    flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択される単離されたまたは組換えポリペプチドまたはラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 免疫学的に交差反応性である前記ポリペプチドの免疫原性ホモローグ、アナローグまたは誘導体;ならびに
(ii)   獣医学または薬学的使用に適当な1または2以上の担体、希釈剤および/またはアジュバント。
【0102】
本明細書において使用するとき、用語「免疫原性成分」は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) または関係する微生物から、またはそれに由来するDNAによりコードされるポリペプチドを意味し、前記ポリペプチドは、それが単離されたまたは組換え形態か否かにかかわらず、動物、特にブタまたはトリ動物における保護的免疫応答を誘導することができる。したがって、ワクチン組成物は、前記ポリペプチドを含んでなるか、あるいはそれを発現するラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) または関係する微生物の弱毒化した、殺した、または非病原性単離物または形態を含んでなるワクチン組成物を包含する。
【0103】
「保護的免疫応答」とは、コントロールの感染動物と比較して、動物宿主におけるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物による感染に関連して、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物による感染を防止するために十分であり、そして/あるいは1もしくは2以上の症候もしくは症状を検出可能に減少するか、または1もしくは2以上の症候もしくは症状の開始を検出可能に遅延するために十分である体液および/または細胞レベルでワクチン組成物を投与した動物において、免疫原性成分が免疫応答を誘発することを意味する。ワクチン組成物の中に存在する前記免疫原性成分の用語「有効量」は、単一の完全な投与量を投与した後、またはいくつかの分割した投与量を投与した後、保護的免疫応答を誘導することができる前記免疫原性成分の量を意味する。
【0104】
好ましくは、対象のワクチン組成物のポリペプチド成分は、PPEの原因因子、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) との免疫学的交差反応性により、免疫原性および特異性の両方であるアミノ酸配列を含んでなる。これに関して、前述の説明から明らかなように、このようなポリペプチド成分は本明細書において例示したラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドのアミノ酸配列、または選択的に、前記アミノ酸配列の免疫学的に交差反応性のホモローグ、アナローグまたは誘導体、例えば、前記配列のミモトープを含んでなることができる。
【0105】
免疫原性ポリペプチドまたは免疫原性ホモローグ、アナローグまたは誘導体は、前述のまたは本明細書において例示する態様のいずれかに従う、単離されたまたは組換えの形態の天然に存在するポリペプチドであることができる。好ましくは、免疫原性ポリペプチドまたは免疫原性ホモローグ、アナローグまたは誘導体は、ラウソニア (Lawsonia) 種、特にラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物に由来する。
【0106】
好ましくは、免疫原性成分は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物を含んでなる細胞培養物から、またはラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) または関係する微生物の溶解調製物から、または免疫原性成分が組換え的に発現される他の培養物から、少なくとも1回精製されているか、あるいは少なくとも部分的に濃縮されている。要求される免疫原性を有する、このような成分の純度は、特定の調製物において、好ましくは少なくとも約20重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%、なおより好ましくは少なくとも約60重量%、さらにより好ましくは少なくとも約70重量%、最も好ましくは少なくとも約80重量%またはそれより高いタンパク質である。
【0107】
本発明のワクチンの免疫原性成分は、単一のポリペプチド、あるいは異なるまたは同様なエピトープをカバーする異なるポリペプチドのある範囲または組み合わせを含んでなることができる。さらに、または選択的に、単一のポリペプチドは複数のエピトープを有するものとして提供することができる。後者のタイプのワクチンは、ポリペプチド分子内に位置する2またはそれ以上のエピトープを含む。
【0108】
ワクチンの処方は一般にこの分野において知られており、そして下記の文献を参照することができる:Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、米国ペンシルベニア州イーストン。
【0109】
ワクチンの特に有用な形態は、例えば、ワクチンベクター中で産生された、組換えワクチンである。このようなワクチンベクターは下記のものを包含するが、これらに限定されない:ワクシニアウイルスベクターでトランスフェクションされた哺乳動物細胞、バキュロウイルスベクターでトランスフェクションされた昆虫細胞、またはプラスミドまたはコスミドでトランスフェクションされた細菌細胞、唯一の必要条件はベクターが免疫原性成分を発現することである。
【0110】
本発明は、組換えワクチン組成物に明らかに拡張され、ここで組換えワクチン組成物において、少なくとも免疫原性成分は、例えば、熱、ホルマリンまたは他の化学的処理、電気ショック、または高圧または低圧により調製された、殺菌ワクチンベクター内に含有されている。この態様によれば、ワクチンの免疫原性成分は一般に生ワクチンベクター中で合成され、このベクターは動物へ投与する前に殺される。
【0111】
さらに、免疫原性成分を発現するワクチンベクターは非病原性であるか、あるいは弱毒化されている。この態様において、細胞はワクチンの免疫原性成分をコードする非病原性または弱毒化ウイルスでトランスフェクションされており、そして非病原性または弱毒化細胞は免疫原性成分を直接発現する。
【0112】
弱毒化または非病原性宿主細胞は、対象のワクチンを投与する動物に対して有害ではない細胞を包含する。当業者に知られているように、「生ワクチン」は免疫原性成分をコードする弱毒化ウイルスベクターまたはそれを含む宿主細胞を含んでなることができ、生ワクチンはそれを投与した動物中で複製することができ、そして宿主細胞機構を使用して、その中で悪い副作用を生成しないで、免疫原性成分を発現する。このようなワクチンベクターはワクチン接種した動物の消化管または他の器官でコロニー化することができる。このような生ワクチンは、前記免疫原性成分の免疫原性同等物を発現する病原性に対する保護的免疫原性を与えるために十分な時間の間およびレベルで、免疫原性成分を宿主動物中で連続的に発現する能力を有するために、有効である。本発明は、このような弱毒化または非病原性ベクターおよび生ワクチン製剤の使用を明らかに包含する。
【0113】
ワクチンベクターはウイルス、細菌細胞または真核細胞、例えば、昆虫、トリ、ブタまたは他の哺乳動物の細胞または酵母細胞または細胞系統、例えば、COS、VERO、HeLa、マウスC127、チャイニーズハムスター卵巣 (CHO) 、WI−38、ベイビーハムスター腎 (BHK) またはMDCK細胞系統であることができる。適当な原核細胞は、なかでもマイコバクテリウム (Mycobacterium) 種、コリネバクテリウム (Corynebacterium) 種、サルモネラ (Salmonella) 種、大腸菌 (Escherichia coli)、バシラス (Bacillus) 種およびシュードモナス (Pseudomonas) 種を包含する。本発明の目的に適当な細菌株は関係する分野においてよく知られている (Ausubel他、1987;Sambrook他、1989)。
【0114】
このような細胞および細胞系統は、動物において保護的免疫応答を誘導するために有効な方法で、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) から本発明のポリペプチド、またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体をコードする遺伝子配列を発現することができる。例えば、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチド、またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体をコードするヌクレオチド配列を含んでなる発現ベクターを含有する、非病原性細菌を調製することができ、ここで前記ヌクレオチド配列は構成的または誘導可能なプロモーター配列の制御下に操作可能に配置される。次いで細菌はブタの消化管中の適当な位置でコロニー化することができ、ここで細菌は複製し、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) に対する保護的免疫応答を誘導するために十分な量で前記ポリペプチドを発現する。
【0115】
さらに別の態様において、ワクチンはflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチド、またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体をコードするDNAまたはRNA分子を含んでなるDNAまたはRNAワクチンであることができ、ここで保護的免疫応答を誘導するために、前記DNA又はRNAの一過性発現を可能にして有効量の前記ポリペプチドを産生するために十分な条件下で、前記ワクチンをブタの筋肉組織または他の適当な組織の中に注射する。好ましい態様において、DNAワクチンはプラスミドの形態であり、ここで免疫化された動物の細胞中で免疫原をコードするヌクレオチド配列を発現することができるプロモーター領域とDNAは操作可能に連結されている。
【0116】
したがって、本明細書に記載するDNAワクチンを除外した、組換えワクチンの製造において、適当なベクター系において免疫原性成分を発現することが必要である。本発明の目的に対して、免疫原性成分は、下記の工程により発現させることができる:
(i)    単離された核酸分子を発現可能な形態で配置し、前記核酸分子はflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子、またはそのタンパク質をコードするホモローグ、アナローグまたは誘導体のコード領域を含んでなり;
(ii)    (i) の単離された核酸分子を発現可能なフォーマットで適当なワクチンベクターの中に導入し;そして
(iii)   前記核酸分子によりコードされる免疫原性成分の発現が起こるために十分な時間の間および条件下で、ワクチンベクターをインキュベートしまたは増殖させる。
前述の説明から明らかなように、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、またはytfN遺伝子のタンパク質−エンコーディング領域は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列、または選択的にまたはさらに、AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択される寄託されたプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んでなる。
【0117】
flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子のタンパク質をコードする領域の好ましいホモローグは、下記のヌクレオチド配列から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる:
(i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列またはその縮重変異型に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのタンパク質をコードする配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
(iii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択される配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
(iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされるタンパク質をコードする配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるタンパク質をコードするヌクレオチド配列;および
(v) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列の補体に対して少なくとも低いストリンジェンシイ条件下にハイブリダイゼーションするタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
(vi) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAの非翻訳鎖に対して少なくとも低ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションするタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
【0118】
本発明は、 ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣するポリペプチドをコードする (i) 〜 (vi) の任意の1つのアナローグまたは誘導体に明らかに拡張される。
【0119】
本発明の目的に対して、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子のタンパク質をコードする領域の好ましいホモローグは、前記遺伝子のコード領域に対して少なくとも約80%のヌクレオチド配列の同一性、なおより好ましくは少なくとも約90%の同一性、最も好ましくは少なくとも約95%の同一性を有するであろう。
【0120】
2つのヌクレオチド配列がこれらは百分率の限界内に入るか否かを決定するとき、配列の並列させた比較または複数のアラインメントの実施を必要とすることを当業者は気づくであろう。このような比較またはアラインメントにおいて、アラインメントの実施に使用するアルゴリズムに依存して、同一でない残基の位置決定において差が発生するであろう。本発明の関係において、2またはそれ以上のヌクレオチド配列間の配列同一性%に対する言及は、当業者に知られている標準的アルゴリズムを使用して決定して、前記配列間の同一の残基の数を意味する。例えば、BESTFITプログラムまたは他の適当なプログラム (the Conputer Genetics Group, Inc.、University Research Park、米国ウィスコンシン州マディソン) (Devereaux他、1984) を使用して、ヌクレオチド配列を整列させ、それらの同一性を計算することができる。
【0121】
好ましくは、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子のタンパク質をコードする領域のホモローグは、前記遺伝子の非翻訳鎖に対して少なくとも中程度にストリンジェントな条件下で、なおより好ましくは前記遺伝子の非翻訳鎖に対して高いストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションする。
【0122】
ストリンジェントのレベルを規定する目的で、低いストリンジェントは6×SSC緩衝液、0.1% (w/v) SDS中で28 ℃において実施するハイブリダイゼーションおよび/または洗浄として本発明において定義される。中程度のストリンジェントは2×SSC緩衝液、0.1% (w/v) SDS中で45 ℃〜65 ℃の範囲の温度において実施するハイブリダイゼーションおよび/または洗浄として本発明において定義される。高いストリンジェントは0.1×SSC緩衝液、0.1% (w/v) SDS中で、またはこれより低い濃度で少なくとも65 ℃の温度において実施するハイブリダイゼーションおよび/または洗浄として本発明において定義される。ストリンジェントの特定のレベルに関する本明細書における言及は、当業者に知られているSSC以外の洗浄/ハイブリダイゼーション溶液を使用する同等の条件を包含する。
【0123】
一般に、ストリンジェントは洗浄および/またはハイブリダイゼーションのSSC緩衝液の濃度を減少させ、および/またはSDSの濃度を増加させおよび/または温度を増加させることによって増加される。当業者は理解するように、ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄の条件は、ハイブリダイゼーション膜の特質または使用するハイブリダイゼーションプローブのタイプに依存して変化することがある。ハイブリダイゼーションおよび条件は、当業者によく理解されている。核酸分子間のハイブリダイゼーションに影響を与えるパラメーターについては、Ausubel他 (1987) のp. 2.10.8〜2.10.16 (これらは引用することによって本明細書の一部とされる) を参照のこと。
【0124】
本明細書において使用するとき、「発現可能な形態の核酸分子」は、ワクチンベクター系における発現を調節することができるプロモーターまたは他の調節配列と操作可能に連結して配置された核酸分子のタンパク質をコードする領域である。
【0125】
「プロモーター」に対する本明細書における言及は、その最も広い関係において解釈され、古典的ゲノム遺伝子の転写調節配列を包含し、正確な転写開始に要求されるTATAボックスを含み、CCAATボックスおよび、発生および/または外部の刺激に応答して、または組織特異的方法で、遺伝子の発現を変更する他の調節因子(すなわち、上流の活性化配列、エンハンサー及びサイレンサー)を含むか、あるいは含まない。また、本発明の関係において、用語「プロモーター」は、それが操作可能に連結し、免疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子の発現を与え、活性化し、または増強する組換え、合成または融合分子を記載するために使用される。好ましいプロモーターは、1または2以上の特異的調節因子の追加のコピーを含有して、前記核酸分子の発現をさらに増強しおよび/または空間的発現および/または一時的発現を変更することができる。
【0126】
プロモーター配列の調節制御下に、すなわち、「と操作可能に連結して」核酸分子を配置するとは、発現がプロモーター配列によりコントロールされるように前記分子を位置決定するを意味する。プロモーターは一般にそれらがコントロールする遺伝子に対して5’ (上流) に位置決定されるが、必ずしもこのように位置決定されることは必要ではない。異種プロモーター/構造遺伝子の組み合わせの構築において、プロモーターを遺伝子転写開始部位からある距離に位置決定することが一般に好ましい。この距離は、プロモーターと、その自然の設定においてそれがコントロールする遺伝子、すなわち、プロモーターが由来する遺伝子との間の距離とほぼ同一である。さらに、プロモーターを含んでなる調節因子は遺伝子転写開始部位から通常2 kb以内に位置決定される。この分野において知られているように、この距離の多少の変動はプロモーター機能を喪失しないで収容可能である。同様に、その制御下に配置すべき異種遺伝子に関する調節配列因子の好ましい位置決定は、その自然の設定における因子の位置決定、すなわち、それが由来する遺伝子により規定される。再び、この分野において知られているように、この距離の多少の変動がまた起こることがある。
【0127】
細菌、例えば、大腸菌 (E. coli) 中で完全なポリペプチドを生産する先要条件は、有効なリボソーム結合部位を有する強いプロモーターを使用することである。細菌細胞、例えば、大腸菌 (E. coli) 中で発現に適当な典型的なプロモーターは、laczプロモーター、温度感受性λまたはλプロモーター、T7プロモーターまたはIPTG誘導可能なtacプロモーターを包含するが、これらに限定されない。大腸菌 (E. coli) 中で本発明の核酸分子を発現する多数の他のベクター系はこの分野においてよく知られており、そして、例えば、Ausubel他 (1987) またはSambrook他 (1989) に記載されている。細菌中の発現に適当なプロモーター配列を有する多数のプロモーターおよび効率よいリボソーム結合部位、例えば、なかでも下記のものが記載されている:pKC30 (λ:ShimatakeおよびRosenberg、1981);pKK173−3 (tac:AmannおよびBrosius、1985)、pET−3 (T7:StudierおよびMoffat、1986);アラビノース誘導可能なプロモーターを含有するベクターのpBAD/TOPOまたはpBAD/Thio−TOPO系列 (Invitrogen、カリフォルニア州カリスバッド)、これらのうちの後者は発現されたタンパク質の安定性を増強するためにチオレドキシと融合タンパク質を生成するように設計されている;発現ベクターのpFLEX系列 (Pfizer Inc.、米国コネチカット州) ;または発現ベクターのpQE系列 (Qiagen、カリフォルニア州) 。真核細胞のウイルスおよび真核細胞中の発現に適当な典型的なプロモーターは、なかでもSV40後期プロモーター、SV40初期プロモーターおよびサイトメガロウイルス (CMV) プロモーター、CMV IE (サイトメガロウイルス即時初期) プロモーターを包含する。
【0128】
ワクチン組成物の免疫原性成分を発現させるために単離された核酸分子またはそれを含んでなる遺伝的構築物を細胞の中に導入する手段は、当業者によく知られている。所定の生物のために使用する技術は既知の有望な技術に依存する。動物細胞の中に組換えDNAを導入する手段は、なかでもマイクロインジェクション、DEAE−デキストランにより仲介されるトランスフェクション、リポソームにより仲介される、例えば、リポフェクタミン (Gibco、米国マリーランド州) および/またはセルフェクチン (Gibco、米国マリーランド州) を使用するトランスフェクション、PEG仲介DNA吸収、エレクトロポレーションおよび微粒子銃、例えば、DNA被覆タングステンまたは金粒子を使用する微粒子銃 (Agracetus Inc.、米国ウィスコンシン州)。
【0129】
本発明において意図されるワクチン組成物の免疫原性成分は、例えば、特定の場合に依存する量で投与したとき、PPEの治療および/または予防において、きわめてすぐれた治療活性を示す。例えば、組換えポリペプチド分子について、約1 ml〜抗体5 mlの体積の免疫原性成分に等しい約0.5 μg〜約20 mg、好ましくは約1 μg〜約10 mg、より好ましくは約10 μg〜約5 mg、最も好ましくは約50 μg〜約1 mgを投与することができる。DNAワクチンについて、好ましい量は約1〜約5 mlの体積において約0.5 μg/ml〜約5 mg/mlである。DNAは「裸の」形態で、または細胞の吸収を促進する因子と一緒に (すなわち、リポソームまたはカチオン性脂質中で) 投与することができる。重要な特徴は、保護的免疫応答を誘導するために十分な免疫原を投与することである。上記量は記載したように、または体重のkg当たり計算して投与することができる。投与の養生法は最適な治療応答を提供するように調節することができる。例えば、いくつかに分割した投与量を投与することができるか、あるいは投与量は治療の状況の危急により示されるように比例的に減少することができる。また、ブースター投与が必要であることがある。
【0130】
さらに、本発明のワクチンは、免疫原性成分に対する免疫応答を増加させることができる1または2以上の追加の免疫調節成分、例えば、なかでもアジュバントまたはサイトカインを含んでなることができる。本発明のワクチンにおいて使用できるアジュバントの非限定的例は次の通りである:RIBIアジュバント系 (Ribi Inc.、米国モンタナ州ハミルトン)、明礬、ミネラルゲル、例えば、水酸化アルミニウムゲル、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、例えば、Blockコポリマー (CytRx、米国ジョージア州アトランタ)、QS−21 (Cambridge Biotech Inc.、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)、SAF−M (Chiron、米国カリフォルニア州エメリーヴィレ)、AMPHIGEN(商標)アジュバント、フロインド完全アジュバント、フロインド不完全アジュバント、およびサポニン、またはQuilAまたは他のサポニン画分、モノホスホリル脂質A、および脂肪−アミンアジュバント。ワクチンに添加できる他の免疫調節因子は、例えば、1または2以上のサイトカイン、例えば、インターフェロンおよび/またはインターロイキン、他の既知のサイトカインを包含する。また、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルを本発明のワクチンに添加することができる。
【0131】
ワクチン組成物は、治療する動物において免疫応答を誘発する目的で、免疫化剤の免疫原性が十分な程度に保持されるかぎり、好都合な方法、例えば、経口、静脈内 (水溶性である場合)、筋肉内、皮下、鼻内、皮内または坐剤の経路で、または移植 (例えば、持続放出技術) により投与することができる。投与経路に依存して、酵素、酸およびそれを不活性化することがある他の天然条件、例えば消化管内のものの作用から免疫原性成分を保護する物質で免疫原性成分を被覆することができる。
【0132】
また、ワクチン組成物は非経口的または腹腔内に投与することができる。また、分散液をグリセロール、液状ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物中で、または油中で調製することができる。通常の貯蔵および使用条件下に、それらの製剤は微生物の増殖を防止するために保存薬を含有することができる。選択的に、ワクチン組成物は凍結乾燥した形態で貯蔵して、使用前に適当な賦形剤または担体で再水和することができる。
【0133】
注射に適当な薬学的形態は、無菌の水溶液 (水溶性である場合) または分散液および無菌の注射可能な溶液または分散液の即時調合用の無菌の粉末を包含する。すべての場合において、持続放出技術を使用する場合のように薬学的形態が固体または半固体でないかぎり、形態は注射容易性が存在する程度に流動性でなくてはならない。いずれの場合においても、形態は製造および貯蔵条件下に安定であり、微生物の汚染作用から保護されなくてはならない。
【0134】
担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール (例えば、グリセロール、ポリエチレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール、およびその他) 、それらの適当な混合物および植物油を含有する溶媒または分散媒質であることができる。例えば、コーティング、例えば、レシチンを使用することによって、分散液の場合において要求される粒度を維持することによって、そして界面活性剤を使用することによって、適切な流動性を維持することができる。微生物作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールおよびその他により達成することができる。多くの場合において、等張化剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを添加することが好ましいであろう。注射可能な組成物の延長した吸収は、組成物において吸収遅延剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを使用することによって達成することができる。
【0135】
無菌の注射可能な溶液は、活性化合物を要求される量で適当な溶媒中に、必要に応じて、前述の種々の他の成分とともに均質混合し、次いで滅菌濾過することによって調製される。一般に、分散液は、基本的分散媒質と、前述の成分から選択される要求される他の成分とを含有する無菌の賦形剤中に、滅菌した有効成分を均質混合することによって調製される。無菌の注射可能な溶液を調製する無菌の粉末の場合において、好ましい調製法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これらは前もって滅菌濾過した溶液から有効成分 + 任意の追加の所望の成分の粉末を生ずる。
【0136】
本発明は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) と同一の血清型亜型または血清型群に属するものを包含する、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の1または2以上の単離物またはサブタイプによる感染に対する保護を提供するワクチン組成物に拡張される。また、ワクチン組成物は、ヌクレオチド、生化学的、構造的および/または免疫相互作用的レベルにおいて決定して、ラウソニア (Lawsonia) 属またはそれ関係する他の微生物の他種による感染に対する保護を与えることが好ましい;唯一の必要条件は、前記種または他の微生物が本明細書に記載するflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチド、または前記ポリペプチドの1または2以上のホモローグ、アナローグまたは誘導体に対して免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを発現することである。例えば、このような関係する微生物は、標準的ゲノムDNAハイブリダイゼーションおよび分析技術を使用して決定して、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のゲノムDNAに対して全体的に少なくとも約70%の同一性を有するゲノムDNAを含んでなることができる。
【0137】
用語「血清型群」および「血清型亜型」は、血清学的型別データ、特に凝集アッセイ、例えば、顕微鏡凝集試験 (MAT) を使用して得られたデータに基づく、微生物の分類を意味する。当業者は理解するように、血清型亜型および血清型群の抗原は細胞表面上のモザイクであり、結局、血清型亜型および/または血清型群に属する細菌間に厳格な描写は存在しないであろう。その上、異なる種に属する生物は、抗原の決定により区別不可能であるので、同一の血清型亜型または血清型群に分類することができる。本明細書において使用するとき、用語「血清型亜型」は、1または2以上の遺伝子座により産生される抗原決定基に関して抗原的に同一である、1または2以上のラウソニア (Lawsonia) 株を意味する。定量的に、血清型亜型は交差凝集吸収技術により互いに識別することができる。本明細書において使用するとき、用語「血清型群」は、そのメンバーが共有するグループの抗原と交差凝集し、他の群のメンバーと交差凝集せず、結局、血清型群のメンバーが簡単な交差凝集により互いと多少密接な抗原的関係を有する、ラウソニア (Lawsonia) 種の1グループを意味する。
【0138】
こうして、本発明は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) と同一の血清型亜型または血清型群に属する細菌に対して、動物を治療および/または予防するワクチン組成物、特にブタおよび/またはトリ種を治療および/または予防するワクチン組成物に明らかに拡張される。好ましくは、このような生物はflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドのポリペプチドホモローグ、アナローグまたは誘導体を発現するであろう。
【0139】
さらに、本発明は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の「遺伝的変異体」に対して保護を与えることができるワクチン組成物に拡張され、唯一の必要条件は、前記変異体がflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドに対して免疫学的に交差反応性であるポリペプチドを発現することである。ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の遺伝的変異体は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の突然変異、組換え、複合化または形質転換により発生させることができるか、あるいは天然に存在することがある。このような誘導体を生成する方法は当業者に知られている。
【0140】
特に好ましい態様において、本発明のワクチン組成物はブタまたはトリ動物における感染の予防および/または治療、より好ましくは、トリ動物におけるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) による感染の予防および/または治療を意図するか、あるいはそれに適する。
【0141】
したがって、本発明は、動物、特にブタまたはトリ動物におけるPPEを治療および/または予防する薬剤の製造における、前述の態様のいずれか1つに従うか、あるいは本明細書に例示する、本発明の免疫原性ポリペプチドまたはそれをコードするDNAまたはRNAの使用に明らかに拡張される。
【0142】
さらに、本発明は、動物、例えば、トリまたはブタ動物におけるPPEの治療および/または予防する方法に拡張され、前記方法は、本明細書に記載しまたは例示するように、本発明の免疫原性ポリペプチドまたはそれをコードするDNAまたはRNA分子のワクチン組成物を、それに対する免疫応答が起こるために十分な時間の間および条件下に、投与することを含む。好ましくは、ワクチン組成物を投与する場合において、免疫原に対する免疫応答は保護的免疫応答である。
【0143】
ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) および/または関係する微生物に対してブタおよびトリ動物以外の動物をワクチン接種するとき、本発明の一般的適用可能性を当業者は認識するであろう。本発明のワクチンの一般的適用可能性において、唯一の必要条件は、保護を与える動物がラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) および/またはそれに関係する微生物で感染可能であること、そしてラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) に関係する微生物の場合において、前記微生物が本明細書に記載するワクチン組成物のポリペプチド成分を模倣し、またはそれと交差反応するB細胞またはT細胞のエピトープを発現することである。本発明のワクチンによる保護することができる動物は下記のものを包含するが、これらに限定されない:ヒト、霊長類、コンパニオンアニマル (例えば、ネコ、イヌ)、家畜動物 (例えば、ブタ、ヒツジ、畜牛、ウマ、ロバ、ヤギ)、実験室の試験動物 (例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ) および捕獲野生動物 (例えば、カンガルー、キツネ、シカ)。また、本発明は、トリ、例えば、家禽のトリ、狩猟のトリおよびカゴのトリに拡張される。
【0144】
さらに、本発明は、有効量のflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチド、または本明細書に記載するまたはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体、またはそれをコードするDNAまたはRNA分子を含んでなる第1免疫原性成分と、有効量のラウソニア (Lawsonia) 種または前記動物を感染しかつ疾患を引き起こす他の病原体に対して、ブタ動物またはトリを保護することができる1または2以上の他の抗原を含んでなる第2免疫原性成分とを含んでなる、組み合わせワクチンに拡張される。第2免疫原性成分は第1免疫原性成分と異なり、好ましくはラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) FlgE、ヘモリシン、OmpH、SodC、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドおよびそのホモローグ、アナローグまたは誘導体から成る群から選択される。本発明は、前記第1免疫原性成分および前記第2免疫原性成分を発現するDNAワクチンおよびワクチンベクターに明らかに拡張される。
【0145】
本明細書に記載する免疫原性ポリペプチドの任意の1または2以上のマルチマーおよびポリマーの形態、例えば、相同的アミノ酸配列のタンデムアレイ、あるいは、選択的に、アミノ酸配列の異種免疫原反復のタンデムアレイを含んでなるワクチン組成物は本発明の範囲内に入る。さらに、本発明は、このようなポリマーの形態をコードする核酸分子に拡張される。
【0146】
また、本発明の単離されたまたは組換えポリペプチド、またはその免疫学的に同等のホモローグ、アナローグまたは誘導体は、ラウソニア (Lawsonia) 種、特にラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはその関係する生物による動物天然に存在する感染の診断において有用である、免疫学的に相互作用性の分子の製造に有用である。
【0147】
本明細書において使用するとき、用語「免疫学的に相互作用性の分子」は、抗体および抗体誘導体および機能的同等物、例えば、なかでもFab、またはSCAB (一本鎖抗体) を包含し、それらのいずれも酵素、放射性または蛍光性タグ操作可能に複合化することができる。このような免疫学的に相互作用性の分子の唯一の必要条件は、それらが本明細書に記載する本発明の免疫原性ポリペプチドに特異的に結合することができることである。
したがって、本発明の他の観点は、下記のポリペプチドから成る群から選択される疫原性ポリペプチドに結合することができ免疫学的に相互作用性の分子るに拡張される:
(i) 配列番号   2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(iii) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(v) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(vi) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(vii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(viii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;および
(ix) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣する (i) 〜 (viii) の任意の1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体。
【0148】
好ましい態様において、免疫学的に相互作用性の分子は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドの1または2以上のエピトープに特異的に結合する抗体である。より好ましくは、免疫学的に相互作用性の分子はPPEの原因因子、例えば、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の1または2以上のエピトープに特異的に結合する。
【0149】
慣用法を使用して免疫学的に相互作用性の分子を製造することができる。例えば、本発明のポリペプチド免疫原を使用することによって、ポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体を標準的方法により作ることができる。例えば、哺乳動物 (例えば、マウス、ハムスター、またはウサギ) を、哺乳動物において抗体応答を誘発する本発明のポリペプチドの免疫原性形態で免疫化することができる。ポリペプチドに免疫原性を与える技術は、担体に対する複合化、またはこの分野においてよく知られている他の技術を包含する。例えば、ポリペプチドをアジュバントの存在下に投与することができるか、あるいは、この分野において知られているように、ポリペプチドの免疫原性を増強する担体分子にカップリングさせることができる。免疫化の進行は、血漿または血清中の抗体力価の検出によりモニターすることができる。標準的ELISAまたは他のイムノアッセイを抗原として免疫原を使用して、抗体標識化を評価することができる。免疫化後、抗血清を得ることができ、例えば、ポリクローナル抗体に対応するIgG分子を抗血清から単離することができる。
【0150】
モノクローナル抗体を生成するために、抗体産生細胞 (リンパ球) を本発明のポリペプチドで免疫化した動物から収集し、標準的体細胞細胞融合手法により骨髄腫細胞と融合し、こうして、これらの細胞を永久分裂能化し、ハイブリドーマ細胞を生成する。このような技術はこの分野において周知であり、それらの例は次の通りである:KohlerおよびMilstein (1975) により最初に開発されたハイブリドーマ技術、ならびに他の技術、例えば、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術 (Kozbor他、1983)、ヒトモノクローナル抗体を生成するEBV−ハイブリドーマ技術 (Cole他、1985)、および組み合わせ抗体ライブラリーのスクリーニング (Huse他、1989)。ハイブリドーマ細胞を単離し、ポリペプチドと特異的に反応する抗体およびそれらから単離したモノクローナル抗体の産生について免疫化学的にスクリーニングすることができる。
【0151】
抗体を誘発するすべての免疫原性組成物と同様に、免疫原的に有効量の本発明のポリペプチドを実験的に決定しなくてはならない。考慮すべき因子は、ポリペプチドがアジュバントまたは担体タンパク質または他の担体と複合化されているか、あるいはそれに共有結合しているか否かにかかわらず、天然のポリペプチドの免疫原性、組成物の投与経路、すなわち、静脈内、皮下、およびその他、および投与すべき免疫化投与量を包含する。このような因子はワクチン分野において知られており、そして不適当な実験をしないでこのような決定を行うのは十分に免疫学者の技量の範囲内である。
【0152】
用語「抗体」は、本明細書において使用するとき、また、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドのB細胞またはT細胞のエピトープを模倣し、またはそれと交差反応するポリペプチドと特異的に反応性であるフラグメントを包含することを意図する。抗体は慣用技術を使用してフラグメント化し、フラグメントを全抗体について前述したのと同一の方法で実用性についてスクリーニングすることができる。例えば、抗体をペプシンで処理することによって、F(ab’)2フラグメントを発生させる。生ずるF(ab’)2フラグメントを処理してジスルフィド結合を還元して、Fab’フラグメントを生成する。
【0153】
前述の最初に列挙した抗体に対して向けらた抗イディオタイプ抗体を包含する、任意の二次抗体 (モノクローナル、ポリクローナル抗体または抗体のフラグメント) を含めることは本発明の範囲内にはいる。第1抗体および第2抗体の両方を検出アッセイにおいて使用することができるか、あるいは第1抗体を商業的に入手可能なのように思われる免疫グロブリン抗体とともに使用することができる。ここにおいて意図する抗体は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドのB細胞またはT細胞のエピトープを模倣し、またはそれと交差反応するポリペプチドの任意の領域に対して特異的な抗体を包含する。
【0154】
本明細書に記載する抗体は、例えば、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドと免疫学的に交差反応する合成ペプチドの能力または前記ポリペプチドと交差反応する抗体の産生を誘発する合成ペプチドの能力を試験することによって、前記ポリペプチドのB細胞またはT細胞のエピトープを決定するために有用である。本明細書に記載する方法を使用して、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドのB細胞またはT細胞のエピトープを模倣し、またはそれと交差反応するペプチドに対して、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体またはキメラモノクローナル抗体をさせることもできる。
【0155】
さらに詳しくは、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体またはキメラモノクローナル抗体を使用して、種々の生物学的物質中の本発明のポリペプチドおよび/またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体を検出することができる。例えば、それらをELISA、ラジオイムノアッセイ、または組織化学的試験において使用することができる。換言すると、抗体を使用して、生物学的試料中の本発明のポリペプチドおよび/またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体に対する結合について試験して、その中のラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の存在を診断することができる。
【0156】
したがって、本発明の他の観点は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物による動物の感染を診断する方法を提供する。この方法は、前記動物に由来する生物学的試料を、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチド、またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体に結合することができる免疫学的に相互作用性の分子と、抗原:抗体複合体が形成するために十分な時間の間および条件下に接触させ、次いで前記複合体の形成を検出する工程を含んでなる。
【0157】
本発明のこの態様によれば、免疫学的に相互作用性の分子は好ましくはflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチド、またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体に対して調製された抗体分子である。
試験する生物学的試料がflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチド、またはその免疫反応性のホモローグ、アナローグまたは誘導体の1または2以上のエピトープを含有する場合、それは免疫学的に相互作用性の分子に対して陽性の結合結果を与えるであろう。
【0158】
好ましくは、生物学的試料は病原体ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物のブタまたはトリ宿主に由来し、動物からの適当な組織または流体試料を包含する。
【0159】
好ましい生物学的試料は、試験するブタまたはトリ宿主動物の回腸、盲腸、小腸、大腸、全血清またはリンパ節に由来する。選択的にまたはさらに、生物学的被験試料は動物に由来する糞便または直腸塗抹標本を含んでなることができる。
【0160】
動物の消化管または他の器官の中に存在する他の微生物からラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) を区別するために、抗体はラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) のポリペプチドの高度に保存されたエピトープ、例えば、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) と、診断を探求する動物の消化管または他の器官の中に存在する微生物、例えば、大腸菌 (E. coli) との間に保存される、少なくとも5アミノ酸長さのアミノ酸配列に対して調製すべきではない。
【0161】
慣用イムノアッセイを使用して、本発明のこの態様を実施することができる。米国特許第4,016,043号、米国特許第4,424,279号および米国特許第4,016,653号を参照すると理解されるように、広い範囲のイムノアッセイ技術が利用可能である。これらは、例えば、非競合型の単一部位および2部位の両方または「サンドイッチ」アッセイ、ならびに伝統的競合結合アッセイを包含する。また、これらのアッセイは、ターゲットに対する標識化抗体の直接的結合を包含する。本発明のこの態様を実施するために、このようなアッセイを修飾または最適化することは当業者にとって容易に明らかであり、そしてすべてのこのような修飾および最適化は本発明に包含される。
【0162】
1つ別の態様において、本発明は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物による過去の感染に動物に悩まされているか、あるいはそれにより前記動物が感染しているかどうかを同定する方法を包含する。この方法は、前記動物に由来する血液または血清を本発明の免疫原性ポリペプチドと抗原:抗体複合体が形成するために十分な時間の間および条件下に接触させ、次いで前記複合体の形成を検出する工程を含んでなる。この態様は前述の態様と異なり、この病原体による過去または現在の感染の結果として存在する、動物の血液または血清中のラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物に対する、循環する抗体を検出することに基づく。しかしながら、当業者にとって明らかなように、このアッセイのフォーマットの原理は同一である。前述の本発明の他の態様と同様に、慣用アッセイを使用することができる。当業者は既知のイムノアッセイのフォーマットを容易に変化させて本発明を実施することができる。また、本発明のこの態様は、免疫学的に相互作用性の分子、例えば、なかでも部分的に精製したIgGまたはIgM画分およびバッフィコート試料を含んでなる血液および血清の誘導体を利用することができる。また、このような画分の調製は当業者に知られている。
【0163】
本発明の他の観点は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドをコードするか、あるいはそれに対して相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分を提供し、このような核酸分子は上において定義したflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される任意のおよびすべての遺伝子を包含する。
【0164】
好ましい態様において、単離された核酸分子は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはPPEの他の原因因子と免疫学的に交差反応性であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなり、ここで前記ヌクレオチド配列は下記のヌクレオチド配列を含んでなる:
(i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAに対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;および
(iii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択される配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド配列;
(iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAの少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド配列;
(v) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列またはそれに対する相補的ヌクレオチド配列に対して少なくとも低ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列;
(vi) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAに対して少なくとも低ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列;および
(vii) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣するポリペプチドをコードする (i) 〜 (vi) のいずれか1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体。
【0165】
本発明の目的に対して、ヌクレオチド配列の「ホモローグ」は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドに対して免疫学的に交差反応性であるポリペプチドをコードするが、1または2以上のヌクレオチドの置換、挿入、欠失または再配置を含む、単離された核酸分子を意味する。
【0166】
前述のヌクレオチド配列の「アナローグ」は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドに対して免疫学的に交差反応性であるポリペプチドをコードするが、通常前記単離された核酸分子の中に存在しない1または2以上の非ヌクレオチドの構成成分、例えば、なかでも炭水化物、放射性核種を包含する放射性化学物質、レポーター分子、例えば、ビオチン、DIG、アルカリ性ホスファターゼまたはセイヨウワサビペルオキシダーゼを含む、単離された核酸分子を意味する。
【0167】
前述のヌクレオチド配列の「誘導体」は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子の中に存在する15またはそれより多い隣接ヌクレオチドに対して少なくとも約60%のヌクレオチド配列の同一性を含有する任意の単離された核酸分子を意味する。
【0168】
一般に、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子を突然変異誘発させて、単一または複数のヌクレオチドの置換、欠失および/または挿入を生成することができる。ヌクレオチドの挿入誘導体は、5’および3’末端の融合ならびに単一または複数のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列の配列内挿入を包含する。挿入ヌクレオチド配列の変異型は、1または2以上のヌクレオチドまたはヌクレオチドアナローグが遺伝子のヌクレオチド配列中の前もって決定した部位の中に導入されているものであるが、ランダム挿入もまた可能であり、生ずる生成物の適当なスクリーニングを実施する。欠失ヌクレオチド配列の変異型は、 遺伝子からの1または2以上のヌクレオチドの除去により特徴づけられる。置換ヌクレオチド配列の変異型は、遺伝子配列中の少なくとも1つのヌクレオチドが除去され、異なるヌクレオチドまたはヌクレオチドアナローグがその位置に挿入されているものである。好ましい態様において、このような置換は、この分野において知られているように、遺伝暗号の縮重性に基づいて選択され、生ずる置換変異型はflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドのアミノ酸配列をコードする。
【0169】
flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子の好ましいホモローグ、アナローグおよび誘導体は、前記遺伝子に対して少なくとも約80%の同一性、なおより好ましくは少なくとも約90%の同一性、最も好ましくは少なくとも約95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる。
【0170】
2つのヌクレオチド配列がこれらは限界%内に入るか否かを決定するとき、ヌクレオチド配列の並列比較または多数のアラインメントを実施する方法の前述の説明を参照のこと。
【0171】
選択的にまたはさらに、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子の好ましいホモローグ、アナローグおよび誘導体は、少なくとも中程度にストリンジェントな条件下で前記遺伝子のヌクレオチド配列に対して、またはそれに由来する少なくとも約20の隣接ヌクレオチド長さを含んでなる核酸フラグメントに対して、なおより好ましくは、高ストリンジェントな条件下で前記遺伝子に対して、または前記核酸フラグメントに対してハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含んでなる。ストリンジェントのレベルを規定する目的で、ハイブリダイゼーションのストリンジェントについての前述の説明を参照のこと。
【0172】
より好ましい態様において、このようなヌクレオチド配列はラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはPPEの他の原因因子と免疫学的に交差反応性であるポリペプチドをコードする。
【0173】
特に好ましい態様において、本発明の単離された核酸分子は、下記のヌクレオチド配列から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなるか、あるいは前記ヌクレオチド配列から成る:
(i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列;
(ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択される寄託されたプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列;
(iii) (i) または (ii) のヌクレオチド配列と同一のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、ここで前記ポリペプチドはflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択される;および
(iv) (i) または (ii) または (iii) に対して相補的であるヌクレオチド配列。
【0174】
本発明は、例えば、組換え1価または多価の組換えワクチンにおいて使用するための、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択される組換え免疫原性ポリペプチドの調製に適当な発現可能なフォーマットの主題の核酸分子を含んでなる遺伝的構築物を明らかに包含する。
【0175】
このような場合において、核酸分子はプロモーター配列に作用可能に接続され、これによりプロモーター配列は前述したように原核細胞または真核細胞中の前記核酸分子の発現を調節することができる。
【0176】
さらに、遺伝的構築物は必要に応じてターミネーター配列を含んでなる。用語「ターミネーター」は、転写停止をシグナルする転写単位の末端におけるDNA配列を意味する。「ターミネーター」は、一般に遺伝子またはmRNAの3’−非翻訳領域内に位置し、一次mRNA転写の3’ 末端に対するポリアデニル化配列の翻訳後の付加を促進するポリアデニル化シグナルを含んでなるヌクレオチド配列である。ターミネーター配列は、細菌、真菌、ウイルス、動物および/または植物の遺伝的配列から単離することができる。動物細胞中で活性であるターミネーターは既知であり、文献に記載されている。
【0177】
好ましい態様において、遺伝的構築物は、この分野において知られているように、本発明の核酸分子を含んでなる、クローニングまたは発現ベクター、例えば、プラスミド、コスミド、またはファージ、およびそれで形質転換されたまたはトランスフェクションされた宿主細胞であることができる。非限定的態様において、ベクターはAGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミドである。
【0178】
本発明の遺伝的構築物は、本明細書に記載するワクチン組成物の免疫原性成分の製造に、またはDNAワクチンにおいて使用するために有用である。
【0179】
本明細書に記載する核酸分子を使用して、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物による動物の感染を検出する、ある範囲の遺伝的診断アッセイ、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) および核酸ハイブリダイゼーションに基づくアッセイを実施することができる。すべてのこのようなアッセイは本発明の中に包含される。
【0180】
したがって、本発明の更に他の観点は、動物被検体に由来する生物学的試料中でラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物を検出する診断を提供する。この方法は、上において定義したflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子のヌクレオチド配列、またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体に由来する1または2以上のプローブまたはプライマーを前記試料の中に存在するDNAまたはRNA分子に対してハイブリダイゼーションさせ、次いで検出手段により前記ハイブリダイゼーションを検出する工程を含んでなる。
【0181】
本明細書において使用するとき、用語「プローブ」は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子の検出において使用することができる核酸分子を意味する。プローブはDNA (一本鎖または二本鎖) またはRNA (すなわち、リボプローブ) またはそのアナローグを含んでなることができる。
【0182】
用語「プライマー」は、PCRにおいてラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物からヌクレオチド配列を増幅するためにさらに使用できる、上において定義したプローブを意味する。
【0183】
好ましいプローブおよびプライマーは、少なくとも約15ヌクレオチド長さの合成一本鎖DNAまたはRNA分子を包含する、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子のフラグメントを包含する。
【0184】
好ましくは、この態様に従うプローブおよびプライマーは、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子からの少なくとも約20隣接ヌクレオチド長さ、より好ましくは約25隣接ヌクレオチド長さ、なおより好ましくは約50隣接ヌクレオチド長さ、最も好ましくは前記遺伝子からの少なくとも約100ヌクレオチド〜少なくとも約500ヌクレオチド長さを含んでなるであろう。また、全長の遺伝子またはそれに対して相補的であるヌクレオチド配列を含んでなるプローブおよびプライマーは本発明に包含される。
【0185】
プローブまたはプライマーは、イノシン、アデニン、グアニン、チミジン、シチジンまたはウラシル残基、またはポリヌクレオチド分子の中に組込むことができるそれらの機能的アナローグまたは誘導体を含んでなることができ、ただし生ずるプローブまたはプライマーはflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子に対して少なくとも低ストリンジェントの条件下でハイブリダイゼーションすることができるか、あるいは前記遺伝子の1つ鎖に対して少なくとも約60%の同一性を有する。
【0186】
本発明のこの観点に従う生物学的試料は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに由来する核酸を含有するか、あるいは含有すると推定される、任意の器官、組織、細胞または浸出物を包含する。生物学的試料は、適当な溶液、例えば、抽出緩衝液または懸濁緩衝液中で調製することができる。本発明は、こうして調製された生物学的溶液の試験に拡張され、唯一の必要条件は前記溶液が少なくとも本明細書に記載する生物学的試料を含んでなることである。
【0187】
本発明の診断アッセイは、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択される沈降を発現するラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) またはそれに関係する微生物の検出に有用である。
【0188】
本発明は、属特異的および種特異的検出の両方が可能である診断アッセイを包含することが明らかである。したがって、1つの態様において、プローブまたはプライマー、またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体は、複数のラウソニア (Lawsonia) 種の検出に使用することができるDNAを含んでなる。本発明の別の態様において、プローブまたはプライマー、またはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) を関係する微生物から区別するために使用できるDNAを含んでなる。
【0189】
flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子内に高度に保存されていない領域は、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) および非常に精密に関係する種を検出するための種特異的プローブおよび/またはプライマーとして特に有用である。
【0190】
さらに、本明細書に記載する診断アッセイは、ハイブリダイゼーション工程のストリンジェンシイを変化させることによって、属特異的または種特異的アッセイに適合させることができる。
【0191】
したがって、低ストリンジェントのハイブリダイゼーションを使用して、アッセイする1または2以上の生物学的試料中のいくつかの異なるラウソニア (Lawsonia) 種を検出することができるが、高ストリンジェントのハイブリダイゼーションを使用して、このような他の種からラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) を区別することができる。
【0192】
本発明のこの観点に従う検出手段は、任意の核酸をベースとする検出手段、例えば、核酸ハイブリダイゼーション技術またはペーパークロマトグラフィーハイブリダイゼーションアッセイ (PACHA)、または増幅反応、例えば、PCR、または核酸配列をベースとする増幅 (NASBA) 系であることができる。さらに、本発明は、前記核酸をベースとする検出手段の異なるアッセイフォーマット、例えば、なかでも制限フラグメント長さの多形性 (RFLP)、増幅されたフラグメント長さの多形性 (AFLP)、一本鎖多形性 (SSCP)、増幅およびミスマッチ検出 (AMD)、散在反復配列ポリメラーゼ連鎖反応 (IRS−PCR)、逆位ポリメラーゼ連鎖反応 (iPCR)、in situポリメラーゼ連鎖反応および逆転写ポリメラーゼ連鎖反応 (RT−PCR) を包含する。
【0193】
検出手段が核酸ハイブリダイゼーション技術である場合、同定可能なシグナルを生成することができるレポーター分子 (例えば、放射性同位体、例えば、32Pまたは35S、ビオチニル化分子) でプローブを標識化することができる。この態様によれば、当業者は理解するように、前記レポーター分子の検出はプローブの同定を提供し、ハイブリダイゼーション反応後、生物学的試料中の対応するヌクレオチド配列の検出が促進される。追加のプローブを使用して、単一プローブを使用して得られたアッセイ結果を確認することができる。
【0194】
本発明が意図する核酸ハイブリダイゼーション技術の変形はReinhartz他 (1993) が記載するペーパークロマトグラフィーハイブリダイゼーションアッセイ (PACHA) およびその同等の技術であり、ここでターゲット核酸分子をレポーター分子、例えば、ビオチンで標識化し、ニトロセルロースまたはナイロン膜フィルター先端の1端に適用し、前記ターゲット核酸が前記膜の長さに沿って、DNAプローブがそれに対して固定化されるゾーン、例えば、中央領域に移動することを促進するために十分な時間の間および条件下に、毛管または他の力 (例えば、電場) の作用下にクロマトグラフィーにかける。この検出フォーマットによれば、プローブに対して相補的であるラウソニア (Lawsonia) 種のヌクレオチド配列を含んでなる標識化ターゲット核酸はそれに対してハイブリダイゼーションし、プローブが結合する膜の領域において固定化するようになる。プローブに対して非相補的な配列は、プローブが結合する部位を過ぎて拡散するであろう。ターゲット核酸はDNAまたはRNAの粗製または部分的に純粋な抽出物または、選択的に、増幅または精製されたDNAを含んでなる。本明細書に記載するヌクレオチド配列を利用する、この検出手段の追加の変形は、本発明に包含されることが明らかである。
【0195】
検出手段がRFLPである場合、生物学的試料に由来する核酸、特にDNAを1または2以上の制限エンドヌクレアーゼで消化し、消化したDNAを電気泳動させ、固体支持体、例えば、ナイロンまたはニトロセルロース膜に移し、上において定義したレポーター分子で必要に応じて標識化したプローブに対してハイブリダイゼーションさせる。この態様によれば、DNAフラグメントの特異的パターンが支持体上に表示され、ここで前記パターンは好ましくは特定のラウソニア (Lawsonia) 種に対して特異的であり、細菌の異なる種間の区別を可能とする。
【0196】
検出手段が増幅反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応または核酸配列をベースとする増幅 (NASBA) 系またはその変形である場合、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子に由来する少なくとも15隣接ヌクレオチド長さの1または2以上の核酸を生物学的試料に由来する核酸に対してハイブリダイゼーションさせ、前記試料中のFlgEエンコーディング遺伝子配列、またはその一部分またはフラグメントの核酸コピーを酵素的に増幅させる。
【0197】
当業者は理解するように、プライマーと、それらがハイブリダイゼーションする生物学的試料の鋳型分子 (すなわち、「鋳型分子」) 中の配列との間のヌクレオチド配列の同一性が十分に高い百分率で存在しなくてはならない。前述したように、ハイブリダイゼーションを促進するように、ストリンジェントの条件を選択することができる。
【0198】
好ましくは、各プライマーはそれがハイブリダイゼーションする鋳型分子中のflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子のある領域に対して少なくとも約95%の同一性を有する。
【0199】
当業者は理解するように、1つフォーマットにおいて、PCRは鋳型分子の異なる鎖に対して非相補的プライマーをハイブリダイゼーションさせ、こうして、熱安定性DNAポリメラーゼ酵素の制御下に、ハイブリダイゼーションしたプライマーは介在する領域中の核酸の5’−3’合成を促進するように位置決定される。結局、ハイブリダイゼーションしたプライマー間の領域中のヌクレオチド配列が未知であり、既知のヌクレオチド配列のいずれに対しても無関係であるかぎり、PCRは他の検出手段を超えた利点を提供する。
【0200】
本発明の別の態様において、検出手段はAFLPであり、生物学的試料に由来する核酸、特にDNAが増幅されるとき、異なる長さの増幅生成物が異なるラウソニア (Lawsonia) 種から生成されるように、プライマーを選択する。増幅生成物を電気泳動させ、固体支持体、例えば、ナイロンまたはニトロセルロース膜に移し、前述したように必要に応じてレポーター分子で標識化したプローブに対してハイブリダイゼーションさせる。この態様によれば、増幅されたDNAフラグメントの特異的パターンが支持体上に表示され、前記パターンは必要に応じて特定のラウソニア (Lawsonia) 種に対して特異的であり、RFLP分析についてと非常に同一の方法で細菌の異なる種間の区別を可能とする。
【0201】
AMD技術は生物学的試料中のラウソニア (Lawsonia) 種のDNAの検出ばかりでなく、かつまたアッセイフォーマットにおいて使用するプライマーおよびプローブと異なるヌクレオチド配列の変異型の決定を促進する。検出手段がAMDである場合、プローブを適当なレポーター分子で末端標識化し、過剰の増幅された鋳型分子と混合する。混合物を引き続いて変性し、正常の状態に戻して「プローブ:鋳型ハイブリッド分子」または「ハイブリッド」を形成し、こうして、プローブと、それがハイブリダイゼーションする鋳型分子との間のヌクレオチド配列の変動はハイブリッド中の塩基対合を崩壊させるであろう。ミスマッチのそれらの領域はヒドロキシルアミン (ミスマッチしたシトシン残基) または四酸化オスミウム (ミスマッチしたチミジン残基) を使用する特異的化学的修飾に対して感受性であり、ピペリジンを使用する修飾された部位の引き続く切断を可能とする。変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を使用し、次いで前述した標準的核酸ハイブリダイゼーションにより、切断した核酸を分析して、ラウソニア (Lawsonia) に由来するヌクレオチド配列を検出することができる。当業者は理解するように、この態様に記載する本発明の実施に従い、遺伝的プローブを末端標識化することができる。
【0202】
この態様によれば、単一の末端標識化プローブを使用すると、配列の変動の明白な位置決定が可能である。1または2以上の配列の変動点と末端標識との間の距離は、切断生成物のサイズにより表示される。
【0203】
AMDの別の態様において、プローブをレポーター分子で両端を標識化して、両方DNA鎖の同時分析を促進する。
【0204】
検出手段がRT−PCRである場合、核酸試料はラウソニア (Lawsonia) 由来DNAまたはそのホモローグ、アナローグまたは誘導体の転写産物であるRNA分子を含んでなる。結局、1または2以上のラウソニア (Lawsonia) 遺伝子の発現を決定しようとするとき、このアッセイフォーマットは特に有用である。この態様によれば、RNA試料を逆転写して相補的一本鎖DNAを生成し、引き続いてこれを標準的手法により増幅する。
【0205】
本明細書に記載する態様の変形は、McPherson他 (1991) に詳細に記載されている。
【0206】
本発明は、動物におけるラウソニア (Lawsonia) 種、特にラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の感染を診断する目的で上に言及した任意のおよびすべての検出手段の使用に明らかに拡張される。
【0207】
前述の増幅反応の検出手段をさらに古典的ハイブリダイゼーション反応検出手段と組み合わせて、例えば、増幅されたDNAを増幅反応において使用するプライマーと異なるプローブとハイブリダイゼーションさせることによって、本発明の方法の感受性および特異性をさらに増強させる。
同様に、前述の増幅反応の検出手段をさらに第2ハイブリダイゼーション工程と組み合わせ、ここで第1ハイブリダイゼーション反応において使用したプローブと異なるプローブを使用する。
本発明の他の観点は、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子に由来する単離されたプローブまたはプライマーを提供する。好ましくは、本発明のプローブまたはプライマーは、配列番号19〜配列番号68またはそれらに対して相補的なヌクレオチド配列から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる。
【0208】
本発明は、この出願の出願日または優先日前に公開された、あるいはそうでなければこの出願を超えて優先権を有し、そして本明細書に記載するラウソニア (Lawsonia) 種のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列に対して相同的である、カンピロバクター (Campylobacter) またはヘリコバクター (Helicobacter) の核酸またはポリペプチドに拡張されない。
【0209】
下記の非限定的実施例を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0210】
実施例
実施例1
ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子
の分子クローニング
DNAの単離およびDNAライブラリーの構築
ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) で実験的に感染させたブタの回腸から単離したブタ腸粘膜から、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAを精製した。Nollau他 (1996) に従い;または選択的に、DNAのフェノール抽出および酢酸ナトリウム−エタノール沈降により、均質化腸粘膜からのDNAの精製を実施した。
【0211】
ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 遺伝子配列のクローニングを促進するために、いくつかのゲノムライブラリーを構築した。既知の配列 (Vectorette II(商標)、Genosys Biotechnologies Inc.、テキサス州ザ・ウッドランヅ) を制限されたDNAフラグメントの5’および3’ 末端に結合させることによって、これらのライブラリーを特異的に修飾した。ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 感染ブタ粘膜DNA抽出物のアリコートを別々に制限エンドヌクレアーゼHindIII、EcoRI、DraIまたはHpaIで37℃において一夜消化することによって、Vectorette(商標)ライブラリーを構築した。次いで反応を追加の新鮮な制限酵素でスパイクし、2 mMのATP、2 mMのDTTの最終濃度に調節した。T DNAリガーゼ (1単位) + 3 μMの適当なコンパティブルVectorette(商標)リンカー (HindIII Vectorette(商標):HindIII消化DNA:EcoRI:EcoRI消化DNA;Blunt:DraI−、HpaI−消化DNA) の添加により、Vectorette(商標)テイリングを実施した。この混合物を3サイクル間インキュベートしてテイリング反応を完結し、ここで各サイクルは20 ℃において60分間;次いで37℃において30分間から成っていた。次いで反応体積を水で200 μlに調節し、反応物を−20 ℃において貯蔵した。
【0212】
実施例2
ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) の
YtfNおよびYtfM遺伝子の発現
i)  ゲノムウォーキングによるytfN遺伝子のC末端フラグメントの単離
ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) YtfN遺伝子の完全な配列をゲノムDNAから決定し、配列番号17としてここに記載する。ytfNf遺伝子フラグメントのアミノ末端部分について得られた2,035bpの配列に基づいて、オリゴヌクレオチドプライマーKWK−Li−YtfN−4C (配列番号29) を設計し、合成した (Life Technologies;マリーランド州ロックビレ) 。このオリゴヌクレオチドはラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 染色体中のYtfN遺伝子の3’領域内に結合して、現存する遺伝子フラグメントの下流DNAの増幅を可能とする。ポリメラーゼ連鎖反応のために、1×PCR緩衝液II (Perkin Elmer;カリフォルニア州フォスターシティー)、2.0 mMのMgCl、250 μMの各デオキシ−NTP、50 pMの各プライマー、および2.5単位のAmpliTaq(商標) Gold (Perkin Elmer) 熱安定性ポリメラーゼを含有する50 μLの反応混合物中で、プライマーKWK−Li−YtfN−4C (配列番号29) をVectorette(商標)特異的オリゴヌクレオチドプライマー (ER70:配列番号108) と組み合わせて使用した。DNA鋳型として1 μLのVectorette(商標)ライブラリーを使用して反応を実施した。増幅を次のようにして実施した:変性 (94 ℃、9分);40サイクルの変性 (94 ℃、30秒)、アニーリング (60 ℃、30秒)、および重合 (72 ℃、4.0分);次いで72 ℃において7分間の最終伸長を実施した。
【0213】
増幅された生成物を1.0%アガロースゲル (Sigma;ミゾリー州セントルイス) 上の分離により可視化した。HpaIライブラリーをPCRによりスクリーニングすると、ほぼ1.5kb長さのフラグメントが増幅された。PCR生成物をQIAquik(商標) PCR精製キット (Qiagen;カリフォルニア州バレンシア) により精製し、pCR2.1−TOPO (Invitrogen;カリフォルニア州カールスバッド) のTAクローニング部位の中にクローニングした;結合した生成物をMax Efficiency大腸菌 (E. coli) DH5α細胞 (Life Technologies;マリーランド州ロックビレ) の中に形質転換した。クローニングしたフラグメントの配列分析により、ytfNの終止コドンを同定することができなかった。したがって、Vectorette(商標)ライブラリーを使用するPCR増幅の第2ラウンドにおいて使用するために、オリゴヌクレオチドプライマーKWK−Li−YtfN−12C (配列番号21) を設計し、合成した。前述の増幅条件を使用し、生成物をアガロースゲル電気泳動により可視化した。ほぼ1.6kb長さのフラグメントがDraIライブラリーから合成された。PCR生成物をQIAquik PCR精製キットにより精製し、pCR2.1−TOPOの中にクローニングし、引き続いてMax Efficiency大腸菌 (E. coli) DH5α細胞の中に形質転換した。フラグメントの配列分析により、末端のTAAが同定され、ytfN遺伝子の末端が示された。
【0214】
ii) 完全なytfN遺伝子のゲノム配列の決定
前述の予備的配列決定からの結果を使用して、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 染色体DNAから直接2つのオーバーラップするytfN遺伝子フラグメントを特異的に増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーを設計した。これらの生成物は全体のytfN遺伝子を包含し、PCR増幅および引き続くクローニング工程間に生ずることがある突然変異による、配列のアーティファクトを回避することを試みて、これらの生成物を直接配列決定した。2つのフラグメントの第1を得るために、PCR増幅を三重反復実験において実施し、これらは100 μlの最終試料体積の100 pMのプライマーYtfN−D (配列番号45) およびYtfN−U (配列番号46)、100 ngの精製した染色体DNA、1×PC2緩衝液(Ab Peptides;ミゾリー州セントルイス)、200 μMの各dNTP、15単位のKlenTaq1 (Ab Peptides) および0.3単位のクローニングしたPfu (Stratagene;カリフォルニア州ラジョラ) 熱安定性ポリメラーゼを含有した。増幅条件は次の通りであった:変性 (94 ℃、9分)、次いで40サイクルの変性 (94 ℃、30秒)、アニーリング (60 ℃、30秒)、および重合 (72 ℃、4.0分)、および72 ℃において7分間の最終伸長。第2 (オーバーラッピング) フラグメントを得るために、PCR増幅を前述したように三重反復実験において実施し、ただしプライマーKWK−Li−YtfN−12C (配列番号21) およびKWK−Li−YtfN−15N (配列番号24) を使用した。増幅条件は次の通りであった:変性 (94 ℃、9分)、次いで40サイクルの変性 (94 ℃、30秒)、アニーリング (55 ℃、30秒)、および重合 (72 ℃、2.5分)、および72 ℃において7分間の最終伸長。
【0215】
増幅後、三重反復実験の試料の各組をプールし、各々からの特異的生成物を精製した (QIAquik(商標) PCR精製キット)。次いでABI自動化配列決定装置 (Lark Technologies Inc.、テキサス州ヒューストン) を使用するDyeDeoxy停止反応により、両方の精製したDNAフラグメントを直接配列決定した。
【0216】
合成オリゴヌクレオチドプライマー (配列番号21、24、26〜38、43〜46、51〜53、および55〜60) を使用して、増幅された生成物の両方のDNA鎖を配列決定した。
【0217】
ytfN ORFは配列番号17のヌクレオチド1〜4149から伸長し、150,887ダルトンの理論的分子量を有する、1382アミノ酸のタンパク質 (配列番号18) をコードする。コード化タンパク質のアミノ末端の配列は原核シグナル配列 (von Heijne、1985;Nielsen他、1997) に類似するが、正確な切断部位は現在未知である。ベイシック・ローカル・アラインメント・サーチ・ツール (Basic Local Alingnment Search Tool) (BLAST) プログラム (Altschul他、1990) を使用して、ytfN ORFを現存するヌクレオチドおよびタンパク質のデータベースに対して比較した。最大の相同性を共有するエントリーは、ジモモナス・モビリス (Zymomonas mobilis) からの仮説の40.5 kDaのタンパク質であった。同定された第2の最も有意な相同的シグナル配列は、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)からのYtfNホモローグであった。
【0218】
iii) 発現ベクターの中への組換えytfN遺伝子のクローニング
組換えタンパク質の発現を目的として、ytfMおよびytfNの両方の遺伝子またはそれらのフラグメントを、それらのそれぞれのシグナルペプチドをコードする配列を使用しないで、クローニングした。
オリゴヌクレオチドプライマーRA202−b (配列番号50) およびRA201−b (配列番号49) を使用して、ytfM遺伝子をラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 染色体DNAから増幅させた。ポリメラーゼ連鎖増幅のために、各々が鋳型として100 ngの染色体DNA、1×PC2緩衝液、200 μMの各dNTP、50 pMの各プライマー、7.5単位のKlenTaq1および0.15単位のクローニングしたPfu熱安定性ポリメラーゼを含有する、三重反復実験の50 μlの反応混合物を構成した。増幅を次のようにして実施した:変性 (94 ℃、9分)、次いで40サイクルの変性 (94 ℃、30秒)、アニーリング (60 ℃、30秒)、および重合 (72 ℃、2.5分)、次いで72 ℃において7分間の最終伸長。増幅後、試料を精製し(QIAquik(商標) PCR精製キット)、プールした。精製したPCR生成物をpBAD−TOPOおよびpBAD/Thio−TOPO (Invitrogen) の両方のTAクローニング部位の中に直接クローニングした。結合した生成物をMax Efficiency大腸菌 (E. coli) DH5α細胞の中に形質転換した。pBAD−TOPO:YtfMから発現されたコード化タンパク質の予測されたアミノ末端配列は、ベクターコード化配列MGSGSGDDDDKLALLTM (配列番号61) および引き続くYtfM ORF (配列番号16) のアラニン−24において開始する配列ATSITTS (配列番号62) から成るであろう。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキット (Qiagen) により小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21 (Novagen:ウィスコンシン州マディソン) およびBL21−CodonPlus−RIL細胞 (Stratagene) の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが各株において同定された。
【0219】
pBAD/Thio−TOPO:YtfMから発現されたコード化タンパク質の予測されたアミノ末端配列は、チオレドキシンタンパク質および15アミノ酸残基および直ちに引き続くYtfM ORF (配列番号16) のアラニン−24において開始する配列ATSITTS (配列番号62) から成るであろう。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキットにより小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21 およびBL21−CodonPlus−RIL細胞の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが各株において同定された。
【0220】
pET−30aの中にクローニングするために、YtfMをコードする精製したPCR生成物をBamHIおよびNcoIで消化し、次いでQIAquik(商標) PCR精製キットで精製した。また、pET−30aをBamHIおよびNcoIで消化した;線状化プラスミドをJETsorb(商標)キット (Genomed;マリーランド州フレデリック) で精製した後結合した。結合した生成物をMax Efficiency大腸菌 (E. coli) DH5α細胞の中に形質転換した。pET−30a:YtfMから発現されたコード化タンパク質の予測されたアミノ末端配列は、ベクターによりコードされる配列MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKAM (配列番号63) および引き続くYtfM ORF (配列番号16) のアラニン−24において開始する配列ATSITTS (配列番号62) から成るであろう。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキット (Qiagen) により小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21 (DE3) (Novagen) およびBL21−CodonPlus (DE3)−RIL細胞 (Stratagene) の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが各株において同定された。
【0221】
また、オリゴヌクレオチドプライマーRA200 (配列番号47) およびRA201 (配列番号48) を使用するPCR増幅により、ytfM遺伝子をラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 染色体DNAから増幅した。各々が鋳型として100 ngの染色体DNA、1×PC2緩衝液、200 μMの各dNTP、50 pMの各プライマー、7.5単位のKlenTaq1および0.15単位のクローニングしたPfu熱安定性ポリメラーゼを含有する、二重反復実験の50 μlの反応混合物を構成した。増幅を次のようにして実施した:変性 (94 ℃、9分);30サイクルの変性 (94 ℃、30秒)、アニーリング (60 ℃、30秒)、および重合 (72 ℃、2分)、次いで72 ℃において7分間の最終伸長。増幅後、試料を精製し (QIAquik(商標) PCR精製キット)、プールした。精製したPCR生成物をpCR2.1−TOPOのTAクローニング部位の中に直接クローニングした。結合した生成物をMax Efficiency大腸菌 (E. coli) DH5α細胞の中に形質転換した。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、増殖させ、プラスミドDNAをQIAprep Spin Miniprepキットで単離した。プラスミドをEcoRIで消化した後、pCR2.1−TOPOのMCS中のEcoRI部位に対して配列番号15のbp 437に対応するフラグメントをJETsorb(商標)キットで精製した。また、pET−30aをEcoRIで消化し、QIAquikTM PCR精製キットで精製した。2つのフラグメントを結合し、Max Efficiency大腸菌 (E. coli) DH5α細胞の中に形質転換した。コード化融合タンパク質の予測されたアミノ末端配列は、ベクターによりコードされる配列MHHHHHHSSGLVPRGSGMKETAAAKFERQHMDSPDLGTDDDDKAMADIGS (配列番号64) および引き続くYtfM ORF (配列番号16) のアスパラギン酸塩−146において開始する配列EFNLSKG (配列番号65) から成るであろう。適切な向きで挿入された遺伝子フラグメントを有するプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキットにより小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21−CodonPlus (DE3)−RIL細胞の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが同定された。
【0222】
iv) 発現ベクターの中への組換えytfN遺伝子のクローニング
オリゴヌクレオチドプライマーRA205−b (配列番号53) およびRA204−b (配列番号52) を使用して、シグナル配列をコードする遺伝子を排除する、ytfN遺伝子の5’半分を、ラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) 染色体DNAから増幅させた。ポリメラーゼ連鎖増幅のために、各々が鋳型として100 ngの染色体DNA、1×PC2緩衝液、200 μMの各dNTP、100 pMの各プライマー、15単位のKlenTaq1および0.3単位のクローニングしたPfu熱安定性ポリメラーゼを含有する、三重反復実験の100 μlの反応混合物を構成した。増幅を次のようにして実施した:変性 (94 ℃、9分)、次いで40サイクルの変性 (94 ℃、30秒)、アニーリング (60 ℃、30秒)、および重合 (72 ℃、4分)、次いで72 ℃において7分間の最終伸長。増幅後、試料を精製し(QIAquik(商標) PCR精製キット)、プールした。精製したPCR生成物をpBAD−TOPOおよびpBAD/Thio−TOPO (Invitrogen) の両方のTAクローニング部位の中に直接クローニングした。結合した生成物をMax Efficiency大腸菌 (E. coli) DH5α細胞の中に形質転換した。pBAD−TOPO:YtfNから発現されたコード化タンパク質の予測されたアミノ末端配列は、ベクターコード化配列MGSGSGDDDDKLALGHM (配列番号66) および引き続くYtfN ORF (配列番号18) のアルギニン−33において開始する配列RTSTGIA (配列番号67) から成るであろう。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキットにより小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21−CodonPlus−RIL細胞の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが同定された。
【0223】
pBAD/Thio−TOPO:YtfNから発現されたコード化タンパク質の予測されたアミノ末端配列は、チオレドキシンタンパク質および15アミノ酸リンカーおよび直ちに引き続くYtfN ORF (配列番号18) のアルギニン−33において開始する配列RTSTGIA (配列番号67) から成るであろう。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキットにより小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21−CodonPlus−RIL細胞の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが同定された。
【0224】
pET−30aの中にクローニングするために、精製したPCR生成物をBamHIおよびNaeIで消化し、QIAquik(商標) PCR精製キットで抽出した。線状化プラスミドをJETsorb(商標)キットで精製した後結合した。結合した生成物をMax Efficiency大腸菌 (E. coli) DH5α細胞の中に形質転換した。pET−30a:YtfNから発現されたタンパク質の予測されたアミノ末端配列は、RA205−b (配列番号53) によりコードされるMetおよび引き続くYtfN ORF (配列番号18) のアルギニン−33において開始する配列RTSTGIA (配列番号67) から成るであろう。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキットにより小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21−CodonPlus (DE3)−RILおよびBL21−CodonPlus (DE3)−RP細胞 (Stratagene) の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが各株において同定された。
【0225】
オリゴヌクレオチドプライマーRA205−b (配列番号53) およびKWK−Li−YtfN−BglII−3’ (配列番号39) を利用して、シグナル配列を排除する、YtfNのN末端部分をコードするほぼ1kbのフラグメントをPCRにより増幅した。各々が鋳型として100 ngの染色体DNA、1×PC2緩衝液、200 μMの各dNTP、50 pMの各プライマー、7.5単位のKlenTaq1および0.15単位のクローニングしたPfu熱安定性ポリメラーゼを含有する、三重反復実験の50 μlの反応混合物を構成した。増幅を次のようにして実施した:変性 (94 ℃、9分);40サイクルの変性 (94 ℃、30秒)、アニーリング (55 ℃、30秒)、および重合 (72 ℃、1分)、次いで72 ℃において7分間の最終伸長。増幅後、試料を精製し(QIAquik(商標) PCR精製キット)、プールした。精製したPCR生成物をpBAD−TOPOおよびpBAD/Thio−TOPOの両方のTAクローニング部位の中に直接クローニングした。結合した生成物をMax Efficiency大腸菌 (E. coli) DH5α細胞の中に形質転換した。pBAD−TOPOから発現されたタンパク質の予測されたアミノ末端配列は、ベクターコード化配列MGSGSGDDDDKLALGHM (配列番号66) および引き続くYtfN ORF (配列番号18) のアルギニン−33において開始する配列RTSTGIA (配列番号67) から成るであろう;このタンパク質はYtfN (配列番号18) のイソロイシン−332で終わる。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキットにより小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21−CodonPlus−RIL細胞の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが同定された。
【0226】
pBAD/Thio−TOPO:YtfNから発現されたコード化融合タンパク質の予測されたアミノ末端配列は、チオレドキシンタンパク質および15アミノ酸リンカーおよび直ちに引き続くYtfN ORF (配列番号18) のアルギニン−33において開始する配列RTSTGIA (配列番号67) から成るであろう;再び、このポリペプチドはYtfN (配列番号18) のイソロイシン−332で終わる。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキットにより小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21−CodonPlus−RIL細胞の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが同定された。
【0227】
pET30a中の前述の1 kb (BglII部位に対して5’) のytfNフラグメントから成る構築物を発生させるために、RA205−b (配列番号53) およびRA204−b (配列番号52) を使用して増幅したytfNの5’半分を含有するプラスミドpET−30a:YtfNをBglIIおよびBamHIで消化し、こうしてytfN内のBglII部位から下流の遺伝子配列を切除した。ベクターおよびBglII部位までのytfN配列を含有するフラグメントをJETsorb(商標)キットで精製し、残留するフラグメントを再結合し、大腸菌 (E. coli) Max Efficiency DH5α細胞の中に形質転換した。発現されたタンパク質の予測されたアミノ末端配列は、RA205−b (配列番号53) によりコードされるMetおよび引き続くYtfN ORF (配列番号18) のアルギニン−33において開始する配列RTSTGIA (配列番号67) から成るであろう。このポリペプチドは配列番号18のイソロイシン−332で終わり、次いでベクターによりコードされるDPNSSSVDKLAAALEHHHHHH (配列番号68) から成るC末端の伸長を含有する。適当なプラスミドを含有するクローンを同定し、精製したプラスミドをQIAprep Spin Miniprepキット (Qiagen) により小規模ブロス培養物から単離した。このプラスミドを大腸菌 (E. coli) BL21 (DE3) およびBL21−CodonPlus (DE3)−RIL細胞の中に形質転換した;適当なプラスミドを含有するクローンが各株において同定された。大腸菌 (E. coli) BL21 (DE3) の中にこのプラスミドを含有するクローンのストックを−80 ℃において凍結させた。
【0228】
v)  組換えYtfNポリペプチドの発現
BglII部位までのytfNの5’部分 (例えば、コードされたYtfNタンパク質のアミノ酸33〜332に対応する) を含有するpET−30aを収容する大腸菌 (E. coli) BL21 (DE3) 形質転換体の凍結使用ストックを融解し、RWLDM/G vi規定培地[KHPO (6 g/L)、KHPO (3 g/L)、(NHSO (5 g/L)、NaCl (2 g/L)、0.2 mL CaCl (15 g/L)、0.4 mL FeCl・6HO (5 g/L)、0.4 mL MgSO・7HO (480 g/L)、ZnCl (6.5 g/L)、MnSO・HO (12 g/L)、NaMoO・2HO (5 g/L)、CuSO (1.5 g/L)、CoCl・6HO (2 g/L)、HBO (0.5 g/L)、および37% HCl (5 ml/L)] 中の1:5000希釈で播種した。また、カナマイシンを25 μg/mlの濃度に添加して、発現プラスミドを維持した。培養物を5リットルの使用体積のBioFlow 3000発酵槽 (New Brunswick Scientific;ニュージャージー州エディソン) 中で供給−バッチ (50%のグリセロール) 下に37℃においてA525が2.9になるまで増殖させた。この時、IPTGを0.1 mMに添加し、培養試料を誘導後0、2.25、および3時間に収集して、組換えYtfNの発現をモニターした (図面を参照)。一次培養物を誘導後28時間維持し、次いで直ちに冷却し、湿潤した細胞を遠心により収集し、−20 ℃において貯蔵した。ytfNタンパク質の発現を示すデータを第1図に表す。
【表1】
Figure 2004512851
【表2】
Figure 2004512851
【表3】
Figure 2004512851

【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、組換えytfNタンパク質の発現を示す写真表示のコピーである。BglII部位までの遺伝子の5’部分をpET−30aの中にクローニングした。適切な向きで挿入されたフラグメントを有するプラスミドで大腸菌 (E. coli) BL21 (DE3) 細胞を形質転換し、単一クローンを増殖させた。誘導は0.1 mMのIPTGを使用してOD625=2.9で行った。レーン1、未誘導細胞からの全細胞ライゼイト (WCL);レーン2および3、それぞれ、誘導後2.25および3時間の間におけるWCL。矢印は組換えytfNタンパク質の位置を示す。

Claims (50)

  1. flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるラウソニア (Lawsonia) 種のポリペプチドのB細胞またはT細胞のエピトープを含んでなり、模倣するか、あるいはそれと交差反応する単離されたまたは組換え型の免疫原性ポリペプチド。
  2. トリまたはブタ動物に投与したとき、ラウソニア (Lawsonia) 種に対する抗体の産生を誘発することができる、請求項1に記載の単離されたまたは組換え免疫原性ポリペプチド。
  3. トリまたはブタ動物に投与したとき、ラウソニア (Lawsonia) 種に対する保護的免疫応答を与えることができる、請求項1に記載の単離されたまたは組換え型の免疫原性ポリペプチド。
  4. ラウソニア (Lawsonia) 種がラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) である、請求項2に記載の単離されたまたは組換え型の免疫原性ポリペプチド。
  5. ラウソニア (Lawsonia) 種がラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) である、請求項3に記載の単離されたまたは組換え型の免疫原性ポリペプチド。
  6. (i) 配列番号   2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるラウソニア (Lawsonia) 種のポリペプチド;
    (ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるラウソニア (Lawsonia) 種のポリペプチド;
    (iii) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
    (iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;および
    (v) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するラウソニア (Lawsonia) 種のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
    (vi) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAのヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するラウソニア (Lawsonia) 種のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
    (vii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
    (viii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAのヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;および
    (ix) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣する (i) 〜 (vii) のうちのいずれか1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体、から成る群から選択される単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  7. ブタまたはトリ動物においてラウソニア (Lawsonia) 種に対する抗体の産生を誘発することができる、請求項6に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  8. ブタまたはトリ動物においてラウソニア (Lawsonia) 種に対する保護的免疫応答を与えることができる、請求項6に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  9. ブタまたはトリ動物においてラウソニア (Lawsonia) 種に対する体液性免疫を誘導することができる、請求項8に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  10. ブタ動物においてラウソニア (Lawsonia) 種に対する体液性免疫を誘導することができる、請求項9に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  11. ラウソニア (Lawsonia) 種がラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) である、請求項7に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  12. ラウソニア (Lawsonia) 種がラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) である、請求項8に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  13. (i) 配列番号   2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列;および
    (ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択される寄託されたプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列、
    から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んで成る、請求項6に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  14. トリまたはブタ動物に投与したとき、ラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) に対する抗体の産生を誘発することができる、請求項13に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  15. ブタまたはトリ動物においてラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) に対する保護的免疫応答を誘導することができる、請求項13に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  16. ブタ動物においてラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) に対する体液性免疫を誘導することができる、請求項15に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチド。
  17. 請求項1に記載の単離されたまたは組換え免疫原性ポリペプチドを含んでなる免疫原性成分と、1または2以上の獣医学または薬学的使用に適当な担体、希釈剤またはアジュバントとを含んでなる、ラウソニア (Lawsonia) 種による動物の感染を予防または治療するワクチン組成物。
  18. ラウソニア (Lawsonia) 種がラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) である、請求項17に記載のワクチン組成物。
  19. 免疫原性成分が:
    (i) 配列番号   2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択されるアミノ酸配列;および
    (ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択される寄託されたプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAによりコードされるアミノ酸配列、
    から成る群から選択されるアミノ酸配列を有する単離されたまたは組換え型のポリペプチドを含んで成る、請求項17に記載のワクチン組成物。
  20. 免疫原性成分が:
    (i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    (ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAのタンパク質をコードする配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    (iii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択される配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    (iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAによりコードされるタンパク質をコードする配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるタンパク質をコードするヌクレオチド配列;および
    (v) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列の補体に対して少なくとも低ストリンジェントの条件下でハイブリダイゼーションするタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    (vi) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAの非コーディング鎖に対して少なくとも低ストリンジェントの条件下でハイブリダイゼーションするタンパク質をコードするヌクレオチド配列;および
    (vii) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣するポリペプチドをコードする (i) 〜 (vi) の任意の1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体、
    から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなるベクターで形質転換された細胞中で発現された組換えポリペプチドである、請求項17に記載のワクチン組成物。
  21. ラウソニア (Lawsonia) 種による動物の感染を予防または処置する組み合わせワクチン組成物であって:
    (i) 請求項1に記載の単離されたまたは組換え型のポリペプチドを含んでなる第1免疫原性成分;
    (ii) 前記第1免疫原性成分と異なり、ラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) FlgE、ヘモリシン、OmpH、SodC、flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチドを含んでなる第2免疫原性成分;および
    (iii) 1または2以上の獣医学または薬学的使用に適当な担体、希釈剤またはアジュバント、
    を含んで成る組成物。
  22. 発現可能な形態で、単離された核酸分子を含んでなるワクチンベクターであって:
    (i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    (ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAのタンパク質をコードする配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    (iii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択される配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    (iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAによりコードされるタンパク質をコードする配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるタンパク質をコードするヌクレオチド配列;および
    (v) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列の補体に対して少なくとも低ストリンジェントの条件下でハイブリダイゼーションするタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    (vi) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) DNAの非コーディング鎖に対して少なくとも低ストリンジェントの条件下でハイブリダイゼーションするタンパク質をコードするヌクレオチド配列;および
    (vii) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣するポリペプチドをコードする (i) 〜 (vi) の任意の1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体、
    から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、ブタまたはトリ動物に投与したとき、ラウソニア (Lawsonia) 種に対する免疫性を与えるために十分なレベルで前記ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを発現する、ワクチン組成物。
  23. 免疫原性ポリペプチドが、
    (i) 単離された核酸分子を発現可能な形態で配置し、前記核酸分子はflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択される遺伝子、またはそれらのタンパク質をコードするホモローグ、アナローグまたは誘導体のコード領域を含んでなり;
    (ii) (i) の単離された核酸分子を発現可能なフォーマットで適当なワクチンベクターの中に導入し;そして
    (iii) 前記核酸分子によりコードされる免疫原性成分を発現させるために十分な時間の間および条件下にワクチンベクターをインキュベートしまたは増殖させる;
    ことを含んでなるプロセスにより発現される、請求項22に記載のワクチンベクター。
  24. ラウソニア (Lawsonia) 種がラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) である、請求項22に記載のワクチンベクター。
  25. flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチド、または前記ポリペプチドのうちのいずれか1つまたは2つ以上のホモローグ、アナローグまたは誘導体から成る群から選択されるラウソニア (Lawsonia) 種のポリペプチドに特異的に結合する単離されたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体。
  26. ポリペプチドまたはその誘導体が:
    (i) 配列番号   2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択される配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するラウソニア (Lawsonia) 種のアミノ酸配列;
    (ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされる配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するラウソニア (Lawsonia) 種のアミノ酸配列;
    (iii) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、および18から成る群から選択される配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸を含んでなるアミノ酸配列;
    (iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAによりコードされる配列の少なくとも約5つの隣接アミノ酸配列を含んでなるアミノ酸配列;
    (v) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列;
    (vi) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列;
    (vii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列;
    (viii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列;および
    (ix) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣する (i) 〜 (viii) のうちのいずれか1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体、から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなる、請求項25に記載の単離されたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体。
  27. ブタまたはトリ動物に由来する生物学的試料を請求項25に記載の抗体と抗原:抗体複合体が形成するために十分な時間の間および条件下に接触させ、次いで前記複合体の形成を検出する工程を含んでなる、ラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) またはそれと免疫学的に交差反応性である微生物によるブタまたはトリ動物の感染を診断する方法。
  28. 生物学的試料がブタ動物に由来する全血清、リンパ節、回腸、盲腸、小腸、大腸、糞便または直腸塗抹標本を含んでなる、請求項27に記載の方法。
  29. ブタまたはトリ動物に由来する血液または血清を請求項1に記載の免疫原性ポリペプチドと抗原:抗体複合体が形成するために十分な時間の間および条件下に接触させ、次いで前記複合体の形成を検出する工程を含んでなる、ラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) またはそれと免疫学的に交差反応性である微生物による過去の感染にブタまたはトリ動物が悩まされているか、あるいはそれにより現在前記動物が感染しているかどうかを同定する方法。
  30. flhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNから成る群から選択されるラウソニア (Lawsonia) 種のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列から成る単離された核酸分子。
  31. (i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列に対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;
    (ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAに対して全体的に少なくとも約60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;および
    (iii) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択される配列の少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド配列;
    (iv) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAの少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド配列;
    (v) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列またはそれに対する相補的ヌクレオチド配列に対して少なくとも低ストリンジェントの条件下でハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列;
    (vi) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAに対して少なくとも低ストリンジェントの条件下でハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列;および
    (vii) ラウソニア (Lawsonia) 種のB細胞またはT細胞のエピトープを模倣するポリペプチドをコードする (i) 〜 (vi) のうちのいずれか1つのホモローグ、アナローグまたは誘導体、
    から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる請求項30に記載の単離された核酸分子。
  32. (i) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、および17から成る群から選択されるヌクレオチド配列;
    (ii) AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択される寄託されたプラスミド内に含有されるラウソニア・イントラセルラリス (L. intracellularis) DNAのヌクレオチド配列;
    (iii) (i) または (ii) のヌクレオチド配列と同一のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、ここで前記ポリペプチドはflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfNポリペプチドから成る群から選択される;および
    (iv) (i) または (ii) または (iii) に対して相補的であるヌクレオチド配列、
    から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる、請求項31に記載の単離された核酸分子。
  33. (i) または (ii) のタンパク質をコードする領域から成る、請求項32に記載の単離された核酸分子。
  34. ブタまたはトリ動物の被検体に由来する生物学的試料中のラウソニア・イントラセルラリス (Lawsonia intracellularis) または関連微生物を検出する方法であって、1または複数のプローブまたはプライマーを前記試料にハイブリダイズし、次いで前記ハイブリダイゼーションを検出手段により検出する工程を含んでなり、ここで前記プローブまたはプライマーはflhB、fliR、ntrC、glnH、motA、motB、tlyC、ytfM、およびytfN遺伝子から成る群から選択されるラウソニア (Lawsonia) 種の遺伝子に由来する、方法。
  35. 生物学的試料がブタ動物に由来する全血清、リンパ節、回腸、盲腸、小腸、大腸、糞便または直腸塗抹標本を含んでなる、請求項34に記載の方法。
  36. 前記検出手段が任意の核酸をベースとするハイブリダイゼーションまたは増幅反応を含んでなる、請求項34に記載の方法。
  37. (i) 配列番号19〜68のうちのいずれか1つ;および
    (ii) (i) に対して相補的なヌクレオチド配列、
    から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなるプローブまたはプライマー。
  38. AGAL受託番号:NM00/16476 (プラスミドpGTE#1 glnH);NM00/16477 (プラスミドpGTE#2 flhB);NM00/16478 (プラスミドpGTE#3 fliR);NM00/16479 (プラスミドpGTE#4 motA/B);NM00/16480 (プラスミドpGTE#5 tlyC);NM00/16481 (プラスミドpGTE#6 ntrC);NM00/16482 (プラスミドpGTE#7 ytfM);およびNM01/23286 (プラスミドpGTE#8 ytfN) から成る群から選択されるプラスミド。
  39. 請求項30に記載の単離された核酸を含んでなる、宿主細胞中で複製することができる組換えベクター。
  40. 請求項31に記載の単離された核酸を含んでなる、宿主細胞中で複製することができる組換えベクター。
  41. 請求項32に記載の単離された核酸を含んでなる、宿主細胞中で複製することができる組換えベクター。
  42. 請求項33に記載の単離された核酸を含んでなる、宿主細胞中で複製することができる組換えベクター。
  43. 請求項39に記載の組換えベクターを含んでなる宿主細胞。
  44. 細菌である、請求項43に記載の宿主細胞。
  45. 請求項40に記載の組換えベクターを含んでなる宿主細胞。
  46. 細菌である、請求項45に記載の宿主細胞。
  47. 請求項41に記載の組換えベクターを含んでなる宿主細胞。
  48. 細菌である、請求項47に記載の宿主細胞。
  49. 請求項42に記載の組換えベクターを含んでなる宿主細胞。
  50. 細菌である、請求項49に記載の宿主細胞。
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