JP2004512059A - 自立型のラミネートされた膜構造材料及び同材料によって製造された医療用装置及びその製造方法 - Google Patents

自立型のラミネートされた膜構造材料及び同材料によって製造された医療用装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

高い機械的強度を有する金属箔、ワイヤー及び継目無管が提供されている。単一の金属又は合金によって作られた鍛造された材料とは対照的に、これらの材料は、ラミネート構造を形成している二以上の層によって作られている。木材製品及び紙製品のようなシート材料の機械的強度を増すためのラミネート構造が知られており、このラミネート構造は、膜の硬度を高くするだけでなく靭性を高めるために、薄膜の領域で使用される。ラミネート金属箔は、例えば、圧延及び押し出しのような標準的な金属形成技術がラミネート構造の製造に向かないので、使用されて来ず又は発達して来なかった。真空蒸着技術は、改良された機械的特性を備えたラミネート金属構造をもたらすために開発することができる。更に、ラミネート構造は、超弾性、形状記憶、放射線不透過性、耐食性等のような特別な特性を有する層を含むことによって、特別な特性を提供するように設計することができる。本発明のラミネート構造によって作ることができる製品の例としては、ラミネートされた蒸着膜によって作られ且つ材料の構成に制御された不均質性を有する血液又は体液及び組織との接触面を提供する移植可能な医療用装置がある。ラミネート膜材料によって作られた管腔内ステント−移植片及びウエブ−ステントが蒸着され且つエッチングされて構造部材の領域と同構造部材間の隙間領域の境界をなすウエブ領域とに分けられた。生体適合性金属又は金属状材料によって作られた管腔内移植片もまた提供されている。この管腔内ステント−移植片は、ステントの血流表面に沿ってステント材料内に制御された不均質性を有することを特徴としており、このステントを製造する方法は真空蒸着方法を使用している。

Description

【0001】
発明の背景
本発明は、概して、移植可能な器具に関し、より特定すると、特別な医療用途に適合せしめられた幾何学形状に作られ自立型の薄層で覆われた膜によって作られた移植可能な医療装置に関する。より特別には、本発明は、移植可能な管腔内移植片、ステント−移植片及びステント−移植片形式の装置を製造する際に使用するのに適している高い機械的特性を有する金属膜、箔、ワイヤー及び継目無管に関する。更に特別には、本発明は、例えば、生体適合性金属又は複合材料のような生体適合性金属とほぼ同じ生物学的応答及び材料特性を呈する生体適合性材料によって作られた自立型のラミネート(被覆)された膜、箔、ワイヤ又は継目無管によってもっぱら作られた管腔内移植片、ステント−移植片及びステント−移植片型の装置を含んでいる。
【0002】
単一の金属又は合金によって作られた鍛造材料とは対照的に、これらの発明による材料は、互いに重ねて自立型ラミネート構造に作られた少なくとも二つの層によって作られている。木材又は紙製品のようなシート材料の機械的強度を増すためには、ラミネート構造が知られている。ラミネートは、薄い膜の機械的強度、特に硬度及び靭性を高めるために、薄膜製造分野において使用されている。ラミネート金属箔は、例えば、圧延及び押し出しのような標準的な金属形成技術は容易にラミネート構造を形成することができるようになっていないので、ラミネート金属箔が使用されて来ず且つ発達して来なかった。真空蒸着技術は、ラミネート金属構造に改良された機械的特性を付与するために開発され得る。更に、ラミネート構造は、超弾性、形状記憶、放射線不透過性、耐食性等のような特別な特性を有している層を含むことによって、特別な品質を付与するように設計することができる。
【0003】
金属箔、ワイヤー及び薄肉継目無管は、典型的には、圧延、引き抜き、押し出し及びその他の類似の行程のある種の組み合わせを含む一連の熱間又は冷間成形段階においてインゴットから製造される。これらの処理段階の各々は、金属成形行程において使用される工具及び潤滑剤によって材料上に堆積された異物残留物を有する材料表面を洗浄することを含む補助的な段階を伴う。更に、工具及び潤滑剤及び雰囲気ガスとの化学的相互作用もまた汚染物質を導き入れる。ある種の残留物は、通常は依然として成形された材料上に残り、鍛造金属製品へと作り上げられるそれに続く処理段階中に、これらの汚染残留物が混入される可能性が高い。材料製品のサイズを小さくすることによって、このような汚染不純物の重大さが増大する。特に、より小さい製品サイズを製造するためには、多数の処理工程が要求され、従って、汚染物質が導入される可能性も高い。更に、製品のサイズを小さくすることによって、ある程度の大きさの非金属又はその他の異物の混入が多くなる。この作用は、粒子又は含有物のサイズに匹敵する材料の厚みにとって特に重要である。例えば、オーステナイト系ステンレス鋼は、10ないし100マイクロメータ程度の大きさの典型的な粒子サイズを有している。この範囲内の厚みを有するワイヤー又は箔が製造される場合には、いくつかの結晶粒界又は欠陥が製品の厚みの大部分又は全体を横切って延びる可能性が極めて高い。このような製品は、部分的に減少した機械的特性及び耐食性を有するであろう。耐食性は、電解研磨のような表面処理によって修復されるけれども、機械的特性は制御するのがより難しい。
【0004】
金属の機械的特性は、金属の微細構造に大きく依存する。金属箔、ワイヤー及び薄肉継目無管を製造するために使用される成形行程は、大きく曲げられ且つ変形せしめられた結晶粒組織をもたらす塊状材の大きな変形を含む。たとえアニーリング処理が部分的に結晶粒の変形を部分的に緩和するとしても、均整のとれた結晶粒組織に復帰することは典型的には不可能であり、多様な結晶粒サイズが一般的な結果である。アニーリングと結合させた一般的な成形行程の最終的な結果は、典型的には、比較的小さいサイズの鍛造金属製品に、不均一な結晶粒組織及び望ましくない機械的特性をもたらす。従って、真空蒸着技術を使用して、微小機械装置及び医療装置のような特別な目的のための高品質の均質な材料を製造することができる。
【0005】
真空蒸着技術においては、材料は、例えば、平面状、管状等の所望の幾何学的形状に直接成形される。真空蒸着行程の一般的な原理は、ペレット又は厚肉の箔(原材料)のような最低限に処理された形態の材料を取り出し、それを粉々にすることである。アトマイゼーションは、物理蒸着の場合のように熱を使用するか又は例えばスパッタリング蒸着の場合のように振動過程の作用を使用して行うことができる。蒸着のいくつかの形態においては、典型的には一以上の原子からなる微小粒子を形成するレーザーアブレーションのようなプロセスがアトマイゼーションに代用されてもよい。粒子当たりの原子の数は数千以上であっても良い。原材料の原子又は粒子は、次いで、所望の対象物を直接形成するために、基材又は心棒上に蒸着される。その他の蒸着方法においては、真空チャンバ内に導入される雰囲気ガスすなわちガス発生源と蒸着された原子及び/又は粒子との間の化学反応は、蒸着過程の一部分である。蒸着された物質は、化学蒸着の場合のように、固体発生源とガス発生源との間の反応によって形成される化合物種を含んでいる。殆どの場合に、蒸着された物質は、所望の製品を形成するために、次いで、基材から部分的か完全に取り出される。
【0006】
膜成長の速度は、真空蒸着方法の重要なパラメータである。機能の点で鍛造された金属製品に匹敵する物質を蒸着するために、1マイクロメーター/時間よりも速い蒸着速度が不可欠であり、100マイクロメーター/時間程度の実際の速度が望ましい。これらは速い蒸着速度であり、このような速度での蒸着物は、常に柱状構造を有していることが知られている。他の蒸着パラメータ、最も重要には基材の温度に依存して、円柱は非晶質であっても結晶質であってもよいが、このような速い蒸着速度では、せいぜい微晶質構造の成長が期待できる。問題は、このような円柱は、蒸着物の厚み全体を横切って抑制されない亀裂の進行が発生し得る機械的に弱い構造を提供することである。
【0007】
真空蒸着技術特有の利点は、層状になった材料を蒸着することが可能であり、従って、優れた品質を有する膜を製造することができることである(注記:Holleck, V. Schier:“Multilayer PVD coatings for wear protection(摩耗保護のための多層PVDコーティング)”, Surface and Coatings Technology, 第76ないし77巻(1995)第328ないし336頁)。超構造又は多層のような層状に重ねられた物質は、コーティングとしての物質のある種の化学的、電子的又は光学的特性を利用するために、一般的に蒸着される。一般的な例は、光学レンズ上の反射防止コーティングである。
【0008】
多層コーティングが、単層からなる同様なコーティングに匹敵する改良された機械的な特性を有するかもしれないことは、比較的最近まで認識されていなかった。改良された機械的特性は、応力を解放するために、層間の境界の機能によるかも知れない。この境界が摺動面を提供し、可塑性であり又は局部的に薄い層に裂ける場合に、この応力の解放が起こる。多層膜のこの特性は、それらの強度の点において認識されて来たけれども、この認識は、それらが鍛造金属部品に代用される用途において使用することができる金属製品に対して重要である他の機械的特性に移行して来なかった。
【0009】
膜の成長を妨害する技術的なステップは、不連続な円柱をもたらし且つ膜の厚み全体を横切る亀裂の進行を阻止する。この意味では、多層が使用される薄膜技術の場合に一般的であるように、構造が多数の化学的に異なる層からなることは必要ではない。このような化学的な相違は、有用であり且つ材料の改良された特性に寄与するかも知れない。
【0010】
最も簡単な形態においては、本発明の方法は、基材を提供すること、同基材上に第一の材料層を蒸着すること、同材料の第一の層の上に第二の材料層を蒸着すること、同基材から層状に重ねられた材料を任意に取り外すこと、の各ステップからなる。最後のステップは、箔及び継目無管を形成する場合に必要であるが、ワイヤーを作る場合には省略される。この後者の場合には、基材自体は最終製品の一部となる薄いワイヤーである。更に複雑な場合には、層の数は二以上である。層の数及び各層の厚みに関して制限はない。
【0011】
この用途において使用されているように、“層”は、同層と、これに隣接するその他の実質的に均一な層、基材又は環境との間の界面によって限定される実質的に均一な材料を意味することを意図している。互いに隣接する層間の界面領域は、広範囲の熱力学的パラメータが変化するかもしれない不均一な領域である。異なる層は、必ずしも広範囲の熱力学的パラメータの種々の値によって特徴付けられておらず、界面には、少なくともいくつかのパラメータの局部的な変化が存在する。例えば、組成及び微細構造が同一である二つの鋼の層間の界面は、膜成長過程の妨害により、結晶の粒界の局部的な高い濃度によって特徴付けられるかも知れない。従って、層間の界面は、構造が異なっている場合に、必ずしも化学的組成が異なっていない。
【0012】
層間に良好な接着を提供することは必要であり、これは、通常は、はっきりした界面よりもむしろ比較的広い界面領域を提供することによって達成される。界面領域の幅は、広範囲の熱力学的パラメータが変化する範囲として規定されてもよい。この範囲は、考慮されている界面の面積に依存することができ、界面の微細な粗さの程度を意味するかも知れない。言い換えると、接着は、互いに隣接する層間の高い界面微細粗さによって高められるかも知れない。
【0013】
層状構造を提供することによって、本発明の材料は、膜の成長方向(層に直角)に延びた欠陥としての制御された最大のサイズの粒子及び円柱からなる。粒子又は欠陥のサイズのこの制限は、ラミネートされていない同等物に匹敵する高い機械的強度及び特に高い靭性を有する材料、すなわち、蒸着された材料及び鍛造された材料の両方をもたらす。更に、欠陥及び結晶の粒界がラミネートを横切って到達する程度を制限することによって、耐食性もまた改良される。
【0014】
特別な特性を達成するために層の化学的組成か選択されるときには、ラミネートされた材料は更に別の利点を有するであろう。例えば、Taのような放射線不透過性の材料が構造の一つの層を形成してもよく、一方、必要な機械的特性及びその他の特性を備えた材料を提供するために他の層が選択される。
【0015】
本発明の用途範囲を限定することなく、以下の物は、本発明のラミネートされた膜及び方法を使用して製造することができる製品又は装置の特定の例である。1)生体適合性の金属(以下、“金属状材料”と称する)と実質的に等しい生体内での生物学的及び機械的応答を示す生体適合性の金属又は生体適合性材料のラミネートされた膜によって作られた移植可能な移植片、2)構造的構成要素又はステント及び移植片構成部品が、各々、金属又は金属状材料のラミネートされた膜によって作られている移植可能なステント−移植片装置、3)ステントのような構造的支持部材が、ウエブが境界をなしている開口部を形成しており、ステントとウエブとの両方が、単一で一体のラミネートされた膜又は管状構造として形成されており且つ金属又は金属状材料によって作られている、移植可能なステント−移植片型の装置、この特別な実施形態は、以下において、“ウエブ−ステント”と称する、4)医療用組織当て板、飛行機の翼又はヘリコプターのローターの前縁のような航空面又は飛行機の尾翼ゴム又は翼フラップ上の能動面としての使用に適した、ラミネートされた生体適合性金属又は生体適合性材料によって作られた平面状の膜、シート又は箔
移植片の実施形態
ここで使用されている“移植片”と言う用語は、一体化された円柱状で外周強度を呈し且つ管状部材の厚みを貫通する穴を有するあらゆる形式の管状部材を指している。
【0016】
本発明の好ましい実施形態に従って、移植片部材は、生体適合性の金属又は金属状材料によって形成された別個の薄いシート又は管として形成される。移植片を横断して貫通した複数の穴が設けられている。この複数の穴は、任意であってもよいし又は模様化されていても良い。この複数の穴の各々の大きさは、その中を流体が流れるのを許容せずに、細胞が各穴の中を移動するのを許容するようなものであるのが好ましい。従って、血液は、これらの複数の穴の中を流れることができないけれども、種々の細胞又はタンパク質がこの複数の穴の中を自由に通過することができて、生体内での移植片による治療を促進する。本発明の移植片の実施形態のもう一つ別の実施形態に従って、2つの移植片部材が採用され、第一の移植片部材の外径は第二の移植片部材の内径よりも小さくて、第一の移植片部材が第二の移植片部材の内腔内に同心状に係合可能であるようにすることが意図されている。第一及び第二の移植片部材は、その中を貫通している複数の穴の模様を有している。第一及び第二の移植片部材は、相互に同心状に配置されており、この複数の模様化された穴は、同心状に係合した第一及び第二の移植片部材の壁を通る曲がりくねった細胞移動経路を形成するために、相互に位相をずらして配置されている。生体内の第一及び第二の移植片部材の中への細胞の移動を容易にし且つ同移植片による治療を助長するために、第一及び第二の移植片部材内の複数の穴間を連通する付加的な細胞移動経路を提供することが好ましい。これらの付加的な細胞移動経路は、1)スペーサーとして機能し且つ第一及び第二の移植片部材内の複数の穴間での細胞の移動及び細胞の連通を許容する環状の穴を第一及び第二の移植片部材間に維持するように作用する第二の移植片の内腔面若しくは第一の移植片の外腔面又はその両方に形成された複数の突出部、又は2)第一及び第二の移植片部材の長手軸線に対して、任意の、放射状の、螺旋状の又は長手方向であっても良い複数の微細溝であって、流体がその中を流れるのを許容しないが、細胞が溝に沿って移動し且つ進入するのを許容するのに充分な大きさであり、第一及び第二の移植片部材内の複数の穴間の細胞移動導管として機能する、複数の微細溝、として付与されても良い。
【0017】
ステント−移植片の実施形態
本発明の別の好ましい実施形態に従って、移植片部材は、複数の構造支持部材を覆うように機械的に結合された薄いシート状の材料又は管状部材として形成しても良い。この移植片部材は、管腔内装置の内腔面か外腔面又はその両方を覆うために使用しても良い。
【0018】
本発明によるステント−移植片は、移植片部材を複数の構造支持部材の領域に機械的に結合することによって別個の移植片部材をステントのような複数の構造支持部材と結合して形成することができる。別の方法として、例えば、真空蒸着によって最初に形成するか又は予め存在する材料をエッチングすることによって、複数の構造部材の少なくとも一つの面から外方へ突出している連続的な薄いシート又は管としての移植片部材を形成することによって作ることができる。この薄いシートは、次いで、この構造部材を覆うように裏返して複数の構造部材の終端部分に隣接した位置に配置して、複数の構造部材の想定される内腔面又は外腔面の一方又は両方を覆うようにする。これらの移植片部材は、次いで、対向する端部、すなわち、複数の構造部材の想定される基端又は想定される末端において相互に結合される。
【0019】
ステント−移植片は、一般的な合成ポリマー移植片材料を使用することとは対照的に、全体を金属又は金属状材料によって作られ、本発明の移植片材料は改良された治療応答性を呈する。
【0020】
ウエブ−ステントの実施形態
本発明の実施形態のうちの一つに従って、“ウエブ−ステント”と称されるステント−移植片装置が提供され、この装置には、ウエブ−ステント装置のための構造支持の主要な手段を提供する複数の構造部材のうちの少なくとも一つが設けられている。これらの複数の構造部材は、ステント製造技術において知られている如何なる形態で配列されても良く、例えば、単一部材が、互いに隣接する構造部材が隔置されて、それらの間に空間又は隙間を形成している、管状のダイヤモンド状の又は波のようにうねった模様を形成している円形若しくは楕円形の単一若しくは複数の部材を形成している。本発明においては、互いに隣接している構造部材間の間隔又は空間は、複数の構造部材を形成している材料と同じ材料又は同様の生物学的および機械的応答性を呈する材料であるウエブ材料によって境界を形成されている。ウエブは、複数の構造支持部材間の隙間領域又は空間の全て又は一部分内に形成されても良い。
【0021】
移植片、ステント−移植片及びウエブ−ステントを作る方法
最後に、本発明は、本発明の移植片、ステント−移植片及びウエブ−ステントを製造する方法を提供する。本発明の方法は、ニッケル−チタン合金のような生体適合性材料からなる膜を、平面シートか管として真空蒸着することによって、装置を形成することを含む。蒸着される材料の厚みは、製造されている特定の実施形態によって決定される。蒸着された膜が形成された後に、添加又は除去方法を採用して、構造部材、隙間のウエブ領域、移植片領域及び/又は蒸着された膜内の複数の穴を形成する。別の方法として、ニチノールのような生体適合性材料の予め製造された出発材料の膜が採用され、真空蒸着方法又は一般的な金属形成技術又は予め製造された膜の一部分を除去してウエブ−ステント装置の間隙領域を形成することによって、ステントの模様が形成される。
【0022】
移植片部材が製造される場合には、蒸着されるか又は予め製造された出発材料の膜の厚みは、移植片部材内に構造部材が存在しないことにより、ウエブ−ステントが形成されつつある場合よりも薄い。しかしながら、ステント−移植片又はウエブ−ステントが製造されつつある場合には、構造部材は別の方法によって作っても良い。構造部材は、真空蒸着技術のような膜上に構造部材の模様を適用することによるか又は積層若しくは注入成形のような一般的な金属形成技術による添加技術によって形成しても良い。第二に、例えば、複数の構造部材の境界を形成するより薄い膜が形成されるまで、互いに隣接する構造部材間に隙間領域の模様をエッチングすることによって膜上の模様化された領域から材料を除去するために、除去又は選択的な除去技術を採用しても良い。構造部材として予め存在するステントが採用される場合には、構造部材を製造し又は形成する必要がないことは明らかである。
【0023】
本発明のために考えられた最良モードに従って、移植片、複数の構造部材及びウエブは、同じか又は類似した金属又は金属状材料によって作られる。治療応答性を改良するためには、採用される材料は、血液又は組織に接触する面にほぼ均質の表面形状を有することが好ましい。このほぼ均質な表面形状は、材料内の血液又は組織との接触面に沿った均質性を制御することによって達成される。本発明の実施形態に従って制御される均質性としては、粒子の大きさ、粒子材料の組成、ステント料の組成、ステントの血流面における表面起伏が含まれる。更に、本発明は、装置内の血流又は組織との接触面に沿って制御された均質性を有している管腔内装置を作る方法を提供している。材料の均質性は、基材上の材料を真空蒸着する一般的な方法を使用することによって制御することが好ましい。
【0024】
丈夫で均質な材料表面は、外部環境と相互作用する傾向がある反応性の平面を形成する不飽和の原子間結合および分子間結合を有するものとして概念化することができる。完全に清浄な表面は、O、O、CO、SO、NO、炭化水素及びその他のより複雑な反応性分子の環境空気に晒されたときに、空気によって運ばれる化学種に迅速に吸着するので、得ることが実際には困難である。酸素との反応は、金属表面上の酸素の生成を必ず伴い、これは不動態化として知られる自己制御式のプロセスである。酸化された表面はまた、簡単な空気によって運ばれる有機化合物を吸着することによって、空気とも反応する。均質な表面下組成物および表面上組成物の塊状材料が存在すると仮定すると、酸素及び炭化水素は一様に付着するかもしれない。従って、血管区分のような別の環境に更に晒すことによって、均一な生物学的応答がもたらされるかもしれない。
【0025】
ステントのような最近の金属製の血管装置は、ハイポチューブ(ハイポチューブ:低酸化チューブ)のようなステント前駆物質を作る金属に加工助剤を導入する多くのステップを採用している一般的な方法によって作られる塊状金属によって作られる。例えば、冷間引き抜きによって捕捉され且つ炭化物に変換されたオレフィン又は熱処理によって堆積された炭素原子は、典型的には、冷間引き抜き方法によって製造された316Lステンレス鋼内に大きな炭素を多く含む領域をもたらす。一般的なステントは、製造過程(成形型からの摩擦材料の移行、潤滑剤の混入、熱処理による化学偏析)によって生じる目立つ表面及び表面下の異質性を有している。これは、化学的組成物を備えた表面上及び表面下の含有物の形成を生じ、従って、塊状材料と異なる反応特性を有する。従って、酸化物、有機汚染物質、水及び電解質相互作用、タンパク質の吸着及び細胞の相互作用は、含有箇所の表面上毎に変化するかもしれない。上記したもののような含有物の予測できない分布は、血漿タンパク質及び細胞との相互作用のために利用可能な予測できず且つ制御できない表面を提供する。特に、これらの含有物は、血漿タンパク質の相互作用の特性及び程度を決定する表面自由エネルギ及び金属表面上の静電荷の規則的な分布パターンを妨げる。血漿タンパク質は、極性又は非極性の領域の相対的な親和性及びそれらの血液内の濃度によって表面上に非特異的に堆積する。ブロマン(Vroman)(Vroman L.、接触相反応における表面の重要性(The importance of surfaces in contact phase reactions(血栓及び血流遮断のセミナー、1987年;13(1):79−85)効果として知られている置換方法は、人工面における主タンパク質が、最初はアルブミンと置換され、次いでIgGフィブリノーゲンと置換され、最後に高分子量のキニノーゲンと置換される、時間に依存する連続的な置換を決定する。表面吸着特性における変動に拘わらず、吸着したタンパク質のいくつかは、細胞の付着に対して利用可能なレセプターを有しており、従って、付着部位を構成する。例としては、血小板のためのフィブリノーゲン 糖タンパク質レセプターIIbIIIa及び多くの血液活性化細胞のためのフィブロネクチンRGD配列がある。人工表面を内皮細胞で覆うことは治療過程における良好な目的であるので、装置の設計に内皮化を付与することは、移植可能な脈管装置の製造において望ましい。
【0026】
通常は、内皮細胞(EC)は、合流点が達成されるまで剥奪された領域を覆うために移動し且つ増殖する。増殖よりも定量的により重要な移動は、大まかには25μm/時間の速度すなわちECの直径(通常は10μm)の2.5倍の通常の血流の下で進む。ECは、細胞膜インテグリン・レセプター、特に接着域箇所に取り付けられた細胞間糸状体の錯体系によって調整された細胞膜のローリング動作によって移動する。接着域部位内のインテグリンは、複合信号装置に従って圧出され且つ最終的には(上記したRGDのような)基質接着分子内の特定のアミノ酸配列に結合する。ECは、インテグリンの集団によって表された細胞表面の大まかに16ないし22%を有している。Davies,P.F., RobotewskyiA., GriemM.L.実時間における内皮細胞の付着(Endothelial cell adhesion in real time)J.Clin.Invest.1993;91:2640−2652, Davies,P.F., Robotewski,A., Griem,M.L.,内皮細胞の付着の定性的研究(Qualitiative studies of endothelial cell adhesion),J.Clin.Invest.1994;93:2031−2038 これは、30分間に50%以上の改造を伴う動的過程である。病巣の付着接触は、大きさおよび分布が変化するが、それらの80%は6μm未満であり、それらの大部分は約1μmであり、流れの方向に伸び且つ細胞の先端で濃縮する傾向がある。付着部位に対する特定の付着レセプターを決定するために認識し且つ信号を送る方法は不完全には理解されているけれども、付着部位をいつも利用できることは、おそらく付着及び移動に好影響を与えるであろう。一つの細胞の全長に等しいか又はより短い間隔で種々の含有物を有する結果として起こる付着部位の不規則な又は予測できない分布は、移動する細胞の経路に沿った交互に変わる好ましくない付着状態と好ましい付着状態とを決定しそうである。これらの状態は、理想的な付着強度及び移動速度から、付着を持続するのに不十分な保持強度まで変化し、動脈の血流状態下での細胞の脱落組織を生じる。この製造方法によると、現在の移植可能な脈管装置は、原子力顕微鏡法、X線光電子分光法及び飛行時間型二次イオン質量分析法のような表面感知技術によって決定されるような表面組成物の変動性を呈する。
【0027】
移植されたステントの内皮化を増すための多くの試みがなされて来ており、その中には、ポリマー材料によってステントを覆うこと(米国特許第5,897,911号)、ステント上にダイヤモンド状の炭素コーティングを付与すること(米国特許第5,725,573号)、ヘパリン分子に疎水性の部分を共有結合させること(米国特許第5,955,588号)、ステントを酸化ジルコニウム又は窒化ジルコニウムの濃い藍色の層でコーティングすること(米国特許第5,649,951号)、ステントを乱流層を形成する(turbostratic)炭素の層でコーティングすること(米国特許第5,387,247号)、ステントの組織接触面をVB族金属の薄い層でコーティングすること(米国特許第5,607,463号)、ステントの表面にチタン又はTi−Nb−Zr合金のようなチタン合金の多孔質のコーティング付与すること(米国特許第5,690,670号)、超音波条件下で、ステントを、ヘパリン、内皮誘導成長因子、血管成長因子、シリコーン、ポリウレタン又はポリテトラフルオロエチレンのような合成又は生物学的に活性又は不活性な試薬でコーティングすること(米国特許第5,891,507号)、ステントをビニル基を有するシラン化合物でコーティングし、次いで、シラン化合物のビニル基で重合することによってグラフト重合体を形成すること(米国特許第5,782,908号)、ステントにモノマー、オリゴマー又はポリマーの特性を付与するために、赤外線、マイクロ波放射線又は高圧重合作用を使用して、ステントの表面にモノマー、オリゴマー又はポリマーを枝状につなぐこと(米国特許第5,932,299号)が含まれる。
【0028】
このようにして、ステントに伴う血栓形成特性及び再内皮化の問題は、ステント材料よりも血栓形成性が低く及び/又はステント部位の再内皮化を促進する高い機能を有する生物学的に活性なラミネートか不活性なラミネートによってステントを覆う種々の方法で、当該技術によって処理されて来た。しかしながら、これらの解決方法は、全て、表面ラミネート又は改質のための基材として現存するステントを使用することを必要とし、これらの解決方法の各々は、ステント基材上に形成された、偏った又は積層された構造を生じる。これらの従来技術によるコーティングされたステントは、内腔へとカテーテルを給送し及び/又は生体内で拡張して機械的な応力が生じたときに、コーティングの離層及び/又は亀裂を受けやすい。更に、これらの従来技術によるステントは、一般的なステント形成技術、例えば、金属の冷間加工に従って製造されたステントに付与されるコーティングを採用しているので、同コーティングの下に横たわっているステント基材は、その表面に制御されていない不均質性を有することを特徴としている。従って、コーティングは、不均質なステント表面上に単に横たわり、本質的に、ステント表面の不均質な起伏に一致し、結果的に得られるコーティングの血液接触面におけるこれらの不均質性を反映する。これは、概念的には、膨れた塗料の古いコーティングの上に新しい塗料のコーティングを追加することに似ており、新しいコーティングは、その膨れに一致し且つ最終的には膨れあがって下に横たわっている基材から剥がれるであろう。このようにして、表面の不均質形状は、典型的には、表面コーティングを介して知らされる。一方、化学的な不均質性は、表面コーティングを介して知らされないかも知れないけれども、特定の化学的不均質性に依存して、付着層の亀裂又は剥離によって露呈されるかも知れない。
【0029】
本発明は、移植片、ステント、ステント−移植片及びその他の管腔内装置の製造用に特別に設計された材料を形成することを含んでいる。本発明の好ましい実施形態によれば、移植片、ステント、ステント−移植片及びその他の管腔内装置は、それらの表面に沿って、規則的で均質の原子及び分子の分布模様を得るように制御されている。このことは、予測できない酸化および有機物の付着模様を形成し且つ水、電解質、タンパク質及び細胞との予測できない相互作用を有する、表面組成の著しい変動を避ける。特に、ECの移動は、妨げられない移動及び付着を促進するための自然な又は移植された細胞付着部位として作用する結合領域の均質な分布によって支援される。観察されたEC付着機構に基づいて、このような結合領域は、結合領域同士の間に、1μm以上の半径で2μmの縁から縁までの間隔の血液接触面に沿った繰り返し模様を有するべきである。如何なる所与の時点においても、内皮細胞が結合領域に近接して位置することを確保するために、理想的には、結合領域間の空間は、内皮細胞の公称径よりも短い。
【0030】
発明の概要
本発明に従って、ラミネートされた膜構造及びラミネートされた膜構造を作る方法が提供される。このラミネートされた膜構造は、当該ラミネートされた膜構造と実質的に等しい厚みの単一層からなる膜構造よりも優れた機械的特性を示す生体適合性金属又は生体適合性材料の複数の重ね合わされた層の少なくとも二つの層からなる。
【0031】
本発明に従って、ウエブ−ステント装置のための構造支持のための主要な手段を提供する複数の構造部材の少なくとも一つが設けられた、ラミネートされた膜によって作られたウエブ−ステント装置が提供される。複数の構造部材は、互いに隔置されて、互いに隣接する構造部材間に空間領域又は間隔を形成している。本発明においては、複数の構造部材を形成している材料と同じか又は類似している材料のウエブが、互いに隣接する構造部材間に隙間又は空間領域を形成している。ウエブは、複数の構造支持部材間の隙間領域又は空間領域の全て又は一部分内に形成されても良い。複数の連結された構造部材とウエブとの両方が、最初はほぼ平らな材料又は最初はほぼ円筒形の材料によって作られても良い。
【0032】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、ステント−移植片装置が提供され、このステント−移植片においては、移植片部材が、膜状の材料として形成され且つ複数の構造支持部材の基端及び末端の一方又は両方に機械的に結合され、ステント−移植片の内腔面か外腔面を形成する複数の支持構造部材の表面を覆っている。移植片部材は、別個に形成されてもよく又は複数の構造部材から突出している連続的な薄い膜として形成されても良い。移植片部材が複数の構造部材から突出している連続した薄い膜として形成されている場合には、この薄い膜は、外腔側へと裏返されるか又は内腔側へ裏返されて、複数の構造部材に隣接するように配置されて、内腔面又は外腔面のどちらか又は両方を覆うようにされるか、又は複数の構造部材は、次いで、反対側の端部、すなわち、複数の構造部材の基端は又は末端に接着される。
【0033】
本発明の別の実施形態に従って、生体適合性の金属又は金属状材料によって作られた別個の薄いシートとして形成された移植片が提供される。移植片部材を横断方向に貫通している複数の穴が設けられている。この複数の穴は、任意でも良く又は模様化されていても良い。複数の穴の各々の大きさは、その中を流体が通過するのを許容することなく、各穴内を細胞が移動するのを許容するような大きさであるのが好ましい。このようにして、血液は、複数の穴内を通過することができないが、種々の細胞又はタンパク質は、複数の穴の中を自由に通過できて、生体内での移植片による治療を促進する。
【0034】
本発明の更に別の特徴に従って、一方又は両方がラミネートされた膜によって作られている二つの移植片部材が採用されることが意図される。第一の移植片部材の外径が第二の移植片部材の内径よりも小さくなされて、同第一の移植片部材が第二の移植片部材の内腔内に同心状に係合可能であるようになされた二つの移植片部材が採用されることが考えられている。第一及び第二の移植片部材の両方ともが、その中を貫通している複数の模様化された穴を有している。第一及び第二の移植片部材は、相互に同心状に配置され、複数の模様化された穴が相対的に位相が合わないように配置されて、同心状に係合された第一及び第二の移植片部材の壁を通る曲がりくねった細胞移動経路を形成するようになされている。第一及び第二の移植片部材の細胞の移動及び治療を容易にするために、第一及び第二の移植片部材内の複数の穴間を連通する付加的な細胞移動経路を提供することが好ましい。これらの付加的な細胞移動経路は、1)第二の移植片の内腔面か第一の移植片の外腔面かのどちらか又は両方に形成されてスペーサーとして機能し且つ第一の移植片部材と第二の移植片部材との間に環状の穴を維持し且つ第一の移植片部材と第二の移植片部材とに設けられた複数の穴間を連通するように細胞が移動するのを許容する複数の突出部として、又は第一の移植片部材と第二の移植片部材との長手軸線に対して任意か、径方向か、螺旋状か、長手方向であっても良い複数の微細溝であって、その中を流体が流れるのを許容することなく、溝に沿った細胞の移動および進入を許容するのに充分な大きさであり、第一の移植片部材及び第二の移植片部材内の複数の穴間の細胞移動導管として機能する複数の微細溝、として付与することができる。
【0035】
本発明はまた、真空蒸着によって膜を形成することのような生体適合性材料の平面状か又は管状の膜を提供すること、及び次いで、複数の構造部材の輪郭をなすウエブを形成するより薄い膜領域が形成されるまで隙間領域を除去することを包含する、ウエブ−ステント装置を製造する方法をも提供する。別の方法として、ニチノールのような生体適合性材料で作られた予め存在する一般的な方法で製造されたシート又はチューブを、エッチングされた領域に、より薄い膜が形成され、それによって、ウエブ−ステント装置の隙間のウエブ領域を形成するまで、エッチングしても良い。
【0036】
最後に、本発明に従って、材料の構成内にほぼ均質な血液又は組織接触面を提供するラミネートされた膜材料によって作られた移植可能な管腔内装置が提供される。更に特定すると、本発明は、ステントの血流又は組織との接触面に沿って制御された均質性を有する材料によって作られた管腔内移植片、ステント、ステント−移植片及びウエブ−ステントを提供する。
【0037】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明に従って、好ましくはほぼ均質な表面特性を呈する、ステント、ウエブ−ステント及びステント−移植片装置が提供される。本発明による、移植片、ステント−移植片及びウエブ−ステント装置は、平面状か円筒形かの形状の、重ね合わされた膜を形成するための生体適合性材料の少なくとも二つの層を蒸着され次いで、この膜に支持部材の模様を付加するか、又は重ね合わされた膜の少なくともいくつかの領域を除去して出発材料である膜に更に薄い領域を形成し且つ比較的厚い膜領域によって形成された互いに隣接する構造部材間のより薄いウエブ領域及び/又は比較的薄い移植片領域のような、比較的薄い膜領域と比較的厚い膜領域とを画成することによって作ることができる。添加による方法は、平面状又は円筒形の膜に支持部材の模様を真空蒸着するか又は積層することを含んでいても良い。除去による方法は、構造部材を形成し且つマスキングされていない領域を腐食液に晒すことによって、材料の不所望な領域をエッチングすることを含んでいる。更に、生体内での治療を改良するためには、ウエブ又は移植片を貫通する穴を付与することが有利である。これらの穴は、ウエブ又は移植片を形成する過程中に作るのが好ましい。ウエブ又は移植片内の穴は、光食刻法のような一般的な方法、マスキング及びエッチング技術、レーザーアブレーション、EDM又は微細機械加工等によって形成することができる。超小型電子技術及び真空コーティング製造技術において知られており且つ当該明細書に参考として組み入れられている適切な蒸着方法は、ステント模様に金属層を付与するために使用されるプラズマ蒸着及び物理蒸着である。
【0038】
本発明の特徴に従って、装置の血液接触面全体にほぼ均質な表面特性を有する材料によって作られる真空蒸着された装置が提供される。管腔内ステントを製造するための現存の製造方法は、本発明の所望の材料特性を達成することができない。上記したように、ステントは、基材金属に処理援助を組み込んだ方法で処理される塊状材料によって作られる。現在のところ、ステントは、塊状材料によって作られたハイポチューブを、径方向の膨張を吸収するためにハイポチューブ内に一連の穴又は模様を加工することによって又はワイヤを格子模様に織ることによって作られる。
【0039】
本発明は、その内腔面に制御された不均質性を有する塊状材料によって作られたステントからなる。不均質性は、理想的なタンパク質結合能力を有するステントと表面に沿った領域又は部位をもたらす規定された粒子の大きさを有するためようにステントの塊状材料を製造することによって制御される。本発明のステントの所望の特性は、(a)調整された許容限界に合致するか又は同限界を超える理想的な機械的特性、(b)亀裂又はピンホールのような不連続性を制御すること、(c)見せかけの加速試験によって策定される400MMサイクルの疲労試験、(d)耐食性、(e)材料内に生物学的に重要な不純物を含まない生体適合性、(f)非外傷性脈管横断及び追跡を容易にし且つステント導入のためのカテーテル給送技術に適合した実質的に非摩擦性の外腔面、(g)選択された部位における放射線不透過性及びMRI適合性、(h)表面エネルギ及び微細起伏に対して理想化された内腔面を有すること、(i)所望の材料特性を達成するのに合致した最少の製造及び材料コスト、及び(j)高い歩留まり、である。
【0040】
血液タンパク質の管腔内装置の表面との相互作用は、脈管内装置の組織組み入れにつながる一連の事象における最初の段階であることが明らかであるので、管腔内装置の表面形状の制御は重要である。本発明は、部分的には、管腔内装置を作るのに使用される材料の表面エネルギと管腔内装置の表面におけるタンパク質の吸着との間の相対関係に基づいている。本発明者らは、管腔内装置の製造において慣例的に使用される金属上の表面自由エネルギとタンパク質の吸着との間に相対関係が存在することを発見した。更に、金属の管腔内ステントの表面に存在する特定の静電力は、血液のステント表面及び脈管壁との相互作用に影響を及ぼすことが判明した。
【0041】
本発明の好ましい実施形態に従って、本発明による移植片、ステント−移植片及びウエブ−ステントは、超小型電子技術及び微小製造真空コーティング技術において使用され且つ標準的であるものと同じ金属蒸着方法(本明細書において参考として組み入れられている)によって、移植片、ステント−移植片及びウエブ−ステントを製造することによって達成される表面形状を有している。本発明の好ましい実施形態に従って、好ましい蒸着方法は、イオンビーム補助による蒸着及びスパッタリング技術を含んでいる。イオンビーム開放補助具による蒸着においては、アルゴン、キセノン、窒素又はネオンのような不活性ガスを使用して蒸着されつつある材料の同時イオン衝撃による二重且つ同時熱電子ビームを採用することが好ましい。蒸着中における不活性ガスイオンによる衝撃は、蒸着された材料の原子詰め込み濃度を増すことによって空隙含有量を減らす役目を果たす。蒸着された材料内の空隙の含有量が減ることによって、蒸着された材料の機械的特性が、塊状材料の特性に類似せしめられる。20nm/sec以下の蒸着速度は、イオンビーム補助による蒸着技術を使用して達成することができる。
【0042】
スパッタリング技術が採用される場合には、200ミクロンの厚みのステンレス鋼の膜を約4時間の蒸着時間内に蒸着させることができる。スパッタリング技術においては、発生源内の同軸位置に保持されている基材を同心状に取り巻く円筒形のスパッタリングターゲットを有する単一の円筒形発生源を採用することが好ましい。
【0043】
本発明によるステントを形成するために採用することができる代替的な蒸着方法は、陰極アーク、レーザーアブレーション及び直接イオンビーム蒸着である。金属製造技術において知られているように、蒸着された膜の結晶構造は、蒸着された膜の機械的特性に影響を及ぼす。蒸着された膜のこれらの機械的特性は、例えば、アニーリングのような後処理によって改質しても良い。
【0044】
本発明による移植片、ステント−移植片及びウエブ−ステントを作るための材料は、それらの生体適合性、機械的特性すなわち引っ張り強度、降伏強度及び蒸着の容易性に対して選択され、限定的ではないが、以下のようなものが含まれる。すなわち、元素のチタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、珪素、マグネシウム、ニオビウム、スカンジウム、白金、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデンおよびジルコニウム−チタン−タンタル合金のようなこれらの合金、ニチノール及びステンレス鋼が含まれる。
【0045】
蒸着中において、チャンバ圧力、蒸着圧力及び処理ガスの部分圧力は、基材上の所望の化学種の蒸着を理想化するために制御される。超小型電子技術製造、微小製造及び真空コーティング技術において知られているように、反応性ガス及び非反応性ガスの両方が制御され、蒸着チャンバ内に導入される不活性又は非反応性気体化学種は、典型的にはアルゴン及び窒素である。基材は、静止のものであっても可動のものであっても良く、可動のものは、基材上に蒸着される材料の蒸着及び模様化を容易にするために、その長手軸線を中心に回転しても、X−Y平面内で移動しても、蒸着チャンバ内で平面的に又は回転方向に移動しても良い。蒸着された材料は、(a)所望の模様の陽画像又は陰画像を形成するために、例えば、基材表面に適用されるエッチング又は光食刻法技術によって、基材上に陽画像か陰画像を付与することによって、又は(b)基材に適用される模様を規定するために基材に対して静止しているか可動であるマスク又はマスクの組を使用することによって、基材上に均一な固体膜として蒸着するか又は模様化しても良い。模様化は、例えば、異なる給送状態、展開状態又は生体内の環境の下で種々の機械的な特性を付与するために、その長さに亘る膜の厚みを変化させることによって、相対的な厚み及び薄さの領域の模様の空間的な配向の状況において、結果的に得られる構造支持部材、ウエブ領域又は移植片の複雑な仕上げられた幾何学的形状を達成するために採用されても良い。
【0046】
この装置は、種々の方法のうちのいずれかによって、装置を形成した後に基材から取り外しても良い。例えば、基材は、エッチング又は分解のような化学的手段、アブレーション、機械加工又は超音波エネルギによって取り外すことができる。別の方法として、炭素、アルミニウム又はフォトレジストのような有機塩基材料のような物質の犠牲層を、基材とステントとの中間に堆積させ、その犠牲層を、溶融、化学的手段、アブレーション、機械加工又はその他の適当な手段によって除去して、ステントを基材から自由にしても良い。
【0047】
結果的に得られた装置を、次いで、アニーリングのような蒸着後処理を受けさせて結晶構造を改質するか又はエッチングによって装置の不均質な表面をさらして表面の起伏を改質しても良い。
【0048】
従って、本発明は、材料及び同材料を作るための方法の両方からなる。本発明の材料は、機械的強度及び靭性が他の特性より重要である。本発明のために現在考えられている最良の形態に従って、本発明の材料は、各々、化学的な差が無い約10マイクロメータの厚みの316Lステンレス鋼のいくつかの層からなる。層は、2ナノメートルrmsよりも大きい界面の微細粗さを有するこれらの層間の界面によって規定される。この材料によって作られたステンレス鋼膜の累積厚みは、約100マイクロメータである。
【0049】
本発明の材料は、円筒形の銅製の心棒を円筒形のDCマグネトロンスパッタリング装置の軸線に沿って配置することによって作られるのが好ましい。真空を達成し、アルゴンスパッタリングガスを受け入れ、316Lステンレス鋼製のターゲットの表面を洗浄した後に、一時間当たり50マイクロメータの速度で12分間、膜の蒸着を行って、10マイクロメータの厚みの第一の層を作る。蒸着の際、120Vの負のバイアス電圧が心棒にかけられる。膜が成長し、この膜は、円柱が厚み全体に亘って達する円柱形状を有する。第一の層が蒸着された後に、蒸着過程は、短い期間(1分以下)中断される。この時間は、新しく蒸着された膜上に付着層が形成されるのに十分な時間である。蒸着が再開されると、この付着層は、円柱が連続的でないという点においてのみ以前の層の円柱状の成長とは異なる円柱状の成長を生じさせる。この蒸着方法の各ステップは、所望の累積的な材料の厚みが得られるまで繰り返される。この時点で、心棒上にある材料が真空蒸着チャンバから取り出され、銅製の心棒が化学的に取り外される。表面仕上げ、切断等の付加的な蒸着後のステップを採用しても良い。
【0050】
図面を参照すると、本発明の代替的な実施形態が示されている。図1A及び1Bには、本発明による多層を重ね合わせた膜が示されている。本発明の膜10は、同膜10を形成するために互いにラミネートされた複数の異なる層11からなる。個々の層は、生体適合性金属のような同じ生体適合性材料によって作っても良い又は異なる生体適合性材料によって作っても良い。
【0051】
図2を参照すると、本発明によるウエブ−ステント20が示されている。ウエブ−ステント20は、真空蒸着によりラミネートされた平らな又は円筒形の膜10によって作られている。ウエブ−ステント20は、複数の構造部材22を形成するようになされた原材料の領域をマスキングし、次いで、互いに隣接する構造部材22同士の間の隙間領域の境界を形成する隙間ウエブ24を形成している、マスキングされていない領域を、次いで、エッチングすることによって形成される。この隙間ウエブ24は、複数の構造部材22の厚みよりも薄い材料の厚みまでエッチングされる。隙間ウエブ24の内腔面26の内皮化を許容するために、隙間ウエブ24内に複数の穴を付与することが好ましい。穴は、以下に説明するように、隙間ウエブ24内に任意の模様として又は規則的な模様として付与されても良い。
【0052】
図3を参照すると、本発明によるステント−移植片30が示されている。ステント−移植片30は、管状材料か平面状のラミネートされた膜10によって形成され、この材料が、複数の構造部材32と構造部材32間の隙間領域34とを形成するようにエッチングされる。更に、ステントの基端36か末端38の移植片領域のどちらか又は両方が設けられ、これらは終端の構造部材32から外方へ突出している。基端の移植片領域36と末端の移植片領域38とは、構造部材の厚みより薄い厚みまでエッチングされるのが好ましく且つ以下に説明するように細胞の移動を促進する穴が貫通して形成されている。
【0053】
ある種の用途においては、構造支持部材32から外方へ突出している基端の移植片領域36と末端の移植片領域38とのどちらか又は両方を備えたステント−移植片30を採用することが有用かも知れない。更に、ラミネート膜10を含む一以上の重ね合わされた個々の層11は、構造的支持部材32から外方へ突出していてもよい。本発明の代替的な実施形態が図4及び5に示されている。ステント−移植片30の代替的な実施形態は、複数の構造支持部材32の内腔面及び外腔面を、内腔移植片36と外腔移植片38とによって覆うことを含んでいる。内腔移植片36は、最初は、図3における基端の移植片領域36として形成し且つ内腔側へと裏返し39にされ、構造部材32によって規定された内腔内へと通される。外腔移植片38は、最初は図3における末端の移植片領域38として形成され、次いで構造部材32を覆うように外腔側へと裏返し37される。別の方法として、内腔移植片36と外腔移植片38とは、生体適合性金属又は金属状材料によって作られた予め製造された別個の管状又は平面状の移植片部材として形成しても良く、この金属又は金属状部材は、次いで、管状に成形されて複数の構造部材32の周りに同心状に係合せしめられる。外腔移植片38及び内腔移植片36の各々の一部分は、複数の構造部材32に対して結合されるか又は互いに結合され、それによって、内腔移植片36と外腔移植片38との間の複数の構造部材32を効率良く包囲する。外腔移植片38及び内腔移植片36の各々の対向する自由端部は、複数の構造部材32の終端部分に機械的に結合され且つ共通の終端とされていることが好ましい。機械的な結合は、溶接、縫合、接着、半田付け、熱接着、リベット締め、クリンプ加工又はあり継ぎのような方法によって達成することができる。本発明の代替的な実施形態に従って、隙間領域34は、図1及び2に関して上記したように、ウエブ34によって境界が形成されていても良い。
【0054】
当業者は、ステント、ウエブ−ステント又はステント−移植片の比較的薄い領域を形成する領域から材料を取り除く代替的な方法を採用しても良いことを理解するであろう。例えば、化学的エッチングの他に、イオンエッチング、レーザーアブレーション、EDM、レーザー機械加工、電子ビームリソグラフィー、反応性イオンエッチング、スパッタリング又はそれらと等価の方法によって塊状材料を取り除くことによって比較的薄い領域を形成することができ、これらの方法は、移植片領域の厚みか構造部材間の隙間のウエブ領域内の材料の厚みを減らすことができる。別の方法として、規定された隙間ウエブか又は移植片領域に構造部材を付加して装置を形成しても良いし、又は隙間ウエブ又は移植片領域を予め存在する構造部材に付加しても良い。採用しても良い付加的な方法としては、積層、メッキ又は成形を含む一般的な金属形成技術がある。
【0055】
同様に、ほぼ平面状のシート基材、弓形の基材又は次いで上記した除去又は添加技術によって処理される管状基材を含む、広範囲の初期塊状材料形状を採用しても良い。
【0056】
構造部材、隙間ウエブ及び/又は一体の材料を形成することによって、結果的に得られる装置の外周又はフープ強度のみならず装置の長手方向又は柱強度もが、一般的なステント−移植片装置に亘って高められる。製造方法による本発明の更に別の利点としては、蒸着方法によって装置を形成するために使用される材料の制御された均質性及び/又は不均質性、装置の寸法上の及び機械的な特性を制御することができる高い能力、複雑な装置の構造を作ることができる能力、ウエブ及び/又は移植片領域の多孔度を模様化し且つ制御する能力、及び最少化された装置の横形状及び断面積をもたらす装置の一体構造が含まれ得る。本発明の装置は、比較的厚い領域と薄い領域とを有しており、より薄い領域は、管腔内への給送のために装置の径方向の潰れを許容する。本発明の装置は、より小さな導入時の大きさを許容し且つ装置の展開をより容易にする優れた柱強度を呈する。
【0057】
図6及び7に示されているように、互いに隣接する構造部材42,52間のウエブ及び/又は移植片領域44,54は、構造部材42の内腔面か外腔面と同一平面であっても良く又は構造部材52の内腔面51と外腔面56との中間の面に配置しても良い。
【0058】
本発明の好ましい実施形態に従って、本発明のウエブ−ステントのウエブ領域、本発明のステント−移植片の移植片領域及び本発明の移植片は、本発明の装置を作るために使用された材料の厚みを貫通する複数の穴を有している。複数の穴の各々は、複数の穴を通る血液の漏れ又は浸出を許容することなく、同穴を通る細胞の移動を許容する大きさになされている。複数の穴は、任意であっても良く又は模様化されていても良い。しかしながら、装置の効率の良い多孔度を制御するためには、本発明を製造するために使用される材料内に模様化された穴を付与することが望ましい。
【0059】
図8Aないし8Cは、本発明のウエブ−ステント、ステント−移植片の移植片領域及び本発明の移植片を作るために使用される材料の一部分に設けられる模様化された穴のいくつかの例を示している。図8Aは、材料基材62を通過している複数の円形の穴64を備えた材料60を示している。複数の円形の穴は、互いに隣接する穴間に規則的な穴間の距離65を備えた行及び列の規則的なアレイ状に模様化されている。図示された特定の実施形態においては、複数の穴の各々の直径は約19μmであり、各行及び列の穴間の距離は中心間で約34μmである。材料62の厚みは約10μmである。図8Bは、本発明において有用な複数の穴の模様の別の例を示している。厚みが約10μmである材料62は、貫通している複数の穴66及び67を有している。複数の穴66及び67の模様は、複数の穴66が互いに隣接して配列されて材料62に対してy−軸方向に配列された列68を形成している交互の穴の模様であり、一方、複数の穴67は、互いに隣接して配列されて、材料62に対してx−軸方向に配列された列を形成している。y−軸方向に配列された列68及びx−軸方向に配列された列69は、次いで、材料60内で相互に隣接して配置されている。この特定の例においては、y−軸方向に配列された列68とx−軸方向に配列された列69との間のアレイ間の距離は約17μmであり、一方、複数の穴の各々は、約153μmの長さと約17μmの幅とを有している。図8A及び8Bに例示された代替的な実施形態と同様に、複数のダイヤモンド形状の穴63の大きさは、複数の穴63を通る血流又は浸出を阻止するけれども、細胞が穴63を通過するのを許容するのに充分な大きさである。
【0060】
図9A及び9Bは、本発明による移植片70及び移植片80の代替的な好ましい実施形態を図示している。移植片70は、概して、同心状に配置された内腔移植片部材74と、外腔移植片部材72と、外腔移植片部材72の内腔面と内腔移植片部材74の外腔面との相互の中間に並列している隙間領域76と、から構成されている。内腔移植片部材74と外腔移植片部材72との両方は、上記した方法に従って作られ且つ外腔移植片部材72内の複数の模様化された穴73と内腔移植片部材74内の複数の模様化された穴75とが設けられている。複数の模様化された穴73及び75は、相対的に位相をずらして配置されている。複数の模様化された穴73及び75を位相をずらして配置することにより、移植片の内腔からの血流又は浸出を許容する隙間領域76を貫通する連続的な穴が設けられる。しかしながら、移植片の外腔面から移植片の内腔までの細胞の移動を許容するために、隙間領域76は、任意に又は隙間領域76を中心とする螺旋状又は円周状のように選択的に配向されている微少粗さ(図示せず)を有するべきである。微少粗さは、約5μないし約65μの深さの山対谷の深さを有するのが好ましく、約10μないし15μが最も好ましく、外腔移植片72の内腔面上か内腔移植片74の外腔面上かに設けられるか、その両方に設けられていても良い。微少粗さは、互いに隣接する対の穴73,75の間の表面領域に広がり、微少粗さの深さは、隣接する穴73と75との間の表面を横切って細胞が移動するのを許容する。微少粗さは、内腔移植片74と外腔移植片72との間の境界において穴間の領域を通る流体の通路を許容するのに充分な大きさではない。細胞の成長を許容するこの特性は、予凝固することを必要としない膨張したポリテトラフルオロエチレン移植片の多孔度と、そこから流体が浸出するのを防止するために予凝固を必要とするポリエステル又はDACRON移植片の遙かに大きい多孔度との間の差に似ている。
【0061】
図9Bは、本発明の移植片80の代替的な実施形態を図示しており、当該移植片においては、外腔移植片部材82が、内腔移植片部材84の周りに同心状に配置されている。外腔移植片部材82及び内腔移植片部材84の各々は、各々、その中を貫通している複数の模様化された穴83,85を有している。図9Aに図示された実施形態におけるように、複数の模様化された穴83及び85が、互いに位相をずらした関係で配置されて、移植片80の内腔面と外腔面との間に連続的な穴を形成することを防止している。しかしながら、図9Aの実施形態とは異なり、対応する界面領域74が設けられていない。その代わりに、環状の空間領域87が、内腔移植片部材84と外腔移植片部材82との中間に配置されている。外腔移植片部材82の内腔面から径方向内方へ突出するか、内腔移植片部材84の外腔面から径方向外方へ突出している複数の微細突起86を設けることによって、環状の空間領域87が形成されている。複数の微細突起86は、環状の空間領域87を抑制する内腔移植片部材84か外腔移植片部材82かの対向面に当接するスペーサーとして機能する。微細突起86の高さ及び環状空間領域87の大きさは、細胞が環状空間領域87内を移動し、一方、移植片80の内腔面と外腔面との間に血流又は浸出が起こらない大きさとされている。
【0062】
本発明の移植片の実施形態の特別な特徴に従って、内腔移植片部材74,84内の複数の穴の大きさは、外腔移植片部材72,82内の複数の穴の大きさと異なっていても良い。例えば、内腔移植片部材74,84内の複数の穴と外腔移植片部材72,82内の複数の穴との間に位相のずれという相対関係を維持しつつ、外腔移植片部材72,82内の複数の穴は、内腔移植片部材74,84内の複数の穴の大きさよりも大きいのが好ましい。円形の穴が設けられている場合には、内腔移植片部材74,84と外腔移植片部材72,82とは、約5μmないし100μmの直径を有することが好ましい。
【0063】
更に、内腔移植片部材74,84と外腔移植片部材72,82との間に第三の部材を介在させても良い。この第三の部材は、2ないし10μ程度のような極めて細かい複数の穴を有することが好ましく、これは、内腔移植片部材74,84内の穴と外腔移植片部材74,84内の穴との間の位相のずれの関係を維持する必要なく、内腔移植片と外腔移植片とにより高い多孔度を使用することを許容する。
【0064】
最後に、本発明による、移植片、ステント−移植片及びウエブ−ステントを製造するための方法90が、図10の処理フローチャートに示されている。既に説明したように、出発材料であるブランク材は、生体適合性の金属又は金属状材料のラミネートされた膜94からなる出発ブランク剤に真空蒸着することによって形成することができる。次いで、移植片、ステント−移植片又はウエブ−ステントを形成するために、添加方法を採用するか除去方法を採用するかの決定がなされる(96)。添加方法が選択された場合(97)には、真空蒸着技術か又は一般的な金属形成技術によって、出発ブランク材上に構造支持部材が作られる(100)。除去方法が選択された場合(95)には、残すべき部分にマスクがかけられ(98)、次いで、マスクがされていない領域が例えば化学的エッチング又はスパッタリングによって除去されて、隙間ウエブ領域、移植片領域及び/又は隙間ウエブ領域及び/又は移植片領域の穴が形成される(99)。
【0065】
本発明の代替的な実施形態を示すために以下の例を提供するが、これらは、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
例1:スパッタリングによるステントの形成
セラミックの円筒形基材をグロー放電基材洗浄機能並びに炭素及びステンレス鋼のスパッタリング蒸着の機能を備えた蒸着チャンバ内へ導入する。蒸着チャンバを2×10−7トール以下の圧力まで真空にする。グロー放電によって、真空下で基材の予洗浄を行う。基材の温度は、約300℃ないし1100℃の温度を達成するように制御する。0.1eVないし約700eV、好ましくは5−50eVの高熱エネルギを有するように、基材の表面に高エネルギ種を到達させるのに充分な−1000ボルトないし+1000ボルトのバイアス電圧を基材にかける。蒸着源は円周状であり、ターゲットから基材の外周に蒸着させるように配向されている。
【0066】
蒸着中に、蒸着圧力は0.1ないし10ミリトールに維持される。10ないし500オングストロームのほぼ均一な厚み(±5%)の犠牲炭素層を基材上の外周に蒸着する。炭素層を蒸着した後に、ステンレス鋼の円筒形の膜を円筒形の基材上の犠牲炭素層上に、約10ないし100ミクロン/時間の蒸着速度で蒸着する。ステンレス鋼の膜を形成した後に、基材を蒸着チャンバから取り出し、加熱して、基材と膜との間にある中間の犠牲炭素層を蒸発させる。中間の炭素層を除去した後に、ステンレス鋼の膜は、基材から取り外され、これは、塊状のステンレス鋼ターゲットに似た材料特性及び粒子サイズ、材料組成及び表面起伏において制御された不均質性を特徴とする表面特性を呈する。次いで、膜を放電加工(EDM)又はレーザー加工することによって、得られたステンレス鋼の膜に一連の模様を機械加工する。
【0067】
例2:スパッタリングによるステントの形成
基材が環状であり且つ結果的に得られるステントと異なる熱膨張係数を有するように選択される以外は、例1におけるものと同じ作動条件に従う。犠牲炭素層からなる中間層を基材上に蒸着せず、基材の外側表面を、所望のステント模様を規定する凹部の模様にエッチングする。基材を、蒸着チャンバ内の回転ジグに取り付け、蒸着中に均一な速度で回転させる。ターゲット物質としてタンタルを使用し、単一の静止した発生源から基材の凹部内に蒸着する。蒸着後に、基材及び蒸着されたステントの温度は、基材とステントとに直径の差を付与し且つステントを基材から取り外すことができるように制御する。
【0068】
例3:イオンビーム補助による蒸着によるステントの形成
円筒形の基材を、基材の回転及び正確な位置決め、グロー放電による基材の洗浄、イオンビームの補助による蒸着及び円筒形移動スパッタリングの機能を有する蒸着チャンバ内に導入する。蒸着源は、(a)基材から固定した距離において、蒸着チャンバの基部に互いに隣接させて配置された二重電子ビーム蒸発源であって、制御されたイオンビーム源から基材上への同時アルゴンイオン衝撃と共に使用される二重電子ビーム蒸発源と、(b)基材上に10ないし200オングストロームのほぼ均一な厚みの炭素犠牲層を外周状にコーティングすることができる炭素ターゲットを備えた円筒形のマグネトロンスパッタリング源である。
【0069】
基材の温度は、約300ないし1100℃の基材温度を達成するように制御される。蒸着チャンバは、2×10−7トール以下の圧力まで真空にされる。基材の予洗浄は、グロー放電によって真空下で行われる。基材は、均一な洗浄及び引き続く均一な蒸着厚さを確保するように回転される。洗浄後に、基材はマグネトロン内へ移動せしめられて炭素層をコーティングされる。次いで、基材は同時イオン衝撃によるステント形成金属コーティングを受ける位置へと移動せしめられる。一方の電子ビーム蒸発源はチタンを含んでおり、一方、他方の蒸発源はニッケルを含んでいる。チタン蒸発源及びニッケルの蒸発源の各々の蒸発速度は、ステント形成金属として基材上にニチノール合金を形成するように別個に制御される。
【0070】
例4:ステントの平面蒸着
平面状の基材が使用される以外は、例3と同じ動作条件に従う。蒸着源は、白金を含む単一の電子ビーム蒸発源であり且つ制御されたイオンビーム源から基材上への同時アルゴンイオン衝撃と共に使用される。
【0071】
基材温度は、約300ないし1100℃の基材温度を達成するように制御される。蒸着チャンバは、2×10−7トール以下の圧力まで真空にされる。基材の予洗浄は、グロー放電によって真空下で行われる。洗浄後に、基材は蒸着チャンバ内へ移動せしめられて、同時アルゴンイオン衝撃を備えた電子ビーム蒸発源からの白金によってコーティングされ、電子ビーム蒸発源は、発生源と基材との間に介在せしめられているステントの模様に対応するパターンマスクを介して白金を通過させて基材上に白金の模様を形成する。蒸着後に、模様化されたステントは、基材から取り外され、成形基材の周囲に巻かれて、円筒形形状にされ、平面状のステントの両端は、相互に並置状態とされ、レーザー溶接によって接着されるか又は接合されないままとされる。
【0072】
例5:ステント−移植片エッチングによる薄い膜の蒸着
蒸着された層上にステントの模様付けをすることなく、150ミクロンの厚みを有するステント形成材料の均一な層が蒸着されること以外は、例4と同じ条件を採用する。蒸着されたステント形成材料に陰画マスクが適用され、ステント形成金属内に構造部材の模様をエッチングするために化学腐食液を導入する。腐食液は、2ないし75ミクロンの厚みを有するより薄い膜のウエブが隣接する構造部材間に付与されるまで、金属と反応せしめられる。より薄い膜のウエブが形成された後に、エッチングは停止され、結果的に得られたステント−移植片が取り外されて管形状に形成される。
【0073】
例6:ドライエッチング方法
より薄い膜ウエブを形成するために、反応性イオンエッチングが採用される以外は、例5と同じ条件に従う。
【0074】
例7:ステント−移植片の形成
構造部材が管状基材の中間領域に形成されていること及び境界の穴が管状の基材の基端領域と末端領域とをマスキングしつつ、隣接する構造部材間に境界領域が形成される間で隣接する構造部材間の境界領域が化学的エッチングによってエッチングされる以外は、例5と同じ条件に従う。構造部材及び隙間の穴をマスキングし且つ管状の基材の基端領域及び末端領域に材料のより薄い膜を形成するために、管状基材の基端領域及び末端領域を化学的エッチングすることによって、基端の移植片領域及び末端の移植片領域が、管状基材の中間領域に隣接して形成され且つ複数の構造部材に近接している。基端の移植片領域及び末端の移植片領域は、次いで、裏返しにされて、基端の移植片領域が構造部材の内腔内で内腔方向に裏返しにされ、末端の移植片領域が構造部材を覆うように外腔側へ裏返しにされる。基端の移植片領域は、複数の構造部材の末端側の終端に機械的に結合され、一方、末端の移植片領域は、複数の構造部材の基端側の終端に結合され、それによって、裏返しにされた基端の移植片領域と末端の移植片領域との間に複数の構造部材を包み込む。
【0075】
例8:ステント−移植片の形成−別個の移植片及び別個のステント
予め作られた自己膨張性の超弾性の形状記憶合金からなるステントを準備する。このステントに似た超弾性の形状記憶材料からなる2つの円筒形のハイポチューブを、ほぼ均一な10μmの厚みまで化学的にエッチングし、第一のハイポチューブは、ステントの外径を収容するのに充分な大きさの内径を有しており、第二のハイポチューブは、ステントの内径を収容する大きさの外径を有している。エッチングされたハイポチューブは、次いで、真空チャンバ内に配置され、各々、約25μmの直径を有している円形の穴の規則的なアレイを有している円筒形模様のマスクが、円筒形のハイポチューブの各々の周囲に同心状に配置される。エッチングされたハイポチューブは、反応性イオンエッチングを施されて、マスキングされた模様をエッチングされたハイポチューブに移し、マスクの模様に対応するエッチングされたハイポチューブの壁厚を通過する円形の穴の模様を付与する。ステント並びに第一及び第二のエッチングされ且つ反応性イオンエッチングされたハイポチューブが互いに同心状に係合されて、第二のハイポチューブがステントの内腔内に同心状に配置され、第一のハイポチューブがステントの外腔面の周りに同心状に配置されるようにする。ステントの基端及び末端、第一のハイポチューブ並びに第二のハイポチューブは、基端と末端とが共通の終端となるのを確実にするために、溶接によって機械的に接合され、次いで、レーザー加工によって形を整えられる。
【0076】
例9:移植片の形成
犠牲層をコーティングした円筒形の心棒を準備する。犠牲層には、複数の模様化された凹部が形成されている。蒸着チャンバ内に心棒が導入され、心棒を回転させながら、蒸着されたニッケル−チタン合金が円筒形の心棒を覆うまで同心棒上にニッケル−チタン合金が真空蒸着される。蒸着後、犠牲層が除去され、均一の接着層が円筒形の心棒から取り外され、移植片部材内の複数の模様化された凹部に対応する穴を備えた本発明の移植片がもたらされる。
【0077】
例10:平面状のラミネートされた膜
5×10−7トールまで空気を排出することができる真空チャンバを準備し、以下に示す工業用薄膜蒸着装置内に設置する。金属を蒸発させることができる電子ビーム銃をチャンバの基部に配置する。銃のるつぼに高純度のアルミニウム弾薬を充填する。蒸着速度を制御するために、膜の厚み及び蒸着速度の制御及び監視装置を、銃のるつぼへの射出力を監視し且つ制御することができる銃の上方の側部に取り付ける。平面状の基材を保持するための固定部材を、銃の上方50センチメートルのところに取り付け且つ銃を覆うように中心決めする。銃と基材固定部材との間に可動のシャッターを配置して、所与の適切な時間に、シャッターが蒸着経路から取り外されて基材上に蒸着が可能なようにする。200℃までの基材の制御された加熱を可能にするチャンバ内の位置に赤外線ヒーターを取り付ける。形成され且つ制御されたArイオンビームが基材固定部材内に保持された基材上に導かれるようなチャンバ内の位置に、イオン銃を取り付ける。
【0078】
基材上にラミネート/多層膜を形成するために以下のステップを行う。91.4センチメートル(36’’)角の正方形で0.4ミリメートル(0.016’’)の厚みの316Lステンレス鋼のシート金属の部分を、基材保持固定部材に取り付けて蒸着基材として使用する。5×10−7トールの圧力までチャンバを排気する。基材を200℃まで加熱し且つ維持するために赤外線ヒーターを使用する。シャッターを蒸着経路に配置した状態で、電子ビーム銃が始動してアルミニウムの弾薬を加熱し且つ放出する。アルミニウムの弾薬を加熱して一秒当たり75オングストロームに等しい蒸着速度に匹敵する蒸気圧を得る。これと同時に、イオンビーム銃が始動され、3×10−5トールのチャンバ圧力で、0.5mA/cmの電流密度を有する安定した200ボルトのArイオンビームが形成される。
【0079】
これらの状態に達し且つ安定化すると、シャッターを開く。5000オングストロームの厚みのアルミニウム膜が基材上に蒸着される。この時点で、シャッターを閉じ、電子ビーム銃の出力はゼロまで下げられる。イオンビーム銃は運転したままとする。8×10−4トールの圧力となるまでチャンバに酸素を充填し直す。シャッターを再度開いて、三分間、酸素雰囲気内で基材へのArイオンの衝突を可能にさせる。この時点でシャッターを閉じ、酸素の流れを止める。チャンバは、3×10−5トールまで排気される。電子ビーム銃を再スタートさせ、アルミニウム弾薬を再び放出させて適当な蒸着蒸気圧にする。シャッターを再度開き、5000オングストロームの厚みの第二のアルミニウム層を基材上に蒸着させる。シャッターを再び閉じ、電子ビーム銃の出力をゼロまで下げる。次いで、この層に、以前と同様に酸素を充填し直した環境でArイオンを衝突させる。50ミクロンの全厚みの多層膜を形成するのに必要とされるように、このサイクルを繰り返して多数の連続する層を形成する。
【0080】
以上、本発明を好ましい実施形態を参考にして説明したけれども、当業者は、本発明が開示された好ましい実施形態に限定されるものではなく、材料の選択、蒸着方法、蒸着されたステント材の材料の不均一性を制御する方法及び蒸着方法のパラメータにおける種々の変形を、本発明から逸脱することなく採用しても良く、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであることを理解し認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
1Aは、本発明によるラミネートされた膜のシート状構造の部分断面斜視図である。
1Bは、本発明によるラミネートされた膜の管状構造の部分断面斜視図である。
【図2】
本発明によるウエブ−ステントの好ましい実施形態の斜視図である。
【図3】
本発明によるステント−移植片の斜視図である。
【図4】
本発明の代替的な実施形態の斜視図である。
【図5】
図4の線5−5に沿った断面図である。
【図6】
互いに隣接する支持部材間の一対の支持部材と境界を形成する部分の断面図である。
【図7】
本発明の代替的な実施形態による、互いに隣接する支持部材間の一対の支持部材と境界を形成する部分の断面図である。
【図8】
図8Aは、貫通している複数の穴を備えた移植片又はウエブ領域の頂面図である。
図8Bは、貫通している複数の穴を備えた本発明の移植片又はウエブ領域の代替的な実施形態の頂面図である。
図8Cは、貫通している複数の穴を備えた本発明の移植片又はウエブ領域の第三の実施形態の頂面図である。
【図9】
図9Aは、本発明による移植片部材の第一の実施形態の横断面図である。
図9Bは、本発明による移植片部材の第二の実施形態の横断面図である。
【図10】
本発明による、移植片、ステント−移植片及び/又はウエブ−ステントを製造する方法を示しているフローチャートである。

Claims (23)

  1. 少なくとも一つの生体適合性材料からなる複数のラミネートされた層によって作られた自立型構造部材を含んでいる移植可能な医療装置。
  2. 請求項1に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記複数のラミネートされた層の少なくとも一つが、単一の塊状材料を更に含む、医療装置。
  3. 請求項1に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記自立型の構造部材が、複数の構造部材を有しているステントを更に含んでいる医療装置。
  4. 請求項1に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記自立型の構造部材が移植片を更に含んでいる医療装置。
  5. 請求項1に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記自立型の構造部材がステント−移植片を更に含んでいる医療装置。
  6. 請求項1に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記自立型の構造部材が平面状の膜を更に含んでいる医療装置。
  7. 請求項2に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記単一の塊状材料が、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、珪素、マグネシウム、ニオビウム、スカンジウム、白金、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン及びこれらの合金、ジルコニウム−チタン−タンタル合金、ニチノール並びにステンレス鋼からなる群から選択されたものである、医療装置。
  8. 請求項3に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記複数の構造部材の少なくともいくつかが、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、珪素、マグネシウム、ニオビウム、スカンジウム、白金、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン及びこれらの合金、ジルコニウム−チタン−タンタル合金、ニチノール並びにステンレス鋼からなる群から選択された生体適合性材料からなるラミネートされた層を更に含んでいる、医療装置。
  9. 請求項4に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記移植片が、互いに同心状に隣接した複数のラミネートされた層であって、各々が、その中を通る流体の流れを許容することなく、分子の前進を許容するような十分な大きさの複数の貫通孔を有している管状部材を更に含んでいる、医療装置。
  10. 請求項5に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記ステント−移植片が、ステント領域と移植片領域とを含んでいる管状部材を更に含んでいる、医療装置。
  11. 請求項10に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記ステント領域が、各々、生体適合性材料からなる複数の層によって形成されている複数の構造部材を更に含んでおり、前記移植片領域が、前記ステント領域の構造部材を形成している生体適合性材料からなる複数のラミネートされた層の少なくとも一つを更に含んでいる、医療装置。
  12. 請求項11に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記移植片領域が、前記複数の構造部材の隣接する対間の隙間の境界をなしている、医療装置。
  13. 請求項12に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記ステント領域が、内腔面、外腔面及びz軸方向の厚みを更に含み、前記移植片領域が、前記ステント領域のz軸方向の厚みよりも薄いz軸方向の厚みを有している、医療装置。
  14. 請求項5に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記ステント−移植片が、内腔面、外腔面、基端及び末端を有する管状部材を形成している複数の連結された構造部材を含んでいるステントと、同ステントの基端と末端とのうちの少なくとも一つから外方へ突出し且つ前記ステントの長手軸線に沿った膜を含んでいる移植片とを更に含んでいる、医療装置。
  15. 請求項14に記載の移植可能な医療装置であって、
    前記膜が、前記ステントの基端と末端とのうちの少なくとも一つから、同ステントの内腔面及び外腔面のうちの一つを覆うように折り返され且つ前記移植片が突出している前記基端及び末端のうちの他方の一つに結合されている、医療装置。
  16. 互いに同心状に配置された少なくとも二つの管状部材を含み、それによって、前記少なくとも二つの管状部材間に界面領域を形成し、同管状部材の各々は、同管状部材を形成している複数のラミネートされた層によって構成され、複数の微細孔が、前記少なくとも二つの管状部材の各々の内腔面と外腔面との間に細胞が進む経路を形成している各々の管状部材の壁厚を貫通し且つ前記移植片を貫通している、移植可能な医療用移植片。
  17. 請求項16に記載の移植可能な医療用移植片であって、
    前記界面領域内へと突出し、それによって、前記少なくとも二つの管状部材を同心状の隔置された関係に維持している複数の隔置部材を更に含んでいる医療用移植片。
  18. 請求項16に記載の移植可能な医療用移植片であって、
    前記少なくとも二つの管状部材のうちの少なくとも一つの界面領域内に複数の微細溝を更に含んでいる、医療用移植片。
  19. 管腔内ステントであって、
    隣接する構造部材間の界面領域を有している管状部材を形成するように配置された複数の構造部材であって、同複数の構造部材の少なくともいくつかが、生体適合性材料の複数のラミネートされた層と、前記界面領域のいくつかの少なくとも一部分の境界をなしている生体適合性材料からなるウエブとを含んでいる、管腔内ステント。
  20. 請求項19に記載の管腔内ステントであって、
    前記ウエブを貫通している複数の孔であって、細胞物質及び準細胞物質がその中を通過するのを許容する大きさになされた複数の孔を更に含む、管腔内ステント。
  21. 移植可能な医療用装置を作る方法であって、
    a.ラミネートされた金属膜を形成するために、基材上に連続的な層の複数の金属膜を真空蒸着するステップと、
    b.前記基材から、ラミネートされた金属膜を取り外すステップと、
    c.同ラミネートされた金属膜を、移植可能な医療装置に成形するステップと、を含む方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、
    前記ステップ(a)が、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、珪素、マグネシウム、ニオビウム、スカンジウム、白金、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン及びこれらの合金、ジルコニウム−チタン−タンタル合金、ニチノール並びにステンレス鋼からなる群から選択された少なくとも一つの金属を真空蒸着するステップを更に含む方法。
  23. 請求項22に記載の方法であって、
    前記ステップ(c)が、ステント、移植片、ステント−移植片、バルブ、フィルタ、オクルダー及び当て板から選択された医療装置を形成するステップを更に含む方法。
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