JP2004510526A - レーザ干渉法によって眼の振動の固有モードを検出するための方法および装置ならびに眼内圧測定のためのそれらの利用 - Google Patents
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Abstract
眼(3)は、検出装置(1)に対して、この装置との協同で、主光軸(A1)を有するとともに、その内の一方が固定反射部材(M1)によって構成され、その内の他方が眼の角膜(2)によって構成される、二つの両側の反射面を備えるファブリー・ペロー空洞を形成するように位置決めされる。前記空洞に、入射レーザビーム(F)が、前記ファブリー・ペロー空洞の前記主光軸(A1)に中心決めされるように導入され、前記角膜(2)は、前記空洞の前記二つの反射面間で反射される往来レーザビーム間で長手方向干渉を得るように前記主光軸(A1)に対して側方向及び長手方向にアラインメントされ、前記干渉の強度(I)を時間の関数として検出するためにオプトエレクトロニック検出器(7)が使用される。本発明は、眼内圧の測定に適用できる。
Description
【0001】
本発明は、眼の振動の固有モードの検出に関する。本発明の好適な、但し包括的な利用法は、眼内圧(IOP)の測定である。
【0002】
眼科学の分野において、例えば、ある種の眼科病状を診断するために眼内圧が測定され、そのような眼科病状の内、主要なものは眼の緑内障である。
【0003】
眼内圧を測定するために、今日、様々な装置が存在し、それらは、二つの主要なカテゴリー、すなわち、眼圧計と、レーザ干渉によって測定するための装置、とに分類することが可能である。
【0004】
接触式眼圧計は、実質的には、シュレッツ眼圧計や圧平眼圧計などの圧入式眼圧計であって、その内、最も普及しているものはゴールドマン(Goldman)眼圧計である。
【0005】
圧入式眼圧計は、角膜に圧入することによって眼の壁を変形させるためのピストンを使用し、IOPは、そのピストンが移動した距離を測定することによって測定される。圧入式眼圧計の主な欠点は、眼壁の剛性を考慮する必要があることにあり、これによって、眼毎に測定結果のバラツキが生じる。これが、この測定法がもはや今日では使用されていないと見なしうる理由である。
【0006】
圧平眼圧計は、それによって、眼などの球体圧力室内に存在する圧力が、その球体のある領域を偏平化することが可能な力と関係する、公知の原理を利用する。
【0007】
詳しくは、圧平眼圧計の内、ゴールドマン眼圧計は、扁平化された角膜の円形画像をその角膜が扁平化された時に一致する二つの半円部分に変形する複プリズムを備えるプラスチック材料から形成される扁平化円錐体を含む。この扁平化円錐体は、扁平化に必要な力を発生するとともに、その力を、水銀ミリメートル(mmHg)に変換する較正バネを使用するシステムに、ロッドを介して、接続される。この眼圧計の主要な欠点は、角膜に対して機械的な変形力を加えることから、眼に使用されるときに、外傷と苦痛を与えることにある。その結果、同じ眼に測定を繰り返せば、角膜上皮組織の損傷が発生する可能性があり、実際には、この方法は、必然的に、眼を麻酔用点眼剤によって局所的に麻酔した状態で、眼科医師によって実施されなければならない。十分な感度を提供するものではあるが、同時に、測定エラーの原因(涙、調節(accommodation)、角膜の厚みに関連する変動性)も多数存在する。
【0008】
「無接触式(contactless)眼圧計」とも称される、第2のタイプの圧平眼圧計は、短いひと吹きの空気を使用して、角膜を凹状に変形し、それによって、その角膜の扁平化された表面が、光源と、オプトエレクトロニックセンサとの間で最善の反射角度を形成する段階を通過するものであり、検出され、その測定の瞬間と見なされるのはこの最大値である。前記空気のひと吹きの開始と、角膜からの最大反射との間に経過する時間を、眼内圧に変換することができる。このタイプの眼圧計も、同様に、角膜の有害な機械的変形を必要とする。
【0009】
より最近では、レーザ干渉法によって眼内圧を測定するための装置が提案されており、その主な利点は、測定中に、角膜を変形するために、角膜に対して機械的な圧力を与えることが回避されることにある。このような装置は、眼を、例えば、音波によって、振動状態にして、眼の振動の固有モードの周波数を検出するためにマイケルソン式干渉計を使用するものである。研究によって、眼の振動の固有モードの周波数と眼内圧との間に単純な関係があることが示されている。
【0010】
このタイプの装置の一例が、国際特許出願WO−A−93/21820に記載されている。このタイプの干渉計において、主入射レーザビームは、スプリッタ鏡(WO−A−93/21820の図2に図示されている実施例において46として示されている)によって、互いに90°の角度に向けられた二つの二次入射ビームに分割され、これら二つの二次入射ビームの一方は、眼の角膜の表面によって反射され、他方の二次入射ビームは、鏡(WO−A−93/21820の図2に図示されている実施例において70として示されている)によって反射される。それぞれ、角膜と、前記鏡とによって反射された二つの戻りビームは、前記スプリッタ鏡に戻って、ここで互いに干渉し合う。この装置の主要な欠点は、干渉を得るために、両戻りビームが正確に同一直線上に位置することが必須であることにある。その結果、角膜は、前記スプリッタ鏡に対して正確にアラインメントされなければならず、角膜のほんの僅かな側方向又は長手方向のミスアラインメントも許容不能であり、これにより、測定は、眼の位置決めの観点から非常に制約されたものとなる。又、この装置は、光学系のアラインメントを非常に僅かに変化させる可能性のある非常に小さな外部擾乱に対しても極めて敏感で、特に、装置の非常に僅かな移動又は機械的振動に対しても非常に敏感である。このタイプの装置のもう1つの欠点は、干渉計によって伝達される強度を測定することによって眼の固有振動周波数を検出するためには、実際には、角膜に対する損傷を与えるリスクをおいながら、高出力レーザを使用することが必要であることにある。最後に、国際特許出願WO−A−93/21820においては、眼を振動状態にするために、刺激音波の周波数をスイープ(sweep)することによる調和法を使用して眼を刺激している。この調和刺激法には、測定時間が長くなるという欠点があり、とりわけ、前記音波は、鼓膜を損傷する可能性がある。
【0011】
本発明の課題は、1つ以上の眼の振動の固有モードを測定するためにレーザ干渉法を使用する新規な方法を提案することにあるが、この方法は、上述したマイケルソン式干渉計の使用に基づく方法と比較して、眼の位置決めに対する制約性が低く、外部擾乱に対して影響されにくく、又、特に機械的な振動では、低出力レーザを使用することを可能にするという主たる利点を提供する。
【0012】
より詳しくは、本発明の上述した利点によって、外来(outpatient)式の検出装置を提供することが可能となる。但し、本発明は、このような外来態様に限定されるものではない。
【0013】
本発明の検出方法は、その一方の表面が固定反射部材によって形成され、その他方の表面が前記眼の角膜によって形成される前記空洞の前記主光軸上の二つの両側の反射表面を含むファブリー・ペロー空洞を形成する前記装置と協同するように、検出装置に対して眼を位置決めし、前記ファブリー・ペロー空洞に、当該ファブリー・ペロー空洞の前記主光軸に中心決めされた入射レーザビームを導入し、ここで、前記主光軸に対する前記角膜の側方向及び長手方向のアラインメントは、前記空洞の前記二つの反射表面間の行きレーザビームと反射された戻りレーザビームとの間において長手方向干渉を得るように作り出され、そして、オプトエレクトロニック検出器により時間の関数として前記干渉の強度Iを検出することによって特徴付けられる。
【0014】
その他の特徴及び利点は、非限定的具体例によって提供される実施例の下記の記載を読み、添付の図面を参照することによってより明らかになるであろう。
【0015】
図1の装置は、以下を含む。
眼3の角膜2の振動を、レーザ干渉法によって、オプトエレクトロニック的に検出することを可能にし、一定時間における前記角膜2の振動の振幅における変動を表す時間ドメイン電気信号4を提供する装置1、そして
前記信号を処理する電子システム5であって、このシステムは、先ず、前記時間ドメイン信号4の周波数スペクトルを、例えば、この信号4のフーリエ変換を計算することによって計算し、次に、この周波数スペクトルから、少なくとも1つの眼の振動の固有モードの周波数を決定するように構成されている。
【0016】
本発明による寄与は、実質的に、前記検出装置1にあるので、これについて以下詳述する。上述した二つの計算工程は、前記電子システム5によって行われ、それらを行うために必要な手段は、信号処理技術の当業者には公知であるので、本記載においては詳細に説明しない。
【0017】
前記検出装置1について説明する前に、眼は、弾性、粘性及びインピーダンスの係数によって特徴付けられる球状へテロ構造としてモデル化することが可能であることが想起される。もしも、眼が、それを振動状態にする適切な方法で機械的に刺激されるならば、そのヘテロ構造の振動の固有周波数を刺激することが可能である。これらの振動の固有モードは、眼を数学モデル化することによって計算されてきた。そして、それらによって、固有周波数における振動を、眼内圧の関数として数量化することが可能となる。例えば、添付の図2は、線形モデル(破線の曲線)又は、非線形モデル(連続曲線)によって、数学モデル化された眼の、眼内圧の関数としての、種々の振動の固有モードの周波数における変動を図示している。従って、少なくとも1つの眼の振動の固有モードの振動の周波数を測定することによって、従来の技術を使用して行われてきた較正に基づいて、その眼内圧の測定を行うことができることは既に知られている。より高いモードの振動の周波数、具体的には、図2のモード5を測定することが好ましい。このような眼内圧の測定は、その主要な病状が眼の緑内症である、眼科病状を診断に使用することができる。
【0018】
レーザ干渉法によるオプトエレクトニクス的検出のための装置
図1を参照して、そして、本発明の本質的特徴構成により、前記検出装置1は、眼に対して位置決めされると、その二端部の1つが眼の角膜2の外表面2aから構成される、波反射空洞を有するファブリー・ペロー干渉計を形成する、光学部6と、前記干渉計6によって出力される波の強度Iを検出し、この強度の関数として上述した電気信号4を提供する、オプトエレクトロニック検出器7、とを有する。
【0019】
図1及び3〜6を参照すると、特定の変形例において、前記検出装置1は、9個のモジュールA〜Iから構成される。
【0020】
モジュールA:このモジュールは、温度と出力(1.9ミリワット(mW))とを安定化させるためのシステムに取り付けられた波長λ(例えば、635ナノメートル(nm)に等しい)のレーザダイオードを含む。このレーザダイオードは、レーザビームの発散を制限するためのコリメーター光学系を有する。これには、バッテリを使用して4.5ボルト(V)又は、外部電源を使用して5Vで電力供給可能であり、その電源電流は、60ミリアンペア(mA)に制限される。
【0021】
モジュールB:このモジュールは、前記レーザダイオード回路からの放射光を偏光する作用を有する四分の一波長板(図1には図示せず)によって形成される。
【0022】
モジュールC:これは、その反射及び透過係数R1及びT1が、それぞれ、強度の98%及び2%に等しい平面鏡M1を含む。それは以下の作用を有する。
眼からの低い反射係数(R3:2.5%)により、前記ファブリー・ペロー空洞からのエネルギの損失を制限し、これによって、前記干渉計システムのコントラストを改善する、そして
眼に対して許容可能な出力の基準を満たすことができるように、レーザダイオードの出力を(19.73±0.01)マイクロワット(μW)(鏡の後方で測定された値)に制限する。
【0023】
モジュールD:これは、その反射及び透過係数R2及びT2が、それぞれ、強度の40%及び60%に等しいスプリッタ鏡M2を含む。このスプリッタ鏡M2は、前記レーザダイオードの出力を、それを12.8μW(M2を通過した後に測定される値)にするべく、二度低減することを可能にする。
【0024】
モジュールE:これは、より具体的な値として30mmの焦点距離fの平凸補正レンズ8によって形成される。これは、眼の角膜の湾曲によって発生する開散(divergence)を修正するように機能する。焦点距離は、前記干渉計システムの光軸に対する眼の側方向ミスアラインメントに対する感度を減少させる関数として選択される。更に、前記レンズは、好ましくは、デュアル空洞(dual cavity)現象を発生させる可能性のある、レンズの寄生(parasitic)反射を避けるために、レーザの波長における反射防止処理を有する。
【0025】
モジュールF:このモジュールは、干渉フィルタ(図1には図示せず)を構成する。これは、入射放射光中のあるスペクトル帯域のみを透過する部分反射平行面を備えた誘電体板である。より具体的には、一実施例において、この板は、幅10nmで、レーザの波長に中心を有するスペクトル帯域を透過し、これによって、前記検出器7を、前記モジュールAの前記レーザダイオードからの放射光以外のすべての放射光(例えば、照明)から絶縁する。このフィルタは、好ましくは、前記検出器7の表面と、前記干渉フィルタの表面との間の寄生(parasitic)反射を避けるために、その反対側面(検出器7側の面)にレーザの波長(635nm)における反射防止処理を有する。
【0026】
モジュールG:このモジュールは、上述したオプトエレクトロニック検出器7、を形成する。より詳しくは、この検出器は、±12Vの電源で25℃の動作温度において、下記の動作特性を提供するアバランシェ検出器である。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
眼が光学的にアラインメントからはずれている問題を改善するために、大きな円形領域(直径3.0mm)に渡って積分を行う。それは、100kHzの通過帯域を有し、それは、800nmの波長で、0.005×10−9Wの制限電力(limiting power)を測定することができる。
【0030】
モジュールH:(図4)は、内チューブH2が挿入され、クランプネジVによって光学系Oを支持するように機能する外チューブH1を有する筒状マウントを構成する。筒状マウントHは、同じタイプの他のマウントと組み立てられ、これによって、種々の光学装置Oを保護しながら、より複雑な構造を構築することを可能にするように設計される。前記検出装置1を構成するために、前記四分の一波長板(上述のモジュールB)と、前記平面鏡M1(モジュールC)と、前記平凸補正レンズ8(モジュールE)と、前記干渉フィルタ(モジュールF)とをそれぞれ収納するように機能する4つの筒状マウントHが使用される。
【0031】
モジュールI:(図5)このモジュールは、前記筒状マウントHを二つの垂直軸芯に沿って互いに組み合わせるように機能するとともに、それ自身、前記スプリッタ鏡M2のためのハウジングとして機能する。
【0032】
図6は、前記検出装置1を構成するために、これら種々のモジュールが互いに組み立てられる方法を図示している。図1及び図6を参照すると、前記検出装置1は、主光軸A1と、前記スプリッタ鏡M2を使用して90°に向けられた第2光軸A2とを有する光学系を形成する。前記レーザダイオード(モジュールA)と、前記四分の一波長板(モジュールB)と、前記平面鏡M1と、前記スプリッタ鏡M2(モジュールC)と、前記平凸レンズ8(モジュールE)は正確に固定されて調整され、前記主光軸A1上に中心決めされている。前記スプリッタ鏡M2(モジュールD)と、前記干渉フィルタ(モジュールF)と、前記検出器7(モジュールG)は正確に固定されて調整され、前記第2光軸A2上に中心決めされている。単に表示のためにのみ提供される特定の実施例において、距離L1、L2及びL5及びL6(図3及び図1)は、2.5センチメートル(cm)に等しく、距離L4は5cmである。
【0033】
上述した検出装置1によって、眼3の振動の固有モードを検出するために、眼3の角膜2の中心は、前記モジュールIとモジュールH(前記平凸レンズ8のためのハウジングとして作用する)とが、前記主光軸A1上にファブリー・ペロー空洞を形成し、かつ、この主光軸上の反射面の1つが前記平面鏡M1によって構成され、かつ、他方の、反対側の反射面が、眼3の角膜2によって構成され、かつ、前記ファブリー・ペロー空洞の長さL(すなわち、角膜と平面鏡M1との間の距離)が、眼3の角膜2の振動の振幅に応じて可変となるように、眼を長手方向において所定の距離L3(装置の長手方向感度に関する下記の説明を参照)に位置決めすることによって、前記主光軸A1上での実質的アラインメント状態とされる(装置の側方向の感度に関する下記の説明を参照)。
【0034】
図1の理論図を参照して、動作中に入射レーザビームF(上述した四分の一波長板によって円偏光された後)は、前記鏡M1を通過することによって前記ファブリー・ペロー空洞に導入され、これは、角膜2の表面2aに到達する前に、前記スプリッタ鏡M2を通過する。この入射ビームの一部は、角膜によって反射され、戻りビームF’として前記スプリッタ鏡M2に戻る。スプリッタ鏡M2に到達すると、この戻りビームF’は、一部が、出力ビームF’’を形成するべく、スプリッタ鏡M2によって90°偏向され、この戻りビームF’の残りの部分は、M2を透過して、前記平面鏡M1に到達し、ここで、反射等・・・を受ける。
【0035】
可変長さLの前記ファブリー・ペロー空洞によって伝達される強度、すなわち、前記入射レーザビームFの(既知の)強度I0に対する出力ビームF’’の強度I、は次の式によって表される。
【0036】
【数1】
【0037】
前記ファブリー・ペロー空洞からの出力の強度I(前記オプトエレクトロニック検出器7によって送信される信号4)は、前記空洞の前記可変長さLの関数として周期的に変化する。
【0038】
λ/2の整数倍数(ここで、λは、レーザの波長)の場合、強度は最大であり、これは次の式によって与えられる。
【0039】
【数2】
【0040】
λ/2の整数倍数+1/2の場合、強度は最小であり、これは次の式によって与えられる。
【0041】
【数3】
【0042】
従って、前記ファブリー・ペロー干渉計の伝達関数の周期は、前記空洞に導入されたレーザビームの波長の半分に対応する。換言すると、波長λのレーザダイオードの場合、前記干渉計は、λ/2程度の長さLの変化を測定することができる。
【0043】
角膜2の振動は、(眼の眼窩によって課せられる制約と、眼に関連する筋肉によって課せられる制約とを考慮に入れるために)減衰正弦波振動であると見なすことができる。そのような状況下において、前記空洞の長さLは、次の形態のものである。
【0044】
【数4】
【0045】
式(4)において、
lは、角膜2の表面2aの振動の振幅を表し、
wは、眼の振動周波数であり、そして
cは、減衰係数である。
【0046】
上記考慮事項から、前記ファブリー・ペロー空洞によって出力され、前記オプトエレクトロニック検出器7によって測定される強度I(信号4)が、角膜の振動周波数を特徴付けるある速度で一連の極値を通過する。例えば、前記検出器によって測定される信号4の一具体例が図7に示され、これは、減衰前の角膜振動の初期振幅が0.5μmである、300Hzの眼の固有振動周波数を表している。
【0047】
角膜の振動周波数を得るためには、前記信号4のフーリエ変換を行うだけで十分である(第1工程は図1の電子システム5によって行われる)。これによって、図8に図示するタイプの信号4に対する出力スペクトルが得られる。このスペクトルにおいて、角膜2の振動の周波数に対応する主ピークP1が、より低い強度のピークP2,P3,P4によって特徴付けられるこの周波数の調波と共に見られる。
【0048】
眼は、前記ファブリー・ペロー空洞の非定常的要素であるので、眼のアラインメントは、測定毎に変化するパラメータを構成し、従って、眼の振動の固有モードの測定値を得るために超えられてはならない変動限界を規定する必要がある。次に、上述した検出装置1の、長手方向ミスアラインメント及び側方向ミスアラインメントに対する感度について簡単に説明する。
【0049】
長手方向感度
ここでの考えは、ビームが空洞内において前記主光軸A1に沿って自動的に再焦点合わせされることを保証することを可能にする安定性の範囲を規定することである。長手方向安定性に関しては、前記平面鏡M1と、眼およびレンズ8を含むシステムとによって構成される部分を考慮すべきである。前記検出装置1において眼−レンズ間距離のみが変化するとすれば、長手方向安定性の研究は、前記ファブリー・ペロー空洞(これは、前記平面鏡M1および眼とレンズ8とを含むシステムによって形成される)が、眼とレンズ8との間の距離(図1中の距離L3)の関係として放射光を閉じ込める能力を測定することにある。
【0050】
ファブリー・ペロー空洞は、n回の往復後においてビームが自動的に再焦点合わせされる場合に、長手方向において安定である。眼を、曲率半径Rを有する拡散球状鏡としてモデル化すると、空洞への入射時のその初期座標の関数としての、n回の空洞往復通過後における光線の座標値を計算するためのファブリー・ペロー空洞の伝送行列は、以下のとおりである。
【0051】
【数5】
【0052】
ここで、先ず、
【数6】
【0053】
【数7】
【0054】
【数8】
【0055】
【数9】
そして、第二に、
【数10】
【0056】
上述した距離L及びL3は、図1において与えられたものであり、パラメータfは、レンズ8の焦点距離を表すものであることが想起される。
【0057】
前記空洞が安定したものであることを保証するためには、θが実数でなければならず、この安定性の条件は、条件:|A+D|<=2と等価である。
【0058】
図9は、30mmの焦点距離を有するレンズ8の眼−レンズ間距離L3の関数としてA+Dの曲線をプロットしている。このグラフから、この特定のケースにおいて、L3が22mm〜30mmの範囲にある時に、安定性の領域が得られることが判る。検出装置1を適切に動作させるためには、ゆえに、このケースにおいては、眼が上記の安定性範囲内にある距離L3に維持されることを確認するのに十分である。
【0059】
側方向感度
検出器7において前記干渉信号を得るためには、眼が、ファブリー・ペロー空洞の主光軸A1と側方向のアラインメント状態にあることが必須である。側方向感度に関する次の研究の目的は、第1に、許容可能な側方向ミスアラインメントに関する制限閾値を決定し、第2に、この側方向感度を考慮した眼をアラインメントするためのシステムを考案することにある。
【0060】
図10の光学図を参照すると、側方向ミスアラインメントを特徴付けるパラメータは、距離Δdであり、これは、前記平面鏡M1における前記戻り光線の高さhと角度αとに影響する。図11及び12は、30mmの焦点距離fでの、光軸A1からの側方向ミスアラインメントΔdの関数としての、空洞を通る光線の1往復通過後における高さhと角度αとをそれぞれ示し、これは、眼とレンズ8との間の単位mmでの複数の距離L3について図示されている。図13及び14は、それぞれ図11及び12に対応するものであるが、但し、ここでは、光線の空洞の二往復に適用されている。実際には、ビームの二往復以上は考慮する必要がない。というのは、これを超えると干渉波の振幅は無視できる程度になるからである。
【0061】
図11〜14の結果は、前記検出装置1が側方向ミスアラインメントに対して非常に敏感であることを示している。眼の光軸からの0.5mmのミスアラインメントによって、戻りビームは、眼が、レンズ8から22mm〜30mmの範囲の距離L3でどこに位置するかに応じて、2°〜0°の範囲の角度で開散する。この開散によって、平面鏡M1での高さhが4mmにもなりうるビームとなる。前記空洞は、前記高さhが、空洞におけるビームの幅(一般に、「腰(waiste)」と呼ばれている)よりも小さいならば、安定していると考えることができる。従って、3mmの平均幅を有するビームに関する図11−14に図示されている具体例においては、装置は、0.3mmの側方向ミスアラインメントΔdまで安定的であり、これを超えれば、ファブリー・ペロー空洞は不安定になると見なすことができる。
【0062】
側方向ミスアラインメントに対する感度を低減させるための検出装置の最適化
側方向感度の低減は、先ず、ファブリー・ペロー空洞の長さLを減少させることによって得ることができる。短い空洞は、眼の側方向ミスアラインメントによって引き起こされる戻りビームの開散(パラメータh及びα)の効果を制限するように作用する。
【0063】
側方向感度のより大きな低減は、短い焦点距離fを有するレンズ8を選択することによっても得ることができる。(上述した30mmの代わりに)20mmの焦点距離に関して行われた計算は、1往復で1mmより大きい高さhの低減を示し、2往復で5mmより大きい低減を示している。従って、前記レンズ8に対して20mmの焦点距離を選択することによって、眼を光軸に対して、0.5mmのより制約度の低い精度でアラインメントすることが可能である。反対に、側方向感度に対するレンズ8の焦点距離の重要性を例示するために、もしも、検出装置1に、50mmの焦点距離を有するレンズ8が備えられるのであれば、光軸に対する眼のアラインメントは、0.15mm未満の精度で達成される必要がある。
【0064】
結論として、レンズ8について短い焦点距離(例えば、20mm)、そして空洞ついて短い長さLを適切に選択することによって、装置の側方向感度は最適化される。
【0065】
検出装置1の改良:側方向及び長手方向アラインメントを行うためのレティクル
図15は、眼を光軸に対して側方向にアラインメントするのに使用されるクロス9と、眼をレンズ8に対して長手方向にアラインメント(距離L3)するのに使用されるサークル10とを有するレティクルパターンを実物大で図示している。このレティクルは、ファブリー・ペロー空洞内の、前記反射部材M1とレンズ8との間、より具体的には、前記スプリッタ鏡M2とレンズ8との間、好ましくは、このレティクルの像をレンズ8を通して眼によって観察したときに、正常な眼が適合する必要がないことを条件に、できるだけ楽なようにレンズ8の焦点面に配置される。このレティクルは、ビームの通路に位置することから、これは、空洞によって伝達される強度の減少を避けるべく、可能な限り小さな、レーザの波長λでの反射係数を有する透明板上に形成される。この目的のために、前記板は、例えば、前記レーザの波長において非反射性のコーティングで処理してもよい。
【0066】
側方向アラインメント
眼が、レンズ8を通してレティクルのクロス9の虚像を見るとき、眼がレンズ8の光軸(すなわち、空洞の光軸A1)とのアラインメントから外れているときは、前記クロスの枝部が変形する。この変形は、レンズの焦点距離fの減少とともに増大する。
【0067】
長手方向アラインメント
前記最小距離L3(上に定義した安定性の長手方向範囲の下限値)は、レンズ8が挿入されている前記筒状マウントの長さによって決まる。長手方向アラインメントの目的のために、従って、前記距離L3(すなわち、眼とレンズ8との距離)を、前記装置の長手方向安定性範囲についての最大許可値(上記例においては30mm)まで増大させることが可能であることで十分である。この目的のために、前記レティクルのサークル10の直径は、眼が、前記安定性範囲の前記最大値未満である、レンズ8からの距離L3に位置する場合において、前記サークルが、眼3によってレンズ8を通して観察可能となるように、L3に関する前記最大許可値の関数として決定される。例えば、30mmの最大値の場合、前記サークル10の直径は、1cmであるべきである。
【0068】
検出装置の実施
前記レティクルを使用して、第1の工程は、眼を、前記ファブリー・ペロー空洞の光軸A1に対して側方向にアラインメントする工程であり(側方向アラインメントは、レティクルのクロス9がもはや変形して見えないようになるまで修正される)、そして、眼は、(この眼によってレティクルのサークル10が見えるようになるまで前記距離L3を修正することによって)レンズに対して長手方向にアラインメントされる。眼の位置を補正するために、装置は、この装置1の位置を、三次元空間において正確に調節することを可能にし、かつ、検出装置の変位以外のいかなる寄生変位も回避するべく患者の頭部を前記空間に保持するためのシステム(例えば、検出装置1を移動させるための操作バーを備えた顎載せ)を供える装置上に固定してもよい。但し、本発明は、この構成に限定されるものではなく、具体的に、前記レティクルによって、未熟な者でも、その人物自身の眼の、装置の光軸A1に対する側方向及び長手方向アラインメントを確認することを容易にするならば、外来式の検出装置として構成することも可能である。
【0069】
眼が長手方向及び側方向においてアラインメントされると、眼を振動させるために、眼を機械的に刺激する。この刺激は、検出装置がそれら二つの刺激法で使用可能であるならば、調波タイプのもの、又は好ましくはインパルスタイプのもの、とすることができる。最初の場合(調波法)、眼は、例えば、その波を周波数においてスイープしながら、眼窩に伝達される音波によって機械的に刺激される。しかしながら、この調波法には、時間がかかり、患者に対して外傷を与えるという欠点がある。従って、刺激周波数の全スペクトルをカバーするディラックデルタインパルスと見なすことが可能な、短い衝撃を眼に当てることからなる、前記インパルス法を使用することが好ましい。このようなインパルス式刺激は、例えば、眼窩の近傍での患者の頭蓋に対する短く軽い衝撃によって得ることができる。より有利で意外な方法で、本発明によって、そのようなインパルスは、単純に瞼の瞬きによって、又は、恐らくは、瞼を複数回短く繰り返し瞬きすることによって得ることができる。これは、瞬き中に、瞼は、眼の前方面(角膜、眼球結膜、及び間接的に強膜)に対して擦りつけられるという事実によって説明可能である。従って、この短い擦りつけは、機械的インパルスによる眼の刺激と見なすことができる。
【0070】
本発明は、添付の図面を参照して上述した特定の検出装置に限定されるものではない。一般に、前記平凸補正レンズ8は、その他いかなる収束レンズによっても置き換え可能であろう。別の変形例において、前記鏡M1は、その平面が、レーザビームが、前記ファブリー・ペロー空洞において反射されることを可能にするために、処理された平凸レンズによって置き換え可能であろう。別の変形例において、前記ファブリー・ペロー空洞は、光ファイバによって作成することが可能であり、より具体的には、この光ファイバは、その端部の1つに、上述した検出装置の補正レンズ8と同じ作用を行うマイクロレンズを備えるべきであり、前記光ファイバは、例えば、前記鏡M1と同じ作用を奏するブラッグ格子を備える。光ファイバを有するこの変形例は、外来作業用として適切な縮小化される検出装置を有利に構成することを可能にする。
【0071】
図16は、眼の主光軸A1に対する眼の側方向及び長手方向アラインメントをモニタするための改良手段を有する変形例を図示している。これら改良手段は、以下を含む、
光源S、これは、スイッチONされると、眼に対して危険でないインコヒーレントビームを発光する。例えば、これは、その出口にすりガラス16を備える白色光源15とすることができる、
半反射板13、これは、前記第2光軸A2上で前記スプリッタ鏡M2とアラインメントされるとともに、前記主軸A1に対して平行な光軸A’1上で前記光源Sとアラインメントされ、前記光源Sからの光ビームを先ずスプリッタ鏡M2に向けられることを可能にし、その後、このビームは、レンズ8を通過後、前記主光軸A1に沿って眼に向けられる。更に、眼によって反射された戻りビームが、その経路において検出器7(二次光軸A2)を通過することを可能にする、
収束レンズ14(例えば、平凸レンズ)、これは、焦点距離f’を有し、前記光軸A’1上に中心決めされ、かつ、前記源Sと前記半反射板13との間に位置する、そして
二つのレティクル11,12(又は経緯線網(graticules))、これらは方向づけられておらず、例えば、前記レンズ14のいずれかの側方に配設され、前記レンズ14の光軸に中心決めされたクロスとして構成され、前記レティクル11は、前記半反射板13とスプリッタ鏡M2との間において前記二次光軸A2上でより詳細に中心決めされ、前記レティクル12は、前記源Sと前記レンズ14との間で前記光軸A’1上に中心決めされている。
【0072】
前記二つのレティクル11,12は、好ましくは、同一であって、レンズ14から距離2f’で位置している(レティクル12の場合は距離d1、そしてレティクル11の場合は光路(d2+d3))。前記レティクル11は、好ましくは、前記補正レンズ8から距離2fで位置している(図16、光路(d4+d5))。図16の好適実施例において、前記補正レンズ8の焦点距離f’は、レンズ14の焦点距離f’に等しい。但し、この特性は必須ではない。
【0073】
更に具体的には、前記光源Sと前記レーザダイオード(モジュールA)とは、共に、二位置検出器17の制御下でスイッチONされる。この検出器は、光源SのみがONされる第1位置(連続線)と、レーザダイオードのみがONされる第2位置(破線)とを有する。
【0074】
眼の長手方向及び横方向アラインメント調節は、もっぱら、光源Sのみを使用して行われ、それらの調節中、レーザダイオードは作動しない。
【0075】
光軸A1に対する眼の側方向アラインメントの調節
前記光源SがON状態で、両レティクル11,12は照明され、眼2がこれら両レティクル11,12が一致していることを見たときに、眼の側方向アラインメントが得られる。
【0076】
光軸A1に沿った眼の長手方向アラインメントの調節
眼の最適な長手方向アラインメントは、前記検出器7によって検出された光強度が、所定の閾値より大きい場合、又、好ましくは、それがその最高レベルに達した場合に得られる。この目的のために、図16を参照すると、コンパレータ回路18は、検出器7によって提供された前記信号4を、好ましくは調節可能な所定の閾値と比較し、それは、ユーザに対して、前記信号4の振幅が前記閾値より上である場合、長手方向アラインメントが正確であることを通知するインジケータ19を作動させる(例えば、それは発光ダイオード(LED)を発光させる)。
【0077】
眼が側方向及び長手方向においてアラインメントされると、ユーザは、前記コンタクター(contactor)17を作動して、IOPを測定するべくレーザダイオードを作動させる。図16のこの変形例は、測定を行う前に、眼の側方向及び長手方向アラインメントの調節をモニタすることを単純化し、これによって、この操作を、特に、眼科開業医等の熟練した第三者からの助力無しでユーザが可能とすることに有利となり得る。
【0078】
好適な変形例において、前記光源Sは白色光源である。但し、この特徴は非限定的である。それは、所定の波長に中心を置く狭い周波数スペクトルを提供し、眼に対して外傷を与えない光源とすることができる(例えば、赤色光源)。そのような状況下で、前記オプトエレクトロニック検出器7が、上流側に、干渉フィルタ(図1または図16に図示せず)を備える場合、その干渉フィルタが、前記光源Sからの放射光を伝送するのに適することを確実にすることが適切である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、少なくとも1つの眼の振動の固有周波数を測定し、それによって、その眼内圧(IOP)を測定するための、本発明による装置の原理を示す図である。
【図2】
図2は、その眼内圧の関数としての、種々の眼の振動の固有モードの周波数における変動の一(公知の)例を図示している。
【図3】
図3は、互いに一体化された複数のモジュールとして構成された、本発明の検出装置の一実施例を図示している。
【図4】
図4は、互いに一体化された複数のモジュールとして構成された、本発明の検出装置の一実施例を図示している。
【図5】
図5は、互いに一体化された複数のモジュールとして構成された、本発明の検出装置の一実施例を図示している。
【図6】
図6は、互いに一体化された複数のモジュールとして構成された、本発明の検出装置の一実施例を図示している。
【図7】
図7は、300ヘルツ(Hz)の眼の振動の固有周波数を表す本発明の検出器によって測定された信号の一具体例を図示している。
【図8】
図8は、フーリエ変換適用後の、図7の信号の出力スペクトルを図示している。
【図9】
図9は、一具体例における前記検出装置の長手方向感度を測定するためのグラフである。
【図10】
図10は、眼がΔdだけ側方向にアラインメントがずれていることの影響を示す単純化された光学図である。
【図11】
図11は、前記側方向ミスアラインメントΔdの関数としての、(前記ファブリー・ペロー空洞を通過する片道の光ビームの)高さhを示している。
【図12】
図12は、前記側方向ミスアラインメントΔdの関数としての、(前記ファブリー・ペロー空洞を通過する片道の光ビームの)角度αを示している。
【図13】
図13は、図11に対応するが、但し、前記ファブリー・ペロー空洞における光ビームの二つの往復移動に関している。
【図14】
図14は、図12に対応するが、但し、前記ファブリー・ペロー空洞における光ビームの二つの往復移動に関している。
【図15】
図15は、前記検出装置の主光軸に対する眼の側方向及び長手方向アラインメントを達成するための第1変形例に使用されるレティクルの例を図示している。
【図16】
図16は、眼の側方向及び長手方向アラインメントをモニタするための改良された光学手段を実施する、本発明の装置の別の変形例の図である。
本発明は、眼の振動の固有モードの検出に関する。本発明の好適な、但し包括的な利用法は、眼内圧(IOP)の測定である。
【0002】
眼科学の分野において、例えば、ある種の眼科病状を診断するために眼内圧が測定され、そのような眼科病状の内、主要なものは眼の緑内障である。
【0003】
眼内圧を測定するために、今日、様々な装置が存在し、それらは、二つの主要なカテゴリー、すなわち、眼圧計と、レーザ干渉によって測定するための装置、とに分類することが可能である。
【0004】
接触式眼圧計は、実質的には、シュレッツ眼圧計や圧平眼圧計などの圧入式眼圧計であって、その内、最も普及しているものはゴールドマン(Goldman)眼圧計である。
【0005】
圧入式眼圧計は、角膜に圧入することによって眼の壁を変形させるためのピストンを使用し、IOPは、そのピストンが移動した距離を測定することによって測定される。圧入式眼圧計の主な欠点は、眼壁の剛性を考慮する必要があることにあり、これによって、眼毎に測定結果のバラツキが生じる。これが、この測定法がもはや今日では使用されていないと見なしうる理由である。
【0006】
圧平眼圧計は、それによって、眼などの球体圧力室内に存在する圧力が、その球体のある領域を偏平化することが可能な力と関係する、公知の原理を利用する。
【0007】
詳しくは、圧平眼圧計の内、ゴールドマン眼圧計は、扁平化された角膜の円形画像をその角膜が扁平化された時に一致する二つの半円部分に変形する複プリズムを備えるプラスチック材料から形成される扁平化円錐体を含む。この扁平化円錐体は、扁平化に必要な力を発生するとともに、その力を、水銀ミリメートル(mmHg)に変換する較正バネを使用するシステムに、ロッドを介して、接続される。この眼圧計の主要な欠点は、角膜に対して機械的な変形力を加えることから、眼に使用されるときに、外傷と苦痛を与えることにある。その結果、同じ眼に測定を繰り返せば、角膜上皮組織の損傷が発生する可能性があり、実際には、この方法は、必然的に、眼を麻酔用点眼剤によって局所的に麻酔した状態で、眼科医師によって実施されなければならない。十分な感度を提供するものではあるが、同時に、測定エラーの原因(涙、調節(accommodation)、角膜の厚みに関連する変動性)も多数存在する。
【0008】
「無接触式(contactless)眼圧計」とも称される、第2のタイプの圧平眼圧計は、短いひと吹きの空気を使用して、角膜を凹状に変形し、それによって、その角膜の扁平化された表面が、光源と、オプトエレクトロニックセンサとの間で最善の反射角度を形成する段階を通過するものであり、検出され、その測定の瞬間と見なされるのはこの最大値である。前記空気のひと吹きの開始と、角膜からの最大反射との間に経過する時間を、眼内圧に変換することができる。このタイプの眼圧計も、同様に、角膜の有害な機械的変形を必要とする。
【0009】
より最近では、レーザ干渉法によって眼内圧を測定するための装置が提案されており、その主な利点は、測定中に、角膜を変形するために、角膜に対して機械的な圧力を与えることが回避されることにある。このような装置は、眼を、例えば、音波によって、振動状態にして、眼の振動の固有モードの周波数を検出するためにマイケルソン式干渉計を使用するものである。研究によって、眼の振動の固有モードの周波数と眼内圧との間に単純な関係があることが示されている。
【0010】
このタイプの装置の一例が、国際特許出願WO−A−93/21820に記載されている。このタイプの干渉計において、主入射レーザビームは、スプリッタ鏡(WO−A−93/21820の図2に図示されている実施例において46として示されている)によって、互いに90°の角度に向けられた二つの二次入射ビームに分割され、これら二つの二次入射ビームの一方は、眼の角膜の表面によって反射され、他方の二次入射ビームは、鏡(WO−A−93/21820の図2に図示されている実施例において70として示されている)によって反射される。それぞれ、角膜と、前記鏡とによって反射された二つの戻りビームは、前記スプリッタ鏡に戻って、ここで互いに干渉し合う。この装置の主要な欠点は、干渉を得るために、両戻りビームが正確に同一直線上に位置することが必須であることにある。その結果、角膜は、前記スプリッタ鏡に対して正確にアラインメントされなければならず、角膜のほんの僅かな側方向又は長手方向のミスアラインメントも許容不能であり、これにより、測定は、眼の位置決めの観点から非常に制約されたものとなる。又、この装置は、光学系のアラインメントを非常に僅かに変化させる可能性のある非常に小さな外部擾乱に対しても極めて敏感で、特に、装置の非常に僅かな移動又は機械的振動に対しても非常に敏感である。このタイプの装置のもう1つの欠点は、干渉計によって伝達される強度を測定することによって眼の固有振動周波数を検出するためには、実際には、角膜に対する損傷を与えるリスクをおいながら、高出力レーザを使用することが必要であることにある。最後に、国際特許出願WO−A−93/21820においては、眼を振動状態にするために、刺激音波の周波数をスイープ(sweep)することによる調和法を使用して眼を刺激している。この調和刺激法には、測定時間が長くなるという欠点があり、とりわけ、前記音波は、鼓膜を損傷する可能性がある。
【0011】
本発明の課題は、1つ以上の眼の振動の固有モードを測定するためにレーザ干渉法を使用する新規な方法を提案することにあるが、この方法は、上述したマイケルソン式干渉計の使用に基づく方法と比較して、眼の位置決めに対する制約性が低く、外部擾乱に対して影響されにくく、又、特に機械的な振動では、低出力レーザを使用することを可能にするという主たる利点を提供する。
【0012】
より詳しくは、本発明の上述した利点によって、外来(outpatient)式の検出装置を提供することが可能となる。但し、本発明は、このような外来態様に限定されるものではない。
【0013】
本発明の検出方法は、その一方の表面が固定反射部材によって形成され、その他方の表面が前記眼の角膜によって形成される前記空洞の前記主光軸上の二つの両側の反射表面を含むファブリー・ペロー空洞を形成する前記装置と協同するように、検出装置に対して眼を位置決めし、前記ファブリー・ペロー空洞に、当該ファブリー・ペロー空洞の前記主光軸に中心決めされた入射レーザビームを導入し、ここで、前記主光軸に対する前記角膜の側方向及び長手方向のアラインメントは、前記空洞の前記二つの反射表面間の行きレーザビームと反射された戻りレーザビームとの間において長手方向干渉を得るように作り出され、そして、オプトエレクトロニック検出器により時間の関数として前記干渉の強度Iを検出することによって特徴付けられる。
【0014】
その他の特徴及び利点は、非限定的具体例によって提供される実施例の下記の記載を読み、添付の図面を参照することによってより明らかになるであろう。
【0015】
図1の装置は、以下を含む。
眼3の角膜2の振動を、レーザ干渉法によって、オプトエレクトロニック的に検出することを可能にし、一定時間における前記角膜2の振動の振幅における変動を表す時間ドメイン電気信号4を提供する装置1、そして
前記信号を処理する電子システム5であって、このシステムは、先ず、前記時間ドメイン信号4の周波数スペクトルを、例えば、この信号4のフーリエ変換を計算することによって計算し、次に、この周波数スペクトルから、少なくとも1つの眼の振動の固有モードの周波数を決定するように構成されている。
【0016】
本発明による寄与は、実質的に、前記検出装置1にあるので、これについて以下詳述する。上述した二つの計算工程は、前記電子システム5によって行われ、それらを行うために必要な手段は、信号処理技術の当業者には公知であるので、本記載においては詳細に説明しない。
【0017】
前記検出装置1について説明する前に、眼は、弾性、粘性及びインピーダンスの係数によって特徴付けられる球状へテロ構造としてモデル化することが可能であることが想起される。もしも、眼が、それを振動状態にする適切な方法で機械的に刺激されるならば、そのヘテロ構造の振動の固有周波数を刺激することが可能である。これらの振動の固有モードは、眼を数学モデル化することによって計算されてきた。そして、それらによって、固有周波数における振動を、眼内圧の関数として数量化することが可能となる。例えば、添付の図2は、線形モデル(破線の曲線)又は、非線形モデル(連続曲線)によって、数学モデル化された眼の、眼内圧の関数としての、種々の振動の固有モードの周波数における変動を図示している。従って、少なくとも1つの眼の振動の固有モードの振動の周波数を測定することによって、従来の技術を使用して行われてきた較正に基づいて、その眼内圧の測定を行うことができることは既に知られている。より高いモードの振動の周波数、具体的には、図2のモード5を測定することが好ましい。このような眼内圧の測定は、その主要な病状が眼の緑内症である、眼科病状を診断に使用することができる。
【0018】
レーザ干渉法によるオプトエレクトニクス的検出のための装置
図1を参照して、そして、本発明の本質的特徴構成により、前記検出装置1は、眼に対して位置決めされると、その二端部の1つが眼の角膜2の外表面2aから構成される、波反射空洞を有するファブリー・ペロー干渉計を形成する、光学部6と、前記干渉計6によって出力される波の強度Iを検出し、この強度の関数として上述した電気信号4を提供する、オプトエレクトロニック検出器7、とを有する。
【0019】
図1及び3〜6を参照すると、特定の変形例において、前記検出装置1は、9個のモジュールA〜Iから構成される。
【0020】
モジュールA:このモジュールは、温度と出力(1.9ミリワット(mW))とを安定化させるためのシステムに取り付けられた波長λ(例えば、635ナノメートル(nm)に等しい)のレーザダイオードを含む。このレーザダイオードは、レーザビームの発散を制限するためのコリメーター光学系を有する。これには、バッテリを使用して4.5ボルト(V)又は、外部電源を使用して5Vで電力供給可能であり、その電源電流は、60ミリアンペア(mA)に制限される。
【0021】
モジュールB:このモジュールは、前記レーザダイオード回路からの放射光を偏光する作用を有する四分の一波長板(図1には図示せず)によって形成される。
【0022】
モジュールC:これは、その反射及び透過係数R1及びT1が、それぞれ、強度の98%及び2%に等しい平面鏡M1を含む。それは以下の作用を有する。
眼からの低い反射係数(R3:2.5%)により、前記ファブリー・ペロー空洞からのエネルギの損失を制限し、これによって、前記干渉計システムのコントラストを改善する、そして
眼に対して許容可能な出力の基準を満たすことができるように、レーザダイオードの出力を(19.73±0.01)マイクロワット(μW)(鏡の後方で測定された値)に制限する。
【0023】
モジュールD:これは、その反射及び透過係数R2及びT2が、それぞれ、強度の40%及び60%に等しいスプリッタ鏡M2を含む。このスプリッタ鏡M2は、前記レーザダイオードの出力を、それを12.8μW(M2を通過した後に測定される値)にするべく、二度低減することを可能にする。
【0024】
モジュールE:これは、より具体的な値として30mmの焦点距離fの平凸補正レンズ8によって形成される。これは、眼の角膜の湾曲によって発生する開散(divergence)を修正するように機能する。焦点距離は、前記干渉計システムの光軸に対する眼の側方向ミスアラインメントに対する感度を減少させる関数として選択される。更に、前記レンズは、好ましくは、デュアル空洞(dual cavity)現象を発生させる可能性のある、レンズの寄生(parasitic)反射を避けるために、レーザの波長における反射防止処理を有する。
【0025】
モジュールF:このモジュールは、干渉フィルタ(図1には図示せず)を構成する。これは、入射放射光中のあるスペクトル帯域のみを透過する部分反射平行面を備えた誘電体板である。より具体的には、一実施例において、この板は、幅10nmで、レーザの波長に中心を有するスペクトル帯域を透過し、これによって、前記検出器7を、前記モジュールAの前記レーザダイオードからの放射光以外のすべての放射光(例えば、照明)から絶縁する。このフィルタは、好ましくは、前記検出器7の表面と、前記干渉フィルタの表面との間の寄生(parasitic)反射を避けるために、その反対側面(検出器7側の面)にレーザの波長(635nm)における反射防止処理を有する。
【0026】
モジュールG:このモジュールは、上述したオプトエレクトロニック検出器7、を形成する。より詳しくは、この検出器は、±12Vの電源で25℃の動作温度において、下記の動作特性を提供するアバランシェ検出器である。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
眼が光学的にアラインメントからはずれている問題を改善するために、大きな円形領域(直径3.0mm)に渡って積分を行う。それは、100kHzの通過帯域を有し、それは、800nmの波長で、0.005×10−9Wの制限電力(limiting power)を測定することができる。
【0030】
モジュールH:(図4)は、内チューブH2が挿入され、クランプネジVによって光学系Oを支持するように機能する外チューブH1を有する筒状マウントを構成する。筒状マウントHは、同じタイプの他のマウントと組み立てられ、これによって、種々の光学装置Oを保護しながら、より複雑な構造を構築することを可能にするように設計される。前記検出装置1を構成するために、前記四分の一波長板(上述のモジュールB)と、前記平面鏡M1(モジュールC)と、前記平凸補正レンズ8(モジュールE)と、前記干渉フィルタ(モジュールF)とをそれぞれ収納するように機能する4つの筒状マウントHが使用される。
【0031】
モジュールI:(図5)このモジュールは、前記筒状マウントHを二つの垂直軸芯に沿って互いに組み合わせるように機能するとともに、それ自身、前記スプリッタ鏡M2のためのハウジングとして機能する。
【0032】
図6は、前記検出装置1を構成するために、これら種々のモジュールが互いに組み立てられる方法を図示している。図1及び図6を参照すると、前記検出装置1は、主光軸A1と、前記スプリッタ鏡M2を使用して90°に向けられた第2光軸A2とを有する光学系を形成する。前記レーザダイオード(モジュールA)と、前記四分の一波長板(モジュールB)と、前記平面鏡M1と、前記スプリッタ鏡M2(モジュールC)と、前記平凸レンズ8(モジュールE)は正確に固定されて調整され、前記主光軸A1上に中心決めされている。前記スプリッタ鏡M2(モジュールD)と、前記干渉フィルタ(モジュールF)と、前記検出器7(モジュールG)は正確に固定されて調整され、前記第2光軸A2上に中心決めされている。単に表示のためにのみ提供される特定の実施例において、距離L1、L2及びL5及びL6(図3及び図1)は、2.5センチメートル(cm)に等しく、距離L4は5cmである。
【0033】
上述した検出装置1によって、眼3の振動の固有モードを検出するために、眼3の角膜2の中心は、前記モジュールIとモジュールH(前記平凸レンズ8のためのハウジングとして作用する)とが、前記主光軸A1上にファブリー・ペロー空洞を形成し、かつ、この主光軸上の反射面の1つが前記平面鏡M1によって構成され、かつ、他方の、反対側の反射面が、眼3の角膜2によって構成され、かつ、前記ファブリー・ペロー空洞の長さL(すなわち、角膜と平面鏡M1との間の距離)が、眼3の角膜2の振動の振幅に応じて可変となるように、眼を長手方向において所定の距離L3(装置の長手方向感度に関する下記の説明を参照)に位置決めすることによって、前記主光軸A1上での実質的アラインメント状態とされる(装置の側方向の感度に関する下記の説明を参照)。
【0034】
図1の理論図を参照して、動作中に入射レーザビームF(上述した四分の一波長板によって円偏光された後)は、前記鏡M1を通過することによって前記ファブリー・ペロー空洞に導入され、これは、角膜2の表面2aに到達する前に、前記スプリッタ鏡M2を通過する。この入射ビームの一部は、角膜によって反射され、戻りビームF’として前記スプリッタ鏡M2に戻る。スプリッタ鏡M2に到達すると、この戻りビームF’は、一部が、出力ビームF’’を形成するべく、スプリッタ鏡M2によって90°偏向され、この戻りビームF’の残りの部分は、M2を透過して、前記平面鏡M1に到達し、ここで、反射等・・・を受ける。
【0035】
可変長さLの前記ファブリー・ペロー空洞によって伝達される強度、すなわち、前記入射レーザビームFの(既知の)強度I0に対する出力ビームF’’の強度I、は次の式によって表される。
【0036】
【数1】
【0037】
前記ファブリー・ペロー空洞からの出力の強度I(前記オプトエレクトロニック検出器7によって送信される信号4)は、前記空洞の前記可変長さLの関数として周期的に変化する。
【0038】
λ/2の整数倍数(ここで、λは、レーザの波長)の場合、強度は最大であり、これは次の式によって与えられる。
【0039】
【数2】
【0040】
λ/2の整数倍数+1/2の場合、強度は最小であり、これは次の式によって与えられる。
【0041】
【数3】
【0042】
従って、前記ファブリー・ペロー干渉計の伝達関数の周期は、前記空洞に導入されたレーザビームの波長の半分に対応する。換言すると、波長λのレーザダイオードの場合、前記干渉計は、λ/2程度の長さLの変化を測定することができる。
【0043】
角膜2の振動は、(眼の眼窩によって課せられる制約と、眼に関連する筋肉によって課せられる制約とを考慮に入れるために)減衰正弦波振動であると見なすことができる。そのような状況下において、前記空洞の長さLは、次の形態のものである。
【0044】
【数4】
【0045】
式(4)において、
lは、角膜2の表面2aの振動の振幅を表し、
wは、眼の振動周波数であり、そして
cは、減衰係数である。
【0046】
上記考慮事項から、前記ファブリー・ペロー空洞によって出力され、前記オプトエレクトロニック検出器7によって測定される強度I(信号4)が、角膜の振動周波数を特徴付けるある速度で一連の極値を通過する。例えば、前記検出器によって測定される信号4の一具体例が図7に示され、これは、減衰前の角膜振動の初期振幅が0.5μmである、300Hzの眼の固有振動周波数を表している。
【0047】
角膜の振動周波数を得るためには、前記信号4のフーリエ変換を行うだけで十分である(第1工程は図1の電子システム5によって行われる)。これによって、図8に図示するタイプの信号4に対する出力スペクトルが得られる。このスペクトルにおいて、角膜2の振動の周波数に対応する主ピークP1が、より低い強度のピークP2,P3,P4によって特徴付けられるこの周波数の調波と共に見られる。
【0048】
眼は、前記ファブリー・ペロー空洞の非定常的要素であるので、眼のアラインメントは、測定毎に変化するパラメータを構成し、従って、眼の振動の固有モードの測定値を得るために超えられてはならない変動限界を規定する必要がある。次に、上述した検出装置1の、長手方向ミスアラインメント及び側方向ミスアラインメントに対する感度について簡単に説明する。
【0049】
長手方向感度
ここでの考えは、ビームが空洞内において前記主光軸A1に沿って自動的に再焦点合わせされることを保証することを可能にする安定性の範囲を規定することである。長手方向安定性に関しては、前記平面鏡M1と、眼およびレンズ8を含むシステムとによって構成される部分を考慮すべきである。前記検出装置1において眼−レンズ間距離のみが変化するとすれば、長手方向安定性の研究は、前記ファブリー・ペロー空洞(これは、前記平面鏡M1および眼とレンズ8とを含むシステムによって形成される)が、眼とレンズ8との間の距離(図1中の距離L3)の関係として放射光を閉じ込める能力を測定することにある。
【0050】
ファブリー・ペロー空洞は、n回の往復後においてビームが自動的に再焦点合わせされる場合に、長手方向において安定である。眼を、曲率半径Rを有する拡散球状鏡としてモデル化すると、空洞への入射時のその初期座標の関数としての、n回の空洞往復通過後における光線の座標値を計算するためのファブリー・ペロー空洞の伝送行列は、以下のとおりである。
【0051】
【数5】
【0052】
ここで、先ず、
【数6】
【0053】
【数7】
【0054】
【数8】
【0055】
【数9】
そして、第二に、
【数10】
【0056】
上述した距離L及びL3は、図1において与えられたものであり、パラメータfは、レンズ8の焦点距離を表すものであることが想起される。
【0057】
前記空洞が安定したものであることを保証するためには、θが実数でなければならず、この安定性の条件は、条件:|A+D|<=2と等価である。
【0058】
図9は、30mmの焦点距離を有するレンズ8の眼−レンズ間距離L3の関数としてA+Dの曲線をプロットしている。このグラフから、この特定のケースにおいて、L3が22mm〜30mmの範囲にある時に、安定性の領域が得られることが判る。検出装置1を適切に動作させるためには、ゆえに、このケースにおいては、眼が上記の安定性範囲内にある距離L3に維持されることを確認するのに十分である。
【0059】
側方向感度
検出器7において前記干渉信号を得るためには、眼が、ファブリー・ペロー空洞の主光軸A1と側方向のアラインメント状態にあることが必須である。側方向感度に関する次の研究の目的は、第1に、許容可能な側方向ミスアラインメントに関する制限閾値を決定し、第2に、この側方向感度を考慮した眼をアラインメントするためのシステムを考案することにある。
【0060】
図10の光学図を参照すると、側方向ミスアラインメントを特徴付けるパラメータは、距離Δdであり、これは、前記平面鏡M1における前記戻り光線の高さhと角度αとに影響する。図11及び12は、30mmの焦点距離fでの、光軸A1からの側方向ミスアラインメントΔdの関数としての、空洞を通る光線の1往復通過後における高さhと角度αとをそれぞれ示し、これは、眼とレンズ8との間の単位mmでの複数の距離L3について図示されている。図13及び14は、それぞれ図11及び12に対応するものであるが、但し、ここでは、光線の空洞の二往復に適用されている。実際には、ビームの二往復以上は考慮する必要がない。というのは、これを超えると干渉波の振幅は無視できる程度になるからである。
【0061】
図11〜14の結果は、前記検出装置1が側方向ミスアラインメントに対して非常に敏感であることを示している。眼の光軸からの0.5mmのミスアラインメントによって、戻りビームは、眼が、レンズ8から22mm〜30mmの範囲の距離L3でどこに位置するかに応じて、2°〜0°の範囲の角度で開散する。この開散によって、平面鏡M1での高さhが4mmにもなりうるビームとなる。前記空洞は、前記高さhが、空洞におけるビームの幅(一般に、「腰(waiste)」と呼ばれている)よりも小さいならば、安定していると考えることができる。従って、3mmの平均幅を有するビームに関する図11−14に図示されている具体例においては、装置は、0.3mmの側方向ミスアラインメントΔdまで安定的であり、これを超えれば、ファブリー・ペロー空洞は不安定になると見なすことができる。
【0062】
側方向ミスアラインメントに対する感度を低減させるための検出装置の最適化
側方向感度の低減は、先ず、ファブリー・ペロー空洞の長さLを減少させることによって得ることができる。短い空洞は、眼の側方向ミスアラインメントによって引き起こされる戻りビームの開散(パラメータh及びα)の効果を制限するように作用する。
【0063】
側方向感度のより大きな低減は、短い焦点距離fを有するレンズ8を選択することによっても得ることができる。(上述した30mmの代わりに)20mmの焦点距離に関して行われた計算は、1往復で1mmより大きい高さhの低減を示し、2往復で5mmより大きい低減を示している。従って、前記レンズ8に対して20mmの焦点距離を選択することによって、眼を光軸に対して、0.5mmのより制約度の低い精度でアラインメントすることが可能である。反対に、側方向感度に対するレンズ8の焦点距離の重要性を例示するために、もしも、検出装置1に、50mmの焦点距離を有するレンズ8が備えられるのであれば、光軸に対する眼のアラインメントは、0.15mm未満の精度で達成される必要がある。
【0064】
結論として、レンズ8について短い焦点距離(例えば、20mm)、そして空洞ついて短い長さLを適切に選択することによって、装置の側方向感度は最適化される。
【0065】
検出装置1の改良:側方向及び長手方向アラインメントを行うためのレティクル
図15は、眼を光軸に対して側方向にアラインメントするのに使用されるクロス9と、眼をレンズ8に対して長手方向にアラインメント(距離L3)するのに使用されるサークル10とを有するレティクルパターンを実物大で図示している。このレティクルは、ファブリー・ペロー空洞内の、前記反射部材M1とレンズ8との間、より具体的には、前記スプリッタ鏡M2とレンズ8との間、好ましくは、このレティクルの像をレンズ8を通して眼によって観察したときに、正常な眼が適合する必要がないことを条件に、できるだけ楽なようにレンズ8の焦点面に配置される。このレティクルは、ビームの通路に位置することから、これは、空洞によって伝達される強度の減少を避けるべく、可能な限り小さな、レーザの波長λでの反射係数を有する透明板上に形成される。この目的のために、前記板は、例えば、前記レーザの波長において非反射性のコーティングで処理してもよい。
【0066】
側方向アラインメント
眼が、レンズ8を通してレティクルのクロス9の虚像を見るとき、眼がレンズ8の光軸(すなわち、空洞の光軸A1)とのアラインメントから外れているときは、前記クロスの枝部が変形する。この変形は、レンズの焦点距離fの減少とともに増大する。
【0067】
長手方向アラインメント
前記最小距離L3(上に定義した安定性の長手方向範囲の下限値)は、レンズ8が挿入されている前記筒状マウントの長さによって決まる。長手方向アラインメントの目的のために、従って、前記距離L3(すなわち、眼とレンズ8との距離)を、前記装置の長手方向安定性範囲についての最大許可値(上記例においては30mm)まで増大させることが可能であることで十分である。この目的のために、前記レティクルのサークル10の直径は、眼が、前記安定性範囲の前記最大値未満である、レンズ8からの距離L3に位置する場合において、前記サークルが、眼3によってレンズ8を通して観察可能となるように、L3に関する前記最大許可値の関数として決定される。例えば、30mmの最大値の場合、前記サークル10の直径は、1cmであるべきである。
【0068】
検出装置の実施
前記レティクルを使用して、第1の工程は、眼を、前記ファブリー・ペロー空洞の光軸A1に対して側方向にアラインメントする工程であり(側方向アラインメントは、レティクルのクロス9がもはや変形して見えないようになるまで修正される)、そして、眼は、(この眼によってレティクルのサークル10が見えるようになるまで前記距離L3を修正することによって)レンズに対して長手方向にアラインメントされる。眼の位置を補正するために、装置は、この装置1の位置を、三次元空間において正確に調節することを可能にし、かつ、検出装置の変位以外のいかなる寄生変位も回避するべく患者の頭部を前記空間に保持するためのシステム(例えば、検出装置1を移動させるための操作バーを備えた顎載せ)を供える装置上に固定してもよい。但し、本発明は、この構成に限定されるものではなく、具体的に、前記レティクルによって、未熟な者でも、その人物自身の眼の、装置の光軸A1に対する側方向及び長手方向アラインメントを確認することを容易にするならば、外来式の検出装置として構成することも可能である。
【0069】
眼が長手方向及び側方向においてアラインメントされると、眼を振動させるために、眼を機械的に刺激する。この刺激は、検出装置がそれら二つの刺激法で使用可能であるならば、調波タイプのもの、又は好ましくはインパルスタイプのもの、とすることができる。最初の場合(調波法)、眼は、例えば、その波を周波数においてスイープしながら、眼窩に伝達される音波によって機械的に刺激される。しかしながら、この調波法には、時間がかかり、患者に対して外傷を与えるという欠点がある。従って、刺激周波数の全スペクトルをカバーするディラックデルタインパルスと見なすことが可能な、短い衝撃を眼に当てることからなる、前記インパルス法を使用することが好ましい。このようなインパルス式刺激は、例えば、眼窩の近傍での患者の頭蓋に対する短く軽い衝撃によって得ることができる。より有利で意外な方法で、本発明によって、そのようなインパルスは、単純に瞼の瞬きによって、又は、恐らくは、瞼を複数回短く繰り返し瞬きすることによって得ることができる。これは、瞬き中に、瞼は、眼の前方面(角膜、眼球結膜、及び間接的に強膜)に対して擦りつけられるという事実によって説明可能である。従って、この短い擦りつけは、機械的インパルスによる眼の刺激と見なすことができる。
【0070】
本発明は、添付の図面を参照して上述した特定の検出装置に限定されるものではない。一般に、前記平凸補正レンズ8は、その他いかなる収束レンズによっても置き換え可能であろう。別の変形例において、前記鏡M1は、その平面が、レーザビームが、前記ファブリー・ペロー空洞において反射されることを可能にするために、処理された平凸レンズによって置き換え可能であろう。別の変形例において、前記ファブリー・ペロー空洞は、光ファイバによって作成することが可能であり、より具体的には、この光ファイバは、その端部の1つに、上述した検出装置の補正レンズ8と同じ作用を行うマイクロレンズを備えるべきであり、前記光ファイバは、例えば、前記鏡M1と同じ作用を奏するブラッグ格子を備える。光ファイバを有するこの変形例は、外来作業用として適切な縮小化される検出装置を有利に構成することを可能にする。
【0071】
図16は、眼の主光軸A1に対する眼の側方向及び長手方向アラインメントをモニタするための改良手段を有する変形例を図示している。これら改良手段は、以下を含む、
光源S、これは、スイッチONされると、眼に対して危険でないインコヒーレントビームを発光する。例えば、これは、その出口にすりガラス16を備える白色光源15とすることができる、
半反射板13、これは、前記第2光軸A2上で前記スプリッタ鏡M2とアラインメントされるとともに、前記主軸A1に対して平行な光軸A’1上で前記光源Sとアラインメントされ、前記光源Sからの光ビームを先ずスプリッタ鏡M2に向けられることを可能にし、その後、このビームは、レンズ8を通過後、前記主光軸A1に沿って眼に向けられる。更に、眼によって反射された戻りビームが、その経路において検出器7(二次光軸A2)を通過することを可能にする、
収束レンズ14(例えば、平凸レンズ)、これは、焦点距離f’を有し、前記光軸A’1上に中心決めされ、かつ、前記源Sと前記半反射板13との間に位置する、そして
二つのレティクル11,12(又は経緯線網(graticules))、これらは方向づけられておらず、例えば、前記レンズ14のいずれかの側方に配設され、前記レンズ14の光軸に中心決めされたクロスとして構成され、前記レティクル11は、前記半反射板13とスプリッタ鏡M2との間において前記二次光軸A2上でより詳細に中心決めされ、前記レティクル12は、前記源Sと前記レンズ14との間で前記光軸A’1上に中心決めされている。
【0072】
前記二つのレティクル11,12は、好ましくは、同一であって、レンズ14から距離2f’で位置している(レティクル12の場合は距離d1、そしてレティクル11の場合は光路(d2+d3))。前記レティクル11は、好ましくは、前記補正レンズ8から距離2fで位置している(図16、光路(d4+d5))。図16の好適実施例において、前記補正レンズ8の焦点距離f’は、レンズ14の焦点距離f’に等しい。但し、この特性は必須ではない。
【0073】
更に具体的には、前記光源Sと前記レーザダイオード(モジュールA)とは、共に、二位置検出器17の制御下でスイッチONされる。この検出器は、光源SのみがONされる第1位置(連続線)と、レーザダイオードのみがONされる第2位置(破線)とを有する。
【0074】
眼の長手方向及び横方向アラインメント調節は、もっぱら、光源Sのみを使用して行われ、それらの調節中、レーザダイオードは作動しない。
【0075】
光軸A1に対する眼の側方向アラインメントの調節
前記光源SがON状態で、両レティクル11,12は照明され、眼2がこれら両レティクル11,12が一致していることを見たときに、眼の側方向アラインメントが得られる。
【0076】
光軸A1に沿った眼の長手方向アラインメントの調節
眼の最適な長手方向アラインメントは、前記検出器7によって検出された光強度が、所定の閾値より大きい場合、又、好ましくは、それがその最高レベルに達した場合に得られる。この目的のために、図16を参照すると、コンパレータ回路18は、検出器7によって提供された前記信号4を、好ましくは調節可能な所定の閾値と比較し、それは、ユーザに対して、前記信号4の振幅が前記閾値より上である場合、長手方向アラインメントが正確であることを通知するインジケータ19を作動させる(例えば、それは発光ダイオード(LED)を発光させる)。
【0077】
眼が側方向及び長手方向においてアラインメントされると、ユーザは、前記コンタクター(contactor)17を作動して、IOPを測定するべくレーザダイオードを作動させる。図16のこの変形例は、測定を行う前に、眼の側方向及び長手方向アラインメントの調節をモニタすることを単純化し、これによって、この操作を、特に、眼科開業医等の熟練した第三者からの助力無しでユーザが可能とすることに有利となり得る。
【0078】
好適な変形例において、前記光源Sは白色光源である。但し、この特徴は非限定的である。それは、所定の波長に中心を置く狭い周波数スペクトルを提供し、眼に対して外傷を与えない光源とすることができる(例えば、赤色光源)。そのような状況下で、前記オプトエレクトロニック検出器7が、上流側に、干渉フィルタ(図1または図16に図示せず)を備える場合、その干渉フィルタが、前記光源Sからの放射光を伝送するのに適することを確実にすることが適切である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、少なくとも1つの眼の振動の固有周波数を測定し、それによって、その眼内圧(IOP)を測定するための、本発明による装置の原理を示す図である。
【図2】
図2は、その眼内圧の関数としての、種々の眼の振動の固有モードの周波数における変動の一(公知の)例を図示している。
【図3】
図3は、互いに一体化された複数のモジュールとして構成された、本発明の検出装置の一実施例を図示している。
【図4】
図4は、互いに一体化された複数のモジュールとして構成された、本発明の検出装置の一実施例を図示している。
【図5】
図5は、互いに一体化された複数のモジュールとして構成された、本発明の検出装置の一実施例を図示している。
【図6】
図6は、互いに一体化された複数のモジュールとして構成された、本発明の検出装置の一実施例を図示している。
【図7】
図7は、300ヘルツ(Hz)の眼の振動の固有周波数を表す本発明の検出器によって測定された信号の一具体例を図示している。
【図8】
図8は、フーリエ変換適用後の、図7の信号の出力スペクトルを図示している。
【図9】
図9は、一具体例における前記検出装置の長手方向感度を測定するためのグラフである。
【図10】
図10は、眼がΔdだけ側方向にアラインメントがずれていることの影響を示す単純化された光学図である。
【図11】
図11は、前記側方向ミスアラインメントΔdの関数としての、(前記ファブリー・ペロー空洞を通過する片道の光ビームの)高さhを示している。
【図12】
図12は、前記側方向ミスアラインメントΔdの関数としての、(前記ファブリー・ペロー空洞を通過する片道の光ビームの)角度αを示している。
【図13】
図13は、図11に対応するが、但し、前記ファブリー・ペロー空洞における光ビームの二つの往復移動に関している。
【図14】
図14は、図12に対応するが、但し、前記ファブリー・ペロー空洞における光ビームの二つの往復移動に関している。
【図15】
図15は、前記検出装置の主光軸に対する眼の側方向及び長手方向アラインメントを達成するための第1変形例に使用されるレティクルの例を図示している。
【図16】
図16は、眼の側方向及び長手方向アラインメントをモニタするための改良された光学手段を実施する、本発明の装置の別の変形例の図である。
Claims (21)
- レーザ干渉法によって眼の少なくとも1つの振動の固有モードを検出する方法であって、該方法は、主光軸(A1)を有し、その一方の表面が固定反射部材(M1)によって形成され、その他方の表面が前記眼の角膜(2)によって形成される前記主光軸(A1)上の二つの両側の反射表面を含むファブリー・ペロー空洞を形成する前記装置と協同するように、検出装置(1)に対して眼(3)を位置決めする工程と、前記ファブリー・ペロー空洞に、当該ファブリー・ペロー空洞の前記主光軸(A1)に中心決めされた入射レーザビーム(F)を導入する工程であって、ここで、前記主光軸(A1)に対する前記角膜(2)の側方向及び長手方向のアラインメントは、前記空洞の前記二つの反射表面間の行きレーザビームと反射された戻りレーザビームとの間において長手方向干渉を得るように作り出される工程と、オプトエレクトロニック検出器(7)を使用することにより時間の関数として前記干渉の強度(I)を検出する工程とを特徴とする方法。
- 請求項1の方法であって、前記眼(3)と前記反射部材(M1)との間に収束補正レンズ(8)が挿入され、このレンズは、前記主光軸(A1)に中心決めされ、この主光軸(A1)に対する前記眼の側方向ミスアラインメントに対する感度を低下させるように作用することを特徴とする方法。
- 請求項2の方法であって、前記補正レンズ(8)は、50mm未満、好ましくは、30mm未満の短い焦点距離fを有することを特徴とする方法。
- 請求項1〜4のいずれかの方法であって、前記ファブリー・ペロー空洞に配置され、前記主光軸(A1)に中心決めされたレティクル(9)が使用され、前記眼は前記主光軸(A1)に対して、この眼によって見られる前記レティクルが変形しないように側方向にアラインメントされることを特徴とする方法。
- 請求項2及び4の方法であって、前記レティクル(9)は、前記補正レンズ(8)の焦点面において、前記反射部材(M1)と前記補正レンズ(8)との間に位置することを特徴とする方法。
- 請求項1〜4のいずれかの方法であって、前記ファブリー・ペロー空洞に配置され、前記主光軸(A1)に中心決めされたレティクル(10)が使用され、前記眼は、このレティクル(10)が前記眼によって見ることができるように、前記主光軸(A1)上で長手方向にアラインメントされることを特徴とする方法。
- 請求項2及び6の方法であって、前記レティクル(10)は、前記補正レンズ(8)の焦点面において、前記反射部材(M1)と前記補正レンズ(8)との間に位置することを特徴とする方法。
- 請求項1〜4のいずれかの方法であって、収束レンズ(14)と、前記第2レンズ(14)のいずれかの側方に配置されるとともに、前記レンズ(14)の光軸上に中心決めされた二つのレティクル(11,12)が使用され、そして、前記眼の前記主光軸(A1)に対する側方向アラインメントをモニタするために、前記両レティクル(11,12)は、インコヒーレント光ビームによって照明され、前記眼は、この眼(3)によって見られた前記二つのレティクルの像が互い重なり合うように、前記主光軸(A1)に対して側方向にアラインメントされることを特徴とする方法。
- 請求項1〜4のいずれかの方法であって、収束レンズ(14)と、前記第2レンズ(14)のいずれかの側方に配置されるとともに、前記レンズ(14)の光軸上に中心決めされた二つのレティクル(11,12)が使用され、そして、前記眼の前記主光軸(A1)に対する長手方向アラインメントが、前記両レティクル(11,12)をインコヒーレント光ビームで照明することによってモニタされ、前記眼によって反射された前記戻りビームの強度がモニタされることを特徴とする方法。
- 請求項8又は請求項9の方法であって、前記二つのレティクル(11,12)は同一であり、かつ、前記第2レンズ(14)から距離2f’で位置し、ここでf’は前記第2レンズ(14)の焦点距離であることを特徴とする方法。
- 請求項2及び請求項8〜10のいずれかの方法であって、前記二つのレティクルの一方(11)は、前記補正レンズ(8)から距離2fで位置し、ここでfは前記レンズの焦点距離であることを特徴とする方法。
- 請求項1〜11のいずれかの方法であって、前記眼が前記主光軸(A1)に対して側方向及び長手方向にアラインメントされると、前記角膜は、瞼の一回の瞬き、又は、瞼の複数回の繰り返される瞬きによって振動状態にされることを特徴とする方法。
- レーザ干渉法によって少なくとも1つの眼の振動の固有モードを検出する検出装置であって、前記装置は、主光軸(A1)を有し、その二つの反射面の一方が前記光軸(A1)にアライメントされた反射部材(M1)によって形成され、その二つの反射面の他方が、この装置の使用時において、少なくとも1つの振動の固有モードを検出することが望まれる眼の角膜(2)によって形成されるファブリー・ペロー空洞と、前記空洞の主光軸(A1)に中心決めされた入射レーザビーム(F)を発生するレーザ光源と、前記ファブリー・ペロー空洞の前記二つの反射表面間の前記主光軸(A1)に沿った行きビームと反射された戻りビームとの間の長手方向干渉の強度Iを検出するためのオプトエレクトロニック検出器(7)とを備えることを特徴とする装置。
- 請求項13の検出装置であって、前記ファブリー・ペロー空洞の前記二つの反射面間に配置された収束補正レンズ(8)を備え、このレンズは、前記主光軸(A1)に中心決めされ、眼の側方向ミスアラインメントに対する感度を低下させるように作用することを特徴とする装置。
- 請求項14の装置であって、前記補正レンズ(8)は、50mm未満、好ましくは、30mm未満の短い焦点距離fを有することを特徴とする装置。
- 請求項13の装置であって、前記眼の前記主光軸(A1)に沿った長手方向アラインメントおよび/又は前記眼の前記主光軸(A1)に対する側方向アラインメントをモニタするために、前記主光軸(A1)上で、前記ファブリー・ペロー空洞の前記二つの反射面の間に位置するレティクル(9,10)が使用されることを特徴とする装置。
- 請求項14及び16の装置であって、前記レティクル(9,10)は、前記補正レンズ(8)の焦点面において、前記反射部材(M1)と前記補正レンズ(8)との間に位置することを特徴とする装置。
- 請求項13の装置であって、前記眼の前記主光軸(A1)に対する長手方向アラインメントおよび/又は前記眼の前記主光軸(A1)に対する側方向アラインメントをモニタするために、前記装置は、収束レンズ(14)と、前記第2レンズ(14)のいずれかの側方に配置されるとともに前記レンズ(14)の光軸に中心決めされた二つレティクル(11,12)と、これら二つのレティクル(11,12)をインコヒーレント光ビームによって照明することを可能にする光源とを有することを特徴とする装置。
- 請求項18の装置であって、前記二つのレティクル(11,12)は同一であり、かつ、前記第2レンズ(14)から距離2f’で位置し、ここでf’は前記第2レンズ(14)の焦点距離であることを特徴とする装置。
- 請求項14及び請求項18の装置であって、前記二つのレティクルの一方(11)は、前記補正レンズ(8)から距離2fで位置し、ここでfは前記レンズの焦点距離であることを特徴とする装置。
- 請求項1〜12のいずれかの方法によって、前記眼を振動させ、この眼の少なくとも1つの振動モードを検出することにより前記眼の眼内圧を測定する方法。
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