JP2004507940A - Hfcネットワークにおけるトランシーバーの使用方法 - Google Patents
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Abstract
オーバーレイ・アークテクチャを備えたHFCノード及びネットワークは、トランシーバーを使用する。トランシーバーは、かなり高いレベルの歪みの影響を受ける下り信号に接続される。この下り信号は、一般的に、デジタルテレビ信号を搬送する直交振幅変調(QAM)信号である。トランシーバーは、消費者宅から発信され、ケーブルテレビ(CATV)プロバイダへ送信される上り信号にも接続される。第2の往路受信機は、歪みに対するより厳しい要求を課す下り信号を受信する。この下り信号は、一般的に、「ふつうの」アナログテレビ信号であり、振幅変調残留側波帯(AM−VSB)信号と呼ばれる。二つの下り信号は、オーバーレイ・カプラーによって重ねられ、消費者宅へ送られる。一般的に、トランシーバーによって受信されるQAM信号は、かなり高いレベルの歪みを伴うので、トランシーバーは、QAM信号がAM−VSB信号と重ね合わされる前に歪みを低減するフィルタに接続される。
Description
【0001】
本発明は、一般的に、光ファイバ・同軸ケーブル・ハイブリッド方式(HFC)ネットワークに係り、特に、HFCネットワークにおけるトランシーバーの使用方法に関する。
【0002】
ケーブルテレビ(CATV)プロバイダは、消費者に提供するサービスの拡大に絶えず努めている。たとえば、CATVプロバイダは、テレビの付加チャネルを追加し、消費者が上り方向のCATVプロバイダへ情報を送信できるようにすることを試みている。この上り情報は、映画のリクエストから、高速インターネットアクセスまでに亘る。さらに、CATVプロバイダは、デジタルテレビ信号の配備を開始し、ケーブル電話サービスを提供している。
【0003】
このような上り方向(CATVプロバイダ)への情報ストリーム及び下り方向(消費者)への情報ストリームに伴って、CATVプロバイダは、老朽化した一方向の同軸ケーブル系をアップグレードする必要が生じた。現在使用され、導入されている主要なアップグレードは、光ファイバ・同軸ケーブル・ハイブリッド方式(HFC)ネットワークと称される。このネットワークは、消費者宅との間で非常に高速かつ高帯域のアクセスを可能にさせる。
【0004】
HFCネットワークの一例は図3に示されている。図3のHFCネットワーク300は、ヘッドエンド310と、光ファイバリンク290と、ノード220と、を含む。ヘッドエンド310は、ケーブルテレビプロバイダから電気信号を受信し、電気信号を光に変換し、光信号を光ファイバリンク290を介してノード220へ送信する。HFCノード220は、光ファイバリンク290からの光信号を電気信号に変換する。電気信号は、複合信号183に加えられ、複合信号183によって消費者宅へ送信される。更に、一部の最新のCATV HFCネットワークは、双方向型であり、消費者がCATVプロバイダへデータを送信することが可能である。このデータは、通常、インターネット情報電話信号、或いは、映画のリクエストであるが、どのようなタイプの情報でも構わない。ノード220は、電気信号を受け取り、電気信号を光に変換し、光ファイバリンク290を介してヘッドヘンドへ、この光を送る。
【0005】
上記の目的を容易に実現するため、ヘッドエンド310は、ヘッドエンド電気信号105及び106を夫々に受け取る2台の往路(フォワード)送信機140及び150を含む。往路送信機は、光を変調するため電気信号105、106を使用する電気光学装置である。変調された光信号141、244は、光ファイバリンク290へ供給される。ヘッドエンド310からノード220へ信号を伝達するため適当な媒体が使用される。そのため、信号を伝達する媒体ではなく、伝達される信号自体について考察する。一般的に、1台以上のスプリッタが信号を他のノードへ送る。たとえば、図3では、変調光信号141は、スプリッタ130を用いて、ノード220へ供給される下り光信号131と、他のノード(図示しない)に供給される別の光信号132と、に分離される。同様に、変調光信号244は、スプリッタ133によって、ノード220へ供給される下り光信号234と、別のノード(図示しない)に供給される別の光信号235と、に分離される。
【0006】
下り信号131及び234は、ノード220に入り、夫々、往路受信機121及び222へ供給される。これらの受信機は、光信号を、下り電気信号125及び223と称される電気信号に戻す。2個の下り電気信号125及び223は、カプラー180によって結合される。カプラー180は、二つの信号を複合信号183に組み合わせる。
【0007】
下り信号105、141、131及び125は、通常、振幅変調残留側波帯(AM−VSB)信号であり、このAM−VSB信号は周知のアナログテレビチャネルを伝搬する。AM−VSB信号は、通常、550メガヘルツ(MHz)よりも低い周波数帯に存在する。下り信号106、244、234及び223は、通常、振幅変調されている。しかし、この振幅変調は、特に、デジタルテレビ標準に適合した直交振幅変調(QAM)方式の振幅変調である。デジタルテレビ信号は、多数のデジタルテレビチャネルと、要求次第ではその他の情報と、を収容することができる。QAM信号は、一般的に、550メガヘルツよりも高い周波数帯に存在する。これらの二つの信号は、二つの異なる周波数帯に存在するので、カプラー180は、これらの二つの信号をオーバーラップさせることなく加えることができる。このHFC系は、QAMとAM−VSBの両方が同じケーブル上にあるので、一般的に、「オーバーレイ・アーキテクチャ」を備えていることが知られている。
【0008】
複合信号183は、次に、一般的には同軸ケーブルを用いて、消費者宅(図示しない)へ供給される。一般的に、複合信号183は、トランク、若しくは、その他の分配システム(図示しない)を介して、数軒の家庭へ供給される。
【0009】
同様に、数軒の家庭からのデータは、集められ、可能であれば、周波数多重化され、上り電気信号124を形成する。復路送信機226は、上り電気信号124を上り光信号237に変換し、この上り光信号237は、伝搬中に、他の上り光信号と一緒にされる。たとえば、図3において、スプリッタ136(本例の場合、カプラーとして使用される)は、上り信号238及び237を結合して光信号247を形成する。ヘッドエンド310側の復路受信機160は、光をヘッドエンド上り電気信号107に変換する。
【0010】
HFCネットワーク300は、多様なサービスを消費者にもたらすという潜在能力の点で面白いシステムではあるが、このネットワークはかなり費用がかかる。ネットワークを構築する個別の素子の数は、特に、このタイプの高帯域アクセスを世界中の人口の大部分に提供するために必要な装置の台数は膨大な数に達することを考えると、非常に多数であることがわかる。たとえ僅かであってもネットワークを構築する部品の僅かなコスト削減は、配備コストを実質的に削減する。
【0011】
このように、HFCネットワークの配備及び利用は、これらのネットワークによって消費者へ提供される付加的なサービス及び番組の多様性の点で、直ちに行なわれることが望ましいが、これらのネットワークに付随するコストは非常に高い。これらのネットワークを配備するコストを削減する改良がなされない限り、CATVプロバイダは、構成部品の購入が可能になるまで、これらのネットワークの導入を遅らせるであろう。さらに、このようなコスト増加の対価を最終的に支払うのは消費者であろう。
【0012】
本発明によれば、オーバーレイ・アーキテクチャを備えているHFCノード及びネットワークは、トランシーバーを使用する。トランシーバーは、かなり高いレベルの歪みの影響を受ける下り信号に接続される。この下り信号は、一般的に、デジタルテレビ信号を搬送する直交振幅変調(QAM)信号である。トランシーバーは、消費者宅から発信され、ケーブルテレビ(CATV)プロバイダへ送信される上り信号にも接続される。第2の往路受信機は、歪みに対するより厳しい要求を課す下り信号を受信する。この下り信号は、一般的に、「ふつうの」アナログテレビ信号であり、振幅変調残留側波帯(AM−VSB)信号と呼ばれる。二つの下り信号は、オーバーレイ・カプラーによって重ねられ、消費者宅へ送られる。
【0013】
一般的に、トランシーバーの内部構造は、反射、クロストーク、及び、その他の歪みを生じるので、QAM信号は、電気信号に変換された後、かなり高いレベルの歪みを伴う可能性がある。この歪みを除去するため、トランシーバーの電気信号出力は、QAM信号がAM−VSB信号と重ね合わされる前に、特定の周波数帯における歪みを低減するフィルタに接続される。
【0014】
トランシーバーは受信機と送信機の両方を単一の小さいパッケージに収容するので、トランシーバーを利用することにより著しくコストが削減される。さらに、トランシーバーは同じケーブルで送受信するので、ケーブル敷設コストも削減される。これにより、HFCネットワークを配備し、アップグレードする総コストが削減される。CATVプロバイダのヘッドエンド側で別のトランシーバーを利用することによって更なるコスト節約が達成される。
【0015】
本発明の上記の特徴、更なる特徴、及び、効果は、添付図面に例示されているような本発明の好ましい実施例の詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を説明する。添付図面中、同じ参照番号は同じ素子を表わす。
【0017】
トランシーバーは、受信機と送信機の両方を具備した装置である。このため、一般的に、トランシーバーは、単一のケースに収容され、ケーブル長が短く、相対的に簡単に製造でき、部品数が少ないなどの理由によって、独立した受信機と送信機の組み合わせよりも低価格である。しかし、電気システムと光システムの混成システム用のトランシーバーは、典型的に、独立した受信機と送信機の組み合わせよりも非常に複雑な内部構造を有する。電気と光の混成システムの場合、送信機は、電気信号を変調光波に変換するレーザーダイオード若しくは発光ダイオードのような電気光学素子である。混成システムにおける受信機は、光波を受信し、光波を電気信号に変換する電気光学素子である。
【0018】
トランシーバーの内部構造が複雑であるため、このトランシーバーは、電気システムと光システムの混成システムが(振幅変調残留側波帯変調を使用するシステムと同じ)アナログ等級の品質を必要とする場合に、このシステムにおいて殆ど用されることがない。トランシーバーの内部構造は、反射、クロストーク及び歪みを生じさせるので、システムは、トランシーバーによって生じた異常に対応するため、頑強性を要求される。
【0019】
図3を参照するに、信号105、141、131及び125は、一般的に、振幅変調残留側波帯(AM−VSB)信号を搬送する。これらの信号は、周知のアナログテレビ信号を搬送し、550MHzより下の周波数域を占める。このタイプの信号は、反射、クロストーク、及び、歪に対して厳しい要求を突きつける。信号は振幅変調されているので、このような異常は、当業者に周知の様態で著しい信号劣化を生じさせる。AM−VSB信号の歪み許容能力は低いので、トランシーバーによって誘発される歪みがAM−VSB信号に認識できる不良を生じさせる場合に、往路受信機121(及び復路送信機226)の代わりにトランシーバーを使用することは許容されない。このため、消費者は、歪みによってテレビ信号に誤りが生じたときに、テレビを見ているときに、その歪みを認知するであろう。
【0020】
信号106、244、234及び223は、デジタルテレビ標準に適合した、デジタルテレビ信号及びその他の情報を搬送する直交振幅変調(QAM)信号を運ぶ。特に、マルチメディア・ケーブル・ネットワーク・システム・パートナーのデータ・オーバー・ケーブル・システム・インタフェース仕様書(MCN DOCSIS)は、ケーブルモデムの標準である。この標準は、64QAM及び128QAM(国際電気通信連合アネックスB、不確定なインターリービング付き)と、6MHzのキャリア間隔と、毎秒27又は36メガビット(Mbps)のデータレートと、MPEG−2(動画像専門家グループ)フレーミングと、リード・ソロモン符号を使用する前向き誤り訂正(FEC)と、データ暗号化標準(DES)を使用する暗号化と、を許容する。QAMは、AM−VSBよりも歪み耐性がある。従来、往路受信機222(及び復路送信機226)をトランシーバーで代用すると、QAM信号の歪みが非常に大きくなり、信号の著しい劣化が生じる、と考えられていた。
【0021】
かくして、図3のノード220は、別々の往路受信機121及び122と、復路送信機226とを使用する。これらの受信機及び送信機は、トランシーバーよりも内部構造が簡単であるので、ネットワーク200における歪みの低減については詳しく説明しない。たとえば、送信機140、150及び226は、通常、周波数に関して僅かしか変化しないデータを送信する。理想的には、送信機によって放出された光波に一つの振幅変調だけが行なわれるべきである。しかし、周波数に僅かな量の変化が生じる。この周波数変化は、チャーピングと呼ばれる僅かな周波数変調としても説明される。
【0022】
この決して理想的ではない光信号が受信機121、122及び160に到達したとき、受信機は、周波数変化に対して線形に動作する場合には、この影響を制限することが可能である。独立した受信機の光学系は優れているので、受信機は、理想的ではない周波数変調を最小限に抑えるか、または、除去し得る。
【0023】
複雑な内部光学構造を具備したトランシーバーの場合、トランシーバーの応答は、波長に依存し、かつ、非線形になる傾向がある。トランシーバーが僅かに周波数変調した光を電気信号に変換するとき、この波長依存性が信号を劣化させる歪を生じる。かくして、従来は、HFCネットワーク200でトランシーバーを利用することは不可能であると考えられていた。しかし、本発明によれば、HFCネットワークにおいてトランシーバーを使用できるようになる。
【0024】
上り信号124は、通常、上述のMCNS DOCSIS仕様書に適合する。この仕様には、現在、上り信号124が直交位相偏移変調(QPSK)又は16QAM変調と、200キロヘルツ(KHz)から3.2MHzまでの範囲の搬送周波数と、毎秒320キロビット(Kbps)から10Mbpsまでの範囲のデータレートと、リード・ソロモン符号を使用するFECと、DES暗号方式と、を用いることが記載されている。
【0025】
再度、図1を参照するに、本発明に従って構成されたHFCネットワークが示されている。図1に示された一部の装置は、既に図3に関して説明した装置であるので、既に説明した装置については簡単にしか触れない。HFCネットワーク100は、ヘッドエンド110と、光ファイバリンク190と、ノード120と、を含み、ノード120は、複合信号183を消費者宅へ供給する。ヘッドエンド110は、電気信号105を変調光信号141に変換する往路送信機140を具備する。この光信号141は、光ファイバリンク190を伝搬して、場合によっては、スプリッタ130によって転送され、光信号131及び132になる。
【0026】
光信号131は、往路受信機121へ供給され、往路受信機121は、変調光信号を電気信号125に変換する。信号105、141、131、132及び125は、一般的に、AM−VSB信号を含む。これらの信号は、通常、50乃至550MHzのレンジに含まれる。
【0027】
HFCネットワーク100は、CATVプロバイダのヘッドエンド110側に、往路送信機150と復路受信機160を具備する。通常、QAM信号である下り電気信号106は、往路送信機150へ供給される。QAM信号は、一般的に、550乃至750MHzの周波数帯に含まれる。上り電気信号107は、復路受信機160から供給される。往路送信機150は、下り電気信号106を下り光信号156に変換する。復路受信機160には上り光信号157が供給される。通常、QAM信号である下り光信号156と、上り光信号157は、カプラー157へ供給され、カプラー157によって重ねられ、光信号144を形成する。かくして、光信号144は、下り信号と上り信号の両方を含む。
【0028】
下り信号と下り信号の二つの信号が異なる波長で動作する様子が図示されている。たとえば、往路送信機150は、1550ナノメートル(nm)の波長を有する変調光信号を生成することができ、復路受信機160は、1310nmの波長を有する光信号を受信する。理論的には、同じ波長で送受信することが可能であるが、送信周波数及び受信周波数が異なる状況で送受信する方が容易である。カプラー158は、光信号156と光信号157の両方を、光信号144上で結合する。したがって、光信号144、135及び147は、下りデジタルテレビ信号を収容する第1の部分と、1軒以上の消費者宅からの上り信号を収容する第2の部分と、を有する。
【0029】
カプラー158は、変更を加えることなく、両方の信号を一つに結合する装置である。しかし、一般的に、カプラーは、信号156と信号157を信号144に多重化する(或いは、信号144から逆多重化される)波長分割マルチプレクサである。このように、信号156は、往路送信機150で発生し、カプラー158によって信号144へ結合される。同時に、信号144の上り信号部分は、カプラー158によって波長分割され、信号157に入れられる。
【0030】
光信号144は、光ファイバリンク190で、付加的な信号を加えるため、又は、付加的な信号を受け取るため分離される。図1の例において、光信号144は、二つの光信号135及び147を生成するスプリッタ133を有する。光信号135は、たとえば、別の消費者宅のグループ用の別ノードへ進む。光信号147はトランシーバー122に供給される。
【0031】
トランシーバー122は、光信号147の下り信号部分を受け取り、この光信号を下り電気信号123に変換する。本例の場合、トランシーバーは、中心波長が約1550nmである光信号を復調することにより、光信号147の下り信号部分を変換する。また、本例の場合、トランシーバー122は、上り電気信号124を、中心波長が約1310nmである変調光信号に変換する。この変調光信号は、(往路送信機150からの)下り光信号部分と(トランシーバー122の送信部からの)上り光信号部分を含む光信号147に結合される。
【0032】
電気信号123は、フィルタ128へ供給される。フィルタ128は、信号123をフィルタ処理(除波)し、フィルタ処理された信号126を生成する。フィルタ処理された信号126は、カプラー180へ供給される。カプラー180は、AM−VSB電気信号125をフィルタ処理されたQAM信号126と結合し、複合信号183を生成する。図1には示されていないが、殆どの場合に、電気信号又は光信号の信号パワーを増大させるため増幅器が設けられている。多数の消費者宅を電気信号224若しくは光信号132、135及び138に接続するためのトランクのような他の装置は、図示されない。図1は、本発明の重要な特徴を例示するため使用される簡単な例であり、本発明は図1の例によって限定されるものではない。
【0033】
理想的な場合(トランシーバー122によって生じる歪みを無視する場合)、電気AM−VSB信号125は、電気QAM信号126とオーバーラップしない。このようにして、二つの信号は、干渉を考慮することなく加えることができる。ここで、「オーバーラップしない」とは、電気AM−VSB信号と電気QAM信号が別々の周波数レンジに割り当てられ、その結果として、二つの信号の間の干渉が最小限に抑えられるか、或いは、全く存在しないことを意味する。しかし、当業者は、(他方の信号に割り当てられた周波数レンジに含まれる特定の周波数における一方の信号のパワーによって測定されるような)オーバーラップが僅かな量でも存在しないようにすることが非常に困難であることを認識するであろう。このように、「オーバーラップしない」という概念は、小量の誤りを生じさせない程度の量のオーバーラップが二つの信号の間に存在することを除外するものではない。
【0034】
トランシーバーの歪みのため、電気QAM信号123は、AM−VSB周波数レンジでは、非常に有意な歪みパワーを有する(以下で、詳述する)。このため、二つの信号の間にオーバーラップが生じる。しかし、フィルタ228は、このオーバーラップの量を、処理しやすく、誤りを生じさせないレベルに抑える(以下で、詳述する)。
【0035】
電気信号124は、1軒以上の消費者宅から到来し、一般的に、たとえば、映画のリクエスト、音声、或いは、インターネット要求若しくはアップロードのような比較的低い頻度の情報を搬送する。上述の通り、トンランシーバー122は、特定の波長で光信号147を変調するためこの電気信号を使用する。
【0036】
トランシーバー122は、トランシーバーの内部構造が複雑であるため、波長に依存した応答を生じる。波長依存性とは、送信機の小さい周波数変動に因る波長の僅かな変動が歪みを生じさせることを意味する。さらに、トランシーバーの受信部と送信部の間には、通常、多少のクロストークが存在する。その上、トランシーバーの複雑な光学系構造は、受信機が独立している場合よりも大きい反射を生成する。
【0037】
HFCアプリケーションにおけるトランシーバーの主要な歪みメカニズムは、トランシーバーの波長に依存する傾向がある。この波長依存性は、従来技術において周知の次数の歪みを生じさせる。2次歪みは、550乃至750MHzの帯域の範囲外の非常に強い歪みである。かなり強い2次歪みが550乃至750MHzの周波数域外に存在するということは、この周波数帯が1オクターブの範囲内に収まることによる幸運な結果である。周波数帯が広げられると、2次歪みはその周波数帯に入る。かくして、デジタルテレビ(QAM)周波数帯の幅は、最高パワーを有する歪みがデジタルテレビ周波数帯の範囲を外れるようにされる。3次歪みもこの周波数帯の範囲外であるが、550乃至750MHzの周波数帯に成分が存在する。3次歪みは2次歪みよりも小さいが、それでも多少の問題が残る。パワーがかなり小さいので、4次以上の高次歪みは、たとえあるにしても、QAM信号に殆ど影響を与えない。しかし、4次以上の高次歪みは、フィルタリングを用いることなくアナログテレビ信号に加えられたならば、アナログテレビ(AM−VSB)信号に誤りを生じさせる可能性がある。
【0038】
電気信号123(及び、対応した光信号144、147、156)は、QAMを搬送するので、550乃至750MHz周波数帯内に収まる3次歪みに関連した問題は緩和される。QAMは、このタイプのノイズに対して、AM−VSBよりも高い耐性を備えている。3次歪みは、一般的に、パワーが低く、QAMは幾分ノイズ耐性が高いので、QAM信号の歪みによって生じる信号劣化は、QAM信号に重大な影響を与えない。これにより、トランシーバーをHFCネットワーク200で使用することが可能になり、トランシーバーはQAM信号に影響を与える歪みを生じさせるが、その歪みは重大なシンボル誤りを誘起する程度には至らない。このように、トランシーバー122は、電気QAM信号123に歪みを生じさせるが、その歪みはかなり小さい。
【0039】
しかし、550MHz乃至750MHzの周波数レンジ内に含まれない強力な2次歪みと、それほど強力ではない3次歪み(4次歪み、以下同様)とが存在する。特に、これらの歪みの殆どは、550MHzレンジよりも下の周波数、すなわち、AM−VSB周波数レンジ内にパワーがある。電気QAM信号123が、これらの歪みを低減、若しくは、除去するための動作を行なうことなく、カプラー280によって電気AM−VSB信号と結合される場合、歪みは、AM−VSB信号を含む複合信号183の一部に重大な誤りを生じさせる。
【0040】
上述の通り、AM−VSB信号は、QAM信号よりもノイズ耐性が著しく低い。すなわち、AM−VSB信号は、QAM信号よりも厳しいノイズ要求を課す。ノイズ耐性が比較的に高いQAMの場合でも、2次歪みがQAM周波数帯に入るならば、2次歪みによる影響を受ける可能性がある。したがって、2次歪みは、AM−VSB信号に重大なダメージを加える。
【0041】
電気QAM信号123のAM−VSB周波数帯に存在する他の次数の歪みを低減又は除去するため、フィルタ128は、好ましくは、550MHzより低い周波数を遮断するハイパスフィルタである。バンドパスフィルタを使用しても構わないが、通常、750MHzよりも高い周波数帯の歪みはAM−VSB信号に影響を与えず、QAM受信機はこれらの歪みを無視すべきである。フィルタ128は、好ましくは、2次歪み及び3次歪みのレベルを、AM−VSB信号に許容できない程度の誤りを生じさせることのない適度なレベルまで低下させるように設計される。より優れたフィルタ228が設計される程、ロールオフが高速化され、QAM信号123のAM−VSB周波数帯における2次歪み及び3次歪みのパワーが低下する。しかし、優れたフィルタは、コスト高になる傾向がある。
【0042】
一般的に、2次歪みのうちの一つの中心周波数は約150MHzであり、3次歪みのうちの一つの中心周波数は約500MHzである。これらの両方の中心周波数は、AM−VSB周波数レンジに収まる。さらに、2次歪みは、システムに依存して0から300MHzまで広がり、3次歪みは、500MHzよりも数百MHz低い周波数から、700MHzよりも数百MHz高い周波数まで広がる。これらの歪みのパワーは、トランシーバー及びシステム(使用される光ファイバ、スプリッタによって生じる反射の量など)に依存する。典型的に、2次歪み及び3次歪みの大凡の中心周波数がトランシーバー及びシステムによって受ける影響は僅かである。トランシーバーと、システムコンポーネント/コンフィギュレーションのある種の組み合わせは、非常に高いパワーの3次歪みを生じさせる場合がある。この場合、(QAM信号がAM−VSB信号に追加されるとき)フィルタがAM−VSB信号に誤りを生じないようにさせる低いパワーまで3次ノイズのパワーを十分に減少させないので、フィルタ228のロールオフは重要になる。3次歪みのパワーが大きくなると共に、フィルタ228はより大きいロールオフを備えるべきである。一般的に、3次歪みはかなり低パワーであるため、フィルタ228は、厳格なロールオフ規準に適合しない。
【0043】
このように、トランシーバー122によって誘発され、デジタルテレビ信号の周波数レンジの範囲外にある歪みがフィルタ処理された場合、デジタルテレビ信号123は、アナログテレビ信号125に多数の誤りを生じさせること無く、アナログテレビ信号125に加えられる。さらに、トランシーバー122によって誘発され、デジタルテレビ信号の周波数帯に収まる歪みの次数は、比較的低パワーを有する次数である。このことは、デジタルテレビ信号123の高いノイズ耐性と組み合わせることによって、デジタルテレビ信号が、トランシーバーによって生じた、デジタルテレビ信号の周波数レンジ内の歪みによる被害を、実質的に受けないように保つことができる。
【0044】
図1と図3を比較するに、図1のノード120へ入る信号(通常は、光ファイバケーブル)の数は、図3のノード220へ入る信号の数よりも一つ少なく、図3の送信機226と受信機222は、トランシーバー122及びフィルタ128によって置き換えられている。これにより、特に、トランシーバー及びフィルタは、一般的に、高品質の受信機及び送信機よりもかなり低価格であるため、HFCネットワーク100のコストをかなり有効に削減することができる。
【0045】
図2は、コスト節約のために、さらに大きな可能性がある一実施例を示す図である。本発明のこの実施例によれば、HFCネットワーク200は、図1及び3の往路送信機150と復路受信機160の機能を実現するトランシーバー270を具備する。トランシーバー270は、下り電気信号106を、光信号144へ結合される下り光信号へ変換する。さらに、上り光信号に対応した光信号144の一部分は、上り電気信号107に変換される。また、下り光信号及び上り光信号は、信号をより簡単に送受信することができるように、異なる波長の付近に中心が置かれる。
【0046】
2台のトランシーバーを備えたHFCネットワークを実現するとき、設計エンジニアは、ネットワークの現在の容量及び未来の容量を知る必要がある。ある種の場合には、2台のトランシーバーを用いることは適切でない。HFCネットワークの一方の端若しくは両方の端で別々の送信機及び受信機を理由することは、一般的に、スループットの増大を可能にさせる。さらに、殆どのHFCネットワークにおいて、上り部分は、下り部分とは別個に変更される。2台のトランシーバーを含むネットワークがその容量の限界で設計されているならば、付加的な光ファイバリンク、ヘッドエンド、及び、ノードを追加する必要がある。このように、2台のトランシーバーの利用は、コスト削減を実現し得るが、短期コスト削減は、未来に追加されるべき付加的な容量を圧迫しないであろう。
【0047】
本発明をHFCネットワークで使用する方法の好ましい一実施例は、
上り電気信号124を光信号147の上り部分に変換し、光信号147の下り部分を下り電気信号123に変換するため適したトランシーバーを準備する手順と、
第2の下り光信号131を、ある周波数帯を有する下り電気信号125へ変換するため適した往路受信機を準備する手順と、
上記周波数帯に対応した周波数で下り電気信号123を減衰させることにより、下り電気信号123をフィルタ処理する(したがって、トランシーバー122によって下り信号123の周波数帯で生じた歪みを除去若しくは低減する)手順と、
下り電気信号125と、フィルタ処理された電気信号126を組み合わせて、複合信号183を生成する手順と、
を有する。
【0048】
このように、HFCネットワーク内でQAM、かつ、非AM−VSBを受信するためトランシーバーを適切に使用し、AM−VSB周波数帯にパワーを有するトランシーバーによって生じた歪みをフィルタ処理することにより、本発明は、HFCネットワークにおいてトラシーバーを利用できるようにさせる。トランシーバーの利用は、別々の送信機及び受信機を使用する場合よりも著しいコスト削減になる。QAMのノイズ耐性は比較的に高いので、トランシーバーがQAM周波数レンジに歪みを生じさせても、重大な誤りは、殆ど、或いは、全く伴わない。
【0049】
本発明は、光方式と電気方式の混成型のネットワーク、特に、比較的にノイズ耐性があり、かつ、1オクターブよりも狭い周波数レンジを占める一方の信号と、厳格なノイズ要求条件を課し、かつ、一方の信号の周波数レンジとは異なる周波数レンジを占める別の信号が用いられる光と電気の混成型のネットワークに適用可能である。
【0050】
以上の通り、本発明は、特に、本発明の好ましい実施例に関して明らかにされ、説明されているが、当業者は、形態及び細部の種々の変更が本発明の精神及び範囲を逸脱することなくなされることを認めるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施例によるオーバーレイ・アーキテクチャを備えたHFCシステムのブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施例によるオーバーレイ・アーキテクチャを備えたHFCシステムのブロック図である。
【図3】従来技術のHFCシステムのブロック図である。
本発明は、一般的に、光ファイバ・同軸ケーブル・ハイブリッド方式(HFC)ネットワークに係り、特に、HFCネットワークにおけるトランシーバーの使用方法に関する。
【0002】
ケーブルテレビ(CATV)プロバイダは、消費者に提供するサービスの拡大に絶えず努めている。たとえば、CATVプロバイダは、テレビの付加チャネルを追加し、消費者が上り方向のCATVプロバイダへ情報を送信できるようにすることを試みている。この上り情報は、映画のリクエストから、高速インターネットアクセスまでに亘る。さらに、CATVプロバイダは、デジタルテレビ信号の配備を開始し、ケーブル電話サービスを提供している。
【0003】
このような上り方向(CATVプロバイダ)への情報ストリーム及び下り方向(消費者)への情報ストリームに伴って、CATVプロバイダは、老朽化した一方向の同軸ケーブル系をアップグレードする必要が生じた。現在使用され、導入されている主要なアップグレードは、光ファイバ・同軸ケーブル・ハイブリッド方式(HFC)ネットワークと称される。このネットワークは、消費者宅との間で非常に高速かつ高帯域のアクセスを可能にさせる。
【0004】
HFCネットワークの一例は図3に示されている。図3のHFCネットワーク300は、ヘッドエンド310と、光ファイバリンク290と、ノード220と、を含む。ヘッドエンド310は、ケーブルテレビプロバイダから電気信号を受信し、電気信号を光に変換し、光信号を光ファイバリンク290を介してノード220へ送信する。HFCノード220は、光ファイバリンク290からの光信号を電気信号に変換する。電気信号は、複合信号183に加えられ、複合信号183によって消費者宅へ送信される。更に、一部の最新のCATV HFCネットワークは、双方向型であり、消費者がCATVプロバイダへデータを送信することが可能である。このデータは、通常、インターネット情報電話信号、或いは、映画のリクエストであるが、どのようなタイプの情報でも構わない。ノード220は、電気信号を受け取り、電気信号を光に変換し、光ファイバリンク290を介してヘッドヘンドへ、この光を送る。
【0005】
上記の目的を容易に実現するため、ヘッドエンド310は、ヘッドエンド電気信号105及び106を夫々に受け取る2台の往路(フォワード)送信機140及び150を含む。往路送信機は、光を変調するため電気信号105、106を使用する電気光学装置である。変調された光信号141、244は、光ファイバリンク290へ供給される。ヘッドエンド310からノード220へ信号を伝達するため適当な媒体が使用される。そのため、信号を伝達する媒体ではなく、伝達される信号自体について考察する。一般的に、1台以上のスプリッタが信号を他のノードへ送る。たとえば、図3では、変調光信号141は、スプリッタ130を用いて、ノード220へ供給される下り光信号131と、他のノード(図示しない)に供給される別の光信号132と、に分離される。同様に、変調光信号244は、スプリッタ133によって、ノード220へ供給される下り光信号234と、別のノード(図示しない)に供給される別の光信号235と、に分離される。
【0006】
下り信号131及び234は、ノード220に入り、夫々、往路受信機121及び222へ供給される。これらの受信機は、光信号を、下り電気信号125及び223と称される電気信号に戻す。2個の下り電気信号125及び223は、カプラー180によって結合される。カプラー180は、二つの信号を複合信号183に組み合わせる。
【0007】
下り信号105、141、131及び125は、通常、振幅変調残留側波帯(AM−VSB)信号であり、このAM−VSB信号は周知のアナログテレビチャネルを伝搬する。AM−VSB信号は、通常、550メガヘルツ(MHz)よりも低い周波数帯に存在する。下り信号106、244、234及び223は、通常、振幅変調されている。しかし、この振幅変調は、特に、デジタルテレビ標準に適合した直交振幅変調(QAM)方式の振幅変調である。デジタルテレビ信号は、多数のデジタルテレビチャネルと、要求次第ではその他の情報と、を収容することができる。QAM信号は、一般的に、550メガヘルツよりも高い周波数帯に存在する。これらの二つの信号は、二つの異なる周波数帯に存在するので、カプラー180は、これらの二つの信号をオーバーラップさせることなく加えることができる。このHFC系は、QAMとAM−VSBの両方が同じケーブル上にあるので、一般的に、「オーバーレイ・アーキテクチャ」を備えていることが知られている。
【0008】
複合信号183は、次に、一般的には同軸ケーブルを用いて、消費者宅(図示しない)へ供給される。一般的に、複合信号183は、トランク、若しくは、その他の分配システム(図示しない)を介して、数軒の家庭へ供給される。
【0009】
同様に、数軒の家庭からのデータは、集められ、可能であれば、周波数多重化され、上り電気信号124を形成する。復路送信機226は、上り電気信号124を上り光信号237に変換し、この上り光信号237は、伝搬中に、他の上り光信号と一緒にされる。たとえば、図3において、スプリッタ136(本例の場合、カプラーとして使用される)は、上り信号238及び237を結合して光信号247を形成する。ヘッドエンド310側の復路受信機160は、光をヘッドエンド上り電気信号107に変換する。
【0010】
HFCネットワーク300は、多様なサービスを消費者にもたらすという潜在能力の点で面白いシステムではあるが、このネットワークはかなり費用がかかる。ネットワークを構築する個別の素子の数は、特に、このタイプの高帯域アクセスを世界中の人口の大部分に提供するために必要な装置の台数は膨大な数に達することを考えると、非常に多数であることがわかる。たとえ僅かであってもネットワークを構築する部品の僅かなコスト削減は、配備コストを実質的に削減する。
【0011】
このように、HFCネットワークの配備及び利用は、これらのネットワークによって消費者へ提供される付加的なサービス及び番組の多様性の点で、直ちに行なわれることが望ましいが、これらのネットワークに付随するコストは非常に高い。これらのネットワークを配備するコストを削減する改良がなされない限り、CATVプロバイダは、構成部品の購入が可能になるまで、これらのネットワークの導入を遅らせるであろう。さらに、このようなコスト増加の対価を最終的に支払うのは消費者であろう。
【0012】
本発明によれば、オーバーレイ・アーキテクチャを備えているHFCノード及びネットワークは、トランシーバーを使用する。トランシーバーは、かなり高いレベルの歪みの影響を受ける下り信号に接続される。この下り信号は、一般的に、デジタルテレビ信号を搬送する直交振幅変調(QAM)信号である。トランシーバーは、消費者宅から発信され、ケーブルテレビ(CATV)プロバイダへ送信される上り信号にも接続される。第2の往路受信機は、歪みに対するより厳しい要求を課す下り信号を受信する。この下り信号は、一般的に、「ふつうの」アナログテレビ信号であり、振幅変調残留側波帯(AM−VSB)信号と呼ばれる。二つの下り信号は、オーバーレイ・カプラーによって重ねられ、消費者宅へ送られる。
【0013】
一般的に、トランシーバーの内部構造は、反射、クロストーク、及び、その他の歪みを生じるので、QAM信号は、電気信号に変換された後、かなり高いレベルの歪みを伴う可能性がある。この歪みを除去するため、トランシーバーの電気信号出力は、QAM信号がAM−VSB信号と重ね合わされる前に、特定の周波数帯における歪みを低減するフィルタに接続される。
【0014】
トランシーバーは受信機と送信機の両方を単一の小さいパッケージに収容するので、トランシーバーを利用することにより著しくコストが削減される。さらに、トランシーバーは同じケーブルで送受信するので、ケーブル敷設コストも削減される。これにより、HFCネットワークを配備し、アップグレードする総コストが削減される。CATVプロバイダのヘッドエンド側で別のトランシーバーを利用することによって更なるコスト節約が達成される。
【0015】
本発明の上記の特徴、更なる特徴、及び、効果は、添付図面に例示されているような本発明の好ましい実施例の詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を説明する。添付図面中、同じ参照番号は同じ素子を表わす。
【0017】
トランシーバーは、受信機と送信機の両方を具備した装置である。このため、一般的に、トランシーバーは、単一のケースに収容され、ケーブル長が短く、相対的に簡単に製造でき、部品数が少ないなどの理由によって、独立した受信機と送信機の組み合わせよりも低価格である。しかし、電気システムと光システムの混成システム用のトランシーバーは、典型的に、独立した受信機と送信機の組み合わせよりも非常に複雑な内部構造を有する。電気と光の混成システムの場合、送信機は、電気信号を変調光波に変換するレーザーダイオード若しくは発光ダイオードのような電気光学素子である。混成システムにおける受信機は、光波を受信し、光波を電気信号に変換する電気光学素子である。
【0018】
トランシーバーの内部構造が複雑であるため、このトランシーバーは、電気システムと光システムの混成システムが(振幅変調残留側波帯変調を使用するシステムと同じ)アナログ等級の品質を必要とする場合に、このシステムにおいて殆ど用されることがない。トランシーバーの内部構造は、反射、クロストーク及び歪みを生じさせるので、システムは、トランシーバーによって生じた異常に対応するため、頑強性を要求される。
【0019】
図3を参照するに、信号105、141、131及び125は、一般的に、振幅変調残留側波帯(AM−VSB)信号を搬送する。これらの信号は、周知のアナログテレビ信号を搬送し、550MHzより下の周波数域を占める。このタイプの信号は、反射、クロストーク、及び、歪に対して厳しい要求を突きつける。信号は振幅変調されているので、このような異常は、当業者に周知の様態で著しい信号劣化を生じさせる。AM−VSB信号の歪み許容能力は低いので、トランシーバーによって誘発される歪みがAM−VSB信号に認識できる不良を生じさせる場合に、往路受信機121(及び復路送信機226)の代わりにトランシーバーを使用することは許容されない。このため、消費者は、歪みによってテレビ信号に誤りが生じたときに、テレビを見ているときに、その歪みを認知するであろう。
【0020】
信号106、244、234及び223は、デジタルテレビ標準に適合した、デジタルテレビ信号及びその他の情報を搬送する直交振幅変調(QAM)信号を運ぶ。特に、マルチメディア・ケーブル・ネットワーク・システム・パートナーのデータ・オーバー・ケーブル・システム・インタフェース仕様書(MCN DOCSIS)は、ケーブルモデムの標準である。この標準は、64QAM及び128QAM(国際電気通信連合アネックスB、不確定なインターリービング付き)と、6MHzのキャリア間隔と、毎秒27又は36メガビット(Mbps)のデータレートと、MPEG−2(動画像専門家グループ)フレーミングと、リード・ソロモン符号を使用する前向き誤り訂正(FEC)と、データ暗号化標準(DES)を使用する暗号化と、を許容する。QAMは、AM−VSBよりも歪み耐性がある。従来、往路受信機222(及び復路送信機226)をトランシーバーで代用すると、QAM信号の歪みが非常に大きくなり、信号の著しい劣化が生じる、と考えられていた。
【0021】
かくして、図3のノード220は、別々の往路受信機121及び122と、復路送信機226とを使用する。これらの受信機及び送信機は、トランシーバーよりも内部構造が簡単であるので、ネットワーク200における歪みの低減については詳しく説明しない。たとえば、送信機140、150及び226は、通常、周波数に関して僅かしか変化しないデータを送信する。理想的には、送信機によって放出された光波に一つの振幅変調だけが行なわれるべきである。しかし、周波数に僅かな量の変化が生じる。この周波数変化は、チャーピングと呼ばれる僅かな周波数変調としても説明される。
【0022】
この決して理想的ではない光信号が受信機121、122及び160に到達したとき、受信機は、周波数変化に対して線形に動作する場合には、この影響を制限することが可能である。独立した受信機の光学系は優れているので、受信機は、理想的ではない周波数変調を最小限に抑えるか、または、除去し得る。
【0023】
複雑な内部光学構造を具備したトランシーバーの場合、トランシーバーの応答は、波長に依存し、かつ、非線形になる傾向がある。トランシーバーが僅かに周波数変調した光を電気信号に変換するとき、この波長依存性が信号を劣化させる歪を生じる。かくして、従来は、HFCネットワーク200でトランシーバーを利用することは不可能であると考えられていた。しかし、本発明によれば、HFCネットワークにおいてトランシーバーを使用できるようになる。
【0024】
上り信号124は、通常、上述のMCNS DOCSIS仕様書に適合する。この仕様には、現在、上り信号124が直交位相偏移変調(QPSK)又は16QAM変調と、200キロヘルツ(KHz)から3.2MHzまでの範囲の搬送周波数と、毎秒320キロビット(Kbps)から10Mbpsまでの範囲のデータレートと、リード・ソロモン符号を使用するFECと、DES暗号方式と、を用いることが記載されている。
【0025】
再度、図1を参照するに、本発明に従って構成されたHFCネットワークが示されている。図1に示された一部の装置は、既に図3に関して説明した装置であるので、既に説明した装置については簡単にしか触れない。HFCネットワーク100は、ヘッドエンド110と、光ファイバリンク190と、ノード120と、を含み、ノード120は、複合信号183を消費者宅へ供給する。ヘッドエンド110は、電気信号105を変調光信号141に変換する往路送信機140を具備する。この光信号141は、光ファイバリンク190を伝搬して、場合によっては、スプリッタ130によって転送され、光信号131及び132になる。
【0026】
光信号131は、往路受信機121へ供給され、往路受信機121は、変調光信号を電気信号125に変換する。信号105、141、131、132及び125は、一般的に、AM−VSB信号を含む。これらの信号は、通常、50乃至550MHzのレンジに含まれる。
【0027】
HFCネットワーク100は、CATVプロバイダのヘッドエンド110側に、往路送信機150と復路受信機160を具備する。通常、QAM信号である下り電気信号106は、往路送信機150へ供給される。QAM信号は、一般的に、550乃至750MHzの周波数帯に含まれる。上り電気信号107は、復路受信機160から供給される。往路送信機150は、下り電気信号106を下り光信号156に変換する。復路受信機160には上り光信号157が供給される。通常、QAM信号である下り光信号156と、上り光信号157は、カプラー157へ供給され、カプラー157によって重ねられ、光信号144を形成する。かくして、光信号144は、下り信号と上り信号の両方を含む。
【0028】
下り信号と下り信号の二つの信号が異なる波長で動作する様子が図示されている。たとえば、往路送信機150は、1550ナノメートル(nm)の波長を有する変調光信号を生成することができ、復路受信機160は、1310nmの波長を有する光信号を受信する。理論的には、同じ波長で送受信することが可能であるが、送信周波数及び受信周波数が異なる状況で送受信する方が容易である。カプラー158は、光信号156と光信号157の両方を、光信号144上で結合する。したがって、光信号144、135及び147は、下りデジタルテレビ信号を収容する第1の部分と、1軒以上の消費者宅からの上り信号を収容する第2の部分と、を有する。
【0029】
カプラー158は、変更を加えることなく、両方の信号を一つに結合する装置である。しかし、一般的に、カプラーは、信号156と信号157を信号144に多重化する(或いは、信号144から逆多重化される)波長分割マルチプレクサである。このように、信号156は、往路送信機150で発生し、カプラー158によって信号144へ結合される。同時に、信号144の上り信号部分は、カプラー158によって波長分割され、信号157に入れられる。
【0030】
光信号144は、光ファイバリンク190で、付加的な信号を加えるため、又は、付加的な信号を受け取るため分離される。図1の例において、光信号144は、二つの光信号135及び147を生成するスプリッタ133を有する。光信号135は、たとえば、別の消費者宅のグループ用の別ノードへ進む。光信号147はトランシーバー122に供給される。
【0031】
トランシーバー122は、光信号147の下り信号部分を受け取り、この光信号を下り電気信号123に変換する。本例の場合、トランシーバーは、中心波長が約1550nmである光信号を復調することにより、光信号147の下り信号部分を変換する。また、本例の場合、トランシーバー122は、上り電気信号124を、中心波長が約1310nmである変調光信号に変換する。この変調光信号は、(往路送信機150からの)下り光信号部分と(トランシーバー122の送信部からの)上り光信号部分を含む光信号147に結合される。
【0032】
電気信号123は、フィルタ128へ供給される。フィルタ128は、信号123をフィルタ処理(除波)し、フィルタ処理された信号126を生成する。フィルタ処理された信号126は、カプラー180へ供給される。カプラー180は、AM−VSB電気信号125をフィルタ処理されたQAM信号126と結合し、複合信号183を生成する。図1には示されていないが、殆どの場合に、電気信号又は光信号の信号パワーを増大させるため増幅器が設けられている。多数の消費者宅を電気信号224若しくは光信号132、135及び138に接続するためのトランクのような他の装置は、図示されない。図1は、本発明の重要な特徴を例示するため使用される簡単な例であり、本発明は図1の例によって限定されるものではない。
【0033】
理想的な場合(トランシーバー122によって生じる歪みを無視する場合)、電気AM−VSB信号125は、電気QAM信号126とオーバーラップしない。このようにして、二つの信号は、干渉を考慮することなく加えることができる。ここで、「オーバーラップしない」とは、電気AM−VSB信号と電気QAM信号が別々の周波数レンジに割り当てられ、その結果として、二つの信号の間の干渉が最小限に抑えられるか、或いは、全く存在しないことを意味する。しかし、当業者は、(他方の信号に割り当てられた周波数レンジに含まれる特定の周波数における一方の信号のパワーによって測定されるような)オーバーラップが僅かな量でも存在しないようにすることが非常に困難であることを認識するであろう。このように、「オーバーラップしない」という概念は、小量の誤りを生じさせない程度の量のオーバーラップが二つの信号の間に存在することを除外するものではない。
【0034】
トランシーバーの歪みのため、電気QAM信号123は、AM−VSB周波数レンジでは、非常に有意な歪みパワーを有する(以下で、詳述する)。このため、二つの信号の間にオーバーラップが生じる。しかし、フィルタ228は、このオーバーラップの量を、処理しやすく、誤りを生じさせないレベルに抑える(以下で、詳述する)。
【0035】
電気信号124は、1軒以上の消費者宅から到来し、一般的に、たとえば、映画のリクエスト、音声、或いは、インターネット要求若しくはアップロードのような比較的低い頻度の情報を搬送する。上述の通り、トンランシーバー122は、特定の波長で光信号147を変調するためこの電気信号を使用する。
【0036】
トランシーバー122は、トランシーバーの内部構造が複雑であるため、波長に依存した応答を生じる。波長依存性とは、送信機の小さい周波数変動に因る波長の僅かな変動が歪みを生じさせることを意味する。さらに、トランシーバーの受信部と送信部の間には、通常、多少のクロストークが存在する。その上、トランシーバーの複雑な光学系構造は、受信機が独立している場合よりも大きい反射を生成する。
【0037】
HFCアプリケーションにおけるトランシーバーの主要な歪みメカニズムは、トランシーバーの波長に依存する傾向がある。この波長依存性は、従来技術において周知の次数の歪みを生じさせる。2次歪みは、550乃至750MHzの帯域の範囲外の非常に強い歪みである。かなり強い2次歪みが550乃至750MHzの周波数域外に存在するということは、この周波数帯が1オクターブの範囲内に収まることによる幸運な結果である。周波数帯が広げられると、2次歪みはその周波数帯に入る。かくして、デジタルテレビ(QAM)周波数帯の幅は、最高パワーを有する歪みがデジタルテレビ周波数帯の範囲を外れるようにされる。3次歪みもこの周波数帯の範囲外であるが、550乃至750MHzの周波数帯に成分が存在する。3次歪みは2次歪みよりも小さいが、それでも多少の問題が残る。パワーがかなり小さいので、4次以上の高次歪みは、たとえあるにしても、QAM信号に殆ど影響を与えない。しかし、4次以上の高次歪みは、フィルタリングを用いることなくアナログテレビ信号に加えられたならば、アナログテレビ(AM−VSB)信号に誤りを生じさせる可能性がある。
【0038】
電気信号123(及び、対応した光信号144、147、156)は、QAMを搬送するので、550乃至750MHz周波数帯内に収まる3次歪みに関連した問題は緩和される。QAMは、このタイプのノイズに対して、AM−VSBよりも高い耐性を備えている。3次歪みは、一般的に、パワーが低く、QAMは幾分ノイズ耐性が高いので、QAM信号の歪みによって生じる信号劣化は、QAM信号に重大な影響を与えない。これにより、トランシーバーをHFCネットワーク200で使用することが可能になり、トランシーバーはQAM信号に影響を与える歪みを生じさせるが、その歪みは重大なシンボル誤りを誘起する程度には至らない。このように、トランシーバー122は、電気QAM信号123に歪みを生じさせるが、その歪みはかなり小さい。
【0039】
しかし、550MHz乃至750MHzの周波数レンジ内に含まれない強力な2次歪みと、それほど強力ではない3次歪み(4次歪み、以下同様)とが存在する。特に、これらの歪みの殆どは、550MHzレンジよりも下の周波数、すなわち、AM−VSB周波数レンジ内にパワーがある。電気QAM信号123が、これらの歪みを低減、若しくは、除去するための動作を行なうことなく、カプラー280によって電気AM−VSB信号と結合される場合、歪みは、AM−VSB信号を含む複合信号183の一部に重大な誤りを生じさせる。
【0040】
上述の通り、AM−VSB信号は、QAM信号よりもノイズ耐性が著しく低い。すなわち、AM−VSB信号は、QAM信号よりも厳しいノイズ要求を課す。ノイズ耐性が比較的に高いQAMの場合でも、2次歪みがQAM周波数帯に入るならば、2次歪みによる影響を受ける可能性がある。したがって、2次歪みは、AM−VSB信号に重大なダメージを加える。
【0041】
電気QAM信号123のAM−VSB周波数帯に存在する他の次数の歪みを低減又は除去するため、フィルタ128は、好ましくは、550MHzより低い周波数を遮断するハイパスフィルタである。バンドパスフィルタを使用しても構わないが、通常、750MHzよりも高い周波数帯の歪みはAM−VSB信号に影響を与えず、QAM受信機はこれらの歪みを無視すべきである。フィルタ128は、好ましくは、2次歪み及び3次歪みのレベルを、AM−VSB信号に許容できない程度の誤りを生じさせることのない適度なレベルまで低下させるように設計される。より優れたフィルタ228が設計される程、ロールオフが高速化され、QAM信号123のAM−VSB周波数帯における2次歪み及び3次歪みのパワーが低下する。しかし、優れたフィルタは、コスト高になる傾向がある。
【0042】
一般的に、2次歪みのうちの一つの中心周波数は約150MHzであり、3次歪みのうちの一つの中心周波数は約500MHzである。これらの両方の中心周波数は、AM−VSB周波数レンジに収まる。さらに、2次歪みは、システムに依存して0から300MHzまで広がり、3次歪みは、500MHzよりも数百MHz低い周波数から、700MHzよりも数百MHz高い周波数まで広がる。これらの歪みのパワーは、トランシーバー及びシステム(使用される光ファイバ、スプリッタによって生じる反射の量など)に依存する。典型的に、2次歪み及び3次歪みの大凡の中心周波数がトランシーバー及びシステムによって受ける影響は僅かである。トランシーバーと、システムコンポーネント/コンフィギュレーションのある種の組み合わせは、非常に高いパワーの3次歪みを生じさせる場合がある。この場合、(QAM信号がAM−VSB信号に追加されるとき)フィルタがAM−VSB信号に誤りを生じないようにさせる低いパワーまで3次ノイズのパワーを十分に減少させないので、フィルタ228のロールオフは重要になる。3次歪みのパワーが大きくなると共に、フィルタ228はより大きいロールオフを備えるべきである。一般的に、3次歪みはかなり低パワーであるため、フィルタ228は、厳格なロールオフ規準に適合しない。
【0043】
このように、トランシーバー122によって誘発され、デジタルテレビ信号の周波数レンジの範囲外にある歪みがフィルタ処理された場合、デジタルテレビ信号123は、アナログテレビ信号125に多数の誤りを生じさせること無く、アナログテレビ信号125に加えられる。さらに、トランシーバー122によって誘発され、デジタルテレビ信号の周波数帯に収まる歪みの次数は、比較的低パワーを有する次数である。このことは、デジタルテレビ信号123の高いノイズ耐性と組み合わせることによって、デジタルテレビ信号が、トランシーバーによって生じた、デジタルテレビ信号の周波数レンジ内の歪みによる被害を、実質的に受けないように保つことができる。
【0044】
図1と図3を比較するに、図1のノード120へ入る信号(通常は、光ファイバケーブル)の数は、図3のノード220へ入る信号の数よりも一つ少なく、図3の送信機226と受信機222は、トランシーバー122及びフィルタ128によって置き換えられている。これにより、特に、トランシーバー及びフィルタは、一般的に、高品質の受信機及び送信機よりもかなり低価格であるため、HFCネットワーク100のコストをかなり有効に削減することができる。
【0045】
図2は、コスト節約のために、さらに大きな可能性がある一実施例を示す図である。本発明のこの実施例によれば、HFCネットワーク200は、図1及び3の往路送信機150と復路受信機160の機能を実現するトランシーバー270を具備する。トランシーバー270は、下り電気信号106を、光信号144へ結合される下り光信号へ変換する。さらに、上り光信号に対応した光信号144の一部分は、上り電気信号107に変換される。また、下り光信号及び上り光信号は、信号をより簡単に送受信することができるように、異なる波長の付近に中心が置かれる。
【0046】
2台のトランシーバーを備えたHFCネットワークを実現するとき、設計エンジニアは、ネットワークの現在の容量及び未来の容量を知る必要がある。ある種の場合には、2台のトランシーバーを用いることは適切でない。HFCネットワークの一方の端若しくは両方の端で別々の送信機及び受信機を理由することは、一般的に、スループットの増大を可能にさせる。さらに、殆どのHFCネットワークにおいて、上り部分は、下り部分とは別個に変更される。2台のトランシーバーを含むネットワークがその容量の限界で設計されているならば、付加的な光ファイバリンク、ヘッドエンド、及び、ノードを追加する必要がある。このように、2台のトランシーバーの利用は、コスト削減を実現し得るが、短期コスト削減は、未来に追加されるべき付加的な容量を圧迫しないであろう。
【0047】
本発明をHFCネットワークで使用する方法の好ましい一実施例は、
上り電気信号124を光信号147の上り部分に変換し、光信号147の下り部分を下り電気信号123に変換するため適したトランシーバーを準備する手順と、
第2の下り光信号131を、ある周波数帯を有する下り電気信号125へ変換するため適した往路受信機を準備する手順と、
上記周波数帯に対応した周波数で下り電気信号123を減衰させることにより、下り電気信号123をフィルタ処理する(したがって、トランシーバー122によって下り信号123の周波数帯で生じた歪みを除去若しくは低減する)手順と、
下り電気信号125と、フィルタ処理された電気信号126を組み合わせて、複合信号183を生成する手順と、
を有する。
【0048】
このように、HFCネットワーク内でQAM、かつ、非AM−VSBを受信するためトランシーバーを適切に使用し、AM−VSB周波数帯にパワーを有するトランシーバーによって生じた歪みをフィルタ処理することにより、本発明は、HFCネットワークにおいてトラシーバーを利用できるようにさせる。トランシーバーの利用は、別々の送信機及び受信機を使用する場合よりも著しいコスト削減になる。QAMのノイズ耐性は比較的に高いので、トランシーバーがQAM周波数レンジに歪みを生じさせても、重大な誤りは、殆ど、或いは、全く伴わない。
【0049】
本発明は、光方式と電気方式の混成型のネットワーク、特に、比較的にノイズ耐性があり、かつ、1オクターブよりも狭い周波数レンジを占める一方の信号と、厳格なノイズ要求条件を課し、かつ、一方の信号の周波数レンジとは異なる周波数レンジを占める別の信号が用いられる光と電気の混成型のネットワークに適用可能である。
【0050】
以上の通り、本発明は、特に、本発明の好ましい実施例に関して明らかにされ、説明されているが、当業者は、形態及び細部の種々の変更が本発明の精神及び範囲を逸脱することなくなされることを認めるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施例によるオーバーレイ・アーキテクチャを備えたHFCシステムのブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施例によるオーバーレイ・アーキテクチャを備えたHFCシステムのブロック図である。
【図3】従来技術のHFCシステムのブロック図である。
Claims (20)
- 第1の光信号を送受するのに適合し、第1の光信号の下り部分を第1の下り電気信号に変換し、第1の上り電気信号を第1の光信号の上り部分に変換するトランシーバーと、
第2の光信号を受けるのに適合し、第2の光信号を、第2の周波数帯を有する第2の下り電気信号に変換する往路受信機と、
第1の下り電気信号を受け、第2の周波数帯に対応した周波数で第1の下り電気信号を減衰させ、フィルタ処理された電気信号を生成するフィルタと、
第2の下り電気信号とフィルタ処理された電気信号を複合信号の形に組み合わせるオーバーレイ・カプラーと、
が設けられたHFCネットワーク。 - 第2の下り電気信号は振幅変調残留側波帯信号を含む、請求項1記載のHFCネットワーク。
- 第1の下り電気信号は直交振幅変調信号を含む、請求項1記載のHFCネットワーク。
- 第1の下り電気信号はデジタルテレビ信号のフォーマットである、請求項3記載のHFCネットワーク。
- 第1の下り電気信号は第1の周波数帯を有し、
第1の周波数帯は第2の周波数帯と重なり合わず、
フィルタは、トランシーバーによって生じた第2の周波数帯内の周波数のパワーを有する歪みを低減するため、第2の周波数帯に対応した周波数で第1の下り電気信号を減衰させる、
請求項1記載のHFCネットワーク。 - 第1の周波数帯の幅は、トランシーバーによって生じた最大パワーを有する歪みが第1の周波数帯に含まれないような幅である、請求項1記載のHFCネットワーク。
- トランシーバーは第1の光信号を送受し、
第1の光信号を送受する第2のトランシーバーが更に設けられ、
第2のトランシーバーは、第3の下り電気信号を第1の光信号の下り部分に変換し、第1の光信号の上り部分を第2の上り電気信号に変換する、
請求項1記載のHFCネットワーク。 - 第1の光信号の下り部分の中心周波数は第1の周波数であり、
第1の光信号の上り部分の中心周波数は第1の周波数とは異なる第2の周波数である、
請求項7記載のHFCネットワーク。 - 第1の光信号の下り部分を下り方向の電気的なデジタルテレビ信号に変換し、上り電気信号を第1の光信号の上り部分に変換するトランシーバーと、
第2の光信号を、ある周波数帯を有する電気的なアナログテレビ信号に変換する往路受信機と、
上記周波数帯に対応した周波数で下り方向の電気的なデジタルテレビ信号を減衰させるため、下り方向の電気的なデジタルテレビ信号をフィルタ処理するフィルタと、
電気的なアナログテレビ信号と、フィルタ処理された下り方向の電気的なデジタルテレビ信号を複合信号の形に組み合わせるオーバーレイ・カプラーと、
が設けられたHFCネットワーク。 - アナログテレビ信号は振幅変調残留側波帯信号を含む、請求項9記載のHFCネットワーク。
- デジタルテレビ信号は直交振幅変調信号を含む、請求項9記載のHFCネットワーク。
- デジタルテレビ信号を搬送する第1の光信号の下り部分の中心周波数は第1の周波数であり、
第1の光信号の上り部分の中心周波数は第2の周波数である、
請求項9記載のHFCネットワーク。 - 第2の電気的なデジタルテレビ信号を、デジタルテレビ信号を搬送する第1の光信号の下り部分に変換し、第1の光信号の上り部分を第2の上り電気信号に変換する第2のトランシーバーが更に設けられている、請求項12記載のHFCネットワーク。
- 第1の光信号、第1の下り電気信号、及び、第1の上り電気信号を繋ぐために適したトランシーバーを準備し、
第1の光信号の下り部分を、第1の周波数帯を有する第1の下り電気信号に変換し、
第1の上り電気信号を第1の光信号の上り部分に変換し、
第2の下り電気信号及び第2の下り光信号を繋ぐために適した往路受信機を準備し、
第2の下り光信号を、第2の周波数帯を有する第2の下り電気信号に変換し、
第2の周波数帯に対応した周波数で第1の下り電気信号を減衰させることにより第1の下り電気信号をフィルタ処理し、
第2の下り電気信号とフィルタ処理された第1の下り電気信号を複合信号の形に組み合わせる、
HFCネットワークで使用される方法。 - 第2の下り電気信号は振幅変調残留側波帯信号を含む、請求項14記載の方法。
- 第1の下り電気信号は直交振幅変調信号を含む、請求項14記載の方法。
- 第1の下り電気信号はデジタルテレビ信号のフォーマットである、請求項14記載の方法。
- 第1の下り電気信号は第1の周波数帯を有し、
第1の周波数帯は第2の周波数帯と重なり合わず、
フィルタは、トランシーバーによって生じた第2の周波数帯内の周波数のパワーを有する歪みを低減するため、第2の周波数帯に対応した周波数で第1の下り電気信号を減衰させる、
請求項14記載の方法。 - 第1の周波数帯の幅は、トランシーバーによって生じた第1の下り電気信号の2次歪みが第1の周波数帯に含まれないような幅である、請求項14記載の方法。
- 第1の光信号、第2の下り電気信号、及び、第2の上り電気信号を繋ぐために適した第2のトランシーバーを準備し、
第2の下り電気信号を第1の光信号の下り部分に変換し、
第1の光信号の上り部分を第2の上り電気信号に変換する、
請求項1記載の方法。
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