JP2004504500A - 紙黄変の阻止 - Google Patents
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Abstract
リグニン含有紙がTiO2を干渉アミンラジカルスカベンジャーと組合せて含有する場合、光安定性にされる。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、光安定性リグニン含有紙およびリグニン含有紙を光安定性にする方法に関し、さらに特に本発明は、製紙用ミルで採用することができる方法であって、二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーを使用することによって光安定性リグニン含有紙を製造することができる方法を提供する。この方法において、二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーは基礎紙シートに、または紙コーティング用顔料含有組成物の成分として添加することができる。
【0002】
(背景技術)
種々の種類の木材、再生紙およびその他の繊維状原材料を紙製造に適するパルプに変換する多くの方法が知られている。一般に、これらの方法は、機械的パルプ化、化学的パルプ化およびその組合せとして分類することができる。
【0003】
機械式パルプ化方法、例えばリファイナー砕木パルプ(refiner mechanical pulp)(RMP)および熱砕木パルプ(thermomechanical pulp)(TMP)を製造する方法において、繊維は熱と機械力との組合せによって分離される。ストーン砕木パルプ(stone groundwood pulp)(GWD)は、材木を重い石の間で磨り潰すことによって生成される。このような方法は安価で、原料材木の重量に基づき約95重量%の収率でパルプを生成することができる。化学熱砕木パルプ(chemithermomechanical puip)(CTMP)および化学砕木パルプ(chemimaechanical pulp)(CMP)方法では、ある程度の化学的処理を使用し、これによりパルプの強度物性が改良される。収率は化学的処理によって幾分減少されるが、純粋な化学的パルプ化法に比較して、実質的により高く、通常80重量%よりも高いままである。これらの高収率砕木パルプは、所望により、リグニンを分離しない化学物質、例えば過酸化水素または亜ジチオン酸ナトリウムと配合される。
【0004】
高収率パルプの伝統的市場は、新聞紙および短寿命広告紙にある。しかしながら、付加価値を有する品質の紙では、漂白した砕木パルプの使用が格別に重要視されている。砕木パルプから製造されたパルプは、魅力的な光学的および印刷上の物性を有する。パルプ化および漂白技術における進歩は、高価値印刷および筆記品質の紙に用いるのに適当な強度および輝度(brightness)を備えた高収率パルプ(higt yield pulp)の製造を可能にした。現時点では、漂白された化学砕木パルプがほぼ独占的に使用されている。しかしながら、高収率パルプにおける急速な光誘発黄変は、それらのより広い用途に対して重要な障害として残されている。A.Cockramは、これらの紙の光誘発黄変に要する時間を3〜36ヶ月まで増加することができると、漂白TMPおよびCTMPに対する潜在的市場は0.6〜2.2百万トン/年まで拡大するものと見なしている[ファインペーパーにおけるCTMP(CTMP in Fine Papers)、1989 International Mechanical Pulping Conference Proceedings,1989,Helsinki,20頁]。
【0005】
変色の大部分はリグニンによるものであり、リグニンは近紫外部(UV)光線(波長300−400nm)にさらされると、光化学的反応を受け、着色基を生成する。この砕木パルプの黄変を阻止するための多くの方法が試行されている。これらの方法は一般に、2種の主要グループに分類することができる:リグニン修飾による黄変の阻止;および着色物生成を回避するために光化学を停止または方向変更する化学物質の添加。これは、C.Heitnerによって完全に再考されている[「リグノセルロース材料の光化学」(Photochemistry of Lignocellulosic Materials)、C.Heitner,J.C.Scaiano編集、ACS Sym.Ser.531,1−25(1993)および「輝度復帰の化学およびその制御、第5章」(Cemistry of Brightness Reversion and its Control,Capter5)、Pulping Bleaching−Principles and Practice,C.W.Dence,D.W.Reeve編集、Tappi Press,Atlanta,1996,183−211]。
【0006】
国際公開出願WO99/05108は、干渉アミン化合物、ニトロオキサイド化合物、ヒドロキシルアミン化合物およびアルコキシアミン化合物を有機ベース紫外線吸収剤(UVA)とともに使用し、リグニンを含有していないクラフトパルプから製造された紙に見出される光安定性に匹敵する光安定性をリグニン含有紙で得ることができることを開示している。しかしながら、UVAの価格は普通ではなく、印刷および筆記用紙にとって妥当であるということは困難であることがある。
【0007】
顔料含有コーティングおよび充填剤は、紙の光沢、色、および印刷能力を改善する。これらはまた、使用される顔料の種類および量に応じて、輝度安定性を改善する。顔料は入射UV光を散乱または吸収することによって幾分の輝度安定性をもたらす。クレイおよび炭酸カルシウムは、これらが高反射性を有するが、UV光に対して低い吸収性を有することから、主として散乱メカニズムによって輝度安定性をもたらす。
【0008】
Robert Johnsonは、50%CTMPまでを含有する紙の輝度安定性を改善するために、TiO2の使用を試験した[ファインペーパーにおけるCTMP;輝度安定性の改良に対する機械上表面処理(CTMP in fine papers;on−machine surface treatment for improved brightness stability),Tappi Journal,May,1991,209頁]。CTMP50%の基礎シートにおいて、このシートを顔料の6%がルチルTiO2である組成物により14g/m2/一面で被覆した場合、木材を含有していない紙と均等な輝度安定性が達成された。薄い表面処理または「キスコーティング」(lick coating)(5g/m2/一面)において、顔料の10%がTiO2であり、残りがクレイまたはCaCO3である場合、輝度安定性はまた改良されたが、充分にコーティングされたシート(14g/m2/一面)ほどではなかった。100%砕木パルプから製造された紙に対するTiO2の効果は試験されていない。
【0009】
(発明の開示)
本発明は、TiO2顔料およびラジカルスカベンジャーを用いて、光安定性リグニン含有紙の生成に使用することができる方法を提供する。この方法を用いて、光安定性リグニン含有紙またはボール紙を製造することができる。
本発明はまた、TiO2およびラジカルスカベンジャーを含有する光安定性リグニン含有紙を提供する。
本発明の一態様において、リグニン含有紙の黄変の阻止に有効な粒子状二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャー成分を含有する光安定性リグニン含有紙が提供される。
【0010】
本発明のもう一つの態様において、リグニン含有紙を光安定性にする方法が提供され、この方法は、a)粒子状二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャー成分を紙の黄変の阻止に有効な量で配合する、またはb)粒子状二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャー成分を紙の黄変の阻止に有効な量で含有するコーティング組成物を紙にコーティングする、ことを包含する。
【0011】
(発明の詳細な説明および好適な態様の説明)
印刷および包装技術における進歩は、紙品質、特に光学的および表面物性に対する多大の要求を提起している。
本発明において、リグニン含有紙シート中に、またはリグニン含有紙シート上のコーティングとして、二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーを組合せ使用すると、紙シートの黄変が阻止され、さらに特にこの阻止効果は二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーの個別の効果の合計よりも大きいことが見出される。
【0012】
i)紙
本発明のリグニン含有紙は、紙中のリグニンの変性の結果として黄変が生じる高リグニン含有量を有する紙である。
さらに特に、これらの紙は主要成分として、砕木パルプ化法で製造される高収率パルプ、さらに特にストーン砕木パルプ、リファイナー砕木パルプ、熱砕木パルプ、化学熱砕木パルプおよび化学砕木パルプを含有するパルプから誘導される紙であり、これらのパルプは80重量%よりも高い収率で生成される。この高収率はリグニン保有率が高いことを示しており、これらのパルプは代表的に、パルプの重量に基づき15〜35重量%のリグニン含有量[クラソンリグニン(Klason lignin)]を有する。リグニン含有量は硬材種と軟材種との間で変化する。一般に、これらのパルプは、パルプ重量の15〜25重量%のリグニン含有量を有する硬材およびパルプ重量の20〜35重量%のリグニン含有量を有する軟材から誘導される。
【0013】
代表的に、パルプは、例えば過酸化物により漂白されるが、この漂白剤はリグニンを分離しない。
紙は、単独パルプ成分として、このような漂白された高収率パルプから形成することができ、または漂白された高収率パルプは化学的パルプ、例えばクラフトパルプと共混合することができる。
一般に、高収率パルプは、紙のパルプ成分の10重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80〜100重量%の量で高収率パルプを含有する。
【0014】
ii)TiO2
TiO2は、その大きい屈折率によって、市販されている最も効果的な光散乱性顔料である。従って、TiO2を、通常その他の顔料、例えばクレイまたは粉砕または沈殿炭酸カルシウムとともに、充填剤として使用し、輝度および不透明度などの光学的性質を改良することができることは当技術で公知である。
【0015】
顔料含有コーティングは、光学的性質の強化に加えて、表面物性、例えば光沢、滑らかさ、色、印刷仕様および輝度を改善する。TiO2はまた、クレイ、炭酸カルシウムおよびその他の顔料とともに顔料含有コーティングに使用することもできる。このようなコーティングは、種々の種類の用具、例えばこれらに制限されないものとして、ブレード、ロッドまたはエアナイフコーターを用いて、またはコーティングサイズプレスを用いて、オンまたはオフ式機械で施用することができる。化学物質および顔料の表面施用は、100%に近い保有率を備えており、ウエットエンド沈着、抄紙機被服の磨耗および流出液負荷を減少させる。
【0016】
その最高の散乱物性に加えて、TiO2は近UV光の強力な吸収剤である。従って、TiO2は、UV光の散乱および吸収の両方によって紙輝度を安定化することができる。
TiO2はルチル結晶型およびアナターゼ結晶型で産生される。両結晶型は、高散乱力および高近UV吸収力を有するが、本発明において、ルチル型が好適である。ルチル型はガス発生に対してより安定であり、またより大きい近UV吸収性を有する。
【0017】
TiO2の挙動は、その平均粒子サイズによって強力な影響を受ける。本発明はTiO2のUV吸収性および散乱物性の両方を利用する。0.01〜1.5ミクロンの粒子サイズが代表的に使用される。0.01〜1.5ミクロン範囲の粒子サイズは、それらの強力な散乱能力により好適であり、またこの範囲内で、0.16〜0.28ミクロンの粒子サイズはさらに好適である。
TiO2は、繊維のオーブン乾燥重量に基づき0.05〜10重量%、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%の量で紙に適当に使用される。
【0018】
iii)ラジカルスカベンジャー
ラジカルスカベンジャーは基礎シートに、またはコーティング中にTiO2と組合せて使用し、リグニン含有紙の輝度安定性を改良することができる。両剤は、添加量を制限値まで増加するに従い、より良好な輝度安定性を示す。本発明に従い、これら2種の成分の組合せはどちらか単独を用いて可能であるよりも良好な輝度安定性を付与する。
【0019】
チオール化合物、アスコルベート化合物および干渉アミン化合物は、光誘発黄変の減少に或る効果を有するラジカルスカベンジャーである。例えば、Seltzer等、McGarry等、およびYuan等により開示された化合物のような干渉アミン化合物は、それらの優れた熱安定性および問題になる臭気の欠落から、好適である。[Seltzer等、(国際公開出願WO99/05108)、McGarry等、(J.Pulp Paper Sci.,(2000),26(2),59−66)およびYuan等、(Proceedings;PAPTAC 87th Annual Meeting,Montreal,2001,(PAPTAC)C43−C52)。
【0020】
代表的製紙態様において、顔料は、充填剤として使用する場合、紙の総量に基づき40重量%ほど多くの、またコーティングとして施用する場合、50重量%までの量を構成する。唯一の顔料としてTiO2を使用することも技術的には可能である。しかしながら、好適方法では、総顔料の重量に基づき0.05〜50重量%、さらに好ましくは2〜30重量%のTiO2添加量を使用する。充填剤またはコーティング中に、TiO2と一緒に使用するのに適する顔料は、これらに制限されないものとして、エキステンダーとしてクレイおよび粉砕または沈殿炭酸カルシウムを包含する。
干渉アミンラジカルスカベンジャーは、リグニン含有紙の輝度安定性を改善することが知られている。これらの化合物の例には、構造式A〜Dで表わされるピロリジンおよびピペリジン化合物がある:
【0021】
【0022】
式中、
R1は、水素、ヒドロキシル、一級、二級、三級または四級アミノ、アルキル、アルコキシ、一般式[−O−(CH2)n]N(ここで、nは1〜4であり、およびNは1〜20である)で表わされるアミノアルキルアルキレンオキサイドから選択される。R1中のアルキルまたはアルキル部分は炭素1〜12個を有し、直鎖状または分枝鎖状であることができる。このアルキルおよびアルキル部分は未置換であるか、またはヒドロキシル(OH)、カルボキシル(COOH)またはカルボキシレート(COO− rM2+ r/z)基で置換されていてもよく、ここでMは周期律表の第一族、第二族または第三族からの金属イオン、またはZn、Cu、NiまたはCoであり、またはMは基N+(R6)4である(ここでR6は炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはベンジルであり、rおよびzはそれぞれ、1、2または3の整数である);
【0023】
R2およびR3は、同一または相違していることができ、水素、ヒドロキシル(OH)、カルボキシル(COOH)またはカルボキシレート(COO− rM2+ r/z)基から選択され、ここでMは周期律表の第一族、第二族または第三族からの金属イオン、またはZn、Cu、NiまたはCoであり、またはMは基N+(R6)4である(ここでR6は炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはベンジルであり、rおよびzはそれぞれ、1、2または3の整数である);
Yは、オキシルまたはヒドロキシルであり;および
【0024】
Xは、無機または有機アニオンであり、例えばカーボネート、ボレート、ビカーボネート、クロライド、ビスルフェート、スルフェート、ホーメート、アセテート、チトレート、オキザレート、アスコルベート、ホスホネート、ホスフェート、ニトレート、ブロマイド、ビスルフィット、スルフィット、ベンゾエート、タートレート、アクリレート、ポリアクリレート、フマレート、マレエート、イタコネート、グリコレート、グルコネート、マレエート、マンデレート、チグレート、ポリメタアクリレート、またはニトリルトリ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸またはジエチレントリアミンペンタ酢酸のカルボキシレート、またはジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートであり、およびpは1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5、最も好ましくは1、2または3の整数であり、およびmは1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5、最も好ましくは1、2または3の整数であり、代表的には、mおよびpは1、2または3の整数であることができる。
【0025】
干渉アミンラジカルスカベンジャーは、オーブン乾燥繊維の重量に基づき0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.0重量%で適当に用いられる。
【0026】
iv)有機紫外線吸収剤
好適態様において、有機紫外線吸収剤(UVA)、例えばo−ヒドロキシベンゾフェノンまたはo−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールを、二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーに加えて使用し、これは黄変をさらに阻止することが見出される。
UVAは適当には、オーブン乾燥繊維の重量に基づき0.1〜0.8重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%の量%で用いられる。
【0027】
(図面の簡単な説明)
図1は、相違するコーティング重量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
図2は、相違するラジカルスカベンジャー含有量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
図3は、相違するTiO2含有量におけるPC数と相違するラジカルスカベンジャー含有量との関係を示すグラフである;
図4は、固定のラジカルスカベンジャー含有量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
図5は、コーティング中にラジカルスカベンジャーと組合されているTiO2および相違するTiO2含有量にかかわるPC数と光に対する加速露光との関係を示すグラフである;および
図6は、コーティングではなく、充填剤としてTiO2を用いる以外は図5と同様のグラフである。
【0028】
(例)
本発明を下記例によって説明する。
砕木パルプを含有する機械製造紙に、TiO2またはラジカルスカベンジャー(RS)を含有するか、または含有していない顔料含有組成物をコーティングした。ラジカルスカベンジャーとして、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−N−ヒドロキシピペリジンのクエン酸塩を使用した。この試験には、ルチルTiO2スラリーを使用した。2種のコーティング組成物を使用した。黄変阻止に対するRSの効果を、組成物中の添加剤として当該阻止剤を配合することによって試験した。TiO2の効果は、コーティング組成物中の炭酸カルシウムの一部と置き換えることによって試験した。
【0029】
加速された光分解を、冷−白色蛍光灯を備えた露光容器で生じさせた。この容器内の光強度は、通常の事務所光の約50倍であった。ISO輝度は、Technidyne Micro TB−IC反射測定器を用い、ISO標準2470に従い測定した。この紙の光安定性を、加速照射時間の関数として、ISO輝度またはPC数の変化により示す。この輝度データを、下記2つの方程式に従いポスト−カラー(post−color)数(PC数)に変換した:
【0030】
式中、kおよびsはそれぞれ、紙の吸収係数および散乱係数であり、および
は分数値として表わされるISO輝度である。概算して、PC数は、光誘発黄変中に形成される発色団に直接比例する。従って、PC数が小さいほど、紙の黄変は少ない。
TiO2、RSおよびUVAの%は、オーブン乾燥繊維の重量に基づく重量による。
【0031】
例1
72%の初期輝度を有する49g/m2基礎紙に、ブレードシリンダー状実験室コーター(CLC)を用いて種々の量の顔料含有コーティングカラーを塗布した。この基礎シートは、重量%として、97%アルカリ過酸化物漂白した砕木パルプ(APMP)パルプおよび3%クラフトパルプを含有していた。この顔料含有コーティングカラーは、重量%として、55%クレイ、45%粉砕炭酸カルシウム、デンプン、ラテックス、およびコーティング添加剤を含有していた。初期ISO輝度は、総コーティング重量およびこのコーティングに配合されたTiO2の量に基づき、74.5%から81.0%に変化した。
【0032】
図1は、4、9および14g/m2/一面のコーティング重量に対するTiO2含有量の関数として、12日加速露光後に得られたPC数のグラフである。これらの重量は少量コーティング、中程度コーティング、および多量コーティングにほぼ相当する。各線について中断点の種々の数値は、TiO2の不存在下における、クレイ/炭酸カルシウムコーティングそれ自体が若干の黄変阻止をもたらすこと、およびこの阻止がコーティング重量の増加に従い改良されることを示している。この阻止は、TiO2の添加を繊維に対して5%〜6%の最大量まで増加すると改良される。黄変はゆっくりであるが、これらのTiO2の最高レベルにおいて依然として生じる。
【0033】
例2
例1に記載のコーティング紙を、9g/m2/一面のコーティング重量を用いて製造した。TiO2およびラジカルスカベンジャーとしての4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−N−ヒドロキシピペリジンのクエン酸塩を含有する試料を、光安定性について試験した。
【0034】
図2は、12日間の加速露光後のPC数対TiO2添加量について得られたグラフを示している。例1に記載したように、TiO2が単独で使用された場合、黄変阻止は5%〜6%のTiO2含有量で最高である。図2はまた、TiO2を含有するコーティングカラーにラジカルスカベンジャーを添加すると、黄変阻止が増強されることを示している。図2はまた、TiO2量を増加しても追加の効果を得ることができない条件下において、コーティングカラーにラジカルスカベンジャーを添加すると、黄変阻止が改善されることを示している。
【0035】
図3は、9g/m2のコーティング重量および相違するTiO2含有量におけるコーティング中のラジカルスカベンジャー対12日間露光後のPC数のグラフを示している。ラジカルスカベンジャー単独添加によって得られる黄変阻止は、約0.5%/一面の施用量において最高値に達する。この最高レベルは、コーティング中にTiO2を含有させることによって改良することができる。
【0036】
例3
例1に記載のコーティング紙を、ラジカルスカベンジャー4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−N−ヒドロキシピペリジンクエン酸塩および種々の量のTiO2を含有する14g/m2/一面のコーティング重量で製造した。
図4のグラフは、12日間加速露光後の黄変の完全阻止が、TiO2 3.5%とともにラジカルスカベンジャー0.3%を使用して可能であることを示している。
【0037】
例4
100%過酸化物漂白した軟材熱砕木パルプから製造され、78%の初期ISOを有する57g/m2機械製造紙を、実験室薄膜施用機により顔料含有組成物で処理した。このコーティング重量は、4g/m2/一面であった。この顔料含有組成物は、80%粉砕炭酸カルシウムおよび20%離層クレイ、デンプン、ラテックス、および数種の少量添加剤から構成されていた。図5に示されているように、CaCO312%の代わりに、繊維に対して1.15%TiO2添加量に相当する量でTiO2を使用すると、輝度安定性が増加された。TiO2の量を2.3%に倍増しても、輝度安定性にかかわる追加の改良は得られなかった。TiO2 1.15%とともにラジカルスカベンジャー1.0%を添加すると、TiO2を単独で使用した場合に可能である以上の良好な輝度安定性が得られた。
【0038】
例5
例4に記載の4g/m2コーティングを有する57g/m2基礎シートから形成された紙を製造した。対照に加えて、0.6%TiO2を含有する試料、1%ラジカルスカベンジャーを含有する試料および0.6%TiO2および1%ラジカルスカベンジャーの両方を含有する試料を、12日間にわたり照射した。PC数値を表1に列記する。このデータは、TiO2およびラジカルスカベンジャーの指示レベルにおける添加効果(PC数の増加は少ない)は、それら個別の効果の合計に比較して大きい。
【0039】
【0040】
例6
49g/m2基礎シートおよび9g/m2/一面コーティングを用いるコーティング紙を、例1に記載のとおりに製造した。コーティングカラー中に下記黄変阻止剤を含有する試料を製造した:対照(阻止剤を含有していない)、1.5%TiO2+0.4%ラジカルスカベンジャーおよび0.3%有機UVA(下記構造式EおよびFで表わされるヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールの60/40混合物、式中、n=5〜9)、1.5%TiO2+0.4%ラジカルスカベンジャーおよび0.3%有機UVA。
【0041】
【0042】
12日間の加速露光後のPC数値を表2にまとめて示す。このデータは、指示レベルにおけるTiO2、ラジカルスカベンジャーおよび有機UVAの添加効果(PC数の増加は少ない)は、ラジカルスカベンジャー+有機UVAおよびTiO2の個別の効果の合計に比較して大きいことを示している。
【0043】
【0044】
例7
100%過酸化物漂白した軟材熱砕木パルプから形成され、73%の初期輝度を有する100g/m2標準ハンドシートを、充填剤としてルチルTiO2を添加するか、または添加することなく製造した。シート中に保有されているTiO2は、オーブン乾燥繊維に基づき13.7%であった。対照および充填シートはまた、実験室薄膜施用機によって1.0%ラジカルスカベンジャーにより処理した。図6に示されているように、表面処理と同様に、TiO2は充填剤としてシート中に保有されている場合、紙の輝度安定性を改善した。ラジカルスカベンジャーは、紙の輝度安定性を改善したが、TiO2とラジカルスカベンジャーとの組合せは、さらに良好な黄変阻止をもたらした。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、相違するコーティング重量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
【図2】
図2は、相違するラジカルスカベンジャー含有量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
【図3】
図3は、相違するTiO2含有量におけるPC数と相違するラジカルスカベンジャー含有量との関係を示すグラフである;
【図4】
図4は、固定のラジカルスカベンジャー含有量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
【図5】
図5は、コーティング中にラジカルスカベンジャーと組合されているTiO2および相違するTiO2含有量にかかわるPC数と光に対する加速露光との関係を示すグラフである;
【図6】
図6は、コーティングではなく、充填剤としてTiO2を用いる以外は図5と同様のグラフである。
(技術分野)
本発明は、光安定性リグニン含有紙およびリグニン含有紙を光安定性にする方法に関し、さらに特に本発明は、製紙用ミルで採用することができる方法であって、二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーを使用することによって光安定性リグニン含有紙を製造することができる方法を提供する。この方法において、二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーは基礎紙シートに、または紙コーティング用顔料含有組成物の成分として添加することができる。
【0002】
(背景技術)
種々の種類の木材、再生紙およびその他の繊維状原材料を紙製造に適するパルプに変換する多くの方法が知られている。一般に、これらの方法は、機械的パルプ化、化学的パルプ化およびその組合せとして分類することができる。
【0003】
機械式パルプ化方法、例えばリファイナー砕木パルプ(refiner mechanical pulp)(RMP)および熱砕木パルプ(thermomechanical pulp)(TMP)を製造する方法において、繊維は熱と機械力との組合せによって分離される。ストーン砕木パルプ(stone groundwood pulp)(GWD)は、材木を重い石の間で磨り潰すことによって生成される。このような方法は安価で、原料材木の重量に基づき約95重量%の収率でパルプを生成することができる。化学熱砕木パルプ(chemithermomechanical puip)(CTMP)および化学砕木パルプ(chemimaechanical pulp)(CMP)方法では、ある程度の化学的処理を使用し、これによりパルプの強度物性が改良される。収率は化学的処理によって幾分減少されるが、純粋な化学的パルプ化法に比較して、実質的により高く、通常80重量%よりも高いままである。これらの高収率砕木パルプは、所望により、リグニンを分離しない化学物質、例えば過酸化水素または亜ジチオン酸ナトリウムと配合される。
【0004】
高収率パルプの伝統的市場は、新聞紙および短寿命広告紙にある。しかしながら、付加価値を有する品質の紙では、漂白した砕木パルプの使用が格別に重要視されている。砕木パルプから製造されたパルプは、魅力的な光学的および印刷上の物性を有する。パルプ化および漂白技術における進歩は、高価値印刷および筆記品質の紙に用いるのに適当な強度および輝度(brightness)を備えた高収率パルプ(higt yield pulp)の製造を可能にした。現時点では、漂白された化学砕木パルプがほぼ独占的に使用されている。しかしながら、高収率パルプにおける急速な光誘発黄変は、それらのより広い用途に対して重要な障害として残されている。A.Cockramは、これらの紙の光誘発黄変に要する時間を3〜36ヶ月まで増加することができると、漂白TMPおよびCTMPに対する潜在的市場は0.6〜2.2百万トン/年まで拡大するものと見なしている[ファインペーパーにおけるCTMP(CTMP in Fine Papers)、1989 International Mechanical Pulping Conference Proceedings,1989,Helsinki,20頁]。
【0005】
変色の大部分はリグニンによるものであり、リグニンは近紫外部(UV)光線(波長300−400nm)にさらされると、光化学的反応を受け、着色基を生成する。この砕木パルプの黄変を阻止するための多くの方法が試行されている。これらの方法は一般に、2種の主要グループに分類することができる:リグニン修飾による黄変の阻止;および着色物生成を回避するために光化学を停止または方向変更する化学物質の添加。これは、C.Heitnerによって完全に再考されている[「リグノセルロース材料の光化学」(Photochemistry of Lignocellulosic Materials)、C.Heitner,J.C.Scaiano編集、ACS Sym.Ser.531,1−25(1993)および「輝度復帰の化学およびその制御、第5章」(Cemistry of Brightness Reversion and its Control,Capter5)、Pulping Bleaching−Principles and Practice,C.W.Dence,D.W.Reeve編集、Tappi Press,Atlanta,1996,183−211]。
【0006】
国際公開出願WO99/05108は、干渉アミン化合物、ニトロオキサイド化合物、ヒドロキシルアミン化合物およびアルコキシアミン化合物を有機ベース紫外線吸収剤(UVA)とともに使用し、リグニンを含有していないクラフトパルプから製造された紙に見出される光安定性に匹敵する光安定性をリグニン含有紙で得ることができることを開示している。しかしながら、UVAの価格は普通ではなく、印刷および筆記用紙にとって妥当であるということは困難であることがある。
【0007】
顔料含有コーティングおよび充填剤は、紙の光沢、色、および印刷能力を改善する。これらはまた、使用される顔料の種類および量に応じて、輝度安定性を改善する。顔料は入射UV光を散乱または吸収することによって幾分の輝度安定性をもたらす。クレイおよび炭酸カルシウムは、これらが高反射性を有するが、UV光に対して低い吸収性を有することから、主として散乱メカニズムによって輝度安定性をもたらす。
【0008】
Robert Johnsonは、50%CTMPまでを含有する紙の輝度安定性を改善するために、TiO2の使用を試験した[ファインペーパーにおけるCTMP;輝度安定性の改良に対する機械上表面処理(CTMP in fine papers;on−machine surface treatment for improved brightness stability),Tappi Journal,May,1991,209頁]。CTMP50%の基礎シートにおいて、このシートを顔料の6%がルチルTiO2である組成物により14g/m2/一面で被覆した場合、木材を含有していない紙と均等な輝度安定性が達成された。薄い表面処理または「キスコーティング」(lick coating)(5g/m2/一面)において、顔料の10%がTiO2であり、残りがクレイまたはCaCO3である場合、輝度安定性はまた改良されたが、充分にコーティングされたシート(14g/m2/一面)ほどではなかった。100%砕木パルプから製造された紙に対するTiO2の効果は試験されていない。
【0009】
(発明の開示)
本発明は、TiO2顔料およびラジカルスカベンジャーを用いて、光安定性リグニン含有紙の生成に使用することができる方法を提供する。この方法を用いて、光安定性リグニン含有紙またはボール紙を製造することができる。
本発明はまた、TiO2およびラジカルスカベンジャーを含有する光安定性リグニン含有紙を提供する。
本発明の一態様において、リグニン含有紙の黄変の阻止に有効な粒子状二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャー成分を含有する光安定性リグニン含有紙が提供される。
【0010】
本発明のもう一つの態様において、リグニン含有紙を光安定性にする方法が提供され、この方法は、a)粒子状二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャー成分を紙の黄変の阻止に有効な量で配合する、またはb)粒子状二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャー成分を紙の黄変の阻止に有効な量で含有するコーティング組成物を紙にコーティングする、ことを包含する。
【0011】
(発明の詳細な説明および好適な態様の説明)
印刷および包装技術における進歩は、紙品質、特に光学的および表面物性に対する多大の要求を提起している。
本発明において、リグニン含有紙シート中に、またはリグニン含有紙シート上のコーティングとして、二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーを組合せ使用すると、紙シートの黄変が阻止され、さらに特にこの阻止効果は二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーの個別の効果の合計よりも大きいことが見出される。
【0012】
i)紙
本発明のリグニン含有紙は、紙中のリグニンの変性の結果として黄変が生じる高リグニン含有量を有する紙である。
さらに特に、これらの紙は主要成分として、砕木パルプ化法で製造される高収率パルプ、さらに特にストーン砕木パルプ、リファイナー砕木パルプ、熱砕木パルプ、化学熱砕木パルプおよび化学砕木パルプを含有するパルプから誘導される紙であり、これらのパルプは80重量%よりも高い収率で生成される。この高収率はリグニン保有率が高いことを示しており、これらのパルプは代表的に、パルプの重量に基づき15〜35重量%のリグニン含有量[クラソンリグニン(Klason lignin)]を有する。リグニン含有量は硬材種と軟材種との間で変化する。一般に、これらのパルプは、パルプ重量の15〜25重量%のリグニン含有量を有する硬材およびパルプ重量の20〜35重量%のリグニン含有量を有する軟材から誘導される。
【0013】
代表的に、パルプは、例えば過酸化物により漂白されるが、この漂白剤はリグニンを分離しない。
紙は、単独パルプ成分として、このような漂白された高収率パルプから形成することができ、または漂白された高収率パルプは化学的パルプ、例えばクラフトパルプと共混合することができる。
一般に、高収率パルプは、紙のパルプ成分の10重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80〜100重量%の量で高収率パルプを含有する。
【0014】
ii)TiO2
TiO2は、その大きい屈折率によって、市販されている最も効果的な光散乱性顔料である。従って、TiO2を、通常その他の顔料、例えばクレイまたは粉砕または沈殿炭酸カルシウムとともに、充填剤として使用し、輝度および不透明度などの光学的性質を改良することができることは当技術で公知である。
【0015】
顔料含有コーティングは、光学的性質の強化に加えて、表面物性、例えば光沢、滑らかさ、色、印刷仕様および輝度を改善する。TiO2はまた、クレイ、炭酸カルシウムおよびその他の顔料とともに顔料含有コーティングに使用することもできる。このようなコーティングは、種々の種類の用具、例えばこれらに制限されないものとして、ブレード、ロッドまたはエアナイフコーターを用いて、またはコーティングサイズプレスを用いて、オンまたはオフ式機械で施用することができる。化学物質および顔料の表面施用は、100%に近い保有率を備えており、ウエットエンド沈着、抄紙機被服の磨耗および流出液負荷を減少させる。
【0016】
その最高の散乱物性に加えて、TiO2は近UV光の強力な吸収剤である。従って、TiO2は、UV光の散乱および吸収の両方によって紙輝度を安定化することができる。
TiO2はルチル結晶型およびアナターゼ結晶型で産生される。両結晶型は、高散乱力および高近UV吸収力を有するが、本発明において、ルチル型が好適である。ルチル型はガス発生に対してより安定であり、またより大きい近UV吸収性を有する。
【0017】
TiO2の挙動は、その平均粒子サイズによって強力な影響を受ける。本発明はTiO2のUV吸収性および散乱物性の両方を利用する。0.01〜1.5ミクロンの粒子サイズが代表的に使用される。0.01〜1.5ミクロン範囲の粒子サイズは、それらの強力な散乱能力により好適であり、またこの範囲内で、0.16〜0.28ミクロンの粒子サイズはさらに好適である。
TiO2は、繊維のオーブン乾燥重量に基づき0.05〜10重量%、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%の量で紙に適当に使用される。
【0018】
iii)ラジカルスカベンジャー
ラジカルスカベンジャーは基礎シートに、またはコーティング中にTiO2と組合せて使用し、リグニン含有紙の輝度安定性を改良することができる。両剤は、添加量を制限値まで増加するに従い、より良好な輝度安定性を示す。本発明に従い、これら2種の成分の組合せはどちらか単独を用いて可能であるよりも良好な輝度安定性を付与する。
【0019】
チオール化合物、アスコルベート化合物および干渉アミン化合物は、光誘発黄変の減少に或る効果を有するラジカルスカベンジャーである。例えば、Seltzer等、McGarry等、およびYuan等により開示された化合物のような干渉アミン化合物は、それらの優れた熱安定性および問題になる臭気の欠落から、好適である。[Seltzer等、(国際公開出願WO99/05108)、McGarry等、(J.Pulp Paper Sci.,(2000),26(2),59−66)およびYuan等、(Proceedings;PAPTAC 87th Annual Meeting,Montreal,2001,(PAPTAC)C43−C52)。
【0020】
代表的製紙態様において、顔料は、充填剤として使用する場合、紙の総量に基づき40重量%ほど多くの、またコーティングとして施用する場合、50重量%までの量を構成する。唯一の顔料としてTiO2を使用することも技術的には可能である。しかしながら、好適方法では、総顔料の重量に基づき0.05〜50重量%、さらに好ましくは2〜30重量%のTiO2添加量を使用する。充填剤またはコーティング中に、TiO2と一緒に使用するのに適する顔料は、これらに制限されないものとして、エキステンダーとしてクレイおよび粉砕または沈殿炭酸カルシウムを包含する。
干渉アミンラジカルスカベンジャーは、リグニン含有紙の輝度安定性を改善することが知られている。これらの化合物の例には、構造式A〜Dで表わされるピロリジンおよびピペリジン化合物がある:
【0021】
【0022】
式中、
R1は、水素、ヒドロキシル、一級、二級、三級または四級アミノ、アルキル、アルコキシ、一般式[−O−(CH2)n]N(ここで、nは1〜4であり、およびNは1〜20である)で表わされるアミノアルキルアルキレンオキサイドから選択される。R1中のアルキルまたはアルキル部分は炭素1〜12個を有し、直鎖状または分枝鎖状であることができる。このアルキルおよびアルキル部分は未置換であるか、またはヒドロキシル(OH)、カルボキシル(COOH)またはカルボキシレート(COO− rM2+ r/z)基で置換されていてもよく、ここでMは周期律表の第一族、第二族または第三族からの金属イオン、またはZn、Cu、NiまたはCoであり、またはMは基N+(R6)4である(ここでR6は炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはベンジルであり、rおよびzはそれぞれ、1、2または3の整数である);
【0023】
R2およびR3は、同一または相違していることができ、水素、ヒドロキシル(OH)、カルボキシル(COOH)またはカルボキシレート(COO− rM2+ r/z)基から選択され、ここでMは周期律表の第一族、第二族または第三族からの金属イオン、またはZn、Cu、NiまたはCoであり、またはMは基N+(R6)4である(ここでR6は炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはベンジルであり、rおよびzはそれぞれ、1、2または3の整数である);
Yは、オキシルまたはヒドロキシルであり;および
【0024】
Xは、無機または有機アニオンであり、例えばカーボネート、ボレート、ビカーボネート、クロライド、ビスルフェート、スルフェート、ホーメート、アセテート、チトレート、オキザレート、アスコルベート、ホスホネート、ホスフェート、ニトレート、ブロマイド、ビスルフィット、スルフィット、ベンゾエート、タートレート、アクリレート、ポリアクリレート、フマレート、マレエート、イタコネート、グリコレート、グルコネート、マレエート、マンデレート、チグレート、ポリメタアクリレート、またはニトリルトリ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸またはジエチレントリアミンペンタ酢酸のカルボキシレート、またはジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートであり、およびpは1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5、最も好ましくは1、2または3の整数であり、およびmは1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5、最も好ましくは1、2または3の整数であり、代表的には、mおよびpは1、2または3の整数であることができる。
【0025】
干渉アミンラジカルスカベンジャーは、オーブン乾燥繊維の重量に基づき0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.0重量%で適当に用いられる。
【0026】
iv)有機紫外線吸収剤
好適態様において、有機紫外線吸収剤(UVA)、例えばo−ヒドロキシベンゾフェノンまたはo−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールを、二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーに加えて使用し、これは黄変をさらに阻止することが見出される。
UVAは適当には、オーブン乾燥繊維の重量に基づき0.1〜0.8重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%の量%で用いられる。
【0027】
(図面の簡単な説明)
図1は、相違するコーティング重量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
図2は、相違するラジカルスカベンジャー含有量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
図3は、相違するTiO2含有量におけるPC数と相違するラジカルスカベンジャー含有量との関係を示すグラフである;
図4は、固定のラジカルスカベンジャー含有量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
図5は、コーティング中にラジカルスカベンジャーと組合されているTiO2および相違するTiO2含有量にかかわるPC数と光に対する加速露光との関係を示すグラフである;および
図6は、コーティングではなく、充填剤としてTiO2を用いる以外は図5と同様のグラフである。
【0028】
(例)
本発明を下記例によって説明する。
砕木パルプを含有する機械製造紙に、TiO2またはラジカルスカベンジャー(RS)を含有するか、または含有していない顔料含有組成物をコーティングした。ラジカルスカベンジャーとして、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−N−ヒドロキシピペリジンのクエン酸塩を使用した。この試験には、ルチルTiO2スラリーを使用した。2種のコーティング組成物を使用した。黄変阻止に対するRSの効果を、組成物中の添加剤として当該阻止剤を配合することによって試験した。TiO2の効果は、コーティング組成物中の炭酸カルシウムの一部と置き換えることによって試験した。
【0029】
加速された光分解を、冷−白色蛍光灯を備えた露光容器で生じさせた。この容器内の光強度は、通常の事務所光の約50倍であった。ISO輝度は、Technidyne Micro TB−IC反射測定器を用い、ISO標準2470に従い測定した。この紙の光安定性を、加速照射時間の関数として、ISO輝度またはPC数の変化により示す。この輝度データを、下記2つの方程式に従いポスト−カラー(post−color)数(PC数)に変換した:
【0030】
式中、kおよびsはそれぞれ、紙の吸収係数および散乱係数であり、および
は分数値として表わされるISO輝度である。概算して、PC数は、光誘発黄変中に形成される発色団に直接比例する。従って、PC数が小さいほど、紙の黄変は少ない。
TiO2、RSおよびUVAの%は、オーブン乾燥繊維の重量に基づく重量による。
【0031】
例1
72%の初期輝度を有する49g/m2基礎紙に、ブレードシリンダー状実験室コーター(CLC)を用いて種々の量の顔料含有コーティングカラーを塗布した。この基礎シートは、重量%として、97%アルカリ過酸化物漂白した砕木パルプ(APMP)パルプおよび3%クラフトパルプを含有していた。この顔料含有コーティングカラーは、重量%として、55%クレイ、45%粉砕炭酸カルシウム、デンプン、ラテックス、およびコーティング添加剤を含有していた。初期ISO輝度は、総コーティング重量およびこのコーティングに配合されたTiO2の量に基づき、74.5%から81.0%に変化した。
【0032】
図1は、4、9および14g/m2/一面のコーティング重量に対するTiO2含有量の関数として、12日加速露光後に得られたPC数のグラフである。これらの重量は少量コーティング、中程度コーティング、および多量コーティングにほぼ相当する。各線について中断点の種々の数値は、TiO2の不存在下における、クレイ/炭酸カルシウムコーティングそれ自体が若干の黄変阻止をもたらすこと、およびこの阻止がコーティング重量の増加に従い改良されることを示している。この阻止は、TiO2の添加を繊維に対して5%〜6%の最大量まで増加すると改良される。黄変はゆっくりであるが、これらのTiO2の最高レベルにおいて依然として生じる。
【0033】
例2
例1に記載のコーティング紙を、9g/m2/一面のコーティング重量を用いて製造した。TiO2およびラジカルスカベンジャーとしての4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−N−ヒドロキシピペリジンのクエン酸塩を含有する試料を、光安定性について試験した。
【0034】
図2は、12日間の加速露光後のPC数対TiO2添加量について得られたグラフを示している。例1に記載したように、TiO2が単独で使用された場合、黄変阻止は5%〜6%のTiO2含有量で最高である。図2はまた、TiO2を含有するコーティングカラーにラジカルスカベンジャーを添加すると、黄変阻止が増強されることを示している。図2はまた、TiO2量を増加しても追加の効果を得ることができない条件下において、コーティングカラーにラジカルスカベンジャーを添加すると、黄変阻止が改善されることを示している。
【0035】
図3は、9g/m2のコーティング重量および相違するTiO2含有量におけるコーティング中のラジカルスカベンジャー対12日間露光後のPC数のグラフを示している。ラジカルスカベンジャー単独添加によって得られる黄変阻止は、約0.5%/一面の施用量において最高値に達する。この最高レベルは、コーティング中にTiO2を含有させることによって改良することができる。
【0036】
例3
例1に記載のコーティング紙を、ラジカルスカベンジャー4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−N−ヒドロキシピペリジンクエン酸塩および種々の量のTiO2を含有する14g/m2/一面のコーティング重量で製造した。
図4のグラフは、12日間加速露光後の黄変の完全阻止が、TiO2 3.5%とともにラジカルスカベンジャー0.3%を使用して可能であることを示している。
【0037】
例4
100%過酸化物漂白した軟材熱砕木パルプから製造され、78%の初期ISOを有する57g/m2機械製造紙を、実験室薄膜施用機により顔料含有組成物で処理した。このコーティング重量は、4g/m2/一面であった。この顔料含有組成物は、80%粉砕炭酸カルシウムおよび20%離層クレイ、デンプン、ラテックス、および数種の少量添加剤から構成されていた。図5に示されているように、CaCO312%の代わりに、繊維に対して1.15%TiO2添加量に相当する量でTiO2を使用すると、輝度安定性が増加された。TiO2の量を2.3%に倍増しても、輝度安定性にかかわる追加の改良は得られなかった。TiO2 1.15%とともにラジカルスカベンジャー1.0%を添加すると、TiO2を単独で使用した場合に可能である以上の良好な輝度安定性が得られた。
【0038】
例5
例4に記載の4g/m2コーティングを有する57g/m2基礎シートから形成された紙を製造した。対照に加えて、0.6%TiO2を含有する試料、1%ラジカルスカベンジャーを含有する試料および0.6%TiO2および1%ラジカルスカベンジャーの両方を含有する試料を、12日間にわたり照射した。PC数値を表1に列記する。このデータは、TiO2およびラジカルスカベンジャーの指示レベルにおける添加効果(PC数の増加は少ない)は、それら個別の効果の合計に比較して大きい。
【0039】
【0040】
例6
49g/m2基礎シートおよび9g/m2/一面コーティングを用いるコーティング紙を、例1に記載のとおりに製造した。コーティングカラー中に下記黄変阻止剤を含有する試料を製造した:対照(阻止剤を含有していない)、1.5%TiO2+0.4%ラジカルスカベンジャーおよび0.3%有機UVA(下記構造式EおよびFで表わされるヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールの60/40混合物、式中、n=5〜9)、1.5%TiO2+0.4%ラジカルスカベンジャーおよび0.3%有機UVA。
【0041】
【0042】
12日間の加速露光後のPC数値を表2にまとめて示す。このデータは、指示レベルにおけるTiO2、ラジカルスカベンジャーおよび有機UVAの添加効果(PC数の増加は少ない)は、ラジカルスカベンジャー+有機UVAおよびTiO2の個別の効果の合計に比較して大きいことを示している。
【0043】
【0044】
例7
100%過酸化物漂白した軟材熱砕木パルプから形成され、73%の初期輝度を有する100g/m2標準ハンドシートを、充填剤としてルチルTiO2を添加するか、または添加することなく製造した。シート中に保有されているTiO2は、オーブン乾燥繊維に基づき13.7%であった。対照および充填シートはまた、実験室薄膜施用機によって1.0%ラジカルスカベンジャーにより処理した。図6に示されているように、表面処理と同様に、TiO2は充填剤としてシート中に保有されている場合、紙の輝度安定性を改善した。ラジカルスカベンジャーは、紙の輝度安定性を改善したが、TiO2とラジカルスカベンジャーとの組合せは、さらに良好な黄変阻止をもたらした。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、相違するコーティング重量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
【図2】
図2は、相違するラジカルスカベンジャー含有量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
【図3】
図3は、相違するTiO2含有量におけるPC数と相違するラジカルスカベンジャー含有量との関係を示すグラフである;
【図4】
図4は、固定のラジカルスカベンジャー含有量におけるPC数とTiO2含有量との関係を示すグラフである;
【図5】
図5は、コーティング中にラジカルスカベンジャーと組合されているTiO2および相違するTiO2含有量にかかわるPC数と光に対する加速露光との関係を示すグラフである;
【図6】
図6は、コーティングではなく、充填剤としてTiO2を用いる以外は図5と同様のグラフである。
Claims (29)
- 紙黄変の阻止に有効な粒子状二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャー成分を含有する光安定性リグニン含有紙。
- 上記ラジカルスカベンジャーが、干渉アミンラジカルスカベンジャーである、請求項1に記載の紙。
- 上記二酸化チタンが0.01〜1.5ミクロンの粒子サイズを有するルチル二酸化チタンであり、および紙中のオーブン乾燥パルプ繊維の重量に基づき0.05〜10重量%の量で存在する、請求項1または2のいずれかに記載の紙。
- 上記二酸化チタンがオーブン乾燥パルプ繊維の重量に基づき0.5〜6重量%の量で存在し、および上記粒子サイズが0.1〜1.5ミクロンである、請求項3に記載の紙。
- 上記二酸化チタンがオーブン乾燥パルプ繊維の重量に基づき1〜5重量%の量で存在し、および上記粒子サイズが0.16〜0.28ミクロンである、請求項3に記載の紙。
- 上記ラジカルスカベンジャーが、オーブン乾燥パルプ繊維の重量に基づき0.05〜5重量%の量で存在する、請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の紙。
- 上記ラジカルスカベンジャーが、オーブン乾燥パルプ繊維の重量に基づき0.1〜2重量%の量で存在する、請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の紙。
- 上記ラジカルスカベンジャーが、オーブン乾燥パルプ繊維の重量に基づき0.1〜1.0重量%の量で存在する、請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の紙。
- 上記ラジカルスカベンジャーが下記式A、B、CおよびDで表わされるピペリジン化合物およびピロリジン化合物から選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の紙:
式中、
R1は、水素、ヒドロキシル、一級、二級、三級または四級アミノ、アルキル、アルコキシ、一般式[−O−(CH2)n]N(ここで、nは1〜4であり、およびNは1〜20である)で表わされるアミノアルキルアルキレンオキサイドから選択される。R1中のアルキルまたはアルキル部分は炭素1〜12個を有し、直鎖状または分枝鎖状であることができる。このアルキルおよびアルキル部分は未置換であるか、またはヒドロキシル(OH)、カルボキシル(COOH)またはカルボキシレート(COO− rM2+ r/z)基により置換されていてもよく、ここでMは周期律表の第一族、第二族または第三族からの金属イオン、またはZn、Cu、NiまたはCoであり;またはMは基N+(R6)4である(ここでR6は炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはベンジルであり、rおよびzはそれぞれ、1、2または3の整数である);
R2およびR3は、同一または相違していることができ、水素、ヒドロキシル(OH)、カルボキシル(COOH)またはカルボキシレート(COO− rM2+ r/z)基から選択され、ここでMは周期律表の第一族、第二族または第三族からの金属イオン、またはZn、Cu、NiまたはCoであり;またはMは基N+(R6)4である(ここでR6は炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはベンジルであり、rおよびzはそれぞれ、1、2または3の整数である);
Yは、オキシルまたはヒドロキシルであり;および
Xは、無機または有機アニオンであり;
pおよびmは、1〜20の整数である。 - 上記二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーが、紙中の充填剤とともに存在する、請求項1〜9のいずれかに記載の紙。
- 上記二酸化チタンおよび上記ラジカルスカベンジャーが、紙の少なくとも一方面上の顔料コーティング中に存在する、請求項1〜9のいずれかに記載の紙。
- 上記二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーとともに、有機紫外線吸収剤をさらに含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の紙。
- リグニン含有パルプ中のオーブン乾燥繊維の重量に基づき15〜35重量%のリグニン含有量を有するリグニン含有パルプから誘導される、請求項1〜12のいずれかに記載の紙。
- 総パルプ重量に基づき80〜100重量%の量で、リファイナー砕木パルプ、ストーン砕木パルプ、熱砕木パルプ、化学熱砕木パルプおよび化学砕木パルプから選択される高収率パルプを含有するパルプから誘導される、請求項1〜12のいずれかに記載の紙。
- リグニン含有紙を光安定性にする方法であって、
a)粒子状二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャー成分を、紙の黄変の阻止に有効な量で上記紙に配合する、または
b)粒子状二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャー成分を紙の黄変の阻止に有効な量で含有するコーティング組成物を紙にコーティングする、
ことを包含する、上記方法。 - 上記ラジカルスカベンジャーが干渉アミンである、請求項15に記載の方法。
- 上記二酸化チタンが0.01〜1.5ミクロンの粒子サイズを有するルチル二酸化チタンであり、および紙中のオーブン乾燥パルプ繊維の重量に基づき0.05〜10重量%の量で存在する、請求項15または16のいずれかに記載の方法。
- 上記二酸化チタンがオーブン乾燥パルプ繊維の重量に基づき0.5〜6重量%の量で存在する、請求項17に記載の方法。
- 上記二酸化チタンがオーブン乾燥繊維の重量に基づき1〜5重量%の量で存在し、および上記粒子サイズが0.16〜0.28ミクロンである、請求項17に記載の方法。
- 上記ラジカルスカベンジャーがオーブン乾燥繊維の重量に基づき0.05〜5重量%の量で存在する、請求項15、16、17、18または19のいずれかに記載の方法。
- 上記ラジカルスカベンジャーがオーブン乾燥繊維の重量に基づき0.1〜1.0重量%の量で存在する、請求項15、16、17、18または19のいずれかに記載の方法。
- 上記ラジカルスカベンジャーが下記式A、B、CおよびDで表わされるピペリジン化合物およびピロリジン化合物から選択される、請求項15〜21のいずれかに記載の方法:
式中、
R1は、水素、ヒドロキシル、一級、二級、三級または四級アミノ、アルキル、アルコキシ、一般式[−O−(CH2)n]N(ここで、nは1〜4であり、およびNは1〜20である)で表わされるアミノアルキルアルキレンオキサイドから選択される。R1中のアルキルまたはアルキル部分は炭素1〜12個を有し、直鎖状または分枝鎖状であることができる。このアルキルおよびアルキル部分は未置換であるか、またはヒドロキシル(OH)、カルボキシル(COOH)またはカルボキシレート(COO− rM2+ r/z)基により置換されていてもよく、ここでMは周期律表の第一族、第二族または第三族からの金属イオン、またはZn、Cu、NiまたはCoであり;またはMは基N+(R6)4である(ここでR6は炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはベンジルであり、rおよびzはそれぞれ、1、2または3の整数である);
R2およびR3は、同一または相違していることができ、水素、ヒドロキシル(OH)、カルボキシル(COOH)またはカルボキシレート(COO− rM2+ r/z)基から選択され、ここでMは周期律表の第一族、第二族または第三族からの金属イオン、またはZn、Cu、NiまたはCoであり;またはMは基N+(R6)4である(ここでR6は炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはベンジルであり、rおよびzはそれぞれ、1、2または3の整数である);
Yは、オキシルまたはヒドロキシルであり;および
Xは、無機または有機アニオンであり;
pおよびmは、1〜20の整数である。 - 上記二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーを、a)に従い紙の充填剤とともに配合する、請求項15〜22のいずれかに記載の方法。
- 上記二酸化チタンおよび上記ラジカルスカベンジャーを、b)に従い上記コーティング組成物中に存在させる、請求項15〜22のいずれかに記載の方法。
- 上記二酸化チタンおよびラジカルスカベンジャーとともに、有機紫外線吸収剤をさらに含有させる、請求項15〜24のいずれかに記載の方法。
- 上記紙が、リグニン含有パルプのオーブン乾燥パルプ繊維リグニンの重量に基づき15〜35重量%のリグニン含有量を有するリグニン含有パルプから誘導される、請求項15〜25のいずれかに記載の方法。
- 上記紙が、総パルプ重量に基づき少なくとも10重量%の量で、リファイナー砕木パルプ、ストーン砕木パルプ、熱砕木パルプ、化学熱砕木パルプおよび化学砕木パルプから選択される高収率パルプを包含するパルプから誘導される、請求項15〜25のいずれかに記載の方法。
- 黄変阻止におけるリグニン含有紙にラジカルスカベンジャーと組合されている粒子状二酸化チタンの使用。
- 上記ラジカルスカベンジャーが干渉アミンラジカルスカベンジャーである、請求項28に記載の使用。
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