JP2004500490A - 高fvaulsapを含む吸水性用品 - Google Patents

高fvaulsapを含む吸水性用品 Download PDF

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Abstract

本発明は、液体浸透性の上部シートと、液体非浸透性の下部シートと、それらの上部シートと下部シートの間に置かれた2面吸水性パネル構造とで構成された使い捨て吸水性用品に関する。この2面吸水性パネル構造は、木材パルプ繊維と表面交差結合した強化吸水材で構成されている。少なくともこの2面吸水性マトリックスの一つの層では、強化吸水材は主としてマトリックスの連続面で構成され、そこでは、強化吸水材の多くの小片がお互いに接触して、毛管網を形成してマトリックス内で液体の移動を可能としている。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明はオムツ、失禁用品あるいは生理用品等の使い捨て用品に使用する吸水体一般に関する。特に本発明は最少のゲルブロッキング特性を有した高度の液体保持能力を有する強化吸水性重合物質から成る合成吸水材に関する。さらに本発明は、上記合成吸水材の吸水能力を予知する方法とそれに用いる装置に関する。
【0002】
(背景技術)
例えば水や身体浸失出物等の大容量の液体を吸収できる強化吸水性重合物質から成る吸水性合成素材は、使い捨て吸水用品、例えば赤ちゃんのオムツ、生理ナプキン、傷口被膜材、包帯、失禁用品等、多くの目的に用いられる。
【0003】
出来れば吸水性合成材はある程度の圧力の下でも大容量の液体を吸収、保持できることが必要である。例えば赤ちゃんの使い捨てオムツ用の吸水性合成材は赤ちゃんがお座りをした時の圧力でも、オシッコを素早く吸収、保持して漏れないことが必要とされる。さらに赤ちゃん用のオムツでは、何回ものお漏らしを全部吸収できなければならない。
【0004】
歴史的にはオムツや他の使い捨て吸水材は、繊維状のパルプ繊維(パルプ軟毛とも云われる)や、強化吸水性重合物質を散在させた親水性繊維状物質を用いて作られていた。例えば米国特許5,330,822Berg特許、5,147,343Kellenberger特許、4,673,402Weisman特許、5,281,207Chmielewski特許、さらに4,834,735Alemany特許には、繊維状の浸透性生地や、繊維中に強化合成材を散りばめた吸水性合成材が開示されている。強化吸水性ポリマーまたは強化吸水材はより専門用語のイオン・ハイドロコロイドとして知られている。一般に強化吸水性ポリマーは、一定の圧力下で、その重量の少なくとも10倍の液体を吸収することが出来る。上記の米国特許は、本発明で引用する多種類の強化吸水性ポリマー(SAP)や、その製造方法を開示している。しかしながらこの吸水性合成組織は数々の欠点を有している。例えば、吸水性合成材の吸水能力、すなわち吸水できる液体の量を増加するには、それに用いられている吸水片の強化吸水材の量を単純に増加すればよいように思われる。しかしながら、吸水性合成材中の強化吸水材の量を増加させると、いわゆる吸水性逓減の現象が見られるようになる。すなわちこの現象下では、吸水材の吸水能力は、その合成材に用いられている強化吸水性ポリマー(SAP)の量に比例して必ずしも増加しない。このように吸水重合物中の強化吸水材を単純に増加させても、吸水性の増加とは必ずしもならない。この問題は、一説にはゲル・ブロッキングと呼ばれる現象である。
【0005】
一般に液体はパルプ繊維と強化吸水材から成る吸水構造の中を、パルプ繊維の浸出アクションと毛管現象により移動するが、これらは微粒子状の強化吸水材とパルプ繊維間の隙間空間や自由空間に依存する。ある点までは、従来の吸水性合成材の繊維生地の中により多くの強化吸水材を散在させると、その強化吸水材が膨張して毛管現象のブロッキング現象が起こり、その結果、未だ液体で完全に飽和状態に至っていない強化吸水性ポリマー(SAP)物質へ液体が移動するのが阻止されるようになる。
【0006】
本発明の発明者によると、合成材中に加えられた強化吸水性ポリマー(SAP)により、膨張した強化吸水性ポリマー片同士がくっつき合った時に、その表面が変形または合体することにより、連続した塊またはゲル状となり、これにより毛管アクションによる液体の移動のための自由空間が減少することになる。その結果として、未だ液体を吸収していない強化吸水材への液体の毛管現象による移動が減少する。液体を吸収し膨張した強化吸水性ポリマー片により生じたゲル状物質が、まだ液体を吸収していない強化吸水材へ追加の液体が流入するのを阻止することになる。一般にゲル・ブロッキング作用により、強化吸水性ポリマー(SAP)と繊維の合計重量の600%以上のSAP入り従来型吸水材は、効果的ではなかった。典型的には、従来型吸水材は、SAP材が連続する繊維生地面の内部ではっきりとした部分を形成する構成に限られていた。
【0007】
(発明の開示)
本発明は上述の従来技術の限界を克服するためのものである。本発明の目的は高度な液体能力、つまり最少のゲル・ブロッキング特性で高度な吸水能力を持つ吸水性合成材を提供することである。特に本発明は、表面交差結合、強化吸水性ポリマーから成る吸水性合成素材に関する。すでに各種SC−SAPの使用によって、従来型の吸水性合成材の吸水能力を減ずるゲル・ブロッキング現象を起こさずに、吸水性合成材の吸水量を飛躍的に増加させることが知られている。簡略上、強化吸水性ポリマーを以下にSAPと呼び、表面交差結合のSAPをSC−SAPと呼ぶこととする。SC−SAPは一般に親水性繊維、例えば木材パルプ(軟毛)、綿リンター、合成繊維、又はそれらの混合物の繊維地の中に分散配置されている。本発明の吸水性合成材は、SC−SAPがほぼ連続面を形成し、液体を吸収する以前の乾燥状態で多くのSC−SAP微粒子が相互に接触する少なくとも一つの層を含んでいる。出来ればSC−SAPは、吸水性合成材の全てに渡りほぼ連続面を形成する必要があるが、これはその合成材に使用されるSAPの量を最少に出来る構造であるためである。しかしながらその場合でも、以下に説明するFVAULの自由空間は少なくとも15%を確保しなければならない。簡単に言えば、FVAULとは吸水性合成材の生地において、十分な毛管現象が得られる吸水能力の単位である。
【0008】
本発明の他の目的は、上述の吸水性合成素材の吸水性能を予知する方法と装置を提供することである。特に本発明は、それらの吸水材のゲル・ブロッキング傾向を予知するのに適した方法と装置を提供するものである。最も広い面では、本発明による方法は、負荷をかけた状態で、かつ一定時間、液体にその吸水性合成材を接触させた後の吸水性合成材の自由空間を測定することにより構成されている。この自由空間は、吸水能力、使用中の漏れ、そしてゲル・ブロッキング特性、を含む吸水性合成材の性能の信頼できる予知指数であることは知られている。一般に、この自由空間を多く持った吸水性合成材では、従来の吸水性合成材でよく見られたブロッキング現象が起こらない。以下、加圧吸水限界容量(FVAUL)として引用される本発明による方法の実施例では、1.6psiの圧力、で600秒間、水に1.0重量%の塩化ナトリュームを加えた溶液に吸水性合成材を接触させるステップと、その吸水性合成材の自由空間を測定させるステップにより構成されている。この条件下で得られた自由空間は以下で、FVAUL自由空間、FVAUL特性、またはFVAUL値、として引用される。なお当然ながら、本発明の範囲を逸脱せずに、当業者により数々の変形が考えられる。
【0009】
さらに本発明の他の目的は、その吸水性合成材のFVAUL特性を測定する装置を提供することである。また本発明の別の目的は、本発明に係る吸水性合成材を使用したオムツ、生理用ナップキン等の改良型使い捨て吸水性用品を提供することである。さらにまた本発明の他の目的は、本発明の吸水性物品を利用して表面から漏れた液体を吸収する方法を提供することである。本発明のこれらの目的は、以下の記載により当業者に対して明らかにされる。最後に、本発明の意図する範囲から逸脱せずに、以下の実施例の記載を読めば当業者により、本発明に係る吸水性合成材、方法、装置に関する他の多くの目的とバリエーションを容易に作り出すことは可能であると理解されるべきである。
【0010】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は最少のゲル・ブロッキング特性を有した高液体保持能力、あるいは高吸水能力を有した吸水性合成材を提供するものである。特に本発明は連続したSC−SAP面とSC−SAP片の間隙に散りばめた繊維から成る吸水性物質に関する。SC−SAPとその製造方法については、ここで引用される米国特許4,666,983および4,734,478のTsubakimoto特許に開示されている。また吸水性合成材の構造を準備する方法については、ここで引用される米国特許5,281,207のChmielewski特許に開示されている。SAPは繊維とSAPの合計重量に対して約70%から95%程度を吸水性繊維と結合させる。その結合に際しては、繊維内にほぼSAPの連続面を形成できる方法で行う。一般にSAPが吸水性合成材中に均一に散在するようにするのが望ましい。大容量の液体を吸収し、かつ表面交差結合するどのような従来型のSAPでも、本発明による吸水層に使用することが出来る。さらにまた複数種類のSC−SAP材でも使用することが出来る。一般的にSC−SAPは、出来れば木材パルプ(パルプ軟毛)、綿リンター、合成繊維、等の吸水性繊維の混合物の中に分散して配置されている。その合成繊維には、ポリシレン、ポリプロプレン、ポリエステル、ポリエステルとポラマイドの共重合体、等を含む。本発明を実施するために使用される木材パルプの例としては、ここで引用される米国特許5,147,343に開示されている。繊維は吸水性があるか、表面加工で吸水性があるようにされている。
【0011】
典型的には本発明の吸水性合成材は、第一の繊維状面と第2のSC−SAP面の2種類の生地から成る。SC−SAP面は微粒子状、薄片状、あるいは繊維状のSC−SAP材でも良く、また出来るだけ微粒子状のSC−SAP材であれば良い。SC−SAP材は出来るならほぼ連続面を形成する。すなわち吸水性合成材の中で十分多くのSC−SAP片が、液体を吸収する前の乾燥状態で相互に接触するようにする。SC−SAPは出来るだけ本発明の吸水性合成材の構成全体に渡り連続して散在させたほうが良い。その理由は、吸水性合成材に使用されるSC−SAP材の量を最大にでき、かつ一般的にはSC−SAP材の使用量が多ければ多いだけ、液体吸収量も多くなるからである。SC−SAP材としては連続するSC−SAP面を少なくとも重量単位で、連続SC−SAP面を有する層の重量の70%を構成する必要がある。また出来るだけSC−SAPは重量で80%、さらに可能なら少なくとも90%とするのが良い。
【0012】
米国特許番号5,147,343のKellerberger特許、4,673,402のWeisman特許、5,281,207のChemielewski特許、4,834,735のAlemany特許は、吸水材を製造するための方法と素材を一般的に開示しており、これらの特許はいずれも引例として密接に関連するものとして利用することが出来る。
【0013】
ほんの少量の木材パルプ繊維は、なかんずく吸水性構造の強度維持と、繊維の芯機能維持のために、含まれるべきである。すなわち繊維面の量は、連続SC−SAP面吸水性性合成材全体の5重量%から30重量%の間とすべきで、繊維は出来れば15%、さらに吸水材全体の10%以下に抑えるべきである。さらにまた、ゲル・ブロッキング現象を抑えるために、連続SC−SAP層のFVAUL自由空間は少なくとも600秒で15%以上はあるべきである。偶然の発見ではあるが、FVAUL自由空間が少なくとも15%以上の場合には、吸水材はSAPが集中している個所でもゲル・ブロッキングを起こさない。出来れば連続SC−SAP層のFVAUL自由空間は少なくとも20%出来れば少なくとも25%は必要である。最後に本発明の吸水性合成材のFVAUL自由空間は70%を越えてはならず、出来れば60%、ベストは50%である。
【0014】
図には本発明の吸水性合成素材の断面図が示されている。この図では、SC−SAP片21と、複数のSC=SAP片21の間を埋める繊維材22から構成されている連続SC−SAP面が示されている。
【0015】
特に図1には本質的に、全ての吸水片がお互いに隣接して接触しているが、上述の説明から明らかなように、本発明では必ずしも全ての吸水片が次々接している必要はなく、ほぼ連続したSC−SAP面を形成していれば十分である点を明らかにしておく必要がある。しかしながら本質的には全てのSC−SAP片がお互いに接していることが望ましいが、その理由は、そのような構造が、FVAUL自由空間が15%以上確保されていれば、最大の吸水能力を発揮できるためである。図7及び図8には本発明による吸水性合成材の実際の写真(倍率50倍)が示されている。図7と図8には、特徴点であるSA−SAP片がほぼ連続面を形成しているのが示されている。この写真では、従来例での繊維が連続面を形成し、SAP材がお互いに隣接せずに分離片の形態をとる吸水性合成材と、明らかに対比することが出来る。
【0016】
本発明はさらに、改良型の使い捨て吸水用品、例えば本発明の吸水性合成材を使用する赤ちゃんのオムツ、生理ナプキン等を提供する。使い捨て用品については、米国特許4,673,402、5,147,343、5,330,822、4,834,735、そして5,281,207、に関連する引例として開示されている。本発明に係る使い捨てオムツの実施例の一つが、図2と図2(A)に示されている。図2と図2(A)に示すように、使い捨てオムツ10は、液体不浸透性の裏面地12と、液体浸透性の上面地14と、上面地14と裏面地12に挟まれた吸水性パネル構造16から構成されている。
【0017】
本発明によると、Z方向(上部から下面方向、すなわち装着者から離れる方向)の21’で示した目的領域である吸水性パネルの少なくとも一層では、強化吸水材は、ほぼ連続したマトリックス面から成る。発明開示として、十分に多量にある強化吸水材の小片が、液体を吸収する前後に渡り、複数の点で接触してほぼ連続面を形成しており、パネル構造の中で液体の移動が出来る毛管網を形成している。そして、ほんの少々の木材パルプ繊維が、少なくとも重量ベースで約5%から最大30%、連続面の強化吸水材の中に混合されている。この量の木材パルプ繊維は、その強化吸水材の連続面領域と、その吸水性構造の隣接部分とを一体化することで、吸水性構造の強度を安定化させる役割を果たす。結果として、吸水パネル構造の目的領域、すなわち図2の20と示した層では、加圧吸水限界容量(FVAUL)試験で600秒後、少なくとも15%の吸水自由空間を示している。目的領域とは正面から測定して、吸水構造の2/5と3/5の部分に対応している。
【0018】
図2(A)の断面図に示すように、連続面部分21’を有した吸水マトリックス層は、出来るなら22’で示す2つの層の間に位置しており、これらの2つの層は主に木材パルプ繊維で構成されている。層22’夫々は、重量ベースで少なくとも80%、出来れば95%又はそれ以上、木材パルプ繊維で構成されている。オムツの場合は、液体浸透性の上面地14により、尿は上面地を通り吸水性パネル構造16へ通過する。そしてこの上面地により乳児が直接、吸水性パネル構想に接触しないようにしている。このような構造は乳児をより快適にするし、また吸水性パネル構想自体を所定の位置に配置するのに役立つことになる。液体浸透性の上面地と、液体不浸透性の下面地は、当業者には良く知られており、本発明を実施する際、適切な選択が可能である。
【0019】
裏面地12は液体不浸透性であり液体を保持することで、吸水性パネル構造が液体を吸収、保持するのに役立つ。乳児のオムツでは、不浸透性の裏面地は典型的にはポリエスレン等のプラスチック・フィルムであり、尿を保持し、保持された尿がオムツの吸水性パネル構造に吸収されるのに役立つ。オムツの上面地、下面地の材質についての詳細な議論は米国特許5,281,207のChmielewski特許を本発明の参照とされたい。
【0020】
吸水性パネル構造16は木材パルプ繊維と表面交差結合している重合体強化吸水材の2面マトリックスで構成されている。上述のように2面とは、吸水パネル構造は2つの要素、すなわち繊維(出来れば木材パルプ)と強化吸水材を有している。吸水構造は複数層で形成しても良い。例えば、吸水性構造はほぼ木材パルプ繊維で出来ている一層と、その上の層は微粒子状の強化吸水材が木材パルプ繊維の中に散りばめられている他の木材パルプ繊維の層で構成してもよい。本発明を実施するうえで、多種の層の組み合わせが考えられる。例えば、本発明の一つの実施例として、少なくとも目的領域20では3層として、1つの層をほぼ連続面で強化吸水性微粒子材で作り、その両側に接する重荷木材パルプ繊維で出来た層で挟み込んでもよい。
【0021】
吸水性パネル構造の部分よりも多くの強化吸水材を目的領域20で木材パルプ繊維中に散りばめてもよい。目的領域20では、少なくともその1つの層では、強化吸水材はほぼ連続面で形成する。連続面により、その目的領域では強化吸水性小片が多量に存在し、それらがお互いに接触しているため、毛管網により液体がパネル構造内で移動することになる。このように連続面では、木材パルプ繊維よりもさらに多くの強化吸水材が存在し、出来れば重量ベースで少なくとも70%以上、出来れば役90%にするのがよい。しかしながらここで注意を要するのは、強化吸水材は木材パルプ繊維の中で分散されていることである。連続面では、比較的少量の木材パルプ繊維が、安定化のために強化吸水材と混在されている。これは少量の木材パルプ繊維が、連続面部分21’とい吸水構造の隣接部分と一体化させるために役立つからである。
【0022】
強化吸水性微粒子材で構成されている連続面部分21’は、吸水性構造の全ての縦と横方向に渡りほぼ連続していてもよい。また強化吸水性微粒子材で構成されている連続面部分21’は、吸水性構造内の特定の目的領域に位置してもよい。例えば目的領域20で、それは吸水性構造の縦方向中央線に沿って少なくとも2/5と3/5の個所に位置するのがよい。さらに強化吸水性微粒子材で構成されている連続面部分21’は、縦方向中央線から用品の端方向へ吸水性構造の少なくとも20%から100%の幅に位置させるのがよく、50%から70%位が適当である。吸水性構造の部材の中では強化吸水材は最もコストが高い部材の一つであるため、効果な使用と位置決めが必要である。尿に晒されやすい部位に強化吸水材を置いて使用するのが最もコスト効率がよい使用方法である。強化吸水材の位置決めについては数種類の方法があるが、例えば米国特許5,279,854の記載内容と特許請求の範囲にある方法と装置が参考となる。この特定の位置決めで、図2に示すように、目的領域20が得られる。
【0023】
すでに述べたように、略連続面が、微粒子状強化吸水材21、木材パルプ繊維22、そしてその間隙にある空の自由空間23、から成る吸水性マトリックスの一部の写真が図1に示されている。図1に示すように、強化吸水材の小片は相互に接しており、吸水構造中のその小片と繊維の間隙にある空間は自由空間と呼ばれる。この自由空間は、液体を移動させかつ蓄えるための毛管構造を維持するために必要であるので重要である。このように吸水構造中の自由空間の量は、連続面の吸水特性にとって重要である。連続面は従って、強化吸水材が多く木材パルプ繊維が比較的少ない吸水構造の領域であるとも言える。
【0024】
強化吸水材は既に従来技術としてよく知られている。しかしながら、本発明の強化吸水材は表面交差結合した微粒子状の強化吸水材である。現時点の強化吸水材としては、Hoechst−Celanese社の名称IM2000と呼ばれる表面交差結合した微粒子状の強化吸水材がある。
【0025】
微粒子状の強化吸水材は出来るなら、強化吸水材が液体を吸収した時にも微粒子形状を維持するのが望ましい。このように結果として生じた水和強化吸水材(つまり液体を吸収した強化吸水材)は高いゲル強度を有している。
【0026】
この表面交差結合は強化吸水材が液体を給したとき膨張しても微粒子状の強化吸水材の形を維持するのに重要な役割を果たしている。すなわち、表面結合交差により、微粒子状の強化吸水材の表面に対して、より一定の規則正しい構造を与え、かつ表面交差結合で周りを囲まれている強化吸水材が不規則な形で膨張するのを制限する役割をしている。
【0027】
本発明の強化吸水用品が液体を吸収して膨張した場合、交差結合の表面はちょうど拡張可能ネットのように機能して、強化吸水材の膨張を制限し、かつその規則付けを行う。
【0028】
この強化吸水材は2つの領域で成り立っており、一つは強化吸水ポリマーで作られた中央領域で、他の一つは中央領域よりもさらに交差結合した強化吸水ポリマーで作られた表面領域である。
【0029】
出来るなら、表面領域の厚さは、理論的には球形をした強化吸水材の小片の半径の10%以下である。
【0030】
本発明では、表面交差結合の強化吸水材の小片と類似する特性を有する他の等価吸水材の使用も考えられる。例えば、強化吸水材の小片を表面コーティングしたもので、この表面コーティングは強化吸水材が膨張するのを許容するが、その場合でも膨張後に小片の形状を維持するようなものである。
【0031】
特定の理論に拘束されずに言えば、連続面を形成する大容量の強化吸水材の使用にも拘わらず、ゲル・ブロッキングが改善されることが考えられる。これは強化吸水材の小片の元の形状を失い、従って他の小片と接触することで自由空間を失うのではなく、交差結合した微粒子状の強化吸水材は膨張しても未だ特定の形状を維持するからである。このように、強化吸水材の小片が膨張しても、隣接する膨張した小片と合体するのではなく、その小片は相互に接触して、押し合いを行う。これにより自由空間を維持し、従って液体を未だ吸収していない強化吸収材へ液体を運ぶ毛管構造または毛管網を維持することが出来る。形状維持に加えて、強化吸水材の小片による連続面を含む吸水パネルの容量が著しく増加する。
【0032】
さらに強化吸水材の小片がその形状を維持して、ゲルとして相互に合体しないため、自由空間(後で定義付ける)の量は特に大幅に減ずることはない。目的領域での自由空間は、加圧吸水限界容量(FVAUL)テストの600秒で、少なくとも15%、出来れば20%、さらに25%、あるいは30%が望ましい。既に述べたように目的領域20は、一般的にはオムツの正面から測って、パネルの長さの2/5と3/5の部分に位置する。そしてその目的領域は、主に木材パルプ繊維の上面地22’、 主に木材パルプ繊維の下面地22’、そして強化吸水材の小片の連続面21’で構成されている。なおその強化吸水材の小片の連続面21’は、繊維と強化吸水材の小片の全重量に対して、70%から95%、出来れば80%から90%が望ましい。
【0033】
本発明はさらにSC−SAP材と吸水性繊維から成る吸水性合成材のFVAUL自由空間を計算する方法と装置に関する。本発明にかかる装置は、サンプル合成材を受け入れるための円筒状の上部が開いたホルダーを有している。円筒状の底表面にスクリーン、他の表面にはスロット付きの錘がサンプルの上部に置かれる。スロットは錘の底表面に付けられたスクリーンとは、液体を送ることが出来る構造になっている。スロット中に液体が注がれると、液体はホルダー内のサンプルの上部表面に、スクリーンを通して均等に注がれる。本装置はさらに、錘を所定の場所に保持する手段を有し、これにより液体を吸収しているサンプルの上部表面に垂直方向に錘をかけられるようになっている。LVDT装置がサンプルの膨張を計測するためにサンプルと機能的に接続されている。LVDT装置はサンプルの上部に錘を所定の位置に保持するためロッドを有する。重量バランス部とLVDT装置とは、コンピュータと接続されている。重量バランス部とLVDT装置から得られデータは、コンピュータへ送られ、そのコンピュータは液体が加えられた時から種々のインターバル時間をおいてサンプルの自由空間値を計算する。
【0034】
特に吸水性合成材の自由空間を計算する方法は、まずホルダーの中にサンプルを置き、サンプル上部に錘を置き、スロットを通してサンプルの上部表面に液体を注ぐことで構成されている。錘の底部に置かれたスクリーンにより、サンプル表面に液体が均一に分散される。サンプルは吸水性合成材を角切りしてその断面がホルダーの断面と一致し、かつホルダー内の容量に一致するような容量で切ってある。従ってサンプルは、ホルダー内にしっかりと固定される。本方法はさらに、サンプルの容量を計測し、重量バランス部を使ってサンプルの質量を計測し、その計測したサンプルの容量値と質量値をコンピュータに送り、そして次の方程式によりサンプルの自由空間を計算するステップで構成されている。
FVS=VS−R*w/ρSAPM−(1−R)*W/ρPULP
【0035】
ここで、FVSはサンプルの自由空間、VSはサンプルの容量、Rはサンプルの重さに対するSAPの重量比率、ρSAPはSAPの濃度、ρPULPはパルプの濃度、Wはサンプルの質量で、RとρSAPとρPULPは夫々既知でありコンピュータに入力される。
【0036】
例:
加圧吸水限界容量方法(FVAUL)
木材パルプ繊維と表面交差結合した強化吸水材から成る2インチ直径の吸水性合成材のサンプルが吸水性用品のコア−部分から切り出されていた。サンプルはTAPPI状態下の部屋に16時間置かれて図3に示す装置のホルダー36内に置かれていた。
【0037】
図3は加圧吸水限界容量(FVAUL)を測定するための装置を示し、また図4はFVAULテストで使用する錘32の拡大図である。装置はバランス部34、バランス部の上に置かれたサンプルホルダー36、そしてサンプルホルダーにより保持されているテストサンプルの上の錘32を含んでいる。LVDT(Linear variable differential transducer)測定システム38が錘32と連動して置かれ、限界の液体容量がテストサンプルで吸収するためにサンプルホルダーの中に注がれる。Lucas Schaevitz Type 2000 HPA LVDT systemが使用され、ソフトはLucas Schaevitz System 96が使用された。このソフトはLVDT測定のためだけのソフトであるので、追加のソフトがバランス部34からの値と時間を読み出すソフトを追加した。
【0038】
図4に示すように、錘32には、ステンレス・スチールのチューブ40と、ステンレス・スチールのスクリーン42、チューブとスクリーン内のステンレス・スチールのスロット44、とが含まれる。テストサンプルに送られる液体は、スチール・スロットを通って注がれ、スクリーン42を通ってサンプル・ホルダー36内に入れられる。
【0039】
LVDT(Linear variable differential transducer)システムを走らせるコンピュータ・ソフトが起動された。LVDTシステムは目盛り合わせが行われており、テスト用のコンピュータ・プログラムがスタートした。2秒おきに300個のデータが採られた。ある一つのデータ・セットは、100秒に最も近い時間と、100グラムに最も近い重さと、100インチに最も近いLVDTの値、とで構成されている。サンプルホルダーと0.16psi透過性の錘はキャンセルされて、ホルダーがバランス部上に置かれ、錘が所定の位置に置かれた。LVDTロッドが錘の上におかれ、LVDTがゼロにされた。
【0040】
LVDTと錘が取り除かれ、重さが測られ、サンプルがホルダー内に置かれた(幼児の側を上にして)。錘とLVDTが再び置かれて、コンピュータプログラムがサンプルの厚みを計算した。コンピュータ・プログラムはサンプルの重さとサンプル重量に対する強化吸水材の小片の割合(SAP)を質問した。この情報は、この情報はサンプル中のSAPとパルプによって全容量を決定するために使用された。SAPに1.5の濃度、パルプに1.7がプログラムによって使われた。コンピュータはサンプルが乾燥状態のときのサンプルの容量を計算する(もしこの値がパッドを作るために正しくない場合には、自由空間を再入力することができる)。
【0041】
サンプルテスターの周りにエアーシールドが置かれ、バランス部はゼロに設定される(釣り合いを取る)。水の中に1%の塩化クロライドが入ったテスト溶液15mlが準備され、目盛り付シリンダーに入れられた。コンピュータはその後、起動されて、データを取り始めた。そして溶液が加えられる前に2組のデータポイントを得た。これらの2つのデータセットは、乾燥した状態で最初のサンプルの容量を計算するために用いられる。15mlの液体が素早く錘に注がれ、錘の底にあるスクリーンを通ってサンプル中へ吸収された。コンピュータが300組のデータを採ってから、コンピュータは時間関数に従い、例えば乾燥した自由空間(サンプル中の空気の量)、サンプルの容量と質量等の所望のデータを発生させる。サンプルの部分的な容量は、乾燥した状態のサンプルの容量を求め、そこから自由空間を引き、そして加えた液体の容量を加えて計算される。
【0042】
Volume parts=(Vd−Vf)+L/1.01
Vd=乾燥状態のサンプルの容量
Vf=空気が入った空の容量
L=液体の重さ
1.01=1%食塩水の濃度
【0043】
サンプルの容量と部分的な容量は、60秒、600秒で記録された。
【0044】
LVDTシステムとバランス部からの情報wp読むコンピュータ・プログラムが、乾燥状態のサンプルの自由空間を計算し、コンピュータファイルに最初の記録として記録する。その計算は、3種類の情報に基づき行われる。すなわちサンプル重量、強化吸水材のサンプル重量に対する比率、そしてサンプルの厚さである。サンプルは全て直径2インチと仮定される。次の方程式でどのように計算がされたかが判る。
【0045】
As=(2・2.52.2)2・π=10.168cm
Vs=As・Ts
FVs=Vs−Vsap−Vpulp
Vsap=Msap/ρsap
Vpulp=Mpulp/ρpulp
Msap=R・W   Mpulp=(1−R)・W
【0046】
記号説明
Vs=サンプルの容量 (cm
As=サンプルの広さ (cm
FVs=サンプルの自由空間 (cm
VSAP=サンプルのSAP容量 (cm
Vpulp=サンプルのパルプ容量 (cm
ρSAP=SAPの濃度 (g/(cm
ρpulp= パルプの濃度 (g/(cm
W=サンプルの容量 (g)
R=サンプルに対するSAPの比率 Weight (g/g)
Ts=サンプルの厚み(cm)
【0047】
次が完全な方程式である。1.5g/ccが強化吸水材の濃度として使用され、1.7g/ccがパルプの濃度として使用された。
FVs=20.268・Ts−[R・W/ρsap]−[(1−R)・W/ρpulp]
【0048】
下記の表1と表2は、上述の加圧吸水限界容量プロトコールを既知の吸水性構造を使用して行った時に得られたデータを表している。その吸水性構造は、IBM3900TMの強化吸水材の小片から成る吸水性構造と、Hoechst−ClelaneseのS−347と言われる、IM4000TMと同じ性能特性を有するSC−SAP小片から成る本発明を利用した層構造である。夫々のテストサンプルでは、強化吸水材の木材パルプ繊維に対する比率は35:65であった。それそれのサンプルは主に木材パルプ繊維で基礎重量150g/m2の上部層と下部層を有する3層構造であり、結果としての構造は、夫々ほぼ連続する面に重量比率で70%以上の強化吸水材の小片で出来た一層を有している。夫々のテストサンプルは厚さ毎にデータとして記録されている。各カラム毎に、サンプル容量(vol)と重量(wt)を、液体注入後60秒および600秒毎に示している。60秒/全サンプル容量に対する自由空間%、つまり空気%をカラムに示し、このようにしてテストサンプルの自由空間を示している。
【0049】
SCLと呼ばれるテストサンプルは本発明に係る吸水性用品の吸水構造16を有した目的領域20を持つ代表的構造である。吸水構造の他の部分には、より少ない強化吸水材と、より少ない木材パルプ繊維(バイアス重量で)が含まれているが、本発明の実施により、吸水性用品の少なくとも目的領域では、テスト結果では、600秒後の空き自由空間が少なくとも15%、さらに好ましくは20%を示している。また600秒後では、自由空間の増加は少なくとも20%となっており、良好な結果となっている。
【0050】
【表1】
Figure 2004500490
【0051】
【表2】
Figure 2004500490
【0052】
注:自由空間がマイナスになっているのは、テスト溶液が未だテストサンプルに十分吸収されていないためであり、実際の自由空間は0%である。
表3と表4は、それぞれ表1と 表2の実験が繰り返された時に得られたデータを示す。
【0053】
【表3】
Figure 2004500490
【0054】
【表4】
Figure 2004500490
【0055】
図5は表2のTest No.1で得られたデータの写真である。
図6は表1のTest No.5で得られたデータの写真である。
【0056】
上記データによると、サンプル内の自由空間は、層構造でIM3900強化吸水性小片が使用されたときよりも、SCL強化吸水小片が使用されたときの方が、はるかに多いことを示している。サンプル量は自由空間を含むサンプルの全量に関連する。パーツ量は吸水性合成材のパーツ量に関連し、それは木材パルプ繊維、SAPそして液体を含む。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸水性合成材の断面図である。
【図2】本発明による使い捨て吸水性オムツの一部切取り部分を含む、概観図である。(A)は、図2に示すオムツの要部領域21’の垂直断面図である。
【図3】FVAUL方法に用いられる装置の実施例の図である。
【図4】FVAUL方法に用いられる錘の拡大図である。
【図5】FVAULテストのデータを示すグラフであり、テーブル2のテスト1によりそれぞれ得られたデータを示している
【図6】FVAULテストのデータを示すグラフであり、テーブル1のテスト5によりそれぞれ得られたデータを示している。
【図7】本発明の特定の実施例に係る吸水性合成材の拡大写真である。
【図8】本発明の特定の実施例に係る吸水性合成材の拡大写真である。
【図9】従来の吸水性合成材の拡大写真である。

Claims (20)

  1. 液体を吸収してもゲル・ブロッキングを起こさずに、高い液体吸水能力を有した吸水性合成材であって、当該吸水性合成材は吸水性繊維とSC−SAPで構成され、SC−SAPが重量比で吸水性繊維とSC−SAPの合計重量に対して約70%から約95%を占め、かつSC−SAPがほほ連続面を形成し、さらに当該吸水性合成材の600秒でのFVAUL自由空間が少なくとも15%であることを特徴とする吸水性合成材。
  2. 前記吸水性繊維が重量比で吸水性繊維とSC−SAPの合計重量に対して少なくとも5%を占めることを特徴とする請求項1記載の吸水性合成材。
  3. 前記吸水性繊維が木材パルプ繊維、溶融膨張合成繊維、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の吸水性合成材。
  4. 前記600秒でのFVAUL自由空間が約20%から約40%であることを特徴とする請求項1記載の吸水性合成材。
  5. 前記600秒でのFVAUL自由空間が約25%から約30%であることを特徴とする請求項1記載の吸水性合成材。
  6. 前記SC−SAPが重量比で吸水性繊維とSC−SAPの合計重量に対して約80%から約95%を占めることを特徴とする請求項5記載の吸水性合成材。
  7. 使い捨て吸水性用品において:
    液体浸透性上面シートと;
    液体非浸透性下面シートと;
    当該上面シートと下面シートの中間に位置する吸水性パネル構造であって、当該吸水性構造は木材パルプ繊維とSC―SAPから成る2面吸水性マトリックスで構成されており、当該SC−SAPは当該吸水性パネルの内部でほぼ連続する面を形成し、当該木材パルプ繊維は表面が変形したSAPの小片の間隙に散在しており、当該吸水性パネルが600秒で少なくとも15%のFVAUL自由空間を有することを特徴とする使い捨て吸水性用品。
  8. 前記吸水性パネルはさらに、SC−SAPと吸水性繊維から成る第1の層で構成され、当該SAPが前記強化吸水性マトリックスの中で当該第1の層のZ方向に不規則に散在していることを特徴とする請求項7記載の使い捨て吸水性用品。
  9. 前記吸水性パネルはさらに、第2の層を有し、当該第2の層は前記第1の層の近傍でかつ当該吸水性パネルのZ方向に配置され、主として木材パルプ繊維で構成されていることを特徴とする請求項8記載の使い捨て吸水性用品。
  10. 前記SC−SAPが重量比で吸水性繊維とSC−SAPの合計重量に対して少なくとも70%を占めることを特徴とする請求項7記載の使い捨て吸水性用品。
  11. 前記600秒でのFVAUL自由空間が約20%から約30%であることを特徴とする請求項7記載の使い捨て吸水性用品。
  12. 使い捨て吸水性用品において:
    液体浸透性上面シートと;
    液体非浸透性下面シートと;
    当該上面シートと下面シートの中間に位置する吸水性パネル構造であって、当該吸水性構造は繊維と表面交差結合重合体の強化吸水材から成る2面吸水性マトリックスで構成されており、当該吸水性パネルのZ方向の少なくとも一つの層において、当該強化吸水材がマトリックスのほぼ連続面で構成され、当該連続面の中では、当該強化吸水材の十分多量の小片が相互に接触して、毛管網を形成して、当該パネル構造内で液体を移動させ、当該吸水性構造の目的領域が600秒でのFVAUL自由空間が約20%から約30%であることを特徴とする使い捨て吸水性用品。
  13. 前記繊維が木材パルプ繊維であることを特徴とする請求項12記載の使い捨て吸水性用品。
  14. 使い捨て吸水体に用いる吸水性構造の製造方法において:
    木材パルプ繊維の層を設け;
    当該木材パルプ層の上に表面交差結合の強化吸水材の層を配置し;
    当該強化吸水材の層の上に、さらに木材パルプ繊維のもう一つの層を設け;
    当該層が2面の吸水マトリックスを形成するステップから構成され、当該強化吸水材が当該マトリックスのほほ連続する面で構成され、かつ当該強化吸水材の層がマトリックスのほぼ連続面で構成され、当該吸水マトリックスの目的領域が600秒で約15%から約30%の自由空間を示すことを特徴とする吸水構造の製造方法。
  15. SAPで構成される吸水性合成材の自由空間を測定する装置において:
    当該合成材のサンプルを受け入れるための上部が開放されたホルダーと;
    底表面にスクリーンを具備し、他の一つの表面にはスロットを具備する錘であって、当該錘の外径は当該ホルダーの内径と略同一であり、これにより当該錘がサンプル上に載置される錘と;
    当該錘の底表面に対して垂直方向に錘が自由移動でき、当該スロットと錘の底表面に具備された当該スクリーンを通りホルダー内のサンプル上に注がれた液体を吸収することで生じた、吸水性のサンプルの膨張を受け入れて、当該錘を所定の位置に保持する手段と;
    サンプルに機能的に接続され、当該サンプルの容量を計測する手段と;
    当該ホルダーを載置して、かつサンプルの重量を計測するバランス手段;
    とから構成されたことを特徴とするSAPで構成される吸水性合成材の自由空間を測定する装置。
  16. 前記容量を計測する手段がLVDT機器であることを特徴とする請求項15記載の装置。
  17. 前記錘を所定の位置に保持する手段が前記LVDT装置をサンプルに機能的に接続する複数のロッドであることを特徴とする請求項16記載の装置。
  18. 前記バランス手段とLVDT装置は機能的にコンピュータと接続し、当該コンピュータは容量と重量を受信してFVAUL自由空間を計算し、かつFVAUL自由空間値を表示することを特徴とする請求項17記載の装置。
  19. SAP材から成る吸水材の自由空間を計算する方法において、
    上部が開いているホルダーを設け;
    当該吸水性合成材のサンプルを切り取り、サンプルがホルダーの断面とサンプルの断面が合うようにし、サンプルの容量をホルダーの内部容量と同じかそれ以下に切り;
    当該サンプルをホルダーに入れ;
    錘であって、底表面には多孔性のスクリーンと他の表面にはスロットを持ち、当該スロットはスクリーンとの間で液体の通過が可能であり、当該錘をサンプルの上に置いて;
    液体を当該スロットから流し入れ、スクリーン経由でホルダーへ導き、サンプルに液体を吸水させてサンプルの容量を増加させ、そして錘を動かし;
    容量測定手段でサンプルの容量を測定し;
    重量測定手段でサンプルの重量を測定し;
    コンピュータへ測定した容量と重量を送り;
    サンプル内の自由空間を次の計算式で計算し;
    FVS=VS−R*w/ρSAPM−(1−R)*W/ρPULP
    ここでFVSはサンプル内の自由空間、VSはサンプルの容量、Rはサンプルの重量に対するSAPの重量比、ρpulpはpulpの濃度、Wはサンプルの重量で、当該R、ρSAPと、ρpulpがコンピュータに入力すべき数値、
    上記各ステップで構成されたことを特徴とするSAP材から成る吸水材の自由空間を計算する方法。
  20. 木材パルプ繊維材の中に散在されたSAP材から成る吸水材の自由空間を計算する方法において、サンプルの重量に対するSAPの重量比がR、SAPの濃度がρSAP、pulpの濃度がρpulp、である場合、当該方法が;
    上部が開いているホルダーを設け;
    当該吸水性合成材のサンプルを切り取り、サンプルがホルダーの断面とサンプルの断面が合うようにし、サンプルの容量をホルダーの内部容量と同じかそれ以下に切り;
    当該サンプルをホルダーに入れ;
    錘であって、底表面には多孔性のスクリーンと他の表面にはスロットを持ち、当該スロットはスクリーンとの間で液体の通過が可能であり、当該錘をサンプルの上に置いて;
    液体を当該スロットから流し入れ、スクリーン経由でホルダーへ導き、サンプルに液体を吸水させてサンプルの容量を増加させ、そして錘を動かし;
    容量測定手段でサンプルの容量を測定し;
    重量測定手段でサンプルの重量を測定し;
    コンピュータへ測定した容量と重量、そしてSAPの比率、そして濃度値を送り;
    サンプル内の自由空間を次の計算式で計算し;
    FVS=VS−R*w/ρSAPM−(1−R)*W/ρPULP
    ここでFVSはサンプル内の自由空間、VSはサンプルの容量、Rはサンプルの重量に対するSAPの重量比、ρSAP はSAPの濃度、ρpulpはpulpの濃度、Wはサンプルの重量、
    上記各ステップで構成されたことを特徴とするSAP材から成る吸水材の自由空間を計算する方法。
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