JP2004500100A - 新規化合物 - Google Patents

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Abstract

表Iに示す遺伝子のポリペプチドおよびポリヌクレオチドならびに組み換え補によるかかるポリペプチドの製造方法を開示する。表Iに示す遺伝子のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの診断における使用方法も開示する。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、新たに同定されたポリペプチドおよびかかるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、診断におけるそれらの使用、および治療において潜在的に有用であるアゴニスト、アンタゴニストである可能性のある化合物の同定におけるそれらの使用、ならびにかかるポリペプチドおよびポリヌクレオチドの製造に関する。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、それらを細胞外分泌型あるいは膜結合型(以下、まとめて分泌蛋白または分泌ポリペプチドという)とするシグナル配列を伴う蛋白にも関する。
【0002】
発明の背景
現在、薬剤発見プロセスは、「機能的ゲノム学」、すなわち高処理量のゲノムまたは遺伝子に基づく生物学を用いるような改革を受けているところである。治療標的としての遺伝子および遺伝子産物を同定するための手段としてのこのアプローチは、「位置的クローニング」に基づく従来のアプローチに急速に取って代わろうとしている。生物学的機能または遺伝学的疾病である表現型が同定され、このことにより遺伝学的マップに基づいて原因遺伝子が探索されるであろう。
機能的遺伝学は、高処理量DNA配列決定法ならびに現在利用可能な多くの分子生物学的データベースから目的遺伝子配列を同定するためのバイオインフォマチックスの種々のツールに大いに依存している。薬剤発見の標的としてのさらなる遺伝子およびそれらに関連するポリペプチドを同定することが引き続き必要とされている。
性質上、血液、リンパ液および他の体液中に分泌され、あるいは細胞膜中に分泌される蛋白およびポリペプチドは薬学的研究および開発の主な興味対象である。この興味は、それらの作用場所(体液または細胞膜)中に蛋白性治療薬を標的化しやすいことによる。細胞外空間中への蛋白分泌の本来の経路は、真核細胞の小胞体および原核細胞の内膜である(Palade, 1975, Science, 189, 347; Milstein, Brownlee, Harrison, and Mathews, 1972, Nature New Biol., 239, 117; Blobel, および Dobberstein, 1975, J. Cell. Biol., 67, 835)。一方、細胞外部から細胞質中に蛋白を輸送する天然の経路は知られていない(ヘビ毒が細胞中に侵入する飲作用は例外)。それゆえ、細胞中に蛋白を標的化する療法は極めて困難である。
【0003】
分泌蛋白および膜結合蛋白は、すべてのペプチドホルモンおよびそれらの受容体(インスリン、成長ホルモン、ケモカイン、サイトカイン、ニューロペプチド、インテグリン、カリクレイン、ラミン、メラニン、利尿ホルモン、ニューロプシン、ニューロトロピン、下垂体ホルモン、プレイオトロピン、プロスタグランジン、セクレトグラニン、セクレチン、スロンボグロブリン、チモシンを包含するが、これらに限らない)、乳癌および大腸癌遺伝子産物、レプチン、イマン遺伝子蛋白およびその受容体、血清アルブミン、スーパーオキシドジスムターゼ、スプライセオソーム蛋白、G蛋白結合受容体とも呼ばれる7TM(膜貫通)蛋白、免疫グロブリン、セリンプロテアーゼのいくつかのファミリー(血液凝固カスケードの蛋白、消化酵素を包含するが、これらに限らない)、デオキシリボヌクレアーゼI等を包含するが、これらに限らない。
【0004】
FDAまたは外国の省庁により承認された分泌蛋白または膜結合蛋白に基づく治療薬は、インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、コリオゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、カルシトニン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、バソプレッシン、インターロイキン、インターフェロン、免疫グロブリン、ラクトフェリン(いくつかの会社により市販されている広範な製品)、組織型プラスミノゲンアクチベーター(GenentechによるAlteplase)、ヒアルロニダーゼ(Wyeth−AyerstによるWydase)、ドルナーゼアルファ(GenentechによるPulmozyme)、キモジアクチン(Knollによるキモパパイン)、アルグルセラーゼ(GenzymeによるCeredase)、ストレプトキナーゼ(PharmaciaによるKabikinase)(AstraによるStreptase)等を包含するが、これらに限らない。このことは、分泌蛋白および膜結合蛋白が治療薬として確立され、証明された歴史を有することを示す。糖尿病、乳癌、前立腺癌、大腸癌および他の悪性腫瘍、高血圧および低血圧、肥満、貪食、拒食症、成長異常、喘息、そううつ病、痴呆、せん妄、精神薄弱、ハンチントン病、Tourette症候群、分裂病、成長、精神または性的発達障害、および卒中を誘発する機能不全を包含する血液カスケード系の機能不全を包含する(これらに限らない)機能不全または疾病の防止、改善または修正において役割を果たしうるさらなる分泌蛋白および膜結合蛋白の同定および特徴付けに対する必要性が明らかに存在する。シグナル配列を含む本発明の蛋白は、現在完全には理解されていない蛋白輸送機構のさらなる研究にも有用であり、かくして、研究ツールとして有用である。
【0005】
発明の概要
本発明は、表Iに示す遺伝子の特定のポリペプチドおよびポリヌクレオチドに関し、組み換え物質およびそれらの製造方法を包含する。かかるポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、表IIIおよびVに示す疾病(これらに限らない)(以下、「本発明の疾病」という)を包含するある種の疾病の治療方法に関連して興味深いものである。さらなる態様において、本発明は、本発明により提供される材料を用いるアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば阻害剤)の同定方法、ならびに同定された化合物を用いる表I記載の遺伝子のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドのバランス不良に関連した症状の治療方法に関する。さらにもう1つの態様において、本発明は、表Iに示す遺伝子の不適当な活性またはレベルに関連した疾病を検出するための診断アッセイに関する。本発明の別の態様は、配列表に示すヌクレオチド配列のいずれかを含むポリヌクレオチドならびに該ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを含むポリペプチドに関する。もう1つの態様において、本発明は、配列表に示すポリペプチド配列のいずれかを含むポリペプチドならびに組み換え材料およびそれらの製造方法に関する。本発明の別の態様はかかるポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関する。かかる使用は、本発明の遺伝子の異常な発現、産生、機能および/または代謝により引き起こされる疾病、異常および障害の治療を包含し、かかる疾病は、各添付配列に関して開示された他の蛋白に対する相同性から当業者により明らかである。さらに別の態様において、本発明は、本発明により提供される材料を用いるアゴニストおよびアンタゴニストの同定方法、ならびに同定された化合物のバランス不良に関連する症状の治療方法に関する。本発明のさらにもう1つの態様は、本発明の分泌蛋白の不適当な活性またはレベルに関連した疾病を検出するための診断アッセイに関する。
【0006】
発明の説明
第1の態様において、本発明は表Iに示す遺伝子のポリペプチドに関する。かかるポリペプチドは下記のものを包含する:
(a)配列表に示す配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる単離ポリペプチド、ここに配列表のポリヌクレオチドまたはポリペプチドという場合には、配列表において言及された配列表についてもいう;
(b)配列表に示すポリペプチド配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するポリペプチド配列を含む単離ポリペプチド;
(c)配列表に示すポリペプチド配列を含む単離ポリペプチド;
(d)配列表に示すポリペプチド配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する単離ポリペプチド;
(e)配列表に示すポリペプチド配列;
(f)配列表に示すポリペプチド配列と比較して0.95、0.96、0.97、0.98または0.99の同一性指数を有するポリペプチド配列を有するあるいは含む単離ポリペプチド;
(g)(a)から(f)までにおけるかかるポリペプチドのフラグメントまたは変種。
【0007】
本発明のポリペプチドは表IIに示す遺伝子ファミリーのメンバーであると考えられる。それゆえ、それらは、表IIIおよびVに示す理由で、治療および診断的興味のあるものである。表Iに示す遺伝子のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの生物学的特性を、以下において、表Iに示す遺伝子のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの「生物学的活性」という。好ましくは、本発明のポリペプチドは、表Iに示す遺伝子の少なくとも1の生物学的活性を示す。
【0008】
本発明のポリペプチドは、すべてのアリール形態およびスプライス変種を含めて、上記ポリペプチドの変種をも包含する。かかるポリペプチドは、保存的であっても非保存的であってもよい、あるいはそれらの組み合わせであってもよい挿入、欠失および置換によりリファレンスポリペプチドとは異なっている。特に好ましい変種は、例えば50ないし30個、30ないし20個、20ないし10個、10ないし5個、5ないし3個、3ないし2個、2ないし1個あるいは1個のアミノ酸がいずれかの組み合わせで挿入、置換または欠失されているものである。
【0009】
本発明のポリペプチドの好ましいフラグメントは、配列表に示すアミノ酸配列由来の少なくとも30、50または100個の連続したアミノ酸を有するアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、あるいは配列表に示すアミノ酸配列から少なくとも30、50または100個の連続したアミノ酸が末端切断されあるいは欠失されているアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドである。好ましいフラグメントは、表Iに示す遺伝子のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの生物学的活性を媒介する生物学的に活性のあるフラグメントであり、類似の活性または改良された活性を有するもの、あるいは望ましくない活性を減じられたものも含まれる。動物、特にヒトにおいて抗原性または免疫原性であるフラグメントも好ましい。
【0010】
本発明のポリペプチドのフラグメントを、ペプチド合成による対応完全長ポリペプチドの製造に使用してもよく、それゆえ、これらの変種を本発明の完全長ポリペプチドの製造のための中間体として用いてもよい。本発明のポリペプチドは「成熟」蛋白の形態であってもよく、あるいは前駆体または融合蛋白のごときより大きな蛋白の一部分であってもよい。分泌またはリーダー配列、プロ配列、精製を促進する配列、例えば複数ヒスチジン残基、あるいは組み換え製造中における安定性のための付加的配列を含む、付加的アミノ酸配列を含むことがしばしば有利である。
【0011】
いずれかの適当な方法で、例えば、天然に存在するソースからの単離により、発現系を含む遺伝子操作された宿主細胞から(上記参照)、あるいは化学合成により、例えば自動ペプチド合成装置を用いて、あるいはかかる方法を組み合わせて、本発明のポリペプチドを製造することができる。かかるポリペプチドの製造手段は当該分野においてよく知られている。
【0012】
さらなる態様において、本発明は表Iに示す遺伝子のポリヌクレオチドに関する。かかるポリヌクレオチドは下記のものを包含する:
(a)配列表に示すポリヌクレオチド配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
(b)配列表に示すポリヌクレオチドを含む単離ポリヌクレオチド;
(c)配列表に示すポリヌクレオチドに対して少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する単離ポリヌクレオチド;
(d)配列表に示す単離ポリヌクレオチド;
(e)配列表に示すポリペプチド配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
(f)配列表に示すポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
(g)配列表に示すポリペプチド配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する単離ポリヌクレオチド;
(h)配列表に示すポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド;
(i)配列表に示すポリヌクレオチド配列と比較して0.95、0.96、0.97、0.98または0.99の同一性指数を有するポリヌクレオチド配列を有するあるいは含む単離ポリヌクレオチド;
(j)配列表に示すポリペプチド配列と比較して0.95、0.96、0.97、0.98または0.99の同一性指数を有するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を有するあるいは含む単離ポリヌクレオチド、ならびに上記ポリヌクレオチドのフラグメントおよび変種であるポリヌクレオチド、あるいは上記ポリヌクレオチドに対しその全長にわたって相補的なポリヌクレオチド。
【0013】
本発明のポリヌクレオチドの好ましいフラグメントは、配列表に示す配列由来の少なくとも15、30、50または100個の連続したヌクレオチドを有するヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド、あるいは配列表に示す配列から少なくとも30、50または100個の連続したヌクレオチドが末端切断または欠失された配列を含む単離ポリヌクレオチドを包含する。
【0014】
本発明のポリヌクレオチドの好ましい変種は、スプライス変種、アリール変種、および多型を包含し、1個またはそれ以上のヌクレオチド多型(SNPs)を有するポリヌクレオチドを含む。
【0015】
本発明のポリヌクレオチドは、配列表に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド変種をコードするポリヌクレオチドをも包含し、該ポリペプチドにおいて、例えば50ないし30個、30ないし20個、20ないし10個、10ないし5個、5ないし3個、3ないし2個、2ないし1個,または1個のアミノ酸残基がいずいれかの組み合わせで置換、欠失または付加されている。
【0016】
さらなる態様において、本発明は、本発明のDNA配列にRNA転写物であるポリヌクレオチドを提供する。したがって、下記RNAが提供される:
(a)配列表に示すポリペプチドをコードするDNA配列のRNA転写物を含むRNA;
(b)配列表に示すポリペプチドをコードするDNA配列のRNA転写物であるRNA;
(c)配列表に示すDNA配列のRNA転写物を含むRNA;あるいは
(d)配列表に示すDNA配列のRNA転写物であるRNA;
ならびにそれらに対して相補的なRNAポリヌクレオチド。
【0017】
配列表に示すポリヌクレオチド配列は表IIに示すポリヌクレオチド配列に対して相同性を示す。配列表に示すポリヌクレオチド配列は配列表に示すポリペプチドをコードするcDNA配列である。配列表に示すポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は配列表に示すポリペプチドをコードする配列と同じであってもよく、あるいはそれは、遺伝学的コードの縮重(縮退)の結果であり、やはり配列表に示すポリペプチドをコードしている、配列表に示す配列以外の配列であってもよい。配列表に示す配列のポリペプチドは表IIに示す遺伝子ファミリーの他の蛋白に関連したものであり、表IIに示すポリペプチドに対して相同性および/または構造類似性を有する。本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、とりわけ、それらの相同ポリペプチドおよびポリヌクレオチドと類似の生物学的機能/特性を有すると考えられる。さらにそのうえ、本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌクレオチドは表Iに示す遺伝子の少なくとも1の活性を有する。
【0018】
標準的なクローニングおよびスクリーニング方法を用いて、表IVに示す組織から得られたmRNAに由来するcDNAライブラリーから本発明のポリヌクレオチドを得てもよい(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)参照)。本発明のポリヌクレオチドをゲノムDNAライブラリーのごとき天然ソースから得ることもでき、あるいはよく知られ、商業的に利用可能な方法を用いて合成することもできる。
【0019】
本発明のポリヌクレオチドを用いて本発明のポリペプチドを組み換え法により製造する場合、ポリヌクレオチドは成熟ポリペプチド自体のコーディング配列、あるいはリーダーまたは分泌配列、プレ−、プロ−またはプレプロ−蛋白配列、または他の融合ペプチド部分をコードする配列のごとき他のコーディング配列を伴った読み取り枠中の成熟ポリペプチドのコーディング配列を含んでいてもよい。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコードされていてもよい。本発明のある好ましい具体例において、マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen, Inc.)中に提供され、Gentz et al., Proc Natl Acad Sci USA (1989) 86:821−824に記載されたようなヘキサ−ヒスチジンペプチドであり、あるいはHAタグである。ポリヌクレオチドは、転写配列、非転写配列、スプライシングおよびポリアデニル化シグナル、リボソーム結合部位ならびにmRNAを安定化させる配列のごとき非コーディング5’および3’配列を含んでいてもよい。
【0020】
配列表に示すポリヌクレオチド配列と同一または十分な同一性を有するポリヌクレオチドをcDNAおよびゲノムDNA用のハイブリダイゼーションプローブとして、あるいは核酸増幅反応(例えばPCR)用プライマーとして使用してもよい。かかるプローブおよびプライマーを用いて完全長cDNAおよび少なくとも95%の同一性でもって配列表に示す配列に対して高い配列類似性を有する他の遺伝子(ヒト起源のパラログならびにヒト以外の種由来のオーソログおよびパラログをコードする遺伝子)のゲノムクローンを単離してもよい。好ましいプローブおよびプライマーは、一般的には少なくとも15個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも30個のヌクレオチドを含むであろうし、少なくとも100個のヌクレオチドではないとしても少なくとも50個のヌクレオチドを有していてもよい。特に好ましいプローブは30ないし50個のヌクレオチドを含むであろう。特に好ましいプライマーは20ないし25個のヌクレオチドを有するであろう。
【0021】
ヒト以外の種由来のホモログを包含する本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、配列表に示す配列またはそのフラグメントを有する、好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドの標識プローブを用いるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でライブラリーをスクリーニングし、ついで、配列表に示すポリヌクレオチド配列を含む完全長cDNAおよびゲノムクローンを単離する工程を含む方法により得てもよい。かかるハイブリダイゼーション法は当業者によく知られている。好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50%ホルムアミド、5xSSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xDenhart’s溶液、10%硫酸デキストラン、および20マイクログラム/mlの変性されせん断されたサケ精子DNAを含む溶液中42℃でインキュベーションし、ついで、約65℃において0.1xSSCでフィルターを洗浄することを包含する。かくして、本発明は、配列表に示す配列またはそのフラグメントの配列を有し、好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドである標識プローブを用いるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でスクリーニングを行なうことにより得られる、好ましくは少なくとも100種のヌクレオチド配列をも包含する。
【0022】
当業者は、多くの場合において、ポリペプチドをコードする領域が5’末端まで完全に伸長していないという点で、単離cDNA配列が不完全であることを理解するであろう。このことは、本質的に低い「プロセッシビティー」(ポリマー化反応中に鋳型に結合したままである酵素の能力の尺度)を有する酵素である逆転写酵素によるものであり、第1鎖cDNA合成中にmRNA鋳型のDNAコピーを完全に取れなくなる。
【0023】
完全長cDNAを得るための、あるいは短いcDNAを伸長させるための、例えば、cDNAのRapid Amplification(RACE)法に基づく方法のごとき、利用可能で当業者によく知られたいくつかの方法がある(例えばFrohman et al., Proc Nat Acad Sci USA 85, 8998−9002, 1988参照)。例えば、Marathon(商標)法(Clontech Laboratories Inc.)に例示されるような最近の方法のモディフィケーションはより長いcDNAの検索を有意に単純化した。Marathon(商標)法において、cDNAは選択された組織から抽出されたmRNAから調製され、「アダプター」配列が各末端に連結される。ついで、遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーおよびアダプター特異的オリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせを用いて核酸増幅(PCR)を行なって、cDNAの「消失している」5’末端の増幅を行なう。ついで、「入れ子」プライマー、すなわち増幅生成物中にアニーリングするように設計されたプライマー(典型的には、アダプター配列の3’側にアニーリングするアダプター特異的プライマーおよび既知遺伝子配列の5’側にアニーリングする遺伝子特異的プライマー)を用いてPCR反応を繰り返す。ついで、この反応の生成物をDNA配列決定により分析し、存在するcDNAに生成物を直接結合させること、あるいは5’プライマーの設計のための新たな配列の情報を用いて別個の完全長PCRを行なうことのいずれかにより完全配列を得ることができる。
【0024】
当該分野においてよく知られた方法により、発現系を含む遺伝子操作された宿主細胞から本発明の組み換えポリペプチドを得てもよい。したがって、さらなる態様において、本発明は、ポリヌクレオチドまたは本発明のポリヌクレオチドを含む発現系、かかる発現系を用いて遺伝子操作された宿主細胞ならびに組み換え方による本発明のポリペプチドの製造に関する。無細胞翻訳系を用い、本発明のDNA構築物に由来するRNAを用いてかかる蛋白を製造してもよい。
【0025】
組換え体を製造するために、宿主細胞を遺伝子操作して、発現系もしくはそれらの一部、または本発明のポリヌクレオチドを組み込むことができる。ポリヌクレオチドの宿主細胞への導入は、例えば、Davisら、Basic Methods in Molecular Biology(1986);Sambrookら、Molecular Cloning;A Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1989)のように、多くの標準的な実験マニュアルに記載される方法により行うことができ、例えばリン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション、マイクロインジェクション、陽イオン脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、トランスダクション、スクレープ負荷、バリスティック導入および感染等がある。
【0026】
適当な宿主の代表的なものには、細菌細胞、例えばストレプトコッカス属
(Streptococci)、スタフィロコッカス属(Staphylococci)、エンテロコッカス属(Enterococci)、イー・コリ(E.coli)、ストレプトミセス(Streptomyces)およびバチルス・ズブチリス(Bacillus subtiis)細胞;真菌細胞、例えば酵母細胞およびアスペルギルス属(Aspergillus)細胞;昆虫細胞、例えばドロソフィラS2(Drosophila S2)およびスポドプテラSf9(Spodoptera Sf9)細胞;動物細胞、例えばCHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、293およびボウズ(Bows)黒色腫細胞;ならびに植物細胞等がある。
【0027】
本発明のポリペプチドを製造するために非常に多くの発現系を使用できる。このようなベクターには、染色体、エピソームおよびウイルス由来のベクター、例えば細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エレメント由来、例えばバキュロウイルス、パポバウイルス、例えばSV40、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルス等のウイルス由来のベクター、ならびにそれらを組み合わせたものに由来するベクター、例えばプラスミドおよびバクテリオファージの遺伝学的エレメント由来のベクター、例えばコスミドおよびファージミド等がある。発現系の構築物は発現を制御および引き起こす調節領域を含有していてもよい。この点に関して、一般的には、宿主中にポリヌクレオチドを保持、伸長または発現するのに、および/またはポリペプチドを発現するのに適した任意の系またはベクターを発現に使用できる。周知のおよび通常的な種々の任意の技術により、適当なDNA配列を発現系に挿入してもよく、例えばSambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual(上述)に記載されている。翻訳蛋白を、小胞体内腔、ペリプラスミックスペースまたは細胞外環境へ分泌させるために、発現するポリペプチドに適当な分泌シグナルを組み込むことができる。これらのシグナルはポリペプチドに本来的なものであってもく、あるいは異種性のシグナルでもよい。
【0028】
本発明のポリペプチドをスクリーニングアッセイに使用するための発現させる場合、一般的には、ポリペプチドが細胞表面に産生されるのが好ましい。この場合において、スクリーニングアッセイに使用する前に細胞を集めてもよい。ポリペプチドが培地中に分泌される場合、培地を回収してポリペプチドを回収し精製することができる。細胞内に産生される場合、先ず、細胞を融解してからポリペプチドを回収しなければならない。
【0029】
本発明のポリペプチドは周知の方法により、組換え細胞培養物から回収および精製でき、その方法には、例えば硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィー等がある。高速液体クロマトグラフィーを精製に用いるのが最も好ましい。ポリペプチドが単離および/または精製中に変性した場合、再び活性なコンホーメーションにするために、蛋白再生のための周知の技法を用いることができる。
【0030】
関連遺伝子中の変異を検出することにより本発明のポリヌクレオチドを診断試薬として使用してもよい。変異形態の遺伝子の検出は、cDNAまたはゲノムDNA中の機能不全に関連している配列表に示されたポリヌクレオチドにより特徴づけられる。遺伝子の低発現、過剰発現または変化した発現位置もしくは発現時間から生じる疾病、疾病に対する感受性の診断に加えることのできる、あるいは決定することのできる診断ツールが提供されるであろう。当該分野において知られた種々の方法により、遺伝子中に変異を有する個体をDNAレベルで検出してもよい。
【0031】
診断用の核酸は、感染した個体の細胞および組織、例えば骨、血液、筋肉、軟骨および皮膚より得ることができる。ゲノムDNAを直接検出に使用してもよく、あるいは分析の前にPCRもしくはその他の増幅法を用いることにより酵素的に増幅できる。RNAまたはcDNAもまた同じ方法で用いることができる。増幅法を用いると、真核生物とりわけ哺乳動物、特にヒトに存在する原核生物株を、原核生物遺伝子の遺伝子型の分析により特徴づけすることができる。リファレンス配列の遺伝子型と比較した場合の増幅産物の大きさの変化により、欠失および挿入を検出できる。点突然変異は、増幅DNAを表Iに示す遺伝子の標識ヌクレオチド配列にハイブリダイズさせることにより同定できる。完全に対合した配列はRNアーゼ消化により、または融解温度の差により、誤対合二重らせんから区別できる。変性剤含有または不含ゲル中のDNAフラグメントの電気泳動の移動度の変化を検出することにより、または直接的なDNAの配列決定により、DNA配列の差を検出してもよい(例えばMeyersら、Science,230:1242(1985)参照)。また、特異的な位置での配列の変化を、ヌクレアーゼ保護アッセイ、例えばRNアーゼおよびS1保護または化学的切断法によって明らかにしてもよい(例えばCottonら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 85:4397−4401 (1985)参照)。
【0032】
表Iに示す遺伝子のポリヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含むオリゴヌクレオチドプローブのアレイを構築して、例えば遺伝学的変異に効果的なスクリーニングを行なうことができる。好ましくは、かかるアレイは高密度アレイまたは格子である。アレイ法はよく知られており、広い適用性を有し、遺伝子発現、遺伝学的連鎖、および遺伝学的多様性を包含する分子遺伝学における種々の疑問に答えることができる。例えば、M. Chee et al., Science, 274, 610−613 (1996)およびその中で引用された他の文献参照。
【0033】
異常に減少または増加したポリペプチドまたはmRNA発現レベルの検出を用いて、本発明の疾病に対する対象の感受性を診断または決定することもできる。ポリヌクレオチドの定量に関して当該分野でよく知られたいずれかの方法、例えば、核酸増幅、例、PCR、RT−PCR、RNase保護、ノーザンブロッティングおよび他のハイブリダイゼーション法のごとき方法を用いて減少または増加した発現をRNAレベルで測定することができる。宿主から得た試料中の本発明のポリペプチドのごとき蛋白のレベルを決定するために使用できるアッセイ法は当業者によく知られている。かかるアッセイ法はラジオイムノアッセイ、競争的結合アッセイ、ウェスタンブロット分析およびELISAアッセイを包含する。
【0034】
かくして、もう1つの態様において本発明は、下記のものを含むキットに関する:
(a)本発明のポリヌクレオチド、好ましくは配列表に示すヌクレオチド配列、またはそのフラグメントもしくはRNA転写物;
(b)(a)のヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列;
(c)本発明のポリペプチド、好ましくは配列表に示すポリペプチドまたはそのフラグメント;または
(d)本発明のポリペプチドに対する抗体、好ましくは配列表に示すポリペプチドに対する抗体。
【0035】
かかるキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な成分を含んでいてもよいことが理解されよう。かかるキットは疾病の診断または疾病、詳細にはとりわけ本発明の疾病に対する感受性の診断に有用であろう。
【0036】
本発明のポリヌクレオチド配列は染色体位置の研究に価値がある。配列表に示す配列は個々のヒト染色体上の特定位置に特異的に標的化され、ハイブリダイゼーションすることができる。本発明の配列の染色体へのマッピングは、それらの配列を疾病関連遺伝子と関連づける重要な最初の工程である。配列が正確な染色体位置にマッピングされたならば、染色体上の配列の物理的位置を遺伝学的マップのデータと関連づけることができる。かかるデータは、例えばV. McKusick, Mendelian Inheritance in Man中に見出される(Johns Hopkins University Welch Medical Libraryを通じてオンラインで利用可能)。ついで、連鎖(物理的に隣接した遺伝子の同時遺伝)の分析により、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾病との間の関連性を同定する。ラジエーションハイブリッド(RH)マッピング (Walter, M. Spillett, D., Thomas, P., Weissenbach, J., and Goodfellow, P., (1994) A method for constructing radiation hybrid maps of whole genomes, Nature Genetics 7, 22−28)を用いてゲノム配列(遺伝子フラグメント等)の正確なヒト染色体位置を決定することができる。多くのRHパネルがResearch Genetics (Huntsville, AL, USA)から利用でき、例えば、GeneBridge4 RH パネル (Hum Mol Genet 1996 Mar;5(3):339−46 A radiation hybrid map of the human genome. Gyapay G, Schmitt K, Fizames C, Jones H, Vega−Czarny N, Spillett D, Muselet D, Prud’Homme JF, Dib C, Auffray C, Morissette J, Weissenbach J, Goodfellow PN)がある。このパネルを用いて染色体位置を決定するために、RH DNA上の目的遺伝子から設計されたプライマーを用いて93のPCRを行なう。これらの各DNAは、ハムスターバックグラウンド(ヒト/ハムスターハイブリッド細胞系)中に維持されたランダムなヒトゲノムフラグメントを含む。これらのPCRは、目的遺伝子のPCR生成物の存在または不存在を示す93のスコアを生じさせる。これらのスコアを、既知の位置ノゲノム配列からのPCR生成物を用いて得られたスコアと比較する。この比較はhttp://www.genome.wi.mit.edu/において行なわれる。
【0037】
本発明のポリヌクレオチド配列は組織発現研究用の価値あるツールでもある。かかる研究は本発明のポリヌクレオチドの発現パターンの決定を可能にし、それらをコードするmRNAを検出することによりコードされたポリペプチドの組織における発現パターンに関する情報を得ることができる。使用される手法は当該分野においてよく知られており、cDNAマイクロアレイハイブリダイゼーションのごとき格子上に配列されたクローンへのハイブリダイゼーション法(Schena et al, Science, 270, 467−470, 1995 および Shalon et al, Genome Res, 6, 639−645, 1996)およびPCRのごときヌクレオチド増幅法を包含する。好ましい方法はPerkin Elmerから入手可能なTAQMAN(商標)法を用いるものである。これらの研究の結果は生物中のポリペプチドの正常な機能に関する情報を提供しうる。さらに、mRNAの正常な発現パターンと別形態の同じ遺伝子(例えば、ポリペプチドコーディング能が変化した遺伝子あるいは調節的変異を有する遺伝子)によりコードされるmRNAの発現パターンとを比較研究することにより、本発明のポリペプチドの役割および疾病におけるその不適切な発現についての貴重な洞察を得ることができる。かかる不適切な発現は一時的、位置的または量的な性質のものであってもよい。
【0038】
本発明のさらなる態様は抗体に関するものである。本発明のポリペプチドまたはそれらのフラグメント、あるいはそれらを発現する細胞を免疫原として用いて、本発明のポリペプチドに対して免疫特異的な抗体を得ることができる。用語「免疫特異的」は、抗体が先行技術の他の関連ポリペプチドよりも本発明のポリペプチドに対して高いアフィニティーを有することを意味する。
【0039】
ポリペプチドまたはエピトープ担持フラグメント、あるいは細胞を常套的なプロトコルを用いて動物、好ましくは非ヒト動物に投与することにより、本発明のポリペプチドに対して生成する抗体を得ることができる。モノクローナル抗体の製造には、連続細胞系培養により得られる抗体を提供するいずれかの方法を用いることができる。例としては、Kohler,G. and Milstein,C.,Nature,256:495−497(1975);Kozbor et al.Immunology Today,4:72(1983);Cole et al.Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R Liss,Inc.,77−96頁(1985)に記載されるような種々の技法がある。
【0040】
米国特許第4946778号に記載されたような一本鎖抗体の産生のための技術は、本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生するのに適用できる。また、トランスジェニックマウスまたはその他の生物、例えばその他の哺乳動物を用いてヒト化抗体等の抗体を発現させてもよい。
【0041】
上記抗体を用いて、ポリペプチドを発現するクローンを単離または同定してもよく、あるいはアフィニティークロマトグラフィーによりポリペプチドを精製してもよい。本発明のポリペプチドに対する抗体を用いて、とりわけ本発明の疾病を治療してもよい。
【0042】
本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドをワクチンとして使用してもよい。したがって、本発明のさらなる態様は、疾病が個体においてすでに確立しているか否かにかかわらず、哺乳動物における免疫学的反応を誘導する方法に関し、該方法は、疾病から該哺乳動物を防御するための、抗体および/または例えばサイトカイン産生T細胞または細胞毒性T細胞を包含するT細胞免疫応答を生じさせるに十分な本発明のポリペプチドを個体に接種することを特徴とする。本発明のポリヌクレオチドの発現を指令するものであり本発明のポリペプチドをコードするものであるベクターにて本発明のポリペプチドをデリバリーして、かかる免疫学的応答を誘導し、本発明の疾病から哺乳動物を防御するための抗体を生じさせることにより、哺乳動物における免疫学的応答を誘導してもよい。ベクターを投与する1の方法は、粒子その他の上にコーティングして所望細胞中に加速導入することによる。かかる核酸ベクターはDNA、RNA、修飾核酸、またはDNA/RNAハイブリッドを包含しうる。ワクチンの使用には、通常、ポリペプチドまたは核酸ベクターをワクチン処方(組成物)として提供する。処方は適当な担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチドは胃で分解されうるので、それを非経口投与するのが好ましい(例えば、皮下、筋肉内、静脈内または皮内注射)。非経口投与に適した処方は、抗酸化剤、バッファー、静細菌剤および処方をレシピエントの血液と等張にする溶質を含んでいてもよい水性または非水性滅菌注射用溶液;ならびに懸濁剤または増粘剤を含んでいてもよい水性および非水性滅菌懸濁液を包含する。処方を1回分または多数回分の容器に入れて、例えば、密封アンプルおよびバイアルに入れて提供してもよく、使用直前に滅菌液体担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保存してもよい。ワクチン処方は処方の免疫原性を増強するためのアジュバント系、例えば水中油系および当該分野で知られた他の系を含んでいてもよい。用量は個々のワクチンの活性に依存するであろうし、常套的な実験により容易に変更できる。
【0043】
本発明のポリペプチドは、1またはそれ以上の疾病状態、詳細には上記の本発明の疾病において重要な1またはそれ以上の生物学的機能を有する。それゆえ、ポリペプチドの機能またはレベルを刺激または抑制する化合物を同定することは有用である。したがって、さらなる態様において、本発明は、ポリペプチドの機能またはレベルを刺激または抑制する化合物をスクリーニングする方法を提供する。かかる方法は、上記の本発明の疾病に関して治療および予防目的で使用されうるアゴニストまたはアンタゴニストを同定するものである。種々のソース、例えば、細胞、無細胞調合物、化学ライブラリー、化合物のコレクション、および天然産物の混合物から化合物を同定してもよい。そのようにして同定されたかかるアゴニストまたはアンタゴニストは、ペプチドである場合には天然または修飾された基質、リガンド、受容体、酵素等;それらの構造的または機能的模倣物(Coligan et al., Current Protocols in Immunology 1(2):Chapter 5 (1991)参照)あるいは小型分子であってもよい。好ましくは、かかる小型分子は2000ダルトン未満、より好ましくは300ないし1000ダルトン、最も好ましくは400ないし700ダルトンの分子量を有する。これらの小型分子は有機分子であることが好ましい。
【0044】
スクリーニング方法は、候補化合物に直接または間接的に結合した標識を用いることにより、ポリペプチドへの候補化合物の結合、またはポリペプチドまたはその融合蛋白を担持する細胞もしくは膜の結合を単に測定するだけのものであってもよい。別法として、スクリーニング方法は、標識競争物質(例えばアゴニストまたはアンタゴニスト)に対抗するポリペプチドへの候補化合物の競争的結合を測定または検出(定性的または定量的に)することを含むものであってもよい。さらに、これらのスクリーニング方法は、ポリペプチドを担持する細胞に適した検出系を用いて、ポリペプチドの活性化または阻害により候補化合物がシグナルを生じさせるかどうかを試験するものであってもよい。一般的には、既知アゴニストの存在下において活性化に対する阻害剤をアッセイし、候補化合物の存在によるアゴニストによる活性化を観察する。さらに、スクリーニング方法は、本発明のポリペプチドを含有する溶液に候補化合物を接触させて混合物を得て、混合物中の表I記載の遺伝子の活性を測定し、ついで、表I記載の遺伝子の混合物の活性を、候補化合物を含まない対照混合物と比較することを単に特徴とするものであってもよい。
【0045】
本発明のポリペプチドを慣用的な低処理量スクリーニング法に用いてもよく、高処理量(HTS)フォーマットに用いてもよい。かかるHTSフォーマットは十分に確立された96ウェル、より最近になって384ウェルのマイクロタイタープレートを用いるものであるだけでなく、Schullek et al, Anal Biochem., 246, 20−29, (1997)により記載されたナノウェル法のごとき方法も出現している。
【0046】
Fc蛋白および上記表Iに示す遺伝子のポリペプチドから得られるような融合蛋白を高処理量スクリーニングアッセイに使用して、本発明のポリペプチドに対するアンタゴニストを同定することができる(D. Bennett et al., J Mol Recognition, 8:52−58 (1995); および K. Johanson et al., J Biol Chem, 270(16):9459−9471 (1995)参照)。
【0047】
ポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび本発明のポリペプチドに対する抗体を用いて、細胞におけるmRNAおよびポリペプチドの産生に対する添加化合物の影響を検出するためのスクリーニング方法を形成してもよい。例えば、当該分野において知られた標準的方法によりモノクローナルおよびポリクローナル抗体を用いてポリペプチドの分泌レベルまたは細胞結合レベルを測定するためにELISAアッセイを構築してもよい。これを用いて、適当に処理された細胞または組織からのポリペプチドの産生を阻害または促進しうる薬剤(それぞれ、いわゆるアンタゴニストまたはアゴニスト)を見出すこともできる。
【0048】
当該分野で知られた標準的な受容体結合法を用い、本発明のポリペプチドを用いて膜結合または可溶性受容体(もしあれば)を同定してもよい。これらは、ポリペプチドが放射性同位元素(例えば125I)で標識、化学修飾され(例えばビオチン化)、あるいは検出または精製に適した他ペプチド配列に融合され、推定上の受容体のソース(細胞、細胞膜、細胞懸濁液、組織抽出物、体液)とともにインキュベーションされるリガンド結合および架橋アッセイを包含するが、それらに限定されない。他の方法は、表面プラスモン共鳴およびスペクトル分析法のごとき生物物理学的方法を包含する。これらのスクリーニング法を用いて、受容体へのポリペプチドの結合と競争するポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニストを同定してもよい(もしあれば)。かかるアッセイを行なうための標準的方法は当該分野においてよく知られている。
【0049】
本発明のポリペプチドのアンタゴニストの例は、抗体であり、あるいはいくつかの場合には、リガンド、基質、受容体、酵素等に密接に関連したオリゴヌクレオチドまたは蛋白であり、ポリペプチドである場合には、例えば、リガンド、基質、受容体、酵素等のフラグメントであってもよく、あるいは本発明のポリペプチドに結合するが応答を誘発せず、その結果ポリペプチドの活性が妨害されることになる小型分子も包含される。
【0050】
スクリーニング方法は、遺伝子導入手法および表Iに示す遺伝子を用いることを含むものであってもよい。トランスジェニック動物を構築する技術は十分に確立されている。例えば、雄性受精卵の前核中へのマイクロインジェクション、移植前または後の胚中へのレトロウイルスによる導入、あるいはエレクトロポレーションのごとき遺伝学的に修飾された注入法、宿主胚盤胞中への胚性幹細胞細胞の移植により表Iに示す遺伝子を導入してもよい。特に有用なトランスジェニック動物はいわゆる「ノック−イン」動物であり、その動物のゲノム中で動物遺伝子がヒトの同等物に置換されている。ノック−イントランスジェニック動物は、化合物がヒト標的に特異的である場合には薬剤発見プロセス、標的確認に有用である。他の有用なトランスジェニック動物はいわゆる「ノック−アウト」動物であり、細胞中の内在性DNA配列によりコードされた本発明のポリペプチドの動物オーソログの発現が部分的または完全に無くなっている動物である。遺伝子のノック−アウトを特定細胞または組織に標的化してもよく、手法の限定の結果として特定細胞または組織においてのみノック−アウトが起こるものであってもよく、あるいは動物中のすべて、または実質的にすべての細胞においてノック−アウトが起こるものであってもよい。トランスジェニック動物法は、動物全体の発現クローニング系も提供し、該系に導入された遺伝子が発現して大量の本発明のポリペプチドを生じるものである。
【0051】
上記方法に使用されるスクリーニングキットは本発明のさらなる態様を形成する。かかるスクリーニングキットは下記のものを含むが、好ましくはポリペプチドは配列表に示すものである:
(a)本発明のポリペプチド;
(b)本発明のポリペプチドを発現する組み換え細胞;
(c)本発明のポリペプチドを発現する細胞膜;または
(d)本発明のポリペプチドに対する抗体。
かかるキットにおいて(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な成分を含んでいてもよいことが理解されよう。
【0052】
用語
本明細書中で頻繁に使用される特定の用語を、その理解を容易にするために以下に定義する。
「抗体」は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、キメラ、1本鎖、およびヒト化抗体、ならびにFabフラグメントを包含し、さらにFabまたは他の免疫グロブリン発現ライブラリーの産物を包含する。
「単離」とは、「人間の手により」天然の状態から変化させられた、すなわち、それが天然に存在する場合、元来の環境から変化させるもしくは取り除く、またはその両方を行ったことを意味する。例えばポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、天然の状態で生物中に存在する場合は、「単離」されていないが、同一のポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、天然に共存する物質から分離されている場合は、本明細書に用いる用語である、「単離」がなされている。さらに、形質転換、遺伝子操作または他のいずれかの組み換え法により生物中に導入されているポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、たとえそれが該生物(生きていても生きていなくても)中に存在するものであっても、「単離」されたものである。
「分泌蛋白活性または分泌ポリペプチド活性」あるいは「分泌蛋白または分泌ポリペプチドの生物学的活性」は、該分泌蛋白の代謝機能または生理学的機能をいい、類似の活性または改善された活性または望ましくない副次的効果が減少したこれらの活性を包含する。該分泌蛋白の抗原活性および免疫原活性も含まれる。
「分泌蛋白遺伝子」は、いずれかの結合したヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドまたはそのアリール変種および/またはそれらの相補物をいう。
【0053】
「ポリヌクレオチド」とは、一般的には、ポリリボヌクレオチド(RNA)またはポリデオキシリボヌクレオチド(DNA)をいい、それらは未修飾または修飾RNAもしくはDNAであってよい。「ポリヌクレオチド」は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物または一本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖もしくはより典型的には二本鎖もしくは三本鎖、または一本鎖および二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子を意味するが、これらに限定するものではない。さらに、本明細書で用いるポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNA、またはRNAとDNAの両方を含む三本鎖領域を意味する。1個またはそれ以上の修飾塩基を含むDNAまたはRNA、ならびに安定性またはその他の理由で修飾した骨格を有するDNAまたはRNAは、本明細書の用語「ポリヌクレオチド」に含まれる。またはトリチル化塩基およびイノシン等の通常的でない塩基は「修飾」された塩基に含まれる。種々の修飾がDNAおよびRNAについて行われているので、「ポリヌクレオチド」は、典型的に天然において見いだされるようなポリヌクレオチドのかかる化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態、ならびにウイルスおよび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと称される短いポリヌクレオチドを包含する。
【0054】
「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾したペプチド結合により互いに結合している2個またはそれ以上のアミノ酸を含むペプチドまたは蛋白を意味する。「ポリペプチド」は、通常、例えばペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーとも称される短鎖のもの、および一般的に蛋白と称される長鎖のものの両方を意味する。ポリペプチドは遺伝子によりコードされた20種のアミノ酸とは異なるアミノ酸を含有していてもよい。「ポリペプチド」には、プロセッシングおよびその他の翻訳後修飾のような天然プロセスにより修飾されたものが含まれるが、当業者に周知の化学修飾技術によっても修飾される。かかる修飾は基礎的な参考書およびさらに詳細な論文ならびに多数の研究文献にも詳しく記載されており、これらは当業者に周知である。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端等のポリペプチドの任意の部位で起こりうる。同一の型の修飾は該ポリペプチドのいくつかの部位で、同一または異なる程度で存在し得ることが理解されよう。また、ポリペプチドは多くの型の修飾をも含み得る。ポリペプチドは、ユビキチネーションの結果として分枝状となったものであってもよく、ポリペプチドは分枝ありまたはなしの環状のものであってもよい。環状、分枝状および分枝状かつ環状のポリペプチドは翻訳後の天然プロセスにより生じたものであってもよく、あるいは合成的方法により製造されたものであってもよい。修飾には、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、交差架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、交差架橋共有結合形成、シスチン形成、ピログルタメート形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、蛋白加水分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、水酸化およびADPリボシル化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のごときトランスファーRNA媒介の蛋白へのアミノ酸の添加、ならびにユビキチネーションなどがある。例えばProteins−Structure and Molecular Properties、第2版、T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク(1993)およびPosttranslational Covalent Modification of Proteins、B.C.Johnson編、アカデミックプレス、ニューヨーク(1983)のWold,F.,Posttranslational Protein Modifications :Perspective and Prospects、1〜12頁;Seifterら、Meth.Enzymol.182:626−646(1990)およびRattanら、Protein Synthesis:Posttranslational Modifications and Aging,Ann.N.Y.Acad.Sci.663:48−62(1992)を参照されたい。
【0055】
ポリペプチド配列の「フラグメント」は、リファレンス配列よりも短いが、リファレンスポリペプチドと本質的に同じ生物学的機能または活性を保持しているポリペプチド配列をいう。ポリヌクレオチド配列の「フラグメント」は、配列表に示すリファレンス配列よりも短いポリヌクレオチド配列をいう。
【0056】
本明細書で用いる「変種」なる用語は、リファレンスポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは各々異なるポリヌクレオチドまたはポリペプチドであるが、本質的な特性は保持している。典型的なポリヌクレオチドの変種は、別のリファレンスポリヌクレオチドとはヌクレオチド配列が異なる。変種のヌクレオチド配列の変化は、リファレンスポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させるものであってもよく、変化させないものであってもよい。以下に論じるように、ヌクレオチドの変化は結果的に、リファレンス配列によりコードされるポリペプチドにおけるアミノ酸置換、付加、欠損、融合および末端切断を招く。典型的なポリペプチドの変種は、別のリファレンスポリペプチドとはアミノ酸配列が異なる。一般的には、差異は、リファレンスポリペプチドおよび変種の配列が、全体的に非常に類似しており、多くの領域で同一なものに限られる。変種およびリファレンスポリペプチドは、1またはそれ以上の置換、付加、欠損が任意の組み合わせで起こることにより、アミノ酸配列が変化し得る。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝学的コードによりコードされたものであってもなくてもよい。典型的な保存的置換は、Gly、Ala;Val、Ile、Leu;Asp、Glu;Asn、Gln;Ser、Thr、Lys、Arg;ならびにPheおよびTyrを包含する。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変種は、例えば対立遺伝子変種のような自然発生的なものでもよく、または自然発生することが知られていない変種でもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの非自然発生変種は、突然変異技術または直接的合成により製造できる。1またはそれ以上の翻訳後修飾、例えば、糖鎖付加、リン酸化、メチル化、ADPリボシル化等を有するポリペプチドも変種に包含される。具体例としては、N−末端アミノ酸のメチル化、セリンおよびスレオニンのリン酸化ならびにC−末端グリシンの修飾等がある。
【0057】
「アリール」は、ゲノムの一定の遺伝子座において生じる2つまたはそれ以上の別形態の遺伝子のうちの1つをいう。
「多型」は、1の集団中のゲノムにおける一定位置におけるヌクレオチド配列(そして適切な場合にはコードされるポリペプチド配列)の変化をいう。
【0058】
「単一ヌクレオチド多型」(SNP)は、1の集団中のゲノムにおける単一のヌクレオチド位置におけるヌクレオチド変化の発生をいう。SNPは遺伝子中またはゲノムの遺伝子間領域中で生じてもよい。アリール特異的増幅(ASA)を用いてSNPをアッセイすることができる。そのプロセスには少なくとも三個のプライマーが必要である。共通プライマーは、アッセイすべき多型に対して逆相補において使用される。この共通プライマーは多型塩基から50ないし1500塩基対のところまでのものであってよい。他の2つ(またはそれ以上)のプライマーは、多型を形成する2つ(またはそれ以上)のアリールのうちの1つにマッチするための最後の3塩基の相違を除き、互いに同一である。ついで、各反応につき共通プライマーおよびアリール特異的プライマーのうち1つを用いて、試料DNAに関して2つ(またはそれ以上)のPCR反応を行なう。
【0059】
本明細書の「スプライス変種」は、もともと同じゲノムDNA配列から転写されたRNA分子から生じたが、別のRNAスプライシングを受けたcDNAをいう。別のRNAスプライシングは、最初のRNA転写生成物がスプライシング、一般的にはイントロンの除去を受けた場合に起こり、1種よりも多いmRNA分子が精製し、それぞれが異なるアミノ酸配列をコードしうる。用語「スプライス変種」は上記cDNA分子によりコードされる蛋白もいう。
【0060】
「同一性」は、配列を比較することにより決定される、2つまたはそれ以上のポリペプチド配列間あるいは2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列間の関連性を反映する。一般的には、同一性は、2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチドの比較される配列の全長にわたる正確なヌクレオチド対ヌクレオチド対応またはアミノ酸対アミノ酸対応をいう。
「%同一性」−正確には対応しない配列に関し、「%同一性」を決定してもよい。一般的には、比較すべき2つの配列を並置して、配列間において最大の関連性が得られるようにする。これには一方または両方の配列に「ギャップ」を挿入して並置の程度を向上させることを用いてもよい。同一性%を比較すべき各配列の全長にわたって決定してもよく(いわゆる全体並置)、同じまたは非常に近似した長さの配列、より短い決まった長さの配列(いわゆる部分並置)に特に適しており、等しくない長さの配列に、より適している。
【0061】
「類似性」は2つのポリペプチド配列間の関連性についてのより洗練された尺度である。一般的には、「類似性」は、1の配列と比較される各配列との間の残基ペアー間の正確な対応(同一性の場合)のみならず、正確な対応がない場合には進化を基礎として1の残基が他の残基と置換可能であるかどうかを考慮した、残基対残基による2つのポリペプチド鎖のアミノ酸間の比較を意味する。この可能性は関連「スコア」を有し、それより2つの配列の「%同一性」が決定されうる。
【0062】
2つまたはそれ以上の配列の同一性の比較方法は当該分野においてよく知られている。よって、例えば、Wisconsin Sequence Analysis Package, version 9.1(Devereux J et al, Nucleic Acids Res, 12; 387−395, 1984、Genetics Computer Group, Madison, Wisconsin, USAから利用可能)において利用可能なプログラム、例えばプログラムBESTFITおよびGAPを用いて2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド配列間の同一性%を決定してもよい。BESTFITはSmith and Watermanの「部分相同性」アルゴリズム(J. Mol. Biol., 147: 195−197, 1981, Advances in Applied Mathematics, 2, 482−489, 1981)を用い、2つの配列間の単一の最良の類似性領域を見つけるものである。BESTFITは、長さの異なる2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド配列の比較に適し、そのプログラムは、短いほうの配列が長いほうの配列の一部であると仮定するものである。比較において、GAPは2つの配列を並置し、Needleman and Wunschのアルゴリズム(J. Mol. Biol., 48, 443−453, 1970)に従って「最大類似性」を見つけだすものである。GAPは、ほぼ同じ長さの配列の比較に、より適しており、並置は全長にわたる。好ましくは、各プログラムに使用されるパラメーター「Gap Weight」および「Length Weight」はそれぞれ、ポリヌクレオチド配列については50および3であり、ポリペプチド配列については12および4である。好ましくは、2つの配列が比較され、最適な並置がされた場合に同一性%が決定される。
2つの配列間の同一性%の決定のための他のプログラムも、当該分野において知られており、例えばBLASTファミリーのプログラム(Altschul S F et al, J Mol Biol,215, 403−410, 1990、Altschul S F et al, Nucleic Acids Res., 25: 389−3402, 1997、National Center for Biotechnology Infoemation (NCBI), Bethesda, Maryland, USAから利用可能で、NCBIのホームページwww.ncbi.nim.nih.govにより利用可能)およびFASTA(Pearson W R, Methods in Enzymology, 183, 63−99, 1990; Pearson W R and Lipman D J, Proc Nat Acad Aci USA, 85, 2444−2448, 1988、Wisconsin Sequence Analysis Packageの一部として利用可能)がある。
好ましくは、比較前にヌクレオチド配列がアミノ酸配列に翻訳される場合を含めて、BLOSUM62アミノ酸置換マトリックス(Henikoff S and Henikoff J G, Proc Nat Acad Sci USA, 89, 10915−10919, 1992)をポリペプチド配列比較に使用する。
好ましくは、プログラムBESTFITを用いて、本発明ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列に対して問題のヌクレオチドまたはポリペプチド配列の同一性%が決定され、上記のごとく問題の配列およびリファレンス配列は最適に並置され、プログラムのパラメーターは省略値にセットされる。
【0063】
「同一性指数」は、候補配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)およびリファレンス配列を比較するために用いられうる配列関連性の尺度である。かくして、例えば、リファレンスポリヌクレオチド配列と比較して同一性指数0.95を有する候補ポリヌクレオチド配列は、候補ポリヌクレオチド配列がリファレンス配列の100ヌクレオチドごとに平均5個までの相違を含んでいてもよいこと以外はリファレンス配列と同一である。かかる相違は、少なくとも1個のヌクレオチド欠失、置換(トランジションおよびトランスバージョンを包含)、または挿入からなる群より選択される。これらの相違はリファレンスポリヌクレオチド配列の5’または3’末端位置あるいはこれらの末端位置間のいずれかの位置において生じるものであってよく、リファレンス配列中のヌクレオチドにおいて別個に散在していてもよく、あるいはリファレンス配列中の1またはそれ以上の連続した群をなしていてもよい。換言すると、リファレンスポリヌクレオチド配列と比較して同一性指数0.95を有するポリヌクレオチド配列を得るためには、上記のごとく、リファレンス配列中の100個のヌクレオチドごとに平均5個までが欠失、置換または挿入されていてもよく、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。同じことが他の同一性指数、例えば0.96、0.97、0.98および0.99についてもあてはまる。
【0064】
同様に、ポリペプチドに関して、例えば、リファレンスポリペプチド配列と比較して同一性指数0.95を有する候補ポリペプチド配列は、候補ポリペプチド配列がリファレンス配列の100アミノ酸ごとに平均5個までの相違を含んでいてもよいこと以外はリファレンス配列と同一である。かかる相違は、少なくとも1個のアミノ酸欠失、置換(保存的および非保存的置換を包含)、または挿入からなる群より選択される。これらの相違はリファレンスポリペプチド配列のアミノまたはカルボキシ末端位置あるいはこれらの末端位置間のいずれかの位置において生じるものであってよく、リファレンス配列中のアミノ酸において別個に散在していてもよく、あるいはリファレンス配列中の1またはそれ以上の連続した群をなしていてもよい。換言すると、リファレンスポリペプチド配列と比較して同一性指数0.95を有するポリペプチド配列を得るためには、上記のごとく、リファレンス配列中の100個のアミノ酸ごとに平均5個までが欠失、置換または挿入されていてもよく、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。同じことが他の同一性指数、例えば0.96、0.97、0.98および0.99についてもあてはまる。
【0065】
ヌクレオチドまたはアミノ酸の相違数と、同一性指数との間の関係を以下の等式で表現することができる:
≦x−(x・I)
式中:
はヌクレオチドまたはアミノ酸相違数であり、
は配列表に示す配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸総数であり、
Iは同一性指数であり、
・は積の演算子を示すシンボルであり、
とIとの整数でない積はxから差し引く前に四捨五入される。
【0066】
「ホモログ」は、リファレンス配列に対して高度の配列関連性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を示す当該分野で用いられる一般的用語である。かかる関連性は、上記のように2つの配列間の同一性および/または類似性の程度を決定することにより定量することができる。用語「オーソログ」および「パラログ」はこの一般的用語に含まれる。「オーソログ」は別の種におけるポリヌクレオチドまたはポリペプチドの機能同等物であるポリヌクレオチドまたはポリペプチドをいう。「パラログ」は同じ種における機能的類似物であるポリヌクレオチドまたはポリペプチドをいう。
【0067】
「融合蛋白」は、2種の、しばしば関係のない融合遺伝子またはそのフラグメントによりコードされた蛋白をいう。一例において、EP−A−0464には、別のヒト蛋白またはその一部と一緒になった免疫グロブリン分子の不変領域の種々の部分を含む融合蛋白が開示されている。多くの場合、免疫グロブリンのFc領域を融合蛋白の一部分として用いることは治療および診断における使用に有利であり、例えば、改善された薬物動態学的特性が得られる(例えば、EP−A 0232262参照)。一方、いくつかの用途には、融合蛋白が発現、検出および精製された後、Fc部分を欠失できることが望ましいであろう。
【0068】
特許および特許出願(これらに限らない)を含む、本明細書で引用されたすべての刊行物および参考文献を、それぞれ参照により本明細書に一体化させる。本願が優先権を主張しているいずれの特許出願も、参照により本明細書に一体化させる。
【0069】
【表1】
Figure 2004500100
【0070】
【表2】
Figure 2004500100
【表3】
Figure 2004500100
【表4】
Figure 2004500100
【0071】
【表5】
Figure 2004500100
【表6】
Figure 2004500100
【表7】
Figure 2004500100
【表8】
Figure 2004500100
【0072】
【表9】
Figure 2004500100
【0073】
【表10】
Figure 2004500100

Claims (7)

  1. (a)表Iに示す配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる単離ポリペプチド;
    (b)表Iに示すポリペプチド配列を含む単離ポリペプチド;および
    (c)表Iに示す遺伝子のポリペプチド配列
    からなる群より選択される単離ポリペプチド。
  2. (a)表Iに示すポリヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
    (b)表Iに示す遺伝子の単離ポリヌクレオチド;
    (c)表Iに示すポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
    (d)表Iに示すポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド;
    (e)(a)から(d)までのポリヌクレオチドのRNA同等物であるポリヌクレオチド
    からなる群より選択される単離ポリヌクレオチド、
    または上記単離ポリヌクレオチドに対して相補的なポリヌクレオチド配列。
  3. 適合する細胞中に提供された場合に、請求項1のポリペプチドを産生することのできるポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  4. 請求項1のポリペプチドを産生することのできるポリヌクレオチドを含む発現ベクターを細胞に導入して、適当な培養条件下において該宿主細胞が該ポリペプチドを産生するようにする工程を含む、組み換え宿主細胞の製造方法。
  5. 請求項6の方法により製造される組み換え宿主細胞。
  6. 該ポリペプチドを発現する請求項7の組み換え宿主細胞の膜。
  7. ポリペプチドの産生に十分な条件下で請求項7の宿主細胞を培養し、ついで、培養物からポリペプチドを回収することを特徴とする、ポリペプチドの製造方法。
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