JP2004362131A - Pcカードモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】内部の信号経路が短くなる構成にして、製造工程数及び部品点数の減少と製造コストの低減化を図り、しかも、状況に応じて適切な周波数の無線通信が可能なPCカードモジュールを提供する。
【解決手段】PCカードモジュール1を脱着自在なカードアダプタ2とカード3とで構成する。BB部23をカードアダプタ2に収納し、RF部31とアンテナ部32とをカード3に収納する。カードアダプタ2では、ノート型パソコン200のカードスロット201に接続する第1コネクタ部20,BB部23及び第2コネクタ部21を信号経路パターン50,51で接続する。カード3では、第2コネクタ部21と接続するためのカードコネクタ部30,RF部31及びアンテナ部32を信号経路パターン52,53で接続する。これにより、信号は、モジュール1内を蛇行することなく、第1コネクタ部20とアンテナ部32との間を行き来する。
【選択図】 図1
【解決手段】PCカードモジュール1を脱着自在なカードアダプタ2とカード3とで構成する。BB部23をカードアダプタ2に収納し、RF部31とアンテナ部32とをカード3に収納する。カードアダプタ2では、ノート型パソコン200のカードスロット201に接続する第1コネクタ部20,BB部23及び第2コネクタ部21を信号経路パターン50,51で接続する。カード3では、第2コネクタ部21と接続するためのカードコネクタ部30,RF部31及びアンテナ部32を信号経路パターン52,53で接続する。これにより、信号は、モジュール1内を蛇行することなく、第1コネクタ部20とアンテナ部32との間を行き来する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はノート型パソコン(Note type Personal Computer)等のカードスロットに挿入して使用する無線通信用のPCカードモジュール、特に、国内標準規格であるJEIDA(日本電子工業振興協会)VER4.1以上又は米国の規格であるPCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association) VER2.0以上の規格に適合したPCカードモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のPCカードモジュールには、カードアダプタとカードとを組合せて1枚のカードを構成するものがある(例えば特許文献1に記載の技術)。
図8は、かかる従来のPCカードモジュールを示す概略図である。
図8に示すように、このPCカードモジュールは、カードアダプタ100とカード110とを備えている。
このPCカードモジュールは、無線LANカードであり、変復調部としてのRF部101がカードアダプタ100に内蔵され、ベースバンド信号を処理するBB部111がカード110に内蔵されている。また、カード110には、アンテナ収納部112が設けられている。
このようなカードアダプタ100とカード110は脱着可能である。すなわち、カードアダプタ100の右側部とカード110の左側部とにそれぞれコネクタが設けられ(図示せず)、これらのコネクタを接続することで、カードアダプタ100とカード110とを1枚のPCカードとして使用することができるようになっている。
【0003】
上記従来のPCカードモジュールが、かかる構成をとることにより、カード110と一体になったカードアダプタ100の左側部を図示しないノート型パソコンのカードスロットに挿入し、カードアダプタ100のコネクタ102をカードスロット内のコネクタに接続した後、当該パソコン側からデータの送受信指令を行うと、このPCカードモジュールを介して、当該パソコンと図示しないアクセスポイントとの間で、データの送受信を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−83538号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来のPCカードモジュールでは、次のような問題がある。従来のPCカードモジュールでは、RF部101がカードアダプタ100に内蔵され、BB部111及びアンテナ収納部112がカード110に内蔵された構成であるので、パソコン内のデータを送信する際、図9に示すように、当該データの信号は、カードアダプタ100を通ってカード110のBB部111に至り、BB部111からカードアダプタ100のRF部101に戻る。そして、RF部101からカード110に再度戻り、アンテナ収納部112から発信される。すなわち、信号がPCカードモジュール内全体を蛇行するため、信号経路の全長が非常に長い。アンテナ収納部112から受信した信号も同様であり、PCカードモジュール内全体を蛇行してパソコンに入力される。
このように、従来のPCカードモジュールでは、非常に長い信号経路を内部に形成しなければならないため、製造工程数の増加や部品点数の増加を招き、製造コストが高く付くことになる。特に、信号がカードアダプタ100とカード110との間で往復するため、カードアダプタ100とカード110とを接続するコネクタに多数のピンが必要となる。
さらに、信号経路が長いので、雑音が侵入しやすい。従って、雑音除去回路を特設しなければならないので、その分、製造工程数及び部品点数が増加すると共に、製造コストが高くなる。
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、内部の信号経路が短くなる構成にして、製造工程数及び部品点数の減少と製造コストの低減化を図り、しかも、状況に応じて適切な周波数の無線通信が可能なPCカードモジュールを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、板状部材からなり、一端部に第1コネクタ部を、他端部に第2コネクタ部をそれぞれ有し、第1コネクタ部を介してコンピュータのカードスロットに接続することができるカードアダプタと、板状部材からなり、一端部にカードコネクタ部を有し、カードアダプタの第2コネクタ部と当該カードコネクタ部とを接続することで、カードアダプタに対し脱着自在に取り付けることができるカードとを備えるPCカードモジュールであって、第1コネクタ部と第2コネクタ部間に接続され、コンピュータとの間でベースバンド信号を入力出力するためのLAN回路又はモデム回路を含むベースバンド部を、カードアダプタ内に収納し、カードコネクタ部に接続され、カードコネクタ部を介してベースバンド部との間で送信信号,受信信号を入出力する無線通信回路を含んだ高周波部を、カード内に収納すると共に、当該カードの他端側に高周波部に接続されたアンテナ部を設けた構成としてある。
かかる構成により、カードアダプタを第1コネクタ部を介してコンピュータのカードスロットに接続すると共に、カードコネクタ部を第2コネクタ部に接続して、カードをカードアダプタに脱着自在に取り付けることができる。この状態で、コンピュータからのベースバンド信号は、第1コネクタ部を介して直接カードアダプタのベースバンド部に入力され、このベースバンド部からの送信信号が第2及びカードコネクタ部を介して直接カードの高周波部に入力される。そして、高周波部で所定の処理をされた送信信号が、カードのアンテナ部から送信される。また、カードのアンテナ部で受信された受信信号は、高周波部からカードコネクタ部及び第2コネクタ部を介してカードアダプタのベースバンド部に直接出力される。そして、その信号がベースバンド部から第1コネクタ部を介してコンピュータにベースバンド信号として直接入力される。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のPCカードモジュールにおいて、カードアダプタのベースバンド部は、複数種類の周波数帯に対応し、選択された一の周波数帯で機能するものであり、カードの高周波部は、複数種類の周波数帯に対応し、選択された一の周波数帯を用いて機能するものである構成とした。
かかる構成により、複数種類の周波数帯の中から一の周波数帯を任意選択し、この周波数帯での通信を行うことができる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のPCカードモジュールにおいて、カードアダプタのベースバンド部は、複数種類の周波数帯に対応し、選択された一の周波数で機能するものであり、カードは、周波数帯の種類数だけ用意され、各カードの高周波部は、他の各カードの高周波部の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものである構成とした。
かかる構成により、所望の周波数で機能するカードをカードアダプタに取り付けることで、当該周波数での無線通信が可能となる。この結果、その場に適したカードを使用することで、通信がしにくい環境においても容易に通信することができる。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載のPCカードモジュールにおいて、カードアダプタは、複数用意され、各カードアダプタのベースバンド部は、他の各カードアダプタのベースバンド部の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものであり、カードの高周波部は、複数のカードアダプタで用いられている複数種類の周波数帯に対応し、当該カードが接続されたカードアダプタのベースバンド部に用いられている一の周波数帯で機能するものである構成とした。
かかる構成により、所望の周波数で機能するカードアダプタをカードに取り付けることで、当該周波数での無線通信が可能となる。
【0011】
さらに、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のPCカードモジュールにおいて、カードのアンテナ部を分離し、アンテナ部が分離されたカードの端部に第3コネクタ部を設けると共に、第4コネクタ部をアンテナ部に設け、これら第3及び第4コネクタ部を接続することでアンテナ部をカードに脱着自在に取り付けることができるようにした構成としてある。
かかる構成により、所望の性能のアンテナ部を選択して、カードに取り付けることで、より良い通信状態を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図であり、図2はカードアダプタ2とカード3との電気的構造を示す概略平面図であり、図3はカードアダプタとカードとを組み付けた状態を示す斜視図である。
図1において、符号1がPCカードモジュールであり、このPCカードモジュール1は、JEIDAVER4.1以上又はPCMCIAVER2.0以上の規格に適合した幅と厚さを有した板状部材からなるカードアダプタ2とカード3とでなる。これらカードアダプタ2とカード3とは脱着自在に取り付けることができ、これらを取り付けることで、無線LANのPCカードモジュール1を構成する。
【0013】
カードアダプタ2は、ノート型パソコン200のデータバスに連結したカードスロット201に挿入する部分であり、その一端部としての後端部(図の左側端部)に設けられたピンジャック構造の第1コネクタ部20を介してノート型パソコン200に設けられているカードスロット201のデータバスと電気的に接続することができるようになっている。また、カードアダプタ2の他端部としての前端部には、ピンプラグ構造の第2コネクタ部21が設けられており、カード3との電気的接続を可能にしている。
【0014】
このカードアダプタ2には、図1及び図2に示すように、ベースバンド部23(以下「BB部23」と記す)が収納されている。
BB部23は、第1コネクタ部20と第2コネクタ部21との間に接続された周知のLAN回路であり、図示しないコントローラによって、ノート型パソコン200からのベースバンド信号Bを入力してネットワーク用の送信信号Tに変調する機能を有してる。さらに、BB部23は、カード3からの受信信号Rをベースバンド信号Bに復調してノート型パソコン200に出力する機能を有している。
また、このようなBB部23は、2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯に対応している。すなわち、カードアダプタ2は、BB部23が2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯のうちの一の周波数帯を任意に選択し、選択した一の周波数で入力信号を変復調することができる機能を有した所謂コンボモデル(combo model)である。
【0015】
一方、カード3は、上記カードアダプタ2に取り付ける部分であり、その一端部としての後端部に設けられたピンジャック構造のカードコネクタ部30をカードアダプタ2の第2コネクタ部21に接続することで、カード3をカードアダプタ2に電気的に接続することができるようになっている。
このカード3には、高周波部31(以下「RF部31」と記す)とアンテナ部32とが収納されている。
【0016】
RF部31は、カードコネクタ部30に接続された周知の無線通信回路であり、図示しない拡散符号発生器と乗算器などによって、カードアダプタ2のBB部23からの送信信号Tをスペクトラム拡散で変調する機能と、アンテナ部32からの受信信号R′をスペクトラム逆拡散で復調してカードアダプタ2側に出力する機能と有している。
また、このRF部31も、2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯に対応している。すなわち、カード3は、2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯のうち、カードアダプタ2側で選択された一の周波数帯を用いて上記変復調を行うことができる所謂コンボモデルである。
【0017】
アンテナ部32は、カードアダプタ2の他端側としての前部に設けられ、RF部31に接続されたアンテナ回路32aを含む。このアンテナ部32は、基板上に誘電体を積層し、当該誘電体上に金属のアンテナ回路32aをパターン形成したもので、アンテナ部32の小型化が図られている。
【0018】
なお、図1において、符号4は保持機構であり、この保持機構4は、カードアダプタ2の前両側端部からカード3側に延出した一対のガイド40,40と、カード3の後両側部に形成された一対の切欠部41,41とで構成されている。これにより、カード3の切欠部41,41をカードアダプタ2のガイド40,40の溝40a,40a内に挿入して、カード3のカードコネクタ部30をカードアダプタ2の第2コネクタ部21に接続することで、図3に示すように、カードアダプタ2とカード3とが電気的に接続されると共に、カード3が保持機構4によって着脱自在に保持される。
【0019】
次に、この実施形態のPCカードモジュールが示す動作について説明する。
図4は、カードアダプタ2とカード3との電気的接続状態を示す概略平面図である
まず、図3及び図4に示すように、カード3の切欠部41,41をカードアダプタ2のガイド40,40に挿入することで、カードコネクタ部30を第2コネクタ部21に接続し、カードアダプタ2とカード3とを一体にした状態にする。かかる状態で、カードアダプタ2の後端部をノート型パソコン200のカードスロット201(図1参照)内に挿入し、第1コネクタ部20をカードスロット201のデータバスと電気的に接続する。
【0020】
かかる状態で、ベースバンド信号Bが、ノート型パソコン200からカードスロット201を介してカードアダプタ2の第1コネクタ部20に送られると、ベースバンド信号Bは、カードアダプタ2内の信号経路パターン50を通ってBB部23に入力される。すると、ベースバンド信号Bは、2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯のうちの選択された一の周波数、例えば5.0GHzの周波数帯によってネットワーク用の送信信号Tに変調された後、信号経路パターン51に出力される。そして、送信信号Tは、第2コネクタ部21及びカードコネクタ部30から信号経路パターン52を通って、カード3のRF部31に入力される。
【0021】
すると、送信信号Tは、5.0GHzの周波数帯を用いて変調された後、変調送信信号T′として、信号経路パターン53を介してアンテナ部32に出力され、アンテナ回路32aから電波となって発信される。
【0022】
一方、アンテナ部32で受信された受信信号R′は、信号経路パターン53を介してRF部31に入力され、5.0GHzの周波数帯を用いて復調され後、復調後の受信信号Rが信号経路パターン52,カードコネクタ部30,第2コネクタ部21,信号経路パターン51を介してBB部23に入力される。すると、受信信号Rが、BB部23において、5.0GHzの周波数帯でベースバンド信号Bに復調され、そのベースバンド信号Bが信号経路パターン50,第1コネクタ部20,カードスロット201を介してノート型パソコン200に入力される。
【0023】
また、5.0GHzの周波数帯を用いると、近距離間で大きなデータ量の無線通信が可能であるが、遠距離間では、大データ量の通信が困難になる。かかる場合には、PCカードモジュール1のBB部23において、2.4GHzの周波数帯を選択することで、安定したデータ通信を行うことができる。
【0024】
以上のように、この実施形態のPCカードモジュール1によれば、ノート型パソコン200からの信号が、図9に示した従来のPCカードモジュールのようにカードアダプタ2とカード3間を蛇行することなく、図4に示すように、BB部23、RF部31、アンテナ部32の順で直接伝わる。また、アンテナ部32で受信された信号も、RF部31、BB部23の順で直接伝わる。即ち、PCカードモジュール1の内部の信号経路50〜53を、図8に示した従来のPCカードモジュールに比べて極めて短くすることができるので、製造工程数やコネクタ部のピン等の部品点数を減少させることができる。また、外部のノイズが信号経路パターン50〜53に侵入するおそれも少なく、そのため、雑音除去回路を特設する必要がない。この結果、この実施形態のPCカードモジュール1を適用することで、製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、近年のネットワークシステムの大規模化に伴い、BB部に高処理能力のコントローラなどが使用されると共に、その回路規模も大きくなり、BB部のチップ自体が大型化している。このため、ノート型パソコンからBB部に供給する電源も大きなものが必要となる。対して、RF部は、近年の回路設計技術と半導体製造技術の向上に伴い、回路規模が小さくなり、RF部のチップ自体が小型化している。このため、ノート型パソコンからRF部に供給する電源に大きなものを必要としない。
このような技術的状況下にあるにもかかわらず、上記従来のPCカードモジュールでは、大きな電源を必要とするBB部111がノート型パソコンから遠く離れたカード110に設けられ、大きな電源を必要としないRF部101がノート型パソコンに近いカードアダプタ100に設けられているため、BB部111への電源供給を十分に行うことができない。このため、BB部111のための電源回路をカード110内に特設する必要が生じ、その分製造コストの増大を招く。これに対して、この実施形態のPCカードモジュール1では、近年の技術状況下に対応させて、大きな電源を必要とするBB部23をノート型パソコン200の近くに位置するカードアダプタ2に設け、大きな電源を必要としないRF部31をノート型パソコン200から離れたカード3に設けた構成としたので、BB部23及びRF部31への電源供給はノート型パソコン200からの電源のみで十分である。このため、BB部23のための電源回路を特設する必要がなく、その分製造コストの削減を図ることができる。
【0025】
(第2実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
この実施形態のPCカードモジュールは、カードアダプタ2をコンボモデルとした点で上記第1実施形態と共通するが、カード3をシングルモデルにした点が上記第1実施形態と異なる。
具体的には、カードアダプタ2は、第1実施形態と同様に、BB部23が2.4GHzと5.0GHzのうちの一の周波数帯を任意に選択し、選択した一の周波数で入力信号を変復調することができる機能を有した所謂コンボモデルである。
これに対して、カード3は周波数帯の種類数である2枚だけ用意されている。各カード3−1(3−2)のRF部31−1(31−2)は、他の各カード3−2(3−1)のRF部31−2(31−1)の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものである。ここでは、カード3−1のRF部31−1の周波数帯を2.4GHz、カード3−2のRF部31−2の周波数帯を5.0GHzとした。
また、カード3−1(3−2)のアンテナ部32−1(32−2)は、使用周波数帯2.4GHz(5.0GHz)に対応したアンテナ回路32aを有している。
【0026】
かかる構成により、カード3−1又はカード3−2を差し替えることで、状況に応じた適切な無線通信を行うことができる。
また、各カード3−1(3−2)をシングルモデルとすることにより、各カード3−1(3−2)のRF部31−1(31−2)の設計が容易となり、且つその回路構造も簡略化することができる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1実施形態と同様であるので、その記載は省略する。
【0027】
(第3実施形態)
図6は、この発明の第3実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
この実施形態のPCカードモジュールは、カードアダプタ2をシングルモデルとし、カード3をコンボモデルにした点が上記第2実施形態と異なる。
具体的には、カードアダプタ2は周波数帯の種類数である2枚だけ用意されている。各カードアダプタ2−1(2−2)のBB部23−1(23−2)は、他の各カードアダプタ2−2(2−1)のBB部23−2(23−1)の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものである。ここでは、カードアダプタ2−1のBB部23−1の周波数帯を2.4GHz、カードアダプタ2−2のBB部23−1の周波数帯を5.0GHzとした。
カード3は、第1実施形態と同様に、シングルモデルであり、RF部31が、カードアダプタ2−1,2−2で用いられている2.4GHzと5.0GHzに対応している。
したがって、カード3は、カード3に接続されたカードアダプタ2−1(2−2)のBB部23−1(23−2)に用いられている2.4GHz(5.0GHz)で機能する。
その他の構成,作用及び効果は上記第1及び第2実施形態と同様であるので、その記載は省略する。
【0028】
(第4実施形態)
図7は、この発明の第4実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
この実施形態のPCカードモジュールは、カード3のアンテナ部32を分離した点が上記第1ないし第3実施形態と異なる。
すなわち、カード3′とは別体の2つのアンテナ部32−3,32−4を用意する。そして、カード3′の前端部に第3コネクタ部33を設けると共に、各アンテナ部32−3(32−4)に第4コネクタ部34をに設ける。これにより、第3及び第4コネクタ部33,34を接続することで、アンテナ部32−3(32−4)をカード3′に脱着自在に取り付けることができるようにした。
【0029】
具体的には、アンテナ部32−3は、上記実施形態で適用されたアンテナ部32と同様の構造を有する。すなわち、基板上に誘電体を積層し、当該誘電体上に金属のアンテナ回路32a−1をパターン形成したもので、小型なアンテナ部である。
これに対して、アンテナ部32−4は、アンテナ部32−3とは異なり、基板上に直接金属のアンテナ回路32a−2をパターン形成したもので、大型なアンテナ部である。
【0030】
かかる構成により、常時は、多少アンテナ特性が劣るものの小型なアンテナ部32−3をカード3′に接続して使用し、通信状況により、大型ではあるがアンテナ特性に優れたアンテナ部32−4に差し替えて使用することで、より良い通信状態を得ることができる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1ないし第3実施形態と同様であるので、その記載は省略する。
【0031】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、コンボモデルのPCカードモジュール1について説明したが、カードアダプタ2及びカード3が共に一の周波数帯のみを使用する、所謂シングルモデルのPCカードモジュールを発明の範囲から場外する意味ではない。
また、上記実施形態では、カードアダプタ2のBB部23としてLAN回路を適用した例について説明したが、BB部23としてモデム回路を用いて、無線モデム通信を可能にするPCカードモジュールもこの発明の範囲内の態様であることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、この発明のPCカードモジュールによれば、LAN回路又はモデム回路を含むベースバンド部を、カードアダプタ内に収納すると共に、無線通信回路を含む高周波部をカード内に収納した構成であるので、コンピュータからの信号が、カードアダプタとカード間を蛇行することなく、ベースバンド部、高周波部、アンテナ部の順で直接伝わる。また、アンテナ部で受信された信号も、高周波部、ベースバンド部の順で直接伝わる。従って、PCカードモジュールの内部の信号経路を、従来のPCカードモジュールに比べて極めて短くすることができるので、製造工程数やコネクタ部のピン等の部品点数を減少させることができ、また、雑音除去回路も特設する必要もなく、この結果、製造コストの低減化を図ることができるという優れた効果がある。
【0033】
特に、請求項3ないし請求項5の発明に係るPCカードモジュールによれば、カードアダプタ、カードやアンテナ部を任意に選択して使用することができるので、状況に応じた適切な周波数の無線通信を行うことができるという優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係るPCカードモジュールを示す分解斜視図である。
【図2】カードアダプタとカードとの電気的構造を示す概略平面図である。
【図3】カードアダプタとカードとを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図4】カードアダプタとカードとの電気的接続状態を示す概略平面図である。
【図5】この発明の第2実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
【図6】この発明の第3実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
【図7】この発明の第4実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
【図8】従来のPCカードモジュールを示す概略図である。
【図9】従来のPCカードモジュールにおける信号の流れを示す概略図である。
【符号の説明】
1…PCカードモジュール、 2,2−1,2−2…カードアダプタ、 3,3′,3−1,3−2…カード、 20…第1コネクタ部、 21…第2コネクタ部、 23,23−1,23−2…BB部(ベースバンド部)、 30…カードコネクタ部、 31,1−1,31−2…RF部(高周波部)、 32,32−1〜32−4…アンテナ部、 32a,32a−1,32a−2…アンテナ回路、 33…第3コネクタ部、 34…第4コネクタ部、 4…保持機構、 40…ガイド、 41…切欠部、 50〜53…信号経路パターン、 200…ノート型パソコン、 201…カードスロット、 B…ベースバンド信号、 R,R′…受信信号、 T,T′…送信信号。
【発明の属する技術分野】
本発明はノート型パソコン(Note type Personal Computer)等のカードスロットに挿入して使用する無線通信用のPCカードモジュール、特に、国内標準規格であるJEIDA(日本電子工業振興協会)VER4.1以上又は米国の規格であるPCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association) VER2.0以上の規格に適合したPCカードモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のPCカードモジュールには、カードアダプタとカードとを組合せて1枚のカードを構成するものがある(例えば特許文献1に記載の技術)。
図8は、かかる従来のPCカードモジュールを示す概略図である。
図8に示すように、このPCカードモジュールは、カードアダプタ100とカード110とを備えている。
このPCカードモジュールは、無線LANカードであり、変復調部としてのRF部101がカードアダプタ100に内蔵され、ベースバンド信号を処理するBB部111がカード110に内蔵されている。また、カード110には、アンテナ収納部112が設けられている。
このようなカードアダプタ100とカード110は脱着可能である。すなわち、カードアダプタ100の右側部とカード110の左側部とにそれぞれコネクタが設けられ(図示せず)、これらのコネクタを接続することで、カードアダプタ100とカード110とを1枚のPCカードとして使用することができるようになっている。
【0003】
上記従来のPCカードモジュールが、かかる構成をとることにより、カード110と一体になったカードアダプタ100の左側部を図示しないノート型パソコンのカードスロットに挿入し、カードアダプタ100のコネクタ102をカードスロット内のコネクタに接続した後、当該パソコン側からデータの送受信指令を行うと、このPCカードモジュールを介して、当該パソコンと図示しないアクセスポイントとの間で、データの送受信を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−83538号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来のPCカードモジュールでは、次のような問題がある。従来のPCカードモジュールでは、RF部101がカードアダプタ100に内蔵され、BB部111及びアンテナ収納部112がカード110に内蔵された構成であるので、パソコン内のデータを送信する際、図9に示すように、当該データの信号は、カードアダプタ100を通ってカード110のBB部111に至り、BB部111からカードアダプタ100のRF部101に戻る。そして、RF部101からカード110に再度戻り、アンテナ収納部112から発信される。すなわち、信号がPCカードモジュール内全体を蛇行するため、信号経路の全長が非常に長い。アンテナ収納部112から受信した信号も同様であり、PCカードモジュール内全体を蛇行してパソコンに入力される。
このように、従来のPCカードモジュールでは、非常に長い信号経路を内部に形成しなければならないため、製造工程数の増加や部品点数の増加を招き、製造コストが高く付くことになる。特に、信号がカードアダプタ100とカード110との間で往復するため、カードアダプタ100とカード110とを接続するコネクタに多数のピンが必要となる。
さらに、信号経路が長いので、雑音が侵入しやすい。従って、雑音除去回路を特設しなければならないので、その分、製造工程数及び部品点数が増加すると共に、製造コストが高くなる。
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、内部の信号経路が短くなる構成にして、製造工程数及び部品点数の減少と製造コストの低減化を図り、しかも、状況に応じて適切な周波数の無線通信が可能なPCカードモジュールを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、板状部材からなり、一端部に第1コネクタ部を、他端部に第2コネクタ部をそれぞれ有し、第1コネクタ部を介してコンピュータのカードスロットに接続することができるカードアダプタと、板状部材からなり、一端部にカードコネクタ部を有し、カードアダプタの第2コネクタ部と当該カードコネクタ部とを接続することで、カードアダプタに対し脱着自在に取り付けることができるカードとを備えるPCカードモジュールであって、第1コネクタ部と第2コネクタ部間に接続され、コンピュータとの間でベースバンド信号を入力出力するためのLAN回路又はモデム回路を含むベースバンド部を、カードアダプタ内に収納し、カードコネクタ部に接続され、カードコネクタ部を介してベースバンド部との間で送信信号,受信信号を入出力する無線通信回路を含んだ高周波部を、カード内に収納すると共に、当該カードの他端側に高周波部に接続されたアンテナ部を設けた構成としてある。
かかる構成により、カードアダプタを第1コネクタ部を介してコンピュータのカードスロットに接続すると共に、カードコネクタ部を第2コネクタ部に接続して、カードをカードアダプタに脱着自在に取り付けることができる。この状態で、コンピュータからのベースバンド信号は、第1コネクタ部を介して直接カードアダプタのベースバンド部に入力され、このベースバンド部からの送信信号が第2及びカードコネクタ部を介して直接カードの高周波部に入力される。そして、高周波部で所定の処理をされた送信信号が、カードのアンテナ部から送信される。また、カードのアンテナ部で受信された受信信号は、高周波部からカードコネクタ部及び第2コネクタ部を介してカードアダプタのベースバンド部に直接出力される。そして、その信号がベースバンド部から第1コネクタ部を介してコンピュータにベースバンド信号として直接入力される。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のPCカードモジュールにおいて、カードアダプタのベースバンド部は、複数種類の周波数帯に対応し、選択された一の周波数帯で機能するものであり、カードの高周波部は、複数種類の周波数帯に対応し、選択された一の周波数帯を用いて機能するものである構成とした。
かかる構成により、複数種類の周波数帯の中から一の周波数帯を任意選択し、この周波数帯での通信を行うことができる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のPCカードモジュールにおいて、カードアダプタのベースバンド部は、複数種類の周波数帯に対応し、選択された一の周波数で機能するものであり、カードは、周波数帯の種類数だけ用意され、各カードの高周波部は、他の各カードの高周波部の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものである構成とした。
かかる構成により、所望の周波数で機能するカードをカードアダプタに取り付けることで、当該周波数での無線通信が可能となる。この結果、その場に適したカードを使用することで、通信がしにくい環境においても容易に通信することができる。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載のPCカードモジュールにおいて、カードアダプタは、複数用意され、各カードアダプタのベースバンド部は、他の各カードアダプタのベースバンド部の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものであり、カードの高周波部は、複数のカードアダプタで用いられている複数種類の周波数帯に対応し、当該カードが接続されたカードアダプタのベースバンド部に用いられている一の周波数帯で機能するものである構成とした。
かかる構成により、所望の周波数で機能するカードアダプタをカードに取り付けることで、当該周波数での無線通信が可能となる。
【0011】
さらに、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のPCカードモジュールにおいて、カードのアンテナ部を分離し、アンテナ部が分離されたカードの端部に第3コネクタ部を設けると共に、第4コネクタ部をアンテナ部に設け、これら第3及び第4コネクタ部を接続することでアンテナ部をカードに脱着自在に取り付けることができるようにした構成としてある。
かかる構成により、所望の性能のアンテナ部を選択して、カードに取り付けることで、より良い通信状態を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図であり、図2はカードアダプタ2とカード3との電気的構造を示す概略平面図であり、図3はカードアダプタとカードとを組み付けた状態を示す斜視図である。
図1において、符号1がPCカードモジュールであり、このPCカードモジュール1は、JEIDAVER4.1以上又はPCMCIAVER2.0以上の規格に適合した幅と厚さを有した板状部材からなるカードアダプタ2とカード3とでなる。これらカードアダプタ2とカード3とは脱着自在に取り付けることができ、これらを取り付けることで、無線LANのPCカードモジュール1を構成する。
【0013】
カードアダプタ2は、ノート型パソコン200のデータバスに連結したカードスロット201に挿入する部分であり、その一端部としての後端部(図の左側端部)に設けられたピンジャック構造の第1コネクタ部20を介してノート型パソコン200に設けられているカードスロット201のデータバスと電気的に接続することができるようになっている。また、カードアダプタ2の他端部としての前端部には、ピンプラグ構造の第2コネクタ部21が設けられており、カード3との電気的接続を可能にしている。
【0014】
このカードアダプタ2には、図1及び図2に示すように、ベースバンド部23(以下「BB部23」と記す)が収納されている。
BB部23は、第1コネクタ部20と第2コネクタ部21との間に接続された周知のLAN回路であり、図示しないコントローラによって、ノート型パソコン200からのベースバンド信号Bを入力してネットワーク用の送信信号Tに変調する機能を有してる。さらに、BB部23は、カード3からの受信信号Rをベースバンド信号Bに復調してノート型パソコン200に出力する機能を有している。
また、このようなBB部23は、2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯に対応している。すなわち、カードアダプタ2は、BB部23が2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯のうちの一の周波数帯を任意に選択し、選択した一の周波数で入力信号を変復調することができる機能を有した所謂コンボモデル(combo model)である。
【0015】
一方、カード3は、上記カードアダプタ2に取り付ける部分であり、その一端部としての後端部に設けられたピンジャック構造のカードコネクタ部30をカードアダプタ2の第2コネクタ部21に接続することで、カード3をカードアダプタ2に電気的に接続することができるようになっている。
このカード3には、高周波部31(以下「RF部31」と記す)とアンテナ部32とが収納されている。
【0016】
RF部31は、カードコネクタ部30に接続された周知の無線通信回路であり、図示しない拡散符号発生器と乗算器などによって、カードアダプタ2のBB部23からの送信信号Tをスペクトラム拡散で変調する機能と、アンテナ部32からの受信信号R′をスペクトラム逆拡散で復調してカードアダプタ2側に出力する機能と有している。
また、このRF部31も、2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯に対応している。すなわち、カード3は、2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯のうち、カードアダプタ2側で選択された一の周波数帯を用いて上記変復調を行うことができる所謂コンボモデルである。
【0017】
アンテナ部32は、カードアダプタ2の他端側としての前部に設けられ、RF部31に接続されたアンテナ回路32aを含む。このアンテナ部32は、基板上に誘電体を積層し、当該誘電体上に金属のアンテナ回路32aをパターン形成したもので、アンテナ部32の小型化が図られている。
【0018】
なお、図1において、符号4は保持機構であり、この保持機構4は、カードアダプタ2の前両側端部からカード3側に延出した一対のガイド40,40と、カード3の後両側部に形成された一対の切欠部41,41とで構成されている。これにより、カード3の切欠部41,41をカードアダプタ2のガイド40,40の溝40a,40a内に挿入して、カード3のカードコネクタ部30をカードアダプタ2の第2コネクタ部21に接続することで、図3に示すように、カードアダプタ2とカード3とが電気的に接続されると共に、カード3が保持機構4によって着脱自在に保持される。
【0019】
次に、この実施形態のPCカードモジュールが示す動作について説明する。
図4は、カードアダプタ2とカード3との電気的接続状態を示す概略平面図である
まず、図3及び図4に示すように、カード3の切欠部41,41をカードアダプタ2のガイド40,40に挿入することで、カードコネクタ部30を第2コネクタ部21に接続し、カードアダプタ2とカード3とを一体にした状態にする。かかる状態で、カードアダプタ2の後端部をノート型パソコン200のカードスロット201(図1参照)内に挿入し、第1コネクタ部20をカードスロット201のデータバスと電気的に接続する。
【0020】
かかる状態で、ベースバンド信号Bが、ノート型パソコン200からカードスロット201を介してカードアダプタ2の第1コネクタ部20に送られると、ベースバンド信号Bは、カードアダプタ2内の信号経路パターン50を通ってBB部23に入力される。すると、ベースバンド信号Bは、2.4GHzと5.0GHzの2種類の周波数帯のうちの選択された一の周波数、例えば5.0GHzの周波数帯によってネットワーク用の送信信号Tに変調された後、信号経路パターン51に出力される。そして、送信信号Tは、第2コネクタ部21及びカードコネクタ部30から信号経路パターン52を通って、カード3のRF部31に入力される。
【0021】
すると、送信信号Tは、5.0GHzの周波数帯を用いて変調された後、変調送信信号T′として、信号経路パターン53を介してアンテナ部32に出力され、アンテナ回路32aから電波となって発信される。
【0022】
一方、アンテナ部32で受信された受信信号R′は、信号経路パターン53を介してRF部31に入力され、5.0GHzの周波数帯を用いて復調され後、復調後の受信信号Rが信号経路パターン52,カードコネクタ部30,第2コネクタ部21,信号経路パターン51を介してBB部23に入力される。すると、受信信号Rが、BB部23において、5.0GHzの周波数帯でベースバンド信号Bに復調され、そのベースバンド信号Bが信号経路パターン50,第1コネクタ部20,カードスロット201を介してノート型パソコン200に入力される。
【0023】
また、5.0GHzの周波数帯を用いると、近距離間で大きなデータ量の無線通信が可能であるが、遠距離間では、大データ量の通信が困難になる。かかる場合には、PCカードモジュール1のBB部23において、2.4GHzの周波数帯を選択することで、安定したデータ通信を行うことができる。
【0024】
以上のように、この実施形態のPCカードモジュール1によれば、ノート型パソコン200からの信号が、図9に示した従来のPCカードモジュールのようにカードアダプタ2とカード3間を蛇行することなく、図4に示すように、BB部23、RF部31、アンテナ部32の順で直接伝わる。また、アンテナ部32で受信された信号も、RF部31、BB部23の順で直接伝わる。即ち、PCカードモジュール1の内部の信号経路50〜53を、図8に示した従来のPCカードモジュールに比べて極めて短くすることができるので、製造工程数やコネクタ部のピン等の部品点数を減少させることができる。また、外部のノイズが信号経路パターン50〜53に侵入するおそれも少なく、そのため、雑音除去回路を特設する必要がない。この結果、この実施形態のPCカードモジュール1を適用することで、製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、近年のネットワークシステムの大規模化に伴い、BB部に高処理能力のコントローラなどが使用されると共に、その回路規模も大きくなり、BB部のチップ自体が大型化している。このため、ノート型パソコンからBB部に供給する電源も大きなものが必要となる。対して、RF部は、近年の回路設計技術と半導体製造技術の向上に伴い、回路規模が小さくなり、RF部のチップ自体が小型化している。このため、ノート型パソコンからRF部に供給する電源に大きなものを必要としない。
このような技術的状況下にあるにもかかわらず、上記従来のPCカードモジュールでは、大きな電源を必要とするBB部111がノート型パソコンから遠く離れたカード110に設けられ、大きな電源を必要としないRF部101がノート型パソコンに近いカードアダプタ100に設けられているため、BB部111への電源供給を十分に行うことができない。このため、BB部111のための電源回路をカード110内に特設する必要が生じ、その分製造コストの増大を招く。これに対して、この実施形態のPCカードモジュール1では、近年の技術状況下に対応させて、大きな電源を必要とするBB部23をノート型パソコン200の近くに位置するカードアダプタ2に設け、大きな電源を必要としないRF部31をノート型パソコン200から離れたカード3に設けた構成としたので、BB部23及びRF部31への電源供給はノート型パソコン200からの電源のみで十分である。このため、BB部23のための電源回路を特設する必要がなく、その分製造コストの削減を図ることができる。
【0025】
(第2実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
この実施形態のPCカードモジュールは、カードアダプタ2をコンボモデルとした点で上記第1実施形態と共通するが、カード3をシングルモデルにした点が上記第1実施形態と異なる。
具体的には、カードアダプタ2は、第1実施形態と同様に、BB部23が2.4GHzと5.0GHzのうちの一の周波数帯を任意に選択し、選択した一の周波数で入力信号を変復調することができる機能を有した所謂コンボモデルである。
これに対して、カード3は周波数帯の種類数である2枚だけ用意されている。各カード3−1(3−2)のRF部31−1(31−2)は、他の各カード3−2(3−1)のRF部31−2(31−1)の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものである。ここでは、カード3−1のRF部31−1の周波数帯を2.4GHz、カード3−2のRF部31−2の周波数帯を5.0GHzとした。
また、カード3−1(3−2)のアンテナ部32−1(32−2)は、使用周波数帯2.4GHz(5.0GHz)に対応したアンテナ回路32aを有している。
【0026】
かかる構成により、カード3−1又はカード3−2を差し替えることで、状況に応じた適切な無線通信を行うことができる。
また、各カード3−1(3−2)をシングルモデルとすることにより、各カード3−1(3−2)のRF部31−1(31−2)の設計が容易となり、且つその回路構造も簡略化することができる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1実施形態と同様であるので、その記載は省略する。
【0027】
(第3実施形態)
図6は、この発明の第3実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
この実施形態のPCカードモジュールは、カードアダプタ2をシングルモデルとし、カード3をコンボモデルにした点が上記第2実施形態と異なる。
具体的には、カードアダプタ2は周波数帯の種類数である2枚だけ用意されている。各カードアダプタ2−1(2−2)のBB部23−1(23−2)は、他の各カードアダプタ2−2(2−1)のBB部23−2(23−1)の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものである。ここでは、カードアダプタ2−1のBB部23−1の周波数帯を2.4GHz、カードアダプタ2−2のBB部23−1の周波数帯を5.0GHzとした。
カード3は、第1実施形態と同様に、シングルモデルであり、RF部31が、カードアダプタ2−1,2−2で用いられている2.4GHzと5.0GHzに対応している。
したがって、カード3は、カード3に接続されたカードアダプタ2−1(2−2)のBB部23−1(23−2)に用いられている2.4GHz(5.0GHz)で機能する。
その他の構成,作用及び効果は上記第1及び第2実施形態と同様であるので、その記載は省略する。
【0028】
(第4実施形態)
図7は、この発明の第4実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
この実施形態のPCカードモジュールは、カード3のアンテナ部32を分離した点が上記第1ないし第3実施形態と異なる。
すなわち、カード3′とは別体の2つのアンテナ部32−3,32−4を用意する。そして、カード3′の前端部に第3コネクタ部33を設けると共に、各アンテナ部32−3(32−4)に第4コネクタ部34をに設ける。これにより、第3及び第4コネクタ部33,34を接続することで、アンテナ部32−3(32−4)をカード3′に脱着自在に取り付けることができるようにした。
【0029】
具体的には、アンテナ部32−3は、上記実施形態で適用されたアンテナ部32と同様の構造を有する。すなわち、基板上に誘電体を積層し、当該誘電体上に金属のアンテナ回路32a−1をパターン形成したもので、小型なアンテナ部である。
これに対して、アンテナ部32−4は、アンテナ部32−3とは異なり、基板上に直接金属のアンテナ回路32a−2をパターン形成したもので、大型なアンテナ部である。
【0030】
かかる構成により、常時は、多少アンテナ特性が劣るものの小型なアンテナ部32−3をカード3′に接続して使用し、通信状況により、大型ではあるがアンテナ特性に優れたアンテナ部32−4に差し替えて使用することで、より良い通信状態を得ることができる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1ないし第3実施形態と同様であるので、その記載は省略する。
【0031】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、コンボモデルのPCカードモジュール1について説明したが、カードアダプタ2及びカード3が共に一の周波数帯のみを使用する、所謂シングルモデルのPCカードモジュールを発明の範囲から場外する意味ではない。
また、上記実施形態では、カードアダプタ2のBB部23としてLAN回路を適用した例について説明したが、BB部23としてモデム回路を用いて、無線モデム通信を可能にするPCカードモジュールもこの発明の範囲内の態様であることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、この発明のPCカードモジュールによれば、LAN回路又はモデム回路を含むベースバンド部を、カードアダプタ内に収納すると共に、無線通信回路を含む高周波部をカード内に収納した構成であるので、コンピュータからの信号が、カードアダプタとカード間を蛇行することなく、ベースバンド部、高周波部、アンテナ部の順で直接伝わる。また、アンテナ部で受信された信号も、高周波部、ベースバンド部の順で直接伝わる。従って、PCカードモジュールの内部の信号経路を、従来のPCカードモジュールに比べて極めて短くすることができるので、製造工程数やコネクタ部のピン等の部品点数を減少させることができ、また、雑音除去回路も特設する必要もなく、この結果、製造コストの低減化を図ることができるという優れた効果がある。
【0033】
特に、請求項3ないし請求項5の発明に係るPCカードモジュールによれば、カードアダプタ、カードやアンテナ部を任意に選択して使用することができるので、状況に応じた適切な周波数の無線通信を行うことができるという優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係るPCカードモジュールを示す分解斜視図である。
【図2】カードアダプタとカードとの電気的構造を示す概略平面図である。
【図3】カードアダプタとカードとを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図4】カードアダプタとカードとの電気的接続状態を示す概略平面図である。
【図5】この発明の第2実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
【図6】この発明の第3実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
【図7】この発明の第4実施形態に係るPCカードモジュールを示す斜視図である。
【図8】従来のPCカードモジュールを示す概略図である。
【図9】従来のPCカードモジュールにおける信号の流れを示す概略図である。
【符号の説明】
1…PCカードモジュール、 2,2−1,2−2…カードアダプタ、 3,3′,3−1,3−2…カード、 20…第1コネクタ部、 21…第2コネクタ部、 23,23−1,23−2…BB部(ベースバンド部)、 30…カードコネクタ部、 31,1−1,31−2…RF部(高周波部)、 32,32−1〜32−4…アンテナ部、 32a,32a−1,32a−2…アンテナ回路、 33…第3コネクタ部、 34…第4コネクタ部、 4…保持機構、 40…ガイド、 41…切欠部、 50〜53…信号経路パターン、 200…ノート型パソコン、 201…カードスロット、 B…ベースバンド信号、 R,R′…受信信号、 T,T′…送信信号。
Claims (5)
- 板状部材からなり、一端部に第1コネクタ部を、他端部に第2コネクタ部をそれぞれ有し、上記第1コネクタ部を介してコンピュータのカードスロットに接続することができるカードアダプタと、
板状部材からなり、一端部にカードコネクタ部を有し、上記カードアダプタの第2コネクタ部と当該カードコネクタ部とを接続することで、カードアダプタに対し脱着自在に取り付けることができるカードとを備えるPCカードモジュールであって、
上記第1コネクタ部と第2コネクタ部間に接続され、上記コンピュータとの間でベースバンド信号を入力出力するためのLAN回路又はモデム回路を含むベースバンド部を、上記カードアダプタ内に収納し、
上記カードコネクタ部に接続され、カードコネクタ部を介して上記ベースバンド部との間で送信信号,受信信号を入出力する無線通信回路を含んだ高周波部を、上記カード内に収納すると共に、
当該カードの他端側に上記高周波部に接続されたアンテナ部を設けた、
ことを特徴とするPCカードモジュール。 - 請求項1に記載のPCカードモジュールにおいて、
上記カードアダプタのベースバンド部は、複数種類の周波数帯に対応し、選択された一の周波数帯で機能するものであり、
上記カードの高周波部は、上記複数種類の周波数帯に対応し、上記選択された一の周波数帯を用いて機能するものである、
ことを特徴とするPCカードモジュール。 - 請求項1に記載のPCカードモジュールにおいて、
上記カードアダプタのベースバンド部は、複数種類の周波数帯に対応し、選択された一の周波数で機能するものであり、
上記カードは、上記周波数帯の種類数だけ用意され、各カードの高周波部は、他の各カードの高周波部の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものである、
ことを特徴とするPCカードモジュール。 - 請求項1に記載のPCカードモジュールにおいて、
上記カードアダプタは、複数用意され、各カードアダプタのベースバンド部は、他の各カードアダプタのベースバンド部の周波数帯とは異なる一の周波数帯で機能するものであり、
上記カードの高周波部は、上記複数のカードアダプタで用いられている複数種類の周波数帯に対応し、当該カードが接続されたカードアダプタのベースバンド部に用いられている一の周波数帯で機能するものである、
ことを特徴とするPCカードモジュール。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のPCカードモジュールにおいて、
上記カードのアンテナ部を分離し、アンテナ部が分離されたカードの端部に第3コネクタ部を設けると共に、第4コネクタ部をアンテナ部に設け、これら第3及び第4コネクタ部を接続することでアンテナ部をカードに脱着自在に取り付けることができるようにした、
ことを特徴とするPCカードモジュール。
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