【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面にキャスト塗被層を、裏面に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を有する片面キャスト塗被紙とその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
キャスト塗被紙は、そのキャスト塗被層が高い光沢を有する特長から、雑誌表紙や化粧包装箱用などに広く用いられている。特に、雑誌表紙用では、本文に塗被紙が広く用いられていることから、それに合わせて裏面側の非キャスト面に、塗被層を有する片面キャスト塗被紙が主に使用されている。
【０００３】
しかしながら、片面のみをキャストドラムに圧着乾燥させるキャスト塗被紙においては、カールが発生し易く、印刷工程に支障を及ぼす恐れがある。この問題を解消する方法として、ロール転写方式で非キャスト面に水を塗布する方法や、キャスト塗被面に蒸気などを作用させる方法などが知られている。しかし、水を塗布する方法では非キャスト塗被層の品質が低下するという問題かあり、蒸気等を作用させる方法では高速化に対応しようとすると効果が不十分になるという問題がある。
【０００４】
また、このような問題を解消するものとして、原紙の両面にポリアクリルアマイド水溶液を乾燥重量で０．５〜５．０ｇ／ｍ２ 塗被して乾燥する方法も知られている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００５】
【特許文献１】
特開平１０−２０４７９３号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献に開示されているように、原紙の抄紙時にポリアクリルアマイド等を塗被する方法では、原紙の透気性が損なわれる結果、高速化に伴って、キャストドラム上でキャスト面にピンホールを発生し易いという問題が生起する。
【０００７】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、片面キャスト塗被紙において非キャスト面の品質を損なうことなくカールを無くすことができ、かつ高速化にも対応できるキャスト塗被紙とその製造方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のキャスト塗被紙は、支持体の表面にキャスト用塗被組成物を塗被し、鏡面のキャストドラムに圧接、乾燥してなるキャスト塗被層を有し、支持体の裏面に顔料と接着剤を主成分とする裏面塗被層を有するキャスト塗被紙であって、裏面塗被層に粒径が１００μｍ以下の液体を噴霧塗布し、乾燥して仕上げて成り、裏面塗被層の白紙光沢が、ＪＩＳ Ｐ８１４２による７５°光沢度試験で５５％〜７０％で、かつ１辺１０ｃｍの正方形の試験片を温度２５℃、湿度８０％の環境下に２４時間放置後における４つの角のカール高さの最大値が１０ｍｍ以下であるものである。
【０００９】
この構成によれば、表面のキャスト塗被層と裏面塗被層を有する片面キャスト塗被紙において、その裏面塗被層に粒径が１００μｍ以下の液体を噴霧塗布し、乾燥して仕上げているので、裏面塗被層の白紙光沢、印刷光沢、平滑性等の品質を損なうことなく、カールの発生を確実に防止できかつ高速化にも対応することができる。
【００１０】
また、本発明のキャスト塗被紙の製造方法は、裏面に顔料と接着剤を主成分とする裏面塗被層を形成した支持体の表面にキャスト用塗被組成物を塗被し、支持体表面を鏡面ドラムに圧接、乾燥してキャスト塗被層を仕上げ形成するキャスト塗被紙の製造方法において、裏面塗被層に対して液体を、粒径が１００μｍ以下の状態で噴霧塗布し、乾燥して仕上げるものである。好適には、粒径が３０μｍ以上の液体を遠心力で噴霧することにより、支持体の高速搬送に伴う気流の影響を受けずに液体を適切に噴霧塗布することができる。
【００１１】
この構成によると、上記のように裏面塗被層の品質を損なうことなく、カールの発生を確実に防止できかつ高速化にも対応することができる。
【００１２】
また、液体の塗布量を、０．１〜１．５ｃｃ／ｃｍ２ とすることで、カールの発生を確実に防止しつつ塗被層の品質を維持でき、好適である。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のキャスト塗被紙とその製造方法の一実施形態について、図１〜図３を参照して詳細に説明する。
【００１４】
本発明は、裏面に顔料と接着剤を主成分とする裏面塗被層を形成した支持体の表面にキャスト用塗被組成物を塗被し、支持体表面を鏡面のキャストドラムに圧接、乾燥してキャスト塗被層を仕上げ形成するキャスト塗被紙の製造方法において、裏面塗被層に対して液体を、粒径が１００μｍ以下の状態で噴霧塗布し、乾燥して仕上げるものである。
【００１５】
図１において、裏面塗被層が塗工された支持体としての原紙１がリール２から繰り出され、塗工装置３にてその表面にキャスト用塗被組成物が塗工され、乾燥部４を通過する間に乾燥され、次いで、外周面が鏡面仕上げされ、所定温度に加熱されているキャストドラム５にそのキャスト用塗被組成物塗工面が圧接、乾燥されてキャスト面が形成され、その後液体付与装置６にて裏面塗被層に対して水を、粒径が３０μｍ以上、１００μｍ以下の状態で噴霧塗布し、赤外線ヒータ７にて乾燥して仕上げ、リール８に巻き取るように構成されている。
【００１６】
上記のように水を粒径が３０μｍ以上、１００μｍ以下の状態で噴霧塗布する液体付与装置６としては、商品名「ローターダンプニング」（ニッカ株式会社）が好適に適用される。その構成は、図２に示すように、複数の回転自在な中空円盤状のロータ１１を所定間隔で一列状に配置するとともに、各ロータ１１に同芯状にプーリ１２を連結固定し、駆動モータ（図示せず）にて回転駆動される駆動プーリ１３にてベルト１４を介して各プーリ１２を連動して高速にて回転駆動するとともに、各ロータ１１内に水を供給するように構成されている。これにより、図３に示すように、約５０００ｒｐｍ程度の高速で回転するロータ１１内の水が遠心力によってロータ１１の外周から噴出する細かい霧から成る薄膜状の噴霧流１５が形成され、この各ロータ１１からの噴霧流１５の幅ｄをシャッタ１６にて規制することで、所定の噴霧塗布幅Ｄを一様に噴霧塗布する連続した噴霧塗布流１７が形成される。このように高速回転するロータにて遠心力によって水を噴霧することにより、粒径が３０μ以上、１００μｍ以下、例えば７５μｍ程度の水滴にして噴霧塗布することができるとともに、塗布量を精度良く制御することができる。
【００１７】
次に、以上の装置構成にて製造する本実施形態のキャスト塗被紙の構成と製造方法を詳細に説明する。
【００１８】
支持体としての原紙１の原料パルプは、特に限定されない。既知のＫＰのような化学パルプ、ＰＧＷ、ＳＧＰ、ＲＧＰ、ＢＣＴＭＰ、ＣＴＭＰ等の機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプ、あるいはケナフ、竹、麻、藁等の非木材パルプ等を、単独であるいは二種以上を混合して用いることができる。特に、同一秤量の他のパルプと比較して不透明度が高く、森林資源保護に寄与する古紙パルプを用いるのが好ましく、また原紙を嵩高とするためには化学パルプに比して機械パルプや古紙パルプの配合量を１０重量％以上、好適には５０重量％以上とするのが好ましい。原紙１の坪量は特に限定されず、一般の印刷用塗被紙の坪量である、３０〜４００ｇ／ｍ２ 程度とすることができる。
【００１９】
なお、支持体は原紙に限らず、多孔性合成樹脂フィルムや不織布等を用いることもできる。
【００２０】
キャスト用塗被組成物としては、従来から汎用されている顔料及び接着剤を主成分とするキャスト塗被紙用塗被液を適用できる。顔料としては、デラミネートクレー、炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、サチンホワイト、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、シリカ、活性白土、珪藻土、レーキ等の無機顔料や、スチレン−アクリル共重合体などの有機顔料などを１種又は複数種を適宜選択して混合したものが使用される。
【００２１】
塗被液に使用される接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、酸化でんぷん、エステル化でんぷん、酵素変性でんぷんやそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性でんぷん、カゼイン、大豆蛋白等の天然系接着剤等を用い得る。
【００２２】
これらの接着剤は、顔料１００重量部に対して５〜５０重量部、より好ましくは１０〜３０重量部の範囲で用いるのが好適である。接着剤が上記範囲より少ないと接着性が劣り、多いと光沢性の発現を低下させる。また、塗被液には、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等の補助剤が含有される。
【００２３】
また、支持体の裏面の裏面塗被層を形成する塗被液についても、従来から汎用されている顔料及び接着剤を主成分とする塗被液を適用でき、その顔料や接着剤としては、上記キャスト塗被紙用塗被液と基本的に同様のものを用いることができる。
【００２４】
支持体への塗被液の塗工方法は、ブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、ブラシコータ、カーテンコータ、バーコータ、グラビアコータ、サイズプレスコータ等の塗工装置によって一層又は多層に分けて行うことができる。
【００２５】
塗工量は、キャスト塗被層については、乾燥重量で１５〜３０ｇ／ｍ２ 、好適には１５〜２５ｇ／ｍ２ の範囲に調整される。また、裏面塗被層については、乾燥重量で５〜２０ｇ／ｍ２ 、好適には５〜１５ｇ／ｍ２ の範囲に調整される。塗工量が、上記範囲未満では、原紙の被覆性に劣り、塗工層が形成され難く、また原紙の地合いの影響を受けて平滑度が不充分となり、上記範囲を越えると紙のこしがなくなるとともにコスト高となる。
【００２６】
上記のようにキャスト塗被層を形成した後、そのキャスト塗被層をキャストドラム５に圧着するように巻付けてキャストコートする。キャストコート後に、次に裏面塗被層に対して上記液体付与装置６を用いて０．１〜１．５ｃｃ／ｃｍ２ の量の水などの液体を、粒径が１００μｍ以下、好適には７５μｍ以下、３０μｍ以上の状態にして噴霧塗布し、赤外線ヒータ等にて乾燥して仕上げる。液体としては、水で良いが、その他にカール防止剤を用いて裏面塗被層の改質を図るようにすることもできる。また、液体の塗布量が、上記範囲未満ではカール防止効果が不十分となり、逆に上記範囲を越えると、裏面塗工層の白紙光沢や平滑度などの品質に悪影響を与えることになる。また、噴霧する液体の粒径が上記範囲を越えると、従来のロール転写方式と同様に裏面塗被層の品質を悪化させることになる。
【００２７】
このように液体を噴霧塗布することにより、１００ｍ／ｍｉｎ以上の高速にて塗工、キャストを行っても、裏面塗被層の白紙光沢が、ＪＩＳ Ｐ８１４２による７５°光沢度試験で５５％〜７０％で、かつ１辺１０ｃｍの正方形の試験片を温度２５℃、湿度８０％の環境下に２４時間放置後における４つの角のカール高さの最大値が１０ｍｍ以下の片面キャスト塗被紙を得ることができる。
【００２８】
【実施例】
次に、本発明のいくつかの実施例と比較例を説明する。
【００２９】
片面キャスト塗被紙において、その裏面塗被層に対する水の塗布形態によるカール防止効果に対する影響について調査する実験を行うため、試料として次のものを用意した。
【００３０】
原紙：フリーネス３５０ｍｌとした古紙パルプと、フリーネス４５０ｍｌとしたＬＢＫＰを配合し、硫酸バンドの助剤を添加し、抄紙した。
【００３１】
顔料：クレー（商品名：ウルトラホワイト９０／エンゲルハード社製）を有機顔料との合計で６０重量部、デラミネートクレー（商品名：ハイドラプリント／ヒューバー社製）２０重量部、炭酸カルシウム（商品名：ＦＭＴ９０／ファイマテック社製）２０重量部の混合顔料を用いた。
【００３２】
接着剤：リン酸エステル化でんぷん（日本食品化工製）とスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス（旭化成工業製）を１対３で配合したものを用いた。
【００３３】
実施例１〜４及び比較例１〜３として、顔料として上記混合顔料を調整し、コーレス分散機を用いて水に分散して顔料分散液を調整し、顔料分散液１００重量部に対して接着剤を２０重量部配合し、塗被液を調製した。これを原紙の裏面側にブレードコータで塗工量が１５ｇ／ｍ２ となるように塗工して裏面塗被層を形成した。次に、この裏面塗被層が形成された原紙の表面側に、エアナイフコータでキャスト塗被層として塗工量が１９ｇ／ｍ２ となるように塗工した。この塗被紙の表面側をキャストドラムに圧着させてキャストコートを行った。
【００３４】
その後、カール防止のために裏面塗被層に対して水を塗布するについて、実施例１〜４では、上記液体付与装置６を用いて、粒子径を７５μｍと１００μｍ、塗布量を１．０ｃｃ／ｃｍ２ 、１．３ｃｃ／ｃｍ２ 、１．５ｃｃ／ｃｍ２ の間で変えて塗布した。また、比較例１として、粒子径１５０μｍ、塗布量１．０ｃｃ／ｃｍ２ とし、比較例２として、塗布量１．５ｃｃ／ｃｍ２ でロール転写にて塗布し、比較例３として水を塗布しなかった。
【００３５】
以上の各実施例及び比較例について、得られたキャスト塗被紙の裏面の白紙光沢とカールの発生について調査した。その評価結果を、表１に示す。
【００３６】
【表１】
表１において、白紙光沢は、ＪＩＳ Ｐ ８１４２ に基づいて測定した。また、カールは、１辺１０ｃｍの正方形の試験片を作製し、それを温度２５℃、湿度８０％の環境下に２４時間放置した後、４つの角のカール高さの最大値を測定した。
【００３７】
表１の実施例１〜４から、水の粒径が７５μｍ〜１００μｍとし、塗布量を１．０〜１．５ｃｃ／ｃｍ２ とすることで、白紙光沢が６０％以上で、カールが５ｍｍ以下の片面キャスト塗被紙が得られることが分かる。
【００３８】
一方、比較例１から水の粒径が１００μｍを越えた１５０μｍになると、カールの発生は防止できても、白紙光沢が５２％と、所望の５５％以上の白紙光沢が得られず、また比較例２からロール転写を適用した場合も、カールの発生は防止できても、白紙光沢が４５％と所望の白紙光沢が一層得られず、また比較例３からから水を塗布しない場合は、白紙光沢が６５％と、所望の５５％以上の白紙光沢が得られるが、カールが２０ｍｍとなってカールの発生を防止できないことが分かる。
【００３９】
【発明の効果】
本発明によれば、表面のキャスト塗被層と裏面塗被層を有する片面キャスト塗被紙において、その裏面塗被層に粒径が１００μｍ以下の液体を噴霧塗布し、乾燥して仕上げることにより、裏面塗被層の白紙光沢、印刷光沢、平滑性等の品質を損なうことなく、カールの発生を確実に防止できかつ高速化にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態におけるキャストコート工程の模式図である。
【図２】同実施形態における液体付与装置を示し、（ａ）は全体斜視図、（ｂ）はその１つのロータの概略構成図である。
【図３】同実施形態におけるロータによる噴霧流形成の説明図であって、（ａ）は正面図、（ｂ）は平面図である。
１ 原紙（支持体）
３ 塗工装置
４ 乾燥装置
５ キャストドラム
６ 液体付与装置
７ 赤外線ヒータ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a single-sided cast coated paper having a cast coating layer on the front surface and a coating layer mainly containing a pigment and an adhesive on the back surface, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Cast coated paper is widely used for magazine covers, decorative packaging boxes, and the like because of its high glossiness in the cast coated layer. In particular, for magazine covers, since the coated paper is widely used for the text, a single-sided cast coated paper having a coating layer on the non-cast surface on the back side is mainly used in accordance with that.
[0003]
However, in the case of a cast coated paper in which only one side is pressed and dried on a cast drum, curling is likely to occur, which may hinder the printing process. As a method for solving this problem, a method of applying water to a non-cast surface by a roll transfer method, a method of applying steam or the like to a cast-coated surface, and the like are known. However, the method of applying water has a problem of deteriorating the quality of the non-cast coating layer, and the method of applying steam or the like has a problem that the effect is insufficient when trying to cope with high speed.
[0004]
Further, as a method for solving such a problem, a method is also known in which a polyacrylamide aqueous solution is applied on both sides of a base paper in a dry weight of 0.5 to 5.0 g / m 2 and dried (for example, see Patent Reference 1).
[0005]
[Patent Document 1]
JP 10-204793 A
[Problems to be solved by the invention]
However, as disclosed in the above-mentioned patent document, in the method of applying polyacrylamide or the like at the time of making the base paper, the air permeability of the base paper is impaired. There is a problem that a pinhole is easily generated.
[0007]
In view of the above-mentioned conventional problems, the present invention provides a cast coated paper which can eliminate curl without impairing the quality of a non-cast surface in a single-sided cast coated paper, and can cope with high speed, and a method of manufacturing the same. The purpose is to provide.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The cast coated paper of the present invention has a cast coating layer formed by coating a coating composition for casting on the surface of a support, pressing against a cast drum having a mirror surface, and drying. And a back coating layer having a back coating layer mainly composed of an adhesive, wherein the back coating layer is formed by spray-coating a liquid having a particle size of 100 μm or less, drying and finishing the back coating layer. Has a white paper gloss of 55% to 70% in a 75 ° gloss test according to JIS P8142, and has four corners after leaving a square test piece of 10 cm per side for 24 hours in an environment of a temperature of 25 ° C. and a humidity of 80%. Has a maximum curl height of 10 mm or less.
[0009]
According to this configuration, in a single-sided cast coated paper having a front cast coated layer and a back coated layer, the back coated layer is spray-coated with a liquid having a particle size of 100 μm or less, and is dried and finished. Therefore, it is possible to reliably prevent the occurrence of curl and to cope with a high speed without impairing the quality of the back surface coating layer such as white paper gloss, print gloss, and smoothness.
[0010]
Further, the method for producing a cast coated paper of the present invention is a method of coating a coating composition for casting on the surface of a support having a back coating layer mainly composed of a pigment and an adhesive formed on the back. In a method for producing a cast coated paper in which the front surface is pressed against a mirror drum and dried to finish-form the cast coated layer, a liquid is spray-coated on the back coated layer in a state where the particle diameter is 100 μm or less, and dried. And finish it. Preferably, the liquid having a particle size of 30 μm or more is sprayed by centrifugal force, so that the liquid can be appropriately sprayed and applied without being affected by an airflow accompanying high-speed transport of the support.
[0011]
According to this configuration, it is possible to reliably prevent the curl from occurring and to cope with an increase in the speed without impairing the quality of the back surface coating layer as described above.
[0012]
Further, by setting the amount of the applied liquid to 0.1 to 1.5 cc / cm 2 , the quality of the coating layer can be maintained while reliably preventing the occurrence of curling, which is preferable.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
EMBODIMENT OF THE INVENTION Hereinafter, one Embodiment of the cast coated paper of this invention and its manufacturing method is described in detail with reference to FIGS.
[0014]
In the present invention, a coating composition for casting is applied to the surface of a support having a back coating layer mainly composed of a pigment and an adhesive formed on the back, and the support is pressed against a mirror-finished casting drum and dried. In the method for producing a cast coated paper, a liquid is spray-coated on the back coating layer in a state where the particle diameter is 100 μm or less, and dried to finish.
[0015]
In FIG. 1, a base paper 1 as a support on which a back coating layer is applied is unwound from a reel 2, a coating composition for casting is applied on the surface thereof by a coating apparatus 3, and a drying unit 4 is provided. The coating surface of the coating composition for casting is pressed against a casting drum 5 heated to a predetermined temperature, and dried to form a cast surface. Water is applied to the back coating layer by the application device 6 in a state where the particle diameter is 30 μm or more and 100 μm or less, dried by the infrared heater 7, finished, and wound on a reel 8. I have.
[0016]
As the liquid application device 6 for spray-applying water in a state where the particle diameter is 30 μm or more and 100 μm or less as described above, the trade name “Rotor Dampening” (Nikka Corporation) is suitably applied. As shown in FIG. 2, a plurality of rotatable hollow disk-shaped rotors 11 are arranged in a line at predetermined intervals, and a pulley 12 is connected and fixed concentrically to each rotor 11, as shown in FIG. Each of the pulleys 12 is driven to rotate at high speed in conjunction with a drive pulley 13 that is rotationally driven by a drive pulley 13 (not shown) via a belt 14, and water is supplied into each rotor 11. I have. As a result, as shown in FIG. 3, water in the rotor 11 rotating at a high speed of about 5,000 rpm is formed into a thin film-like spray flow 15 composed of fine mist ejected from the outer periphery of the rotor 11 by centrifugal force. By regulating the width d of the spray flow 15 from the rotor 11 by the shutter 16, a continuous spray application flow 17 for uniformly spray applying a predetermined spray application width D is formed. By spraying the water by the centrifugal force with the rotor rotating at a high speed in this way, it is possible to spray-coat water droplets having a particle diameter of 30 μm or more and 100 μm or less, for example, about 75 μm, and to control the application amount with high accuracy be able to.
[0017]
Next, the configuration and the manufacturing method of the cast coated paper of the present embodiment manufactured by the above-described apparatus configuration will be described in detail.
[0018]
The raw pulp of the base paper 1 as a support is not particularly limited. Chemical pulp such as known KP, mechanical pulp such as PGW, SGP, RGP, BCTMP, CTMP, etc., deinked pulp, waste paper pulp, or non-wood pulp such as kenaf, bamboo, hemp, straw, etc. can be used alone or in combination. A mixture of more than one species can be used. In particular, it is preferable to use waste paper pulp that has a higher opacity than other pulp of the same weight and contributes to the protection of forest resources.In order to make base paper bulky, mechanical pulp or waste paper is used as compared with chemical pulp. The amount of pulp is preferably at least 10% by weight, more preferably at least 50% by weight. The basis weight of the base paper 1 is not particularly limited, and may be about 30 to 400 g / m 2 which is the basis weight of a general coated paper for printing.
[0019]
The support is not limited to the base paper, and a porous synthetic resin film, a nonwoven fabric, or the like can be used.
[0020]
As the coating composition for casting, a coating liquid for casting coated paper mainly containing a pigment and an adhesive, which have been widely used, can be used. Examples of pigments include inorganic pigments such as delaminated clay, calcium carbonate, kaolin, calcined clay, satin white, titanium oxide, aluminum hydroxide, zinc oxide, barium sulfate, calcium sulfate, silica, activated clay, diatomaceous earth, lake, and styrene. -One or more of organic pigments such as acrylic copolymers are appropriately selected and mixed.
[0021]
Examples of adhesives used for the coating liquid include various copolymers such as styrene / butadiene, styrene / acrylic, ethylene / vinyl acetate, butadiene / methyl methacrylate, and vinyl acetate / butyl acrylate, and polyvinyl alcohol. , Maleic anhydride copolymer, acrylic acid / methyl methacrylate copolymer, etc., synthetic starch, oxidized starch, esterified starch, enzyme-modified starch and cold-water-soluble starch obtained by flash-drying them, casein, soy protein And other natural adhesives.
[0022]
These adhesives are preferably used in an amount of 5 to 50 parts by weight, more preferably 10 to 30 parts by weight, based on 100 parts by weight of the pigment. When the amount of the adhesive is less than the above range, the adhesiveness is inferior, and when the amount is too large, the expression of gloss is reduced. Further, the coating liquid contains, if necessary, auxiliary agents such as a dispersant, a thickener, a water retention agent, a defoaming agent, a waterproofing agent, and a coloring agent.
[0023]
Also, as for the coating liquid for forming the back coating layer on the back surface of the support, a coating liquid containing a pigment and an adhesive which are conventionally widely used as a main component can be applied, and as the pigment or the adhesive, Basically, the same coating liquid as the above-mentioned coating liquid for cast coated paper can be used.
[0024]
The coating method of the coating liquid on the support may be performed in one layer or in multiple layers by a coating device such as a blade coater, an air knife coater, a roll coater, a brush coater, a curtain coater, a bar coater, a gravure coater, and a size press coater. Can be.
[0025]
Amount of coating, for cast coated layer is 15 to 30 g / m 2 in dry weight, preferably is adjusted to a range of 15-25 g / m 2. The back coating layer is adjusted to a dry weight of 5 to 20 g / m 2 , preferably 5 to 15 g / m 2 . If the coating amount is less than the above range, the coatability of the base paper is inferior, the coating layer is hardly formed, and the smoothness becomes insufficient under the influence of the formation of the base paper, and if the above range is exceeded, the paper does not stiffen. The cost increases.
[0026]
After forming the cast coating layer as described above, the cast coating layer is wrapped around the casting drum 5 so as to be pressed and cast-coated. After the cast coating, a liquid such as water in an amount of 0.1 to 1.5 cc / cm 2 is applied to the back surface coating layer using the liquid application device 6 to a particle size of 100 μm or less, preferably 75 μm or less. Hereinafter, spray coating is performed in a state of 30 μm or more, followed by drying with an infrared heater or the like to finish. Water may be used as the liquid, but it is also possible to use an anti-curl agent to modify the back coating layer. On the other hand, if the amount of liquid applied is less than the above range, the curl prevention effect becomes insufficient, and if the amount exceeds the above range, the quality of the back coating layer such as white paper gloss and smoothness is adversely affected. On the other hand, if the particle size of the liquid to be sprayed exceeds the above range, the quality of the back coating layer is deteriorated as in the case of the conventional roll transfer method.
[0027]
By spraying the liquid in this manner, even when coating and casting are performed at a high speed of 100 m / min or more, the glossiness of the white paper on the back coating layer is 55% to 70% in the 75 ° gloss test according to JIS P8142. %, And a single-sided cast coated paper having a maximum curl height of four corners of 10 mm or less after leaving a square test piece having a side of 10 cm in an environment of a temperature of 25 ° C. and a humidity of 80% for 24 hours is obtained. be able to.
[0028]
【Example】
Next, some examples and comparative examples of the present invention will be described.
[0029]
In order to conduct an experiment for investigating the effect of the form of application of water on the backside coating layer on the curl prevention effect on a single-sided cast coated paper, the following samples were prepared.
[0030]
Base paper: Recycled paper pulp having a freeness of 350 ml and LBKP having a freeness of 450 ml were blended, and an auxiliary for a sulfuric acid band was added to make paper.
[0031]
Pigment: 60 parts by weight of clay (trade name: Ultra White 90 / manufactured by Engelhard), 20 parts by weight of delaminated clay (trade name: Hydraprint / Huber), calcium carbonate (trade name) : FMT90 / Pharmatech Co.) 20 parts by weight of the mixed pigment was used.
[0032]
Adhesive: A mixture of phosphate esterified starch (manufactured by Nippon Shokuhin Kako) and styrene / butadiene copolymer latex (manufactured by Asahi Kasei Kogyo) at a ratio of 1: 3 was used.
[0033]
Examples 1 to 4 and Comparative Examples 1 to 3 were prepared by adjusting the above mixed pigment as a pigment, dispersing the pigment in water using a Coreless disperser to prepare a pigment dispersion, and adhering to 100 parts by weight of the pigment dispersion. The coating composition was prepared by mixing 20 parts by weight of the agent. This was coated on the back side of the base paper with a blade coater so that the coating amount was 15 g / m 2 to form a back side coating layer. Next, an air knife coater was applied on the front side of the base paper on which the back coating layer was formed so that the coating amount was 19 g / m 2 . The front side of the coated paper was pressed against a cast drum to perform cast coating.
[0034]
Then, with respect to applying water to the back coating layer to prevent curling, in Examples 1 to 4, using the liquid application device 6, the particle diameters were 75 μm and 100 μm, and the application amount was 1.0 cc / cm 2 , 1.3 cc / cm 2 , and 1.5 cc / cm 2 . In Comparative Example 1, particle size 150 [mu] m, and the coating amount 1.0 cc / cm 2, as a comparative example 2, was applied using a roll transfer at a coverage of 1.5 cc / cm 2, water was applied as a comparative example 3 Did not.
[0035]
With respect to each of the above Examples and Comparative Examples, the gloss of white paper and the occurrence of curl on the back surface of the obtained cast coated paper were examined. Table 1 shows the evaluation results.
[0036]
[Table 1]
In Table 1, the white paper gloss was measured based on JIS P8142. For the curl, a square test piece having a side of 10 cm was prepared, and the test piece was left in an environment of a temperature of 25 ° C. and a humidity of 80% for 24 hours, and then the maximum value of the curl height of the four corners was measured.
[0037]
From Examples 1 to 4 in Table 1, by setting the particle size of water to 75 μm to 100 μm and the coating amount to 1.0 to 1.5 cc / cm 2 , the glossiness of white paper is 60% or more and the curl is 5 mm or less. It can be seen that a single-sided cast coated paper is obtained.
[0038]
On the other hand, when the water particle diameter exceeds 150 μm and exceeds 150 μm from Comparative Example 1, even if curling can be prevented, the white paper gloss is 52%, and the desired white paper gloss of 55% or more cannot be obtained. When the roll transfer was applied from Example 2, even if the curl could be prevented, the desired white paper gloss of 45% could not be obtained even if the gloss of the white paper was not obtained. Although the desired white paper gloss of 55% or more is obtained with a gloss of 65%, it can be seen that the curl is 20 mm and the occurrence of curl cannot be prevented.
[0039]
【The invention's effect】
According to the present invention, in a single-sided cast coated paper having a front-side cast coated layer and a back-side coated layer, a liquid having a particle size of 100 μm or less is spray-coated on the back-side coated layer, and dried and finished. In addition, the curl can be reliably prevented from occurring and the speed can be increased without impairing the quality of the back surface coating layer such as white paper gloss, print gloss, and smoothness.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a cast coating step in one embodiment of the present invention.
FIGS. 2A and 2B show a liquid applying apparatus according to the embodiment, in which FIG. 2A is an overall perspective view, and FIG. 2B is a schematic configuration diagram of one rotor.
3A and 3B are explanatory diagrams of spray flow formation by a rotor in the same embodiment, wherein FIG. 3A is a front view and FIG. 3B is a plan view.
1 Base paper (support)
3 Coating device 4 Drying device 5 Cast drum 6 Liquid applying device 7 Infrared heater
