この発明はコアおよびこのコアの周りに配されたカバーを含むゴルフボールに向けられている。コアはセンタおよび外側コア層を含み;カバーは内側カバー層および外側カバー層を含み、センタの直径は約0.375インチから約1.4インチであり、100Kgの荷重で約4.5mmを超える撓み量であり;外側コア層の外側直径は約1.4インチから約1.62インチであり;内側カバー層の外側直径は約1.58インチであり、材料硬度は約72ショアD未満であり;外側カバー層の硬度は約50ショアDより大きく、材料硬度は約50ショアDより小さい。
好ましくは、内側カバー層の材料硬度は約60および約70ショアDの間であり、その外側直径は約1.59インチおよび約1.66インチの間である。センタの外側直径は約0.5インチおよび約1.25インチの間であるが、1つの実施例においてはセンタの外側直径は約1.0インチ以下である。外側コア層外部は約1.52インチから約1.58の直径を有し、1つの実施例では、外側コア層は少なくとも約1.55インチの外側直径を有する。
代替的な実施例では、センタは第1硬度を有し、外側コア層は第1より大きい第2硬度を有し、内側カバー層は第2より大きい第3硬度を有する。好ましくは、外側カバー層は第3硬度より小さい第4硬度を有する。
センタはソリッド、液体、中空または空気充填であって良い。少なくとも1つの内側または外側カバー層の厚さは約0.05インチより小さい。内側カバー層はアイオノマー材料、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド、アクリル樹脂、熱可塑性材料、ポリフェニレンオキシド樹脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ゴム、完全に中和したポリマー、部分的に中和したポリマーおよびこれらの混合物を含む。
センタ、コア層、内側、外側カバー層の少なくとも1つは、ハロゲン化有機硫黄化合物を、好ましくは約2.2部および約5部の間だけ含むポリブタジエンゴム配合物を含む。適切なハロゲン化有機硫黄化合物は、ペンタフルオロチオフェノール;2−フルオロチオフェノール;3−フルオロチオフェノール;4−フルオロチオフェース;2,3−フルオロチオフェノール;2,4−フルオロチオフェノール;3,4−フルオロチオフェノール;3,5−フルオロチオフェノール;2,3,4−フルオロチオフェノール;3,4,5−フルオロチオフェノール;2,3,4,5−テトラフルオロチオフェノール;2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノール;4−クロロテトラフルオロチオフェノール;ペンタクロロチオフェノール;2−クロロチオフェノール;3−クロロチオフェノール;4−クロロチオフェノール;2,3−クロロチオフェノール;2,4−クロロチオフェノール;3,4−クロロチオフェノール;3,5−クロロチオフェノール;2,3,4−クロロチオフェノール;3,4,5−クロロチオフェノール;2,3,4,5−テトラクロロチオフェノール;2,3,5,6−テトラクロロチオフェノール;ペンタブロモチオフェノール;2−ブロモチオフェノール;3−ブロモチオフェノール;4−ブロモチオフェノール;2,3−ブロモチオフェノール;2,4−ブロモチオフェノール;3,4−ブロモチオフェノール;3,5−ブロモチオフェノール;2,3,4−ブロモチオフェノール;3,4,5−ブロモチオフェノール;2,3,4,5−テトラブロモチオフェノール;2,3,5,6−テトラブロモチオフェノール;ペンタヨードチオフェノール;2−ヨードチオフェノール;3−ヨードチオフェノール;4−ヨードチオフェノール;2,3−ヨードチオフェノール;2,4−ヨードチオフェノール;3,4−ヨードチオフェノール;3,5−ヨードチオフェノール;2,3,4−ヨードチオフェノール;3,4,5−ヨードチオフェノール;2,3,4,5−テトラヨードチオフェノール;2,3,5,6−テトラヨードチオフェノール;及びこれらの亜鉛塩、これらの金属塩、及びこれらの混合物を含む。
好ましくは、ハロゲン化有機硫黄化合物は、ペンタクロロチオフェノール又はその金属塩であり、金属塩は亜鉛、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、及びリチウムである。最も好ましくは、金属塩は亜鉛である。
1つの実施例では、センタおよび外側コア層はソリッドであり、ポリブタジエンゴム配合物であり、この配合物は約2.2部および約5部の間のハロゲン化有機硫黄化合物またはその亜鉛塩である。好ましい実施例では、センタおよび外側コア層ははポリブタジエンゴム配合物であり、この配合物は約2.2部および約5部の間のハロゲン化有機硫黄化合物またはその亜鉛塩である。代替的な実施例では、センタおよび外側コア層はソリッドであり、外側コア層は約2.2部および約5部の間のハロゲン化有機硫黄化合物またはその亜鉛塩を含むポリブタジエンゴムを有する。
コアは約160未満のSCDI圧縮を有する必要がある。好ましくは、コアは約40および約160の間のSCDI圧縮を有し、最も好ましくは、コアは約60および約120の間のSCDI圧縮を有する。
ポリブタジエン配合物はさらにα,β−負飽和カルボン酸またはその金属塩、有機ペルオキシド、およびフィラーを含んでもよい。外側カバーは、ポリイソシアネートおよびポリオールから製造されるプレポリマーおよび硬化剤を含むポリウレタン配合物、または代替的にはポリ尿素配合物を含んでも良い。好ましくは、プレポリマーおよび硬化剤の少なくとも1つは飽和されている。付加的な実施例においては、ポリウレタン配合物は束縛アミン光安定剤または光学光沢剤の少なくとも1つを含む。
この発明は、さらに、不飽和有機酸の金属塩およびハロゲン化有機硫黄化合物またはその金属塩を含むコアと、カバーとを有するゴルフボールに向けられており、不飽和有機酸の金属塩は約20pph未満だけ存在し、ハロゲン化有機硫黄化合物またはその金属塩は約2pph未満だけ存在する。
ハロゲン化有機化合物は、ペンタフルオロチオフェノール;2−フルオロチオフェノール;3−フルオロチオフェノール;4−フルオロチオフェース;2,3−フルオロチオフェノール;2,4−フルオロチオフェノール;3,4−フルオロチオフェノール;3,5−フルオロチオフェノール;2,3,4−フルオロチオフェノール;3,4,5−フルオロチオフェノール;2,3,4,5−テトラフルオロチオフェノール;2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノール;4−クロロテトラフルオロチオフェノール;ペンタクロロチオフェノール;2−クロロチオフェノール;3−クロロチオフェノール;4−クロロチオフェノール;2,3−クロロチオフェノール;2,4−クロロチオフェノール;3,4−クロロチオフェノール;3,5−クロロチオフェノール;2,3,4−クロロチオフェノール;3,4,5−クロロチオフェノール;2,3,4,5−テトラクロロチオフェノール;2,3,5,6−テトラクロロチオフェノール;ペンタブロモチオフェノール;2−ブロモチオフェノール;3−ブロモチオフェノール;4−ブロモチオフェノール;2,3−ブロモチオフェノール;2,4−ブロモチオフェノール;3,4−ブロモチオフェノール;3,5−ブロモチオフェノール;2,3,4−ブロモチオフェノール;3,4,5−ブロモチオフェノール;2,3,4,5−テトラブロモチオフェノール;2,3,5,6−テトラブロモチオフェノール;ペンタヨードチオフェノール;2−ヨードチオフェノール;3−ヨードチオフェノール;4−ヨードチオフェノール;2,3−ヨードチオフェノール;2,4−ヨードチオフェノール;3,4−ヨードチオフェノール;3,5−ヨードチオフェノール;2,3,4−ヨードチオフェノール;3,4,5−ヨードチオフェノール;2,3,4,5−テトラヨードチオフェノール;2,3,5,6−テトラヨードチオフェノール;またはこれらの金属塩を含んでも良い。好ましくは、ハロゲン化有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールまたはその金属塩であり、典型的には、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、およびリチウムである。
コアは外側コアと、また、約0.5インチから約1.25インチの間の外側直径のセンタとを含んで良い。コア自体は約1.52から約1.58の間の外側直径を有する。好ましくは、カバーは内側カバー層と外側カバー層とを含み、そのうちの少なくとも1つの厚さは約0.05インチ未満である。
内側または外側カバー層の少なくとも1つは、アイオノマー材料、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン−尿素、ポリ尿素−ウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂、熱可塑性材料、ポリフェニレンオキシド樹脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ゴム、完全に中和したポリマー、部分的に中和したポリマーおよびこれらの混合物を含む。1つの好ましい実施例においては、外側カバー層はポリウレタンまたはポリ尿素配合物を含む。ポリウレタンまたはポリ尿素配合物は理想的には光安定である。
不飽和有機酸の金属塩は約15pph未満の量だけ存在すべきであり、そうであれば、ハロゲン化有機硫黄化合物またはその金属塩は約0.75pph、より好ましくは約0.5pph未満の量だけ存在すべきである。コアは、さらに、C1−C8アルキル基、ハロゲン基、芳香族基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、または水素を含むハロゲン化ジ−第3アルキルペルオキシドを含む。ハロゲン化ペルオキシドは塩素、フッ素、臭素、またはヨウ素のいずれを含んでも良い。
この発明は、また、不飽和有機酸の金属塩およびハロゲン化有機硫黄化合物またはその金属塩を含むコアと、カバーとを有するゴルフボールに向けられており、不飽和有機酸の金属塩は約45pphより多く存在し、ハロゲン化有機硫黄化合物またはその金属塩は約2pph未満だけ存在する。
ハロゲン化有機化合物は、ペンタフルオロチオフェノール;2−フルオロチオフェノール;3−フルオロチオフェノール;4−フルオロチオフェース;2,3−フルオロチオフェノール;2,4−フルオロチオフェノール;3,4−フルオロチオフェノール;3,5−フルオロチオフェノール;2,3,4−フルオロチオフェノール;3,4,5−フルオロチオフェノール;2,3,4,5−テトラフルオロチオフェノール;2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノール;4−クロロテトラフルオロチオフェノール;ペンタクロロチオフェノール;2−クロロチオフェノール;3−クロロチオフェノール;4−クロロチオフェノール;2,3−クロロチオフェノール;2,4−クロロチオフェノール;3,4−クロロチオフェノール;3,5−クロロチオフェノール;2,3,4−クロロチオフェノール;3,4,5−クロロチオフェノール;2,3,4,5−テトラクロロチオフェノール;2,3,5,6−テトラクロロチオフェノール;ペンタブロモチオフェノール;2−ブロモチオフェノール;3−ブロモチオフェノール;4−ブロモチオフェノール;2,3−ブロモチオフェノール;2,4−ブロモチオフェノール;3,4−ブロモチオフェノール;3,5−ブロモチオフェノール;2,3,4−ブロモチオフェノール;3,4,5−ブロモチオフェノール;2,3,4,5−テトラブロモチオフェノール;2,3,5,6−テトラブロモチオフェノール;ペンタヨードチオフェノール;2−ヨードチオフェノール;3−ヨードチオフェノール;4−ヨードチオフェノール;2,3−ヨードチオフェノール;2,4−ヨードチオフェノール;3,4−ヨードチオフェノール;3,5−ヨードチオフェノール;2,3,4−ヨードチオフェノール;3,4,5−ヨードチオフェノール;2,3,4,5−テトラヨードチオフェノール;2,3,5,6−テトラヨードチオフェノール;またはこれらの金属塩を含んでも良い。ハロゲン化有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールまたはその金属塩であり、金属塩は、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、およびリチウムのグループから選択される。
コアは外側コアと、約0.5インチから約1.25インチの間の外側直径のセンタとを含んで良い。コア自体は約1.52から約1.58の間の外側直径を有する。カバーは内側カバー層と外側カバー層とを含んでよく、そのうちの少なくとも1つの厚さは約0.05インチ未満である。内側または外側カバー層の少なくとも1つは、アイオノマー材料、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン−尿素、ポリ尿素−ウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂、熱可塑性材料、ポリフェニレンオキシド樹脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ゴム、完全に中和したポリマー、部分的に中和したポリマーおよびこれらの混合物を含む。1つの好ましい実施例においては、外側カバー層はポリウレタンまたはポリ尿素配合物を含み、好ましくは、光安定である。
不飽和有機酸の金属塩が約50pphより多く存在するときには、好ましくは、ハロゲン化有機硫黄化合物またはその金属塩は好ましくは約0.75pph未満の量だけ存在する。ただし、不飽和有機酸の金属塩が約55pphより少ないときにはハロゲン化有機硫黄またはその金属塩は約0.5pphより少ない量だけ存在して良い。
コアは、さらに、C1−C8アルキル基、ハロゲン基、芳香族基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、または水素を含むハロゲン化ジ−3次アルキルペルオキシドを含む。ハロゲン化ペルオキシドは塩素、フッ素、臭素、またはヨウ素のいずれを含んでも良い。
この発明のゴルフクラブは、ソリッド、ワンピースを含む種々の構造のうちの任意のものを採用して良いが、好ましくは、少なくとも1つのコアおよび1つのカバーを含む。コアは、単一コア層でもよいし、または、センタおよび少なくとも1つの外側コア層を含んでも良い。コアの最内部分は、好ましくはソリッドであるけれども、中空または液体、ゲル、または気体充填球であってもよい。カバーは単一層であってもよいし、複数の層を含んでも良く、例えば外側カバー層と少なくとも1つの内側カバー層とから製造されるカバーのようなものでも良い。中間層またはマントル層がゴルフボールのコアおよびカバー(または複数のカバー層)の間に配置されても良い。中間層は、典型的にはソリッド、連続層であるが、非連続でも良く、引っ張られた弾性(または金属「フープストレス」タイプ層)材料(糸巻き層)であってもよい。上記にコンポーネントのいずれかが、この発明のハロゲン化有機硫黄またはペルオキシド化合物を含んで良い。
ソリッドコアの材料は、ベースゴム、架橋剤、フィラー、ハロゲン化した有機硫黄化合物、及び共架橋剤又は開始剤を有する配合物を含む。ベースゴムは典型的には天然又は合成ゴムを含む。好ましいベースゴムはシス−構造を少なくとも40%、好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも約95%有する1,4−ポリブタジエンである。最も好ましくは、ベースゴムは高ムーニー粘度ゴムを含む。好ましくはベースゴムは約35より大きい、より好ましくは約50より大きいムーニー粘度を有する。好ましくは、ポリブタジエンゴムは約400,000より大きい分子量を有し、かつ約2より大きくない多分散性を有する。好ましいポリブタジエンゴムの例は、アクロンのバイエル(Bayer of Akron,OH)から市販品として入手可能なBUNA(登録商標)CB22及びBUNA(登録商標)CB23、東京のウベ工業(UBE Industries of Tokyo,日本)から市販品として入手可能なUBEPOL(登録商標)360L及びUBEPOL(登録商標)150L、及びヒューストンのシェル(Shell of Houston,TX)から市販品として入手可能なCARIFLEX(登録商標)BCP820、CARIFLEX(登録商標)BCP1220、及びCARIFLEX(登録商標)BCP824、およびアクロンのグッドイヤー(Goodyear of Akron、OH)から市販品として入手可能なKINEX(登録商標)7245およびKINEX(登録商標)7265を含む。所望の場合には、コアの性質を変性するために、ポリブタジエンに本技術分野で公知の他のエラストマー、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴム及び/又はスチレン−ブタジエンゴムを混合することもできる。
架橋剤は、3〜8の炭素原子を有する不飽和酸、例えばアクリル酸又はメタクリル酸の金属塩、例えば亜鉛又はマグネシウム塩を含む。例は、一又は複数の金属塩ジアクリレート、ジメタクリレート、及びモノメタクリレートであって金属がマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウム、又はニッケルであるものを含み、これに限定されない。好ましいアクリレートは亜鉛アクリレート、亜鉛ジアクリレート、亜鉛メタクリレート、亜鉛ジメタクリレート、及びこれらの混合物を含む。架橋剤は典型的にはベースポリマー100部当たり約10部(Perts Per Hundred、「pph」)より多い量で、好ましくはベースポリマーの約20〜40pph、より好ましくはベースポリマーの約25〜35pphの量で存在する。この発明の他の実施例では架橋剤は、ベースポリマーの約25pphより少ない量で存在し、代替的な実施例では、ベースポリマーの約40pphより大きい量で存在する。2つの架橋剤が少ない実施例と多い実施例において有機硫黄化合物は約2pphより少ない量だけ存在し、より好ましくは約1.5pphより少ない量だけ存在し、最も好ましくは約0.75pphより少ない量だけ存在する。
共硬化剤も存在しても良い。この発明に適切な共硬化剤は、これに限定されないが、不飽和有機イミドおよびその金属誘導体を含む。好ましくは、共硬化剤は、マレイミド誘導体、例えばm−フェニレンジマレイミドを含む。適切な不飽和イミドの例は、これに限定されないが、
m−フェニレンジマレイミド
1,1’−(メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスマレイミド
N,N’−(1,1’−ビフェニル−4,4’−ジイル)ビスマレイミド、および、
1,1’−(3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジイル)ビスマレイミド
を含む。
この発明の不飽和有機アミドは一般的に
の構造により記述できる。ここで、Rは芳香族または脂肪族、直鎖または環状アルキル基である。上述の化合物のいずれも種々のアルキル、芳香族および有機配位子および任意の非置換炭素と置換されても良い。
他の好ましいジマレイミドは、これに限定されないが、N,N’エチレンジマレイミド;N,N’−ヘキサメチレンマレイミド;N,N’−デカメチレンマレイミド;N,N’−ドデカメチレンマレイミド;N,N’−オキシジプロピレンジマレイミド;エチレンジオキシ ビス(N−プロピルマレイミド);N,N’−メタフェニレンジマレイミド;N,N’−パラフェニレンジマレイミド;N,N’−オキシ(ジパラフェニレン)ジマレイミド;N,N’−メチレン(ジパラフェニレン)ジマレイミド;N,N’エチレン(ジパラフェニレン)ジマレイミド;N,N’−スルフォ(ジパラフェニレン)ジマレイミド;N,N’−メタフェニレン−ビス(パラオキシフェニレン)ジマレイミド;N,N’−メチレン(ジ−1,4−シクロヘキシレン)−ジマレイミド;N,N’−イソプロピルデン(ジ−1,4−シクロヘキサン)ジマレイミド;2,5−オキサジアゾリレンジマレイミド;N,N’−ヘキサメチレンジシトラコンイミド;N,N’−チオ(ジフェニレン)ジシトラコンイミド;N,N’−メチレン(ジパラフェニレン)−ビス−(クロロマレイミド);およびN,N’−ヘキサメチレンビス(シアノメチルマレイミド)を含む。
共硬化剤は好ましくは不飽和有機酸の金属塩例えば亜鉛ジアクリレートとともい用いられる。共強化剤は好ましくはコア調合剤中に用いられ、とくに、CORをその分ロスすることなく圧縮増大が求められる場合にはそうである。好ましくは、共硬化剤が用いられるときには、コアの圧縮が少なくとも約5ポイント上昇し、好ましくは、少なくとも約7ポイント上昇し、CORは増加しない。
1つの実施例においては、架橋剤がコア配合物中に約25pphより少ない量だけ存在し、共硬化剤が圧縮およびCORの双方を増加させるのに十分の量だけ存在する。他の実施例では、架橋剤がコア配合物中に約25pphと約40pphの間の量だけ存在し、共硬化剤が圧縮を増大させるがCORは増大させないために十分な量だけ存在する。さらに、架橋剤はコア配合物中に約40pphより大きな量だけ存在し、共硬化剤は圧縮を増大させCORを減少させるのに十分な量だけ存在する。
開始剤は硬化サイクル中で分解する公知の重合開始剤のいずれでもあることができる。適切な開始剤は有機ペルオキシド化合物、例えばジクミルペルオキシド;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;α,α−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)へキサン;ジ−t−ブチルペルオキシド;及びこれらの混合物を含む。他の例は以下を含むがこれに限定されない:フィラデルフィアのエルフ アトケム(Elf Atochem of Philadelphia,PA)から市販品として入手可能なVAROX(登録商標)231XL及びVarox(登録商標)DCP−R;シカゴのアクゾ ノーベル(Akzo Nobel of Chicago,IL)から市販品として入手可能なPERKODOX(登録商標)BC及びPERKODOX(登録商標)14;及びトレントンのライン ケミ(Rhein Chemie of Trenton,NJ)から市販品として入手可能なELASTOCHEM(登録商標)DCP−70。
この発明の他の実施例では、開始剤は、ハロゲン化ペルオキシド、好ましくは、ハロゲン化ジ−3次アルキルペルオキシド、より好ましくは芳香族ハロゲン化ジ3次アルキルペルオキシドであり、これはベンゼン環に付加された基を有数r。これらの基は、これに限定されないが、C1−8アルキル基、ハロゲン基、チオール基、カルボキシ化基、スルフォン酸基、および水素を含む。好ましい基はハロゲンである。付加される基の性質に応じて、分解温度が変化させることができ、硬化反応速度論(kinetics)を用いることができ、コア配合物於物理特性を制御することができる。また、ハロゲンが付加される基であるときには、この発明の芳香族ペルオキシドがより有効な架橋材であると考えられ、なぜなら、これらがポリブタジエンおよび/または亜鉛ジアクリレートを例としてこれから水素を減殺させる能力が増大させられているからである。
こられペルオキシはつぎの一般式で記述される。
ただしRは
または
である。
R
1−5は好ましくは水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素またはアルキルである。最も好ましくは、R
1−5は好ましくは塩素、フッ素または臭素である。適切なハロゲン化ペルオキシはこれに限定されないがt−ブチルp−クロロクミルペルオキシ、t−ブチルm−クロロクミルペルオキシ、t−ブチル3,4−ジクロロクミルペルオキシ、t−ブチルp−フルオロクミルペルオキシ、およびt−ブチルp−ブロモクミルペルオキシである。
これらのクラスのペルオキシは分解温度を厳密にコントロール可能にする。分解温度をより良くコントロールすることにより架橋効率が増大してペルオキシから製造されたコアのCORが増大する。さらに、より多くの種類のコア調合およびプロセスが利用できる。なぜなら、硬化サイクル時間および温度を、成型温度でなくペルオキシの活性化温度を変えることにより変えることができるからである。さらに、ペルオキシは、スコーチ回数を増加させても安全が保たれるようにより高い活性化温度を持つように選択することができる。これらペルオキシドの揮発性を、また、通常のペルオキシドに較べて減少させて、混合時のペルオキシドのロスを減少させ、より効率的な混合、より均一な配合物およびよりよい生産性を実現できる。
ベンゼン環に付加された基を具備する芳香族ペルオキシドの付加的な利点は、完成したコア配合物の臭気を少なくできる点である。この分野の当業者は、標準的なペルオキシド例えばジクミルペルオキシドがアセトフェノンを生成し、これが硬化プロセスにおいてかなり悪臭を放つことを知っているであろう。
ペルオキシドは種々の形態で利用可能であり種々の活性を有することは周知である。活性は典型的には「活性酸素含量」によって規定される。例えばPERKODOX(登録商標)BCペルオキシドは98%活性であり、かつ5.80%の活性酸素含量を有し、これに対してPERKODOX(登録商標)DCP−70は70%活性で、かつ4.18%の活性酸素含量を有する。ペルオキシドが純粋な形態で存在する場合、それは少なくとも約0.25pph存在するのが好ましく、より好ましくは約0.35pph〜約2.5pph、さらに好ましくは約0.5pph〜約2pph存在する。ペルオキシドを濃縮した形態で使用することも可能であり、これらの活性が異なることは上記したように周知である。この場合、この発明で濃縮したペルオキシドを使用すると、純粋なペルオキシドに対する適切な濃度は、活性で割ることによって濃縮ペルオキシドが容易に調整される。例えば、2pphの純粋ペルオキシドは活性が50%の4pphの濃縮ペルオキシドと等価である(すなわち2÷0.5=4)。
この発明のハロゲン化した有機硫黄化合物は以下の一般式を有するものを含むがこれに限定されない。
式中、R1〜R5は、C1〜C8アルキル基;ハロゲン基;チオール基(−SH)、カルボキシル基;スルホネート基;及び水素;及びさらにペンタフルオロチオフェノール;2−フルオロチオフェノール;3−フルオロチオフェノール;4−フルオロチオフェノール;2,3−フルオロチオフェノール;2,4−フルオロチオフェノール;3,4−フルオロチオフェノール;3,5−フルオロチオフェノール;2,3,4−フルオロチオフェノール;3,4,5−フルオロチオフェノール;2,3,4,5−テトラフルオロチオフェノール;2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノール;4−クロロテトラフルオロチオフェノール;ペンタクロロチオフェノール;2−クロロチオフェノール;3−クロロチオフェノール;4−クロロチオフェノール;2,3−クロロチオフェノール;2,4−クロロチオフェノール;3,4−クロロチオフェノール;3,5−クロロチオフェノール;2,3,4−クロロチオフェノール;3,4,5−クロロチオフェノール;2,3,4,5−テトラクロロチオフェノール;2,3,5,6−テトラクロロチオフェノール;ペンタブロモチオフェノール;2−ブロモチオフェノール;3−ブロモチオフェノール;4−ブロモチオフェノール;2,3−ブロモチオフェノール;2,4−ブロモチオフェノール;3,4−ブロモチオフェノール;3,5−ブロモチオフェノール;2,3,4−ブロモチオフェノール;3,4,5−ブロモチオフェノール;2,3,4,5−テトラブロモチオフェノール;2,3,5,6−テトラブロモチオフェノール; ペンタヨードチオフェノール;2−ヨードチオフェノール;3−ヨードチオフェノール;4−ヨードチオフェノール;2,3−ヨードチオフェノール;2,4−ヨードチオフェノール;3,4−ヨードチオフェノール;3,5−ヨードチオフェノール;2,3,4−ヨードチオフェノール;3,4,5−ヨードチオフェノール;2,3,4,5−テトラヨードチオフェノール;2,3,5,6−テトラヨードチオフェノール;及びこれらの亜鉛塩であってよい。好ましくはハロゲン化した有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールであり、これは純粋な形態で市場から入手可能であり、又はペンタクロロチオフェノールを45パーセント(2.4部のPCTPに相当する)負荷した硫黄化合物を含むクレイをベースとするキャリヤーであるSTRUKTOL(登録商標)の登録商標名で入手可能である。STRUKTOL(登録商標)はストウのストラクトル カンパニー オブ アメリカ(Struktol Company of America of Stow,OH)から市場を通じて入手可能である。PCTPは市場を通じてサンフランシスコのエキナケム(eChinachem of San Francisco,CA)から純粋な形態でまたは塩の形態で入手可能である。最も好ましくは、ハロゲン化した有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩である。この発明のハロゲン化した有機硫黄化合物は好ましくは約2.2pphより多くの、より好ましくは約2.3pph〜約5pph、最も好ましくは約2.3pph〜約4pphの量で存在する。
フィラーは典型的には、タングステン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、金属、金属酸化物及び塩、リグリンド(リサイクルしたコア材料であって典型的には約30メッシュの粒子に粉砕したもの)、高ムーニー粘度ゴムリグリンド、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、光学光沢材、その他が含まれる。ゴルフボールの1部又は多数部に添加するフィラーは典型的には、レオロジー特性及び混合特性に影響を与えるように処置することを目的とし又はそのための化合物を含み、密度調整用フィラー、引き裂き強度又は強化用フィラー等を含む。フィラーは一般に無機物であり、適切なフィラーは多数の金属又は金属酸化物を含み、例えば酸化亜鉛及び酸化スズ、及び硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、クレイ、タングステン、炭化タングステン、シリカのアレイ、及びこれらの混合物を含む。フィラーは種々の発泡剤又はブローイング剤を含むこともでき、当業者はこれらを直ちに選択することができる。フィラーはポリマー、セラミック、金属及びガラスのソリッド又は中空の、充填した又は充填していない微小粒子を含むこともできる。フィラーは典型的にはゴルフボールの1部又は複数部まで添加されてその密度を調整し、均一なゴルフボール標準に適合させる。フィラーを使用してセンター又は特別なボールのための少なくとも一つの追加的な層の質量を調整することもできる。
この発明は、また、成形サイクル及びゴルフボールの製造中に、反発弾性ポリマー成分のシス−アイソマーをトランス−アイソマーへ転換する方法をも含む。シス−トランス転換に適する種々の方法及び材料が米国特許第6,162,135号及び米国特許出願第09/461,736号、1999年12月16日出願;09/458,676号、1999年12月10日出願;及び09/461,421号、1999年12月16日出願に記載されており、参照してこれらの全てをここに含ませる。
この発明に従ってゴルフボールセンター又はコアのいずれかの部分を製造するのに使用する材料を組み合わせて、当技術分野の当業者に公知のいずれかの混合方法を使用して混合物を製造することができる。適切な混合方法は、シングルパス混合及びマルチパス混合を含む。適切な混合装置は当業者に周知であり、このような装置は、バンバリーミキサー、二ロールミル、又は二スクリュー押出機を含むことができる。
ポリマーを組み合わせるために従来の混合速度を典型的には使用する。混合温度はポリマーの成分の型に依存し、さらにはフリーラジカル開始剤の型によることがより重要である。適切な混合速度及び温度は当業者によく知られており、又は過大な実験を行うことなく直ちに決定することができる。
混合物を例えば圧縮成形して又は射出成形して、センター用のソリッドの球形物又は中間層を製造するための半球形のシェルを得ることができる。成形サイクルの温度及び期間を、混合物の活性に従って選択する。成形サイクルは、混合物を単一の温度で固定した時間成形するという単一工程を有することができる。成形サイクルは2段階工程を含むこともでき、そこではポリマー混合物を初期温度で初期時間鋳型に保持し、次いで第2の、通常はより高い温度で第2の時間保持する。この発明の好ましい実施例では、単一工程硬化サイクルが使用される。この発明に従ってゴルフボールセンター又はコアのいずれかの部分を製造するのに使用する材料を組み合わせて射出成形法によりゴルフボールを製造することができ、この工程も当業者に周知である。選択した種々の材料に硬化時間は依存するものの、使用した特定の材料に基づきまた本明細書における説明に基づいて、当業者は硬化時間を上方又は下方へ直ちに調整することができる。
コアに対して、調合後に、表面処理例えばコロナ処理、プラズマ処理、化学エッチング、粗面処理、種々のエネルギ源(例えばUV、ガンマ線、IR等)による放射、およびシランディッピングおよびコートを施して、接着を改善する。
カバーにとって望ましい性質は、良好な成形性、高い耐剥離性、高い引裂強度、高い反発弾性、及び良好な離型性である。カバーは典型的には、十分な強度、良好な作動特性、及び耐久性を備える厚さを有する。カバーは好ましくは約0.1インチより薄い厚さ、より好ましくは約0.05インチより薄い、最も好ましくは約0.02インチ〜約約0.04インチの厚さを有する。この発明は特に多層ゴルフボールを目的としており、それはコア、内部カバー層、及び外部カバー層を含む。この実施例では、好ましくは、内部カバー層と外部カバー層の少なくとも一つが約0.05インチより薄い、より好ましくは約0.02インチ〜約0.04インチの厚さを有する。最も好ましくは、いずれかの層の厚さは約0.03インチである。
この発明のゴルフボールが内部カバー層を含む場合、この層は当業者に公知のいずれの材料も含むことができ、それは熱可塑性材料及び熱硬化性材料を含むが、好ましくは内部カバー層はいずれかの適切な材料、例えばエチレンと不飽和モノカルボン酸のイオン性コポリマーを含むことができ、これはウィルミントンのデュポン(E.I.DuPont de Nemours & Co., of Wilmington,DE)の登録商標SURLYN(R)として又はエクソン(Exxon)のIOTEK(R)又はESCOR(R)として入手可能である。これらは亜鉛、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、マンガン、ニッケル等により部分的に中和したメタクリル酸又はアクリル酸とエチレンとのコポリマー又はターポリマーであり、これらの塩は2〜8の炭素原子を有するオレフィンと3〜8の炭素原子を有する不飽和カルボン酸との反応生成物である。コポリマーのカルボン酸基は全て又は部分的に中和されていてもよく、かつメタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸又はイタコン酸を含むことができる。
本ゴルフボールは同様に一又は複数の、例えば以下のホモポリマー又はコポリマー内部カバー材料を有することができる。
(1)ビニル樹脂、例えば塩化ビニルの重合によって製造したもの、又は塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリルエステル又は塩化ビニリデンとの共重合によって製造したもの;
(2)ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びコポリマー、例えばエチレンメチルアクリレート、エチレンエチルアクリレート、エチレンビニルアセテート、エチレンメタクリル酸又はエチレンアクリル酸又はプロピレンアクリル酸及び単一サイト触媒又はメタロセン触媒を使用して製造したコポリマー及びホモポリマー;
(3)ポリウレタン、例えばポリオールとジイソシアネート又はポリイソシアネートから製造したもの及び米国特許第5,334,673号に開示されているもの;
(4)ポリ尿素、例えば米国特許第5,484,870号に記載されているもの;
(5)ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)及びその他のジアミンと二塩基酸から製造したもの、及びアミノ酸、例えばポリ(カプロラクタム)から製造したもの、及びポリアミドとSURLYN、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチル−プロピレン−非共役ジエンターポリマー、及び類似物とのブレンド;
(6)アクリル樹脂及びこれらの樹脂とポリ塩化ビニル、エラストマー、及び類似物とのブレンド;
(7)熱可塑性物、例えばウレタン;オレフィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンとエチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマーとのブレンド;スチレンとブタジエン、イソプレン又はエチレン−ブチレンゴムのブロックコポリマー;又はコポリ(エーテル−アミド)、例えばフィラデルフィアのエルフ アトケム(ELF Atochem of Philadelphia,PA)が市販するPEBAX(R);
(8)ポリフェニレンオキシド樹脂又はポリフェニレンオキシドと高耐衝撃性ポリスチレンとのブレンドであってゼネラルエレクトリック社(General Electric Company of Pittsfield,MA)によりNORYL(R)の商標名で市販されているもの;
(9)熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/グリコール変性及びエラストマーであってデュポン社(E.I. DuPont de Neumours & Co. of Wilmington,DE)により商標名HYTREL(R)の名称で、またゼネラルエレクトリック社(General Electric Company of Pittsfield,MA)によりLOMOD(R)の名称で市販されているもの;
(10)アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー、及び類似物を有するポリカーボネート、及びアクリロニトリルブタジエンスチレン又はエチレン酢酸ビニル又は他のエラストマーを有するポリ塩化ビニルを含むブレンド及び混合物;及び
(11)熱可塑性ゴムとポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル、及び類似物とのブレンド。
好ましくは内部カバーはポリマーを含み、これには例えば以下のものがある:エチレン、プロピレン、ブテン−1又はヘキサン−1をベースとするホモポリマー又はコポリマーであって官能性モノマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸を含むもの及び完全に又は部分的に中和したアイオノマー樹脂及びこれらのブレンド、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマー及びコポリマー、イミド化した、アミノ基を含むポリマー、ポリカーボネート、強化ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、高耐衝撃性ポリスチレン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ(フェニレンスルフィド)、アクリロニトリル−ブタジエン、アクリル−スチレン−アクリロニトリル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリ(テトラフルオロエチレン)及びこれらのコポリマーであって官能性コモノマーを含むもの、及びこれらのブレンド。適切なカバー配合物はさらにポリエーテル又はポリエステル熱可塑性ウレタン、熱硬化性ポリウレタン、低モジュラスアイオノマー、例えば酸を含むエチレンコポリマーアイオノマーを含み、Eがエチレンであり、Xが約0〜50質量%存在するアクリレート又はメタクリレートをベースとする柔軟化コモノマーであり、かつYが約5〜35質量%存在するアクリル酸又はメタクリル酸であるE/X/Yターポリマーを含む。好ましくは、アクリル酸又はメタクリル酸は約8〜35質量%、より好ましくは8〜25質量%、最も好ましくは8〜20質量%存在する。
内部カバー層又は外部カバー層のいずれも、有機脂肪酸によって100%中和されているα,β−不飽和カルボン酸基又はその塩を含むポリマーから製造することができる。高度に中和されたポリマー(「HNP」)、典型的にはエチレンをベースとするアイオノマーの酸部分は、好ましくは約70%より多く、より好ましくは約90%より多く、最も好ましくは少なくとも約100%中和されている。HNPも第2のポリマー成分とブレンドすることができ、この成分を、酸基を含む場合は、従来法に従って、この発明の有機脂肪酸によって、又は両者によって中和することができる。第2のポリマー成分は、部分的に又は完全に中和されていてもよく、好ましくはアイオノマーコポリマー及びアイオノマーターポリマー、アイオノマー前駆体、熱可塑性物、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ尿素、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、バラタ、メタロセンで触媒したポリマー(グラフト化したもの及びグラフト化していないもの)、単一サイトポリマー、高結晶性酸ポリマー、カチオン性アイオノマー、等を含む。
酸コポリマーをE/X/Yコポリマーと記載することができ、ここでEはエチレン、Xはα,β−エチレン系不飽和カルボン酸、かつYは柔軟化コモノマーである。好ましい実施例では、Xはアクリル酸又はメタクリル酸であり、YはC1−8アルキルアクリレート又はメタクリレートエステルである。Xは好ましくはポリマーの約1〜約35質量%、より好ましくはポリマーの約5〜約30質量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20質量%の量で存在する。Yは好ましくはポリマーの約0〜約50質量%、より好ましくはポリマーの約5〜約25質量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20質量%の量で存在する。
有機酸は、脂肪族、モノ−官能性(飽和した、不飽和の、又は多不飽和の)有機酸である。これらの有機酸の塩も使用することができる。この発明の有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、スズ、又はカルシウムの塩、脂肪酸の塩、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸又はこれらの二量化した誘導体の塩を含む。この発明の有機酸及び塩は相対的に非移行性(常圧下でポリマーの表面にブルーミングを生じないこと)でありかつ非揮発性(メルトブレンドに必要な温度で蒸発しないこと)であることが好ましい。
熱可塑性ポリマー成分、例えばコポリエーテルエステル、コポリエステルエステル、コポリエーテルアミド、エラストマーポリオレフィン、スチレンジエンブロックコポリマー及びこれらの水素添加した誘導体、コポリエステルアミド、熱可塑性ポリウレタン、例えばコポリエーテルウレタン、コポリエステルウレタン、コポリ尿素ウレタン、エポキシをベースとするポリウレタン、ポリカプロラクトンをベースとするポリウレタン、ポリ尿素、及びポリカーボネートをベースとするポリウレタンフィラー、及び他の成分を、これらを含む場合は、熱可塑性ポリウレタン中に、酸部分を中和する前、中和中又は中和した後でブレンドすることができる。
これらの材料の例は、米国特許出願第2001/0018375及び2001/0019971に開示されており、参照しててその全てをここに含ませる。
外部カバーを上記したいずれの材料からも製造することができるが、外部カバーは好ましくはポリウレタン、ポリ尿素、又はエポキシ配合物を含み、一般的には少なくとも一つのポリイソシアネート、ポリオール及び少なくとも一つの硬化剤の反応生成物を含む。当業者が利用可能ないずれのポリイソシアネートもこの発明に従って使用するのに適している。ポリイソシアネートの例示は、これに限定されないが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(「MDI」);ポリマーMDI;カルボジイミド−変性液状MDI;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(「H12MDI」);p−フェニレンジイソシアネート(「PPDI」);m−フェニレンジイソシアネート(「MPDI」);トルエンジイソシアネート(「TDI」);3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(「TODI」);イソホロンジイソシアネート(「IPDI」);ヘキサメチレンジイソシアネート(「HDI」);ナフタレンジイソシアネート(「NDI」);キシレンジイソシアネート(「XDI」);p−テトラメチルキシレンジイソシアネート(「p−TMXDI」);m−テトラメチルキシレンジイソシアネート(「m−TMXDI」);エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;シクロヘキシルジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート(「HDI」);ドデカン−1,12−ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート(「TMDI」);テトラセンジイソシアネート;ナフタレンジイソシアネート;アントラセンジイソシアネート;トルエンジイソシアネートのイソシアヌレート;ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン;及びこれらの混合物を含む。好ましくはポリイソシアネートは、MDI、PPDI、TDI、又はこれらの混合物を含み、より好ましくはポリイソシアネートはMDIを含む。本明細書で使用する「MDI」という用語は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマーMDI、カルボジイミド変性液状MDI、及びこれらの混合物を意味し、かつさらに使用したジイソシアネートが「低遊離モノマー」であることができるとは「遊離」モノマーの量が低いイソシアネート基であること、典型的には遊離モノマー基の量が約0.1%より低いことを当業者が理解すると理解すべきである。「低遊離モノマー」ジイソシアネートの例は、これに限定されないが、低遊離モノマーMDI、低遊離モノマーTDI、及び低遊離モノマーPPDIを含む。
少なくとも一つのポリイソシアネートは約14%より少ない未反応のNCO基を有することが必要である。好ましくは該少なくとも一つのポリイソシアネートは約7.5%より多くない、より好ましくは約7.0%より少ないNCOを有する。この分野においては、ポリウレタンの硬度が未反応のNCO基の割合と関連することはよく知られている。そのため、ポリイソシアネートが約7.0%未満の未反応基を有すると、対応するポリウレタン材料は約50ショアD未満の硬度を有することになる。
「材料硬度」と「ゴルフボール上で直接測定した硬度」は根本的に相違することを、特に当業者は理解すべきである。材料硬度はASTM−D2240に記載された手順によって規定されており、一般に硬度を測定する材料から製造した平板な「スラブ」又は「ボタン」の硬度を測定することを含む。ゴルフボール(又はその他の球形表面)上で直接測定した硬度は完全に異なる測定であり、従ってその結果の硬度値は相違する。この相違は多くのファクタにより、これらファクタには、これに限定されないが、ボールの構成(すなわち、コアの型、コア及び/又はカバー層の数等)、ボール(又は球体)の直径、及び隣接する層の材料組成が含まれる。また二つの測定技術は直線的に相関してはおらず、従って一方の硬度値を他方に容易に相関させることはできないことを理解すべきである。
当業者が利用可能ないずれのポリオールもこの発明に従って使用するのに適している。ポリオールの例は、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン(部分的に/完全に水素添加した誘導体を含む)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びポリカーボネートポリオールを含む。好ましい実施例では、ポリオールはポリエーテルポリオールを含む。例は、これに限定されない、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMEG」)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、及びこれらの混合物を含む。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合及び置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。好ましくは、この発明のポリオールはPTMEGを含む。
適切なポリエステルポリオールは、これに限定されないないが、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;o−フタレート−1,6−ヘキサンジオール;ポリ(ヘキサメチレンアジーペート)グリコール;及びこれらの混合物を含む。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
適切なポリカプロラクトンポリオールは、これに限定されないが、1,6−ヘキサンジオール−開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、PTMEG開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物を含む。炭化水素鎖は飽和又は不飽和の、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
適切なポリカーボネートは、これに限定されないが、ポリフタレートカーボネート及びポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールを含む。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換芳香族及び環状基を有することができる。
ポリアミン硬化剤もポリウレタンカバーに使用するのに適している。好ましいポリアミン硬化剤は、これに限定されないが、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びこのアイソマー;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びこのアイソマー、例えば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン);4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(「MCDEA」);ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’−メチレンジアニリン(「MDA」);m−フェニレンジアミン(「MPDA」);4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(「MOCA」);4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(「MDEA」);4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)(「MDCA」);4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン;2,2’−3,3’−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート;及びこれらの混合物を含む。好ましくはこの発明の硬化剤は3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びそのアイソマー、例えばバトンルージュのアルバマール社(Albermarle Corporation of Baton Rouge,LA)から入手可能なEthacure(登録商標)300である。適切なポリアミン硬化剤は第1及び第2アミンの両者を含む。
少なくとも一つのジオール、トリオール、テトラオール、又はヒドロキシ末端硬化剤を前記のポリウレタン配合物に添加することができる。適切なジオール、トリオール、及びテトラオール基は、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;及びこれらの混合物を含む。好ましいヒドロキシ−末端硬化剤は1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール、及びこれらの混合物を含む。
ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤の両者は、一又は複数の飽和、不飽和、芳香族、及び環状基を含むことができる。さらに、ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤は一又は複数のハロゲン基を含むことができる。ポリウレタン配合物を硬化剤のブレンド又は混合物によって製造することができる。しかしながら所望の場合には、ポリウレタン配合物を単一の硬化剤で製造することができる。
この発明の特に好ましい実施例において、カバー層、特に外部カバー層を形成するのに使用する飽和ポリウレタンを注型可能な熱硬化性及び熱可塑性ポリウレタンの両者から選択することができる。この実施例において、飽和ポリウレタンは芳香族基又は部分を実質的に含まない。
使用可能な飽和のジイソシアネートは、これに限定されないが、エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(「IPDI」);メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート(「TMDI」)を含む。最も好ましい飽和ジイソシアネートは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート(「IPDI」)である。
この発明で使用するのに適した飽和ポリオールは、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール及びポリ(オキシプロピレン)グリコール。適切な飽和ポリステルポリオールは以下を含む:ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリカーボネートポリオール及びエチレンオキシドでキャップしたポリオキシプロピレンジオール。この発明で有用な飽和ポリカプロラクトンポリオールは以下を含む:ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、1,6−ヘキサンジオール開始ポリカプロラクトン;トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、PTMEG開始ポリカプロラクトンを含む。最も好ましい飽和ポリオールはPTMEG及びPTMEG開始ポリカプロラクトンである。
適切な飽和硬化剤は、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、プロピレングリコール;トリメタノールプロパン;テトラ−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン;シクロヘキシルジメチロールのアイソマーのアイソマー及び混合物、シクロヘキサンビス(メチルアミン)のアイソマーのアイソマー及び混合物;トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)シクロヘキサン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)シクロヘキサン;イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、1−メチル−2,4−シクロヘキシルジアミン、1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン、1,3−ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イミド−ビス−プロピルアミン、ジアミノシクロヘキサンのアイソマーのアイソマー及び混合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、及びジイソプロパノールアミン。最も好ましい飽和硬化剤は1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキシルジメチロール及び4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンを含む。
適切な触媒は、これに限定されないが、ビスマス触媒、オレイン酸、トリエチレンジアミン(DABCO(登録商標)−33LV)、ジ−ブチルスズジラウレート(DABCO(登録商標)−T12)及び酢酸を含む。最も好ましい触媒はジ−ブチルスズジラウレート(DABCO(登録商標)−T12)である。DABCO(登録商標)はエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(Air Products and Chemicals,Inc.)が製造している。
本技術分野では、飽和ポリウレタン材料を他の熱可塑性物とブレンドする場合、製造工程に注意して本質的に熱可塑性である目的物を製造しなければならないことは周知である。熱可塑性材料を他の熱可塑性物とブレンドすることは可能であるが、熱硬化性物が形成された後はその材料をブレンドすることは不可能とはいわないまでも困難である。好ましくは、飽和ポリウレタンは約1〜約100%、より好ましくは約10〜約75%のカバー配合物及び/又は中間層配合物を含む。約90〜約10%、より好ましくは約90〜約25%のカバー及び/又は中間層配合物は、以下に示す一又は複数の他のポリマー及び/又は他の材料を含む。このようなポリマーは以下を含むがこれに限定されない:ポリウレタン/ポリ尿素アイオノマー、ポリウレタン又はポリ尿素、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド及びポリエステル、ポリカーボネート及びポリアクリリン。本明細書で特に述べない限り、すべての百分率は対象となっているゴルフボールの全配合物の質量に対する百分率で与えられる。
ポリウレタンプレポリマーを、少なくとも一つのポリオール、例えばポリエーテル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート又はポリエステルと少なくとも一つのイソシアネートとを組み合わせて製造する。熱硬化性ポリウレタンを、少なくとも一つのポリウレタンプレポリマーをポリアミン、トリオール又はテトラオールから選択する硬化剤で硬化して製造する。熱可塑性ポリウレタンを、少なくとも一つのポリウレタンプレポリマーをジオール硬化剤で硬化して製造する。ジオール及び/又はジオールのブレンドで硬化したウレタンエラストマーのいくつかはゴルフボールカバーが必要とする耐衝撃性を有するウレタンエラストマーを生成しないので、硬化剤の選択は臨界的である。ジオールで硬化したウレタンエラストマー配合物にポリアミン硬化剤をブレンドすると耐衝撃性及び耐切断性が改良された熱硬化性ウレタンが得られる。
熱可塑性ポリウレタンに適切な材料をブレンドして熱可塑性目的物を生成することができる。これらの追加材料の例は、アイオノマー、例えば上記のSURLYN(登録商標)、ESCOR(登録商標)及びIOTEK(登録商標)コポリマーを含むことができる。
この発明のゴルフボールのカバー及び/又は中間層の製造において飽和ポリウレタンと組み合わせることができる、または置き換えて用いることができる、他の適切な材料は、イオン性又は非イオン性ポリウレタン及びポリ尿素、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド及びポリエステルを含む。例えば、カバー及び/又は中間層を、少なくとも一つの飽和ポリウレタンと熱可塑性又は熱硬化性イオン性及び非イオン性ウレタン及びポリウレタン、カチオン性ウレタンアイオノマー及びウレタンエポキシド、イオン性及び非イオン性ポリ尿素及びこれらのブレンドとのブレンドから製造することができる。適切なウレタンアイオノマーの例は米国特許第5,692,974号に開示されており、この全てを本明細書に参考として取り込む。適切なポリウレタンの他の例は米国特許第5,334,673号に記載されている。適切なポリ尿素の例は米国特許第5,484,870号に記載されており、エポキシ基含有硬化剤で硬化された適切なポリウレタンの例は米国特許第5,908,358号に記載されており、これらの開示の全てを参考として本明細書に取り込む。
種々の常用の成分をこの発明のカバー配合物に添加することができる。これらは、これに限定されないが、白色顔料、例えばTiO2、ZnO、光学増白剤、界面活性剤、処理補助剤、発泡剤、密度制御用フィラー、UV安定剤及び光安定剤を含む。飽和ポリウレタンは褪色に耐性である。しかしながら、外気に暴露した場合にこれらの機械的特性の劣化に耐性があるわけではない。UV吸収剤及び光安定剤を上記の配合物のいずれか、特にポリウレタン配合物に添加すると、引張強度、伸長、及び色の安定性を維持するのに役立つ。適切なUV吸収剤及び光安定剤はTINUVIN(登録商標)328、TINUVIN(登録商標)213、TINUVIN(登録商標)765、TINUVIN(登録商標)770及びTINUVIN(登録商標)622を含む。好ましいUV吸収剤はTINUVIN(登録商標)328であり好ましい光安定剤はTINUVIN(登録商標)765である。TINUVIN(登録商標)製品は、チバ−ガイギー(Ciba−Geigy)から入手可能である。染料、光学増白剤及び蛍光顔料も、この発明に従って製造したポリマーで製造したゴルフボールカバーに含めることができる。これらの追加的な成分をそれらの所期の目的を達成する量で添加することができる。
当業者に公知のいずれの方法もこの発明のポリウレタンに使用することができる。本技術分波でワンショット法として知られている常用される方法は、ポリイソシアネート、ポリオール及び硬化剤を同時に混合することを含む。この方法は不均一な(さらにはランダムな)混合物を生じ、得られた配合物の分子構造に対する製造者の制御がより少なくなる。好ましい混合方法はプレポリマー法として知られている。この方法では、硬化剤を添加する前にポリイソシアネートとポリオールを別々に混合する。この方法によりより均一な混合物が得られ、その結果よりコンシステントなポリマー配合物が得られる。この発明の層を製造する他の適切な方法は、反応射出成形(「RIM」)、液状射出成形(「LIM」)、及び成分を予め反応させて射出成形可能な熱可塑性ポリウレタンを製造し次いで射出成形する方法を含み、これらの全ては当業者に公知である。
この発明によって、流体の形態で適用する注型可能な反応性材料によってゴルフボールの非常に薄い外部カバー層が得られることが見出された。特に、反応してウレタンエラストマー材料を形成する注型可能な反応性液体が所望の非常に薄い外部カバー層を提供することを見出した。
ウレタンエラストマー材料を製造するのに使用する注型可能な、反応性液体を、当技術分野で周知のスプレー、浸漬、スピンコーティング、又はフローコーティング法のような種々の適用技術を使用してコアの上に適用することができる。適切なコーティング技術は米国特許第5,733,428号に開示されており、参照してこの開示の全てをここに含ませる。
材料を混合し鋳型の半分に導入することによって、内部カバーの周りに外部カバーを形成するのが好ましい。時間と共に粘度を測定し、各鋳型の半分を充填し、一方の鋳型の半分にコアを導入し、かつ鋳型を密閉する順次の工程が適時に行われるようにして、二つのコアカバーの融合物が中心にくるようしかつ全体としての均一性が達成できるようにする。鋳型の半分にコアを導入するための硬化性ウレタン混合物の適切な粘度範囲は、約2,000cP〜約30,000cPの範囲、好ましくは約8,000cP〜約15,000cPの範囲と決定される。
カバーの製造を始める場合、混合ヘッドを有するモーター付きの混合機にラインを通じて定量した量の硬化剤とプレポリマーを供給することによって、プレポリマーと硬化剤の混合が行われる。トップの予め加熱した鋳型の半分を充填し、各鋳型の孔に移動するセンタリングピンを使用して取り付けユニットに置く。その後、ボトムの鋳型の半分又は一連のボトムの鋳型の半分はキャビティーに導入した同様の混合物を有する。反応性材料がトップの鋳型の半分に約40〜約80秒の間存在した後、ゲル状の反応混合物にコアを制御した速度で沈める。
減圧(又は部分的な真空)によってボールカップがボールコアを保持する。約40〜約80秒のゲル化の後で、鋳型の半分の中にある被覆コアの位置が固定されたときに、真空を解除してコアを自由にする。コア及び固形化したカバーの半分を有する鋳型の半分をセンタリングのための取り付けユニットから離し、逆にして他方の鋳型の半分と合わせ、この場合該他方の半分には適切な一定時間前に選択した量の反応性ポリウレタンプレポリマーと硬化剤を導入し、ゲル化を開始させておく。
同様に、米国特許第5,006,297号及び米国特許第5,334,673号の両者は、この発明で使用する注型可能な反応性液体を適用するのに使用することができる適切な成形技術を開示している。さらに、米国特許第6,180,040号及び6,180,722号は二重コアゴルフボールを製造する方法を開示している。これらの特許の開示の全てを参照してここに含ませる。しかしながら、この発明の方法はこれらの技術の使用に限定されるものではない。
この発明のゴルフボールの1つの実施例においては、センタが第1硬度を有し、外側コア層が第1硬度より大きな第2硬度を有し、内側カバー層が上記第2より大きな第3硬度を有する。さらに、外側カバー層は上記第3硬度よりも小さな第4硬度を有することが好ましい。
得られたゴルフボールは典型的には約0.7より大きい、好ましくは約0.75より大きい、より好ましくは約0.78より大きい反発係数を有している。ゴルフボールはさらに典型的には少なくとも約40、好ましくは約50〜120、より好ましくは約60〜100のAtti圧縮を有している。ポリブタジエン材料で硬化したゴルフボールは典型的には少なくとも約15のショアA硬度を、好ましくは約30ショアA〜80ショアD、より好ましくは約50ショアA〜60ショアD硬度を有する。
ゴルフボールをこの発明に従って製造すると、これらは典型的には約60%より大きい、好ましくは約65%より大きい、より好ましくは約75%より大きいディンプルカバレッジを有する。ゴルフボールの曲げモジュラスは、ASTM方法D6272−98、手順Bで測定して、典型的には約500psiより大きく、好ましくは約500psi〜150,000psiである。本明細書で述べたように、外部カバー層は好ましくは相対的に柔らかいポリウレタン材料で製造されている。特に、外部カバー層の材料の硬度は、ASTM−D2240で測定して、約60ショアDより小さく、より好ましくは約25〜約50ショアD、最も好ましくは約45〜約48ショアD硬度である必要がある。内側カバー層は好ましくは約70ショアDより小さい、より好ましくは約30〜約70ショアD、最も好ましくは約50〜約65ショアD硬度の材料硬度を有する。
この発明のコアは約160未満のソフトセンタ撓み指数(Soft Center Deflection Index。「SCDI」)圧縮を有し、好ましくは、約40および約160の間であり、最も好ましくは約60および約120の間である。代替的な、低圧縮の実施例においては、コアは約20未満のAtti圧縮を有し、より好ましくは約10未満、最も好ましくは0のAtti圧縮を有する。
SCDIは、コアをその直径の10%撓ませるのに必要なポンドを決定できるダイナミック圧縮装置(Dynamic Comression Machine。「DCM」)ようのプログラム変更である。DCMは負荷をコアやボールに印可して計測負荷点でコアやボールが撓んだインチ数を測定する機械である。生の負荷/偏向の曲線が生成され、Atti圧縮スケールにフィットし、Atti圧縮を表す数値をもたらす。DCMは、油圧シリンダの底部に取り付けられた負荷セルを用いて行なわれ、これは空圧により固定レート(典型的には約1.0ft/s)で固定のコアに向けてトリガされる。LVDTがシリンダに取り付けられテスト時間間隔におけるシリンダ移動距離を測定する。ソフトウェアベースの対数関数アルゴリズムにより、テストの初期フェーズにおいて少なくとも5回連続して負荷が増加するまで計測は行なわれないことが保証される。
SCDIはこの設定の若干の変形である。ハードウェアは同じであるが、ソフトウェアおよび結果が異なる。SCDIにおいて、私たちは、コアをxインチだけ偏向させるにに必要な力のポンドだけに興味がある。この偏向量はコアの直径の10パーセントである。DCMがトリガされ、シリンダがコアをその直径の10%偏向させ、DCMがその料だけコアを偏向するのに必要な力のポンド(取り付けられた負荷セルにより測定される)を返信する。表示された値はポンド単位の単一数である。
コアの全体の外側直径(「OD」)は約1.610未満、好ましくは1.590インチ以下、より好ましくは、約1.540インチと約1.580インチの間、最も好ましくは約1.50インチと約1.570インチの間である。内側カバー層のODは、好ましくは、1.580インチと約1.640インチの間、より好ましくは、約1.590インチと約1.630インチの間、最も好ましくは、約1.600インチと約1.630インチの間である。
この発明の多層ゴルフボールの全体の外径はいかなる大きさでもよい。全米ゴルフ協会(「USGA」)の規定は競技用のゴルフボールの最小の大きさを1.680インチに制限している。最大直径に関する規定はない。しかしながら、遊びにはいかなる大きさのゴルフボールも使用することができる。本ゴルフボールの好ましい直径は約1.680インチ〜約1.800インチである。より好ましい直径は約1.680インチ)〜約1.760インチである。最も好ましい直径は約1.680インチ)〜約1.740インチである。
[実験例]
外径が1.58インチである3個のソリッドコアを、以下を含む配合物から製造した:ポリブタジエンゴム、亜鉛ジアクリレート、酸化亜鉛、ジクミルペルオキシド、硫酸バリウム、及び色分散剤。従来技術を表す1個のコアを、対照例として使用した。残りの2個のコアのそれぞれに、5.3部のStruktol(登録商標)A95(実験例1)及び2.4部のペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩(実験例2)追加してブレンドした。5.3部のStruktol(登録商標)A95は2.4部のPCTPを含む。ソリッドコアのそれぞれの特定の組成は以下の表Iに示されている。
いずれの形態においてもPCTPの添加によりCORが増加し、圧縮が減少し、又は両者が生じることが極めて明らかである。特に、PCTP亜鉛塩の添加により(実験例2)、低い圧縮に匹敵するCORの値及び/又は増加したCORの値に匹敵する(又は低い)圧縮が提供され、この両者はゴルフボールの性質に望ましいものである。
この発明のハロゲン化した有機硫黄ポリマーはゴルフ用具、特にゴルフクラブ、例えばパター、アイアン、及びウッド、及びゴルフシューズ及びこれらの構成分への挿入物として使用することもできる。
本明細書で使用する用語「約」は、一又は複数の数又は数値範囲に関して使用しており、それらの数値の全てを表し、その範囲の全ての数値を含むと理解すべきである。
本明細書に開示した特定の実施例はこの発明のいくつかの観点を説明することを意図するものであるから、その特定の実施例によって本明細書に記載しかつ特許請求の範囲に記載した発明の範囲が限定されることはない。均等な実施例は全てこの発明の範囲内にあることを意図している。先の記載から、明細書に示しかつ記載した発明に加えるこの発明の種々の変形は当業者にとって明白であろう。このような変形も添付した特許請求の範囲の範囲内に入ることを意図している。