JP2004357147A - 振動クロス - Google Patents

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Kozaburo Nakamura
公三郎 中村
Yoshio Shinkawa
喜生 新川
Mitsushi Kondo
充資 近藤
Shigeaki Funaki
茂彰 船木
Hirohito Yasuda
浩仁 安田
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Mikasa Shoji Co Ltd
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Mikasa Shoji Co Ltd
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Abstract

【課題】構造がシンプルであってしかも汎用性のある平板スピーカーを構成し得る振動クロスを提供することを目的とする。
【解決手段】導電材により所定の導線パターン3が形成された布地2を有し、磁界発生手段6を用いて導線パターン3を横切る磁界を発生させるとともに導線パターン3に駆動電流を供給することで導線パターン3に加わる電磁力により振動し得る振動クロス1を解決手段とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の導線パターンを有する振動クロスに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドフィルム等の樹脂フィルムに所定のコイル(導線パターン)がプリント配線技術により形成されてなる振動膜が知られている(特許文献1参照)。この振動膜に永久磁石板を近接して配置して平板スピーカー(薄型電磁変換器)を構成し、該永久磁石板を用いてコイルを横切る磁界を発生させるとともに、アンプ(駆動装置)を使用して導線パターンに音声信号を含む駆動電流を供給すると、電流と磁界の相互作用により生じる電磁力がコイルに加わり、樹脂フィルムが駆動電流に対応して厚み方向に振動して周りの空気を振動させ、音波が発生する。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−331596号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の振動膜では、平板スピーカーを構成するにあたり、樹脂フィルムが永久磁石板に接触した際の擦れ音を防止するため、振動膜と永久磁石板との間に緩衝部材を別途設けねばならない。
また、振動膜の周辺部を永久磁石板が支持された支持体に直接固定すると、周辺部に支点が生じて所謂「ベコベコ」した振動となって駆動電流に対して忠実な再生音を生じがたく、しかもスピーカーの能率(出力音圧レベル)を大きくすることができない。このため、振動膜の永久磁石板に対する相対位置を規制する支持部材が別途必要となる。
【0005】
以上により、従来の振動膜では、平板スピーカーの構造が複雑となり、しかも、そのために平板スピーカーの用途が限定されるという問題を生じる。
【0006】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、振動膜(振動クロス)と磁石との間に擦れ音を防止するための緩衝部材を別途設ける必要がなく、しかも、振動クロスを磁石または磁石が支持された支持体に直接固定可能であることで、構造がシンプルであってしかも汎用性のある薄型電磁変換器を構成し得る振動クロスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る振動クロスは、導電材により所定の導線パターンが形成された布地を有し、磁界発生手段を用いて導線パターンを横切る磁界を発生させるとともに導線パターンに駆動電流を供給することで導線パターンに加わる電磁力により振動し得る振動クロスである。
【0008】
該振動クロスによれば、導線パターンが布地に形成され、該布地が緩衝部材を兼ねることから、薄型電磁変換器を構成するにあたり、擦れ音を防止するための緩衝部材を振動クロスと磁石との間に別途設ける必要がない。また、振動クロスを磁石または磁石が支持された支持体に直接固定しても、振動クロスは布地から構成されるためにしなやかに振動して駆動電流に対して忠実な再生音が得られ、しかも能率の大きな薄型電磁変換器が得られる。
【0009】
前記振動クロスにおいて、前記導電材は導電性を有する線材からなることが好ましい。
【0010】
該振動クロスによれば、例えば、単位長さ当たりの抵抗値が一定の線材を用いることによって、導線パターンに設計とおりのインピーダンスが容易に得られる。
【0011】
前記振動クロスにおいて、前記導電パターンは導電材が接着手段を用いて布地に固着されて形成されていることが好ましい。
【0012】
前記振動クロスにおいて、前記導電パターンは導電性を有する線材が布地に縫い付けられて形成されていることが好ましい。
【0013】
前記振動クロスにおいて、前記導電材は少なくとも導線パターンを形成した部分が絶縁性を有する材料で被覆されていることが好ましい。
【0014】
該振動クロスによれば、各導電材を複数本略並行に配線することで仮にその内の1本が断線しても、残りの導電材で平面コイルの機能を維持することもできる。
【0015】
本発明に係る薄型電磁変換器は、前記振動クロスと、N極領域とS極領域とが交互に現れる着磁パターンが形成されているとともに可撓性を有するシート状磁石とが積層されて構成されてなる。
【0016】
該薄型電磁変換器によれば、布地およびシート状磁石が可撓性を有し、薄型電磁変換器が可撓性を有したものとなるので、例えば、工事用やオートバイ用のヘルメット内の曲面部分に沿って取り付けることができるようになる。
【0017】
本発明に係る薄型電磁変換器は、前記振動クロスと、それぞれの表面にN極領域が形成されるとともに裏面にS極領域が形成され、適宜間隔をおいて並行して配列された複数本のテープ状磁石とが積層されて構成されてなる。
【0018】
該薄型電磁変換器によれば、複数本のテープ状磁石によって導線パターンを横切る磁界を容易に形成し得る。
【0019】
前記薄型電磁変換器において、前記振動クロスは導線パターンが形成された領域を囲繞する周辺部で前記磁石または磁石が支持された支持体に固定されていることが好ましい。
【0020】
該薄型電磁変換器によれば、構造がシンプルであってしかも汎用性のあるものとなる。
【0021】
前記薄型電磁変換器において、前記振動クロスと前記磁石とは両者の間に実質的に隙間が形成されていない状態で互いに密着して積層されていることが好ましい。
【0022】
該薄型電磁変換器によれば、振動クロスに磁石を密着して積層することで、薄型電磁変換器の厚みを更に薄くすることができ、しかも、導線パターンが磁石からより強い磁界を受けるようになるので、能率の大きなものとなる。
【0023】
前記薄型電磁変換器において、前記振動クロスはシート状磁石とともに巻回されて巻回物を形成可能に構成されていることが好ましい。
【0024】
該薄型電磁変換器によれば、例えば、プロジェクター用のスクリーンに用いることにより、映写画面から直接音声が出力されるスクリーンが得られる。
【0025】
前記薄型電磁変換器において、前記振動クロスは複数本のテープ状磁石とともに巻回されて巻回物を形成可能に構成されていることが好ましい。
【0026】
該薄型電磁変換器によれば、テープ状磁石の配列方向を巻回物の巻き取り/巻き出し方向と略並行になるようにすれば、導電パターンと各テープ状磁石との位置ズレが生じにくく、導電パターンを横切る磁界の強さが常時一定に保たれる。
【0027】
前記薄型電磁変換器において、前記テープ状磁石の配列方向が前記巻回物の巻き取り/巻き出し方向と略直交していることが好ましい。
【0028】
該薄型電磁変換器によれば、巻回物の巻き取り/巻き出しがスムーズに行えるようになる。
【0029】
本発明に係る振動クロスの製造方法は、導電材により所定の導線パターンが形成された布地を有し、導線パターンに駆動電流を供給するとともに磁界発生手段を用いて該導線パターンを横切る磁界を発生させることで導線パターンに加わる電磁力により振動し得る振動クロスの製造方法であって、前記導電材は、導電性を有する線材からなるものであり、所定本数の針状体が出没自在に突設されたワーク載置面上に前記布地を載置して該針状体により布地を貫通させ、貫通した針状体に導電性を有する線材を引っ掛けつつ適宜折り返して布地上に導線パターンを形成し、前記針状体をワーク載置面下に没入させるとともに、接着手段を用いて布地に前記導線パターンを形成した線材を固着することを特徴とする。
【0030】
該振動クロスの製造方法によれば、導電性を有する線材を用いて、所定の導線パターンを有する振動クロスをシンプルな製造プロセスで作製することができる。
【0031】
本発明に係る振動クロスの製造方法は、導電材により所定の導線パターンが形成された布地を有し、導線パターンに駆動電流を供給するとともに磁界発生手段を用いて該導線パターンを横切る磁界を発生させることで導線パターンに加わる電磁力により振動し得る振動クロスの製造方法であって、前記導電材は、導電性を有する線材からなるものであり、前記布地に導電性を有する線材を所定のパターンに縫い付けることで該布地に導線パターンを形成することを特徴とする。
【0032】
該振動クロスの製造方法によれば、導電性を有する線材を、例えばミシンを用いて布地に縫い付けることにより、所定の導線パターンを有する振動クロスをシンプルな製造プロセスで作製することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る振動クロスの一実施形態について図1乃至図4を参酌しつつ、該振動クロスがシート状磁石(磁界発生手段)と組み合わされてなる平板スピーカーに適用された形態について説明する。
【0034】
図1は、前記平板スピーカーの各構成部材の位置関係を示す斜視図である。図1を参照して、該振動クロス1は、布地2と、該布地2に形成された所定の導線パターン3とを備えている。図1に示す振動クロス1においては、布地2は、耐熱性を有し且つ柔軟な素材、例えば、ポリエステル繊維やガラス繊維等の長繊維織物織布からなり、キャラクター(猫の顔面)の輪郭に切り抜かれている。
【0035】
また、導線パターン3は、導電性を有する線材、詳しくは、単位長さ当たりの抵抗値が一定の導電性を有する線材、具体的には、断面が円形状であり、且つ断面積が長さ方向で一定の銅線を用いて形成されている。更に、導線パターン3は、複数の互いに平行な直線部分を有した折り返し蛇行形状の平面コイルを形成するように、接着剤(図1においては図示せず)を介して布地2に固着されている。また、導線パターン3の両端部3a,3a´の近傍は、絶縁性のある被覆材3bによって被覆され、該両端部3a,3a´および導線パターン3の中央部3cは被覆材3bにより被覆されずに金属部分が露出している。導線パターン3の両端部3a,3a´に、外部のアンプの出力端子、例えば、オーディオアンプのスピーカー出力端子、CDプレイヤーの音声出力端子、無線交信器の出力端子等を電気的に接続することにより、導線パターン3に駆動電流を供給することができる。
【0036】
また、布地2の導線パターン3が形成された側の面(上面)に、猫の顔面の絵柄がプリントされた布地からなるカバーシート4がその外縁を布地2の輪郭にほぼ合致させて配されている。また、振動クロス1の下面には、矩形状のシート状磁石6が配されている。このシート状磁石6は、可撓性を有するゴムシートに磁性体粉が分散されてなるものである。かかるカバーシート4、振動クロス1およびシート状磁石6によって、平板スピーカーが構成されている。
【0037】
図2は、図1に示す平板スピーカーの要部拡大断面図である。図2を参照して、シート状磁石6、布地2およびカバーシート4がこの順で下方より積層された状態となっており、布地2とカバーシート4との間には接着剤5が介在されている。この接着剤5を介して導線パターン3が布地2に固着されている。なお、布地2とカバーシート4とは接着剤5を介して面接着している。
【0038】
また、振動クロス1は、導線パターン3が形成された領域を囲繞する周辺部でシート状磁石6に接着剤5aを介して固定されている。このように、振動クロス1は、シート状磁石6に直接固定されて振動し得るように構成されている。
【0039】
図3は、図1に示す平板スピーカーにおいて、振動クロス1とシート状磁石6との相互位置関係を示す説明図である。図3を参照して、シート状磁石6の表面には、N極領域とS極領域とが平行縞状に交互に現れる着磁パターンが形成されている。各N極領域から磁力線が出て隣接するS極領域に入っており、シート状磁石6の表面に垂直な磁界成分の絶対値は、シート状磁石6の表面近傍で最大となり、N極領域とS極領域の境界で最小となっている。一方、シート状磁石6の表面と水平な磁界成分の絶対値は、シート状磁石6の表面近傍で最小となり、N極領域とS極領域の境界で最大となっている。
【0040】
前記振動クロス1は、シート状磁石6上に、電流と磁界の相互作用により生じる電磁力によって振動し得るように載置されている。即ち、図3においては、N極領域とS極領域の各境界に導線パターン3の各直線部分が位置しており、各境界で最大となった磁界の水平成分が導線パターン3の各直線部分を横切るように、振動クロス1はシート状磁石6上に載置されている。
【0041】
以上のように構成された平板スピーカーにおいて、外部のアンプを使用して導線パターン3に音声信号を含む駆動電流を供給すると、導線パターン3は前述したように折り返し蛇行形状に形成されているため、図3に示すように、あるタイミングでは、隣接する直線部分に流れる電流の向きは互いに逆の向きとなる(○は紙面の裏側から表側に流れている状態を示しており、×はその逆の向きに流れている状態を示している)。
【0042】
この状態で、導線パターン3に前述した電磁力が加わる。フレミングの左手の法則によれば、この電磁力の向きは、全ての直線部分で上方向に向いた状態と下方向に向いた状態とを交互に繰り返すため、導線パターン3に供給した駆動電流の変化に応じて、振動クロス1は導線パターン3が形成された領域を囲繞する周辺部でシート状磁石6に支持された状態でその厚み方向に振動して周りの空気を振動させ、音波が発生する。また、前述したように、N極領域とS極領域の境界で最大となった磁界の水平成分が、導線パターン3の各直線部分を横切っているため、最も効率的に電磁力が発生する。したがって、この状態で、導線パターン3に流れる電流が一定の下、振動クロス1の振動の振幅は最大となり、平板スピーカーに高い能率が得られる。
【0043】
また、前記振動クロス1によれば、平板スピーカーを構成するにあたり、導線パターン3が布地2に形成され、該布地2が緩衝部材を兼ねることから、振動膜と磁石との間に擦れ音を防止するための緩衝部材を別途設ける必要がない。また、振動クロス1の周辺部を磁石または磁石が支持された支持体に直接固定しても、振動クロス1は布地2から構成されるためにしなやかに振動して駆動電流に対して忠実な再生音が得られ、しかも能率の大きな平板スピーカーが得られるようになる。
【0044】
以下に、本実施の形態の振動クロス1の製造方法の一例について説明する。
図4を参照して、先ず、図4(a)に示すように、耐熱性を有し且つ柔軟な素材、例えば、例えば、ポリエステル繊維やガラス繊維等の長繊維織物織布からなる布地2と、所定本数の針状体7aが出没自在に突設されたワーク載置面7を有する作業台とを用意する。
【0045】
次に、この布地2を、図4(b)に示すように、ワーク載置面7上に載置して針状体7aにより布地2を貫通させるとともに、単位長さ当たりの抵抗値が一定の導電性を有する線材、具体的には、断面が円形状であり、且つ断面積が長さ方向で一定の銅線13(その両端部3a,3a´の近傍は、絶縁性のある被覆材3bによって被覆され、該両端部3a,3a´および中央部3cは被覆材3bにより被覆されずに露出している。)を用意する。
【0046】
続いて、図4(c)に示すように、貫通した針状体7aに銅線13を引っ掛けつつ適宜折り返して布地2にパターニングされた折り返し蛇行形状の導線パターン3(図1参照)を形成する。
【0047】
そして、図4(d)に示すように、各針状体7aをワーク載置面7下に没入させるとともに、熱接着性を有する接着剤5(例えば、裾上げ用の糊)の層が下面に形成され、且つ上面に絵柄がプリントされた布地からなるカバーシート4を、接着剤5の層を下にして布地2の上面に載置する。
【0048】
その後、布地2およびカバーシート4をアイロン等で加熱して、図4(e)に示すように、接着剤5を介して導線パターン3を布地2に固着させることによって振動クロス1が得られる。なお、この際、接着剤5により布地2とカバーシート4とが面接着するので、振動クロス1の表面はカバーシート4により被われた状態となる。
【0049】
以上のような振動クロス1の製造方法によれば、銅線等の導電性を有する線材を用いて、所定の導線パターンを有する振動クロス1を、例えば、作業者の手作業によっても行い得るシンプルな製造プロセスで作製することができる。
【0050】
なお、この振動クロス1を用いて、平板スピーカーを作製するには、例えば、可撓性を有するゴムシートに微細な磁性体粉が分散されてなるシート状磁石を用意し、このシート状磁石を、図3に示したように、その表面にN極領域とS極領域とが平行縞状に交互に現れるように着磁し、しかる後に、シート状磁石上に振動クロス1を導線パターン3に加わる電磁力によって振動し得るように載置すればよい。また、この布地2を、キャラクターの輪郭に切り抜いた形状としておけば、図1に示したようなキャラクター形状の平板スピーカーを容易に得ることができ、購入者、使用者の興趣を高めることができる。
【0051】
本実施形態の振動クロス1は、柔軟性(可撓性)、通気性等の特性を備える布地から構成されている利点を活かし、多種多様な用途に用いることができて汎用性のあるものとなる。例えば、平板スピーカーとして、帽子や衣服等の一部として着用して用いることもできるし、テーブル上に載置して用いたり、壁掛け用として用いたりすることもできる。
【0052】
また、振動クロス1が用いられた平板スピーカーにおいて、例えば、工事用やオートバイ用のヘルメット内の曲面部分に沿って取り付けることができるようになる。これにより、ヘルメットに衝撃が加わったときでもスピーカーによってヘルメットの着用者が怪我をする虞がなく、特に安全上好ましいものとなる。
【0053】
また、振動クロス1をシート状磁石6とともに巻回して巻回物を形成可能に構成することができる。これにより、例えば、平板スピーカーをプロジェクター用のスクリーンに用いることにより、映写画面から直接音声が出力されるスクリーンが得られる。
【0054】
本実施の形態の振動クロス1は、以上説明した平板スピーカーのみならず、薄型ヘッドフォンは勿論のこと、薄型マイクロフォンに用いることも可能である。
【0055】
以上のように、本実施の形態の振動クロス1によれば、導線パターン3が布地2に形成され、該布地2が緩衝部材を兼ねることから、平板スピーカーを構成するにあたり、擦れ音を防止するための緩衝部材を振動膜と磁石との間に別途設ける必要がない。また、振動クロス1の周辺部を磁石または磁石が支持された支持体に直接固定しても、振動クロス1は布地から構成されるためにしなやかに振動して駆動電流に対して忠実な再生音が得られ、しかも能率の大きな平板スピーカーが得られるようになる。以上により、擦れ音を防止する緩衝部材や、振動クロス1のシート状磁石6に対する相対位置を規制する支持部材が不要となり、構造がシンプルであってしかも汎用性のある平板スピーカーを構成することができる。
【0056】
また、従来技術では、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルムに銅箔を積層形成したフレキシブル銅張積層板をエッチングしてコイルを形成していたために、エッチング処理条件のバラツキにより、設計とおりの幅と厚み(断面積)とを有するものとしにくく、これにより、配線の単位長さ当たりの抵抗値が変動して、コイルに設計とおりのインピーダンスを得ることが困難であったところ、本実施の形態の振動クロス1によれば、単位長さ当たりの抵抗値が一定の銅線を用いることにより、導線パターン3に設計とおりのインピーダンスが容易に得られる。これにより、アンプとのインピーダンスマッチングをとることが容易となる。
【0057】
尚、本実施の形態においては、導電性を有する線材として断面が円形状の銅線を用いたが、断面は円形状に限らず、その他楕円形状、三角形状、矩形状等の多角形状でもよい。また、銅線の代わりに、金線等の柔軟な金属の線材や、ポリエステル繊維等の合成樹脂繊維の表面に薄く金属や誘電体をコーティングした線材を使用することもできる。
【0058】
また、導電性を有する線材として、例えば、銅線が絶縁性を有するエナメル膜で被覆されてなる線径の細いエナメル線を用いれば、各被覆銅線を複数本略並行に配線することで仮にその内の1本が断線しても、残りのエナメル線で平面コイルの機能を維持することもできる。なお、導線パターン3を形成した部分が絶縁性を有する材料で被覆された銅線を得るに当たり、銅線を中心部に配してその周囲を複数本の絶縁性を有する線材を撚り合わせながら被覆する(3本の場合は三つ編みで被覆する)方法を用いることもできる。
【0059】
また、振動クロス1を作製するにあたり、所定本数の針状体7aが出没自在に突設されたワーク載置面7を用いて、該針状体7aに導電性を有する線材(銅線)を引っ掛けつつ適宜折り返して布地2に導線パターン3を形成したが、布地2に該線材を所定パターンに縫い付けることで導線パターン3を形成することも可能である。例えば、ミシンを用いて布地2にそのような線材を所定のパターンに縫い付けることにより、所定の導線パターンを有する振動クロス1をシンプルな製造プロセスで作製することができる。
【0060】
また、布地2として長繊維織物織布からなるものを用いたが、薄手の不織布を用いることもできる。更に、接着剤5の層が下面に形成されたカバーシート4を用いて導線パターン3を布地2に固着したが、布地2に接着剤を直接吹き付けて固着してもよい。
【0061】
また、振動クロス1を、導線パターン3が形成された領域を囲繞する周辺部でシート状磁石6に接着剤5aを介して固定したが、例えば、絵柄の付いた所定形状の布地の上にシート状磁石6が固着されてなるシート材を用意し、該シート材と振動クロス1との間にシート状磁石6を挟み込むようにしてシート材と振動クロス1とを張り合わせて平板スピーカーを構成してもよい。これにより、例えば、趣味性の高い絵柄付きワッペン型の平板スピーカーを得ることができる。
【0062】
また、本実施の形態では、振動クロス1をシート状磁石6の片面側にのみ配したが、両面に配することも可能である。これにより、シート状磁石6の両面に形成された磁界を有効に利用できるようになり、平板スピーカーの能率を高めることができる。
【0063】
また、シート状磁石6においてN極領域とS極領域の各境界に排気用貫通孔を設けることもできる。これにより、振動クロス1とシート状磁石6との間に形成された隙間(空気層)で発生した音波が布地2を抜けて外部へスムーズに放射されるようになる。
【0064】
また、平板スピーカーにおいて、振動クロス1とシート状磁石6とを、両者の間に実質的に隙間が形成されていない状態で互いに密着して積層することも可能である。これにより、平板スピーカーの厚みを更に薄くすることができ、しかも、導線パターン3がシート状磁石6からより強い磁界を受けるようになるので、スピーカーの能率を高めることができる。
【0065】
また、本実施の形態では、磁界発生手段としてシート状磁石6を用い、振動クロス1にシート状磁石6を積層して平板スピーカーを構成したが、その代わりに、それぞれの表面にN極領域が形成されるとともに裏面にS極領域が形成されたテープ状磁石を用い、適宜間隔をおいて並行して配列しつつ振動クロス1に積層して平板スピーカーを構成することもできる。かかる平板スピーカーによれば、複数本のテープ状磁石によって導線パターン3の各直線部分を横切る磁界を容易に形成することができ、しかも、各テープ状磁石の間に形成された隙間を通って振動クロス1と各テープ状磁石との間の隙間で発生した音波が外部へスムーズに放射されるようになり、平板スピーカーの能率を高めることができる。
【0066】
さらに、振動クロス1は複数本のテープ状磁石とともに巻回されて巻回物を形成可能に構成してもよい。これにより、テープ状磁石の配列方向を巻回物の巻き取り/巻き出し方向と略並行になるようにすれば、導電パターンと各テープ状磁石との位置ズレが生じにくく、導電パターンを横切る磁界の強さが常時一定に保たれ、度重なる使用による平板スピーカーの能率の低下を防止することができる。
【0067】
また、この場合、テープ状磁石の配列方向が巻回物の巻き取り/巻き出し方向と略直交していることが好ましい。これにより、巻回物の巻き取り/巻き出しがスムーズに行えるようになり、特に平板スピーカーをプロジェクター用のスクリーンに用いたときにその効果が大きなものとなる。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る振動クロスによれば、振動クロスと磁石との間に擦れ音を防止するための緩衝部材を別途設ける必要がなく、しかも、振動クロスを磁石または磁石が支持された支持体に直接固定可能であることで、構造がシンプルであってしかも汎用性のある薄型電磁変換器を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る振動クロスがシート状磁石と組み合わされてなる平板スピーカーの各構成部材の位置関係を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す平板スピーカーの要部拡大断面図である。
【図3】図3は、図1に示す平板スピーカーにおいて、振動クロスとシート状磁石との相互位置関係を示す説明図である。
【図4】図4は、本発明に係る振動クロスの製造工程を説明する模式断面図である。
【符号の説明】
1…振動クロス、2…布地、3…導線パターン、5…接着剤(接着手段)、6…シート状磁石、7…ワーク載置面、7a…針状体

Claims (14)

  1. 導電材により所定の導線パターンが形成された布地を有し、磁界発生手段を用いて導線パターンを横切る磁界を発生させるとともに導線パターンに駆動電流を供給することで導線パターンに加わる電磁力により振動し得る振動クロス。
  2. 前記導電材は、導電性を有する線材からなる請求項1に記載の振動クロス。
  3. 前記導電パターンは、導電材が接着手段を用いて布地に固着されて形成されている請求項1または2に記載の振動クロス。
  4. 前記導電パターンは、導電性を有する線材が布地に縫い付けられて形成されている請求項2に記載の振動クロス。
  5. 前記導電材は、少なくとも導線パターンを形成した部分が絶縁性を有する材料で被覆されている請求項1乃至4のいずれかに記載の振動クロス。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の振動クロスと、N極領域とS極領域とが交互に現れる着磁パターンが形成されているとともに可撓性を有するシート状磁石とが積層されて構成されている薄型電磁変換器。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の振動クロスと、それぞれの表面にN極領域が形成されるとともに裏面にS極領域が形成され、適宜間隔をおいて並行して配列された複数本のテープ状磁石とが積層されて構成されている薄型電磁変換器。
  8. 前記振動クロスは、導線パターンが形成された領域を囲繞する周辺部で前記磁石または磁石が支持された支持体に固定されている請求項6または7に記載の薄型電磁変換器。
  9. 前記振動クロスと前記磁石とは、両者の間に実質的に隙間が形成されていない状態で互いに密着している請求項6または7に記載の薄型電磁変換器。
  10. 前記振動クロスは、シート状磁石とともに巻回されて巻回物を形成可能に構成されている請求項6に記載の薄型電磁変換器。
  11. 前記振動クロスは、複数本のテープ状磁石とともに巻回されて巻回物を形成可能に構成されている請求項7に記載の薄型電磁変換器。
  12. 前記テープ状磁石の配列方向が前記巻回物の巻き取り/巻き出し方向と略直交している請求項11に記載の薄型電磁変換器。
  13. 請求項2に記載の振動クロスの製造方法であって、
    所定本数の針状体が出没自在に突設されたワーク載置面上に前記布地を載置して該針状体により布地を貫通させ、
    貫通した針状体に導電性を有する線材を引っ掛けつつ適宜折り返して布地上に導線パターンを形成し、
    前記針状体をワーク載置面下に没入させるとともに、接着手段を用いて布地に前記導線パターンを形成した線材を固着することを特徴とする振動クロスの製造方法。
  14. 請求項4に記載の振動クロスの製造方法であって、
    前記布地に導電性を有する線材を所定のパターンに縫い付けることで該布地に導線パターンを形成することを特徴とする振動クロスの製造方法。
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