JP2004353422A

JP2004353422A - Method of preventing exfoliation of surface layer part from structure and anchor

Info

Publication number: JP2004353422A
Application number: JP2003176326A
Authority: JP
Inventors: Yutaka Sato; 豊佐藤; Takahiko Sasaki; 孝彦佐々木; Shinji Konishi; 真治小西
Original assignee: Railway Technical Research Institute
Current assignee: Railway Technical Research Institute
Priority date: 2003-01-31
Filing date: 2003-06-20
Publication date: 2004-12-16
Anticipated expiration: 2023-06-20
Also published as: JP4053933B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method of preventing the exfoliation of a surface layer part capable of easily performing construction for preventing the exfoliation of the surface layer part, capable of easily confirming the state after the construction, having high resistance against water leakage, enabling an extraction test for quality control, and capable of preventing an impact from being applied to a train even if defective construction is performed. <P>SOLUTION: When a concrete piece (surface layer part piece) 4 which may be exfoliated is present in a part of the surface layer part of a concrete structure due to crazing 3 or by a cold joint, one end part 5a of an anchor 5 is fixedly buried in the concrete body 2 of the surface layer part, and the other end part 5b of the anchor 5 is fixedly buried in, brought into contact with, or positioned closely to the concrete piece 4 adjacent to the concrete body 2. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばトンネル等の構造物の表層部の剥落を防止する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、コンクリートで形成されたトンネル等のコンクリートからなる構造物は、経年変化等によって劣化していき、その表層部にひび割れが生じ、剥落の可能性があるコンクリート片（表層部片）が生じている場合がある。このようなコンクリート片の剥落を防止するために、従来では、例えば、繊維シートの貼り付けや、Ｌ型鋼や金網などを利用した剥落防止工が行われている（例えば、非特許文献１参照）。
繊維シートの貼り付けは、剥落の可能性があるコンクリート片を含む表層部の表面に、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等のシートを含浸・接着樹脂によって積層するとともに接着するものである。
また、Ｌ型鋼や金網などを利用した方法は、コンクリート構造物の表層部の表面を金網によってコンクリート片を含んで大きく覆い、その金網の端部をＬ型鋼によって抑え、このＬ型鋼をアンカーボルトによって表層部に固定するものである。
【０００３】
【非特許文献１】
「トンネル保守マニュアル」財団法人鉄道総合技術研究所発行、平成１２年５月初版第１刷、１０５頁、１０８〜１０９頁
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような従来の剥落防止工では以下のような課題があった。
すなわちまず、Ｌ型鋼や金網などを利用した方法では、Ｌ型鋼や金網を吊り上げるためのクレーン等の重機が必要となって、工事が大掛かりなものとなる。特に鉄道のトンネル等、作業空間が狭く、工事の時間帯が限られる場合は工事が非常に困難となる。
また、Ｌ型鋼を固定しているアンカーボルトの本数がさほど多くないため、品質管理のためのアンカーボルトの抜き出し試験ができない。
【０００５】
繊維シートの貼り付けによるものは、ひび割れ等が発生している劣化箇所を覆ってしまうため、対策後（工事後）の状況を確認できない。さらに、ひび割れ箇所から漏水が発生した場合、繊維シートで覆っているため、この繊維シートが漏水によって膨れて剥がれてしまう。
また、両方法いずれの場合でも、万が一施工不良により繊維シートが剥がれたり、Ｌ型鋼が外れたりした場合、これらがトンネル内を走行する列車等に衝突して、この列車に大きな衝撃を与えてしまう可能性がある。
【０００６】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、コンクリート片等の表層部片の剥落防止のための工事が容易であり、工事後の状況も容易に確認でき、漏水にも強く、品質管理のための抜き出し試験もでき、さらには、万が一施工不良があっても列車等に大きな衝撃を与えることのない構造物の表層部剥落防止方法を提供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、例えば図１〜図３に示すように、コンクリート、ブロック、レンガのうちの少なくとも１種類で構成された構造物の表層部の剥落を防止する構造物の表層部剥落防止方法であって、
ひび割れ３やコールドジョイントによって、前記表層部の一部に剥落の可能性がある表層部片（コンクリート片）４がある場合に、
前記表層部の構造物本体（コンクリート本体）２にアンカー５の一端部５ａを埋設固定し、この構造物本体（コンクリート本体）２に隣接する前記表層部片（コンクリート片）４に前記アンカー５の他端部５ｂを埋設固定するか当接または近接させることを特徴とする。
【０００８】
ここで、前記アンカーとしては、例えばＬ型やＵ型のアンカーが好適に使用されるが、これに限るものではなく、一端部をコンクリート本体等の構造物本体に埋設固定でき、他端部をコンクリート片等の表層部片に埋設固定できるか当接または近接できるものであればどうのような形状のものでもよい。
Ｌ型のアンカーは、その一端部をコンクリート本体等の構造物本体に埋設固定し、他端部をコンクリート片等の表層部片に当接または近接させる場合に好適に使用される。
またＵ型のアンカーは、その一端部をコンクリート本体等の構造物本体に埋設固定し、他端部をコンクリート片等の表層部片に埋設固定する場合に好適に使用される。
【０００９】
請求項１に記載の発明によれば、構造物の表層部の構造物本体にアンカーの一端部を埋設固定し、この構造物本体に隣接する表層部片に前記アンカーの他端部を埋設固定するか当接または近接させる。したがって、表層部片が剥落しようとすると、その表層部片がアンカーの他端部によって支持されるので、表層部片の剥落を防止できる。
また、アンカーの一端部を構造物本体に埋設固定するとともに、他端部を表層部片に埋設固定するか当接または近接させるだけの簡単な作業であるので、従来のようなクレーン等の重機が必要なく、工事が容易であり、さらに、ひび割れ等の劣化が生じるたびに、その部分の表層部片が剥落しないように補修するのが容易である。
また、ひび割れ等が発生している劣化箇所を覆うことがないので、工事後の状況も容易に確認でき、漏水にも強いものとなる。
さらに、表層部片の剥落を防止する場合、多数のアンカーを使用することにより、品質管理のためのアンカーの抜き出し試験も容易にでき、また、万が一アンカーの一部に施工不良があっても、そのアンカーが脱落するだけであるので、列車等に大きな衝撃を与えることがない。
【００１０】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の構造物の表層部剥落防止方法において、例えば図４に示すように、
前記表層部の一部に剥落の可能性がある表層部片（コンクリート片４（４ａ〜４ｃ））が複数ある場合に、互いに隣接する表層部片（コンクリート片４ａ，４ｂ（４ｃ，４ｂ））のうちの少なくとも一方の表層部片（コンクリート片４ａ（４ｃ））にアンカー５の一端部５ａを埋設固定し、他方の表層部片（コンクリート片４ｂ）に前記アンカー５の他端部５ｂを埋設固定するか当接または近接させることを特徴とする。
【００１１】
請求項２に記載の発明によれば、ひび割れ等によって、表層部片が複数ある場合に、構造物本体に隣接する表層部片の剥落がアンカーによって防止され、さらに、互いに隣接する表層部片がそれぞれアンカーによって剥落が防止されるので、複数の表層部片は、アンカーや表層部片を介して全て支持され、それらの剥落が防止される。
【００１２】
請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の構造物の表層部剥落防止方法において、
前記構造物はトンネル１であることを特徴とする。
【００１３】
請求項３に記載の発明によれば、トンネルの表層部の表層部片の剥落を防止できる。
また、トンネル内を列車等が通過しない短い時間帯で容易に表層部片剥落防止工事を行える。
【００１４】
請求項４に記載の発明は、例えば図９および図１０に示すように、請求項１〜３のいずれか一項に記載の表層部剥落防止方法で使用されるアンカー２０であって、
前記構造物本体（コンクリート本体）２に、この構造物本体（コンクリート本体）２の表面から突出した状態で一端部が埋設固定される軸部２１と、この軸部２１の突出している他端部に軸部２１と交差するようにして係合し、先端部が前記表層部片（コンクリート片）４に当接または近接する支持部２３とを備えていることを特徴とする。
【００１５】
ここで、前記軸部としては、丸棒状のものや角棒状のものが好適に使用されるが、これに限ることなく、異形断面の棒状のものでもよいし、棒状に限らず筒状のものでもよい。
また、軸部に支持部を係合させる場合、例えば、軸部の突出している他端部に雄ねじ部を形成する一方で、支持部にこの雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を形成し、これらを螺合させることによって、軸部に支持部を係合させればよい。
また、係合の手段はこれに限ることなく、例えば、支持部に軸部が貫通する孔を形成するとともに、軸部と支持部の少なくともいずれか一方に、支持部が軸部に対して抜け出るのを防止する防止手段を設けてもよい。
【００１６】
請求項４に記載の発明によれば、ひび割れやコールドジョイントによって、前記表層部の一部に剥落の可能性がある表層部片がある場合に、前記表層部の構造物本体（コンクリート本体）２にアンカーの軸部の一端部を埋設固定し、この構造物本体に隣接する前記表層部片に支持部の先端部を当接または近接させる。したがって、表層部片が剥落しようとすると、その表層部片が支持部の先端部によって支持されるので、表層部片の剥落を防止できる。
また、この軸部の突出している他端部に支持部が軸部と交差するようにして係合しているので、この係合量を大きくとることによって、軸部に対する支持部の固定強度が高くなり、よって、剥落しようとする表層部片の重量に十分耐えることができる。
さらに、軸部と支持部が別体であるので、構造物の性状や表層部片の大きさによって、軸部や支持部の大きさ、形状等を容易に変更でき、また、軸部を埋設固定した後でも、支持部の大きさ、形状等を容易に変更できる。
【００１７】
請求項５に記載の発明は、請求項４に記載のアンカーにおいて、
前記軸部２１に、前記支持部２２と前記構造物本体（コンクリート本体）２との間に介在する介在物（ワッシャ）２３が外挿されていることを特徴とする。
【００１８】
ここで、前記介在物は、軸部が挿通される孔が形成された板状のものが望ましいく、また、この介在物の厚さは数ｍｍ程度のものが望ましい。
【００１９】
請求項５に記載の発明によれば、軸部に、支持部と構造物本体との間に介在する介在部が外挿されているので、介在物に支持部を当接するとともに、介在物を構造物本体に当接することによって、支持部と構造物本体との間の隙間を確実に一定に保持できる。したがって、表層部片が構造物本体から完全に剥落する前においては、前記隙間が狭まるので、剥落の危険性を事前に察知することができる。
【００２０】
請求項６に記載の発明は、例えば図１１および図１２に示すように、請求項４または５に記載のアンカーにおいて、
前記支持部２２の先端部に、押圧されることによって破損するカプセル３０が取付けられており、このカプセル３０内に、該カプセル３０が破損した際に外部に放出されて物体に付着する付着物３１が充填されていることを特徴とする。
【００２１】
ここで、前記カプセルは接着剤等によって支持部の先端部に取付けるのが望ましい。また、カプセルの材料としては、例えば、ポリプロピレンやビニール、プラスチックなどの高分子材料や、ガラスなどの無機材料が好適であり、所定の押圧力で容易に破損して、内部の付着物を外部に容易に放出でき、しかも、漏水などに対して抵抗性があり、容易に溶解しないものが望ましい。また、カプセルは所定の押圧力で容易に破砕するのが望ましいが、破砕に至らなくても破損し、内部の付着物を外部に容易に放出できるもであればよい。
また、カプセル内に充填する付着物としては、淡色の塗料や蛍光体、発光体などを含む液体等が好ましいが、粉体であってもよく、要は物体に付着可能でかつ目視可能なものであればよい。
【００２２】
請求項６に記載の発明によれば、ひび割れやコールドジョイントによって、前記表層部の一部に剥落の可能性がある表層部片がある場合に、前記表層部の構造物本体にアンカーの軸部の一端部を埋設固定し、この構造物本体に隣接する前記表層部片に支持部の先端部を近接させ、これによって、支持部の先端部と表層部片との間に、カプセルを挟み込む。この際、カプセルは表層部片に当接するか、あるいは表層部片との間に僅かの隙間を設ける。
そして、表層部片が剥落すると、この表層部片によってカプセルが押圧されて破損し、表層部片は支持部の先端部によって支持される。カプセルが破損するとその内部から付着物が放出されて、この付着物が表層部片や支持部の先端部に付着する。したがって、この付着した付着物を目視することによって、表層部片の剥離（変位）を、至近距離でなくても容易に確認できる。
【００２３】
請求項７に記載の発明は、例えば図１３に示すように、請求項６に記載のアンカーにおいて、
前記カプセル３０は緩衝材３２に埋設されており、この緩衝材３２を介して前記支持部２２の先端部に取付けられていることを特徴とする。
【００２４】
ここで、緩衝材としては、比較的柔軟な樹脂や、発泡樹脂等が好適に使用される。緩衝材にカプセルを埋設する場合、例えば、カプセルを被覆するようにして緩衝材となる樹脂を成形すればよい。
【００２５】
請求項７に記載の発明によれば、カプセルが緩衝材に埋設されているので、アンカーを搬送したり、表層部の構造物本体にセットしたりする場合において、カプセルの破損を未然に防止できる。
また、カプセルの形状が丸みをおびていたり、カプセルを複数支持部に取付ける場合に、カプセルが緩衝材に埋設されているので、この緩衝材を支持部に取付けることによって、カプセルを容易にかつ強固に支持部に取付けることができる。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図１は、構造物としてコンクリートで築造されたトンネルの断面を示す。このトンネル１の内周部には覆工コンクリート（構造物本体）２が形成されている。この覆工コンクリート２の表層部の一部には、経年変化等によるひび割れや継目等３（以下、ひび割れや継目等３を、ひび割れ３と略称する。）が存在している。このひび割れ３によって、前記覆工コンクリート２の表層部には、図２および図３に示すように、剥落の可能性があるコンクリート片（表層部片）４が生じている。
【００２７】
本実施の形態の構造物の表層部剥落防止方法では、前記コンクリート片４の剥落を防止する。
すなわちまず、Ｌ型のアンカー５を多数用意しておく。このアンカー５は接着式のアンカーである。
そして、コンクリート片４の外側に隣接しているコンクリート本体（覆工コンクリート（構造物本体））２に、コンクリートドリルで下孔６を形成する。この下孔６はコンクリート本体２に隣接するコンクリート片４の外周方向に沿って、つまり、ひび割れ３に沿って所定間隔で多数形成する。
次に、各下孔６からコンクリートの切粉を除去した後、各下孔６に接着用の樹脂が充填されたカプセル（図示せず）を挿入する。
【００２８】
次に、各下孔６にそれぞれアンカー５の一端部５ａをハンマー等によって叩いて挿入していく。すると、アンカー５の一端部５ａによってカプセルが破られ、このカプセル内から接着用の樹脂が押出されてアンカー５の一端部５ａの回りを覆うようにして下孔６内に充填される。このとき、アンカー５の他端部５ｂは、コンクリート片４の外周縁部側に向けて配置し、コンクリート片４の表面に対して若干の隙間をもつようにして近接させておく。また、各アンカー５の他端部５ｂはひび割れ３に対して略直角となるように配置する。樹脂が硬化すると、アンカー５の一端部５ａがコンクリート本体２に埋設固定され、他端部５ｂはコンクリート片４に近接した状態で固定される。
【００２９】
このようにして、コンクリート片４の外周側に位置するコンクリート本体２に多数のアンカー５の一端部５ａをひび割れ３に沿って所定間隔で埋設固定し、他端部５ｂをコンクリート片４に近接させる。
なお、前記下孔６にアンカー５の一端部５ａを埋設固定する場合、全ての下孔６を形成した後、これら下孔６にアンカー５の一端部５ａを埋設固定してもよいし、下孔６を所定の個数だけ形成した後、その下孔６にアンカー５の一端部５ａを埋設固定してもよいし、一つずつ下孔６を形成して、その下孔６にアンカー５の一端部５ａを埋設固定してもよい。
【００３０】
そして、コンクリート片４が剥落しようとすると、そのコンクリート片４が多数のアンカー５の他端部５ｂに当接する。アンカー５の一端部５ａはコンクリート本体２に埋設固定されているので、コンクリート片４はアンカー５の他端部５ｂによって支持され、これによって、コンクリート片４の剥落を防止できる、つまりアンカー５のせん断耐力によってコンクリート片４の剥落を防止できる。
また、コンクリート片４がコンクリート本体２から完全に剥落する前においては、アンカー５の他端部５ｂとコンクリート片４との間の隙間が狭まるので、剥落の危険性を事前に察知することができる。
【００３１】
さらに、アンカー５の一端部５ａをコンクリート本体２に埋設固定するとともに、他端部５ｂをコンクリート片４に近接させるだけの簡単な作業であるので、従来のようなクレーン等の重機が必要なく、工事が容易であり、さらに、ひび割れ等の劣化が生じるたびに、その部分のコンクリート片４が剥落しないように補修するのが容易である。
また、ひび割れ３が発生している劣化箇所を覆うことがないので、工事後の状況も容易に確認でき、漏水にも強いものとなる。
さらに、コンクリート片４の剥落を防止するために、多数のアンカー５を使用しているので、品質管理のためのアンカー５の抜き出し試験も容易にでき、また、万が一アンカー５の一部に施工不良があっても、そのアンカー５が脱落するだけであるので、列車等に大きな衝撃を与えることがない。
【００３２】
なお、本実施の形態では、剥落の可能性があるコンクリート片４が一つの場合について説明したが、剥落の可能性があるコンクリート片４が複数生じている場合には、以下のようにしてコンクリート片の剥落防止を行う。
すなわち、図４に示すように、コンクリート本体２にひび割れ３によって、複数のコンクリート片４（４ａ，４ｂ，４ｃ）が生じている場合に、互いに隣接するコンクリート片４ａと４ｂのうちの一方のコンクリート片４ａにアンカー５の一端部５ａを埋設固定し、他方のコンクリート片４ｂにアンカー５の他端部５ｂを近接させる。
同様にして、互いに隣接するコンクリート片４ｃと４ｂのうちの一方のコンクリート片４ｃにアンカー５の一端部５ａを埋設固定し、他方のコンクリート片４ｂにアンカー５の他端部５ｂを近接させる。
さらに、両側にあるコンクリート本体２，２にそれぞれアンカー５の一端部５ａを埋設固定し、各コンクリート本体２に隣接するコンクリート片４ａ，４ｃにそれぞれアンカー５の他端部５ｂを近接させる。
【００３３】
このようにすれば、ひび割れ３によって、コンクリート片４が複数生じている場合に、コンクリート本体２に隣接するコンクリート片４ａ，４ｃの剥落がアンカー５によって防止され、さらに、互いに隣接するコンクリート片４ａ，４ｂや４ｂ，４ｃがそれぞれアンカー５によって剥落が防止されるので、複数のコンクリート片４ａ〜４ｃは、アンカー５やコンクリート片４を介して全て支持され、それらの剥落が防止される。
【００３４】
また、本実施の形態では、Ｌ型のアンカー５を用いた場合を例にとって説明したが、本発明では、図５に示すようにＵ型のアンカー１０を用いてもよい。このアンカー１０をコンクリート本体２やコンクリート片４に埋設固定する場合、例えば図６に示すような、ガン式の穴明け工具１１を用いるのが望ましいが、他の穴明け工具を用いてもよいのは勿論である。
前記穴明け工具１１は、平行な２本のコンクリートドリル１１ａ，１１ａを備えており、これらコンクリートドリル１１ａ，１１ａの距離は、Ｕ型アンカー１０の一端部１０ａと他端部１０ｂとの間の長さと等しく設定されている。また、引き金１１ｂを引くことによって、コンクリートドリル１１ａ，１１ａが軸回りに回転するようになっている。
【００３５】
そして、図５に示すように、コンクリート本体（覆工コンクリート）２と、このコンクリート本体２に隣接しているコンクリート片４とに、穴明け工具１１を用い、そのコンクリートドリル１１ａ，１１ａによって下孔６，６を同時に形成する。コンクリートドリル１１ａ，１１ａの距離は、Ｕ型アンカー１０の一端部１０ａと他端部１０ｂとの間の長さと等しいので、下孔６，６間の距離もＵ型アンカー１０の一端部１０ａと他端部１０ｂとの間の長さに等しくなる。
【００３６】
次に、下孔６，６からコンクリートの切粉を除去した後、下孔６，６に接着用の樹脂が充填されたカプセル（図示せず）を挿入したうえで、下孔６，６にそれぞれアンカー１０の一端部１０ａと他端部１０ｂとをハンマー等によって叩いて挿入していく。すると、アンカー１０の一端部１０ａと他端部１０ｂによってカプセルが破られ、このカプセル内から接着用の樹脂が押出されてアンカー１０の一端部１０ａと他端部１０ｂの回りを覆うようにして下孔６，６内に充填される。樹脂が硬化すると、アンカー１０の一端部１０ａと他端部１０ｂがコンクリート本体２とコンクリート片４にそれぞれ埋設固定される。
【００３７】
このようにして、コンクリート本体２とコンクリート片４とを、多数のアンカー１０によって連結する。
そして、コンクリート片４が剥落しようとすると、アンカー１０の一端部１０ａはコンクリート本体２に埋設固定されており、他端部１０ｂがコンクリート片４に埋設固定されているので、コンクリート片４はアンカー１０の他端部１０ｂによって支持され、これによって、コンクリート片４の剥落を防止できる。
【００３８】
また、Ｌ型のアンカー５を使用した場合と同様に、コンクリート片剥落防止のための工事が容易であり、工事後の状況も容易に確認でき、漏水にも強く、品質管理のための抜き出し試験もでき、さらには、万が一施工不良があっても列車等に大きな衝撃を与えることがない。
さらに、アンカー１０の他端部１０ｂがコンクリート片４に埋設固定されているので、より確実にコンクリート片４の剥落を防止でき、また、コンクリート片４の横方向へのずれも防止できる。
また、穴明け工具１１を使用したので、アンカー１０を挿入できる下孔６，６を同時かつ容易に形成でき、作業性がよい。
【００３９】
さらに、本発明では、前記Ｌ型のアンカー５やＵ型のアンカー１０の他に、図７に示すような三つ又のアンカー１２や、図８に示すようなオス・メス型のアンカー１３を用いても、Ｌ型のアンカー５やＵ型のアンカー１０を用いた場合と同様の効果が得られる。
アンカー１２は、図７（ｂ）に示すように、側面視Ｌ型のものであり、一端部１２ａは、図７（ａ）に示すように、３本に分れている。このアンカー１２は、３本の一端部１２ａをコンクリート本体２に埋設固定し、他端部１２ｂによってコンクリート片４を支持する。
アンカー１３は、図８に示すように、オス型１４とメス型１５とから構成されている。オス型１４はＬ型のアンカーであり、その一端部１４ａの外周部には多数の突起が形成されている。メス型１５は筒状のものあり、その内部にはオス型の突起に係合する突起が多数が形成されている。
そして、このようなアンカー１３は、そのメス型１５をコンクリート本体２に前記アンカー５の一端部５ａと同様にして、埋設固定したうえで、メス型１５にオス型１４の一端部１４ａを係合させることで、コンクリート本体２に埋設固定され、オス型１４の他端部１４ｂによってコンクリート片４を支持するようになっている。
【００４０】
また、本発明では、上述したようなアンカー５，１０，１２，１３の他に、図９に示すようなアンカー２０を使用してもよい。
すなわち、アンカー２０は、軸部２１と支持部２２とワッシャ（介在物）２３とを備えている。
軸部２１は丸棒状のものであり、その一端部（図９においては上端部）はコンクリート本体２に埋設固定されるようになっており、他端部（図９においては下端部）には雄ねじ部２１ａが形成されている。
【００４１】
支持部２２はその先端部で剥落してきたコンクリート片４を支持するものであり、側面視において頂点が円弧状の略三角形状をなしている。また、支持部２２は先端側（図９において右側）に向かうほど細くなるような尖った形状とされ、基端部には上下に貫通して前記軸部２１の下端部が挿通される孔が形成され、この孔の内面には軸部２１の雄ねじ部２１ａに螺合（係合）する雌ねじ部２２ａが形成されている。また、支持部２２の基端部（図９において左端部）は、孔が形成された部分の上下方向の厚さが最も肉厚に形成されており、先端部に向かうほど薄くなるように形成されている。また、支持部２２はその先端部がコンクリート片４の外周部に達するに足るだけの長さを有している。さらに、支持部２２の上面は平面とされている。
【００４２】
前記ワッシャ２３は、円板状のものであり、その直径は支持部２２の基端部の平面視における直径とほぼ等しくなっている。ワッシャ２３には孔が形成されており、この孔に軸部２１を挿通することによって、ワッシャ２３が支持部２２とコンクリート本体２の間に介在するようになっている。
【００４３】
上記のような構成のアンカー２０を用いて、コンクリート片４の剥落を防止するには、前記Ｌ型のアンカー５を用いた場合とほぼ同様にして行う。
すなわちまず、図９および図１０に示すように、アンカー２０を多数用意しておき、コンクリート片４の外側に隣接しているコンクリート本体（覆工コンクリート（構造物本体））２に、下孔６を、ひび割れ３に沿って所定間隔で多数形成する。
次に、各下孔６からコンクリートの切粉を除去した後、各下孔６に接着用の樹脂が充填されたカプセル（図示せず）を挿入する。
【００４４】
次に、各下孔６にそれぞれ、アンカー２０の軸部２１をハンマー等によって叩いて挿入していく。すると、軸部２１の一端部によってカプセルが破られ、このカプセル内から接着用の樹脂が押出されて軸部２１の一端部の回りを覆うようにして下孔６内に充填される。樹脂が硬化すると、軸部２１の一端部がコンクリート本体２に埋設固定され、他端部はコンクリートー本体２の表面から突出した状態となっている。
【００４５】
次に、コンクリート本体２の表面から突出している軸部２１の他端部に、ワッシャ（介在物）２３を外挿するとともに、支持部２２の孔を外挿して、その孔に形成されている雌ねじ部２２ａを、軸部２１の他端部に形成されている雄ねじ部２１ａに螺合する。これによって、軸部２１の他端部に支持部２２を軸部２１と交差（直交）するようにして係合する。
この場合、支持部２２を回しながら係合していき、この支持部２２とコンクリート本体２とによって、ワッシャ２３を挟み付ける。このように、ワッシャ２３に支持部２２を当接するとともに、ワッシャ２３をコンクリート本体２に当接することによって、支持部２２とコンクリート本体２との間の隙間を確実に一定に保持できる。
また、ワッシャ２３を支持部２２とコンクリート本体２とで挟み付けた状態では、支持部２２の先端部をコンクリート片４の外周縁部側向けて配置することで、支持部２２の先端部がコンクリートー片４に近接した状態となる。
【００４６】
なお、前記下孔６にアンカー２０の軸部２１を埋設固定する場合、全ての下孔６を形成した後、これら下孔６に軸部２１を埋設固定してもよいし、下孔６を所定の個数だけ形成した後、その下孔６に軸部２１を埋設固定してもよいし、一つずつ下孔６を形成して、その下孔６に軸部２１を埋設固定してもよい。
さらに、予め、軸部２１にワッシャ２３と支持部２２とを取り付けておき、軸部２１をワッシャ２３、支持部２２と共に、下孔６に埋設固定してもよい。
【００４７】
そして、コンクリート片４が剥落しようとすると、そのコンクリート片４が多数のアンカー２０の支持部２２の先端部に当接する。支持部２２が係合している軸部２１はコンクリート本体２に埋設固定されているので、コンクリート片４は支持部２２によって支持され、これによって、コンクリート片４の剥落を防止できる、つまり軸部２１のせん断耐力によってコンクリート片４の剥落を防止できる。
また、軸部２１の突出している他端部に支持部２２が軸部と交差するようにして係合（螺合）しており、軸部２１が螺合している部分の支持部２２の肉厚が厚く、その分、軸部２１と支持部２２との係合量が大きくなるので、軸部２１に対する支持部２２の固定強度が高くなり、よって、剥落しようとするコンクリート片４の重量に十分耐えることができる。
【００４８】
さらに、軸部２１と支持部２２が別体であるので、コンクリート本体２の性状やコンクリート片４の大きさによって、軸部２１や支持部２２の大きさ、形状等を容易に変更でき、また、軸部２１を埋設固定した後でも、支持部２２の大きさ、形状等を容易に変更できる。
さらに、コンクリート片４がコンクリート本体２から完全に剥落する前においては、支持部２３の先端部とコンクリート片４との間の隙間が狭まるので、剥落の危険性を事前に察知することができる。
【００４９】
また、図１１に示すように、前記アンカー２０の支持部２２の先端部に、カプセル３０を接着剤等によって取付けてもよい。このカプセル３０は所定の押圧力によって破損し、かつ、漏水などに対して抵抗性があり、容易に溶解しないもので形成されており、例えば、ポリプロピレンやビニール、プラスチックなどの高分子材料や、ガラスなどの無機材料等によって形成されている。
カプセル３０内には、このカプセル３０が破損した際に外部に放出されて物体（例えば、コンクリート片４や支持部２２）に付着して目視可能な付着物３１が充填されている。この付着物３１としては、例えば淡色の塗料や蛍光体、発光体などを含む液体が使用される。
【００５０】
そして、ひび割れやコールドジョイントによって、表層部の一部に剥落の可能性があるコンクリート片４がある場合に、表層部のコンクリート本体２にアンカー２０の軸部２１の一端部を埋設固定し、このコンクリート本体２に隣接するコンクリート片４に支持部２２の先端部を近接させ、これによって、支持部２２の先端部とコンクリート片４との間に、カプセル３０を挟み込む。この際、カプセル３０はコンクリート片４に当接するか、あるいはコンクリート片４との間に僅かの隙間を設ける。
そして、コンクリート片４が剥落すると、このコンクリート片４によってカプセル３０が押圧されて破損し、コンクリート片４は支持部２２の先端部によって支持される。
一方、カプセル３０が破損するとその内部から付着物３１が放出されて、図１２に示すように、この付着物３１がコンクリート片４や支持部２２の先端部に付着する。したがって、この付着した付着物３１を目視することによって、コンクリート片の剥離（変位）を、至近距離でなくても容易に確認できる。
【００５１】
また、カプセル３０を、支持部２２の先端部に直接ではなく緩衝材３２によって間接的に取付けてもよい。
すなわち、図１３に示すように、複数のカプセル３０，３０が緩衝材３２に埋設されており、この緩衝材３２を介して支持部２２の先端部に取付けられている。緩衝材３２は、比較的柔軟な樹脂によって形成されており、この緩衝材３２にカプセル３０，３０を埋設する場合、図示しない金型内にカプセルを配置し、この金型内に樹脂を充填することによって行われている。
【００５２】
この場合、カプセル３０，３０が緩衝材３２に埋設されているので、アンカー２０を搬送したり、表層部のコンクリート本体２にセットしたりする場合において、カプセル３０，３０の破損を未然に防止できる。
また、カプセル３０の形状が丸みをおびていたり、カプセル３０を複数支持部２２に取付ける場合に、カプセル３０，３０が緩衝材３２に埋設されているので、この緩衝材３２を支持部２２に取付けることによって、カプセル３０，３０を容易にかつ強固に支持部２２に取付けることができる。
【００５３】
なお、上述した実施の形態では、接着式のアンカー５，１０，１２，１３，２０を用いたが、本発明ではこれに限ることなく、下孔を形成したうえで、打撃や回転による締め付けによって機械的に固定するものでもよく、さらには下孔を形成することなく、コンクリート本体やコンクリート片に直接打ち込みによって埋設固定するものでもよい。この場合、打ち込みは、エアー、油圧、火薬等を利用して行えばよい。
また、本実施の形態では、本発明をコンクリート造りのトンネルに適用した場合を例にとって説明したが、本発明は、コンクリート構造物であればどのようなものに適用してもよい。
さらに、継目の剥離により、剥落の可能性のあるブロックやレンガ造りの構造物にも適用できるのは勿論である。
【００５４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ひび割れやコールドジョイントによって、表層部の一部に剥落の可能性がある表層部片がある場合に、表層部の構造物本体にアンカーの一端部を埋設固定し、この構造物本体に隣接する表層部片にアンカーの他端部を埋設固定するか当接または近接させることによって、表層部片の剥落を防止したので、表層部剥落防止のための工事が容易であり、工事後の状況も容易に確認でき、漏水にも強く、品質管理のための抜き出し試験もでき、さらには、万が一施工不良があっても列車等に大きな衝撃を与えることがない。
【００５５】
また、アンカーが、軸部と、この軸部に係合する支持部とを備えているので、この係合量を大きくとることによって、軸部に対する支持部の固定強度が高くなり、よって、剥落しようとする表層部片の重量に十分耐えることができる。
さらに、支持部の先端部に、内部に付着物が充填されたカプセルが取付けられているので、支持部の先端部と表層部片との間に、カプセルを挟み込むようにしてアンカーをセットすることによって、表層部片が剥落すると、カプセルが押圧されて破損し、その内部から付着物が放出されて表層部片や支持部の先端部に付着する。したがって、この付着した付着物を目視することによって、表層部片の剥離（変位）を、至近距離でなくても容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の表層部剥落防止方法の一例を説明するためのもので、トンネルの横断面図である。
【図２】同、図１における要部の拡大図である。
【図３】同、コンクリート片を示す平面図である。
【図４】同、コンクリート片が複数ある場合のトンネルの要部の横断面図である。
【図５】同、アンカーの第１の変形例を示す図である。
【図６】同、下孔を形成するための穴明け工具を示す図である。
【図７】同、アンカーのその他の変形例を示す図である。
【図８】同、アンカーのその他の変形例を示す図である。
【図９】同、軸部と支持部を備えたアンカーの例を示す図である。
【図１０】同、コンクリート片を示す平面図である。
【図１１】同、アンカーの支持部の先端部にカプセルが取付けられている状態を示す断面図である。
【図１２】同、カプセルが破損して付着物が支持部に付着した状態を示す断面図である。
【図１３】同、カプセルを緩衝材を介して取付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
１トンネル（コンクリート構造物）
２覆工コンクリート（構造物本体（コンクリート本体））
３ひび割れ
４コンクリート片（表層部片）
５，１２，１３，２０アンカー
２１軸部
２２支持部
２３ワッシャ（介在物）
３０カプセル
３１付着物
３２緩衝材[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for preventing a surface layer of a structure such as a tunnel from peeling off.
[0002]
[Prior art]
For example, a concrete structure such as a tunnel formed of concrete deteriorates due to aging and the like, and a crack is generated on a surface portion thereof, and a concrete piece (surface layer piece) that may peel off is generated. May be. Conventionally, in order to prevent such concrete pieces from peeling off, for example, affixing of a fiber sheet or an exfoliation preventing method using an L-shaped steel or a wire mesh has been performed (for example, see Non-Patent Document 1). .
Attachment of the fiber sheet is performed by laminating a sheet of carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, or the like with an impregnating / adhesive resin and bonding the sheet to the surface of a surface layer portion including a concrete piece that may fall off.
In the method using an L-shaped steel or a wire mesh, the surface of the surface layer of the concrete structure is largely covered with a wire mesh including concrete pieces, the end of the wire mesh is suppressed by the L-shaped steel, and the L-shaped steel is anchored by an anchor bolt. It is to be fixed to the surface layer.
[0003]
[Non-patent document 1]
"Tunnel Maintenance Manual" Published by The Railway Technical Research Institute, May 2000, First Edition, First Edition, p. 105, p. 108-109
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional spalling prevention works as described above have the following problems.
That is, first, the method using an L-shaped steel or a wire mesh requires heavy equipment such as a crane for lifting the L-shaped steel or the wire mesh, and thus requires a large amount of work. In particular, when the working space is narrow, such as a railway tunnel, and the time period for the construction is limited, the construction becomes extremely difficult.
In addition, since the number of anchor bolts fixing the L-shaped steel is not so large, a pull-out test of the anchor bolts for quality control cannot be performed.
[0005]
Since the fiber sheet sticking covers the deteriorated portion where cracks or the like have occurred, the situation after the countermeasure (after construction) cannot be confirmed. Furthermore, when water leaks from a cracked portion, since the fiber sheet is covered with the fiber sheet, the fiber sheet swells and peels off due to the water leak.
Also, in either case, if the fiber sheet is peeled off or the L-shaped steel comes off due to poor construction, these collide with the train running in the tunnel and give a large impact to this train. there is a possibility.
[0006]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and it is easy to perform work for preventing the surface layer pieces such as concrete pieces from coming off, to easily check the situation after the work, to be resistant to water leakage, and to perform quality control. It is also an object of the present invention to provide a method for preventing a surface layer from peeling off a structure that does not give a large impact to a train or the like even if there is an improper construction in the event of a construction failure.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 is, for example, as shown in FIGS. 1 to 3, the surface layer portion of a structure composed of at least one of concrete, block, and brick. A method for preventing a surface layer of a structure from peeling off,
When there is a surface layer piece (concrete piece) 4 which may peel off in a part of the surface layer due to a crack 3 or a cold joint,
One end 5a of the anchor 5 is buried and fixed to the structure body (concrete body) 2 of the surface layer, and the anchor 5 is attached to the surface layer piece (concrete piece) 4 adjacent to the structure body (concrete body) 2. It is characterized in that the other end 5b is embedded and fixed or abuts or approaches.
[0008]
Here, as the anchor, for example, an L-shaped or U-shaped anchor is preferably used, but is not limited thereto, and one end can be embedded and fixed in a structure body such as a concrete body, and the other end can be fixed. Any shape may be used as long as it can be buried and fixed to a surface layer piece such as a concrete piece or can contact or approach.
The L-shaped anchor is suitably used when one end thereof is embedded and fixed in a structure body such as a concrete body and the other end is brought into contact with or close to a surface layer piece such as a concrete piece.
The U-shaped anchor is suitably used when one end is embedded and fixed in a structure body such as a concrete body and the other end is embedded and fixed in a surface layer piece such as a concrete piece.
[0009]
According to the first aspect of the present invention, one end of the anchor is buried and fixed to the structure body of the surface layer of the structure, and the other end of the anchor is buried and fixed to the surface layer piece adjacent to the structure body. Or abut or approach. Therefore, when the surface layer piece is about to peel off, the surface layer piece is supported by the other end of the anchor, so that the surface layer piece can be prevented from peeling off.
In addition, since it is a simple operation of embedding and fixing one end of the anchor to the structure main body and embedding and fixing the other end to the surface layer piece or bringing it into contact with or approaching, the conventional heavy machinery such as a crane is used. Is not required, construction is easy, and each time deterioration such as cracks occurs, it is easy to repair so that the surface layer piece does not come off.
Further, since the deteriorated portion where cracks or the like are generated is not covered, the condition after the construction can be easily confirmed, and the structure is resistant to water leakage.
Furthermore, in the case of preventing surface layer pieces from peeling off, by using a large number of anchors, it is possible to easily perform an anchor extraction test for quality control, and even if some of the anchors have poor construction, Since only the anchor comes off, a large impact is not given to the train or the like.
[0010]
According to a second aspect of the present invention, in the method for preventing a surface layer from peeling off a structure according to the first aspect, for example, as shown in FIG.
When there are a plurality of surface layer pieces (concrete pieces 4 (4a to 4c)) that may be peeled off in a part of the surface layer, adjacent surface layer pieces (concrete pieces 4a, 4b (4c, 4b)) One end 5a of the anchor 5 is embedded and fixed to at least one surface layer piece (the concrete piece 4a (4c)), and the other end 5b of the anchor 5 is embedded in the other surface layer piece (the concrete piece 4b). It is characterized by being fixed, abutting or approaching.
[0011]
According to the invention described in claim 2, when there are a plurality of surface layer pieces due to cracks or the like, the peeling of the surface layer pieces adjacent to the structure body is prevented by the anchor, and further, the adjacent surface layer pieces are Since each of the plurality of surface layer pieces is prevented from peeling off by the anchor, the plurality of surface layer pieces are all supported via the anchor and the surface layer piece, thereby preventing the plurality of surface layer pieces from peeling off.
[0012]
According to a third aspect of the present invention, in the method for preventing a surface layer from coming off of a structure according to the first or second aspect,
The structure is a tunnel 1.
[0013]
According to the third aspect of the invention, it is possible to prevent the surface layer piece of the surface layer of the tunnel from peeling off.
In addition, it is possible to easily perform a work for preventing surface layer pieces from peeling off in a short time period when a train or the like does not pass through the tunnel.
[0014]
The invention according to claim 4 is, for example, as shown in FIGS. 9 and 10, an anchor 20 used in the method for preventing surface layer portion from falling off according to any one of claims 1 to 3,
A shaft portion 21 having one end embedded and fixed to the structure body (concrete body) 2 in a state of protruding from the surface of the structure body (concrete body) 2, and a projecting other end portion of the shaft portion 21 And a support portion 23 that is engaged with the shaft portion 21 so as to intersect with the shaft portion 21 and has a tip portion abutting on or approaching the surface layer piece (concrete piece) 4.
[0015]
Here, as the shaft portion, a round bar shape or a square bar shape is preferably used, but the shaft portion is not limited thereto, and may be a bar shape having an irregular cross section or a cylindrical shape without being limited to the bar shape. May be.
In addition, when the support portion is engaged with the shaft portion, for example, while forming a male screw portion at the other end portion of the shaft portion protruding, a female screw portion to be screwed to the male screw portion is formed at the support portion. May be engaged with the support by engaging the shaft with the shaft.
Also, the means of engagement is not limited to this, and for example, a hole is formed in the support portion through which the shaft portion passes, and the support portion comes off from the shaft portion in at least one of the shaft portion and the support portion. May be provided.
[0016]
According to the invention as set forth in claim 4, when there is a surface layer piece that may be peeled off in a part of the surface layer due to cracks or cold joints, the structure body (concrete body) 2 of the surface layer One end of the shaft portion of the anchor is buried and fixed, and the tip of the support portion is brought into contact with or close to the surface layer piece adjacent to the structure body. Therefore, when the surface layer piece is about to be peeled off, the surface layer piece is supported by the tip of the supporting portion, so that the surface layer piece can be prevented from peeling off.
Also, since the supporting portion is engaged with the projecting other end of the shaft portion so as to intersect with the shaft portion, by increasing the amount of engagement, the fixing strength of the supporting portion to the shaft portion is reduced. And thus can withstand the weight of the surface piece that is about to fall off.
Furthermore, since the shaft and the support are separate parts, the size and shape of the shaft and the support can be easily changed according to the properties of the structure and the size of the surface layer piece, and the shaft is embedded. Even after fixing, the size, shape, and the like of the support portion can be easily changed.
[0017]
The invention according to claim 5 provides the anchor according to claim 4,
An interposition (washer) 23 interposed between the support portion 22 and the structure main body (concrete main body) 2 is externally inserted into the shaft portion 21.
[0018]
Here, the inclusion is desirably a plate-like member having a hole through which a shaft portion is inserted, and the thickness of the inclusion is desirably about several mm.
[0019]
According to the invention as set forth in claim 5, since the interposition portion interposed between the support portion and the structure main body is extrapolated to the shaft portion, the support portion abuts on the inclusion and the inclusion is removed. By contacting the structure main body, the gap between the support portion and the structure main body can be reliably maintained at a constant level. Therefore, before the surface layer piece is completely peeled off from the structure main body, the gap is narrowed, so that the danger of peeling can be detected in advance.
[0020]
According to a sixth aspect of the present invention, as shown in FIGS. 11 and 12, for example, in the anchor according to the fourth or fifth aspect,
A capsule 30, which is broken by being pressed, is attached to the tip of the support portion 22, and an adhering substance 31 which is released to the outside and adheres to an object when the capsule 30 is broken, in the capsule 30. Is filled.
[0021]
Here, it is desirable that the capsule be attached to the tip of the supporting portion with an adhesive or the like. In addition, as the material of the capsule, for example, a polymer material such as polypropylene, vinyl, or plastic, or an inorganic material such as glass is preferable, and is easily damaged by a predetermined pressing force, so that the attached substance inside can be exposed to the outside. Desirable are those which can be easily released, are resistant to water leakage and the like, and do not easily dissolve. Further, it is desirable that the capsule be easily crushed with a predetermined pressing force. However, it is sufficient that the capsule is broken even without crushing and that the attached matter inside can be easily released to the outside.
In addition, as a substance to be filled in the capsule, a liquid containing a light-colored paint, a phosphor, a luminous body, or the like is preferable, but a powder may be used. Should be fine.
[0022]
According to the invention as set forth in claim 6, when there is a surface layer piece which may be peeled off in a part of the surface layer due to a crack or a cold joint, the shaft portion of the anchor is attached to the structure body of the surface layer. Is buried and fixed, and the tip of the support portion is brought close to the surface layer piece adjacent to the structure body, whereby the capsule is sandwiched between the tip portion of the support portion and the surface layer piece. At this time, the capsule is in contact with the surface layer piece or a slight gap is provided between the capsule and the surface layer piece.
When the surface layer piece comes off, the capsule is pressed and broken by the surface layer piece, and the surface layer piece is supported by the tip of the supporting portion. When the capsule is broken, extraneous matter is released from the inside of the capsule, and the extraneous matter adheres to the surface layer piece and the tip of the support. Therefore, by visually observing the attached matter, the peeling (displacement) of the surface layer piece can be easily confirmed even at a short distance.
[0023]
The invention according to claim 7 is, for example, as shown in FIG. 13, in the anchor according to claim 6,
The capsule 30 is embedded in a cushioning material 32, and is attached to the distal end of the support portion 22 via the cushioning material 32.
[0024]
Here, a relatively soft resin, a foamed resin, or the like is suitably used as the cushioning material. When the capsule is embedded in the cushioning material, for example, a resin serving as the cushioning material may be molded so as to cover the capsule.
[0025]
According to the seventh aspect of the present invention, since the capsule is embedded in the cushioning material, the breakage of the capsule can be prevented in advance when the anchor is transported or set on the structure body of the surface layer. .
In addition, when the capsule has a rounded shape or when a plurality of capsules are mounted on the support, the capsule is embedded in the cushioning material. Can be attached to the support.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a section of a tunnel constructed of concrete as a structure. A lining concrete (structure main body) 2 is formed on an inner peripheral portion of the tunnel 1. Cracks and seams 3 due to aging and the like (hereinafter, the cracks and seams 3 are abbreviated as cracks 3) are present in a part of the surface layer of the lining concrete 2. Due to the cracks 3, as shown in FIGS. 2 and 3, a concrete piece (surface layer piece) 4 which may be peeled off is formed on the surface layer of the lining concrete 2.
[0027]
In the method for preventing the surface layer of the structure from peeling off according to the present embodiment, the concrete piece 4 is prevented from peeling off.
That is, first, a large number of L-shaped anchors 5 are prepared. This anchor 5 is an adhesive anchor.
Then, a pilot hole 6 is formed in a concrete body (lining concrete (structure body)) 2 adjacent to the outside of the concrete piece 4 by a concrete drill. A large number of the pilot holes 6 are formed at predetermined intervals along the outer circumferential direction of the concrete piece 4 adjacent to the concrete body 2, that is, along the cracks 3.
Next, after removing concrete chips from each pilot hole 6, a capsule (not shown) filled with an adhesive resin is inserted into each pilot hole 6.
[0028]
Next, one end 5a of the anchor 5 is inserted into each prepared hole 6 by hitting it with a hammer or the like. Then, the capsule is broken by one end 5 a of the anchor 5, and the adhesive resin is extruded from the inside of the capsule and is filled in the prepared hole 6 so as to cover around the one end 5 a of the anchor 5. At this time, the other end 5b of the anchor 5 is arranged toward the outer peripheral edge of the concrete piece 4, and is brought close to the surface of the concrete piece 4 with a slight gap. The other end 5b of each anchor 5 is disposed so as to be substantially perpendicular to the crack 3. When the resin cures, one end 5a of the anchor 5 is embedded and fixed in the concrete body 2, and the other end 5b is fixed in a state close to the concrete piece 4.
[0029]
In this manner, one end 5a of a large number of anchors 5 are embedded and fixed at predetermined intervals along the crack 3 in the concrete body 2 located on the outer peripheral side of the concrete piece 4, and the other end 5b is brought close to the concrete piece 4. .
In the case where one end 5a of the anchor 5 is embedded and fixed in the pilot hole 6, after forming all the pilot holes 6, one end 5a of the anchor 5 may be embedded and fixed in these pilot holes 6, After forming a predetermined number of holes 6, one end 5 a of the anchor 5 may be embedded and fixed in the prepared hole 6, or the prepared holes 6 may be formed one by one, and the anchor 5 may be formed in the prepared hole 6. One end 5a may be embedded and fixed.
[0030]
When the concrete piece 4 is about to peel off, the concrete piece 4 comes into contact with the other end portions 5b of the numerous anchors 5. Since one end 5a of the anchor 5 is buried and fixed in the concrete body 2, the concrete piece 4 is supported by the other end 5b of the anchor 5, thereby preventing the concrete piece 4 from peeling off. The proof strength can prevent the concrete piece 4 from falling off.
In addition, before the concrete piece 4 is completely peeled off from the concrete body 2, the gap between the other end 5b of the anchor 5 and the concrete piece 4 is narrowed, so that the danger of peeling can be detected in advance. .
[0031]
Furthermore, since it is a simple operation of embedding and fixing the one end 5a of the anchor 5 to the concrete body 2 and bringing the other end 5b close to the concrete piece 4, there is no need for a heavy machine such as a crane as in the related art. The construction is easy, and each time the deterioration such as cracks occurs, it is easy to repair so that the concrete piece 4 in that part does not peel off.
Further, since the deteriorated portion where the crack 3 is generated is not covered, the situation after the construction can be easily confirmed, and the structure is resistant to water leakage.
Furthermore, since a large number of anchors 5 are used in order to prevent the concrete pieces 4 from peeling off, the extraction test of the anchors 5 for quality control can be easily performed. However, since the anchor 5 only falls off, there is no large impact on the train or the like.
[0032]
In the present embodiment, the case where there is one concrete piece 4 that has the possibility of peeling has been described. However, when there are a plurality of concrete pieces 4 that have the possibility of peeling, the concrete Prevents pieces from falling off.
That is, as shown in FIG. 4, when a plurality of concrete pieces 4 (4a, 4b, 4c) are generated by a crack 3 in the concrete body 2, one of the concrete pieces 4a and 4b adjacent to each other is formed. One end 5a of the anchor 5 is embedded and fixed to the piece 4a, and the other end 5b of the anchor 5 is brought close to the other concrete piece 4b.
Similarly, one end 5a of the anchor 5 is embedded and fixed in one of the concrete pieces 4c and 4b adjacent to each other, and the other end 5b of the anchor 5 is brought close to the other concrete piece 4b.
Further, one ends 5a of the anchors 5 are embedded and fixed to the concrete bodies 2 and 2 on both sides, respectively, and the other ends 5b of the anchors 5 are brought close to the concrete pieces 4a and 4c adjacent to the concrete bodies 2 respectively.
[0033]
In this way, when a plurality of concrete pieces 4 are generated by the cracks 3, the concrete pieces 4a, 4c adjacent to the concrete body 2 are prevented from falling off by the anchor 5, and further, the concrete pieces 4a, 4a, Since each of 4b, 4b, and 4c is prevented from peeling off by the anchor 5, the plurality of concrete pieces 4a to 4c are all supported via the anchor 5 and the concrete piece 4, and the peeling thereof is prevented.
[0034]
Further, in the present embodiment, the case where the L-shaped anchor 5 is used has been described as an example, but in the present invention, a U-shaped anchor 10 may be used as shown in FIG. When the anchor 10 is embedded and fixed in the concrete body 2 or the concrete piece 4, it is desirable to use a gun-type drilling tool 11 as shown in FIG. 6, for example, but other drilling tools may be used. Of course.
The drilling tool 11 includes two parallel concrete drills 11a, 11a, and the distance between the concrete drills 11a, 11a is a distance between one end 10a and the other end 10b of the U-shaped anchor 10. Is set equal to Further, by pulling the trigger 11b, the concrete drills 11a, 11a rotate around the axis.
[0035]
As shown in FIG. 5, a concrete drill (11a, 11a) is used to drill a hole in a concrete body (lining concrete) 2 and a concrete piece 4 adjacent to the concrete body 2 using a drilling tool 11. 6, 6 are formed simultaneously. Since the distance between the concrete drills 11a, 11a is equal to the length between the one end 10a and the other end 10b of the U-shaped anchor 10, the distance between the pilot holes 6, 6 is also different from that of the one end 10a of the U-shaped anchor 10. It is equal to the length between the end 10b.
[0036]
Next, after removing concrete chips from the pilot holes 6 and 6, a capsule (not shown) filled with an adhesive resin is inserted into the pilot holes 6 and 6, and One end 10a and the other end 10b of the anchor 10 are inserted by hitting with a hammer or the like. Then, the capsule is broken by the one end 10a and the other end 10b of the anchor 10, and the adhesive resin is extruded from inside the capsule so as to cover around the one end 10a and the other end 10b of the anchor 10. The holes 6 and 6 are filled. When the resin cures, the one end 10a and the other end 10b of the anchor 10 are embedded and fixed in the concrete body 2 and the concrete piece 4, respectively.
[0037]
In this way, the concrete body 2 and the concrete piece 4 are connected by a large number of anchors 10.
When the concrete piece 4 is about to peel off, one end 10a of the anchor 10 is buried and fixed in the concrete body 2 and the other end 10b is buried and fixed in the concrete piece 4. Of the concrete piece 4 can be prevented from falling off.
[0038]
Also, as in the case of using the L-shaped anchor 5, the construction for preventing the concrete pieces from peeling is easy, the situation after the construction can be easily confirmed, the structure is resistant to water leakage, and the extraction test for quality control. In addition, even if there is a poor construction, there is no great impact on trains and the like.
Further, since the other end 10b of the anchor 10 is embedded and fixed in the concrete piece 4, the concrete piece 4 can be more reliably prevented from falling off and the concrete piece 4 can be prevented from shifting in the lateral direction.
In addition, since the drilling tool 11 is used, the pilot holes 6, 6 into which the anchor 10 can be inserted can be formed simultaneously and easily, and workability is good.
[0039]
Further, in the present invention, in addition to the L-shaped anchor 5 and the U-shaped anchor 10, a three-pronged anchor 12 as shown in FIG. 7 and a male / female anchor 13 as shown in FIG. Also, the same effect as in the case of using the L-shaped anchor 5 or the U-shaped anchor 10 can be obtained.
The anchor 12 is L-shaped when viewed from the side as shown in FIG. 7B, and one end portion 12a is divided into three as shown in FIG. 7A. The anchor 12 has three ends 12a embedded and fixed in the concrete body 2 and the other end 12b supports the concrete piece 4.
The anchor 13 is composed of a male type 14 and a female type 15, as shown in FIG. The male type 14 is an L-shaped anchor, and a large number of protrusions are formed on the outer peripheral portion of the one end portion 14a. The female mold 15 has a cylindrical shape, and has a large number of projections formed therein for engaging with the male projections.
The anchor 13 is buried and fixed to the concrete body 2 in the same manner as the one end 5a of the anchor 5 and the female mold 15 is engaged with the one end 14a of the male mold 14. By doing so, the concrete piece 4 is buried and fixed in the concrete body 2, and the concrete piece 4 is supported by the other end 14 b of the male mold 14.
[0040]
Further, in the present invention, an anchor 20 as shown in FIG. 9 may be used in addition to the anchors 5, 10, 12, and 13 as described above.
That is, the anchor 20 includes the shaft portion 21, the support portion 22, and the washer (inclusion) 23.
The shaft 21 has a round bar shape, and one end (the upper end in FIG. 9) is embedded and fixed in the concrete body 2 and the other end (the lower end in FIG. 9) An external thread portion 21a is formed.
[0041]
The support portion 22 supports the concrete piece 4 which has been peeled off at its tip end, and has a substantially triangular shape with a vertex in an arc shape in a side view. The support portion 22 has a pointed shape that becomes thinner toward the distal end side (the right side in FIG. 9), and has a base end portion through which a lower end portion of the shaft portion 21 is inserted. A female screw portion 22a is formed on the inner surface of the hole, and is screwed (engaged) with the male screw portion 21a of the shaft portion 21. The base end (the left end in FIG. 9) of the support portion 22 is formed so that the portion in which the hole is formed has the largest thickness in the vertical direction, and becomes thinner toward the front end. Have been. Further, the support portion 22 has a length that is sufficient for the tip portion to reach the outer peripheral portion of the concrete piece 4. Further, the upper surface of the support portion 22 is flat.
[0042]
The washer 23 has a disk shape, and its diameter is substantially equal to the diameter of the base end of the support portion 22 in plan view. A hole is formed in the washer 23, and the washer 23 is interposed between the support 22 and the concrete body 2 by inserting the shaft 21 into the hole.
[0043]
In order to prevent the concrete piece 4 from peeling off by using the anchor 20 having the above-described configuration, it is performed in substantially the same manner as in the case where the L-shaped anchor 5 is used.
That is, first, as shown in FIGS. 9 and 10, a large number of anchors 20 are prepared, and a pilot hole 6 is formed in a concrete body (lining concrete (structure body)) 2 adjacent to the outside of the concrete piece 4. Are formed at predetermined intervals along the cracks 3.
Next, after removing concrete chips from each pilot hole 6, a capsule (not shown) filled with an adhesive resin is inserted into each pilot hole 6.
[0044]
Next, the shaft 21 of the anchor 20 is inserted into each prepared hole 6 by hitting it with a hammer or the like. Then, the capsule is broken by one end of the shaft 21, and the adhesive resin is extruded from the inside of the capsule and is filled in the prepared hole 6 so as to cover around the one end of the shaft 21. When the resin cures, one end of the shaft 21 is embedded and fixed in the concrete body 2, and the other end protrudes from the surface of the concrete body 2.
[0045]
Next, a washer (inclusion) 23 is extrapolated to the other end of the shaft portion 21 projecting from the surface of the concrete body 2 and a hole of the support portion 22 is extrapolated to form the hole. The female screw portion 22a is screwed into the male screw portion 21a formed on the other end of the shaft portion 21. As a result, the support portion 22 is engaged with the other end of the shaft portion 21 so as to intersect (perpendicularly) the shaft portion 21.
In this case, the support portion 22 is engaged while rotating, and the washer 23 is sandwiched between the support portion 22 and the concrete body 2. In this manner, by contacting the washer 23 with the support portion 22 and the washer 23 with the concrete body 2, the gap between the support portion 22 and the concrete body 2 can be reliably maintained at a constant level.
When the washer 23 is sandwiched between the support 22 and the concrete body 2, the tip of the support 22 is arranged toward the outer peripheral edge of the concrete piece 4, so that the tip of the support 22 becomes concrete. It will be in the state of being close to the toe piece 4.
[0046]
In the case where the shaft 21 of the anchor 20 is embedded and fixed in the pilot hole 6, after forming all the pilot holes 6, the shaft 21 may be embedded and fixed in these pilot holes 6, or the pilot hole 6 may be fixed. After forming a predetermined number, the shaft portions 21 may be embedded and fixed in the prepared holes 6, or the prepared shaft holes 6 may be formed one by one and the shaft portions 21 may be embedded and fixed in the prepared holes 6. Good.
Further, the washer 23 and the support portion 22 may be attached to the shaft portion 21 in advance, and the shaft portion 21 may be embedded and fixed in the pilot hole 6 together with the washer 23 and the support portion 22.
[0047]
Then, when the concrete pieces 4 are about to fall off, the concrete pieces 4 come into contact with the distal end portions of the support portions 22 of the plurality of anchors 20. Since the shaft portion 21 with which the support portion 22 is engaged is buried and fixed in the concrete body 2, the concrete piece 4 is supported by the support portion 22, thereby preventing the concrete piece 4 from falling off. With the shear strength 21, the concrete piece 4 can be prevented from coming off.
The support portion 22 is engaged (screw-engaged) with the other end of the shaft portion 21 so as to intersect with the shaft portion, and the portion of the support portion 22 where the shaft portion 21 is screwed is engaged. Since the wall thickness is large and the amount of engagement between the shaft portion 21 and the support portion 22 increases accordingly, the fixing strength of the support portion 22 to the shaft portion 21 increases, and therefore the weight of the concrete piece 4 to be peeled off Can withstand enough.
[0048]
Further, since the shaft portion 21 and the support portion 22 are separate bodies, the size and shape of the shaft portion 21 and the support portion 22 can be easily changed depending on the properties of the concrete body 2 and the size of the concrete piece 4. Even after the shaft portion 21 is embedded and fixed, the size, shape, and the like of the support portion 22 can be easily changed.
Further, before the concrete piece 4 is completely peeled off from the concrete body 2, the gap between the tip of the support portion 23 and the concrete piece 4 is narrowed, so that the danger of peeling can be detected in advance.
[0049]
As shown in FIG. 11, a capsule 30 may be attached to the distal end of the support portion 22 of the anchor 20 with an adhesive or the like. The capsule 30 is broken by a predetermined pressing force, is resistant to water leakage or the like, and is formed of a material that does not easily dissolve. For example, a polymer material such as polypropylene, vinyl, plastic, or glass And the like.
The capsule 30 is filled with an adhering substance 31 which is released to the outside when the capsule 30 is broken and adheres to an object (for example, the concrete piece 4 or the support portion 22) and is visible. As the attached matter 31, for example, a liquid containing a light-colored paint, a phosphor, a luminous body, or the like is used.
[0050]
Then, when there is a concrete piece 4 that may be peeled off in a part of the surface layer due to a crack or a cold joint, one end of the shaft portion 21 of the anchor 20 is embedded and fixed to the concrete body 2 in the surface layer. The tip of the support 22 is brought close to the concrete piece 4 adjacent to the concrete body 2, whereby the capsule 30 is sandwiched between the tip of the support 22 and the concrete piece 4. At this time, the capsule 30 is in contact with the concrete piece 4 or a slight gap is provided between the capsule 30 and the concrete piece 4.
When the concrete piece 4 comes off, the capsule 30 is pressed by the concrete piece 4 and breaks, and the concrete piece 4 is supported by the tip of the support portion 22.
On the other hand, when the capsule 30 is broken, the attached matter 31 is released from the inside thereof, and as shown in FIG. 12, the attached matter 31 adheres to the concrete piece 4 and the tip of the support portion 22. Therefore, the peeling (displacement) of the concrete piece can be easily confirmed even if the distance is not very close, by visually observing the attached matter 31 attached.
[0051]
Further, the capsule 30 may be indirectly attached to the distal end portion of the support portion 22 by a buffer material 32 instead of directly.
That is, as shown in FIG. 13, a plurality of capsules 30, 30 are buried in a cushioning material 32, and attached to the distal end of the support 22 via the cushioning material 32. The cushioning material 32 is formed of a relatively soft resin. When the capsules 30 are embedded in the cushioning material 32, the capsules are arranged in a mold (not shown), and the resin is filled in the mold. It is done by that.
[0052]
In this case, since the capsules 30 are buried in the cushioning material 32, breakage of the capsules 30 can be prevented when the anchor 20 is transported or set on the concrete body 2 in the surface layer. .
When the capsule 30 has a rounded shape or when the capsules 30 are mounted on the plurality of support portions 22, the capsules 30, 30 are embedded in the buffer material 32. Thereby, the capsules 30, 30 can be easily and firmly attached to the support portion 22.
[0053]
In the above-described embodiment, the adhesive anchors 5, 10, 12, 13, and 20 are used. However, the present invention is not limited to this. It may be mechanically fixed, or may be directly buried and fixed in a concrete body or concrete piece without forming a pilot hole. In this case, the driving may be performed using air, hydraulic pressure, explosive, or the like.
Further, in the present embodiment, the case where the present invention is applied to a concrete tunnel is described as an example, but the present invention may be applied to any concrete structure.
Further, it is needless to say that the present invention can be applied to a block or a brick structure which may be peeled off due to peeling of the seam.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when there is a surface layer piece that may be peeled off in a part of the surface layer due to cracks or cold joints, one end of the anchor is attached to the structure body of the surface layer. By burying and fixing, and by burying and fixing the other end of the anchor to the surface layer piece adjacent to the structure body, or by abutting or approaching, the surface layer piece was prevented from peeling off. The construction is easy, the situation after the construction can be easily checked, it is resistant to water leakage, it is possible to perform a sampling test for quality control, and even if there is a construction failure, it can give a big impact to trains etc. Absent.
[0055]
Further, since the anchor includes the shaft portion and the support portion that engages with the shaft portion, by increasing the amount of engagement, the fixing strength of the support portion to the shaft portion increases, and thus It can sufficiently withstand the weight of the surface layer piece to be sought.
Furthermore, since the capsule filled with the adhered substance is attached to the tip of the support, the anchor is set between the tip of the support and the surface layer piece so as to sandwich the capsule. As a result, when the surface layer piece is peeled off, the capsule is pressed and damaged, and the adhered substance is released from the inside thereof and adheres to the surface layer piece and the tip of the support portion. Therefore, by visually observing the attached matter, the peeling (displacement) of the surface layer piece can be easily confirmed even at a short distance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a tunnel for explaining an example of a method of preventing a surface layer from coming off according to the present invention.
FIG. 2 is an enlarged view of a main part in FIG. 1;
FIG. 3 is a plan view showing a concrete piece.
FIG. 4 is a cross-sectional view of a main part of the tunnel when there are a plurality of concrete pieces.
FIG. 5 is a diagram showing a first modified example of the anchor.
FIG. 6 is a view showing a drilling tool for forming a pilot hole.
FIG. 7 is a view showing another modified example of the anchor.
FIG. 8 is a diagram showing another modified example of the anchor.
FIG. 9 is a diagram showing an example of an anchor including a shaft portion and a support portion.
FIG. 10 is a plan view showing the concrete piece.
FIG. 11 is a cross-sectional view showing a state in which the capsule is attached to the distal end of the support section of the anchor.
FIG. 12 is a cross-sectional view showing a state in which the capsule has been damaged and an adhered substance has adhered to the support unit.
FIG. 13 is a cross-sectional view showing a state where the capsule is attached via a cushioning material.
[Explanation of symbols]
1 tunnel (concrete structure)
2 Lining concrete (structure body (concrete body))
3 Cracks
4 concrete pieces (surface layer pieces)
5,12,13,20 anchor
21 Shaft
22 Support
23 Washer (inclusion)
30 capsules
31 Deposits
32 cushioning material

Claims

Concrete, block, a method of preventing surface layer of a structure for preventing the surface layer of a structure composed of at least one of bricks from peeling,
Due to cracks or cold joints, if there is a surface layer piece that may be peeled off in part of the surface layer,
One end of the anchor is buried and fixed to the structure main body of the surface layer portion, and the other end of the anchor is buried and fixed to the surface layer piece adjacent to the structure main body, or is brought into contact with or close to the anchor. A method for preventing surface of a structure from peeling off.

The method for preventing surface layer portion of a structure according to claim 1,
When there is a plurality of surface layer pieces that may be peeled off in part of the surface layer,
One end of the anchor is buried and fixed to at least one of the surface layer pieces adjacent to each other, and the other end of the anchor is buried and fixed to, or abuts or approaches, the other surface piece. A method for preventing the surface layer portion from peeling off.

In the method for preventing surface layer portion of a structure according to claim 1 or 2,
The structure is a tunnel, wherein the surface layer of the structure is prevented from peeling off.

An anchor used in the surface layer part peeling prevention method according to any one of claims 1 to 3,
The shaft main body has one end buried and fixed in a state protruding from the surface of the structure main body, and is engaged with the protruding other end of the shaft crossing the shaft. And a support portion having a tip portion abutting on or approaching the surface layer piece.

The anchor according to claim 4,
An anchor, wherein an inclusion interposed between the support portion and the structure main body is extrapolated to the shaft portion.

The anchor according to claim 4 or 5,
At the tip of the support portion, a capsule that is broken by being pressed is attached, and the capsule is filled with an adhering substance that is released to the outside and adheres to an object when the capsule is broken. Anchor characterized by that.

The anchor according to claim 6,
An anchor, wherein the capsule is buried in a cushioning material, and is attached to a distal end of the support portion via the cushioning material.