JP2004348984A

JP2004348984A - Melt blow unwoven fabric made of polyphenylene sulfide, its manufacturing method and separator made of the same

Info

Publication number: JP2004348984A
Application number: JP2003141456A
Authority: JP
Inventors: Shigeo Minami; 茂雄南; Takahiko Yamada; 高彦山田
Original assignee: Tapyrus Co Ltd
Current assignee: Tapyrus Co Ltd
Priority date: 2003-05-20
Filing date: 2003-05-20
Publication date: 2004-12-09

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide melt blow fabric made of polyphenylene sulfide resin which can be used for a separator for a battery or a capacitor requiring intensity and heat resistance by improvement of weight distribution in a CD direction and an mean fiber diameter distribution of the unwoven fabric, its manufacturing method, and a separator made of the same. <P>SOLUTION: Provided is the melt blow unwoven fabric for the battery or the capacitor using polyphenylene sulfide resin with a melt flow rate of 100 to 3,000 g/10min. as measured in conformity with ASTDM-1238-82 as a raw material, with a mean fiber diameter of 1.0 to 9.0 μm, a mean fiber diameter CV value in the CD direction of the unwoven fabric of 80% or less, an average weight of 15 to 120 g/m<SP>2</SP>, a weight CV value in the CD direction of the unwoven fabric of 4% or less, and a tensile strength of 3.5 to 100N/25mm. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリフェニレンスルフィド樹脂製の電池またはキャパシターセパレータ用メルトブロー不織布、その製造方法及びそれからなる電池またはキャパシター用セパレータに関し、特に不織布のＣＤ方向目付分布及び平均繊維径分布を向上させた耐熱性の電池またはキャパシターのセパレータ用メルトブロー不織布、その製造方法及びそれからなる電池またはキャパシター用セパレータに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ポリフェニレンスルフィド樹脂（以下、ＰＰＳと略すことがある。）は、耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気絶縁性などに優れたエンジニアリングプラスチックであり、種々の分野で用いられている。ＰＰＳ樹脂製不織布は、このような優れた諸特性を有しているため、高度の耐熱性、耐薬品性、難燃性などが要求される耐熱性電池セパレータ、高性能フィルターなどへの用途展開が期待され、特に、ＰＰＳを用いたメルトブロー不織布は、高温下における非溶融性電池セパレータなどとして、種々の電池に用いられるようになってきている。
しかしながら、ＰＰＳを用いたメルトブロー不織布は、ＰＰＳ及びメルトブロー製法の特性から引張強度が小さい、目付け分布が悪い、平均繊維径分布が広いなどの種々の問題を有している。
【０００３】
一方、ＰＰＳを用いたメルトブロー不織布の製造方法は、ＰＰＳが高融点を持つ樹脂であり、その製造方法において様々な改良方法が加えられてきている。
例えば、メルトブロープロセスの改良としては、ノズルから紡出し、高速エアーで延伸細繊維化に際して、紡出ノズルから捕集の間に両サイドから加熱されたガスを噴射せしめて保温すると同時に捕集直後にプレスロール等による線圧を加え繊維同士の融着、絡合を促進させる方法（例えば、特許文献１参照。）、高速エアーの温度を樹脂押出温度より１０〜２０℃高くする方法（例えば、特許文献２参照。）、メルトブロー装置のダイの先端と集積装置との間に赤外線照射装置を設ける方法（例えば、特許文献３参照。）等が開示されている。
さらに、溶融流れ量が５０〜１，０００ｇ／１０分の線状ＰＰＳを用い、３００〜３８０℃のダイに送り込み、３００〜４１０℃のブローガスを用いて、メルトブロー紡出繊維化し、紡糸オリフィスから２０ｃｍ以上離れて捕集し、冷却、固化した繊維の捕集ウエブをプレスして得られるＰＰＳ短繊維不織布（例えば、特許文献４参照。）、３１０℃、剪断速度１００／秒で測定した溶融粘度が１００〜２００Ｐａ・ｓの範囲であって、かつ特定の溶融粘度特性を有するＰＰＳメルトブロー不織布（例えば、特許文献５参照。）等が開示されている。
【０００４】
しかしながら、上記方法においては、いずれもＰＰＳ不織布の特性を生かすために、不織布原料として高分子量の溶融流れが小さいＰＰＳを用いており、その製造方法において、以下のような問題があった。
一般に、メルトブロー法では、熱可塑性樹脂を溶融し、細孔から吐出させ、これを加熱気体で吹き飛ばして細化繊維化し、移動しつつある多孔ドラムやスクリーン上に捕集して不織布を製造しており、加熱気体の作用で高度に細化するには、使用する熱可塑性樹脂の溶融粘度の低いことが好ましく、特にＰＰＳメルトブロー不織布において、繊度のバラツキを少なくするために溶融粘度が小さいＰＰＳを用いていた。しかし、溶融粘度が小さいＰＰＳを用いて得られたメルトブロー不織布には、ＰＰＳ特有の繊維同士の熱融着性、結合性の低さに加えて単繊維強度に問題があり得られた不織布は強度に劣るものであった。
また、ＰＰＳは、押出し可能な温度範囲が狭く低温側では固化し易く、高温側ではゲル化しやすいため、メルトブローに際し、ＰＰＳの見かけの溶融粘度を下げるためにダイ温度を上げると、樹脂の熱劣化によるゲル状物質によりダイが目詰まりを起こし、長時間連続して運転できないという問題があった。
さらに、通常のメルトブロー法においては、ＣＤ方向の目付けを各ゾーンに分割されたダイス温度により調節されているが（例えば、特許文献６参照。）、前記理由により、ダイスの幅方向に温度差をもたせることが不可能であることから得られた不織布はＣＤ方向で目付けバラツキの大きいものであった。ＣＤ方向で目付けバラツキの大きい不織布を電池及びキャパシター用セパレータとして使用した場合には、電池性能にバラツキが生じるのみならず、カレンダー加工、アニール処理などでは部分的な収縮が起こり、原反切れを起こすなど収率低下、生産中止などの問題があった。
さらに、メルトブローにおける加熱気体の量を増やことにより延伸性を増そうとすると、捕集の際に捕集面での繊維の跳ね返りによるショットの形成等が起き、表面性に劣る不織布になる等の問題を有していた。
【０００５】
【特許文献１】
特開昭６３−３１５６５５号公報
【特許文献２】
特開平１−２０１５６５号公報
【特許文献３】
特開平７−１１５５６号公報
【特許文献４】
特開平１−２２９８５５号公報
【特許文献５】
特開平１０−２５９５６１号公報
【特許文献６】
特開平１１−１４０７６７号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、不織布のＣＤ方向目付け分布及び平均繊維径分布を向上させて、強度及び耐熱性が要求される電池またはキャパシター用セパレータに用いることのできるポリフェニレンスルフィド樹脂製メルトブロー不織布、その製造方法及びそれからなる電池またはキャパシター用セパレータを提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる課題を解決するために、鋭意研究の結果、特定の高い溶融流れ量を有するＰＰＳを用い、特定の温度条件のメルトブロー法で不織布を得ることにより、延伸に要するブローエアー量を減少することが可能となり、その結果、ノズルと捕集ネットの距離を狭くしても過剰エアーによる糸の跳ね返りを抑制することができ、距離を狭くすることにより、繊維同士の融着点が増え、糸同士の融着強度の上がった引張強度に優れ、綿状異物及び毛羽立ちの少ないＰＰＳ製メルトブロー不織布が得られることを見出した。さらに、ダイスの幅方向のブローガスの温度及び流量を分割調節することにより、ＣＤ方向の目付けバラツキ及び平均繊維径のバラツキが小さいＰＰＳ製メルトブロー不織布が得られることを見出し、これらは耐熱性を要する電池またはキャパシター用セパレータに好適であることを確認し、本発明を完成した。
【０００８】
すなわち、本発明の第１の発明によれば、ＡＳＴＭＤ−１２３８−８２に準拠して測定したメルトフローレートが１００〜３，０００ｇ／１０分のポリフェニレンスルフィド樹脂を原料とした平均繊維径が１．０〜９．０μｍ、不織布のＣＤ方向の平均繊維径ＣＶ値が８％以下、平均目付けが１５〜１２０ｇ／ｍ^２、不織布ＣＤ方向の目付けＣＶ値が４％以下、引張強度が３．５〜１００Ｎ／２５ｍｍの電池またはキャパシターセパレータ用メルトブロー不織布が提供される。
【０００９】
また、本発明の第２の発明によれば、ＡＳＴＭＤ−１２３８−８２に準拠して測定したメルトフローレートが１００〜３，０００ｇ／１０分のポリフェニレンスルフィド樹脂を２９０〜３２０℃の押出機で溶融した後、３００〜３２０℃の温度に設定したダイに送り込み、ダイノズルから吐出させると同時に、ダイス温度より３０〜６０℃高い温度のエアーブローガスにより延伸して微細繊維化し、ノズルから７〜１５ｃｍ離れたコレクタに捕集することを特徴とする第１の発明に記載の電池またはキャパシターセパレータ用メルトブロー不織布の製造方法が提供される。
【００１０】
また、本発明の第３の発明によれば、エアーブローガスの温度及び流量をダイスの幅方向に分割し、各範囲で調製することを特徴とする第２の発明に記載の電池またはキャパシターセパレータ用メルトブロー不織布の製造方法が提供される。
【００１１】
また、本発明の第４の発明によれば、第１の発明に記載の電池またはキャパシターセパレータ用メルトブロー不織布にカレンダー加工またはアニール処理を施してなることを特徴とする電池またはキャパシター用セパレータが提供される。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明を以下に詳細を説明する。
（１）ポリフェニレンスルフィド
本発明において用いるポリフェニレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品性に優れた樹脂で、構成単位の９０モル％以上が［Ｃ_６Ｈ_４Ｓ］で構成される直鎖状重合体又は架橋重合体である。
本発明で用いるＰＰＳのメルトフローレート（以下、ＭＦＲという。）は、１００〜３，０００ｇ／１０分であり、好ましくは６００〜１，８００ｇ／１０分であり、より好ましくは１，２００〜１，５００ｇ／１０分である。
本発明においては、高ＭＦＲのＰＰＳ樹脂を原料樹脂として用いることにより、後述のメルトブロー法における高温エアーブローガスによる延伸性を高くすることができ、その結果、極細繊維径の不織布を容易に得ることができる。さらに、高ＭＦＲのＰＰＳ樹脂の使用により、延伸に要する高温エアーブローガス量を減少させることを可能にし、その結果、ノズルとコレクタ間の距離を狭くしても過剰エアーブローガスによる繊維の跳ね返りを抑制することで綿状の異物の混入を抑制でき、不織布の表面性が各段に改善される。また、ノズルとコレクタ間の距離を狭くすることにより、繊維同士の融着強度が大きく、かつＣＤ方向の目付け分布の良い不織布を得ることができるという特徴を有する。
ＰＰＳのＭＦＲが１００ｇ／１０分未満では、紡出後の延伸に大容量エアーを要し、繊維の跳ね返りによる低目付け部分及び綿状異物の付着による不織布表面状態の悪化が見られる。一方、３，０００ｇ／１０分を超えると単繊維強度が弱く不織布として巻き取りが困難であり、セパレータとしても使用しがたい不織布しか得られない。
ここで、ＰＰＳのＭＦＲは、ＡＳＴＭ−１２３８−８２に準拠し、３１０℃で測定する値である。
【００１３】
なお、上記ポリフェニレンスルフィドには、必要に応じて、着色剤、無機フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常使用されている添加剤を混合使用することができ、さらに、ポリオレフィン、熱可塑性エラストマー、液晶樹脂などを本発明の機能を阻害しない範囲で加えることができる。
【００１４】
（２）ポリフェニレンスルフィド製メルトブロー不織布
（ｉ）平均繊維径及びＣＤ方向の繊維径分布
本発明のポリフェニレンスルフィド製メルトブロー不織布の平均繊維径は、１．０〜９．０μｍであり、好ましくは３．０〜８．０μｍである。平均繊維径が１．０μｍ未満では電池セパレータに用いた場合、電池内部抵抗が上がり好ましくなく、９．０μｍを超えると電池内部で短絡する恐れがあり、好ましくない。
また、不織布のＣＤ方向の繊維径分布は、ＣＶ値で８％以下であり、好ましくは６％以下である。ＣＤ方向の繊維径分布のＣＶ値が８％を超えると電池セパレータに用いた場合、局所的に細繊維と太繊維が内在し、内部抵抗が上がり易く、又は電池内部で短絡する可能性が高くなる。
なお、本発明における繊維径ＣＶ値は、不織布のＣＤ方向任意の１０箇所についての平均繊維径の標準偏差から求め、次式によって求める値である。
【００１５】
【数１】

【００１６】
（ｉｉ）平均目付け、ＣＤ方向の目付け分布
本発明のポリフェニレンスルフィド製メルトブロー不織布の平均目付けは、１５〜１２０ｇ／ｍ^２であり、好ましくは２５〜６０ｇ／ｍ^２である。目付けが１５ｇ／ｍ^２未満では、強度が弱く、電池内部で短絡する可能性が大きい。目付けが１２０ｇ／ｍ^２を超えると電池の内部抵抗が上昇する。
また、不織布のＣＤ方向の目付け分布は、ＣＶ値で４％以下であり、好ましくは３％以下である。ＣＤ方向の目付け分布のＣＶ値が４％を超えると、電池セパレータに用いた場合、内部抵抗が上がる。また、不織布自体の表面に凹凸などの弛みによる収率の低下などが発生し易くなる。
なお、本発明における目付けＣＶ値は、不織布のＣＤ方向任意の２０箇所についての平均目付けの標準偏差から求め、次式によって求める値である。
【００１７】
【数２】

【００１８】
（ｉｉｉ）通気度
本発明のポリフェニレンスルフィド製メルトブロー不織布の平均通気度は、１〜１３０ｃｃ／ｃｍ^２／ｓｅｃであり、好ましくは２０〜１００ｃｃ／ｃｍ^２／ｓｅｃである。通気度が１ｃｃ／ｃｍ^２／ｓｅｃ未満では電池セパレータに用いた場合、内部抵抗が高くなり、１３０ｃｃ／ｃｍ^２／ｓｅｃを超えると電池内部で短絡する可能性が高くなる。
【００１９】
（ｉｖ）引張強度
本発明のポリフェニレンスルフィド製メルトブロー不織布の引張強度は、３．５〜１００Ｎ／２５ｍｍであり、好ましくは５〜７５Ｎ／２５ｍｍである。引張強度が３．５Ｎ／２５ｍｍ未満では電池やキャパシターにアセンブルする際及びカレンダー加工、スリット加工などの工程で低強度が原因の原反切れを生じる。一方、１００Ｎ／２５ｍｍを超えると伸度が極端に減少し、電池やキャパシターにアセンブルする際に自由度の低下から不具合が生じやすくなる。
【００２０】
（ｖ）外観
本発明のポリフェニレンスルフィド製メルトブロー不織布の外観は、不織布表面に綿状異物、ショットが少なく、目付け分布の悪さによる濃淡が少ないので、外観に優れている。不織布表面上の異物、ショットの存在及び目付け分布の濃淡の存在は、電池内部の抵抗上昇または短絡の原因となる弛みなど収率低下の原因となる。
【００２１】
（３）ポリフェニレンスルフィドのメルトブロー不織布の製造
本発明のポリフェニレンスルフィドの不織布は、メルトブロー法により得られるメルトブロー不織布である。本発明で用いるメルトブロー法としては、溶融したポリフェニレンスルフィド樹脂を、押出機で溶融し、一列に配列した複数のノズル孔を有するダイスから溶融ポリマーとして吐出させると同時に、オリフィスダイに隣接して設備した噴射ガス口からダイス温度より高い温度のエアーブローガスを噴射せしめて、吐出された溶融ポリマーを微細繊維化し、次いで、得られた微細繊維流をコレクタであるコンベヤネット上等に捕集して不織布を製造する方法であり、本発明においては、次の製造条件で製造する。
【００２２】
メルトブロー装置ダイスにおいて、ノズル孔径は、０．２〜０．８ｍｍφが好ましく、ノズル個数は、５〜１５個／ｃｍであるのが好ましい。ノズル孔径が上記範囲未満では吐出樹脂圧力が高くなり、上記範囲を超えると繊維を細くすることができない。また、ノズル個数が上記範囲未満では、ＰＰＳの吐出圧力が高くなり、上記範囲を超えると繊維同士が融着しすぎて、不織布の均一性を失うことになる。
【００２３】
ＰＰＳを溶融する押出機の温度は、２９０〜３２０℃であり、ダイス温度は、３００〜３２０℃であり、ノズルからの溶融ＰＰＳ樹脂吐出量は、０．２〜３ｇ／ｍｉｎ／ｈｏｌｅが好ましい。
また、本発明の方法においては、高温エアーブローガスの温度をダイス温度より３０〜６０℃高い温度にする必要がある。
【００２４】
ＰＰＳを溶融する押出機の温度が低すぎると、ＰＰＳが固化または低流動化し、高すぎるとＰＰＳの劣化が促進される。樹脂吐出量が低すぎると吐出樹脂圧力が低くなり、均一な不織布が得られず、樹脂吐出量が高いと細い繊維が得られない。ＰＰＳの融着強度は低いためエアーブローガス温度をダイス温度よりも３０〜６０℃高くすることにより、不織布のＣＤ方向の目付け分布及び平均繊維径分布をコントロールすることを可能にし、微細繊維同士の融着強度が強くなり、高強度の不織布が得られる。高温エアーブローガス温度が低すぎると細い繊維が得られず、高いと連続繊維が得られず、切れてコンベヤネットに捕集することが困難になる。
【００２５】
また、本発明の方法においては、エアーブローガスの温度及び流量をダイスの幅方向で分割してコントロールする方法が好ましい。
通常、メルトブロー不織布においては、ＣＤ方向（幅方向）の目付け分布のコントロールは、一列に配列した複数のノズル孔を有するダイスの幅方向のダイス温度をコントロールすることにより行っているが、ＰＰＳは、押出し可能な温度範囲が狭く低温側では固化し易く、高温側ではゲル化し易いため、ダイス温度のコントロールのみでは、非常に難しい。そこで、本発明の方法においては、ダイスに隣接して設備した高温エアーブローガスの流量及び温度をダイス幅方向に分割し、例えば、１０分割にして、それぞれを上記範囲内に収まるようにコントロールを行うのが好ましい。高温エアーブローガスの流量及び温度を幅方向に分割コントロールすることにより、不織布のＣＤ方向の微妙な目付け分布及び平均繊維径分布のコントロールを容易にすることができ、その結果、不織布のＣＤ方向の目付け分布及び平均繊維径分布を向上させ、得られるメルトブロー不織布の収率が向上し、不織布の巻に凹凸が無くなり、カレンダー加工、スリット加工等の後加工が容易となり、さらに弛みも少なくなるという特徴を有している。
【００２６】
さらに、ノズルとコレクタ間の距離は、７〜１５ｃｍであり、好ましくは８〜１４ｃｍである。ノズルとコレクタ間の距離が７ｃｍ未満であると、高温エアーブローガスに伴われた微細繊維がコレクタに衝突して繊維の跳ね返りが生じ、ショットが形成されやすい。１５ｃｍを超えると、繊維同士の融着が進まず、強度の弱い不織布になり易い。
【００２７】
本発明の方法においては、上記のメルトブロー法によって得られたＰＰＳメルトブロー不織布をアニール処理してもよい。メルトブロー法により製造されるポリフェニレンスルフィド樹脂の不織布は、非晶質状態で極細繊維化されるため、加熱により収縮が起きやすい。したがって、アニール処理することにより、寸法安定性、耐破れ性が付与されるという効果があり、特に、耐熱性、耐収縮性に優れた不織布とすることができる。
【００２８】
アニール処理としては、メルトブロー不織布を成形後、または耐熱セパレータ用の加工前に、３０秒〜５分間、１３０〜２００℃、好ましくは１４０〜１８０℃で行う。具体的な方法としては、メルトブロー不織布を所定の温度に加熱した２対のロール間を加圧せずに沿わせて加温処理する方法、メルトブロー不織布の両端をピンテンターで挟み所定温度に維持したオーブン中で加温処理する方法等が挙げられる。アニール温度が、１３０℃未満であると、不織布が結晶化されずアニール効果が得られない。２００℃を超えると、激しい伸度低下が起こる。
【００２９】
カレンダー処理は、上記で得られたポリフェニレンスルフィド不織布を単層もしくは複層して所定の温度に加熱、加圧した２対のロール間を通す方法を用いることができる。カレンダー加工の加熱温度は、２０〜２００℃、好ましくは１３０〜１８０℃で行う。加熱温度が２０℃未満であると、熱量不足により不織布の厚みを任意にコントロールすることができない。２００℃を超えると、激しい伸度低下が起こる。加工速度は、１〜２０ｍ／分が好ましく、より好ましくは２〜１０ｍ／分である。加工速度が１ｍ未満であると、不織布がロールに触れた部分の収縮により原反切れが生ずる。２０ｍ／分を超えると熱量不足により厚みを任意にコントロールすることができない。
【００３０】
（４）セパレータ
本発明の電池またはキャパシターセパレータは、上記で得られたＰＰＳメルトブロー不織布を所定の幅にスリット加工を行い、所定の大きさに打ち抜き又は所定の長さに裁断し製造できる。スリット、打抜き及び裁断時に不織布の引張強度が弱いと原反切れを生じ、不織布からセパレーターを得る収率が低下する。
したがって、セパレータの成形は、不織布の引張強度が３．５Ｎ／２５ｍｍ未満では加工時の原反切れの確率が５０％を超えることから、引張強度が３．５Ｎ／２５ｍｍ未満部分を除去して成形する方法が好ましく、さらに、不織布の短絡部分を除去して成形する方法が好ましい。
【００３１】
得られたセパレータは、不織布のＣＤ方向の目付け分布及び平均繊維径分布が良いので、耐熱性、強度、表面外観に優れ、非水系電池またはキャパシター用セパレータとして好適に用いることができる。
【００３２】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性値は、下記の方法で測定した。
【００３３】
（１）ＭＦＲ：ＡＳＴＭＤ−１２３８−８２に準拠して３１０℃で測定した。
（２）平均繊維径、繊維径ＣＶ値：不織布のＣＤ方向任意の１０箇所について電子顕微鏡で各５枚の写真撮影を行い、１枚の写真につき２０本の繊維の直径を測定し、各箇所毎に得られた合計１００本の繊維径を平均して求めた。
繊維径ＣＶ値は、不織布のＣＤ方向任意の１０箇所についての平均繊維径の標準偏差から求め、次式によって求めた。
【００３４】
【数３】

【００３５】
（３）平均目付け、目付けＣＶ値：試料長さ方向より、２５×２００ｍｍの試験片を採取し、水分平衡状態の重さを測定し、１ｍ^２当たりに換算して求めた。
目付けＣＶ値は、次式により求めた。
【００３６】
【数４】

【００３７】
（４）厚み：試料長さ方向より、１００×１００ｍｍの試験片を採取し、ダイヤルシックネスゲージで測定した。
（５）通気度：試料長さ方向より、１００×１００ｍｍの試験片を採取し、ＪＩＳＬ１０９６に準拠し、フラジール型試験機を用いて測定した。
（６）引張強度：ＪＩＳＬ１０８５に準拠して測定した。試料長さ方向より、２５×２００ｍｍの試験片を用い、つかみ間隔は１０ｃｍ、引張り速度は３０ｃｍ／分とした。
（７）短絡試験：二枚のアルミ電極板の間に２５ｍｍ×２００ｍｍの試料を挟み、電極間に４００Ｖの電流電圧をかけ、電流が流れた場合を短絡有りとし、電流が流れなかった場合を短絡なしとした。
（８）綿状異物の有無：試料長さ方向より１ｍ採取し、目視によりその試料の上下に一片の長さが１ｃｍ以上の綿状異物が観察された場合、有りとし、観察されなかった場合、無しとした。
（９）ロール凹凸の有無：上記により得られたポリフェニレンスルフィド製メルトブロー不織布をスリットし、ロール両端面の直径差が大きい径の２％以上である場合、有りとし、２％未満を無しとした。
（１０）スリット時原反切れの有無：上記により得られたポリフェニレンスルフィド製メルトブロー不織布を２５ｍｍ幅にスリットした際、スリット刃と巻き取り装置間で低引張強度による原反切れが生じた場合を有りとし、生じなかった場合を無しとした。
（１１）収率：不織布ロールから２５ｍｍ×２００ｍｍの試料（セパレータ）をダイス幅方向に２０本とり、それぞれの試料について、短絡試験及び強度測定を行い、短絡したもの、強度が３．５Ｎ／２５ｍｍ未満のもの及び製品化不可能部分（トリムロス）を除き、収率を次式で求めた。
【００３８】
【数５】

【００３９】
実施例１
ＰＰＳ（トープレン製ＴＲ−０３、ＭＦＲ：１３００ｇ／１０分）をノズル径０．３８ｍｍ、ノズル数１２個／ｃｍのメルトブローダイから、押出機温度３１０℃、ダイス温度３２０℃、エアーブローガス温度３６０℃、エアーブローガス流量１．１Ｎｍ^３／分（１０分割）、ダイス−コレクタ間隔１０ｃｍの条件でメルトブロー化し、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布は、平均繊維径が５．１μｍ、ＣＤ方向の平均繊維径のＣＶ値が５．５％、目付けが３５．２ｇ／ｍ^２、ＣＤ方向の目付けＣＶ値が２．１％、厚みが０．２５ｍｍ、通気度が３８ｃｃ／ｃｍ^２／ｓｅｃ、平均引張強度が９Ｎ／２５ｍｍであり、さらに不織布表面には綿状異物が認められなかった。
次に、得られたメルトブロー不織布を２５ｍｍ幅にスリット加工して電池用セパレータを得、短絡試験を行った。スリット時の原反切れはなく、セパレータの収率は７８％であり、短絡は観測されなかった。結果を表１に示す。
【００４０】
実施例２
エアーブローガス温度を３５５〜３８０℃、エアーブローガス流量を１．１〜１．４Ｎｍ^３／分とし、１０分割で目付け分布及び平均繊維径分布をコントロールするようにし、ダイス−コレクタ間隔を１２ｃｍにする以外は、実施例１と同様にしてメルトブロー不織布及び電池用セパレータを得た。評価結果を表１に示す。
【００４１】
比較例１
ＰＰＳ（トープレン製ＰＡＳ−７、ＭＦＲ：５０ｇ／１０分）をノズル径０．３８ｍｍ、ノズル数１２個／ｃｍのメルトブローダイから、押出機温度３１０℃、ダイス温度３２０℃、エアーブローガス温度３６０℃、エアーブローガス流量１．１Ｎｍ^３／分（１０分割）、ダイス−コレクタ間隔１０ｃｍの条件でメルトブロー化し、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布は、平均繊維径が１２μｍ、ＣＤ方向の平均繊維径のＣＶ値が５．８％、目付けが３６．１ｇ／ｍ^２、ＣＤ方向の目付けＣＶ値が２．６％、厚みが０．２３ｍｍ、通気度が１５５ｃｃ／ｃｍ^２／ｓｅｃ、平均引張強度が４Ｎ／２５ｍｍであり、さらに不織布表面には綿状異物が認められなかった。
次に、得られたメルトブロー不織布を２５ｍｍ幅にスリット加工して電池用セパレータを得、短絡試験が観測された。結果を表１に示す。
【００４２】
比較例２
エアーブローガス流量を１．９Ｎｍ^３／分とし、ダイス−コレクタ間隔を１７ｃｍにする以外は、比較例１と同様にしてメルトブロー不織布及び電池用セパレータを得た。評価結果を表１に示す。
【００４３】
比較例３
エアーブローガス温度を３５５〜３８０℃、エアーブローガス流量を１．７〜２．２Ｎｍ^３／分とし、１０分割で目付け分布及び平均繊維径分布をコントロールするようにし、ダイス−コレクタ間隔を１７ｃｍにする以外は、比較例１と同様にしてメルトブロー不織布及び電池用セパレータを得た。評価結果を表１に示す。
【００４４】
【表１】

【００４５】
表１より明らかなように、本発明のポリフェニレンスルフィド製メルトブロー不織布は、物性の均一性が高く強度もあり、セパレータに用いた場合も短絡がなく高収率で製品セパレータを得ることができる（実施例１及び２）。
一方、低ＭＦＲの原料樹脂を使用した場合、実施例１と同様な製造条件ではセパレータとしては使用できない不織布しか得られなかった（比較例１）。また、実施例１と同じ繊維径にした場合、得られる不織布は物性均一性の低い、強度も低いものでありそれから得られるセパレータの収率も低いものであった（比較例２，３）。
【００４６】
【発明の効果】
本発明のＰＰＳメルトブロー不織布は、不織布のＣＤ方向の目付け分布及び平均繊維径分布が向上し、かつ不織布表面に異物、ショット等が存在せず、強度及び耐熱性が要求される電池またはキャパシター用セパレータに用いることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a melt-blown nonwoven fabric for a battery or capacitor separator made of polyphenylene sulfide resin, a method for producing the same, and a battery or capacitor separator comprising the same. Also, the present invention relates to a melt-blown nonwoven fabric for a capacitor separator, a method for producing the same, and a battery or capacitor separator comprising the same.
[0002]
[Prior art]
Polyphenylene sulfide resin (hereinafter sometimes abbreviated as PPS) is an engineering plastic excellent in heat resistance, chemical resistance, flame retardancy, electrical insulation, and the like, and is used in various fields. PPS resin nonwoven fabrics have these excellent properties, and are used for heat-resistant battery separators and high-performance filters that require high heat resistance, chemical resistance, and flame retardancy. In particular, melt-blown nonwoven fabrics using PPS have been used in various batteries as non-melting battery separators at high temperatures.
However, melt blown nonwoven fabrics using PPS have various problems such as low tensile strength, poor weight distribution, and wide average fiber diameter distribution due to the characteristics of the PPS and melt blow manufacturing methods.
[0003]
On the other hand, in a method for producing a melt-blown nonwoven fabric using PPS, PPS is a resin having a high melting point, and various improved methods have been added to the production method.
For example, as an improvement of the melt blow process, when spinning from a nozzle and drawing into fine fibers with high-speed air, heated gas is injected from both sides during collection from the spinning nozzle to keep the temperature and at the same time immediately after collection A method of applying a linear pressure by a press roll or the like to promote fusion and entanglement of fibers (for example, see Patent Document 1), and a method of raising the temperature of high-speed air by 10 to 20 ° C. higher than the resin extrusion temperature (for example, Patent Reference 2), a method of providing an infrared irradiation device between the tip of a die of a melt blower and an accumulator (for example, see Patent Reference 3) and the like are disclosed.
Further, using a linear PPS having a melt flow rate of 50 to 1,000 g / 10 min, the mixture is fed into a die at 300 to 380 ° C., and melt blow spun into a fiber using a blow gas at 300 to 410 ° C., and 20 cm from the spinning orifice. A PPS short-fiber nonwoven fabric obtained by pressing a collecting web of fibers collected, cooled and solidified at a distance as described above (see, for example, Patent Document 4) has a melt viscosity measured at 310 ° C. and a shear rate of 100 / sec. A PPS meltblown nonwoven fabric (for example, see Patent Literature 5) in the range of 100 to 200 Pa · s and having specific melt viscosity characteristics is disclosed.
[0004]
However, in each of the above methods, in order to make use of the characteristics of the PPS nonwoven fabric, PPS having a high molecular weight and a small melt flow is used as the nonwoven fabric raw material, and the production method has the following problems.
In general, in the melt blow method, a thermoplastic resin is melted, discharged from pores, blown away with a heated gas to form fine fibers, and collected on a moving porous drum or screen to produce a nonwoven fabric. In order to highly reduce the thickness by the action of a heated gas, it is preferable that the thermoplastic resin used has a low melt viscosity. Particularly, in a PPS melt-blown nonwoven fabric, PPS having a low melt viscosity is used in order to reduce variation in fineness. I was However, the melt-blown non-woven fabric obtained by using PPS having a low melt viscosity has a problem in that the heat-fusing property between fibers unique to PPS and the low bonding property, and also the non-woven fabric obtained due to the problem of the single fiber strength, Was inferior.
In addition, PPS has a narrow extrudable temperature range and is easily solidified on the low temperature side, and easily gelled on the high temperature side. Therefore, when the die temperature is increased to lower the apparent melt viscosity of PPS during melt blowing, thermal degradation of the resin may occur. There is a problem that the gel-like substance causes clogging of the die and cannot be operated continuously for a long time.
Furthermore, in the usual melt blow method, the basis weight in the CD direction is adjusted by the die temperature divided into each zone (for example, see Patent Document 6). The nonwoven fabric obtained because it was impossible to give it had a large weight variation in the CD direction. When a nonwoven fabric having a large basis weight variation in the CD direction is used as a separator for a battery and a capacitor, not only does the battery performance vary, but also a partial shrinkage occurs in a calendering process, an annealing process, etc., and a raw fabric breaks. There were problems such as a decrease in yield and production suspension.
Furthermore, if the stretchability is increased by increasing the amount of the heated gas in the melt blow, the formation of shots and the like due to the rebound of fibers on the collecting surface at the time of collection will occur, resulting in a nonwoven fabric having poor surface properties, etc. Had the problem of.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-63-315655
[Patent Document 2]
JP-A-1-201565
[Patent Document 3]
JP-A-7-11556
[Patent Document 4]
JP-A-1-229855
[Patent Document 5]
JP-A-10-259561
[Patent Document 6]
JP-A-11-140767
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a polyphenylene that can be used for a battery or capacitor separator that requires strength and heat resistance by improving the CD direction basis weight distribution and the average fiber diameter distribution of a nonwoven fabric in view of the problems of the related art. An object of the present invention is to provide a sulfide resin melt-blown nonwoven fabric, a method for producing the same, and a battery or capacitor separator comprising the same.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The inventor of the present invention, as a result of diligent research, has found that, using a PPS having a specific high melt flow rate and obtaining a nonwoven fabric by a melt blowing method under specific temperature conditions, the blow air amount required for stretching can be solved. As a result, even if the distance between the nozzle and the collecting net is reduced, it is possible to suppress the bouncing of the yarn due to excess air, and by reducing the distance, the fusion point between the fibers is reduced. It has been found that a melt-blown non-woven fabric made of PPS having excellent tensile strength with increased fusion strength between yarns and less floc and foreign matter can be obtained. Furthermore, it has been found that by separately controlling the temperature and flow rate of the blow gas in the width direction of the die, a melt-blown nonwoven fabric made of PPS having a small variation in the basis weight in the CD direction and a small variation in the average fiber diameter can be obtained. Alternatively, the present invention was confirmed to be suitable for a capacitor separator, and the present invention was completed.
[0008]
That is, according to the first aspect of the present invention, the average fiber diameter of a raw material of a polyphenylene sulfide resin having a melt flow rate of 100 to 3,000 g / 10 minutes measured according to ASTM D-1238-82 is 1. 0 to 9.0 μm, the average fiber diameter CV value in the CD direction of the nonwoven fabric is 8% or less, and the average basis weight is 15 to 120 g / m. ² And a melt-blown nonwoven fabric for a battery or a capacitor separator having a basis weight CV value in the nonwoven fabric CD direction of 4% or less and a tensile strength of 3.5 to 100 N / 25 mm.
[0009]
Further, according to the second invention of the present invention, a polyphenylene sulfide resin having a melt flow rate of 100 to 3,000 g / 10 minutes measured according to ASTM D-1238-82 is melted by an extruder at 290 to 320 ° C. After that, it is sent to a die set at a temperature of 300 to 320 ° C. and discharged from a die nozzle. At the same time, it is drawn into fine fibers by air blow gas at a temperature 30 to 60 ° C. higher than the die temperature, and separated from the nozzle by 7 to 15 cm. A method for producing a melt-blown nonwoven fabric for a battery or a capacitor separator according to the first aspect, wherein the non-woven fabric is collected by a collector.
[0010]
Further, according to the third invention of the present invention, the battery or the capacitor separator according to the second invention, wherein the temperature and the flow rate of the air blow gas are divided in the width direction of the die and adjusted in each range. A method for producing a melt-blown nonwoven fabric is provided.
[0011]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a battery or capacitor separator obtained by subjecting the melt-blown nonwoven fabric for a battery or capacitor separator according to the first aspect to calendering or annealing. You.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
(1) Polyphenylene sulfide
The polyphenylene sulfide used in the present invention is a resin having excellent heat resistance and chemical resistance. ₆ H ₄ S] is a linear polymer or a crosslinked polymer.
The melt flow rate (hereinafter, referred to as MFR) of PPS used in the present invention is 100 to 3,000 g / 10 minutes, preferably 600 to 1,800 g / 10 minutes, and more preferably 1,200 to 1 g. , 500 g / 10 min.
In the present invention, by using a high MFR PPS resin as a raw material resin, it is possible to increase the stretchability by a high-temperature air blow gas in a melt blow method described later, and as a result, it is possible to easily obtain a nonwoven fabric having an ultrafine fiber diameter. Can be. Furthermore, the use of a high MFR PPS resin makes it possible to reduce the amount of high-temperature air blow gas required for drawing. As a result, even when the distance between the nozzle and the collector is reduced, the fiber rebound due to excess air blow gas can be prevented. By suppressing this, the incorporation of flocculent foreign matter can be suppressed, and the surface property of the nonwoven fabric is improved in each step. Further, by reducing the distance between the nozzle and the collector, there is a feature that a nonwoven fabric having a high fusion strength between fibers and a good basis weight distribution in the CD direction can be obtained.
When the MFR of the PPS is less than 100 g / 10 minutes, a large amount of air is required for drawing after spinning, and the nonwoven fabric surface condition is deteriorated due to the low weight portion due to the rebound of fibers and the attachment of flocculent foreign matter. On the other hand, if it exceeds 3,000 g / 10 minutes, the strength of the single fiber is weak and it is difficult to wind up as a nonwoven fabric, and only a nonwoven fabric which is difficult to use as a separator can be obtained.
Here, the MFR of PPS is a value measured at 310 ° C. according to ASTM-1238-82.
[0013]
The polyphenylene sulfide may be mixed with commonly used additives such as a coloring agent, an inorganic filler, an antioxidant, and an ultraviolet absorber, if necessary. And a liquid crystal resin can be added as long as the function of the present invention is not impaired.
[0014]
(2) Melt blown nonwoven fabric made of polyphenylene sulfide
(I) Average fiber diameter and fiber diameter distribution in CD direction
The average fiber diameter of the polyphenylene sulfide melt-blown nonwoven fabric of the present invention is 1.0 to 9.0 μm, and preferably 3.0 to 8.0 μm. When the average fiber diameter is less than 1.0 μm, when used as a battery separator, the internal resistance of the battery increases, which is not preferable. When the average fiber diameter exceeds 9.0 μm, a short circuit may occur inside the battery, which is not preferable.
Further, the fiber diameter distribution in the CD direction of the nonwoven fabric is 8% or less in CV value, preferably 6% or less. When the CV value of the fiber diameter distribution in the CD direction exceeds 8%, when used for a battery separator, fine fibers and thick fibers are locally present, and the internal resistance is likely to increase, or the possibility of a short circuit inside the battery is high. Become.
The fiber diameter CV value in the present invention is a value obtained from the standard deviation of the average fiber diameter at any 10 points in the CD direction of the nonwoven fabric, and is obtained by the following equation.
[0015]
(Equation 1)

[0016]
(Ii) Average weight per unit area, distribution in the CD direction
The average weight of the polyphenylene sulfide melt-blown nonwoven fabric of the present invention is 15 to 120 g / m2. ² And preferably 25 to 60 g / m ² It is. 15g / m ² If it is less than the strength, the strength is weak, and there is a high possibility that a short circuit occurs inside the battery. The basis weight is 120 g / m ² If it exceeds, the internal resistance of the battery increases.
The basis weight distribution of the nonwoven fabric in the CD direction is 4% or less, preferably 3% or less in CV value. When the CV value of the basis weight distribution in the CD direction exceeds 4%, the internal resistance increases when used in a battery separator. In addition, the yield of the nonwoven fabric itself is likely to decrease due to slackness such as unevenness on the surface of the nonwoven fabric.
The basis weight CV value in the present invention is a value obtained from the following formula, which is obtained from the standard deviation of the average basis weight at arbitrary 20 locations in the CD direction of the nonwoven fabric.
[0017]
(Equation 2)

[0018]
(Iii) air permeability
The average air permeability of the polyphenylene sulfide melt-blown nonwoven fabric of the present invention is 1 to 130 cc / cm. ² / Sec, preferably 20 to 100 cc / cm ² / Sec. Air permeability is 1cc / cm ² / Sec, when used as a battery separator, the internal resistance becomes high, and 130 cc / cm ² If it exceeds / sec, the possibility of short-circuiting inside the battery increases.
[0019]
(Iv) Tensile strength
The tensile strength of the polyphenylene sulfide melt-blown nonwoven fabric of the present invention is 3.5 to 100 N / 25 mm, preferably 5 to 75 N / 25 mm. If the tensile strength is less than 3.5 N / 25 mm, the raw material may be cut due to low strength in assembling into a battery or a capacitor and in processes such as calendering and slitting. On the other hand, when it exceeds 100 N / 25 mm, the elongation is extremely reduced, and when assembling into a battery or a capacitor, a problem is likely to occur due to a decrease in the degree of freedom.
[0020]
(V) Appearance
The polyphenylene sulfide melt-blown nonwoven fabric of the present invention has an excellent appearance since the surface of the nonwoven fabric has few fuzzy foreign substances and shots, and there is little shading due to poor weight distribution. The presence of foreign matter, shots, and the shading of the basis weight distribution on the surface of the nonwoven fabric cause a decrease in yield such as a rise in resistance inside the battery or a slack that causes a short circuit.
[0021]
(3) Production of polyphenylene sulfide melt blown nonwoven fabric
The nonwoven fabric of polyphenylene sulfide of the present invention is a meltblown nonwoven fabric obtained by a meltblown method. As the melt blow method used in the present invention, a molten polyphenylene sulfide resin was melted by an extruder, and discharged as a molten polymer from a die having a plurality of nozzle holes arranged in a row, and the melt blow method was installed adjacent to an orifice die. Injecting air blow gas at a temperature higher than the die temperature from the injection gas port to make the discharged molten polymer into fine fibers, and then collecting the resulting fine fiber flow on a conveyor net as a collector, etc. In the present invention, it is manufactured under the following manufacturing conditions.
[0022]
In the melt blower die, the nozzle hole diameter is preferably 0.2 to 0.8 mmφ, and the number of nozzles is preferably 5 to 15 / cm. If the nozzle hole diameter is less than the above range, the pressure of the discharged resin increases, and if the nozzle hole diameter exceeds the above range, the fibers cannot be thinned. On the other hand, if the number of nozzles is less than the above range, the discharge pressure of PPS becomes high, and if it exceeds the above range, the fibers are excessively fused to each other and the uniformity of the nonwoven fabric is lost.
[0023]
The temperature of the extruder for melting PPS is 290 to 320 ° C., the die temperature is 300 to 320 ° C., and the discharge amount of the molten PPS resin from the nozzle is preferably 0.2 to 3 g / min / hole.
In the method of the present invention, the temperature of the high-temperature air blow gas needs to be 30 to 60 ° C. higher than the die temperature.
[0024]
If the temperature of the extruder for melting the PPS is too low, the PPS is solidified or fluidized, and if it is too high, the deterioration of the PPS is promoted. When the resin discharge amount is too low, the discharge resin pressure becomes low, and a uniform nonwoven fabric cannot be obtained. When the resin discharge amount is high, fine fibers cannot be obtained. Since the fusion strength of PPS is low, the air blow gas temperature is set to be higher than the die temperature by 30 to 60 ° C., thereby making it possible to control the basis weight distribution and the average fiber diameter distribution in the CD direction of the non-woven fabric. The fusion strength is increased, and a high-strength nonwoven fabric is obtained. If the high-temperature air blow gas temperature is too low, fine fibers cannot be obtained, and if it is high, continuous fibers cannot be obtained, and it becomes difficult to cut and collect on a conveyor net.
[0025]
In the method of the present invention, it is preferable to control the temperature and flow rate of the air blow gas by dividing the temperature and flow rate in the width direction of the die.
Usually, in the melt blown nonwoven fabric, the control of the basis weight distribution in the CD direction (width direction) is performed by controlling the die temperature in the width direction of a die having a plurality of nozzle holes arranged in a line, but PPS is The extrudable temperature range is narrow and easily solidifies on the low temperature side, and easily gels on the high temperature side. Therefore, it is very difficult to control only the die temperature. Therefore, in the method of the present invention, the flow rate and the temperature of the high-temperature air blow gas provided adjacent to the die are divided in the die width direction, for example, divided into ten, and control is performed so that each falls within the above range. It is preferred to do so. By dividing and controlling the flow rate and temperature of the high-temperature air blow gas in the width direction, it is possible to easily control the fine weight distribution and average fiber diameter distribution in the CD direction of the nonwoven fabric. Improves the basis weight distribution and average fiber diameter distribution, improves the yield of the obtained melt-blown nonwoven fabric, eliminates irregularities in the winding of the nonwoven fabric, facilitates post-processing such as calendering and slitting, and further reduces slackness. have.
[0026]
Further, the distance between the nozzle and the collector is between 7 and 15 cm, preferably between 8 and 14 cm. If the distance between the nozzle and the collector is less than 7 cm, the fine fibers accompanying the high-temperature air blow gas will collide with the collector, causing the fibers to rebound, and a shot is likely to be formed. If it exceeds 15 cm, the fusion of the fibers does not proceed, and the nonwoven fabric tends to have a low strength.
[0027]
In the method of the present invention, the PPS meltblown nonwoven fabric obtained by the above meltblown method may be annealed. Since the nonwoven fabric of polyphenylene sulfide resin produced by the melt blow method is converted into an ultrafine fiber in an amorphous state, shrinkage easily occurs by heating. Therefore, the annealing treatment has an effect of imparting dimensional stability and tear resistance, and in particular, a nonwoven fabric excellent in heat resistance and shrink resistance can be obtained.
[0028]
The annealing treatment is performed at 130 to 200 ° C., preferably 140 to 180 ° C., for 30 seconds to 5 minutes after forming the melt-blown nonwoven fabric or before processing for the heat-resistant separator. As a specific method, a method in which the melt-blown non-woven fabric is heated at a predetermined temperature by applying pressure between two pairs of rolls without applying pressure, and an oven in which both ends of the melt-blown non-woven fabric are held at a predetermined temperature by sandwiching both ends of the non-woven fabric with a pin tenter And a method of performing a heating treatment in the inside. When the annealing temperature is lower than 130 ° C., the nonwoven fabric is not crystallized, and an annealing effect cannot be obtained. When the temperature exceeds 200 ° C., a severe decrease in elongation occurs.
[0029]
For the calendering treatment, a method may be used in which the polyphenylene sulfide nonwoven fabric obtained above is heated to a predetermined temperature and pressurized to a predetermined temperature and passed between two pairs of rolls. The heating temperature for calendering is 20 to 200C, preferably 130 to 180C. When the heating temperature is lower than 20 ° C., the thickness of the nonwoven fabric cannot be arbitrarily controlled due to insufficient heat. When the temperature exceeds 200 ° C., a severe decrease in elongation occurs. The processing speed is preferably from 1 to 20 m / min, more preferably from 2 to 10 m / min. If the processing speed is less than 1 m, the raw fabric is cut off due to shrinkage of the portion where the nonwoven fabric has touched the roll. If it exceeds 20 m / min, the thickness cannot be arbitrarily controlled due to insufficient heat.
[0030]
(4) Separator
The battery or capacitor separator of the present invention can be manufactured by slitting the PPS meltblown nonwoven fabric obtained as described above to a predetermined width and punching it to a predetermined size or cutting it to a predetermined length. If the tensile strength of the nonwoven fabric is low at the time of slitting, punching, and cutting, the raw fabric is cut off, and the yield of obtaining a separator from the nonwoven fabric is reduced.
Accordingly, the separator is formed by removing the portion having a tensile strength of less than 3.5 N / 25 mm since the probability of breaking the original fabric during processing exceeds 50% if the tensile strength of the nonwoven fabric is less than 3.5 N / 25 mm. Is preferable, and a method of removing the short-circuited portion of the nonwoven fabric and molding the nonwoven fabric is more preferable.
[0031]
The obtained separator has a good basis weight distribution and average fiber diameter distribution in the CD direction of the nonwoven fabric, and thus has excellent heat resistance, strength, and surface appearance, and can be suitably used as a separator for nonaqueous batteries or capacitors.
[0032]
【Example】
The present invention will be described in detail based on examples, but the present invention is not limited to these examples. The physical properties in the examples were measured by the following methods.
[0033]
(1) MFR: Measured at 310 ° C. in accordance with ASTM D-1238-82.
(2) Average fiber diameter, fiber diameter CV value: Five photographs were taken with an electron microscope at arbitrary 10 places in the CD direction of the nonwoven fabric, and the diameter of 20 fibers was measured for each photograph. The diameter of a total of 100 fibers obtained for each was determined by averaging.
The fiber diameter CV value was determined from the standard deviation of the average fiber diameter at arbitrary 10 points in the CD direction of the nonwoven fabric, and was determined by the following equation.
[0034]
[Equation 3]

[0035]
(3) Average basis weight, basis weight CV value: A test piece of 25 × 200 mm was sampled from the sample length direction, and the weight in a water equilibrium state was measured. ² It was calculated by converting to per hit.
The basis weight CV value was determined by the following equation.
[0036]
(Equation 4)

[0037]
(4) Thickness: A 100 × 100 mm test piece was sampled from the sample length direction and measured with a dial thickness gauge.
(5) Air permeability: A test piece of 100 × 100 mm was sampled from the sample length direction and measured using a Frazier-type tester in accordance with JIS L 1096.
(6) Tensile strength: measured in accordance with JIS L 1085. A test piece of 25 × 200 mm was used from the sample length direction, the grip interval was 10 cm, and the pulling speed was 30 cm / min.
(7) Short-circuit test: A sample of 25 mm × 200 mm was sandwiched between two aluminum electrode plates, a current voltage of 400 V was applied between the electrodes, and a short-circuit occurred when a current flowed, and no short-circuit occurred when no current flowed. And
(8) Presence / absence of cotton-like foreign matter: 1 m from the sample length direction, and when a cotton-like foreign matter having a length of 1 cm or more is observed above and below the sample by visual observation, it is judged as present and not observed , And none.
(9) Presence or absence of roll unevenness: The polyphenylene sulfide melt-blown nonwoven fabric obtained as described above was slit, and when the difference in diameter between both end faces of the roll was 2% or more of the larger diameter, it was judged as present and less than 2%.
(10) Presence / absence of raw material cut during slitting: When the polyphenylene sulfide melt-blown nonwoven fabric obtained as described above is slit to a width of 25 mm, a raw material cut may occur due to low tensile strength between the slit blade and the winding device. And the case where it did not occur was regarded as none.
(11) Yield: Twenty 25 mm × 200 mm samples (separators) were taken from the nonwoven fabric roll in the die width direction, and a short circuit test and strength measurement were performed on each sample, and a short circuited product having a strength of 3.5 N / 25 mm was obtained. The yield was determined by the following equation, excluding those less than and less than the unproductable portion (trim loss).
[0038]
(Equation 5)

[0039]
Example 1
PPS (TR-03 manufactured by Toprene, MFR: 1300 g / 10 min) was extruded at a temperature of 310 ° C., a die temperature of 320 ° C., and an air blow gas temperature of 360 ° C. from a melt blow die having a nozzle diameter of 0.38 mm and 12 nozzles / cm. , Air blow gas flow rate 1.1Nm ³ / Min (10 divisions) and melt-blowing under the conditions of a die-collector interval of 10 cm to obtain a melt-blown nonwoven fabric. The obtained melt blown nonwoven fabric has an average fiber diameter of 5.1 μm, a CV value of the average fiber diameter in the CD direction of 5.5%, and a basis weight of 35.2 g / m. ² The CV value in the CD direction is 2.1%, the thickness is 0.25 mm, and the air permeability is 38 cc / cm. ² / Sec, the average tensile strength was 9 N / 25 mm, and no flocculent foreign matter was found on the surface of the nonwoven fabric.
Next, the obtained melt-blown nonwoven fabric was slit to a width of 25 mm to obtain a battery separator, and a short-circuit test was performed. No raw material was cut during slitting, the separator yield was 78%, and no short circuit was observed. Table 1 shows the results.
[0040]
Example 2
Air blow gas temperature is 355-380 ° C, air blow gas flow rate is 1.1-1.4Nm ³ / Min, and a melt-blown nonwoven fabric and a battery separator were obtained in the same manner as in Example 1 except that the basis weight distribution and the average fiber diameter distribution were controlled in 10 divisions, and the die-collector interval was set to 12 cm. Table 1 shows the evaluation results.
[0041]
Comparative Example 1
PPS (Topren PAS-7, MFR: 50 g / 10 min) was extruded at a temperature of 310 ° C., a die temperature of 320 ° C., and an air blow gas temperature of 360 ° C. from a melt blow die having a nozzle diameter of 0.38 mm and 12 nozzles / cm. , Air blow gas flow rate 1.1Nm ³ / Min (10 divisions) and melt-blowing under the conditions of a die-collector interval of 10 cm to obtain a melt-blown nonwoven fabric. The obtained melt blown nonwoven fabric has an average fiber diameter of 12 μm, a CV value of the average fiber diameter in the CD direction of 5.8%, and a basis weight of 36.1 g / m. ² , The CV value in the CD direction is 2.6%, the thickness is 0.23 mm, and the air permeability is 155 cc / cm. ² / Sec, the average tensile strength was 4 N / 25 mm, and no flocculent foreign matter was recognized on the surface of the nonwoven fabric.
Next, the obtained melt-blown nonwoven fabric was slit to a width of 25 mm to obtain a battery separator, and a short-circuit test was observed. Table 1 shows the results.
[0042]
Comparative Example 2
Air blow gas flow rate is 1.9Nm ³ / Min, and a melt-blown nonwoven fabric and a battery separator were obtained in the same manner as in Comparative Example 1 except that the die-collector interval was 17 cm. Table 1 shows the evaluation results.
[0043]
Comparative Example 3
Air blow gas temperature is 355-380 ° C, air blow gas flow rate is 1.7-2.2Nm ³ / Min, and a melt-blown nonwoven fabric and a battery separator were obtained in the same manner as in Comparative Example 1 except that the basis weight distribution and the average fiber diameter distribution were controlled in 10 divisions, and the die-collector spacing was set to 17 cm. Table 1 shows the evaluation results.
[0044]
[Table 1]

[0045]
As is clear from Table 1, the polyphenylene sulfide melt-blown nonwoven fabric of the present invention has high uniformity of physical properties and high strength, and when used as a separator, can produce a product separator in a high yield without short circuit. Examples 1 and 2).
On the other hand, when the raw resin having a low MFR was used, only the nonwoven fabric that could not be used as a separator was obtained under the same production conditions as in Example 1 (Comparative Example 1). When the fiber diameter was the same as in Example 1, the obtained nonwoven fabric had low physical property uniformity and low strength, and the yield of the separator obtained therefrom was low (Comparative Examples 2 and 3).
[0046]
【The invention's effect】
The PPS melt-blown nonwoven fabric of the present invention is a separator for batteries or capacitors which is required to have an improved basis weight distribution and average fiber diameter distribution in the CD direction of the nonwoven fabric, no foreign matter and shots on the nonwoven fabric surface, and high strength and heat resistance. Can be used.

Claims

Melt flow rate measured according to ASTM D-1238-82 is 100 to 3,000 g / 10 min. Average fiber diameter is 1.0 to 9.0 μm using polyphenylene sulfide resin as a raw material, average fiber in the CD direction of nonwoven fabric A melt-blown non-woven fabric for batteries or capacitor separators having a diameter CV value of 8% or less, an average basis weight of 15 to 120 g / m ² , a non-woven fabric CD direction basis weight of 4% or less, and a tensile strength of 3.5 to 100 N / 25 mm.

A polyphenylene sulfide resin having a melt flow rate of 100 to 3,000 g / 10 minutes measured in accordance with ASTM D-1238-82 is melted with an extruder at 290 to 320 ° C, and then a die set at a temperature of 300 to 320 ° C. At the same time as being discharged from the die nozzle and being drawn by an air blow gas at a temperature higher by 30 to 60 ° C. than the die temperature to form fine fibers, and collected by a collector 7 to 15 cm away from the nozzle. 2. The method for producing a melt-blown nonwoven fabric for a battery or a capacitor separator according to item 1.

The method for producing a melt-blown nonwoven fabric for a battery or a capacitor separator according to claim 2, wherein the temperature and the flow rate of the air blow gas are divided in the width direction of the die and adjusted in each range.

A battery or capacitor separator obtained by subjecting the melt-blown nonwoven fabric for a battery or capacitor separator according to claim 1 to calendering or annealing.