JP2004347511A - X線イメージセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】残像の無い画像を得ることができるようにする。
【解決手段】入射したX線を電荷に変換するX線変換膜4と、X線変換膜4から取り出される電荷信号を処理する信号処理回路5とから成るピクセル(画素)6の多数を一次元または二次元状に配列してX線イメージセンサ3を構成する。X線変換膜4にピクセル6ごとの捕集電極7を付設し、この捕集電極7に蓄積用コンデンサ8を接続するとともに、蓄積用コンデンサ8に、入射X線量に比例した信号に処理する波高値積分回路9を接続し、波高値積分回路9に、読み出し用MOSトランジスタ10を介して信号出力線11を接続し、信号処理回路5を構成する。信号処理回路5において、捕集電極7と蓄積用コンデンサ8との間に、低周波成分除去フィルター12を接続し、X線変換膜4から取り出される信号から低周波成分を除去する。
【選択図】 図2
【解決手段】入射したX線を電荷に変換するX線変換膜4と、X線変換膜4から取り出される電荷信号を処理する信号処理回路5とから成るピクセル(画素)6の多数を一次元または二次元状に配列してX線イメージセンサ3を構成する。X線変換膜4にピクセル6ごとの捕集電極7を付設し、この捕集電極7に蓄積用コンデンサ8を接続するとともに、蓄積用コンデンサ8に、入射X線量に比例した信号に処理する波高値積分回路9を接続し、波高値積分回路9に、読み出し用MOSトランジスタ10を介して信号出力線11を接続し、信号処理回路5を構成する。信号処理回路5において、捕集電極7と蓄積用コンデンサ8との間に、低周波成分除去フィルター12を接続し、X線変換膜4から取り出される信号から低周波成分を除去する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被写体を透過したX線の入射に伴って電荷を発生するX線変換膜とそのX線変換膜からの電荷信号を処理する信号処理回路とから成るピクセルの多数を一次元または二次元状に配列して構成したX線イメージセンサに関し、特には、半導体などの電子部品の内部欠陥の検査などといった非破壊計測の分野で用いられるX線イメージセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
非破壊計測を行う場合、図1の非破壊計測装置の概略構成図に示すように、X線源1から被写体2にX線を照射し、その被写体2を透過したX線をX線イメージセンサ3に入射させ、被写体2の透過に伴う、X線イメージセンサ3への入射X線量の変化に基づいて、欠陥状態など被写体2の内部の状態を把握できるようにしている。
【0003】
近年、リアルタイムで計測可能なX線イメージセンサとして、X線フラットパネルデティクターが注目されている。このタイプのセンサはイメージインテンシファイアーに比べて小型・高解像度という点において優れているためである。
【0004】
X線フラットパネルデティクターには、シンチレータの光を可視光イメージセンサで受ける間接変換型と、半導体中に入射したX線を直接電流として読む直接変換型とがある。間接変換型は像のにじみがあるため、解像度の点で直接変換型の方がすぐれていると言われている。
【0005】
この直接変換型のX線イメージセンサ03としては、従来、図7の回路構成図に示すものがあった。すなわち、X線の入射に伴って電荷を発生するX線変換膜04と、そのX線変換膜04からの電荷信号を処理する信号処理回路05とから成るピクセル(画素)06の多数を一次元または二次元状に配列して構成されている。
【0006】
アモルハスセレンやテルル化カドミウムなどの半導体で構成されたX線変換膜04にピクセル06ごとの捕集電極07が付設され、この捕集電極07に蓄積用コンデンサ08が接続されるとともに、蓄積用コンデンサ08に信号出力線09が読み出し用MOSトランジスタ010を介して接続され、信号処理回路05が構成されている。図中011は電極を示し、012はX線変換膜04に直流電圧を印加する電源を示している(非特許文献1参照)。
すなわち、X線がX線変換膜04に入射されるに伴って電子正孔対が発生し、電荷が捕集電極07に到達し、蓄積用コンデンサ08に一旦蓄えられ、入射X線量に比例した量の電荷を蓄積し、この蓄積された電荷量をX線の照射終了後に読み出し用MOSトランジスタ010から順次読み出し、入射X線量を計測するようになっている。
【0007】
【非特許文献1】
徳田敏、他4名、「CdZnTe多結晶膜を用いた医療用X線パネルセンサ」応用物理学会放射線分科会、“放射線”、2001年4月、第27巻、No.2、p.41−48
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述従来例の場合、X線変換膜04へのX線の入射により発生した電子正孔対が電界により分離し、電荷が捕集電極07に向けて移動する。このときに、電荷の一部がX線変換膜04中に存在するトラップ準位に捕捉され、この電荷が時間遅れで捕集電極07に到達する。
【0009】
この結果、図8の(a)のタイムチャートに示すように、X線変換膜04にインパルス状のX線が入射されても、図8の(b)のタイムチャートに示すように、その電荷量は、尾を引いた波形となる。これはX線の被写体2への照射が終わっても信号が残ることを意味し、画像として見た場合に、イメージラグ(残像)として現れてしまうという欠点があった。
【0010】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、残像の無い画像を得ることができるようにすることを目的とし、請求項2に係る発明は、直接的にデジタル出力を可能にすることを目的とし、請求項3に係る発明は、より鮮明な画像を得ることができるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述のような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に係る発明は、被写体を透過したX線の入射に伴って電荷を発生するX線変換膜とそのX線変換膜からの電荷信号を処理する信号処理回路とから成るピクセルの多数を一次元または二次元状に配列して構成したX線イメージセンサにおいて、前記各ピクセル毎の信号処理回路に、低周波成分を除去する低周波成分除去フィルターを付設したことを特徴としている。
【0012】
(作用・効果)
請求項1に係る発明のX線イメージセンサの構成によれば、X線変換膜から取り出される電荷信号に重畳されている低周波成分を低周波成分除去フィルターによって除去し、残像成分の無い信号にして取り出すことができる。
したがって、残像の無い画像を得ることができ、非破壊計測を精度良く行うことができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のX線イメージセンサにおいて、信号処理回路を、低周波成分除去フィルターで低周波成分を除去した後に入射されるX線のパルス数を計測するパルス計測回路を備えて構成する。
X線のパルスとは、X線変換膜へのX線の入射に伴って、X線変換膜で電荷信号に変換されて取り出される信号のことをいい、パルス数とは、信号の数のことをいう(以下、同じである)。
【0014】
(作用・効果)
請求項2に係る発明のX線イメージセンサの構成によれば、ピクセルに入射されるX線の量を、信号の数として得ることができ、A/D変換回路を設けなくても、直接的にデジタル出力が可能であり、残像の無い画像を簡単な構成で得ることができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のX線イメージセンサにおいて、信号処理回路を、低周波成分除去フィルターで低周波成分を除去した後に入射されるX線のパルスの波高値を積分する波高値積分回路を備えて構成する。
【0016】
(作用・効果)
請求項3に係る発明のX線イメージセンサの構成によれば、ピクセルに入射されるX線の量を、パルスの波高値、すなわち、信号の大きさを積分し、信号の大きさの総量として得ることができ、より鮮明な画像を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、非破壊計測装置の概略構成図であり、X線源1から被写体2にX線を照射し、その被写体2を透過したX線をX線イメージセンサ3に入射させ、被写体2の透過に伴う、X線イメージセンサ3への入射X線量の変化に基づいて、被写体2の内部の状況を把握できるように構成されている。
【0018】
X線イメージセンサ3が、図2の第1実施例の回路構成図に示すように、入射したX線を電荷に変換するX線変換膜4と、X線変換膜4から取り出される電荷信号を処理する信号処理回路5とから成るピクセル(画素)6の多数を一次元または二次元状に配列して構成されている。
【0019】
X線変換膜4は、アモルハスセレンやテルル化カドミウムなどの半導体で構成されており、そのX線変換膜4にピクセル6ごとの捕集電極7が付設され、この捕集電極7に蓄積用コンデンサ8が接続されるとともに、蓄積用コンデンサ8に、入射X線量に比例した信号に処理する波高値積分回路9が接続され、波高値積分回路9に、読み出し用MOSトランジスタ10を介して信号出力線11が接続され、信号処理回路5が構成されている。
【0020】
信号処理回路5において、捕集電極7と蓄積用コンデンサ8との間に、低周波成分除去フィルター12が接続されている。
X線変換膜4のX線入射側に電極13が付設されるとともに電極13に電源14が接続され、X線変換膜4に直流電圧が印加されている。
【0021】
上記第1実施例の作用につき、図3および図4のタイムチャートを用いて説明する。
すなわち、X線がX線変換膜4に入射される[図3の(a)]に伴って電荷が発生し、これが捕集電極7蓄積され、蓄積用コンデンサ8に蓄えられていく。トラップ準位による捕捉が無ければ、理想的には、図3の(b)に示すように、入射X線と同じ波形の電荷信号が現れるが、実際には、トラップ準位による捕捉のために、図3の(c)に示すように、低周波成分が重畳されて、尾を引いた波形で出力される。
【0022】
上述のように出力される電流の信号に重畳されている低周波成分を低周波成分除去フィルター12で除去し、図3の(d)に示すように、入射X線のパルスに応答した信号のパルスを得る。
【0023】
非破壊計測においては、被写体2を透過したX線がX線変換膜4に入射されるため、図4の(a)に示すように、X線エネルギーに応じてパルスの波高値が異なり、低周波成分除去フィルター12で低周波成分を除去した後の信号のパルスも波高値が異なったものとなり[図4の(b)]、それらの信号を、図4の(c)に示すように、単位時間分(例えば、33msec)積分し、その積分値を読み出し用MOSトランジスタ10に読み出しパルス信号を付与することによって出力させる。
【0024】
出力された各ピクセル毎の積分値は、図示しないが、画像処理回路に入力され、被写体2の画像として画像表示装置にリアルタイムで表示することができるようになっている。
【0025】
図5は、この発明に係るX線イメージセンサの第2実施例の回路構成図であり、第1実施例と異なるところは、次の通りである。
すなわち、蓄積用コンデンサ8にパルス波形整形回路21が接続されるとともに、そのパルス波形整形回路21にパルス計測回路22が接続されている。
【0026】
次に、上記第2実施例の作用につき、図6のタイムチャートを用いて説明する。
すなわち、図6の(a)に示すように、被写体2を透過したエネルギーの異なるX線がX線変換膜4に入射される。X線変換膜4から出力される電荷信号から、図6の(b)に示すように、低周波成分除去フィルター12で低周波成分を除去し、その信号をパルス波形整形回路21においてスレッショルドレベルSLで切り分け、図6の(c)に示すように、スレッショルドレベルSL以上の信号をパルス信号として取り出し、その単位時間分(例えば、33msec)のパルス数をパルス計測回路22で計測する。すなわち、リセットパルスRPに応答して計測を開始し、その単位時間後の読み出しパルスTPに応答して計測したパルス数を読み出し、画像処理回路図(図示せず)に出力させるようになっている。他の構成は第1実施例と同じであり、同一図番を付すことにより、その説明は省略する。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明のX線イメージセンサの構成によれば、X線変換膜から取り出される信号に重畳されている低周波成分を低周波成分除去フィルターによって除去し、残像成分の無い信号にして取り出すことができるから、残像の無い画像を得ることができ、非破壊計測を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るX線イメージセンサを用いた非破壊計測装置を示す概略構成図である。
【図2】この発明に係るX線イメージセンサの第1実施例の回路構成図である。
【図3】第1実施例の作用を説明するタイムチャートである。
【図4】第1実施例の作用を説明するタイムチャートである。
【図5】この発明に係るX線イメージセンサの第2実施例の回路構成図である。
【図6】第2実施例の作用を説明するタイムチャートである。
【図7】従来例のX線イメージセンサを示す回路構成図である。
【図8】従来例の作用を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
2…被写体
3…X線イメージセンサ
4…X線変換膜
5…信号処理回路
6…ピクセル
8…蓄積用コンデンサ
9…波高値積分回路
12…低周波成分除去フィルター
22…パルス計測回路
【発明の属する技術分野】
この発明は、被写体を透過したX線の入射に伴って電荷を発生するX線変換膜とそのX線変換膜からの電荷信号を処理する信号処理回路とから成るピクセルの多数を一次元または二次元状に配列して構成したX線イメージセンサに関し、特には、半導体などの電子部品の内部欠陥の検査などといった非破壊計測の分野で用いられるX線イメージセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
非破壊計測を行う場合、図1の非破壊計測装置の概略構成図に示すように、X線源1から被写体2にX線を照射し、その被写体2を透過したX線をX線イメージセンサ3に入射させ、被写体2の透過に伴う、X線イメージセンサ3への入射X線量の変化に基づいて、欠陥状態など被写体2の内部の状態を把握できるようにしている。
【0003】
近年、リアルタイムで計測可能なX線イメージセンサとして、X線フラットパネルデティクターが注目されている。このタイプのセンサはイメージインテンシファイアーに比べて小型・高解像度という点において優れているためである。
【0004】
X線フラットパネルデティクターには、シンチレータの光を可視光イメージセンサで受ける間接変換型と、半導体中に入射したX線を直接電流として読む直接変換型とがある。間接変換型は像のにじみがあるため、解像度の点で直接変換型の方がすぐれていると言われている。
【0005】
この直接変換型のX線イメージセンサ03としては、従来、図7の回路構成図に示すものがあった。すなわち、X線の入射に伴って電荷を発生するX線変換膜04と、そのX線変換膜04からの電荷信号を処理する信号処理回路05とから成るピクセル(画素)06の多数を一次元または二次元状に配列して構成されている。
【0006】
アモルハスセレンやテルル化カドミウムなどの半導体で構成されたX線変換膜04にピクセル06ごとの捕集電極07が付設され、この捕集電極07に蓄積用コンデンサ08が接続されるとともに、蓄積用コンデンサ08に信号出力線09が読み出し用MOSトランジスタ010を介して接続され、信号処理回路05が構成されている。図中011は電極を示し、012はX線変換膜04に直流電圧を印加する電源を示している(非特許文献1参照)。
すなわち、X線がX線変換膜04に入射されるに伴って電子正孔対が発生し、電荷が捕集電極07に到達し、蓄積用コンデンサ08に一旦蓄えられ、入射X線量に比例した量の電荷を蓄積し、この蓄積された電荷量をX線の照射終了後に読み出し用MOSトランジスタ010から順次読み出し、入射X線量を計測するようになっている。
【0007】
【非特許文献1】
徳田敏、他4名、「CdZnTe多結晶膜を用いた医療用X線パネルセンサ」応用物理学会放射線分科会、“放射線”、2001年4月、第27巻、No.2、p.41−48
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述従来例の場合、X線変換膜04へのX線の入射により発生した電子正孔対が電界により分離し、電荷が捕集電極07に向けて移動する。このときに、電荷の一部がX線変換膜04中に存在するトラップ準位に捕捉され、この電荷が時間遅れで捕集電極07に到達する。
【0009】
この結果、図8の(a)のタイムチャートに示すように、X線変換膜04にインパルス状のX線が入射されても、図8の(b)のタイムチャートに示すように、その電荷量は、尾を引いた波形となる。これはX線の被写体2への照射が終わっても信号が残ることを意味し、画像として見た場合に、イメージラグ(残像)として現れてしまうという欠点があった。
【0010】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、残像の無い画像を得ることができるようにすることを目的とし、請求項2に係る発明は、直接的にデジタル出力を可能にすることを目的とし、請求項3に係る発明は、より鮮明な画像を得ることができるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述のような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に係る発明は、被写体を透過したX線の入射に伴って電荷を発生するX線変換膜とそのX線変換膜からの電荷信号を処理する信号処理回路とから成るピクセルの多数を一次元または二次元状に配列して構成したX線イメージセンサにおいて、前記各ピクセル毎の信号処理回路に、低周波成分を除去する低周波成分除去フィルターを付設したことを特徴としている。
【0012】
(作用・効果)
請求項1に係る発明のX線イメージセンサの構成によれば、X線変換膜から取り出される電荷信号に重畳されている低周波成分を低周波成分除去フィルターによって除去し、残像成分の無い信号にして取り出すことができる。
したがって、残像の無い画像を得ることができ、非破壊計測を精度良く行うことができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のX線イメージセンサにおいて、信号処理回路を、低周波成分除去フィルターで低周波成分を除去した後に入射されるX線のパルス数を計測するパルス計測回路を備えて構成する。
X線のパルスとは、X線変換膜へのX線の入射に伴って、X線変換膜で電荷信号に変換されて取り出される信号のことをいい、パルス数とは、信号の数のことをいう(以下、同じである)。
【0014】
(作用・効果)
請求項2に係る発明のX線イメージセンサの構成によれば、ピクセルに入射されるX線の量を、信号の数として得ることができ、A/D変換回路を設けなくても、直接的にデジタル出力が可能であり、残像の無い画像を簡単な構成で得ることができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のX線イメージセンサにおいて、信号処理回路を、低周波成分除去フィルターで低周波成分を除去した後に入射されるX線のパルスの波高値を積分する波高値積分回路を備えて構成する。
【0016】
(作用・効果)
請求項3に係る発明のX線イメージセンサの構成によれば、ピクセルに入射されるX線の量を、パルスの波高値、すなわち、信号の大きさを積分し、信号の大きさの総量として得ることができ、より鮮明な画像を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、非破壊計測装置の概略構成図であり、X線源1から被写体2にX線を照射し、その被写体2を透過したX線をX線イメージセンサ3に入射させ、被写体2の透過に伴う、X線イメージセンサ3への入射X線量の変化に基づいて、被写体2の内部の状況を把握できるように構成されている。
【0018】
X線イメージセンサ3が、図2の第1実施例の回路構成図に示すように、入射したX線を電荷に変換するX線変換膜4と、X線変換膜4から取り出される電荷信号を処理する信号処理回路5とから成るピクセル(画素)6の多数を一次元または二次元状に配列して構成されている。
【0019】
X線変換膜4は、アモルハスセレンやテルル化カドミウムなどの半導体で構成されており、そのX線変換膜4にピクセル6ごとの捕集電極7が付設され、この捕集電極7に蓄積用コンデンサ8が接続されるとともに、蓄積用コンデンサ8に、入射X線量に比例した信号に処理する波高値積分回路9が接続され、波高値積分回路9に、読み出し用MOSトランジスタ10を介して信号出力線11が接続され、信号処理回路5が構成されている。
【0020】
信号処理回路5において、捕集電極7と蓄積用コンデンサ8との間に、低周波成分除去フィルター12が接続されている。
X線変換膜4のX線入射側に電極13が付設されるとともに電極13に電源14が接続され、X線変換膜4に直流電圧が印加されている。
【0021】
上記第1実施例の作用につき、図3および図4のタイムチャートを用いて説明する。
すなわち、X線がX線変換膜4に入射される[図3の(a)]に伴って電荷が発生し、これが捕集電極7蓄積され、蓄積用コンデンサ8に蓄えられていく。トラップ準位による捕捉が無ければ、理想的には、図3の(b)に示すように、入射X線と同じ波形の電荷信号が現れるが、実際には、トラップ準位による捕捉のために、図3の(c)に示すように、低周波成分が重畳されて、尾を引いた波形で出力される。
【0022】
上述のように出力される電流の信号に重畳されている低周波成分を低周波成分除去フィルター12で除去し、図3の(d)に示すように、入射X線のパルスに応答した信号のパルスを得る。
【0023】
非破壊計測においては、被写体2を透過したX線がX線変換膜4に入射されるため、図4の(a)に示すように、X線エネルギーに応じてパルスの波高値が異なり、低周波成分除去フィルター12で低周波成分を除去した後の信号のパルスも波高値が異なったものとなり[図4の(b)]、それらの信号を、図4の(c)に示すように、単位時間分(例えば、33msec)積分し、その積分値を読み出し用MOSトランジスタ10に読み出しパルス信号を付与することによって出力させる。
【0024】
出力された各ピクセル毎の積分値は、図示しないが、画像処理回路に入力され、被写体2の画像として画像表示装置にリアルタイムで表示することができるようになっている。
【0025】
図5は、この発明に係るX線イメージセンサの第2実施例の回路構成図であり、第1実施例と異なるところは、次の通りである。
すなわち、蓄積用コンデンサ8にパルス波形整形回路21が接続されるとともに、そのパルス波形整形回路21にパルス計測回路22が接続されている。
【0026】
次に、上記第2実施例の作用につき、図6のタイムチャートを用いて説明する。
すなわち、図6の(a)に示すように、被写体2を透過したエネルギーの異なるX線がX線変換膜4に入射される。X線変換膜4から出力される電荷信号から、図6の(b)に示すように、低周波成分除去フィルター12で低周波成分を除去し、その信号をパルス波形整形回路21においてスレッショルドレベルSLで切り分け、図6の(c)に示すように、スレッショルドレベルSL以上の信号をパルス信号として取り出し、その単位時間分(例えば、33msec)のパルス数をパルス計測回路22で計測する。すなわち、リセットパルスRPに応答して計測を開始し、その単位時間後の読み出しパルスTPに応答して計測したパルス数を読み出し、画像処理回路図(図示せず)に出力させるようになっている。他の構成は第1実施例と同じであり、同一図番を付すことにより、その説明は省略する。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明のX線イメージセンサの構成によれば、X線変換膜から取り出される信号に重畳されている低周波成分を低周波成分除去フィルターによって除去し、残像成分の無い信号にして取り出すことができるから、残像の無い画像を得ることができ、非破壊計測を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るX線イメージセンサを用いた非破壊計測装置を示す概略構成図である。
【図2】この発明に係るX線イメージセンサの第1実施例の回路構成図である。
【図3】第1実施例の作用を説明するタイムチャートである。
【図4】第1実施例の作用を説明するタイムチャートである。
【図5】この発明に係るX線イメージセンサの第2実施例の回路構成図である。
【図6】第2実施例の作用を説明するタイムチャートである。
【図7】従来例のX線イメージセンサを示す回路構成図である。
【図8】従来例の作用を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
2…被写体
3…X線イメージセンサ
4…X線変換膜
5…信号処理回路
6…ピクセル
8…蓄積用コンデンサ
9…波高値積分回路
12…低周波成分除去フィルター
22…パルス計測回路
Claims (3)
- 被写体を透過したX線の入射に伴って電荷を発生するX線変換膜とそのX線変換膜からの電荷信号を処理する信号処理回路とから成るピクセルの多数を一次元または二次元状に配列して構成したX線イメージセンサにおいて、前記各ピクセル毎の信号処理回路に、低周波成分を除去する低周波成分除去フィルターを付設したことを特徴とするX線イメージセンサ。
- 請求項1に記載のX線イメージセンサにおいて、信号処理回路が、低周波成分除去フィルターで低周波成分を除去した後に入射されるX線のパルス数を計測するパルス計測回路を備えたものであるX線イメージセンサ。
- 請求項1に記載のX線イメージセンサにおいて、信号処理回路が、低周波成分除去フィルターで低周波成分を除去した後に入射されるX線のパルスの波高値を積分する波高値積分回路を備えたものであるX線イメージセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003146137A JP2004347511A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | X線イメージセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003146137A JP2004347511A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | X線イメージセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004347511A true JP2004347511A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33533079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003146137A Pending JP2004347511A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | X線イメージセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004347511A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008153626A (ja) * | 2006-11-21 | 2008-07-03 | Fujifilm Corp | 光導電体および放射線検出器並びに放射線撮像パネル |
-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003146137A patent/JP2004347511A/ja active Pending
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