JP2004346920A - Egrクーラー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のチューブを収容するシェル内に冷却水導出入パイプを介して冷却水を導出入させて、チューブ内を流下するEGRガスをシェル内に導入した冷却水で熱交換するEGR装置のEGRクーラーに於て、上記冷却水導入パイプから冷却水導出パイプに至るシェル内の冷却水流路の上流側に配置されたチューブから下流側に配置されたチューブへ行くに従い、チューブの内径を順次太くしたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンのEGR装置に用いるEGRクーラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジン(以下、「エンジン」という)の燃焼時に発生する窒素酸化物(NOX )を低減するため、従来、排ガスの一部をエンジンの吸気系に排気還流(以下、「EGR」という)させるEGR装置が知られている。
窒素酸化物は、高温の排ガスのもとで空気中の酸素と窒素が反応して生成されるため、EGR装置は、EGRによって燃焼温度を下げることでO2+N2→2NOの反応を抑制して窒素酸化物の排出を低減させるものである。そして、吸気系にEGRさせるEGRガスの温度を下げるほど、燃焼時のスモークの悪化を抑え、窒素酸化物の発生が減少することが知られている。
【0003】
そこで、昨今では、エンジンの吸気系と排気系との間に接続したEGRパイプに、エンジン冷却水等を冷媒とするEGRクーラーを装着し、EGRパイプを流下するEGRガスをこのEGRクーラーで熱交換させてEGRガス温度を下げる方法が広く採用されている(例えば、下記の特許文献1参照。)。
図4乃至図6は特許文献1に開示されたEGRクーラーを示し、このEGRクーラー1は、筒状に成形されたシェル3内に、その長手方向に沿って複数の均一内径のチューブ5を収容し、シェル3のEGRガス上流側端部とEGRガス下流側端部に取り付くディフューザ7,9に、夫々、EGRガス導入パイプ(EGRパイプ)11とEGRガス導出パイプ(EGRパイプ)13を接続すると共に、EGRガス導入パイプ11側のシェル3の周壁に冷却水導入パイプ15を接続し、EGRガス導出パイプ13側のシェル3の周壁に冷却水導出パイプ17を接続したもので、チューブ5は、シェル3の両端部に取り付くエンドプレート19に挿着されて両ディフューザ7,9内に開口している。
【0004】
而して、斯かる構造によって、シェル3内には、冷却水導入パイプ15から冷却水導出パイプ17に至る冷却水Wの流路が形成され、そして、EGRガス導入パイプ11からチューブ5を経てEGRガス導出パイプ13に至るEGRガスGの流路が形成されており、EGRクーラー1内に導入されたEGRガスGがチューブ5内を流下する際に、シェル3に導入された冷却水Wで熱交換されてEGRガス温度が下がるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−83174号公報(段落番号「0018」〜「0022」、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シェル3内に導入された冷却水WがEGRガスGと熱交換されて冷却水導出パイプ17に至る間に冷却水温度は徐々に上昇していくが、総てのチューブ5が均一内径で表面積が同じ場合、チューブ5内を流下するEGRガスGの管内流速が同一であるため、冷却水温度の変化によって熱交換効率が変わり、冷却水導入パイプ15から冷却水導出パイプ17に至る冷却水流路の下流側で熱交換効率が低下してしまう欠点が指摘されていた。
【0007】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、シェル内に導入された冷却水温度の変化に対して熱交換効率の改善を図ったEGR装置のEGRクーラーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、複数のチューブを収容するシェル内に冷却水導出入パイプを介して冷却水を導出入させて、チューブ内を流下するEGRガスをシェル内に導入した冷却水で熱交換するEGR装置のEGRクーラーに於て、上記冷却水導入パイプから冷却水導出パイプに至るシェル内の冷却水流路の上流側に配置されたチューブから下流側に配置されたチューブへ行くに従い、チューブの内径を順次太くしたことを特徴とする。
【0009】
(作用)
請求項1に係る発明によれば、EGRガスがシェル内に収容されたチューブ内を流下する際に、シェル内に導入された冷却水で熱交換されてEGRガス温度が下げられるが、チューブは内径が異なり、EGRガスの管内流速は管内径に反比例するから、内径の細いチューブの管内流速は早く、内径の太いチューブの管内流速は遅くなる。
【0010】
このため、冷却水が冷えている冷却水流路の上流側では冷却水温度とEGRガス温度との差が大きいため、チューブ内を流下するEGRガスの管内流速が早くても冷却水への熱伝達は良く、逆に冷却水流路の下流側では、既に熱を奪った冷却水の水温が上がっているが、チューブ内をゆっくりと流下するEGRガスから冷却水へ熱伝達が行われ、冷却水温度が上昇した条件下でも効率良く熱交換が行われることとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3は請求項1に係るEGRクーラーの一実施形態を示し、図1に於て、21は筒状に成形されたシェルで、そのEGRガス上流側端部とEGRガス下流側端部に取り付くディフューザ23,25に、夫々、EGRガス導入パイプ(EGRパイプ)27とEGRガス導出パイプ(EGRパイプ)29が接続されている。
【0012】
そして、図2及び図3に示すようにシェル21内には、その長手方向に沿って複数のチューブ31が収容されており、チューブ31は、シェル21の両端部に取り付くエンドプレート33,35に挿着されて両ディフューザ23,25内に開口している。
また、EGRガス導出パイプ29側のシェル21の周壁には、冷却水導入パイプ37がシェル21の接線に対応する位置に接続されると共に、EGRガス導入パイプ27側のシェル21の周壁に、冷却水導出パイプ39がシェル21の中心に向かって接続されている。
【0013】
そして、図2に示すように冷却水導入パイプ37と冷却水導出パイプ39は90°の間隔を以って配置されており、斯かる構造によって、本実施形態に係るEGRクーラー41も、シェル21内に冷却水導入パイプ37から冷却水導出パイプ39に至る冷却水流路が形成されると共に、EGRガス導入パイプ27からチューブ31を経てEGRガス導出パイプ29に至るEGRガス流路が形成されているが、本実施形態は上述の如き従来と同様の構成に加え、図2及び図3に示すようにシェル21内の冷却水流路の上流側に配置されたチューブ31aから下流側に配置されたチューブ31cへ行くに従い、チューブ31の内径を順次太くしたことを特徴とする。
【0014】
即ち、シェル21内に収容されたチューブ31は、内径R1<内径R2<内径R3の関係を有する3種類のチューブ31a,31b,31cで構成されており、図2に示すように内径の最も細い3本のチューブ31a(=内径R1)が冷却水導入パイプ37の流入口近傍に配置されている。
そして、内径の最も太い2本のチューブ31c(=内径R3)が冷却水導出パイプ39の流出口近傍に配置されると共に、冷却水導入パイプ37から冷却水導出パイプ39に至る冷却水流路の中流域に3本のチューブ31b(=内径R2)が配置されており、このように本実施形態は、シェル21内の冷却水流路の上流側から下流側へチューブ31の内径を順次太くしたものである。
【0015】
尚、各チューブ31a,31b,31cの周壁の肉厚は、総て等しく設定されている。
本実施形態はこのように構成されているから、図示しないエンジンの排気系からEGRされてEGRクーラー41内に導入されたEGRガスGは、チューブ31a,31b,31c内を流下する際に、シェル21内に導入された冷却水Wで熱交換されてEGRガス温度が下げられるが、チューブ31a,31b,31cは内径が異なり、EGRガスGの管内流速は管内径に反比例するから、内径の細いチューブ31aを流下するEGRガスGの管内流速V1は早く、内径の太いチューブ31b,31cを夫々流下するEGRガスGの管内流速V2.V3は徐々に遅くなる(V1>V2>V3)。
【0016】
このため、冷却水Wが冷えている冷却水流路の上流側では冷却水温度とEGRガス温度との差が大きいため、チューブ31a内を流下するEGRガスGの管内流速が早くても冷却水Wへの熱伝達は良く、逆に冷却水流路の下流側では、既に熱を奪った冷却水Wの水温は上がっているが、チューブ31c内をゆっくりと流下するEGRガスGから冷却水Wへ熱伝達が行われ、冷却水温度が上昇した条件下でも効率良く熱交換が行われることとなる。
【0017】
このように本実施形態によれば、EGRガスGが流下するチューブ31の内径をシェル21内の冷却水流路の上流側と下流側で変化させることで、冷却水温度の変化に対し効率の良い熱伝達が可能となってEGRクーラーの熱交換効率を高めることができ、また、内径の小さなチューブを用いることでEGRクーラーの小型化を図ることが可能となる。
【0018】
尚、上記実施形態では、内径R1<内径R2<内径R3の関係を有する3種類のチューブ31a,31b,31cでチューブ31を構成したが、EGRクーラーの容積等に応じ、内径R1<内径R3の関係を有する2種類のチューブ31a,31cを用いてチューブ31を構成してもよいし、また、冷却水導入パイプ37と冷却水導出パイプ39の配置は上記実施形態に限定されるものでないことは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る発明によれば、EGRガスが流下するチューブの内径をシェル内の冷却水流路の上流側と下流側で変化させることで、冷却水温度の変化に対し効率の良い熱伝達が可能となってEGRクーラーの熱交換効率を高めることができ、また、内径の小さなチューブを用いることでEGRクーラーの小型化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の一実施形態に係るEGRクーラーの全体斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】従来のEGRクーラーの全体斜視図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図4のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
21 シェル
23,25 ディフューザ
27 EGRガス導入パイプ
29 EGRガス導出パイプ
31,31a,31b,31c チューブ
33,35 エンドプレート
37 冷却水導入パイプ
39 冷却水導出パイプ
41 EGRクーラー
G EGRガス
W 冷却水
Claims (1)
- 複数のチューブを収容するシェル内に冷却水導出入パイプを介して冷却水を導出入させて、チューブ内を流下するEGRガスをシェル内に導入した冷却水で熱交換するEGR装置のEGRクーラーに於て、
上記冷却水導入パイプから冷却水導出パイプに至るシェル内の冷却水流路の上流側に配置されたチューブから下流側に配置されたチューブへ行くに従い、チューブの内径を順次太くしたことを特徴とするEGR装置のEGRクーラー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003148195A JP2004346920A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | Egrクーラー |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003148195A JP2004346920A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | Egrクーラー |
Publications (1)
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JP2004346920A true JP2004346920A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33534509
Family Applications (1)
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JP2003148195A Pending JP2004346920A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | Egrクーラー |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004346920A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103628955A (zh) * | 2012-08-20 | 2014-03-12 | 埃贝斯佩歇废气技术合资公司 | 热传递单元 |
JP2020085380A (ja) * | 2018-11-28 | 2020-06-04 | 株式会社ユタカ技研 | 熱交換器 |
-
2003
- 2003-05-26 JP JP2003148195A patent/JP2004346920A/ja active Pending
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JP2020085380A (ja) * | 2018-11-28 | 2020-06-04 | 株式会社ユタカ技研 | 熱交換器 |
WO2020110524A1 (ja) * | 2018-11-28 | 2020-06-04 | 株式会社ユタカ技研 | 熱交換器 |
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