JP2004346653A - 土砂災害予測システム、方法、およびプログラム - Google Patents
土砂災害予測システム、方法、およびプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】広域気象データから直接的に広域の土砂災害を予測するシステムを提供する。
【解決手段】広域気象気象データを入力手段110で入力し、この入力を受けて判定手段120は、過去の気象データおよび災害データで学習させたニューラルネットワークによる解析、または、過去の気象データおよび災害データによる重判別分析を用いて広域(都道府県程度のエリア)の予測対象地域で約半日後〜約1日後に土砂災害・山地災害が発生するか否かを判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】広域気象気象データを入力手段110で入力し、この入力を受けて判定手段120は、過去の気象データおよび災害データで学習させたニューラルネットワークによる解析、または、過去の気象データおよび災害データによる重判別分析を用いて広域(都道府県程度のエリア)の予測対象地域で約半日後〜約1日後に土砂災害・山地災害が発生するか否かを判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広域の土砂災害予測システム、方法およびプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、気象衛星や気象台の観測機器などで取得された気象情報に基づき、天気概況、天候、降雨、雷などの気象予測が実用化されている。近年は、気象観測装置も高機能化、高性能化し、ウィンドプロファイラーやGPS水蒸気量観測装置などを用いて高層における水蒸気量や風速・風向なども観測できるようになったが観測点の整備には予算的な制限もあり、従前からの気象情報が重要であるのには変わりがない。この従来からの気象データが記載された地上天気図や高層天気図などが公的機関の気象庁や民間の気象関連業者からインターネットなどでアクセス可能になっている。そして、このような機器による高密度な高層観測、非静力学的均衡モデル、および小スケールの対流雲過程を織り込んだ数値予測の研究が進められている。しかしながら、このような気象データ、および気象予測システムやその技法を、広域(即ちメソスケール)の土砂災害・山地災害に直接的に応用した災害予測システムはない。
【0003】
従来技術として、例えば、観測された降雨などの気象データに基づき土砂災害を予測するものとして「土砂災害警戒避難支援のための個別斜面に対するがけ崩れ発生限界雨量線の設定手法」(非特許文献1を参照されたい。)があるが、これは、降雨観測システムで得られた高密度の降雨データおよびその予測情報に基づき、土砂災害の発生を予測するものであり、広域の気象データから直接的に広域の土砂災害を予測することはできない。
【0004】
また、その他の従来技術として「降雨予測情報を用いた土砂災害発生予測システムの開発事例」(非特許文献2を参照されたい。)があるが、これも降雨観測システムで得られた高密度の降雨データおよびその予測情報に基づき、土砂災害の発生を予測するものであり、広域の気象データから直接的に広域の土砂災害を予測することはできない。
【非特許文献1】
「土砂災害警戒避難支援のための個別斜面に対するがけ崩れ発生限界雨量線の設定手法」(平成14年度砂防学会研究発表会概要集、2002年 発行、p106 〜107 、倉本和正他 )
【非特許文献2】
「降雨予測情報を用いた土砂災害発生予測システムの開発事例」(平成13年度砂防学会研究発表会概要集、2001 年発行、p198 〜199 、友村光秀他 )
【0005】
【発明が解決しようと−する課題】
本発明の目的は、上述した諸課題を解決し、広域の気象データから直接的に土砂災害・山地災害の発生を予測するシステム、方法、およびプログラムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による広域の土砂災害予測システムは、
対象地域における少なくとも1つの高度の湿数および風速・風向を含む高層気象データ、および、対象地域における前線の停滞の有無および低気圧または台風の対象地域への接近の有無に基づく前線・進路スコア、を入力する入力手段と、
前記入力された諸データを格納する格納手段と、
前記入力・格納された、高層気象データ、および前線・進路スコアに基づき、所定のシステムや格納装置にある、予め過去のデータで学習させたニューラルネットワーク(NNW)による解析、或いは、過去のデータによる重判別解析(MDA)で求めた重判別式を用いて、約半日後から約1日後の山地の土砂災害・斜面災害(崩壊、地すべり、土石流災害など)が発生するのか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果を表示する表示手段と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、インターネットを通じて無料で入手可能な高層天気図から抽出した上記のような少数のデータ要因から、梅雨や秋雨などの前線、或いは台風による土砂災害の発生を簡便かつ直接的、さらには高精度に予測することが可能となる。このような予測を有効に活用することによって、災害への対策を講ずるなどにより被害を最小限にすることができる。また、地域の開発行為や温暖化などにより降雨パターンと災害との関連性が変化しても、使用する気象要因が少ないためシステムの調整が容易である。
【0007】
また、本発明による広域の土砂災害予測システムは、
前記判定手段は、所定の少なくとも1つの閾値を用いて土砂災害発生の危険度の程度をランク付けするランク付け手段を含む、
ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば2つの閾値を用いれば、土砂災害発生の危険度の程度を「危険度大」、「危険度中」、「危険度小」という複数の段階でランク付けすることができる。従って、このランク付けをユーザに提示することが可能であるため、ユーザは、容易かつ直感的に土砂災害発生の危険度を把握することができるようになる。
【0008】
また、本発明は上述したシステム(装置)の形態だけでなく、これらシステムに実質的に相当する方法、プログラム、或いはそのプログラムを格納した記録媒体などの形態でも実施し得る。
例えば、本発明による広域の土砂災害予測方法は、
対象地域における少なくとも1つの高度の湿数および風速・風向を含む高層気象データ、および、対象地域における前線の停滞の有無および低気圧または台風の対象地域への接近の有無に基づく前線・進路スコアを入力し記憶手段に格納する入力ステップと、
前記入力・格納された、高層気象データ、および前線・進路スコアに基づき、記憶手段に格納されている予め過去のデータで学習させたニューラルネットワーク(NNW)による解析或いは過去のデータによる重判別解析(MDA)で求めた重判別式を用いて、約半日後から約1日後の山地の土砂災害・斜面災害(崩壊、地すべり、土石流災害など)が発生するのか否かを演算手段(CPUなど)を使用して判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果を表示手段に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする。
また、本発明による方法は、
前記判定ステップが、所定の少なくとも1つの閾値を用いて土砂災害発生の危険度の程度をランク付けするランク付けステップを含む、
ことを特徴とする。
【0009】
例えば、本発明による広域の土砂災害予測方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記方法が、
対象地域における少なくとも1つの高度の湿数および風速・風向を含む高層気象データ、および、対象地域における前線の停滞の有無および低気圧または台風の対象地域への接近の有無に基づく前線・進路スコアを入力し記憶手段に格納する入力ステップと、
前記入力・格納された、高層気象データ、および前線・進路スコアに基づき、記憶手段に格納されている予め過去のデータで学習させたニューラルネットワーク(NNW)による解析或いは過去のデータによる重判別解析(MDA)で求めた重判別式を用いて、約半日後から約1日後の山地の土砂災害・斜面災害(崩壊、地すべり、土石流災害など)が発生するのか否かを演算手段(CPUなど)を使用して判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果を表示手段に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする。
また、本発明によるプログラムは、
前記判定ステップが、所定の少なくとも1つの閾値を用いて土砂災害発生の危険度の程度をランク付けするランク付けステップを含む、
ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、諸図面を参照しつつ本発明の実施態様を詳細に説明する。
図1は、本発明による土砂災害予測システムを構成する基本コンポーネントを示すブロック図である。図に示すように、本発明による土砂災害予測システム100は、入力手段110、判定手段120、ランク付け手段130、表示手段140、および格納手段150を含む。入力に必要な予測対象地域の気象データは、インターネットなどのネットワーク上でデータを公開している気象データサーバからネットワークを介して受信する、或いは、ユーザや本システムの管理者から入力された気象データを直接的に或いはインターネットを介して受信する。このようにして受信した気象データを入力手段110で入力し、格納手段150に一旦格納する。この入力を受けて判定手段120は、過去の気象データおよび災害データで学習させたニューラルネットワークによる解析、または、過去の気象データおよび災害データによる重判別分析を用いて広域(概ね1つの都道府県程度のエリア)の予測対象地域で約半日後〜約1日後に土砂災害・山地災害が発生するか否かを判定する。
【0011】
図2は、南九州を対象地域とした本発明による土砂災害予測方法の処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。図に示すように、ステップS10では、入力者が梅雨期、台風期、或いは、その他の時期かを判断して入力する。その他の時期である場合は、予測困難であるとして処理を終える。梅雨の場合は、ステップS20aで、気象要因として鹿児島の850hpa高度の風速と湿数、梅雨前線の位置とメソ低気圧の有無などを入力する。他方、台風の場合は、ステップS20bで、気象要因として台風最接近時の半日〜1日前における鹿児島の850hpa高度の風速と湿数などを入力する。なお、予測の精度を向上させるために、風向きが「北寄り」或いは「東寄り」の場合は、実際の風速ではなく、風速0とする。梅雨の場合はステップS30aで、台風の場合はステップS30bで、それぞれ、ニューラルネットワーク計算、または重判別式による計算を行い、土砂災害が発生するか否かを判定する。同様に、ステップS40a或いはS40bでは、前段のステップの判定に基づき、土砂災害の危険度を3段階(危険大、中、小)で表示(出力)して、処理を終える。なお、ステップS30a、S30bにおける災害発生の判定は、NNW3層完全結合型BP(バックプロパゲーション方式)ネットの学習結果、もしくは重判別解析で求めた重判別式のどちらか的中率の良い方を用いることが好適である。
なお、予測精度の観点から、使用する気象要因は、入手可能な複数の気象要因のうちの少なくとも3つを選択することが望ましく、さらにこの選択は予測対象地域別に最適なものを選択するよう調整することが望ましい。
【0012】
次に、過去のデータによる重判別解析で求めた重判別式を数例挙げる。例えば、梅雨時期の場合の判別式は下記のようになる。
Xc=a・W850+b・Td850+c・FmLs+d (1)
ここでXcは判別関数であり、a、b、c、およびdは各気象要因に関する観測点別の係数であり、予測地域別に最適なものに設定することが望ましい。例えば、南九州の場合は、a=0.115、b=−0.538、C=3.13、D=−0.875と設定する。また、W850は850hpa高度の風速(m/s、北向きの風は0とする。)、FmLsは前線スコア、そしてTd850は850hpa高度の湿数(℃、露点温度と気温との差)でありる。さらに、Xc=0.0が閾値であり、Xc>0.0で土砂災害発生と予測する。
【0013】
例えば、台風の場合の判別式は下記のようになる。
Xc=a・W850+b・Td850+c・FmLs+d (2)
ここでXcは判別関数であり、a、b、c、およびdは各気象要因に関する観測点別の係数であり、予測地域別に最適なものに設定することが望ましい。例えば、南九州の場合は、a=0.197、b=−0.181、C=0.00、D=−3.81と設定する。また、W850は850hpa高度の風速(m/s、北向きの風は0とする。)、FmLsは進路スコア、そしてTd850は850hpa高度の湿数(℃、露点温度と気温との差)でありる。さらに、Xc=0.0が閾値であり、Xc>0.0で土砂災害発生と予測する。
【0014】
本発明で入力データとして用いる前線・進路スコアFmLsは、基本的に過去の災害気象に共通した気象学的研究・予報業務の経験則により設定するが、スコア値の感度分析(値を変化させたときの予測的中率の増減の分析)により、最適な値を設定することが望ましい。例えば、九州北部〜中国地方では、前線か低気圧のみのどちらかが当該地域に存在する場合のスコアFmLs=0.5、を0.2、0.3、0.4、0.7に変化させて解析を試みたが、結局、前線か低気圧のみのどちらかが当該地域に存在する場合の災害は発生事例が少なく、スコアが0.1に近い方が的中率が上がるという当然の結果しか得られなかった。しかし、このような前線か低気圧のみが当該地域に存在する場合でも経験的に災害が生ずる可能性があることはわかっているという理由からFmLs=0.5を用いた。
【0015】
図3は、本発明による土砂災害予測システムで用いたニューラルネットワークの一例を示す図である。図に示すように、ニューラルネットワークは入力層、隠れ層(学習・判断を行う領域)、および出力層の3層からなり、入力層は入力要因数だけのユニットを、隠れ層は入力層と同数のユニットを、出力層は1つのユニットをそれぞれ持つ。この一例では、異なる層のユニットが相互に関連付けられて情報を交換できる完全結合型で、学習形式が学習データ(過去の災害発生・非発生時の気象データからなる教師信号)を用いたフィードバック学習を行う「BP(バックプロパゲーション)ネット」を使用している。
【0016】
次に、本発明による土砂災害予測システムを用いて、予測対象地域として南九州型の鹿児島地方を選択し、梅雨期間の土砂災害の発生を重判別解析で予測する実験を行った。本システムで使用する気象要因としては、梅雨前線の九州上での停滞の有無とメソ低気圧の東シナ海〜九州上空への接近の有無に基づく前線・進路スコアFmLs(例えば、前線かつ低気圧の場合は1.0、前線のみの場合は0.5、双方とも無しの場合は0.0とする。これは対象地域別に調整することが望ましい。)、鹿児島の下層・中層の水蒸気供給や気象条件を代表する高層気象データ(850hpa、700hpa高度湿数T−Tdと風速W)を要因として使用するほか、福岡、名瀬、韓国チェジュ島のデータも要因として使用し比較検討した。結果的に福岡、名瀬、チェジュは、予測対象地域の鹿児島での土砂災害発生時に下層ジェットが見られないことや湿数T−Tdが大きいことも多く、災害条件の要因としては不適切であると思われたため使用しなかった。また、700hpa、850hpa各高度の湿数T−Td、風速Wと前線・進路スコアを用いた場合に最も的中率が高い結果を得たが、「過適応」の問題として700hpaの風が弱いほど災害が発生することになるなど降水の機構に反するので、「700hpa、850hpa各高度の湿数T−Tdと前線・進路スコアFmLs」、または、「850hpa高度の湿数T−Td、風速W、前線・進路スコアFmLs」を用いて、本発明によるシステムで重判別解析を行った。それぞれの結果を比較すると、土砂災害発生の的中率Rhは、前者が0.875、後者が0.857となり、マハラノビスの平方距離はそれぞれ約3.34、3.77(この値は大きいほど精度が良い)となり、災害発生のみに着目した的中率(Critical Success Index)であるスレットスコアTsはそれぞれ0.75、0.76となった。災害のようなものが対象では、RhよりもTsの精度が高いことが重要であるうえ、気象学的な降水メカニズムとも矛盾しないため、後者の気象要因、即ち、「850hpa高度の湿数T−Td、風速W、前線・進路スコアFmLs」を用いるほうが望ましい。同様の重判別解析による予測実験を気象要因が南九州とほぼ同じ中国地方の梅雨に対して行ったが、Rh=0.938、Ts=0.800が得られた。このように予測精度は南九州よりも山陰地方のほうがやや高かった。
【0017】
次に、ニューラルネットワーク(図3に示した3層完全結合型BPネット)を利用して、本発明による土砂災害予測システムを用いた同様の予測実験を行った。許容誤差は既往の研究に準じて0.01とし、学習データは温暖化などの影響に配慮し、かつ、災害発生・非発生データを同数にするため、1993 ̄1995年の16データを使用した。予測対象は1993 ̄2000年のものを中心に一部1969 ̄1986年の16データとした。予測結果は、Rh=0.842、Ts=0.750、見逃し率=0.182、空振り率=0.125という良好な予測結果になった。ちなみに、1998年の気象学会のデータによれば気象庁の短時間降水予測のTsは0.3 ̄0.6程度であり、本発明による予測のほうが遥かに精度が良い。なお、同様にニューラルネットワークを用いた本システムによって、中国地方の梅雨時期の土砂災害を予測した結果、Rh=0.875 ̄0.926、Ts=0.268 ̄0.400となり、Tsが鹿児島の場合よりも低くなった。これは、鹿児島よりも中国地方の方が、気象条件がやや複雑であることや学習データの差によるものと考えられる。
【0018】
本明細書では、様々な実施態様で本発明の原理を説明してきたが、本発明は上述した実施例に限定されず幾多の変形および修正を施すことが可能であり、これら変形および修正されたものも本発明に含まれることを理解されたい。
例えば、実施態様では、南九州と山陰・中国地方を対象地域として災害予測を行ったが、他の地域であっても本発明の原理は適用可能であり、災害発生を予測することができる。また、本発明による予測システムを実施した予測結果によれば、半日後から1日後の範囲の的中率が非常に良好であることが判明している。しかしながら、予測精度は若干低下するが、本発明は、半日よりも前、或いは24時間経過後の時間の災害発生も予測し得ることに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による土砂災害予測システムを構成する基本コンポーネントを示すブロック図である。
【図2】南九州を対象地域とした本発明による土砂災害予測方法の処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明による土砂災害予測システムで用いたニューラルネットワークの一例を示す図である。
【符号の説明】
110 入力手段
120 判定手段
130 ランク付け手段
140 表示手段
150 格納手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、広域の土砂災害予測システム、方法およびプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、気象衛星や気象台の観測機器などで取得された気象情報に基づき、天気概況、天候、降雨、雷などの気象予測が実用化されている。近年は、気象観測装置も高機能化、高性能化し、ウィンドプロファイラーやGPS水蒸気量観測装置などを用いて高層における水蒸気量や風速・風向なども観測できるようになったが観測点の整備には予算的な制限もあり、従前からの気象情報が重要であるのには変わりがない。この従来からの気象データが記載された地上天気図や高層天気図などが公的機関の気象庁や民間の気象関連業者からインターネットなどでアクセス可能になっている。そして、このような機器による高密度な高層観測、非静力学的均衡モデル、および小スケールの対流雲過程を織り込んだ数値予測の研究が進められている。しかしながら、このような気象データ、および気象予測システムやその技法を、広域(即ちメソスケール)の土砂災害・山地災害に直接的に応用した災害予測システムはない。
【0003】
従来技術として、例えば、観測された降雨などの気象データに基づき土砂災害を予測するものとして「土砂災害警戒避難支援のための個別斜面に対するがけ崩れ発生限界雨量線の設定手法」(非特許文献1を参照されたい。)があるが、これは、降雨観測システムで得られた高密度の降雨データおよびその予測情報に基づき、土砂災害の発生を予測するものであり、広域の気象データから直接的に広域の土砂災害を予測することはできない。
【0004】
また、その他の従来技術として「降雨予測情報を用いた土砂災害発生予測システムの開発事例」(非特許文献2を参照されたい。)があるが、これも降雨観測システムで得られた高密度の降雨データおよびその予測情報に基づき、土砂災害の発生を予測するものであり、広域の気象データから直接的に広域の土砂災害を予測することはできない。
【非特許文献1】
「土砂災害警戒避難支援のための個別斜面に対するがけ崩れ発生限界雨量線の設定手法」(平成14年度砂防学会研究発表会概要集、2002年 発行、p106 〜107 、倉本和正他 )
【非特許文献2】
「降雨予測情報を用いた土砂災害発生予測システムの開発事例」(平成13年度砂防学会研究発表会概要集、2001 年発行、p198 〜199 、友村光秀他 )
【0005】
【発明が解決しようと−する課題】
本発明の目的は、上述した諸課題を解決し、広域の気象データから直接的に土砂災害・山地災害の発生を予測するシステム、方法、およびプログラムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による広域の土砂災害予測システムは、
対象地域における少なくとも1つの高度の湿数および風速・風向を含む高層気象データ、および、対象地域における前線の停滞の有無および低気圧または台風の対象地域への接近の有無に基づく前線・進路スコア、を入力する入力手段と、
前記入力された諸データを格納する格納手段と、
前記入力・格納された、高層気象データ、および前線・進路スコアに基づき、所定のシステムや格納装置にある、予め過去のデータで学習させたニューラルネットワーク(NNW)による解析、或いは、過去のデータによる重判別解析(MDA)で求めた重判別式を用いて、約半日後から約1日後の山地の土砂災害・斜面災害(崩壊、地すべり、土石流災害など)が発生するのか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果を表示する表示手段と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、インターネットを通じて無料で入手可能な高層天気図から抽出した上記のような少数のデータ要因から、梅雨や秋雨などの前線、或いは台風による土砂災害の発生を簡便かつ直接的、さらには高精度に予測することが可能となる。このような予測を有効に活用することによって、災害への対策を講ずるなどにより被害を最小限にすることができる。また、地域の開発行為や温暖化などにより降雨パターンと災害との関連性が変化しても、使用する気象要因が少ないためシステムの調整が容易である。
【0007】
また、本発明による広域の土砂災害予測システムは、
前記判定手段は、所定の少なくとも1つの閾値を用いて土砂災害発生の危険度の程度をランク付けするランク付け手段を含む、
ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば2つの閾値を用いれば、土砂災害発生の危険度の程度を「危険度大」、「危険度中」、「危険度小」という複数の段階でランク付けすることができる。従って、このランク付けをユーザに提示することが可能であるため、ユーザは、容易かつ直感的に土砂災害発生の危険度を把握することができるようになる。
【0008】
また、本発明は上述したシステム(装置)の形態だけでなく、これらシステムに実質的に相当する方法、プログラム、或いはそのプログラムを格納した記録媒体などの形態でも実施し得る。
例えば、本発明による広域の土砂災害予測方法は、
対象地域における少なくとも1つの高度の湿数および風速・風向を含む高層気象データ、および、対象地域における前線の停滞の有無および低気圧または台風の対象地域への接近の有無に基づく前線・進路スコアを入力し記憶手段に格納する入力ステップと、
前記入力・格納された、高層気象データ、および前線・進路スコアに基づき、記憶手段に格納されている予め過去のデータで学習させたニューラルネットワーク(NNW)による解析或いは過去のデータによる重判別解析(MDA)で求めた重判別式を用いて、約半日後から約1日後の山地の土砂災害・斜面災害(崩壊、地すべり、土石流災害など)が発生するのか否かを演算手段(CPUなど)を使用して判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果を表示手段に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする。
また、本発明による方法は、
前記判定ステップが、所定の少なくとも1つの閾値を用いて土砂災害発生の危険度の程度をランク付けするランク付けステップを含む、
ことを特徴とする。
【0009】
例えば、本発明による広域の土砂災害予測方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記方法が、
対象地域における少なくとも1つの高度の湿数および風速・風向を含む高層気象データ、および、対象地域における前線の停滞の有無および低気圧または台風の対象地域への接近の有無に基づく前線・進路スコアを入力し記憶手段に格納する入力ステップと、
前記入力・格納された、高層気象データ、および前線・進路スコアに基づき、記憶手段に格納されている予め過去のデータで学習させたニューラルネットワーク(NNW)による解析或いは過去のデータによる重判別解析(MDA)で求めた重判別式を用いて、約半日後から約1日後の山地の土砂災害・斜面災害(崩壊、地すべり、土石流災害など)が発生するのか否かを演算手段(CPUなど)を使用して判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果を表示手段に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする。
また、本発明によるプログラムは、
前記判定ステップが、所定の少なくとも1つの閾値を用いて土砂災害発生の危険度の程度をランク付けするランク付けステップを含む、
ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、諸図面を参照しつつ本発明の実施態様を詳細に説明する。
図1は、本発明による土砂災害予測システムを構成する基本コンポーネントを示すブロック図である。図に示すように、本発明による土砂災害予測システム100は、入力手段110、判定手段120、ランク付け手段130、表示手段140、および格納手段150を含む。入力に必要な予測対象地域の気象データは、インターネットなどのネットワーク上でデータを公開している気象データサーバからネットワークを介して受信する、或いは、ユーザや本システムの管理者から入力された気象データを直接的に或いはインターネットを介して受信する。このようにして受信した気象データを入力手段110で入力し、格納手段150に一旦格納する。この入力を受けて判定手段120は、過去の気象データおよび災害データで学習させたニューラルネットワークによる解析、または、過去の気象データおよび災害データによる重判別分析を用いて広域(概ね1つの都道府県程度のエリア)の予測対象地域で約半日後〜約1日後に土砂災害・山地災害が発生するか否かを判定する。
【0011】
図2は、南九州を対象地域とした本発明による土砂災害予測方法の処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。図に示すように、ステップS10では、入力者が梅雨期、台風期、或いは、その他の時期かを判断して入力する。その他の時期である場合は、予測困難であるとして処理を終える。梅雨の場合は、ステップS20aで、気象要因として鹿児島の850hpa高度の風速と湿数、梅雨前線の位置とメソ低気圧の有無などを入力する。他方、台風の場合は、ステップS20bで、気象要因として台風最接近時の半日〜1日前における鹿児島の850hpa高度の風速と湿数などを入力する。なお、予測の精度を向上させるために、風向きが「北寄り」或いは「東寄り」の場合は、実際の風速ではなく、風速0とする。梅雨の場合はステップS30aで、台風の場合はステップS30bで、それぞれ、ニューラルネットワーク計算、または重判別式による計算を行い、土砂災害が発生するか否かを判定する。同様に、ステップS40a或いはS40bでは、前段のステップの判定に基づき、土砂災害の危険度を3段階(危険大、中、小)で表示(出力)して、処理を終える。なお、ステップS30a、S30bにおける災害発生の判定は、NNW3層完全結合型BP(バックプロパゲーション方式)ネットの学習結果、もしくは重判別解析で求めた重判別式のどちらか的中率の良い方を用いることが好適である。
なお、予測精度の観点から、使用する気象要因は、入手可能な複数の気象要因のうちの少なくとも3つを選択することが望ましく、さらにこの選択は予測対象地域別に最適なものを選択するよう調整することが望ましい。
【0012】
次に、過去のデータによる重判別解析で求めた重判別式を数例挙げる。例えば、梅雨時期の場合の判別式は下記のようになる。
Xc=a・W850+b・Td850+c・FmLs+d (1)
ここでXcは判別関数であり、a、b、c、およびdは各気象要因に関する観測点別の係数であり、予測地域別に最適なものに設定することが望ましい。例えば、南九州の場合は、a=0.115、b=−0.538、C=3.13、D=−0.875と設定する。また、W850は850hpa高度の風速(m/s、北向きの風は0とする。)、FmLsは前線スコア、そしてTd850は850hpa高度の湿数(℃、露点温度と気温との差)でありる。さらに、Xc=0.0が閾値であり、Xc>0.0で土砂災害発生と予測する。
【0013】
例えば、台風の場合の判別式は下記のようになる。
Xc=a・W850+b・Td850+c・FmLs+d (2)
ここでXcは判別関数であり、a、b、c、およびdは各気象要因に関する観測点別の係数であり、予測地域別に最適なものに設定することが望ましい。例えば、南九州の場合は、a=0.197、b=−0.181、C=0.00、D=−3.81と設定する。また、W850は850hpa高度の風速(m/s、北向きの風は0とする。)、FmLsは進路スコア、そしてTd850は850hpa高度の湿数(℃、露点温度と気温との差)でありる。さらに、Xc=0.0が閾値であり、Xc>0.0で土砂災害発生と予測する。
【0014】
本発明で入力データとして用いる前線・進路スコアFmLsは、基本的に過去の災害気象に共通した気象学的研究・予報業務の経験則により設定するが、スコア値の感度分析(値を変化させたときの予測的中率の増減の分析)により、最適な値を設定することが望ましい。例えば、九州北部〜中国地方では、前線か低気圧のみのどちらかが当該地域に存在する場合のスコアFmLs=0.5、を0.2、0.3、0.4、0.7に変化させて解析を試みたが、結局、前線か低気圧のみのどちらかが当該地域に存在する場合の災害は発生事例が少なく、スコアが0.1に近い方が的中率が上がるという当然の結果しか得られなかった。しかし、このような前線か低気圧のみが当該地域に存在する場合でも経験的に災害が生ずる可能性があることはわかっているという理由からFmLs=0.5を用いた。
【0015】
図3は、本発明による土砂災害予測システムで用いたニューラルネットワークの一例を示す図である。図に示すように、ニューラルネットワークは入力層、隠れ層(学習・判断を行う領域)、および出力層の3層からなり、入力層は入力要因数だけのユニットを、隠れ層は入力層と同数のユニットを、出力層は1つのユニットをそれぞれ持つ。この一例では、異なる層のユニットが相互に関連付けられて情報を交換できる完全結合型で、学習形式が学習データ(過去の災害発生・非発生時の気象データからなる教師信号)を用いたフィードバック学習を行う「BP(バックプロパゲーション)ネット」を使用している。
【0016】
次に、本発明による土砂災害予測システムを用いて、予測対象地域として南九州型の鹿児島地方を選択し、梅雨期間の土砂災害の発生を重判別解析で予測する実験を行った。本システムで使用する気象要因としては、梅雨前線の九州上での停滞の有無とメソ低気圧の東シナ海〜九州上空への接近の有無に基づく前線・進路スコアFmLs(例えば、前線かつ低気圧の場合は1.0、前線のみの場合は0.5、双方とも無しの場合は0.0とする。これは対象地域別に調整することが望ましい。)、鹿児島の下層・中層の水蒸気供給や気象条件を代表する高層気象データ(850hpa、700hpa高度湿数T−Tdと風速W)を要因として使用するほか、福岡、名瀬、韓国チェジュ島のデータも要因として使用し比較検討した。結果的に福岡、名瀬、チェジュは、予測対象地域の鹿児島での土砂災害発生時に下層ジェットが見られないことや湿数T−Tdが大きいことも多く、災害条件の要因としては不適切であると思われたため使用しなかった。また、700hpa、850hpa各高度の湿数T−Td、風速Wと前線・進路スコアを用いた場合に最も的中率が高い結果を得たが、「過適応」の問題として700hpaの風が弱いほど災害が発生することになるなど降水の機構に反するので、「700hpa、850hpa各高度の湿数T−Tdと前線・進路スコアFmLs」、または、「850hpa高度の湿数T−Td、風速W、前線・進路スコアFmLs」を用いて、本発明によるシステムで重判別解析を行った。それぞれの結果を比較すると、土砂災害発生の的中率Rhは、前者が0.875、後者が0.857となり、マハラノビスの平方距離はそれぞれ約3.34、3.77(この値は大きいほど精度が良い)となり、災害発生のみに着目した的中率(Critical Success Index)であるスレットスコアTsはそれぞれ0.75、0.76となった。災害のようなものが対象では、RhよりもTsの精度が高いことが重要であるうえ、気象学的な降水メカニズムとも矛盾しないため、後者の気象要因、即ち、「850hpa高度の湿数T−Td、風速W、前線・進路スコアFmLs」を用いるほうが望ましい。同様の重判別解析による予測実験を気象要因が南九州とほぼ同じ中国地方の梅雨に対して行ったが、Rh=0.938、Ts=0.800が得られた。このように予測精度は南九州よりも山陰地方のほうがやや高かった。
【0017】
次に、ニューラルネットワーク(図3に示した3層完全結合型BPネット)を利用して、本発明による土砂災害予測システムを用いた同様の予測実験を行った。許容誤差は既往の研究に準じて0.01とし、学習データは温暖化などの影響に配慮し、かつ、災害発生・非発生データを同数にするため、1993 ̄1995年の16データを使用した。予測対象は1993 ̄2000年のものを中心に一部1969 ̄1986年の16データとした。予測結果は、Rh=0.842、Ts=0.750、見逃し率=0.182、空振り率=0.125という良好な予測結果になった。ちなみに、1998年の気象学会のデータによれば気象庁の短時間降水予測のTsは0.3 ̄0.6程度であり、本発明による予測のほうが遥かに精度が良い。なお、同様にニューラルネットワークを用いた本システムによって、中国地方の梅雨時期の土砂災害を予測した結果、Rh=0.875 ̄0.926、Ts=0.268 ̄0.400となり、Tsが鹿児島の場合よりも低くなった。これは、鹿児島よりも中国地方の方が、気象条件がやや複雑であることや学習データの差によるものと考えられる。
【0018】
本明細書では、様々な実施態様で本発明の原理を説明してきたが、本発明は上述した実施例に限定されず幾多の変形および修正を施すことが可能であり、これら変形および修正されたものも本発明に含まれることを理解されたい。
例えば、実施態様では、南九州と山陰・中国地方を対象地域として災害予測を行ったが、他の地域であっても本発明の原理は適用可能であり、災害発生を予測することができる。また、本発明による予測システムを実施した予測結果によれば、半日後から1日後の範囲の的中率が非常に良好であることが判明している。しかしながら、予測精度は若干低下するが、本発明は、半日よりも前、或いは24時間経過後の時間の災害発生も予測し得ることに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による土砂災害予測システムを構成する基本コンポーネントを示すブロック図である。
【図2】南九州を対象地域とした本発明による土砂災害予測方法の処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明による土砂災害予測システムで用いたニューラルネットワークの一例を示す図である。
【符号の説明】
110 入力手段
120 判定手段
130 ランク付け手段
140 表示手段
150 格納手段
Claims (6)
- 広域の土砂災害予測システムであって、
少なくとも1つの高度の湿数および風速を含む高層気象データ、および、前線の停滞の有無および低気圧または台風の対象地域への接近の有無に基づく前線・進路スコア、を入力する入力手段と、
前記入力された、高層気象データおよび前線・進路スコアに基づき、予め過去のデータで学習させたニューラルネットワークによる解析或いは過去のデータによる重判別解析で求めた重判別式を用いて、土砂災害が発生するのか否かを判定する判定手段と、
を含むことを特徴とする土砂災害予測システム。 - 請求項1に記載の土砂災害予測システムにおいて、
前記判定手段は、所定の少なくとも1つの閾値を用いて土砂災害発生の危険度の程度をランク付けするランク付け手段を含む、
ことを特徴とするシステム。 - 広域の土砂災害予測方法であって、
対象地域における少なくとも1つの高度の湿数および風速・風向を含む高層気象データ、および、対象地域における前線の停滞の有無および低気圧または台風の対象地域への接近の有無に基づく前線・進路スコアを入力する入力ステップと、
前記入力された、高層気象データ、および前線・進路スコアに基づき、記憶手段に格納されている予め過去のデータで学習させたニューラルネットワークによる解析或いは過去のデータによる重判別解析で求めた重判別式を用いて、土砂災害が発生するのか否かを演算手段を使用して判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果を表示手段に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項3に記載の土砂災害予測方法において、
前記判定ステップは、所定の少なくとも1つの閾値を用いて土砂災害発生の危険度の程度をランク付けするランク付けステップを含む、
ことを特徴とする方法。 - 広域の土砂災害予測方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記方法が、
対象地域における少なくとも1つの高度の湿数および風速・風向を含む高層気象データ、および、対象地域における前線の停滞の有無および低気圧または台風の対象地域への接近の有無に基づく前線・進路スコアを入力する入力ステップと、
前記入力された、高層気象データ、および前線・進路スコアに基づき、記憶手段に格納されている予め過去のデータで学習させたニューラルネットワークによる解析或いは過去のデータによる重判別解析で求めた重判別式を用いて、土砂災害が発生するのか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果を表示手段に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とするプログラム。 - 請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記判定ステップが、所定の少なくとも1つの閾値を用いて土砂災害発生の危険度の程度をランク付けするランク付けステップを含む、
ことを特徴とするプログラム。
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