【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの製造方法に関するものであり、装飾用ディスプレー等の用途に使用される比較的外径の大きいプラスチック光ファイバの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建物や橋の照明、噴水の照明などの装飾照明、あるいは装飾用ディスプレー用途として、側面より均一に光を出射させることによって長距離にわたって照明を行うことを可能とした3〜110mm程度の外径を有する大口径プラスチック光ファイバが用いられている。
このような大口径プラスチック光ファイバとしては、従来、中空管状のクラッドの中空部にコア材として液状のモノマーを充填したものが用いられていた。しかしながら、このような液状のモノマーを充填した大口径光ファイバは取り扱い性が悪いものであった。
【0003】
そこで、コア材が固体である大口径プラスチック光ファイバが提案されている。このようなコア材が固体である大口径プラスチック光ファイバを製造する方法としては、中空管状のクラッド材にコア材を形成し得るモノマーを充填した後、このモノマーを重合する方法(特許文献1,2)等が挙げられる。しかし、クラッドにモノマーを充填して重合させた場合には、コア材の重合収縮によって、クラッドとコアとの界面に剥離が生じるという問題を有していた。このような界面剥離は内部欠陥となり、大口径プラスチック光ファイバの光伝送特性を損なうものであった。
【0004】
このような問題を解決するため、クラッドにモノマーを充填して重合させる際に、上記モノマーの充填下部からモノマーの充填上部に向けて順次重合させることによりコアを得る方法(特許文献3)、窒素などの不活性ガスによって、クラッドに充填したコアを形成するモノマーの液面をクラッドの軸方向に向けて加圧しながら重合してコアを形成する方法(特許文献4、5)等が報告されている。
【特許文献1】
特開平08−184715号公報
【特許文献2】
特開平08−240727号公報
【特許文献3】
特開平07−168029号公報
【特許文献4】
特開平07−168028号公報
【特許文献5】
特開平08−240726号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献4、5に記載の窒素などの不活性ガスによる加圧下でコア材を重合させることによって製造された大口径プラスチック光ファイバは、屋外で使用された場合、特に気温の上昇などによって高温となる環境下で使用された場合には、側面光が変色するという問題を有していた。特に、大口径プラスチック光ファイバが上記のような高温環境下に部分的に曝された場合、一本のファイバにおいて、変色部分と未変色部分が存在するため、装飾用光ファイバとしては適さなくなってしまうことがあった。また、光源と大口径プラスチック光ファイバの接続部分では常時高温となるため、接続部近傍から出射される側面光の色が局部的に変色してしまう問題があった。
【0006】
すなわち、本発明の目的は、熱安定性に優れ、側面光の変色がなく均一な光を出射できる大口径プラスチック光ファイバの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、プラスチック光ファイバを、酸素含有雰囲気下で、コアを構成する重合体のガラス転移温度よりも30℃以上高い温度で熱処理をすることによって、熱安定性に優れ、側面光の色安定性に優れた大口径プラスチック光ファイバの製造ができることを見出した。すなわち、本発明の光ファイバの製造方法は、中空管状のクラッドの中空部に、重合体の屈折率がクラッド材よりも高いモノマーを充填し、このモノマーの液面を加圧しながら該モノマーを重合しコアを作成した後に、酸素含有雰囲気下において、コアを構成する重合体のガラス転移温度より30℃以上高い温度で熱処理を行うことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の光ファイバの製造方法は、中空管状のクラッドの中空部にこのクラッド材よりも高い屈折率を有する重合体を形成するモノマーを充填し、このモノマーを重合した後、酸素含有雰囲気下で熱処理を施すものである。本発明において中空管状のクラッドを構成するクラッド材としては可とう性を有し、チューブ状に成形可能でかつ屈折率の低い材料を用いることが好ましい。具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体、フッ素系ポリマー、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、EPDM、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、フッ素ゴム、シリコンゴム、ポリジメチルシロキサンポリマー、ポリメチルフェニルシロキサンポリマー、フルオロシリコンポリマーなどのシリコン系ポリマー等が挙げられる。
【0009】
これらの中でも屈折率が低いフッ素系ポリマーが特に好ましく、具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体(PFE)、ポリクロルトリフルオロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、フッ化ビニリデン−三フッ化塩化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体、四フッ化エチレンプロピレンゴム、フッ素系熱可塑性エストラマー等が挙げられる。
【0010】
これらの材料は単独でまたは二種以上をブレンドして用いることができ、単管または多重管として用いることができる。また、コアが接する内面をコーティング又は二重押し出しなどの方法によって平滑に処理することもできる。
なお、クラッドは一般的には外径3〜110mm、内径2〜100mm程度、長さ1〜100m程度の大きさである。
【0011】
一方、上記クラッド材の中空部内に充填され、コアを形成するモノマーは、液状で、かつ上記クラッド材よりも高屈折率を有する(共)重合体を形成するものであれば特に制限されないが、クラッドとの密着性や、透明性の観点から、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルモノマーの1種または2種以上からなることが好ましい。 (メタ)アクリル酸エステルとしては(メタ)アクリル酸と炭素数1〜18、特に1〜13のアルコールとのエステルを用いることができる。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、 (メタ)アクリル酸等を用いることが好ましい。
【0012】
上記モノマーを重合させる方法としては、モノマーの種類に応じた公知の方法を採用すればよい。例えば、上記(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルに対しては、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、クミルパーオキシオクトエートなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリルなどのアゾ化合物等の重合開始剤を用い、50〜120℃で1〜20時間重合することができる。また、光重合開始剤を用いて、紫外線等の活性化エネルギー線を照射して重合することができる。
【0013】
また、重合にあたっては、クラッドの一端、即ちモノマーの充填下部側からクラッド材の他端、即ちモノマーの充填上部に向けて順次重合していく方法が好ましい。
【0014】
このようなモノマーを順次重合させる方法としては、例えば重合温度に加熱した一定温度の恒温水槽あるいは油槽の中にコアを形成するモノマーを充填したクラッド材をその一端部側から順次段階的に浸漬していく方法、あるいはクラッド材一端部側から順次段階的に又は連続的に紫外線などの光を照射する方法などを採用することができる。この場合、重合させるモノマーの全量をクラッドに一度に充填しておいてもよいが、重合の進行に応じて逐次的にクラッドにモノマーを供給してもよい。後者の場合、先に充填したモノマーの重合が終了する前に、少なくともモノマーが重合途上で液状である段階で新たなモノマーを供給することが好ましい。
【0015】
また、コアを形成するモノマーの重合を行う際、クラッドに充填されたモノマーの液面をクラッドの軸方向に加圧しながら重合をさせることが、コアとクラッドとの界面に泡状空隙や剥離などの内部欠陥がなく、歪のない均質なコアをより確実に形成することができるため好ましい。加圧は気体によって行うことができ、例えば一端開口部を封止した中空管状クラッド中空部にモノマーを充填し、真空装置および窒素ガス等の不活性ガス供給装置(ボンベ、ポンプなど)に接続できるようにしたホースの端部をクラッドの他端部に気密に接続し、残存する空気を除去した後、圧力のかかった不活性ガスをクラッドの中空部に供給し、この状態でクラッドを加温して重合を行う方法を採用することができる。このような方法でモノマー液面上方のクラッド中空部を不活性ガスで置換し、重合を不活性ガス雰囲気下で行うことにより、酸素の存在による重合反応の抑制を防止し、重合反応を促進させることができる。
【0016】
なお、加圧の方法は上記のように気体を用いる方法に限定されず、また、モノマーに加える圧力は、重合反応中一定である必要はなく、コアとクラッドとの界面に泡状空隙や剥離等の内部欠陥がなく、しかも歪のない均質なコアを形成することができる条件であれば良い。モノマー液面に加える圧力は、2〜10kg/cm2、特に3〜5kg/cm2の範囲が好ましい。加える圧力が2kg/cm2より低いと圧力を加えた効果が生じない場合があり、一方5kg/cm2より圧力を高くするとクラッド材が圧力に耐えられない場合がある。
【0017】
また、クラッドにモノマーを充填する際、このクラッドの一端開口部の封止、及びモノマー重合後のクラッドの他端の封止には、封止栓を用いることができる。封止栓としては、透明性が要求される場合には石英ガラス、多成分ガラス、サファイヤ、水晶、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・EPDM・スチレン三元共重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルペンテン、アリルジグリコールカーボネート樹脂、スピラン樹脂、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリアリルサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ジアリルフタレート、フッ素樹脂、ポリエステルカーボネート、シリコン樹脂などの透明材料を用いることが好ましく、この中でも石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、多成分ガラスなどの無機ガラスが耐熱性にも優れ、化学的にも安定であるため、好ましい。
【0018】
封止栓に透明性が要求されない場合には、上記材料の他に金属やセラミック材料も用いることができる。この場合には、封止栓で光を反射させ、側面からの発光を増加させるために、封止栓の少なくともコアと接する面を研磨したり、反射膜を設けることが好ましい。
【0019】
重合させた後、酸素含有雰囲気下で熱処理することが重要である。酸素雰囲気下に曝された状態で、特定の温度で加温する状態であれば特に制限はなく、空気中で常圧で加熱する方法などが挙げられる。酸素濃度は、空気中の酸素濃度より低くても良いが、酸素濃度を極端に高くした場合は副反応が起こる場合があるので、空気中の酸素濃度程度とすることが好ましい。コアを形成するモノマーを重合する場合、クラッドの中空部分内は窒素などの不活性ガスによって加圧状態になっており、なおかつ湯槽或いは油槽などの中にチューブ全体を浸けているため、酸素雰囲気下に曝されていない状態である。コアを完全に重合させた後、湯槽あるいは油槽から取り出し、窒素などの不活性ガスによる加圧を止めてクラッドの両端を開放し、空気中に曝すことで酸素含有雰囲気下とすることができる。このように本発明においては、コアを重合する際には不活性ガス雰囲気など、酸素の非存在下で行い、重合後酸素雰囲気下で熱処理することで、熱安定性に優れ、側面光の色安定性に優れた大口径プラスチック光ファイバを製造することができる。
【0020】
また、常圧、酸素含有雰囲気下での熱処理は、コアを構成する重合体のガラス転移温度プラス30℃以上の温度で行うことにより、熱安定性に優れ、側面光の色安定性に優れた光ファイバを短時間で得ることができる。好ましくはコアを構成する重合体のガラス転移温度より40℃以上70℃以下の温度であり、さらに好ましくはコアを構成する重合体のガラス転移温度より50℃以上60℃以下の温度である。
【0021】
上記のコアを形成するモノマーとして、メチルメタクリレート、アルキルメタクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレートからなり、ガラス転移温度が8.3℃である共重合体を用いた場合には、酸素含有雰囲気下で約38℃以上の温度で熱処理すればよい。好ましくは48℃以上78℃以下であり、さらに好ましくは58℃以上68℃以下である。
【0022】
熱処理温度が低い場合には、効果を十分に得られない場合がある。また、熱処理温度が高い場合には、分解反応などが起こり輝度の低下や側面光の黄変、劣化等の問題が生じる可能性がある。ここでコアを構成する重合体のガラス転移温度とは、動的熱機械測定により求めた動的損失率曲線のピーク温度である。
【0023】
熱処理する時間は、熱処理温度がコアを構成する重合体のガラス転移温度より30℃以上の場合であれば1時間以上100時間以内の範囲、ガラス転移温度より50℃以上60℃以下の温度で熱処理する場合は、1時間以上15時間以内が好ましい。特に、酸素含有雰囲気下でガラス転移温度より50℃以上60℃以下の温度で数時間程度加熱することが最も効率的である。また、熱処理時間の上限は特にないが、長時間加熱を行うと分解反応や劣化が起こる可能性があり、1000時間以下とすることが好ましい。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【実施例1】
外径13.2mm、内径12mm、長さ30mの四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体製の中空管状のクラッドの中空部に下記モノマーの混合物を充填した。
メチルメタクリレート 36.2重量部
アルキルメタクリレート 59.2重量部
ヒドロキシメチルメタクリレート 3.8重量部
ラウロイルパーオイサイド 0.8重量部
次に、このクラッドの両端開口部から窒素ガスを導入し、モノマー液面にクラッドの軸方向に対して3kg/cm2の圧力を加えた。この状態でクラッドの一端から50cmまでの部分を75℃の恒温層に3時間浸漬し、モノマー混合物の重合を行った。次いでクラッドの残りの部分を恒温槽に浸漬し、4時間モノマー混合物を重合させてガラス転移温度8.3℃のコアを形成した。重合後、常圧に戻して光ファイバを恒温槽から取り出し、全体を65℃の空気中で5時間熱処理して大口径プラスチック光ファイバを作成した。
得られた大口径プラスチック光ファイバは、コアとクラッドとの剥離がなく、空隙も認められなかった。また、1000時間の耐熱試験(65℃)後においても光伝送特性は劣化せず熱安定性に優れ、側面光の変色は認められなかった。
【0025】
【実施例2】
モノマー混合物の重合後、常圧に戻して光ファイバを恒温槽から取り出し、全体を75℃の空気中で5時間熱処理した以外は実施例1と同様にして大口径プラスチック光ファイバを作成した。得られた大口径プラスチック光ファイバは、コアとクラッドとの剥離がなく、空隙も認められなかった。また、1000時間の耐熱試験(65℃)後においても光伝送特性は劣化せず熱安定性に優れ、側面光の変色は認められなかった。
【0026】
【比較例1】
モノマー混合物の重合後の熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様にずに大口径プラスチック光ファイバを作成した。得られた大口径プラスチック光ファイバは、コア材とクラッド材との剥離がなく、空隙も認められなかった。しかし、1000時間の耐熱試験(65℃)後において光伝送特性の劣化が見られ、側面光の変色も認められた。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、熱安定性および側面光の色安定性に優れ、屋外使用時においても側面光の変色や色の不均一などが見られない大口径プラスチック光ファイバを提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing an optical fiber, and more particularly, to a method for manufacturing a plastic optical fiber having a relatively large outer diameter used for applications such as a decorative display.
[0002]
[Prior art]
In recent years, for decorative lighting such as lighting of buildings and bridges, lighting of fountains, and decorative display applications, it has been possible to illuminate over a long distance by emitting light evenly from the side surface, with a distance of about 3 to 110 mm. A large-diameter plastic optical fiber having a diameter is used.
Conventionally, as such a large-diameter plastic optical fiber, a fiber in which a hollow portion of a hollow tubular cladding is filled with a liquid monomer as a core material has been used. However, large-diameter optical fibers filled with such a liquid monomer have poor handling properties.
[0003]
Therefore, a large-diameter plastic optical fiber having a solid core material has been proposed. As a method for producing such a large-diameter plastic optical fiber in which the core material is solid, a method of filling a monomer capable of forming a core material into a hollow tubular cladding material and then polymerizing the monomer (Patent Document 1, 2) and the like. However, when the clad is filled with a monomer and polymerized, there is a problem that the shrinkage of the core material causes separation at the interface between the clad and the core. Such interfacial delamination becomes an internal defect and impairs the optical transmission characteristics of the large-diameter plastic optical fiber.
[0004]
In order to solve such a problem, a method of obtaining a core by sequentially polymerizing from the lower part of the monomer filling to the upper part of the monomer filling when filling and polymerizing the cladding with a monomer (Patent Document 3) (Patent Literatures 4 and 5) have been reported, for example, in which a liquid surface of a monomer forming a core filled in a clad is polymerized while being pressed in an axial direction of the clad with an inert gas such as an inert gas. I have.
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 08-184715 [Patent Document 2]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 08-240727 [Patent Document 3]
JP 07-168029 A [Patent Document 4]
JP-A-07-168028 [Patent Document 5]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 08-240726
[Problems to be solved by the invention]
However, large-diameter plastic optical fibers produced by polymerizing a core material under pressure with an inert gas such as nitrogen described in Patent Literatures 4 and 5 are not suitable for outdoor use, particularly when the temperature rises. When used in an environment where the temperature is high, there is a problem that side light is discolored. In particular, when the large-diameter plastic optical fiber is partially exposed to the high temperature environment as described above, in one fiber, since there is a discolored portion and an undiscolored portion, it is not suitable as a decorative optical fiber. There was sometimes. Further, since the temperature of the connection between the light source and the large-diameter plastic optical fiber is always high, there is a problem that the color of the side light emitted from near the connection is locally discolored.
[0006]
That is, an object of the present invention is to provide a method for producing a large-diameter plastic optical fiber which has excellent thermal stability and can emit uniform light without discoloration of side light.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in order to solve the above-mentioned problems. As a result, the plastic optical fiber was heat-treated in an oxygen-containing atmosphere at a temperature 30 ° C. or more higher than the glass transition temperature of the polymer constituting the core. It has been found that a large-diameter plastic optical fiber having excellent thermal stability and excellent color stability of side light can be manufactured by the above method. That is, in the optical fiber manufacturing method of the present invention, the hollow portion of the hollow tubular cladding is filled with a monomer having a higher refractive index of the polymer than the cladding material, and the monomer is polymerized while pressurizing the liquid surface of the monomer. After forming the core, heat treatment is performed at a temperature higher than the glass transition temperature of the polymer constituting the core by 30 ° C. or more in an oxygen-containing atmosphere.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the method for producing an optical fiber of the present invention, the hollow portion of the hollow tubular cladding is filled with a monomer that forms a polymer having a higher refractive index than the cladding material, and after polymerizing the monomer, under an oxygen-containing atmosphere. The heat treatment is performed. In the present invention, as the clad material constituting the hollow tubular clad, it is preferable to use a material which has flexibility, can be formed into a tube shape, and has a low refractive index. Specific examples include polyethylene, polypropylene, polyamide, polystyrene, ABS resin, polymethyl methacrylate, polycarbonate, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polyvinyl acetate, polyethylene-vinyl acetate copolymer, polyvinyl alcohol, and polyethylene-polyvinyl alcohol. Polymer, fluorinated polymer, natural rubber, polyisoprene rubber, polybutadiene rubber, styrene-butadiene copolymer, butyl rubber, halogenated butyl rubber, chloroprene rubber, acrylic rubber, EPDM, acrylonitrile-butadiene copolymer, fluorine rubber, silicon rubber And a silicon-based polymer such as a polydimethylsiloxane polymer, a polymethylphenylsiloxane polymer, and a fluorosilicone polymer.
[0009]
Among these, a fluorine-based polymer having a low refractive index is particularly preferred, and specifically, polytetrafluoroethylene (PTFE), ethylene tetrafluoride-propylene hexafluoride copolymer (FEP), and ethylene tetrafluoride-perfluoroalkoxy Ethylene copolymer (PFE), polychlorotrifluoroethylene (PCTFE), ethylene tetrafluoride-ethylene copolymer (ETFE), polyvinylidene fluoride, polyvinyl fluoride, vinylidene fluoride-ethylene trifluoride ethylene copolymer And terpolymers of vinylidene fluoride-propylene hexafluoride-ethylene tetrafluoride, ethylene propylene tetrafluoro rubber, and fluorine-based thermoplastic elastomers.
[0010]
These materials can be used alone or as a blend of two or more, and can be used as a single tube or a multiple tube. Further, the inner surface in contact with the core can be smoothed by a method such as coating or double extrusion.
The clad generally has an outer diameter of 3 to 110 mm, an inner diameter of about 2 to 100 mm, and a length of about 1 to 100 m.
[0011]
On the other hand, the monomer that is filled in the hollow portion of the clad material and forms the core is not particularly limited as long as it forms a (co) polymer that is liquid and has a higher refractive index than the clad material. From the viewpoint of the adhesion to the clad and the transparency, it is preferable to use one or more of (meth) acrylic acid and (meth) acrylate monomers. As the (meth) acrylic acid ester, an ester of (meth) acrylic acid and an alcohol having 1 to 18 carbon atoms, particularly 1 to 13 carbon atoms, can be used. Specifically, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 2-methoxyethyl (meth) acrylate, methoxypolyethylene glycol (meth) acrylate, phenoxypolyethylene glycol (meth) acrylate, cyclohexyl ( It is preferable to use (meth) acrylate, benzyl (meth) acrylate, dimethylaminoethyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, (meth) acrylic acid, or the like.
[0012]
As a method of polymerizing the monomer, a known method according to the type of the monomer may be employed. For example, for the above (meth) acrylic acid and (meth) acrylic acid ester, t-butyl hydroperoxide, di-t-butyl peroxide, lauroyl peroxide, benzoyl peroxide, dimyristyl peroxydicarbonate, Organic peroxides such as t-butylperoxyacetate, t-butylperoxy (2-ethylhexanoate) and cumylperoxyoctoate; azo compounds such as azobisisobutyronitrile and azobiscyclohexanenitrile; Using a polymerization initiator, polymerization can be carried out at 50 to 120 ° C. for 1 to 20 hours. Further, polymerization can be carried out by irradiating an activation energy ray such as ultraviolet rays using a photopolymerization initiator.
[0013]
In the polymerization, a method is preferable in which polymerization is sequentially performed from one end of the clad, that is, the lower side of the charged monomer, to the other end of the clad material, that is, the upper portion of the charged monomer.
[0014]
As a method of sequentially polymerizing such a monomer, for example, a cladding material filled with a monomer forming a core in a constant temperature water bath or an oil bath heated to a polymerization temperature is immersed in a stepwise manner from one end side thereof. Or a method of sequentially or stepwise irradiating light such as ultraviolet rays from one end of the clad material. In this case, the entire amount of the monomer to be polymerized may be filled in the clad at one time, or the monomer may be supplied to the clad sequentially as the polymerization proceeds. In the latter case, it is preferable to supply a new monomer at least at a stage where the monomer is in a liquid state during the polymerization before the polymerization of the previously charged monomer is completed.
[0015]
In addition, when polymerizing the monomer that forms the core, it is possible to perform the polymerization while pressing the liquid level of the monomer filled in the clad in the axial direction of the clad, such that foamy voids and peeling are generated at the interface between the core and the clad. This is preferable because a homogeneous core having no internal defects and having no distortion can be more reliably formed. Pressurization can be performed by gas. For example, a monomer can be filled in a hollow tubular clad hollow portion having an opening sealed at one end, and can be connected to a vacuum device and an inert gas supply device such as a nitrogen gas (cylinder, pump, etc.). After connecting the end of the hose to the other end of the clad in an airtight manner and removing the remaining air, an inert gas under pressure is supplied to the hollow part of the clad, and the clad is heated in this state. To carry out polymerization. In such a method, the clad hollow portion above the monomer liquid level is replaced with an inert gas, and the polymerization is performed in an inert gas atmosphere, thereby preventing the suppression of the polymerization reaction due to the presence of oxygen and promoting the polymerization reaction. be able to.
[0016]
The method of pressurization is not limited to the method using gas as described above, and the pressure applied to the monomer does not need to be constant during the polymerization reaction, and a foamy void or separation at the interface between the core and the clad is not required. Any condition may be used as long as there is no internal defect such as the above and a homogeneous core without distortion can be formed. The pressure applied to the monomer liquid surface is preferably in the range of 2 to 10 kg / cm 2 , particularly preferably 3 to 5 kg / cm 2 . If the applied pressure is lower than 2 kg / cm 2 , the effect of the applied pressure may not be produced, while if the applied pressure is higher than 5 kg / cm 2 , the clad material may not be able to withstand the pressure.
[0017]
When filling the clad with a monomer, a sealing stopper can be used for sealing one end opening of the clad and sealing the other end of the clad after monomer polymerization. As the sealing stopper, when transparency is required, quartz glass, multi-component glass, sapphire, crystal, polyethylene, polypropylene, ABS resin, acrylonitrile / styrene copolymer resin, styrene / butadiene copolymer, acrylonitrile / EPDM・ Styrene terpolymer, styrene / methyl methacrylate copolymer, methacrylic resin, epoxy resin, polymethylpentene, allyl diglycol carbonate resin, spirane resin, amorphous polyolefin, polycarbonate, polyamide, polyarylate, polysulfone, polyallyl sal Using transparent materials such as phone, polyether sulfone, polyether imide, polyimide, polyethylene terephthalate, diallyl phthalate, fluororesin, polyester carbonate, and silicone resin Since it is preferable, quartz glass Among them, Pyrex (registered trademark) glass, an inorganic glass such as multi-component glass is excellent in heat resistance, chemically stable, preferred.
[0018]
When transparency is not required for the sealing plug, a metal or ceramic material can be used in addition to the above materials. In this case, in order to reflect light with the sealing plug and increase light emission from the side surface, it is preferable to polish at least the surface of the sealing plug in contact with the core or to provide a reflective film.
[0019]
After the polymerization, it is important to perform a heat treatment in an oxygen-containing atmosphere. There is no particular limitation as long as it is heated at a specific temperature while exposed to an oxygen atmosphere, and examples thereof include a method of heating at normal pressure in air. The oxygen concentration may be lower than the oxygen concentration in the air. However, if the oxygen concentration is extremely high, side reactions may occur. When polymerizing the monomer that forms the core, the inside of the hollow portion of the clad is pressurized by an inert gas such as nitrogen, and the entire tube is immersed in a hot water bath or oil bath. It has not been exposed to. After the core is completely polymerized, it is taken out of the hot water tank or oil tank, the pressurization with an inert gas such as nitrogen is stopped, both ends of the clad are opened, and the clad is exposed to air, whereby an oxygen-containing atmosphere can be obtained. As described above, in the present invention, the core is polymerized in an inert gas atmosphere or the like in the absence of oxygen, and is heat-treated in an oxygen atmosphere after the polymerization, so that the core has excellent thermal stability and color of side light. A large-diameter plastic optical fiber having excellent stability can be manufactured.
[0020]
In addition, the heat treatment at normal pressure and in an oxygen-containing atmosphere is performed at a temperature higher than the glass transition temperature of the polymer constituting the core plus 30 ° C., resulting in excellent heat stability and excellent color stability of side light. An optical fiber can be obtained in a short time. The temperature is preferably from 40 ° C to 70 ° C from the glass transition temperature of the polymer constituting the core, and more preferably from 50 ° C to 60 ° C from the glass transition temperature of the polymer constituting the core.
[0021]
When a copolymer having a glass transition temperature of 8.3 ° C. is used as a monomer for forming the above-mentioned core, which is composed of methyl methacrylate, alkyl methacrylate, and hydroxymethyl methacrylate, the temperature is about 38 ° C. or more in an oxygen-containing atmosphere. The heat treatment may be performed at the above temperature. Preferably it is 48 to 78 degreeC, More preferably, it is 58 to 68 degreeC.
[0022]
If the heat treatment temperature is low, the effect may not be sufficiently obtained. In addition, when the heat treatment temperature is high, a decomposition reaction or the like may occur to cause a problem such as a decrease in luminance, yellowing or deterioration of side light. Here, the glass transition temperature of the polymer constituting the core is a peak temperature of a dynamic loss rate curve obtained by dynamic thermomechanical measurement.
[0023]
The heat treatment time ranges from 1 hour to 100 hours if the heat treatment temperature is 30 ° C. or higher than the glass transition temperature of the polymer constituting the core, and heat treatment at a temperature of 50 ° C. to 60 ° C. below the glass transition temperature. In this case, the time is preferably from 1 hour to 15 hours. In particular, it is most efficient to heat at a temperature of 50 ° C. or more and 60 ° C. or less from the glass transition temperature in an oxygen-containing atmosphere for about several hours. Although there is no particular upper limit on the heat treatment time, a decomposition reaction or deterioration may occur when heating is performed for a long time, and the heat treatment time is preferably 1000 hours or less.
[0024]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
Embodiment 1
A mixture of the following monomers was filled in a hollow portion of a hollow tubular clad made of a tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer having an outer diameter of 13.2 mm, an inner diameter of 12 mm, and a length of 30 m.
Methyl methacrylate 36.2 parts by weight Alkyl methacrylate 59.2 parts by weight Hydroxymethyl methacrylate 3.8 parts by weight Lauroyl peroiside 0.8 part by weight Next, nitrogen gas is introduced from both ends of the clad to give a monomer liquid level. Was applied with a pressure of 3 kg / cm 2 in the axial direction of the cladding. In this state, a portion from one end of the clad to 50 cm was immersed in a constant temperature layer at 75 ° C. for 3 hours to polymerize the monomer mixture. Next, the remaining part of the clad was immersed in a thermostat, and the monomer mixture was polymerized for 4 hours to form a core having a glass transition temperature of 8.3 ° C. After the polymerization, the pressure was returned to normal pressure, the optical fiber was taken out of the thermostat, and the whole was heat-treated in air at 65 ° C. for 5 hours to prepare a large-diameter plastic optical fiber.
In the obtained large-diameter plastic optical fiber, there was no separation between the core and the clad, and no void was observed. Further, even after a heat resistance test (65 ° C.) for 1000 hours, the light transmission characteristics were not deteriorated, the heat stability was excellent, and no discoloration of side light was observed.
[0025]
Embodiment 2
After polymerization of the monomer mixture, the pressure was returned to normal pressure, the optical fiber was taken out of the thermostat, and a large-diameter plastic optical fiber was prepared in the same manner as in Example 1 except that the whole was heat-treated in air at 75 ° C. for 5 hours. In the obtained large-diameter plastic optical fiber, there was no separation between the core and the clad, and no void was observed. Further, even after a heat resistance test (65 ° C.) for 1000 hours, the light transmission characteristics were not deteriorated, the heat stability was excellent, and no discoloration of side light was observed.
[0026]
[Comparative Example 1]
A large-diameter plastic optical fiber was prepared in the same manner as in Example 1 except that the heat treatment after the polymerization of the monomer mixture was not performed. In the obtained large-diameter plastic optical fiber, there was no separation between the core material and the clad material, and no void was observed. However, after the heat resistance test (65 ° C.) for 1000 hours, deterioration of the light transmission characteristics was observed, and discoloration of side light was also recognized.
[0027]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a large-diameter plastic optical fiber which is excellent in thermal stability and color stability of side light, and in which discoloration of side light and unevenness of color are not observed even when used outdoors.