JP2004339448A - Grease composition, rolling bearing and electric motor - Google Patents

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a grease composition realizing a rolling bearing having low torque and long life and provide a rolling bearing having low torque and long life and an electric motor. <P>SOLUTION: The grease composition G is prepared by mixing a base oil containing ≥30 mass% aromatic ester oil based on the total base oil, a thickener containing a diurea compound in an amount of 5-35 mass% based on the grease composition, and a rust-proofing agent. The grease composition G is filled in the space of the rolling bearing 10. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【０００９】
なお、化学式（１）中のＲ_１ ，Ｒ_２ ，Ｒ_３ は、炭素数が６〜９の炭化水素基を表す。
このようなグリース組成物によれば、基油の４０℃における動粘度を好適な値とするとともに、芳香族エステル油をトリメリト酸エステル油とすることによって、基油を低流動点、高粘度指数、及び低動粘度とすることができるため、より優れた潤滑特性を得ることができるとともに、転がり軸受のさらなる低トルク化を図ることができる。
【００１０】
さらに、本発明のグリース組成物において、滴点は２６０℃以上であり、混和ちょう度は１８０〜３００であることが好ましい。
このようなグリース組成物によれば、滴点及び混和ちょう度を好適な値としたことによって、優れた潤滑特性を得ることができるとともに、転がり軸受の低発塵性及び低トルク化を図ることができる。
【００１１】
さらに、本発明のグリース組成物において、前記増ちょう剤は、上記化学式（２）においてＲ_４ 及びＲ_６ が脂環式炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ６ の一方が脂環式炭化水素基で他方が脂環式以外の炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ_６ が脂環式以外の炭化水素基であるジウレア化合物とを、全てのジウレア化合物が有するＲ_４ ，Ｒ_６ のうち脂環式炭化水素基の割合が３０モル％以上となるような比率で混合したものであるとともに、前記増ちょう剤の含有量は、組成物全量に対して９〜２０質量％であることが好ましい。
Ｒ_４ −ＮＨＣＯＮＨ−Ｒ_５ −ＨＮＯＣＨＮ−Ｒ_６ ・・・・・（２）
なお、化学式（２）中のＲ_４ ，Ｒ_６ は芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は縮合炭化水素基を表し、Ｒ_５ は炭素数６〜１５の芳香族炭化水素基を表す。
【００１２】
このようなグリース組成物によれば、増ちょう剤であるジウレア化合物の有する炭化水素基のうちの脂環式炭化水素基の割合を好適な値とすることによって、より優れた潤滑特性を得ることができるとともに、転がり軸受の寿命をさらに長くすることができる。
さらに、本発明のグリース組成物において、カルボン酸、カルボン酸塩、エステル系防錆剤、及びアミン系防錆剤から選択される二種以上の防錆剤を含有するとともに、選択された各一種の防錆剤の含有量は、組成物全量に対してそれぞれ０．１〜９．９質量％であり、全防錆剤合計の含有量は、組成物全量に対して０．２〜１０．０質量％であることが好ましい。
【００１３】
このようなグリース組成物によれば、防錆剤の種類及び含有量を好適なものとすることによって、潤滑特性を損なわずに優れた防錆性を得ることができる。よって、幅広い温度範囲で使用されるために錆が発生しやすいという問題を有する電動モータ用転がり軸受に好適に用いることができる。また、防錆剤の種類を環境負荷物質を含まないものとすることによって、転がり軸受からグリース組成物が漏出した場合の環境汚染に対する懸念を払拭することができる。
【００１４】
また、上述した課題を解決するために、本発明の転がり軸受は次のような構成からなる。
すなわち、本発明の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備えた転がり軸受において、前記内輪及び前記外輪の間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、本発明のグリース組成物が封入されていることを特徴とするものである。
【００１５】
このような転がり軸受によれば、優れた潤滑特性を有し、且つ、転がり軸受を低トルク化できるグリース組成物が封入されることによって、低トルクで寿命が長くなる。
また、このような転がり軸受によれば、優れた潤滑特性及び防錆性を有し、且つ、転がり軸受を低トルク化できるグリース組成物が封入されることによって、低トルクで寿命が長くなるとともに、音響特性が良好になる。
【００１６】
なお、本発明のグリース組成物は、上述した転がり軸受に限らず、ボールねじ、リニアガイド及びリニアボールベアリングなどの転動装置に適用してもよい。すなわち、外面に軌道面を有する内方部材と、当該内方部材の軌道面に対する軌道面を有し前記内方部材の外方に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備えた転動装置において、前記内方部材及び前記外方部材の間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に本発明のグリース組成物を封入するようにしてもよい。
【００１７】
さらに、上述した課題を解決するために、本発明の電動モータは次のような構成からなる。
すなわち、本発明の電動モータは、回転軸と、当該回転軸を回転自在に支持する軸受と、を備えた電動モータにおいて、前記軸受は、本発明の転がり軸受であることを特徴とするものである。
このような電動モータによれば、低トルクで寿命が長い転がり軸受を備えることによって、低トルクで寿命が長くなる。
また、このような電動モータによれば、低トルクで寿命が長く、且つ、音響特性が良好な転がり軸受を備えることによって、低トルクで寿命が長くなるとともに、音響特性が良好になる。
【００１８】
以下、本発明における数値限定の臨界的意義及びグリース組成物の材料について説明する。
［基油について］
基油は、グリース組成物に優れた耐熱性及び耐摩耗性を付与するために、基油全量に対して３０質量％以上の芳香族エステル油を単独又は他の油と混合して用いることが必須である。
これは、芳香族エステル油が基油全量に対して３０質量％未満であると、グリース組成物に耐熱性及び耐摩耗性を十分に付与できないため、転がり軸受の焼付き寿命が短くなってしまうからである。
また、４０℃における基油の動粘度は、２０〜６０ｍｍ^２ ／ｓであることが好ましい。これは、基油の動粘度が２０ｍｍ^２ ／ｓ未満であると、高温での使用時に油膜が確保できないため潤滑不良を起こしてしまい、一方、基油の動粘度が６０ｍｍ^２ ／ｓを超えると、転がり軸受の低トルク化を図れなくなってしまうからである。
【００１９】
芳香族エステル油の種類は、特に限定されないが、４０℃における基油の動粘度を前述したような好適な範囲内にするために、前記化学式（１）で表されるようにＲ_１ ，Ｒ_２ ，Ｒ_３ が炭素数６〜９であるトリメリト酸エステル油とすることが好ましい。このようなトリメリト酸エステル油を用いると、基油が低流動点、高粘度指数、及び低動粘度となるため、低トルクが要求される転がり軸受に好適に用いることができる。
【００２０】
ここで、前記化学式（１）で表される芳香族エステル油の具体例としては、花王株式会社製トリメックス Ｔ−０８（商品名）や、旭電化工業株式会社製アデカプルーバー Ｔ−４５，Ｔ９０，ＰＴ−５０（いずれも商品名）、及びＵＮＩＱＥＭＡ製ＥＭＫＡＲＡＴＥ８１３０，ＥＭＫＡＲＡＴＥ９１３０（いずれも商品名）などが挙げられる。
【００２１】
このような芳香族エステル油と混合して使用する基油の種類は、特に限定されないが、耐熱性及び耐酸化性に優れ、低動粘度の基油であることが好ましい。具体的には、ポリ−α−オレフィン油などの合成炭化水素油や、アルキルジフェニルエーテル油などのエーテル油や、ジエステル油、ネオペンチル型ポリオールエステル油又またこれらのコンプレックスエステル油などのエステル油を単独又は適宜組み合わせて用いることができる。特に、グリース組成物の耐熱性や転がり軸受のトルク性を向上させるために、ペンタエリスリトールエステル油などのポリオールエステル油及び合成炭化水素油の少なくとも一方と、芳香族エステル油とを混合して用いることが好ましい。
【００２２】
［増ちょう剤について］
増ちょう剤は、グリース組成物全量に対して５〜３５質量％含有していることが好ましい。これは、増ちょう剤がグリース組成物全量に対して５質量％未満であるとグリース状態を維持することが困難になり、一方、増ちょう剤がグリース組成物全量に対して３５質量％を超えるとグリース組成物が硬化しすぎてしまうので、転がり軸受の低トルク化を図ることが困難になってしまうからである。特に、高い剪断に起因するグリース組成物の軟化と、グリース組成物の潤滑特性と、転がり軸受の低トルク化とを考慮すると、増ちょう剤をグリース組成物全量に対して８〜２５質量％含有することがより好ましい。
【００２３】
増ちょう剤の種類は、特に限定されないが、耐熱性に優れたものであることが好ましい。具体的には、ウレア化合物、リチウム石けん、及びリチウムコンプレックス石けんなどが挙げられるが、高温性能を考えると、ウレア化合物を用いることが好ましい。
ウレア化合物としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物などが挙げられるが、一般式が前記化学式（２）で表されるジウレア化合物を用いることが好ましい。特に、前記化学式（２）においてＲ_４ 及びＲ_６ が脂環式炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ_６ の一方が脂環式炭化水素基で他方が脂環式以外の炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ_６ が脂環式以外の炭化水素基であるジウレア化合物とを、全てのジウレア化合物が有するＲ_４ ，Ｒ_６ のうち脂環式炭化水素基の割合が３０モル％以上となるような比率で混合したものを用いることがより好ましい。
【００２４】
全てのジウレア化合物が有する炭化水素基Ｒ_４ ，Ｒ_６ のうち脂環式炭化水素基の割合が３０モル％以上である増ちょう剤を使用したため、少ない量でも優れた増ちょう効果が得られ、グリース組成物に対する増ちょう剤の含有量を９〜２０質量％とすることができる。また、転がり軸受の高温での耐焼付き性を向上させることができる。その理由は以下の通りである。
【００２５】
脂環式炭化水素基を有するジウレア化合物は、芳香族炭化水素基を有するジウレア化合物と比べて、繊維の形状の違いから単位体積当たりの表面積が大きいので、少ない量でも大きな増ちょう効果を発現する。このため、脂環式炭化水素基を有するジウレア化合物は、芳香族炭化水素基を有するジウレア化合物を使用した場合よりも少量の増ちょう剤で、同じ混和ちょう度のグリース組成物を製造することができる。そして、増ちょう剤の含有量が少ないと、その分だけ基油の含有量が相対的に多くなるので、脂環式炭化水素基を有するジウレア化合物を増ちょう剤として使用したグリース組成物は、より優れた潤滑特性を有する。
【００２６】
一方、脂環式炭化水素基を有するジウレア化合物は、脂肪族炭化水素基を有するジウレア化合物と比べて耐熱性が優れている。よって、脂環式炭化水素基を有するジウレア化合物を増ちょう剤として使用したグリース組成物は、より優れた耐熱性を有する。
全てのジウレア化合物が有する炭化水素基Ｒ_４ ，Ｒ_６ のうち脂環式炭化水素基の割合が３０モル％以上である増ちょう剤を使用すれば、前述の２つの理由（潤滑特性及び耐熱性）から、高温での優れた耐焼付き性を転がり軸受に付与することができる。
【００２７】
なお、ジウレア化合物は、芳香族炭化水素基Ｒ_５ を有する１モルのジイソシアネートと、炭化水素基Ｒ_４ を有する１モルのモノアミンと、炭化水素基Ｒ_６ を有する１モルのモノアミンと、を反応させることで得ることができる。
ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、ジメチルジフェニレンジイソシアネート、又はこれらのアルキル置換体などを用いることが好ましい。
【００２８】
Ｒ_４ 及びＲ_６ が芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基である場合のモノアミンとしては、特に限定されないが、アニリン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、トルイジン、ドデシルアニリン、オクタデシルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ノナデシルアミン、エイコデシルアミン、オレイルアミン、リノレイルアミン、リノレニルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、ブチルシクロヘキシルアミン、プロピルシクロヘキシルアミン、アミルシクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、ベンジルアミン、ベンズヒドリルアミン、フェネチルアミン、メチルベンジルアミン、ビフェニルアミン、フェニルイソプロピルアミン、フェニルヘキシルアミンなどを用いることが好ましい。
【００２９】
Ｒ_４ 及びＲ_６ が縮合炭化水素基である場合のモノアミンとしては、特に限定されないが、アミノインデン、アミノインダン、アミノ−１−メチレンインデンなどのインデン系アミン化合物や、アミノナフタレン（ナフチルアミン）、アミノメチルナフタレン、アミノエチルナフタレン、アミノジメチルナフタレン、アミノカダレン、アミノビニルナフタレン、アミノフェニルナフタレン、アミノベンジルナフタレン、アミノジナフチルアミン、アミノビナフチル、アミノ−１，２−ジヒドロナフタレン、アミノ−１，４−ジヒドロナフタレン、アミノテトラヒドロナフタレン、アミノオクタリンなどのナフタレン系アミノ化合物や、アミノペンタレン、アミノアズレン、アミノヘプタレンなどの縮合二環系アミン化合物や、アミノフルオレン、アミノ−９−フェニルフルオレンなどのアミノフルオレン系アミン化合物や、アミノアントラレン、アミノメチルアントラセン、アミノジメチルアントラセン、アミノフェニルアントラセン、アミノ−９，１０−ジヒドロアントラセンなどのアントラセン系アミン化合物や、アミノフェナントレン、アミノ−１，７−ジメチルフェナントレン、アミノレテンなどのフェナントレンアミン化合物や、アミノビフェニレン、アミノ−ｓ−インダセン、アミノ−ａｓ−インダセン、アミノアセナフチレン、アミノアセナナフテン、アミノフェナレンなどの縮合三環系アミン化合物や、アミノナフタセン、アミノクリセン、アミノピレン、アミノトリフェニレン、アミノベンゾアントラセン、アミノアセアントリレン、アミノアセアントレン、アミノアセフェナントリレン、アミノアセフェナントレン、アミノフルオランテン、アミノプレイアデンなどの縮合四環系アミン化合物や、アミノペンタセン、アミノペンタフェン、アミノピセン、アミノペリレン、アミノジベンゾアントラセン、アミノベンゾピレン、アミノコラントレンなどの縮合五環系アミン化合物や、アミノコロネン、アミノピラントレン、アミノビオラントレン、アミノイソビオラントレン、アミノオバレンなどの縮合多環系（六環以上）アミン化合物などを用いることが好ましい。
【００３０】
このようなジウレア化合物は、別途合成したものを基油中に添加するようにしてもよいが、グリース組成物の性能を十分に安定させるためには、上述の反応を基油中で行うことが好ましい。上述の反応を基油中で行えば、増ちょう剤を基油中に良好に分散させることができるため、グリース組成物の性能を十分に安定させることができる。
【００３１】
リチウム石けんとしては、特に限定されないが、リチウムの水酸化物と、炭素数１０以上の高級脂肪酸又は１個以上の水酸基を有する炭素数１０以上の高級ヒドロキシ脂肪酸と、から合成されたものを用いることが好ましい。
リチウムコンプレックス石けんとしては、特に限定されないが、リチウムを金属源とし、少なくとも一個のヒドロキシル基を有する炭素数１２〜２４の脂肪族モノカルボン酸と、炭素数２〜１２の脂肪族ジカルボン酸と、から合成されたものを用いることが好ましい。このリチウムコンプレックス石けんを増ちょう剤として用いた場合は、リチウム石けんの場合と比べて滴点が２６０℃以上と高いため、転がり軸受の高温での耐久性をより向上させることができる。
【００３２】
ヒドロキシ基を有する脂肪族カルボン酸としては、９−ヒロドキシステアリン酸、１０−ヒドロキシステアリン酸、１２−ヒドロキシステアリン酸、９，１０−ジヒドロキシステアリン酸などが挙げられるが、特に、１２−ヒドロキシステアリン酸を用いることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などが挙げられるが、特に、アゼライン酸を用いることが好ましい。
【００３３】
なお、リチウムコンプレックス石けんの材料である脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸のうち脂肪族ジカルボン酸の割合は、２０〜４０質量％とすることが好ましい。これは、脂肪族ジカルボン酸の割合が上述の範囲外であると、熱的に安定したグリース組成物が得られなくなってしまうからである。
［混和ちょう度について］
混和ちょう度は、転がり軸受のグリース漏れを抑制し、低トルク化を図るために、１８０〜３００とすることが好ましく、２２０〜２８０とすることがより好ましい。これは、混和ちょう度が１８０未満であるとグリース組成物が硬くなりすぎるため転がり軸受の低トルク化が図りにくくなり、一方、混和ちょう度が３００を超えると転がり軸受のグリース漏れ量が多くなるからである。
【００３４】
［防錆剤について］
防錆剤の種類は、亜硝酸ナトリウムなどのような環境負荷物質でなければ特に限定されないが、スルフォン酸金属塩、カルボン酸、カルボン酸塩、エステル系防錆剤、及びアミン系防錆剤等の防錆剤を用いることができる。これらのうち、カルボン酸、カルボン酸塩、エステル系防錆剤、及びアミン系防錆剤から選択される二種以上の防錆剤を用いることが好ましい。
【００３５】
スルフォン酸金属塩としては、カルシウムスルフォネート、亜鉛スルフォネートなどが挙げられる。
カルボン酸としては、ステアリン酸などのモノカルボン酸や、アルキルコハク酸及びその誘導体、アルケニルコハク酸及びその誘導体、ナフテン酸、アビエチン酸、ラノリン脂肪酸などが挙げられ、特に、アルケニルコハク酸を用いることが好ましい。
【００３６】
カルボン酸塩としては、上に例示したカルボン酸の金属塩（カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉛など）が挙げられ、特に、ナフテン酸塩（ナフテン酸亜鉛など）を用いることが好ましい。
エステル系防錆剤としては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタエリスリットモノオレエート、コハク酸ハーフエステルなどのカルボン酸部分エステルなどが挙げられ、特に、ソルビタンモノオレエートやコハク酸ハーフエステルを用いることが好ましい。
【００３７】
アミン系防錆剤としては、アルコキシフェニルアミンなどのアミン誘導体や、二塩基性カルボン酸部分アミドなどが挙げられる。
これらの防錆剤は、選択される各一種の防錆剤の含有量をグリース組成物に対してそれぞれ０．１〜９．９質量％とし、且つ、合計の防錆剤の含有量をグリース組成物全量に対して０．２〜１０．０質量％含有することが好ましい。各一種の防錆剤の含有量が０．１質量％未満で、合計で０．２質量％未満であると十分な防錆効果が得られない。一方、合計が１０．０質量％を超えると防錆剤の含有量が多くなり過ぎてしまい、基油の含有量が相対的に少なくなってしまうため、転がり軸受の良好な耐焼付き性が得られなくなってしまう。よって、各一種の防錆剤の含有量は、９．９質量％が上限となる。なお、耐焼付き性は基油の含有量が多い方が良好となるので、選択される各一種の防錆剤の含有量をグリース組成物に対してそれぞれ０．１〜５．９質量％とし、且つ、合計の防錆剤の含有量をグリース組成物全量に対して０．２〜６．０質量％とすることがより好ましい。
【００３８】
また、グリース組成物には、各種性能のさらなる向上を実現するために、防錆剤の他にも各種添加剤を添加するようにしてもよい。
具体的な添加物としては、アミン系、フェノール系、硫黄系、ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛などの酸化防止剤や、リン系、ジオチリン酸亜鉛、有機モリブデンなどの極圧剤や、脂肪酸、動植物油などの油性向上剤や、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性化剤などが挙げられ、これらの添加剤は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない程度であれば、特に限定されない。
【００３９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図１は、本発明の転がり軸受の一例を示す断面図である。なお、本実施形態は、本発明の一例を示すものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態における転がり軸受は、電動モータに備えられた回転軸を回転自在に支持する軸受として機能するものである。
【００４０】
図１に示すように、転がり軸受１０は、内輪１と、外輪２と、内輪１の軌道面１ａ及び外輪２の軌道面２ａの間に転動自在に配設される玉（転動体）３と、内輪１及び外輪２の間に転動自在に玉３を保持する保持器４と、外輪２に取り付けられ、内輪１及び外輪２の間に介在されたシール５，５と、を備えている。そして、内輪１、外輪２、及びシール５，５の間に囲まれた軸受空隙部内には、グリース組成物Ｇが封入されている。
【００４１】
グリース組成物Ｇは、基油と、増ちょう剤と、防錆剤とを含んで構成されている。
基油は、前記化学式（１）で表されるトリメリト酸エステル油をグリース組成物全量に対して３０質量％以上含有したものである。
なお、化学式（１）中のＲ_１ ，Ｒ_２ ，Ｒ_３ は、炭素数が６〜９の炭化水素基を表し、Ｒ_１ ，Ｒ_２ ，Ｒ_３ はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、この芳香族エステル油の有する炭化水素基は、特に限定されないが、例えば、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基などが挙げられる。
【００４２】
増ちょう剤は、前記化学式（２）においてＲ_４ 及びＲ_６ が脂環式炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ_６ の一方が脂環式炭化水素基で他方が脂環式以外の炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ_６ が脂環式以外の炭化水素基であるジウレア化合物とを、全てのジウレア化合物が有するＲ_４ ，Ｒ_６ のうち脂環式炭化水素基の割合が３０モル％以上となるような比率で混合したものである。
【００４３】
なお、化学式（２）中のＲ_４ ，Ｒ_６ は芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は縮合炭化水素基を表し、Ｒ_５ は炭素数６〜１５の芳香族炭化水素基を表す。このとき、Ｒ_４ ，Ｒ_６ が縮合炭化水素基で表される場合には、その縮合炭化水素基の炭素数は９〜１９であることが好ましい。
防錆剤は、スルフォン酸金属塩、カルボン酸、カルボン酸塩、エステル系防錆剤、及びアミン系防錆剤から選択される二種以上が混合されたものである。ここで、防錆剤は、選択された各一種の防錆剤をグリース組成物Ｇ全量に対してそれぞれ０．１〜９．９質量％含有されているとともに、合計でグリース組成物Ｇ全量に対して０．２〜１０．０質量％含有されている。
【００４４】
また、グリース組成物Ｇは、滴点が２６０℃以上であり、混和ちょう度が１８０〜３００である。
このように、本実施形態における転がり軸受１０によれば、優れた潤滑特性及び防錆性を有し、且つ、転がり軸受を低トルク化できるグリース組成物Ｇが封入されていることによって、低トルクで寿命が長くなるとともに、音響特性が良好になる。
【００４５】
また、本実施形態における電動モータは、上述した効果を有する転がり軸受１０が組み込まれていることによって、低トルクで寿命が長くなるとともに、音響特性が良好になる。
なお、本実施形態においては、本発明のグリース組成物Ｇを転がり軸受の軸受空隙部内に封入した場合について説明したが、これに限らず、本発明のグリース組成物Ｇをボールねじ、リニアガイド、及びリニアボールベアリングなどその他の転動装置内に封入しても構わない。
【００４６】
【実施例】
以下、本発明の効果を、次に示す実施例及び比較例に基づいて検証する。
表１に示すように、基油と増ちょう剤とを配合し、各種グリース組成物を調整した。なお、表１に示すグリース組成物のうち、実施例１〜８及び比較例１には、防錆剤としてグリース組成物全量に対して１．０質量％のナフテン酸塩（カルボン酸塩）と、０．８質量％のコハク酸エステル（エステル系防錆剤）と、０．２質量％のソルビタントリオレエート（エステル系防錆剤）とがそれぞれ添加されている。また、表１に示すグリース組成物には、いずれも３質量％のフェニル−１−ナフチルアミン（アミン系酸化防止剤）が添加されている。
【００４７】
ここで、表１中のジウレア化合物Ａとは、前記化学式（２）においてＲ_４ 及びＲ_６ が脂環式炭化水素基であるものである。同様に、ジウレア化合物Ｂとは、Ｒ_４ 及びＲ_６ が脂環式炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ_６ の一方が脂環式炭化水素基で他方が脂肪族炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ_６ が脂肪族炭化水素基であるジウレア化合物とを、全てのジウレア化合物が有するＲ_４ ，Ｒ_６ のうち脂環式炭化水素基が５０モル％となるような比率で混合したものである。同様に、ジウレア化合物Ｃとは、Ｒ_４ 及びＲ_６ が脂環式炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ_６ の一方が脂環式炭化水素基で他方が芳香族炭化水素基であるジウレア化合物と、Ｒ_４ 及びＲ_６ が芳香族炭化水素基であるジウレア化合物とを、全てのジウレア化合物が有するＲ_４ ，Ｒ_６ のうち脂環式炭化水素基が７０モル％となるような比率で混合したものである。同様に、ジウレア化合物Ｄとは、Ｒ_４ 及びＲ_６ が芳香族炭化水素基であるものである。
【００４８】
なお、基油と増ちょう剤とを配合してグリース組成物を調整する方法は、特に限定されないが、一例として実施例８のグリース組成物を調整する方法について以下に示す。まず、ジフェニルメタン−４，４’−ジイソシアネートと脂環式アミンとを、それぞれ別の容器内でトリメリト酸トリオクチルに溶解させておく。次に、ジフェニルメタン−４，４’−ジイソシアネートを溶解させたトリメリト酸トリオクチル中に、脂環式アミンを溶解させたトリメリト酸トリオクチルを７０℃で攪拌しながら混合した後、１４０℃に加熱して、ジフェニルメタン−４，４’−ジイソシアネートと脂環式アミンとを反応させる。そして、ジフェニルメタン−４，４’−ジイソシアネートと脂環式アミンとの反応が終了したトリメリト酸トリオクチル中に酸化防止剤及び防錆剤を添加した後、ミル処理及び脱泡処理を行うことによって、グリース組成物を調整する。
【００４９】
【表１】

【００５０】
そして、これらのグリース組成物に対して、焼付き寿命試験による焼付き寿命と、トルク試験によるトルク性と、防錆試験による防錆性と、についてそれぞれ評価を行った。
以下、上記各種性能の評価方法について説明する。
［焼付き寿命試験について］
上述した転がり軸受１０と同様の構成を有し、表１のグリース組成物が封入された転がり軸受２１を、図２に示す軸受寿命試験機２０に組み込み、下記試験条件で回転を行った。なお、図２に示す軸受寿命試験機２０において、転がり軸受（試験軸受）２１はスピンドル２３のアンギュラ玉軸受２４に支持された回転軸２２に組み込まれ、１５ｋＷの駆動用モータ（図示せず）によりプーリ２５を介して回転させた。この転がり軸受２１には、円筒状の軸受ハウジング２６の自重及びコイルばね２９によってラジアル荷重及びアキシアル荷重をそれぞれ負荷した。また、この転がり軸受２１は、軸受ハウジング２６に埋め込まれたカートリッジヒータ２７によって加熱され、軸受外輪に接した熱伝対により温度制御を行った。
【００５１】
そして、軸受設定温度よりも１５℃上昇した時点で焼付きが生じたものとみなし、焼付きが生じるまでの時間が１０００時間以上であるグリース組成物を合格とした。結果は表２に示す。
（試験条件）
試験軸受：日本精工株式会社製単列深溝玉軸受呼び番号６３０５（内径２５ｍｍ，外径６２ｍｍ，幅１７ｍｍ）
回転速度：３０００ｍｉｎ^−１
ラジアル荷重：９８Ｎ
アキシアル荷重：１４７０Ｎ
軸受設定温度：１４０℃
【００５２】
［トルク試験について］
上述した転がり軸受１０と同様の構成を有し、表１のグリース組成物が封入された転がり軸受３１を、図３に示すトルク測定装置３０に組み込んだ。ここで、転がり軸受３１は、その内輪がアーバ３３を介してエアスピンドル３２に固定され、外輪がエアベアリング３４を備えたアルミキャップ３５に固定されている。そして、エアスピンドル３２を下記試験条件で回転させて転がり軸受３１の内輪を回転させた。そして、回転から５分後のトルク値をアルミキャップ３５に接続したストレインケージ３６で測定した。この測定値は、ストレインアンプ３７及びローパスフィルタ３８を経由して、レコーダ３９にて記録される。なお、トルク試験の評価は、比較例１の回転開始から５分後のトルク値を１とした場合の相対値が１．２以内である場合を合格とした。結果を表２に示す。
【００５３】
（試験条件）
試験軸受：日本精工株式会社製単列深溝玉軸受呼び番号６０８（内径８ｍｍ，外径２２ｍｍ，幅７ｍｍ）
回転速度：１８００ｍｉｎ^−１
アキシアル荷重：２４．５Ｎ
軸受設定温度：２５℃
［防錆試験について］
まず、上述した転がり軸受１０と同様の構成を有する日本精工株式会社製単列深溝玉軸受呼び番号６３０３（内径１７ｍｍ，外径４７ｍｍ，幅１４ｍｍ）の軸受空隙部内に、表１に示すグリース組成物を２．７ｇ封入した。その後、この軸受空隙部内に０．１％塩化ナトリウム水溶液を０．３ｃｍ^３ 注入し、非接触シールを取り付けた後、馴染ませる程度に回転を行った。そして、この軸受を６０℃、７０％ＲＨの環境下で３日間放置した後、軸受の内輪軌道面を観察し、錆が発生していないものを合格とした。結果は表２に示す。
【００５４】
【表２】

【００５５】
表２に示すように、本発明に係る実施例１乃至８のグリース組成物においては、焼付き寿命試験、トルク試験、及び防錆試験の全てにおいて合格であった。
一方、基油として芳香族エステル油を含んでいない比較例１のグリース組成物においては、焼付き寿命試験が不合格であった。また、増ちょう剤を本発明の範囲外で含有し、且つ、防錆剤を含有していない比較例２においては、焼付き寿命試験、トルク試験、及び防錆試験のいずれも不合格であった。さらに、４０℃における動粘度が本発明の範囲外である基油を含有し、且つ、防錆剤を含有していない比較例３においては、トルク試験及び防錆試験が不合格であった。
【００５６】
次に、実施例８に示すグリース組成物において、基油をトリメリト酸エステル油とＰＥＴ（４０℃における動粘度が４６ｍｍ^２ ／ｓ）との混合油とし、両者の混合比を種々変更したものを用意した。そして、上述と同様の方法で焼付き寿命について評価を行った。結果を図４のグラフに示す。なお、図４のグラフにおける焼付き寿命は、基油をＰＥＴのみで構成した場合の焼付き寿命を１とした場合の相対値で示してある。
【００５７】
図４に示すように、トリメリト酸エステル油の含有量を、基油全量に対して３０質量％以上にすると、焼付き寿命が優れていることが分かる。
続いて、実施例４及び比較例３に示すグリース組成物において、組成物全量に対する増ちょう剤の含有量を種々変更したものを用意した。そして、上述と同様の方法でそれぞれの焼付き寿命について評価を行った。結果を図５のグラフに示す。なお、図５のグラフにおける焼付き寿命は、比較例１の値を１とした場合の相対値で示してある。また、図５で示す実施例４’のグラフは、実施例４におけるグリース組成物において組成物全量に対する増ちょう剤の含有量を種々変更したものの結果を示し、同様に比較例３’のグラフは、比較例３におけるグリース組成物において組成物全量に対する増ちょう剤の含有量を種々変更したものの結果を示す。
【００５８】
図５に示すように、いずれも組成物全量に対して増ちょう剤が５〜３５質量％含有されている場合には焼付き寿命が優れており、増ちょう剤が８〜２５質量％含有されている場合には焼付き寿命がより優れていることが分かる。そして、組成物全量に対して増ちょう剤が９〜２０質量％含有されている場合には焼付き寿命がさらに優れていることが分かる。
【００５９】
また、増ちょう剤を、前記化学式（２）においてＲ_４ 及びＲ_６ が脂環式炭化水素基であるジウレア化合物で構成した実施例４’は、Ｒ_４ 及びＲ_６ が芳香族炭化水素基であるジウレア化合物で構成した比較例３’に比べて、少ない増ちょう剤量であっても優れた焼付き寿命を示していることが分かる。
【００６０】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のグリース組成物によれば、基油中に含まれる芳香族エステル油の含有量と、組成物中に含まれる増ちょう剤の含有量とを好適な量としたことによって、優れた潤滑特性を得ることができるとともに、転がり軸受の低トルク化を図ることができる。
【００６１】
また、本発明のグリース組成物によれば、基油の４０℃における動粘度を好適な範囲とするとともに、芳香族エステル油をトリメリト酸エステル油とすることによって、基油を低流動点、高粘度指数、及び低動粘度とすることができるため、より優れた潤滑特性を得ることができるとともに、転がり軸受のさらなる低トルク化を図ることができる。
【００６２】
さらに、本発明のグリース組成物によれば、滴点及び混和ちょう度を好適な値としたことによって、優れた潤滑特性を得ることができるとともに、転がり軸受の低発塵性及び低トルク化を図ることができる。
さらに、本発明のグリース組成物によれば、増ちょう剤であるジウレア化合物の有する炭化水素基のうちの脂環式炭化水素基の割合を好適な値としたことによって、さらに優れた潤滑特性を得ることができるとともに、転がり軸受の長寿命化を図ることができる。
【００６３】
さらに、本発明のグリース組成物によれば、防錆剤の種類及び含有量を好適なものとすることによって、潤滑特性を損なわずに優れた防錆性を得ることができる。また、防錆剤の種類として環境負荷物質を含まないものとすることによって、転がり軸受からグリース組成物が漏出した場合の環境汚染に対する懸念を払拭することができる。
【００６４】
本発明の転がり軸受によれば、優れた潤滑特性を有し、且つ、転がり軸受を低トルク化できるグリース組成物が封入されることによって、低トルクで寿命が長くなる。
また、本発明の転がり軸受によれば、優れた潤滑特性及び防錆性を有し、且つ、転がり軸受を低トルク化できるグリース組成物が封入されることによって、低トルクで寿命が長くなるとともに、音響特性が良好になる。
【００６５】
本発明の電動モータによれば、低トルクで長寿命な転がり軸受を備えることによって、低トルクで寿命が長くなる。
また、本発明の電動モータによれば、優れた音響特性を有し、低トルクで長寿命な転がり軸受を備えることによって、低トルクで寿命が長くなるとともに、音響特性が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る転がり軸受の一構成例を示す断面図である。
【図２】軸受寿命試験機を示す断面図である。
【図３】トルク測定装置を示す断面図である。
【図４】基油全量に対するトリメリト酸エステル油の含有量と、焼付き寿命との関係を示すグラフである。
【図５】グリース組成物全量に対する増ちょう剤の含有量と、焼付き寿命との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
１…内輪
２…外輪
３…玉（転動体）
１０，２１，３１…転がり軸受
Ｇ…グリース組成物[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a grease composition that can realize a low-torque, long-life rolling bearing and an electric motor. The present invention also relates to a low-torque, long-life rolling bearing and an electric motor, and particularly to a low-torque, long-life (peeling-resistant), and burning-resistant like a rolling bearing and an electric motor used in industrial machines and the like. The present invention relates to a rolling bearing and an electric motor which are required to be attached.
[0002]
[Prior art]
Normally, medium-sized and small-sized motors used in the above-mentioned industrial machines incorporate a rolling bearing that rotatably supports a rotating shaft provided in the motor, and a rolling bearing is provided between an inner ring and an outer ring of the rolling bearing. A grease composition for lubrication is sealed in the gap formed in the rolling element and provided with the rolling element.
[0003]
Among such rolling bearings, those incorporated in a motor for spreading a tire steel cord are required to have seizure resistance and peel resistance. Further, rolling bearings incorporated in motors for clean rooms are required to have seizure resistance and low torque. Further, in recent years, as the demand for quietness of the motor has increased, suppression of rust (improvement of rust prevention), which is one of the causes of deteriorating the acoustic characteristics of the rolling bearing, has also become an issue.
Various grease compositions using an aromatic ester oil as a base oil have been proposed in order to realize a rolling bearing that meets such requirements and problems (for example, see Patent Documents 1 to 5).
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 7-45677
[Patent Document 2]
Japanese Patent No. 3290010
[Patent Document 3]
Japanese Patent No. 3330755
[Patent Document 4]
JP-A-11-131082
[Patent Document 5]
JP 2003-13973 A
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, any of the grease compositions described in Patent Documents 1 to 5 described above can make the rolling bearing excellent in seizure resistance and life at high temperatures, but it is unknown how to reduce the torque. In other words, there is still room for improvement in order to realize a low-torque rolling bearing having excellent seizure resistance at high temperatures and a long life by enclosing a grease composition using an aromatic ester oil as a base oil. Was.
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a grease composition capable of realizing a low-torque, long-life rolling bearing. Another object of the present invention is to provide a low-torque, long-life rolling bearing and an electric motor.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve such problems, the grease composition of the present invention has the following constitution.
That is, the grease composition of the present invention is a grease composition containing a base oil and a thickener, wherein the base oil contains 30% by mass or more of an aromatic ester oil based on the total amount of the base oil, The content of the thickener is 5 to 35% by mass based on the total amount of the composition.
[0007]
According to such a grease composition, by setting the content of the aromatic ester oil contained in the base oil and the content of the thickener contained in the composition to a suitable amount, excellent lubrication is achieved. The characteristics can be obtained, and the torque of the rolling bearing can be reduced.
In the grease composition of the present invention, the kinematic viscosity of the base oil at 40 ° C. is 20 to 60 mm.²  / S, and the aromatic ester oil is preferably a trimellitic acid ester oil represented by the following chemical formula (1).
[0008]
Embedded image

[0009]
In addition, R in the chemical formula (1)₁  , R₂  , R₃  Represents a hydrocarbon group having 6 to 9 carbon atoms.
According to such a grease composition, the kinematic viscosity at 40 ° C. of the base oil is set to a suitable value, and the aromatic ester oil is a trimellitic acid ester oil, whereby the base oil has a low pour point and a high viscosity index. , And a low kinematic viscosity, it is possible to obtain more excellent lubrication characteristics, and it is possible to further reduce the torque of the rolling bearing.
[0010]
Further, in the grease composition of the present invention, the drop point is preferably 260 ° C. or more, and the compatibility is preferably 180 to 300.
According to such a grease composition, excellent lubrication characteristics can be obtained by setting the dropping point and the mixing consistency to suitable values, and low dust generation and low torque of the rolling bearing can be achieved. Can be.
[0011]
Further, in the grease composition of the present invention, the thickener is a compound represented by R in the above chemical formula (2).₄  And R₆A diurea compound wherein is an alicyclic hydrocarbon group,₄A diurea compound in which one of R6 and R6 is an alicyclic hydrocarbon group and the other is a non-alicyclic hydrocarbon group,₄And R₆Is a diurea compound having a hydrocarbon group other than an alicyclic group, and R₄, R₆  And the mixture of the alicyclic hydrocarbon groups at a ratio of 30 mol% or more, and the content of the thickener is 9 to 20% by mass based on the total amount of the composition. Is preferred.
R₄  -NHCONH-R₅  -HNOCHN-R₆                      ・ ・ ・ ・ ・ (2)
In addition, R in the chemical formula (2)₄  , R₆Represents an aromatic hydrocarbon group, an aliphatic hydrocarbon group, an alicyclic hydrocarbon group, or a condensed hydrocarbon group;₅  Represents an aromatic hydrocarbon group having 6 to 15 carbon atoms.
[0012]
According to such a grease composition, by setting the ratio of the alicyclic hydrocarbon group among the hydrocarbon groups of the diurea compound as the thickener to a suitable value, it is possible to obtain more excellent lubricating properties. And the life of the rolling bearing can be further extended.
Furthermore, the grease composition of the present invention contains two or more rust inhibitors selected from carboxylic acids, carboxylate salts, ester-based rust inhibitors, and amine-based rust inhibitors, and each of the selected ones. Is 0.1 to 9.9% by mass with respect to the total amount of the composition, and the total content of all the rust preventives is 0.2 to 10% with respect to the total amount of the composition. It is preferably 0% by mass.
[0013]
According to such a grease composition, by setting the kind and content of the rust preventive to be suitable, excellent rust preventive properties can be obtained without impairing the lubricating properties. Therefore, it can be suitably used for a rolling bearing for an electric motor, which has a problem that rust is easily generated because it is used in a wide temperature range. In addition, when the type of the rust preventive does not include an environmentally hazardous substance, it is possible to eliminate concerns about environmental pollution when the grease composition leaks from the rolling bearing.
[0014]
Further, in order to solve the above-mentioned problem, the rolling bearing of the present invention has the following configuration.
That is, a rolling bearing according to the present invention is a rolling bearing including an inner ring, an outer ring, and a plurality of rolling elements rotatably disposed between the inner ring and the outer ring, wherein the inner ring and the outer ring The grease composition of the present invention is sealed in a gap formed between the rolling elements and the rolling element.
[0015]
According to such a rolling bearing, a grease composition having excellent lubricating properties and capable of lowering the torque of the rolling bearing is sealed, thereby lowering the torque and extending the life.
According to such a rolling bearing, a grease composition having excellent lubricating properties and rust-preventing properties, and capable of lowering the torque of the rolling bearing is enclosed. In addition, the sound characteristics are improved.
[0016]
The grease composition of the present invention is not limited to the above-described rolling bearing, but may be applied to rolling devices such as ball screws, linear guides, and linear ball bearings. That is, an inner member having a raceway surface on an outer surface, an outer member having a raceway surface with respect to the raceway surface of the inner member, and an outer member disposed outside the inner member, and rolling between the two raceway surfaces A plurality of rolling elements freely disposed, and a grease composition of the present invention in a gap formed between the inner member and the outer member and in which the rolling elements are disposed. An object may be enclosed.
[0017]
Further, in order to solve the above-mentioned problem, the electric motor of the present invention has the following configuration.
That is, the electric motor of the present invention is an electric motor including a rotating shaft and a bearing that rotatably supports the rotating shaft, wherein the bearing is the rolling bearing of the present invention. is there.
According to such an electric motor, by providing the rolling bearing having a low torque and a long life, the life is long at a low torque.
Further, according to such an electric motor, by providing a rolling bearing having a low torque and a long life and a good acoustic characteristic, the life is prolonged at a low torque and the acoustic characteristic becomes good.
[0018]
Hereinafter, the critical significance of the numerical limitation in the present invention and the material of the grease composition will be described.
[About base oil]
In order to impart excellent heat resistance and abrasion resistance to the grease composition, the base oil may be used alone or in a mixture of other oils with 30% by mass or more of an aromatic ester oil based on the total amount of the base oil. Required.
If the amount of the aromatic ester oil is less than 30% by mass based on the total amount of the base oil, the grease composition cannot sufficiently impart heat resistance and abrasion resistance, so that the seizing life of the rolling bearing is shortened. Because.
The kinematic viscosity of the base oil at 40 ° C. is 20 to 60 mm.²  / S. This is because the kinematic viscosity of the base oil is 20 mm²  / S, the oil film cannot be secured at the time of use at a high temperature, resulting in poor lubrication. On the other hand, the kinematic viscosity of the base oil is 60 mm.²  If the speed exceeds / s, it becomes impossible to reduce the torque of the rolling bearing.
[0019]
The type of the aromatic ester oil is not particularly limited. However, in order to make the kinematic viscosity of the base oil at 40 ° C. fall within the above-described preferred range, as shown in the chemical formula (1), R₁  , R₂  , R₃Is preferably a trimellitic acid ester oil having 6 to 9 carbon atoms. When such a trimellitate oil is used, the base oil has a low pour point, a high viscosity index, and a low kinematic viscosity, and thus can be suitably used for a rolling bearing requiring a low torque.
[0020]
Here, specific examples of the aromatic ester oil represented by the chemical formula (1) include Trimex T-08 (trade name) manufactured by Kao Corporation and Adeka Prover T-45 manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd. T90, PT-50 (all are brand names), UNIQEMA's EMKARATE8130, EMKARATE9130 (all are brand names), and the like.
[0021]
The type of base oil used by mixing with such an aromatic ester oil is not particularly limited, but is preferably a base oil having excellent heat resistance and oxidation resistance and low kinematic viscosity. Specifically, ester oils such as synthetic hydrocarbon oils such as poly-α-olefin oils, ether oils such as alkyl diphenyl ether oils, diester oils, neopentyl type polyol ester oils, and complex ester oils thereof, alone or They can be used in appropriate combination. In particular, in order to improve the heat resistance of the grease composition and the torque properties of the rolling bearing, a mixture of at least one of a polyol ester oil such as pentaerythritol ester oil and a synthetic hydrocarbon oil and an aromatic ester oil is used. Is preferred.
[0022]
[Thickener]
The thickener is preferably contained in an amount of 5 to 35% by mass based on the total amount of the grease composition. If the thickener is less than 5% by mass based on the total amount of the grease composition, it becomes difficult to maintain the grease state, while the thickener exceeds 35% by mass based on the total amount of the grease composition. This is because the grease composition is excessively hardened, which makes it difficult to reduce the torque of the rolling bearing. In particular, considering the softening of the grease composition due to high shear, the lubricating properties of the grease composition, and the low torque of the rolling bearing, the thickener is contained in an amount of 8 to 25% by mass based on the total amount of the grease composition. Is more preferable.
[0023]
The type of the thickener is not particularly limited, but is preferably excellent in heat resistance. Specifically, a urea compound, lithium soap, lithium complex soap and the like can be mentioned, but in view of high-temperature performance, it is preferable to use a urea compound.
Examples of the urea compound include a diurea compound, a triurea compound, and a tetraurea compound, and it is preferable to use a diurea compound represented by the general formula (2). In particular, in the chemical formula (2), R₄  And R₆  A diurea compound wherein is an alicyclic hydrocarbon group,₄  And R₆  A diurea compound in which one is an alicyclic hydrocarbon group and the other is a non-alicyclic hydrocarbon group;₄  And R₆  Is a diurea compound having a hydrocarbon group other than an alicyclic group, and R₄  , R₆Among them, it is more preferable to use a mixture in which the ratio of the alicyclic hydrocarbon group is 30 mol% or more.
[0024]
Hydrocarbon group R of all diurea compounds₄  , R₆  Since the thickener having a proportion of alicyclic hydrocarbon groups of 30 mol% or more was used, an excellent thickening effect was obtained even with a small amount, and the content of the thickener with respect to the grease composition was 9 to 20. % By mass. In addition, the anti-seizure property of the rolling bearing at high temperatures can be improved. The reason is as follows.
[0025]
A diurea compound having an alicyclic hydrocarbon group has a larger surface area per unit volume due to a difference in fiber shape than a diurea compound having an aromatic hydrocarbon group. . For this reason, a diurea compound having an alicyclic hydrocarbon group is a thickening agent in a smaller amount than when a diurea compound having an aromatic hydrocarbon group is used, and it is possible to produce a grease composition having the same mixing consistency. it can. And, when the content of the thickener is small, the content of the base oil is relatively increased by that much, so that a grease composition using a diurea compound having an alicyclic hydrocarbon group as a thickener, Has better lubrication properties.
[0026]
On the other hand, a diurea compound having an alicyclic hydrocarbon group has better heat resistance than a diurea compound having an aliphatic hydrocarbon group. Therefore, a grease composition using a diurea compound having an alicyclic hydrocarbon group as a thickener has better heat resistance.
Hydrocarbon group R of all diurea compounds₄  , R₆If a thickener having an alicyclic hydrocarbon group ratio of 30 mol% or more is used, the rolling bearing exhibits excellent seizure resistance at high temperatures for the above two reasons (lubricating properties and heat resistance). Can be provided.
[0027]
Note that the diurea compound is an aromatic hydrocarbon group R₅  With one mole of a diisocyanate having a hydrocarbon group R₄Of a monoamine having a hydrocarbon group R₆  And 1 mol of a monoamine having the formula:
The diisocyanate is not particularly limited, but it is preferable to use diphenylmethane diisocyanate, tolylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, biphenylene diisocyanate, dimethyl diphenylene diisocyanate, or an alkyl-substituted product thereof.
[0028]
R₄And R₆The monoamine in which is an aromatic hydrocarbon group, an aliphatic hydrocarbon group, or an alicyclic hydrocarbon group is not particularly limited, but aniline, cyclohexylamine, octylamine, toluidine, dodecylaniline, octadecylamine, hexyl Amine, heptylamine, nonylamine, ethylhexylamine, decylamine, undecylamine, dodecylamine, tetradecylamine, pentadecylamine, nonadecylamine, eicodecylamine, oleylamine, linoleylamine, linolenylamine, methylcyclohexylamine, ethylcyclohexylamine, dimethyl Cyclohexylamine, diethylcyclohexylamine, butylcyclohexylamine, propylcyclohexylamine, amylcyclohexylamine, cyclooctyl Triethanolamine, benzylamine, benzhydrylamine, phenethylamine, methyl benzylamine, biphenyl amine, phenyl isopropylamine, or the like is preferably used phenylhexylamine.
[0029]
R₄  And R₆  When is a condensed hydrocarbon group, the monoamine is not particularly limited, but may be an indene-based amine compound such as aminoindene, aminoindane, amino-1-methyleneindene, aminonaphthalene (naphthylamine), aminomethylnaphthalene, aminoethyl Naphthalene, aminodimethylnaphthalene, aminocadalene, aminovinylnaphthalene, aminophenylnaphthalene, aminobenzylnaphthalene, aminodinaphthylamine, aminobinaphthyl, amino-1,2-dihydronaphthalene, amino-1,4-dihydronaphthalene, aminotetrahydronaphthalene, amino Naphthalene-based amino compounds such as octalin, condensed bicyclic amine compounds such as aminopentalene, aminoazulene and aminoheptalene; aminofluorene; amino-9 Aminofluorene-based amine compounds such as phenylfluorene, anthracene-based amine compounds such as aminoanthracene, aminomethylanthracene, aminodimethylanthracene, aminophenylanthracene, amino-9,10-dihydroanthracene, aminophenanthrene, amino-1, 7-dimethylphenanthrene, phenanthrene amine compounds such as aminoretene, aminobiphenylene, amino-s-indacene, amino-as-indacene, aminoacenaphthylene, aminoacenaphthene, condensed tricyclic amine compounds such as aminophenalene, Aminonaphthacene, aminochrysene, aminopyrene, aminotriphenylene, aminobenzoanthracene, aminoaceanthrylene, aminoaceanthrene, aminoacefena Condensed tetracyclic amine compounds such as tolylene, aminoacephenanthrene, aminofluoranthene, and aminopreaden; and condensed pentacyclic compounds such as aminopentacene, aminopentaphene, aminopicene, aminoperylene, aminodibenzoanthracene, aminobenzopyrene, and aminocholanthrene It is preferable to use a cyclic amine compound or a condensed polycyclic (six or more ring) amine compound such as aminocoronene, aminopyranthrene, aminobiolanthrene, aminoisobiolanthrene, and aminoovalene.
[0030]
Such a diurea compound may be separately synthesized and added to the base oil.However, in order to sufficiently stabilize the performance of the grease composition, the above-described reaction is preferably performed in the base oil. preferable. If the above-mentioned reaction is carried out in the base oil, the thickener can be dispersed well in the base oil, so that the performance of the grease composition can be sufficiently stabilized.
[0031]
As the lithium soap, although not particularly limited, one synthesized from a lithium hydroxide and a higher fatty acid having 10 or more carbon atoms or a higher hydroxy fatty acid having 10 or more carbon atoms having one or more hydroxyl group is used. Is preferred.
Examples of the lithium complex soap include, but are not particularly limited to, lithium as a metal source, an aliphatic monocarboxylic acid having 12 to 24 carbon atoms having at least one hydroxyl group, and an aliphatic dicarboxylic acid having 2 to 12 carbon atoms. It is preferable to use a synthesized one. When this lithium complex soap is used as a thickener, the drop point is higher at 260 ° C. or higher than in the case of lithium soap, so that the durability of the rolling bearing at high temperatures can be further improved.
[0032]
Examples of the aliphatic carboxylic acid having a hydroxy group include 9-hydroxystearic acid, 10-hydroxystearic acid, 12-hydroxystearic acid, and 9,10-dihydroxystearic acid. Preferably, an acid is used.
Examples of the aliphatic dicarboxylic acid include oxalic acid, malonic acid, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, dodecandioic acid, and the like. preferable.
[0033]
In addition, it is preferable that the ratio of the aliphatic dicarboxylic acid in the aliphatic monocarboxylic acid and the aliphatic dicarboxylic acid, which are the materials of the lithium complex soap, is 20 to 40% by mass. This is because if the proportion of the aliphatic dicarboxylic acid is out of the above range, a thermally stable grease composition cannot be obtained.
[About consistency]
The mixing penetration is preferably from 180 to 300, more preferably from 220 to 280, in order to suppress the grease leakage of the rolling bearing and reduce the torque. This is because if the penetration ratio is less than 180, the grease composition becomes too hard, so that it is difficult to reduce the torque of the rolling bearing. On the other hand, if the penetration ratio exceeds 300, the grease leakage amount of the rolling bearing increases. Because.
[0034]
[About rust inhibitor]
The type of the rust inhibitor is not particularly limited as long as it is not an environmentally hazardous substance such as sodium nitrite, but a metal sulfonate, a carboxylic acid, a carboxylate, an ester rust inhibitor, and an amine rust inhibitor, etc. Can be used. Among these, it is preferable to use two or more kinds of rust inhibitors selected from carboxylic acids, carboxylate salts, ester rust inhibitors, and amine rust inhibitors.
[0035]
Examples of the metal sulfonate include calcium sulfonate and zinc sulfonate.
Examples of the carboxylic acid include monocarboxylic acids such as stearic acid and the like, alkyl succinic acids and derivatives thereof, alkenyl succinic acids and derivatives thereof, naphthenic acid, abietic acid, lanolin fatty acids, and the like.In particular, alkenyl succinic acid may be used. preferable.
[0036]
Examples of the carboxylate include metal salts of the carboxylic acids exemplified above (calcium, barium, magnesium, aluminum, zinc, lead, etc.), and it is particularly preferable to use a naphthenate (zinc naphthenate, etc.).
Examples of the ester-based rust preventive include sorbitan monooleate, sorbitan trioleate, pentaerythritol monooleate, carboxylic acid partial esters such as succinic acid half ester, and in particular, sorbitan monooleate and succinic acid half ester. It is preferable to use
[0037]
Examples of the amine-based rust preventive include amine derivatives such as alkoxyphenylamine, and dibasic carboxylic acid partial amides.
These rust preventives have a content of each selected rust preventive of 0.1 to 9.9% by mass with respect to the grease composition, and the total content of the rust preventive is grease. It is preferable to contain 0.2 to 10.0% by mass based on the total amount of the composition. If the content of each kind of rust preventive is less than 0.1% by mass and the total is less than 0.2% by mass, a sufficient rust preventive effect cannot be obtained. On the other hand, if the total exceeds 10.0% by mass, the content of the rust inhibitor becomes excessively large, and the content of the base oil becomes relatively small, so that good seizure resistance of the rolling bearing is obtained. I will not be able to. Therefore, the upper limit of the content of each type of rust inhibitor is 9.9% by mass. Since the seizure resistance is better when the content of the base oil is higher, the content of each selected type of rust inhibitor is set to 0.1 to 5.9% by mass with respect to the grease composition. Further, it is more preferable that the total content of the rust preventive agent is 0.2 to 6.0% by mass based on the total amount of the grease composition.
[0038]
In addition, various additives other than the rust inhibitor may be added to the grease composition in order to further improve various performances.
Specific additives include antioxidants such as amines, phenols, sulfur, zinc dithiophosphate, zinc dithiocarbamate, extreme pressure agents such as phosphorus, zinc dithiophosphate, organic molybdenum, fatty acids, animals and plants. Examples include oiliness improvers such as oils, metal deactivators such as benzotriazole, and the like. These additives can be used alone or in combination of two or more.
The amount of the additive is not particularly limited as long as the object of the present invention is not impaired.
[0039]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a sectional view showing an example of the rolling bearing of the present invention. Note that the present embodiment is an example of the present invention, and the present invention is not limited to the present embodiment.
The rolling bearing according to the present embodiment functions as a bearing that rotatably supports a rotating shaft provided in the electric motor.
[0040]
As shown in FIG. 1, a rolling bearing 10 includes a ball (rolling element) 3 that is disposed so as to freely roll between an inner race 1, an outer race 2, and a raceway surface 1 a of the inner race 1 and a raceway surface 2 a of the outer race 2. And a retainer 4 for rollingly holding the ball 3 between the inner ring 1 and the outer ring 2, and seals 5, 5 attached to the outer ring 2 and interposed between the inner ring 1 and the outer ring 2. I have. A grease composition G is sealed in a bearing gap surrounded by the inner ring 1, the outer ring 2, and the seals 5, 5.
[0041]
The grease composition G is configured to include a base oil, a thickener, and a rust inhibitor.
The base oil contains trimellitic acid ester oil represented by the chemical formula (1) in an amount of 30% by mass or more based on the whole amount of the grease composition.
In addition, R in the chemical formula (1)₁  , R₂  , R₃  Represents a hydrocarbon group having 6 to 9 carbon atoms;₁  , R₂, R₃  May be the same or different. The hydrocarbon group contained in the aromatic ester oil is not particularly limited, and examples thereof include a linear, branched or cyclic alkyl group.
[0042]
The thickener is represented by R in the chemical formula (2).₄  And R₆A diurea compound wherein is an alicyclic hydrocarbon group,₄  And R₆  A diurea compound in which one is an alicyclic hydrocarbon group and the other is a non-alicyclic hydrocarbon group;₄  And R₆Is a diurea compound having a hydrocarbon group other than an alicyclic group, and R₄  , R₆Among them, those obtained by mixing at a ratio such that the ratio of alicyclic hydrocarbon groups is 30 mol% or more.
[0043]
In addition, R in the chemical formula (2)₄  , R₆  Represents an aromatic hydrocarbon group, an aliphatic hydrocarbon group, an alicyclic hydrocarbon group, or a condensed hydrocarbon group;₅  Represents an aromatic hydrocarbon group having 6 to 15 carbon atoms. At this time, R₄  , R₆  Is represented by a condensed hydrocarbon group, the condensed hydrocarbon group preferably has 9 to 19 carbon atoms.
The rust inhibitor is a mixture of two or more selected from metal sulfonates, carboxylic acids, carboxylate salts, ester-based rust inhibitors, and amine-based rust inhibitors. Here, the rust preventive contains each selected one kind of rust preventive in an amount of 0.1 to 9.9% by mass with respect to the total amount of the grease composition G, and the total amount of the rust preventive is in the total amount of the grease composition G. The content is 0.2 to 10.0% by mass.
[0044]
Further, the grease composition G has a drop point of 260 ° C. or more and a mixing penetration of 180 to 300.
As described above, according to the rolling bearing 10 of the present embodiment, the grease composition G having excellent lubricating properties and rust prevention properties, and capable of lowering the torque of the rolling bearing is sealed, thereby reducing the torque. As a result, the life is extended and the acoustic characteristics are improved.
[0045]
In addition, the electric motor according to the present embodiment incorporates the rolling bearing 10 having the above-described effects, and thus has a low torque, a long life, and good acoustic characteristics.
In addition, in this embodiment, the case where the grease composition G of the present invention was sealed in the bearing gap of the rolling bearing was described, but the present invention is not limited to this, and the grease composition G of the present invention may be ball screw, linear guide, Alternatively, it may be enclosed in another rolling device such as a linear ball bearing.
[0046]
【Example】
Hereinafter, the effects of the present invention will be verified based on the following examples and comparative examples.
As shown in Table 1, various grease compositions were prepared by blending a base oil and a thickener. In addition, among the grease compositions shown in Table 1, in Examples 1 to 8 and Comparative Example 1, 1.0% by mass of a naphthenate (carboxylate) with respect to the total amount of the grease composition was used as a rust preventive. , 0.8% by mass of a succinic ester (ester-based rust inhibitor) and 0.2% by mass of sorbitan trioleate (ester-based rust inhibitor). In addition, each of the grease compositions shown in Table 1 contained 3% by mass of phenyl-1-naphthylamine (amine-based antioxidant).
[0047]
Here, the diurea compound A in Table 1 is represented by R in the chemical formula (2).₄  And R₆  Is an alicyclic hydrocarbon group. Similarly, diurea compound B is represented by R₄  And R₆  A diurea compound wherein is an alicyclic hydrocarbon group,₄  And R₆  A diurea compound in which one is an alicyclic hydrocarbon group and the other is an aliphatic hydrocarbon group;₄  And R₆  Is a diurea compound having an aliphatic hydrocarbon group, and R₄  , R₆Among them, the alicyclic hydrocarbon groups are mixed at a ratio of 50 mol%. Similarly, the diurea compound C is represented by R₄  And R₆A diurea compound wherein is an alicyclic hydrocarbon group,₄  And R₆  A diurea compound in which one is an alicyclic hydrocarbon group and the other is an aromatic hydrocarbon group;₄  And R₆Is a diurea compound having an aromatic hydrocarbon group, and R₄  , R₆  Among them, the alicyclic hydrocarbon groups are mixed at a ratio of 70 mol%. Similarly, diurea compound D is represented by R₄  And R₆Is an aromatic hydrocarbon group.
[0048]
The method of adjusting the grease composition by mixing the base oil and the thickener is not particularly limited, but a method of adjusting the grease composition of Example 8 will be described below as an example. First, diphenylmethane-4,4'-diisocyanate and an alicyclic amine are dissolved in trioctyl trimellitate in separate containers. Next, trioctyl trimellitate in which an alicyclic amine is dissolved is mixed with stirring in trioctyl trimellitate in which diphenylmethane-4,4′-diisocyanate is dissolved at 70 ° C., and then heated to 140 ° C. Diphenylmethane-4,4'-diisocyanate is reacted with an alicyclic amine. Then, an antioxidant and a rust inhibitor are added to trioctyl trimellitate in which the reaction between diphenylmethane-4,4'-diisocyanate and the alicyclic amine has been completed, followed by milling and defoaming to obtain a grease. Adjust the composition.
[0049]
[Table 1]

[0050]
These grease compositions were each evaluated for seizure life by a seizure life test, torqueability by a torque test, and rust prevention by a rust prevention test.
Hereinafter, methods for evaluating the various performances will be described.
[Seizure life test]
A rolling bearing 21 having the same configuration as the above-described rolling bearing 10 and having the grease composition shown in Table 1 sealed therein was incorporated in a bearing life tester 20 shown in FIG. 2 and rotated under the following test conditions. In the bearing life tester 20 shown in FIG. 2, a rolling bearing (test bearing) 21 is incorporated into a rotating shaft 22 supported by an angular ball bearing 24 of a spindle 23, and is driven by a 15 kW drive motor (not shown). It was rotated via a pulley 25. A radial load and an axial load were respectively applied to the rolling bearing 21 by the weight of the cylindrical bearing housing 26 and the coil spring 29. The rolling bearing 21 was heated by a cartridge heater 27 embedded in a bearing housing 26, and temperature was controlled by a thermocouple in contact with the bearing outer ring.
[0051]
Then, it was considered that seizure occurred when the temperature rose by 15 ° C. from the bearing set temperature, and a grease composition in which the time until seizure occurred was 1000 hours or more was judged as acceptable. The results are shown in Table 2.
(Test condition)
Test bearing: Nippon Seiko Co., Ltd. single row deep groove ball bearing No. 6305 (inner diameter 25mm, outer diameter 62mm, width 17mm)
Rotation speed: 3000min^-1
Radial load: 98N
Axial load: 1470N
Bearing set temperature: 140 ° C
[0052]
[About torque test]
A rolling bearing 31 having the same configuration as the above-described rolling bearing 10 and having the grease composition shown in Table 1 sealed therein was incorporated in a torque measuring device 30 shown in FIG. Here, the rolling bearing 31 has an inner ring fixed to an air spindle 32 via an arbor 33, and an outer ring fixed to an aluminum cap 35 having an air bearing 34. Then, the inner spindle of the rolling bearing 31 was rotated by rotating the air spindle 32 under the following test conditions. Then, the torque value 5 minutes after the rotation was measured by the strain cage 36 connected to the aluminum cap 35. This measured value is recorded by the recorder 39 via the strain amplifier 37 and the low-pass filter 38. In the evaluation of the torque test, the case where the relative value when the torque value after 5 minutes from the start of rotation of Comparative Example 1 was set to 1 was within 1.2 was regarded as acceptable. Table 2 shows the results.
[0053]
(Test condition)
Test bearing: Single row deep groove ball bearing number 608 (inner diameter 8mm, outer diameter 22mm, width 7mm) manufactured by NSK Ltd.
Rotation speed: 1800min^-1
Axial load: 24.5N
Bearing set temperature: 25 ° C
[Rust prevention test]
First, the grease composition shown in Table 1 was placed in a bearing gap of a single-row deep groove ball bearing number 6303 (inner diameter 17 mm, outer diameter 47 mm, width 14 mm) manufactured by Nippon Seiko Co., Ltd. having the same configuration as the above-described rolling bearing 10. 2.7 g was enclosed. Thereafter, a 0.1% aqueous solution of sodium chloride was placed in the bearing space by 0.3 cm.³  After injecting and attaching a non-contact seal, rotation was performed to an extent that it became familiar. After leaving the bearing in an environment of 60 ° C. and 70% RH for 3 days, the inner ring raceway surface of the bearing was observed. The results are shown in Table 2.
[0054]
[Table 2]

[0055]
As shown in Table 2, the grease compositions of Examples 1 to 8 according to the present invention passed all of the seizure life test, the torque test, and the rust prevention test.
On the other hand, the grease composition of Comparative Example 1 containing no aromatic ester oil as the base oil failed the seizure life test. Further, in Comparative Example 2 containing a thickener outside the scope of the present invention and containing no rust inhibitor, none of the seizure life test, torque test, and rust prevention test failed. Was. Furthermore, in Comparative Example 3 containing a base oil having a kinematic viscosity at 40 ° C. outside the range of the present invention and containing no rust preventive, the torque test and the rust preventive test failed.
[0056]
Next, in the grease composition shown in Example 8, the base oil was trimellitic acid ester oil and PET (kinematic viscosity at 40 ° C. was 46 mm²  / S) and oils prepared by variously changing the mixing ratio of the two. Then, the seizure life was evaluated in the same manner as described above. The results are shown in the graph of FIG. In addition, the seizure life in the graph of FIG. 4 is indicated by a relative value when the seizure life when the base oil is composed of only PET is set to 1.
[0057]
As shown in FIG. 4, when the content of trimellitate oil is 30% by mass or more based on the total amount of the base oil, it can be seen that the seizure life is excellent.
Subsequently, the grease compositions shown in Example 4 and Comparative Example 3 were prepared by variously changing the content of the thickener with respect to the total amount of the composition. Then, the seizure life was evaluated in the same manner as described above. The results are shown in the graph of FIG. The seizure life in the graph of FIG. 5 is shown as a relative value when the value of Comparative Example 1 is set to 1. Further, the graph of Example 4 ′ shown in FIG. 5 shows the results of various changes in the content of the thickener with respect to the total amount of the grease composition in Example 4, and similarly, the graph of Comparative Example 3 ′ The results of various changes in the content of the thickener with respect to the total amount of the grease composition in Comparative Example 3 are shown.
[0058]
As shown in FIG. 5, when the thickener is contained in the composition in an amount of 5 to 35% by mass, the seizure life is excellent, and the thickener is contained in the amount of 8 to 25% by mass. It can be seen that the seizure life is more excellent in the case of. When the thickener is contained in an amount of 9 to 20% by mass with respect to the total amount of the composition, it can be seen that the seizure life is further excellent.
[0059]
Further, the thickener is represented by R in the chemical formula (2).₄  And R₆  Is composed of a diurea compound in which is an alicyclic hydrocarbon group,₄  And R₆  It can be seen that, compared to Comparative Example 3 'in which a diurea compound having an aromatic hydrocarbon group was used, even with a small amount of the thickener, excellent seizure life was exhibited.
[0060]
【The invention's effect】
As described above, according to the grease composition of the present invention, the content of the aromatic ester oil contained in the base oil and the content of the thickener contained in the composition were set to a suitable amount. Thereby, excellent lubrication characteristics can be obtained, and the torque of the rolling bearing can be reduced.
[0061]
According to the grease composition of the present invention, the kinematic viscosity at 40 ° C. of the base oil is set to a suitable range, and the aromatic ester oil is trimellitic acid ester oil, so that the base oil has a low pour point and a high pour point. Since the viscosity index and the low kinematic viscosity can be set, more excellent lubrication characteristics can be obtained, and the torque of the rolling bearing can be further reduced.
[0062]
Furthermore, according to the grease composition of the present invention, by setting the dropping point and the penetration consistency to suitable values, it is possible to obtain excellent lubricating properties and to reduce the dust generation and the torque of the rolling bearing. Can be planned.
Furthermore, according to the grease composition of the present invention, by setting the ratio of the alicyclic hydrocarbon group among the hydrocarbon groups of the diurea compound as a thickener to a suitable value, more excellent lubricating properties are obtained. The rolling bearing can have a longer life.
[0063]
Furthermore, according to the grease composition of the present invention, by setting the type and content of the rust preventive to be suitable, it is possible to obtain excellent rust preventive properties without impairing the lubricating properties. In addition, by not including an environmentally hazardous substance as a type of the rust preventive, it is possible to dispel concerns about environmental pollution when the grease composition leaks from the rolling bearing.
[0064]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the rolling bearing of this invention, it has excellent lubrication characteristics and the grease composition which can reduce the torque of a rolling bearing is enclosed, and a low torque and a long life are prolonged.
According to the rolling bearing of the present invention, the grease composition having excellent lubricating properties and rust prevention properties, and capable of lowering the torque of the rolling bearing is encapsulated, so that the life is extended at a low torque and the life is extended. In addition, the sound characteristics are improved.
[0065]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the electric motor of this invention, by providing a low-torque and long-life rolling bearing, a low-torque and long-life is obtained.
Further, according to the electric motor of the present invention, by providing a rolling bearing having excellent acoustic characteristics and a low torque and a long life, the life is extended at a low torque and the acoustic characteristics are improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing one configuration example of a rolling bearing according to the present invention.
FIG. 2 is a sectional view showing a bearing life tester.
FIG. 3 is a sectional view showing a torque measuring device.
FIG. 4 is a graph showing the relationship between the content of trimellitate oil relative to the total amount of base oil and the seizure life.
FIG. 5 is a graph showing the relationship between the content of a thickener with respect to the total amount of a grease composition and the seizure life.
[Explanation of symbols]
1 ... Inner ring
2 ... Outer ring
3. Ball (rolling element)
10, 21, 31 ... rolling bearing
G: Grease composition

Claims (7)

In a grease composition containing a base oil and a thickener,
The base oil contains at least 30% by mass of an aromatic ester oil based on the total amount of the base oil,
The grease composition, wherein the content of the thickener is 5 to 35% by mass based on the total amount of the composition. The kinematic viscosity at 40 ° C. of the base oil is 20 to 60 mm ² / s, and the aromatic ester oil is a trimellitic acid ester oil represented by the following chemical formula (1). 2. The grease composition according to 1.

Note that R ₁ , R ₂ , and R ₃ in the chemical formula (1) represent a hydrocarbon group having 6 to 9 carbon atoms. The grease composition according to claim 1, wherein the grease composition has a dropping point of 260 ° C. or higher, and a mixing consistency of 180 to 300. The thickener is a diurea compound in which R ₄ and R ₆ in the following chemical formula (2) are alicyclic hydrocarbon groups, and one of R ₄ and R ₆ is an alicyclic hydrocarbon group and the other is an alicyclic hydrocarbon group. A diurea compound which is a hydrocarbon group other than the above, and a diurea compound wherein R ₄ and R ₆ are a hydrocarbon group other than the alicyclic group, wherein alicyclic hydrocarbons among R ₄ and R ₆ which all the diurea compounds have The mixture is such that the ratio of the groups is 30 mol% or more,
The grease composition according to any one of claims 1 to 3, wherein the content of the thickener is 9 to 20% by mass based on the total amount of the composition.
R ₄ -NHCONH-R ₅ -HNOCHN-R ₆ (2)
R ₄ and R ₆ in the chemical formula (2) represent an aromatic hydrocarbon group, an aliphatic hydrocarbon group, an alicyclic hydrocarbon group or a condensed hydrocarbon group, and R ₅ has 6 to 15 carbon atoms. Represents an aromatic hydrocarbon group. Carboxylic acid, carboxylate, ester-based rust inhibitor, and contains two or more rust inhibitors selected from amine-based rust inhibitors, the content of each selected rust inhibitor, the composition 0.1 to 9.9% by mass with respect to the total amount of the composition, and the total content of all rust preventives is 0.2 to 10.0% by mass with respect to the total amount of the composition. The grease composition according to any one of claims 1 to 4. In a rolling bearing including an inner ring, an outer ring, and a plurality of rolling elements disposed to be rotatable between the inner ring and the outer ring,
A rolling bearing, wherein the grease composition according to any one of claims 1 to 5 is sealed in a gap formed between the inner ring and the outer ring and in which the rolling element is disposed. . In an electric motor including a rotating shaft and a bearing rotatably supporting the rotating shaft,
An electric motor, wherein the bearing is the rolling bearing according to claim 6.

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