JP2004334735A - ソフトウェア無線機 - Google Patents
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Abstract
【課題】CORBA対応のソフトウェア無線機がCORBA未対応のハードウェアデバイスを利用できるようなCORBA対応ソフトウェアを実現する。
【解決手段】ソフトウェア無線機で実行中の他のCORBA対応アプリケーション6がCORBA対応ソフトウェア5bの実装する関数を呼び出す。すると、ソフトウェアバスであるORB5fが、スケルトン5dを介してCORBA対応ソフトウェア5bの実装する関数の呼出命令をかける。これにより、CORBA対応ソフトウェア5bが実装する処理関数が実行される。CORBA対応ソフトウェア5bは、処理関数の実行内容に基づいてCORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの制御を行う。つまり、CORBA対応ソフトウェア5bは、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aやハードウェアデバイスをCORBA対応であるかのように動作させることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】ソフトウェア無線機で実行中の他のCORBA対応アプリケーション6がCORBA対応ソフトウェア5bの実装する関数を呼び出す。すると、ソフトウェアバスであるORB5fが、スケルトン5dを介してCORBA対応ソフトウェア5bの実装する関数の呼出命令をかける。これにより、CORBA対応ソフトウェア5bが実装する処理関数が実行される。CORBA対応ソフトウェア5bは、処理関数の実行内容に基づいてCORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの制御を行う。つまり、CORBA対応ソフトウェア5bは、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aやハードウェアデバイスをCORBA対応であるかのように動作させることができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CORBA(Common Object Request Broken Architecture)対応のソフトウェア分散処理構造を備えたソフトウェア無線機に関し、特に、CORBAに対応しないハードウェアデバイスを追加するためのCORBA対応ソフトウェアを備えたソフトウェア無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ソフトウェアによって無線機の実行プログラムを切り替えることにより、無線機における同一のハードウェアリソースで複数の無線通信方式に対応できるソフトウェア無線機が広く知られている。このように、ソフトウェアの変更により無線機の構成を変更することができるソフトウェア無線機においては、ネットワークから所望の機能を定義したファイルをダウンロードすることによって、ソフトウェア無線機内のモジュールの構成を変更することにより複数の無線通信方式を実現することが可能となる。
【0003】
ところで、ソフトウェアを異なるOS(Operation System)やマシンで動作させるような移植性に富んだPosix(Portable Operating System Interface)系のOS上で動作するソフトウェア無線機のアプリケーションソフトウェアは、複数の演算処理装置を用いてソフトウェアの分散処理を行うことで、ソフトウェア無線機における移植性、保守性、拡張性の向上化を図っている。また、これらの複数の演算処理装置は、ミドルウェアであるCORBAとアプリケーションの配置や利用を支援する共通のアプリケーションサービスを利用したソフトウェア実行環境を備えている。尚、CORBAとは、分散環境でクライアントがサーバのオブジェクトにアクセスするためのソフトウェアバスを提供する標準技術であり、OMG(0bject Management Group)という標準化団体が標準化した仕様であって、ネットワーク上で異なるアプリケーションソフトウェアで作成されたデータ同士でメッセージ交換を行う機能を備えている。つまり、ミドルウェアとしてCORBAを用いることによってプログラム言語の壁を越えてオブジェクト同士の通信が可能となる。
【0004】
しかし、Posix系のOS上で動作するソフトウェア無線機のアプリケーションソフトウェアを作成することは可能であるが、アプリケーションソフトウェアの作成上の都合からそのアプリケーションソフトウェアがCORBAに対応できない場合や、Posix系のOSが乗らないハードウェアデバイスやDSP(Digital Signal Processor)等のデジタル信号処理に特化したシグナルプロセッサを利用する場合は、CORBAを利用するためのインタフェースが必要になってくる。つまり、CORBA対応のソフトウェア無線機が、CORBAに対応できないアプリケーションやハードウェアデバイスを取り込んで利用しようとする場合は、特定のインタフェースを設けなければならない。
【0005】
図6は、CORBA未対応のハードウェアデバイスや演算処理装置をCORBA対応のソフトウェア無線機へ流用する状態を示す概念図である。すなわち、図6に示すように、CORBA対応のソフトウェア無線機21が、CORBA未対応の(つまり、CORBAインタフェースを持たない)MOD/DEM(Modulation/Demodulation)演算処理装置23aを利用する場合や、CORBA未対応のCOD/DEC(Code/Decode)演算処理装置23bを利用する場合は、CORBAに対応するインタフェースを設ける必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、CORBA対応のミドルウェアを使用してソフトウェアの分散処理を行う構造を備えたソフトウェア無線機は、CORBAのようなミドルウェアとのインタフェースを持たないアプリケーションや、Posix系のOSが乗らない演算処理装置及びハードウェアデバイスなどをそのままでは利用することはできない。しかしながら、CORBA対応のミドルウェア(以下、単にCORBAと云う)とのインタフェースを持たないが、Posix系のOS上で動作が可能なアプリケーションは、既に市場に存在し現在も増え続けている。例えば、ソフトウェア無線機で利用されるアプリケーションにおいて、Posix系のOS上で動作が可能であって、CORBAとのインタフェースを持たないアプリケーションの例としては、情報秘匿化アプリケーションなどがある。また、供給される他社のアプリケーションが、ハードウェアデバイスとの相性は良いが、CORBA以外のミドルウェアを使用しているためにCORBAによるミドルウェアとのインタフェースに合致しない場合もある。つまり、CORBA対応のソフトウェア無線機がCORBA未対応のアプリケーションやハードウェアデバイスを利用する場合は、そのためにわざわざインタフェースを設けなければならないので、ソフトウェア無線機の使い勝手が甚だ悪い。
【0007】
図7は、CORBA対応のソフトウェア無線機がCORBA未対応(CORBAインタフェースを持たない)の演算処理装置やハードウェアデバイスを利用することができない場合を示す概念図である。図7に示すように、CORBA対応のソフトウェア無線機21は、インタフェース22に接続することによってCORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置23aやCORBA未対応のCOD/DEC演算処理装置23bを利用することができる。しかし、複数の演算処理装置やハードウェアデバイスを備えていてCORBAによる分散処理構造を持つソフトウェア無線機21aは、直接では、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置23aやCORBA未対応のCOD/DEC演算処理装置23bを利用することはできない。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、CORBA対応のソフトウェア無線機が、CORBA対応ソフトウェアを用いることにより、CORBA未対応のアプリケーションやPosix系のOSが乗らない演算処理装置及びハードウェアデバイスを利用できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のソフトウェア無線機は、ミドルウェアとしてCORBAを使用し、ソフトウェアの分散処理環境で動作するアプリケーションによって無線機能を実現させるソフトウェア無線機において、CORBAに対応不可能な演算処理装置及びハードウェアデバイスと、ソフトウェア無線機の何れかの演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーションの処理関数に基づいて、演算処理装置及びハードウェアデバイスの起動・制御・データ授受を行うCORBA対応ソフトウェアとを備えることを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明のソフトウェア無線機によれば、CORBA対応ソフトウェアが、ソフトウェア無線機の他の演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーションの処理関数を利用することによって、CORBA未対応の演算処理装置やハードウェアデバイスを見掛け上CORBA上に存在しているかのようなソフトウェア制御を行う。これによって、ソフトウェア無線機が、ソフトウェア実行環境をもつ複数の演算処理装置を用いて、ソフトウェア分散処理を行う環境上で動作するアプリケーションによって無線機能を実現する場合に、CORBAに対応させることができない演算処理装置やハードウェアデバイスを、インタフェースを用いることなく利用することができる。
【0011】
また、本発明のソフトウェア無線機においては、前記処理関数は、CORBA対応ソフトウェアが実装するIDLインタフェースによって呼出命令がかけられることを特徴とする。すなわち、IDLインタフェースはOSに依存されないインタフェースを定義するIDL(Interface Definition Language)によって記述されているので、分散環境のOSに共通なインタフェースとして用いることができる。したがって、CORBA対応ソフトウェアはどのようなOS上でも適用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
ソフトウェア無線機を有効に機能させるためには、共通のアプリケーションサービスを利用して、ミドルウェアとしてのCORBAとアプリケーションの配置や利用を支援することが必要である。このとき、ソフトウェア無線機は、ソフトウェア実行環境を持つ複数の演算処理装置を用いて、ソフトウェアの分散処理を行う環境上で、アプリケーション、演算処理装置、及びハードウェアデバイスを動作させて無線機能を実現している。この場合、CORBA対応のソフトウェア無線機は、CORBA対応ソフトウェアを利用することによって、CORBAとのインタフェースを持たない(つまり、CORBA未対応の)アプリケーション、演算処理装置、及びハードウェアデバイスの利用を可能にすることができる。
【0013】
以下、図面を用いて、本発明のソフトウェア無線機に適用されるCORBA対応ソフトウェアの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明によるCORBA対応のソフトウェア無線機が、CORBA対応ソフトウェアを用いて、CORBA未対応のアプリケーション、演算処理装置、及びハードウェアデバイスを利用する状態を示す概念図である。図1に示すように、CORBA対応のソフトウェア無線機1は、CORBAとのインタフェースを持たなくても、CORBA対応ソフトウェア2a,2bを用いることによって、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aやCORBA未対応のCOD/DEC演算処理装置3bを利用することができる。
【0014】
図2は、本発明のソフトウェア無線機におけるCORBA対応ソフトウェアと、ミドルウェアとしてのCORBAと、CORBA未対応ハードウェアデバイスの関係を示す図であり、(a)はCORBAを用いて分散処理を実現するソフトウェア無線機のハードウェア、(b)は(a)のモデム部におけるソフトウェアを示している。
【0015】
図2(a)において、ソフトウェア無線機のハードウェア4は、無線通信を実行するRF部4aに対して通信制御を行うモデム部4bと、無線通信の回線をネットワーク上に接続するネットワーク部4cと、LAN等に接続された無線通信回線のセキュリティを確保するセキュリティ部4dと、アプリケーションソフトウェアを実行するCOD/DEC部4eとが、バス規格の一つであるCompactPCI(Peripheral Component Interconnect)4fに接続された構成となっている。
【0016】
また、図2(b)において、モデム部のソフトウェア5は、CORBA未対応の演算処理装置・ハードウェアデバイス5aとCORBA対応ソフトウェア5bがCORBA5c上に存在し、CORBA対応ソフトウェア5bが、スケルトン5d及びスタブ5eを介して、CompactPCI内のソフトウェアバスであるORB5fに接続された構成となっている。尚、CORBA対応ソフトウェア5bとCORBA未対応の演算処理装置・ハードウェアデバイス5aは、同じマイコンボード内で実行が行われるものとする。
【0017】
上記のような構成により、CORBA対応ソフトウェア5bは、図示しない他のCORBA対応アプリケーションから見て、CORBA未対応の演算処理装置・ハードウェアデバイス5aを見掛け上CORBA5c上に存在しているかのようなソフトウェア制御を行っている。また、モデム部のソフトウェア5においては、ソフトウェア無線機のハードウェア4へのアクセスは図示しないデバイスドライバを使用して実行し、ソフトウェア無線機のハードウェア4からのデータの授受や、ソフトウェア無線機のハードウェア4の起動、制御などのハードウェアデバイスの各種制御を行っている。尚、実際にソフトウェア無線機に使用するCORBA対応ソフトウェア5bは、デジタル信号処理に特化したシグナルプロセッサであるDSPを起動したり、制御したり、あるいはデータ授受を行ったりするものである。すなわち、CORBA対応ソフトウェア5bは、図示しない他のCORBA対応アプリケーションソフトウェアからCORBAを通じてDSPへの演算処理の依頼を行うという割り込みが入ったときに、DSPの起動、制御を行ってデータの授受を行っている。
【0018】
次に、CORBA対応ソフトウェアが、ソフトウェア無線機の他の演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーション(つまり、他のCORBA対応アプリケーション)の処理関数に基づいて、CORBA未対応の演算処理装置やハードウェアデバイスを制御する動作について説明する。図3は、本発明のソフトウェア無線機において、他のCORBA対応アプリケーションソフトウェアより呼び出されたCORBA対応ソフトウェアが処理プログラムを実行する動作を示す概念図であり、図4は、図3に示すCORBA対応ソフトウェアの動作概念図の流れを示すフローチャートである。
【0019】
したがって、図3と図4を参照してCORBA対応ソフトウェアが行う処理プログラムの動作の流れを説明する。まず、ソフトウェア無線機の他の演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーション(以下、他のCORBA対応アプリケーションと云う)6は、スタブ5eを介してCORBA対応ソフトウェア5bが実装する関数を呼び出す(ステップS1)。次に、CompactPCI内のソフトウェアバスであるORB5(Object Request Broker)fが、CORBA対応ソフトウェア5bのIDL(Interface Definition Language)インタフェースであるスケルトン5dによって、CORBA対応ソフトウェア5bが実装する関数の呼出命令をかける(ステップS2)。
【0020】
これによって、IDLインタフェースであるスケルトン5dは、CORBA対応ソフトウェア5bが実装する処理関数を実行する。このときの処理関数は、演算処理装置の起動処理を行う処理関数、演算処理装置の設定処理を行う処理関数、演算処理装置とのデータ授受処理を行う処理関数などである(ステップS3)。尚、IDLインタフェースは、OSに依存されないインタフェースを定義するIDLによって記述されたインタフェースである。したがって、IDLインタフェースは分散環境のOSに共通なインタフェースとして好んで用いられている。
【0021】
次に、CORBA対応ソフトウェア5bは、これらの処理関数に基づいて、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの起動・制御・データ授受を行う(ステップS4)。そして、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの起動・制御・データ授受の結果を示す戻り値があるか否かを判定し(ステップS5)、戻り値があれば(ステップS5でYesの場合)、処理結果はエラーであるので、IDLインタフェースであるスケルトン5eに戻り値をセットする(ステップS6)。一方、戻り値がなければ(ステップS5でNoの場合)、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの起動・制御・データ授受の処理を終了する。このようにして、CORBA対応ソフトウェア5bは、ソフトウェア無線機の他の演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーション(つまり、他のCORBA対応アプリケーション6)の処理関数に基づいて、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの起動・制御・データ授受を行うことができる。
【0022】
次に、CORBA対応ソフトウェアを実際にソフトウェア無線機に使用する場合について、具体的なCORBA対応ソフトウェアの動作フローを説明する。図5は、ソフトウェア無線機に使用されたCORBA対応ソフトウェアのデータ処理の流れを示す概念図である。図5において、ソフトウェア無線機は、第1のCORBA対応アプリケーション6a、第2のCORBA対応アプリケーション6b、C−PCI(CompactPCI)4f、CORBA対応ソフトウェア5b、複数のデータ領域7a,7bを有するDP−RAM7、及びバッファ8a,8bを有するDSP8を備えた構成となっている。また、CORBA対応ソフトウェア5bは、スケルトン5d及びスタブ5eを有するIDLインタフェース9、リングバッファ10a,10b、処理関数プログラム11、及びデバイスドライバ12を備えている。
【0023】
次に、図5に示すソフトウェア無線機におけるCORBA対応ソフトウェア5bのデータ処理の流れを説明する。まず、ステップS11において、第1のCORBA対応アプリケーション6は、C−PCI4fのCORBAを通じて、CORBA対応ソフトウェア5bが実装しているIDLインタフェース9(つまり、CORBA対応ソフトウェア5bが実装している関数)の呼び出しを行い、引数として演算処理を行うデータをIDLインタフェース9へ渡す。次に、ステップS12において、ステップS11での関数呼び出しをトリガにして処理関数プログラム11を起動し、データの受信からデータの送信までの一連の処理を行う。つまり、ここでは、引数により受け取ったデータを加工してCORBAデータ型からC/C++データ型にすることにより、デバイスドライバ12やDSP8が使用できるデータ型に変換してから、リングバッファ10aによってデータのバッファリングを行う。このとき、リングバッファ10aは受け取ったデータをそのままDSP8へ渡すことは出来ないため、FIFO(First−In First−Out:先入れ先だし)によってデータ量の調整を行う。
【0024】
次に、ステップS13において、CORBA対応ソフトウェア5bはリングバッファ10aでバッファリングされたデータを取り出し、デバイスドライバ処理関数を呼び出し、引数としてデバイスドライバ12へデータを渡す。すると、デバイスドライバ12はDP−RAM7のデータ領域7bへデータを書き込む。その後、CORBA対応ソフトウェア5bは、デバイスドライバ12を通じ、DSP8のバッファ8aに対して、DP−RAM7へデータ書き込みを行ったことを伝えるための割込みをかける。
【0025】
さらに、ステップS14において、DSP8のバッファ8aは割り込みを受け取ることによってDP−RAM7のデータ領域7bからデータを読み出して演算処理を行い、演算処理済のデータをとりあえずバッファ8bに格納する。そして、ステップS15において、DSP8は、演算処理後に演算処理済データをバッファ8bから取り出してDP−RAM7のデータ領域7aへ書き込む。次に、ステップS16において、CORBA対応ソフトウェア5bは、デバイスドライバ12の処理関数を呼び出し、DP−RAM7のデータ領域7aに書き込まれたデータの読み出しを行い、このデータを再度リングバッファ10bへバッファリングする。
【0026】
そして、ステップS17において、CORBA対応ソフトウェア5bは、リングバッファ10bにバッファリングされた演算処理済みデータを取り出し、CORBA経由(つまり、C−PCI4f経由)でデータを流すことが出来るCORBAデータ型へデータの加工を行い、処理結果を渡すために第2のCORBA対応アプリケーション6が実装するIDLインタフェース(処理関数)を呼び出し、この処理関数のデータを引数として第2のCORBA対応アプリケーション6へ渡す。以上のような処理フローによって、CORBA対応ソフトウェア5bが、CORBAとCORBA未対応のハードウェアデバイスとの間を仲介することにより、CORBA未対応ハードウェアデバイスはCORBA対応ハードウェアデバイスであるかの如く動作する。
【0027】
以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。上記の実施の形態では、CORBA対応ソフトウェアをソフトウェア無線機に適用した場合について述べたが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明で実現されたCORBA対応ソフトウェアは、ネットワークから所望の機能を定義したファイルをダウンロードすることによってモジュールの構成を変更することができるようなあらゆる装置に適用できることは云うまでもない。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のソフトウェア無線機に適用されるCORBA対応ソフトウェアによれば、CORBA対応のソフトウェア分散処理構造を持つソフトウェア無線機のアプリケーションにおいて、CORBA未対応の演算処理装置やハードウェアデバイスをCORBA対応であるかのように動作させることが可能となる。これによって、CORBA対応のソフトウェア無線機は、特別なインタフェースを用いることなく、CORBA未対応の演算処理装置やハードウェアデバイスを利用することができる。また、このような構造によるCORBA対応ソフトウェアはあらゆる分野への流用が可能であり、CORBA未対応アプリケーションや演算処理装置の再利用が一段と容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるCORBA対応のソフトウェア無線機が、CORBA対応ソフトウェアを用いて、CORBA未対応のアプリケーション、演算処理装置、及びハードウェアデバイスを利用する状態を示す概念図である。
【図2】本発明のソフトウェア無線機におけるCORBA対応ソフトウェアと、ミドルウェアとしてのCORBAと、CORBA未対応ハードウェアデバイスの関係を示す図であり、(a)はCORBAを用いて分散処理を実現するソフトウェア無線機のハードウェア、(b)は(a)のモデム部におけるソフトウェアを示す。
【図3】本発明のソフトウェア無線機において、他のCORBA対応アプリケーションソフトウェアより呼び出されたCORBA対応ソフトウェアが処理プログラムを実行する動作を示す概念図である。
【図4】図3に示すCORBA対応ソフトウェアの動作概念図の流れを示すフローチャートである。
【図5】ソフトウェア無線機に使用されたCORBA対応ソフトウェアのデータ処理の流れを示す概念図である。
【図6】CORBA未対応のハードウェアデバイスや演算処理装置をCORBA対応のソフトウェア無線機へ流用する状態を示す概念図である。
【図7】CORBA対応のソフトウェア無線機がCORBA未対応(CORBAインタフェースを持たない)の演算処理装置やハードウェアデバイスを利用することができない場合を示す概念図である。
【符号の説明】
1 CORBA対応のソフトウェア無線機、2a,2b,5b CORBA対応ソフトウェア、3a CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置、3bCORBA未対応のCOD/DEC演算処理装置、4 ソフトウェア無線機のハードウェア、4a RF部、4b モデム部、4c ネットワーク部、4d セキュリティ部、4e COD/DEC部、4f CompactPCI、5 モデム部のソフトウェア、5a CORBA未対応の演算処理装置・ハードウェアデバイス、5c CORBA、5d スケルトン、5e スタブ、5f ORB(CompactPCI内のソフトウェアバス)、6 他のCORBA対応アプリケーション、6a 第1のCORBA対応アプリケーション、6b 第2のCORBA対応アプリケーション、7 DP−RAM、7a,7b データ領域、8 DSP、8a,8b バッファ、9 IDLインタフェース、10a,10b リングバッファ、11 処理関数プログラム、12 デバイスドライバ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、CORBA(Common Object Request Broken Architecture)対応のソフトウェア分散処理構造を備えたソフトウェア無線機に関し、特に、CORBAに対応しないハードウェアデバイスを追加するためのCORBA対応ソフトウェアを備えたソフトウェア無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ソフトウェアによって無線機の実行プログラムを切り替えることにより、無線機における同一のハードウェアリソースで複数の無線通信方式に対応できるソフトウェア無線機が広く知られている。このように、ソフトウェアの変更により無線機の構成を変更することができるソフトウェア無線機においては、ネットワークから所望の機能を定義したファイルをダウンロードすることによって、ソフトウェア無線機内のモジュールの構成を変更することにより複数の無線通信方式を実現することが可能となる。
【0003】
ところで、ソフトウェアを異なるOS(Operation System)やマシンで動作させるような移植性に富んだPosix(Portable Operating System Interface)系のOS上で動作するソフトウェア無線機のアプリケーションソフトウェアは、複数の演算処理装置を用いてソフトウェアの分散処理を行うことで、ソフトウェア無線機における移植性、保守性、拡張性の向上化を図っている。また、これらの複数の演算処理装置は、ミドルウェアであるCORBAとアプリケーションの配置や利用を支援する共通のアプリケーションサービスを利用したソフトウェア実行環境を備えている。尚、CORBAとは、分散環境でクライアントがサーバのオブジェクトにアクセスするためのソフトウェアバスを提供する標準技術であり、OMG(0bject Management Group)という標準化団体が標準化した仕様であって、ネットワーク上で異なるアプリケーションソフトウェアで作成されたデータ同士でメッセージ交換を行う機能を備えている。つまり、ミドルウェアとしてCORBAを用いることによってプログラム言語の壁を越えてオブジェクト同士の通信が可能となる。
【0004】
しかし、Posix系のOS上で動作するソフトウェア無線機のアプリケーションソフトウェアを作成することは可能であるが、アプリケーションソフトウェアの作成上の都合からそのアプリケーションソフトウェアがCORBAに対応できない場合や、Posix系のOSが乗らないハードウェアデバイスやDSP(Digital Signal Processor)等のデジタル信号処理に特化したシグナルプロセッサを利用する場合は、CORBAを利用するためのインタフェースが必要になってくる。つまり、CORBA対応のソフトウェア無線機が、CORBAに対応できないアプリケーションやハードウェアデバイスを取り込んで利用しようとする場合は、特定のインタフェースを設けなければならない。
【0005】
図6は、CORBA未対応のハードウェアデバイスや演算処理装置をCORBA対応のソフトウェア無線機へ流用する状態を示す概念図である。すなわち、図6に示すように、CORBA対応のソフトウェア無線機21が、CORBA未対応の(つまり、CORBAインタフェースを持たない)MOD/DEM(Modulation/Demodulation)演算処理装置23aを利用する場合や、CORBA未対応のCOD/DEC(Code/Decode)演算処理装置23bを利用する場合は、CORBAに対応するインタフェースを設ける必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、CORBA対応のミドルウェアを使用してソフトウェアの分散処理を行う構造を備えたソフトウェア無線機は、CORBAのようなミドルウェアとのインタフェースを持たないアプリケーションや、Posix系のOSが乗らない演算処理装置及びハードウェアデバイスなどをそのままでは利用することはできない。しかしながら、CORBA対応のミドルウェア(以下、単にCORBAと云う)とのインタフェースを持たないが、Posix系のOS上で動作が可能なアプリケーションは、既に市場に存在し現在も増え続けている。例えば、ソフトウェア無線機で利用されるアプリケーションにおいて、Posix系のOS上で動作が可能であって、CORBAとのインタフェースを持たないアプリケーションの例としては、情報秘匿化アプリケーションなどがある。また、供給される他社のアプリケーションが、ハードウェアデバイスとの相性は良いが、CORBA以外のミドルウェアを使用しているためにCORBAによるミドルウェアとのインタフェースに合致しない場合もある。つまり、CORBA対応のソフトウェア無線機がCORBA未対応のアプリケーションやハードウェアデバイスを利用する場合は、そのためにわざわざインタフェースを設けなければならないので、ソフトウェア無線機の使い勝手が甚だ悪い。
【0007】
図7は、CORBA対応のソフトウェア無線機がCORBA未対応(CORBAインタフェースを持たない)の演算処理装置やハードウェアデバイスを利用することができない場合を示す概念図である。図7に示すように、CORBA対応のソフトウェア無線機21は、インタフェース22に接続することによってCORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置23aやCORBA未対応のCOD/DEC演算処理装置23bを利用することができる。しかし、複数の演算処理装置やハードウェアデバイスを備えていてCORBAによる分散処理構造を持つソフトウェア無線機21aは、直接では、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置23aやCORBA未対応のCOD/DEC演算処理装置23bを利用することはできない。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、CORBA対応のソフトウェア無線機が、CORBA対応ソフトウェアを用いることにより、CORBA未対応のアプリケーションやPosix系のOSが乗らない演算処理装置及びハードウェアデバイスを利用できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のソフトウェア無線機は、ミドルウェアとしてCORBAを使用し、ソフトウェアの分散処理環境で動作するアプリケーションによって無線機能を実現させるソフトウェア無線機において、CORBAに対応不可能な演算処理装置及びハードウェアデバイスと、ソフトウェア無線機の何れかの演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーションの処理関数に基づいて、演算処理装置及びハードウェアデバイスの起動・制御・データ授受を行うCORBA対応ソフトウェアとを備えることを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明のソフトウェア無線機によれば、CORBA対応ソフトウェアが、ソフトウェア無線機の他の演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーションの処理関数を利用することによって、CORBA未対応の演算処理装置やハードウェアデバイスを見掛け上CORBA上に存在しているかのようなソフトウェア制御を行う。これによって、ソフトウェア無線機が、ソフトウェア実行環境をもつ複数の演算処理装置を用いて、ソフトウェア分散処理を行う環境上で動作するアプリケーションによって無線機能を実現する場合に、CORBAに対応させることができない演算処理装置やハードウェアデバイスを、インタフェースを用いることなく利用することができる。
【0011】
また、本発明のソフトウェア無線機においては、前記処理関数は、CORBA対応ソフトウェアが実装するIDLインタフェースによって呼出命令がかけられることを特徴とする。すなわち、IDLインタフェースはOSに依存されないインタフェースを定義するIDL(Interface Definition Language)によって記述されているので、分散環境のOSに共通なインタフェースとして用いることができる。したがって、CORBA対応ソフトウェアはどのようなOS上でも適用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
ソフトウェア無線機を有効に機能させるためには、共通のアプリケーションサービスを利用して、ミドルウェアとしてのCORBAとアプリケーションの配置や利用を支援することが必要である。このとき、ソフトウェア無線機は、ソフトウェア実行環境を持つ複数の演算処理装置を用いて、ソフトウェアの分散処理を行う環境上で、アプリケーション、演算処理装置、及びハードウェアデバイスを動作させて無線機能を実現している。この場合、CORBA対応のソフトウェア無線機は、CORBA対応ソフトウェアを利用することによって、CORBAとのインタフェースを持たない(つまり、CORBA未対応の)アプリケーション、演算処理装置、及びハードウェアデバイスの利用を可能にすることができる。
【0013】
以下、図面を用いて、本発明のソフトウェア無線機に適用されるCORBA対応ソフトウェアの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明によるCORBA対応のソフトウェア無線機が、CORBA対応ソフトウェアを用いて、CORBA未対応のアプリケーション、演算処理装置、及びハードウェアデバイスを利用する状態を示す概念図である。図1に示すように、CORBA対応のソフトウェア無線機1は、CORBAとのインタフェースを持たなくても、CORBA対応ソフトウェア2a,2bを用いることによって、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aやCORBA未対応のCOD/DEC演算処理装置3bを利用することができる。
【0014】
図2は、本発明のソフトウェア無線機におけるCORBA対応ソフトウェアと、ミドルウェアとしてのCORBAと、CORBA未対応ハードウェアデバイスの関係を示す図であり、(a)はCORBAを用いて分散処理を実現するソフトウェア無線機のハードウェア、(b)は(a)のモデム部におけるソフトウェアを示している。
【0015】
図2(a)において、ソフトウェア無線機のハードウェア4は、無線通信を実行するRF部4aに対して通信制御を行うモデム部4bと、無線通信の回線をネットワーク上に接続するネットワーク部4cと、LAN等に接続された無線通信回線のセキュリティを確保するセキュリティ部4dと、アプリケーションソフトウェアを実行するCOD/DEC部4eとが、バス規格の一つであるCompactPCI(Peripheral Component Interconnect)4fに接続された構成となっている。
【0016】
また、図2(b)において、モデム部のソフトウェア5は、CORBA未対応の演算処理装置・ハードウェアデバイス5aとCORBA対応ソフトウェア5bがCORBA5c上に存在し、CORBA対応ソフトウェア5bが、スケルトン5d及びスタブ5eを介して、CompactPCI内のソフトウェアバスであるORB5fに接続された構成となっている。尚、CORBA対応ソフトウェア5bとCORBA未対応の演算処理装置・ハードウェアデバイス5aは、同じマイコンボード内で実行が行われるものとする。
【0017】
上記のような構成により、CORBA対応ソフトウェア5bは、図示しない他のCORBA対応アプリケーションから見て、CORBA未対応の演算処理装置・ハードウェアデバイス5aを見掛け上CORBA5c上に存在しているかのようなソフトウェア制御を行っている。また、モデム部のソフトウェア5においては、ソフトウェア無線機のハードウェア4へのアクセスは図示しないデバイスドライバを使用して実行し、ソフトウェア無線機のハードウェア4からのデータの授受や、ソフトウェア無線機のハードウェア4の起動、制御などのハードウェアデバイスの各種制御を行っている。尚、実際にソフトウェア無線機に使用するCORBA対応ソフトウェア5bは、デジタル信号処理に特化したシグナルプロセッサであるDSPを起動したり、制御したり、あるいはデータ授受を行ったりするものである。すなわち、CORBA対応ソフトウェア5bは、図示しない他のCORBA対応アプリケーションソフトウェアからCORBAを通じてDSPへの演算処理の依頼を行うという割り込みが入ったときに、DSPの起動、制御を行ってデータの授受を行っている。
【0018】
次に、CORBA対応ソフトウェアが、ソフトウェア無線機の他の演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーション(つまり、他のCORBA対応アプリケーション)の処理関数に基づいて、CORBA未対応の演算処理装置やハードウェアデバイスを制御する動作について説明する。図3は、本発明のソフトウェア無線機において、他のCORBA対応アプリケーションソフトウェアより呼び出されたCORBA対応ソフトウェアが処理プログラムを実行する動作を示す概念図であり、図4は、図3に示すCORBA対応ソフトウェアの動作概念図の流れを示すフローチャートである。
【0019】
したがって、図3と図4を参照してCORBA対応ソフトウェアが行う処理プログラムの動作の流れを説明する。まず、ソフトウェア無線機の他の演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーション(以下、他のCORBA対応アプリケーションと云う)6は、スタブ5eを介してCORBA対応ソフトウェア5bが実装する関数を呼び出す(ステップS1)。次に、CompactPCI内のソフトウェアバスであるORB5(Object Request Broker)fが、CORBA対応ソフトウェア5bのIDL(Interface Definition Language)インタフェースであるスケルトン5dによって、CORBA対応ソフトウェア5bが実装する関数の呼出命令をかける(ステップS2)。
【0020】
これによって、IDLインタフェースであるスケルトン5dは、CORBA対応ソフトウェア5bが実装する処理関数を実行する。このときの処理関数は、演算処理装置の起動処理を行う処理関数、演算処理装置の設定処理を行う処理関数、演算処理装置とのデータ授受処理を行う処理関数などである(ステップS3)。尚、IDLインタフェースは、OSに依存されないインタフェースを定義するIDLによって記述されたインタフェースである。したがって、IDLインタフェースは分散環境のOSに共通なインタフェースとして好んで用いられている。
【0021】
次に、CORBA対応ソフトウェア5bは、これらの処理関数に基づいて、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの起動・制御・データ授受を行う(ステップS4)。そして、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの起動・制御・データ授受の結果を示す戻り値があるか否かを判定し(ステップS5)、戻り値があれば(ステップS5でYesの場合)、処理結果はエラーであるので、IDLインタフェースであるスケルトン5eに戻り値をセットする(ステップS6)。一方、戻り値がなければ(ステップS5でNoの場合)、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの起動・制御・データ授受の処理を終了する。このようにして、CORBA対応ソフトウェア5bは、ソフトウェア無線機の他の演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーション(つまり、他のCORBA対応アプリケーション6)の処理関数に基づいて、CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置3aの起動・制御・データ授受を行うことができる。
【0022】
次に、CORBA対応ソフトウェアを実際にソフトウェア無線機に使用する場合について、具体的なCORBA対応ソフトウェアの動作フローを説明する。図5は、ソフトウェア無線機に使用されたCORBA対応ソフトウェアのデータ処理の流れを示す概念図である。図5において、ソフトウェア無線機は、第1のCORBA対応アプリケーション6a、第2のCORBA対応アプリケーション6b、C−PCI(CompactPCI)4f、CORBA対応ソフトウェア5b、複数のデータ領域7a,7bを有するDP−RAM7、及びバッファ8a,8bを有するDSP8を備えた構成となっている。また、CORBA対応ソフトウェア5bは、スケルトン5d及びスタブ5eを有するIDLインタフェース9、リングバッファ10a,10b、処理関数プログラム11、及びデバイスドライバ12を備えている。
【0023】
次に、図5に示すソフトウェア無線機におけるCORBA対応ソフトウェア5bのデータ処理の流れを説明する。まず、ステップS11において、第1のCORBA対応アプリケーション6は、C−PCI4fのCORBAを通じて、CORBA対応ソフトウェア5bが実装しているIDLインタフェース9(つまり、CORBA対応ソフトウェア5bが実装している関数)の呼び出しを行い、引数として演算処理を行うデータをIDLインタフェース9へ渡す。次に、ステップS12において、ステップS11での関数呼び出しをトリガにして処理関数プログラム11を起動し、データの受信からデータの送信までの一連の処理を行う。つまり、ここでは、引数により受け取ったデータを加工してCORBAデータ型からC/C++データ型にすることにより、デバイスドライバ12やDSP8が使用できるデータ型に変換してから、リングバッファ10aによってデータのバッファリングを行う。このとき、リングバッファ10aは受け取ったデータをそのままDSP8へ渡すことは出来ないため、FIFO(First−In First−Out:先入れ先だし)によってデータ量の調整を行う。
【0024】
次に、ステップS13において、CORBA対応ソフトウェア5bはリングバッファ10aでバッファリングされたデータを取り出し、デバイスドライバ処理関数を呼び出し、引数としてデバイスドライバ12へデータを渡す。すると、デバイスドライバ12はDP−RAM7のデータ領域7bへデータを書き込む。その後、CORBA対応ソフトウェア5bは、デバイスドライバ12を通じ、DSP8のバッファ8aに対して、DP−RAM7へデータ書き込みを行ったことを伝えるための割込みをかける。
【0025】
さらに、ステップS14において、DSP8のバッファ8aは割り込みを受け取ることによってDP−RAM7のデータ領域7bからデータを読み出して演算処理を行い、演算処理済のデータをとりあえずバッファ8bに格納する。そして、ステップS15において、DSP8は、演算処理後に演算処理済データをバッファ8bから取り出してDP−RAM7のデータ領域7aへ書き込む。次に、ステップS16において、CORBA対応ソフトウェア5bは、デバイスドライバ12の処理関数を呼び出し、DP−RAM7のデータ領域7aに書き込まれたデータの読み出しを行い、このデータを再度リングバッファ10bへバッファリングする。
【0026】
そして、ステップS17において、CORBA対応ソフトウェア5bは、リングバッファ10bにバッファリングされた演算処理済みデータを取り出し、CORBA経由(つまり、C−PCI4f経由)でデータを流すことが出来るCORBAデータ型へデータの加工を行い、処理結果を渡すために第2のCORBA対応アプリケーション6が実装するIDLインタフェース(処理関数)を呼び出し、この処理関数のデータを引数として第2のCORBA対応アプリケーション6へ渡す。以上のような処理フローによって、CORBA対応ソフトウェア5bが、CORBAとCORBA未対応のハードウェアデバイスとの間を仲介することにより、CORBA未対応ハードウェアデバイスはCORBA対応ハードウェアデバイスであるかの如く動作する。
【0027】
以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。上記の実施の形態では、CORBA対応ソフトウェアをソフトウェア無線機に適用した場合について述べたが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明で実現されたCORBA対応ソフトウェアは、ネットワークから所望の機能を定義したファイルをダウンロードすることによってモジュールの構成を変更することができるようなあらゆる装置に適用できることは云うまでもない。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のソフトウェア無線機に適用されるCORBA対応ソフトウェアによれば、CORBA対応のソフトウェア分散処理構造を持つソフトウェア無線機のアプリケーションにおいて、CORBA未対応の演算処理装置やハードウェアデバイスをCORBA対応であるかのように動作させることが可能となる。これによって、CORBA対応のソフトウェア無線機は、特別なインタフェースを用いることなく、CORBA未対応の演算処理装置やハードウェアデバイスを利用することができる。また、このような構造によるCORBA対応ソフトウェアはあらゆる分野への流用が可能であり、CORBA未対応アプリケーションや演算処理装置の再利用が一段と容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるCORBA対応のソフトウェア無線機が、CORBA対応ソフトウェアを用いて、CORBA未対応のアプリケーション、演算処理装置、及びハードウェアデバイスを利用する状態を示す概念図である。
【図2】本発明のソフトウェア無線機におけるCORBA対応ソフトウェアと、ミドルウェアとしてのCORBAと、CORBA未対応ハードウェアデバイスの関係を示す図であり、(a)はCORBAを用いて分散処理を実現するソフトウェア無線機のハードウェア、(b)は(a)のモデム部におけるソフトウェアを示す。
【図3】本発明のソフトウェア無線機において、他のCORBA対応アプリケーションソフトウェアより呼び出されたCORBA対応ソフトウェアが処理プログラムを実行する動作を示す概念図である。
【図4】図3に示すCORBA対応ソフトウェアの動作概念図の流れを示すフローチャートである。
【図5】ソフトウェア無線機に使用されたCORBA対応ソフトウェアのデータ処理の流れを示す概念図である。
【図6】CORBA未対応のハードウェアデバイスや演算処理装置をCORBA対応のソフトウェア無線機へ流用する状態を示す概念図である。
【図7】CORBA対応のソフトウェア無線機がCORBA未対応(CORBAインタフェースを持たない)の演算処理装置やハードウェアデバイスを利用することができない場合を示す概念図である。
【符号の説明】
1 CORBA対応のソフトウェア無線機、2a,2b,5b CORBA対応ソフトウェア、3a CORBA未対応のMOD/DEM演算処理装置、3bCORBA未対応のCOD/DEC演算処理装置、4 ソフトウェア無線機のハードウェア、4a RF部、4b モデム部、4c ネットワーク部、4d セキュリティ部、4e COD/DEC部、4f CompactPCI、5 モデム部のソフトウェア、5a CORBA未対応の演算処理装置・ハードウェアデバイス、5c CORBA、5d スケルトン、5e スタブ、5f ORB(CompactPCI内のソフトウェアバス)、6 他のCORBA対応アプリケーション、6a 第1のCORBA対応アプリケーション、6b 第2のCORBA対応アプリケーション、7 DP−RAM、7a,7b データ領域、8 DSP、8a,8b バッファ、9 IDLインタフェース、10a,10b リングバッファ、11 処理関数プログラム、12 デバイスドライバ。
Claims (2)
- ミドルウェアとしてCORBAを使用し、ソフトウェアの分散処理環境で動作するアプリケーションによって無線機能を実現させるソフトウェア無線機において、
前記CORBAに対応不可能な演算処理装置及びハードウェアデバイスと、
ソフトウェア無線機の何れかの演算処理ユニットで実行中のCORBA対応アプリケーションの処理関数に基づいて、前記演算処理装置及び前記ハードウェアデバイスの起動・制御・データ授受を行うCORBA対応ソフトウェアと、
を備えることを特徴とするソフトウェア無線機。 - 前記処理関数は、前記CORBA対応ソフトウェアが実装するIDLインタフェースによって呼出命令がかけられることを特徴とする請求項1に記載のソフトウェア無線機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2003
- 2003-05-12 JP JP2003132567A patent/JP2004334735A/ja not_active Withdrawn
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