JP2004334077A - Heat developable photosensitive material - Google Patents

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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a heat developable photosensitive material which improves coated surface conditions and photographic performances of a heat developable photosensitive material. <P>SOLUTION: The heat developable photosensitive material has an image forming layer face with an image forming layer containing a photosensitive silver halide, a non-photosensitive organic silver salt, a reducing agent and a binder on a support and a back layer face on the opposite face of the support, wherein at least either the image forming layer face or the back layer face contains a lubricant having a molecular weight of ≥1,250. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱現像感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッター又はレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度及び鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用及び写真技術用途の光感光性熱現像写真材料に関する技術が必要とされている。これら光感光性熱現像写真材料では、溶液系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
【0003】
一般画像形成材料の分野でも同様の要求はあるが、医療用画像は微細な描写が要求されるため鮮鋭性、粒状性に優れる高画質が必要であるうえ、診断のし易さの観点から冷黒調の画像が好まれる特徴がある。現在、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが一般画像形成システムとして流通しているが、医療用画像の出力システムとしては満足できるものがない。
【0004】
一方、有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、多くの文献に記載されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び非特許文献1参照。)。特に、熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒(例、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した画像形成層を有している。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、ハロゲン化銀あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される(たとえば、特許文献3及び特許文献4参照。)。そして熱現像感光材料による医療用画像形成システムとして富士メディカルドライイメージャーFM−DP Lが発売された。
【0005】
熱現像感光材料においては、感光材料にすべり性を付与し、製造時の搬送性、加工集積性をよくする目的で、流動パラフィン(例えば、特許文献5参照。)や、シリコンオイルのような液体の潤滑剤(例えば、特許文献6参照。)、カルナウバワックス等の固形エステル類(例えば、特許文献7及び特許文献8参照。)が使用されてきた。これらの所謂すべり剤は、乳剤面側の保護層やバック面側の保護層に好ましく使用され、特に最外層で使用されることが一般的である。
しかしながら、最外層は搬送装置に直に接する部分であり、添加した材料が搬送故障に問題を与え、さらには出力画像にも影響を及ぼすため、添加剤の一種であるすべり剤の選択は重要な課題となる。したがって、より改良されたすべり剤の開発、及びそれを添加した熱現像感光材料の開発は、日常的に切望されているものである。
【0006】
【特許文献1】
米国特許3152904号明細書
【特許文献2】
米国特許3457075号明細書
【特許文献3】
米国特許2910377号明細書
【特許文献4】
特公昭43−4924号公報
【特許文献5】
特開平10−69023号公報
【特許文献6】
特開2001−5138号公報
【特許文献7】
特開2000−112062号公報
【特許文献8】
特開2001−5137号公報
【非特許文献1】
D.クロスタボーア(Klosterboer)著「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、J.スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第9章、第279頁、1989年
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、熱現像感光材料の塗布面状、及び写真性能に優れた熱現像感光材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の熱現像感光材料によって達成された。
<1> 支持体上に、感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する画像記録層を有する画像記録層面と、支持体の反対の面にバック層面を有する熱現像感光材料であって、前記画像記録層面及びバック層面の少なくとも一つの面に、分子量が1250以上のすべり剤を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
<2> 前記すべり剤が、パラフィン、脂肪酸エステル、及びシリコーン系オイルよりなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
<3> 前記脂肪酸エステルが、多価アルコールの脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<4> 前記多価アルコールの脂肪酸エステルが、一般式(L1)、及び一般式(L2)で表される化合物からなる郡から選択される少なくとも1つの化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱現像感光材料。
一般式(L1):
(R01OCH−CCHOCH(C(CHOR01CHOCH)nC−(CHOR01
式中、R01は、脂肪酸残基又は水素原子を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは、0又は1を表す。
一般式(L2):
02OCHCH(OR02)CHO(CHCH(OR02)CHO)CHCH(OR02)CHOR02
式中、R02は、脂肪酸残基又は水素原子を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは0または整数を表す。
【0009】
熱現像感光材料は、感光材料中に現像に必要なすべての化学物質が組み込まれているため、現像後もすべての化学物質が残存する。残存した化学物質は、搬送性や出力画像にも影響を及ぼすため、熱現像感光材料の開発においては、全ての添加剤の選択についてが重要となる。本発明者らは、添加剤の中でもすべり剤について特に注目し、検討を行った。
【0010】
従来使用されているすべり剤の一種である流動パラフィンは、直鎖パラフィン、分岐パラフィン、ナフテンの混合物で石油溜分を精製して製造されており、組成、グレードの異なる製品が各社から販売されている。流動パラフィンは分子量の異なる成分が混合しているために液状を保っている。そのため、低分子成分がある程度含まれており、その量は原料とする原油の産地、精製の仕方などの影響を受け各社製品ごとに異なっている。熱現像においては、長期間に渡って使用する間に低分子成分が少しずつ揮散し、熱現像部周辺を汚染することにより搬送性が阻害されるという問題が起こることが分かった。この問題が、流動パラフィンによるものであるという認識も、従来には全く無かった。
一方、エステル系の潤滑剤は通常固体状態のものを高温で溶融し多量の界面活性剤を使用して分散されおり、熱現像感材中で使用した場合に感材保存時のカブリ増加や感度変動といった問題を引き起こすことが分かった。この問題についても、潤滑剤に含まれる界面活性剤に起因するとは、認識されていなかった。
【0011】
また、流動パラフィンと同様にゼラチン等の保護コロイドの存在下で少量の界面活性剤の使用で安定な分散物を作製することができ、かつ揮散性の問題のない潤滑剤が望まれていた。
【0012】
これらの問題を考慮し、鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは前記<1>〜<4>の発明に達した。これらの発明により、すべり剤の乳化安定性が増し、塗布面状に優れた熱現像感光材料となった。塗布面状が乱れると、露光時の光の入射角度のばらつきがおおきくなり、また熱現像時の熱伝導むらが発生するため、最終的に得られる写真性能も劣化する。本発明によって、塗布面状が改善された熱現像感光材料が得られ、写真性能にも優れた熱現像感光材料となった。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層面の最外層及び/又は該層に隣接する層、バック層面の最外層及び/又は該層に隣接する層のいずれかの層に、分子量が1250以上のすべり剤を含有する。
【0014】
<すべり剤>
本発明におけるすべり剤は、分子量が1250以上であれば構造としては特に限定されないが、パラフィン、脂肪酸エステル、シリコーン系オイルが好ましい。その中でも脂肪酸エステルが好ましく、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。多価アルコールの脂肪酸エステルの場合、すべてエステル化されていても、一部アルコール基が残存していてもよい。好ましくは、一分子中に4個以上のエステル基を含有するすべり剤である。より好ましくは、5個以上エステル基を含有することである。また、一部アルコール基が残存している場合、当該残存アルコール基は、分枝した炭化水素基を有することが好ましい。たとえば、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基などが挙げられる。
【0015】
スベリ剤形状としては、常温で液体、ペースト状、固体などいずれでも良いが、好ましくは、液体又はペースト状、より好ましくはペースト状である。ペースト状の形状を得るには、同一分子中に直鎖の脂肪酸と分岐鎖の脂肪酸の両方を導入し混合の比率を調整する、或いは、同一分子中に飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の両方を導入、鎖長のことなる2種以上を導入、ヒドロキシル基を有するものと有さない物の両方を導入する、及び上記の組み合わせなどで得られる。例えば、イソステアリン酸とn−ステアリン酸の混合などで得ることができる。
これらの融点は、好ましくは25℃〜60℃、より好ましくは30℃〜50℃である。
本発明で使用するスベリ剤は、乳化分散物として感光材料へ添加するのが好ましい。乳化分散物の調製においては、分散剤種、バインダー濃度や粘度、攪拌条件、分散時間や分散温度などで粒子径をより均一にする条件で製造がなされている。しかし、粗大粒子が乳化物に僅かに残ってしまい、或いは、乳化物保存時に粒子の合一などにより生成してしまい感光材料製造時に塗布面状を劣化させる要因の一つに成っている。
本発明にかかるスベリ剤では、この粗大油滴の生成を抑えるために、分子量が1250以上であることが好ましい。より好ましくは1400以上、更に好ましくは1600以上である。分子量の上限は本願の目的を達成できるものであれば特に制限はないが10,000以下、好ましくは7,000以下、より好ましくは5,000以下である。
【0016】
本発明における多価アルコールの脂肪酸エステル構造を有するすべり剤としては、下記の一般式(L1)又は一般式(L2)で現わされるものが好ましい。
【0017】
一般式(L1):
(R01OCH−CCHOCH(C(CHOR01CHOCH)nC−(CHOR01
式中、R01は、脂肪酸残基又は水素原子を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは、0又は1を表す。脂肪酸残基とは、脂肪酸のエステル部分からアルコキシ基を除去した基をいう。
【0018】
01で表される脂肪酸残基としては、炭素数4〜50のアシル基が好ましく、炭素数6〜50がより好ましく、炭素数8〜50がさらに好ましい。脂肪酸残基は、直鎖でも分岐を有していてもよく、さらに置換基を有してもよい。置換基としては、水酸基、アミノ基などが好ましく、水酸基である場合、無置換であることががさらに好ましい。
【0019】
本発明における一般式(L1)で表される化合物について、以下に具体例をあげるが、これに限定されない。置換度は分子に対するmol%で表す。
【0020】
【表1】

Figure 2004334077
【0021】
一般的な合成法
一般式L1で表される本発明の化合物は、ジペンタエリスリトールに対して酸触媒等のもとカルボン酸を反応させるなど、一般的なエステル化反応により合成することができる。
【0022】
つぎに一般式(L2)で表される化合物について説明する。
一般式(L2):
02OCHCH(OR02)CHO(CHCH(OR02)CHO)CHCH(OR02)CHOR02
式中、R02は、脂肪酸残基又は水素原子を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは0または整数を表す。
【0023】
02で表される脂肪酸残基としては、炭素数4〜50のアシル基が好ましく、炭素数6〜50がより好ましく、炭素数8〜50がさらに好ましい。脂肪酸残基は、直鎖でも分岐を有していてもよく、さらに置換基を有してもよい。置換基としては、水酸基、アミノ基などが好ましく、水酸基である場合、無置換であることがさらに好ましい。nは0または整数を表し、nは0〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が特に好ましい。
【0024】
本発明における一般式(L2)で表される化合物について、以下に具体例をあげるが、これに限定されない。置換度は分子に対するmol%で表す。
【0025】
【表2】
Figure 2004334077
【0026】
一般式L2で表される本発明の化合物は、ポリグリセリンに対して酸触媒等のもとカルボン酸を反応させるなど、一般的なエステル化反応により合成することができる。
【0027】
本発明に使用できる上記一般式(L1)、(L2)以外の化合物としては、下記のものが挙げられる。
一般式(L3)
(R03O−CH−C
式中、R03は、脂肪酸残基を表し、同一であっても異なっていてもよい。
【0028】
03で表される脂肪酸残基としては、炭素数18〜50のアシル基が好ましく、炭素数20〜50がより好ましく、炭素数22〜50がさらに好ましい。脂肪酸残基は、直鎖でも分岐を有していてもよく、さらに置換基を有してもよい。置換基としては、水酸基、アミノ基などが好ましく、水酸基である場合、無置換であることがさらに好ましい。
【0029】
本発明における一般式(L3)で表される化合物について、以下に具体例をあげるが、これに限定されない。
【0030】
【表3】
Figure 2004334077
【0031】
一般式L3で表される本発明の化合物は、ペンタエリスリトールに対して酸触媒等のもとカルボン酸を反応させるなど、一般的なエステル化反応により合成することができる。
【0032】
本発明にかかるすべり剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を使用してゼラチン水溶液中に乳化分散した乳化分散物を塗布液中に添加して使用することができる。乳化分散はホモジナイザー、ディゾルバー、マントンゴウリン乳化機などを使って既知の方法により作ることができる。乳化分散においては、界面活性剤の他に補助溶媒、防腐剤等の添加剤を使用することができる。本発明においては補助溶媒を使わずに乳化することが好ましい。本発明の化合物は低融点であり融点よりも5℃以上高い温度にすれば補助溶媒を使用することなく乳化分散することができる。本発明においては好ましい乳化温度は、すべり剤の融点より5℃以上高い温度から85℃の範囲である。より好ましくは融点より7℃以上高く75℃以下の範囲、さらに好ましくは融点より10℃以上高く65℃以下の温度である。本発明にかかるすべり剤は、低融点で補助溶媒を使用しないことで乳化物の経時安定性でしばしば問題となる粒子サイズの変動や粗大粒子の生成等の問題を回避することができる。
【0033】
本発明のすべり剤は、いずれの層に添加してもよい。好ましくは、画像記録層面の表面保護層及びバック面保護層か該層に隣接する層の少なくとも1層に添加することであり、より好ましくは、画像記録層面の表面保護層及びバック面保護層の少なくとも1層に添加することであり、最も好ましくは、画像記録層面の表面保護層及びバック面保護層の両層に添加する場合である。
本発明のすべり剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。画像記録層面とバック層面の両方に添加する場合は、同一の物を添加してもよいし、片面ずつ異なった種類のものを添加しても良く、異なる種類のものを組み合わせて用いても良い。
【0034】
<有機銀塩の説明>
1)組成
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀及びこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
【0035】
また、ステアリン酸銀含有率が1モル%以下であることが好ましい。前記ステアリン酸含有率を1モル%以下とすることにより、Dminが低く、高感度で画像保存性に優れた有機酸の銀塩が得られる。前記ステアリン酸含有率としては、0.5モル%以下が好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
【0036】
さらに、有機酸の銀塩としてアラキジン酸銀を含む場合は、アラキジン酸銀含有率が6モル%以下であることが、低いDminを得ること及び画像保存性の優れた有機酸の銀塩を得る点で好ましく、3モル%以下であることが更に好ましい。
【0037】
2)形状
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の有機銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体又はジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの有機銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5以上の長針状粒子に比べて熱現像時のカブリが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
【0038】
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは15≧x(平均)≧1.5である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
【0039】
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm以上0.3μm以下が好ましく0.1μm以上0.23μm以下がより好ましい。c/bの平均は1以上9以下であることが好ましく、より好ましくは1以上6以下、さらに好ましくは1以上4以下、最も好ましくは1以上3以下である。
【0040】
前記球相当直径を0.05μm以上1μm以下とすることにより、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる。前記球相当直径としては、0.1μm以上1μm以下が好ましい。本発明において、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
【0041】
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
【0042】
3)調製
本発明に用いられる有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
【0043】
なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明では、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1molに対し1mol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1mol%以下であり、さらに好ましいのは積極的な感光性銀塩の添加を行わないものである。
【0044】
本発明において有機銀塩水分散液と感光性銀塩水分散液を混合して感光材料を製造することが可能であるが、有機銀塩と感光性銀塩の混合比率は目的に応じて選べるが、有機銀塩に対する感光性銀塩の割合は1〜30モル%の範囲が好ましく、更に2〜20モル%、特に3〜15モル%の範囲が好ましい。混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
【0045】
4)添加量
本発明における有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.1〜5.0g/mが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0g/m、さらに好ましくは0.5〜2.0g/mである。特に、画像保存性を向上させるためには、全塗布銀量が1.8g/m以下、より好ましくは1.6g/mであることが好ましい。本発明における好ましい還元剤を使用すれば、このような低銀量においても十分な画像濃度を得ることが可能である。
【0046】
<還元剤の説明>
本発明の熱現像感光材料には有機銀塩のための還元剤である熱現像剤を含むことが好ましい。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明において、還元剤としてはフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましく、下記一般式(R)で表される化合物がより好ましい。
一般式(R)
【0047】
【化1】
Figure 2004334077
【0048】
(一般式(R)において、R11及びR11’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R12及びR12’は各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基又はCHR13−基を表す。R13は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。X及びX’は各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。)
【0049】
一般式(R)について詳細に説明する。
1)R11及びR11
11及びR11’は各々独立に置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等があげられる。
【0050】
2)R12及びR12’、X及びX
12及びR12’は各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基であり、X及びX’も各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
【0051】
3)L
Lは−S−基又はCHR13−基を表す。R13は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基などがあげられる。 アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基などがあげられる。
【0052】
4)好ましい置換基
11及びR11’として好ましくは炭素数3〜15の2級又は3級のアルキル基であり、具体的にはイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。R11及びR11’としてより好ましくは炭素数4〜12の3級アルキル基で、その中でもt−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
【0053】
12及びR12’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基などがあげられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
及びX’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
【0054】
Lは好ましくは−CHR13−基である。
13として好ましくは水素原子又は炭素数1〜15のアルキル基であり、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基である。
【0055】
13が水素原子である場合、R12及びR12’は好ましくは炭素数2〜5のアルキル基であり、エチル基、プロピル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
13が炭素数1〜8の1級又は2級のアルキル基である場合、R12及びR12’はメチル基が好ましい。R13の炭素数1〜8の1級又は2級のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が更に好ましい。
11、R11’、R12及びR12’がいずれもメチル基である場合には、R13は2級のアルキル基であることが好ましい。この場合R13の2級アルキル基としてはイソプロピル基、イソブチル基、1−エチルペンチル基が好ましく、イソプロピル基がより好ましい。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’及びR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調製することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0056】
以下に一般式(R)で表される化合物をはじめとする本発明における還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0057】
【化2】
Figure 2004334077
【0058】
上記以外の本発明における好ましい還元剤の例は、特開2001−188314号、同2001−209145号、同2001−350235号、同2002−156727号に記載された化合物である。
本発明において還元剤の添加量は0.1〜3.0g/mであることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5g/mで、さらに好ましくは0.3〜1.0g/mである。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5〜50モル%含まれることが好ましく、より好ましくは8〜30モル%であり、10〜20モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤は画像形成層に含有させることが好ましい。
【0059】
還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
【0060】
また、固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
特に好ましいのは、還元剤の固体粒子分散法であり、平均粒子サイズ0.01μm〜10μm、好ましくは0.05μm〜5μm、より好ましくは0.1μm〜2μmの微粒子して添加するのが好ましい。本願においては他の固体分散物もこの範囲の粒子サイズに分散して用いるのが好ましい。
【0061】
<現像促進剤の説明>
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号明細書や特開2000−330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001−92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号明細書や特開平11−15116号明細書等に記載の一般式(I)、特開2002−156727号の一般式(D)や特開2002−278017号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系又はナフトール系の化合物が好ましく用いられる。これらの現像促進剤は還元剤に対して0.1〜20モル%の範囲で使用され、好ましくは0.5〜10モル%の範囲で、より好ましくは1〜5モル%の範囲である。感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物又は乳化分散物として添加することが好ましい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、若しくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特開2002−156727号明細書に記載の一般式(D)で表されるヒドラジン系の化合物及び特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系又はナフトール系の化合物がより好ましい。
【0062】
本発明において、特に好ましい現像促進剤は下記一般式(A−1)及び(A−2)で表される化合物である。
一般式(A−1)
−NHNH−Q
(式中、Qは炭素原子で−NHNH−Qと結合する芳香族基、又はヘテロ環基を表し、Qはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、又はスルファモイル基を表す。)
【0063】
一般式(A−1)において、Qで表される芳香族基又はヘテロ環基としては5〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、チオフェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
【0064】
これらの環は置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアシル基を挙げることができる。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びアシルオキシ基を挙げることができる。
【0065】
で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のカルバモイル基であり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、N−ベンジルカルバモイルが挙げられる。
【0066】
で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアシル基であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル、2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。Q2で表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
【0067】
で表されるアリールオキシカルボニル基は、好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜40のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。Q2で表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル、4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられる。
【0068】
で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルファモイル基で、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル、N−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが挙げられる。Qで表される基は、さらに、置換可能な位置に前記のQで表される5〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0069】
次に、式(A−1)で表される化合物の好ましい範囲について述べる。Qとしては5〜6員の不飽和環が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びこれらの環がベンゼン環若しくは不飽和ヘテロ環と縮合した環が更に好ましい。また、Qはカルバモイル基が好ましく、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基が好ましい。
【0070】
一般式(A−2)
【化3】
Figure 2004334077
【0071】
一般式(A−2)においてRはアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、炭酸エステル基を表す。R、Rはそれぞれ一般式(A−1)の置換基例で挙げたベンゼン環に置換可能な基を表す。RとRは互いに連結して縮合環を形成してもよい。
は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。R2は好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基であり、ハロゲン原子がもっとも好ましい。Rは水素原子、アルキル基、アシルアミノ基が好ましく、アルキル基又はアシルアミノ基がより好ましい。これらの好ましい置換基の例はRと同様である。Rがアシルアミノ基である場合RはRと連結してカルボスチリル環を形成することも好ましい。
【0072】
一般式(A−2)においてRとRが互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。ナフタレン環には一般式(A−1)で挙げた置換基例と同じ置換基が結合していてもよい。一般式(A−2)がナフトール系の化合物であるとき、Rはカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。Rはアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
【0073】
以下、本発明における現像促進剤の好ましい具体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】
【化4】
Figure 2004334077
【0075】
<水素結合性化合物の説明>
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)又はアミノ基(−NHR、Rは水素原子又はアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基又はアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
【0076】
一般式(D)
【化5】
Figure 2004334077
【0077】
一般式(D)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基又はアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などがあげられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0078】
21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基又はアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基又はアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0079】
【化6】
Figure 2004334077
【0080】
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特開2002−156727号、特開2002−318431号に記載のものがあげられる。
水素結合性化合物は、還元剤と同一の層に添加することが好ましい。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。これらの化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤に対して、1〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは20〜100モル%の範囲である。
【0081】
<ハロゲン化銀の説明>
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀及びヨウ化銀が好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀又は塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0082】
2)粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
【0083】
3)粒子サイズ
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
【0084】
4)粒子形状
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い{100}面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸着における{111}面と{100}面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
【0085】
5)重金属
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第8族〜第10族の金属又は金属錯体を含有することができる。周期律表の第8族〜第10族の金属又は金属錯体の中心金属として好ましくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10−9モルから1×10−3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
【0086】
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)4−、[Fe(CN)3−、[Ru(CN)4−、[Os(CN)4−、[Co(CN)3−、[Rh(CN)3−、[Ir(CN)3−、[Cr(CN)3−、[Re(CN)3−などが挙げられる。本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
【0087】
六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合しているナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン及びリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラ(n−ブチル)アンモニウムイオン)を用いることが好ましい。
【0088】
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
【0089】
六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当たり1×10−5モル以上1×10−2モル以下が好ましく、より好ましくは1×10−4モル以上1×10−3モル以下である。
【0090】
六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セレン増感及びテルル増感のカルコゲン増感や金増感等の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終了前、水洗工程中、分散工程中、又は化学増感工程前に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないためには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加することが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好ましい。
【0091】
尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加した後から開始してもよく、98質量%添加した後から開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特に好ましい。
【0092】
これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほとんどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。この六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造することが可能となった。
【0093】
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば[Fe(CN)4−)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11−84574号段落番号0046〜0050、特開平11−65021号段落番号0025〜0031、特開平11−119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
【0094】
6)ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持することが必要であり、分子量は、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンの置換基をフタル化処理することも好ましい。これらのゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、粒子形成時に使用することが好ましい。
【0095】
7)増感色素
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成が終了する前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10−6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10−4〜10−1モルである。
【0096】
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
【0097】
8)化学増感
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法若しくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
【0098】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、上記カルコゲン増感と組み合わせて、あるいは単独で金増感法にて化学増感されていることが好ましい。金増感剤としては、金の価数が+1価又は+3価が好ましく、金増感剤としては通常用いられる金化合物が好ましい。代表的な例としては塩化金酸、臭化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムブロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールドなどが好ましい。また、米国特許第5858637号、特開2002−278016号に記載の金増感剤も好ましく用いられる。
【0099】
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。
本発明で用いられる硫黄、セレン及びテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10−8〜10−2モル、好ましくは10−7〜10−3モル程度を用いる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モルから10−3モル、より好ましくは10−6モル〜5×10−4モルである。
本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0100】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、還元剤を用いることが好ましい。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、二酸化チオ尿素が好ましく、その他に塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることが好ましい。還元増感剤の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でも良い。また、乳剤のpHを7以上又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することが好ましく、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することも好ましい。
【0101】
9)1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物
本発明の熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
【0102】
本発明の熱現像感光材料に含有される1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物とは、以下のタイプ1〜5から選ばれる化合物である。
【0103】
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに2電子以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらにもう1電子を放出し得る化合物で、かつ同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物。
(タイプ3)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成過程を経た後に、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ4)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く分子内の環開裂反応を経た後に、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ5)
X−Yで表される化合物においてXは還元性基を、Yは脱離基を表し、Xで表される還元性基が1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続くX−Y結合の開裂反応を伴ってYを脱離してXラジカルを生成し、そこからさらにもう1電子を放出し得る化合物。
【0104】
上記タイプ1及びタイプ3〜5の化合物のうち好ましいものは、「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、又は「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」である。タイプ1〜4の化合物はより好ましくは「2つ以上のメルカプト基で置換された含窒素ヘテロ環基を吸着性基として有する化合物」である。
【0105】
タイプ1〜5の化合物について詳細に説明する。
タイプ1の化合物において「結合開裂反応」とは具体的に炭素−炭素、炭素−ケイ素、炭素−水素、炭素−ホウ素、炭素−スズ、炭素−ゲルマニウムの各元素間の結合の開裂を意味し、炭素−水素結合の開裂がさらにこれらに付随してもよい。タイプ1の化合物は1電子酸化されて1電子酸化体となった後に、初めて結合開裂反応を伴って、さらに2電子以上(好ましくは3電子以上)の電子を放出し得る化合物である。
【0106】
タイプ1の化合物のうち好ましい化合物は一般式(A)、一般式(B)、一般式(1)、一般式(2)又は一般式(3)で表される。
【0107】
一般式(A)
【化7】
Figure 2004334077
【0108】
一般式(B)
【化8】
Figure 2004334077
【0109】
一般式(A)においてRED11は1電子酸化され得る還元性基を表し、L11は脱離基を表す。R112は水素原子又は置換基を表す。R111は炭素原子(C)及びRED11と共に、5員若しくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体、若しくはオクタヒドロ体に相当する環状構造を形成し得る非金属原子団を表す。
【0110】
一般式(B)においてRED12は1電子酸化され得る還元性基を表し、L12は脱離基を表す。R121及びR122は、それぞれ水素原子又は置換基を表す。ED12は電子供与性基を表す。一般式(B)においてR121とRED12、R121とR122、又はED12とRED12とは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0111】
これら一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物は、RED11又はRED12で表される還元性基が1電子酸化された後、自発的にL11又はL12を結合開裂反応により離脱することで、これに伴いさらに電子を2つ以上、好ましくは3つ以上放出し得る化合物である。
【0112】
一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)
【化9】
Figure 2004334077
【0113】
一般式(1)においてZは窒素原子及びベンゼン環の2つの炭素原子と共に6員環を形成し得る原子団を表し、R、R、RN1はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、Xはベンゼン環に置換可能な置換基を表し、mは0〜3の整数を表し、Lは脱離基を表す。一般式(2)においてED21は電子供与性基を表し、R11、R12、RN21、R13、R14はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、X21はベンゼン環に置換可能な置換基を表し、m21は0〜3の整数を表し、L21は脱離基を表す。RN21、R13、R14、X21及びED21は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。一般式(3)においてR32、R33、R31、RN31、R、Rはそれぞれ水素原子又は置換基を表し、L31は脱離基を表す。但しRN31がアリール基以外の基を表す時、R及びRは互いに結合して芳香族環を形成する。
【0114】
これら化合物は1電子酸化された後、自発的にL、L21、又はL31を結合開裂反応により離脱することで、これに伴いさらに電子を2つ以上、好ましくは3つ以上放出し得る化合物である。
【0115】
以下、先ず一般式(A)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(A)においてRED11で表される1電子酸化され得る還元性基は、後述するR111と結合して特定の環形成をし得る基であり、具体的には次の1価基から環形成をするのに適切な箇所の水素原子1個を除いた2価基が挙げられる。例えば、アルキルアミノ基、アリールアミノ基(アニリノ基、ナフチルアミノ基等)、ヘテロ環アミノ基(ベンズチアゾリルアミノ基、ピロリルアミノ基等)、アルキルチオ基、アリールチオ基(フェニルチオ基等)、ヘテロ環チオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、ヘテロ環オキシ基、アリール基(フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等)、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基(5員〜7員の、単環若しくは縮合環の、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子のうち少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環で、その具体例としては、例えばテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキナゾリン環、インドリン環、インドール環、インダゾール環、カルバゾール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、ベンゾチアゾリン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、メチレンジオキシフェニル環等が挙げられる)である(以後、便宜上RED11は1価基名として記述する)。RED11は置換基を有していてもよい。
【0116】
本発明において置換基とは、特に説明がない限り、以下の基から選ばれる置換基を意味する。ハロゲン原子、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基又はその塩、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキル若しくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基又はその塩、リン酸アミド若しくはリン酸エステル構造を含む基、等が挙げられる。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0117】
RED11として好ましくは、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アリール基、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基であり、さらに好ましくはアリールアミノ基(特にアニリノ基)、アリール基(特にフェニル基)である。これらが置換基を有する時、置換基として好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基である。
但しRED11がアリール基を表す時、アリール基は少なくとも1つの「電子供与性基」を有していることが好ましい。ここに「電子供与性基」とは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、活性メチン基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環若しくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基(例えばインドリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、チアゾリル基、ベンズチアゾリル基、インダゾリル基など)、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基(ピロリジニル基、インドリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリノ基などで環状のアミノ基とも呼べる基)である。ここで活性メチン基とは2つの「電子求引性基」で置換されたメチン基を意味し、ここに「電子求引性基」とはアシル基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基を意味する。ここで2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。
【0118】
一般式(A)においてL11は、具体的にはカルボキシ基若しくはその塩、シリル基、水素原子、トリアリールホウ素アニオン、トリアルキルスタニル基、トリアルキルゲルミル基、又はCRC1C2C3基を表す。ここにシリル基とは具体的にトリアルキルシリル基、アリールジアルキルシリル基、トリアリールシリル基などを表し、任意の置換基を有していてもよい。
【0119】
11がカルボキシ基の塩を表すとき、塩を形成するカウンターイオンとしてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、重金属イオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられ、好ましくはアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンであり、アルカリ金属イオン(特にLi、Na、Kイオン)が最も好ましい。
【0120】
11が−CRC1C2C3基を表す時、ここにRC1、RC2、RC3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基を表し、これらが互いに結合して環状構造を形成していてもよく、さらに任意の置換基を有していてもよい。但し、RC1、RC2、RC3のうち1つが水素原子若しくはアルキル基を表す時、残る2つが水素原子若しくはアルキル基を表すことはない。RC1、RC2、RC3として好ましくは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基(特にフェニル基)、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環基、アルコキシ基、ヒドロキシ基で、具体的にその例を挙げると、フェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、メチルチオ基、フェニルチオ基、フェノキシ基、メトキシ基、エトキシ基、ジメチルアミノ基、N−メチルアニリノ基、ジフェニルアミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ヒドロキシ基などが挙げられる。またこれらが互いに結合して環状構造を形成する場合の例としては1,3−ジチオラン−2−イル基、1,3−ジチアン−2−イル基、N−メチル−1,3−チアゾリジン−2−イル基、N−ベンジル−ベンゾチアゾリジン−2−イル基などが挙げられる。
−CRC1C2C3基が、RC1、RC2、RC3についてそれぞれ上述した範囲内で選択された結果として、一般式(A)からL11を除いた残基と同じ基を表す場合もまた好ましい。
【0121】
一般式(A)においてL11は、好ましくはカルボキシ基又はその塩、及び水素原子である。より好ましくはカルボキシ基又はその塩である。
【0122】
11が水素原子を表す時、一般式(A)で表される化合物は、分子内に内在する塩基部位を有していることが好ましい。この塩基部位の作用により、一般式(A)で表される化合物が酸化された後、L11で表される水素原子が脱プロトン化されて、ここからさらに電子が放出されるのである。
【0123】
ここに塩基とは、具体的に約1〜約10のpKaを示す酸の共役塩基である。例えば含窒素ヘテロ環類(ピリジン類、イミダゾール類、ベンゾイミダゾール類、チアゾール類など)、アニリン類、トリアルキルアミン類、アミノ基、炭素酸類(活性メチレンアニオンなど)、チオ酢酸アニオン、カルボキシレート(−COO)、サルフェート(−SO )、又はアミンオキシド(>N(O)−)などが挙げられる。好ましくは約1〜約8のpKaを示す酸の共役塩基であり、カルボキシレート、サルフェート、又はアミンオキシドがより好ましく、カルボキシレートが特に好ましい。これらの塩基がアニオンを有する時、対カチオンを有していてもよく、その例としてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、重金属イオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。これら塩基は、任意の位置で一般式(A)で表される化合物に連結される。これら塩基部位が結合する位置としては、一般式(A)のRED11、R111、R112の何れでもよく、またこれらの基の置換基に連結していてもよい。
【0124】
一般式(A)においてR112は水素原子又は炭素原子に置換可能な置換基を表す。但しR112がL11と同じ基を表すことはない。
112は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基(フェニル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基など)、ヒドロキシ基、アルキルチオ基(メチルチオ基、ブチルチオ基など)、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、フェニル基、アルキルアミノ基である。
【0125】
一般式(A)においてR111が形成する環状構造とは、5員若しくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体若しくはオクタヒドロ体に相当する環構造で、ここにヒドロ体とは、芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)に内在する炭素−炭素2重結合(又は炭素−窒素2重結合)が部分的に水素化された環構造を意味し、テトラヒドロ体とは2つの、ヘキサヒドロ体とは3つの、オクタヒドロ体とは4つの、炭素−炭素2重結合(又は炭素−窒素2重結合)が水素化された構造を意味する。水素化されることで芳香族環は、部分的に水素化された非芳香族の環構造となる。
具体的には、ピロリジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、ピラゾリジン環及びオキサゾリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロピリミジン環、ピペラジン環、テトラリン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキナゾリン環、及びテトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロカルバゾール環、オクタヒドロフェナントリジン環等が挙げられる。これらの環構造は任意の置換基を有していてもよい。
【0126】
111が形成する環状構造としてさらに好ましくは、ピロリジン環、イミダゾリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロピリミジン環、ピペラジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロカルバゾール環であり、特に好ましくは、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキノキサリン環であり、最も好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環である。
【0127】
一般式(B)においてRED12、L12は、それぞれ一般式(A)のRED11、L11に同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。但し、RED12は下記の環状構造を形成する場合以外は1価基であり、具体的にはRED11で記載した1価基名の基が挙げられる。R121及びR122は一般式(A)のR112に同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。ED12は電子供与性基を表す。R121とRED12、R121とR122、又はED12とRED12とは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0128】
一般式(B)においてED12で表される電子供与性基とは、RED11がアリール基を表すときの置換基として説明した電子供与性基と同じものである。ED12として好ましくはヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、活性メチン基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環若しくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基、及びこれら電子供与性基で置換されたフェニル基であり、さらにヒドロキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、活性メチン基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基、及びこれら電子供与性基で置換されたフェニル基(例えばp−ヒドロキシフェニル基、p−ジアルキルアミノフェニル基、o,p−ジアルコキシフェニル基等)がより好ましい。
【0129】
一般式(B)においてR121とRED12、R122とR121、又はED12とRED12とは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ここで形成される環状構造とは、非芳香族の炭素環若しくはヘテロ環であって、5員〜7員環の単環又は縮合環で、置換若しくは無置換の環状構造である。R121とRED12とが環構造を形成するとき、その具体例としては、一般式(A)においてR111が形成する環状構造の例として挙げたものに加えて、ピロリン環、イミダゾリン環、チアゾリン環、ピラゾリン環、オキサゾリン環、インダン環、モルホリン環、インドリン環、テトラヒドロ−1,4−オキサジン環、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−オキサジン環、テトラヒドロ−1,4−チアジン環、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−チアジン環、2,3−ジヒドロベンゾフラン環、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン環等が挙げられる。ED12とRED12とが環構造を形成するとき、ED12は好ましくはアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を表し、形成される環構造の具体例としては、テトラヒドロピラジン環、ピペラジン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロイソキノリン環などが挙げられる。R122とR121とが環構造を形成するとき、その具体例としてはシクロヘキサン環、シクロペンタン環などが挙げられる。
【0130】
次に一般式(1)〜(3)について説明する。
一般式(1)〜(3)においてR、R、R11、R12、R31は、一般式(A)のR112と同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。L、L21、L31は、一般式(A)のL11について説明した中で具体例として挙げた基と同じ脱離基を表し、その好ましい範囲もまた同じである。X、X21で表される置換基としては、一般式(A)のRED11が置換基を有する時の置換基の例と同じであり、好ましい範囲も同じである。m、m21は好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
【0131】
N1、RN21、RN31が置換基を表す時、置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、これらはさらに任意の置換基を有していてもよい。RN1、RN21、RN31は水素原子、アルキル基又はアリール基が好ましく、水素原子又はアルキル基がより好ましい。
【0132】
13、R14、R33、R、Rが置換基を表す時、置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基などである。
【0133】
一般式(1)においてZが形成する6員環は、一般式(1)のベンゼン環と縮合した非芳香族のヘテロ環であり、具体的には縮合するベンゼン環も含めた環構造としてテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキナゾリン環であり、好ましくはテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環である。これらは置換基を有していてもよい。
【0134】
一般式(2)においてED21は、一般式(B)のED12と同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。
【0135】
一般式(2)においてRN21、R13、R14、X21及びED21のいずれか2つは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ここでRN21とX21が結合して形成される環状構造とは、好ましくはベンゼン環と縮合した5員〜7員の非芳香族の炭素環若しくはヘテロ環であって、その具体例としては、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、インドリン環、2,3−ジヒドロ−5,6−ベンゾ−1,4−チアジン環などが挙げられる。好ましくはテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、インドリン環である。
【0136】
一般式(3)においてRN31がアリール基以外の基を表す時、R及びRは互いに結合して芳香族環を形成する。ここに芳香族環とはアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基)及び芳香族ヘテロ環基(例えばピリジン環基、ピロール環基、キノリン環基、インドール環基など)であり、アリール基が好ましい。該芳香族環基は任意の置換基を有していてもよい。
一般式(3)においてR及びRは、互いに結合して芳香族環(特にフェニル基)を形成する場合が好ましい。
【0137】
一般式(3)においてR32は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アミノ基などであり、ここにR32がヒドロキシ基を表す時、同時にR33が「電子求引性基」を表す場合も好ましい例の1つである。ここに「電子求引性基」とは、先に説明したものと同じであり、アシル基、アルコシキカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基が好ましい。
【0138】
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物において「結合開裂反応」とは炭素−炭素、炭素−ケイ素、炭素−水素、炭素−ホウ素、炭素−スズ、炭素−ゲルマニウムの各元素間の結合の開裂を意味し、炭素−水素結合の開裂がこれに付随してもよい。
【0139】
タイプ2の化合物は分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上(好ましくは2〜6つ、より好ましくは2〜4つ)有する化合物である。より好ましくは2つ以上のメルカプト基で置換された含窒素ヘテロ環基を吸着性基として有する化合物である。吸着性基の数は、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4が良い。吸着性基については後述する。
【0140】
タイプ2の化合物のうち好ましい化合物は一般式(C)で表される。
【0141】
一般式(C)
【化10】
Figure 2004334077
【0142】
ここに一般式(C)で表される化合物は、REDで表される還元性基が1電子酸化された後、自発的にLを結合開裂反応により離脱することで、これに伴いさらに電子を1つ放出し得る化合物である。
【0143】
一般式(C)においてREDは一般式(B)のRED12と同義の基を表し、その好ましい範囲も同じである。Lは一般式(A)のL11について説明したのと同義の基を表し、その好ましい範囲も同じである。なおLがシリル基を表す時、該化合物は分子内に、2つ以上のメルカプト基で置換された含窒素ヘテロ環基を吸着性基として有する化合物である。R21、R22は水素原子又は置換基を表し、これらは一般式(A)のR112と同義の基であり、その好ましい範囲も同じである。REDとR21とは互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0144】
ここで形成される環構造とは、5員〜7員の、単環若しくは縮合環の、非芳香族の炭素環又はヘテロ環であり、置換基を有していてもよい。但し該環構造が、芳香族環又は芳香族ヘテロ環のテトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体若しくはオクタヒドロ体に相当する環構造であることはない。環構造として好ましくは、芳香族環又は芳香族ヘテロ環のジヒドロ体に相当する環構造で、その具体例としては、例えば2−ピロリン環、2−イミダゾリン環、2−チアゾリン環、1,2−ジヒドロピリジン環、1,4−ジヒドロピリジン環、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン環、2,3−ジヒドロベンゾフラン環、ベンゾ−α−ピラン環、1,2−ジヒドロキノリン環、1,2−ジヒドロキナゾリン環、1,2−ジヒドロキノキサリン環などが挙げられ、好ましくは2−イミダゾリン環、2−チアゾリン環、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、1,2−ジヒドロピリジン環、1,2−ジヒドロキノリン環、1,2−ジヒドロキナゾリン環、1,2−ジヒドロキノキサリン環などであり、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾリン環、1,2−ジヒドロキノリン環がより好ましく、インドリン環が特に好ましい。
【0145】
次にタイプ3の化合物について説明する。
タイプ3の化合物において「結合形成過程」とは炭素−炭素、炭素−窒素、炭素−硫黄、炭素−酸素などの原子間結合の形成を意味する。
【0146】
タイプ3の化合物は好ましくは、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続いて分子内に共存する反応性基部位(炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、又はベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基部位)と反応して結合を形成した後に、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得ることを特徴とする化合物である。
【0147】
さらに詳細に述べるとタイプ3の化合物は、1電子酸化されて生成するその1電子酸化体(カチオンラジカル種、又はそこからプロトンの脱離により生成する中性のラジカル種)が、同じ分子内に共存する上記反応性基と反応し、結合を形成して、分子内に新たに環構造を有するラジカル種を生成する。そしてこのラジカル種から、直接若しくはプロトンの脱離を伴って、2電子目の電子が放出される特徴を有している。
そしてさらにタイプ3の化合物の中には、そうして生成した2電子酸化体がその後、ある場合には加水分解反応を受けた後に、またある場合には直接プロトンの移動を伴なう互変異性化反応を起して、そこからさらに1電子以上、通常2電子以上の電子を放出する場合がある。あるいはまたこうした互変異性化反応を経由せずに直接2電子酸化体から、さらに1電子以上、通常2電子以上の電子を放出する能力を有しているものも含まれる。
【0148】
タイプ3の化合物は好ましくは、一般式(D)で表される。
【0149】
一般式(D)
【化11】
Figure 2004334077
【0150】
一般式(D)においてREDは1電子酸化され得る還元性基を表し、YはREDが1電子酸化された後に反応する反応性基部位を表し、具体的には炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、又はベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基部位を含む有機基を表す。LはREDとYとを連結する連結基を表す。
【0151】
REDは一般式(B)のRED12と同義の基を表し、好ましくはアリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリール基、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基(特に含窒素ヘテロ環基が好ましい)であり、さらに好ましくはアリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アリール基、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基であり、このうちヘテロ環基に関しては、テトラヒドロキノリン環基、テトラヒドロキノキサリン環基、テトラヒドロキナゾリン環基、インドリン環基、インドール環基、カルバゾール環基、フェノキサジン環基、フェノチアジン環基、ベンゾチアゾリン環基、ピロール環基、イミダゾール環基、チアゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾイミダゾリン環基、ベンゾチアゾリン環基、3,4−メチレンジオキシフェニル−1−イル基などが好ましい。
REDとして特に好ましくはアリールアミノ基(特にアニリノ基)、アリール基(特にフェニル基)、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基である。
【0152】
ここでREDがアリール基を表す時、アリール基は少なくとも1つの「電子供与性基」を有していることが好ましい。「電子供与性基」は先に説明したものと同じである。
【0153】
REDがアリール基を表す時、そのアリール基の置換基としてより好ましくはアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、活性メチン基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基であり、さらに好ましくはアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、活性メチン基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基であり、最も好ましくはアルキルアミノ基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基である。
【0154】
で表される炭素−炭素2重結合部位を含む有機基(例えばビニル基)が置換基を有するとき、その置換基として好ましくは、アルキル基、フェニル基、アシル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、電子供与基などであり、ここに電子供与性基として好ましくは、アルコキシ基、ヒドロキシ基(シリル基で保護されていてもよく、例えばトリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、フェニルジメチルシリルオキシ基などが挙げられる)、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、スルホンアミド基、活性メチン基、メルカプト基、アルキルチオ基、及びこれら電子供与性基を置換基に有するフェニル基である。
【0155】
なおここで炭素−炭素2重結合部位を含む有機基が置換基としてヒドロキシ基を有する時、Yは右記部分構造:>C=C(−OH)−を含むことになるが、これは互変異性化して右記部分構造:>CH−C(=O)−となっていても良い。さらにこの場合に、該C炭素に置換する置換基が電子求引性基である場合もまた好ましく、この場合Yは「活性メチレン基」又は「活性メチン基」の部分構造を有することになる。このような活性メチレン基又は活性メチン基の部分構造を与え得る電子求引性基とは、上述の「活性メチン基」の説明の中で説明したものと同じである。
【0156】
で表される炭素−炭素3重結合部位を含む有機基(例えばエチニル基)が置換基を有するとき、その置換基としてはアルキル基、フェニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、電子供与基などが好ましい。
【0157】
が芳香族基部位を含む有機基を表す時、芳香族基として好ましくは電子供与性基を置換基として有するアリール基(特にフェニル基が好ましい)又はインドール環基で、ここに電子供与性基として好ましくは、ヒドロキシ基(シリル基で保護ざれていてもよい)、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、活性メチン基、スルホンアミド基、メルカプト基である。
【0158】
がベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基部位を含む有機基を表す時、ベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基として好ましくはアニリン構造を部分構造として内在するもので、例えば、インドリン環基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環基、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン環基、4−キノロン環基などが挙げられる。
【0159】
で表される反応性基としてより好ましくは、炭素−炭素2重結合部位、芳香族基部位、又はベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基を含む有機基である。さらに好ましくは、炭素−炭素2重結合部位、電子供与性基を置換基として有するフェニル基、インドール環基、アニリン構造を部分構造として内在するベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基である。ここに炭素−炭素2重結合部位は少なくとも1つの電子供与性基を置換基として有することがより好ましい。
【0160】
で表される反応性基が、これまでに説明した範囲から選択された結果として、REDで表される還元性基と同じ部分構造を有する場合もまた、一般式(D)で表される化合物の好ましい例である。
【0161】
は、REDとYとを連結する連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、又はこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Lで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。Lで表される連結基は、RED及びYで表される基の任意の位置で、それぞれの任意の1個の水素原子と置換する形で、連結され得る。
の好ましい例としては、単結合、アルキレン基(特にメチレン基、エチレン基、プロピレン基)、アリーレン基(特にフェニレン基)、−C(=O)−基、−O−基、−NH−基、−N(アルキル基)−基、及びこれらの基の組み合わせからなる2価の連結基が挙げられる。
【0162】
で表される基は、REDが酸化されて生成するカチオンラジカル種(X・)、又はそこからプロトンの脱離を伴って生成するラジカル種(X・)と、Yで表される反応性基とが反応して結合形成する際、これに関わる原子団が、Lを含めて3〜7員の環状構造を形成しうることが好ましい。この為にはラジカル種(X・又はX・)、Yで表される反応性基、及びLが、3〜7個の原子団で連結されていることが好ましい。
【0163】
次にタイプ4の化合物について説明する。
タイプ4の化合物は還元性基の置換した環構造を有する化合物であり、該還元性基が1電子酸化された後、環構造の開裂反応を伴ってさらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出しうる化合物である。ここでいう環構造の開裂反応とは、下記で表される形式のものを意味する。
【0164】
【化12】
Figure 2004334077
【0165】
式中、化合物aはタイプ4の化合物を表す。化合物a中、Dは還元性基を表し、X、Yは環構造中の1電子酸化後に開裂する結合を形成している原子を表す。まず化合物aが1電子酸化されて 1電子酸化体bを生成する。ここからD−Xの単結合が2重結合になると同時にX−Yの結合が切断され開環体cが生成する。あるいはまた1電子酸化体bからプロトンの脱離を伴ってラジカル中間体dが生成し、ここから同様に開環体eを生成する経路をとる場合もある。このように生成した開環体c又はeから、引き続きさらに1つ以上の電子が放出される点にこれらの化合物の特徴がある。
【0166】
タイプ4の化合物が有する環構造とは、3〜7員環の炭素環又はヘテロ環であり、単環若しくは縮環の、飽和若しくは不飽和の非芳香族の環を表す。好ましくは飽和の環構造であり、より好ましくは3員環あるいは4員環である。好ましい環構造としてはシクロプロパン環、シクロブタン環、オキシラン環、オキセタン環、アジリジン環、アゼチジン環、エピスルフィド環、チエタン環が挙げられる。より好ましくはシクロプロパン環、シクロブタン環、オキシラン環、オキセタン環、アゼチジン環であり、特に好ましくはシクロプロパン環、シクロブタン環、アゼチジン環である。環構造は任意の置換基を有していても良い。
【0167】
タイプ4の化合物は好ましくは一般式(E)又は(F)で表される。
【0168】
一般式(E)
【化13】
Figure 2004334077
【0169】
一般式(F)
【化14】
Figure 2004334077
【0170】
一般式(E)及び一般式(F)においてRED41及びRED42は、それぞれ一般式(B)のRED12と同義の基を表し、その好ましい範囲もまた同じである。R40〜R44及びR45〜R49は、それぞれ水素原子又は置換基を表す。一般式(F)においてZ42は、−CR420421−、−NR423−、又はO−を表す。ここにR420、R421は、それぞれ水素原子又は置換基を表し、R423は水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
【0171】
一般式(E)及び一般式(F)においてR40及びR45は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、水素原子、アルキル基、アリール基がより好ましい。R41〜R44及びR46〜R49として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。
【0172】
41〜R44は、これらのうち少なくとも1つがドナー性基である場合と、R41とR42、あるいはR43とR44がともに電子求引性基である場合が好ましい。より好ましくはR41〜R44の少なくとも1つがドナー性基である場合である。さらに好ましくはR41〜R44の少なくとも1つがドナー性基であり且つ、R41〜R44の中でドナー性基でない基が水素原子又はアルキル基である場合である。
【0173】
ここでいうドナー性基とは、「電子供与性基」、又は少なくとも1つの「電子供与性基」で置換されたアリール基である。ドナー性基として好ましくはアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環若しくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基、少なくとも1つの電子供与性基で置換されたフェニル基が用いられる。より好ましくはアルキルアミノ基、アリールアミノ基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環若しくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基(インドール環、ピロール環、カルバゾール環など)、電子供与性基で置換されたフェニル基(3つ以上のアルコキシ基で置換されたフェニル基、ヒドロキシ基又はアルキルアミノ基又はアリールアミノ基で置換されたフェニル基など)が用いられる。特に好ましくはアリールアミノ基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環若しくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基(特に3−インドリル基)、電子供与性基で置換されたフェニル基(特にトリアルコキシフェニル基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基で置換されたフェニル基)が用いられる。
【0174】
42として好ましくは−CR420421−又はNR423−であり、より好ましくは−NR423−である。R420、R421は好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミノ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。R423は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基を表し、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基である。
【0175】
40〜R49及びR420、R421、R423の各基が置換基である場合にはそれぞれ総炭素数が40以下のものが好ましく、より好ましくは総炭素数30以下で、特に好ましくは総炭素数15以下である。またこれらの置換基は互いに結合して、あるいは分子中の他の部位(RED41、RED42あるいはZ42)と結合して環を形成していても良い。
【0176】
本発明におけるタイプ1〜4の化合物においてハロゲン化銀への吸着性基とは、ハロゲン化銀に直接吸着する基、又はハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(又はその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、カチオン性基、又はエチニル基である。但し、本発明におけるタイプ2の化合物においては、吸着性基としてスルフィド基は含まれない。
【0177】
吸着性基としてメルカプト基(又はその塩)とは、メルカプト基(又はその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(又はその塩)の置換したヘテロ環基又はアリール基又はアルキル基を表す。ここにヘテロ環基は、5員〜7員の、単環若しくは縮合環の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基で、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズチアゾール環基、ベンズオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、トリアジン環基等が挙げられる。また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていてもよく、この様なヘテロ環基の例としてはイミダゾリウム環基、ピラゾリウム環基、チアゾリウム環基、トリアゾリウム環基、テトラゾリウム環基、チアジアゾリウム環基、ピリジニウム環基、ピリミジニウム環基、トリアジニウム環基などが挙げられ、中でもトリアゾリウム環基(例えば1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート環基)が好ましい。アリール基としてはフェニル基又はナフチル基が挙げられる。アルキル基としては炭素数1〜30の直鎖又は分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li、Na、K、Mg2+、Ag、Zn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
【0178】
吸着性基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていてもよく、具体的にはチオアミド基(ここでは−C(=S)−NH−基)、及び該チオアミド基の部分構造を含む基、すなわち、鎖状若しくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、又はジチオカルバミン酸エステル基などが挙げられる。ここで環状の例としてはチアゾリジン−2−チオン基、オキサゾリジン−2−チオン基、2−チオヒダントイン基、ローダニン基、イソローダニン基、チオバルビツール酸基、2−チオキソ−オキサゾリジン−4−オン基などが挙げられる。
【0179】
吸着性基としてチオン基とは、上述のメルカプト基が互変異性化してチオン基となった場合を含め、メルカプト基に互変異性化できない(チオン基のα位に水素原子を持たない)、鎖状若しくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、又はジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
【0180】
吸着性基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、又は配位結合で銀イオンに配位し得る、‘−S−’基又は‘−Se−’基又は‘−Te−’基、又は‘=N−’基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンズイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンズセレノアゾール基、テルルアゾール基、ベンズテルルアゾール基などが挙げられる。好ましくは前者である。
【0181】
吸着性基としてスルフィド基とは、‘−S−’の部分構造を有する基すべてが挙げられるが、好ましくはアルキル(又はアルキレン)−S−アルキル(又はアルキレン)、アリール(又はアリーレン)−S−アルキル(又はアルキレン)、アリール(又はアリーレン)−S−アリール(又はアリーレン)の部分構造を有する基である。さらにこれらのスルフィド基は、環状構造を形成していてもよく、また−S−S−基となっていてもよい。環状構造を形成する場合の具体例としてはチオラン環、1,3−ジチオラン環又は1,2−ジチオラン環、チアン環、ジチアン環、テトラヒドロ−1,4−チアジン環(チオモルホリン環)などを含む基が挙げられる。スルフィド基として特に好ましくはアルキル(又はアルキレン)−S−アルキル(又はアルキレン)の部分構造を有する基である。
【0182】
吸着性基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。但し、該カチオン性基が色素構造を形成する原子団(例えばシアニン発色団)の一部となることはない。ここにアンモニオ基とは、トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリールアンモニオ基、アルキルジアリールアンモニオ基などで、例えばベンジルジメチルアンモニオ基、トリヘキシルアンモニオ基、フェニルジエチルアンモニオ基などが挙げられる。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、イミダゾリオ基などが挙げられる。好ましくはピリジニオ基及びイミダゾリオ基であり、特に好ましくはピリジニオ基である。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよいが、ピリジニオ基及びイミダゾリオ基の場合、置換基として好ましくはアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、クロル原子、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基などが挙げられ、ピリジニオ基の場合、置換基として特に好ましくはフェニル基である。
【0183】
吸着性基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着性基は任意の置換基を有していてもよい。
【0184】
なお吸着性基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書4〜7頁に記載されているものが挙げられる。
【0185】
本発明において吸着性基として好ましいものは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、又はイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、及びベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、及び5−メルカプトテトラゾール基である。
【0186】
これらの化合物のうち、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する化合物もまた特に好ましい化合物である。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。この様な化合物の例としては、以上述べてきたメルカプト基若しくはチオン基を部分構造として有する吸着性基(例えば環形成チオアミド基、アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基、ヘテロ環メルカプト基など)を分子内に2つ以上有する化合物であってもよいし、また吸着性基の中で、2つ以上のメルカプト基又はチオン基を部分構造として有する吸着性基(例えばジメルカプト置換含窒素ヘテロ環基)を、1つ以上有していてもよい。
【0187】
2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素へテロ環基など)の例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−オキサゾール基、2,7−ジメルカプト−5−メチル−s−トリアゾロ(1,5−A)−ピリミジン、2,6,8−トリメルカプトプリン、6,8−ジメルカプトプリン、3,5,7−トリメルカプト−s−トリアゾロトリアジン、4,6−ジメルカプトピラゾロピリミジン、2,5−ジメルカプトイミダゾールなどが挙げられ、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が特に好ましい。
【0188】
吸着性基は一般式(A)〜(F)及び一般式(1)〜(3)のどこに置換されていてもよいが、一般式(A)〜(D)においてはRED11、RED12、RED、REDに、一般式(E)、(F)においてはRED41、R41、RED42、R46〜R48に、一般式(1)〜(3)においてはR、R、R11、R12、R31、L、L21、L31を除く任意の位置に置換されていることが好ましく、さらに一般式(A)〜(F)全てでRED11〜RED42に置換されていることがより好ましい。
【0189】
分光増感色素の部分構造とは分光増感色素の発色団を含む基であり、分光増感色素化合物から任意の水素原子又は置換基を除いた残基である。分光増感色素の部分構造は一般式(A)〜(F)及び一般式(1)〜(3)のどこに置換されていてもよいが、一般式(A)〜(D)においてはRED11、RED12、RED、REDに、一般式(E)、(F)においてはRED41、R41、RED42、R46〜R48に、一般式(1)〜(3)においてはR、R、R11、R12、R31、L、L21、L31を除く任意の位置に置換されていることが好ましく、さらに一般式(A)〜(F)全てでRED11〜RED42に置換されていることがより好ましい。好ましい分光増感色素は、典型的にカラー増感技法で用いられる分光増感色素であり、例えばシアニン色素類、複合シアニン色素類、メロシアニン色素類、複合メロシアニン色素類、同極のシアニン色素類、スチリル色素類、ヘミシアニン色素類を含む。代表的な分光増感色素は、リサーチディスクロージャー、アイテム36544、1994年9月に開示されている。前記リサーチディスクロージャー、若しくはF.M.HamerのThe Cyanine dyes and Related Compounds (Interscience Publishers, New yprk, 1964)に記載される手順によって当業者は、これらの色素を合成することができる。さらに特開平11−95355号(米国特許6,054,260号)の明細書7〜14頁に記載された色素類が全てそのまま当てはまる。
【0190】
本発明におけるタイプ1〜4の化合物は、その総炭素数が10〜60の範囲のものが好ましい。より好ましくは15〜50、さらに好ましくは18〜40であり、特に好ましくは18〜30である。
【0191】
本発明におけるタイプ1〜4の化合物は、これを用いたハロゲン化銀写真感光材料が露光されることを引き金に1電子酸化され、引き続く反応の後、さらに1電子、あるいはタイプによっては2電子以上の電子が放出され、酸化されるが、その1電子目の酸化電位は、約1.4V以下が好ましく、さらには1.0V以下が好ましい。この酸化電位は好ましくは0Vより高く、より好ましくは0.3Vより高い。従って酸化電位は好ましくは約0〜約1.4V、より好ましくは約0.3〜約1.0Vの範囲である。
【0192】
ここに酸化電位はサイクリックボルタンメトリーの技法で測定でき、具体的には試料をアセトニトリル:水(0.1Mの過塩素酸リチウムを含む)=80%:20%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、ガラス状のカーボンディスクを動作電極に用い、プラチナ線を対電極に用い、そしてカロメル電極(SCE)を参照電極に用いて、25℃で、0.1V/秒の電位走査速度で測定したものである。サイクリックボルタンメトリー波のピーク電位の時に酸化電位対SCEをとる。
【0193】
本発明におけるタイプ1〜4の化合物が1電子酸化され、引き続く反応の後、さらに1電子を放出する化合物である場合には、この後段の酸化電位は好ましくは−0.5V〜−2Vであり、より好ましくは−0.7V〜−2Vであり、さらに好ましくは−0.9V〜−1.6Vである。
【0194】
本発明におけるタイプ1〜4の化合物が1電子酸化され、引き続く反応の後、さらに2電子以上の電子を放出し、酸化される化合物である場合には、この後段の酸化電位については特に制限はない。2電子目の酸化電位と3電子目以降の酸化電位が明確に区別できない点で、これらを実際に正確に測定し区別することは困難な場合が多いためである。
【0195】
次にタイプ5の化合物について説明する。
タイプ5の化合物はX−Yで表され、ここにXは還元性基を、Yは脱離基を表し、Xで表される還元性基が1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続くX−Y結合の開裂反応を伴ってYを脱離してXラジカルを生成し、そこからさらにもう1電子を放出し得る化合物である。この様なタイプ5の化合物が酸化された時の反応は、以下の式で表すことができる。
【0196】
【化15】
Figure 2004334077
【0197】
タイプ5の化合物は好ましくはその酸化電位が0〜1.4Vであり、より好ましくは0.3V〜1.0Vである。また上記反応式において生成するラジカルX・の酸化電位は−0.7V〜−2.0Vであることが好ましく、−0.9V〜−1.6Vがより好ましい。
【0198】
タイプ5の化合物は、好ましくは一般式(G)で表される。
【0199】
一般式(G)
【化16】
Figure 2004334077
【0200】
一般式(G)においてREDは還元性基を表し、Lは脱離基を表し、R及びR00は水素原子又は置換基を表す。RED とR、及びRとR00とは互いに結合して環構造を形成していてもよい。REDは一般式(C)のREDと同義の基を表し、その好ましい範囲も同じである。R及びR00は一般式(C)のR21及びR22と同義の基であり、その好ましい範囲も同じである。但しR及びR00が、水素原子を除いて、Lと同義の基を表すことはない。REDとRとは互いに結合して環構造を形成していてもよく、ここに環構造の例としては、一般式(C)のREDとR21が連結して環構造を形成する場合と同じ例が挙げられ、その好ましい範囲も同じである。RとR00とが互いに結合して形成される環構造の例としては、シクロペンタン環やテトラヒドロフラン環などが挙げられる。一般式(G)においてLは、一般式(C)のLと同義の基であり、その好ましい範囲も同じである。
【0201】
一般式(G)で表される化合物は分子内にハロゲン化銀への吸着性基、若しくは分光増感色素の部分構造を有していることが好ましいが、Lがシリル基以外の基を表す時、分子内に吸着性基を同時に2つ以上有することはない。但しここで吸着性基としてのスルフィド基は、Lに依らず、これを2つ以上有していてもよい。
【0202】
一般式(G)で表される化合物が有するハロゲン化銀への吸着性基としては、本発明におけるタイプ1〜4の化合物が有していてもよい吸着性基と同じものがその例として挙げられるが、さらに加えて、特開平11−95355号の明細書4〜7頁に「ハロゲン化銀吸着基」として記載されているもの全てが挙げられ、好ましい範囲も同じである。
一般式(G)で表される化合物が有していてもよい分光増感色素の部分構造とは、本発明におけるタイプ1〜4の化合物が有していてもよい分光増感色素の部分構造と同じであるが、同時に特開平11−95355号の明細書7〜14頁に「光吸収性基」として記載されているもの全てが挙げられ、好ましい範囲も同じである。
【0203】
以下に本発明におけるタイプ1〜5の化合物の具体例を列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0204】
【化17】
Figure 2004334077
【0205】
【化18】
Figure 2004334077
【0206】
【化19】
Figure 2004334077
【0207】
【化20】
Figure 2004334077
【0208】
本発明におけるタイプ1〜4の化合物は、それぞれ特願2002−192373号、特願2002−188537号、特願2002−188536号、特願2001−272137号、特願2002−192374号において、詳細に説明した化合物と同じものである。これら特許出願明細書に記載した具体的化合物例もまた、本発明におけるタイプ1〜4の化合物の具体例として挙げることができる。また本発明におけるタイプ1〜4の化合物の合成例も、これら特許に記載したものと同じである。
【0209】
本発明におけるタイプ5の化合物の具体例としては、さらに特開平9−211769号(28〜32頁の表E及び表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」又は「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物の例が、そのまま挙げられる。
【0210】
本発明におけるタイプ1〜5の化合物は感光性ハロゲン化銀乳剤調製時、熱現像感光材料製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば感光性ハロゲン化銀粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。またこれらの工程中の複数回に分けて添加することも出来る。添加位置として好ましくは、感光性ハロゲン化銀粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時から非感光性有機銀塩と混合される前までである。
【0211】
本発明におけるタイプ1〜5の化合物は水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高く又は低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高く又は低くして溶解し、これを添加しても良い。
【0212】
本発明におけるタイプ1〜5の化合物は感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層中に使用するのが好ましいが、画像形成層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。本発明における化合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10−9〜5×10−1モル、更に好ましくは1×10−8〜5×10−2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層に含有する。
【0213】
10)ハロゲン化銀の複数併用
本発明に用いられる感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0214】
11)塗布量
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m当たりの塗布銀量で示して、0.03〜0.6g/mであることが好ましく、0.05〜0.4g/mであることがさらに好ましく、0.07〜0.3g/mであることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル以下である。
【0215】
12)感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0216】
13)ハロゲン化銀の塗布液への混合
本発明におけるハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0217】
<バインダーの説明>
本発明における画像形成層のバインダーは、いかなるポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒又はエマルションから被覆形成してもよい。
【0218】
本発明では、有機銀塩を含有する層に併用できるバインダーのガラス転移温度は0℃以上80℃以下である(以下、高Tgバインダーということあり)ことが好ましく、10℃〜70℃であることがより好ましく、15℃以上60℃以下であることが更に好ましい。
【0219】
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
【0220】
バインダーは必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その重量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
【0221】
本発明においては、画像形成層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布、乾燥して被膜を形成させることが好ましい。
本発明においては、画像形成層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに画像形成層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶又は分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
【0222】
ここでいう前記ポリマーが可溶又は分散可能である水系溶媒とは、水又は水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミドなどを挙げることができる。
【0223】
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
【0224】
また「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの重量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率={(W1−W0)/W0}×100(質量%)
【0225】
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
【0226】
本発明におけるバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
【0227】
本発明においては水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態又はミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、好ましくは5〜1000nmの範囲で、より好ましくは10〜500nmの範囲、さらに好ましくは50〜200nmの範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
【0228】
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
【0229】
(ラテックスの具体例)
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
【0230】
P−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg−17℃)
P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性)
P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性)
P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性)
P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
P−14;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
【0231】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
【0232】
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA−4635,4718,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
【0233】
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0234】
(好ましいラテックス)
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60〜99質量%であることが好ましい。また、本発明におけるポリマーラッテクスは、アクリル酸又はメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して1〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2〜5質量%含有する。本発明におけるポリマーラテックスは、アクリル酸を含有することが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
【0235】
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン酸共重合体のラテックスとしては、前記のP−3〜P−8,15、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。
【0236】
本発明の感光材料の画像形成層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0237】
本発明における有機銀塩含有層(即ち、画像形成層)は、ポリマーラテックスを用いて形成されたものが好ましい。画像形成層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の重量比が1/10〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。
【0238】
また、このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(画像形成層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の重量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲である。
【0239】
本発明における画像形成層の全バインダー量は、好ましくは0.2〜30g/m、より好ましくは1〜15g/m、さらに好ましくは2〜10g/mの範囲である。本発明における画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0240】
<好ましい塗布液の溶媒>
本発明において感光材料の画像形成層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
【0241】
<かぶり防止剤の説明>
本発明に用いることのできるカブリ防止剤、安定剤及び安定剤前駆体は特開平10−62899号の段落番号0070、欧州特許公開第0803764A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載の特許のもの、特開平9−281637号、同9−329864号記載の化合物、米国特許6,083,681号、同6,083,681号、欧州特許1048975号に記載の化合物が挙げられる。また、本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤は有機ハロゲン化物であり、これらについては、特開平11−65021号の段落番号0111〜0112に記載の特許に開示されているものが挙げられる。特に特開2000−284399号の式(P)で表される有機ハロゲン化合物、特開平10−339934号の一般式(II)で表される有機ポリハロゲン化合物、特開2001−31644号及び特開2001−33911号に記載の有機ポリハロゲン化合物が好ましい。
【0242】
(ポリハロゲン化合物の説明)
以下、本発明で好ましい有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。本発明における好ましいポリハロゲン化合物は下記一般式(H)で表される化合物である。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z)(Z)X
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、Z及びZはハロゲン原子を表し、Xは水素原子又は電子求引性基を表す。
一般式(H)においてQは好ましくはアリール基又はヘテロ環基である。
一般式(H)において、Qがヘテロ環基である場合、窒素原子を1ないし2含有する含窒素ヘテロ環基が好ましく、2−ピリジル基、2−キノリル基が特に好ましい。
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of MedicinalChemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216 等を参考にすることができる。このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリール若しくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリール若しくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族・アリール若しくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、ホスホリル基等があげられる。σp値としては好ましくは0.2〜2.0の範囲で、より好ましくは0.4から1.0の範囲である。電子求引性基として特に好ましいのは、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルホスホリル基で、なかでもカルバモイル基が最も好ましい。
Xは、好ましくは電子求引性基であり、より好ましくはハロゲン原子、脂肪族・アリール若しくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリール若しくは複素環アシル基、脂肪族・アリール若しくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−又はSO−を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO−であり、特に好ましくは−SO−である。nは、0又は1を表し、好ましくは1である。
【0243】
以下に本発明における一般式(H)の化合物の具体例を示す。
【0244】
【化21】
Figure 2004334077
【0245】
上記以外の本発明における好ましいポリハロゲン化合物としては、特開2001−31644号、同2001−56526号、同2001−209145号に記載の化合物が挙げられる。
本発明における一般式(H)で表される化合物は、画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、10−4〜1モルの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10−3〜0.5モルの範囲で、さらに好ましくは1×10−2〜0.2モルの範囲で使用することが好ましい。
本発明において、カブリ防止剤を感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
【0246】
(その他のかぶり防止剤)
その他のカブリ防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
【0247】
本発明における熱現像感光材料はカブリ防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号記載の化合物、特開昭60−153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては画像形成層を有する面の層に添加することが好ましく、画像形成層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、画像形成層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10−6モル以上2モル以下が好ましく、1×10−3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0248】
<その他の添加剤>
1)メルカプト、ジスルフィド、及びチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0249】
2)色調剤
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−356317号や特開2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体若しくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノン及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウム及びテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体若しくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジン及び2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸又は4メチルフタル酸との組み合わせである。
【0250】
3)可塑剤、潤滑剤
本発明における画像形成層に用いることのできる可塑剤及び潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117に記載されている。滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
【0251】
4)染料、顔料
本発明における画像形成層には色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
【0252】
5)超硬調化剤
印刷製版用途に適した超硬調画像形成のためには、画像形成層に超硬調化剤を添加することが好ましい。超硬調化剤やその添加方法及び添加量については、特開平11−65021号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399公報の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
【0253】
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有することが好ましい。
【0254】
本発明の熱現像感光材料で超硬調化剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩の使用量(感光材料1mあたりの塗布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1〜500mg/mが好ましく、0.5〜100mg/mがより好ましい。
本発明における還元剤、水素結合性化合物、現像促進剤及びポリハロゲン化合物は、固体分散物として使用することが好ましく、これらの固体分散物の好ましい製造方法は特開2002−55405号に記載されている。
【0255】
<塗布液の調製及び塗布>
本発明における画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
【0256】
<その他の層構成及び構成成分>
1)アンチハレーション層
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。
【0257】
アンチハレーション層については特開平11−65021号段落番号0123〜0124、特開平11−223898号、同9−230531号、同10−36695号、同10−104779号、同11−231457号、同11−352625号、同11−352626号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
可視域に吸収を有する染料を用いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加してアンチハレーション層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11−231457号等に記載されている。
【0258】
消色染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001〜1g/m程度である。
【0259】
なお、このように染料を消色すると、熱現像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができる。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。
このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11−352626号に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェニル(フェニル)スルホン)、2−ナフチルベンゾエート等を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
【0260】
2)バック層
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
【0261】
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62−210458号、同63−104046号、同63−103235号、同63−208846号、同63−306436号、同63−314535号、特開平01−61745号、特開平2001−100363などに記載されている。
このような着色剤は、通常、0.1mg/m〜1g/mの範囲で添加され、添加する層としては画像形成層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
また、ベース色調を調整するために580〜680nmに吸収ピークを有する染料を使用することが好ましい。この目的の染料としては短波長側の吸収強度が小さい特開平4−359967、同4−359968記載のアゾメチン系の油溶性染料、特願2002−96797号記載のフタロシアニン系の水溶性染料が好ましい。この目的の染料はいずれの層に添加してもよいが、乳剤面側の非感光性層又はバック面側に添加することがより好ましい。
【0262】
3)膜面pH
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
【0263】
4)硬膜剤
本発明における画像形成層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OFTHE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0264】
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0265】
5)界面活性剤
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
特に、本発明においては、炭素原子数が2以上でフッ素原子数が13以下のフッ化アルキル基を有するフッ素化合物を含有することが好ましい。
当該フッ素化合物は、上記フッ化アルキル基(以下、フッ素原子で置換されたアルキル基を「Rf」という)有していれば、あとはいかなる構造であってもよい。また、該フッ素化合物は少なくともRfを1つ以上有していればよく、2つ以上有していてもよい。
【0266】
Rfの具体例としては、以下の基が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
−C基、−C基、−C基、−C11基、−CH−C基、−C−H基、−C−C基、−C−C基、−C12−C基、−C16−C基、−C−C基、−C−C基、−C−C11基、−C16−C基、−C−C−H基、−C−C−H基、−C12−C−H基−C12−C−H基、−C16−C−H基、−C12−C−CH基、−C−C基、−C−C11基、−C−CF(CF基、−CHCF基、−C−CH(C基、−C−CH(CF基、−C−C(CF基、−CH−C−H基、−CH−C12−H基、−CH−C13基、−C−C13基、−C−C13基、−C12−C13基、−C16−C13基。
【0267】
Rfは、フッ素原子数が13以下であるが、好ましくは12以下であり、より好ましくは3〜11の範囲で、更に好ましくは5〜9の範囲である。また、炭素原子数は2以上であるが、好ましくは4〜16、より好ましくは5〜12の範囲である。
【0268】
Rfは、炭素原子数が2以上でフッ素原子数が13以下であれば、とくに構造は限定されないが、好ましくは下記一般式(A)で表される基である。
【0269】
一般式(A)
−Rc−Re−W
【0270】
当該フッ素化合物は、一般式(A)で表されるフッ化アルキル基を2つ以上有することがより好ましい。
一般式(A)においてRcは、炭素数1から4のアルキレン基を表すが、好ましくは炭素数1〜3の範囲で、より好ましくは1〜2の範囲である。Rcで表されるアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
Reは炭素数2〜6パーフルオロアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜4のパーフルオロアルキレン基である。ここでパーフルオロアルキレン基とはアルキレン基のすべての水素原子がフッ素原子で置き換えられたアルキレン基をいう。前記パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、また環状構造を有していてもよい。
Wは水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表し、好ましくは水素原子又はフッ素原子である。特に好ましいのは、フッ素原子である。
【0271】
当該フッ素化合物は、カチオン性の親水基を有することもできる。
カチオン性の親水性基とは、水に溶解したときに、陽イオンとなるものをいう。具体的には、第四級アンモニウム、アルキルピリジウム、アルキルイミダゾリニウム、第一級〜第三級脂肪族アミンなどが挙げられる。
カチオンとして好ましくは、有機のカチオン性置換基であり、より好ましくは窒素又は燐原子を含む有機カチオン性基である。さらに好ましくはピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンである。
塩類を形成するアニオン種は、無機アニオンでも有機アニオンでもかまわない。無機アニオンとして好ましくは、ヨードイオン、臭素イオン、塩素イオン等が挙げられ、有機アニオンとして好ましくは、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0272】
本発明において好ましいカチオン性フッ素化合物は下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
【0273】
【化22】
Figure 2004334077
【0274】
式中、R及びRは各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表すが、R及びRの少なくとも1つは前述のフッ化アルキル基(Rf)である。好ましいのは、R及びRの双方がRfの場合である。R、R及びRは、各々独立に水素原子又は置換基を表し、X、X及びZは、各々独立に2価の連結基又は単結合を表し、Mはカチオン性の置換基を表す。Yは対アニオンを表すが、分子内で荷電が0になる場合にはYはなくてもよい。mは0又は1である。
【0275】
前記一般式(1)中、R及びRは、各々独立にRf以外の置換又は無置換のアルキル基を表す場合、前記アルキル基は、炭素数1以上であって、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。前記置換基としては、ハロゲン原子、アルケニル基、アリール基、アルコキシル基、フッ素以外のハロゲン原子、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が挙げられる。
【0276】
又はRがRf以外のアルキル基、即ち、フッ素原子で置換されていないアルキル基を表す場合、該アルキル基としては、炭素数1〜24の置換又は無置換のアルキル基、より好ましくは炭素数6〜24の置換又は無置換のアルキル基である。炭素数6〜24の無置換アルキル基の好ましい例としては、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基、トリコシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。また、置換基を有する総炭素数が6〜24のアルキル基の好ましい例としては、2−ヘキセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基、ベンジル基、β−フェネチル基、2−メトキシエチル基、4−フェニルブチル基、4−アセトキシエチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、2−(燐酸ジフェニル)エチル基等を挙げることができる。
【0277】
及びRで各々独立に表されるRf以外のアルキル基としては、更に好ましくは炭素数6〜18の置換又は無置換のアルキル基である。炭素数6〜18の無置換のアルキル基の好ましい例としては、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。また、置換基を有する総炭素数が6〜18の置換アルキル基の好ましい例としては、フェネチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
【0278】
及びRでそれぞれ表されるRf以外のアルキル基としては、特に好ましくは、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基であり、最も好ましくは炭素数8〜16の直鎖状、環状又は分岐状の無置換アルキル基である。
【0279】
前記一般式(1)中、R、R及びRは、各々独立に水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換若しくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる)、
【0280】
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12アシル基であり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、
【0281】
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
【0282】
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
【0283】
、R及びRとしては、好ましくはアルキル基又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である。
【0284】
前記式中、X及びXは、各々独立に2価の連結基又は単結合を表す。前記2価の連結基については特に制約はないが、好ましくはアリーレン基、−O−、−S−、又は−NR31−(R31は水素原子又は置換基を表し、置換基としてはR、R及びRが、それぞれ表す置換基の例と同様であり、R31として好ましくは、アルキル基、前述のRf、又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である)を単独又はそれらを組合せて得られる基であり、より好ましくは−O−、−S−又は−NR31−である。X及びXとしてより好ましくは、−O−又は−NR31−であり、更に好ましくは−O−又は−NH−であり、特に好ましくは−O−である。
【0285】
前記式中Zは2価の連結基又は単結合を表す。前記2価の連結基については特に制約はないが、好ましくはアルキレン基、アリーレン基、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−又は−NR32−(R32は水素原子又は置換基を表し、置換基としてはR、R及びRが表す置換基の例と同様であり、R32として好ましくはアルキル基又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である)を単独又はそれらを組合せて得られる基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−、又は−NR32−を単独又はそれらを組合せて得られる基である。Zとして更に好ましくは、炭素数1〜8のアルキレン基、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−又は−NR32−を単独又はそれらを組合せて得られる基であり、例えば、
【0286】
【化23】
Figure 2004334077
等が挙げられる。
【0287】
前記式中、Mはカチオン性の置換基を表し、Mとして好ましくは、有機のカチオン性置換基であり、より好ましくは窒素又は燐原子を含む有機カチオン性基である。さらに好ましくはピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであり、より好ましくは下記一般式(2)で表されるトリアルキルアンモニウムカチオンである。
【0288】
【化24】
Figure 2004334077
【0289】
前記式中、R13、R14及びR15は、各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表す。該置換基としては前記R、R及びRの置換基として挙げたものが適用できる。また、R13、R14及びR15は可能な場合にはお互いが結合して環を形成してもよい。R13、R14及びR15として好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、又はメチルカルボキシル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0290】
前記式中、Yは対アニオンを表し、無機アニオンでも有機アニオンでもよい。また、分子内で荷電が0になる場合にはYはなくてもよい。無機アニオンとして好ましくは、ヨードイオン、臭素イオン、塩素イオン等が挙げらる。有機アニオンとして好ましくは、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。Yとしてより好ましくは、ヨードイオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオンであり、更に好ましくはp−トルエンスルホン酸である。
【0291】
前記式中、mは0又は1であり、好ましくは0である。
【0292】
上記一般式(1)で表される化合物の中でも、下記一般式(1−a)で表される化合物が好ましい。
【0293】
【化25】
Figure 2004334077
【0294】
式中、R11及びR21は、各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表すが、R及びRの少なくとも1つは前述のRfを表し、R11とR21の炭素数の総計は19以下である。R13、R14及びR15は、各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。X11及びX21は、各々独立に−O−、−S−又は−NR31−を表し、R31は水素原子又は置換基を表し、Zは2価の連結基又は単結合を表す。Yは対アニオンを表すが、分子内で荷電が0になる場合にはYはなくてもよい。
mは0又は1である。式中、Z及びYは、各々独立に上記一般式(1)におけるそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。R13、R14、R15及びmについては、それぞれ上記一般式(1)におけるそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0295】
式中、X11及びX12は、各々独立に−O−、−S−又は−NR31−(R31は水素原子又は置換基を表し、該置換基としては前記R、R及びRの置換基として挙げたものが適用できる。R31として好ましくは、アルキル基、前述のRf、又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である。X11及びX21としてより好ましくは−O−、−NH−であり、更に好ましくは−O−である。
【0296】
前記式中、R11及びR21は、各々独立に一般式(1)におけるR及びRと同義であり、好ましい範囲も同様である。ただし、R11及びR21の炭素数の総計は19以下である。mは0又は1である。
【0297】
上記一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、以下の具体例によってなんら制限されるものではない。なお、下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限り、アルキル基、パーフルアロアルキル基は直鎖の構造を意味する。また、表記中の略号の内、2EHは、2−ethylhexylを意味する。
【0298】
【化26】
Figure 2004334077
【0299】
【化27】
Figure 2004334077
【0300】
【化28】
Figure 2004334077
【0301】
【化29】
Figure 2004334077
【0302】
【化30】
Figure 2004334077
【0303】
【化31】
Figure 2004334077
【0304】
【化32】
Figure 2004334077
【0305】
【化33】
Figure 2004334077
【0306】
【化34】
Figure 2004334077
【0307】
【化35】
Figure 2004334077
【0308】
【化36】
Figure 2004334077
【0309】
【化37】
Figure 2004334077
【0310】
【化38】
Figure 2004334077
【0311】
次に、本発明の上記一般式(1)、(1−a)で表される化合物の一般的な合成法の一例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0312】
本発明の化合物は、フマル酸誘導体、マレイン酸誘導体、イタコン酸誘導体、グルタミン酸誘導体、アスパラギン酸誘導体等を原料にして合成できる。例えば、フマル酸誘導体、マレイン酸誘導体、イタコン酸誘導体を原料とした場合は、それらの2重結合に、求核種によるマイケル付加反応を行った後、アルキル化剤によるカチオン化を行うことにより合成できる。
【0313】
当該フッ素化合物はアニオン性の親水基を有することもできる。
アニオン性の親水基とは、pKaが7以下の酸性基及びそのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩をいう。具体的には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、カルバモイルスルファモイル基、スルファモイルスルファモイル基、アシルスルファモイル基及びこれらの塩類などが挙げられる。このうち、好ましくはスルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基及びその塩類で、より好ましくはスルホ基及びその塩類である。塩類を形成するカチオン種としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルピリジニウムなどが挙げられるが、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウムである。
【0314】
本発明においてアニオン性の親水基を有するフッ素化合物で好ましいものは、下記一般式(3)で表される。
一般式(3)
【0315】
【化39】
Figure 2004334077
【0316】
式中、R及びRは、各々独立にアルキル基を表すが、少なくとも一方はRfを表す。R及びRがフッ化アルキル基でないアルキル基を表すとき炭素数は2〜18のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数4〜12のアルキル基である。R及びRは、各々独立に水素原子又は置換又は無置換のアルキル基を表す。
及びRで表されるフッ化アルキル基の具体例は前述のフッ化アルキル基があげられ、好ましい構造も同様に前述の一般式(A)で表される構造である。また、その中での好ましい構造も前述のフッ化アルキル基の記載と同様である。R及びRで表されるアルキル基はいずれも前述のフッ化アルキル基であることが好ましい。
及びRで表される置換又は無置換のアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、また環状構造を有していてもよい。前記置換基としては、特に制限はないが、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(好ましくはCl)、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が好ましい。
Aは−L−SOMを表し、Mはカチオンを表す。ここで、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく例示される。これらのうち、より好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン又はアンモニウムイオンであり、さらに好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンであり、一般式(3)の化合物の総炭素数や置換基、アルキル基の分岐の程度等により適切に選択することができる。R、R、R及びRの炭素数の合計が16以上の場合に、Mをリチウムイオンとすると溶解性(特に水に対して)と帯電防止能又は塗布均一性の両立の観点で優れている。
は、単結合又は置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。置換基はRで挙げたものが好ましい。Lがアルキレン基である場合、炭素数は2以下であるのが好ましい。Lは、単結合又は−CH−基であることが好ましく、−CH−基であることが最も好ましい。
上記一般式(3)は、上記のそれぞれの好ましい態様を組み合わせることが、より好ましい。
【0317】
本発明にかかるアニオン性の親水基を有するフッ素化合物の具体例を以下に例示するが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限りアルキル基、パーフルオロアルキル基は直鎖の構造を意味する。
【0318】
【化40】
Figure 2004334077
【0319】
【化41】
Figure 2004334077
【0320】
【化42】
Figure 2004334077
【0321】
【化43】
Figure 2004334077
【0322】
【化44】
Figure 2004334077
【0323】
当該フッ素化合物は、ノニオン性の親水基を有することもできる。
ノニオン性の親水性基とは、イオンに解離することなく水に溶解する基をいう。具体的には、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルや多価アルコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0324】
本発明において、ノニオン性を有するフッ素化合物で好ましいものは、下記一般式(4)で表される。
一般式(4)
【化45】
Figure 2004334077
【0325】
一般式(4)で、Rfは前述のフッ化アルキル基であり、Rfの具体例は前述の基があげられ、好ましい構造も同様に前述の一般式(A)で表される構造である。また、その中での好ましい構造も前述のRfの記載と同様である。
【0326】
一般式(4)中のXは2価の連結基を表し、特に制約はないが例えば、
【化46】
Figure 2004334077
等があげられる。
【0327】
一般式(4)において、nは2又は3であり、mは1〜30の整数を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、Rf、又はRfを1つ以上置換基として有する基である。
【0328】
本発明で用いるノニオン性フッ素化合物具体例を以下に例示するが、本発明は以下の具体例によって何ら制限されるものではない。
【0329】
【化47】
Figure 2004334077
【0330】
【化48】
Figure 2004334077
【0331】
【化49】
Figure 2004334077
【0332】
上記本発明で用いることができる特定のフッ化アルキル基を有する化合物は、界面活性剤として、感光材料を構成している層(特に、保護層や下塗り層、バック層など)を形成するための塗布組成物に好ましく用いられる。なかでも、感光材料の最外層の形成に用いると、効果的な帯電防止能と塗布の均一性を得ることができるので特に好ましい。さらに、本発明の構造にすることで本発明の目的とする保存安定性、使用環境依存性を改良するために有効であることが見い出された。この効果を得るためには本発明のフッ素化合物を画像形成層面あるいはバック面の最外層に使用することが好ましい。また、支持体下塗り層に使用しても同様の効果が得られる。
【0333】
本発明における上記特定のフッ素化合物の使用量については特に制約はなく、用いるフッ素化合物の構造や用いる場所、組成物中に含まれる他の素材の種類や量等に応じて、その使用量を任意に決定することができる。例えば、熱現像感光材料の最外層用塗布液として用いる場合、フッ素化合物の塗布組成物中の塗布量としては、0.1mg/m以上100mg/m以下であることが好ましく、0.5mg/m以上20mg/m以下であることがより好ましい。
【0334】
本発明においては、上記特定のフッ素化合物の1種類を単独で用いてもよいし、また2種類以上を混合して用いてもよい。また、上記特定のフッ素化合物以外の界面活性剤と併用することもできる。
【0335】
6)帯電防止剤
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO、SnOが好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnOに対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiOに対してはNb、Ta等の添加が好ましい。特にSbを添加したSnOが好ましい。異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましく、0.1から10mol%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m〜1000mg/mの範囲で、より好ましくは10mg/m〜500mg/mの範囲、さらに好ましくは20mg/m〜200mg/mの範囲である。本発明における帯電防止層は乳剤面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。本発明における帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
【0336】
7)支持体
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層若しくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5wt%以下であることが好ましい。
【0337】
8)その他の添加剤
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
【0338】
9)塗布方式
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、又は米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、又はスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号及び英国特許第837,095号に記載の方法により2層又はそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
【0339】
本発明における画像形成層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11−52509号を参考にすることができる。本発明における画像形成層塗布液は剪断速度0.1S−1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。また、剪断速度1000S−1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
【0340】
本発明における塗布液を調合する場合において2種の液を混合する際は、公知のインライン混合機、インプラント混合機が好ましく用いられる。本発明における好ましいインライン混合機は特開2002−85948号に、インプラント混合機は特開2002−90940号に記載されている。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明における好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
本発明における塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002−143747に記載されている。
本発明においては、画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明における好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明の熱現像感光材料は、成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70〜90℃、加熱時間が2〜10秒の範囲である。本発明における好ましい加熱処理の方法は特開2002−107872号に記載されている。
また、本発明の熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002−156728号、同2002−182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
【0341】
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
【0342】
10)包装材料
本発明の感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、若しくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m・day以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m・day以下である。水分透過率は10g/atm・m・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m・day以下である。
該酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
【0343】
11)その他の利用できる技術
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特開2000−187298号、同2000−10229号、同2000−47345号、同2000−206642号、同2000−98530号、同2000−98531号、同2000−112059号、同2000−112060号、同2000−112104号、同2000−112064号、同2000−171936号も挙げられる。
【0344】
多色カラー熱現像感光材料の場合、各画像形成層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各画像形成層の間に官能性若しくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
多色カラー熱現像感光材料の場合の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。
【0345】
<画像形成方法>
1)露光
赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーである。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
【0346】
2)熱現像
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては100〜140℃であり、より好ましくは110〜130℃である。現像時間としては18秒以下が好ましく、より好ましくは6〜16秒、さらに好ましくは8〜14秒である。現像温度と現像時間の組み合わせとして、100〜140℃で18秒以下が好ましく、より好ましくは110〜130℃で8〜14秒である。
【0347】
熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレート型ヒーター方式がより好ましい。プレート型ヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒーターからなり、かつ前記プレートヒーターの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒーターとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒーターを2〜6段に分けて先端部については1〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例えば、独立に温度制御できる4組のプレートヒーターを使用し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃になるように制御する例が挙げられる。このような方法は特開昭54−30032号にも記載されており、熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を抑えることもできる。
【0348】
熱現像機の小型化、及び熱現像時間の短縮のためには、より安定なヒーター制御ができることが好ましく、また、1枚のシート感材を先頭部から露光開始し、後端部まで露光が終わらないうちに熱現像を開始することが望ましい。本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特開2002−289804号及び特開2002−287668号に記載されている。このイメージャーを使用すれば例えば、107℃−121℃−121℃に制御された3段のプレート型ヒーターで14秒で熱現像処理ができ、1枚目の出力時間は約60秒に短縮することができる。
【0349】
本発明における好ましい熱現像機を図1に示す。本発明においては、現像線速度が18mm/秒以上であることが好ましい。本発明において、現像線速度とは、前記押えローラーと前記プレートヒーターとの間における前記熱現像感光材料の通過速度をいう。より好ましい現像線速度は、23mm/秒以上46mm/秒以下である。
【0350】
3)システム
露光部及び熱現像部を備えた医療用のレーザーイメージャーとしては富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DP L及びDRYPIX7000を挙げることができる。FM−DP Lに関しては、Fuji Medical Review No.8,page 39〜55に記載されており、それらの技術は本発明の熱現像感光材料のレーザーイメージャーとして適用することはいうまでもない。また、DICOM規格に適応したネットワークシステムとして富士フィルムメディカル(株)が提案した「AD network」の中でのレーザーイメージャー用の熱現像感光材料としても適用することができる。
【0351】
<本発明の用途>
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用することができる。
【0352】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0353】
実施例1
(PET支持体の作製)
1)製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作製した。
【0354】
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cmで巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0355】
2)表面コロナ処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/mの処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0356】
3)下塗り
1)下塗層塗布液の作製
処方▲1▼(画像形成層側下塗り層用)
Figure 2004334077
【0357】
処方▲2▼(バック面第1層用)
Figure 2004334077
【0358】
処方▲3▼(バック面側第2層用)
Figure 2004334077
【0359】
2)下塗り
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(画像形成層面)に上記下塗り塗布液処方▲1▼をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲2▼をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/mになるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲3▼をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/mになるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0360】
(バック層)
1)バック層塗布液の調製
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物−1を、2.5kg、及び界面活性剤(商品名:デモールN、花王(株)製)300g、ジフェニルスルホン800g、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩1.0g及び蒸留水を加えて総量を8.0kgに合わせて混合し、混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散した。分散方法は、混合液をを平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填したUVM−2にダイアフラムポンプで送液し、内圧50hPa以上の状態で、所望の平均粒径が得られるまで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の比(D450/D650)が3.0まで分散した。得られた分散物は、塩基プレカーサーの濃度で25質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにろ過(平均細孔径:3μmのポリプロピレン製フィルター)を行って実用に供した。
【0361】
2)染料固体微粒子分散液の調製
シアニン染料化合物−1を6.0kg及びp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0kg、花王(株)製界面活性剤デモールSNB0.6kg、及び消泡剤(商品名:サーフィノール104E、日信化学(株)製)0.15kgを蒸留水と混合して、総液量を60kgとした。混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いて、0.5mmのジルコニアビーズで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における650nmにおける吸光度と750nmにおける吸光度の比(D650/D750)が5.0以上であるところまで分散した。得られた分散物は、シアニン染料の濃度で6質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにフィルターろ過(平均細孔径:1μm)を行って実用に供した。
【0362】
3)ハレーション防止層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、ゼラチン40g、単分散ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ8μm、粒径標準偏差0.4)20g、ベンゾイソチアゾリノン0.1g、水490mlを加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液2.3ml、上記染料固体微粒子分散液40g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)を90g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液12ml、SBRラテックス10質量%液180g、を混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液80mlを混合し、ハレーション防止層塗布液とした。
【0363】
4)すべり剤乳化物の調製
(すべり剤乳化物(比較化合物)の調製)
比較化合物(流動パラフィン)1.0kgに水2.4L、フェノキシエタノール30ml、p−ヒドロキシ安息香酸メチル10g、ゼラチン1.0kgを50℃で20分撹拌し、混合させた。オレオイルメチルタウリンナトリウムの10質量%水溶液を250mlを加え、ディゾルバー5000rpmで60分撹拌し、乳化分散した。得られた分散物に40℃の水を加えて完成量を10kgとした。得られた分散物の平均粒子サイズを堀場製光散乱粒子サイズ測定器LA−920で測定したところ0.22μであった。
【0364】
(すべり剤乳化物(本発明化合物及び上記外の比較化合物)の調製)
上記比較化合物を本発明化合物又は上記外の比較化合物に同重量で置き換えた他は上記の比較化合物と全く同様の方法により乳化分散した。平均粒子サイズは0.18〜0.26μmの範囲であった。使用したすべり剤を、表1に示した。
【0365】
5)バック面保護層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、ゼラチン40g、ベンゾイソチアゾリノン35mg、水840mlを加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液5.8ml、比較又は本発明化合物のすべり剤乳化物50g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液10ml、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液20ml、フッ素系界面活性剤(F−1)2質量%溶液を2.4ml、フッ素系界面活性剤(F−2)2質量%溶液を2.4ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液32gを混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液25mlを混合しバック面保護層塗布液とした。
【0366】
6)バック層の塗布
上記下塗り支持体のバック面側に、アンチハレーション層塗布液をゼラチン塗布量が0.52g/mとなるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/mとなるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作製した。
【0367】
(画像形成層、中間層、及び表面保護層)
1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液C及び溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
【0368】
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10−4モル加えて91分間熟成した。その後、分光増感色素Aと増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素AとBの合計として1.2×10−3モル加え、1分後にN,N’−ジヒドロキシ−N’’,N’’−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10−3モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10−3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10−3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。
【0369】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.042μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の[100]面比率は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
【0370】
《ハロゲン化銀乳剤2の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を47℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈することに変更し、溶液Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400mlに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり1.1×10−4モル、分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として7.0×10−4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10−3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを銀1モルに対して4.7×10−3モル添加に変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
【0371】
《ハロゲン化銀乳剤3の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。又はロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として6×10−3モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10−4モルに変え、テルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10−4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10−3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
【0372】
《塗布液用混合乳剤Aの調製》
ハロゲン化銀乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水し、塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
【0373】
2)脂肪酸銀分散物の調製
《脂肪酸銀分散物Aの調製》
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)87.6kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Aを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液Aの全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液Aを添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液Aのみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液Aの添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液Aの添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0374】
ベヘン酸ナトリウム溶液Aを添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0375】
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.14μm、b=0.4μm、c=0.6μm、平均アスペクト比5.2、平均球相当径0.52μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった。(a,b,cは本文の規定)
【0376】
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kg及び水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0377】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1260kg/cmに調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0378】
《脂肪酸銀分散物Bの調製》
<再結晶ベヘン酸の調製>
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96モル%、それ以外にリグノセリン酸が2モル%、アラキジン酸が2モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
【0379】
<脂肪酸銀分散物Bの調製>
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液Bの全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液Bのみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0380】
ベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.21μm、b=0.4μm、c=0.4μm、平均アスペクト比2.1、球相当径の変動係数11%の結晶であった。(a,b,cは本文の規定)
【0381】
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kg及び水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0382】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1150kg/cmに調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0383】
3)還元剤分散物の調製
《還元剤−1分散物の調製》
還元剤―1(2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤―1分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0384】
《還元剤−2分散物の調製》
還元剤―2(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤―2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0385】
4)水素結合性化合物−1分散物の調製
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物―1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0386】
5)現像促進剤−1分散物の調製
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
現像促進剤−2及び色調調整剤−1の固体分散物についても現像促進剤−1と同様の方法により分散し、それぞれ20質量%、15質量%の分散液を得た。
【0387】
6)ポリハロゲン化合物の調製
《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物―1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物―1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0388】
《有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物―2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物―2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0389】
7)フタラジン化合物−1溶液の調製
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgとフタラジン化合物―1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを添加し、フタラジン化合物―1の5質量%溶液を調製した。
【0390】
8)メルカプト化合物の調製)
《メルカプト化合物−1水溶液の調製》
メルカプト化合物―1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
【0391】
《メルカプト化合物−2水溶液の調製》
メルカプト化合物―2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
【0392】
9)顔料−1分散物の調製
C.I.Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し、水を加えて顔料の濃度が5質量%になるように調製して顔料−1分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0393】
10)SBRラテックス液の調製
(SBRラテックス(Tg=17℃)の合成)
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/リットルNaOH14.06ml、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/リットルのNaOHとNHOHを用いてNaイオン:NH イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスを774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
【0394】
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し、ラテックス原液(44質量%)を25℃にて測定)であった。
【0395】
2.塗布液の調製
1)画像形成層塗布液−1の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物A1000g、水135ml、顔料−1分散物35g、有機ポリハロゲン化合物−1分散物19g、有機ポリハロゲン化合物−2分散物58g、フタラジン化合物―1溶液162g、SBRラテックス(Tg:17℃)液1060g、還元剤−1分散物75g、還元剤−2分散物75g、水素結合性化合物−1分散物106g、現像促進剤−1分散物4.8g、メルカプト化合物−1水溶液9ml、メルカプト化合物−2水溶液27mlを順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀混合乳剤A118gを添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
【0396】
上記画像形成層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で25[mPa・s]であった。
Haake社製RheoStress RS150を使用した38℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒] においてそれぞれ32、35、33、26、17[mPa・s]であった。
【0397】
塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.32mgであった。
【0398】
2)画像形成層塗布液−2の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物B1000g、水135ml、顔料−1分散物36g、有機ポリハロゲン化合物−1分散物25g、有機ポリハロゲン化合物−2分散物39g、フタラジン化合物―1溶液171g、SBRラテックス(Tg:17℃)液1060g、還元剤−2分散物153g、水素結合性化合物−1分散物55g、現像促進剤−1分散物4.8g、現像促進剤−2分散物5.2g、色調調整剤−1分散物2.1g、メルカプト化合物−2水溶液8mlを順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀混合乳剤A140gを添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
上記画像形成層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で40[mPa・s]であった。
Haake社製RheoStress RS150を使用した38℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒]においてそれぞれ30、43、41、28、20[mPa・s]であった。
【0399】
塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.30mgであった。
【0400】
3)中間層塗布液の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料−1分散物163g、、青色染料化合物−1(日本化薬(株)製:カヤフェクトターコイズRNリキッド150)水溶液33g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液27ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液4200mlにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9ml/mになるようにコーティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
【0401】
4)表面保護層第1層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mlに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mlを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mlをスタチックミキサーで混合したものを塗布液量が26.1ml/mになるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
【0402】
5)表面保護層第2層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、比較又は本発明化合物のすべり剤乳化物71g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mlに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸15質量%メタノール溶液40ml、フッ素系界面活性剤(F−1)の1質量%溶液を5.5ml、フッ素系界面活性剤(F−2)の1質量%水溶液を5.5ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5μm)21gを混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/mになるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
【0403】
3.熱現像感光材料‐1〜2の作製
1)熱現像感光材料−1の作製
バック面と反対の面に下塗り面から画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。このとき、画像形成層と中間層の塗布液は31℃に、表面保護層第一層の塗布液は36℃に、表面保護層第二層の塗布液は37℃に温度調整した。
画像形成層の各化合物の塗布量(g/m)は以下の通りである。
【0404】
ベヘン酸銀 5.42
顔料(C.I.Pigment Blue 60) 0.036
ポリハロゲン化合物−1 0.12
ポリハロゲン化合物−2 0.25
フタラジン化合物−1 0.18
SBRラテックス 9.70
還元剤−1 0.40
還元剤−2 0.40
水素結合性化合物−1 0.58
現像促進剤−1 0.02
メルカプト化合物−1 0.002
メルカプト化合物−2 0.012
ハロゲン化銀(Agとして) 0.10
【0405】
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で画像形成層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、画像形成層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
【0406】
2)熱現像感光材料−2の作製
熱現像感光材料−1に対して、画像形成層塗布液−1を画像形成層塗布液−2に変更した他は熱現像感光材料−1と同様にして熱現像感光材料−2を作製した。
このときの画像形成層の各化合物の塗布量(g/m)は以下の通りである。
【0407】
ベヘン酸銀 5.27
顔料(C.I.Pigment Blue 60) 0.036
ポリハロゲン化合物−1 0.14
ポリハロゲン化合物−2 0.28
フタラジン化合物−1 0.18
SBRラテックス 9.43
還元剤−2 0.77
水素結合性化合物−1 0.28
現像促進剤−1 0.019
現像促進剤−2 0.016
色調調整剤−1 0.006
メルカプト化合物−2 0.003
ハロゲン化銀(Agとして) 0.13
【0408】
3)熱現像感光材料−1A〜1R及び2A〜2Rの作製
熱現像感光材料1及び2に対して乳剤面保護層第2層及びバック面保護層に表1のように比較又は本発明のすべり剤を添加し、試料1A〜1R及び2A〜2Rをそれぞれ作製した。
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
【0409】
【化50】
Figure 2004334077
【0410】
【化51】
Figure 2004334077
【0411】
【化52】
Figure 2004334077
【0412】
【化53】
Figure 2004334077
【0413】
比較化合物−1
流動パラフィン 平均分子量:約500
比較化合物−2
(C1735COOCH−C−CH 分子量:920
比較化合物−3
1531COOC1429 分子量:453
比較化合物−4
(C1531COOCH−C 分子量:1090
【0414】
【化54】
Figure 2004334077
【0415】
4.塗布面状及び写真性能の評価
4−1.塗布面状の評価
得られた試料の画像形成面及びバック面の塗布面状を下記の5段階で評価し、ランク付けした。
ランク1:はじき及び塗布スジ状のムラが強く発生し、実用は不可。
ランク2:ランク1よりムラの発生は少ないが実用は不可。
ランク3:はじき及び塗布スジ状のムラは僅かだが実用下限レベル。
ランク4:試料中、希に極僅かなスジ状のムラで実用上問題ないレベル。
ランク5:極めて均一でムラは全く見られず良好なレベル。
【0416】
4−2.写真性能の評価
1)準備
得られた試料は半切サイズ(43cm長×35cm幅)に切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
2)包装材料
PET 10μm/PE 12μm/アルミ箔9μm/Ny 15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μm。
酸素透過率:0.02ml/atm・m・25℃・day、水分透過率:0.10g/atm・m・25℃・day。
【0417】
3)感光材料の露光・現像結果
熱現像感光材料−1,1A〜1R及び2,2A〜2Rは、富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DP L(最大60mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて露光・熱現像(112℃−119℃−121℃−121℃に設定した4枚のパネルヒータで、熱現像感光材料−1及び1A〜1Rについては合計24秒、2及び2A〜2Rは合計14秒)し、得られた画像の評価を濃度計により行った。
【0418】
4)評価方法
熱現像感光材料−1,1A〜1R及び2,2A〜2Rに対して、濃度が1.5になるように均一な露光を行い、それぞれ2000枚ずつを上記ランニング状態の熱現像機で処理した後、試料を目視で観察し濃淡のむらとして認識できるものを現像むらとし、その発生枚数をカウントした。
【0419】
5)評価結果
結果を表4に示した。
【0420】
【表4】
Figure 2004334077
【0421】
表4の結果から、すべり剤を添加していない試料No.1及び2では、塗布面状は良好であるが、熱現像処理中での現像ムラが非常に多く発生した。また、比較化合物を添加している試料No.1A〜1D、及び2A〜2Dでは、塗布ムラが劣化した。特に分子量が小さい化合物を使用した場合に顕著であり、併せて現像ムラの発生頻度も高くなっている。
一方、本発明の化合物を用いた試料においては、塗布面状が良好で、現像ムラの発生も少なく良好な性能が得られる。
【0422】
次に、前記熱現像感光材料−2Aに対して、本発明又は比較化合物のすべり剤を表5に示した添加量に変更した試料を作製し、同様の評価を行った。添加量は熱現像感光材料‐2Aに対する相対値で表5に示した。
【0423】
【表5】
Figure 2004334077
【0424】
さらに、熱現像感光材料−1に対して比較又は本発明にかかる化合物を表6に示したように添加した試料を作製した。富士写真フイルム社製のドライイメージャーFM−DPLに対して市販の熱現像感光材料DI−ALを20000枚処理してランニング状態にした熱現機のソフトを変更し、搬送速度を変えることで熱現像時間を24秒から18秒になるように変更した。この装置を使って実施例1と同様に濃度1.5を与える露光を行い、18秒の熱現像処理を行った。この場合にも連続して2000枚の処理を行い搬送不良による濃度むらの発生数を調べた。結果を表6に示した。
【0425】
【表6】
Figure 2004334077
【0426】
表6の結果から比較化合物を使用した試料No.A〜Cでは、現像ムラの発生枚数が多く、改良が必要なレベルである。一方、本発明の試料では、多量の処理を行った場合でも全く問題なく安定して熱現像処理が行えた。
【0427】
また、表6の感光材料と同様にして作製した試料を、上記と同様の方法によりランニング状態にしたフジフィルム社製DRYPIX7000で同様にして評価を行った。この場合にも表6と同様の結果が得られた。
【0428】
以上の結果から、本発明にかかるすべり剤を画像形成層面保護層第2層若しくはバック面保護層に添加することにより、現像むらを顕著に抑制することができることが分かる。
特に画像形成層面保護層第2層及びバック面保護層の両層に添加した場合により顕著な効果が得られる。
【0429】
【発明の効果】
本発明により、熱現像感光材料の塗布面状、及び写真性能に優れた熱現像感光材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ記録装置の搭載された熱現像記録装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10 画像記録装置
16 当て紙
36,38,40 トレー
37,39,41 バーコード読み取り用窓
43,45,47 バーコードリーダー
48,50,52 枚葉機構
54 画像記録部
56 ローラー
58 プレート
60 熱現像部
62 ローラー
64a,b,c プレートヒーター
66 ドラム
68 冷却部
70 排出部
F フィルム
L レーザービーム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a photothermographic material.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in the medical field, reduction of waste processing liquid has been strongly desired from the viewpoint of environmental protection and space saving. Therefore, the photosensitive heat for medical diagnosis and photographic technology that can be efficiently exposed by a laser image setter or a laser imager and can form a clear black image having high resolution and sharpness. There is a need for techniques relating to developed photographic materials. These photosensitive photothermographic materials can eliminate the use of solution processing chemicals and supply customers with a simpler heat development processing system that does not damage the environment.
[0003]
Although there is a similar requirement in the field of general image forming materials, medical images are required to have high image quality with excellent sharpness and graininess because they are required to be finely drawn, and are cooled from the viewpoint of ease of diagnosis. There is a feature that a black tone image is preferred. At present, various hard copy systems using pigments and dyes such as inkjet printers and electrophotography are distributed as general image forming systems. However, there is no satisfactory output system for medical images.
[0004]
On the other hand, thermal image forming systems using organic silver salts are described in many documents (for example, see Patent Document 1, Patent Document 2, and Non-Patent Document 1). In particular, the photothermographic material generally contains a catalytically active amount of a photocatalyst (eg, silver halide), a reducing agent, a reducible silver salt (eg, an organic silver salt), and a color tone that controls the color tone of silver if necessary. And an image forming layer dispersed in a binder matrix. The photothermographic material is heated to a high temperature (for example, 80 ° C. or higher) after image exposure, and is blackened by an oxidation-reduction reaction between silver halide or a reducible silver salt (functioning as an oxidizing agent) and a reducing agent. Form a silver image. The oxidation-reduction reaction is promoted by the catalytic action of the latent image of silver halide generated by exposure. Therefore, a black silver image is formed in the exposure region (see, for example, Patent Document 3 and Patent Document 4). Fuji Medical Dry Imager FM-DPL was released as a medical image forming system using a photothermographic material.
[0005]
In the photothermographic material, liquid paraffin (see, for example, Patent Document 5) or a liquid such as silicon oil is used for the purpose of imparting slipperiness to the photosensitive material and improving transportability and processing integration during production. (See, for example, Patent Document 6) and solid esters such as carnauba wax (see, for example, Patent Document 7 and Patent Document 8). These so-called slip agents are preferably used in the protective layer on the emulsion surface side and the protective layer on the back surface side, and are generally used in the outermost layer.
However, the outermost layer is the part that is in direct contact with the transport device, and the added material can cause problems with transport failure and also affect the output image. Therefore, the selection of the slip agent, which is a kind of additive, is important. It becomes a problem. Therefore, the development of a more improved slip agent and the development of a photothermographic material to which it is added are routinely desired.
[0006]
[Patent Document 1]
US Pat. No. 3,152,904
[Patent Document 2]
US Pat. No. 3,457,075
[Patent Document 3]
US Patent 2,910,377
[Patent Document 4]
Japanese Patent Publication No.43-4924
[Patent Document 5]
JP-A-10-69023
[Patent Document 6]
JP 2001-5138 A
[Patent Document 7]
JP 2000-112062 A
[Patent Document 8]
JP 2001-5137 A
[Non-Patent Document 1]
D. Klosterboer, “Thermally Processed Silver Systems” (Imaging Processes and Materials), 8th edition, J. Sturge. Walworth, edited by A. Shepp, Chapter 9, 279, 1989
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a photothermographic material excellent in the coated surface shape of the photothermographic material and the photographic performance.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The object of the present invention has been achieved by the following photothermographic materials.
<1> An image recording layer surface having an image recording layer containing a photosensitive silver halide, a non-photosensitive organic silver salt, a reducing agent, and a binder on the support, and a back layer surface on the opposite surface of the support. A photothermographic material, comprising a slip agent having a molecular weight of 1250 or more on at least one of the image recording layer surface and the back layer surface.
<2> The photothermographic material according to claim 1, wherein the slip agent is at least one selected from the group consisting of paraffin, fatty acid ester, and silicone oil.
<3> The photothermographic material according to claim 1, wherein the fatty acid ester is a fatty acid ester of a polyhydric alcohol.
<4> The fatty acid ester of the polyhydric alcohol contains at least one compound selected from the group consisting of compounds represented by the general formula (L1) and the general formula (L2). The photothermographic material according to any one of 1 to 3.
Formula (L1):
(R01OCH2)3-CCH2OCH2(C (CH2OR01)2CH2OCH2) NC- (CH2OR01)3
Where R01Represents a fatty acid residue or a hydrogen atom and may be the same or different. n represents 0 or 1.
General formula (L2):
R02OCH2CH (OR02) CH2O (CH2CH (OR02) CH2O)nCH2CH (OR02) CH2OR02
Where R02Represents a fatty acid residue or a hydrogen atom and may be the same or different. n represents 0 or an integer.
[0009]
In the photothermographic material, all chemical substances necessary for development are incorporated in the photosensitive material, so that all chemical substances remain after development. Since the remaining chemical substances affect the transportability and output image, selection of all additives is important in the development of photothermographic materials. The present inventors paid particular attention to the slip agent among the additives and studied.
[0010]
Liquid paraffin, a type of slip agent that has been used in the past, is manufactured by refining petroleum fractions with a mixture of linear paraffin, branched paraffin, and naphthene. Products with different compositions and grades are sold by various companies. Yes. Liquid paraffin is in a liquid state because components with different molecular weights are mixed. For this reason, low-molecular components are included to some extent, and the amount varies depending on the product of each company, depending on the production area of crude oil used as a raw material and the refining method. In the heat development, it has been found that the low molecular components are gradually volatilized during use over a long period of time, and the transportability is hindered by contaminating the periphery of the heat development portion. In the past, there was no recognition that this problem was caused by liquid paraffin.
On the other hand, ester-based lubricants are usually melted in a solid state at high temperatures and dispersed using a large amount of a surfactant. It turned out to cause problems such as fluctuations. This problem has not been recognized as being caused by the surfactant contained in the lubricant.
[0011]
In addition, as with liquid paraffin, there has been a demand for a lubricant that can produce a stable dispersion by using a small amount of a surfactant in the presence of a protective colloid such as gelatin and has no problem of volatility.
[0012]
As a result of intensive studies in consideration of these problems, the present inventors have reached the inventions <1> to <4>. By these inventions, the emulsification stability of the slipping agent is increased, and a photothermographic material having an excellent coated surface shape is obtained. If the coating surface is disturbed, the variation in the incident angle of light during exposure increases, and uneven heat conduction occurs during thermal development, so that the photographic performance finally obtained also deteriorates. According to the present invention, a photothermographic material having an improved coated surface is obtained, and a photothermographic material having excellent photographic performance is obtained.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The photothermographic material of the invention has a molecular weight of 1250 or more in the outermost layer on the image forming layer surface and / or the layer adjacent to the layer, the outermost layer on the back layer surface and / or the layer adjacent to the layer. Contains a slip agent.
[0014]
<Slip agent>
The structure of the slipping agent in the present invention is not particularly limited as long as the molecular weight is 1250 or more, but paraffin, fatty acid ester, and silicone oil are preferable. Of these, fatty acid esters are preferred, and fatty acid esters of polyhydric alcohols are more preferred. In the case of a fatty acid ester of a polyhydric alcohol, all of them may be esterified or some alcohol groups may remain. A slipping agent containing 4 or more ester groups in one molecule is preferable. More preferably, it contains 5 or more ester groups. Moreover, when a partial alcohol group remains, the residual alcohol group preferably has a branched hydrocarbon group. For example, isopropyl group, t-butyl group, t-amyl group and the like can be mentioned.
[0015]
The shape of the slip agent may be liquid, paste or solid at room temperature, but is preferably liquid or paste, more preferably paste. In order to obtain a pasty shape, both straight and branched chain fatty acids are introduced into the same molecule and the mixing ratio is adjusted, or both saturated and unsaturated fatty acids are introduced into the same molecule. , Two or more types having different chain lengths are introduced, both those having a hydroxyl group and those having no hydroxyl group are introduced, and the above combinations. For example, it can be obtained by mixing isostearic acid and n-stearic acid.
These melting points are preferably 25 ° C to 60 ° C, more preferably 30 ° C to 50 ° C.
The sliding agent used in the present invention is preferably added to the photosensitive material as an emulsified dispersion. In the preparation of the emulsified dispersion, the production is carried out under conditions that make the particle diameter more uniform, such as the dispersant species, binder concentration and viscosity, stirring conditions, dispersion time and dispersion temperature. However, the coarse particles slightly remain in the emulsion, or are generated due to coalescence of the particles when the emulsion is stored, which is one of the factors that deteriorate the coated surface state during the production of the photosensitive material.
In the slip agent according to the present invention, it is preferable that the molecular weight is 1250 or more in order to suppress the formation of coarse oil droplets. More preferably, it is 1400 or more, More preferably, it is 1600 or more. The upper limit of the molecular weight is not particularly limited as long as the object of the present application can be achieved, but is 10,000 or less, preferably 7,000 or less, more preferably 5,000 or less.
[0016]
As the slipping agent having a polyhydric alcohol fatty acid ester structure in the present invention, those represented by the following general formula (L1) or general formula (L2) are preferable.
[0017]
Formula (L1):
(R01OCH2)3-CCH2OCH2(C (CH2OR01)2CH2OCH2) NC- (CH2OR01)3
Where R01Represents a fatty acid residue or a hydrogen atom and may be the same or different. n represents 0 or 1. The fatty acid residue means a group obtained by removing an alkoxy group from an ester part of a fatty acid.
[0018]
R01Is preferably an acyl group having 4 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 50 carbon atoms, and still more preferably 8 to 50 carbon atoms. The fatty acid residue may be linear or branched and may further have a substituent. As the substituent, a hydroxyl group, an amino group, and the like are preferable, and when it is a hydroxyl group, it is more preferable that it is unsubstituted.
[0019]
Specific examples of the compound represented by formula (L1) in the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto. The degree of substitution is expressed as mol% relative to the molecule.
[0020]
[Table 1]
Figure 2004334077
[0021]
General synthesis method
The compound of the present invention represented by the general formula L1 can be synthesized by a general esterification reaction such as reacting carboxylic acid with dipentaerythritol under an acid catalyst or the like.
[0022]
Next, the compound represented by formula (L2) will be described.
General formula (L2):
R02OCH2CH (OR02) CH2O (CH2CH (OR02) CH2O)nCH2CH (OR02) CH2OR02
Where R02Represents a fatty acid residue or a hydrogen atom and may be the same or different. n represents 0 or an integer.
[0023]
R02Is preferably an acyl group having 4 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 50 carbon atoms, and still more preferably 8 to 50 carbon atoms. The fatty acid residue may be linear or branched and may further have a substituent. As the substituent, a hydroxyl group, an amino group and the like are preferable, and when it is a hydroxyl group, it is more preferably unsubstituted. n represents 0 or an integer, and n is preferably 0 to 20, more preferably 1 to 15, and particularly preferably 1 to 10.
[0024]
Specific examples of the compound represented by the general formula (L2) in the present invention will be given below, but the present invention is not limited thereto. The degree of substitution is expressed as mol% relative to the molecule.
[0025]
[Table 2]
Figure 2004334077
[0026]
The compound of the present invention represented by the general formula L2 can be synthesized by a general esterification reaction such as reacting carboxylic acid with polyglycerol under an acid catalyst or the like.
[0027]
Examples of the compounds other than the general formulas (L1) and (L2) that can be used in the present invention include the following.
General formula (L3)
(R03O-CH2)4-C
Where R03Represents a fatty acid residue and may be the same or different.
[0028]
R03The fatty acid residue represented by is preferably an acyl group having 18 to 50 carbon atoms, more preferably 20 to 50 carbon atoms, and further preferably 22 to 50 carbon atoms. The fatty acid residue may be linear or branched and may further have a substituent. As the substituent, a hydroxyl group, an amino group and the like are preferable, and when it is a hydroxyl group, it is more preferably unsubstituted.
[0029]
Specific examples of the compound represented by the general formula (L3) in the present invention will be given below, but the present invention is not limited thereto.
[0030]
[Table 3]
Figure 2004334077
[0031]
The compound of the present invention represented by the general formula L3 can be synthesized by a general esterification reaction such as a reaction of carboxylic acid with pentaerythritol under an acid catalyst or the like.
[0032]
The slipping agent according to the present invention is used by adding an emulsified dispersion emulsified and dispersed in an aqueous gelatin solution using an anionic surfactant such as sodium dodecylbenzenesulfonate and sodium oleoylmethyltaurine to the coating solution. be able to. The emulsified dispersion can be prepared by a known method using a homogenizer, a dissolver, a manton gourin emulsifier or the like. In the emulsification dispersion, additives such as auxiliary solvents and preservatives can be used in addition to the surfactant. In the present invention, it is preferable to emulsify without using an auxiliary solvent. The compound of the present invention has a low melting point and can be emulsified and dispersed without using an auxiliary solvent if the temperature is higher by 5 ° C. or more than the melting point. In the present invention, a preferable emulsification temperature is in a range from a temperature higher by 5 ° C. or more than the melting point of the slip agent to 85 ° C. More preferably, the temperature is in the range of 7 ° C. or higher and 75 ° C. or lower from the melting point, and more preferably the temperature is 10 ° C. or higher and 65 ° C. or lower from the melting point. The slipping agent according to the present invention has a low melting point and does not use an auxiliary solvent, thereby avoiding problems such as fluctuations in particle size and generation of coarse particles, which are often problematic in the stability of the emulsion over time.
[0033]
The slip agent of the present invention may be added to any layer. Preferably, it is added to the surface protective layer on the surface of the image recording layer and the back surface protective layer or at least one of the layers adjacent to the layer, more preferably the surface protective layer on the surface of the image recording layer and the back surface protective layer. It is added to at least one layer, and most preferably, it is added to both the surface protective layer on the image recording layer surface and the back surface protective layer.
The sliding agent of this invention may be used individually by 1 type, and may be used in combination of 2 or more type. When added to both the image recording layer surface and the back layer surface, the same material may be added, different types may be added on each side, or different types may be used in combination. .
[0034]
<Description of organic silver salt>
1) Composition
The organic silver salt that can be used in the present invention is relatively stable to light, but when heated to 80 ° C. or higher in the presence of exposed photosensitive silver halide and a reducing agent. It is a silver salt that functions as a silver ion supplier and forms a silver image. The organic silver salt may be any organic substance that can supply silver ions that can be reduced by a reducing agent. As for such non-photosensitive organic silver salt, paragraph numbers 0048 to 0049 of JP-A-10-62899, page 18 line 24 to page 19 line 37 of European Patent Publication No. 0803764A1, European Patent Publication. No. 0968212A1, JP-A-11-349591, JP-A-2000-7683, JP-A-2000-72711, and the like. Silver salts of organic acids, particularly silver salts of long-chain aliphatic carboxylic acids (having 10 to 30, preferably 15 to 28 carbon atoms) are preferred. Preferable examples of the fatty acid silver salt include silver lignocerate, silver behenate, silver arachidate, silver stearate, silver oleate, silver laurate, silver caproate, silver myristate, silver palmitate, silver erucate and the like. Including a mixture of In the present invention, among these fatty acid silvers, the silver behenate content is preferably 50 mol% to 100 mol%, more preferably 85 mol% to 100 mol%, still more preferably 95 mol% to 100 mol%. The following fatty acid silver is preferably used. Furthermore, it is preferable to use fatty acid silver having a silver erucate content of 2 mol% or less, more preferably 1 mol% or less, and still more preferably 0.1 mol% or less.
[0035]
Moreover, it is preferable that silver stearate content rate is 1 mol% or less. By making the stearic acid content 1 mol% or less, a silver salt of an organic acid having a low Dmin, high sensitivity and excellent image storage stability can be obtained. As said stearic acid content rate, 0.5 mol% or less is preferable and it is especially preferable not to contain substantially.
[0036]
Furthermore, when silver arachidate is included as the silver salt of the organic acid, the silver arachidate content is 6 mol% or less to obtain a low Dmin and an organic acid silver salt excellent in image storability. It is preferable at a point and it is still more preferable that it is 3 mol% or less.
[0037]
2) Shape
The shape of the organic silver salt that can be used in the present invention is not particularly limited, and may be any of a needle shape, a rod shape, a flat plate shape, and a flake shape.
In the present invention, scaly organic silver salts are preferred. In addition, short needle-shaped, rectangular parallelepiped, cubic or potato-shaped amorphous particles having a major axis / uniaxial length ratio of 5 or less are also preferably used. These organic silver particles have a feature that there is less fog at the time of thermal development than long needle-like particles having a ratio of the major axis to the uniaxial length of 5 or more. In particular, particles having a major axis / uniaxial ratio of 3 or less are preferable because the mechanical stability of the coating film is improved. In the present specification, the scaly organic silver salt is defined as follows. The organic acid silver salt was observed with an electron microscope, the shape of the organic acid silver salt particle was approximated to a rectangular parallelepiped, and the sides of the rectangular parallelepiped were designated as a, b, and c from the shortest side (c was the same as b). Then, the shorter numerical values a and b are calculated, and x is obtained as follows.
x = b / a
[0038]
In this way, x is obtained for about 200 particles, and when the average value x (average) is obtained, particles satisfying the relationship of x (average) ≧ 1.5 are defined as flakes. Preferably, 30 ≧ x (average) ≧ 1.5, more preferably 15 ≧ x (average) ≧ 1.5. Incidentally, the needle shape is 1 ≦ x (average) <1.5.
[0039]
In the flake shaped particle, a can be regarded as a thickness of a tabular particle having a main plane with b and c as sides. The average of a is preferably 0.01 μm or more and 0.3 μm or less, and more preferably 0.1 μm or more and 0.23 μm or less. The average c / b is preferably 1 or more and 9 or less, more preferably 1 or more and 6 or less, still more preferably 1 or more and 4 or less, and most preferably 1 or more and 3 or less.
[0040]
By setting the equivalent sphere diameter to 0.05 μm or more and 1 μm or less, aggregation is hardly caused in the photosensitive material, and image storability is improved. The sphere equivalent diameter is preferably 0.1 μm or more and 1 μm or less. In the present invention, the method for measuring the equivalent sphere diameter is obtained by directly photographing a sample using an electron microscope and then image-processing the negative.
In the flake shaped particles, the spherical equivalent diameter / a of the particles is defined as the aspect ratio. The aspect ratio of the flake shaped particles is preferably 1.1 or more and 30 or less, more preferably 1.1 or more and 15 or less, from the viewpoint of preventing aggregation in the photosensitive material and improving the image storage stability. .
[0041]
The particle size distribution of the organic silver salt is preferably monodispersed. Monodispersion is preferably 100% or less, more preferably 80% or less, and even more preferably 50% of the value obtained by dividing the standard deviation of the lengths of the short and long axes by the short and long axes. It is as follows. The method for measuring the shape of the organic silver salt can be determined from a transmission electron microscope image of the organic silver salt dispersion. As another method for measuring monodispersity, there is a method for obtaining the standard deviation of the volume weighted average diameter of the organic silver salt, and the percentage (variation coefficient) of the value divided by the volume weighted average diameter is preferably 100% or less, more Preferably it is 80% or less, More preferably, it is 50% or less. As a measuring method, for example, it is obtained from the particle size (volume weighted average diameter) obtained by irradiating an organic silver salt dispersed in a liquid with laser light and obtaining an autocorrelation function with respect to the temporal change of the fluctuation of the scattered light. Can do.
[0042]
3) Preparation
Known methods and the like can be applied to the production and dispersion method of the organic acid silver used in the present invention. For example, the above-mentioned JP-A-10-62899, European Patent Publication No. 0803763A1, European Patent Publication No. 0968212A1, JP-A-11-349591, JP-A-2000-7683, JP-A-2000-72711, JP-A-2001-163889, 2001-163890, 2001-163825, 2001-33907, 2001-188313, 2001-83651, 2002-6442, 2002-49117, 2002-31870, 2002-107868 You can refer to the issue.
[0043]
In addition, when the photosensitive silver salt is allowed to coexist at the time of dispersion of the organic silver salt, the fog is increased and the sensitivity is remarkably reduced. Therefore, it is more preferable that the photosensitive silver salt is not substantially contained at the time of dispersion. In the present invention, the amount of the photosensitive silver salt in the aqueous dispersion to be dispersed is preferably 1 mol% or less, more preferably 0.1 mol% or less with respect to 1 mol of the organic acid silver salt in the liquid. Further, it is more preferable that no positive photosensitive silver salt is added.
[0044]
In the present invention, it is possible to produce a photosensitive material by mixing an organic silver salt aqueous dispersion and a photosensitive silver salt aqueous dispersion, but the mixing ratio of the organic silver salt and the photosensitive silver salt can be selected according to the purpose. The ratio of the photosensitive silver salt to the organic silver salt is preferably in the range of 1 to 30 mol%, more preferably 2 to 20 mol%, and particularly preferably 3 to 15 mol%. Mixing two or more organic silver salt water dispersions and two or more photosensitive silver salt water dispersions when mixing is a method preferably used for adjusting photographic properties.
[0045]
4) Amount added
The organic silver salt in the present invention can be used in a desired amount, but the total coating silver amount including silver halide is 0.1 to 5.0 g / m.2Is more preferable, and 0.3 to 3.0 g / m is more preferable.2More preferably, 0.5 to 2.0 g / m2It is. In particular, in order to improve image storability, the total coated silver amount is 1.8 g / m.2Or less, more preferably 1.6 g / m2It is preferable that If the preferred reducing agent in the present invention is used, a sufficient image density can be obtained even with such a low silver amount.
[0046]
<Description of reducing agent>
The photothermographic material of the present invention preferably contains a heat developer which is a reducing agent for the organic silver salt. The reducing agent for the organic silver salt may be any substance (preferably an organic substance) that reduces silver ions to metallic silver. Examples of such reducing agents are described in JP-A No. 11-65021, paragraphs 0043 to 0045, and European Patent Publication No. 0803764A1, page 7, line 34 to page 18, line 12.
In the present invention, the reducing agent is preferably a so-called hindered phenol-based reducing agent or bisphenol-based reducing agent having a substituent at the ortho position of the phenolic hydroxyl group, and more preferably a compound represented by the following general formula (R).
General formula (R)
[0047]
[Chemical 1]
Figure 2004334077
[0048]
(In the general formula (R), R11And R11Each independently represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. R12And R12Each independently represents a hydrogen atom or a substituent capable of substituting for a benzene ring. L is a -S- group or CHR.13-Represents a group. R13Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. X1And X1Each independently represents a hydrogen atom or a group capable of substituting for a benzene ring. )
[0049]
The general formula (R) will be described in detail.
1) R11And R11
R11And R11Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and the substituent of the alkyl group is not particularly limited, but is preferably an aryl group, a hydroxy group, an alkoxy group, an aryloxy group. Group, alkylthio group, arylthio group, acylamino group, sulfonamido group, sulfonyl group, phosphoryl group, acyl group, carbamoyl group, ester group, ureido group, urethane group, halogen atom and the like.
[0050]
2) R12And R12', X1And X1
R12And R12Each independently represents a hydrogen atom or a substituent capable of substituting for a benzene ring, and X '1And X1'Also independently represents a hydrogen atom or a group that can be substituted on a benzene ring. Preferred examples of each group that can be substituted on the benzene ring include an alkyl group, an aryl group, a halogen atom, an alkoxy group, and an acylamino group.
[0051]
3) L
L is a -S- group or CHR.13-Represents a group. R13Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and the alkyl group may have a substituent. R13Specific examples of the unsubstituted alkyl group include methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, heptyl group, undecyl group, isopropyl group, 1-ethylpentyl group, 2,4,4-trimethylpentyl group and the like. . Examples of substituents for alkyl groups are R11In the same manner as the above substituent, a halogen atom, an alkoxy group, an alkylthio group, an aryloxy group, an arylthio group, an acylamino group, a sulfonamide group, a sulfonyl group, a phosphoryl group, an oxycarbonyl group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group and the like can be mentioned.
[0052]
4) Preferred substituents
R11And R11'Is preferably a secondary or tertiary alkyl group having 3 to 15 carbon atoms, specifically, isopropyl group, isobutyl group, t-butyl group, t-amyl group, t-octyl group, cyclohexyl group, cyclopentyl. Group, 1-methylcyclohexyl group, 1-methylcyclopropyl group and the like. R11And R11'Is more preferably a tertiary alkyl group having 4 to 12 carbon atoms, among which a t-butyl group, a t-amyl group, and a 1-methylcyclohexyl group are more preferable, and a t-butyl group is most preferable.
[0053]
R12And R12'Is preferably an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, specifically, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-amyl group, cyclohexyl group, 1-methyl group. Examples include cyclohexyl group, benzyl group, methoxymethyl group, methoxyethyl group and the like. More preferred are methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group and t-butyl group.
X1And X1'Is preferably a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group, more preferably a hydrogen atom.
[0054]
L is preferably -CHR13-Group.
R13Is preferably a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 15 carbon atoms, and the alkyl group is preferably a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, or a 2,4,4-trimethylpentyl group. R13Particularly preferred is a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group, a propyl group or an isopropyl group.
[0055]
R13R is a hydrogen atom, R12And R12'Is preferably an alkyl group having 2 to 5 carbon atoms, more preferably an ethyl group or a propyl group, and most preferably an ethyl group.
R13Is a primary or secondary alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, R12And R12'Is preferably a methyl group. R13As the primary or secondary alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, a methyl group, an ethyl group, a propyl group, and an isopropyl group are more preferable, and a methyl group, an ethyl group, and a propyl group are more preferable.
R11, R11', R12And R12When both ′ are methyl groups, R13Is preferably a secondary alkyl group. In this case R13As the secondary alkyl group, isopropyl group, isobutyl group, and 1-ethylpentyl group are preferable, and isopropyl group is more preferable.
The reducing agent is R11, R11', R12, R12'And R13Depending on the combination, the heat developability, developed silver color tone, and the like are different. Since these can be prepared by combining two or more reducing agents, it is preferable to use two or more in combination depending on the purpose.
[0056]
Although the specific example of the reducing agent in this invention including the compound represented by general formula (R) below is shown, this invention is not limited to these.
[0057]
[Chemical 2]
Figure 2004334077
[0058]
Examples of preferable reducing agents in the present invention other than those described above are the compounds described in JP-A Nos. 2001-188314, 2001-209145, 2001-350235, and 2002-156727.
In the present invention, the reducing agent is added in an amount of 0.1 to 3.0 g / m.2And more preferably 0.2 to 1.5 g / m.2More preferably, 0.3 to 1.0 g / m2It is. It is preferably contained in an amount of 5 to 50 mol%, more preferably 8 to 30 mol%, and even more preferably 10 to 20 mol% with respect to 1 mol of silver on the surface having the image forming layer. The reducing agent is preferably contained in the image forming layer.
[0059]
The reducing agent may be contained in the coating solution by any method such as a solution form, an emulsified dispersion form, or a solid fine particle dispersion form, and may be contained in the photosensitive material.
Well-known emulsifying dispersion methods include dissolving oil using an oil such as dibutyl phthalate, tricresyl phosphate, glyceryl triacetate or diethyl phthalate, or an auxiliary solvent such as ethyl acetate or cyclohexanone, and mechanically emulsifying the dispersion. The method of producing is mentioned.
[0060]
Further, as a solid fine particle dispersion method, a reducing agent powder is dispersed in an appropriate solvent such as water by a ball mill, a colloid mill, a vibration ball mill, a sand mill, a jet mill, a roller mill, or an ultrasonic wave to produce a solid dispersion. A method is mentioned. In this case, a protective colloid (for example, polyvinyl alcohol) or a surfactant (for example, an anionic surfactant such as sodium triisopropylnaphthalenesulfonate (a mixture of three isopropyl groups having different substitution positions)) may be used. Good. In the mills, beads such as zirconia are usually used as a dispersion medium, and Zr and the like eluted from these beads may be mixed in the dispersion. Although it depends on the dispersion conditions, it is usually in the range of 1 ppm to 1000 ppm. If the Zr content in the light-sensitive material is 0.5 mg or less per 1 g of silver, there is no practical problem.
The aqueous dispersion preferably contains a preservative (for example, benzoisothiazolinone sodium salt).
Particularly preferred is a solid particle dispersion method of a reducing agent, and it is preferable to add fine particles having an average particle size of 0.01 μm to 10 μm, preferably 0.05 μm to 5 μm, more preferably 0.1 μm to 2 μm. In the present application, it is preferable to use other solid dispersions dispersed in a particle size within this range.
[0061]
<Description of development accelerator>
In the photothermographic material of the present invention, a sulfonamide phenol compound represented by the general formula (A) described in JP-A-2000-267222, JP-A-2000-330234, or the like as a development accelerator, Hindered phenol compounds represented by general formula (II) described in JP-A-2001-92075, general formula (I) described in JP-A-10-62895, JP-A-11-15116, and the like, A hydrazine-based compound represented by the general formula (D) of JP-A No. 2002-156727 or the general formula (1) described in JP-A No. 2002-278017, and described in the specification of JP-A No. 2001-264929 Phenol-based or naphthol-based compounds represented by the general formula (2) are preferably used. These development accelerators are used in the range of 0.1 to 20 mol% with respect to the reducing agent, preferably in the range of 0.5 to 10 mol%, more preferably in the range of 1 to 5 mol%. The introduction method to the light-sensitive material includes the same method as the reducing agent, but it is particularly preferable to add as a solid dispersion or an emulsified dispersion. When added as an emulsified dispersion, it is added as an emulsified dispersion dispersed using a high-boiling solvent that is solid at room temperature and a low-boiling auxiliary solvent, or as a so-called oilless emulsified dispersion that does not use a high-boiling solvent. It is preferable to add.
In the present invention, among the above development accelerators, hydrazine compounds represented by the general formula (D) described in JP-A No. 2002-156727 and those described in JP-A No. 2001-264929 are general. A phenol-based or naphthol-based compound represented by the formula (2) is more preferable.
[0062]
In the present invention, particularly preferred development accelerators are compounds represented by the following general formulas (A-1) and (A-2).
Formula (A-1)
Q1-NHNH-Q2
(Where Q1Is a carbon atom -NHNH-Q2Represents an aromatic group or a heterocyclic group bonded to2Represents a carbamoyl group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a sulfonyl group, or a sulfamoyl group. )
[0063]
In general formula (A-1), Q1The aromatic group or heterocyclic group represented by is preferably a 5- to 7-membered unsaturated ring. Preferred examples include benzene ring, pyridine ring, pyrazine ring, pyrimidine ring, pyridazine ring, 1,2,4-triazine ring, 1,3,5-triazine ring, pyrrole ring, imidazole ring, pyrazole ring, 1,2 , 3-triazole ring, 1,2,4-triazole ring, tetrazole ring, 1,3,4-thiadiazole ring, 1,2,4-thiadiazole ring, 1,2,5-thiadiazole ring, 1,3,4 -Oxadiazole ring, 1,2,4-oxadiazole ring, 1,2,5-oxadiazole ring, thiazole ring, oxazole ring, isothiazole ring, isoxazole ring, thiophene ring, etc. are preferable, and these Also preferred are fused rings in which the rings are fused together.
[0064]
These rings may have a substituent, and when they have two or more substituents, these substituents may be the same or different. Examples of substituents include halogen atoms, alkyl groups, aryl groups, carbonamido groups, alkylsulfonamido groups, arylsulfonamido groups, alkoxy groups, aryloxy groups, alkylthio groups, arylthio groups, carbamoyl groups, sulfamoyl groups, cyano Groups, alkylsulfonyl groups, arylsulfonyl groups, alkoxycarbonyl groups, aryloxycarbonyl groups, and acyl groups. When these substituents are substitutable groups, they may further have substituents. Examples of preferred substituents include halogen atoms, alkyl groups, aryl groups, carbonamido groups, alkylsulfonamido groups, aryls. Sulfonamide group, alkoxy group, aryloxy group, alkylthio group, arylthio group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, cyano group, sulfamoyl group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group, and acyloxy group Can be mentioned.
[0065]
Q2Is preferably a carbamoyl group having 1 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms, such as unsubstituted carbamoyl, methylcarbamoyl, N-ethylcarbamoyl, N-propylcarbamoyl, N -Sec-butylcarbamoyl, N-octylcarbamoyl, N-cyclohexylcarbamoyl, N-tert-butylcarbamoyl, N-dodecylcarbamoyl, N- (3-dodecyloxypropyl) carbamoyl, N-octadecylcarbamoyl, N- {3- ( 2,4-tert-pentylphenoxy) propyl} carbamoyl, N- (2-hexyldecyl) carbamoyl, N-phenylcarbamoyl, N- (4-dodecyloxyphenyl) carbamoyl, N- (2-chloro-5-dodecyloxy) Carbonyl Eniru) carbamoyl, N- naphthylcarbamoyl, N-3- pyridylcarbamoyl include N- benzylcarbamoyl.
[0066]
Q2Is preferably an acyl group having 1 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms. For example, formyl, acetyl, 2-methylpropanoyl, cyclohexylcarbonyl, octanoyl, 2-hexyl Examples include decanoyl, dodecanoyl, chloroacetyl, trifluoroacetyl, benzoyl, 4-dodecyloxybenzoyl, and 2-hydroxymethylbenzoyl. The alkoxycarbonyl group represented by Q2 is preferably an alkoxycarbonyl group having 2 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms, such as methoxycarbonyl, ethoxycarbonyl, isobutyloxycarbonyl, cyclohexyloxycarbonyl, dodecyl. Examples include oxycarbonyl and benzyloxycarbonyl.
[0067]
Q2Is preferably an aryloxycarbonyl group having 7 to 50 carbon atoms, more preferably 7 to 40 carbon atoms, such as phenoxycarbonyl, 4-octyloxyphenoxycarbonyl, 2-hydroxymethylphenoxy. Examples include carbonyl and 4-dodecyloxyphenoxycarbonyl. The sulfonyl group represented by Q2 is preferably a sulfonyl group having 1 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms, such as methylsulfonyl, butylsulfonyl, octylsulfonyl, 2-hexadecylsulfonyl, 3-dodecyl. Examples include oxypropylsulfonyl, 2-octyloxy-5-tert-octylphenylsulfonyl, and 4-dodecyloxyphenylsulfonyl.
[0068]
Q2Is preferably a sulfamoyl group having 0 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms, such as an unsubstituted sulfamoyl group, an N-ethylsulfamoyl group, or N- (2-ethylhexyl). Sulfamoyl, N-decylsulfamoyl, N-hexadecylsulfamoyl, N- {3- (2-ethylhexyloxy) propyl} sulfamoyl, N- (2-chloro-5-dodecyloxycarbonylphenyl) sulfamoyl, N- (2-tetradecyloxyphenyl) sulfamoyl. Q2In the group represented by1May have the groups mentioned as examples of the substituents of the 5- to 7-membered unsaturated ring represented by the formula (1), and when they have two or more substituents, these substituents are the same. Or different.
[0069]
Next, preferred range for the compound represented by formula (A-1) is to be described. Q1Is preferably a 5- to 6-membered unsaturated ring, such as a benzene ring, pyrimidine ring, 1,2,3-triazole ring, 1,2,4-triazole ring, tetrazole ring, 1,3,4-thiadiazole ring, 1 , 2,4-thiadiazole ring, 1,3,4-oxadiazole ring, 1,2,4-oxadiazole ring, thiazole ring, oxazole ring, isothiazole ring, isoxazole ring, and these rings are benzene More preferred are rings or rings fused with unsaturated heterocycles. Q2Is preferably a carbamoyl group, particularly preferably a carbamoyl group having a hydrogen atom on a nitrogen atom.
[0070]
Formula (A-2)
[Chemical 3]
Figure 2004334077
[0071]
In the general formula (A-2), R1Represents an alkyl group, an acyl group, an acylamino group, a sulfonamide group, an alkoxycarbonyl group, or a carbamoyl group. R2Represents a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, an aryloxy group, an alkylthio group, an arylthio group, an acyloxy group, or a carbonate group. R3, R4Each represents a group capable of substituting for the benzene ring mentioned in the example of the substituent of formula (A-1). R3And R4May be linked together to form a condensed ring.
R1Is preferably an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms (for example, methyl group, ethyl group, isopropyl group, butyl group, tert-octyl group, cyclohexyl group, etc.), acylamino group (for example, acetylamino group, benzoylamino group, methylureido group). , 4-cyanophenylureido group), carbamoyl group (n-butylcarbamoyl group, N, N-diethylcarbamoyl group, phenylcarbamoyl group, 2-chlorophenylcarbamoyl group, 2,4-dichlorophenylcarbamoyl group, etc.) and acylamino group ( More preferred are ureido groups and urethane groups). R2 is preferably a halogen atom (more preferably a chlorine atom or a bromine atom), an alkoxy group (for example, methoxy group, butoxy group, n-hexyloxy group, n-decyloxy group, cyclohexyloxy group, benzyloxy group, etc.), aryloxy A group (phenoxy group, naphthoxy group, etc.).
R3Is preferably a hydrogen atom, a halogen atom, or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and most preferably a halogen atom. R4Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group or an acylamino group, more preferably an alkyl group or an acylamino group. Examples of these preferred substituents are R1It is the same. R4R is an acylamino group4Is R3It is also preferred to form a carbostyryl ring by linking with.
[0072]
In the general formula (A-2), R3And R4Are connected to each other to form a condensed ring, the naphthalene ring is particularly preferable as the condensed ring. The same substituent as the example of a substituent quoted by general formula (A-1) may couple | bond with the naphthalene ring. When general formula (A-2) is a naphtholic compound, R1Is preferably a carbamoyl group. Of these, a benzoyl group is particularly preferable. R2Is preferably an alkoxy group or an aryloxy group, particularly preferably an alkoxy group.
[0073]
Hereinafter, preferred specific examples of the development accelerator in the invention will be given. The present invention is not limited to these.
[0074]
[Formula 4]
Figure 2004334077
[0075]
<Description of hydrogen bonding compound>
When the reducing agent in the present invention has an aromatic hydroxyl group (—OH) or amino group (—NHR, R is a hydrogen atom or an alkyl group), particularly in the case of the bisphenols described above, these groups and hydrogen bonds It is preferable to use together a non-reducing compound having a group capable of forming.
Examples of the group that forms a hydrogen bond with a hydroxyl group or an amino group include a phosphoryl group, a sulfoxide group, a sulfonyl group, a carbonyl group, an amide group, an ester group, a urethane group, a ureido group, a tertiary amino group, and a nitrogen-containing aromatic group. Can be mentioned. Among them, preferred are a phosphoryl group, a sulfoxide group, an amide group (however, it has no> N—H group and is blocked like> N—Ra (Ra is a substituent other than H)), a urethane group. (However, it has no> N—H group and is blocked like> N—Ra (Ra is a substituent other than H)), a ureido group (however, it has no> N—H group,> N-Ra (Ra is a substituent other than H).)
In the present invention, a particularly preferred hydrogen bonding compound is a compound represented by the following general formula (D).
[0076]
Formula (D)
[Chemical formula 5]
Figure 2004334077
[0077]
R in general formula (D)21Or R23Each independently represents an alkyl group, an aryl group, an alkoxy group, an aryloxy group, an amino group or a heterocyclic group, and these groups may be unsubstituted or may have a substituent.
R21Or R23In the case where has a substituent, the substituent is a halogen atom, alkyl group, aryl group, alkoxy group, amino group, acyl group, acylamino group, alkylthio group, arylthio group, sulfonamido group, acyloxy group, oxycarbonyl group, carbamoyl Group, sulfamoyl group, sulfonyl group, phosphoryl group and the like. Preferred as substituents are alkyl groups or aryl groups such as methyl group, ethyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-octyl group, phenyl group, 4-alkoxyphenyl group, 4-acyloxyphenyl group and the like can be mentioned.
R21Or R23Specific examples of the alkyl group include methyl group, ethyl group, butyl group, octyl group, dodecyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-amyl group, t-octyl group, cyclohexyl group, and 1-methylcyclohexyl group. Benzyl group, phenethyl group, 2-phenoxypropyl group, and the like.
Examples of the aryl group include phenyl group, cresyl group, xylyl group, naphthyl group, 4-t-butylphenyl group, 4-t-octylphenyl group, 4-anisidyl group, and 3,5-dichlorophenyl group.
Alkoxy groups include methoxy, ethoxy, butoxy, octyloxy, 2-ethylhexyloxy, 3,5,5-trimethylhexyloxy, dodecyloxy, cyclohexyloxy, 4-methylcyclohexyloxy, benzyl An oxy group etc. are mentioned.
Examples of the aryloxy group include a phenoxy group, a cresyloxy group, an isopropylphenoxy group, a 4-t-butylphenoxy group, a naphthoxy group, and a biphenyloxy group.
Examples of the amino group include a dimethylamino group, a diethylamino group, a dibutylamino group, a dioctylamino group, an N-methyl-N-hexylamino group, a dicyclohexylamino group, a diphenylamino group, and an N-methyl-N-phenylamino group. .
[0078]
R21Or R23Are preferably an alkyl group, an aryl group, an alkoxy group, or an aryloxy group. In terms of the effect of the present invention, R21Or R23Of these, at least one is preferably an alkyl group or an aryl group, and more preferably two or more are an alkyl group or an aryl group. In addition, R can be obtained at low cost.21Or R23Are preferably the same group.
Specific examples of the hydrogen bonding compound including the compound of the general formula (D) in the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0079]
[Chemical 6]
Figure 2004334077
[0080]
Specific examples of the hydrogen bonding compound include those described in European Patent No. 1096310, JP-A No. 2002-156727, and JP-A No. 2002-318431 in addition to the above.
The hydrogen bonding compound is preferably added to the same layer as the reducing agent.
The compound represented by the general formula (D) in the present invention can be used in a light-sensitive material by being incorporated in a coating solution in the form of a solution, an emulsified dispersion, or a solid dispersion fine particle dispersion in the same manner as the reducing agent. It is preferable to use it as a product. These compounds form a hydrogen-bonding complex with a compound having a phenolic hydroxyl group or an amino group in a solution state, and depending on the combination of the reducing agent and the compound of the general formula (D) in the present invention, the compound may be crystallized as a complex. It can be isolated in the state.
The use of the crystal powder isolated in this way as a solid dispersed fine particle dispersion is particularly preferable for obtaining stable performance. In addition, a method in which the reducing agent and the compound of the general formula (D) in the present invention are mixed in a powder form and complexed at the time of dispersion with a sand grinder mill or the like using an appropriate dispersant can be preferably used.
The compound of the general formula (D) in the present invention is preferably used in the range of 1 to 200 mol%, more preferably in the range of 10 to 150 mol%, still more preferably 20 to 100, based on the reducing agent. It is in the range of mol%.
[0081]
<Description of silver halide>
1) Halogen composition
The photosensitive silver halide used in the present invention is not particularly limited as a halogen composition, and silver chloride, silver chlorobromide, silver bromide, silver iodobromide, silver iodochlorobromide, and silver iodide can be used. it can. Of these, silver bromide, silver iodobromide and silver iodide are preferred. The distribution of the halogen composition in the grains may be uniform, the halogen composition may be changed stepwise, or may be continuously changed. Further, silver halide grains having a core / shell structure can be preferably used. A preferable structure is a 2- to 5-fold structure, more preferably 2- to 4-fold core / shell particles. A technique for localizing silver bromide or silver iodide on the surface of silver chloride, silver bromide or silver chlorobromide grains can also be preferably used.
[0082]
2) Particle formation method
Methods for forming photosensitive silver halide are well known in the art, for example using the methods described in Research Disclosure No. 17029 of June 1978 and US Pat. No. 3,700,458. Specifically, there is used a method in which a photosensitive silver halide is prepared by adding a silver supply compound and a halogen supply compound to gelatin or another polymer solution, and then mixed with an organic silver salt. Further, the method described in paragraph Nos. 0217 to 0224 of JP-A No. 11-119374, and the methods described in JP-A Nos. 11-352627 and 2000-347335 are also preferable.
[0083]
3) Particle size
The grain size of the photosensitive silver halide is preferably small for the purpose of keeping the cloudiness after image formation low, specifically 0.20 μm or less, more preferably 0.01 μm or more and 0.15 μm or less, and still more preferably. It is preferably 0.02 μm or more and 0.12 μm or less. The grain size here means the diameter when converted into a circular image having the same area as the projected area of silver halide grains (in the case of tabular grains, the projected area of the main plane).
[0084]
4) Particle shape
Examples of the shape of silver halide grains include cubes, octahedrons, tabular grains, spherical grains, rod-shaped grains, and potato-shaped grains. In the present invention, cubic grains are particularly preferred. Grains with rounded corners of silver halide grains can also be preferably used. The surface index (Miller index) on the outer surface of the photosensitive silver halide grain is not particularly limited, but the ratio of the {100} plane, which has high spectral sensitizing efficiency when adsorbed by the spectral sensitizing dye, is high. preferable. The ratio is preferably 50% or more, more preferably 65% or more, and still more preferably 80% or more. The ratio of the Miller index {100} plane is determined by T.sub. Tani; Imaging Sci. 29, 165 (1985).
[0085]
5) Heavy metal
The photosensitive silver halide grains in the invention can contain a metal or metal complex of Group 8 to Group 10 of the Periodic Table (showing Groups 1 to 18). As the central metal of the group 8 to group 10 metal or metal complex of the periodic table, rhodium, ruthenium and iridium are preferable. One kind of these metal complexes may be used, or two or more kinds of complexes of the same metal and different metals may be used in combination. The preferred content is 1 x 10 per mole of silver.-9From mole to 1 × 10-3A molar range is preferred. These heavy metals and metal complexes and methods for adding them are described in JP-A-7-225449, JP-A-11-65021, paragraphs 0018 to 0024, and JP-A-11-119374, paragraphs 0227 to 0240.
[0086]
In the present invention, silver halide grains in which a hexacyano metal complex is present on the outermost surface of the grains are preferred. As the hexacyano metal complex, [Fe (CN)6]4-, [Fe (CN)6]3-, [Ru (CN)6]4-, [Os (CN)6]4-, [Co (CN)6]3-, [Rh (CN)6]3-, [Ir (CN)6]3-, [Cr (CN)6]3-, [Re (CN)6]3-Etc. In the present invention, a hexacyano Fe complex is preferred.
[0087]
The hexacyano metal complex is present in the form of ions in aqueous solution, so the counter cation is not important, but it is easy to mix with water and is suitable for precipitation of silver halide emulsions. Sodium ion, potassium ion, rubidium It is preferable to use alkali metal ions such as ions, cesium ions, and lithium ions, ammonium ions, and alkylammonium ions (for example, tetramethylammonium ions, tetraethylammonium ions, tetrapropylammonium ions, tetra (n-butyl) ammonium ions).
[0088]
In addition to water, the hexacyano metal complex is miscible with a mixed solvent or gelatin with an appropriate organic solvent miscible with water (for example, alcohols, ethers, glycols, ketones, esters, amides, etc.). Can be added.
[0089]
The amount of hexacyano metal complex added is 1 × 10 5 per mole of silver.-51 x 10 moles or more-2Or less, more preferably 1 × 10-41 x 10 moles or more-3It is below the mole.
[0090]
In order for the hexacyano metal complex to be present on the outermost surface of the silver halide grain, the chalcogen sensitization of sulfur sensitization, selenium sensitization and tellurium sensitization is completed after the addition of the aqueous silver nitrate solution used for grain formation. It is added directly before the completion of the preparation step before the chemical sensitization step for performing noble metal sensitization such as sensitization and gold sensitization, during the washing step, during the dispersion step, or before the chemical sensitization step. In order to prevent the silver halide fine grains from growing, it is preferable to add the hexacyano metal complex immediately after the grain formation, and it is preferable to add it before the completion of the preparation step.
[0091]
The addition of the hexacyano metal complex may be started after adding 96% by mass of the total amount of silver nitrate to be added to form grains, more preferably starting after adding 98% by mass, The addition of 99% by mass is particularly preferable.
[0092]
When these hexacyanometal complexes are added after the addition of the aqueous silver nitrate solution just before the completion of grain formation, they can be adsorbed on the outermost surface of the silver halide grains, and most of them form slightly soluble salts with silver ions on the grain surface. To do. This silver salt of hexacyanoiron (II) is a less soluble salt than AgI, so that re-dissolution by fine particles can be prevented and silver halide fine particles having a small particle size can be produced. .
[0093]
Further, metal atoms that can be contained in the silver halide grains used in the present invention (for example, [Fe (CN)6]4-), Desalting methods and chemical sensitization methods for silver halide emulsions, paragraph numbers 0046 to 0050 of JP-A-11-84574, paragraph numbers 0025 to 0031 of JP-A-11-65021, paragraph number 0242 of JP-A-11-119374 ~ 0250.
[0094]
6) Gelatin
Various gelatins can be used as the gelatin contained in the photosensitive silver halide emulsion used in the present invention. It is necessary to maintain a good dispersion state of the photosensitive silver halide emulsion in the organic silver salt-containing coating solution, and gelatin having a molecular weight of 10,000 to 1,000,000 is preferably used. It is also preferable to phthalate the gelatin substituent. These gelatins may be used at the time of grain formation or at the time of dispersion after desalting, but are preferably used at the time of grain formation.
[0095]
7) Sensitizing dye
As a sensitizing dye that can be applied to the present invention, it can spectrally sensitize silver halide grains in a desired wavelength region when adsorbed on silver halide grains, and has a spectral sensitivity suitable for the spectral characteristics of the exposure light source. The dye can be advantageously selected. Regarding the sensitizing dye and the addition method, paragraphs 0103 to 0109 of JP-A-11-65021, compounds represented by the general formula (II) of JP-A-10-186572, and general formulas (I) of JP-A-11-119374 ) And the dye described in Example 5 of U.S. Pat. Nos. 5,510,236 and 3,871,887, JP-A-2-96131, JP-A-59-48753. No. 19, page 38 to line 20, page 35 of European Patent Publication No. 0803764A1, JP 2001-272747, JP 2001-290238, JP 2002-23306, etc. It is described in. These sensitizing dyes may be used alone or in combination of two or more. In the present invention, the time when the sensitizing dye is added to the silver halide emulsion is preferably the time from the desalting step to the coating, and more preferably the time from desalting to the end of chemical ripening.
The addition amount of the sensitizing dye in the present invention can be set to a desired amount in accordance with the sensitivity and fogging performance, but is 10 per mol of silver halide in the image forming layer.-6~ 1 mol is preferred, more preferably 10-4-10-1Is a mole.
[0096]
In the present invention, a supersensitizer can be used to improve spectral sensitization efficiency. As the supersensitizer used in the present invention, European Patent Publication No. 587,338, US Pat. Nos. 3,877,943, 4,873,184, JP-A-5-341432, 11- 109547, 10-111543, etc. are mentioned.
[0097]
8) Chemical sensitization
The photosensitive silver halide grains in the present invention are preferably chemically sensitized by sulfur sensitization, selenium sensitization or tellurium sensitization. As the compound preferably used in the sulfur sensitization method, selenium sensitization method, and tellurium sensitization method, known compounds such as compounds described in JP-A-7-128768 can be used. In the present invention, tellurium sensitization is particularly preferred. The compounds described in the literature described in paragraph No. 0030 of JP-A-11-65021, and the general formulas (II), (III), (IV) in JP-A-5-313284 The compound shown by is more preferable.
[0098]
The photosensitive silver halide grains in the present invention are preferably chemically sensitized by gold sensitization alone or in combination with the chalcogen sensitization described above. As the gold sensitizer, the valence of gold is preferably +1 or +3, and the gold sensitizer is preferably a commonly used gold compound. Typical examples include chloroauric acid, bromoauric acid, potassium chloroaurate, potassium bromoaurate, auric trichloride, potassium auric thiocyanate, potassium iodoaurate, tetracyanoauric acid, ammonium aurothiocyanate, pyridyltrichlorogold. Etc. are preferable. Further, gold sensitizers described in US Pat. No. 5,858,637 and JP-A-2002-278016 are also preferably used.
[0099]
In the present invention, chemical sensitization can be performed at any time after particle formation and before coating. After desalting, (1) before spectral sensitization, (2) simultaneously with spectral sensitization, (3) spectral After sensitization, there may be (4) immediately before application.
The amount of sulfur, selenium and tellurium sensitizers used in the present invention varies depending on the silver halide grains used, chemical ripening conditions, etc., but is 10 per mol of silver halide.-8-10-2Moles, preferably 10-7-10-3Use about moles.
The amount of the gold sensitizer added varies depending on various conditions, but as a guide, it is 10 per silver halide.-7From mole 10-3Mole, more preferably 10-6Mol ~ 5 × 10-4Is a mole.
The conditions for chemical sensitization in the present invention are not particularly limited, but the pH is 5 to 8, the pAg is 6 to 11, and the temperature is about 40 to 95 ° C.
A thiosulfonic acid compound may be added to the silver halide emulsion used in the present invention by the method described in European Patent Publication No. 293,917.
[0100]
A reducing agent is preferably used for the photosensitive silver halide grains in the present invention. As specific compounds for the reduction sensitization, ascorbic acid and thiourea dioxide are preferable, and in addition, stannous chloride, aminoiminomethanesulfinic acid, hydrazine derivatives, borane compounds, silane compounds, polyamine compounds, and the like are preferably used. . The reduction sensitizer may be added at any stage in the photosensitive emulsion production process from crystal growth to the preparation process immediately before coating. Further, reduction sensitization is preferable by ripening while maintaining the pH of the emulsion at 7 or more or pAg at 8.3 or less, and reduction sensitization is achieved by introducing a single addition portion of silver ions during grain formation. It is also preferable to do.
[0101]
9) A compound in which a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation can emit one or more electrons
In the photothermographic material of the invention, it is preferable that the one-electron oxidant produced by one-electron oxidation contains a compound capable of emitting one electron or more. The compound can be used alone or in combination with the above-described various chemical sensitizers, and can increase the sensitivity of silver halide.
[0102]
The one-electron oxidant formed by one-electron oxidation contained in the photothermographic material of the present invention is a compound selected from the following types 1 to 5 which can emit one electron or more. .
[0103]
(Type 1)
A compound in which a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation can further emit two or more electrons with a subsequent bond cleavage reaction.
(Type 2)
The one-electron oxidant produced by one-electron oxidation is a compound capable of releasing another electron with subsequent bond cleavage reaction, and has two or more adsorptive groups to silver halide in the same molecule. Compound.
(Type 3)
A compound capable of emitting one or more electrons after a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation undergoes a subsequent bond formation process.
(Type 4)
A compound in which a one-electron oxidant formed by one-electron oxidation can further emit one or more electrons after undergoing a subsequent intramolecular ring-cleaving reaction.
(Type 5)
In the compound represented by XY, X represents a reducing group, Y represents a leaving group, and a one-electron oxidant formed by one-electron oxidation of the reducing group represented by X is followed by XY A compound capable of releasing Y by releasing Y with a bond cleavage reaction and releasing another electron therefrom.
[0104]
Preferred among the compounds of type 1 and type 3 to 5 are “compounds having an adsorptive group to silver halide in the molecule” or “partial structure of spectral sensitizing dye in the molecule”. Compound ". More preferred is a “compound having an adsorptive group to silver halide in the molecule”. The compounds of types 1 to 4 are more preferably “compounds having a nitrogen-containing heterocyclic group substituted with two or more mercapto groups as an adsorptive group”.
[0105]
The compounds of types 1 to 5 will be described in detail.
In the type 1 compound, “bond cleavage reaction” specifically means cleavage of bonds between carbon-carbon, carbon-silicon, carbon-hydrogen, carbon-boron, carbon-tin, and carbon-germanium elements, These may be further accompanied by carbon-hydrogen bond cleavage. A type 1 compound is a compound capable of emitting two or more (preferably three or more) electrons for the first time after a one-electron oxidation to form a one-electron oxidant, followed by a bond cleavage reaction.
[0106]
A preferable compound among the compounds of type 1 is represented by general formula (A), general formula (B), general formula (1), general formula (2), or general formula (3).
[0107]
Formula (A)
[Chemical 7]
Figure 2004334077
[0108]
General formula (B)
[Chemical 8]
Figure 2004334077
[0109]
In general formula (A), RED11Represents a reducing group which can be oxidized by one electron, and L11Represents a leaving group. R112Represents a hydrogen atom or a substituent. R111Is carbon atom (C) and RED11And a nonmetallic atomic group capable of forming a cyclic structure corresponding to a tetrahydro form, hexahydro form, or octahydro form of a 5-membered or 6-membered aromatic ring (including an aromatic heterocycle).
[0110]
In the general formula (B), RED12Represents a reducing group which can be oxidized by one electron, and L12Represents a leaving group. R121And R122Each represents a hydrogen atom or a substituent. ED12Represents an electron donating group. R in the general formula (B)121And RED12, R121And R122Or ED12And RED12And may be bonded to each other to form a cyclic structure.
[0111]
These compounds represented by the general formula (A) or the general formula (B) are represented by RED.11Or RED12After the reducing group represented by11Or L12Is a compound that can release two or more electrons, preferably three or more electrons, by releasing them by bond cleavage reaction.
[0112]
General formula (1), general formula (2), general formula (3)
[Chemical 9]
Figure 2004334077
[0113]
In general formula (1), Z1Represents an atomic group capable of forming a 6-membered ring with a nitrogen atom and two carbon atoms of a benzene ring, and R1, R2, RN1Each represents a hydrogen atom or a substituent, and X1Represents a substitutable substituent on the benzene ring, m1Represents an integer of 0 to 3, L1Represents a leaving group. ED in general formula (2)21Represents an electron donating group, R11, R12, RN21, R13, R14Each represents a hydrogen atom or a substituent, and X21Represents a substitutable substituent on the benzene ring, m21Represents an integer of 0 to 3, L21Represents a leaving group. RN21, R13, R14, X21And ED21May be bonded to each other to form a cyclic structure. In the general formula (3), R32, R33, R31, RN31, Ra, RbEach represents a hydrogen atom or a substituent, and L31Represents a leaving group. However, RN31When represents a group other than an aryl group, RaAnd RbCombine with each other to form an aromatic ring.
[0114]
After these compounds are oxidized by one electron,1, L21Or L31Is a compound that can release two or more electrons, preferably three or more electrons, by releasing them by bond cleavage reaction.
[0115]
Hereinafter, the compound represented by the general formula (A) will be described in detail first.
In general formula (A), RED11A reducing group that can be oxidized by one electron is represented by R described later.111And a divalent group obtained by removing one hydrogen atom at a suitable site for ring formation from the following monovalent group. For example, alkylamino group, arylamino group (anilino group, naphthylamino group etc.), heterocyclic amino group (benzthiazolylamino group, pyrrolylamino group etc.), alkylthio group, arylthio group (phenylthio group etc.), heterocyclic thio Group, alkoxy group, aryloxy group (phenoxy group etc.), heterocyclic oxy group, aryl group (phenyl group, naphthyl group, anthranyl group etc.), aromatic or non-aromatic heterocyclic group (5-membered to 7-membered) A monocyclic or condensed heterocyclic ring containing at least one heteroatom among nitrogen atom, sulfur atom, oxygen atom and selenium atom. Specific examples thereof include, for example, a tetrahydroquinoline ring, a tetrahydroisoquinoline ring, and a tetrahydroquinoxaline ring. , Tetrahydroquinazoline ring, indoline ring, indole ring, indazole , Carbazole ring, phenoxazine ring, phenothiazine ring, benzothiazoline ring, pyrrole ring, imidazole ring, thiazoline ring, piperidine ring, pyrrolidine ring, morpholine ring, benzimidazole ring, benzimidazoline ring, benzoxazoline ring, methylenedioxyphenyl ring (Hereinafter referred to as RED for convenience)11Is described as a monovalent radical name). RED11May have a substituent.
[0116]
In the present invention, the substituent means a substituent selected from the following groups unless otherwise specified. Halogen atom, alkyl group (including aralkyl group, cycloalkyl group, active methine group, etc.), alkenyl group, alkynyl group, aryl group, heterocyclic group (regarding the position of substitution), quaternized nitrogen atom Heterocyclic groups (for example, pyridinio group, imidazolio group, quinolinio group, isoquinolinio group), acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, carboxy group or salt thereof, sulfonylcarbamoyl group, acylcarbamoyl group, sulfa Moylcarbamoyl group, carbazoyl group, oxalyl group, oxamoyl group, cyano group, carbonimidoyl group, thiocarbamoyl group, hydroxy group, alkoxy group (including groups containing ethyleneoxy group or propyleneoxy group units repeatedly), aryloxy group , F B-ringoxy group, acyloxy group, (alkoxy or aryloxy) carbonyloxy group, carbamoyloxy group, sulfonyloxy group, amino group, (alkyl, aryl, or heterocyclic) amino group, acylamino group, sulfonamide group, ureido group Thioureido group, imide group, (alkoxy or aryloxy) carbonylamino group, sulfamoylamino group, semicarbazide group, thiosemicarbazide group, hydrazino group, ammonio group, oxamoylamino group, (alkyl or aryl) sulfonylureido group, Acylureido group, acylsulfamoylamino group, nitro group, mercapto group, (alkyl, aryl, or heterocyclic) thio group, (alkyl or aryl) sulfonyl group, (alkyl or aryl) sulfini Group, a sulfo group or a salt thereof, sulfamoyl group, sulfonylsulfamoyl group or a salt thereof, phosphoric acid amide or a group containing a phosphoric acid ester structure and so forth. These substituents may be further substituted with these substituents.
[0117]
RED11Are preferably an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic amino group, an aryl group, an aromatic or non-aromatic heterocyclic group, more preferably an arylamino group (especially an anilino group), an aryl group (especially a phenyl group). Group). When these have a substituent, the substituent is preferably a halogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, an acylamino group, or a sulfonamide group.
However, RED11When represents an aryl group, the aryl group preferably has at least one “electron-donating group”. Here, the “electron donating group” means a hydroxy group, an alkoxy group, a mercapto group, a sulfonamide group, an acylamino group, an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic amino group, an active methine group, and a nitrogen atom in the ring. 5-membered, monocyclic or condensed, electron-rich aromatic heterocyclic group (for example, indolyl group, pyrrolyl group, imidazolyl group, benzimidazolyl group, thiazolyl group, benzthiazolyl group, indazolyl group) containing at least one, nitrogen A non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group (a group that can also be called a cyclic amino group such as a pyrrolidinyl group, an indolinyl group, a piperidinyl group, a piperazinyl group, or a morpholino group) substituted with an atom. Here, the active methine group means a methine group substituted by two “electron-withdrawing groups”, and the “electron-withdrawing group” means an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, It means a carbamoyl group, an alkylsulfonyl group, an arylsulfonyl group, a sulfamoyl group, a trifluoromethyl group, a cyano group, a nitro group, or a carbonimidoyl group. Here, the two electron withdrawing groups may be bonded to each other to form a cyclic structure.
[0118]
In general formula (A), L11Specifically, a carboxy group or a salt thereof, a silyl group, a hydrogen atom, a triarylboron anion, a trialkylstannyl group, a trialkylgermyl group, or CRC1RC2RC3Represents a group. Here, the silyl group specifically represents a trialkylsilyl group, an aryldialkylsilyl group, a triarylsilyl group, or the like, and may have an arbitrary substituent.
[0119]
L11Represents a carboxy group salt, the counter ions forming the salt include alkali metal ions, alkaline earth metal ions, heavy metal ions, ammonium ions, phosphonium ions, etc., preferably alkali metal ions or ammonium ions. , Alkali metal ions (especially Li+, Na+, K+Ion) is most preferred.
[0120]
L11-CRC1RC2RC3When representing a group, here RC1, RC2, RC3Each independently represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a heterocyclic group, an alkylthio group, an arylthio group, an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic amino group, an alkoxy group, an aryloxy group, or a hydroxy group. May be bonded to each other to form a cyclic structure, and may further have an arbitrary substituent. However, RC1, RC2, RC3When one of them represents a hydrogen atom or an alkyl group, the remaining two do not represent a hydrogen atom or an alkyl group. RC1, RC2, RC3Preferably, each independently represents an alkyl group, an aryl group (particularly a phenyl group), an alkylthio group, an arylthio group, an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic group, an alkoxy group, or a hydroxy group. For example, phenyl group, p-dimethylaminophenyl group, p-methoxyphenyl group, 2,4-dimethoxyphenyl group, p-hydroxyphenyl group, methylthio group, phenylthio group, phenoxy group, methoxy group, ethoxy group, dimethylamino Group, N-methylanilino group, diphenylamino group, morpholino group, thiomorpholino group, hydroxy group and the like. Examples of the case where they are bonded to each other to form a cyclic structure include 1,3-dithiolan-2-yl group, 1,3-dithian-2-yl group, N-methyl-1,3-thiazolidine-2 -Yl group, N-benzyl-benzothiazolidin-2-yl group and the like.
-CRC1RC2RC3The group is RC1, RC2, RC3As a result of each selected within the above-mentioned range, the general formula (A) to L11It is also preferred if it represents the same group as the residue excluding.
[0121]
In general formula (A), L11Is preferably a carboxy group or a salt thereof, and a hydrogen atom. More preferred is a carboxy group or a salt thereof.
[0122]
L11When represents a hydrogen atom, the compound represented by the general formula (A) preferably has a base moiety inherent in the molecule. After the compound represented by the general formula (A) is oxidized by the action of this base moiety,11Is deprotonated, and further electrons are emitted therefrom.
[0123]
Here, the base is specifically a conjugate base of an acid having a pKa of about 1 to about 10. For example, nitrogen-containing heterocycles (pyridines, imidazoles, benzimidazoles, thiazoles, etc.), anilines, trialkylamines, amino groups, carbon acids (active methylene anions, etc.), thioacetic acid anions, carboxylates (- COO), Sulfate (-SO3 ) Or amine oxide (> N+(O)-) And the like. Preferably, it is a conjugate base of an acid having a pKa of about 1 to about 8, more preferably carboxylate, sulfate, or amine oxide, and particularly preferably carboxylate. When these bases have anions, they may have counter cations, examples of which include alkali metal ions, alkaline earth metal ions, heavy metal ions, ammonium ions, phosphonium ions and the like. These bases are linked to the compound represented by the general formula (A) at an arbitrary position. The position at which these base sites are bonded includes RED of the general formula (A).11, R111, R112Any of these may be sufficient, and you may connect with the substituent of these groups.
[0124]
R in the general formula (A)112Represents a substituent substitutable on a hydrogen atom or a carbon atom. However, R112Is L11And does not represent the same group.
R112Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group (such as a phenyl group), an alkoxy group (such as a methoxy group, an ethoxy group, and a benzyloxy group), a hydroxy group, an alkylthio group (such as a methylthio group and a butylthio group), an amino group, and an alkyl group An amino group, an arylamino group and a heterocyclic amino group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, a hydroxy group, a phenyl group and an alkylamino group.
[0125]
R in the general formula (A)111Is a ring structure corresponding to a tetrahydro form, hexahydro form or octahydro form of a 5-membered or 6-membered aromatic ring (including aromatic heterocycle), where the hydro form is an aromatic A ring structure in which a carbon-carbon double bond (or carbon-nitrogen double bond) inherent in a ring (including an aromatic heterocycle) is partially hydrogenated means a tetrahydro form, and two hexahydro forms The three and octahydro forms mean a structure in which four carbon-carbon double bonds (or carbon-nitrogen double bonds) are hydrogenated. By being hydrogenated, the aromatic ring becomes a partially hydrogenated non-aromatic ring structure.
Specifically, pyrrolidine ring, imidazolidine ring, thiazolidine ring, pyrazolidine ring and oxazolidine ring, piperidine ring, tetrahydropyridine ring, tetrahydropyrimidine ring, piperazine ring, tetralin ring, tetrahydroquinoline ring, tetrahydroisoquinoline ring, tetrahydroquinazoline ring, And tetrahydroquinoxaline ring, tetrahydrocarbazole ring, octahydrophenanthridine ring and the like. These ring structures may have an arbitrary substituent.
[0126]
R111More preferably, the cyclic structure formed by pyrrolidine ring, imidazolidine ring, piperidine ring, tetrahydropyridine ring, tetrahydropyrimidine ring, piperazine ring, tetrahydroquinoline ring, tetrahydroisoquinoline ring, tetrahydroquinazoline ring, tetrahydroquinoxaline ring, tetrahydrocarbazole ring Particularly preferred are pyrrolidine ring, piperidine ring, piperazine ring, tetrahydropyridine ring, tetrahydroquinoline ring, tetrahydroisoquinoline ring, tetrahydroquinazoline ring, tetrahydroquinoxaline ring, most preferably pyrrolidine ring, piperidine ring, tetrahydropyridine ring. , Tetrahydroquinoline ring and tetrahydroisoquinoline ring.
[0127]
In the general formula (B), RED12, L12Are respectively RED of the general formula (A)11, L11The preferred range is also the same. However, RED12Is a monovalent group except when it forms the following cyclic structure, specifically RED.11And monovalent group names described in the above. R121And R122Is R in the general formula (A)112The preferred range is also the same. ED12Represents an electron donating group. R121And RED12, R121And R122Or ED12And RED12And may be bonded to each other to form a cyclic structure.
[0128]
ED in general formula (B)12The electron donating group represented by RED11Is the same as the electron-donating group described as the substituent for when A represents an aryl group. ED12Preferably a hydroxy group, an alkoxy group, a mercapto group, a sulfonamide group, an alkylamino group, an arylamino group, an active methine group, a 5-membered monocyclic or condensed ring electron containing at least one nitrogen atom in the ring An excess aromatic heterocyclic group, a non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group substituted with a nitrogen atom, and a phenyl group substituted with these electron donating groups, and further, a hydroxy group, a mercapto group, a sulfonamide group, an alkylamino group Group, arylamino group, active methine group, non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group substituted with nitrogen atom, and phenyl group substituted with these electron-donating groups (for example, p-hydroxyphenyl group, p-dialkylaminophenyl group) , O, p-dialkoxyphenyl group, etc.) are more preferable.
[0129]
R in the general formula (B)121And RED12, R122And R121Or ED12And RED12And may be bonded to each other to form a cyclic structure. The cyclic structure formed here is a non-aromatic carbocyclic or heterocyclic ring, which is a 5-membered to 7-membered monocyclic or condensed ring, which is a substituted or unsubstituted cyclic structure. R121And RED12When and form a ring structure, specific examples thereof include R in general formula (A).111In addition to those listed as examples of the cyclic structure formed by: pyrroline ring, imidazoline ring, thiazoline ring, pyrazoline ring, oxazoline ring, indane ring, morpholine ring, indoline ring, tetrahydro-1,4-oxazine ring, 2, 3-dihydrobenzo-1,4-oxazine ring, tetrahydro-1,4-thiazine ring, 2,3-dihydrobenzo-1,4-thiazine ring, 2,3-dihydrobenzofuran ring, 2,3-dihydrobenzothiophene A ring etc. are mentioned. ED12And RED12And form a ring structure, ED12Preferably represents an amino group, an alkylamino group, or an arylamino group, and specific examples of the ring structure formed include a tetrahydropyrazine ring, a piperazine ring, a tetrahydroquinoxaline ring, and a tetrahydroisoquinoline ring. R122And R121When and form a ring structure, specific examples thereof include a cyclohexane ring and a cyclopentane ring.
[0130]
Next, general formulas (1) to (3) will be described.
In the general formulas (1) to (3), R1, R2, R11, R12, R31Is R in the general formula (A)112The preferred range is also the same. L1, L21, L31Is L in the general formula (A)11Represents the same leaving group as the specific examples given in the description, and preferred ranges thereof are also the same. X1, X21As the substituent represented by the formula (A),11Is the same as the example of the substituent when has a substituent, and the preferred range is also the same. m1, M21Is preferably an integer of 0 to 2, more preferably 0 or 1.
[0131]
RN1, RN21, RN31When represents a substituent, the substituent is preferably an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group, and these may further have an arbitrary substituent. RN1, RN21, RN31Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group or an aryl group, more preferably a hydrogen atom or an alkyl group.
[0132]
R13, R14, R33, Ra, RbWhen represents a substituent, the substituent is preferably an alkyl group, aryl group, acyl group, alkoxycarbonyl group, carbamoyl group, cyano group, alkoxy group, acylamino group, sulfonamide group, ureido group, thioureido group, alkylthio group. An arylthio group, an alkylsulfonyl group, an arylsulfonyl group, a sulfamoyl group, and the like.
[0133]
In general formula (1), Z1The 6-membered ring formed by is a non-aromatic heterocycle condensed with the benzene ring of the general formula (1). Specifically, a tetrahydroquinoline ring, a tetrahydroquinoxaline ring as a ring structure including the condensed benzene ring, A tetrahydroquinazoline ring, preferably a tetrahydroquinoline ring or a tetrahydroquinoxaline ring. These may have a substituent.
[0134]
ED in general formula (2)21Is the ED of the general formula (B)12The preferred range is also the same.
[0135]
In the general formula (2), RN21, R13, R14, X21And ED21Any two of these may combine with each other to form a cyclic structure. Where RN21And X21The cyclic structure formed by bonding is preferably a 5- to 7-membered non-aromatic carbocyclic or heterocyclic ring condensed with a benzene ring. Specific examples thereof include a tetrahydroquinoline ring and a tetrahydroquinoxaline ring. Ring, indoline ring, 2,3-dihydro-5,6-benzo-1,4-thiazine ring and the like. Preferred are a tetrahydroquinoline ring, a tetrahydroquinoxaline ring and an indoline ring.
[0136]
In the general formula (3), RN31When represents a group other than an aryl group, RaAnd RbCombine with each other to form an aromatic ring. Here, the aromatic ring is an aryl group (for example, phenyl group, naphthyl group) and an aromatic heterocyclic group (for example, pyridine ring group, pyrrole ring group, quinoline ring group, indole ring group, etc.), and an aryl group is preferable. The aromatic ring group may have an arbitrary substituent.
In the general formula (3), RaAnd RbAre preferably bonded to each other to form an aromatic ring (particularly a phenyl group).
[0137]
In the general formula (3), R32Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a hydroxy group, an alkoxy group, a mercapto group, an amino group, etc., where R32When R represents a hydroxy group,33The case where represents an “electron-withdrawing group” is also a preferred example. Here, the “electron withdrawing group” is the same as described above, and an acyl group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, and a cyano group are preferable.
[0138]
Next, the type 2 compound will be described.
In the type 2 compound, “bond cleavage reaction” means carbon-carbon, carbon-silicon, carbon-hydrogen, carbon-boron, carbon-tin, carbon-germanium bond cleavage, and carbon-hydrogen. This may be accompanied by cleavage of the bond.
[0139]
The type 2 compound is a compound having two or more (preferably 2 to 6, more preferably 2 to 4) adsorptive groups to silver halide in the molecule. More preferred is a compound having a nitrogen-containing heterocyclic group substituted with two or more mercapto groups as an adsorptive group. The number of adsorptive groups is preferably 2-6, more preferably 2-4. The adsorptive group will be described later.
[0140]
A preferable compound among the compounds of type 2 is represented by the general formula (C).
[0141]
General formula (C)
Embedded image
Figure 2004334077
[0142]
The compound represented by the general formula (C) is RED2After the reducing group represented by2It is a compound that can release one more electron with this by leaving the group by bond cleavage reaction.
[0143]
In the general formula (C), RED2Is the RED of the general formula (B)12Represents the same group, and the preferred range is also the same. L2Is L in the general formula (A)11Represents the same group as described above, and its preferred range is also the same. L2When represents a silyl group, the compound is a compound having, as an adsorptive group, a nitrogen-containing heterocyclic group substituted with two or more mercapto groups in the molecule. R21, R22Represents a hydrogen atom or a substituent, and these are R in the general formula (A)112The preferred range is also the same. RED2And R21And may be bonded to each other to form a ring structure.
[0144]
The ring structure formed here is a 5-membered to 7-membered monocyclic or condensed, non-aromatic carbocycle or heterocycle, which may have a substituent. However, the ring structure is not a ring structure corresponding to a tetrahydro, hexahydro or octahydro form of an aromatic ring or an aromatic heterocycle. The ring structure is preferably a ring structure corresponding to a dihydro form of an aromatic ring or an aromatic heterocycle, and specific examples thereof include, for example, 2-pyrroline ring, 2-imidazoline ring, 2-thiazoline ring, 1,2- Dihydropyridine ring, 1,4-dihydropyridine ring, indoline ring, benzimidazoline ring, benzothiazoline ring, benzoxazoline ring, 2,3-dihydrobenzothiophene ring, 2,3-dihydrobenzofuran ring, benzo-α-pyran ring, 1 , 2-dihydroquinoline ring, 1,2-dihydroquinazoline ring, 1,2-dihydroquinoxaline ring and the like, preferably 2-imidazoline ring, 2-thiazoline ring, indoline ring, benzoimidazoline ring, benzothiazoline ring, Benzoxazoline ring, 1,2-dihydropyridine ring, 1,2-dihydroquinolyl Ring, 1,2-dihydro-quinazoline ring, and the like 1,2-dihydro-quinoxaline ring, indoline ring, benzimidazoline ring, a benzothiazoline ring, 1,2-dihydroquinoline ring is more preferable, indoline ring is particularly preferred.
[0145]
Next, the compound of type 3 will be described.
In the type 3 compound, “bond formation process” means formation of an interatomic bond such as carbon-carbon, carbon-nitrogen, carbon-sulfur, carbon-oxygen and the like.
[0146]
The compound of type 3 is preferably a reactive group site (carbon-carbon double bond site, carbon-carbon triple bond site, fragrance) in which a one-electron oxidant formed by one-electron oxidation coexists in the molecule. And a non-aromatic heterocyclic group part of a benzo-condensed ring) to form a bond and then emit one electron or more electrons.
[0147]
More specifically, a type 3 compound has a one-electron oxidant formed by one-electron oxidation (a cation radical species or a neutral radical species produced by elimination of a proton therefrom) in the same molecule. It reacts with the coexisting reactive group, forms a bond, and generates a radical species having a new ring structure in the molecule. This radical species is characterized in that the second electron is emitted directly or with proton desorption.
And in some of the type 3 compounds, the two-electron oxidant thus produced is then subjected to a hydrolysis reaction in some cases, and in some cases tautomerization with direct proton transfer. There is a case in which one or more electrons, usually two or more electrons are emitted from the oxidization reaction. Alternatively, those having the ability to emit one or more electrons, usually two or more electrons, directly from a two-electron oxidant without going through such a tautomerization reaction are also included.
[0148]
The compound of type 3 is preferably represented by the general formula (D).
[0149]
Formula (D)
Embedded image
Figure 2004334077
[0150]
In general formula (D), RED3Represents a reducing group which can be oxidized by one electron, Y3Is RED3Represents a reactive group site that reacts after one-electron oxidation, specifically a carbon-carbon double bond site, a carbon-carbon triple bond site, an aromatic group site, or a benzo-fused non-aromatic heterocycle An organic group containing a ring group site is represented. L3Is RED3And Y3Represents a linking group for linking.
[0151]
RED3Is the RED of the general formula (B)12And is preferably an arylamino group, a heterocyclic amino group, an aryloxy group, an arylthio group, an aryl group, an aromatic or non-aromatic heterocyclic group (particularly a nitrogen-containing heterocyclic group is preferred). And more preferably an arylamino group, a heterocyclic amino group, an aryl group, an aromatic or non-aromatic heterocyclic group, and among these heterocyclic groups, a tetrahydroquinoline ring group, a tetrahydroquinoxaline ring group, a tetrahydroquinazoline ring Group, indoline ring group, indole ring group, carbazole ring group, phenoxazine ring group, phenothiazine ring group, benzothiazoline ring group, pyrrole ring group, imidazole ring group, thiazole ring group, benzimidazole ring group, benzoimidazoline ring group, Benzothiazoline ring group, 3,4-methylenedioxyphenyl-1- Etc. Le group.
RED3Particularly preferred are an arylamino group (particularly anilino group), an aryl group (particularly a phenyl group), and an aromatic or non-aromatic heterocyclic group.
[0152]
Where RED3When represents an aryl group, the aryl group preferably has at least one “electron-donating group”. The “electron donating group” is the same as described above.
[0153]
RED3When represents an aryl group, the substituent of the aryl group is more preferably an alkylamino group, a hydroxy group, an alkoxy group, a mercapto group, a sulfonamide group, an active methine group, a non-aromatic nitrogen-containing heterocycle substituted with a nitrogen atom More preferably an alkylamino group, a hydroxy group, an active methine group, and a non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group substituted with a nitrogen atom, and most preferably an alkylamino group and a non-aromatic group substituted with a nitrogen atom. Nitrogen heterocyclic group.
[0154]
Y3When the organic group containing a carbon-carbon double bond site represented by (for example, vinyl group) has a substituent, the substituent is preferably an alkyl group, a phenyl group, an acyl group, a cyano group, an alkoxycarbonyl group, A carbamoyl group, an electron donating group, and the like. As the electron donating group, an alkoxy group, a hydroxy group (which may be protected with a silyl group, such as a trimethylsilyloxy group, a t-butyldimethylsilyloxy group, Phenylsilyloxy group, triethylsilyloxy group, phenyldimethylsilyloxy group, etc.), amino group, alkylamino group, arylamino group, sulfonamide group, active methine group, mercapto group, alkylthio group, and these electron donors It is a phenyl group having a functional group as a substituent.
[0155]
Here, when the organic group containing a carbon-carbon double bond site has a hydroxy group as a substituent, Y3Is the partial structure on the right:> C1= C2(—OH) — is included, but this is tautomerized and the partial structure shown on the right:> C1HC2It may be (= O)-. In this case, the C1It is also preferred that the substituent substituted for carbon is an electron withdrawing group, in which case Y3Has a partial structure of “active methylene group” or “active methine group”. The electron-attracting group that can give such a partial structure of an active methylene group or active methine group is the same as that described in the description of the above-mentioned “active methine group”.
[0156]
Y3When the organic group containing a carbon-carbon triple bond site represented by (for example, ethynyl group) has a substituent, examples of the substituent include an alkyl group, a phenyl group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, and an electron donating group. preferable.
[0157]
Y3Is an aryl group having an electron donating group as a substituent (especially a phenyl group is preferred) or an indole ring group, wherein the electron donating group is an aromatic group. Preferred are a hydroxy group (which may be protected with a silyl group), an alkoxy group, an amino group, an alkylamino group, an active methine group, a sulfonamide group and a mercapto group.
[0158]
Y3Represents an organic group containing a non-aromatic heterocyclic group portion of a benzo-fused ring, preferably a benzo-fused non-aromatic heterocyclic group that preferably has an aniline structure as a partial structure, for example, an indoline ring group, 1,2,3,4-tetrahydroquinoline ring group, 1,2,3,4-tetrahydroquinoxaline ring group, 4-quinolone ring group and the like can be mentioned.
[0159]
Y3More preferred as the reactive group represented by is an organic group containing a carbon-carbon double bond site, an aromatic group site, or a benzo-fused non-aromatic heterocyclic group. More preferred are a carbon-carbon double bond site, a phenyl group having an electron donating group as a substituent, an indole ring group, and a benzo-fused non-aromatic heterocyclic group having an aniline structure as a partial structure. Here, the carbon-carbon double bond site preferably has at least one electron donating group as a substituent.
[0160]
Y3As a result of the selection of the reactive group represented by3The case where it has the same partial structure as the reducing group represented by general formula (D) is also a preferred example of the compound represented by general formula (D).
[0161]
L3RED3And Y3And specifically represents a single bond, an alkylene group, an arylene group, a heterocyclic group, -O-, -S-, -NR.N-, -C (= O)-, -SO2A group consisting of a single group of —, —SO—, and —P (═O) — or a combination of these groups is represented. R hereNRepresents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. L3The linking group represented by may have an arbitrary substituent. L3The linking group represented by RED3And Y3In any position of the group represented by the formula (1), each of the hydrogen atoms may be linked to replace any one hydrogen atom.
L3Preferred examples of are: a single bond, an alkylene group (particularly a methylene group, an ethylene group, a propylene group), an arylene group (particularly a phenylene group), a —C (═O) — group, an —O— group, an —NH— group, -N (alkyl group)-group and the bivalent coupling group which consists of a combination of these groups are mentioned.
[0162]
L3The group represented by3Cation radical species (X+.), Or a radical species (X.) generated from the proton withdrawn therefrom, and Y3When the reactive group represented by the above reacts to form a bond, the atomic group involved in this reaction is L3It is preferable that a 3-7 membered cyclic structure including can be formed. For this purpose, radical species (X+-Or X.), the reactive group represented by Y, and L are preferably connected by 3 to 7 atomic groups.
[0163]
Next, the type 4 compound will be described.
A compound of type 4 is a compound having a ring structure substituted with a reducing group. After the reducing group is oxidized by one electron, one or more electrons are emitted with a ring structure cleavage reaction. Compound. As used herein, the ring structure cleavage reaction means one of the following types.
[0164]
Embedded image
Figure 2004334077
[0165]
In the formula, compound a represents a type 4 compound. In compound a, D represents a reducing group, and X and Y represent atoms forming a bond that is cleaved after one-electron oxidation in the ring structure. First, the compound a is one-electron oxidized to produce a one-electron oxidant b. From this, the single bond of XX becomes a double bond, and at the same time, the bond of XY is cleaved to produce a ring-opened product c. Alternatively, a radical intermediate d may be generated from the one-electron oxidant b with proton desorption, and a ring-opening body e may be similarly generated therefrom. These compounds are characterized in that one or more electrons are subsequently released from the ring-opened product c or e thus produced.
[0166]
The ring structure possessed by the type 4 compound is a 3- to 7-membered carbocyclic or heterocyclic ring, and represents a monocyclic or condensed, saturated or unsaturated non-aromatic ring. A saturated ring structure is preferable, and a 3-membered ring or 4-membered ring is more preferable. Preferred examples of the ring structure include a cyclopropane ring, a cyclobutane ring, an oxirane ring, an oxetane ring, an aziridine ring, an azetidine ring, an episulfide ring, and a thietane ring. More preferred are cyclopropane ring, cyclobutane ring, oxirane ring, oxetane ring and azetidine ring, and particularly preferred are cyclopropane ring, cyclobutane ring and azetidine ring. The ring structure may have an arbitrary substituent.
[0167]
The compound of type 4 is preferably represented by the general formula (E) or (F).
[0168]
General formula (E)
Embedded image
Figure 2004334077
[0169]
Formula (F)
Embedded image
Figure 2004334077
[0170]
RED in general formula (E) and general formula (F)41And RED42Are respectively RED of the general formula (B)12Represents a group having the same meaning, and the preferred range thereof is also the same. R40~ R44And R45~ R49Each represents a hydrogen atom or a substituent. In general formula (F), Z42Is -CR420R421-, -NR423-Represents O or O-. R here420, R421Each represents a hydrogen atom or a substituent, and R423Represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group.
[0171]
R in general formula (E) and general formula (F)40And R45Preferably represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group or an aryl group. R41~ R44And R46~ R49And preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an alkenyl group, an aryl group, a heterocyclic group, an arylthio group, an alkylthio group, an acylamino group, or a sulfonamide group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. is there.
[0172]
R41~ R44In which at least one of these is a donor group and R41And R42Or R43And R44Are preferably electron withdrawing groups. More preferably R41~ R44This is a case where at least one of the above is a donor group. More preferably R41~ R44At least one of them is a donor group and R41~ R44In this case, the group that is not a donor group is a hydrogen atom or an alkyl group.
[0173]
The donor group here is an “electron-donating group” or an aryl group substituted with at least one “electron-donating group”. The donor group is preferably an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic amino group, a 5-membered monocyclic or condensed ring electron-rich aromatic heterocyclic group containing at least one nitrogen atom in the ring, nitrogen A non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group substituted with an atom or a phenyl group substituted with at least one electron-donating group is used. More preferably, an alkylamino group, an arylamino group, a 5-membered monocyclic or condensed ring-excessive aromatic heterocyclic group containing at least one nitrogen atom in the ring (an indole ring, a pyrrole ring, a carbazole ring, etc.) ), A phenyl group substituted with an electron donating group (such as a phenyl group substituted with three or more alkoxy groups, a phenyl group substituted with a hydroxy group, an alkylamino group, or an arylamino group). Particularly preferably, an arylamino group, a 5-membered monocyclic or condensed ring-containing electron-rich aromatic heterocyclic group (especially 3-indolyl group) or an electron donating group containing at least one nitrogen atom in the ring is substituted. A phenyl group (particularly a phenyl group substituted with a trialkoxyphenyl group, an alkylamino group or an arylamino group) is used.
[0174]
Z42Preferably as -CR420R421-Or NR423-, More preferably -NR423-. R420, R421Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a heterocyclic group, an acylamino group, or a sulfoneamino group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. R423Preferably represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group or an aromatic heterocyclic group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group or an aryl group.
[0175]
R40~ R49And R420, R421, R423When each of these groups is a substituent, the total number of carbon atoms is preferably 40 or less, more preferably 30 or less, and particularly preferably 15 or less. These substituents may be bonded to each other or other sites in the molecule (RED41, RED42Or Z42) To form a ring.
[0176]
In the compounds of types 1 to 4 in the present invention, the adsorptive group to silver halide is a group that directly adsorbs to silver halide or a group that promotes adsorption to silver halide. Specifically, mercapto A heterocyclic group containing at least one atom selected from a group (or a salt thereof), a thione group (—C (═S) —), a nitrogen atom, a sulfur atom, a selenium atom and a tellurium atom, a sulfide group, a cationic group, Or an ethynyl group. However, the type 2 compound in the present invention does not contain a sulfide group as an adsorptive group.
[0177]
The mercapto group (or salt thereof) as the adsorptive group means the mercapto group (or salt thereof) itself, and more preferably a heterocyclic group or aryl group substituted with at least one mercapto group (or salt thereof). Or represents an alkyl group. Here, the heterocyclic group is a 5-membered to 7-membered monocyclic or condensed aromatic or non-aromatic heterocyclic group such as an imidazole ring group, a thiazole ring group, an oxazole ring group, or a benzimidazole ring group. , Benzthiazole ring group, benzoxazole ring group, triazole ring group, thiadiazole ring group, oxadiazole ring group, tetrazole ring group, purine ring group, pyridine ring group, quinoline ring group, isoquinoline ring group, pyrimidine ring group, triazine A cyclic group etc. are mentioned. Further, it may be a heterocyclic group containing a quaternized nitrogen atom. In this case, the substituted mercapto group may be dissociated into a meso ion. Examples of such a heterocyclic group include an imidazolium ring group, Examples include a pyrazolium ring group, a thiazolium ring group, a triazolium ring group, a tetrazolium ring group, a thiadiazolium ring group, a pyridinium ring group, a pyrimidinium ring group, and a triazinium ring group. Among them, a triazolium ring group (for example, 1,2,4- Triazolium-3-thiolate ring group) is preferable. Examples of the aryl group include a phenyl group and a naphthyl group. Examples of the alkyl group include linear, branched or cyclic alkyl groups having 1 to 30 carbon atoms. When the mercapto group forms a salt, the counter ion is a cation such as an alkali metal, alkaline earth metal, or heavy metal (Li+, Na+, K+, Mg2+, Ag+, Zn2+And the like, ammonium ions, quaternized heterocyclic groups containing nitrogen atoms, phosphonium ions, and the like.
[0178]
Further, the mercapto group as the adsorptive group may be tautomerized into a thione group, specifically, a thioamide group (here, —C (═S) —NH— group), and the thioamide group. A group having a partial structure of, ie, a chain or cyclic thioamide group, a thioureido group, a thiourethane group, or a dithiocarbamate group. Examples of cyclic groups include thiazolidine-2-thione group, oxazolidine-2-thione group, 2-thiohydantoin group, rhodanine group, isorhodanine group, thiobarbituric acid group, 2-thioxo-oxazolidine-4-one group Is mentioned.
[0179]
The thione group as an adsorptive group cannot be tautomerized to a mercapto group (including a hydrogen atom at the α-position of the thione group), including the case where the mercapto group described above is tautomerized into a thione group. A chain or cyclic thioamide group, thioureido group, thiourethane group, or dithiocarbamate group is also included.
[0180]
A heterocyclic group containing at least one atom selected from a nitrogen atom, a sulfur atom, a selenium atom and a tellurium atom as the adsorptive group is a -NH- group capable of forming imino silver (> NAg) and a partial structure of the heterocyclic ring A nitrogen-containing heterocyclic group, or a '-S-' group, a '-Se-' group, a '-Te-' group, or a '= N-' group that can be coordinated to a silver ion by a coordination bond. A heterocyclic group having a heterocyclic partial structure. Examples of the former include a benzotriazole group, a triazole group, an indazole group, a pyrazole group, a tetrazole group, a benzimidazole group, an imidazole group, and a purine group. Thiophene group, thiazole group, oxazole group, benzothiazole group, benzoxazole group, thiadiazole group, oxadiazole group, triazine group, seleno Tetrazole group, benz seleno azole group, tellurium azole group, such as benz tellurium azole group. The former is preferred.
[0181]
The sulfide group as the adsorptive group includes all groups having a partial structure of “—S—”, preferably alkyl (or alkylene) -S-alkyl (or alkylene), aryl (or arylene) -S—. A group having a partial structure of alkyl (or alkylene), aryl (or arylene) -S-aryl (or arylene). Furthermore, these sulfide groups may form a cyclic structure or may be an -S-S- group. Specific examples in the case of forming a cyclic structure include a thiolane ring, a 1,3-dithiolane ring or a 1,2-dithiolane ring, a thiane ring, a dithiane ring, a tetrahydro-1,4-thiazine ring (thiomorpholine ring) and the like. Groups. Particularly preferred as the sulfide group is a group having a partial structure of alkyl (or alkylene) -S-alkyl (or alkylene).
[0182]
The cationic group as the adsorptive group means a group containing a quaternized nitrogen atom, specifically, an ammonio group or a group containing a nitrogen-containing heterocyclic group containing a quaternized nitrogen atom. . However, the cationic group does not become a part of an atomic group forming a dye structure (for example, a cyanine chromophore). Here, the ammonio group is a trialkylammonio group, a dialkylarylammonio group, an alkyldiarylammonio group or the like, and examples thereof include a benzyldimethylammonio group, a trihexylammonio group, and a phenyldiethylammonio group. Examples of the nitrogen-containing heterocyclic group containing a quaternized nitrogen atom include a pyridinio group, a quinolinio group, an isoquinolinio group, an imidazolio group, and the like. A pyridinio group and an imidazolio group are preferable, and a pyridinio group is particularly preferable. These nitrogen-containing heterocyclic groups containing a quaternized nitrogen atom may have an arbitrary substituent, but in the case of a pyridinio group and an imidazolio group, the substituent is preferably an alkyl group, an aryl group, or an acylamino group. , A chloro atom, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, and the like. In the case of a pyridinio group, a phenyl group is particularly preferable as a substituent.
[0183]
An ethynyl group as an adsorptive group means a —C≡CH group, and a hydrogen atom may be substituted.
The above adsorptive group may have an arbitrary substituent.
[0184]
Specific examples of the adsorptive group further include those described in pages 4 to 7 of JP-A No. 11-95355.
[0185]
Preferred as the adsorptive group in the present invention is a mercapto-substituted nitrogen-containing heterocyclic group (for example, 2-mercaptothiadiazole group, 3-mercapto-1,2,4-triazole group, 5-mercaptotetrazole group, 2-mercapto-1). , 3,4-oxadiazole group, 2-mercaptobenzoxazole group, 2-mercaptobenzthiazole group, 1,5-dimethyl-1,2,4-triazolium-3-thiolate group, etc.) or imino silver (> A nitrogen-containing heterocyclic group (for example, a benzotriazole group, a benzimidazole group, an indazole group, etc.) having a —NH— group that can form NAg) as a partial structure of the heterocyclic ring. Particularly preferred are a 5-mercaptotetrazole group, a 3-mercapto-1,2,4-triazole group, and a benzotriazole group, and most preferred are a 3-mercapto-1,2,4-triazole group, and 5 -Mercaptotetrazole group.
[0186]
Among these compounds, compounds having two or more mercapto groups as partial structures in the molecule are also particularly preferable compounds. Here, the mercapto group (—SH) may be a thione group if it can be tautomerized. Examples of such compounds include the above-described adsorptive groups having a mercapto group or thione group as a partial structure (for example, a ring-forming thioamide group, an alkyl mercapto group, an aryl mercapto group, a heterocyclic mercapto group, etc.) in the molecule. Or a compound having two or more mercapto groups or thione groups as a partial structure (for example, a dimercapto-substituted nitrogen-containing heterocyclic group). You may have one or more.
[0187]
Examples of the adsorptive group having two or more mercapto groups as a partial structure (such as a dimercapto-substituted nitrogen-containing heterocyclic group) include 2,4-dimercaptopyrimidine group, 2,4-dimercaptotriazine group, 3, 5-dimercapto-1,2,4-triazole group, 2,5-dimercapto-1,3-thiazole group, 2,5-dimercapto-1,3-oxazole group, 2,7-dimercapto-5-methyl-s -Triazolo (1,5-A) -pyrimidine, 2,6,8-trimercaptopurine, 6,8-dimercaptopurine, 3,5,7-trimercapto-s-triazolotriazine, 4,6-di And mercaptopyrazolopyrimidine, 2,5-dimercaptoimidazole, etc., 2,4-dimercaptopyrimidine group, 2,4-dimercaptotriazine group, 3, - dimercapto-1,2,4-triazole group are particularly preferred.
[0188]
The adsorptive group may be substituted anywhere in the general formulas (A) to (F) and the general formulas (1) to (3), but in the general formulas (A) to (D), RED11, RED12, RED2, RED3In the general formulas (E) and (F), RED41, R41, RED42, R46~ R48In the general formulas (1) to (3), R1, R2, R11, R12, R31, L1, L21, L31It is preferably substituted at any position except for RED, and RED in all of the general formulas (A) to (F)11~ RED42More preferably, it is substituted.
[0189]
The partial structure of the spectral sensitizing dye is a group containing a chromophore of the spectral sensitizing dye, and is a residue obtained by removing any hydrogen atom or substituent from the spectral sensitizing dye compound. The partial structure of the spectral sensitizing dye may be substituted anywhere in the general formulas (A) to (F) and the general formulas (1) to (3), but in the general formulas (A) to (D), RED11, RED12, RED2, RED3In the general formulas (E) and (F), RED41, R41, RED42, R46~ R48In the general formulas (1) to (3), R1, R2, R11, R12, R31, L1, L21, L31It is preferably substituted at any position except for RED, and RED in all of the general formulas (A) to (F)11~ RED42More preferably, it is substituted. Preferred spectral sensitizing dyes are spectral sensitizing dyes typically used in color sensitization techniques such as cyanine dyes, complex cyanine dyes, merocyanine dyes, complex merocyanine dyes, homopolar cyanine dyes, Includes styryl dyes and hemicyanine dyes. Exemplary spectral sensitizing dyes are disclosed in Research Disclosure, Item 36544, September 1994. Research Disclosure or F.I. M.M. One of ordinary skill in the art can synthesize these dyes by the procedure described in Hammer's The Cyanines and Related Compounds (Interscience Publishers, New yprk, 1964). Further, all the dyes described in JP-A-11-95355 (US Pat. No. 6,054,260), pages 7 to 14 are applied as they are.
[0190]
The compounds of types 1 to 4 in the present invention preferably have a total carbon number of 10 to 60. More preferably, it is 15-50, More preferably, it is 18-40, Most preferably, it is 18-30.
[0191]
The compounds of types 1 to 4 in the present invention are subjected to one-electron oxidation triggered by the exposure of the silver halide photographic light-sensitive material using the compound, and after the subsequent reaction, one more electron or two or more electrons depending on the type Electrons are emitted and oxidized, and the oxidation potential of the first electron is preferably about 1.4 V or less, and more preferably 1.0 V or less. This oxidation potential is preferably higher than 0V, more preferably higher than 0.3V. Accordingly, the oxidation potential is preferably in the range of about 0 to about 1.4V, more preferably about 0.3 to about 1.0V.
[0192]
Here, the oxidation potential can be measured by a cyclic voltammetry technique. Specifically, a sample is dissolved in a solution of acetonitrile: water (including 0.1 M lithium perchlorate) = 80%: 20% (volume%). After bubbling nitrogen gas for 10 minutes, a glassy carbon disk was used as the working electrode, a platinum wire was used as the counter electrode, and a calomel electrode (SCE) was used as the reference electrode at 25 ° C. and 0.1 V / Measured at a potential scanning speed of seconds. The oxidation potential versus SCE is taken at the peak potential of the cyclic voltammetry wave.
[0193]
In the case where the compounds of types 1 to 4 in the present invention are one-electron oxidized and further emit one electron after the subsequent reaction, the subsequent oxidation potential is preferably −0.5 V to −2 V. More preferably, it is -0.7V--2V, More preferably, it is -0.9V--1.6V.
[0194]
In the case where the compound of type 1 to 4 in the present invention is a compound which is oxidized by one electron and then emits two or more electrons after the subsequent reaction and is oxidized, there is no particular limitation on the oxidation potential of this latter stage. Absent. This is because the oxidation potential of the second electron and the oxidation potential of the third and subsequent electrons cannot be clearly distinguished, and it is often difficult to accurately measure and distinguish these actually.
[0195]
Next, the compound of type 5 will be described.
A compound of type 5 is represented by XY, where X represents a reducing group, Y represents a leaving group, and a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation of the reducing group represented by X is This is a compound capable of releasing X by further elimination of Y with subsequent XY bond cleavage reaction to generate an X radical, from which another electron is emitted. The reaction when such a type 5 compound is oxidized can be represented by the following formula.
[0196]
Embedded image
Figure 2004334077
[0197]
The compound of type 5 preferably has an oxidation potential of 0 to 1.4V, more preferably 0.3V to 1.0V. The oxidation potential of the radical X · generated in the above reaction formula is preferably −0.7 V to −2.0 V, more preferably −0.9 V to −1.6 V.
[0198]
The compound of type 5 is preferably represented by the general formula (G).
[0199]
General formula (G)
Embedded image
Figure 2004334077
[0200]
In general formula (G), RED0Represents a reducing group, L0Represents a leaving group, R0And R00Represents a hydrogen atom or a substituent. RED0  And R0And R0And R00And may be bonded to each other to form a ring structure. RED0Is RED of general formula (C)2Represents the same group, and the preferred range is also the same. R0And R00Is R in the general formula (C)21And R22The preferred range is also the same. However, R0And R00Except for the hydrogen atom, L0Does not represent the same group as RED0And R0May be bonded to each other to form a ring structure, and examples of the ring structure include RED of the general formula (C).2And R21Examples are the same as in the case of linking to form a ring structure, and the preferred range is also the same. R0And R00Examples of the ring structure formed by bonding to each other include a cyclopentane ring and a tetrahydrofuran ring. In general formula (G), L0Is L in the general formula (C)2The preferred range is also the same.
[0201]
The compound represented by the general formula (G) preferably has an adsorptive group to silver halide or a partial structure of spectral sensitizing dye in the molecule.0When represents a group other than a silyl group, it does not have two or more adsorptive groups in the molecule at the same time. However, the sulfide group as the adsorptive group here is L0You may have two or more regardless of this.
[0202]
Examples of the adsorptive group to the silver halide which the compound represented by the general formula (G) has are the same as the adsorptive groups which the compounds of types 1 to 4 in the present invention may have. In addition, all those described as “silver halide adsorbing groups” on pages 4 to 7 of JP-A No. 11-95355 can be mentioned, and preferred ranges are also the same.
The partial structure of the spectral sensitizing dye that the compound represented by the general formula (G) may have is the partial structure of the spectral sensitizing dye that the compounds of types 1 to 4 in the present invention may have. However, at the same time, all those described as “light-absorbing groups” on pages 7 to 14 of JP-A-11-95355 can be mentioned, and the preferred ranges are also the same.
[0203]
Although the specific example of the compound of the types 1-5 in this invention is enumerated below, this invention is not limited to these.
[0204]
Embedded image
Figure 2004334077
[0205]
Embedded image
Figure 2004334077
[0206]
Embedded image
Figure 2004334077
[0207]
Embedded image
Figure 2004334077
[0208]
The compounds of types 1 to 4 in the present invention are described in detail in Japanese Patent Application No. 2002-192373, Japanese Patent Application No. 2002-188537, Japanese Patent Application No. 2002-188536, Japanese Patent Application No. 2001-272137, and Japanese Patent Application No. 2002-192374, respectively. Same as described compound. Specific examples of compounds described in these patent application specifications can also be given as specific examples of compounds of types 1 to 4 in the present invention. Moreover, the synthesis example of the type 1-4 compound in this invention is also the same as what was described in these patents.
[0209]
Specific examples of the compound of type 5 in the present invention are further described in JP-A-9-211769 (compounds PMT-1 to S-37 described in Table E and Table F on pages 28-32) and JP-A-9-211174. JP-A-11-95355 (compounds INV1-36), JP-T-2001-99696 (compounds 1-74, 80-87, 92-122), US Pat. No. 5,747,235, US Pat. No. 5,747, No. 236, European Patent No. 786692A1 (compounds INV1 to 35), European Patent No. 893732A1, US Pat. No. 6,054,260, US Pat. No. 5,994,051, etc. Examples of compounds referred to as “deprotonated electron donating sensitizers” are mentioned as they are.
[0210]
The compounds of types 1 to 5 in the present invention may be used at any time during the production process of the photothermographic material when preparing the photosensitive silver halide emulsion. For example, at the time of photosensitive silver halide grain formation, desalting step, chemical sensitization, before coating. Moreover, it can also add in several steps in these processes. The addition position is preferably from the end of formation of the photosensitive silver halide grains to before the desalting step, at the time of chemical sensitization (immediately after the start of chemical sensitization to immediately after completion), and before coating, more preferably from the time of chemical sensitization Until before mixing with the non-photosensitive organic silver salt.
[0211]
The compounds of types 1 to 5 in the present invention are preferably added after being dissolved in water, a water-soluble solvent such as methanol or ethanol, or a mixed solvent thereof. When the compound is dissolved in water, the compound having higher solubility when the pH is raised or lowered may be dissolved at a higher or lower pH and added.
[0212]
The compounds of types 1 to 5 in the present invention are preferably used in an image forming layer containing a photosensitive silver halide and a non-photosensitive organic silver salt. Alternatively, it may be diffused at the time of application. The timing of addition of the compound in the present invention is preferably before or after the sensitizing dye, and is preferably 1 × 10 5 per mol of silver halide.-9~ 5x10-1Mole, more preferably 1 × 10-8~ 5x10-2It is contained in the silver halide emulsion layer in a molar ratio.
[0213]
10) Combined use of multiple silver halides
The light-sensitive silver halide emulsion in the light-sensitive material used in the present invention may be one kind or two or more kinds (for example, those having different average grain sizes, different halogen compositions, different crystal habits, chemical increase). Those with different feeling conditions) may be used in combination. The gradation can be adjusted by using a plurality of types of photosensitive silver halides having different sensitivities. Examples of these technologies include JP-A-57-119341, 53-106125, 47-3929, 48-55730, 46-5187, 50-73627, 57-150841 and the like. Can be mentioned. The sensitivity difference is preferably 0.2 log E or more for each emulsion.
[0214]
11) Application amount
The amount of photosensitive silver halide added is 1m of photosensitive material.2Indicated by the amount of applied silver per unit, 0.03-0.6 g / m2Preferably, 0.05 to 0.4 g / m2More preferably, 0.07 to 0.3 g / m2The photosensitive silver halide is preferably 0.01 mol or more and 0.5 mol or less, more preferably 0.02 mol or more and 0.3 mol or less, with respect to 1 mol of the organic silver salt. More preferably, it is 0.03 mol or more and 0.2 mol or less.
[0215]
12) Mixing of photosensitive silver halide and organic silver salt
Regarding the mixing method and mixing conditions of the separately prepared photosensitive silver halide and organic silver salt, the silver halide grains and organic silver salt that were prepared respectively were mixed with a high-speed stirrer, ball mill, sand mill, colloid mill, vibration mill, homogenizer. Etc., or a method of preparing an organic silver salt by mixing photosensitive silver halide that has been prepared at any timing during the preparation of the organic silver salt, etc., but the effect of the present invention is sufficient As long as it appears in, there is no particular limitation. Moreover, mixing two or more organic silver salt aqueous dispersions and two or more photosensitive silver salt aqueous dispersions when mixing is a preferred method for adjusting photographic characteristics.
[0216]
13) Mixing silver halide into coating solution
The preferred addition time of the silver halide to the image forming layer coating solution in the present invention is from 180 minutes before coating to immediately before, preferably from 60 minutes to 10 seconds before coating. There is no particular limitation as long as the effect is sufficiently exhibited. Specific mixing methods include mixing in a tank in which the average residence time calculated from the addition flow rate and the amount of liquid fed to the coater is a desired time, and N.I. Harnby, M.M. F. Edwards, A.D. W. There is a method using a static mixer described in Chapter 8 of Nienow's “Liquid Mixing Technology” (Nikkan Kogyo Shimbun, 1989), translated by Koji Takahashi.
[0217]
<Description of binder>
Any polymer may be used as the binder of the image-forming layer in the present invention. Suitable binders are transparent or translucent and generally colorless, and are natural resins, polymers and copolymers, synthetic resins, polymers and copolymers, and other films. Forming media such as gelatins, gums, poly (vinyl alcohol) s, hydroxyethyl celluloses, cellulose acetates, cellulose acetate butyrates, poly (vinyl pyrrolidone) s, casein, starch, poly (acrylic acid) , Poly (methyl methacrylic acid) s, poly (vinyl chloride) s, poly (methacrylic acid) s, styrene-maleic anhydride copolymers, styrene-acrylonitrile copolymers, styrene-butadiene copolymers, Poly (vinyl acetal) s (for example, poly (vinyl acetal) (Formal) and poly (vinyl butyral)), poly (esters), poly (urethane) s, phenoxy resins, poly (vinylidene chloride) s, poly (epoxides), poly (carbonates), poly (vinyl acetate) s , Poly (olefin) s, cellulose esters, and poly (amides). The binder may be formed from water, an organic solvent or an emulsion.
[0218]
In the present invention, the glass transition temperature of the binder that can be used in combination with the layer containing the organic silver salt is preferably 0 ° C. or higher and 80 ° C. or lower (hereinafter sometimes referred to as a high Tg binder), and preferably 10 ° C. to 70 ° C. Is more preferable, and it is still more preferable that it is 15 to 60 degreeC.
[0219]
In this specification, Tg was calculated by the following formula.
1 / Tg = Σ (Xi / Tgi)
Here, it is assumed that n monomer components from i = 1 to n are copolymerized in the polymer. Xi is the weight fraction of the i-th monomer (ΣXi = 1), and Tgi is the glass transition temperature (absolute temperature) of the homopolymer of the i-th monomer. However, Σ is the sum from i = 1 to n. The homopolymer glass transition temperature value (Tgi) of each monomer was the value of Polymer Handbook (3rd Edition) (by J. Brandrup, EH Immergut (Wiley-Interscience, 1989)).
[0220]
Two or more binders may be used in combination as required. Further, a glass transition temperature of 20 ° C. or higher and a glass transition temperature of less than 20 ° C. may be used in combination. When two or more kinds of polymers having different Tg are blended, the weight average Tg is preferably within the above range.
[0221]
In the present invention, it is preferable that the image forming layer is coated and dried using a coating solution in which 30% by mass or more of the solvent is water to form a film.
In the present invention, when the image forming layer is formed using a coating solution in which 30% by mass or more of the solvent is water and dried, the binder of the image forming layer is further added to an aqueous solvent (aqueous solvent). When it is soluble or dispersible, the performance is improved particularly when it is made of a latex of a polymer having an equilibrium water content of 2% by mass or less at 25 ° C. and 60% RH. The most preferable form is one prepared so that the ionic conductivity is 2.5 mS / cm or less, and as such a preparation method, there is a method of performing purification treatment using a separation functional membrane after polymer synthesis.
[0222]
The aqueous solvent in which the polymer is soluble or dispersible here is a mixture of water or water and 70% by mass or less of a water-miscible organic solvent. Examples of the water-miscible organic solvent include alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol and propyl alcohol, cellosolves such as methyl cellosolve, ethyl cellosolve and butyl cellosolve, ethyl acetate and dimethylformamide.
[0223]
In the case of a system in which the polymer is not dissolved thermodynamically and exists in a so-called dispersed state, the term aqueous solvent is used here.
[0224]
The “equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH” is the following using the weight W1 of the polymer in the humidity-controlled equilibrium under the atmosphere of 25 ° C. and 60% RH and the weight W0 of the polymer in the absolutely dry state at 25 ° C. It can be expressed as
Equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH = {(W1−W0) / W0} × 100 (mass%)
[0225]
For the definition and measurement method of moisture content, for example, Polymer Engineering Course 14, Polymer Material Testing Method (Edited by Society of Polymer Sciences, Jinshokan) can be referred to.
[0226]
The equilibrium water content at 25 ° C. and 60% RH of the binder polymer in the present invention is preferably 2% by mass or less, more preferably 0.01% by mass or more and 1.5% by mass or less, and further preferably 0.02% by mass. % To 1% by mass is desirable.
[0227]
In the present invention, a polymer dispersible in an aqueous solvent is particularly preferred. Examples of the dispersed state may be either latex in which fine particles of water-insoluble hydrophobic polymer are dispersed or polymer molecules dispersed in a molecular state or forming micelles. preferable. The average particle size of the dispersed particles is 1 to 50000 nm, preferably 5 to 1000 nm, more preferably 10 to 500 nm, and still more preferably 50 to 200 nm. The particle size distribution of the dispersed particles is not particularly limited, and may have a wide particle size distribution or a monodispersed particle size distribution. Mixing two or more types having a monodispersed particle size distribution is also a preferable method for controlling the physical properties of the coating solution.
[0228]
In the present invention, preferred embodiments of the polymer that can be dispersed in an aqueous solvent include acrylic polymers, poly (esters), rubbers (eg, SBR resin), poly (urethanes), poly (vinyl chloride) s, poly (acetic acid). Hydrophobic polymers such as vinyl), poly (vinylidene chloride) and poly (olefin) can be preferably used. These polymers may be linear polymers, branched polymers, crosslinked polymers, so-called homopolymers obtained by polymerizing a single monomer, or copolymers obtained by polymerizing two or more types of monomers. In the case of a copolymer, it may be a random copolymer or a block copolymer. These polymers have a number average molecular weight of 5,000 to 1,000,000, preferably 10,000 to 200,000. When the molecular weight is too small, the mechanical strength of the image forming layer is insufficient, and when the molecular weight is too large, the film formability is poor, which is not preferable. A crosslinkable polymer latex is particularly preferably used.
[0229]
(Specific examples of latex)
Specific examples of preferable polymer latex include the following. Below, it represents using a raw material monomer, the numerical value in a parenthesis is the mass%, and molecular weight is a number average molecular weight. When a polyfunctional monomer was used, the concept of molecular weight was not applicable because a crosslinked structure was formed, so it was described as crosslinkability, and the description of molecular weight was omitted. Tg represents the glass transition temperature.
[0230]
Latex of P-1; -MMA (70) -EA (27) -MAA (3)-(molecular weight 37000, Tg 61 ° C.)
Latex of P-2; -MMA (70) -2EHA (20) -St (5) -AA (5)-(molecular weight 40000, Tg 59 ° C.)
P-3; latex of -St (50) -Bu (47) -MAA (3)-(crosslinkability, Tg-17 ° C)
Latex of P-4; -St (68) -Bu (29) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 17 ° C.)
Latex of P-5; -St (71) -Bu (26) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 24 ° C.)
Latex of P-6; -St (70) -Bu (27) -IA (3)-(crosslinkability)
Latex of P-7; -St (75) -Bu (24) -AA (1)-(crosslinkability, Tg 29 ° C.)
Latex (crosslinkability) of P-8; -St (60) -Bu (35) -DVB (3) -MAA (2)-
Latex (crosslinkability) of P-9; -St (70) -Bu (25) -DVB (2) -AA (3)-
P-10; latex of VC (50) -MMA (20) -EA (20) -AN (5) -AA (5)-(molecular weight 80000)
P-11; latex of VDC (85) -MMA (5) -EA (5) -MAA (5)-(molecular weight 67000)
Latex of P-12; -Et (90) -MAA (10)-(molecular weight 12000)
P-13; Latex of -St (70) -2EHA (27) -AA (3) (molecular weight 130000, Tg 43 ° C)
P-14; latex of MMA (63) -EA (35) -AA (2) (molecular weight 33000, Tg 47 ° C.)
Latex of P-15; -St (70.5) -Bu (26.5) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 23 ° C.)
Latex of P-16; -St (69.5) -Bu (27.5) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 20.5 ° C)
[0231]
The abbreviations for the above structures represent the following monomers. MMA; methyl methacrylate, EA; ethyl acrylate, MAA; methacrylic acid, 2EHA; 2-ethylhexyl acrylate, St; styrene, Bu; butadiene, AA; acrylic acid, DVB; divinylbenzene, VC; vinyl chloride, AN; Vinylidene chloride, Et; ethylene, IA; itaconic acid.
[0232]
The polymer latex described above is also commercially available, and the following polymers can be used. Examples of the acrylic polymer include Sebian A-4635, 4718, 4601 (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.), Nipol Lx811, 814, 821, 820, 857 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), poly ( Examples of esters) include, for example, poly (urethanes) such as FINETEX ES650, 611, 675, 850 (above made by Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.), WD-size, WMS (more made by Eastman Chemical). Examples of rubbers such as HYDRAN AP10, 20, 30, 40 (more from Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.) include LACSTAR 7310K, 3307B, 4700H, 7132C (more from Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.), Nipol Lx416, 410, 438C, 2507 (made by Nippon Zeon Co., Ltd.) However, examples of poly (vinyl chloride) include G351 and G576 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), and examples of poly (vinylidene chloride) include L502 and L513 (manufactured by Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd.). Examples of poly (olefin) s include Chemipearl S120, SA100 (manufactured by Mitsui Petrochemical Co., Ltd.).
[0233]
These polymer latexes may be used alone or in combination of two or more as required.
[0234]
(Preferred latex)
As the polymer latex used in the present invention, a styrene-butadiene copolymer latex is particularly preferable. The weight ratio of the styrene monomer unit to the butadiene monomer unit in the styrene-butadiene copolymer is preferably 40:60 to 95: 5. The proportion of the styrene monomer unit and the butadiene monomer unit in the copolymer is preferably 60 to 99% by mass. Moreover, it is preferable that the polymer latex in this invention contains 1-6 mass% of acrylic acid or methacrylic acid with respect to the sum of styrene and butadiene, More preferably, it contains 2-5 mass%. The polymer latex in the present invention preferably contains acrylic acid. The preferred molecular weight range is the same as described above.
[0235]
Examples of latexes of styrene-butadiene acid copolymer that are preferably used in the present invention include the aforementioned P-3 to P-8,15, commercially available LACSTAR-3307B, 7132C, Nipol Lx416, and the like.
[0236]
If necessary, a hydrophilic polymer such as gelatin, polyvinyl alcohol, methylcellulose, hydroxypropylcellulose, carboxymethylcellulose may be added to the image forming layer of the light-sensitive material of the present invention. The amount of these hydrophilic polymers added is preferably 30% by mass or less, more preferably 20% by mass or less, based on the total binder of the image forming layer.
[0237]
The organic silver salt-containing layer (that is, the image forming layer) in the present invention is preferably formed using a polymer latex. The amount of binder in the image forming layer is such that the weight ratio of total binder / organic silver salt is 1/10 to 10/1, more preferably 1/3 to 5/1, and still more preferably 1/1 to 3/1. Range.
[0238]
Further, such an organic silver salt-containing layer is usually a photosensitive layer (image forming layer) containing a photosensitive silver halide which is a photosensitive silver salt. The weight ratio of silver halide is in the range of 400-5, more preferably 200-10.
[0239]
The total binder amount of the image forming layer in the present invention is preferably 0.2 to 30 g / m.2, More preferably 1-15 g / m2More preferably, 2 to 10 g / m2Range. In the image forming layer of the present invention, a crosslinking agent for crosslinking, a surfactant for improving coating properties, and the like may be added.
[0240]
<Preferable solvent for coating solution>
In the present invention, the solvent of the image forming layer coating solution of the light-sensitive material (here, for simplicity, the solvent and the dispersion medium are collectively referred to as a solvent) is preferably an aqueous solvent containing 30% by mass or more of water. As a component other than water, any water-miscible organic solvent such as methyl alcohol, ethyl alcohol, isopropyl alcohol, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, dimethylformamide, and ethyl acetate may be used. The water content of the solvent of the coating solution is preferably 50% by mass or more, more preferably 70% by mass or more. Examples of preferred solvent compositions include water, water / methyl alcohol = 90/10, water / methyl alcohol = 70/30, water / methyl alcohol / dimethylformamide = 80/15/5, water / methyl alcohol / Ethyl cellosolve = 85/10/5, water / methyl alcohol / isopropyl alcohol = 85/10/5, etc. (numerical values are mass%).
[0241]
<Description of antifogging agent>
Antifoggants, stabilizers and stabilizer precursors that can be used in the present invention are disclosed in paragraph No. 0070 of JP-A No. 10-62899, page 20, line 57 to page 21, line 7 of European Patent Publication No. 0803764A1. Compounds described in JP-A-9-281737 and JP-A-9-329864, compounds described in US Pat. Nos. 6,083,681, 6,083,681, and European Patent 1048875 It is done. The antifoggant preferably used in the present invention is an organic halide, and examples thereof include those disclosed in the patents described in paragraph Nos. 0111 to 0112 of JP-A No. 11-65021. In particular, an organic halogen compound represented by formula (P) in JP-A No. 2000-284399, an organic polyhalogen compound represented by formula (II) in JP-A No. 10-339934, JP-A No. 2001-31644 and JP-A No. 2001-31644 are disclosed. The organic polyhalogen compounds described in 2001-33911 are preferred.
[0242]
(Description of polyhalogen compounds)
Hereinafter, the organic polyhalogen compound preferable in the present invention will be specifically described. A preferred polyhalogen compound in the present invention is a compound represented by the following general formula (H).
General formula (H)
Q- (Y) n-C (Z1) (Z2) X
In the general formula (H), Q represents an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group, Y represents a divalent linking group, n represents 0 or 1, Z1And Z2Represents a halogen atom, and X represents a hydrogen atom or an electron withdrawing group.
In general formula (H), Q is preferably an aryl group or a heterocyclic group.
In the general formula (H), when Q is a heterocyclic group, a nitrogen-containing heterocyclic group containing 1 to 2 nitrogen atoms is preferable, and a 2-pyridyl group and a 2-quinolyl group are particularly preferable.
In the general formula (H), when Q is an aryl group, Q preferably represents a phenyl group substituted with an electron-attracting group having a positive Hammett's substituent constant σp. For Hammett's substituent constants, see Journal of Medicinal Chemistry, 1973, Vol. 16, no. 11, 1207-1216 etc. can be referred to. Examples of such an electron withdrawing group include a halogen atom (fluorine atom (σp value: 0.06), chlorine atom (σp value: 0.23), bromine atom (σp value: 0.23), iodine atom. (Σp value: 0.18)), trihalomethyl group (tribromomethyl (σp value: 0.29), trichloromethyl (σp value: 0.33), trifluoromethyl (σp value: 0.54)), Cyano group (σp value: 0.66), nitro group (σp value: 0.78), aliphatic / aryl or heterocyclic sulfonyl group (for example, methanesulfonyl (σp value: 0.72)), aliphatic / aryl Or a heterocyclic acyl group (for example, acetyl (σp value: 0.50), benzoyl (σp value: 0.43)), alkynyl group (for example, C≡CH (σp value: 0.23)), aliphatic Aryl or heterocyclic oxycarbo Group (for example, methoxycarbonyl (σp value: 0.45), phenoxycarbonyl (σp value: 0.44)), carbamoyl group (σp value: 0.36), sulfamoyl group (σp value: 0.57), Examples thereof include a sulfoxide group, a heterocyclic group, and a phosphoryl group. The σp value is preferably in the range of 0.2 to 2.0, more preferably in the range of 0.4 to 1.0. Particularly preferred as the electron withdrawing group is a carbamoyl group, an alkoxycarbonyl group, an alkylsulfonyl group or an alkylphosphoryl group, and among them, a carbamoyl group is most preferred.
X is preferably an electron-withdrawing group, more preferably a halogen atom, aliphatic / aryl or heterocyclic sulfonyl group, aliphatic / aryl or heterocyclic acyl group, aliphatic / aryl or heterocyclic oxycarbonyl group, A carbamoyl group and a sulfamoyl group, particularly preferably a halogen atom. Among the halogen atoms, a chlorine atom, a bromine atom and an iodine atom are preferable, a chlorine atom and a bromine atom are more preferable, and a bromine atom is particularly preferable.
Y is preferably -C (= O)-, -SO- or SO2-, More preferably -C (= O)-, -SO2-, Particularly preferably -SO2-. n represents 0 or 1, and is preferably 1.
[0243]
Specific examples of the compound represented by formula (H) in the present invention are shown below.
[0244]
Embedded image
Figure 2004334077
[0245]
Examples of preferred polyhalogen compounds in the present invention other than those described above include compounds described in JP-A Nos. 2001-31644, 2001-56526, and 2001-209145.
The compound represented by the general formula (H) in the present invention is 10 per mole of the non-photosensitive silver salt of the image forming layer.-4It is preferably used in the range of ˜1 mol, more preferably 10-3In the range of ~ 0.5 mol, more preferably 1 × 10-2It is preferable to use in the range of ~ 0.2 mol.
In the present invention, the antifoggant is added to the light-sensitive material by the method described in the method for containing a reducing agent, and the organic polyhalogen compound is also preferably added as a solid fine particle dispersion.
[0246]
(Other antifoggants)
Examples of other antifoggants include mercury (II) salts described in paragraph No. 0113 of JP-A No. 11-65021, benzoic acids of paragraph No. 0114 of the same, salicylic acid derivatives disclosed in JP-A No. 2000-206642, and formulas described in JP-A No. 2000-221634. A formalin scavenger compound represented by (S), a triazine compound according to claim 9 of JP-A-11-352624, a compound represented by formula (III) of JP-A-6-11791, 4-hydroxy-6-6 And methyl-1,3,3a, 7-tetrazaindene and the like.
[0247]
The photothermographic material in the invention may contain an azolium salt for the purpose of fog prevention. Examples of the azolium salt include compounds represented by general formula (XI) described in JP-A-59-193447, compounds described in JP-B-55-12581, and general formula (II) described in JP-A-60-153039. And the compounds represented. The azolium salt may be added to any part of the light-sensitive material, but the addition layer is preferably added to the layer having the image forming layer, and more preferably added to the image forming layer. The azolium salt may be added at any step during the preparation of the coating solution, and when added to the image forming layer, any step from the preparation of the organic silver salt to the preparation of the coating solution may be used. Immediately before is preferable. The azolium salt may be added by any method such as powder, solution, fine particle dispersion. Moreover, you may add as a solution mixed with other additives, such as a sensitizing dye, a reducing agent, and a color toning agent. In the present invention, any amount of the azolium salt may be added, but 1 × 10 10 per silver mole.-6Preferred is 1 mol or more and 2 mol or less.-3More preferably, it is more than mol and less than 0.5 mol.
[0248]
<Other additives>
1) Mercapto, disulfide, and thiones
In the present invention, a mercapto compound, a disulfide compound, and a thione compound can be contained in order to suppress or promote development to control development, to improve spectral sensitization efficiency, and to improve storage stability before and after development. JP-A-10-62899, paragraphs 0067 to 0069, JP-A-10-186572, the compound represented by the general formula (I) and specific examples thereof include paragraphs 0033 to 0052, EP 080376A1, No. 20 pages, lines 36-56. Of these, mercapto-substituted heteroaromatic compounds described in JP-A-9-297367, JP-A-9-304875, JP-A-2001-100388, JP-A-2002-303955, JP-A-2002-303951, and the like are preferable.
[0249]
2) Color preparation
In the photothermographic material of the present invention, it is preferable to add a color toning agent. Regarding the color toning agent, paragraph Nos. 0054 to 0055 of JP-A No. 10-62899, page 21, lines 23 to 48 of European Patent Publication No. 0803764A1, No. 2000-356317 and JP-A No. 2000-187298. In particular, phthalazinones (phthalazinone, phthalazinone derivatives or metal salts; for example, 4- (1-naphthyl) phthalazinone, 6-chlorophthalazinone, 5,7 -Dimethoxyphthalazinone and 2,3-dihydro-1,4-phthalazinedione); phthalazinones and phthalic acids (eg phthalic acid, 4-methylphthalic acid, 4-nitrophthalic acid, diammonium phthalate, sodium phthalate) , Potassium phthalate and tetrachlorophthalic anhydride); Razines (phthalazine, phthalazine derivatives or metal salts; for example, 4- (1-naphthyl) phthalazine, 6-isopropylphthalazine, 6-t-butylphthalazine, 6-chlorophthalazine, 5,7-dimethoxyphthalazine and 2 , 3-dihydrophthalazine); a combination of phthalazines and phthalic acids is preferred, and a combination of phthalazines and phthalic acids is particularly preferred. Among them, a particularly preferable combination is a combination of 6-isopropylphthalazine and phthalic acid or 4-methylphthalic acid.
[0250]
3) Plasticizer, lubricant
A plasticizer and a lubricant that can be used in the image forming layer in the invention are described in paragraph No. 0117 of JP-A No. 11-65021. The slip agent is described in JP-A No. 11-84573, paragraph numbers 0061 to 0064 and Japanese Patent Application No. 11-106881, paragraph numbers 0049 to 0062.
[0251]
4) Dyes and pigments
In the image forming layer according to the invention, various dyes and pigments (for example, CI Pigment Blue 60, CI Pigment Blue 64, C.I. Pigment Blue 64, C.I. I. Pigment Blue 15: 6) can be used. These are described in detail in WO98 / 36322, JP-A-10-268465, JP-A-11-338098 and the like.
[0252]
5) Ultra-high contrast agent
In order to form an ultrahigh contrast image suitable for printing plate making applications, it is preferable to add an ultrahigh contrast agent to the image forming layer. As for the super-high contrast agent and its addition method and addition amount, paragraph No. 0118 of JP-A No. 11-65021, paragraph Nos. 0136 to 0193 of JP-A No. 11-223898, formula (H) of JP-A No. 2000-284399, Compounds of formulas (1) to (3), formulas (A) and (B), compounds of general formulas (III) to (V) described in Japanese Patent Application No. 11-91652 (specific compounds: 24), the contrast accelerator is described in paragraph No. 0102 of JP-A No. 11-65021 and paragraph Nos. 0194 to 0195 of JP-A No. 11-223898.
[0253]
In order to use formic acid or formate as a strong fogging substance, it is preferably contained in an amount of 5 mmol or less, more preferably 1 mmol or less per mol of silver on the side having an image forming layer containing photosensitive silver halide.
[0254]
When the ultrahigh contrast agent is used in the photothermographic material of the invention, it is preferable to use an acid formed by hydrating diphosphorus pentoxide or a salt thereof in combination. Acids or salts thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide include metaphosphoric acid (salt), pyrophosphoric acid (salt), orthophosphoric acid (salt), triphosphoric acid (salt), tetraphosphoric acid (salt), hexametalin An acid (salt) etc. can be mentioned. Examples of the acid or salt thereof formed by hydrating diphosphorus pentoxide particularly preferably include orthophosphoric acid (salt) and hexametaphosphoric acid (salt). Specific examples of the salt include sodium orthophosphate, sodium dihydrogen orthophosphate, sodium hexametaphosphate, and ammonium hexametaphosphate.
Use amount of acid or salt thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide (1m of photosensitive material)2The coating amount per unit) may be a desired amount according to the performance such as sensitivity and fog, but 0.1 to 500 mg / m2Is preferably 0.5 to 100 mg / m2Is more preferable.
The reducing agent, hydrogen bonding compound, development accelerator and polyhalogen compound in the present invention are preferably used as solid dispersions, and a preferred method for producing these solid dispersions is described in JP-A-2002-55405. Yes.
[0255]
<Preparation and application of coating solution>
The preparation temperature of the image forming layer coating solution in the present invention is preferably 30 ° C. or more and 65 ° C. or less, more preferably 35 ° C. or more and less than 60 ° C., and more preferably 35 ° C. or more and 55 ° C. or less. Moreover, it is preferable that the temperature of the image forming layer coating liquid immediately after the addition of the polymer latex is maintained at 30 ° C. or higher and 65 ° C. or lower.
[0256]
<Other layer configurations and components>
1) Anti-halation layer
In the photothermographic material of the present invention, the antihalation layer can be provided on the side farther from the light source than the image forming layer.
[0257]
As for the antihalation layer, paragraphs 0123 to 0124 of JP-A-11-65021, JP-A-11-223898, 9-230531, 10-36695, 10-104779, 11-231457, 11 -352625, 11-352626 and the like.
The antihalation layer contains an antihalation dye having absorption at the exposure wavelength. When the exposure wavelength is in the infrared region, an infrared absorbing dye may be used, and in that case, a dye having no absorption in the visible region is preferable.
When antihalation is performed using a dye having absorption in the visible range, it is preferable that the dye color does not substantially remain after image formation, and a means for decoloring by the heat of heat development is used. In particular, it is preferable to add a thermally decolorable dye and a base precursor to the non-photosensitive layer to function as an antihalation layer. These techniques are described in JP-A-11-231457 and the like.
[0258]
The amount of decoloring dye added is determined by the use of the dye. In general, the optical density (absorbance) measured at the target wavelength is used in an amount exceeding 0.1. The optical density is preferably 0.15 to 2, and more preferably 0.2 to 1. The amount of dye used to obtain such an optical density is generally 0.001 to 1 g / m.2Degree.
[0259]
When the dye is decolored in this way, the optical density after heat development can be reduced to 0.1 or less. Two or more kinds of decoloring dyes may be used in combination in a heat decoloring type recording material or a photothermographic material. Similarly, two or more kinds of base precursors may be used in combination.
In the thermal decoloration using such decoloring dye and base precursor, a substance (for example, diphenylsulfone, which lowers the melting point by 3 ° C. (deg) or more when mixed with a base precursor as described in JP-A No. 11-352626). 4-Chlorophenyl (phenyl) sulfone), 2-naphthyl benzoate and the like are preferably used in view of thermal decoloring properties.
[0260]
2) Back layer
The back layer applicable to the present invention is described in paragraph Nos. 0128 to 0130 of JP-A No. 11-65021.
[0261]
In the present invention, a colorant having an absorption maximum at 300 to 450 nm can be added for the purpose of improving the silver color tone and the temporal change of the image. Such colorants are disclosed in JP-A-62-210458, JP-A-63-104046, JP-A-63-103235, JP-A-63-208846, JP-A-63-306436, JP-A-63-141435, and JP-A-01-61745. No. 1, Japanese Patent Laid-Open No. 2001-100363, and the like.
Such colorants are typically 0.1 mg / m2~ 1g / m2A back layer provided on the opposite side of the image forming layer is preferable as the layer to be added in the range of.
In order to adjust the base color tone, it is preferable to use a dye having an absorption peak at 580 to 680 nm. As the dye for this purpose, azomethine-based oil-soluble dyes described in JP-A-4-359967 and JP-A-4-359968 having a small absorption intensity on the short wavelength side, and phthalocyanine-based water-soluble dyes described in Japanese Patent Application No. 2002-96797 are preferable. The dye for this purpose may be added to any layer, but is more preferably added to the non-photosensitive layer on the emulsion surface side or the back surface side.
[0262]
3) pH of membrane surface
The photothermographic material of the present invention preferably has a film surface pH of 7.0 or less, more preferably 6.6 or less before heat development. The lower limit is not particularly limited, but is about 3. The most preferred pH range is in the range of 4 to 6.2. The film surface pH is preferably adjusted using an organic acid such as a phthalic acid derivative, a non-volatile acid such as sulfuric acid, or a volatile base such as ammonia from the viewpoint of reducing the film surface pH. In particular, ammonia is volatile and is preferable for achieving a low film surface pH because it can be removed before the coating process or heat development.
In addition, it is also preferable to use ammonia in combination with a nonvolatile base such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, or lithium hydroxide. In addition, the measuring method of film surface pH is described in paragraph number 0123 of Unexamined-Japanese-Patent No. 2000-284399.
[0263]
4) Hardener
A hardener may be used for each layer such as the image forming layer, protective layer, and back layer in the present invention. Examples of hardeners include T.W. H. There are various methods described in "THE THEORY OFTHE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION" written by James (published by Macmillan Publishing Co., Inc., published in 1977), pages 77 to 87. In addition to s-triazine sodium salt, N, N-ethylenebis (vinylsulfoneacetamide), N, N-propylenebis (vinylsulfoneacetamide), polyvalent metal ions described on page 78 of the same document, US Pat. No. 4,281,060 And polyisocyanates such as JP-A-6-208193, epoxy compounds such as US Pat. No. 4,791,042, and vinyl sulfone compounds such as JP-A-62-289048 are preferably used.
[0264]
The hardening agent is added as a solution, and the addition time of this solution into the protective layer coating solution is from 180 minutes before to immediately before application, preferably from 60 minutes to 10 seconds before application. As long as the effects of the present invention are sufficiently exhibited, there is no particular limitation. Specific mixing methods include mixing in a tank in which the average residence time calculated from the addition flow rate and the amount of liquid fed to the coater is a desired time, and N.I. Harnby, M.M. F. Edwards, A.D. W. There is a method using a static mixer described in Chapter 8 of Nienow's “Liquid Mixing Technology” (Nikkan Kogyo Shimbun, 1989), translated by Koji Takahashi.
[0265]
5) Surfactant
JP-A No. 11-65021 paragraph No. 0132 for surfactants applicable to the present invention, paragraph No. 0133 for solvents, paragraph No. 0134 for supports, paragraph No. for antistatic or conductive layers No. 0136 for the method of obtaining a color image, and paragraph Nos. 0061 to 0064 of JP-A No. 11-84573 and paragraph Nos. 0049 to 0062 of Japanese Patent Application No. 11-106881 for the slip agent.
In particular, in the present invention, it is preferable to contain a fluorine compound having a fluorinated alkyl group having 2 or more carbon atoms and 13 or less fluorine atoms.
The fluorine compound may have any structure as long as it has the fluorinated alkyl group (hereinafter, an alkyl group substituted with a fluorine atom is referred to as “Rf”). Further, the fluorine compound may have at least one Rf, and may have two or more.
[0266]
Specific examples of Rf include the following groups, but are not limited thereto.
-C2F5Group, -C3F7Group, -C4F9Group, -C5F11Group, -CH2-C4F9Group, -C4F8-H group, -C2H4-C4F9Group, -C4H8-C4F9Group, -C6H12-C4F9Group, -C8H16-C4F9Group, -C4H8-C2F5Group, -C4H8-C3F7Group, -C4H8-C5F11Group, -C8H16-C2F5Group, -C2H4-C4F8-H group, -C4H8-C4F8-H group, -C6H12-C4F8-H group -C6H12-C2F4-H group, -C8H16-C2F4-H group, -C6H12-C4F8-CH3Group, -C2H4-C3F7Group, -C2H4-C5F11Group, -C4H8-CF (CF3)2Group, -CH2CF3Group, -C4H8-CH (C2F5)2Group, -C4H8-CH (CF3)2Group, -C4H8-C (CF3)3Group, -CH2-C4F8-H group, -CH2-C6F12-H group, -CH2-C6F13Group, -C2H4-C6F13Group, -C4H8-C6F13Group, -C6H12-C6F13Group, -C8H16-C6F13Group.
[0267]
Rf has 13 or less fluorine atoms, preferably 12 or less, more preferably in the range of 3 to 11, and still more preferably in the range of 5 to 9. The number of carbon atoms is 2 or more, preferably 4 to 16, more preferably 5 to 12.
[0268]
Rf is not particularly limited as long as it has 2 or more carbon atoms and 13 or less fluorine atoms, but is preferably a group represented by the following general formula (A).
[0269]
Formula (A)
-Rc-Re-W
[0270]
The fluorine compound more preferably has two or more fluorinated alkyl groups represented by the general formula (A).
In the general formula (A), Rc represents an alkylene group having 1 to 4 carbon atoms, preferably in the range of 1 to 3 carbon atoms, more preferably in the range of 1 to 2. The alkylene group represented by Rc may be linear or branched.
Re represents a C 2-6 perfluoroalkylene group, preferably a C 2-4 perfluoroalkylene group. Here, the perfluoroalkylene group refers to an alkylene group in which all hydrogen atoms of the alkylene group are replaced with fluorine atoms. The perfluoroalkylene group may be linear or branched, and may have a cyclic structure.
W represents a hydrogen atom, a fluorine atom or an alkyl group, preferably a hydrogen atom or a fluorine atom. Particularly preferred is a fluorine atom.
[0271]
The said fluorine compound can also have a cationic hydrophilic group.
The cationic hydrophilic group is a group that becomes a cation when dissolved in water. Specific examples include quaternary ammonium, alkyl pyridium, alkyl imidazolinium, and primary to tertiary aliphatic amines.
The cation is preferably an organic cationic substituent, and more preferably an organic cationic group containing a nitrogen or phosphorus atom. More preferably, it is a pyridinium cation or an ammonium cation.
The anion species forming the salt may be an inorganic anion or an organic anion. Preferred examples of the inorganic anion include iodo ion, bromine ion, and chlorine ion. Preferred examples of the organic anion include p-toluenesulfonate ion, benzenesulfonate ion, methanesulfonate ion, and trifluoromethanesulfonate ion. It is done.
[0272]
A preferred cationic fluorine compound in the present invention is represented by the following general formula (1).
General formula (1)
[0273]
Embedded image
Figure 2004334077
[0274]
Where R1And R2Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group,1And R2At least one of the above is the aforementioned fluorinated alkyl group (Rf). Preferred is R1And R2Both are Rf. R3, R4And R5Each independently represents a hydrogen atom or a substituent;1, X2And Z each independently represents a divalent linking group or a single bond;+Represents a cationic substituent. YRepresents a counter anion, but when the charge is zero in the molecule, YIs not necessary. m is 0 or 1.
[0275]
In the general formula (1), R1And R2When each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group other than Rf, the alkyl group has 1 or more carbon atoms and may be linear, branched or cyclic. Examples of the substituent include a halogen atom, an alkenyl group, an aryl group, an alkoxyl group, a halogen atom other than fluorine, a carboxylic acid ester group, a carbonamido group, a carbamoyl group, an oxycarbonyl group, and a phosphoric acid ester group.
[0276]
R1Or R2Represents an alkyl group other than Rf, that is, an alkyl group not substituted with a fluorine atom, the alkyl group is a substituted or unsubstituted alkyl group having 1 to 24 carbon atoms, more preferably 6 to 24 carbon atoms. Substituted or unsubstituted alkyl group. Preferred examples of the unsubstituted alkyl group having 6 to 24 carbon atoms include n-hexyl group, n-heptyl group, n-octyl group, tert-octyl group, 2-ethylhexyl group, n-nonyl group, 1,1, 3-trimethylhexyl group, n-decyl group, n-dodecyl group, cetyl group, hexadecyl group, 2-hexyldecyl group, octadecyl group, eicosyl group, 2-octyldodecyl group, docosyl group, tetracosyl group, 2-decyltetra A decyl group, a tricosyl group, a cyclohexyl group, a cycloheptyl group, etc. are mentioned. Preferred examples of the alkyl group having 6 to 24 carbon atoms having a substituent include 2-hexenyl group, oleyl group, linoleyl group, linolenyl group, benzyl group, β-phenethyl group, 2-methoxyethyl group, 4-phenylbutyl group, 4-acetoxyethyl group, 6-phenoxyhexyl group, 12-phenyldodecyl group, 18-phenyloctadecyl group, 12- (p-chlorophenyl) dodecyl group, 2- (diphenyl phosphate) ethyl group, etc. Can be mentioned.
[0277]
R1And R2As the alkyl group other than Rf each independently represented by, more preferably a substituted or unsubstituted alkyl group having 6 to 18 carbon atoms. Preferred examples of the unsubstituted alkyl group having 6 to 18 carbon atoms include n-hexyl group, cyclohexyl group, n-heptyl group, n-octyl group, 2-ethylhexyl group, n-nonyl group, 1,1,3 -Trimethylhexyl group, n-decyl group, n-dodecyl group, cetyl group, hexadecyl group, 2-hexyldecyl group, octadecyl group, 4-tert-butylcyclohexyl group and the like can be mentioned. Preferable examples of the substituted alkyl group having 6 to 18 carbon atoms having a substituent include phenethyl group, 6-phenoxyhexyl group, 12-phenyldodecyl group, oleyl group, linoleyl group, and linolenyl group. .
[0278]
R1And R2As the alkyl group other than Rf represented by each of the formulas, n-hexyl group, cyclohexyl group, n-heptyl group, n-octyl group, 2-ethylhexyl group, n-nonyl group, 1,1,3 are particularly preferable. A trimethylhexyl group, an n-decyl group, an n-dodecyl group, a cetyl group, a hexadecyl group, a 2-hexyldecyl group, an octadecyl group, an oleyl group, a linoleyl group, and a linolenyl group, most preferably 8 to 16 carbon atoms. A linear, cyclic or branched unsubstituted alkyl group.
[0279]
In the general formula (1), R3, R4And R5Each independently represents a hydrogen atom or a substituent. Examples of the substituent include an alkyl group (preferably an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 12 carbon atoms, and particularly preferably 1 to 8 carbon atoms, such as a methyl group, an ethyl group, and isopropyl. Group, tert-butyl group, n-octyl group, n-decyl group, n-hexadecyl group, cyclopropyl group, cyclopentyl group, cyclohexyl group and the like, alkenyl group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably). Is an alkenyl group having 2 to 12 carbon atoms, particularly preferably 2 to 8 carbon atoms, and examples thereof include a vinyl group, an allyl group, a 2-butenyl group, and a 3-pentenyl group, and an alkynyl group (preferably a carbon atom). An alkynyl group having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 12 carbon atoms, particularly preferably 2 to 8 carbon atoms, such as a propargyl group, 3 A pentynyl group), an aryl group (preferably an aryl group having 6 to 30 carbon atoms, more preferably 6 to 20 carbon atoms, and particularly preferably 6 to 12 carbon atoms, such as a phenyl group and p-methyl group). A phenyl group, a naphthyl group, etc.), a substituted or unsubstituted amino group (preferably a carbon number of 0-20, more preferably a carbon number of 0-10, particularly preferably a carbon number of 0-6, For example, an unsubstituted amino group, a methylamino group, a dimethylamino group, a diethylamino group, a dibenzylamino group, etc.)
[0280]
An alkoxy group (preferably an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 12 carbon atoms, particularly preferably 1 to 8 carbon atoms, and examples thereof include a methoxy group, an ethoxy group, and a butoxy group). An aryloxy group (preferably an aryloxy group having 6 to 20 carbon atoms, more preferably 6 to 16 carbon atoms, particularly preferably 6 to 12 carbon atoms, and examples thereof include a phenyloxy group and a 2-naphthyloxy group. An acyl group (preferably having a carbon number of 1-20, more preferably a carbon number of 1-16, particularly preferably a carbon number of 1-12, such as an acetyl group, a benzoyl group, a formyl group, a pivaloyl group, etc. An alkoxycarbonyl group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 16 carbon atoms, and particularly preferably 2 to 2 carbon atoms). 2 alkoxycarbonyl groups, for example, methoxycarbonyl group, ethoxycarbonyl group and the like, and aryloxycarbonyl groups (preferably having 7 to 20 carbon atoms, more preferably 7 to 16 carbon atoms, and particularly preferably carbon numbers). An aryloxycarbonyl group having 7 to 10 carbon atoms, such as a phenyloxycarbonyl group, an acyloxy group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 16 carbon atoms, and particularly preferably 2 to 2 carbon atoms). 10 acyloxy groups such as an acetoxy group and a benzoyloxy group)
[0281]
An acylamino group (preferably an acylamino group having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 16 carbon atoms, particularly preferably 2 to 10 carbon atoms, such as an acetylamino group and a benzoylamino group), alkoxycarbonyl An amino group (preferably an alkoxycarbonylamino group having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 16 carbon atoms, particularly preferably 2 to 12 carbon atoms, such as a methoxycarbonylamino group), aryloxy Carbonylamino group (preferably an aryloxycarbonylamino group having 7 to 20 carbon atoms, more preferably 7 to 16 carbon atoms, particularly preferably 7 to 12 carbon atoms, such as a phenyloxycarbonylamino group) Sulfonylamino group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferred Or a sulfonylamino group having 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably 1 to 12 carbon atoms, and examples thereof include a methanesulfonylamino group and a benzenesulfonylamino group, and a sulfamoyl group (preferably having a carbon number of 0 to 20). More preferably, it is a sulfamoyl group having 0 to 16 carbon atoms, particularly preferably 0 to 12 carbon atoms, and examples thereof include a sulfamoyl group, a methylsulfamoyl group, a dimethylsulfamoyl group, and a phenylsulfamoyl group. ), A carbamoyl group (preferably a carbamoyl group having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, and particularly preferably 1 to 12 carbon atoms. For example, an unsubstituted carbamoyl group, a methylcarbamoyl group, diethylcarbamoyl group Group, phenylcarbamoyl group, etc.),
[0282]
An alkylthio group (preferably an alkylthio group having 1 to 20 carbon atoms, more preferably an alkylthio group having 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably 1 to 12 carbon atoms, such as a methylthio group and an ethylthio group), an arylthio group ( Preferably it is C6-C20, More preferably, it is C6-C16, Most preferably, it is C6-C12 arylthio group, for example, a phenylthio group etc. are mentioned, A sulfonyl group (preferably C1-C1). 20, more preferably a sulfonyl group having 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably a sulfonyl group having 1 to 12 carbon atoms, such as a mesyl group and a tosyl group, and a sulfinyl group (preferably having a carbon number of 1 to 20, more A sulfinyl group having 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably 1 to 12 carbon atoms is preferable. Zensulfinyl group and the like), ureido group (preferably a ureido group having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably 1 to 12 carbon atoms, for example, an unsubstituted ureido group , Methylureido group, phenylureido group, etc.), phosphoric acid amide group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably having 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably having 1 to 12 carbon atoms). Yes, for example, diethyl phosphoric acid amide group, phenyl phosphoric acid amide group, etc.), hydroxy group, mercapto group, halogen atom (for example, fluorine atom, chlorine atom, bromine atom, iodine atom), cyano group, sulfo group, Carboxyl group, nitro group, hydroxamic acid group, sulfino group, hydrazino group, imino group, heterocyclic group (preferably having a carbon number of 1 to 0, more preferably a heterocyclic group of 1 to 12, for example, a heterocyclic group having a heteroatom such as a nitrogen atom, an oxygen atom, a sulfur atom, such as an imidazolyl group, a pyridyl group, a quinolyl group, a furyl group , Piperidyl group, morpholino group, benzoxazolyl group, benzimidazolyl group, benzthiazolyl group, etc.), silyl group (preferably having 3 to 40 carbon atoms, more preferably 3 to 30 carbon atoms, particularly preferably A silyl group having 3 to 24 carbon atoms, and examples thereof include a trimethylsilyl group and a triphenylsilyl group). These substituents may be further substituted. Moreover, when there are two or more substituents, they may be the same or different. If possible, they may be bonded to each other to form a ring.
[0283]
R3, R4And R5Is preferably an alkyl group or a hydrogen atom, more preferably a hydrogen atom.
[0284]
In the above formula, X1And X2Each independently represents a divalent linking group or a single bond. The divalent linking group is not particularly limited, but is preferably an arylene group, -O-, -S-, or -NR.31-(R31Represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent is R3, R4And R5Are the same as the examples of the substituents represented respectively, and R31As an alkyl group, the aforementioned Rf, or a hydrogen atom, more preferably a hydrogen atom), or a group obtained by combining them alone, more preferably —O—, —S—, or —. NR31-. X1And X2More preferably, -O- or -NR31-, More preferably -O- or -NH-, and particularly preferably -O-.
[0285]
In the above formula, Z represents a divalent linking group or a single bond. The divalent linking group is not particularly limited, but is preferably an alkylene group, an arylene group, -C (= O)-, -O-, -S-, -S (= O)-, -S (= O)2-Or-NR32-(R32Represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent is R3, R4And R5Is the same as the example of the substituent represented by R32As an alkyl group or a hydrogen atom, more preferably a hydrogen atom), or a group obtained by combining them alone, more preferably an alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, or a group having 6 to 12 carbon atoms. Arylene group, -C (= O)-, -O-, -S-, -S (= O)-, -S (= O)2-Or -NR32-Is a group obtained alone or in combination thereof. More preferably, Z is an alkylene group having 1 to 8 carbon atoms, -C (= O)-, -O-, -S-, -S (= O)-, -S (= O).2-Or-NR32-Is a group obtained alone or in combination thereof, for example,
[0286]
Embedded image
Figure 2004334077
Etc.
[0287]
In the above formula, M+Represents a cationic substituent, and M+Is preferably an organic cationic substituent, and more preferably an organic cationic group containing a nitrogen or phosphorus atom. More preferred is a pyridinium cation or an ammonium cation, and more preferred is a trialkylammonium cation represented by the following general formula (2).
[0288]
Embedded image
Figure 2004334077
[0289]
In the above formula, R13, R14And R15Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group. Examples of the substituent include R3, R4And R5What was mentioned as a substituent of can be applied. R13, R14And R15May combine with each other to form a ring if possible. R13, R14And R15Is preferably an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, more preferably an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, still more preferably a methyl group, an ethyl group, or a methyl carboxyl group, and particularly preferably a methyl group. It is.
[0290]
In the above formula, YRepresents a counter anion and may be an inorganic anion or an organic anion. If the charge is 0 in the molecule, YIs not necessary. Preferred examples of the inorganic anion include iodo ion, bromine ion, and chlorine ion. Preferable organic anions include p-toluenesulfonate ion, benzenesulfonate ion, methanesulfonate ion, trifluoromethanesulfonate ion, and the like. YMore preferred are iodo ion, p-toluenesulfonic acid ion, and benzenesulfonic acid ion, and further preferred is p-toluenesulfonic acid.
[0291]
In the above formula, m is 0 or 1, preferably 0.
[0292]
Among the compounds represented by the general formula (1), compounds represented by the following general formula (1-a) are preferable.
[0293]
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Figure 2004334077
[0294]
Where R11And R21Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group,1And R2At least one of the above represents Rf, and R11And R21The total number of carbon atoms is 19 or less. R13, R14And R15Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group, which may be bonded to each other to form a ring. X11And X21Are each independently -O-, -S- or -NR.31-Represents R31Represents a hydrogen atom or a substituent, and Z represents a divalent linking group or a single bond. YRepresents a counter anion, but when the charge is zero in the molecule, YIs not necessary.
m is 0 or 1. Where Z and YAre each independently synonymous with those in the general formula (1), and the preferred range is also the same. R13, R14, R15And m have the same meanings as those in the general formula (1), and the preferred ranges are also the same.
[0295]
Where X11And X12Are each independently -O-, -S- or -NR.31-(R31Represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent includes R3, R4And R5What was mentioned as a substituent of can be applied. R31Is preferably an alkyl group, the aforementioned Rf, or a hydrogen atom, and more preferably a hydrogen atom. X11And X21More preferably —O— and —NH—, and still more preferably —O—.
[0296]
In the above formula, R11And R21Are each independently R in general formula (1)1And R2The preferred range is also the same. However, R11And R21The total number of carbon atoms is 19 or less. m is 0 or 1.
[0297]
Although the specific example of a compound represented by the said General formula (1) is given, this invention is not restrict | limited at all by the following specific examples. In addition, unless otherwise indicated in the structure description of the following exemplary compounds, an alkyl group and a perfluroalkyl group mean a linear structure. Of the abbreviations in the notation, 2EH means 2-ethylhexyl.
[0298]
Embedded image
Figure 2004334077
[0299]
Embedded image
Figure 2004334077
[0300]
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Figure 2004334077
[0301]
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Figure 2004334077
[0302]
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Figure 2004334077
[0303]
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Figure 2004334077
[0304]
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Figure 2004334077
[0305]
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Figure 2004334077
[0306]
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[0307]
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Figure 2004334077
[0308]
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Figure 2004334077
[0309]
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Figure 2004334077
[0310]
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Figure 2004334077
[0311]
Next, although an example of the general synthesis | combining method of the compound represented by the said general formula (1) of this invention and (1-a) is shown, this invention is not limited to these.
[0312]
The compound of the present invention can be synthesized using a fumaric acid derivative, a maleic acid derivative, an itaconic acid derivative, a glutamic acid derivative, an aspartic acid derivative, or the like as a raw material. For example, when a fumaric acid derivative, a maleic acid derivative, or an itaconic acid derivative is used as a raw material, the double bond can be synthesized by performing a Michael addition reaction with a nucleophilic species and then cationizing with an alkylating agent. .
[0313]
The fluorine compound can also have an anionic hydrophilic group.
An anionic hydrophilic group means an acidic group having a pKa of 7 or less and an alkali metal salt or ammonium salt thereof. Specific examples include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphonic acid group, a carbamoylsulfamoyl group, a sulfamoylsulfamoyl group, an acylsulfamoyl group, and salts thereof. Of these, a sulfo group, a carboxyl group, a phosphonic acid group and salts thereof are preferred, and a sulfo group and salts thereof are more preferred. Examples of the cationic species that form salts include lithium, sodium, potassium, cesium, ammonium, tetramethylammonium, tetrabutylammonium, and methylpyridinium, and lithium, sodium, potassium, and ammonium are preferable.
[0314]
A preferable fluorine compound having an anionic hydrophilic group in the present invention is represented by the following general formula (3).
General formula (3)
[0315]
Embedded image
Figure 2004334077
[0316]
Where R1And R2Each independently represents an alkyl group, at least one of which represents Rf. R1And R2Is an alkyl group having 2 to 18 carbon atoms, more preferably an alkyl group having 4 to 12 carbon atoms. R3And R4Each independently represents a hydrogen atom or a substituted or unsubstituted alkyl group.
R1And R2Specific examples of the fluorinated alkyl group represented by the above include the aforementioned fluorinated alkyl group, and the preferred structure is also the structure represented by the aforementioned general formula (A). Moreover, the preferable structure in it is the same as that of the description of the above-mentioned fluorinated alkyl group. R1And R2It is preferable that all the alkyl groups represented by are the above-mentioned fluorinated alkyl groups.
R3And R4The substituted or unsubstituted alkyl group represented by may be linear, branched, or have a cyclic structure. The substituent is not particularly limited, and examples thereof include an alkenyl group, an aryl group, an alkoxy group, a halogen atom (preferably Cl), a carboxylic ester group, a carbonamido group, a carbamoyl group, an oxycarbonyl group, and a phosphoric ester group. preferable.
A is -Lb-SO3M represents, and M represents a cation. Here, preferable examples of the cation represented by M include alkali metal ions (lithium ions, sodium ions, potassium ions, etc.), alkaline earth metal ions (barium ions, calcium ions, etc.), ammonium ions, and the like. . Of these, lithium ions, sodium ions, potassium ions or ammonium ions are more preferred, lithium ions, sodium ions or potassium ions are more preferred, and the total number of carbon atoms and substituents of the compound of the general formula (3), It can be appropriately selected depending on the degree of branching of the alkyl group. R1, R2, R3And R4In the case where the total number of carbon atoms is 16 or more, if M is lithium ion, it is excellent in terms of compatibility between solubility (particularly with respect to water) and antistatic ability or coating uniformity.
LbRepresents a single bond or a substituted or unsubstituted alkylene group. Substituent is R3Those mentioned above are preferred. LbWhen is an alkylene group, the number of carbon atoms is preferably 2 or less. LbIs a single bond or —CH2-Group is preferred, -CH2Most preferred is a group.
The general formula (3) is more preferably a combination of the above preferred embodiments.
[0317]
Specific examples of the fluorine compound having an anionic hydrophilic group according to the present invention are illustrated below, but the present invention is not limited to the following specific examples.
Unless otherwise specified, the alkyl group and the perfluoroalkyl group in the structure notation of the following exemplified compounds mean a straight chain structure.
[0318]
Embedded image
Figure 2004334077
[0319]
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Figure 2004334077
[0320]
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Figure 2004334077
[0321]
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Figure 2004334077
[0322]
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Figure 2004334077
[0323]
The said fluorine compound can also have a nonionic hydrophilic group.
The nonionic hydrophilic group means a group that dissolves in water without dissociating into ions. Specific examples include poly (oxyethylene) alkyl ethers and polyhydric alcohols, but are not limited thereto.
[0324]
In the present invention, a preferred nonionic fluorine compound is represented by the following general formula (4).
General formula (4)
Embedded image
Figure 2004334077
[0325]
In the general formula (4), Rf is the above-mentioned fluorinated alkyl group, specific examples of Rf include the above-mentioned groups, and a preferred structure is also a structure represented by the above-mentioned general formula (A). In addition, preferred structures in the same are the same as those described for Rf.
[0326]
X in the general formula (4) represents a divalent linking group and is not particularly limited.
Embedded image
Figure 2004334077
Etc.
[0327]
In General formula (4), n is 2 or 3, and m represents the integer of 1-30. R is a group having one or more hydrogen atoms, alkyl groups, aryl groups, heterocyclic groups, Rf, or Rf as a substituent.
[0328]
Specific examples of the nonionic fluorine compound used in the present invention are illustrated below, but the present invention is not limited to the following specific examples.
[0329]
Embedded image
Figure 2004334077
[0330]
Embedded image
Figure 2004334077
[0331]
Embedded image
Figure 2004334077
[0332]
The compound having a specific fluorinated alkyl group that can be used in the present invention is used as a surfactant to form a layer constituting a photosensitive material (particularly, a protective layer, an undercoat layer, a back layer, etc.). It is preferably used for a coating composition. Among these, it is particularly preferable to use it for forming the outermost layer of the photosensitive material because effective antistatic ability and coating uniformity can be obtained. Furthermore, it has been found that the structure of the present invention is effective for improving the storage stability and use environment dependency which are the object of the present invention. In order to obtain this effect, the fluorine compound of the present invention is preferably used for the outermost layer of the image forming layer surface or the back surface. Moreover, the same effect is acquired even if it uses it for a support body undercoat layer.
[0333]
The amount of the specific fluorine compound used in the present invention is not particularly limited, and the amount used is arbitrary depending on the structure and location of the fluorine compound used, the type and amount of other materials contained in the composition, and the like. Can be determined. For example, when used as a coating solution for the outermost layer of a photothermographic material, the coating amount of the fluorine compound in the coating composition is 0.1 mg / m2100 mg / m or more2Or less, preferably 0.5 mg / m220 mg / m or more2The following is more preferable.
[0334]
In the present invention, one type of the above specific fluorine compound may be used alone, or two or more types may be mixed and used. Moreover, it can also use together with surfactants other than the said specific fluorine compound.
[0335]
6) Antistatic agent
In the present invention, it is preferable to have a conductive layer containing a metal oxide or a conductive polymer. The antistatic layer may serve as an undercoat layer, a back layer surface protective layer, or the like, or may be provided separately. As the conductive material for the antistatic layer, a metal oxide in which conductivity is improved by introducing oxygen defects or different metal atoms into the metal oxide is preferably used. Examples of metal oxides are ZnO, TiO2, SnO2And for ZnO, addition of Al and In, SnO2For Sb, Nb, P, halogen elements, etc., TiO2In contrast, addition of Nb, Ta or the like is preferable. Especially SnO with Sb added2Is preferred. The amount of different atoms added is preferably in the range of 0.01 to 30 mol%, more preferably in the range of 0.1 to 10 mol%. The shape of the metal oxide may be spherical, needle-like, or plate-like, but the long axis / uniaxial ratio is 2.0 or more, preferably 3.0 to 50 in terms of the effect of imparting conductivity. Good. The amount of metal oxide used is preferably 1 mg / m2~ 1000mg / m2In the range, more preferably 10 mg / m2~ 500mg / m2Range, more preferably 20 mg / m2~ 200mg / m2Range. In the present invention, the antistatic layer may be disposed on either the emulsion surface side or the back surface side, but is preferably disposed between the support and the back layer. Specific examples of the antistatic layer in the invention include paragraph No. 0135 of JP-A No. 11-65021, JP-A Nos. 56-143430, 56-143431, 58-62646, No. 56-120519, JP-A No. 11-120. No. 84573, paragraph numbers 0040 to 0051, US Pat. No. 5,575,957, and JP-A No. 11-223898, paragraph numbers 0078 to 0084.
[0336]
7) Support
The transparent support is a polyester, particularly polyethylene, which has been heat-treated in a temperature range of 130 to 185 ° C. in order to relieve internal strain remaining in the film during biaxial stretching and to eliminate thermal shrinkage strain generated during heat development. Terephthalate is preferably used. In the case of a photothermographic material for medical use, the transparent support may be colored with a blue dye (for example, dye-1 described in Examples of JP-A-8-240877) or may be uncolored. Examples of the support include water-soluble polyesters disclosed in JP-A-11-84574, styrene-butadiene copolymers described in JP-A-10-186565, and vinylidene chloride described in JP-A-2000-39684 and Japanese Patent Application No. 11-106881, paragraph numbers 0063 to 0080. It is preferable to apply an undercoating technique such as a copolymer. When the image forming layer or the back layer is applied to the support, the water content of the support is preferably 0.5 wt% or less.
[0337]
8) Other additives
An antioxidant, a stabilizer, a plasticizer, an ultraviolet absorber, or a coating aid may be further added to the photothermographic material. Various additives are added to either the image forming layer or the non-photosensitive layer. With respect to these, WO 98/36322, EP 803764A1, JP-A-10-186567, 10-18568 and the like can be referred to.
[0338]
9) Application method
The photothermographic material in the invention may be applied by any method. Specifically, various coating operations including extrusion coating, slide coating, curtain coating, dip coating, knife coating, flow coating, or extrusion coating using a hopper of the type described in US Pat. No. 2,681,294. And Stephen F. Kistler, Peter M. et al. Extrusion coating or slide coating described in pages 399 to 536 of “LIQUID FILM COATING” (CHAPMAN & HALL, 1997) by Schweizer is preferably used, and slide coating is particularly preferably used. An example of the shape of the slide coater used for the slide coating is shown in FIG. 11b. 1 If desired, two or more layers can be coated simultaneously by the method described on pages 399 to 536 of the same document, the method described in US Pat. No. 2,761,791 and British Patent No. 837,095. . In the present invention, particularly preferred coating methods are those described in JP-A Nos. 2001-194748, 2002-153808, 2002-153803, and 2002-182333.
[0339]
The image forming layer coating solution in the present invention is preferably a so-called thixotropic fluid. Regarding this technique, JP-A-11-52509 can be referred to. In the present invention, the image forming layer coating solution has a shear rate of 0.1 S.-1The viscosity is preferably 400 mPa · s or more and 100,000 mPa · s or less, and more preferably 500 mPa · s or more and 20,000 mPa · s or less. Also, shear rate 1000S-1Is preferably 1 mPa · s or more and 200 mPa · s or less, and more preferably 5 mPa · s or more and 80 mPa · s or less.
[0340]
In preparing the coating liquid in the present invention, when mixing two kinds of liquids, a known in-line mixer and implant mixer are preferably used. A preferable in-line mixer in the present invention is described in JP-A No. 2002-85948, and an implant mixer is described in JP-A No. 2002-90940.
The coating solution in the present invention is preferably subjected to defoaming treatment in order to keep the coated surface state good. A preferable defoaming treatment method in the present invention is the method described in JP-A No. 2002-66431.
When applying the coating solution in the present invention, it is preferable to perform static elimination in order to prevent adhesion of dust, dust, and the like due to electric resistance of the support. An example of a preferable static elimination method in the present invention is described in JP-A No. 2002-143747.
In the present invention, it is important to precisely control the drying air and the drying temperature in order to dry the image forming layer coating solution. Preferred drying methods in the present invention are described in detail in JP-A Nos. 2001-194749 and 2002-139814.
The photothermographic material of the present invention is preferably subjected to a heat treatment immediately after coating and drying in order to improve film formability. The temperature of the heat treatment is preferably in the range of 60 ° C. to 100 ° C. as the film surface temperature, and the heating time is preferably in the range of 1 second to 60 seconds. A more preferable range is a film surface temperature of 70 to 90 ° C. and a heating time of 2 to 10 seconds. A preferable heat treatment method in the present invention is described in JP-A No. 2002-107872.
In order to stably and continuously produce the photothermographic material of the present invention, the production methods described in JP-A Nos. 2002-156728 and 2002-182333 are preferably used.
[0341]
The photothermographic material is preferably a mono-sheet type (a type capable of forming an image on the photothermographic material without using another sheet such as an image receiving material).
[0342]
10) Packaging materials
The light-sensitive material of the present invention is preferably packaged with a packaging material having a low oxygen permeability and / or moisture permeability in order to suppress fluctuations in photographic performance during raw storage or to improve curling, curling, etc. Oxygen permeability is 50ml / atm · m at 25 ° C2· It is preferably not more than day, more preferably 10 ml / atm · m2-Day or less, more preferably 1.0 ml / atm.m2-Day or less. Moisture permeability is 10 g / atm · m2· Day or less, more preferably 5 g / atm · m2· Day or less, more preferably 1 g / atm · m2-Day or less.
Specific examples of the packaging material having low oxygen permeability and / or moisture permeability are disclosed in, for example, JP-A-8-254793. This is a packaging material described in JP-A-2000-206653.
[0343]
11) Other available technologies
Techniques that can be used for the photothermographic material of the present invention include EP80364A1, EP883022A1, WO98 / 36322, JP56-62648, 58-62644, JP9-43766, and 9-. 281637, 9-297367, 9-304869, 9-311405, 9-329865, 10-10669, 10-62899, 10-69023, 10-186568, 10-90823, 10-171106, 10-186565, 10-186567, 10-186567 to 10-186572, 10-197974, 10-197982, 10 -197983, 10-197985 to 10-197987, 10- 07001, 10-207004, 10-221807, 10-282601, 10-288823, 10-288824, 10-307365, 10-312038, 10-339934 11-7100, 11-15105, 11-24200, 11-24201, 11-30201, 11-30832, 11-84574, 11-65021, 11-109547, 11-125880, 11-129629, 11-133536 to 11-133539, 11-133542, 11-133543, 11-223898, 11-352627, 11- 305377, 11-305378, 11-305384, 11-30538 11-316435, 11-327076, 11-338096, 11-338098, 11-338099, 11-343420, JP 2000-187298, 2000-10229 2000-47345, 2000-206642, 2000-98530, 2000-98531, 2000-112059, 2000-112060, 2000-112104, 2000-112604, No. 2000-171936 is also mentioned.
[0344]
In the case of a multicolor color photothermographic material, each image forming layer is generally a functional or non-functional barrier between each image forming layer as described in US Pat. No. 4,460,681. By using layers, they are kept distinct from each other.
The construction in the case of a multicolor color photothermographic material may include a combination of these two layers for each color and all within a single layer as described in US Pat. No. 4,708,928. Ingredients may be included.
[0345]
<Image forming method>
1) Exposure
Red to infrared emitting He-Ne laser, red semiconductor laser, or blue to green emitting Ar+, He—Ne, He—Cd laser, blue semiconductor laser. Preferred is a red to infrared semiconductor laser, and the peak wavelength of the laser light is 600 nm to 900 nm, preferably 620 nm to 850 nm.
On the other hand, in recent years, in particular, a module in which an SHG (Second Harmonic Generator) element and a semiconductor laser are integrated and a blue semiconductor laser have been developed, and a laser output device in a short wavelength region has been closed up. The blue semiconductor laser is expected to increase in demand in the future because high-definition image recording is possible, the recording density is increased, and a stable output is obtained with a long lifetime. The peak wavelength of the blue laser light is preferably 300 nm to 500 nm, particularly preferably 400 nm to 500 nm.
It is also preferable that the laser light is oscillated in a vertical multi by a method such as high frequency superposition.
[0346]
2) Thermal development
The photothermographic material of the present invention may be developed by any method, but is usually developed by raising the temperature of the photothermographic material exposed imagewise. The preferred development temperature is 100 to 140 ° C, more preferably 110 to 130 ° C. The development time is preferably 18 seconds or less, more preferably 6 to 16 seconds, and still more preferably 8 to 14 seconds. The combination of the development temperature and the development time is preferably 18 seconds or less at 100 to 140 ° C., more preferably 8 to 14 seconds at 110 to 130 ° C.
[0347]
Either a drum type heater or a plate type heater may be used as the thermal development method, but the plate type heater method is more preferable. The heat development method using the plate type heater method is preferably a method described in JP-A-11-133572, and a visible image is obtained by bringing a photothermographic material having a latent image formed thereon into contact with a heating means in a heat developing unit. In the heat development apparatus, the heating unit includes a plate heater, and a plurality of press rollers are disposed to face each other along one surface of the plate heater, and the press roller is disposed between the press roller and the plate heater. A heat development apparatus characterized in that heat development is performed by passing a photothermographic material. It is preferable to divide the plate heater into 2 to 6 stages and lower the temperature about 1 to 10 ° C. at the tip. For example, there are examples in which four sets of plate heaters that can be independently controlled are used and controlled so as to be 112 ° C., 119 ° C., 121 ° C., and 120 ° C. Such a method is also described in JP-A-54-30032, which can exclude moisture and organic solvents contained in the photothermographic material out of the system, and rapidly develop the photothermographic material. It is also possible to suppress a change in the shape of the support of the photothermographic material due to the heating.
[0348]
In order to reduce the size of the heat developing machine and shorten the heat development time, it is preferable to be able to control the heater more stably. In addition, the exposure of one sheet of photosensitive material is started from the top and the exposure is performed to the rear end. It is desirable to start heat development before it is finished. Imagers capable of rapid processing preferable for the present invention are described in, for example, JP-A Nos. 2002-289804 and 2002-287668. If this imager is used, for example, heat development can be performed in 14 seconds with a three-stage plate heater controlled at 107 ° C.-121 ° C.-121 ° C., and the output time of the first sheet is reduced to about 60 seconds. be able to.
[0349]
A preferred heat developing machine in the present invention is shown in FIG. In the present invention, the development linear velocity is preferably 18 mm / second or more. In the present invention, the development linear velocity refers to the passing speed of the photothermographic material between the pressing roller and the plate heater. A more preferable development linear velocity is 23 mm / second or more and 46 mm / second or less.
[0350]
3) System
Examples of the medical laser imager provided with the exposure unit and the thermal development unit include Fuji Medical Dry Laser Imager FM-DPL L and DRYPIX7000. Regarding FM-DP L, Fuji Medical Review No. 8, pages 39 to 55, and it goes without saying that those techniques are applied as a laser imager of the photothermographic material of the present invention. Further, it can also be applied as a photothermographic material for a laser imager in “AD network” proposed by Fuji Film Medical Co., Ltd. as a network system adapted to the DICOM standard.
[0351]
<Use of the present invention>
The photothermographic material of the present invention forms a black and white image by a silver image, and is used as a photothermographic material for medical diagnosis, a photothermographic material for industrial photography, a photothermographic material for printing, and a photothermographic material for COM. Can be used.
[0352]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0353]
Example 1
(Preparation of PET support)
1) Film formation
Using terephthalic acid and ethylene glycol, PET having an intrinsic viscosity of IV = 0.66 (measured at 25 ° C. in phenol / tetrachloroethane = 6/4 (mass ratio)) was obtained according to a conventional method. This was pelletized, dried at 130 ° C. for 4 hours, melted at 300 ° C., extruded from a T-die, and rapidly cooled to produce an unstretched film having a thickness of 175 μm after heat setting.
[0354]
This was longitudinally stretched 3.3 times using rolls with different peripheral speeds, and then stretched 4.5 times with a tenter. The temperatures at this time were 110 ° C. and 130 ° C., respectively. Thereafter, the film was heat-fixed at 240 ° C. for 20 seconds and relaxed by 4% in the lateral direction at the same temperature. After slitting the chuck part of the tenter, knurling is performed on both ends and 4 kg / cm.2And a roll having a thickness of 175 μm was obtained.
[0355]
2) Surface corona treatment
Using a solid state corona treatment machine 6KVA model manufactured by Pillar, both surfaces of the support were treated at room temperature at 20 m / min. From the current and voltage readings at this time, the support is 0.375 kV · A · min / m.2It was found that the process was done. The treatment frequency at this time was 9.6 kHz, and the gap clearance between the electrode and the dielectric roll was 1.6 mm.
[0356]
3) Undercoat
1) Preparation of undercoat layer coating solution
Formulation (1) (for the undercoat layer on the image forming layer side)
Figure 2004334077
[0357]
Formulation (2) (for back layer 1st layer)
Figure 2004334077
[0358]
Formula (3) (Back side 2nd layer)
Figure 2004334077
[0359]
2) Undercoat
After both surfaces of the biaxially stretched polyethylene terephthalate support having a thickness of 175 μm are subjected to the corona discharge treatment, the undercoat coating solution formulation {circle around (1)} is applied to one surface (image forming layer surface) with a wire bar. .6ml / m2(Per side) and dried at 180 ° C. for 5 minutes, and then the undercoat coating liquid formulation (2) is applied to the back side (back side) with a wire bar at a wet coating amount of 5.7 ml / m.2And then dried at 180 ° C. for 5 minutes. Further, the undercoat coating liquid formulation (3) is applied to the back surface (back surface) with a wire bar so that the wet coating amount is 7.7 ml / m.2And then dried at 180 ° C. for 6 minutes to prepare an undercoat support.
[0360]
(Back layer)
1) Preparation of back layer coating solution
(Preparation of solid fine particle dispersion (a) of base precursor)
2.5 kg of base precursor compound-1 and 300 g of a surfactant (trade name: Demol N, manufactured by Kao Corporation), 800 g of diphenyl sulfone, 1.0 g of benzoisothiazolinone sodium salt and distilled water are added to the total amount Were mixed to 8.0 kg, and the mixed solution was subjected to bead dispersion using a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Corporation). In the dispersion method, the mixed solution was fed to UVM-2 filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm by a diaphragm pump, and dispersed at an internal pressure of 50 hPa or more until a desired average particle size was obtained.
The dispersion was subjected to spectral absorption measurement, and the ratio of absorbance at 450 nm to absorbance at 650 nm (D450 / D650) in the spectral absorption of the dispersion was dispersed to 3.0. The obtained dispersion was diluted with distilled water so that the concentration of the base precursor was 25% by mass, and was filtered for removal of dust (polypropylene filter having an average pore size of 3 μm) for practical use.
[0361]
2) Preparation of dye solid fine particle dispersion
6.0 kg of cyanine dye compound-1 and 3.0 kg of sodium p-dodecylbenzenesulfonate, 0.6 kg of surfactant Demol SNB manufactured by Kao Corporation, and an antifoaming agent (trade names: Surfynol 104E, Nisshin Chemical ( Co., Ltd.) 0.15 kg was mixed with distilled water to make a total liquid volume of 60 kg. The mixed solution was dispersed with 0.5 mm zirconia beads using a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Corporation).
The dispersion was subjected to spectral absorption measurement and dispersed until the ratio of the absorbance at 650 nm to the absorbance at 750 nm (D650 / D750) in the spectral absorption of the dispersion was 5.0 or more. The obtained dispersion was diluted with distilled water so that the concentration of the cyanine dye was 6% by mass, and subjected to filter filtration (average pore size: 1 μm) for removing dust.
[0362]
3) Preparation of antihalation layer coating solution
The container is kept at 40 ° C., and gelatin is dissolved by adding 40 g of gelatin, 20 g of monodisperse polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 8 μm, particle size standard deviation 0.4), 0.1 g of benzoisothiazolinone, and 490 ml of water. It was. Furthermore, 2.3 ml of 1 mol / l sodium hydroxide aqueous solution, 40 g of the dye solid fine particle dispersion, 90 g of the solid fine particle dispersion (a) of the base precursor, 12 ml of 3% by weight aqueous sodium polystyrenesulfonate solution, 10% by weight of SBR latex 180 g of the liquid was mixed. Immediately before coating, 80 ml of a 4% by weight aqueous solution of N, N-ethylenebis (vinylsulfonacetamide) was mixed to prepare a coating solution for preventing halation.
[0363]
4) Preparation of slip agent emulsion
(Preparation of slip agent emulsion (comparative compound))
To 1.0 kg of the comparative compound (liquid paraffin), 2.4 L of water, 30 ml of phenoxyethanol, 10 g of methyl p-hydroxybenzoate and 1.0 kg of gelatin were stirred at 50 ° C. for 20 minutes and mixed. 250 ml of a 10% by mass aqueous solution of oleoylmethyltaurine sodium was added and stirred at a dissolver at 5000 rpm for 60 minutes for emulsification and dispersion. 40 ° C. water was added to the obtained dispersion to make a finished amount of 10 kg. The average particle size of the obtained dispersion was measured with a light scattering particle size measuring instrument LA-920 manufactured by Horiba, and it was 0.22 μm.
[0364]
(Preparation of slip agent emulsion (the compound of the present invention and comparative compounds other than the above))
The above comparative compound was emulsified and dispersed in the same manner as the above comparative compound except that the compound of the present invention or the above comparative compound was replaced with the same weight. The average particle size was in the range of 0.18 to 0.26 μm. The sliding agents used are shown in Table 1.
[0365]
5) Preparation of back surface protective layer coating solution
The container was kept at 40 ° C., and 40 g of gelatin, 35 mg of benzoisothiazolinone, and 840 ml of water were added to dissolve the gelatin. Further, 5.8 ml of a 1 mol / l sodium hydroxide aqueous solution, 50 g of a comparative or slip compound emulsion of the compound of the present invention, 10 ml of a 5% by weight aqueous solution of di (2-ethylhexyl) sodium sulfosuccinate, 20 ml of a 3% by weight aqueous sodium polystyrene sulfonate solution , 2.4 ml of a fluorine-based surfactant (F-1) 2% by weight solution, 2.4 ml of a fluorine-based surfactant (F-2) 2% by weight solution, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / Acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 57/8/28/5/2) Latex 19% by mass 32 g of liquid was mixed. Immediately before coating, 25 ml of a 4% by weight aqueous solution of N, N-ethylenebis (vinylsulfonacetamide) was mixed to prepare a coating solution for the back surface protective layer.
[0366]
6) Application of back layer
On the back surface side of the undercoat support, the gelatin coating amount of the antihalation layer coating solution is 0.52 g / m.2In addition, the back surface protective layer coating solution has a gelatin coating amount of 1.7 g / m.2Then, a simultaneous multilayer coating was applied and dried to prepare a back layer.
[0367]
(Image forming layer, intermediate layer, and surface protective layer)
1. Preparation of coating materials
1) Silver halide emulsion
<< Preparation of silver halide emulsion 1 >>
To a solution of 1421 ml of distilled water, 3.1 ml of a 1% by mass potassium bromide solution was added, and a solution containing 3.5 ml of 0.5 mol / L sulfuric acid and 31.7 g of phthalated gelatin was stirred in a stainless steel reaction vessel. While maintaining the liquid temperature at 30 ° C., the solution A diluted with 95.4 ml of distilled water added to 22.22 g of silver nitrate, 15.3 g of potassium bromide and 0.8 g of potassium iodide in a distilled water volume of 97.4 ml. The whole amount of the solution B diluted to 1 was added at a constant flow rate over 45 seconds. Thereafter, 10 ml of a 3.5% by mass aqueous hydrogen peroxide solution was added, and 10.8 ml of a 10% by mass aqueous solution of benzimidazole was further added. Further, a solution C in which distilled water was added to 51.86 g of silver nitrate to be diluted to 317.5 ml, a solution D in which 44.2 g of potassium bromide and 2.2 g of potassium iodide were diluted with distilled water to a volume of 400 ml was added to solution C. Was added at a constant flow rate over 20 minutes, and solution D was added by the controlled double jet method while maintaining pAg at 8.1. 1 x 10 per mole of silver-4A total amount of iridium (III) hexachloride potassium salt was added in a molar amount 10 minutes after the start of addition of solution C and solution D. In addition, 5 seconds after completion of the addition of the solution C, an aqueous solution of potassium iron (II) hexacyanide was added at 3 × 10 5 per mol of silver.-4The whole molar amount was added. The pH was adjusted to 3.8 using 0.5 mol / L sulfuric acid, stirring was stopped, and a precipitation / desalting / water washing step was performed. The pH was adjusted to 5.9 with 1 mol / L sodium hydroxide to prepare a silver halide dispersion having a pAg of 8.0.
[0368]
The silver halide dispersion was maintained at 38 ° C. with stirring, 5 ml of a 0.34 mass% 1,2-benzisothiazolin-3-one methanol solution was added, and the temperature was raised to 47 ° C. after 40 minutes. 20 minutes after the temperature rise, sodium benzenethiosulfonate was 7.6 × 10 6 in 1 mol of silver with a methanol solution.-55 minutes later, tellurium sensitizer C was added in a methanol solution to give 2.9 × 10 6 per mole of silver.-4Mole was added and aged for 91 minutes. Thereafter, a methanol solution having a molar ratio of the spectral sensitizing dye A and the sensitizing dye B of 3: 1 is 1.2 × 10 as the total of the sensitizing dyes A and B per mole of silver.-3After 1 minute, 1.3 ml of a 0.8 mass% methanol solution of N, N′-dihydroxy-N ″, N ″ -diethylmelamine was added, and after 4 minutes, 5-methyl-2-mercaptobenzo was added. Imidazole in methanol solution at 4.8 x 10 per mole of silver-3Mole, 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole in a methanol solution to 5.4 × 10 5 per mole of silver-3Mole and 1- (3-Methylureidophenyl) -5-mercaptotetrazole in aqueous solution to 8.5 × 10 5 per mole of silver-3A silver halide emulsion 1 was prepared by adding a molar amount.
[0369]
The grains in the prepared silver halide emulsion were silver iodobromide grains containing 3.5 mol% of iodine having an average sphere equivalent diameter of 0.042 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 20%. The particle size and the like were determined from an average of 1000 particles using an electron microscope. The [100] face ratio of the particles was determined to be 80% using the Kubelka-Munk method.
[0370]
<< Preparation of silver halide emulsion 2 >>
In the preparation of silver halide emulsion 1, the liquid temperature at the time of grain formation was changed from 30 ° C. to 47 ° C., and solution B was changed to diluting 15.9 g of potassium bromide with distilled water to a volume of 97.4 ml, Solution D was changed to diluting 45.8 g of potassium bromide with distilled water to a volume of 400 ml, and the addition time of solution C was changed to 30 minutes to remove potassium hexacyanoiron (II) in the same manner. A silver halide emulsion 2 was prepared. Precipitation / desalting / washing / dispersion was carried out in the same manner as silver halide emulsion 1. Furthermore, the amount of tellurium sensitizer C added was 1.1 × 10 5 per silver mole.-4Mole, the addition amount of a 3: 1 methanol solution in the molar ratio of spectral sensitizing dye A and spectral sensitizing dye B is 7.0 × 10 as the sum of sensitizing dye A and sensitizing dye B per mole of silver.-4Mole, 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole, 3.3 × 10 3 per mole of silver-3Mole and 1- (3-Methylureidophenyl) -5-mercaptotetrazole is 4.7 × 10 4 per mol of silver.-3Spectral sensitization, chemical sensitization and 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole, 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole in the same manner as Emulsion 1 except that the molar addition was changed. Was added to obtain a silver halide emulsion 2. The emulsion grains of the silver halide emulsion 2 were pure silver bromide cubic grains having an average sphere equivalent diameter of 0.080 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 20%.
[0371]
<< Preparation of silver halide emulsion 3 >>
In the preparation of silver halide emulsion 1, silver halide emulsion 3 was prepared in the same manner except that the liquid temperature at the time of grain formation was changed from 30 ° C. to 27 ° C. Alternatively, precipitation / desalting / washing / dispersion was carried out in the same manner as in the silver halide emulsion 1. The molar ratio of spectral sensitizing dye A and spectral sensitizing dye B is 1: 1 as a solid dispersion (gelatin aqueous solution), and the addition amount is 6 × 10 as the total of sensitizing dye A and sensitizing dye B per mole of silver.-3Mol, tellurium sensitizer C is added in an amount of 5.2 × 10 5 per mol of silver.-43 minutes after addition of tellurium sensitizer, 5 × 10-4Moles and potassium thiocyanate 2 x 10 per mole of silver-3A silver halide emulsion 3 was obtained in the same manner as Emulsion 1 except that a mole was added. The emulsion grains of the silver halide emulsion 3 were silver iodobromide grains containing 3.5 mol% of iodine having an average sphere equivalent diameter of 0.034 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 20%.
[0372]
<< Preparation of mixed emulsion A for coating solution >>
70% by weight of silver halide emulsion 1, 15% by weight of silver halide emulsion 2 and 15% by weight of silver halide emulsion 3 were dissolved, and 7% by mole of silver in a 1% by weight aqueous solution of benzothiazolium iodide. × 10-3Mole was added. Further, water is added so that the content of silver halide per 1 kg of the mixed emulsion for coating solution is 38.2 g as silver, and 1- (3-methylureidophenyl) is adjusted to 0.34 g per 1 kg of the mixed emulsion for coating solution. -5-mercaptotetrazole was added.
[0373]
2) Preparation of fatty acid silver dispersion
<< Preparation of fatty acid silver dispersion A >>
Henkel behenic acid (product name Edenor C22-85R) 87.6 kg, distilled water 423 L, 5 mol / L NaOH aqueous solution 49.2 L, t-butyl alcohol 120 L were mixed, and the reaction was stirred at 75 ° C. for 1 hour. To obtain sodium behenate solution A. Separately, 206.2 L (pH 4.0) of an aqueous solution containing 40.4 kg of silver nitrate was prepared and kept warm at 10 ° C. A reaction vessel containing 635 L of distilled water and 30 L of t-butyl alcohol was kept at 30 ° C., and with sufficient stirring, the total amount of the previous sodium behenate solution A and the total amount of silver nitrate aqueous solution were kept at a constant flow rate for 93 minutes 15 Added over seconds and 90 minutes. At this time, only the aqueous silver nitrate solution is added for 11 minutes after the start of the addition of the aqueous silver nitrate solution, and then the addition of the sodium behenate solution A is started. Was added. At this time, the temperature in the reaction vessel was 30 ° C., and the external temperature was controlled so that the liquid temperature was constant. The pipe of the addition system for the sodium behenate solution A was prepared by keeping warm by circulating hot water outside the double pipe so that the liquid temperature at the outlet at the tip of the addition nozzle was 75 ° C. Moreover, the piping of the addition system of the silver nitrate aqueous solution was kept warm by circulating cold water outside the double pipe. The addition position of the sodium behenate solution A and the addition position of the aqueous silver nitrate solution were arranged symmetrically around the stirring axis, and were adjusted so as not to contact the reaction solution.
[0374]
After completion of the addition of sodium behenate solution A, the mixture was left stirring for 20 minutes at the same temperature, heated to 35 ° C. over 30 minutes, and then aged for 210 minutes. Immediately after completion of aging, the solid content was separated by centrifugal filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of filtered water reached 30 μS / cm. Thus, a fatty acid silver salt was obtained. The obtained solid content was stored as a wet cake without drying.
[0375]
When the morphology of the obtained silver behenate particles was evaluated by electron microscope photography, the average values were a = 0.14 μm, b = 0.4 μm, c = 0.6 μm, average aspect ratio 5.2, average sphere equivalent diameter. It was a flake-like crystal having a variation coefficient of 15% for a sphere equivalent diameter of 0.52 μm. (A, b, and c are the text provisions)
[0376]
19.3 kg of polyvinyl alcohol (trade name: PVA-217) and water are added to a wet cake corresponding to a dry solid content of 260 kg to make a total amount of 1000 kg, and then slurried with a dissolver blade, and a pipeline mixer (manufactured by Mizuho Kogyo) : PM-10 type).
[0377]
Next, the pre-dispersed stock solution is subjected to a pressure of 1260 kg / cm of a disperser (trade name: Microfluidizer M-610, manufactured by Microfluidics International Corporation, using a Z-type interaction chamber).2And was treated three times to obtain a silver behenate dispersion. The cooling operation was carried out by installing a serpentine heat exchanger before and after the interaction chamber, and adjusting the temperature of the refrigerant to a dispersion temperature of 18 ° C.
[0378]
<< Preparation of fatty acid silver dispersion B >>
<Preparation of recrystallized behenic acid>
100 kg of behenic acid (product name Edenor C22-85R) manufactured by Henkel was mixed in 1200 kg of isopropyl alcohol, dissolved at 50 ° C., filtered through a 10 μm filter, cooled to 30 ° C., and recrystallized. The cooling speed during recrystallization was controlled at 3 ° C./hour. The obtained crystals were centrifugally filtered, washed with 100 kg of isopropyl alcohol, and then dried. When the obtained crystals were esterified and subjected to GC-FID measurement, the behenic acid content was 96 mol%, and in addition, lignoceric acid was 2 mol%, arachidic acid was 2 mol%, and erucic acid was 0.001 mol%. It was.
[0379]
<Preparation of fatty acid silver dispersion B>
Recrystallized behenic acid 88 kg, distilled water 422 L, 5 mol / L NaOH aqueous solution 49.2 L and t-butyl alcohol 120 L were mixed and stirred at 75 ° C. for 1 hour to react to obtain sodium behenate solution B. Separately, 206.2 L (pH 4.0) of an aqueous solution containing 40.4 kg of silver nitrate was prepared and kept warm at 10 ° C. A reaction vessel containing 635 L of distilled water and 30 L of t-butyl alcohol was kept at 30 ° C., and with sufficient stirring, the total amount of the previous sodium behenate solution B and the total amount of silver nitrate aqueous solution were kept at a constant flow rate for 93 minutes 15 Added over seconds and 90 minutes. At this time, only the silver nitrate aqueous solution is added for 11 minutes after the start of the addition of the silver nitrate aqueous solution, and then the addition of the sodium behenate solution B is started. After the addition of the silver nitrate aqueous solution, only the sodium behenate solution B is added for 14 minutes and 15 seconds Was added. At this time, the temperature in the reaction vessel was 30 ° C., and the external temperature was controlled so that the liquid temperature was constant. The pipe of the addition system for the sodium behenate solution B was kept warm by circulating hot water outside the double pipe so that the liquid temperature at the outlet at the tip of the addition nozzle was 75 ° C. Moreover, the piping of the addition system of the silver nitrate aqueous solution was kept warm by circulating cold water outside the double pipe. The addition position of the sodium behenate solution B and the addition position of the silver nitrate aqueous solution were symmetrically arranged around the stirring axis, and were adjusted so as not to contact the reaction solution.
[0380]
After completion of the addition of the sodium behenate solution B, the mixture was left stirring for 20 minutes at the same temperature, heated to 35 ° C. over 30 minutes, and then aged for 210 minutes. Immediately after completion of aging, the solid content was separated by centrifugal filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of filtered water reached 30 μS / cm. Thus, a fatty acid silver salt was obtained. The obtained solid content was stored as a wet cake without drying.
When the morphology of the obtained silver behenate particles was evaluated by electron microscope photography, the average values were a = 0.21 μm, b = 0.4 μm, c = 0.4 μm, average aspect ratio 2.1, and equivalent sphere diameter. The crystal had a coefficient of variation of 11%. (A, b, and c are the text provisions)
[0381]
19.3 kg of polyvinyl alcohol (trade name: PVA-217) and water are added to a wet cake corresponding to a dry solid content of 260 kg to make a total amount of 1000 kg, and then slurried with a dissolver blade, and a pipeline mixer (manufactured by Mizuho Kogyo) : PM-10 type).
[0382]
Next, the pre-dispersed stock solution is subjected to a pressure of 1150 kg / cm of a dispersing machine (trade name: Microfluidizer M-610, manufactured by Microfluidics International Corporation, using a Z-type interaction chamber).2And was treated three times to obtain a silver behenate dispersion. The cooling operation was carried out by installing a serpentine heat exchanger before and after the interaction chamber, and adjusting the temperature of the refrigerant to a dispersion temperature of 18 ° C.
[0383]
3) Preparation of reducing agent dispersion
<< Preparation of Reducing Agent-1 Dispersion >>
10 kg of water was added to 10 kg of a reducing agent-1 (2,2′-methylenebis- (4-ethyl-6-tert-butylphenol)) 10 kg and a 10% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203). Add and mix well to make a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump, dispersed for 3 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, and then benzoisothiazolinone sodium salt 0. 2 g and water were added to prepare a reducing agent concentration of 25% by mass. This dispersion was heat-treated at 60 ° C. for 5 hours to obtain a reducing agent-1 dispersion. The reducing agent particles contained in the reducing agent dispersion thus obtained had a median diameter of 0.40 μm and a maximum particle diameter of 1.4 μm or less. The obtained reducing agent dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0384]
<< Preparation of Reducing Agent-2 Dispersion >>
10 mass of reducing agent-2 (6,6′-di-t-butyl-4,4′-dimethyl-2,2′-butylidenediphenol) and modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203) 10 kg of water was added to 16 kg of% aqueous solution and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 3 hours 30 minutes in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, and then benzoisothiazolinone sodium salt 0.2 g and water were added to prepare a reducing agent concentration of 25% by mass. This dispersion was heated at 40 ° C. for 1 hour, and then further heated at 80 ° C. for 1 hour to obtain a reducing agent-2 dispersion. The reducing agent particles contained in the reducing agent dispersion thus obtained had a median diameter of 0.50 μm and a maximum particle diameter of 1.6 μm or less. The obtained reducing agent dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0385]
4) Preparation of hydrogen bonding compound-1 dispersion
Add 10 kg of water to 10 kg of 10% aqueous solution of hydrogen bonding compound-1 (tri (4-t-butylphenyl) phosphine oxide) and modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203). Mix to make a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump, and dispersed for 4 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm. 2 g and water were added to prepare a hydrogen bonding compound concentration of 25% by mass. This dispersion was heated at 40 ° C. for 1 hour and then further heated at 80 ° C. for 1 hour to obtain a hydrogen bonding compound-1 dispersion. The hydrogen bonding compound particles contained in the hydrogen bonding compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.45 μm and a maximum particle diameter of 1.3 μm or less. The obtained hydrogen bonding compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0386]
5) Preparation of development accelerator-1 dispersion
10 kg of development accelerator-1 and 20 kg of 10% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203) were added to 10 kg of water and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 3 hours 30 minutes in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, and then benzoisothiazolinone sodium salt 0.2 g and water were added to adjust the concentration of the development accelerator to 20% by mass to obtain a development accelerator-1 dispersion. The development accelerator particles contained in the development accelerator dispersion thus obtained had a median diameter of 0.48 μm and a maximum particle diameter of 1.4 μm or less. The obtained development accelerator dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
The solid dispersions of the development accelerator-2 and the color tone adjusting agent-1 were also dispersed by the same method as the development accelerator-1, and 20% by mass and 15% by mass of dispersions were obtained, respectively.
[0387]
6) Preparation of polyhalogen compound
<< Preparation of organic polyhalogen compound-1 dispersion >>
10 kg of organic polyhalogen compound-1 (tribromomethanesulfonylbenzene), 10 kg of a 20% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Poval MP203 manufactured by Kuraray Co., Ltd.), 0.4 kg of a 20% by weight aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate, Then, 14 kg of water was added and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 5 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm. 2 g and water were added to prepare an organic polyhalogen compound concentration of 26% by mass to obtain an organic polyhalogen compound-1 dispersion. The organic polyhalogen compound particles contained in the polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.41 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 10.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0388]
<< Preparation of organic polyhalogen compound-2 dispersion >>
10 kg of an organic polyhalogen compound-2 (N-butyl-3-tribromomethanesulfonylbenzoamide), 20 kg of a 10% by mass aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Poval MP203 manufactured by Kuraray Co., Ltd.), and 20 of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate 0.4 kg of a mass% aqueous solution was added and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 5 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm. 2 g and water were added to prepare an organic polyhalogen compound concentration of 30% by mass. This dispersion was heated at 40 ° C. for 5 hours to obtain an organic polyhalogen compound-2 dispersion. The organic polyhalogen compound particles contained in the polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.40 μm and a maximum particle diameter of 1.3 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0389]
7) Preparation of phthalazine compound-1 solution
8 kg of modified polyvinyl alcohol MP203 manufactured by Kuraray Co., Ltd. was dissolved in 174.57 kg of water, and then 3.15 kg of a 20 mass% aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate and 70 mass of phthalazine compound-1 (6-isopropylphthalazine). 14.28 kg of a% aqueous solution was added to prepare a 5% by mass solution of phthalazine compound-1.
[0390]
8) Preparation of mercapto compound)
<< Preparation of Mercapto Compound-1 Aqueous Solution >>
7 g of mercapto compound-1 (1- (3-sulfophenyl) -5-mercaptotetrazole sodium salt) was dissolved in 993 g of water to obtain a 0.7% by mass aqueous solution.
[0390]
<< Preparation of Mercapto Compound-2 Aqueous Solution >>
20 g of mercapto compound-2 (1- (3-methylureidophenyl) -5-mercaptotetrazole) was dissolved in 980 g of water to obtain a 2.0 mass% aqueous solution.
[0392]
9) Preparation of pigment-1 dispersion
C. I. Pigment Blue 60 (64 g) and Kao Corp. Demol N (6.4 g) were added to 250 g of water and mixed well to obtain a slurry. Prepare 800 g of zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, put them in a vessel together with the slurry, and disperse with a disperser (1/4 G sand grinder mill: manufactured by IMEX Co., Ltd.) for 25 hours. A pigment-1 dispersion was obtained by adjusting the concentration to 5% by mass. The pigment particles contained in the pigment dispersion thus obtained had an average particle size of 0.21 μm.
[0393]
10) Preparation of SBR latex solution
(Synthesis of SBR latex (Tg = 17 ° C.))
In a polymerization kettle of a gas monomer reactor (TAS-2J type manufactured by Pressure Glass Industrial Co., Ltd.), 287 g of distilled water and a surfactant (Pionin A-43-S (manufactured by Takemoto Yushi Co., Ltd.)): solid content 48.5 (Mass%) 7.73 g, 1 mol / liter NaOH 14.06 ml, ethylenediaminetetraacetic acid tetrasodium salt 0.15 g, styrene 255 g, acrylic acid 11.25 g, tert-dodecyl mercaptan 3.0 g were put, the reaction vessel was sealed and the stirring speed was Stir at 200 rpm. After degassing with a vacuum pump and repeating nitrogen gas replacement several times, 108.75 g of 1,3-butadiene was injected to raise the internal temperature to 60 ° C. A solution obtained by dissolving 1.875 g of ammonium persulfate in 50 ml of water was added thereto, and the mixture was stirred as it was for 5 hours. The mixture was further heated to 90 ° C. and stirred for 3 hours. After the reaction was completed, the internal temperature was lowered to room temperature, and then 1 mol / liter NaOH and NH.4Na with OH+Ion: NH4 +The addition treatment was performed so that the ion was 1: 5.3 (molar ratio), and the pH was adjusted to 8.4. Thereafter, the mixture was filtered with a polypropylene filter having a pore size of 1.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored, and 774.7 g of SBR latex was obtained. When the halogen ions were measured by ion chromatography, the chloride ion concentration was 3 ppm. As a result of measuring the concentration of the chelating agent by high performance liquid chromatography, it was 145 ppm.
[0394]
The latex has an average particle size of 90 nm, Tg = 17 ° C., solid content concentration of 44 mass%, equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH, 0.6 mass%, ion conductivity of 4.80 mS / cm (measurement of ion conductivity is A latex stock solution (44 mass%) was measured at 25 ° C. using a conductivity meter CM-30S manufactured by Toa Denpa Kogyo Co., Ltd.).
[0395]
2. Preparation of coating solution
1) Preparation of image forming layer coating solution-1
1000 g of fatty acid silver dispersion A obtained above, 135 ml of water, 35 g of pigment-1 dispersion, 19 g of organic polyhalogen compound-1 dispersion, 58 g of organic polyhalogen compound-2 dispersion, 162 g of phthalazine compound-1 solution, SBR latex ( (Tg: 17 ° C.) Liquid 1060 g, reducing agent-1 dispersion 75 g, reducing agent-2 dispersion 75 g, hydrogen bonding compound-1 dispersion 106 g, development accelerator-1 dispersion 4.8 g, mercapto compound-1 aqueous solution 9 ml and 27 ml of the mercapto compound-2 aqueous solution were sequentially added, and 118 g of the silver halide mixed emulsion A was added immediately before coating, and the well-mixed image forming layer coating solution was directly fed to the coating die and coated.
[0396]
The viscosity of the image forming layer coating solution was 25 [mPa · s] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) as measured with a B-type viscometer of Tokyo Keiki.
The viscosity of the coating solution at 38 ° C. using a Haake RheoStress RS150 is 32, 35, 33, 26, and 17 [mPa · s at shear rates of 0.1, 1, 10, 100, and 1000 [1 / second], respectively. s].
[0397]
The amount of zirconium in the coating solution was 0.32 mg per 1 g of silver.
[0398]
2) Preparation of image forming layer coating solution-2
1000 g of fatty acid silver dispersion B obtained above, 135 ml of water, 36 g of pigment-1 dispersion, 25 g of organic polyhalogen compound-1 dispersion, 39 g of organic polyhalogen compound-2 dispersion, 171 g of phthalazine compound-1 solution, SBR latex ( (Tg: 17 ° C.) Liquid 1060 g, reducing agent-2 dispersion 153 g, hydrogen bonding compound-1 dispersion 55 g, development accelerator-1 dispersion 4.8 g, development accelerator-2 dispersion 5.2 g, color tone adjustment 2.1 g of Agent-1 dispersion and 8 ml of mercapto compound-2 aqueous solution were sequentially added, and 140 g of the silver halide mixed emulsion A was added immediately before coating, and the well-mixed image forming layer coating solution was directly fed to the coating die. Applied.
The viscosity of the image forming layer coating solution was 40 [mPa · s] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) as measured with a B-type viscometer of Tokyo Keiki.
The viscosity of the coating solution at 38 ° C. using a Haake RheoStress RS150 is 30, 43, 41, 28, 20 [mPa · s] at shear rates of 0.1, 1, 10, 100, 1000 [1 / second], respectively. s].
[0399]
The amount of zirconium in the coating solution was 0.30 mg per 1 g of silver.
[0400]
3) Preparation of intermediate layer coating solution
Polyvinyl alcohol PVA-205 (manufactured by Kuraray Co., Ltd.) 1000 g, pigment-1 dispersion 163 g, blue dye compound-1 (manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd .: Kayafect Turquoise RN Liquid 150) aqueous solution 33 g, sulfosuccinic acid di ( 2-ethylhexyl) sodium salt 5 mass% aqueous solution 27 ml, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 57/8/28/5/2) latex 19 mass% liquid 4200 ml 27 ml of 5% by weight aqueous solution of Aerosol OT (manufactured by American Cyanamid Co., Ltd.), 135 ml of 20% by weight aqueous solution of diammonium phthalate, and water to a total amount of 10000 g, resulting in a pH of 7.5. Adjust with NaOH to make the intermediate layer coating solution, ml / m2Then, the solution was fed to the coating die. The viscosity of the coating solution was 58 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0401]
4) Preparation of surface protective layer first layer coating solution
100 g of inert gelatin and 10 mg of benzoisothiazolinone are dissolved in 840 ml of water, and a methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 57/8/28/5/2) latex 19 180% by weight of liquid, 46 ml of 15% by weight methanol solution of phthalic acid, and 5.4 ml of 5% by weight aqueous solution of di (2-ethylhexyl) sulfosuccinate sodium salt were added and mixed. 40ml mixed with static mixer, coating solution amount is 26.1ml / m2Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 20 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0402]
5) Preparation of surface protective layer second layer coating solution
100 g of inert gelatin, 71 g of a comparative or slip compound emulsion of the compound of the present invention and 10 mg of benzoisothiazolinone are dissolved in 800 ml of water, and a methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymer weight ratio) 57/8/28/5/2) 180 g of latex 19% by weight, 40 ml of phthalic acid 15% by weight methanol solution, 5.5 ml of 1% by weight of fluorosurfactant (F-1), fluorosurfactant 5.5% of a 1% by weight aqueous solution of the agent (F-2), 28 ml of a 5% by weight aqueous solution of di (2-ethylhexyl) sodium sulfosuccinate, 4 g of polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 0.7 μm), polymethyl Surface mixed with 21 g of methacrylate fine particles (average particle size 4.5 μm) 8.3 ml / m as a protective coating solution2Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 19 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0403]
3. Preparation of photothermographic materials-1 and 2
1) Preparation of photothermographic material-1
A photothermographic material sample was applied simultaneously on the surface opposite to the back surface by the slide bead coating method in the order of the image forming layer, intermediate layer, surface protective layer first layer, and surface protective layer second layer from the undercoat surface. Was made. At this time, the coating solution for the image forming layer and the intermediate layer was adjusted to 31 ° C., the coating solution for the first surface protective layer was adjusted to 36 ° C., and the coating solution for the second surface protective layer was adjusted to 37 ° C.
Coating amount of each compound in the image forming layer (g / m2) Is as follows.
[0404]
Silver behenate 5.42
Pigment (C.I. Pigment Blue 60) 0.036
Polyhalogen compound-1 0.12
Polyhalogen compound-2 0.25
Phthalazine Compound-1 0.18
SBR latex 9.70
Reducing agent-1 0.40
Reducing agent-2 0.40
Hydrogen bonding compound-1 0.58
Development accelerator-1 0.02
Mercapto Compound-1 0.002
Mercapto compound-2 0.012
Silver halide (as Ag) 0.10
[0405]
The coating and drying conditions are as follows.
The coating was performed at a speed of 160 m / min, the gap between the coating die tip and the support was set to 0.10 to 0.30 mm, and the pressure in the decompression chamber was set to be 196 to 882 Pa lower than the atmospheric pressure. The support was neutralized with an ion wind before coating.
In the subsequent chilling zone, after cooling the coating solution with wind at a dry bulb temperature of 10 to 20 ° C., the coating solution is transported in a non-contact manner, and dried at a dry bulb temperature of 23 to 45 ° C. It dried with the dry wind of the wet bulb temperature 15-21 degreeC.
After drying, the humidity was adjusted at 25 ° C. and humidity of 40 to 60% RH, and then the film surface was heated to 70 to 90 ° C. After heating, the film surface was cooled to 25 ° C.
The photothermographic material thus prepared had a Beck smoothness of 550 seconds on the image forming layer surface side and 130 seconds on the back surface. Further, the pH of the film surface on the image forming layer surface side was measured and found to be 6.0.
[0406]
2) Preparation of photothermographic material-2
A photothermographic material-2 was produced in the same manner as the photothermographic material-1, except that the image forming layer coating solution-1 was changed to the image forming layer coating solution-2 with respect to the photothermographic material-1.
Application amount of each compound of the image forming layer at this time (g / m2) Is as follows.
[0407]
Silver behenate 5.27
Pigment (C.I. Pigment Blue 60) 0.036
Polyhalogen compound-1 0.14
Polyhalogen compound-2 0.28
Phthalazine Compound-1 0.18
SBR latex 9.43
Reducing agent-2 0.77
Hydrogen bonding compound-1 0.28
Development accelerator-1 0.019
Development accelerator-2 0.016
Color tone adjusting agent-1 0.006
Mercapto compound-2 0.003
Silver halide (as Ag) 0.13
[0408]
3) Preparation of photothermographic materials-1A-1R and 2A-2R
As shown in Table 1, the photoconductive materials 1 and 2 were compared with the emulsion surface protective layer 2 and the back surface protective layer as shown in Table 1, and samples 1A to 1R and 2A to 2R were prepared, respectively. did.
The chemical structures of the compounds used in the examples of the present invention are shown below.
[0409]
Embedded image
Figure 2004334077
[0410]
Embedded image
Figure 2004334077
[0411]
Embedded image
Figure 2004334077
[0412]
Embedded image
Figure 2004334077
[0413]
Comparative compound-1
Liquid paraffin average molecular weight: about 500
Comparative compound-2
(C17H35COOCH2)3-C-CH3        Molecular weight: 920
Comparative compound-3
C15H31COOC14H29                  Molecular weight: 453
Comparative compound-4
(C15H31COOCH2)4-C molecular weight: 1090
[0414]
Embedded image
Figure 2004334077
[0415]
4). Evaluation of coated surface and photographic performance
4-1. Evaluation of coated surface
The coated surface shape of the image forming surface and the back surface of the obtained sample was evaluated and ranked in the following five stages.
Rank 1: Unevenness of repelling and coating streaks occurs strongly, impractical.
Rank 2: Unevenness is less than rank 1, but practical use is not possible.
Rank 3: Unevenness of repellency and coating streaks is slight, but the practical lower limit level.
Rank 4: In the sample, it is a level with no practical problem due to rarely slight streak-like unevenness.
Rank 5: Very uniform and good level with no unevenness.
[0416]
4-2. Evaluation of photographic performance
1) Preparation
The obtained sample was cut into half-cut size (43 cm length × 35 cm width), packaged in the following packaging materials in an environment of 25 ° C. and 50% RH, stored at room temperature for 2 weeks, and then evaluated as follows. .
2) Packaging materials
PET 10 μm / PE 12 μm / aluminum foil 9 μm / Ny 15 μm / polyethylene 50 μm containing 3% by mass of carbon.
Oxygen permeability: 0.02 ml / atm · m2・ 25 ° C./day, moisture permeability: 0.10 g / atm · m2-25 degreeCday.
[0417]
3) Photosensitive material exposure and development results
Photothermographic materials-1, 1A-1R and 2,2A-2R are exposed and heat-developed (112 ° C.) with Fuji Medical Dry Laser Imager FM-DPL (mounted with a 660 nm semiconductor laser with a maximum output of 60 mW (IIIB)). With four panel heaters set at −119 ° C.-121 ° C.-121 ° C., the photothermographic materials-1 and 1A to 1R were 24 seconds in total, and 2 and 2A to 2R were 14 seconds in total). Images were evaluated with a densitometer.
[0418]
4) Evaluation method
The photothermographic materials-1, 1A-1R and 2,2A-2R were uniformly exposed to a density of 1.5, and each 2000 sheets were processed by the above-described heat developing machine. Thereafter, the sample was visually observed, and those that could be recognized as shading unevenness were regarded as developing unevenness, and the number of occurrences was counted.
[0419]
5) Evaluation results
The results are shown in Table 4.
[0420]
[Table 4]
Figure 2004334077
[0421]
From the results shown in Table 4, sample No. with no slip agent added. In Nos. 1 and 2, the coated surface was good, but development unevenness during the heat development process was very large. In addition, the sample No. to which the comparative compound was added. In 1A to 1D and 2A to 2D, coating unevenness deteriorated. This is particularly noticeable when a compound having a low molecular weight is used, and the frequency of occurrence of development unevenness is also increased.
On the other hand, in the sample using the compound of the present invention, the coated surface shape is good, the development performance is small, and good performance is obtained.
[0422]
Next, for the photothermographic material-2A, a sample was prepared by changing the slipping agent of the present invention or comparative compound to the addition amount shown in Table 5, and the same evaluation was performed. The addition amount is shown in Table 5 as a relative value to the photothermographic material-2A.
[0423]
[Table 5]
Figure 2004334077
[0424]
Further, a sample in which the compound according to the present invention was added as shown in Table 6 in comparison with the photothermographic material-1 was prepared. By changing the transport speed by changing the heat transfer machine software that processed 20000 sheets of commercially available photothermographic material DI-AL to the dry imager FM-DPL manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. The development time was changed from 24 seconds to 18 seconds. Using this apparatus, exposure giving a density of 1.5 was performed in the same manner as in Example 1, and heat development was performed for 18 seconds. In this case as well, 2000 sheets were processed continuously, and the number of density unevenness due to conveyance failure was examined. The results are shown in Table 6.
[0425]
[Table 6]
Figure 2004334077
[0426]
From the results of Table 6, sample No. using the comparative compound was obtained. In A to C, the number of development unevenness is large and is a level that requires improvement. On the other hand, with the sample of the present invention, even when a large amount of processing was performed, the heat development processing could be performed stably without any problem.
[0427]
Further, samples prepared in the same manner as the photosensitive material shown in Table 6 were evaluated in the same manner with DRYPIX7000 manufactured by Fuji Film Co., Ltd., which was put into a running state by the same method as described above. In this case, the same results as in Table 6 were obtained.
[0428]
From the above results, it is understood that uneven development can be remarkably suppressed by adding the slipping agent according to the present invention to the second layer of the image forming layer surface protective layer or the back surface protective layer.
In particular, when added to both the image forming layer surface protective layer second layer and the back surface protective layer, a remarkable effect can be obtained.
[0429]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a photothermographic material excellent in the coated surface shape of the photothermographic material and photographic performance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a heat development recording apparatus equipped with a laser recording apparatus according to the present invention.
[Explanation of symbols]
10 Image recording device
16 Paper
36, 38, 40 trays
37, 39, 41 Barcode reading window
43, 45, 47 Bar code reader
48, 50, 52 single wafer mechanism
54 Image recording unit
56 rollers
58 plates
60 Thermal development section
62 Roller
64a, b, c Plate heater
66 drums
68 Cooling section
70 Discharge section
F film
L Laser beam

Claims (4)

支持体上に、感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する画像記録層を有する画像記録層面と、支持体の反対の面にバック層面を有する熱現像感光材料であって、
前記画像記録層面及びバック層面の少なくとも一つの面に、分子量が1250以上のすべり剤を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
Photothermographic photosensitive material having an image recording layer surface having an image recording layer containing a photosensitive silver halide, a non-photosensitive organic silver salt, a reducing agent, and a binder on the support, and a back layer surface on the opposite surface of the support. Material,
A photothermographic material comprising a slip agent having a molecular weight of 1250 or more on at least one of the image recording layer surface and the back layer surface.
前記すべり剤が、パラフィン、脂肪酸エステル、及びシリコーン系オイルよりなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。2. The photothermographic material according to claim 1, wherein the slip agent is at least one selected from the group consisting of paraffin, fatty acid ester, and silicone oil. 前記脂肪酸エステルが、多価アルコールの脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の熱現像感光材料。The photothermographic material according to claim 1, wherein the fatty acid ester is a fatty acid ester of a polyhydric alcohol. 前記多価アルコールの脂肪酸エステルが、一般式(L1)、及び一般式(L2)で表される化合物からなる郡から選択される少なくとも一つの化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱現像感光材料。
一般式(L1):
(R01OCH−CCHOCH(C(CHOR01CHOCH)nC−(CHOR01
式中、R01は、脂肪酸残基又は水素原子を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは、0又は1を表す。
一般式(L2):
02OCHCH(OR02)CHO(CHCH(OR02)CHO)CHCH(OR02)CHOR02
式中、R02は、脂肪酸残基又は水素原子を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは0または整数を表す。
The fatty acid ester of the polyhydric alcohol contains at least one compound selected from the group consisting of compounds represented by the general formula (L1) and the general formula (L2). The photothermographic material according to any one of the above.
Formula (L1):
(R 01 OCH 2) 3 -CCH 2 OCH 2 (C (CH 2 OR 01) 2 CH 2 OCH 2) nC- (CH 2 OR 01) 3
In the formula, R 01 represents a fatty acid residue or a hydrogen atom, and may be the same or different. n represents 0 or 1.
General formula (L2):
R 02 OCH 2 CH (OR 02 ) CH 2 O (CH 2 CH (OR 02) CH 2 O) n CH 2 CH (OR 02) CH 2 OR 02
In the formula, R 02 represents a fatty acid residue or a hydrogen atom, and may be the same or different. n represents 0 or an integer.
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