JP2004332504A - Latch device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に家具等に適用できるラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、物品を収納可能な空間を内在させる筐体に観音開き式の扉を取り付けてなる収納家具では、下記特許文献にも記載されているように、筐体の頂壁及び底壁の前面に開口を形成したラッチ受けを設け、かつ扉の内面側に鎌状のラッチを取り付けて、ラッチ受けの開口にラッチを掛け止めることで筐体に扉を係留することが一般的である。通常、このようなラッチは、扉内に設けた回転軸を中心に回動可能である。また、ラッチには、ばね等の付勢手段により、予め開口に掛け止められる方向の力(付勢力)が加えられている。
【0003】
扉が閉じているとき、扉の外面に配置された操作レバーを引くと、該操作レバーに加えられた操作力がラッチに伝達され、ラッチが付勢力に抗してラッチ受けの開口縁より外れようとする方向に回動する。結果、ラッチ受けとラッチとの係合が解除され、扉の開放が許容される。
【0004】
【特許文献1】特開平09−013775号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、既存の収納家具において、操作レバーの操作方向は一方向である。具体例を挙げて述べると、通常の観音開き式の扉を有する収納家具では、操作レバーの右方より手指をかけてこれを手前に引くように操作することで、言い換えるならば、操作レバーを平面視時計回り方向に回転操作することで扉を開けることが可能であるが、逆に操作レバーを平面視反時計回り方向に回転操作して扉を開けることは不可能である。従って、左利きのユーザや、右手にハンディキャップを負っているユーザ等にとっては、必ずしも使い勝手のよいものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すべく、本発明では、軸心周りに回転する操作軸及び該操作軸の所定部位に取り付けた操作レバーを有してなり、起動位置より両方向に回転操作可能な操作体と、前記操作体の回転に連動して変位するラッチと、これら操作体及びラッチの間に介在する駆動機構とを具備するラッチ装置において、前記操作レバーの回転軸心を挟む両側に、手指を差し入れて操作レバーを操作するための手指挿入空間を設け、さらに、前記駆動機構が、前記起動位置より相反する方向に回転するそれぞれの場合において操作体より伝達される操作力を、前記ラッチを一方向に変位させる駆動力に変換してラッチに伝達するように構成した。
【0007】
このようなものであれば、操作レバーの回転操作方向が正方向であるか逆方向であるかによらず、ラッチを所要の方向に変位させることができる。即ち、何れの方向に操作レバーを回転させても扉等を開ける操作が可能となり、右利きのユーザであっても左利きのユーザであっても簡便に操作し得る。また、ハンディキャップを有するユーザにとっても、より使い勝手のよいものとなる。加えて、操作レバーの両側に手指挿入空間を設けてあるため、何れの側より操作レバーに手指をかけることも容易である。
【0008】
より具体的には、前記駆動機構が、前記操作体に対して固定され前記操作軸を中心に回転する伝達部材と、前記伝達部材より操作力の伝達を受ける受力部と、前記受力部が受けた操作力により運動して前記ラッチを駆動する駆動部とを内包するものとし、前記操作体が前記起動位置より相反する方向に回転するそれぞれの場合において、前記受力部に前記伝達部材の両端部の何れかを選択的に作用させて、前記駆動部を同方向に運動させることで前記ラッチを同方向に変位させる。
【0009】
前記受力部は、前記操作体が前記起動位置より相反する方向に回転するそれぞれの場合において、所定の回転中心周りに同方向に回転するものとすることが簡便である。加えて、前記受力部を前記駆動部に対して固定し、受力部と駆動部とを一体とすることにより、駆動機構の構成の簡略化を図り得る。
【0010】
また、前記ラッチの変位を、前記操作軸に対して略平行な軸周りの回転を含む運動とするならば、駆動機構が必要とする空間領域を節約することが可能である。
【0011】
そして、一の部材に前記ラッチを設け、他の部材に前記ラッチと係合するラッチ受けを設けて、ラッチとラッチ受けとの係合により一の部材を他の部材に係留させ得るようにし、かつ、前記一の部材と前記他の部材とのうち何れかの部材に操作体を回転操作可能に設けてあって、前記操作軸を前記何れかの部材に回転可能に支持させるとともに、前記何れかの部材の外面に凹陥を形成し、該凹陥に前記操作レバーの少なくとも一部を収容することで、操作レバーと何れかの部材との間に手指を差し入れて操作レバーを操作するための手指挿入空間を操作レバーの両側に設けるならば、それぞれの側より容易に操作レバーを操作することができる。しかも、操作レバーを操作しないとき、即ち扉等を閉めてあるときに操作レバーが邪魔とならない。本発明に係るラッチ装置は、とりわけ、種々の物品を収納可能な空間を内在させている家具本体(他の部材)と、前記空間を開成あるいは閉止する蓋体(一の部材)とを少なくとも具備する収納家具にあって、前記家具本体に前記部材を係脱自在に係留するために適用することが効果的である。この場合には、これら家具本体及び部材のうち一方に前記ラッチ受けを設け、他方に前記ラッチ装置を設ける。ここに言う蓋体の典型例として、収納家具本体が有する収納空間を開成あるいは閉止する扉が挙げられる。または、収納家具がキャビネット若しくはワゴン等である場合には、引き出しを出し入れ可能に収納し得る筐体が家具本体に、該筐体より引き出される引き出しの鏡板が蓋体に、それぞれ該当する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1、図2に、本発明に係るラッチ装置を適用した収納家具1を示す。該収納家具1は、その前面側に開口する収納空間21を内在させている筐体状の家具本体2と、収納空間21を開閉する位置にヒンジを介して取り付けた観音開き式の蓋体たる扉31、32とを具備する。ラッチ装置は、例えば、左右の扉31、32のうちの右側の扉31に適用する。本実施形態における左側の扉32は、閉止した状態において、その上から右側の扉31の縁部をオーバーラップさせることにより開閉動作が禁止される。右側の扉31は、本発明に係るラッチ装置の働きにより家具本体2に係留される。そして、右側の扉31に実装した操作体6をユーザが操作することで、ラッチ装置による右側の扉31の係留の解消を行い得るようにしている。
【0013】
より具体的には、ラッチ受け5を家具本体2に設けるとともに、該ラッチ受け5に掛け止められるラッチ手段41(後述する)を右側の扉31に設ける。ラッチ受け5は、家具本体2の収納空間21を包囲する周壁(図2に示す例では、家具本体2の底壁)の近傍に成形した前向きの鉛直面22に設けてある。本実施形態におけるラッチ受け5は、周縁が閉じた開口51を有する。そして、ラッチ手段41を掛け止めるための係留部52を、その周縁部に設定している。なお、ラッチ受け5とは、少なくともラッチ手段41が係合してラッチ手段41を掛け止めるための部材一般を言う。ラッチ受け5は、ラッチ43と係わり合う縁部を有し、該縁部が係留部52となる。ラッチ受け5の形状は特に限定されないが、通常、ラッチ受け5は開口51を有し、その周縁部に係留部52が設定される(但し、ラッチ受け5に開口51が形成されているとは限られない)。このとき、前記ラッチ手段41を前記開口51に挿入することで該ラッチ手段41を前記係留部52に臨ませ、掛け止めることができる。
【0014】
ラッチ手段41は、ラッチ支持体42及びラッチ43を主要な構成要素とするもので、扉31の内面側における、ラッチ受け5に対応する位置より突出させて設けてある。扉31を閉じると、このラッチ支持体42が家具本体2に設けたラッチ受け5の開口51に挿入される。ラッチ43は、操作体6に対する操作に連動して変位する。そして、ラッチ受け5の開口51にラッチ支持体42を挿入した状態でラッチ43を変位させて、ラッチ受け5とラッチ43との係合あるいはその解除を行うものとなる。結果、扉31を閉めた状態での扉31の遊びを小さくすることが可能となるとともに、ラッチ43の比較的小さな動作で精度の良い扉31の係留が可能となる。また、既存の鎌状のラッチを用いる場合のように、ラッチ受け5に(鎌状のラッチが回転できるための)広大な開口51を形成する必要がない。但し、ラッチ受け5の開口51は、その開口縁が閉じているものであってもよく、あるいは開口縁が閉じていない切り欠きであってもよい。なお、ラッチ受け5並びにラッチ手段41は複数、とりわけ一対に設けておくことができる。例えば、家具本体2の底壁及び頂壁(図示せず)の近傍にそれぞれラッチ受け5を設けておき、かつこれらラッチ受け5に対して挿脱可能なラッチ手段41を扉31の内面側に上下一対に設けておくことができる。
【0015】
ラッチ43を駆動するべく操作される操作体6は、図3、図4に示すように、操作軸61と、該操作軸61の所要の部位に取り付けた操作レバー62とを有してなる。操作軸61は、蓋体たる扉31の外面に対して略平行に、例えば上下方向に延伸するもので、軸心周りに回動可能であるように扉31に支持させてある。操作レバー62は、ユーザの手指により直接に操作される部材であり、操作軸61の所定位置に取り付けられ、通常、扉31の外面に露出している。操作レバー62は、略部分円筒状をなし前記操作軸61に固定される基体621の前部を、前方に向かうにつれて徐々に拡幅する形状に成形してあるもので、その後向面622に手指をかけられるようにしてある。他方、扉31の外面には凹陥311を形成してあり、この凹陥311の略中央部に操作レバー62を配置することで、操作レバー62の両側より手指を差し入れて操作レバー62を操作可能とする手指挿入空間312を確保してある。操作レバー62の右方を前方に引き出すように操作するとき、即ち、図5、図6に示す起動位置にある操作体6を、操作軸61を中心として平面視時計回り方向に回転操作するときには、操作レバー62より右側にある手指挿入空間312に手指を挿入し、操作レバー62の右側の後向面622に手指をかけることで、該操作レバー62を回転操作することができる。逆に、操作レバー62の左方を前方に引き出すように操作するとき、即ち、起動位置にある操作体6を、操作軸61を中心として平面視反時計回り方向に回転操作するときには、操作レバー62より左側にある手指挿入空間312に手指を挿入し、操作レバー62の左側の後向面622に手指をかけて回転操作すればよい。このように、操作体6は操作レバー62を介して起動位置より両方向に回転操作可能である。因みに、操作体6を起動位置としたとき、操作レバー62の前面が扉31の前面よりも前方に飛び出さないようにしている。特に本実施形態では、操作体6が起動位置にあるとき、操作レバー62の前面が扉31の前面と略面一となり、家具としての外観を高めている。
【0016】
駆動機構は、伝達部材44と、駆動部材45とから構成される。
【0017】
伝達部材44は、操作軸61の所定部位、ラッチ手段41及びラッチ受け5に対応する高さ位置に固定されている操作軸61より左右に拡張する天秤状の部材である。操作体6が起動位置にあるとき、伝達部材44の後向面は略真後ろを向いている。伝達部材44は、操作レバー62が操作されることに伴い、操作軸61を中心に略水平面上で回転する。操作軸61が回転したとき、伝達部材44の両端部441、442の何れかが選択的に駆動部材45の受力部452に作用する。
【0018】
駆動部材45は、所定の回転中心451周りに回転可能に扉31に支持させてある。本実施形態における駆動部材45は、前記回転中心451より幅方向に延伸する受力部452と、該回転中心より奥行き方向に延伸する駆動部453とを一体に設けたものである。図示例では、受力部452及び駆動部453が平面視略L字型をなし、双方が交わる位置に軸受穴454を形成してある。この軸受穴454には、扉31に対して固定されている(例えば、扉31の底壁より上方に突出する)、上下方向に延伸する軸451を挿入する。即ち、駆動部材45は、軸受穴454に挿入された軸451を中心に、略水平面上を回転可能となる。
【0019】
駆動部材45の受力部452の前向面は、前記伝達部材44の後向面と近接する。操作体6が起動位置にあるとき、既に述べたように伝達部材44の後向面が略真後ろを向いているが、受力部452の前向面もまた略真正面を向いており、これらは対向している。しかして、図7、図8に示すように、操作体6を起動位置より平面視時計回り方向に回転させたとき、伝達部材44の左端部441が後方へ移動し、受力部452の前向面に作用して、受力部452に操作力を伝達する。そして、伝達された操作力により、駆動部材45の受力部452及び駆動部453が、前記回転中心451周りに右回転する。逆に、図9、図10に示すように、操作体6を起動位置より平面視反時計回り方向に回転させたとき、伝達部材44の右端部442が後方へ移動し、受力部452の前向面に作用して、受力部452に操作力を伝達する。そして、伝達された操作力により、駆動部材45の受力部452及び駆動部453は、前記回転中心451周りにやはり右回転する。即ち、操作体6が左右何れの方向に回転操作されたとしても、受力部452及び駆動部453は同じ方向に回転運動する。なお、扉を閉止する際にラッチ43が開口51縁に接触して没入しラッチ43の動作によって駆動部材45は回転軸心451回りに回転することとなるが、伝達部材44と駆動部材45は対向して離れている為、伝達部材44にその動作は伝達されない。すなわち、操作体6と扉等の一部が接触することがなく扉を閉止する際において騒音を発生することが少なくなる。
さらに、伝達部材44において、駆動部材45の受力部452に作用する右端部442から操作軸61までの距離と、同じく受力部452に作用する左端部441から操作軸61までの距離とは一致しない。これは、操作体6の回転操作方向を問わず、起動位置より略同じ角度だけ回転させたときに、駆動部材45の受力部452、ひいては駆動部453が略同程度変位(即ち、略同じ角度だけ回転運動する)ようにするためである。即ち、受力部452、駆動部453の回転中心451に遠い作用点で受力部452に作用する左端部441から操作軸61までの距離は比較的長く、受力部452、駆動部453の回転中心451に近い作用点で受力部452に作用する右端部442から操作軸61までの距離は比較的短く設定してある。
【0020】
駆動部453の先端部分はラッチ支持体42内に配置され、ラッチ43と係合する。図示例では、駆動部453の先端部分より上下方向に延伸するピン455を設けてあり、このピン455がラッチ43の平面若しくは下面に形成された長穴43bと係合している。操作体6が回転操作されたとき、駆動部材45の駆動部453は回転中心451周りに右回転運動し、その先端部分がピン455及び長穴43bを介して係合しているラッチ43に駆動力を伝達する。
【0021】
続いて、ラッチ手段41に関して詳述する。ラッチ支持体42は、例えば扁平な板状をなすもので、ラッチ受け5に設定した係留部52に係合するラッチ43を変位可能に支持している。ラッチ支持体42とラッチ43とは、別個の部材であってもよく、あるいは単一の部材であってもよいが、本実施形態におけるラッチ43はラッチ支持体42とは別体をなす。通常、ラッチ支持体42は変形せず、該ラッチ支持体42を設けている部材即ち扉31に対し固定されている。つまり、ラッチ支持体42は、扉31とともに家具本体2ひいてはラッチ受け5に対して相対移動し、扉31が閉じられるときにはラッチ受け5の開口51に挿入されて、ラッチ受け5に設定した係留部52に臨むように位置づけられる。
【0022】
なお、ラッチ支持体42を係留部52に臨むように位置づけたときにラッチ支持体42の外面の少なくとも一部がラッチ受け5と係わり合うように構成してあれば、ラッチ支持体42及びラッチ受け5を利用して閉じた扉31の家具本体2に対する位置決めを行うことができる。さらに、図示例では、扉31を閉じた状態でラッチ受け5の開口51縁と係わり合うラッチ支持体42の基部より先端側の部位が、該基部と比較して先細り形状となっている。よって、扉31を閉止する際、ラッチ支持体42が開口51に対して必ずしも適切な位置になくとも、先細り形状の先端部位がまず開口51に挿入され、しかる後ラッチ支持体42が開口51縁によって適切な位置に誘導されながらその基部まで挿入される。このように、ラッチ支持体42がラッチ受け5に対して適切に位置決めされるため、比較的小さなラッチ43であっても好適にラッチ支持体42をラッチ受け5に係留できる。
【0023】
ラッチ43は、ラッチ受け5の係留部52に当接する当接面43aを有し、ラッチ支持体42の相対移動方向に対して非平行な方向に突没する。図示例では、ラッチ支持体42より側方に突没するものとなっている。但し、ラッチ43を、ラッチ支持体42より上方に若しくは下方に突没させることを妨げない。本実施形態では、ラッチ支持体42の内に空洞が存在しており、その空洞にラッチ43を配置している。かつ、ラッチ支持体42の端面(図示例では、側端面)に、ラッチ支持体42内の空洞に連通するスロット(溝穴)42aを形成してある。ラッチ43がラッチ支持体42に対して変位する際には、ラッチ43の一部がスロット42aより突没する。よって、ラッチ43は、少なくともその一部をラッチ支持体42内の空洞に収容可能な程度の厚み寸法を有する板状体とする。ラッチ43は、同じくラッチ支持体42内の空洞に配置した回転軸42bを介してラッチ支持体42に支持させてあり、該回転軸42bを中心にラッチ支持体42に対して相対的に回動させることができる。回転軸42bは、ラッチ支持体42の比較的先端寄りの位置に配置してある。図5ないし図10に示すように、ラッチ支持体42をラッチ受け5の開口51に挿入したとき、回転軸42bがラッチ受け5の開口51縁よりも内奥に位置づけられる。即ち、回転軸42bが、係留部52(または、後述する作用点P)と比較して、ラッチ支持体42がラッチ受け5に対して進入する方向(図5ないし図10上では、上方向)に向かって先方に、言い換えるならばラッチ支持体42の先端側に位置づけられる。
【0024】
しかして、ラッチ43は、ラッチ支持体42を係留部52に臨ませた状態で、即ち、ラッチ支持体42をラッチ受け5の開口51に挿入した状態で該係留部52に係合して前記ラッチ受け5にラッチ支持体42を掛け止める展開位置S(図5、図6に示す)と前記係留部52に係合せず前記ラッチ受け5よりラッチ支持体42が脱離することを許容する退避位置E(図8または図10に示す)との間で変位可能である。ラッチ43のラッチ支持体42に対する相対的な変位は、回転を含む運動となっており、その回転の中心は回転軸42bである。但し、ラッチ43の運動の軌跡は特に限定されない。ラッチ43の運動の軌跡としては、直線運動、回転運動若しくはこれらの組み合わせ、その他が考えられる。
【0025】
その上で、ラッチ43を係留部52に係合させた状態でラッチ手段41(若しくは、扉31)を脱離させるようにラッチ受け5に対して相対移動させる方向の力が作用した場合にラッチ43に作用する反作用力Fが、展開位置Sより退避位置Eへ変位する際のラッチ43の運動の方向、即ち展開位置Sにあるラッチ43が退避位置Eに向けて回動する方向に沿った方向成分の分力を持ち得ないように構成する。そのために、ラッチ受け5の係留部52よりラッチ43の当接面43aに作用する反作用力Fがラッチ43と係留部52との係合を解除する方向とは逆の方向に作用するように、当接面43aの角度を設定している。並びに、係留部52にラッチ43を係合させた状態にあって、ラッチ43のラッチ支持体42に対する回転の中心が、係留部52がラッチ43に作用する作用点Pよりもラッチ支持体42の相対移動方向に沿って内奥にあるようにしている。即ち、ラッチ43の回転の中心たる回転軸42bが、作用点Pと比較して、ラッチ支持体42がラッチ受け5に対して進入する方向に向かって先方に位置する(言い換えるならば、ラッチ43の回転の中心が、作用点Pから見て、該作用点Pにおいてラッチ受け5よりラッチ43に作用する力Fの方向に沿って先方にある)。この作用点Pが当接面43a上に存在していることは言うまでもない。
【0026】
上記の反作用力Fは、図5に示すように、作用点Pより回転の中心に向かう成分F1と、作用点Pより当接面43aに平行な方向に向かう成分F2との合力と見なすことができる。そして、作用点Pより当接面43aに平行な方向に向かう成分F2は、ラッチ43を退避位置Eより展開位置Sに向かわせるような方向に作用する力である。よって、ラッチ43と係留部52との間の摩擦が十分に大きくラッチ43が係留部52に対して滑らなければ、ラッチ43を係留部52に係合させたままラッチ手段41をラッチ受け5より脱離させようとする場合にあって、ラッチ43がラッチ支持体42よりさらに突き出ようとする。即ち、ラッチ43が展開位置Sを越えてさらに回動しようとするが、ラッチ43の所定の部位がラッチ支持体42の内壁面等に当接することで、あるいはラッチ43と係わり合う駆動部材45がラッチ43を制止することで、それ以上の変位が抑止される。結果として、ラッチ43と係留部52との係合がより強まるため、不用意にラッチ手段41がラッチ受け5より脱離するようなことがない。
【0027】
さらに本実施形態では、作用点P近傍におけるラッチ43の外縁、言い換えるならば当接面43aの面形状を、ラッチ支持体42に対する回転の軌跡に略対応する略部分円弧状(部分円筒曲面状)としており、展開位置Sと退避位置Eとの間でラッチ43をスムーズに変位させることが可能でありながら、しかもラッチ43を係留部52に係合させたときのラッチ手段41とラッチ受け5との間の遊び、がたつきを極小にすることが可能となっている。また、当接面43aが回転の中心たる回転軸42bと作用点Pとを結ぶ線分を径とした円筒曲面であるということは、上記の反作用力Fの分力のうち作用点Pより回転の中心に向かう成分F1がラッチ43を回転させるようには作用しないということを意味する。従って、ラッチ43と係留部52との間の摩擦が小さくラッチ43が係留部52に対する滑りの発生が想定されるとしても、ラッチ43が展開位置Sより退避位置Eに向けて回転してしまうようなことは起こりにくい。即ち、ラッチ43と係留部52との間の静止摩擦係数に特段の配慮をする必要がない。
【0028】
総じて言えば、扉31を閉じている状態で、ユーザが操作レバー62を引くと、操作軸61が軸心周りに回転し、伝達部材44が操作軸61に連動して該操作軸61を中心に回転する。そして、操作軸61に固定された伝達部材44が、その両端部441、442の何れかを選択的に駆動部材45の受力部452に作用させ、操作体6に加えられた操作力を駆動部材45に伝達する。受力部452を介して操作力の伝達を受けた駆動部材45は、操作体6の回転方向によらず同方向に回転運動する。駆動部材45の駆動部453はラッチ43に係合し、操作レバー62に加えられた操作力を、ラッチ43を同方向に変位させる駆動力として伝達する。その結果、ラッチ43が展開位置Sより退避位置Eに向けて変位する。
【0029】
つまり、本実施形態では、伝達部材44及び駆動部材45がラッチ43を駆動する駆動機構を構成しており、操作体6に対する操作に連動してラッチ43を変位させ、これを退避位置Eまで退避させる。ユーザは、操作体6を駆動操作することを通じて、ラッチ43と係留部52との係合を解除して扉31を開くことができる。
【0030】
因みに、ラッチ43が退避位置Eより展開位置Sへと向かう方向の付勢力を、該ラッチ43に直接に若しくは間接に加えておくことが好ましい。ラッチ43に付勢力を加えるための付勢手段46は、典型的には、ねじりコイルばねや板ばね等のばねに代表される弾性付勢手段である。本実施形態にあって、付勢手段46は、駆動部材45(の駆動部453)に付勢力を加えるものとして設けてある。操作体6に操作力が付与されていないとき、即ち駆動部材45に操作力が伝達されていないとき、駆動部材45が図6に示す初期位置に復帰し、ラッチ43が展開位置Sまで変位する。しかもこのとき、駆動部材45の受力部452の前向面が付勢手段46による付勢力を伝達部材44に伝達して、伝達部材44、操作軸61及び操作レバー62を起動位置に復帰させる。操作レバー62の起動位置への位置づけは、該操作レバー62と扉31の凹陥311の内面との接触にはよらない。従って、扉31を閉じたとき、またはユーザが操作レバー62より手指を離したときに起動位置に復帰した操作レバー62と凹陥311の内面とが衝突して騒音を発したりすることがない。但し、付勢手段46は、ラッチ支持体42の内に配置してもよく、ラッチ支持体42の外に配置してもよい。また、操作体6または駆動機構44を構成する部材に対して付勢力を加えることで、間接的にラッチ43を付勢することとしても構わない。
【0031】
本実施形態によれば、軸心周りに回転する操作軸61及び該操作軸61の所定部位に取り付けた操作レバー62を有してなり、起動位置より正逆方向に回転操作可能な操作体6と、前記操作体6の回転に連動して変位するラッチ43と、これら操作体6及びラッチ43の間に介在する駆動機構とを具備するラッチ装置において、前記操作レバー62の両側に、手指を差し入れて操作レバー62を操作するための手指挿入空間312を設け、さらに、前記駆動機構が、前記起動位置より相反する方向に回転するそれぞれの場合において操作体6より伝達される操作力を、前記ラッチ43を同方向に変位させる駆動力に変換してラッチ43に伝達するように構成したため、操作レバー62の回転操作方向が正方向であるか逆方向であるかによらず、ラッチ43を所要の方向に変位させることができる。即ち、何れの方向に操作レバー62を回転させても扉31を開ける操作が可能となり、右利きのユーザであっても左利きのユーザであっても簡便に操作し得る。また、ハンディキャップを有するユーザにとっても、より使い勝手のよいものとなる。加えて、操作レバー62の両側に手指挿入空間312を設けてあるため、何れの側より操作レバー62に手指をかけることも容易である。
【0032】
前記駆動機構が、前記操作体6に対して固定され前記操作軸61を中心に回転する伝達部材44と、前記伝達部材44より操作力の伝達を受ける受力部452と、前記受力部452が受けた操作力により運動して前記ラッチを駆動する駆動部453とを内包するものとし、前記操作体6が前記起動位置より相反する方向に回転するそれぞれの場合において、前記受力部452に前記伝達部材44の両端部441、442の何れかを選択的に作用させて、前記駆動部453を同方向に運動させることで前記ラッチを同方向に変位させるものであるため、簡潔な構成で操作レバー62の両方向の操作を可能とすることができる。
【0033】
前記受力部452は、前記操作体6が前記起動位置より相反する方向に回転するそれぞれの場合において、所定の回転中心451周りに同方向に回転するものとしているため、簡便である。加えて、前記受力部452を前記駆動部453に対して固定し、受力部452と駆動部453とを一体としたため、駆動機構の構成の一層の簡略化が図られる。
【0034】
また、前記ラッチ43の変位を、前記操作軸61に対して略平行な軸42b周りの回転を含む運動としたため、駆動機構が必要とする空間領域を節約することが可能となっている。
【0035】
そして、一の部材31に前記ラッチ43を設け、他の部材2に前記ラッチ43と係合するラッチ受け5を設けて、ラッチ43とラッチ受け5との係合により一の部材31を他の部材2に係留させ得るようにし、かつ、前記一の部材31と前記他の部材2とのうち何れかの部材31に操作体6を回転操作可能に設けてあって、前記操作軸61を前記何れかの部材31に回転可能に支持させるとともに、前記何れかの部材31の外面に凹陥311を形成し、該凹陥311に前記操作レバー62の少なくとも一部を収容することで、操作レバー62と何れかの部材31との間に手指を差し入れて操作レバー62を操作するための手指挿入空間312を操作レバー62の両側に設けたため、それぞれの側より容易に操作レバー62を操作することができる。しかも、操作レバー62を操作しないとき、即ち一の部材である扉31を閉めてあるときに操作レバー62が邪魔とならない。本実施形態におけるラッチ装置は、種々の物品を収納可能な空間22を内在させている家具本体2(他の部材)と、前記空間22を開成あるいは閉止する蓋体31(一の部材)とを少なくとも具備する収納家具1に適用され、前記家具本体2に前記蓋体31を係脱自在に係留するために機能するものとなっている。
【0036】
また、本実施形態によれば、ラッチ受け5に対して相対移動するラッチ支持体42と、前記ラッチ受け5に前記ラッチ支持体42を掛け止める展開位置Sとラッチ受け5よりラッチ支持体42が脱離することを許容する退避位置Eとの間で変位可能なラッチ43と、所定の操作体6に対する操作に連動して前記可動43子を変位させる駆動機構44とを具備するラッチ装置を構成したため、前記ラッチ43を介して前記ラッチ受け5に前記ラッチ支持体42を掛け止めることができる。より具体的には、ラッチ受け5に対して相対移動し、ラッチ受け5に設定された係留部52に臨むように位置づけることができるラッチ支持体42と、前記ラッチ支持体42に支持され、前記係留部52にラッチ支持体42を臨ませた状態で該係留部52に係合して前記ラッチ受け5にラッチ支持体42を掛け止める展開位置Sと前記係留部52に係合せず前記ラッチ受け5よりラッチ支持体42が脱離することを許容する退避位置Eとの間で変位可能なラッチ43と、所定の操作体6に対する操作に連動して前記ラッチ43を変位させる駆動機構44とを具備するラッチ装置としたため、ラッチ受け5への係合とその解除との切り替えの役割と、ラッチ受け5に対する位置づけの役割とを分担させることができる。そして、ラッチ受け5にラッチ手段41を掛け止める際には、ラッチ43のみを変位させてラッチ受け5に係合させることができる。従って、小さい動作でラッチ手段41を掛け止めることが可能となり、その際に発生する騒音が小さくなる。また、ラッチ受け5、ラッチ手段41、その他各種の部材や機構に与えるダメージを小さくすることができる。さらに、ラッチ43とラッチ支持体42とに機能を分けたことにより、扉31を閉じた状態での扉31の遊び、がたつきの量が、ラッチ受け5、ラッチ支持体42及びラッチ43の加工精度により決まることととなり、扉31や家具本体2の加工精度による影響は小さくなる。よって、ラッチ受け5に対するラッチ支持体42の位置づけの誤差や、ラッチ支持体42に対するラッチ43の位置、回転の中心の位置の誤差を小さくするようにこれらにの加工精度を高めることで、ラッチ支持体42をラッチ受け5に精度よく掛け止めることが可能となり、扉31を閉じた状態での遊び、がたつきを低減することができる。扉31や家具本体2全体の設計寸法に対する誤差を小さくすることと比較して、ラッチ受け5、ラッチ支持体42、ラッチ43の加工精度を向上させることは容易である。特に、ラッチ受け5、ラッチ支持体42、ラッチ43を例えば樹脂製のものとすれば、板金材に対する曲げ加工よりも高精度に仕上げることができる。上記より、ラッチ受け5にラッチ手段41を掛け止めたときの遊び、がたつきを極小にするような設計が可能となる。
【0037】
前記ラッチ43が、前記ラッチ支持体42より突没するものであるならば、ラッチ手段41とラッチ受け5との相対的な位置関係の制御、ひいては扉31と家具本体2との位置関係の制御を主にラッチ支持体42に担わせて、ラッチ43やラッチ43を駆動する駆動機構44への負担を小さくすることができる。加えて、ラッチ支持体42とラッチ受け5との係わり合いを利用して、閉止時における扉31の家具本体2に対する位置決めを行うようなことも可能となる。
【0038】
前記ラッチ受け5に前記ラッチ支持体42を掛け止めるとき、ラッチ支持体42の外面がラッチ受け5の開口51縁に当接又は近接して、ラッチ支持体42のラッチ受け5に対する相対的な位置決めがなされるように構成してあれば、閉じた扉31を家具本体2に対して好適に位置決めすることができるものとなり、閉じた扉31の家具本体2に対するがたつきをさらに低減できる。
【0039】
さらに、前記退避位置Eにある前記ラッチ43が前記ラッチ支持体42の内に略収容されるように構成されていれば、ラッチ43がラッチ支持体42により保護されるため、ラッチ手段41の係脱の際にラッチ43と他の部材とが干渉し合って妨げとなることを避けることができる。また、ラッチをラッチ支持体に強固に取り付けることができ、強度の向上につながる。
【0040】
前記駆動機構44の構成要素の少なくとも一部が前記ラッチ支持体42の内に収容されることは、故障の防止、外観の向上や空間の有効利用等に資する。
【0041】
本発明に係るラッチ装置は、一の部材に他の部材を係留するためのものとして好適に用いることができる。即ち、一の部材と他の部材とのうち一方に前記ラッチ受け5を設け、他方に前記ラッチ装置を設けて、ラッチ受け5及びラッチ装置を介して両者を係脱自在に結合することができる。とりわけ、種々の物品を収納可能な空間21を内在させている家具本体2と、前記空間21を開放または閉止する蓋体31とを少なくとも具備する収納家具1にあって、これら家具本体2及び部材のうち一方に前記ラッチ受け5を設け、他方に前記ラッチ装置を設けることで、前記家具本体2に前記蓋体31を係脱自在に係留するために適用することが効果的である。
【0042】
並びに、本実施形態によれば、ラッチ受け5に設定された係留部52に係合する展開位置Sと前記係留部52に係合しない退避位置Eとの間で変位可能なラッチ43を内包しラッチ受け5に掛け止めることができるラッチ手段41と、所定の操作体6に対する操作に連動して前記ラッチ43を変位させる駆動機構44とを具備するラッチ装置において、前記係留部52に前記ラッチ43を係合させた状態で前記ラッチ受け5より前記ラッチ手段41を脱離させるように相対移動させる方向の力が作用した場合にラッチ43に作用する反作用力Fが、前記展開位置Sより前記退避位置Eへ変位する際のラッチ43の運動の方向に沿った方向成分の分力を持ち得ないように構成したため、より具体的には、前記係留部52に前記ラッチ43を係合させた状態で係留部52に当接しているラッチ43の当接面43aに作用する反作用力Fが、ラッチ43の係留部52への係合を解除する方向とは逆の方向に作用するように、前記当接面43aの角度を設定するものとしたため、ラッチ受け5に掛け止めたラッチ手段41をそのまま脱離させようとした場合に、係留部52とラッチ43との係合が解除される方向にラッチ43が変位することを抑止でき、ラッチ受け5にラッチ手段41を掛け止めた状態における構造的な安定性を担保し得る。このことは、ラッチ受け5にラッチ手段41を掛け止めたときの遊び、がたつきを極小にするような設計を行うために有効となる。
【0043】
前記ラッチ43の変位が回転を含む運動であって、その回転の中心が、前記係留部52に前記ラッチ43を係合させた状態で、係留部52がラッチ43に作用する作用点Pよりも前記ラッチ手段41の相対移動方向に沿って内奥にあるように構成するならば、幾何的に見て、ラッチ43が変位するときにその外縁が描く軌跡をラッチ受け5に設定した係留部52に近接させることができる。のみならず、ラッチ43の外縁がラッチ受け5の係留部52に摺動しながら該係留部52に大きな力を及ぼすトグル作用を営ませて、ラッチ43とラッチ受け5との係合、ひいては家具本体2に対する扉31の係留を強固なものとすることも可能となる。よって、ラッチ受け5にラッチ手段41を掛け止めたときの遊び、がたつきを極小とすることが可能となる。
【0044】
前記作用点P近傍における前記ラッチ43の外縁、言い換えるならば当接面43aの面形状が、前記回転の軌跡に略対応する略部分円弧状(部分円筒曲面状)をなすものであるならば、ラッチ43を変位させてスムーズにラッチ受け5の係留部52に係合させることができ、かつ係留部52に係合しているラッチ43を変位させてスムーズにその係合を解除することができる。しかもこのとき、遊び、がたつきを極小にする好適な設計を具現できる。
【0045】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。特に、ラッチを変位させるための駆動機構の構成は、上記実施形態におけるもの以外にも種々のものが考えられる。
【0046】
ラッチは、ラッチ支持体の内に配置されるとは限られない。例えば、ラッチをラッチ支持体の外面に回転軸を介して回動可能に支持させることで、本発明に係るラッチ装置を構成することが可能である。
【0047】
上記実施形態において、ラッチ受けの係留部は、開口の裏面側の周縁部、厳密には開口縁の裏面側と開口の内面とが交わる縁端部近傍に設定されていた。しかしながら、ラッチ受けの係留部の設定位置は上記の態様には限られず、例えば、開口の内面に係留部が設定される(特に、開口の内面に形成された凹陥等にラッチが係合する)ようなことも考えられる。さらに、ラッチ受けに開口が形成されるとは限られない。例えば、既存のキャビネット若しくはワゴン等の如く、その筐体の内面より内向きに突出する突出体をラッチ受けとし、筐体に出し入れされる引き出しに設けたラッチをこのラッチ受けに掛け止めるような構成とすることもできる。
【0048】
本発明に係るラッチ装置は、キャビネット若しくはワゴン等の筐体に、出し入れ可能な引き出しを係留するためにも用いることができる。例えば、図 に示すように、家具本体たる筐体7にラッチ受け5を、引き出し8にラッチ装置をそれぞれ設けるようにして、本発明に係るラッチ装置を適用することが可能である。このときの駆動機構は、上述した扉31に設けた駆動機構を応用して構成できるため、ここでは説明を省略する。
【0049】
また、本発明に係るラッチ装置を、収納家具以外のものに適用することを妨げない。
【0050】
その他各部の具体的構成は上記実施形態には限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上に詳述した本発明によれば、ラッチを解除して扉等を開ける操作をより簡便に行い得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における収納家具の斜視図。
【図2】同部分斜視図。
【図3】操作体及び手指挿入空間を示す部分斜視図。
【図4】操作体、駆動機構及びラッチを示す部分分解斜視図。
【図5】本実施形態におけるラッチ装置を示す平断面図。
【図6】本実施形態におけるラッチ装置の動作を示す平面図。
【図7】本実施形態におけるラッチ装置を示す平断面図。
【図8】本実施形態におけるラッチ装置の動作を示す平面図。
【図9】本実施形態におけるラッチ装置を示す平断面図。
【図10】本実施形態におけるラッチ装置の動作を示す平面図。
【図11】本発明の変形例の一を示す部分側面図。
【符号の説明】
43…ラッチ
6…操作体
61…操作軸
62…操作レバー
312…手指挿入空間[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a latch device particularly applicable to furniture and the like.
[0002]
[Prior art]
For example, in a storage furniture in which a double door is attached to a housing in which a space in which articles can be stored is provided, as described in the following Patent Documents, an opening is provided on the front surfaces of the top wall and the bottom wall of the housing. It is common to provide a latch receiver formed with a sword, attach a sickle-shaped latch to the inner surface side of the door, and hook the latch to the opening of the latch receiver to anchor the door to the housing. Usually, such a latch is rotatable about a rotation axis provided in the door. In addition, a force (biasing force) in a direction in which the latch is hooked on the opening is applied to the latch in advance by a biasing means such as a spring.
[0003]
When the door is closed, when the operating lever arranged on the outer surface of the door is pulled, the operating force applied to the operating lever is transmitted to the latch, and the latch comes off the opening edge of the latch receiver against the urging force. It rotates in the direction in which it is intended. As a result, the engagement between the latch receiver and the latch is released, and the opening of the door is allowed.
[0004]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 09-013775
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the existing storage furniture, the operation direction of the operation lever is one direction. To give a specific example, in a storage furniture having a normal double door, a user puts his / her finger on the right side of the operation lever and pulls the operation lever toward the front, in other words, the operation lever is flat. Although it is possible to open the door by rotating it clockwise, it is impossible to rotate the operation lever counterclockwise in plan view to open the door. Therefore, it is not always convenient for a left-handed user, a user who has a handicap on the right hand, and the like.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the present invention has an operation shaft that rotates around an axis and an operation lever that is attached to a predetermined portion of the operation shaft, and an operation body that can rotate in both directions from a start position. In a latch device including a latch that is displaced in conjunction with the rotation of the operation body and a drive mechanism interposed between the operation body and the latch, fingers are inserted into both sides of the rotation axis of the operation lever. A finger insertion space for operating the operation lever by operating the operating mechanism transmitted from the operating body in each case where the driving mechanism rotates in a direction opposite to the activation position, and the latch is moved in one direction. The driving force is converted into a driving force and transmitted to the latch.
[0007]
With such a configuration, the latch can be displaced in a required direction regardless of whether the rotational operation direction of the operation lever is the forward direction or the reverse direction. That is, the operation of opening the door or the like can be performed by rotating the operation lever in any direction, and the operation can be easily performed by a right-handed user or a left-handed user. In addition, it is more convenient for a user having a handicap. In addition, since the finger insertion spaces are provided on both sides of the operation lever, it is easy to put a finger on the operation lever from either side.
[0008]
More specifically, the driving mechanism is fixed to the operating body, and is a transmission member that rotates about the operation shaft; a force receiving unit that receives an operation force transmitted from the transmission member; And a drive unit that drives the latch by moving with the received operating force, and in each case where the operating body rotates in a direction opposite to the activation position, the transmission member is attached to the force receiving unit. The latch is displaced in the same direction by selectively operating any one of the two ends to move the drive unit in the same direction.
[0009]
It is convenient that the force receiving portion rotates in the same direction around a predetermined rotation center in each case where the operating body rotates in a direction opposite to the activation position. In addition, by fixing the force receiving portion to the driving portion and integrating the force receiving portion and the driving portion, the configuration of the driving mechanism can be simplified.
[0010]
Further, if the displacement of the latch is a movement including rotation about an axis substantially parallel to the operation axis, it is possible to save a space area required by the drive mechanism.
[0011]
And one member is provided with the latch, and another member is provided with a latch receiver that engages with the latch, so that one member can be anchored to another member by engagement of the latch and the latch receiver, An operating body is rotatably provided on one of the one member and the other member, and the operating shaft is rotatably supported by the one of the members. A finger for operating the operation lever by inserting a finger between the operation lever and any member by forming a recess in the outer surface of the member and accommodating at least a part of the operation lever in the recess; If the insertion space is provided on both sides of the operation lever, the operation lever can be easily operated from each side. Moreover, when the operation lever is not operated, that is, when the door or the like is closed, the operation lever does not interfere. The latch device according to the present invention includes at least a furniture main body (another member) having a space capable of storing various articles therein, and a lid (a member) for opening or closing the space. It is effective to apply the above-mentioned storage furniture to the furniture main body so that the member can be detachably moored. In this case, the latch receiver is provided on one of the furniture main body and the member, and the latch device is provided on the other. A door that opens or closes a storage space of the storage furniture main body is a typical example of the lid described herein. Alternatively, when the storage furniture is a cabinet or a wagon or the like, a housing capable of storing drawers so that the drawer can be taken in and out corresponds to the furniture main body, and a mirror plate of the drawer drawn out of the housing corresponds to the lid.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. 1 and 2 show a storage furniture 1 to which a latch device according to the present invention is applied. The storage furniture 1 has a housing-like furniture
[0013]
More specifically, the
[0014]
The latch means 41 includes a
[0015]
As shown in FIGS. 3 and 4, the operating
[0016]
The drive mechanism includes a
[0017]
The
[0018]
The driving
[0019]
The front surface of the
Further, in the
[0020]
The distal end portion of the
[0021]
Next, the latch means 41 will be described in detail. The
[0022]
If at least a part of the outer surface of the
[0023]
The
[0024]
The
[0025]
Then, when a force is applied in a direction to move the latch means 41 (or the door 31) relative to the
[0026]
As shown in FIG. 5, the reaction force F can be regarded as a resultant force of a component F1 directed from the point of action P toward the center of rotation and a component F2 directed from the point of action P in a direction parallel to the
[0027]
Further, in the present embodiment, the outer edge of the
[0028]
Generally speaking, when the user pulls the
[0029]
That is, in the present embodiment, the
[0030]
Incidentally, it is preferable that the urging force in the direction in which the
[0031]
According to the present embodiment, the operating
[0032]
A
[0033]
The
[0034]
Further, since the displacement of the
[0035]
The
[0036]
Further, according to the present embodiment, the
[0037]
If the
[0038]
When the
[0039]
Furthermore, if the
[0040]
The fact that at least a part of the components of the
[0041]
INDUSTRIAL APPLICABILITY The latch device according to the present invention can be suitably used for mooring one member to another member. That is, the
[0042]
Further, according to the present embodiment, the
[0043]
The displacement of the
[0044]
If the outer edge of the
[0045]
Note that the present invention is not limited to the embodiment described in detail above. In particular, various configurations of the drive mechanism for displacing the latch can be considered in addition to the configuration in the above embodiment.
[0046]
The latch is not necessarily located within the latch support. For example, the latch device according to the present invention can be configured by rotatably supporting the latch on the outer surface of the latch support via a rotation shaft.
[0047]
In the above embodiment, the mooring portion of the latch receiver is set near the peripheral portion on the back surface side of the opening, more precisely, near the edge where the back surface side of the opening edge and the inner surface of the opening intersect. However, the setting position of the mooring portion of the latch receiver is not limited to the above-described mode. For example, the mooring portion is set on the inner surface of the opening (particularly, the latch engages with a recess formed on the inner surface of the opening). Something like that is also possible. Further, an opening is not necessarily formed in the latch receiver. For example, a configuration in which a protruding body projecting inward from the inner surface of the housing, such as an existing cabinet or wagon, is used as a latch receiver, and a latch provided on a drawer that is put in and taken out of the housing is hooked on the latch receiver. It can also be.
[0048]
The latch device according to the present invention can also be used for mooring a drawer that can be taken in and out of a housing such as a cabinet or a wagon. For example, as shown in the figure, it is possible to apply the latch device according to the present invention by providing a
[0049]
Moreover, it does not prevent applying the latch device according to the present invention to something other than the storage furniture.
[0050]
In addition, the specific configuration of each unit is not limited to the above embodiment, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention.
[0051]
【The invention's effect】
According to the present invention described in detail above, the operation of releasing the latch and opening the door or the like can be performed more easily.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of storage furniture according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partial perspective view of the same.
FIG. 3 is a partial perspective view showing an operation body and a finger insertion space.
FIG. 4 is a partially exploded perspective view showing an operating body, a driving mechanism, and a latch.
FIG. 5 is a plan sectional view showing the latch device according to the embodiment.
FIG. 6 is a plan view showing the operation of the latch device according to the embodiment.
FIG. 7 is a plan sectional view showing the latch device according to the embodiment.
FIG. 8 is a plan view showing the operation of the latch device according to the embodiment.
FIG. 9 is a plan sectional view showing the latch device according to the embodiment.
FIG. 10 is a plan view showing the operation of the latch device according to the embodiment.
FIG. 11 is a partial side view showing a modification of the present invention.
[Explanation of symbols]
43 ... Latch
6 ... Operation body
61 ... Operation axis
62 ... Operation lever
312 ... finger insertion space
Claims (7)
前記操作体の回転に連動して変位するラッチと、
これら操作体及びラッチの間に介在する駆動機構とを具備し、
前記操作レバーの両側に、手指を差し入れて操作レバーを操作するための手指挿入空間を設けたラッチ装置であって、
前記駆動機構は、前記操作体が前記起動位置より相反する方向に回転するそれぞれの場合において操作体より伝達される操作力を、前記ラッチを同方向に変位させる駆動力に変換してラッチに伝達するラッチ装置。An operating body that has an operating shaft that rotates around the axis and an operating lever attached to a predetermined portion of the operating shaft, and that is rotatable in both directions from a start position;
A latch that is displaced in conjunction with the rotation of the operating body,
A drive mechanism interposed between the operating body and the latch,
A latch device provided with a finger insertion space for inserting a finger and operating the operation lever on both sides of the operation lever,
The driving mechanism converts an operating force transmitted from the operating body to a driving force for displacing the latch in the same direction and transmits the operating force to the latch in each case where the operating body rotates in a direction opposite to the start position. Latching device.
前記操作体の回転に連動して変位するラッチと、
これら操作体及びラッチの間に介在する駆動機構とを具備するラッチ装置であって、
前記駆動機構は、前記操作体に対して固定され前記操作軸を中心に回転する伝達部材と、前記伝達部材より操作力の伝達を受ける受力部と、前記受力部が受けた操作力により運動して前記ラッチを駆動する駆動部とを内包し、
前記操作体が前記起動位置より相反する方向に回転するそれぞれの場合において、前記受力部に前記伝達部材の両端部の何れかが選択的に作用し、前記駆動部が同方向に運動するラッチ装置。An operating body that has an operating shaft that rotates around the axis and an operating lever attached to a predetermined portion of the operating shaft, and that is rotatable in both directions from a start position;
A latch that is displaced in conjunction with the rotation of the operating body,
A latch device including a drive mechanism interposed between the operation body and the latch,
The drive mechanism is configured such that a transmission member fixed to the operation body and rotated about the operation shaft, a force receiving portion receiving an operation force transmitted from the transmission member, and an operation force received by the force reception portion A drive unit that moves to drive the latch,
In each case where the operating body rotates in a direction opposite to the start position, one of the two ends of the transmission member selectively acts on the force receiving portion, and the driving unit moves in the same direction. apparatus.
前記操作軸を前記何れかの部材に回転可能に支持させるとともに、
前記何れかの部材の外面に凹陥を形成し、該凹陥に前記操作レバーの少なくとも一部を収容することで、操作レバーと何れかの部材との間に手指を差し入れて操作レバーを操作するための手指挿入空間を操作レバーの両側に設けた請求項1、2、3、4、5又は6記載のラッチ装置。One member is provided with the latch, another member is provided with a latch receiver that engages with the latch, so that one member can be anchored to another member by engagement of the latch with the latch receiver, and An operating body is rotatably provided on any one of the one member and the other member,
While allowing the operation shaft to be rotatably supported by any of the members,
A recess is formed in the outer surface of any of the members, and at least a part of the operation lever is accommodated in the recess, whereby a finger is inserted between the operation lever and any of the members to operate the operation lever. 7. The latch device according to claim 1, wherein the finger insertion space is provided on both sides of the operation lever.
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