JP2004330764A - 鑑賞価値を持たせた陶器製表示板 - Google Patents

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Kikuko Toyoda
幾久子 豊田
Mitsuaki Toyoda
光明 豊田
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Abstract

【課題】長年にわたって品質の維持が可能で景観を損なうことなく住宅等に対応する意匠性、独創性に優れ、新しい発想により、陶土と色つきの雑瓶を利用することにより産業廃棄物の有効利用を図り、鑑賞価値を持たせた陶器製表示板を提供する。
【解決手段】陶器製の板材にて構成し、枠及び文字を彫刻し、装飾等を施し素焼きしたのち、文字部分を強調させる為に釉薬を抜く撥水剤を塗布し、施釉後、文字及び文字の周り等の凹部分に細かく粉砕した例えば青色、緑色、茶色等のガラスを敷詰めて本焼きして仕上げたことを特徴とするものである。
また、陶器製の板材にて構成し、枠及び文字を彫刻し、装飾等を施し素焼きしたのち、文字部分を強調させる為に釉薬を抜く撥水剤を塗布し、施釉後、本焼きして仕上げたことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鑑賞価値を持たせた陶器製表示板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の表示板には、樹木ネームプレートでは、陶器製の板材にて構成し、樹木名表示部の表面を素焼きしたのち樹木名を書き入れ、施釉後、本焼きして仕上げたものがある。(例えば、特許文献1参照。)。
また、蓄光剤を用いた表札及び案内板には、陶器に利用される陶石で形成し、電灯等の光を必要とせず、夜間でも自然に発光する表札及び案内板もある。(例えば、特許文献2参照。)。
一方、資源ゴミである空き瓶の色つきの雑瓶(清涼飲料、酒類、瓶詰類など)はリサイクルされず、細かく粉砕してカレット状にされ産業廃棄物として処理されている。
【0003】
以下、図7、図8により従来の表示板について説明する。地面に立設した支柱に取付固定するネームプレートであって、平面視略L字状の陶器製の板材にて構成し、この横長手側を樹木名表示部とし、該樹木名表示部の一端から後方に突出した短手側を支柱取付部とし、樹木名表示部の表面に素焼きしたのち樹木名を書き入れ、施釉後、本焼きして仕上げたことを特徴とする樹木ネームプレートである。
【0004】
また、蓄光剤を用いた表札及び案内板には、陶器に利用される陶石で形成した基台の表面に、蓄光剤と無鉛フラックスを塗布し焼付塗装して基台本体を形成し、前記基台本体の表面に無鉛塗料にて文字または案内文字を施した表札及び案内板である。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−179693号(第5項、第2図)
【特許文献2】
特開平11−175010号(第5項、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べた従来のネームプレート、表札、案内板では、極めて画一的なデザインのものであり、現今の個性的かつ斬新なデザインの住宅等の需要思考に対処していない。故に新しい発想により陶土と色つきの雑瓶を利用して産業廃棄物の有効利用を図り、鑑賞価値を持たせた陶器製表示板を実現することを目的とする。
【0007】
そこで、本発明は、長年にわたって品質の維持が可能で景観を損なうことなく住宅等に対応する意匠性、独創性に優れ、新しい発想により鑑賞価値を持たせた陶器製表示板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための手段として、請求項1の発明は、耐久性のある陶器製の板材にて構成し、枠及び文字を彫刻し、装飾等を施し素焼きしたのち、文字部分を強調させる為に釉薬を抜く撥水剤を塗布し、施釉後、文字及び文字の周り等の凹部分に細かく粉砕した例えば青色、緑色、茶色等のガラスを敷詰めて本焼きして仕上げたことを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2の発明は、施釉後、本焼きして仕上げたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例を説明する。図1は本発明の斜視図、図2は本発明の断面図、図3は家屋の門に設置された鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の使用状態図、図4は流線型にデザインした鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の斜視図、図5はハート型にデザインした鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の斜視図、図6は花柄をデザインした鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の斜視図である。図7は樹木ネームプレートの斜視図である。図8は蓄光剤を用いた表札の斜視図である。
【0011】
図1・図2・図3において、本発明の鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の構成について説明すると、陶器製の板材にて構成し、粋及び文字を彫刻し、装飾等を施し素焼きしたのち、文字部分を強調させる為に符号5に示すように、釉薬を抜く撥水剤を塗布し、施釉後、符号3の斜線部分に示すように、文字の周り等の凹部分に細かく粉砕した例えば青色、緑色、茶色等のガラスを敷詰めて本焼きして仕上げたものである。この鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の裏面には、接着剤の載りを良くするために、符号7に示すように縦横に数本の溝を彫刻しており、接着剤を使用して家屋の門に取り付け固定することができるように構成されている。
【0012】
そして、前記鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の大きさを一例として挙げておくと、図1の場合、横240mm、縦130mm、厚み14mmに寸法設定しており、図4、図5、図6に於いては彫刻する文字数及び装飾の内容等により特に限定するものではない。なお、この鑑賞価値を持たせた陶器製表示板は、創作者によって様々なデザインを施され、形状、文字、色(または色彩或いは模様)、ガラスの色等は自由に改変される。そして、図示は省略するがガーデンプレート等活用分野が広がり、その他多様な用途方面への進出にも期待できる。
【0013】
次に、前記鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の製作手順について説明する。こねて方形の板状にした陶土を配置し、所望形状を形成し、陶土状態の鑑賞価値を持たせた陶器製表示板を形成する。その状態で寝かされて、ある程度乾燥させる。その後、枠及び文字を彫刻し、装飾等を施し、釉薬及びガラスの映りを良くするために、図2の符号6に示すように深めの鱗形の凹凸をつけ、裏面には接着剤の載りを良くするために、図2の符号7に示すように縦横に数本の溝を彫刻し、素焼きしたのち、文字部分を強調させる為に図2の符号5に示すように、釉薬を抜く撥水剤を塗布し、施釉後、符号3の斜線部分に示すように、文字及び文字の周り等の凹部分に細かく粉砕した例えば青色、緑色、茶色等のガラスを敷詰めて本焼きして仕上げる。また、枠及び文字を彫刻し、装飾等を施し素焼きしたのち、文字部分を強調させる為に釉薬を抜く撥水剤を塗布し、施釉後、本焼きして仕上げる。このように文字部分を彫刻して焼成することにより、文字が雨水等の影響を受けて消えることがなくなる。
【0014】
本発明に使用する、例えば青色、緑色、茶色等のガラスは、資源ゴミである空き瓶の色つきの雑瓶(清涼飲料、酒類、瓶詰類など)を利用して産業廃棄物の有効利用を図るものである。細かく粉砕して1mmから2mmの粒状にしたものを多めに敷き詰めることにより、焼成時に均一に溶融し発色が良く、従来にない神秘的な色を施すことができる。陶器の得意としている侘(ワビ)、寂(サビ)のしっとりと落ち着いた趣に、神秘的な色と華麗な輝きのガラスによる新しい発想の鑑賞価値を持たせた陶器製表示板である。図2の符号6に示すように深めの鱗形の凹凸を施すことにより、均一に溶融したガラスが焼成後の炉内での自然冷却により宝石のカット面のような亀裂を生じ独特の輝きを魅せるものである。また、図示は省略するが、図2の符号6に示す部分を平坦にすることにより、均一に溶融したガラスが焼成後の炉内での自然冷却により、鱗形の凹凸を施した時とはまた違った微妙な亀裂を生じ華麗な輝きを魅せるものである。従来この技法は、主として深めの食器類(皿、鉢物)及び灰皿等々に用いられていたが、溶融したガラスの厚みは1mmから2mm弱のものであり、本発明では4mmから5mm以上の厚みを確保することにより発色が良く華麗で、従来にない神秘的な色を施すことができる。その輝きは深いエメラルドの緑碧色であり、エメラルドは初夏にその深さを物語る湖面の静けさ、あるいは深森のしずくのようなさわやかさを思わせ、精神と肉体の両面に安らぎを与え、安定させる力があるといわれており、またブルーサファイアの深い紺碧色に限りなく近く、ブルーサファイアには、あらゆる青の中で最も純粋で完璧な青であり、地球の青。宇宙の青。そして静かな強さがあります。さらに、芳醇な大地の恵みを思わせる琥珀色の輝きには、日常の生活に清廉と潤いを与え、これらの輝きに魅了され、本発明者が永年に渡り鋭意検討した結果、独自に研究開発したものであり意匠性、独創性に優れた新しい発想により鑑賞価値を持たせた陶器製表示板を実現するに至った。
【0015】
このように構成した鑑賞価値を持たせた陶器製表示板は、図3に示すように家屋の門又は、図示は省略するが玄関に設置される。その設置方法は、鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の裏面には、接着剤の載りを良くするために、図2の符号7に示すように縦横に数本の溝を彫刻してあり、接着面の材質に適した接着剤、例えばセメダイン株式会社製の溶剤形接着剤(商品名「コンクリメント」等)を使用し簡単に施工することができるとともに、夜間の照明には幻想的な輝きを魅せ、破損しない限り半永久的に使用することができる。
【0016】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、産業廃棄物の有効利用を図り、長年にわたって品質の維持が可能で景観を損なうことなく住宅に対応する意匠性、独創性に優れた新しい発想により鑑賞価値を持たせた陶器製表示板を提供できる。
【0017】
「他の実施形態」
図1の実施形態では、陶器製の板材にて構成し、枠及び文字を彫刻し、装飾等を施し素焼きしたのち、文字部分を強調させる為に釉薬を抜く撥水剤を塗布し、施釉後、文字の周り等の凹部分に細かく粉砕した例えば青色、緑色、茶色等のガラスを敷詰めて本焼きして仕上げたものであったが、他の実施形態では、陶器製の板材にて構成し、文字部分のみを深めに彫り込んで、施釉後、文字部分に細かく粉砕した例えば青色、緑色、茶色等のガラスを敷詰めて本焼きして仕上げたものでも良い。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏する。即ち、鑑賞価値を持たせた陶器製表示板を構成したことにより、産業廃棄物の有効利用を図り、長年にわたって品質の維持が可能で景観を損なうことなく住宅に対応する意匠性、独創性に優れ、陶器製であるため耐候性、耐腐食性を有するとともに、文字が彫刻され焼成されて雨水の影響を受けて消えることがなく、ガラスを入れることにより従来にない神秘的な色と、華麗な輝き魅せ、これらは精神と肉体の両面に安らぎを与え、日常の生活に清廉と潤いを与え安定させる効果がある。それ故に破損しない限り半永久的に鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の品質を確保し、使用することができる。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の斜視図を表す。
【図2】本発明の断面図を表す。
【図3】家屋の門に設置された鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の使用状態図を表す。
【図4】流線型にデザインした鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の斜視図を表す。
【図5】ハート型にデザインした鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の斜視図を表す。
【図6】花柄をデザインした鑑賞価値を持たせた陶器製表示板の斜視図を表す。
【図7】樹木ネームプレートの斜視図を表す。
【図8】蓄光剤を用いた表札の斜視図を表す。
【符号の説明】
1 鑑賞価値を持たせた陶器製表示板本体
2 文字部分
3 ガラス部分
4 枠部分
5 撥水剤を塗布した部分
6 鱗形の凹凸部分
7 本体裏面の縦横の溝部分
8 郵便物或いは新聞投入口
9 家屋の門
10 建造物の出入口の階段部分
11 流線型にデザインした鑑賞価値を持たせた陶器製表示板本体
12 ハート型にデザインした鑑賞価値を持たせた陶器製表示板本体
13 花柄をデザインした鑑賞価値を持たせた陶器製表示板本体
14 樹木ネームプレート本体
15 蓄光剤を用いた表札本体

Claims (2)

  1. 陶器製の板材にて構成し、枠及び文字を彫刻し、装飾等を施し素焼きしたのち、文字部分を強調させる為に釉薬を抜く撥水剤を塗布し、施釉後、文字及び文字の周り等の凹部分に細かく粉砕した例えば青色、緑色、茶色等のガラスを敷詰めて焼成したことを特徴とする鑑賞価値を持たせた陶器製表示板。
  2. また、施釉後、本焼きして仕上げたことを特徴とする請求項1記載の鑑賞価値を持たせた陶器製表示板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100564072C (zh) * 2004-08-09 2009-12-02 王永健 紫砂陶喷砂雕刻工艺
CN109747312A (zh) * 2019-01-18 2019-05-14 深圳市中宝盈珠宝科技有限公司 装饰的施有珐琅的部件

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