JP2004327377A - Monochromator - Google Patents

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JP2004327377A
JP2004327377A JP2003123859A JP2003123859A JP2004327377A JP 2004327377 A JP2004327377 A JP 2004327377A JP 2003123859 A JP2003123859 A JP 2003123859A JP 2003123859 A JP2003123859 A JP 2003123859A JP 2004327377 A JP2004327377 A JP 2004327377A
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Masaki Mukai
雅貴 向井
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To enable to set an energy width for a monochromator having high energy resolution used in a transmission electron microscope. <P>SOLUTION: The monochromator 20 set directly under an electron source 11 and before an accelerating step 16 of the transmission electron microscope is provided with a diaphragm 12 along a light axis of electron beams, a first Vienna filter 13 fitted at a hind step of the diaphragm 12 impressing electromagnetic fields crossing each other perpendicularly to the light axis and dispersing the electron beams to a direction of an electric field according to kinetic energy, a fixed parallel slit 14 of a given width set at a hind step of the first Vienna filter and transmitting only charged particle beams within a given distance to the direction the electric field from the light axis, a second Vienna filter 15 set at a hind step of the slit 14 and correcting achromatically and stigmatically the electron beams transmitting the slit 14. The energy distribution width is set by controlling a degree of energy dispersion of the electron beams in the slit 14 through variation of intensity of the electromagnetic field in the first Vienna filter 13. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子線を単色化するモノクロメータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子線を単色化するために、入射される電子線について所定のエネルギーを有する成分のみを透過させるモノクロメータが利用されている。このようなモノクロメータは、例えば、透過型電子顕微鏡において高いエネルギー分解能を要する電子エネルギー損失分光法による測定を行う場合に用いられている。
【0003】
モノクロメータは、電子線を電子のエネルギーに応じて分散させる光学素子と、エネルギーに応じて分散された電子線から所望の成分を選択するスリットから構成される。
【0004】
電子線をエネルギーに応じて分散させる光学素子として、例えばウィーンフィルタが用いられている。
【0005】
ウィーンフィルタは、電子線の光軸と垂直な面内において互いに直交する双極子電磁場を印加し、電子線をエネルギーに応じて分散させるエネルギーフィルタである。
【0006】
ウィーンフィルタにおいて、双極子電場Eおよび双極子磁場Bからなる電磁場が印加されていると、光軸に沿って入射される電子速度vの電子線は、ウィーン条件E=vBを満たすときに直進する。前記ウィーン条件を満たさないエネルギーを有する電子はそれぞれのエネルギーに応じて偏向が与えられ、電場方向に分散する。なお、以下ではこのエネルギーに応じた分散を単にエネルギー分散と称することがある。
【0007】
ここで、ウィーンフィルタの電磁場強度がサイクロトロン半径Rに相当すると、電子線の電磁場への入射位置から光軸に沿いに距離2πRの位置でエネルギー分散がキャンセルされ、入射位置と同じようにアクロマティックに戻る。
【0008】
このような特徴を利用し、従来、光軸に沿ってエネルギー選択スリットを挟んだ上下2段のウィーンフィルタを有するモノクロメータが利用されている。このような構造のモノクロメータでは、各ウィーンフィルタの電磁場分布とスリット位置を適宜に設計することで、スリットにおいて電子線をエネルギー分散させつつ、出射される電子線をアクロマティックにすることができる。
【0009】
このような構造のモノクロメータは、透過型電子顕微鏡に適用され、例えば電子源の直下で加速段の前に設置される。
【0010】
図12は、モノクロメータのスリットにおける電子線の形状を示す図である。
【0011】
前述の構造のモノクロメータでは、通常、所定の開き角を有するくさび型の開口111が形成されたスリット110が用いられる。図では、光軸に垂直な面内にあるスリット110のy軸の正方向に開いた開口111において、y軸方向に広がった電子線112が示されている。
【0012】
このスリット110においては、開口111の長手方向と直交するx軸方向をエネルギー分散方向113とするため、エネルギー分散された電子線はx軸方向にフォーカスされる。一方、y軸方向については、低い運動エネルギーの電子の集中による電子間相互作用に由来するエネルギーの拡がり(ベルシエ効果)を抑制するため、フォーカスせずに発散させている。
【0013】
図中には、エネルギー分散した電子線112の分布が、第1乃至第5の成分112a〜112eによって模式的に描かれている。これらのうち、第1の成分112aが最も高いエネルギーを有し、以下、第5の成分112eまで順にエネルギーが低くなる。
【0014】
スリット110に入射した電子線112は、第3の成分112cについてはすべて透過するが、第2及び第4の成分112b,112d、第1及び第5の成分112a,112eについては一部透過し一部阻止される。
【0015】
実際には、電子線112は、図示の第1乃至第5の成分112a〜112eのように離散的な成分から構成されるものではなく、連続的にエネルギー分布を有している。
【0016】
なお、電子顕微鏡において高いエネルギー分解能を得るためにウィーンフィルタを適用する方法には、前述のようにウィーンフィルタをモノクロメータに用いる他に、反射型電子顕微鏡においてウィーンフィルタを1次電子線と2次電子線の分離に用いる方法がある(例えば特許文献1参照。)。
【0017】
【特許文献1】
特開平8−212955号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、モノクロメータにおいては、単色化する電子線のエネルギーのみならず、エネルギー分布幅も設定できることが望ましい。
【0019】
ここで、電子線のエネルギー分布幅を設定するため、エネルギー分散した電子線から所望の成分を選択できるように、スリット100の開口110を開閉する方法が考えられる。
【0020】
この場合、電子線をエネルギー分散させる光学素子として用いられるウィーンフィルタのエネルギー分散能が25μm以下であることをから考慮すると、スリット110を開閉する精度はサブミクロンの精度が必要である。
【0021】
しかしながら、前記モノクロメータのように電子源の直下に設置される場合、スリット100は、加速電圧にスリット110の電位を重畳したような高圧の環境下にある。また、スリット110における真空度は、電子源のエミッタ周辺と同程度であることが求められる。
【0022】
このような条件下において、スリット100の開口110をサブミクロン精度で開閉するような機械的な稼動部を設けることは困難である。
【0023】
また、開口110のくさび型の形状に由来して、電子線のエネルギー選択の精度が確保できないという問題もある。
【0024】
図12に示したように、電子線112の内で所望のエネルギーを有する第3成分112cの選択を望む場合、くさび型の開口110は、選択していない第1、第2、第4及び第5成分112a,112b,112d,112eをも透過してしまう。
【0025】
本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、高いエネルギー分解能を有するとともに、エネルギー分布幅を選択できるようなモノクロメータを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明に係るモノクロメータは、荷電粒子線を単色化するものであって、荷電粒子線の光軸に垂直に互いに直交する電磁場を印加し、前記荷電粒子線を運動エネルギーに応じて電場方向に分散させるウィーンフィルタと、前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設けられ、前記光軸から前記電場方向に所定距離内にある荷電粒子線のみを透過させるスリットと、を有し、前記ウィーンフィルタは、前記電磁場の強度を変化させて前記分散の程度を制御することで前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を制御する。
【0027】
前記ウィーンフィルタは、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギーを一定に維持するように前記電磁場を変化させることが望ましい。
【0028】
前記ウィーンフィルタは、前記スリットを透過する前記荷電粒子線について、一定のエネルギーを有する荷電粒子がウィーン条件を満たすように前記電磁場を変化させることが望ましい。
【0029】
前記ウィーンフィルタは、前記電磁場の電場と磁場の比率を一定に保つことが望ましい。
【0030】
前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設置され、前記スリットを透過した荷電粒子線をアクロマティックに補正する他のウィーンフィルタを有することが望ましい。
【0031】
前記他のウィーンフィルタは、前記スリットを透過した荷電粒子線をスティグマティックに補正することが望ましい。
【0032】
前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設置され、前記スリットを透過した荷電粒子線をスティグマティックに補正する8極子非点補正コイルを有することが望ましい。
【0033】
前記ウィーンフィルタは、一定のエネルギーを有する荷電粒子がウィーン条件を満たすように前記電場と磁場の比率を一定に維持しつつ、前記電磁場の強度を変化させて前記ウィーン条件を満たさない前記一定のエネルギー以外のエネルギーを有する荷電粒子の偏向の程度を制御することで、前記スリットにおける前記荷電粒子線のエネルギーに応じた分散の程度を制御し、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を制御することが望ましい。
【0034】
本発明に係るモノクロメータの制御方法は、前記モノクロメータを用い、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を設定するステップと、前記エネルギー幅を実現するように、前記スリットにおいて前記荷電粒子線を透過させる前記所定距離に応じたエネルギー分散能を定めるステップと、前記エネルギー分解能をじつげんするように前記ウィーンフィルタにおける電磁場を決定するステップと、を有する。
【0035】
前記方法、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギーを一定に維持するように、前記ウィーンフィルタにおいて前記荷電粒子がウィーン条件を満たすように前記電磁場の電場及び磁場の比率を決定するステップを含み、前記電磁場を決定するステップは、前記エネルギー分散能を実現するように前記電磁場の電場及び磁場の強度を決定することが好ましい。
【0036】
本発明に係るモノクロメータは、荷電粒子線として電子線を用い、透過型電子顕微鏡に適用することが望ましい。
【0037】
本発明では、モノクロメータから出射する電子線のエネルギー分布は、スリット幅を機械的に変えるのではなく、スリットにおける電子線のエネルギー分散能を変化させて制御することが望ましい。ここで、エネルギー分散能とは、例えば単位エネルギー当たりの電子線の偏向距離を意味する。
【0038】
すなわち、本発明では、ウィーンフィルタを電子分光器として使用し、ウィーンフィルタにおける双極子電磁場の強度の強度を変化させることでエネルギー分散能を変化させ、幅を固定された平行固定型のスリットを用いてエネルギー選択を行うことで、スリットを透過する電子線のエネルギー分布幅を制御することが望ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るモノクロメータの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
本実施の形態では、例えば電子エネルギー損失分光法のような高いエネルギーを必要とする測定を行う透過型電子顕微鏡において電子源から試料に至る電子光学系に適用されたモノクロメータを想定する。
【0041】
図1は、モノクロメータを適用した電子光学系の第1の実施の形態の構成を示す図である。
【0042】
この電子光学系は、例えば電界放出型電子銃(Field Emission Gun;FEG)による電子源11と、絞り12と、第1のウィーンフィルタ13と、スリット14と、第2のウィーンフィルタ15と、加速段16と、集束レンズ17とを有している。収束レンズ17を出射した電子線は、試料51に照射される。
【0043】
この電子光学系は、電子源11の直下であって加速段16の前段に、絞り12、第1のウィーンフィルタ13、スリット14及び第2のウィーンフィルタ15からなるモノクロメータ20を有している。
【0044】
このモノクロメータ20は、光軸に沿いにスリット14を挟んだ前後に第1及び第2のウィーンフィルタ13,15を設けた構造を有するので、アクロマティックでスティグマティックな電子線を出力するように設計することができる。
【0045】
第1及び第2のウィーンフィルタ13,15の有する光軸沿いの長さL1及びL2は、例えば4:1の比率に設定することができる。これらの長さL1及びL2は、前記比率に限られず、L1>L2,L1=L2又はL1<L2のいずれにも設定することができる。
【0046】
電子源11から出射された電子線は、モノクロメータ20によって、所定のエネルギー分布幅を有する所定のエネルギーの成分が選択される。モノクロメータ20で選択された成分からなる電子線は、加速段16における静電勾配によって加速され、集束レンズ17によって試料51に照射される。
【0047】
なお、便宜上、図に示すように光軸をz軸とし、このz軸に垂直な面内で直交するx軸及びy軸を設定する。
【0048】
図2は、第1のウィーンフィルタに入射する電子線のエネルギー分布を示す図である。
【0049】
第1のウィーンフィルタ13には、絞り12を介して電子源11から出射された電子線が入射される。
【0050】
電子線は、第1のウィーンフィルタ13に入射される段階では単色でなく、エネルギーは一定の範囲に分布している。分布の形状は、電子源11の種類などに依存する。
【0051】
本実施の形態では、簡単のため、入射される電子線はあるエネルギーをピークとしてほぼ正規分布しているものと想定する。
【0052】
図3は、第1のウィーンフィルタの構成を示す図である。
【0053】
この図は、第1のウィーンフィルタ13を光軸に垂直な面で切断した断面図である。
【0054】
第1のウィーンフィルタ13は、電子線の透過する光軸とは垂直な平面内において、電極13a及びコイル13bを巻回した磁極13cによって、互いに垂直に双極子電磁場を発生させることより、電子線を電場方向にエネルギー分散させる光学素子である。
【0055】
なお、第2のウィーンフィルタ15も第1のウィーンフィルタ13と同様の構成を有するが、その電極及び磁極の向きはそれぞれ第1のウィーンフィルタ13と逆である。
【0056】
図4は、第1のウィーンフィルタにおける電子線と電磁場との相互作用を説明する図である。
【0057】
第1のウィーンフィルタ13においては、電極13aによってx軸の負方向に双極子電場Eが印加され、磁極13cによってy軸の正方向に双極子磁場Bが印加されている。これらの電磁場によって、z軸の負方向に電子速度vで進む電子線には、x軸の正方向へ電気力Fが作用し、x軸の負方向へローレンツ力Fが作用する。
【0058】
第1のウィーンフィルタ13においては、電気力F及びローレンツ力Fが相殺するウィーン条件E=vBを満たす運動エネルギーを有する電子のみが直進する。運動エネルギーが前記ウィーン条件を満たさない残りの電子は、それぞれの運動エネルギーに応じてx軸方向又は電場方向に偏向される。このようにして、第1のウィーンフィルタ13において、電子線はエネルギーに応じてx軸方向又は電場方向にエネルギー分散される。
【0059】
図5は、第1のウィーンフィルタにおいてウィーン条件を満たす電圧とアンペアターンの関係の測定値を示す図である。
【0060】
図中の直線aは600eV、直線bは800eV、直線cは1000eVの電子線に対応している。
【0061】
第1のウィーンフィルタ13において、電極13aの電圧は電場Eを、磁極13cのアンペアターンは磁場Bをそれぞれ生成する。
【0062】
ウィーン条件の下で、電極13aの電圧と、磁極13cに巻回したコイル13bのアンペアターンの間には、優れた比例関係が達成されている。前記比例関係を満たす限り、前記電圧及びアンペアターンの値が変化してもウィーン条件は維持される。したがって、第1のウィーンフィルタ13において、ウィーン条件を維持しつつ電磁場強度を変化させることができる。
【0063】
図6は、本実施の形態のスリットを示す図である。
【0064】
このスリット14は、直線状の刃を有する2枚の板からなり、光軸に垂直な面内において平行になるように向かい合わせて設置された刃によって幅W(μm)の開口14aが形成されている。
【0065】
このスリット14は、光軸に垂直な面内において、開口14aを形成する刃がy軸と平行になり、光軸が開口幅の中点を通過するように設置される。このような一定幅の固定平行開口を有するスリット14は、光軸からx軸方向(電場方向)に所定距離内にある電子線のみを透過する。
【0066】
同図中には、スリット14におけるエネルギー分散した電子線21の分布が模式的に描かれている。電子線21は、ベルシエ効果を抑制するために、分散方向22となるx軸方向にフォーカスされるがy軸方向にはフォーカスされずに発散している。
【0067】
模式的に描かれたエネルギー分散した電子線において、第1の成分21aが最も高いエネルギーを有し、以下、第5の成分21eまで順にエネルギーが低くなる。なお、実際の電子線は、前記第1乃至第5の成分21a〜21eのような離散的な成分からなるものではなく、連続的に分布している。
【0068】
これら電子線21の第1乃至第5の成分21a〜21eの内、第3の成分のみがスリット14の開口14aを透過する。残りの第1、第2、第4及び第5の成分21a,21b,21d,21eは、スリット14により阻止される。
【0069】
このように、本実施の形態では、固定した平行な開口14aを有するスリット14を採用することにより、電子線から所望のエネルギーを有する成分のみを選択することができる。したがって、本実施の形態のモノクロメータにおいては、高いエネルギー分解能を確保することができる。
【0070】
具体的に、電子線のエネルギー分散は、次の式(1)によって表現することができる。この式(1)は、スリット14において電子が到達したx軸方向の位置x(μm)をその電子のエネルギーE(eV)の関数として表すものである。この関数x(E)は、スリット14の開口幅がx軸方向に十分に狭いことを考慮して、位置xをウィーン条件を満たす一定のエネルギーE近傍のエネルギーについて線形近似したものである。
【0071】
【数1】

Figure 2004327377
ここで、次の式(2)に示すように、ウィーン条件を満たす前記エネルギーEの電子は、スリット14においてx軸方向の位置xに到達するものとする。この位置xは、スリット14の開口14aにおいて、x軸方向についての中点に相当する。
【0072】
【数2】
Figure 2004327377
また、式(1)における比例係数Dは、次の式(3)によって定義され、エネルギー分散能と称される。分散能は、前記エネルギーEにおける、電子線のエネルギー当たりのx軸方向への偏向距離であり、単位はμm/eVである。
【0073】
【数3】
Figure 2004327377
本実施の形態では、第1のウィーンフィルタ13において、一定のエネルギーEを有する電子についてウィーン条件を維持することで、第1のウィーンフィルタ13を直進してスリット14を透過するように制御する。前記一定のエネルギーEを有する電子は、ウィーン条件が満たされる限り、電磁場強度のいかんに関わらずに第1のウィーンフィルタ13を直進し、スリット14を透過する。前記エネルギーEとしては、例えばウィーンフィルタ13に入射する電子線のエネルギー分布がピークになるエネルギーを設定する。
【0074】
これに対して、前記一定のエネルギー以外のエネルギーを有する電子は、ウィーンフィルタによって偏向される。この偏向の程度は、前記一定のエネルギーからのずれや印加される電磁場の強度に依存する。本実施の形態は、このような原理によってスリット14における電子線分布のエネルギー分散能を制御している。
【0075】
ここで、エネルギー分散能の制御について具体的に説明する。
【0076】
前記式(1)は、次の式(4)のように書き換えることができる。
【0077】
【数4】
Figure 2004327377
この式(4)を用いると、スリット14の開口14aのx軸方向への下端及び上端の位置x及びx(=x+W)におけるエネルギーE及びEは、それぞれ次の式(5)及び(6)によって与えられる。
【0078】
【数5】
Figure 2004327377
【数6】
Figure 2004327377
したがって、スリット14の開口14aを透過する電子線のエネルギー分布幅ΔE(eV)は、次の式(7)によって与えられる。
【0079】
【数7】
Figure 2004327377
図7は、スリット14における電子線の分布を説明する図である。
【0080】
図中の曲線aはエネルギー分散能Dの分布を示し、曲線bはエネルギー分散能D(<D)の分布を示す。曲線cには、比較のため、図2に示したウィーンフィルタ13に入射する電子ビームの分布を示す。
【0081】
例えば、幅Wの開口を有するスリット14を透過する電子線のエネルギー分布幅は、第1のウィーンフィルタ13のエネルギー分散能をDからDに変化させことで、W/DからW/Dまで可変させることができる。
【0082】
具体的に、第1のウィーンフィルタ13のエネルギー分散能が25〜5μm/eVの範囲で可変であり、スリット14の開口幅Wが5μmであると想定する。この場合、モノクロメータ20から出射される電子線のエネルギー分布幅は、0.2〜1eVの範囲で可変させることができる。
【0083】
スリット14を透過した電子線は、後段にある第2のウィーンフィルタ15に入射される。第2のウィーンフィルタ15は、第1のウィーンフィルタ13と同様に、ウィーン条件を満たすように電磁場の比率を維持しつつ電磁場強度を適宜に可変させる。電子線は、この第2のウィーンフィルタ15によってアクロマティックに戻されて出射される。アクロマティックのみならず、スティグマティックにもされて出射されることもある。
【0084】
図8は、エネルギー600eVの電子線についてアンペアターンとエネルギー分散能の関係を測定した結果を示す図である。
【0085】
測定値a,b,cは、第1のウィーンフィルタ13の異なるサンプルを用いて測定したものである。図8においても同様である。
【0086】
前述したように、ウィーン条件を満たさないエネルギーを有する電子は、第1のウィーンフィルタ13における電磁場によって偏向される。この図は、ウィーンフィルタ13の磁場に相当するアンペアターンと偏向の程度に相当するエネルギー分散能の関係を示すものである。
【0087】
エネルギー分散能は、アンペアターンがほぼ30(AT)まで単調に増加し、エネルギー分散能がほぼ21〜24(μm/eV)の極大値に達すると、その後は単調に減少する。
【0088】
図9は、エネルギー1000eVの電子線についてアンペアターンとエネルギー分散能の関係を測定した結果を示す図である。
【0089】
エネルギー分散能は、アンペアターンがほぼ40(AT)まで単調に増加し、エネルギー分散能がほぼ16〜17(μm/eV)の極大値に達すると、その後は単調に減少する。
【0090】
このように、アンペアターンとエネルギー分散能の間には、一定の関係がある。したがって、第1のウィーンフィルタ13において、ウィーン条件を満たすように電磁場比率を維持しつつ、前記関係に基づいてアンペアターンを変化させて双極子強度を制御することで、所望のエネルギー分散能を有する電子線を得ることができる。これによって、モノクロメータ20を透過する単色光のエネルギーを一定に維持しつつ、電子エネルギー分布を変化させることができる。
【0091】
以上のように、本実施の形態のモノクロメータ20は、光軸に沿いにスリット14の前後に第1及び第2のウィーンフィルタ13,15を備える。そして、第1のウィーンフィルタ13における双極子電磁場について、ウィーン条件を満たすように電磁場比率を維持しつつ電磁場強度を変化させ、スリット14における電子線のエネルギー分散能を制御する。これによって、固定された幅Wを有するスリット14を透過する電子エネルギー分布を制御する。スリット14を透過した電子線は、第2のウィーンフィルタ15によって双極子電磁場をウィーン条件を満たすように電磁場比率を維持しつつ電磁場強度を適宜に変化させることによって、アクロマティックに戻されて出射される。
【0092】
図10は、モノクロメータを適用した電子光学系の第2の実施の形態を示す図である。
【0093】
第2の実施の形態では、モノクロメータ21を除いて第1の実施の形態と同様の構成を有するので、共通する部材については同一の符号を附して説明を省略することにする。
【0094】
この電子光学系は、電子源11の直下であって加速段16の前段に、絞り12、ウィーンフィルタ13及びスリット14からなるモノクロメータ21を有している。
【0095】
モノクロメータ21において、第1のウィーンフィルタ13は、ウィーン条件を満たす電磁場比率を維持しつつ双極子電場の強度を制御し、スリット14におけるエネルギー分解能を変化させる。
【0096】
例えば、スリット14におけるエネルギー分散能をDからdまで可変させる場合、Wの幅で固定されたスリットを透過できる電子線のエネルギー分布幅をW/DからW/dに変化させることができる。このようにエネルギー分散能を変化させることで、固定された幅Wを有するスリット14を透過する電子エネルギー分布を制御することができる。
【0097】
このモノクロメータ21においては、スリット13の直下にウィーンフィルタが設置されていないため、出射される電子線は、アクロマティック、スティグマティックにはならない。モノクロメータ21からは、スリット14におけるベルシュ効果を避けるためにy方向に発散する形状になされた電子線が出射される。
【0098】
この電子光学系においては、加速段16の後段に図示しない8極子非点補正コイルが配置され、このコイルが電子線をスティグマティックに補正する。
【0099】
図11は、モノクロメータを適用した電子光学系の第3の実施の形態を示す図である。
【0100】
第3の実施の形態では、モノクロメータ22を除いて第1の実施の形態と同様の構成を有するので、共通する部材については同一の符号を附して説明を省略することにする。
【0101】
この電子光学系は、電子源11の直下であって集束レンズ17の前段に、絞り12、ウィーンフィルタ13、加速段16及びスリット14からなるモノクロメータ22を有している。
【0102】
モノクロメータ21において、第1のウィーンフィルタ13は、ウィーン条件を満たす電磁場比率を維持しつつ双極子電場の強度を制御し、スリット14におけるエネルギー分解能を変化させる。
【0103】
スリット14におけるエネルギー分散能をDからdまで可変させる場合、Wの幅で固定されたスリットを透過できる電子線のエネルギー分布幅をW/DからW/dまで変化させることができる。このようにエネルギー分散能を変化させることで、固定された幅Wを有するスリット14を透過する電子エネルギー分布を制御することができる。
【0104】
このモノクロメータ22においては、スリット13の直下にウィーンフィルタが設置されていないため、出射される電子線は、アクロマティック、スティグマティックにはならない。モノクロメータ22からは、スリット14におけるベルシュ効果を避けるためにy方向に発散する形状になされた電子線が出射される。
【0105】
この電子光学系においては、加速段16の後段に図示しない8極子非点補正コイルが配置され、このコイルが電子線をスティグマティックに補正する。
【0106】
なお、モノクロメータ21から出射されたスティグマティックな電子線は、加速段16の後段に配置された8極子非点補正コイルを用いて補正される。
【0107】
前述のように、本実施の形態は、固定幅の平行スリットを用い、ウィーンフィルタによりスリットにおける電子線のエネルギー分散能を可変させることで、実効的にサブミクロンオーダーの精度を持つスリットに相当する機能を提供する。このような構成によって、電子源の直下にモノクロメータを有する透過型電子顕微鏡を容易に構成することができるようになる。
【0108】
なお、前述の実施の形態においては荷電粒子線として電子線を用いたが、本発明はこれに限定されない。本発明は、荷電粒子ビームとして、例えばイオンビームなどにも適用することができる。
【0109】
【発明の効果】
本発明によると、高いエネルギー分解能を有するモノクロメータにおいて、エネルギー分布幅を選択することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モノクロメータを適用した電子光学系の第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】第1のウィーンフィルタに入射する電子線のエネルギー分布を示す図である。
【図3】第1のウィーンフィルタの構成を示す図である。
【図4】第1のウィーンフィルタにおける電子線と電磁場との相互作用を説明するずである。
【図5】第1のウィーンフィルタにおいてウィーン条件を満たす電圧とアンペアターンの関係を示す図である。
【図6】本実施の形態のスリットを示す図である。
【図7】スリット14における電子線の分布を説明する図である。
【図8】エネルギー600eVの電子線についてアンペアターンとエネルギー分散能の関係を測定した結果を示す図である。
【図9】エネルギー1000eVの電子線についてアンペアターンとエネルギー分散能の関係を測定した結果を示す図である。
【図10】モノクロメータを適用した電子光学系の第2の実施の形態を示す図である。
【図11】モノクロメータを適用した電子光学系の第3の実施の形態を示す図である。
【図12】従来のモノクロメータのスリットにおける電子線の形状を示す図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a monochromator for making a charged particle beam monochromatic.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, in order to make an electron beam monochromatic, a monochromator that transmits only a component having a predetermined energy with respect to an incident electron beam has been used. Such a monochromator is used, for example, when performing measurement by electron energy loss spectroscopy that requires high energy resolution in a transmission electron microscope.
[0003]
The monochromator includes an optical element for dispersing an electron beam according to the energy of electrons, and a slit for selecting a desired component from the electron beam dispersed according to the energy.
[0004]
As an optical element for dispersing an electron beam according to energy, for example, a Wien filter is used.
[0005]
The Wien filter is an energy filter that applies dipole electromagnetic fields orthogonal to each other in a plane perpendicular to the optical axis of the electron beam and disperses the electron beam according to energy.
[0006]
In the Wien filter, when an electromagnetic field including a dipole electric field E and a dipole magnetic field B is applied, an electron beam having an electron velocity v incident along the optical axis goes straight when the Wien condition E = vB is satisfied. . Electrons having energies that do not satisfy the Wien condition are deflected according to their energies and dispersed in the direction of the electric field. Hereinafter, the dispersion according to this energy may be simply referred to as energy dispersion.
[0007]
Here, if the electromagnetic field strength of the Wien filter corresponds to the cyclotron radius R, the energy dispersion is canceled at a distance of 2πR from the incident position of the electron beam to the electromagnetic field along the optical axis, and achromatically as in the incident position. Return.
[0008]
Utilizing such features, a monochromator having a two-stage upper and lower Wien filter sandwiching an energy selection slit along the optical axis has conventionally been used. In the monochromator having such a structure, by appropriately designing the electromagnetic field distribution and the slit position of each Wien filter, the emitted electron beam can be made achromatic while dispersing the energy of the electron beam in the slit.
[0009]
The monochromator having such a structure is applied to a transmission electron microscope, and is installed, for example, immediately below an electron source and before an acceleration stage.
[0010]
FIG. 12 is a diagram illustrating a shape of an electron beam in a slit of the monochromator.
[0011]
In the monochromator having the above-described structure, usually, a slit 110 having a wedge-shaped opening 111 having a predetermined opening angle is used. In the figure, an electron beam 112 spreading in the y-axis direction is shown in an opening 111 of the slit 110 in a plane perpendicular to the optical axis and opened in the positive y-axis direction.
[0012]
In the slit 110, the x-axis direction orthogonal to the longitudinal direction of the opening 111 is defined as the energy dispersion direction 113, so that the energy-dispersed electron beam is focused in the x-axis direction. On the other hand, in the y-axis direction, in order to suppress the spread of energy (Bersier effect) due to the interaction between electrons due to the concentration of electrons with low kinetic energy, the light is diverged without being focused.
[0013]
In the drawing, the distribution of the energy-dispersed electron beam 112 is schematically depicted by first to fifth components 112a to 112e. Among these, the first component 112a has the highest energy, and thereafter, the energy gradually decreases to the fifth component 112e.
[0014]
The electron beam 112 incident on the slit 110 transmits all the third component 112c, but partially transmits the second and fourth components 112b and 112d and the first and fifth components 112a and 112e. Department is blocked.
[0015]
Actually, the electron beam 112 does not consist of discrete components like the illustrated first to fifth components 112a to 112e, but has an energy distribution continuously.
[0016]
As a method of applying a Wien filter to obtain a high energy resolution in an electron microscope, in addition to using a Wien filter for a monochromator as described above, a Wien filter is connected to a primary electron beam and a secondary electron beam in a reflection electron microscope. There is a method used for separating an electron beam (for example, see Patent Document 1).
[0017]
[Patent Document 1]
JP-A-8-212595
[0018]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in a monochromator, it is desirable that not only the energy of the electron beam to be monochromatized but also the energy distribution width can be set.
[0019]
Here, in order to set the energy distribution width of the electron beam, a method of opening and closing the opening 110 of the slit 100 so that a desired component can be selected from the energy-dispersed electron beam can be considered.
[0020]
In this case, considering that the energy dispersing ability of the Wien filter used as an optical element for dispersing the electron beam energy is 25 μm or less, the accuracy of opening and closing the slit 110 needs to be submicron.
[0021]
However, when installed just below the electron source like the monochromator, the slit 100 is in a high-pressure environment in which the potential of the slit 110 is superimposed on the acceleration voltage. Further, the degree of vacuum in the slit 110 is required to be substantially the same as that around the emitter of the electron source.
[0022]
Under such conditions, it is difficult to provide a mechanical operating unit that opens and closes the opening 110 of the slit 100 with submicron accuracy.
[0023]
There is also a problem that the accuracy of energy selection of the electron beam cannot be secured due to the wedge-shaped shape of the opening 110.
[0024]
As shown in FIG. 12, when it is desired to select the third component 112c having a desired energy in the electron beam 112, the wedge-shaped openings 110 are not selected, and the first, second, fourth and fourth wedges are not selected. The five components 112a, 112b, 112d, and 112e are also transmitted.
[0025]
The present invention has been proposed in view of the above situation, and has as its object to provide a monochromator having high energy resolution and capable of selecting an energy distribution width.
[0026]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the monochromator according to the present invention is for monochromaticizing a charged particle beam, and applies electromagnetic fields perpendicular to the optical axis of the charged particle beam to each other. And a Wien filter that disperses in the electric field direction according to kinetic energy, and is provided at a stage subsequent to the Wien filter along the optical axis and transmits only charged particle beams within a predetermined distance from the optical axis in the electric field direction. Wherein the Wien filter controls the degree of dispersion by changing the intensity of the electromagnetic field to control the energy distribution width of the charged particle beam transmitted through the slit.
[0027]
It is preferable that the Wien filter changes the electromagnetic field so that the energy of the charged particle beam passing through the slit is kept constant.
[0028]
It is preferable that the Wien filter changes the electromagnetic field so that the charged particles having a constant energy satisfy the Wien condition with respect to the charged particle beam passing through the slit.
[0029]
It is preferable that the Wien filter keeps the ratio of the electric field to the magnetic field of the electromagnetic field constant.
[0030]
It is desirable to have another Wien filter installed after the Wien filter along the optical axis and achromatically correcting the charged particle beam transmitted through the slit.
[0031]
It is preferable that the other Wien filter stigmatically corrects the charged particle beam transmitted through the slit.
[0032]
It is desirable to have an octupole astigmatic correction coil that is installed at a stage following the Wien filter along the optical axis and stigmatically corrects the charged particle beam transmitted through the slit.
[0033]
The Wien filter changes the intensity of the electromagnetic field while maintaining a constant ratio of the electric field and the magnetic field so that the charged particles having a constant energy satisfy the Wien condition, and the constant energy that does not satisfy the Wien condition. By controlling the degree of deflection of charged particles having energy other than, the degree of dispersion according to the energy of the charged particle beam in the slit is controlled, and the energy distribution width of the charged particle beam passing through the slit is controlled. It is desirable to control.
[0034]
The method for controlling a monochromator according to the present invention includes the steps of: setting the energy distribution width of the charged particle beam passing through the slit using the monochromator; and Determining an energy dispersibility according to the predetermined distance for transmitting the particle beam; and determining an electromagnetic field in the Wien filter so as to reduce the energy resolution.
[0035]
The method comprising determining a ratio of an electric field and a magnetic field of the electromagnetic field in the Wien filter such that the charged particles satisfy the Wien condition so as to maintain a constant energy of the charged particle beam passing through the slit. Preferably, the step of determining the electromagnetic field determines the intensity of the electric field and the magnetic field of the electromagnetic field so as to realize the energy dispersibility.
[0036]
The monochromator according to the present invention preferably uses an electron beam as a charged particle beam and is applied to a transmission electron microscope.
[0037]
In the present invention, it is desirable that the energy distribution of the electron beam emitted from the monochromator is controlled by changing the energy dispersibility of the electron beam in the slit, instead of mechanically changing the slit width. Here, the energy dispersibility means, for example, the deflection distance of an electron beam per unit energy.
[0038]
That is, in the present invention, the Wien filter is used as an electron spectrometer, the energy dispersing ability is changed by changing the intensity of the intensity of the dipole electromagnetic field in the Wien filter, and a parallel fixed slit having a fixed width is used. It is desirable to control the energy distribution width of the electron beam transmitted through the slit by performing the energy selection.
[0039]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of a monochromator according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0040]
In the present embodiment, for example, a monochromator applied to an electron optical system from an electron source to a sample in a transmission electron microscope that performs a measurement requiring high energy such as electron energy loss spectroscopy is assumed.
[0041]
FIG. 1 is a diagram illustrating a configuration of a first embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
[0042]
This electron optical system includes, for example, an electron source 11 by a field emission type electron gun (Field Emission Gun; FEG), an aperture 12, a first Wien filter 13, a slit 14, a second Wien filter 15, an acceleration It has a step 16 and a focusing lens 17. The electron beam emitted from the converging lens 17 is irradiated on the sample 51.
[0043]
This electron optical system has a monochromator 20 including an aperture 12, a first Wien filter 13, a slit 14, and a second Wien filter 15 immediately below the electron source 11 and before the acceleration stage 16. .
[0044]
Since the monochromator 20 has a structure in which the first and second Wien filters 13 and 15 are provided before and after the slit 14 is sandwiched along the optical axis, the monochromator 20 outputs an achromatic and stigmatic electron beam. Can be designed.
[0045]
The lengths L1 and L2 of the first and second Wien filters 13, 15 along the optical axis can be set, for example, at a ratio of 4: 1. The lengths L1 and L2 are not limited to the above ratio, and can be set to either L1> L2, L1 = L2, or L1 <L2.
[0046]
For the electron beam emitted from the electron source 11, a component of a predetermined energy having a predetermined energy distribution width is selected by the monochromator 20. The electron beam composed of the components selected by the monochromator 20 is accelerated by the electrostatic gradient in the acceleration stage 16 and is irradiated on the sample 51 by the focusing lens 17.
[0047]
For convenience, the optical axis is set to the z-axis as shown in the figure, and the x-axis and the y-axis are set orthogonally in a plane perpendicular to the z-axis.
[0048]
FIG. 2 is a diagram illustrating an energy distribution of an electron beam incident on the first Wien filter.
[0049]
The first Wien filter 13 receives an electron beam emitted from the electron source 11 through the aperture 12.
[0050]
When the electron beam is incident on the first Wien filter 13, the electron beam is not monochromatic, and the energy is distributed in a certain range. The shape of the distribution depends on the type of the electron source 11 and the like.
[0051]
In the present embodiment, for simplicity, it is assumed that the incident electron beam is substantially normally distributed with a certain energy as a peak.
[0052]
FIG. 3 is a diagram illustrating a configuration of the first Wien filter.
[0053]
This figure is a cross-sectional view of the first Wien filter 13 cut along a plane perpendicular to the optical axis.
[0054]
The first Wien filter 13 generates a dipole electromagnetic field perpendicularly to each other by a magnetic pole 13c wound around an electrode 13a and a coil 13b in a plane perpendicular to an optical axis through which the electron beam passes. Is an optical element that disperses energy in the direction of an electric field.
[0055]
The second Wien filter 15 has the same configuration as the first Wien filter 13, but the directions of the electrodes and magnetic poles thereof are opposite to those of the first Wien filter 13.
[0056]
FIG. 4 is a diagram illustrating the interaction between an electron beam and an electromagnetic field in the first Wien filter.
[0057]
In the first Wien filter 13, a dipole electric field E is applied in a negative x-axis direction by an electrode 13a, and a dipole magnetic field B is applied in a positive y-axis direction by a magnetic pole 13c. Due to these electromagnetic fields, an electron beam traveling in the negative direction of the z-axis at an electron velocity v has an electric force F in the positive direction of the x-axis. E Acts, and the Lorentz force F moves in the negative direction of the x-axis. B Acts.
[0058]
In the first Wien filter 13, the electric force F E And Lorentz force F B Only electrons having a kinetic energy satisfying the Wien condition E = vB that cancels out go straight. The remaining electrons whose kinetic energy does not satisfy the Wien condition are deflected in the x-axis direction or the electric field direction according to their respective kinetic energies. Thus, in the first Wien filter 13, the energy of the electron beam is dispersed in the x-axis direction or the electric field direction according to the energy.
[0059]
FIG. 5 is a diagram showing measured values of the relationship between the voltage and the ampere-turn that satisfy the Wien condition in the first Wien filter.
[0060]
The straight line a in the drawing corresponds to an electron beam of 600 eV, the straight line b corresponds to an electron beam of 800 eV, and the straight line c corresponds to an electron beam of 1000 eV.
[0061]
In the first Wien filter 13, the voltage of the electrode 13a generates an electric field E, and the ampere-turn of the magnetic pole 13c generates a magnetic field B.
[0062]
Under the Wien condition, an excellent proportional relationship is achieved between the voltage of the electrode 13a and the ampere-turn of the coil 13b wound around the magnetic pole 13c. As long as the proportional relationship is satisfied, the Wien condition is maintained even if the voltage and the value of the ampere-turn change. Therefore, in the first Wien filter 13, the electromagnetic field intensity can be changed while maintaining the Wien condition.
[0063]
FIG. 6 is a diagram illustrating a slit according to the present embodiment.
[0064]
The slit 14 is composed of two plates having straight blades, and an opening 14a having a width W (μm) is formed by the blades installed facing each other so as to be parallel in a plane perpendicular to the optical axis. ing.
[0065]
The slit 14 is installed such that the blade forming the opening 14a is parallel to the y-axis in a plane perpendicular to the optical axis, and the optical axis passes through the middle point of the opening width. The slit 14 having such a fixed parallel opening having a fixed width transmits only an electron beam within a predetermined distance from the optical axis in the x-axis direction (electric field direction).
[0066]
The distribution of the energy-dispersed electron beam 21 in the slit 14 is schematically illustrated in FIG. The electron beam 21 is focused in the x-axis direction, which is the dispersion direction 22, but diverges without being focused in the y-axis direction in order to suppress the Bersier effect.
[0067]
In the energy-dispersed electron beam schematically drawn, the first component 21a has the highest energy, and thereafter, the energy gradually decreases to the fifth component 21e. Note that the actual electron beam does not consist of discrete components such as the first to fifth components 21a to 21e but is distributed continuously.
[0068]
Of the first to fifth components 21a to 21e of the electron beam 21, only the third component transmits through the opening 14a of the slit 14. The remaining first, second, fourth and fifth components 21a, 21b, 21d, 21e are blocked by the slit 14.
[0069]
As described above, in the present embodiment, by employing the slit 14 having the fixed parallel openings 14a, it is possible to select only a component having a desired energy from the electron beam. Therefore, in the monochromator of the present embodiment, a high energy resolution can be ensured.
[0070]
Specifically, the energy dispersion of the electron beam can be expressed by the following equation (1). The equation (1) expresses the position x (μm) in the x-axis direction where the electron reaches the slit 14 as a function of the energy E (eV) of the electron. This function x (E) is given by a constant energy E satisfying the Wien condition, considering that the opening width of the slit 14 is sufficiently narrow in the x-axis direction. 0 This is a linear approximation of the energy in the vicinity.
[0071]
(Equation 1)
Figure 2004327377
Here, as shown in the following equation (2), the energy E satisfying the Vienna condition 0 Electron at the position x in the x-axis direction in the slit 14 0 Shall be reached. This position x 0 Corresponds to a middle point in the x-axis direction in the opening 14a of the slit 14.
[0072]
(Equation 2)
Figure 2004327377
Further, the proportionality coefficient D in the equation (1) is defined by the following equation (3) and is referred to as energy dispersibility. The dispersibility is determined by the energy E 0 Is the deflection distance in the x-axis direction per electron beam energy in μm / eV.
[0073]
[Equation 3]
Figure 2004327377
In the present embodiment, the first Wien filter 13 has a constant energy E 0 By maintaining the Wien condition for the electrons having the following, the first Wien filter 13 is controlled to go straight and pass through the slit 14. The constant energy E 0 An electron having the formula (1) travels straight through the first Wien filter 13 and passes through the slit 14 regardless of the intensity of the electromagnetic field, as long as the Wien condition is satisfied. The energy E 0 For example, the energy at which the energy distribution of the electron beam incident on the Wien filter 13 reaches a peak is set.
[0074]
On the other hand, electrons having energy other than the constant energy are deflected by the Wien filter. The degree of this deflection depends on the deviation from the constant energy and the strength of the applied electromagnetic field. In the present embodiment, the energy dispersing ability of the electron beam distribution in the slit 14 is controlled by such a principle.
[0075]
Here, the control of the energy dispersibility will be specifically described.
[0076]
The above equation (1) can be rewritten as the following equation (4).
[0077]
(Equation 4)
Figure 2004327377
Using this equation (4), the position x of the lower end and the upper end of the opening 14a of the slit 14 in the x-axis direction 1 And x 2 (= X 1 + W) energy E 1 And E 2 Is given by the following equations (5) and (6), respectively.
[0078]
(Equation 5)
Figure 2004327377
(Equation 6)
Figure 2004327377
Therefore, the energy distribution width ΔE (eV) of the electron beam transmitted through the opening 14a of the slit 14 is given by the following equation (7).
[0079]
(Equation 7)
Figure 2004327377
FIG. 7 is a diagram illustrating the distribution of electron beams in the slit 14.
[0080]
The curve a in the figure is the energy dispersibility D 1 And the curve b shows the energy dispersion D 2 (<D 1 ) Is shown. The curve c shows the distribution of the electron beam incident on the Wien filter 13 shown in FIG. 2 for comparison.
[0081]
For example, the energy distribution width of the electron beam transmitted through the slit 14 having the opening having the width W is determined by the energy dispersion capability of the first Wien filter 13. 1 To D 2 By changing to W / D 1 From W / D 2 Can be varied up to.
[0082]
Specifically, it is assumed that the energy dispersive power of the first Wien filter 13 is variable in the range of 25 to 5 μm / eV, and the opening width W of the slit 14 is 5 μm. In this case, the energy distribution width of the electron beam emitted from the monochromator 20 can be varied in the range of 0.2 to 1 eV.
[0083]
The electron beam transmitted through the slit 14 is incident on a second Wien filter 15 at the subsequent stage. Similarly to the first Wien filter 13, the second Wien filter 15 appropriately varies the electromagnetic field intensity while maintaining the ratio of the electromagnetic field so as to satisfy the Wien condition. The electron beam is returned achromatically by the second Wien filter 15 and emitted. The light may be emitted not only by achromatic but also by stigmatic.
[0084]
FIG. 8 is a diagram showing the result of measuring the relationship between the ampere-turn and the energy dispersibility of an electron beam having an energy of 600 eV.
[0085]
The measured values a, b, and c are measured using different samples of the first Wien filter 13. The same applies to FIG.
[0086]
As described above, electrons having energy that does not satisfy the Wien condition are deflected by the electromagnetic field in the first Wien filter 13. This figure shows the relationship between the ampere-turn corresponding to the magnetic field of the Wien filter 13 and the energy dispersibility corresponding to the degree of deflection.
[0087]
The energy dispersibility monotonically increases until the ampere-turn becomes approximately 30 (AT), and then monotonically decreases when the energy dispersibility reaches a maximum value of approximately 21 to 24 (μm / eV).
[0088]
FIG. 9 is a diagram showing the result of measuring the relationship between the ampere-turn and the energy dispersing ability for an electron beam having an energy of 1000 eV.
[0089]
The energy dispersibility monotonically increases until the ampere-turn turns to approximately 40 (AT), and then monotonically decreases when the energy dispersibility reaches a maximum value of approximately 16 to 17 (μm / eV).
[0090]
Thus, there is a certain relationship between the ampere-turn and the energy dispersing ability. Therefore, the first Wien filter 13 has a desired energy dispersing ability by controlling the dipole intensity by changing the ampere-turn based on the relationship while maintaining the electromagnetic field ratio so as to satisfy the Wien condition. An electron beam can be obtained. This makes it possible to change the electron energy distribution while keeping the energy of the monochromatic light transmitted through the monochromator 20 constant.
[0091]
As described above, the monochromator 20 of the present embodiment includes the first and second Wien filters 13 and 15 before and after the slit 14 along the optical axis. Then, with respect to the dipole electromagnetic field in the first Wien filter 13, the electromagnetic field intensity is changed while maintaining the electromagnetic field ratio so as to satisfy the Wien condition, and the energy dispersing ability of the electron beam in the slit 14 is controlled. This controls the distribution of the electron energy transmitted through the slit 14 having a fixed width W. The electron beam transmitted through the slit 14 is returned to achromatic and emitted by the second Wien filter 15 by appropriately changing the electromagnetic field intensity while maintaining the electromagnetic field ratio so that the dipole electromagnetic field satisfies the Wien condition. You.
[0092]
FIG. 10 is a diagram showing a second embodiment of the electron optical system to which the monochromator is applied.
[0093]
The second embodiment has the same configuration as that of the first embodiment except for the monochromator 21. Therefore, common members are denoted by the same reference numerals and description thereof will be omitted.
[0094]
The electron optical system includes a monochromator 21 including an aperture 12, a Wien filter 13, and a slit 14 immediately below the electron source 11 and before the acceleration stage 16.
[0095]
In the monochromator 21, the first Wien filter 13 controls the intensity of the dipole electric field while maintaining the electromagnetic field ratio satisfying the Wien condition, and changes the energy resolution in the slit 14.
[0096]
For example, when the energy dispersing ability of the slit 14 is varied from D to d, the energy distribution width of the electron beam that can pass through the slit fixed at the width of W can be changed from W / D to W / d. By changing the energy dispersibility in this manner, the distribution of the electron energy transmitted through the slit 14 having the fixed width W can be controlled.
[0097]
In this monochromator 21, since the Wien filter is not installed immediately below the slit 13, the emitted electron beam does not become achromatic or stigmatic. The monochromator 21 emits an electron beam diverging in the y direction to avoid the Boersch effect in the slit 14.
[0098]
In this electron optical system, an octupole astigmatism correction coil (not shown) is disposed after the acceleration stage 16, and the coil corrects the electron beam stigmatically.
[0099]
FIG. 11 is a diagram showing a third embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
[0100]
The third embodiment has the same configuration as that of the first embodiment except for the monochromator 22, so that common members are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted.
[0101]
This electron optical system has a monochromator 22 including an aperture 12, a Wien filter 13, an acceleration stage 16 and a slit 14 immediately below the electron source 11 and before the focusing lens 17.
[0102]
In the monochromator 21, the first Wien filter 13 controls the intensity of the dipole electric field while maintaining the electromagnetic field ratio satisfying the Wien condition, and changes the energy resolution in the slit 14.
[0103]
When the energy dispersing ability of the slit 14 is changed from D to d, the energy distribution width of the electron beam that can pass through the slit fixed at the width of W can be changed from W / D to W / d. By changing the energy dispersibility in this manner, the distribution of the electron energy transmitted through the slit 14 having the fixed width W can be controlled.
[0104]
In this monochromator 22, since no Wien filter is provided immediately below the slit 13, the emitted electron beam does not become achromatic or stigmatic. The monochromator 22 emits an electron beam diverging in the y direction to avoid the Boersch effect in the slit 14.
[0105]
In this electron optical system, an octupole astigmatism correction coil (not shown) is disposed after the acceleration stage 16, and the coil corrects the electron beam stigmatically.
[0106]
Note that the stigmatic electron beam emitted from the monochromator 21 is corrected using an octupole astigmatic correction coil disposed after the acceleration stage 16.
[0107]
As described above, this embodiment is equivalent to a slit having a submicron-order accuracy by using a parallel slit having a fixed width and varying the energy dispersing ability of an electron beam in the slit using a Wien filter. Provides functionality. With such a configuration, a transmission electron microscope having a monochromator immediately below the electron source can be easily configured.
[0108]
In the above embodiment, an electron beam is used as a charged particle beam, but the present invention is not limited to this. The present invention can be applied to a charged particle beam such as an ion beam.
[0109]
【The invention's effect】
According to the present invention, it becomes possible to select an energy distribution width in a monochromator having a high energy resolution.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a first embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
FIG. 2 is a diagram showing an energy distribution of an electron beam incident on a first Wien filter.
FIG. 3 is a diagram showing a configuration of a first Wien filter.
FIG. 4 is a view for explaining an interaction between an electron beam and an electromagnetic field in the first Wien filter.
FIG. 5 is a diagram illustrating a relationship between a voltage satisfying a Wien condition and an ampere turn in a first Wien filter.
FIG. 6 is a diagram showing a slit according to the present embodiment.
FIG. 7 is a diagram illustrating distribution of electron beams in a slit 14.
FIG. 8 is a diagram showing a result of measuring a relationship between an ampere-turn and an energy dispersing ability for an electron beam having an energy of 600 eV.
FIG. 9 is a diagram showing a result of measuring a relationship between an ampere turn and an energy dispersing ability for an electron beam having an energy of 1000 eV.
FIG. 10 is a diagram showing a second embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
FIG. 11 is a diagram showing a third embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
FIG. 12 is a diagram showing a shape of an electron beam in a slit of a conventional monochromator.

Claims (10)

荷電粒子線を単色化するモノクロメータにおいて、
荷電粒子線の光軸に垂直に互いに直交する電磁場を印加し、前記荷電粒子線を運動エネルギーに応じて電場方向に分散させるウィーンフィルタと、
前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設けられ、前記光軸から前記電場方向に所定距離内にある荷電粒子線のみを透過させるスリットと、
を有し、
前記ウィーンフィルタは、前記電磁場の強度を変化させて前記分散の程度を制御することで前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を制御すること
を特徴とするモノクロメータ。
In a monochromator that makes a charged particle beam monochromatic,
Applying electromagnetic fields perpendicular to each other perpendicular to the optical axis of the charged particle beam, a Wien filter that disperses the charged particle beam in the direction of the electric field according to kinetic energy,
A slit that is provided at a subsequent stage of the Wien filter along the optical axis and transmits only a charged particle beam within a predetermined distance in the electric field direction from the optical axis,
Has,
The monochromator is characterized in that the Wien filter controls the energy distribution width of the charged particle beam passing through the slit by controlling the degree of dispersion by changing the intensity of the electromagnetic field.
前記ウィーンフィルタは、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギーを一定に維持するように前記電磁場を変化させることを特徴とする請求項1記載のモノクロメータ。2. The monochromator according to claim 1, wherein the Wien filter changes the electromagnetic field so as to maintain a constant energy of the charged particle beam passing through the slit. 3. 前記ウィーンフィルタは、前記スリットを透過する前記荷電粒子線について、一定のエネルギーを有する荷電粒子がウィーン条件を満たすように前記電磁場を変化させることを特徴とする請求項2記載のモノクロメータ。3. The monochromator according to claim 2, wherein the Wien filter changes the electromagnetic field so that the charged particles having a constant energy satisfy the Wien condition for the charged particle beam transmitted through the slit. 4. 前記ウィーンフィルタは、前記電磁場の電場と磁場の比率を一定に保つことを特徴とする請求項3記載のモノクロメータ。The monochromator according to claim 3, wherein the Wien filter keeps a ratio of an electric field to a magnetic field of the electromagnetic field constant. 前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設置され、前記スリットを透過した荷電粒子線をアクロマティックに補正する他のウィーンフィルタを有することを特徴とする請求項1記載のモノクロメータ。The monochromator according to claim 1, further comprising another Wien filter that is installed downstream of the Wien filter along the optical axis and that achromatically corrects a charged particle beam transmitted through the slit. 前記他のウィーンフィルタは、前記スリットを透過した荷電粒子線をスティグマティックに補正することを特徴とする請求項5記載のモノクロメータ。6. The monochromator according to claim 5, wherein the other Wien filter stigmatically corrects the charged particle beam transmitted through the slit. 前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設置され、前記スリットを透過した荷電粒子線をスティグマティックに補正する8極子非点補正コイルを有することを特徴とする請求項1記載のモノクロメータ。2. The monochromator according to claim 1, further comprising an octupole astigmatic correction coil that is installed at a stage subsequent to the Wien filter along the optical axis and stigmatically corrects the charged particle beam transmitted through the slit. 前記ウィーンフィルタは、一定のエネルギーを有する荷電粒子がウィーン条件を満たすように前記電場と磁場の比率を一定に維持しつつ、前記電磁場の強度を変化させて前記ウィーン条件を満たさない前記一定のエネルギー以外のエネルギーを有する荷電粒子の偏向の程度を制御することで、前記スリットにおける前記荷電粒子線のエネルギーに応じた分散の程度を制御し、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を制御することを特徴とする請求項1記載のモノクロメータ。The Wien filter changes the intensity of the electromagnetic field while maintaining a constant ratio of the electric field and the magnetic field so that the charged particles having a constant energy satisfy the Wien condition, and the constant energy that does not satisfy the Wien condition. By controlling the degree of deflection of charged particles having energy other than, the degree of dispersion according to the energy of the charged particle beam in the slit is controlled, and the energy distribution width of the charged particle beam passing through the slit is controlled. The monochromator according to claim 1, wherein the monochromator is controlled. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のモノクロメータを用い、
前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を設定するステップと、
前記エネルギー幅を実現するように、前記スリットにおいて前記荷電粒子線を透過させる前記所定距離に応じたエネルギー分散能を定めるステップと、
前記エネルギー分散能を実現するように前記ウィーンフィルタにおける電磁場を決定するステップと、
を有することを特徴とするモノクロメータの制御方法。
The monochromator according to any one of claims 1 to 8,
Setting the energy distribution width of the charged particle beam transmitted through the slit,
In order to realize the energy width, a step of determining the energy dispersibility according to the predetermined distance for transmitting the charged particle beam in the slit,
Determining an electromagnetic field in the Wien filter to achieve the energy dispersion;
A method for controlling a monochromator, comprising:
前記方法は、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギーを一定に維持するように、前記ウィーンフィルタにおいて前記荷電粒子がウィーン条件を満たすように前記電磁場の電場及び磁場の比率を決定するステップを含み、前記電磁場を決定するステップは、前記エネルギー分散能を実現するように前記電磁場の電場及び磁場の強度を決定することを特徴とする請求項9記載のモノクロメータの制御方法。The method comprises the steps of: determining a ratio of an electric field and a magnetic field of the electromagnetic field such that the charged particles satisfy the Wien condition in the Wien filter so as to maintain a constant energy of the charged particle beam transmitted through the slit. The method for controlling a monochromator according to claim 9, wherein the step of determining the electromagnetic field includes determining the electric and magnetic field strengths of the electromagnetic field so as to realize the energy dispersibility.
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