JP2004327377A - Monochromator - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子線を単色化するモノクロメータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子線を単色化するために、入射される電子線について所定のエネルギーを有する成分のみを透過させるモノクロメータが利用されている。このようなモノクロメータは、例えば、透過型電子顕微鏡において高いエネルギー分解能を要する電子エネルギー損失分光法による測定を行う場合に用いられている。
【0003】
モノクロメータは、電子線を電子のエネルギーに応じて分散させる光学素子と、エネルギーに応じて分散された電子線から所望の成分を選択するスリットから構成される。
【0004】
電子線をエネルギーに応じて分散させる光学素子として、例えばウィーンフィルタが用いられている。
【0005】
ウィーンフィルタは、電子線の光軸と垂直な面内において互いに直交する双極子電磁場を印加し、電子線をエネルギーに応じて分散させるエネルギーフィルタである。
【0006】
ウィーンフィルタにおいて、双極子電場Eおよび双極子磁場Bからなる電磁場が印加されていると、光軸に沿って入射される電子速度vの電子線は、ウィーン条件E=vBを満たすときに直進する。前記ウィーン条件を満たさないエネルギーを有する電子はそれぞれのエネルギーに応じて偏向が与えられ、電場方向に分散する。なお、以下ではこのエネルギーに応じた分散を単にエネルギー分散と称することがある。
【0007】
ここで、ウィーンフィルタの電磁場強度がサイクロトロン半径Rに相当すると、電子線の電磁場への入射位置から光軸に沿いに距離2πRの位置でエネルギー分散がキャンセルされ、入射位置と同じようにアクロマティックに戻る。
【0008】
このような特徴を利用し、従来、光軸に沿ってエネルギー選択スリットを挟んだ上下2段のウィーンフィルタを有するモノクロメータが利用されている。このような構造のモノクロメータでは、各ウィーンフィルタの電磁場分布とスリット位置を適宜に設計することで、スリットにおいて電子線をエネルギー分散させつつ、出射される電子線をアクロマティックにすることができる。
【0009】
このような構造のモノクロメータは、透過型電子顕微鏡に適用され、例えば電子源の直下で加速段の前に設置される。
【0010】
図12は、モノクロメータのスリットにおける電子線の形状を示す図である。
【0011】
前述の構造のモノクロメータでは、通常、所定の開き角を有するくさび型の開口111が形成されたスリット110が用いられる。図では、光軸に垂直な面内にあるスリット110のy軸の正方向に開いた開口111において、y軸方向に広がった電子線112が示されている。
【0012】
このスリット110においては、開口111の長手方向と直交するx軸方向をエネルギー分散方向113とするため、エネルギー分散された電子線はx軸方向にフォーカスされる。一方、y軸方向については、低い運動エネルギーの電子の集中による電子間相互作用に由来するエネルギーの拡がり(ベルシエ効果)を抑制するため、フォーカスせずに発散させている。
【0013】
図中には、エネルギー分散した電子線112の分布が、第1乃至第5の成分112a〜112eによって模式的に描かれている。これらのうち、第1の成分112aが最も高いエネルギーを有し、以下、第5の成分112eまで順にエネルギーが低くなる。
【0014】
スリット110に入射した電子線112は、第3の成分112cについてはすべて透過するが、第2及び第4の成分112b,112d、第1及び第5の成分112a,112eについては一部透過し一部阻止される。
【0015】
実際には、電子線112は、図示の第1乃至第5の成分112a〜112eのように離散的な成分から構成されるものではなく、連続的にエネルギー分布を有している。
【0016】
なお、電子顕微鏡において高いエネルギー分解能を得るためにウィーンフィルタを適用する方法には、前述のようにウィーンフィルタをモノクロメータに用いる他に、反射型電子顕微鏡においてウィーンフィルタを1次電子線と2次電子線の分離に用いる方法がある(例えば特許文献1参照。)。
【0017】
【特許文献1】
特開平8−212955号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、モノクロメータにおいては、単色化する電子線のエネルギーのみならず、エネルギー分布幅も設定できることが望ましい。
【0019】
ここで、電子線のエネルギー分布幅を設定するため、エネルギー分散した電子線から所望の成分を選択できるように、スリット100の開口110を開閉する方法が考えられる。
【0020】
この場合、電子線をエネルギー分散させる光学素子として用いられるウィーンフィルタのエネルギー分散能が25μm以下であることをから考慮すると、スリット110を開閉する精度はサブミクロンの精度が必要である。
【0021】
しかしながら、前記モノクロメータのように電子源の直下に設置される場合、スリット100は、加速電圧にスリット110の電位を重畳したような高圧の環境下にある。また、スリット110における真空度は、電子源のエミッタ周辺と同程度であることが求められる。
【0022】
このような条件下において、スリット100の開口110をサブミクロン精度で開閉するような機械的な稼動部を設けることは困難である。
【0023】
また、開口110のくさび型の形状に由来して、電子線のエネルギー選択の精度が確保できないという問題もある。
【0024】
図12に示したように、電子線112の内で所望のエネルギーを有する第3成分112cの選択を望む場合、くさび型の開口110は、選択していない第1、第2、第4及び第5成分112a,112b,112d,112eをも透過してしまう。
【0025】
本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、高いエネルギー分解能を有するとともに、エネルギー分布幅を選択できるようなモノクロメータを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明に係るモノクロメータは、荷電粒子線を単色化するものであって、荷電粒子線の光軸に垂直に互いに直交する電磁場を印加し、前記荷電粒子線を運動エネルギーに応じて電場方向に分散させるウィーンフィルタと、前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設けられ、前記光軸から前記電場方向に所定距離内にある荷電粒子線のみを透過させるスリットと、を有し、前記ウィーンフィルタは、前記電磁場の強度を変化させて前記分散の程度を制御することで前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を制御する。
【0027】
前記ウィーンフィルタは、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギーを一定に維持するように前記電磁場を変化させることが望ましい。
【0028】
前記ウィーンフィルタは、前記スリットを透過する前記荷電粒子線について、一定のエネルギーを有する荷電粒子がウィーン条件を満たすように前記電磁場を変化させることが望ましい。
【0029】
前記ウィーンフィルタは、前記電磁場の電場と磁場の比率を一定に保つことが望ましい。
【0030】
前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設置され、前記スリットを透過した荷電粒子線をアクロマティックに補正する他のウィーンフィルタを有することが望ましい。
【0031】
前記他のウィーンフィルタは、前記スリットを透過した荷電粒子線をスティグマティックに補正することが望ましい。
【0032】
前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設置され、前記スリットを透過した荷電粒子線をスティグマティックに補正する8極子非点補正コイルを有することが望ましい。
【0033】
前記ウィーンフィルタは、一定のエネルギーを有する荷電粒子がウィーン条件を満たすように前記電場と磁場の比率を一定に維持しつつ、前記電磁場の強度を変化させて前記ウィーン条件を満たさない前記一定のエネルギー以外のエネルギーを有する荷電粒子の偏向の程度を制御することで、前記スリットにおける前記荷電粒子線のエネルギーに応じた分散の程度を制御し、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を制御することが望ましい。
【0034】
本発明に係るモノクロメータの制御方法は、前記モノクロメータを用い、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を設定するステップと、前記エネルギー幅を実現するように、前記スリットにおいて前記荷電粒子線を透過させる前記所定距離に応じたエネルギー分散能を定めるステップと、前記エネルギー分解能をじつげんするように前記ウィーンフィルタにおける電磁場を決定するステップと、を有する。
【0035】
前記方法、前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギーを一定に維持するように、前記ウィーンフィルタにおいて前記荷電粒子がウィーン条件を満たすように前記電磁場の電場及び磁場の比率を決定するステップを含み、前記電磁場を決定するステップは、前記エネルギー分散能を実現するように前記電磁場の電場及び磁場の強度を決定することが好ましい。
【0036】
本発明に係るモノクロメータは、荷電粒子線として電子線を用い、透過型電子顕微鏡に適用することが望ましい。
【0037】
本発明では、モノクロメータから出射する電子線のエネルギー分布は、スリット幅を機械的に変えるのではなく、スリットにおける電子線のエネルギー分散能を変化させて制御することが望ましい。ここで、エネルギー分散能とは、例えば単位エネルギー当たりの電子線の偏向距離を意味する。
【0038】
すなわち、本発明では、ウィーンフィルタを電子分光器として使用し、ウィーンフィルタにおける双極子電磁場の強度の強度を変化させることでエネルギー分散能を変化させ、幅を固定された平行固定型のスリットを用いてエネルギー選択を行うことで、スリットを透過する電子線のエネルギー分布幅を制御することが望ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るモノクロメータの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
本実施の形態では、例えば電子エネルギー損失分光法のような高いエネルギーを必要とする測定を行う透過型電子顕微鏡において電子源から試料に至る電子光学系に適用されたモノクロメータを想定する。
【0041】
図1は、モノクロメータを適用した電子光学系の第1の実施の形態の構成を示す図である。
【0042】
この電子光学系は、例えば電界放出型電子銃(Field Emission Gun;FEG)による電子源11と、絞り12と、第1のウィーンフィルタ13と、スリット14と、第2のウィーンフィルタ15と、加速段16と、集束レンズ17とを有している。収束レンズ17を出射した電子線は、試料51に照射される。
【0043】
この電子光学系は、電子源11の直下であって加速段16の前段に、絞り12、第1のウィーンフィルタ13、スリット14及び第2のウィーンフィルタ15からなるモノクロメータ20を有している。
【0044】
このモノクロメータ20は、光軸に沿いにスリット14を挟んだ前後に第1及び第2のウィーンフィルタ13,15を設けた構造を有するので、アクロマティックでスティグマティックな電子線を出力するように設計することができる。
【0045】
第1及び第2のウィーンフィルタ13,15の有する光軸沿いの長さL1及びL2は、例えば4:1の比率に設定することができる。これらの長さL1及びL2は、前記比率に限られず、L1>L2,L1=L2又はL1<L2のいずれにも設定することができる。
【0046】
電子源11から出射された電子線は、モノクロメータ20によって、所定のエネルギー分布幅を有する所定のエネルギーの成分が選択される。モノクロメータ20で選択された成分からなる電子線は、加速段16における静電勾配によって加速され、集束レンズ17によって試料51に照射される。
【0047】
なお、便宜上、図に示すように光軸をz軸とし、このz軸に垂直な面内で直交するx軸及びy軸を設定する。
【0048】
図2は、第1のウィーンフィルタに入射する電子線のエネルギー分布を示す図である。
【0049】
第1のウィーンフィルタ13には、絞り12を介して電子源11から出射された電子線が入射される。
【0050】
電子線は、第1のウィーンフィルタ13に入射される段階では単色でなく、エネルギーは一定の範囲に分布している。分布の形状は、電子源11の種類などに依存する。
【0051】
本実施の形態では、簡単のため、入射される電子線はあるエネルギーをピークとしてほぼ正規分布しているものと想定する。
【0052】
図3は、第1のウィーンフィルタの構成を示す図である。
【0053】
この図は、第1のウィーンフィルタ13を光軸に垂直な面で切断した断面図である。
【0054】
第1のウィーンフィルタ13は、電子線の透過する光軸とは垂直な平面内において、電極13a及びコイル13bを巻回した磁極13cによって、互いに垂直に双極子電磁場を発生させることより、電子線を電場方向にエネルギー分散させる光学素子である。
【0055】
なお、第2のウィーンフィルタ15も第1のウィーンフィルタ13と同様の構成を有するが、その電極及び磁極の向きはそれぞれ第1のウィーンフィルタ13と逆である。
【0056】
図4は、第1のウィーンフィルタにおける電子線と電磁場との相互作用を説明する図である。
【0057】
第1のウィーンフィルタ13においては、電極13aによってx軸の負方向に双極子電場Eが印加され、磁極13cによってy軸の正方向に双極子磁場Bが印加されている。これらの電磁場によって、z軸の負方向に電子速度vで進む電子線には、x軸の正方向へ電気力FEが作用し、x軸の負方向へローレンツ力FBが作用する。
【0058】
第1のウィーンフィルタ13においては、電気力FE及びローレンツ力FBが相殺するウィーン条件E=vBを満たす運動エネルギーを有する電子のみが直進する。運動エネルギーが前記ウィーン条件を満たさない残りの電子は、それぞれの運動エネルギーに応じてx軸方向又は電場方向に偏向される。このようにして、第1のウィーンフィルタ13において、電子線はエネルギーに応じてx軸方向又は電場方向にエネルギー分散される。
【0059】
図5は、第1のウィーンフィルタにおいてウィーン条件を満たす電圧とアンペアターンの関係の測定値を示す図である。
【0060】
図中の直線aは600eV、直線bは800eV、直線cは1000eVの電子線に対応している。
【0061】
第1のウィーンフィルタ13において、電極13aの電圧は電場Eを、磁極13cのアンペアターンは磁場Bをそれぞれ生成する。
【0062】
ウィーン条件の下で、電極13aの電圧と、磁極13cに巻回したコイル13bのアンペアターンの間には、優れた比例関係が達成されている。前記比例関係を満たす限り、前記電圧及びアンペアターンの値が変化してもウィーン条件は維持される。したがって、第1のウィーンフィルタ13において、ウィーン条件を維持しつつ電磁場強度を変化させることができる。
【0063】
図6は、本実施の形態のスリットを示す図である。
【0064】
このスリット14は、直線状の刃を有する2枚の板からなり、光軸に垂直な面内において平行になるように向かい合わせて設置された刃によって幅W(μm)の開口14aが形成されている。
【0065】
このスリット14は、光軸に垂直な面内において、開口14aを形成する刃がy軸と平行になり、光軸が開口幅の中点を通過するように設置される。このような一定幅の固定平行開口を有するスリット14は、光軸からx軸方向(電場方向)に所定距離内にある電子線のみを透過する。
【0066】
同図中には、スリット14におけるエネルギー分散した電子線21の分布が模式的に描かれている。電子線21は、ベルシエ効果を抑制するために、分散方向22となるx軸方向にフォーカスされるがy軸方向にはフォーカスされずに発散している。
【0067】
模式的に描かれたエネルギー分散した電子線において、第1の成分21aが最も高いエネルギーを有し、以下、第5の成分21eまで順にエネルギーが低くなる。なお、実際の電子線は、前記第1乃至第5の成分21a〜21eのような離散的な成分からなるものではなく、連続的に分布している。
【0068】
これら電子線21の第1乃至第5の成分21a〜21eの内、第3の成分のみがスリット14の開口14aを透過する。残りの第1、第2、第4及び第5の成分21a,21b,21d,21eは、スリット14により阻止される。
【0069】
このように、本実施の形態では、固定した平行な開口14aを有するスリット14を採用することにより、電子線から所望のエネルギーを有する成分のみを選択することができる。したがって、本実施の形態のモノクロメータにおいては、高いエネルギー分解能を確保することができる。
【0070】
具体的に、電子線のエネルギー分散は、次の式(1)によって表現することができる。この式(1)は、スリット14において電子が到達したx軸方向の位置x(μm)をその電子のエネルギーE(eV)の関数として表すものである。この関数x(E)は、スリット14の開口幅がx軸方向に十分に狭いことを考慮して、位置xをウィーン条件を満たす一定のエネルギーE0近傍のエネルギーについて線形近似したものである。
【0071】
【数1】
ここで、次の式(2)に示すように、ウィーン条件を満たす前記エネルギーE0の電子は、スリット14においてx軸方向の位置x0に到達するものとする。この位置x0は、スリット14の開口14aにおいて、x軸方向についての中点に相当する。
【0072】
【数2】
また、式(1)における比例係数Dは、次の式(3)によって定義され、エネルギー分散能と称される。分散能は、前記エネルギーE0における、電子線のエネルギー当たりのx軸方向への偏向距離であり、単位はμm/eVである。
【0073】
【数3】
本実施の形態では、第1のウィーンフィルタ13において、一定のエネルギーE0を有する電子についてウィーン条件を維持することで、第1のウィーンフィルタ13を直進してスリット14を透過するように制御する。前記一定のエネルギーE0を有する電子は、ウィーン条件が満たされる限り、電磁場強度のいかんに関わらずに第1のウィーンフィルタ13を直進し、スリット14を透過する。前記エネルギーE0としては、例えばウィーンフィルタ13に入射する電子線のエネルギー分布がピークになるエネルギーを設定する。
【0074】
これに対して、前記一定のエネルギー以外のエネルギーを有する電子は、ウィーンフィルタによって偏向される。この偏向の程度は、前記一定のエネルギーからのずれや印加される電磁場の強度に依存する。本実施の形態は、このような原理によってスリット14における電子線分布のエネルギー分散能を制御している。
【0075】
ここで、エネルギー分散能の制御について具体的に説明する。
【0076】
前記式(1)は、次の式(4)のように書き換えることができる。
【0077】
【数4】
この式(4)を用いると、スリット14の開口14aのx軸方向への下端及び上端の位置x1及びx2(=x1+W)におけるエネルギーE1及びE2は、それぞれ次の式(5)及び(6)によって与えられる。
【0078】
【数5】
【数6】
したがって、スリット14の開口14aを透過する電子線のエネルギー分布幅ΔE(eV)は、次の式(7)によって与えられる。
【0079】
【数7】
図7は、スリット14における電子線の分布を説明する図である。
【0080】
図中の曲線aはエネルギー分散能D1の分布を示し、曲線bはエネルギー分散能D2(<D1)の分布を示す。曲線cには、比較のため、図2に示したウィーンフィルタ13に入射する電子ビームの分布を示す。
【0081】
例えば、幅Wの開口を有するスリット14を透過する電子線のエネルギー分布幅は、第1のウィーンフィルタ13のエネルギー分散能をD1からD2に変化させことで、W/D1からW/D2まで可変させることができる。
【0082】
具体的に、第1のウィーンフィルタ13のエネルギー分散能が25〜5μm/eVの範囲で可変であり、スリット14の開口幅Wが5μmであると想定する。この場合、モノクロメータ20から出射される電子線のエネルギー分布幅は、0.2〜1eVの範囲で可変させることができる。
【0083】
スリット14を透過した電子線は、後段にある第2のウィーンフィルタ15に入射される。第2のウィーンフィルタ15は、第1のウィーンフィルタ13と同様に、ウィーン条件を満たすように電磁場の比率を維持しつつ電磁場強度を適宜に可変させる。電子線は、この第2のウィーンフィルタ15によってアクロマティックに戻されて出射される。アクロマティックのみならず、スティグマティックにもされて出射されることもある。
【0084】
図8は、エネルギー600eVの電子線についてアンペアターンとエネルギー分散能の関係を測定した結果を示す図である。
【0085】
測定値a,b,cは、第1のウィーンフィルタ13の異なるサンプルを用いて測定したものである。図8においても同様である。
【0086】
前述したように、ウィーン条件を満たさないエネルギーを有する電子は、第1のウィーンフィルタ13における電磁場によって偏向される。この図は、ウィーンフィルタ13の磁場に相当するアンペアターンと偏向の程度に相当するエネルギー分散能の関係を示すものである。
【0087】
エネルギー分散能は、アンペアターンがほぼ30(AT)まで単調に増加し、エネルギー分散能がほぼ21〜24(μm/eV)の極大値に達すると、その後は単調に減少する。
【0088】
図9は、エネルギー1000eVの電子線についてアンペアターンとエネルギー分散能の関係を測定した結果を示す図である。
【0089】
エネルギー分散能は、アンペアターンがほぼ40(AT)まで単調に増加し、エネルギー分散能がほぼ16〜17(μm/eV)の極大値に達すると、その後は単調に減少する。
【0090】
このように、アンペアターンとエネルギー分散能の間には、一定の関係がある。したがって、第1のウィーンフィルタ13において、ウィーン条件を満たすように電磁場比率を維持しつつ、前記関係に基づいてアンペアターンを変化させて双極子強度を制御することで、所望のエネルギー分散能を有する電子線を得ることができる。これによって、モノクロメータ20を透過する単色光のエネルギーを一定に維持しつつ、電子エネルギー分布を変化させることができる。
【0091】
以上のように、本実施の形態のモノクロメータ20は、光軸に沿いにスリット14の前後に第1及び第2のウィーンフィルタ13,15を備える。そして、第1のウィーンフィルタ13における双極子電磁場について、ウィーン条件を満たすように電磁場比率を維持しつつ電磁場強度を変化させ、スリット14における電子線のエネルギー分散能を制御する。これによって、固定された幅Wを有するスリット14を透過する電子エネルギー分布を制御する。スリット14を透過した電子線は、第2のウィーンフィルタ15によって双極子電磁場をウィーン条件を満たすように電磁場比率を維持しつつ電磁場強度を適宜に変化させることによって、アクロマティックに戻されて出射される。
【0092】
図10は、モノクロメータを適用した電子光学系の第2の実施の形態を示す図である。
【0093】
第2の実施の形態では、モノクロメータ21を除いて第1の実施の形態と同様の構成を有するので、共通する部材については同一の符号を附して説明を省略することにする。
【0094】
この電子光学系は、電子源11の直下であって加速段16の前段に、絞り12、ウィーンフィルタ13及びスリット14からなるモノクロメータ21を有している。
【0095】
モノクロメータ21において、第1のウィーンフィルタ13は、ウィーン条件を満たす電磁場比率を維持しつつ双極子電場の強度を制御し、スリット14におけるエネルギー分解能を変化させる。
【0096】
例えば、スリット14におけるエネルギー分散能をDからdまで可変させる場合、Wの幅で固定されたスリットを透過できる電子線のエネルギー分布幅をW/DからW/dに変化させることができる。このようにエネルギー分散能を変化させることで、固定された幅Wを有するスリット14を透過する電子エネルギー分布を制御することができる。
【0097】
このモノクロメータ21においては、スリット13の直下にウィーンフィルタが設置されていないため、出射される電子線は、アクロマティック、スティグマティックにはならない。モノクロメータ21からは、スリット14におけるベルシュ効果を避けるためにy方向に発散する形状になされた電子線が出射される。
【0098】
この電子光学系においては、加速段16の後段に図示しない8極子非点補正コイルが配置され、このコイルが電子線をスティグマティックに補正する。
【0099】
図11は、モノクロメータを適用した電子光学系の第3の実施の形態を示す図である。
【0100】
第3の実施の形態では、モノクロメータ22を除いて第1の実施の形態と同様の構成を有するので、共通する部材については同一の符号を附して説明を省略することにする。
【0101】
この電子光学系は、電子源11の直下であって集束レンズ17の前段に、絞り12、ウィーンフィルタ13、加速段16及びスリット14からなるモノクロメータ22を有している。
【0102】
モノクロメータ21において、第1のウィーンフィルタ13は、ウィーン条件を満たす電磁場比率を維持しつつ双極子電場の強度を制御し、スリット14におけるエネルギー分解能を変化させる。
【0103】
スリット14におけるエネルギー分散能をDからdまで可変させる場合、Wの幅で固定されたスリットを透過できる電子線のエネルギー分布幅をW/DからW/dまで変化させることができる。このようにエネルギー分散能を変化させることで、固定された幅Wを有するスリット14を透過する電子エネルギー分布を制御することができる。
【0104】
このモノクロメータ22においては、スリット13の直下にウィーンフィルタが設置されていないため、出射される電子線は、アクロマティック、スティグマティックにはならない。モノクロメータ22からは、スリット14におけるベルシュ効果を避けるためにy方向に発散する形状になされた電子線が出射される。
【0105】
この電子光学系においては、加速段16の後段に図示しない8極子非点補正コイルが配置され、このコイルが電子線をスティグマティックに補正する。
【0106】
なお、モノクロメータ21から出射されたスティグマティックな電子線は、加速段16の後段に配置された8極子非点補正コイルを用いて補正される。
【0107】
前述のように、本実施の形態は、固定幅の平行スリットを用い、ウィーンフィルタによりスリットにおける電子線のエネルギー分散能を可変させることで、実効的にサブミクロンオーダーの精度を持つスリットに相当する機能を提供する。このような構成によって、電子源の直下にモノクロメータを有する透過型電子顕微鏡を容易に構成することができるようになる。
【0108】
なお、前述の実施の形態においては荷電粒子線として電子線を用いたが、本発明はこれに限定されない。本発明は、荷電粒子ビームとして、例えばイオンビームなどにも適用することができる。
【0109】
【発明の効果】
本発明によると、高いエネルギー分解能を有するモノクロメータにおいて、エネルギー分布幅を選択することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モノクロメータを適用した電子光学系の第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】第1のウィーンフィルタに入射する電子線のエネルギー分布を示す図である。
【図3】第1のウィーンフィルタの構成を示す図である。
【図4】第1のウィーンフィルタにおける電子線と電磁場との相互作用を説明するずである。
【図5】第1のウィーンフィルタにおいてウィーン条件を満たす電圧とアンペアターンの関係を示す図である。
【図6】本実施の形態のスリットを示す図である。
【図7】スリット14における電子線の分布を説明する図である。
【図8】エネルギー600eVの電子線についてアンペアターンとエネルギー分散能の関係を測定した結果を示す図である。
【図9】エネルギー1000eVの電子線についてアンペアターンとエネルギー分散能の関係を測定した結果を示す図である。
【図10】モノクロメータを適用した電子光学系の第2の実施の形態を示す図である。
【図11】モノクロメータを適用した電子光学系の第3の実施の形態を示す図である。
【図12】従来のモノクロメータのスリットにおける電子線の形状を示す図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a monochromator for making a charged particle beam monochromatic.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, in order to make an electron beam monochromatic, a monochromator that transmits only a component having a predetermined energy with respect to an incident electron beam has been used. Such a monochromator is used, for example, when performing measurement by electron energy loss spectroscopy that requires high energy resolution in a transmission electron microscope.
[0003]
The monochromator includes an optical element for dispersing an electron beam according to the energy of electrons, and a slit for selecting a desired component from the electron beam dispersed according to the energy.
[0004]
As an optical element for dispersing an electron beam according to energy, for example, a Wien filter is used.
[0005]
The Wien filter is an energy filter that applies dipole electromagnetic fields orthogonal to each other in a plane perpendicular to the optical axis of the electron beam and disperses the electron beam according to energy.
[0006]
In the Wien filter, when an electromagnetic field including a dipole electric field E and a dipole magnetic field B is applied, an electron beam having an electron velocity v incident along the optical axis goes straight when the Wien condition E = vB is satisfied. . Electrons having energies that do not satisfy the Wien condition are deflected according to their energies and dispersed in the direction of the electric field. Hereinafter, the dispersion according to this energy may be simply referred to as energy dispersion.
[0007]
Here, if the electromagnetic field strength of the Wien filter corresponds to the cyclotron radius R, the energy dispersion is canceled at a distance of 2πR from the incident position of the electron beam to the electromagnetic field along the optical axis, and achromatically as in the incident position. Return.
[0008]
Utilizing such features, a monochromator having a two-stage upper and lower Wien filter sandwiching an energy selection slit along the optical axis has conventionally been used. In the monochromator having such a structure, by appropriately designing the electromagnetic field distribution and the slit position of each Wien filter, the emitted electron beam can be made achromatic while dispersing the energy of the electron beam in the slit.
[0009]
The monochromator having such a structure is applied to a transmission electron microscope, and is installed, for example, immediately below an electron source and before an acceleration stage.
[0010]
FIG. 12 is a diagram illustrating a shape of an electron beam in a slit of the monochromator.
[0011]
In the monochromator having the above-described structure, usually, a
[0012]
In the
[0013]
In the drawing, the distribution of the energy-dispersed
[0014]
The
[0015]
Actually, the
[0016]
As a method of applying a Wien filter to obtain a high energy resolution in an electron microscope, in addition to using a Wien filter for a monochromator as described above, a Wien filter is connected to a primary electron beam and a secondary electron beam in a reflection electron microscope. There is a method used for separating an electron beam (for example, see Patent Document 1).
[0017]
[Patent Document 1]
JP-A-8-212595
[0018]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in a monochromator, it is desirable that not only the energy of the electron beam to be monochromatized but also the energy distribution width can be set.
[0019]
Here, in order to set the energy distribution width of the electron beam, a method of opening and closing the
[0020]
In this case, considering that the energy dispersing ability of the Wien filter used as an optical element for dispersing the electron beam energy is 25 μm or less, the accuracy of opening and closing the
[0021]
However, when installed just below the electron source like the monochromator, the
[0022]
Under such conditions, it is difficult to provide a mechanical operating unit that opens and closes the
[0023]
There is also a problem that the accuracy of energy selection of the electron beam cannot be secured due to the wedge-shaped shape of the
[0024]
As shown in FIG. 12, when it is desired to select the
[0025]
The present invention has been proposed in view of the above situation, and has as its object to provide a monochromator having high energy resolution and capable of selecting an energy distribution width.
[0026]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the monochromator according to the present invention is for monochromaticizing a charged particle beam, and applies electromagnetic fields perpendicular to the optical axis of the charged particle beam to each other. And a Wien filter that disperses in the electric field direction according to kinetic energy, and is provided at a stage subsequent to the Wien filter along the optical axis and transmits only charged particle beams within a predetermined distance from the optical axis in the electric field direction. Wherein the Wien filter controls the degree of dispersion by changing the intensity of the electromagnetic field to control the energy distribution width of the charged particle beam transmitted through the slit.
[0027]
It is preferable that the Wien filter changes the electromagnetic field so that the energy of the charged particle beam passing through the slit is kept constant.
[0028]
It is preferable that the Wien filter changes the electromagnetic field so that the charged particles having a constant energy satisfy the Wien condition with respect to the charged particle beam passing through the slit.
[0029]
It is preferable that the Wien filter keeps the ratio of the electric field to the magnetic field of the electromagnetic field constant.
[0030]
It is desirable to have another Wien filter installed after the Wien filter along the optical axis and achromatically correcting the charged particle beam transmitted through the slit.
[0031]
It is preferable that the other Wien filter stigmatically corrects the charged particle beam transmitted through the slit.
[0032]
It is desirable to have an octupole astigmatic correction coil that is installed at a stage following the Wien filter along the optical axis and stigmatically corrects the charged particle beam transmitted through the slit.
[0033]
The Wien filter changes the intensity of the electromagnetic field while maintaining a constant ratio of the electric field and the magnetic field so that the charged particles having a constant energy satisfy the Wien condition, and the constant energy that does not satisfy the Wien condition. By controlling the degree of deflection of charged particles having energy other than, the degree of dispersion according to the energy of the charged particle beam in the slit is controlled, and the energy distribution width of the charged particle beam passing through the slit is controlled. It is desirable to control.
[0034]
The method for controlling a monochromator according to the present invention includes the steps of: setting the energy distribution width of the charged particle beam passing through the slit using the monochromator; and Determining an energy dispersibility according to the predetermined distance for transmitting the particle beam; and determining an electromagnetic field in the Wien filter so as to reduce the energy resolution.
[0035]
The method comprising determining a ratio of an electric field and a magnetic field of the electromagnetic field in the Wien filter such that the charged particles satisfy the Wien condition so as to maintain a constant energy of the charged particle beam passing through the slit. Preferably, the step of determining the electromagnetic field determines the intensity of the electric field and the magnetic field of the electromagnetic field so as to realize the energy dispersibility.
[0036]
The monochromator according to the present invention preferably uses an electron beam as a charged particle beam and is applied to a transmission electron microscope.
[0037]
In the present invention, it is desirable that the energy distribution of the electron beam emitted from the monochromator is controlled by changing the energy dispersibility of the electron beam in the slit, instead of mechanically changing the slit width. Here, the energy dispersibility means, for example, the deflection distance of an electron beam per unit energy.
[0038]
That is, in the present invention, the Wien filter is used as an electron spectrometer, the energy dispersing ability is changed by changing the intensity of the intensity of the dipole electromagnetic field in the Wien filter, and a parallel fixed slit having a fixed width is used. It is desirable to control the energy distribution width of the electron beam transmitted through the slit by performing the energy selection.
[0039]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of a monochromator according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0040]
In the present embodiment, for example, a monochromator applied to an electron optical system from an electron source to a sample in a transmission electron microscope that performs a measurement requiring high energy such as electron energy loss spectroscopy is assumed.
[0041]
FIG. 1 is a diagram illustrating a configuration of a first embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
[0042]
This electron optical system includes, for example, an
[0043]
This electron optical system has a
[0044]
Since the
[0045]
The lengths L1 and L2 of the first and second Wien filters 13, 15 along the optical axis can be set, for example, at a ratio of 4: 1. The lengths L1 and L2 are not limited to the above ratio, and can be set to either L1> L2, L1 = L2, or L1 <L2.
[0046]
For the electron beam emitted from the
[0047]
For convenience, the optical axis is set to the z-axis as shown in the figure, and the x-axis and the y-axis are set orthogonally in a plane perpendicular to the z-axis.
[0048]
FIG. 2 is a diagram illustrating an energy distribution of an electron beam incident on the first Wien filter.
[0049]
The
[0050]
When the electron beam is incident on the
[0051]
In the present embodiment, for simplicity, it is assumed that the incident electron beam is substantially normally distributed with a certain energy as a peak.
[0052]
FIG. 3 is a diagram illustrating a configuration of the first Wien filter.
[0053]
This figure is a cross-sectional view of the
[0054]
The
[0055]
The
[0056]
FIG. 4 is a diagram illustrating the interaction between an electron beam and an electromagnetic field in the first Wien filter.
[0057]
In the
[0058]
In the
[0059]
FIG. 5 is a diagram showing measured values of the relationship between the voltage and the ampere-turn that satisfy the Wien condition in the first Wien filter.
[0060]
The straight line a in the drawing corresponds to an electron beam of 600 eV, the straight line b corresponds to an electron beam of 800 eV, and the straight line c corresponds to an electron beam of 1000 eV.
[0061]
In the
[0062]
Under the Wien condition, an excellent proportional relationship is achieved between the voltage of the
[0063]
FIG. 6 is a diagram illustrating a slit according to the present embodiment.
[0064]
The
[0065]
The
[0066]
The distribution of the energy-dispersed
[0067]
In the energy-dispersed electron beam schematically drawn, the
[0068]
Of the first to
[0069]
As described above, in the present embodiment, by employing the
[0070]
Specifically, the energy dispersion of the electron beam can be expressed by the following equation (1). The equation (1) expresses the position x (μm) in the x-axis direction where the electron reaches the
[0071]
(Equation 1)
Here, as shown in the following equation (2), the energy E satisfying the Vienna condition 0 Electron at the position x in the x-axis direction in the
[0072]
(Equation 2)
Further, the proportionality coefficient D in the equation (1) is defined by the following equation (3) and is referred to as energy dispersibility. The dispersibility is determined by the energy E 0 Is the deflection distance in the x-axis direction per electron beam energy in μm / eV.
[0073]
[Equation 3]
In the present embodiment, the
[0074]
On the other hand, electrons having energy other than the constant energy are deflected by the Wien filter. The degree of this deflection depends on the deviation from the constant energy and the strength of the applied electromagnetic field. In the present embodiment, the energy dispersing ability of the electron beam distribution in the
[0075]
Here, the control of the energy dispersibility will be specifically described.
[0076]
The above equation (1) can be rewritten as the following equation (4).
[0077]
(Equation 4)
Using this equation (4), the position x of the lower end and the upper end of the
[0078]
(Equation 5)
(Equation 6)
Therefore, the energy distribution width ΔE (eV) of the electron beam transmitted through the
[0079]
(Equation 7)
FIG. 7 is a diagram illustrating the distribution of electron beams in the
[0080]
The curve a in the figure is the energy dispersibility D 1 And the curve b shows the energy dispersion D 2 (<D 1 ) Is shown. The curve c shows the distribution of the electron beam incident on the
[0081]
For example, the energy distribution width of the electron beam transmitted through the
[0082]
Specifically, it is assumed that the energy dispersive power of the
[0083]
The electron beam transmitted through the
[0084]
FIG. 8 is a diagram showing the result of measuring the relationship between the ampere-turn and the energy dispersibility of an electron beam having an energy of 600 eV.
[0085]
The measured values a, b, and c are measured using different samples of the
[0086]
As described above, electrons having energy that does not satisfy the Wien condition are deflected by the electromagnetic field in the
[0087]
The energy dispersibility monotonically increases until the ampere-turn becomes approximately 30 (AT), and then monotonically decreases when the energy dispersibility reaches a maximum value of approximately 21 to 24 (μm / eV).
[0088]
FIG. 9 is a diagram showing the result of measuring the relationship between the ampere-turn and the energy dispersing ability for an electron beam having an energy of 1000 eV.
[0089]
The energy dispersibility monotonically increases until the ampere-turn turns to approximately 40 (AT), and then monotonically decreases when the energy dispersibility reaches a maximum value of approximately 16 to 17 (μm / eV).
[0090]
Thus, there is a certain relationship between the ampere-turn and the energy dispersing ability. Therefore, the
[0091]
As described above, the
[0092]
FIG. 10 is a diagram showing a second embodiment of the electron optical system to which the monochromator is applied.
[0093]
The second embodiment has the same configuration as that of the first embodiment except for the
[0094]
The electron optical system includes a
[0095]
In the
[0096]
For example, when the energy dispersing ability of the
[0097]
In this
[0098]
In this electron optical system, an octupole astigmatism correction coil (not shown) is disposed after the
[0099]
FIG. 11 is a diagram showing a third embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
[0100]
The third embodiment has the same configuration as that of the first embodiment except for the
[0101]
This electron optical system has a
[0102]
In the
[0103]
When the energy dispersing ability of the
[0104]
In this
[0105]
In this electron optical system, an octupole astigmatism correction coil (not shown) is disposed after the
[0106]
Note that the stigmatic electron beam emitted from the
[0107]
As described above, this embodiment is equivalent to a slit having a submicron-order accuracy by using a parallel slit having a fixed width and varying the energy dispersing ability of an electron beam in the slit using a Wien filter. Provides functionality. With such a configuration, a transmission electron microscope having a monochromator immediately below the electron source can be easily configured.
[0108]
In the above embodiment, an electron beam is used as a charged particle beam, but the present invention is not limited to this. The present invention can be applied to a charged particle beam such as an ion beam.
[0109]
【The invention's effect】
According to the present invention, it becomes possible to select an energy distribution width in a monochromator having a high energy resolution.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a first embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
FIG. 2 is a diagram showing an energy distribution of an electron beam incident on a first Wien filter.
FIG. 3 is a diagram showing a configuration of a first Wien filter.
FIG. 4 is a view for explaining an interaction between an electron beam and an electromagnetic field in the first Wien filter.
FIG. 5 is a diagram illustrating a relationship between a voltage satisfying a Wien condition and an ampere turn in a first Wien filter.
FIG. 6 is a diagram showing a slit according to the present embodiment.
FIG. 7 is a diagram illustrating distribution of electron beams in a
FIG. 8 is a diagram showing a result of measuring a relationship between an ampere-turn and an energy dispersing ability for an electron beam having an energy of 600 eV.
FIG. 9 is a diagram showing a result of measuring a relationship between an ampere turn and an energy dispersing ability for an electron beam having an energy of 1000 eV.
FIG. 10 is a diagram showing a second embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
FIG. 11 is a diagram showing a third embodiment of an electron optical system to which a monochromator is applied.
FIG. 12 is a diagram showing a shape of an electron beam in a slit of a conventional monochromator.
Claims (10)
荷電粒子線の光軸に垂直に互いに直交する電磁場を印加し、前記荷電粒子線を運動エネルギーに応じて電場方向に分散させるウィーンフィルタと、
前記光軸に沿って前記ウィーンフィルタの後段に設けられ、前記光軸から前記電場方向に所定距離内にある荷電粒子線のみを透過させるスリットと、
を有し、
前記ウィーンフィルタは、前記電磁場の強度を変化させて前記分散の程度を制御することで前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を制御すること
を特徴とするモノクロメータ。In a monochromator that makes a charged particle beam monochromatic,
Applying electromagnetic fields perpendicular to each other perpendicular to the optical axis of the charged particle beam, a Wien filter that disperses the charged particle beam in the direction of the electric field according to kinetic energy,
A slit that is provided at a subsequent stage of the Wien filter along the optical axis and transmits only a charged particle beam within a predetermined distance in the electric field direction from the optical axis,
Has,
The monochromator is characterized in that the Wien filter controls the energy distribution width of the charged particle beam passing through the slit by controlling the degree of dispersion by changing the intensity of the electromagnetic field.
前記スリットを透過する前記荷電粒子線のエネルギー分布幅を設定するステップと、
前記エネルギー幅を実現するように、前記スリットにおいて前記荷電粒子線を透過させる前記所定距離に応じたエネルギー分散能を定めるステップと、
前記エネルギー分散能を実現するように前記ウィーンフィルタにおける電磁場を決定するステップと、
を有することを特徴とするモノクロメータの制御方法。The monochromator according to any one of claims 1 to 8,
Setting the energy distribution width of the charged particle beam transmitted through the slit,
In order to realize the energy width, a step of determining the energy dispersibility according to the predetermined distance for transmitting the charged particle beam in the slit,
Determining an electromagnetic field in the Wien filter to achieve the energy dispersion;
A method for controlling a monochromator, comprising:
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