【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広く導電性回路パターンを印刷するのに好適に用いられる、銅、銀、金、白金、タングステンなどの金属、合金などの微粉末が、絶縁性合成樹脂にカプセル化された、カプセル化粒子およびその製造方法に関するものであり、特にその用途として、絶縁性無機質基体上に、静電印刷方式で導電性回路パターンを形成する際に用いられる静電荷像現像用カプセル化粒子、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種電子装置を構成するセラミック基板上の電気回路や電極などの導電性回路パターンは、銅や銀などの導電性粉末を含有するペーストを使用し、スクリーン印刷や平版印刷などによって目的とするパターンを形成し、次いでこれを焼成することにより製造されている。しかしながら、この方法では印刷版の製作が不可欠であり、製作のための費用や時間がかさむため少数品の生産や短納期を要求される製品の製造には適していない。そこで導電性粉末を絶縁性合成樹脂で被覆したカプセル化粒子を粉体トナーとして用いて電子写真法によるオンデマンド印刷を行うことが提唱されており(例えば特許文献1参照)、カプセル化粒子の製造方法が各種提示されている。すなわち導電性金属粒子の周囲に熱溶融性樹脂の超微粒子を付着させたのち機械的衝撃で該樹脂を溶融させて導電性金属粒子の周囲に樹脂の外壁を作る方法(例えば特許文献2参照)や、銅粒子と荷電制御剤と熱溶融性樹脂を含有する混合物を熱溶融混練したのち粗粉砕する方法(例えば特許文献3)があるが、粉体トナーとしての良好な帯電特性を発揮するには至っていない。
これに対して導電材料を中和により自己水分散性となりうる非水溶性樹脂でカプセル化する方法によって製造されたカプセル化粒子は、良好な電気絶縁性や摩擦帯電性を示し、導電性回路パターンを印刷する粉体トナーとしてより実用化の可能性が高い。(例えば特許文献4参照)
【0003】
導電性回路パターン作製用のトナーが実現されるには以下のような特性を高いレベルで実現する必要がある。
すなわち、▲1▼高精度の回路パターンを静電印刷法で絶縁性無機質基体上に再現するために、現像剤の帯電レベルが高く、電荷がリークしないこと。
▲2▼静電印刷された回路パターンの焼成により、金属粒子の密度の高い低抵抗の導電性回路パターンを確保できること。
▲3▼静電印刷による回路パターン形成時に、現像剤の飛散やカブリがなく、回路パターンの焼結時に不要な電気的短絡路を形成しないこと。である。
【0004】
しかしながら現在までのところ上記のような回路パターン作製のための特性を、高いレベルで実現した実用性の高い粉体トナーは開発されていない。導電性粉末と樹脂との密着性や、導電性樹脂の凝集の問題などは、実用化に向けてさらなる向上が必要とされる点である。導電材料の粒子を助剤、分散剤等で表面処理し被覆樹脂と導電性粉末粒子表面の濡れを促進し均一な樹脂被覆を形成する方法等も提案されているが、表面処理後の導電性粉末が凝集し易い等の問題があり、実用化のための特性向上にむけてより一層の改良が求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−078191号公報
【特許文献2】
特開平4−237062号公報
【特許文献3】
特開平11−265089号公報
【特許文献4】
特開2001−106928号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、電子写真法の技術を使用して導電体パターンを形成することが可能で、かつ、良好な帯電性を発現することにより上記▲1▼から▲3▼に記載した特性を満足する、導電性粉末を絶縁性合成樹脂で被覆したカプセル化粒子およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者は上記課題につき鋭意検討した結果、次のようなことを見出し本発明を完成した。
すなわち個々のカプセル化粒子に均一な帯電性を付与して、上記▲1▼から▲3▼の特性を満足させるには、樹脂による被覆むらから発生する導電性粉末の露出部分が無いこと、さらに導電性粉末が凝集したまま樹脂で被覆された粒子が無いこと、さらには、導電性粉末と被覆樹脂との界面に、該界面の濡れ不良から発生する空隙等が無いことが必要である。
転相乳化の工程は、ゲル化を防止し、均一な転相乳化を行うために攪拌時の混合物の粘度をあまり上昇させずに1.5Pa・s以下程度の最大粘度となるよう混合物の粘度を調整して行うのが通常である。発明者らは転相乳化の工程を、通常は転相乳化に好ましくないと思われていた高粘度領域において試みることによって、実は導電性粉末の非水溶性樹脂による被覆状況を従来より改善することができ、さらに粗大なカプセル化粒子の混入を従来より減少させられることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は上記目的を達成するため、導電性粉末と中和により自己水分散性となりうる非水溶性樹脂と有機溶剤とを含有する混合物を、中和剤の存在下に攪拌しつつ水性媒体と混合し転相乳化することにより、前記導電性粉末を前記非水溶性樹脂で被覆したカプセル化粒子の水分散液を得る工程を有するカプセル化粒子の製造方法であって、前記工程における転相乳化時の攪拌中の混合物の粘度の最大値が2Pa・s以上であることを特徴とするカプセル化粒子の製造方法を提供する。
【0009】
このような製造方法を用いると、攪拌時に混合物に働く高い剪断応力によって、導電性粉末の表面と被覆樹脂との濡れが著しく改善されるため、助剤や分散剤で導電性粉末粒子表面の表面処理を行わなくても、樹脂による被覆むらからの導電性粉末の露出部分が無いか極めて少ないカプセル化粒子が得られる。このようにして得られたカプセル化粒子は、さらに攪拌時に導電性粉末粒子表面がより大きなずり応力を受けている。このため、凝集粒子の解砕が進行しやすく凝集粒子のまま樹脂で被覆されて形成された粒子が無いか極めて少ない。さらにこのようにして得られたカプセル化粒子には、導電性粉末粒子表面と被覆樹脂との濡れ性が向上するため、導電性粉末と被覆樹脂との界面に濡れ不良から発生する空隙等が発生しない。
【0010】
さらに前記工程の転相乳化時において、前記混合物の撹拌中の粘度の最大値が、水性媒体を混合する前の混合物の粘度の4倍以上であると、確実に転相乳化の工程において導電性粉末表面に強いシェアをかけることが出来るため好ましい。前記混合前の混合物の粘度の6倍以上がさらに好ましく、8倍以上が最も好ましい。なお水性媒体を混合する前の混合物の粘度とは、該混合物がすでに非ニュートン流体のときは、該混合物を水性媒体混合後の撹拌速度と同一速度で撹拌したときの粘度をいうものとする。
【0011】
さらに本発明は前記カプセル化粒子と疎水性シリカ粒子を含有することを特徴とする非磁性一成分現像用の静電荷像現像剤を提供する。
さらに本発明は前記カプセル化粒子と疎水性シリカ粒子とキャリアとを含有することを特徴とする二成分現像用の静電荷像現像剤を提供する。
さらに本発明は前記一成分現像用及び二成分現像用の静電荷像現像剤を用い、静電印刷法により絶縁性無機質基体上に回路パターンを印刷し、該回路パターンを燒結して導電性回路パターンを得ることを特徴とする導電性回路パターンの製造方法を提供する。
【発明の実施の形態】
【0012】
本発明のカプセル化粒子の製造方法に使用する導電性粉末には、体積平均粒径1〜50μmの金属微粉末が好ましく、2〜10μmの体積平均粒径を持つものが精細な回路パターンを形成でき、しかも帯電の制御が比較的行いやすいためさらに好ましい。
また、中和により自己水分散性をとなりうる非水溶性樹脂としては酸性基含有のスチレン(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好適であり、さらに酸性基としてはカルボキシル基が好適である。
【0013】
本発明のカプセル化粒子の製造方法においては、導電性粉末の表面処理用に用いられ、該表面処理によって、導電性粉末と、中和により自己水分散性となりうる非水溶性樹脂、との濡れを促進する機能を果たす助剤または分散剤を実質的に使用せずに転相乳化することが好ましい。
このような助剤、または分散剤による表面処理を用いないことによって、カプセル化粒子を製造する工程を簡略にすることができる。このような助剤、分散剤を用いると、表面処理の方法によっては後の転相乳化時の攪拌のみでは微粒子化できない凝集粒子が発生する可能性がある。さらに表面処理に用いた助剤、分散剤等は、導電性粉末を被覆する非水溶性樹脂とは反対の帯電特性を有することが多いため、導電性粉末のカプセル化粒子を静電印刷用のトナーとして用いると、逆帯電粒子の増加する原因となる可能性がある。
本発明の方法を用いるとこれら従来の表面処理を用いる必要がないため、そのマイナス効果を懸念することなく、しかも表面処理を行った場合と同等以上の、導電性材料と非水溶性樹脂との濡れ性を実現することができる。
【0014】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
なお本明細書中の記載において「転相乳化時」とは、導電性粉末、非水溶性樹脂、有機溶剤を含有する混合物を撹拌しつつ、水性媒体を添加開始してから転相乳化操作の終了までの過程全体を含むものとし、特に例えばWater in Oil がOil in Water に転相完了した時点を示すときは「転相乳化完了時」としてこれを区別するものとする。
【0015】
本発明で使用する導電性粉末としては、導電性を有する非水溶性物質であればよく、特に限定はされないが、銅、銀、アルミニウム、金、白金、ニッケル、鉄などの金属粉末、スズ・鉛、銀・スズ・鉛などの合金粉末、酸化スズ、酸化アンチモンなどの酸化物の粉末、などが挙げられる。これらの中でも、抵抗率が1×10−4Ωcm以下のものが特に好適である。また、導電性粉の体積平均粒径としては1μm〜50μmの範囲にある微粒子が導電性回路パターンの精細性確保などの点で好ましく、1〜10μmの範囲がさらに好適である。粒径は、マイクロトラック・ウルトラフアインパーチクルアナライザーやコールターマルチサイザーなどを使用して測定することができる。
【0016】
本発明で使用する導電性粉末被覆用の非水溶性樹脂は、中和することにより自己水分散性となりうる非水溶性の樹脂であって、電気絶縁性を有し摩擦帯電性を有する樹脂であれば良く、その他の点について特に限定されるものではない。以下本発明において使用する非水溶性樹脂に対しては、被覆樹脂あるいは絶縁樹脂との名称を併用する。
【0017】
本発明において、中和により自己水分散性となる非水溶性樹脂とは、一般に、中和により電解質となりうる官能基を有する樹脂、あるいは酸基または塩基性基を有し、中和によってそれぞれアニオン性またはカチオン性を有することになる樹脂であり、該官能基の一部または全部が中和されると、乳化剤または分散安定剤を用いることなく安定した水分散体を形成できる樹脂をいう。中和により電解質となりうる官能基としては、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基、1級、2級、3級アミノ基などが挙げられる。これら官能基を有する非水溶性樹脂としては、トナー用に公知慣用に用いられる樹脂を好適に使用することができ、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。本発明においては、官能基としてカルボキシル基を有するスチレン(メタ)アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が、特に造粒性や導電性粉末の均一な被覆性などの点で好ましく、なかでも官能基としてカルボキシル基を有するスチレン(メタ)アクリル樹脂がさらに好ましい。
【0018】
中和により自己水分散性となりうる、上記カルボキシル基を有するスチレン(メタ)アクリル樹脂としては、スチレン系単量体を必須成分として、カルボキシル基を有したラジカル重合性単量体と、これら以外のカルボキシル基を有しないラジカル重合性単量体を、ラジカル重合開始剤の存在下でラジカル共重合させたものが使用できる。重合反応は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など、通常一般の方法でよい。
【0019】
カルボキシル基を有するラジカル重合性単量体としては、例えばアクリル酸メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチルなどが挙げられる。
【0020】
カルボキシル基を有しないラジカル重合性単量体としては、
(1)スチレン系単量体:スチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンもしくはクロルスチレンなど、
【0021】
(2)アクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシルアクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルもしくはアクリル酸ドデシル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、アルファクロルアクリル酸メチルなど、
【0022】
(3)メタクリル酸エステル:メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸フェニル、アルファクロルメタクリル酸メチルなど、
【0023】
(4)その他アクリル酸、メタクリル酸誘導体:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなど、
【0024】
(5)ビニルエーテル:ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなど、
【0025】
(6)ビニルケトン:ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなど、
【0026】
(7)N−ビニル化合物:N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどを挙げることができる。
【0027】
上記単量体を溶液重合させる場合の溶媒としては、汎用の有機溶媒を使用できる。具体的には、トルエン、キシレンもしくはベンゼンなどの芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノールもしくはブタノールなどのアルコール類;セロソルブもしくはカルビトールなどのエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類;またはブチルセロソルブアセテートなどのエーテルエステル類等、いわゆる不活性溶剤である。
【0028】
また、ラジカル重合開始剤としては、公知慣用の各種の有機過酸化物系、およびアゾ系の開始剤が使用できる。具体的には、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物が挙げられる。
【0029】
前記被覆樹脂は、そのままでも使用できるが、必要に応じて被覆樹脂の一部を架橋してもよい。樹脂の架橋は、カプセル化粒子を形成した後、被覆樹脂の架橋性官能基と架橋剤との加熱反応により、粒子内架橋反応によって行うことが好ましい。
【0030】
カプセル化粒子を造粒した後の粒子内架橋は、被覆樹脂の架橋性官能基と架橋剤との加熱反応によって行うことができる。被覆樹脂の架橋性官能基がカルボキシル基である場合には、架橋剤としては、例えば、アミノプラスト樹脂、1分子中にグリシジル基を平均2個以上有する化合物、1分子中に1,3−ジオキソラン−2−オン−4イル基を平均2個以上有する化合物、1分子中にカルボジイミド基を平均2個以上有する化合物、1分子中にオキサゾリン基を平均2個以上有する化合物、金属キレート化合物等が挙げられる。また、被覆樹脂の架橋性官能基が水酸基である場合には、架橋剤としては、例えば、アミノプラスト樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート樹脂等が挙げられる。
【0031】
架橋反応は、水性媒体の沸点以下の温度であって、かつ、粒子の融着を避けるために、粒子のガラス転移温度よりもあまり高くない温度で行うのが好ましい。反応温度の範囲は、40〜100℃が好ましく、60〜100℃が特に好ましい架橋反応に要する時間は、架橋反応がほぼ完結するのに要する時間であればよく、例えば70℃では2〜6時間程度である。
【0032】
架橋剤としてグリシジルアミン化合物およびその他のグリシジル基を有する化合物を使用する場合、2−メチルイミダゾールなどの公知の触媒を使用したり、グリシジル基の一部にジブチルアミンなどの第二級モノアミン等を付加して、グリシジル基を有する化合物に自己触媒能を付与する方法なども採用できる。
【0033】
被覆樹脂は、DSC(示差走査熱量計)で測定したガラス転移温度が50℃以上の範囲にあるものが好ましく、60℃以上の範囲がさらに好ましい。ガラス転移温度が50℃よりも低い場合には得られる粉体トナーの熱安定性が悪くなる傾向がみられる。
【0034】
被覆樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量(ポリスチレン換算ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した値)は10,000〜300,000の範囲にあるものが好ましく、20,000〜150,000の範囲にあるものがより好ましい。重量平均分子量が10,000よりも小さい場合、転相後に水相に溶ける樹脂が多くなり、導電体被覆樹脂粒子の収率が減少する傾向にあり、また、架橋反応が十分に進行しない傾向にある。重量平均分子量が300,000よりも大きい場合には、転相乳化し難くなる傾向がみられる。
【0035】
本発明では、被覆樹脂として、トナー用に用いられている公知慣用の、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂も使用することができる。このようなポリエステル樹脂は、多価アルコールと、多塩基酸またはその低級アルコールエステルまたは酸無水物とを、必要に応じて触媒の存在下に重縮合あるいは重付加させて製造できる。
【0036】
多塩基酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸および酸無水物類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸および酸無水物類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多塩基酸を1種または2種以上用いることができる。
【0037】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールの1種または2種以上用いることができる。
【0038】
十分な耐熱性を得るためには、ポリエステル樹脂のガラス転移点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上である。
【0039】
ポリエステル樹脂が有するカルボキシル基の量は、多塩基酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基量を制御することによって調整することができる。あるいは多塩基酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。ポリエステル系樹脂が有するカルボキシル基の量は、酸価で1〜30が好適である。
【0040】
導電性粉末と被覆樹脂との比率は特に限定されないが、一般的にできるだけ樹脂分が低い方が印刷後に焼成して電気回路、電極等を形成する場合に好都合である。一方樹脂分が低くなりすぎると被覆が不十分となる。このようなことから、本発明のカプセル化粒子においては導電性粉末部分に対する被覆樹脂の比率は1〜50質量%が好ましく、特に好ましくは5〜20質量%である。
【0041】
必要であれば、樹脂溶液またはそれと混合する水性媒体、あるいはその双方に本発明の効果を損なわない限りにおいて、乳化剤や分散安定剤を使用してもよい。
【0042】
この場合の分散安定剤としては、水溶性高分子化合物が好ましく、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。また乳化剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル等のノニオン系、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系、或いはカチオン系の各種界面活性剤が挙げられる。もちろん、二種以上の乳化剤を併用してもよいし、二種以上の分散安定剤を併用してもよいし、乳化剤と分散安定剤とを併用してもよいが、分散安定剤を主体にして乳化剤を併用するのが一般的である。
【0043】
被覆樹脂の溶解および導電性粉末の分散のために用いる有機溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、などが挙げられ、これらの二種以上を混合して用いてもよい。また、有機溶剤は、結着樹脂を溶解するものであり、かつ、水との親和性のある極性溶剤が好ましい。一つの目安として水に対する溶解度が5〜30重量%のものが好ましく、また、毒性が比較的低く、かつ後工程で脱溶剤し易い低沸点のものが好ましい。そのような溶剤の例としては、メチルエチルケトンがあげられる。
【0044】
前記の導電性粉末と、中和により自己水分散性を有する非水溶性樹脂と、有機溶剤の混合物を水性媒体中に分散して、カプセル化粒子を形成することができる。中和による非水溶性樹脂への自己水分散性の付与は、該混合物の水性媒体中への分散と同時もしくは、これに先んじて行うことができる。
【0045】
中和により自己水分散性を有する、非水溶性樹脂の官能基を中和する方法としては、
(a−1)予め酸もしくは塩基で中和された官能基を有する樹脂を用いて、さらに導電性粉末および有機溶剤を配合して混合物を調製する方法、あるいは
(a−2)官能基を有する樹脂、導電性粉末および有機溶剤を含有する混合物を調製した後、酸もしくは塩基で該混合物を中和する方法、
(a−3)水性媒体中に中和剤を混合しておき、水性媒体への分散と同時に中和する方法、が挙げられる。
【0046】
一方、樹脂の官能基を酸もしくは塩基で中和して混合物とした後、水性媒体中に分散する方法としては、
(b−1)該混合物を水性媒体中に加えて分散する方法、あるいは
(b−2)該混合物中に水性媒体を添加する方法、が挙げられる。
上記(a−2)と(b−2)との組み合わせによれば、非水溶性樹脂のカプセル被膜が均一となり易いため好ましい。(b−2)の方法においては水性媒体の添加にしたがって、Water in Oilの不連続相からOil in Waterの不連続相へと転相が起こり、乳化もしくは分散が転相現象を伴って進行して、水性媒体中にカプセル化粒子が生じる。
【0047】
酸性基を有する非水溶性樹脂を、中和により自己水分散性を有する樹脂として用いる場合、酸性基(カルボキシル基)を中和するために用いる中和剤用の塩基としては、特に制限はなく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのごとき無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンのごとき有機塩基が用いられる。
【0048】
一方、塩基性基を有する非水溶性樹脂を、中和により自己水分散性を有する樹脂として用いる場合には、塩基性基を中和するために用いる中和剤用の酸としては例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、シュウ酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が用いられる。
【0049】
酸性基や塩基性記の中和率はこれを調整することにより、金属微粒子の粒径を制御することができる。すなわち中和率が低いと粒径は大きくなり、中和率が高いと粒径は小さくなる。これは、中和率によって、水性媒体中に安定的に生成するカプセル化粒子の粒子径が決まるためである。従って、この粒子径と、被覆されるべき金属微粒子の粒径との関係から、絶縁性樹脂の被覆膜厚が決定され、さらに、前記関係を用いて逆に被覆膜厚をコントロールすることができる。このようなコントロールは、また、後述する転相促進剤の量によっても可能であって、転相促進剤の量を増やすと粒径が増加し、減らすと粒径が減少する。
【0050】
本発明のカプセル化粒子を製造するには、樹脂と有機溶剤、導電性粉末と中和剤を混合し、攪拌後、さらに通常は定速で攪拌を行いつつ徐々に水を加えて転相乳化を行う。水の添加当初は有機溶剤中に添加した水が水滴状態で攪拌されるが、水の添加量の増加とともにその量が増加し、やがてWater in Oilの不連続相から、Oil in Waterの不連続相への転相が起こり、水中に樹脂の油滴が一部は油滴中に導電性粉末を伴いつつ、攪拌される状態となる。
上記の転相過程を通じて、混合物の粘度と攪拌抵抗は水の添加開始とともに徐々に上昇し、転相の完了する直前に最大となって後、一気に減少する。
【0051】
このように転相の完了する前後に混合物の粘度が上昇し、攪拌抵抗を増加させるため、混合物中の導電性粉末材料と非水溶性樹脂が高いずり応力を受けつつ攪拌されることになる。このためちょうど混合物全体を分散に先立ち高いシェアで混練するのと同等の効果が得られると考えられ、導電性粉末材料と非水溶性樹脂との濡れ性が向上したため、転相乳化後に被覆樹脂に被覆された、導電性粉末と樹脂との間に空隙のないカプセル化粒子が得られたものと考えられる。
あるいは、水性媒体の添加に伴って生成し、増加していく水滴が、撹拌時に撹拌羽根から受ける高いシェアによって、樹脂と水溶性有機溶剤のすみずみまで拡がり、あるときは凝集状態にある導電性粉末の構成粒子間にまで入り込んでいくため最終的に微分散した顔料粒子が得られると思われる。
【0052】
本発明の製造方法は、上記の工程において混合物の粘度の最大値が2Pa・s以上とするが、3Pa・s以上であるとさらに好ましく、4Pa・s以上であることが最も好ましい。さらに水性媒体の添加、攪拌時における混合物の粘度の時々刻々の変化は直接的に攪拌抵抗の変化となるため、定速で攪拌するときの攪拌機の負荷電流によって規定することもできる。このような観点に立てば、負荷電流の最大値は、水性媒体添加前の負荷電流の4倍以上であることが必要であり、6倍以上がさらに好ましく8倍以上であることが最も好ましい。
【0053】
なお本発明の製造方法では、導電性粉末を均一に被覆するために、転相促進剤の存在下でカプセル化を行うこともできる。ここで転相促進剤とは、Water in Oilの分散状態から、Oil in Waterの分散状態への転相促進機能を有するものである。転相促進剤の添加によって、金属微粒子と自己水分散性樹脂とを水性媒体中へより容易に分散することが可能となる。
【0054】
本発明での転相促進剤としては、例えばアルコール溶剤と金属塩化物が使用できる。
【0055】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどが使用できる。勿論、その他のものであっても使用できる。中でも好ましいものは、水に溶解し沸点が低い、イソプロパノール、n−プロパノールが好ましい。アルコール溶剤の使用量は、樹脂固形分100重量部当たり、10〜50重量部程度である。
【0056】
金属塩化合物としては、公知慣用のものが使用できるが、2価以上の金属塩で水に溶解するものが好ましい。例えば、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、などが挙げられる。金属塩化合物の使用量は、樹脂固形分100重量部当たり、0.01〜3重量部程度である。
【0057】
導電性粉末と非水溶性の自己水分散性樹脂と有機溶剤との混合物は、導電性粉末の粒径が3μm以上であれば、自己水分散性樹脂の有機溶剤溶液に導電性粉末を混合し、撹拌翼により混合することで分散することが可能である。一方、導電性粉末の粒径が1μm以下の場合には凝集性が強くなるので、さらにこれを湿式で混練して分散体を得るようにすることが好ましい。
【0058】
本発明においては、特開平9−114135号公報で開示されているような撹拌装置、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼、半月翼等を使用して、撹拌しながら水を滴下する方法が好ましく、該撹拌翼の周速が0.2〜10m/s、より好ましくは0.5〜6m/sで撹拌しながら水を滴下する方法が好ましい。
その際、導電性粉末と非水溶性の自己水分散性樹脂と有機溶剤との混合物に、水性媒体を添加しつつ攪拌して転相乳化を行うとき、使用する攪拌翼の周速での粘度の最大値が2Pa・s以上になるように転相乳化の条件を設定することにより、樹脂による被覆むらからの導電性粉末の露出部分が無く、さらに導電性粉末が凝集したまま樹脂で被覆された粒子が無く、さらには、導電性粉末と被覆樹脂との界面に濡れ不良から発生する空隙等が無いカプセル化粒子が得られる。粘度の最大値は3Pa・s以上がさらに好ましく、4Pa・s以上にすると最も好ましい。
【0059】
転相乳化時の混合物の撹拌中の粘度を上記のような最適状態にするためには、導電性粉末材料と非水溶性樹脂と有機溶剤を含有する水性媒体添加前の混合物の配合が重要であるが、導電性粉末材料の材質、粒径に応じてその配合を適宜調整することが好ましい。
例えば体積平均粒子径6μmの銅粉を用いる場合、該混合物中の非水溶性樹脂に対して、有機溶剤、中和剤、転相促進剤等液体成分が2倍以下であることが好ましい。導電性粉末材料の粒径がより小さくなると、転相乳化を行うときの攪拌時における粘度が上昇する傾向があるため、有機溶剤等の液体成分の配合量はさらに増加させることができる。
【0060】
また、導電性粉末と非水溶性の自己水分散性樹脂と有機溶剤との混合物を水性媒体を添加しつつ、転相を伴って水性媒体中に分散させるにときに、ホモミクサー(特殊機化工業株式会社)、あるいはスラッシャー(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザー(みづほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社)、スタテイックミキサー(ノリタケカンパニー)などの高シェアー乳化分散機機や連続式乳化分散機等も使用できる。
【0061】
以上の製造方法により得られる導電性粉末を非水溶性樹脂で被覆したカプセル化粒子の分散液は、蒸留等の手段により先ず有機溶媒を除去してから、該粒子を液媒体と分離し、乾燥することにより、カプセル化粒子の粉末を得る。
【0062】
カプセル化粒子中の導電性粉末を被覆する絶縁用の非水溶性樹脂として、酸性基含有の非水溶性樹脂を塩基性の中和剤で中和して得られる自己水分散性樹脂を用いる場合においては、カプセル化粒子の形成後、有機溶剤を除去した後、例えば塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、蓚酸などの酸性の中和剤で、該粒子表面の、塩基性化合物で中和された官能基を、もとの官能基に戻す逆中和処理を行い、官能基をもつ被膜樹脂の水分散性をより低下させてから、水を除去して乾燥することが好ましい。
前記非水溶性樹脂として塩基性基含有の非水溶性樹脂を酸性の中和剤で中和して得られる自己水分散性樹脂を用いるときは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのような無機塩基や、ジメチルアミン、トリメチルアミン、イソプロピルアミンのような有機塩基で同様の逆中和処理を行うことが好ましい。
【0063】
カプセル化粒子を液体から分離する方法としては、比重差を利用した自然沈降法、あるいは遠心力を利用した各種遠心分離機、あるいは、フィルタープレス等の、減圧あるいは加圧による濾布濾過等により行われる。
【0064】
乾燥は、公知慣用の方法がいずれも採用できる。例えばカプセル化粒子が熱融着や凝集しない温度で、常圧下又は減圧下で乾燥してもよいし、凍結乾燥を行っても良い。連続瞬間気流式乾燥機やスプレードライヤー等を用いて、乾燥を行ってもよい。以上のような乾燥装置としては、ナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)、リボコーン(大河原製作所製)、フラッシュジェットドライヤー等が挙げられる。
【0065】
形成されたカプセル化粒子の粒度分布を整えるため、粗大粒子や微小粒子を除去するための分級が必要な場合には、乾燥終了後に、一般的な気流式分級機を用いて公知慣用の方法で分級を行うことができる。また、カプセル化粒子が水性媒体中に分散している段階で、粒径による沈降性の違いを利用して、カプセル化粒子の水スラリーを遠心分離機を用いて分級する方法、あるいは液体サイクロン等を用いて分級する方法等、で行うこともできる。粗大粒子の除去については、カプセル化粒子の水スラリーを、フィルターや湿式振動篩いなどで濾過することにより、行うことができる。
【0066】
このようにして得られた、本発明によるカプセル化粒子は、樹脂による被覆むらに起因する導電性粉末の露出部分、さらに導電性粉末が凝集して解砕されないまま樹脂で被覆された粒子、さらには、導電性粉末と被覆樹脂との界面に濡れ不良から発生する空隙等が無いため、個々のカプセル化粒子に均一な樹脂被覆を形成することができ、その結果、個々の粒子に均一な帯電性を付与することができる。
【0067】
本発明のカプセル化粒子を用いて、絶縁性無機質基体上に電子回路用の導電性回路パターンを形成するには、前記カプセル化粒子を構成成分として用いて静電荷像現像剤を作製し、絶縁性無機質基体上に静電印刷法により回路パターンを印刷する。しかるのち、前記回路パターンを焼結して金属の導電性回路パターンを作製する。
【0068】
前記静電荷像現像剤を作製するには、本発明のカプセル化粒子に疎水性シリカ粒子等を必要に応じて外添して、非磁性一成分現像用の静電荷像現像剤とすることができる。また疎水性シリカ粒子等の外添ののち、さらにキャリアを加えて二成分現像用の静電荷像現像剤とすることができる。
【0069】
前述のように本発明の導電性粉末を絶縁性樹脂で被覆したカプセル化粒子には、静電荷像現像剤の主構成成分として、必要に応じてその他の添加剤を内包あるいは外添してもよい。例えば、静電印刷法による乾式現像剤に公知慣用に用いられるような帯電制御剤や離型剤(ワックス等)を本発明粒子に含有させてもよいし、ガラスフリットや疎水性シリカ、酸化チタン等の無機微粒子、あるいは有機微粒子、などを本発明のカプセル化粒子に公知慣用の方法で添加してもよい。
【0070】
帯電制御剤としては公知の材料が全て使用可能であり、カプセル化粒子中の金属微粒子を被覆する絶縁性樹脂と混合、あるいは該樹脂に分散して内包される。帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、Cr含金染料、Zn含金染料、Fe含金染料、Zr含金染料、モリブデン酸キレート染料、フッ素変成4級アンモニウム塩等が帯電極性に応じて適宜選択して用いられる。
【0071】
ワックスとしては公知の材料が全て使用可能であり、カプセル化粒子中の導電性粉末を被覆する絶縁性樹脂と混合、あるいは該樹脂に分散して内包される。ワックスとしては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、等が挙げられ、非磁性1成分現像剤として使用されたとき、現像装置内の規制部材(ブレード)や現像剤担持体(現像ローラ)等に対するカプセル化粒子の固着の問題を低減させる効果がある。
【0072】
ガラスフリットは、カプセル化粒子中の導電性粉末を被覆する絶縁性樹脂に内包、もしくはカプセル化粒子に外添され、絶縁性無機質基体上に印刷された導電性回路パターンを焼結する際に、該基体上にカプセル化粒子中の導電性粉末を焼き付ける役割を果たすものであり、焼結時に溶解あるいは半溶解状態となり、室温に冷却されると完全に固化し、導電性粉末を該基体上に固定する効果がある。
【0073】
疎水性シリカ、酸化チタン等の無機微粒子、あるいは有機微粒子などは、カプセル化粒子に外添され、静電印刷法による乾式現像剤として用いる場合に、流動性や帯電性等の物理的特性を改良する効果がある。
【0074】
このような外添剤としては、各種シリコーンオイルで処理された疎水性シリカ等、乾式現像剤に公知慣用に用いられるものが好適に使用できる。
【0075】
外添方法は、公知慣用の機種を用いて処理される。例えば、ヘンシェルミキサー、あるいはスーパーヘンシェルミキサー、ハイブリダイザー等が挙げられる。
【0076】
前記のカプセル化粒子を用いて二成分現像装置用の静電荷像現像剤を構成するには、該カプセル化粒子にキャリアを混合させる必要がある。キャリアとしては、二成分現像方式で使用する公知慣用のものが使用できる。例えば、コア材としての鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物等の粒子に、各種樹脂被覆を設けた、アクリル樹脂被覆キャリア、シリコーン樹脂被覆キャリア、フッ素樹脂被覆キャリア、フッ素/アクリル樹脂被覆キャリア等の各種樹脂被覆キャリアが好適に用いられる。キャリアの平均粒径としては、特に限定はないが、20〜200ミクロン程度のもの、さらに好ましくは40〜110μmの範囲が好適に使用される。
【0077】
本発明の製造方法で製造したカプセル化粒子を粉体トナーとし、電子写真用の現像剤を構成して、電子写真法によるオンデマンドで絶縁性無機質基体上に印刷し、次いで焼成することにより、高精度の回路パターンを作製することができる。すなわち、前記カプセル化粒子より製造された現像剤は、帯電レベルが高く、電荷がリークせず、かつ静電印刷された回路パターンを焼成した際、金属粒子の密度の高い低抵抗の導電性回路パターンを確保でき、さらに、静電印刷による回路パターン形成時に、現像剤の飛散やカブリがないため、回路の焼結時に不要な電気的短絡路を形成しない。
【0078】
【実施例】
以下、樹脂合成例および実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、「部」は「重量部」を表わし、「水」は「脱イオン水」の意である。
【0079】
(被覆用樹脂の合成例1)
メチルエチルケトン114部、イソプロピルアルコール12部及び水24部を反応容器に入れ、80℃に加熱した後、以下に示した割合の混合物を、窒素気流中で、一括して仕込み、反応を開始する。
アクリル酸 54.0部
スチレン 364.8部
アクリル酸ブチル 181.2部
「パーブチルO」 0.6部
【0080】
反応開始3時間経過後から1時間おきに、反応樹脂溶液の約10部をサンプリングし、同量のメチルエチルケトンで希釈し、ガードナー粘度計で粘度を測定する。粘度がM−Nとなる時点で、メチルエチルケトン567部及びイソプロピルアルコール63部から成る混合溶媒を添加する。この時のモノマー残存率をガスクロマトグラフィーを用いて定量して重合率を計算すると51%である。反応溶液の温度を80℃に加熱した後、以下に示した割合の混合物を1時間かけて滴下する。
アクリル酸 54.0部
スチレン 456.6部
アクリル酸ブチル 89.4部
「パーブチルO」 18.0部
【0081】
滴下終了後、3時間ごとに3回「パーブチルO」(日本油脂製触媒)2部を添加し、さらに4時間反応を継続させる。反応終了後、この樹脂溶液を加熱脱気し、固形化処理を行なう。この固形化樹脂は2山の分子量分布をもち、その重量平均分子量は110,000である。また、この2山をその境目で区切ると、重量平均分子量が35,000と360,000の2つの部分に分割でき、その比が78対22である。この固形化樹脂の酸価は70、ガラス転移温度は60℃である。以下、R−1と略記する。
【0082】
(被覆用樹脂の合成例2)
メチルエチルケトン450部を反応容器に入れ、80℃に加熱した後、以下に示した割合の混合物を、窒素気流中で、2時間にわたり滴下し、反応を行った。
アクリル酸 9.0部
スチレン 282.0部
アクリル酸ブチル 9.0部
「パーブチルO」 15.0部
ついで、滴下終了してから、3時間毎に3回パーブチルOの3部を添加し、さらに4時間反応を継続した。その後、脱溶剤を行い、固形樹脂を得た。この樹脂のガラス転移温度は60℃、重量平均分子量は5100、酸価は19であった。以下、R−2と略記する。
【0083】
以下に転相乳化を行う際の混合物の粘度を測定する方法について述べる。
(粘度の測定方法)
転相乳化を実施する際に用いるのと同じ攪拌装置セット(フラスコ、攪拌翼、スリーワンモーター等)に、転相乳化までの仕込量(導電性粉末、樹脂、溶剤、水)と同量のJIS−Z−8809に定める粘度計校正用標準液を仕込む。その際、仕込む標準液の種類はJS1000,2000,14000,52000の4種類であり、各々液温を30℃に調整した後、転相乳化を実施する時と同じ回転数で標準液を攪拌し、その時のトルク値を測定する。各標準液の粘度は30℃の時、それぞれ、0.43Pa・s、0.82Pa・s、4.8Pa.s、18Pa・sに対応し、粘度とトルク値の関係をグラフ化する。実際に、転相乳化を実施する時の撹拌中の粘度を測定するには、導電性粉末、樹脂、溶剤を含有する混合物を撹拌しつつ水性媒体添加する転相乳化操作を行いつつ、撹拌装置のトルク値を測定する。そして、その最大値を求めて、前記したグラフから対応する粘度値を読みとり、転相乳化時における攪拌中の混合物の粘度の最大値とする。
【0084】
本発明における導電性粉末のカプセル化粒子を製造する際、導電性粉末の種類、導電性粉末の表面処理の状態、粒子径等によって、目的とする粘度の最大値を得るための最適配合が異なる。導電性粉末の種類、表面処理の状態が同じ場合、一般に粒子径が小さい程、同じ配合では高い粘度の値が得られる。
【0085】
(実施例1)R−1樹脂135部とR−2樹脂15部をメチルエチルケトン207部に溶解した樹脂溶液、体積平均粒径6.0μmの銅粉末150部、1規定水酸化ナトリウム水溶液35.8部、転相促進剤としてイソプロピルアルコール54.9部を反応容器に仕込み、10分撹拌した後、水を100部を加えさらに20分撹拌を行い、温度を30℃に調整する。その後、周速3.15m/secで撹拌しながら水30部を滴下することによって転相乳化させ、さらに水の300部で希釈し、銅粒子をカプセル化したカプセル化粒子の分散液を得た。この時の粘度の最大値は3.1Pa・sであった。次いで、減圧蒸留により有機溶媒を除去してから、1N塩酸で液媒体のPHを3とした。次いで、遠心分離機で銅未含有のカプセル化粒子を除去した後、カプセル化粒子を液媒体から分離するとともに水洗した。得られたウェットケーキは、真空混合乾燥機にて乾燥することによりカプセル化粒子の粉末を得た。この粒子の体積平均粒径は7.0μmで、被覆樹脂量は6.2重量%であった。ここで、カプセル化粒子の水スラリーを光学顕微鏡(600倍)を使い、カプセル化の状態を透過光で観察すると、個々の銅粒子はそれぞれ樹脂で完全にカプセル化されていた。
【0086】
(実施例2)R1樹脂の150部をメチルエチルケトン225部に溶解した溶液に、平均粒径3.5μmの銀粉末300部、「TETRAD−X」(三菱瓦斯化学工業製のN,N,N’,N’ーテトラグリシジルメタキシレンジアミン;グリシジル基平均官能基数4、グリシジル基当量100g/eq)7.5部、1規定水酸化ナトリウム水溶液31.5部、転相促進剤としてイソプロピルアルコールの52.5部を反応容器に仕込み、周速3.15m/secで撹拌しながら水430部を滴下することによって転相乳化させ、さらに水300部で希釈し、銀粒子をカプセル化したカプセル化粒子の分散液を得た。この時の粘度の最大値は2.9Pa・sであった。次いで、減圧蒸留により有機溶媒を除去してから、撹拌しながら70℃にて4時間架橋反応を行った。次いで実施例1と同様にしてカプセル化粒子の粉末を得た。この粒子の体積平均粒径は4.0μmで、被覆樹脂量は7.2重量%であった。ここで、カプセル化粒子の水スラリーを光学顕微鏡(600倍)を使い、カプセル化の状態を透過光で観察すると、個々の銅粒子はそれぞれ樹脂で完全にカプセル化されていた。
【0087】
実施例3〜5について、表1のカプセル化条件を用いて実施例1または2と同様にカプセル化粒子を作製し、体積平均粒径、被覆樹脂量を測定し、カプセル化状態を観察した。
粒子の体積平均粒径はコールターマルチサイザーによる測定で実施し、被覆樹脂量は、堀場製作所製 炭素分析装置EMIA−110で測定した。カプセル化状態は、光学顕微鏡(600倍)を使い、水分散の状態で透過光で観察した結果、金属微粒子の露出がなく透明な樹脂層で覆われているものを◎、樹脂層と導電性粉末の界面に若干空隙を含んだ状態のものを○、金属微粒子の露出は見られないが、樹脂層と導電性粉末の界面に空隙が相当数存在する状態のものを△、露出が認められるものを×、とした。
【0088】
(比較例1)実施例1における樹脂を溶解するメチルエチルケトンを279部に、添加する1規定水酸化ナトリウム水溶液を28.4部に変更した以外は同様の処理を実施し、カプセル化粒子の粉末を得た。
【0089】
(比較例2)実施例2における樹脂を溶解するメチルエチルケトンを319部に、添加する1規定水酸化ナトリウム水溶液を26.7部に変更した以外は同様の処理を実施し、カプセル化粒子の粉末を得た。
【0090】
【表1】
(表1)カプセル化条件とカプセル化粒子のカプセル化状況
【0091】
表1の結果が示すように、実施例1〜5では良好なカプセル化粒子が形成されているのに対し、比較例1、2で形成されたカプセル化粒子は、樹脂層と導電性粉末の界面に空隙が相当数存在し、また1部で導電性部分の露出が確認された。
【0092】
(導電性粉末含有カプセル化粒子の摩擦帯電量の測定)実施例1〜5、比較例1〜2で得られたカプセル化粒子100部に対し、クラリアント社製シリコーンオイルコートの疎水性シリカ(H−1018)の0.5部をヘンシェルミキサーで外添した。得られた外添済みカプセル化粒子の20部と、コア材がマンガンフェライトで、コート材がシリコン樹脂コートされた、粒径60ミクロンのキャリア80部とをボールミルを用いて混合した。混合時間30分、の時点で、ホソカワミクロン(株)社製のE−SPARTアナライザー MODEL EST−IIにより帯電量と逆帯電カプセル化粒子の個数%を測定した。測定条件は以下の通りである。
(E−SPARTアナライザーの測定条件)
・ブロー圧:0.02MPa
・カウント粒子数:3000個
・電極間電位差:100V
【0093】
(現像剤の画像評価)上記で得られた外添済み樹脂粒子とキャリアからなる現像剤をリコー社製二成分複写機(MF−530)に充填して、回路パターンの印刷を行い、その印刷画像の評価、OPC上のカブリの評価を行った。印刷画像の評価は、エッジの再現性、細線再現性を評価した。エッジの再現性は、印刷後焼成したときの導体界面の平滑性を示すもので、エッジの乱れた印刷画像では導体を形成したときの高周波領域の抵抗値が高くなるため好ましくない。エッジがきれいに再現されているものを○、やや乱れのあるものを△、著しく乱れているものを×で示した。
【0094】
(細線再現性)細線再現性は、導電パターンの解像度を示すもので、細線再現性の劣るものは導通しなくなる可能性があるため好ましくない。細線がきれいに再現されているものを○、やや乱れがあるものを△、著しく乱れがあるものを×とした。
【0095】
(OPC上のカブリの評価)OPC上のカブリが多いと導電パターンを形成したときに短絡する可能性がある。カブリが少なく、短絡の可能性がないものを○、カブリがややおおいものを△、カブリが多く、短絡の可能性があるものを×とした。表2に評価結果を示した。
【0096】
【表2】
表2.実施例、比較例の試料を使用した現像剤の評価結果
【0097】
表2より、実施例1から5の本発明のカプセル化粒子を使用した現像剤は、いずれも印刷画像の再現性は良好であり、問題ないことが判る。一方、比較例1、2のカプセル化粒子を使用した現像剤は、帯電量が低く、逆帯電のトナーも相当数存在するため、エッジ再現性、細線再現性、OPCカブリとも悪い結果となった。
【0098】
【発明の効果】
本発明の導電性粉末を樹脂で被覆したカプセル化粒子は樹脂による被覆むらからの導電性粉末の露出部分が無く、さらに導電性粉末が凝集したまま樹脂で被覆された粒子が無く、さらには、導電性粉末と被覆樹脂との界面に濡れ不良から発生する空隙等が無い。その結果、電子写真法の技術を使用して導電体パターンを形成することが可能で、かつ、良好な帯電性を発現することができる。従って現像剤とした時に、電荷がリークしないので高精度の回路パターンを静電印刷法で絶縁性無機質基体上に再現できる。また、静電印刷された回路パターンの焼成により、導電性粉末の密度の高い低抵抗の導電性回路パターンを確保でき、さらに、静電印刷による回路パターン形成時に、現像剤の飛散やカブリがなく、回路パターンの焼結時に不要な電気的短絡路を形成しない。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention is widely used suitably for printing conductive circuit patterns, copper, silver, gold, platinum, metals such as tungsten, fine powders such as alloys, encapsulated in an insulating synthetic resin, capsule The present invention relates to an encapsulated particle and a method for producing the same, and particularly, as an application thereof, an encapsulated particle for developing an electrostatic image used when forming a conductive circuit pattern on an insulating inorganic substrate by an electrostatic printing method, and the like. It relates to a manufacturing method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, conductive circuit patterns such as electric circuits and electrodes on a ceramic substrate constituting various electronic devices use a paste containing a conductive powder such as copper or silver, and are screen printed or planographically printed. It is manufactured by forming a pattern and then firing it. However, in this method, the production of a printing plate is indispensable, and the production cost and time are increased, so that it is not suitable for the production of a small number of products or the production of products requiring a short delivery time. Therefore, it has been proposed to perform on-demand printing by electrophotography using encapsulated particles obtained by coating conductive powder with an insulating synthetic resin as a powder toner (for example, see Patent Document 1). Various methods are presented. That is, a method in which ultrafine particles of a heat-meltable resin are attached around conductive metal particles, and then the resin is melted by mechanical impact to form an outer wall of the resin around the conductive metal particles (for example, see Patent Document 2). There is also a method in which a mixture containing copper particles, a charge control agent, and a hot-melt resin is hot-melt-kneaded and then coarsely pulverized (for example, Patent Document 3). Has not been reached.
In contrast, encapsulated particles produced by a method of encapsulating a conductive material with a water-insoluble resin that can become self-water dispersible by neutralization show good electrical insulation and triboelectrification, and have a conductive circuit pattern. Is more likely to be put into practical use as a powder toner for printing. (For example, see Patent Document 4)
[0003]
To realize a toner for producing a conductive circuit pattern, it is necessary to realize the following characteristics at a high level.
That is, (1) the developer has a high charge level and does not leak charge in order to reproduce a high-precision circuit pattern on the insulating inorganic substrate by electrostatic printing.
(2) A low-resistance conductive circuit pattern with a high density of metal particles can be secured by baking the electrostatically printed circuit pattern.
{Circle around (3)} When a circuit pattern is formed by electrostatic printing, there is no scattering or fogging of the developer, and no unnecessary electrical short circuit is formed when the circuit pattern is sintered. It is.
[0004]
However, to date, no practical powder toner has been developed which realizes the above-described characteristics for producing a circuit pattern at a high level. Problems such as adhesion between the conductive powder and the resin and aggregation of the conductive resin are points that require further improvement for practical use. A method has been proposed in which the surface of conductive material particles is treated with an auxiliary agent, a dispersant, etc. to promote the wetting of the surface of the coating resin and the conductive powder particles to form a uniform resin coating. There is a problem that the powder is likely to agglomerate, and further improvement is required for improving the characteristics for practical use.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-4-078191
[Patent Document 2]
JP-A-4-237062
[Patent Document 3]
JP-A-11-265089
[Patent Document 4]
JP 2001-106928 A
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The problem to be solved by the present invention is that the conductive pattern can be formed by using an electrophotographic technique, and the above-mentioned (1) to (3) can be achieved by expressing good chargeability. It is an object of the present invention to provide encapsulated particles obtained by coating a conductive powder with an insulating synthetic resin and satisfying the above-mentioned characteristics, and a method for producing the same.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on the above problems, the inventors have found the following and completed the present invention.
That is, in order to impart uniform charging properties to the individual encapsulated particles and satisfy the above characteristics (1) to (3), there is no exposed portion of the conductive powder generated due to uneven coating with the resin. It is necessary that there is no particle coated with the resin while the conductive powder is agglomerated, and further that there is no void or the like at the interface between the conductive powder and the coating resin due to poor wetting at the interface.
In the phase inversion emulsification step, the viscosity of the mixture is adjusted to a maximum viscosity of about 1.5 Pa · s or less without excessively increasing the viscosity of the mixture during stirring in order to prevent gelation and perform uniform phase inversion emulsification. Is usually adjusted. The inventors of the present invention have attempted to improve the coating state of a conductive powder with a water-insoluble resin by trying the phase inversion emulsification process in a high-viscosity region which was generally considered to be unfavorable for phase inversion emulsification. It was found that contamination of coarse encapsulated particles could be further reduced than before.
[0008]
That is, the present invention, in order to achieve the above object, a mixture containing a conductive powder and a water-insoluble resin and an organic solvent that can be self-water dispersible by neutralization, while stirring in the presence of a neutralizing agent in an aqueous medium And emulsifying the mixture by phase inversion to obtain an aqueous dispersion of the encapsulated particles in which the conductive powder is coated with the water-insoluble resin. A method for producing encapsulated particles, wherein the maximum value of the viscosity of the mixture during stirring during emulsification is 2 Pa · s or more.
[0009]
When such a manufacturing method is used, the high shear stress acting on the mixture at the time of stirring significantly improves the wettability between the surface of the conductive powder and the coating resin. Even without the treatment, encapsulated particles having no or very few exposed portions of the conductive powder from unevenness of the resin coating can be obtained. In the encapsulated particles thus obtained, the surface of the conductive powder particles is further subjected to a larger shear stress during stirring. For this reason, the disintegration of the aggregated particles is apt to proceed, and there is no or very few particles formed by being coated with the resin as the aggregated particles. Furthermore, in the encapsulated particles obtained in this way, since the wettability between the surface of the conductive powder particles and the coating resin is improved, voids and the like generated due to poor wetting at the interface between the conductive powder and the coating resin are generated. do not do.
[0010]
Further, in the phase inversion emulsification in the above step, if the maximum value of the viscosity of the mixture during stirring is 4 times or more the viscosity of the mixture before mixing the aqueous medium, it is ensured that the electroconductivity in the phase inversion emulsification step It is preferable because a strong shear can be applied to the powder surface. It is more preferably at least 6 times, and most preferably at least 8 times the viscosity of the mixture before mixing. The viscosity of the mixture before mixing the aqueous medium refers to the viscosity when the mixture is stirred at the same speed as the stirring speed after mixing the aqueous medium when the mixture is already a non-Newtonian fluid.
[0011]
The present invention further provides an electrostatic image developer for non-magnetic one-component development, comprising the encapsulated particles and hydrophobic silica particles.
The present invention further provides an electrostatic image developer for two-component development, comprising the encapsulated particles, hydrophobic silica particles and a carrier.
Further, the present invention uses the electrostatic image developer for one-component development and two-component development, prints a circuit pattern on an insulating inorganic substrate by an electrostatic printing method, and sinters the circuit pattern to form a conductive circuit. Provided is a method for manufacturing a conductive circuit pattern, characterized by obtaining a pattern.
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
[0012]
The conductive powder used in the method for producing encapsulated particles of the present invention is preferably a metal fine powder having a volume average particle size of 1 to 50 μm, and a fine powder having a volume average particle size of 2 to 10 μm forms a fine circuit pattern. It is more preferable since charging can be controlled relatively easily.
Further, as the water-insoluble resin which can become self-water dispersible by neutralization, a styrene (meth) acrylic resin or a polyester resin containing an acidic group is preferable, and a carboxyl group is more preferable as the acidic group.
[0013]
In the manufacturing method of the encapsulated particles of the present invention, the conductive powder is used for surface treatment of the conductive powder, and the surface treatment wets the conductive powder with a water-insoluble resin that can become self-water dispersible by neutralization. It is preferable to carry out phase inversion emulsification without substantially using an auxiliary agent or a dispersant which functions to promote the emulsification.
By not using such an auxiliary agent or a surface treatment with a dispersant, the process of producing encapsulated particles can be simplified. When such an auxiliary or dispersant is used, there is a possibility that aggregated particles that cannot be formed into fine particles only by stirring during the subsequent phase inversion emulsification may be generated depending on the method of the surface treatment. Further, auxiliary agents and dispersants used for the surface treatment often have the opposite charging characteristic to the water-insoluble resin coating the conductive powder, so the encapsulated particles of the conductive powder are used for electrostatic printing. When used as a toner, it may cause an increase in the number of oppositely charged particles.
The use of the method of the present invention eliminates the need to use these conventional surface treatments, so that there is no need to worry about the negative effects thereof, and even more than when the surface treatment is performed, the conductive material and the water-insoluble resin The wettability can be realized.
[0014]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
In the description of the present specification, "at the time of phase inversion emulsification" refers to a phase inversion emulsification operation after starting to add an aqueous medium while stirring a mixture containing a conductive powder, a water-insoluble resin, and an organic solvent. The entire process up to the end is included, and in particular, for example, when Water in Oil indicates the point at which phase inversion is completed in Oil in Water, this is distinguished as “when phase inversion emulsification is completed”.
[0015]
The conductive powder used in the present invention is not particularly limited as long as it is a water-insoluble substance having conductivity, and is not particularly limited. Metal powders such as copper, silver, aluminum, gold, platinum, nickel, and iron; Alloy powders such as lead, silver, tin, and lead, and oxide powders such as tin oxide and antimony oxide, and the like can be given. Among them, the resistivity is 1 × 10 -4 Ωcm or less is particularly preferred. Fine particles having a volume average particle size in the range of 1 μm to 50 μm are preferable in terms of ensuring the fineness of the conductive circuit pattern, and more preferably in the range of 1 to 10 μm. The particle size can be measured using a Microtrac Ultrafine Particle Analyzer, a Coulter Multisizer, or the like.
[0016]
The water-insoluble resin for conductive powder coating used in the present invention is a water-insoluble resin that can become self-water dispersible by neutralization, and is a resin having electrical insulation and triboelectricity. There is no particular limitation on the other points. Hereinafter, the name of the coating resin or the insulating resin will be used for the water-insoluble resin used in the present invention.
[0017]
In the present invention, the non-water-soluble resin which becomes self-water dispersible by neutralization is generally a resin having a functional group which can be an electrolyte by neutralization, or a resin having an acid group or a basic group, each of which has an anion by neutralization. A resin that has a property of being cationic or cationic, and when a part or all of the functional groups are neutralized, a resin capable of forming a stable aqueous dispersion without using an emulsifier or a dispersion stabilizer. Examples of the functional group that can become an electrolyte by neutralization include a carboxyl group, a phosphoric acid group, a sulfonic acid group, a primary, secondary, and tertiary amino group. As the water-insoluble resin having such a functional group, a resin commonly used and known for a toner can be suitably used, and a styrene resin, a (meth) acrylic resin, a polyester resin, a polyurethane resin, an epoxy resin, Base resin and the like. In the present invention, a styrene (meth) acrylic resin and a polyester resin having a carboxyl group as a functional group are particularly preferable in terms of granulation properties and uniform coatability of a conductive powder. Styrene (meth) acrylic resin is more preferred.
[0018]
The styrene (meth) acrylic resin having a carboxyl group, which can become self-water dispersible by neutralization, includes a styrene monomer as an essential component, a radical polymerizable monomer having a carboxyl group, and other than these. A radically polymerizable monomer having no carboxyl group can be used in the presence of a radical polymerization initiator. The polymerization reaction may be a general method such as solution polymerization, suspension polymerization, and emulsion polymerization.
[0019]
Examples of the radical polymerizable monomer having a carboxyl group include methacrylic acid acrylate, crotonic acid, itaconic acid, maleic acid, fumaric acid, monobutyl itaconate, and monobutyl maleate.
[0020]
As a radical polymerizable monomer having no carboxyl group,
(1) Styrene monomer: styrene, vinyltoluene, t-butylstyrene, chlorostyrene, etc.
[0021]
(2) Acrylates: methyl acrylate, ethyl acrylate, isopropyl acrylate, n-butyl acrylate, isobutyl acrylate, n-amyl acrylate, isoamyl acrylate, n-hexyl acrylate, acrylic acid 2- Ethylhexyl n-octyl acrylate, decyl acrylate or dodecyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, phenyl acrylate, alpha methyl methyl acrylate,
[0022]
(3) Methacrylates: methyl methacrylate, propyl methacrylate, n-butyl methacrylate, isobutyl methacrylate, n-amyl methacrylate, n-hexyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, n-octyl methacrylate, methacryl Decyl acrylate, dodecyl methacrylate, 2-chloroethyl methacrylate, phenyl methacrylate, alpha-methyl methacrylate,
[0023]
(4) Other acrylic acid and methacrylic acid derivatives: acrylonitrile, methacrylonitrile, acrylamide, etc.
[0024]
(5) Vinyl ether: vinyl methyl ether, vinyl ethyl ether, vinyl isobutyl ether, etc.
[0025]
(6) Vinyl ketone: vinyl methyl ketone, vinyl hexyl ketone, methyl isopropenyl ketone, etc.
[0026]
(7) N-vinyl compound: N-vinylpyrrole, N-vinylcarbazole, N-vinylindole, N-vinylpyrrolidone and the like can be mentioned.
[0027]
A general-purpose organic solvent can be used as a solvent when the above-mentioned monomer is subjected to solution polymerization. Specifically, aromatic hydrocarbons such as toluene, xylene or benzene; alcohols such as methanol, ethanol, propanol or butanol; ether alcohols such as cellosolve or carbitol; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone or methyl isobutyl ketone So-called inert solvents such as esters such as ethyl acetate or butyl acetate; and ether esters such as butyl cellosolve acetate.
[0028]
As the radical polymerization initiator, various known and commonly used organic peroxide-based and azo-based initiators can be used. Specifically, peroxides such as benzoyl peroxide, cumene hydroperoxide, t-butyl hydroperoxide, sodium persulfate and ammonium persulfate, and azo compounds such as azobisisobutyronitrile and azobisisovaleronitrile Is mentioned.
[0029]
The coating resin can be used as it is, but if necessary, a part of the coating resin may be cross-linked. Crosslinking of the resin is preferably carried out by forming an encapsulated particle and then performing a cross-linking reaction within the particle by a heating reaction between the crosslinkable functional group of the coating resin and a crosslinking agent.
[0030]
Intraparticle crosslinking after granulation of the encapsulated particles can be performed by a heat reaction between a crosslinking functional group of the coating resin and a crosslinking agent. When the crosslinkable functional group of the coating resin is a carboxyl group, examples of the crosslinking agent include aminoplast resins, compounds having an average of two or more glycidyl groups in one molecule, and 1,3-dioxolane in one molecule. A compound having an average of 2 or more -2-on-4yl groups, a compound having an average of 2 or more carbodiimide groups in a molecule, a compound having an average of 2 or more oxazoline groups in a molecule, and a metal chelate compound. Can be When the crosslinkable functional group of the coating resin is a hydroxyl group, examples of the crosslinking agent include aminoplast resins, polyisocyanate compounds, and blocked polyisocyanate resins.
[0031]
The crosslinking reaction is preferably carried out at a temperature below the boiling point of the aqueous medium and at a temperature not much higher than the glass transition temperature of the particles in order to avoid fusing of the particles. The range of the reaction temperature is preferably from 40 to 100 ° C., particularly preferably from 60 to 100 ° C. The time required for the cross-linking reaction may be the time required for the cross-linking reaction to be almost completed, for example, 2 to 6 hours at 70 ° C. It is about.
[0032]
When a glycidylamine compound and other compounds having a glycidyl group are used as a crosslinking agent, a known catalyst such as 2-methylimidazole is used, or a secondary monoamine such as dibutylamine is added to a part of the glycidyl group. Then, a method of imparting an autocatalytic ability to a compound having a glycidyl group can be employed.
[0033]
The coating resin preferably has a glass transition temperature measured by DSC (differential scanning calorimeter) of 50 ° C. or more, more preferably 60 ° C. or more. When the glass transition temperature is lower than 50 ° C., the thermal stability of the resulting powder toner tends to be poor.
[0034]
The weight average molecular weight (value measured by gel permeation chromatography in terms of polystyrene) of the THF-soluble component of the coating resin is preferably in the range of 10,000 to 300,000, and more preferably in the range of 20,000 to 150,000. Some are more preferred. If the weight average molecular weight is less than 10,000, the amount of resin dissolved in the aqueous phase after phase inversion tends to increase, and the yield of the conductor-coated resin particles tends to decrease, and the crosslinking reaction does not tend to proceed sufficiently. is there. When the weight average molecular weight is larger than 300,000, there is a tendency that phase inversion emulsification becomes difficult.
[0035]
In the present invention, a known and commonly used polyester resin having a carboxyl group, which is used for toner, can be used as the coating resin. Such a polyester resin can be produced by polycondensation or polyaddition of a polyhydric alcohol and a polybasic acid or a lower alcohol ester or acid anhydride thereof, if necessary, in the presence of a catalyst.
[0036]
As polybasic acids, terephthalic acid, isophthalic acid, phthalic anhydride, trimellitic anhydride, pyromellitic acid, aromatic carboxylic acids and acid anhydrides such as naphthalenedicarboxylic acid, maleic anhydride, fumaric acid, succinic acid, Examples thereof include aliphatic carboxylic acids and acid anhydrides such as alkenyl succinic anhydride and adipic acid, and alicyclic carboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid. One or more of these polybasic acids can be used.
[0037]
Examples of polyhydric alcohols include aliphatic diols such as ethylene glycol, propylene glycol, butanediol, hexanediol and neopentyl glycol; cycloaliphatic diols such as cyclohexanediol, cyclohexanedimethanol and hydrogenated bisphenol A; and bisphenol A. Examples include aromatic diols such as ethylene oxide adducts and propylene oxide adducts of bisphenol A, and glycerin. One or more of these polyhydric alcohols can be used.
[0038]
In order to obtain sufficient heat resistance, the glass transition point of the polyester resin is preferably 50 ° C. or higher, more preferably 60 ° C. or higher.
[0039]
The amount of the carboxyl group of the polyester resin can be adjusted by controlling the amount of the carboxyl group at the terminal of the polyester by the mixing ratio and the reaction rate of the polybasic acid and the polyhydric alcohol. Alternatively, a polyester having a carboxyl group in the main chain can be obtained by using trimellitic anhydride as the polybasic acid component. The amount of the carboxyl group of the polyester resin is preferably 1 to 30 in terms of acid value.
[0040]
The ratio between the conductive powder and the coating resin is not particularly limited, but generally the lower the resin content, the more convenient it is in the case of baking after printing to form an electric circuit, an electrode or the like. On the other hand, if the resin content is too low, the coating will be insufficient. For this reason, in the encapsulated particles of the present invention, the ratio of the coating resin to the conductive powder portion is preferably from 1 to 50% by mass, particularly preferably from 5 to 20% by mass.
[0041]
If necessary, an emulsifier or a dispersion stabilizer may be used in the resin solution and / or the aqueous medium mixed therewith, as long as the effects of the present invention are not impaired.
[0042]
As the dispersion stabilizer in this case, a water-soluble polymer compound is preferable, and examples thereof include polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, hydroxyethyl cellulose, and carboxymethyl cellulose. Examples of the emulsifier include various nonionic surfactants such as polyoxyethylene alkylphenol ether and anionic and cationic surfactants such as sodium alkylbenzenesulfonate. Of course, two or more emulsifiers may be used in combination, two or more dispersion stabilizers may be used in combination, or an emulsifier and a dispersion stabilizer may be used in combination. It is common to use an emulsifier in combination.
[0043]
Examples of the organic solvent used for dissolving the coating resin and dispersing the conductive powder include hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, benzene, toluene, xylene, cyclohexane, and petroleum ether; methylene chloride, chloroform, dichloroethane, and dichloroethylene. , Trichloroethane, trichloroethylene, carbon tetrachloride and other halogenated hydrocarbons; methanol, ethanol, isopropyl alcohol, n-propyl alcohol, butanol and other alcohols; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone and methyl isobutyl ketone; ethyl acetate and acetic acid Esters such as butyl and the like, and two or more of these may be used as a mixture. The organic solvent is one that dissolves the binder resin and is preferably a polar solvent having an affinity for water. As one standard, those having a solubility in water of 5 to 30% by weight are preferable, and those having a relatively low toxicity and a low boiling point that are easy to remove the solvent in a subsequent step are preferable. An example of such a solvent is methyl ethyl ketone.
[0044]
A mixture of the above-mentioned conductive powder, a water-insoluble resin having self-water dispersibility by neutralization, and an organic solvent can be dispersed in an aqueous medium to form encapsulated particles. The provision of self-water dispersibility to the water-insoluble resin by neutralization can be performed simultaneously with or prior to the dispersion of the mixture in an aqueous medium.
[0045]
As a method of neutralizing a functional group of a water-insoluble resin having self-water dispersibility by neutralization,
(A-1) a method of using a resin having a functional group previously neutralized with an acid or a base, further blending a conductive powder and an organic solvent to prepare a mixture, or
(A-2) a method of preparing a mixture containing a resin having a functional group, a conductive powder and an organic solvent, and then neutralizing the mixture with an acid or a base;
(A-3) a method in which a neutralizing agent is mixed in an aqueous medium, and the dispersion is neutralized simultaneously with dispersion in the aqueous medium.
[0046]
On the other hand, as a method of neutralizing the functional group of the resin with an acid or a base to form a mixture, and then dispersing the mixture in an aqueous medium,
(B-1) a method of adding and dispersing the mixture in an aqueous medium, or
(B-2) a method of adding an aqueous medium to the mixture.
The combination of the above (a-2) and (b-2) is preferable because the capsule coating of the water-insoluble resin tends to be uniform. In the method (b-2), a phase inversion occurs from a discontinuous phase of Water in Oil to a discontinuous phase of Oil in Water with the addition of the aqueous medium, and emulsification or dispersion proceeds with a phase inversion phenomenon. Thus, encapsulated particles are formed in the aqueous medium.
[0047]
When a water-insoluble resin having an acidic group is used as a resin having self-water dispersibility by neutralization, the base for the neutralizing agent used to neutralize the acidic group (carboxyl group) is not particularly limited. For example, inorganic bases such as sodium hydroxide, potassium hydroxide and ammonia, and organic bases such as diethylamine, triethylamine and isopropylamine are used.
[0048]
On the other hand, when a water-insoluble resin having a basic group is used as a resin having self-water dispersibility by neutralization, an acid for a neutralizing agent used to neutralize the basic group includes, for example, hydrochloric acid. And inorganic acids such as sulfuric acid and phosphoric acid, and organic acids such as oxalic acid, formic acid, acetic acid, succinic acid and p-toluenesulfonic acid.
[0049]
The particle size of the metal fine particles can be controlled by adjusting the neutralization ratio of the acidic group or the basic group by adjusting the neutralization ratio. That is, when the neutralization ratio is low, the particle size increases, and when the neutralization ratio is high, the particle size decreases. This is because the particle size of the encapsulated particles stably generated in the aqueous medium is determined by the neutralization ratio. Accordingly, the coating thickness of the insulating resin is determined from the relationship between the particle size and the particle size of the metal fine particles to be coated, and further, the coating thickness is controlled using the above relationship. Can be. Such control is also possible by the amount of the phase inversion accelerator described later. The particle size increases as the amount of the phase inversion accelerator increases, and decreases as the amount decreases.
[0050]
In order to produce the encapsulated particles of the present invention, a resin and an organic solvent, a conductive powder and a neutralizing agent are mixed, and after stirring, more usually, water is gradually added while stirring at a constant speed, followed by phase inversion emulsification. I do. At the beginning of the addition of water, the water added to the organic solvent is agitated in a state of water droplets, but the amount increases with an increase in the amount of water added, and from the discontinuous phase of Water in Oil to the discontinuous phase of Oil in Water. A phase change to a phase occurs, and the oil droplets of the resin in the water are agitated while a part of the oil droplets is accompanied by the conductive powder.
Through the above phase inversion process, the viscosity and stirring resistance of the mixture gradually increase with the start of the addition of water, reach a maximum immediately before the completion of the phase inversion, and decrease at a stretch.
[0051]
As described above, before and after the completion of the phase inversion, the viscosity of the mixture increases, and the stirring resistance increases. Therefore, the conductive powder material and the water-insoluble resin in the mixture are stirred while receiving high shear stress. For this reason, it is thought that the same effect as kneading the entire mixture with a high share prior to dispersion can be obtained, and the wettability between the conductive powder material and the water-insoluble resin is improved. It is considered that the coated encapsulated particles having no voids between the conductive powder and the resin were obtained.
Alternatively, water droplets that are formed and increase with the addition of the aqueous medium are spread throughout the resin and the water-soluble organic solvent due to the high share received from the stirring blade during stirring, and in some cases the conductive state is in an aggregated state. It is considered that finely dispersed pigment particles are finally obtained because the particles penetrate between the constituent particles of the powder.
[0052]
In the production method of the present invention, the maximum value of the viscosity of the mixture in the above step is 2 Pa · s or more, more preferably 3 Pa · s or more, most preferably 4 Pa · s or more. Further, the moment-to-moment change in the viscosity of the mixture at the time of adding and stirring the aqueous medium directly changes the stirring resistance, and thus can be defined by the load current of the stirrer when stirring at a constant speed. From this viewpoint, the maximum value of the load current needs to be four times or more the load current before the addition of the aqueous medium, more preferably six times or more, and most preferably eight times or more.
[0053]
In the production method of the present invention, encapsulation can be performed in the presence of a phase inversion promoter in order to uniformly coat the conductive powder. Here, the phase inversion promoter has a function of promoting the phase inversion from the dispersion state of Water in Oil to the dispersion state of Oil in Water. The addition of the phase inversion accelerator makes it possible to more easily disperse the metal fine particles and the self-water dispersible resin in the aqueous medium.
[0054]
As the phase inversion accelerator in the present invention, for example, an alcohol solvent and a metal chloride can be used.
[0055]
Examples of the alcohol solvent include methanol, ethanol, isopropanol, n-propanol, isobutanol, n-butanol, t-butanol, sec-butanol, ethylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, and ethylene glycol monoethyl ether. Of course, other materials can be used. Among them, preferred are isopropanol and n-propanol which are soluble in water and have a low boiling point. The amount of the alcohol solvent used is about 10 to 50 parts by weight per 100 parts by weight of the resin solids.
[0056]
As the metal salt compound, known and commonly used ones can be used, but a divalent or higher valent metal salt which is soluble in water is preferable. For example, barium chloride, calcium chloride, cuprous chloride, cupric chloride, ferrous chloride, ferric chloride and the like can be mentioned. The amount of the metal salt compound used is about 0.01 to 3 parts by weight per 100 parts by weight of the resin solids.
[0057]
The mixture of the conductive powder, the water-insoluble self-dispersible resin and the organic solvent may be obtained by mixing the conductive powder with an organic solvent solution of the self-water-dispersible resin if the particle size of the conductive powder is 3 μm or more. It is possible to disperse by mixing with a stirring blade. On the other hand, when the particle size of the conductive powder is 1 μm or less, the cohesiveness becomes strong. Therefore, it is preferable to knead this in a wet manner to obtain a dispersion.
[0058]
In the present invention, water is stirred while using a stirring device, an anchor blade, a turbine blade, a Faudler blade, a full zone blade, a max blend blade, a half moon blade and the like as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 9-114135. Is preferable, and a method of dropping water while stirring at a peripheral speed of the stirring blade of 0.2 to 10 m / s, more preferably 0.5 to 6 m / s is preferable.
At that time, when performing phase inversion emulsification by stirring while adding an aqueous medium to a mixture of a conductive powder, a water-insoluble self-dispersible resin and an organic solvent, the viscosity at the peripheral speed of the stirring blade used is By setting the conditions of phase inversion emulsification so that the maximum value is 2 Pa · s or more, there is no exposed portion of the conductive powder from the uneven coating of the resin, and the conductive powder is coated with the resin while being agglomerated. In addition, encapsulated particles having no particles and free from voids or the like caused by poor wetting at the interface between the conductive powder and the coating resin can be obtained. The maximum value of the viscosity is more preferably 3 Pa · s or more, and most preferably 4 Pa · s or more.
[0059]
In order to adjust the viscosity of the mixture during the phase inversion emulsification during stirring to the above optimum state, it is important to mix the mixture before adding the aqueous medium containing the conductive powder material, the water-insoluble resin and the organic solvent. However, it is preferable to appropriately adjust the composition according to the material and particle size of the conductive powder material.
For example, when copper powder having a volume average particle diameter of 6 μm is used, it is preferable that the amount of liquid components such as an organic solvent, a neutralizing agent, and a phase inversion promoter be twice or less of the water-insoluble resin in the mixture. When the particle diameter of the conductive powder material becomes smaller, the viscosity at the time of stirring when performing phase inversion emulsification tends to increase, so that the blending amount of the liquid component such as an organic solvent can be further increased.
[0060]
Further, when a mixture of a conductive powder, a water-insoluble self-dispersible resin and an organic solvent is dispersed in an aqueous medium with phase inversion while adding the aqueous medium, a homomixer (special machine Co., Ltd.) or Thrasher (Mitsui Mining Co., Ltd.), Cavitron (Eurotech Co., Ltd.), Microfluidizer (Mizuho Industry Co., Ltd.), Menton-Gaulin Homogenizer (Gaulin Co., Ltd.), Nanomizer (Nanomizer Co., Ltd.), Static Mixer (Noritake Company) and other high shear emulsifying and dispersing machines and continuous emulsifying and dispersing machines can also be used.
[0061]
The dispersion of the encapsulated particles obtained by coating the conductive powder obtained with the above-described production method with a water-insoluble resin, first removes the organic solvent by means such as distillation, and then separates the particles from the liquid medium, and then dry the particles. By doing so, a powder of encapsulated particles is obtained.
[0062]
When a self-water-dispersible resin obtained by neutralizing an acidic group-containing water-insoluble resin with a basic neutralizing agent is used as the insulating water-insoluble resin for coating the conductive powder in the encapsulated particles. In the above, after the formation of the encapsulated particles, after removing the organic solvent, for example, hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, acetic acid, an acidic neutralizing agent such as oxalic acid, the surface of the particles, the functionality neutralized with a basic compound It is preferable that a reverse neutralization treatment is performed to return the group to the original functional group, the water dispersibility of the coating resin having the functional group is further reduced, and then the water is removed and dried.
When using a self-water dispersible resin obtained by neutralizing a basic group-containing water-insoluble resin with an acidic neutralizing agent as the water-insoluble resin, sodium hydroxide, potassium hydroxide, ammonia The same reverse neutralization treatment is preferably performed with an inorganic base or an organic base such as dimethylamine, trimethylamine, or isopropylamine.
[0063]
As a method for separating the encapsulated particles from the liquid, a natural sedimentation method using a difference in specific gravity, various types of centrifugal separators using centrifugal force, or filtration using a filter press or the like by filtration with a filter cloth under reduced pressure or pressure, etc. Is
[0064]
Any known and commonly used method can be employed for drying. For example, drying may be performed under normal pressure or reduced pressure at a temperature at which the encapsulated particles do not fuse or aggregate, or freeze-drying may be performed. Drying may be performed using a continuous instantaneous air flow dryer or a spray dryer. Examples of such a drying apparatus include a Nauta mixer (manufactured by Hosokawa Micron Corporation), a ribocorn (manufactured by Okawara Seisakusho), and a flash jet dryer.
[0065]
In order to adjust the particle size distribution of the formed encapsulated particles, if classification for removing coarse particles and fine particles is necessary, after the drying is completed, using a general air-flow classifier, a known method is used. Classification can be performed. In addition, at the stage where the encapsulated particles are dispersed in the aqueous medium, a method of classifying a water slurry of the encapsulated particles using a centrifugal separator by utilizing a difference in sedimentation due to a particle size, or a liquid cyclone, etc. And the like. The removal of the coarse particles can be performed by filtering the water slurry of the encapsulated particles with a filter, a wet vibration sieve, or the like.
[0066]
The thus obtained encapsulated particles according to the present invention are exposed portions of the conductive powder caused by uneven coating with the resin, and further, the particles coated with the resin without the conductive powder being agglomerated and disintegrated, Since there is no void or the like generated due to poor wetting at the interface between the conductive powder and the coating resin, a uniform resin coating can be formed on each encapsulated particle, and as a result, the individual particles can be uniformly charged. Properties can be imparted.
[0067]
In order to form a conductive circuit pattern for an electronic circuit on an insulating inorganic substrate using the encapsulated particles of the present invention, an electrostatic image developer is prepared using the encapsulated particles as a component, A circuit pattern is printed on a conductive inorganic substrate by an electrostatic printing method. Thereafter, the circuit pattern is sintered to produce a metal conductive circuit pattern.
[0068]
In order to produce the electrostatic image developer, hydrophobic silica particles and the like may be externally added to the encapsulated particles of the present invention as needed to form an electrostatic image developer for non-magnetic one-component development. it can. After external addition of hydrophobic silica particles or the like, a carrier can be further added to obtain an electrostatic image developer for two-component development.
[0069]
As described above, the encapsulated particles obtained by coating the conductive powder of the present invention with an insulating resin may contain other additives as necessary or as an external additive as a main component of the electrostatic image developer. Good. For example, the particles of the present invention may contain a charge control agent or a release agent (such as a wax) which is commonly used in a dry developer by an electrostatic printing method, or may be a glass frit, hydrophobic silica, or titanium oxide. Inorganic fine particles or organic fine particles, etc., may be added to the encapsulated particles of the present invention by a known and commonly used method.
[0070]
As the charge control agent, all known materials can be used. The charge control agent is mixed with an insulating resin that coats the metal fine particles in the encapsulated particles, or is dispersed in the resin and included. Examples of the charge controlling agent include nigrosine dyes, quaternary ammonium salts, Cr-containing dyes, Zn-containing dyes, Fe-containing dyes, Zr-containing dyes, molybdic acid chelate dyes, and fluorine-modified quaternary ammonium salts. It is appropriately selected and used according to the polarity.
[0071]
Any known material can be used as the wax, and the wax is mixed with an insulating resin that coats the conductive powder in the encapsulated particles, or is dispersed in the resin and included. Examples of the wax include polypropylene wax, polyethylene wax, carnauba wax, and the like. When used as a non-magnetic one-component developer, a regulating member (blade) in a developing device or a developer carrier (developing roller) This has the effect of reducing the problem of sticking of the encapsulated particles to the particles.
[0072]
The glass frit is included in the insulating resin covering the conductive powder in the encapsulated particles, or is externally added to the encapsulated particles, and when sintering the conductive circuit pattern printed on the insulating inorganic substrate, It plays the role of baking the conductive powder in the encapsulated particles on the substrate, and becomes a dissolved or semi-dissolved state during sintering, and is completely solidified when cooled to room temperature, and the conductive powder is deposited on the substrate. Has the effect of fixing.
[0073]
Inorganic fine particles such as hydrophobic silica and titanium oxide, or organic fine particles are externally added to the encapsulated particles to improve physical properties such as fluidity and chargeability when used as a dry developer by electrostatic printing. Has the effect of doing
[0074]
As such external additives, those commonly used in dry developers, such as hydrophobic silica treated with various silicone oils, can be suitably used.
[0075]
The external addition method is performed using a known and commonly used machine. For example, a Henschel mixer, a super Henschel mixer, a hybridizer and the like can be mentioned.
[0076]
To construct an electrostatic image developer for a two-component developing device using the encapsulated particles, it is necessary to mix a carrier with the encapsulated particles. As the carrier, known carriers used in a two-component developing system can be used. For example, iron resin, nickel, copper, zinc, cobalt, manganese, chromium, rare earth and other metals and their alloys or oxides as core materials, and various resin coatings are provided on acrylic resin-coated carriers, silicone resins. Various resin-coated carriers such as a coated carrier, a fluororesin-coated carrier, and a fluorine / acrylic resin-coated carrier are suitably used. The average particle size of the carrier is not particularly limited, but is preferably about 20 to 200 μm, more preferably 40 to 110 μm.
[0077]
By making the encapsulated particles produced by the production method of the present invention into a powder toner, constituting a developer for electrophotography, printing on an insulating inorganic substrate on demand by electrophotography, and then firing, A highly accurate circuit pattern can be manufactured. That is, the developer manufactured from the encapsulated particles has a high charge level, does not leak electric charges, and has a high density of metal particles and a low-resistance conductive circuit when firing the electrostatically printed circuit pattern. Since a pattern can be ensured, and furthermore, there is no scattering or fogging of the developer when forming a circuit pattern by electrostatic printing, so that an unnecessary electrical short circuit is not formed when the circuit is sintered.
[0078]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to resin synthesis examples and examples, but the present invention is not limited thereto. In the following, “parts” means “parts by weight”, and “water” means “deionized water”.
[0079]
(Synthesis example 1 of coating resin)
After 114 parts of methyl ethyl ketone, 12 parts of isopropyl alcohol and 24 parts of water are placed in a reaction vessel and heated to 80 ° C., a mixture having the following ratio is charged at once in a nitrogen stream to start the reaction.
Acrylic acid 54.0 parts
364.8 parts of styrene
181.2 parts of butyl acrylate
0.6 parts of "Perbutyl O"
[0080]
Every 3 hours after the start of the reaction, about 10 parts of the reaction resin solution is sampled every 1 hour, diluted with the same amount of methyl ethyl ketone, and the viscosity is measured with a Gardner viscometer. When the viscosity becomes MN, a mixed solvent composed of 567 parts of methyl ethyl ketone and 63 parts of isopropyl alcohol is added. At this time, the residual ratio of the monomer is quantified by using gas chromatography, and the polymerization rate is calculated to be 51%. After heating the temperature of the reaction solution to 80 ° C., a mixture having the following ratio is added dropwise over 1 hour.
Acrylic acid 54.0 parts
456.6 parts of styrene
89.4 parts of butyl acrylate
"Perbutyl O" 18.0 parts
[0081]
After completion of the dropping, 2 parts of “Perbutyl O” (a catalyst manufactured by NOF Corporation) are added 3 times every 3 hours, and the reaction is further continued for 4 hours. After the completion of the reaction, the resin solution is degassed by heating to perform a solidification treatment. This solidified resin has a molecular weight distribution of two peaks, and its weight average molecular weight is 110,000. Also, when these two peaks are separated at the boundary, the weight average molecular weight can be divided into two portions of 35,000 and 360,000, and the ratio is 78:22. This solidified resin has an acid value of 70 and a glass transition temperature of 60 ° C. Hereinafter, it is abbreviated as R-1.
[0082]
(Synthesis example 2 of coating resin)
After 450 parts of methyl ethyl ketone was put into a reaction vessel and heated to 80 ° C., a mixture having a ratio shown below was dropped in a nitrogen stream over 2 hours to carry out a reaction.
Acrylic acid 9.0 parts
Styrene 282.0 parts
9.0 parts of butyl acrylate
"Perbutyl O" 15.0 parts
Then, after the addition was completed, 3 parts of perbutyl O was added three times every three hours, and the reaction was continued for another four hours. Thereafter, the solvent was removed to obtain a solid resin. The glass transition temperature of this resin was 60 ° C., the weight average molecular weight was 5,100, and the acid value was 19. Hereinafter, it is abbreviated as R-2.
[0083]
Hereinafter, a method for measuring the viscosity of the mixture during the phase inversion emulsification will be described.
(Method of measuring viscosity)
In the same stirrer set (flask, stirring blade, three-one motor, etc.) used for carrying out phase inversion emulsification, the same amount of JIS as the charged amount (conductive powder, resin, solvent, water) up to phase inversion emulsification -Prepare a standard solution for viscometer calibration specified in Z-8809. At this time, there are four kinds of standard liquids to be charged, JS1000, 2000, 14000, and 52000. After adjusting the liquid temperature to 30 ° C., the standard liquid is stirred at the same rotation speed as when the phase inversion emulsification is performed. , And measure the torque value at that time. The viscosity of each standard solution at 30 ° C. was 0.43 Pa · s, 0.82 Pa · s, and 4.8 Pa.s, respectively. s, corresponding to 18 Pa · s, and plotting the relationship between viscosity and torque value. Actually, in order to measure the viscosity during stirring when performing phase inversion emulsification, a phase inversion emulsification operation of adding an aqueous medium while stirring the mixture containing the conductive powder, resin, and solvent is performed by using a stirrer. Measure the torque value of. Then, the maximum value is obtained, and the corresponding viscosity value is read from the above-mentioned graph, and is set as the maximum value of the viscosity of the mixture during stirring during phase inversion emulsification.
[0084]
When manufacturing the encapsulated particles of the conductive powder in the present invention, the type of the conductive powder, the state of the surface treatment of the conductive powder, the particle diameter, etc., the optimal formulation for obtaining the maximum value of the target viscosity is different. . When the type of the conductive powder and the state of the surface treatment are the same, generally, the smaller the particle size, the higher the viscosity value can be obtained with the same composition.
[0085]
(Example 1) A resin solution obtained by dissolving 135 parts of R-1 resin and 15 parts of R-2 resin in 207 parts of methyl ethyl ketone, 150 parts of copper powder having a volume average particle diameter of 6.0 μm, and 35.8 aqueous 1N sodium hydroxide solution Parts and 54.9 parts of isopropyl alcohol as a phase inversion accelerator are charged into a reaction vessel, and the mixture is stirred for 10 minutes. Then, 100 parts of water is added, and the mixture is further stirred for 20 minutes to adjust the temperature to 30 ° C. Thereafter, 30 parts of water was added dropwise while stirring at a peripheral speed of 3.15 m / sec to perform phase inversion emulsification, and further diluted with 300 parts of water to obtain a dispersion liquid of encapsulated particles in which copper particles were encapsulated. . The maximum value of the viscosity at this time was 3.1 Pa · s. Next, the organic solvent was removed by distillation under reduced pressure, and the pH of the liquid medium was adjusted to 3 with 1N hydrochloric acid. Next, after removing the copper-free encapsulated particles with a centrifuge, the encapsulated particles were separated from the liquid medium and washed with water. The obtained wet cake was dried with a vacuum mixing dryer to obtain powder of encapsulated particles. The volume average particle size of the particles was 7.0 μm, and the amount of coating resin was 6.2% by weight. Here, when the encapsulation state of the water slurry of the encapsulated particles was observed with transmitted light using an optical microscope (600 times), the individual copper particles were completely encapsulated with the resin.
[0086]
Example 2 300 parts of silver powder having an average particle size of 3.5 μm and “TETRAD-X” (N, N, N ′ manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Industry Co., Ltd.) were added to a solution prepared by dissolving 150 parts of R1 resin in 225 parts of methyl ethyl ketone. N, -N'-tetraglycidyl meta-xylene diamine; average number of glycidyl groups: 4, glycidyl group equivalent: 100 g / eq) 7.5 parts, 11.5 parts of 1N aqueous sodium hydroxide solution, and isopropyl alcohol as a phase inversion accelerator. 5 parts were charged into a reaction vessel, and 430 parts of water was added dropwise while stirring at a peripheral speed of 3.15 m / sec to perform phase inversion emulsification, and further diluted with 300 parts of water to obtain encapsulated particles obtained by encapsulating silver particles. A dispersion was obtained. At this time, the maximum value of the viscosity was 2.9 Pa · s. Next, after removing the organic solvent by distillation under reduced pressure, a crosslinking reaction was carried out at 70 ° C. for 4 hours while stirring. Next, powder of encapsulated particles was obtained in the same manner as in Example 1. The volume average particle size of the particles was 4.0 μm, and the coating resin amount was 7.2% by weight. Here, when the encapsulation state of the water slurry of the encapsulated particles was observed with transmitted light using an optical microscope (magnification: 600), the individual copper particles were completely encapsulated in the resin.
[0087]
For Examples 3 to 5, encapsulated particles were prepared using the encapsulation conditions shown in Table 1 in the same manner as in Example 1 or 2, the volume average particle diameter and the amount of the coating resin were measured, and the encapsulated state was observed.
The volume average particle diameter of the particles was measured by a Coulter Multisizer, and the coating resin amount was measured by a carbon analyzer EMIA-110 manufactured by Horiba, Ltd. As for the encapsulation state, as a result of observation with transmitted light in a water-dispersed state using an optical microscope (600 times), the encapsulation state was covered with a transparent resin layer without exposure of metal fine particles. In the state where some voids are contained at the interface of the powder, the metal fine particles are not exposed, but in the state where a considerable number of voids exist at the interface between the resin layer and the conductive powder, the exposure is recognized. The product was marked as x.
[0088]
(Comparative Example 1) The same treatment as in Example 1 was carried out except that the methyl ethyl ketone for dissolving the resin was changed to 279 parts and the 1N aqueous sodium hydroxide solution to be added was changed to 28.4 parts. Obtained.
[0089]
(Comparative Example 2) The same process as in Example 2 was carried out except that the methyl ethyl ketone for dissolving the resin was changed to 319 parts and the 1N aqueous sodium hydroxide solution to be added was changed to 26.7 parts. Obtained.
[0090]
[Table 1]
(Table 1) Encapsulation conditions and encapsulation status of encapsulated particles
[0091]
As shown in the results in Table 1, while good encapsulated particles were formed in Examples 1 to 5, the encapsulated particles formed in Comparative Examples 1 and 2 were obtained by mixing the resin layer and the conductive powder. A considerable number of voids were present at the interface, and exposure of the conductive portion was confirmed in one part.
[0092]
(Measurement of triboelectricity of encapsulated particles containing conductive powder) 100 parts of the encapsulated particles obtained in Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 and 2 were coated with hydrophobic silica (H -1018) was externally added with a Henschel mixer. Using a ball mill, 20 parts of the obtained externally added encapsulated particles and 80 parts of a carrier having a particle size of 60 μm, the core material being manganese ferrite and the coating material being coated with a silicone resin, were mixed. At a mixing time of 30 minutes, the charge amount and the number% of the oppositely charged encapsulated particles were measured using an E-SPART analyzer MODEL EST-II manufactured by Hosokawa Micron Corporation. The measurement conditions are as follows.
(Measurement conditions of E-SPART analyzer)
・ Blow pressure: 0.02MPa
・ Count particles: 3000
-Potential difference between electrodes: 100V
[0093]
(Evaluation of developer image) The developer composed of the externally added resin particles and the carrier obtained above was charged into a two-component copying machine (MF-530) manufactured by Ricoh Company, and a circuit pattern was printed. Evaluation of images and evaluation of fog on OPC were performed. The print image was evaluated for edge reproducibility and fine line reproducibility. The reproducibility of the edge indicates the smoothness of the conductor interface when baked after printing, and it is not preferable in a printed image with a distorted edge because the resistance value in the high frequency region when the conductor is formed becomes high.も の indicates that the edge was reproduced clearly, △ indicates that the edge was slightly disturbed, and X indicates that the edge was remarkably disturbed.
[0094]
(Fine line reproducibility) The fine line reproducibility indicates the resolution of the conductive pattern, and the poor fine line reproducibility is not preferable because it may not conduct. When the fine line was reproduced finely, it was evaluated as ○, when it was slightly disturbed, and when it was markedly disturbed.
[0095]
(Evaluation of fog on OPC) If there is a lot of fog on OPC, a short circuit may occur when a conductive pattern is formed.も の indicates that there is little fog and there is no possibility of short-circuit, Δ indicates that the fog is slightly covered, and x indicates that there is much fog and there is a possibility of short-circuit. Table 2 shows the evaluation results.
[0096]
[Table 2]
Table 2. Evaluation results of developer using samples of Examples and Comparative Examples
[0097]
From Table 2, it can be seen that all of the developers using the encapsulated particles of the present invention of Examples 1 to 5 have good reproducibility of the printed image and no problem. On the other hand, the developers using the encapsulated particles of Comparative Examples 1 and 2 had a low charge amount and a considerable number of oppositely charged toners, so that the results were poor in edge reproducibility, fine line reproducibility, and OPC fog. .
[0098]
【The invention's effect】
The encapsulated particles obtained by coating the conductive powder of the present invention with the resin have no exposed portion of the conductive powder from the uneven coating of the resin, and further, there is no particle coated with the resin while the conductive powder is agglomerated. There is no void or the like generated from poor wetting at the interface between the conductive powder and the coating resin. As a result, it is possible to form a conductor pattern using an electrophotographic technique, and it is possible to develop good charging properties. Therefore, when the developer is used, the electric charge does not leak, so that a high-precision circuit pattern can be reproduced on the insulating inorganic substrate by the electrostatic printing method. In addition, by firing the electrostatically printed circuit pattern, a conductive circuit pattern having a high density of conductive powder and a low resistance can be secured.Furthermore, when the circuit pattern is formed by electrostatic printing, there is no scattering or fogging of the developer. In addition, an unnecessary electrical short circuit is not formed when the circuit pattern is sintered.