【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属管体を用いた管状(いわゆる円筒型)の固体酸化物形燃料電池に係わり、特に金属管体の内側に電池要素を備え、ガスシールが容易であるという管状セルの特長に加えて、熱膨張への耐久性に優れ、集電損失が少なく、熱容量が小さく、起動性に優れた管状燃料電池用セル体と、その製造方法、さらにはこのようなセル体を用いた固体酸化物形燃料電池燃料電池スタック、燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、発電効率が高く、しかも有害な排ガスをほとんど発生せず、地球環境に優しいクリーンなエネルギー源として燃料電池が注目されている。
【0003】
各種燃料電池のうち、固体酸化物形燃料電池(以下、SOFCと称する)は、電解質としてイットリア安定化ジルコニア(以下、YSZと称する)などの酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両面にガスを透過する電極を設け、固体電解質を隔壁として一方の電極に水素や炭化水素などの燃料ガスを、他方の電極に酸素ガスあるいは空気を供給して発電する燃料電池であり、一般的に1000℃近くの高温領域で作動する電池である。
【0004】
このような固体電解質の導電率は、りん酸形燃料電池(PAFC)や溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)における電解質の導電率に比較して約1桁低い値となることが知られている。
一般に、電解質部分の電気抵抗は発電損失となるため、発電出力密度を向上させるには、固体電解質を薄膜化して膜抵抗を極力低減させることが重要となる一方、電解質部分には電池としての機能を確保するためにある程度以上の大きさの面積が必要となることから、SOFCにおいては、機械的強度を備えた支持体上に電解質膜を形成したセル構造が採用されている。
【0005】
このような燃料電池の具体的なセル構造としては、平板型やモノリス型、円筒型などが知られているが、これらのうち円筒型は、多孔質円筒状の基体管の表面に燃料極層、電解質層および空気極層を積層した構造を有し、燃料ガスと空気のいずれか一方を基体管内に流す仕組みとなっていることからシール構造を簡略化することができるという特長がある。
【0006】
このような円筒型のSOFCとしては、例えば特許文献1及び非特許文献1に記載された構造が知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−125346号公報
【非特許文献1】
ヤシロ・ケンジ(Kenji Yashiro)他,日本電気化学学会(The Electro−chemical Society of Japan),2002年,第70巻,p.958
【0008】
すなわち、特許文献1には、円筒管の外周面に電解質層及び電極層を円弧状に形成し、円弧状電池要素の切れ目部分にインタコネクタ層を備えた円筒縦縞構造の燃料電池における各層の熱膨張差に基づく層剥離を防止するために、図12に示すように一端が閉じられた導電性多孔質円筒型支持管52の外周面に燃料電極層53、固体電解質層54、酸化剤電極層55を円周方向全域に切れ目なく形成することが提案されており、これによって大きな熱サイクルを受けたり、あるいは過負荷時の熱発生が大きくなったりしたとしても、層間の剥離が回避され、電池特性の劣化が防止できることが記載されている。
【0009】
また、非特許文献1においては、熱的衝撃に脆弱なSOFCにおいて、急速起動を可能にすることを目的に、一端を封じた8YSZ(8mol%イットリア添加安定化ジルコニア)固体電解質から成るセラミックス製円筒の内周面にNi−YSZサーメットから成る燃料電極層、外周面に(La,Sr)MnO3から成る酸化剤電極層を形成し、上記セラミックス製円筒の内側に導入したブタンガスをイグナイターにより燃焼させてセルを加熱することにより、燃焼開始から15秒で発電を開始し、数分間の発電後、数十秒で室温に冷却し、再度急速起動することを十数回繰り返し、当該セル構造体の耐熱衝撃性及び急速起動性を確認している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された円筒型SOFCにおいては、円筒型支持管が多孔質であるため、その表面にガス不透過性の薄膜を形成することが難しく、セルの出力向上や低温作動を目的とした薄膜電解質型セルの形成には、このような多孔質支持体が必ずしも適していない。なお、多孔質材料表面に成膜する手法として、EVD法などの新しい成膜手法が提案されてはいるが、成膜速度が極めて遅く、実用的ではないという問題がある。
さらに、多孔質円筒型支持管はセルの構造部材でもあるため、ある程度の肉厚が必要となり(実施例では、肉厚5mm)、そのため、セルの小型化、軽量化が十分とは言えない。
【0011】
また、電解質層や電極層を円筒管の外周面全体に切れ目なく円筒状に積層することによって、これらを円弧状に形成した従来構造に比べて、熱応力などによる層間剥離やクラックが生じにくい構造になってはいるものの、円筒管は熱膨張によって外周方向へ膨張(径が拡大)するため、層間剥離やクラックへの対策としては、万全のものではない。
さらに、上記円筒型SOFCにおいては、図13に示すように、円筒型セルの外表面に位置する電極を酸化物系の空気極(酸化剤電極層55)とし、その空気極層の一部を耐酸化性の被覆層を備えた耐熱金属板56に接触させて、空気極55の集電を行うようにしており、空気極55と集電用耐熱金属板56の接触面積が非常に小さく、面方向の抵抗成分が生じて空気極内部での伝導損失が大きいこと、さらに、酸化物空気極55と酸化物集電材56の接触抵抗が大きいことなどから、極めて集電損失が大きいという問題点があった。
【0012】
一方、非特許文献1に記載された円筒型SOFCにおいては、上記特許文献1に記載のセル構造に比べて、円筒支持体内径が小さく、肉厚も薄くなっており、セルの小型軽量化に関しては大きく進歩しているものの、上記支持体が固体電解質を兼ねた構造(肉厚:0.2mm)となっていることから、セルの内部抵抗が大きく、電池の高出力化、作動温度の低温化を十分に達成することができない。
また、支持管の内周及び外周部に形成された電極と集電体との接続が困難であり、加えて接触抵抗が大きくなってしまうために、集電時の出力ロスが大きいという問題点がある。
【0013】
このように従来技術においては、車両用などの移動体電源として使用されるSOFCに要求される起動性向上や軽量小型化を十分に達成することができず、このような問題点を解消することが従来のSOFCにおける課題となっていた。
【0014】
本発明は、従来の円筒型SOFC構造における上記課題に着目してなされたものであって、ガスシール構造が簡単で、耐熱衝撃性に優れ、集電損失が小さいと共に、熱容量が小さく起動性に優れた管状燃料電池用セル体と、このような燃料電池用セル体の製造方法、さらにはこのようなセル体を用いた固体酸化物型燃料電池スタック、燃料電池を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の管状燃料電池用セル体は、中空金属管体の内面に、電池要素を構成する少なくとも電解質層と空気極層、必要に応じて空気極層、電解質層及び燃料極層の3層が形成されており、金属管体の上記電池要素が形成された部分に任意のパターンの貫通孔が形成されている構成、あるいはその中心部にさらに導電性中空多孔質管を備え、これら中空金属管体と導電性中空多孔質管とに挟まれた部分に上記電池要素が形成されている構成としたことを特徴としており、管状燃料電池用セル体におけるこのような構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0016】
また、本発明の管状燃料電池用セル体の製造方法は、本発明による上記管状燃料電池用セル体の製造に好適に用いることができ、軸方向に沿って半割りにした中空金属管体のそれぞれの内面に、上記電池要素を同一順序に形成したのち、半割り管体同士を、必要に応じて電池要素間に導電性中空多孔質管を挟んだ状態に、合わせて接合することにより再度管体となし、当該管体の上記電池要素の形成部分に任意のパターンで貫通孔又は底部に微細孔を備えた凹部を形成する構成、あるいは半割り管体の内面のそれぞれに上記電池要素を同一順序に形成したのち、形成された電池要素の間に小径の第2の中空金属管体を挟んだ状態に半割り管体同士を合わせて接合することにより再度管体となし、これら両中空金属管体、すなわち外側の中空金属管体と中心部に位置する第2の小径中空金属管体の上記電池要素の形成部分に任意のパターンで貫通孔又は底部に微細孔を備えた凹部を形成する構成としたことを特徴としている。
【0017】
そして、本発明の固体酸化物形燃料電池スタック及び燃料電池は、本発明による上記管状燃料電池用セル体を用いて成ることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の管状燃料電池用セル体について、その製造方法と共に詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は、本発明の管状燃料電池用セル体の実施形態の一例を示す横断面図及び縦断面図であって、図に示す管状燃料電池用セル体1は、中空金属管体2と、当該金属管体2の中心部に配置された導電性中空多孔質管6を備え、これら金属管体2と多孔質管6の間に、電池要素を構成する少なくとも電解質層と空気極層、この例では空気極層3、電解質層4及び燃料極層5の3層が形成されており、金属管体2の上記電池要素3,4,5が形成された部分には、貫通孔(図中省略)が任意のパターンで形成されている。
【0019】
このように、本発明の管状燃料電池用セル体においては、従来の円筒型セルでは、図12に示したように、円筒型支持管の外周面に電池要素が形成されているのに対し、中空金属管体2の内側に形成されている。
すなわち、円筒の内側と外側の熱膨張による変形量を比較すると、外周側の方が内周側よりも変形が大きい。また、一般に、基板上に成膜された薄膜は、基板の変形に伴う引張り応力よりも圧縮応力に耐える材質特性を有しており、円筒の外周部に形成されたセルが熱膨張によって引っ張り応力を受けるのに対して、内周部に形成されたセルは圧縮応力を受けることから、円筒の内側に形成されたセルの方が熱膨張時のセル破損、つまり熱応力に対する耐久性に強いことになる。したがって、本発明の管状燃料電池用セル体のように、支持管体の内側にセルを形成することによって、熱膨張による基材の変形によるセルの破損が抑制され、耐熱性、耐熱衝撃性が向上する。
【0020】
また、金属製の管体は、例えば注射針などのように、強度を損なうことなく軽く、小さくすることが可能であり、より一層の軽量小型化によって熱容量も小さくなり、起動性に優れた円筒型セル構造が得られる。
【0021】
さらに、図12に示した従来の円筒型セルにおいては、集電用の金属板と最外層電極とが円周上の一点のみで接することになるので、電極の面方向の抵抗成分が生じ、集電損失が大きくなるのに対し、本発明においては、中空金属管体の内周面がセル層の最外郭層(一方の電極、もしくは電極の働きを向上させる機能層)と全面で接しているため、その電極から電気良導体である金属管体までの集電損失は電極(あるいは電極層と機能膜層)の厚み方向の抵抗分のみとなり、セルで発生した電力が低損失で集電されることになる。
【0022】
本発明の管状燃料電池用セル体1に使用する中空金属管体2としては、円筒型、すなわち円形断面のものを基本とするが、必ずしも円形のみに限定される訳ではなく、例えば六角形や八角形、あるいはこれ以上の多角形断面とすることができ、コーナー部に丸味(アール)を設けたものであれば、四角形断面をも採用することができる。
【0023】
また、上記中空金属管体2の材料としては、Fe、Ni、Cuの少なくとも1種を含む金属、すなわち、ニッケルや銅のほか、Ni−Cu合金、各種ステンレス鋼、インコネルやハステロイなどの耐熱性Ni系合金、低熱膨張材として用いられるインバーなどのFe−Ni合金などを使用することができる。また、金属管体2の肉厚としては、10μm〜1mm、より好適には30〜500μm程度のものを用いることが望ましい。すなわち、当該金属管体2の厚さが10μmに満たない場合には、支持体としての強度が不足する一方、1mmを超えると、セル構造への影響は少ないものの、支持体としてのサイズ及び重量が嵩み、小型軽量化の程度が不十分なものとなる傾向がある。
なお、金属管体2は、後述するように、電池要素の支持基板としてのみならず、材料の選択によっては燃料極、さらには燃料極及び集電体としても機能させることができる。
【0024】
当該中空金属管体2に形成する貫通孔は、任意のパターン、例えば0.2mm径程度のものを電池要素が形成された部分の全周にわたって多数形成するようになすことが望ましい。また、同様に任意のパターンに形成された凹部、例えば電池要素形成部分の全周にわたって形成された0.5mm径程度の多数の凹部の底部に複数の微細孔を設けるようにしてもよい。なお、当然のことながら、微細孔の開口面積の合計は凹部の底部の面積よりも小さい。
このような貫通孔や微細孔は、後述するように化学的エッチング処理によって形成することができ、金属管体2の内面に電極層や電解質層を形成したのち、当該管体2に化学的エッチング処理を施すようにすることによって、電池要素各層の薄膜化が可能になり、膜厚方向の抵抗値を低減して、発電出力性能が向上するばかりでなく、各層を構成する材料の熱膨張率などの違いによる熱歪の大きさを軽減して、熱ストレスによる剥離や割れの防止につながることになる。
【0025】
電解質層4を形成する固体酸化物材料としては、従来公知の材料、例えば酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化スカンジウム(Sc2O3)などを固溶した安定化ジルコニア(ZrO2)や、CeO2、Bi2O3、LaGaO3などを主成分とする材料を使用することができるが、必ずしもこれらのみに限定されるものではない。
【0026】
空気極層3の材料としては、例えばLa1−xSrxMnO3、La1−xSrxCoO3などのペロブスカイト型酸化物、銀などを使用することができ、燃料極層5の材料としては、例えばニッケル、ニッケルサーメット、白金などを使用することができるが、これらのみに限定されるものではない。
なお、電池要素は、基本的には空気極層3と電解質層4と燃料極層5から成るものであるが、金属管体2としてニッケルやニッケル基合金、Ni−Cu合金などを用いた場合には、当該金属管体2によって燃料極を兼ねることもでき、この場合には、金属管体2の内面に電解質層4と空気極層3を形成するだけでよい。
【0027】
空気極層3及び燃料極層5の形成位置については、中空金属管体2の内側に形成される電極層のうち、電解質層4と管体2の間に形成される電極を空気極層3とし、電解質層4より管体2の軸芯側に形成される電極層を燃料極層5とすることが望ましい。
すなわち、このような管状(円筒型)セル構造は、管体2の端部以外は全て閉じられているため、ガスシール構造が容易である特長がある。したがって、酸化ガス(空気、酸素)と還元ガス(水素、炭化水素)のうち、ガスシールが困難な方のガスを管体2内に導入することが好ましい。これらのガスを比較した場合、ガスシールが難しいのは還元ガスであることから、電解質層4よりも内側の電極を燃料極層5として、管体2内に還元ガス(燃料ガス)を導入し、管体2の外周側に酸化ガスを供給するようになすことによって、燃料ガスのガスシールが容易なものとなり、スタックのシステムを構成する場合に好都合なものとなる。
【0028】
管状燃料電池用セル体1の中心部には、必要に応じて導電性中空多孔質管6を配置することができ、当該多孔質管6は、中空金属管体2の中心側に位置する燃料電極層あるいは空気電極層と接触して、当該電極の集電体として機能する。
なお、本発明の管状燃料電池用セル体1における中心側電極の集電方法としては、必ずしもこのような中空多孔質管6による方法のみに限定される訳ではなく、例えば金属製パイプなどの導電体を中心側電極層に接触するように管状セル体1の端部に配置するなど、導電性中空多孔質管6以外の集電手段を採用することもできるが、このような中空多孔質管6を使用することにより、中心側電極とその全面で接触させることができるようになり、当該電極からの集電損失が電極の厚み方向の抵抗分のみとなることから、セルで発生した電力が低損失で集電されることになる。
【0029】
導電性中空多孔質管6の材料としては、ニッケル、インコネルやハステロイなどの耐熱性Ni系合金、Ni−Cr合金、ニッケルサーメットなどを使用することができ、当該管状燃料電池用セル体1の最外周部を構成する上記中空金属管体2と同じ材料とすることもできる。なお、中心側電極からの集電損失を考慮すると、導電性に優れた金属材料を用いることが好ましい。
【0030】
この導電性中空多孔質管6の外径は、中空金属管体2の内径(正確には、管体2の最も内面に形成されている電極層を含めた内径)と同等であることが好ましい。また、中空金属管体2とその内側の中空多孔質管6とは、同心円状に配置されることが好ましい。両部材を同心円状に配置することで、両部材の熱膨張の変位方向を同じにすることができ、(両部材とも熱膨張による部材の変形量は小さいが、)熱膨張に伴って部材の変形が引き起こす応力がより小さなものとなり、セルの破損を抑制することができる。
【0031】
また、このとき、中空金属管体2と中空多孔質管6の熱膨張係数が同等であれば、熱膨張による応力は小さく、中空多孔質管6の熱膨張係数の値が中空金属管体2よりも大きければ、熱膨張により内側の多孔質管6が金属管体2を内側から押し付ける形となり、電極と多孔質管2の接触はより良好なものとなることから、多孔質管6の熱膨張係数は、中空金属管体2のそれと同等かそれ以上の値であることが好ましい。なお、中空多孔質管6の熱膨張係数の値が中空金属管体2よりも小さい場合であっても、円筒形状の場合には、熱膨張による形状の変化は小さいので、セルの破損には直結しない。
【0032】
内側に配置される多孔質管6は、その一端が封じられていても構わない。この場合、多孔質管6内へのガスの導入は、封じられていない一方の開放口から、ガス導入管を挿入して行われ、ガス導入管と多孔質管6の隙間から排出されることになる。中心部の多孔質管6と外周部の中空金属管体2は、それぞれ対極の集電体として機能するため、お互いが電気的絶縁していなければならない。したがって、中空金属管体2の電解質層が形成されていない部位においては、中空金属管体2と多孔質管6の間を絶縁処理することが必要となる。
【0033】
このような導電性中空多孔質管6は、焼結金属やメッシュ状金属、フエルト状金属、発泡金属などのように全体が多孔質のものを用いることができる。この場合、中心部に配置された中空多孔質管6を外周部の中空金属管体2の端部から外部へ導出すると共に、中空多孔質管6へ供給するガスが外部へ漏れないように、管体2の端部から突出している部位における多孔質部分を封止することによって、当該セル体1へのガス配管として機能させることができ、ガス導入部の構造を簡略化することができる。
【0034】
一方、多孔質ではない通常(非孔質)の中空金属管体(第2の中空金属管体)を使用して、必要部分、すなわち電池要素の形成された部位のみを多孔質化し、電池要素部分にガス透過性を付与することもでき、これによって突出部位における封止処理を行うことなく、当該管体をガス配管として機能させることができる。電池要素形成部分を多孔質化するに際しては、例えば、ドリルなどの機械加工によって、電池要素形成部分に予め0.5〜1mm程度の貫通孔を多数形成しておいたり、あるいは当該セル体1の外周部を構成する中空金属管体2と同様の化学的エッチング処理を施したりすることによって貫通孔や微細孔を形成することができる。
【0035】
なお、当該セル体1の外郭を構成する中空金属管体2の場合と同様に、導電性中空多孔質管6によって燃料極を兼ねることもできる。
【0036】
本発明の管状燃料電池用セル体の製造方法は、上記管状燃料電池用セル体の製造に好適なものであって、先ず、当該管状燃料電池用セル体1の外郭を構成する中空金属管体2を用意し、図2(a)に示すように、中空金属管体2の一部又は全域を軸方向に沿って、半分に分割し、半割りの管体2a及び2bのそれぞれの内面に、空気極層3、電解質層4及び燃料極層5の電池要素を形成する。
これら電極層及び電解質層を形成するには、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、プラズマスプレー法、イオンプレーティング法、フレームスプレー法、プラズマジェットトーチ法、EVD法、CVD法などを適用することができ、上記金属管体2は、通常の金属(非孔質)からなる平滑面を備えたものであって、その内面上には、焼結体や多孔質金属ほどの凹凸もないことから、多孔質金属上に成膜するには極めて困難な厚さ、例えば5μm程度のミクロンオーダー厚さの緻密膜を形成することができ、前述のように膜厚方向の抵抗値を低減して、発電出力性能が向上すると共に、熱歪を軽減して剥離や割れの防止が可能になる。
【0037】
次に、図2(b)に示すように、電池要素がそれぞれ形成された両半割り管体2a及び2bを突き合わせて接合し、再度管状にする。
このとき、両半割り管体2a及び2bのそれぞれに形成された空気極層3と燃料極層5、及び燃料極層3と金属管体2の間に電気的導通が生じないようにすることが必要となる。また逆に、両半割り管体2a及び2bに形成された燃料極同士、空気極同士の間に必ずしも電気的導通が得られる必要はなく、これらを絶縁接合しても、導電性を持った接合をしても構わないため、対極同士の導通を避けるためには、互いの燃料極層5と空気極層3、あるいは燃料極層5と半割り管体2a,2bの間に電気的導通が生じないように両部材2a,2bを接合する方が好ましい。
したがって、半割り管体2a及び2bに形成されるセル層の端部は、図3(a)に示すような段違い構造とし、空気極層3よりも電解質層5の方を端部から離れた位置に形成し、半割り管体2a及び2bが接したときに、電解質層4同士が接することはあっても、電極層同士が接することがないようにすることが好ましい。また、図3(b)に示すように、境界部にセラミックス製接着剤やガラス製シール材などの絶縁材料10を挿入することもでき、必要に応じて採用することが望ましい。
【0038】
また、半割り管体2a及び2bを接合して、もとの管状にするには、図3(c)に示すように、両部材2a及び2bの合わせ面をロウ付け、あるいは拡散接合する方法や、図3(d)に示すように、両部材2a及び2bを合わせた後、側面からレーザー溶接を行う方法、さらにはこれらの方法を組合わせた方法などを採用することができる。
【0039】
そして、両半割り管体2a及び2bを接合してもとの管状にしたのち、当該管体2のセル層(電池要素)が形成されている部分に貫通孔、あるいは貫通孔としての複数の微細孔をその底部に備えた凹部を任意のパターンに形成して、当該管体2にガス透過性を与えることによって、本発明の管状燃料電池用セル体1が完成することになる。
貫通孔の形成に際しては、接合された管体2に化学的エッチング処理を施すことが望ましい。
【0040】
すなわち、接合された中空金属管体2の外周部にレジスト材を塗布し、形成したい貫通孔のパターンでレジストを除去する。レジスト材としては、特殊な材料を用いる必要はなく、貫通孔を形成するパターンでレジスト材を除去できれば、ポジでもネガでも構わない。また、レジスト材の塗布は、中空金属管体2の内側にレジスト材が侵入しないように、例えば管体2の両端を塞ぎ、ディップ方式で外周面にレジスト材を塗布することができるが、この方法のみに限定されることはない。
【0041】
貫通孔のパターン形成には、プリント基板の配線パターンなどを形成するのと同様に、一般的なフォトリソクラフィーを用いることができる。そして、所望のパターンで開口している部分の管体2に、例えば塩化第2鉄水溶液などのエッチング液をスプレーで吹き付け、貫通孔を穿孔する。
このとき、貫通孔のパターンが形成された金属管体2をエッチング液に浸漬させることによって貫通孔を穿孔することもできるが、エッチング部のエッチング液濃度のばらつきにより、エッチング不良が発生する危険性があるため、一般的にはスプレーなどで吹き付ける手法がとられることが多い。ただし、スプレー吹き付けのみに限定されるものではない。エッチングの終了後、残存するレジスト皮膜を除去し、貫通孔の形成が完了する。
【0042】
エッチングに際して、上記とは異なるエッチング液、例えば、プリント基板の製造プロセスにおいて、配線と樹脂との密着力を向上させるために配線の表面を粗化する目的で用いられる表面粗化剤(例えば、メック株式会社製 商品名メックニッケルラフナー1870)を用いることによって、任意のパターンに凹部を形成し、その底部に多数の微細孔を形成することができる。
【0043】
すなわち、電極へガスを供給するための貫通孔が大きいと、その中央から集電体として機能する中空金属管体2までの距離が長くなり、集電の際、電極層の面方向の抵抗が発生し、集電損失となる。したがって電極層の面方向の抵抗成分を極力発生させないためには、貫通孔は小さい方が好ましいことになる。
一般に、部材に形成される貫通孔の大きさは、部材の厚みに関係し、薄い部材ほど小さな孔を形成することが可能になる。つまり、貫通孔のアスペクト比が同じとすると、上記のように凹部を任意のパターンに形成し、その底部に貫通孔を形成することによって、周囲の金属部の厚みが薄くなっている分だけ、より微細な貫通孔(微細孔)を形成することができるようになる。
【0044】
上記管状燃料電池用セル体1の中心部に、集電体及びガス配管として機能する導電性中空多孔質管6を配設するには、図2(c)に示すように、両半割り管体2a及び2bの接合に先立って、両部材2a,2bの間に導電性中空多孔質管6を挟んで付き合わせ、この状態で両部材2a,2bを互いに接合する。
【0045】
このとき、燃料極層5と空気極層3、あるいは燃料極層5と中空金属管体2の間はもとより、空気極層3及び中空金属管体2と内側の中空多孔質管6の間にも電気的導通が生じないように、外側の金属管体2の端部に、図4に示すように絶縁材料10によって絶縁処理をしておくことが望ましい。
【0046】
上記導電性中空多孔質管6としては、上記したようにニッケルサーメットや、焼結金属、発泡金属のような全体が多孔質でガス透過性を備えたものを使用することができるが、当該多孔質管6の端部から管内を流れるガス、例えば還元ガスが漏れて、外部の酸化ガスと混合することがないように、あらかじめ端部の微細孔に樹脂やペーストなどを埋めておくことが必要となる。
【0047】
これに対し、導電性中空多孔質管6として、Ni系合金やNi−Cr合金などから成る多孔質ではない通常のパイプ材(第2の中空金属管体)材を使用し、中央部の電極層と接触する部分のみに、ドリルなどによる機械加工や、化学的エッチング手法によって貫通孔をあらかじめ形成しておくようにしてもよい。
なお、当該パイプ材を中空金属管体2内に組み込む前であれば、パイプ材の内外いずれの側からもエッチング処理することができる。また、化学的エッチング処理によれば、当該パイプ材を中空金属管体2内に組み込んだ後、外側の中空金属管体2と同時、あるいは相前後してエッチング処理を施すことによって、貫通孔を形成することもできる。
【0048】
また、前述したように、上記導電性中空多孔質管6に代えて、中空金属管体2の端部のみに短尺の導電性パイプを内側電極層に接触した状態に配置した状態で、両半割り管体2a及び2bを接合し、上記短尺パイプを集電体及びガス配管として機能させることも可能である。
【0049】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
【0050】
(実施例1)
中空金属管体2として、外径5mm×内径4.6mm×長さ30mmのSUS430ステンレス鋼(17%Cr)円筒材を使用し、これを軸方向に沿って2分割し、2つの半円筒部材とした。
【0051】
上記両半円筒部材のそれぞれ内面の中央部24mmの範囲に、スパッタ法を用いて室温でSSC(Sm−Sr−Co系複合酸化物)を5μmの厚さに成膜し、空気極層3とした。
続いて、700℃に加熱し、空気極層3としてのSSCが形成された半円筒部材の中央部30mmの範囲に、8YSZ(8mol%イットリア添加安定化ジルコニア)を5μmの厚さに成膜して電解質層4とし、さらに当該8YSZ層上の中央部28mmの範囲に、スパッタ法を用いて室温で、NiO−8YSZサーメットを同じく5μの厚さに成膜して燃料極層5とした。
【0052】
次に、上記によって電極層及び電解質層を形成した両半円筒部材を突き合せ、突き合せ部にレーザビームを照射して両部材を溶接し、もとの円筒形状とした。なお、溶接に当たっては、半円筒部材の内周部に形成されたそれぞれの燃料極層5と空気極層3、あるいは燃料極層5と半円筒部材の間に電気的導通が生じないように、接合端部における各層の積層構造を図3(a)に示すような形状とした。
【0053】
そして、内周面に電池要素を形成した円筒材(管体)2の外周面にレジストを塗布し、その中央部24mmの範囲に0.2mm径の開口部を多数設けて残りの部分をマスクした状態で塩化第2鉄水溶液をスプレーし、当該円筒材2の中央部24mmの範囲全周に亘って約0.2mm径の貫通孔7を多数形成してガス透過性を付与し、管体2に内接する空気極層3(SSC)に外周側から空気(酸化ガス)の供給を可能なものとして、図5(a)及び(b)に示すような管状燃料電池用セル体1を完成させた。
なお、当該燃料電池用セル体1は、円筒材2の内側に還元ガスを、外側に酸化ガスを供給することによって作動する。
【0054】
(実施例2)
中空金属管体2として、インコネル601(Ni+Co:58〜63%、Cr:21〜25%、Fe:Balance)から成る同一サイズの円筒材を用いたことを除いて、上記実施例1と同様に空気極層3、電解質層4及び燃料極層5を形成した半円筒部材を同様に接合して、円筒形状とした。
そして、内周面に電池要素を形成した円筒材2の外周面にレジストを塗布し、その中央部24mmの範囲に0.5mm径の開口部を多数設けて残りの部分をマスクした状態において、メック株式会社製のメックニッケルラフナー1870(商品名)を塗布し、当該円筒材2の中央部24mmの範囲全周に亘って、底部に微細孔7bを備えた約0.5mm径の凹部7aを多数形成してガス透過性を付与し、同様に空気極層3(SSC)への空気供給を可能なものとして、図5(a)及び(c)に示すような管状燃料電池用セル体1を完成させた。
【0055】
(実施例3)
上記実施例1と同様に空気極層3、電解質層4及び燃料極層5を形成した半円筒部材の間に、導電性中空多孔質管6として、NiO−8YSZサーメットから成り、外径約4.58mm×内径2mm×長さ30mmの多孔質管を包むようにし、この状態で両半円筒部材をレーザー溶接により接合して円筒形状とした。
このとき、上記実施例と同様に、半円筒部材の内周部に形成されたそれぞれの燃料極層5と空気極層3、あるいは燃料極層5と半円筒部材の間に電気的導通が生じないようにすると共に、それぞれの空気極3及び半円筒部材と中心の多孔質サーメット管6の間に電気的導通が生じないように両半円筒部材を接合した。また、上記多孔質サーメット管6については、両端部の微細孔にペーストを埋め込み、端部からの還元ガスの漏出を防止するようにしている。
【0056】
そして、外側に位置する円筒材2の外周面にレジストを塗布し、上記実施例1と同様の方法により、当該円筒材2の中央部20mmの範囲全周に亘って約0.2mm径の貫通孔7を多数形成してガス透過性を付与し、図6(a)及び(b)に示すような管状燃料電池用セル体1を完成させた。
当該燃料電池用セル体1においては、上記多孔質サーメット管6の内部に還元ガスを、円筒材2の外側に酸化ガスをそれぞれ供給することによって作動し、外側のステンレス鋼製円筒材2が空気極の集電体として機能し、内側の多孔質サーメット管6が燃料極の集電体として機能する。
【0057】
(実施例4)
上記実施例2と同様に、インコネル601から成る半円筒材のそれぞれ内面に、空気極層3、電解質層4及び燃料極層5を形成したのち、これら両半円筒部材の間に、42Alloy(Ni+Co:41〜43%、Fe:Balance)から成る外径約4.58mm×長さ10mmの円柱材8をその端部が円筒部材の一端側から突出するように挟み、この状態で両半円筒部材をレーザー溶接により接合して円筒形状とした。
このとき、上記実施例3と同様に、それぞれの燃料極層5と空気極層3、燃料極層5と半円筒部材の間、さらにはそれぞれの空気極3及び半円筒部材と中心の円柱材8の間に電気的導通が生じないように考慮した。
【0058】
そして、上記実施例3と同様の方法によって、当該円筒材2の中央部20mmの範囲の全周に亘って約0.2mm径の貫通孔7を多数形成してガス透過性を付与し、図7(a)〜(c)に示すような管状燃料電池用セル体1を完成させた。
【0059】
当該燃料電池用セル体1においては、図7(a)に示すように、図中右側に位置する円筒材2の開口側から、例えばSUS430ステンレス鋼から成るガス導入管11を挿入して、還元ガスを円筒材2の内側に供給すると共に、外側に酸化ガスを供給することによって作動し、外側のインコネル製円筒材2が空気極の集電体として機能し、内側の42Alloy製円柱材8が燃料極の集電体として機能する。
【0060】
(実施例5)
中空金属管体2として、インコネル601から成る同一サイズの円筒材を用いたことを除いて上記実施例3と同様に、空気極層3、電解質層4及び燃料極層5を形成した半円筒部材の間にNiO−8YSZサーメットから成る多孔質管6を挟んだ状態で、両半円筒部材をレーザー溶接により接合して円筒形状とした。
【0061】
そして、上記実施例2と同様の方法によって、上記円筒材2の中央部24mmの範囲全周に亘って、底部に微細孔7bを備えた約0.5mm径の凹部7aを多数形成してガス透過性を付与し、図6(a)及び(b)に示すような管状燃料電池用セル体1を完成させた。
【0062】
(実施例6)
セル体1の中心部に組み込む導電性中空多孔質管6として、Ni−Cr系耐熱合金から成る同一サイズの多孔質管を用いたことを除いて、上記実施例5と同様の操作を繰り返し、図8(a)及び(b)に示すように、外側の円筒材2の中央部24mmの全周に、底部に微細孔7bを備えた約0.5mm径の凹部7aを形成した管状燃料電池用セル体1を得た。
【0063】
(実施例7)
上記実施例5と同様の操作を繰り返し、空気極層3、電解質層4及び燃料極層5が形成された同様の半円筒部材を得た。
【0064】
次に、同じくインコネル601から成り、外径約4.58mm×内径2mm×長さ30mmのパイプ材の表面に多数の貫通孔7(径約1mm)を形成して導電性中空多孔質管6とした。すなわち、パイプ材の表面にレジストを塗布し、その中央部26mmの範囲に1mm径の開口部を多数形成することによって、残りの部分をマスクした状態で塩化第2鉄水溶液をスプレーすることによってエッチングし、当該パイプ材の中央部の全周に上記貫通孔7を多数形成した。
【0065】
そして、このような貫通孔7を備えたパイプ材6を挟んだ状態で、上記半円筒部材を溶接して、元の円筒形状としたのち、メックニッケルラフナー1870を用いた実施例5と同様のエッチング処理によって、図9(a)及び(b)に示すように、外側の円筒材2の中央部24mmの全周に亘って、底部に微細孔7bを備えた約0.5mm径の凹部7aを形成し、管状燃料電池用セル体1を得た。
なお、当該実施例においては、インコネルパイプ材にエッチングを施すことによって約1mm径の貫通孔7を形成した例を示したが、ドリルによる機械加工によって貫通孔7を形成することも可能であるし、メックニッケルラフナー1870を用いたエッチング処理によって、図9(a)及び(b)に示す底部に微細孔7bを備えた約0.5mm径の凹部7aを形成してもかまわない。
【0066】
(実施例8)
上記実施例5と同様の操作を繰り返し、空気極層3、電解質層4及び燃料極層5が形成された同様の半円筒部材を得た。
【0067】
次に、同じくインコネル601から成り、外径約4.58mm×内径2mm×長さ30mmのパイプ材(第2の中空金属管体)を用意し、これを上記半円筒部材の間に挟んだ状態において両半円筒部材をレーザー溶接して元の円筒形状とした。
【0068】
そして、接合された円筒材2の表面には、実施例5と同様のマスキングを施すと共に、中心部に組み込んだパイプ材の両端2mmの内面をマスキングしたのち、上記円筒材2の表面及びパイプ材の内面にメックニッケルラフナー1870を用いた実施例5と同様のエッチング処理を施すことによって、図9(a)及び(c)に示すように、中心部のパイプ材内面の中央部26mmの範囲に凹部7aを形成し、その底部に多数の微細孔7bを形成することによって当該パイプ材を導電性中空多孔質管6とすると共に、外側の円筒材2の中央部24mmの全周に、底部に微細孔7bを備えた約0.5mm径の凹部7aを多数形成して、管状燃料電池用セル体1を完成させた。
なお、中心部パイプ材のエッチングによる凹部7a及び微細孔7b(貫通孔)の形成は、円筒材2内への組み込み前に行うようにしてもよい。
【0069】
(実施例9)
図10(a)は、上記実施例7による管状燃料電池用セル体1から成る燃料電池スタックの構造例を示すものであって、図に示す燃料電池スタックは、複数(図では3個)の管状燃料電池用セル体1を備え、これらセル体1は、最外層のインコネル製中空円筒材2においてNi−Cr系耐熱合金板12にそれぞれ接触しており、当該耐熱合金板12の両端は、同じくNi−Cr系耐熱合金から成る端子棒13に接続されている。
【0070】
そして、セル体1の中心に位置する導電性中空多孔質管としてのインコネルパイプ6と端子棒13の間を電気的に接続した状態で、作動温度に昇温する一方、インコネルパイプ6内に燃料ガス(例えば、水素)を供給し、当該セル体1の周囲に酸化ガス(例えば、空気)を供給することによって、パイプ6と端子棒13の間に電流が流れることになる。また、このような燃料電池スタックの複数組を用意し、端子棒13をプラス端子、パイプ6をマイナス端子として、並列あるいは直列に接続することによって、所望の電流、電圧が得られることになる。
【0071】
このとき、図13に示した従来の円筒型セルにおいては、カソード電極55と集電用の耐熱金属板56とが一部でのみ接触していることから、耐熱金属板56から離れた位置にある電極部分からの集電には、カソード電極55の面方向の抵抗による集電ロスが生じるのに対し、本発明のセル体1においては、図10(b)にも示すように、カソード電極3が導電性を備えた中空円筒材2に全面で接触していることから、電極3の全面からの集電を可能にし、電極3の厚み方向の抵抗のみとなって、集電用耐熱金属板12から離れた位置にある電極部分からの集電ロスも極めて小さなものとなる。
【0072】
(実施例10)
図11(a)〜(c)は、上記実施例7による管状燃料電池用セル体1から成る燃料電池スタックにおけるセル間の他の配線例を示すものであって、上記実施例9では、3個の単セルを並列に接続しているのに対し、当該実施例10においては、直列に接続したものである。
すなわち、上記管状燃料電池用セル体1は、空気極3及び燃料極5のいずれもが電気良導体であるインコネル製の中空円筒材2及びパイプ6にそれぞれ接しており、例えばリード線14を用いた配線が可能であるため、セルの配置が自由なものとなり、図11に示すように各セル体1を直列に配線することも容易に行うことができ、所望の電流、電圧を得ることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の管状燃料電池用セル体は、貫通孔を備えた中空金属管体の内周面に電池要素が形成されたものであるから、昇温に際して電極層や電解質層に引っ張り応力がかかることがなく、耐熱性、耐熱衝撃性に優れると共に、上記中空金属管体が一方の電極層全面に接して集電体として機能することから、集電損失を大幅に低減することができるという極めて優れた効果がもたらされる。さらに、当該セル体の中心部に他方の電極層に接する導電性中空多孔質管を配置することにより、熱応力によるセルの破損をより効果的に防止できるばかりでなく、当該導電性中空多孔質管をガス配管及び他方の電極層の集電体として機能させることができ、ガス導入部構造の簡略化及び集電損失の低減が可能になる。
【0074】
また、本発明の管状燃料電池用セル体の製造方法においては、電池要素を中空金属管体の内周面に形成した後、例えば化学的エッチング処理によって貫通孔を形成するようにしていることから、電極層や電解質層が平滑面上に形成されることになり、緻密で薄い成膜が可能となり、耐熱成、耐熱衝撃性に優れ、発電損失の少ない高性能のセル体を得ることができる。
【0075】
さらに、本発明の固体酸化物形燃料電池スタック及び燃料電池は、上記管状燃料電池用セル体を用いたものであるから、ガス配管、ガスシール構造が簡単で、耐熱性、起動性に優れ、発電損失の少ないものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の管状燃料電池用セル体の形状を示すそれぞれ横断面図及び縦断面図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の管状燃料電池用セル体の製造方法の概略を示す斜視図及び横断面図である。
【図3】(a)〜(d)は図2に示した製造方法における接合端部の処理方法を説明するそれぞれ断面図である。
【図4】本発明の管状燃料電池用セル体の端部における絶縁構造を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第1及び第2の実施例に係わる管状燃料電池用セル体の構造を示す横断面図及び縦断面図である。
【図6】本発明の第3及び第5の実施例に係わる管状燃料電池用セル体の構造を示す横断面図及び縦断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例に係わる管状燃料電池用セル体の構造を示す縦断面図及び横断面図である。
【図8】本発明の第6の実施例に係わる管状燃料電池用セル体の構造を示す横断面図及び縦断面図である。
【図9】本発明の第7及び第8の実施例に係わる管状燃料電池用セル体の構造を示す横断面図及び縦断面図である。
【図10】本発明の管状燃料電池用セル体を並列に接続した燃料電池スタックの構造例を示す概略説明図である。
【図11】本発明の管状燃料電池用セル体を直列に接続した燃料電池スタックの構造例を示す概略説明図である。
【図12】従来の円筒型燃料電池用セルの形状を示すそれぞれ横断面図及び縦断面図である。
【図13】図12に示した管状燃料電池用セル体を用いた燃料電池スタックの構造を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 管状燃料電池用セル体
2 中空金属管体
3 空気極層
4 電解質層凹部
5 燃料極層
6 導電性中空多孔質管体
7 貫通孔
7a 凹部
7b 微細孔[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a tubular (so-called cylindrical) solid oxide fuel cell using a metal tube, and particularly to a feature of a tubular cell in which a cell element is provided inside a metal tube and gas sealing is easy. In addition, a cell body for a tubular fuel cell having excellent resistance to thermal expansion, small current collection loss, small heat capacity, and excellent startability, and a method for producing the same, and a solid body using such a cell body The present invention relates to an oxide fuel cell fuel cell stack and a fuel cell.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, fuel cells have attracted attention as clean energy sources that are high in power generation efficiency, generate almost no harmful exhaust gas, and are environmentally friendly.
[0003]
Among various fuel cells, a solid oxide fuel cell (hereinafter, referred to as SOFC) uses an oxide ion conductive solid electrolyte such as yttria-stabilized zirconia (hereinafter, referred to as YSZ) as an electrolyte, and has a gas on both surfaces thereof. Is a fuel cell that generates an electric power by supplying an electrode through which a solid electrolyte is used as a partition and supplying a fuel gas such as hydrogen or hydrocarbon to one electrode and an oxygen gas or air to the other electrode. A battery that operates in a nearby high-temperature region.
[0004]
It is known that the conductivity of such a solid electrolyte is about one digit lower than the conductivity of the electrolyte in a phosphoric acid fuel cell (PAFC) or a molten carbonate fuel cell (MCFC). .
In general, the electrical resistance of the electrolyte part results in power generation loss.Thus, in order to increase the power generation output density, it is important to reduce the film resistance as much as possible by making the solid electrolyte thinner, while the electrolyte part functions as a battery. Since an area of a certain size or more is required in order to ensure the above, a cell structure in which an electrolyte membrane is formed on a support having mechanical strength is employed in the SOFC.
[0005]
As a specific cell structure of such a fuel cell, a flat plate type, a monolith type, a cylindrical type, and the like are known, and among these, the cylindrical type has a fuel electrode layer on the surface of a porous cylindrical base tube. In addition, it has a structure in which an electrolyte layer and an air electrode layer are laminated, and has a feature that any one of fuel gas and air flows into the base tube, so that the sealing structure can be simplified.
[0006]
As such a cylindrical SOFC, for example, structures described in Patent Literature 1 and Non-Patent Literature 1 are known.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-10-125346
[Non-patent document 1]
Kenji Yashiro et al., The Electro-chemical Society of Japan, 2002, Vol. 70, p. 958
[0008]
That is, Patent Document 1 discloses that the electrolyte layer and the electrode layer are formed in an arc shape on the outer peripheral surface of a cylindrical tube, and the heat of each layer in a cylindrical vertical stripe fuel cell provided with an interconnector layer at a cut portion of the arc-shaped cell element. As shown in FIG. 12, a fuel electrode layer 53, a solid electrolyte layer 54, and an oxidant electrode layer are formed on the outer peripheral surface of a conductive porous cylindrical support tube 52 having one end closed as shown in FIG. It has been proposed that 55 be continuously formed in the entire circumferential direction, so that even if a large thermal cycle is applied or heat generation during overload is increased, delamination between layers is prevented, and It is described that deterioration of characteristics can be prevented.
[0009]
In Non-Patent Document 1, a ceramic cylinder made of 8YSZ (8 mol% yttria-added stabilized zirconia) solid electrolyte is sealed at one end for the purpose of enabling quick startup in a SOFC that is vulnerable to thermal shock. A fuel electrode layer made of Ni-YSZ cermet on the inner peripheral surface, and (La, Sr) MnO on the outer peripheral surface. 3 By forming an oxidant electrode layer consisting of and burning the butane gas introduced into the inside of the ceramic cylinder with an igniter to heat the cell, power generation starts 15 seconds after the start of combustion, and after several minutes of power generation, Cooling to room temperature in several tens of seconds and rapid startup again are repeated tens of times, confirming the thermal shock resistance and rapid startup of the cell structure.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the cylindrical SOFC described in Patent Document 1, since the cylindrical support tube is porous, it is difficult to form a gas-impermeable thin film on the surface of the cylindrical support tube. Such a porous support is not necessarily suitable for forming a thin-film electrolyte type cell for the purpose. Although a new film forming method such as an EVD method has been proposed as a method of forming a film on the surface of a porous material, there is a problem that the film forming speed is extremely slow and not practical.
Further, since the porous cylindrical support tube is also a structural member of the cell, a certain thickness is required (in the embodiment, the thickness is 5 mm), so that the size and weight of the cell cannot be said to be sufficient.
[0011]
In addition, by laminating the electrolyte layer and the electrode layer in a continuous cylindrical shape over the entire outer peripheral surface of the cylindrical tube, a structure in which delamination and cracking due to thermal stress and the like are less likely to occur than in a conventional structure in which these are formed in an arc shape. However, since the cylindrical tube expands (increases in diameter) in the outer peripheral direction due to thermal expansion, it is not a perfect measure against delamination and cracks.
Further, in the cylindrical SOFC, as shown in FIG. 13, an electrode located on the outer surface of the cylindrical cell is an oxide air electrode (oxidant electrode layer 55), and a part of the air electrode layer is formed. The contact of the air electrode 55 with the heat-resistant metal plate 56 having the oxidation-resistant coating layer is performed so that the contact area between the air electrode 55 and the heat-resistant metal plate 56 for current collection is very small. The problem that the current loss is extremely large due to a large conduction loss inside the air electrode due to the generation of a resistance component in the plane direction and a high contact resistance between the oxide air electrode 55 and the oxide current collector 56. was there.
[0012]
On the other hand, in the cylindrical SOFC described in Non-Patent Document 1, the inner diameter of the cylindrical support is smaller and the wall thickness is thinner than the cell structure described in Patent Document 1, so that the cell is reduced in size and weight. Although there has been great progress, the internal resistance of the cell is large, the output of the battery is high, and the operating temperature is low because the support has a structure (thickness: 0.2 mm) that also serves as a solid electrolyte. Cannot be achieved sufficiently.
In addition, it is difficult to connect the electrodes formed on the inner and outer peripheral portions of the support tube to the current collector, and in addition, the contact resistance increases, resulting in a large output loss during current collection. There is.
[0013]
As described above, in the prior art, it is not possible to sufficiently achieve the improvement of startability and the reduction in weight and size required for the SOFC used as a mobile power source for vehicles and the like, and to solve such problems. Has been a problem in the conventional SOFC.
[0014]
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems in the conventional cylindrical SOFC structure, and has a simple gas seal structure, excellent thermal shock resistance, small current collection loss, small heat capacity, and low start-up performance. It is an object of the present invention to provide an excellent tubular fuel cell unit, a method of manufacturing such a fuel cell unit, and a solid oxide fuel cell stack and a fuel cell using such a cell unit. .
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In the tubular fuel cell body of the present invention, at least three layers of an electrolyte layer and an air electrode layer, and if necessary, an air electrode layer, an electrolyte layer and a fuel electrode layer, which constitute the battery element, are formed on the inner surface of the hollow metal tube body. A structure in which a through-hole of an arbitrary pattern is formed in a portion of the metal tube body where the battery element is formed, or a conductive hollow porous tube is further provided at the center thereof, and the hollow metal tube is provided. And a conductive hollow porous tube, wherein the battery element is formed in a portion sandwiched between the body and the conductive hollow porous tube. It is a means to solve.
[0016]
In addition, the method for producing a tubular fuel cell body according to the present invention can be suitably used for producing the tubular fuel cell body according to the present invention. After forming the battery elements in the same order on each inner surface, the half-split tubes are joined again by joining together, with the conductive hollow porous tube interposed between the battery elements as necessary. A structure in which a recess having a through hole or a fine hole in the bottom is formed in an arbitrary pattern in a portion where the battery element is formed in the tubular body, or the battery element is formed on each of the inner surfaces of the half-split body. After being formed in the same order, the half-split tubes are joined together with a small-diameter second hollow metal tube sandwiched between the formed battery elements, and joined together to form a tube again. Metal tube, ie outer hollow gold The second small-diameter hollow metal tube located in the center of the tube has a configuration in which a recess having a through hole or a fine hole at the bottom is formed in an arbitrary pattern at a portion where the battery element is formed. .
[0017]
Further, a solid oxide fuel cell stack and a fuel cell according to the present invention are characterized by using the above-mentioned tubular fuel cell body according to the present invention.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the cell body for a tubular fuel cell of the present invention will be described in detail together with a method for producing the same.
FIGS. 1A and 1B are a cross-sectional view and a vertical cross-sectional view illustrating an example of an embodiment of a tubular fuel cell body according to the present invention. The tubular fuel cell body 1 shown in FIG. A hollow metal tube 2 and a conductive hollow porous tube 6 disposed at the center of the metal tube 2, and at least an electrolyte constituting a battery element is provided between the metal tube 2 and the porous tube 6. Layer and an air electrode layer, in this case, an air electrode layer 3, an electrolyte layer 4, and a fuel electrode layer 5 are formed, and the metal tube 2 is formed in a portion where the above-mentioned battery elements 3, 4, 5 are formed. Has through holes (omitted in the figure) formed in an arbitrary pattern.
[0019]
As described above, in the tubular fuel cell body of the present invention, in the conventional cylindrical cell, as shown in FIG. 12, the battery element is formed on the outer peripheral surface of the cylindrical support tube, It is formed inside the hollow metal tube 2.
That is, when the amount of deformation due to thermal expansion inside and outside the cylinder is compared, the deformation is larger on the outer peripheral side than on the inner peripheral side. In general, a thin film formed on a substrate has a material property that withstands a compressive stress rather than a tensile stress caused by deformation of the substrate, and a cell formed on an outer peripheral portion of a cylinder has a tensile stress due to thermal expansion. On the other hand, cells formed on the inner periphery receive compressive stress, so cells formed inside the cylinder are more resistant to cell breakage during thermal expansion, that is, more resistant to thermal stress. become. Therefore, by forming cells inside the support tube like the tubular fuel cell body of the present invention, cell breakage due to deformation of the base material due to thermal expansion is suppressed, and heat resistance and thermal shock resistance are improved. improves.
[0020]
In addition, a metal tube can be made lighter and smaller without losing strength, such as a syringe needle, for example. A mold cell structure is obtained.
[0021]
Further, in the conventional cylindrical cell shown in FIG. 12, the metal plate for current collection and the outermost layer electrode come into contact at only one point on the circumference, so that a resistance component in the surface direction of the electrode occurs, On the other hand, in the present invention, the inner peripheral surface of the hollow metal tube is in contact with the outermost layer of the cell layer (one of the electrodes or a functional layer for improving the function of the electrodes), while the current collection loss increases. Therefore, the current collection loss from the electrode to the metal tube, which is a good electrical conductor, is only the resistance in the thickness direction of the electrode (or electrode layer and functional film layer), and the power generated in the cell is collected with low loss. Will be.
[0022]
The hollow metal tube 2 used in the tubular fuel cell unit 1 of the present invention is basically cylindrical, that is, one having a circular cross section, but is not necessarily limited to only a circular shape. An octagonal or more polygonal cross-section can be used, and a square cross-section can also be adopted as long as the corner has a rounded shape.
[0023]
The material of the hollow metal tube 2 is a metal containing at least one of Fe, Ni, and Cu, that is, nickel and copper, as well as Ni-Cu alloys, various stainless steels, and heat-resistant materials such as Inconel and Hastelloy. Ni-based alloys, Fe-Ni alloys such as invar used as low thermal expansion materials, and the like can be used. The thickness of the metal tube 2 is desirably about 10 μm to 1 mm, more preferably about 30 to 500 μm. That is, when the thickness of the metal tube 2 is less than 10 μm, the strength as a support is insufficient. On the other hand, when the thickness exceeds 1 mm, the effect on the cell structure is small, but the size and weight of the support are small. And the degree of reduction in size and weight tends to be insufficient.
Note that, as described later, the metal tube 2 can function not only as a support substrate for the battery element but also as a fuel electrode, furthermore, a fuel electrode and a current collector depending on the selection of materials.
[0024]
It is desirable that a large number of through holes formed in the hollow metal tube 2 be formed in an arbitrary pattern, for example, having a diameter of about 0.2 mm over the entire circumference of the portion where the battery element is formed. Similarly, a plurality of fine holes may be provided at the bottom of a plurality of recesses formed in an arbitrary pattern, for example, about 0.5 mm in diameter formed over the entire periphery of the battery element forming portion. Needless to say, the total opening area of the fine holes is smaller than the area of the bottom of the recess.
Such through-holes and fine holes can be formed by a chemical etching process as described later. After forming an electrode layer and an electrolyte layer on the inner surface of the metal tube 2, the tube 2 is chemically etched. By performing the treatment, the thickness of each layer of the battery element can be reduced, and the resistance value in the film thickness direction can be reduced, and not only the power generation output performance can be improved, but also the coefficient of thermal expansion of the material constituting each layer. Thus, the magnitude of the thermal strain due to such a difference is reduced, which leads to prevention of peeling and cracking due to thermal stress.
[0025]
As the solid oxide material forming the electrolyte layer 4, a conventionally known material, for example, neodymium oxide (Nd 2 O 3 ), Samarium oxide (Sm 2 O 3 ), Yttrium oxide (Y 2 O 3 ), Gadolinium oxide (Gd 2 O 3 ), Scandium oxide (Sc 2 O 3 ) And other solid zirconia (ZrO) 2 ) And CeO 2 , Bi 2 O 3 , LaGaO 3 Although a material containing, as a main component, or the like can be used, the material is not necessarily limited thereto.
[0026]
As a material of the air electrode layer 3, for example, La 1-x Sr x MnO 3 , La 1-x Sr x CoO 3 For example, nickel, nickel cermet, platinum, or the like can be used as a material of the fuel electrode layer 5, but is not limited thereto. .
The battery element is basically composed of the air electrode layer 3, the electrolyte layer 4, and the fuel electrode layer 5. However, when the metal tube 2 is made of nickel, a nickel-based alloy, a Ni-Cu alloy, or the like. In this case, the metal tube 2 can also serve as the fuel electrode. In this case, it is only necessary to form the electrolyte layer 4 and the air electrode layer 3 on the inner surface of the metal tube 2.
[0027]
With respect to the formation positions of the air electrode layer 3 and the fuel electrode layer 5, among the electrode layers formed inside the hollow metal tube 2, the electrode formed between the electrolyte layer 4 and the tube 2 is replaced with the air electrode layer 3. It is preferable that the electrode layer formed closer to the axis of the tubular body 2 than the electrolyte layer 4 is the fuel electrode layer 5.
That is, such a tubular (cylindrical) cell structure has a feature that the gas seal structure is easy because all parts except the end of the tube body 2 are closed. Therefore, of the oxidizing gas (air, oxygen) and the reducing gas (hydrogen, hydrocarbon), it is preferable to introduce the gas which is difficult to seal gas into the tube 2. When these gases are compared, it is difficult to seal the gas with the reducing gas. Therefore, the electrode inside the electrolyte layer 4 is used as the fuel electrode layer 5 and the reducing gas (fuel gas) is introduced into the tube 2. By supplying the oxidizing gas to the outer peripheral side of the tubular body 2, gas sealing of the fuel gas becomes easy, which is advantageous when a stack system is configured.
[0028]
In the center of the tubular fuel cell unit 1, a conductive hollow porous tube 6 can be arranged as necessary, and the porous tube 6 is located at the center of the hollow metal tube 2. It functions as a current collector for the electrode when it comes into contact with the electrode layer or the air electrode layer.
The method for collecting the center electrode in the tubular fuel cell body 1 of the present invention is not necessarily limited to the method using such a hollow porous tube 6. Current collecting means other than the conductive hollow porous tube 6 can be adopted, for example, by arranging the body at the end of the tubular cell body 1 so as to be in contact with the central electrode layer. By using No. 6, the central electrode can be brought into contact with the entire surface thereof, and the current generated from the electrode is only the resistance in the thickness direction of the electrode. Current will be collected with low loss.
[0029]
The material of the conductive hollow porous tube 6 may be nickel, a heat-resistant Ni-based alloy such as Inconel or Hastelloy, a Ni—Cr alloy, a nickel cermet, or the like. The same material as that of the hollow metal tube 2 constituting the outer peripheral portion may be used. In consideration of current collection loss from the center electrode, it is preferable to use a metal material having excellent conductivity.
[0030]
The outer diameter of the conductive hollow porous tube 6 is preferably equal to the inner diameter of the hollow metal tube 2 (more precisely, the inner diameter including the electrode layer formed on the innermost surface of the tube 2). . Further, the hollow metal tube 2 and the hollow porous tube 6 inside the hollow metal tube 2 are preferably arranged concentrically. By arranging both members concentrically, the displacement directions of thermal expansion of both members can be made the same, and the deformation amount of the members due to thermal expansion is small (both members are small). The stress caused by the deformation becomes smaller, and the breakage of the cell can be suppressed.
[0031]
At this time, if the thermal expansion coefficients of the hollow metal tube 2 and the hollow porous tube 6 are equal, the stress due to the thermal expansion is small, and the value of the thermal expansion coefficient of the hollow porous tube 6 is reduced. If it is larger, the inner porous tube 6 will press the metal tube 2 from the inside due to thermal expansion, and the contact between the electrode and the porous tube 2 will be better. The expansion coefficient is preferably equal to or higher than that of the hollow metal tube 2. Even when the value of the coefficient of thermal expansion of the hollow porous tube 6 is smaller than that of the hollow metal tube 2, the change in shape due to the thermal expansion is small in the case of a cylindrical shape. Not directly connected.
[0032]
One end of the porous tube 6 disposed inside may be sealed. In this case, the introduction of the gas into the porous tube 6 is performed by inserting the gas introduction tube from one of the unsealed openings and discharging the gas through the gap between the gas introduction tube and the porous tube 6. become. Since the porous tube 6 at the center and the hollow metal tube 2 at the outer periphery respectively function as current collectors of counter electrodes, they must be electrically insulated from each other. Therefore, in the portion of the hollow metal tube 2 where the electrolyte layer is not formed, it is necessary to perform insulation treatment between the hollow metal tube 2 and the porous tube 6.
[0033]
Such a conductive hollow porous tube 6 may be entirely porous, such as a sintered metal, a mesh-like metal, a felt-like metal, a foamed metal, or the like. In this case, the hollow porous tube 6 disposed at the center is led out from the end of the hollow metal tube 2 at the outer periphery, and the gas supplied to the hollow porous tube 6 is not leaked to the outside. By sealing the porous portion at the portion protruding from the end of the tube 2, it can be made to function as a gas pipe to the cell 1, and the structure of the gas inlet can be simplified.
[0034]
On the other hand, by using a non-porous ordinary (non-porous) hollow metal tube (second hollow metal tube), only the necessary portion, that is, only the portion where the battery element is formed is made porous, and the battery element is made porous. Gas permeability can also be imparted to the portion, whereby the tube can function as a gas pipe without performing a sealing process at the protruding portion. When the battery element forming portion is made porous, for example, a large number of through holes of about 0.5 to 1 mm are previously formed in the battery element forming portion by machining such as a drill, or the cell body 1 is formed. A through hole or a fine hole can be formed by performing the same chemical etching treatment as that of the hollow metal tube 2 constituting the outer peripheral portion.
[0035]
Note that, similarly to the case of the hollow metal tube 2 constituting the outer shell of the cell body 1, the conductive hollow porous tube 6 can also serve as the fuel electrode.
[0036]
The method for producing a cell body for a tubular fuel cell according to the present invention is suitable for producing the cell body for a tubular fuel cell. First, a hollow metal tube constituting an outer shell of the cell body 1 for a tubular fuel cell 2 is prepared and, as shown in FIG. 2 (a), a part or the whole area of the hollow metal tube 2 is divided into half along the axial direction, and the inner surfaces of the half-tubes 2a and 2b are respectively provided. , An air electrode layer 3, an electrolyte layer 4, and a fuel electrode layer 5 are formed.
In order to form these electrode layers and electrolyte layers, sputtering, electron beam evaporation, plasma spraying, ion plating, flame spraying, plasma jet torch, EVD, CVD, etc. can be applied. The metal tube 2 has a smooth surface made of a normal metal (non-porous) and has no irregularities on its inner surface as much as a sintered body or a porous metal. It is possible to form a dense film having a thickness that is extremely difficult to form a film on a high-quality metal, for example, a micron-order thickness of about 5 μm. The performance is improved, and thermal distortion is reduced to prevent peeling and cracking.
[0037]
Next, as shown in FIG. 2 (b), the two halved pipes 2a and 2b on which the battery elements are respectively formed are abutted and joined to form a tubular shape again.
At this time, electrical conduction between the air electrode layer 3 and the fuel electrode layer 5 and between the fuel electrode layer 3 and the metal tube 2 formed on each of the two half pipes 2a and 2b should be prevented. Is required. Conversely, it is not always necessary to obtain electrical continuity between the fuel electrodes and the air electrodes formed in the two half pipes 2a and 2b, and even if these are insulated and joined, they have conductivity. In order to avoid conduction between the counter electrodes, electrical conduction between the fuel electrode layer 5 and the air electrode layer 3 or between the fuel electrode layer 5 and the half-split pipes 2a and 2b may be performed. It is preferable to join the two members 2a and 2b so that no occurrence occurs.
Therefore, the ends of the cell layers formed in the half pipes 2a and 2b have a stepped structure as shown in FIG. 3A, and the electrolyte layer 5 is more distant from the end than the air electrode layer 3. It is preferable that the electrolyte layers 4 be formed at the same position so that the electrode layers do not come into contact with each other when the half-split tubes 2a and 2b come into contact with each other. In addition, as shown in FIG. 3B, an insulating material 10 such as a ceramic adhesive or a glass sealing material can be inserted into the boundary, and it is desirable to adopt the insulating material 10 as necessary.
[0038]
Further, in order to join the half-split pipes 2a and 2b to form the original tubular shape, as shown in FIG. 3C, a method of brazing or diffusion bonding the mating surfaces of the two members 2a and 2b. Alternatively, as shown in FIG. 3D, a method of performing laser welding from the side surface after combining the two members 2a and 2b, or a method combining these methods can be adopted.
[0039]
Then, after joining the two halved pipes 2a and 2b to form the original tube, a through-hole or a plurality of through-holes is formed in a portion of the tube 2 where the cell layer (battery element) is formed. By forming a concave portion having a fine hole at the bottom thereof in an arbitrary pattern and imparting gas permeability to the tubular body 2, the tubular fuel cell unit 1 of the present invention is completed.
In forming the through-hole, it is desirable to perform a chemical etching process on the joined tube 2.
[0040]
That is, a resist material is applied to the outer peripheral portion of the joined hollow metal tube 2, and the resist is removed in a pattern of a through hole to be formed. It is not necessary to use a special material as the resist material, and a positive or negative resist may be used as long as the resist material can be removed in a pattern for forming a through hole. In addition, the resist material can be applied by, for example, closing both ends of the tubular body 2 and applying the resist material to the outer peripheral surface by a dipping method so that the resist material does not enter the inside of the hollow metal tubular body 2. It is not limited only to the method.
[0041]
In forming the pattern of the through-hole, a general photolithography can be used as in the case of forming the wiring pattern of the printed circuit board. Then, an etching solution such as, for example, an aqueous ferric chloride solution is sprayed onto the portion of the tube 2 that is opened in a desired pattern by spraying, and a through hole is formed.
At this time, the through-hole can be formed by immersing the metal tube body 2 having the pattern of the through-hole in an etching solution. However, there is a risk that poor etching may occur due to a variation in the concentration of the etching solution in the etching portion. Therefore, in general, a technique of spraying with a spray or the like is often used. However, it is not limited only to spraying. After completion of the etching, the remaining resist film is removed, and the formation of the through hole is completed.
[0042]
At the time of etching, an etching solution different from the above, for example, a surface roughening agent (for example, MEC) used for roughening the surface of the wiring in order to improve the adhesion between the wiring and the resin in the manufacturing process of the printed circuit board By using the trade name “Mech Nickel Roughener 1870 manufactured by Co., Ltd.”, a concave portion can be formed in an arbitrary pattern, and a large number of fine holes can be formed in the bottom portion.
[0043]
That is, if the through-hole for supplying gas to the electrode is large, the distance from the center to the hollow metal tube 2 functioning as a current collector becomes long, and the resistance in the surface direction of the electrode layer during current collection becomes large. Occurs, resulting in current collection loss. Therefore, in order to minimize the resistance component in the plane direction of the electrode layer, it is preferable that the through hole is small.
Generally, the size of a through hole formed in a member is related to the thickness of the member, and a thinner member allows a smaller hole to be formed. In other words, assuming that the aspect ratio of the through-hole is the same, the concave portion is formed in an arbitrary pattern as described above, and by forming the through-hole at the bottom thereof, as much as the thickness of the surrounding metal portion is reduced, Finer through holes (fine holes) can be formed.
[0044]
In order to dispose a conductive hollow porous tube 6 functioning as a current collector and a gas pipe in the center of the tubular fuel cell unit 1, as shown in FIG. Prior to the joining of the bodies 2a and 2b, the conductive hollow porous tube 6 is sandwiched between the two members 2a and 2b, and the two members 2a and 2b are joined together in this state.
[0045]
At this time, not only between the fuel electrode layer 5 and the air electrode layer 3 or between the fuel electrode layer 5 and the hollow metal tube 2 but also between the air electrode layer 3 and the hollow metal tube 2 and the inner hollow porous tube 6. In order to prevent electrical continuity, it is desirable that the end of the outer metal tube 2 be insulated with an insulating material 10 as shown in FIG.
[0046]
As the conductive hollow porous tube 6, as described above, a material such as nickel cermet, sintered metal, or foamed metal, which is entirely porous and has gas permeability, can be used. It is necessary to fill the fine holes at the ends with a resin or paste in advance so that the gas flowing in the tubes, for example, the reducing gas, leaks from the ends of the tube 6 and does not mix with the external oxidizing gas. It becomes.
[0047]
On the other hand, as the conductive hollow porous tube 6, an ordinary non-porous pipe material (a second hollow metal tube) made of a Ni-based alloy or a Ni—Cr alloy is used, and the electrode at the center is used. A through hole may be formed in advance only in a portion that comes into contact with the layer by machining with a drill or the like or by a chemical etching method.
In addition, before the pipe material is incorporated into the hollow metal tube 2, the etching process can be performed from either the inside or the outside of the pipe material. In addition, according to the chemical etching process, after the pipe material is incorporated into the hollow metal tube 2, the through-hole is formed by performing the etching process simultaneously with or before or after the outer hollow metal tube 2. It can also be formed.
[0048]
Further, as described above, in place of the conductive hollow porous tube 6, a short conductive pipe is disposed only at the end of the hollow metal tube 2 in a state of being in contact with the inner electrode layer. It is also possible to join the split pipes 2a and 2b so that the short pipe functions as a current collector and a gas pipe.
[0049]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically based on examples.
[0050]
(Example 1)
As the hollow metal tube 2, a SUS430 stainless steel (17% Cr) cylindrical material having an outer diameter of 5 mm, an inner diameter of 4.6 mm, and a length of 30 mm is used. And
[0051]
An SSC (Sm-Sr-Co-based composite oxide) was formed to a thickness of 5 μm at room temperature in a range of 24 mm at the center of the inner surface of each of the two semi-cylindrical members at room temperature by a sputtering method. did.
Subsequently, the film was heated to 700 ° C., and 8YSZ (8 mol% yttria-added stabilized zirconia) was formed to a thickness of 5 μm in a range of 30 mm in the central portion of the semi-cylindrical member on which the SSC as the air electrode layer 3 was formed. An electrolyte layer 4 was formed, and a NiO-8YSZ cermet was formed into a film having a thickness of 5 μm at room temperature using a sputtering method in a range of 28 mm at the center of the 8YSZ layer to form a fuel electrode layer 5.
[0052]
Next, the two semi-cylindrical members on which the electrode layer and the electrolyte layer were formed as described above were butted, and the butted portion was irradiated with a laser beam to weld the two members together to form the original cylindrical shape. During welding, the fuel electrode layer 5 and the air electrode layer 3 formed on the inner peripheral portion of the semi-cylindrical member, or the electrical conduction between the fuel electrode layer 5 and the semi-cylindrical member is not generated. The laminated structure of each layer at the joint end was shaped as shown in FIG.
[0053]
Then, a resist is applied to the outer peripheral surface of the cylindrical member (tube body) 2 having the battery element formed on the inner peripheral surface, and a large number of openings having a diameter of 0.2 mm are provided in a central portion of 24 mm, and the remaining portion is masked. In this state, a ferric chloride aqueous solution is sprayed, and a large number of through holes 7 having a diameter of about 0.2 mm are formed over the entire circumference of a central portion 24 mm of the cylindrical member 2 so as to impart gas permeability. As shown in FIGS. 5A and 5B, the cell body 1 for a tubular fuel cell is completed by supplying air (oxidizing gas) from the outer peripheral side to the air electrode layer 3 (SSC) inscribed in 2. I let it.
The fuel cell unit 1 operates by supplying a reducing gas inside the cylindrical member 2 and an oxidizing gas outside.
[0054]
(Example 2)
The same procedure as in the first embodiment except that a cylindrical material of the same size made of Inconel 601 (Ni + Co: 58 to 63%, Cr: 21 to 25%, Fe: Balance) was used as the hollow metal tube 2. The semi-cylindrical members on which the air electrode layer 3, the electrolyte layer 4, and the fuel electrode layer 5 were formed were similarly joined to form a cylindrical shape.
Then, in a state where a resist is applied to the outer peripheral surface of the cylindrical member 2 having the battery element formed on the inner peripheral surface, a large number of openings having a diameter of 0.5 mm are provided in a central portion of 24 mm, and the remaining portion is masked. A Mec Nickel roughener 1870 (trade name) manufactured by Mec Co., Ltd. is applied, and a concave portion 7a having a diameter of about 0.5 mm having a fine hole 7b at a bottom portion is provided over the entire circumference of a central portion 24 mm of the cylindrical member 2. Are formed so as to impart gas permeability and allow air to be supplied to the air electrode layer 3 (SSC) in the same manner, as shown in FIGS. 5 (a) and 5 (c). 1 was completed.
[0055]
(Example 3)
The conductive hollow porous tube 6 is made of NiO-8YSZ cermet and has an outer diameter of about 4 between the semi-cylindrical members on which the air electrode layer 3, the electrolyte layer 4, and the fuel electrode layer 5 are formed as in the first embodiment. A porous tube having a diameter of .58 mm x an inner diameter of 2 mm x a length of 30 mm was wrapped. In this state, the two semi-cylindrical members were joined by laser welding to form a cylindrical shape.
At this time, similarly to the above-described embodiment, electric conduction occurs between each fuel electrode layer 5 and the air electrode layer 3 formed on the inner peripheral portion of the semi-cylindrical member, or between the fuel electrode layer 5 and the semi-cylindrical member. In addition, the two semi-cylindrical members were joined so that electrical conduction did not occur between the air electrode 3 and the semi-cylindrical member and the central porous cermet tube 6. In the porous cermet tube 6, a paste is embedded in the micropores at both ends to prevent leakage of the reducing gas from the ends.
[0056]
Then, a resist is applied to the outer peripheral surface of the cylindrical member 2 located on the outer side, and a through hole having a diameter of about 0.2 mm is formed over the entire circumference of a central portion 20 mm of the cylindrical member 2 by the same method as in the first embodiment. A large number of holes 7 were formed to impart gas permeability, thereby completing a tubular fuel cell unit 1 as shown in FIGS. 6 (a) and 6 (b).
The fuel cell unit 1 operates by supplying a reducing gas into the inside of the porous cermet tube 6 and an oxidizing gas outside the cylindrical member 2, and the outer stainless steel cylindrical member 2 is supplied with air. It functions as an electrode current collector, and the inner porous cermet tube 6 functions as a fuel electrode current collector.
[0057]
(Example 4)
As in the second embodiment, the air electrode layer 3, the electrolyte layer 4, and the fuel electrode layer 5 are formed on the inner surfaces of the semi-cylindrical members made of Inconel 601, respectively. Then, 42 Alloy (Ni + Co : A cylindrical member 8 having an outer diameter of about 4.58 mm and a length of 10 mm made of 41 to 43%, Fe: Balance) is sandwiched such that its end protrudes from one end of the cylindrical member, and in this state, the two semi-cylindrical members Were joined by laser welding to form a cylindrical shape.
At this time, similarly to the third embodiment, each of the fuel electrode layer 5 and the air electrode layer 3, the space between the fuel electrode layer 5 and the semi-cylindrical member, and further, the respective air electrode 3 and the semi-cylindrical member and the central cylindrical member 8 so that no electrical conduction occurs.
[0058]
In the same manner as in the third embodiment, a large number of through-holes 7 having a diameter of about 0.2 mm are formed over the entire periphery of the central portion 20 mm of the cylindrical member 2 to impart gas permeability. The cell 1 for a tubular fuel cell as shown in FIGS. 7 (a) to 7 (c) was completed.
[0059]
In the fuel cell unit 1, as shown in FIG. 7A, a gas introduction pipe 11 made of, for example, SUS430 stainless steel is inserted from the opening side of the cylindrical member 2 located on the right side in the figure to reduce The gas is supplied to the inside of the cylindrical member 2 and is operated by supplying an oxidizing gas to the outside. The outer Inconel cylindrical member 2 functions as a current collector of the air electrode, and the inner 42Alloy cylindrical member 8 serves as a current collector. Functions as a current collector for the fuel electrode.
[0060]
(Example 5)
A semi-cylindrical member on which the air electrode layer 3, the electrolyte layer 4, and the fuel electrode layer 5 are formed in the same manner as in Example 3 except that the hollow metal tube 2 is made of the same size cylindrical material made of Inconel 601. With the porous tube 6 made of NiO-8YSZ cermet interposed therebetween, the two semi-cylindrical members were joined by laser welding to form a cylindrical shape.
[0061]
In the same manner as in the second embodiment, a large number of recesses 7a each having a diameter of about 0.5 mm and having a fine hole 7b at the bottom are formed over the entire circumference of the central portion 24mm of the cylindrical member 2 over the entire circumference. Permeability was imparted, and a tubular fuel cell unit 1 as shown in FIGS. 6A and 6B was completed.
[0062]
(Example 6)
The same operation as in Example 5 described above was repeated, except that a porous tube of the same size made of a Ni—Cr-based heat-resistant alloy was used as the conductive hollow porous tube 6 incorporated in the central portion of the cell body 1, As shown in FIGS. 8A and 8B, a tubular fuel cell in which a concave portion 7a having a diameter of about 0.5 mm having a fine hole 7b at the bottom is formed on the entire circumference of the central portion 24mm of the outer cylindrical member 2. Cell body 1 for use was obtained.
[0063]
(Example 7)
The same operation as in Example 5 was repeated to obtain a similar semi-cylindrical member on which the air electrode layer 3, the electrolyte layer 4, and the fuel electrode layer 5 were formed.
[0064]
Next, a large number of through-holes 7 (about 1 mm in diameter) are formed on the surface of a pipe material also made of Inconel 601 and having an outer diameter of about 4.58 mm × inner diameter of 2 mm × length of 30 mm to form a conductive hollow porous tube 6. did. That is, a resist is applied to the surface of the pipe material, and a large number of openings having a diameter of 1 mm are formed in a range of 26 mm in the central portion, and etching is performed by spraying an aqueous solution of ferric chloride with the remaining portion being masked. Then, a large number of the through holes 7 were formed on the entire periphery of the center of the pipe material.
[0065]
Then, the semi-cylindrical member is welded to the original cylindrical shape with the pipe member 6 having such a through-hole 7 interposed therebetween, and then similar to the fifth embodiment using the MEC nickel roughener 1870. As shown in FIGS. 9A and 9B, a concave portion having a diameter of about 0.5 mm and having a fine hole 7b at the bottom is provided over the entire circumference of the central portion 24 mm of the outer cylindrical member 2 as shown in FIGS. 7a was formed to obtain a cell 1 for a tubular fuel cell.
In this embodiment, an example is shown in which the through-hole 7 having a diameter of about 1 mm is formed by etching an Inconel pipe material, but the through-hole 7 can be formed by machining with a drill. 9A and 9B, a recess 7a having a diameter of about 0.5 mm and a fine hole 7b at the bottom shown in FIGS. 9A and 9B may be formed.
[0066]
(Example 8)
The same operation as in Example 5 was repeated to obtain a similar semi-cylindrical member on which the air electrode layer 3, the electrolyte layer 4, and the fuel electrode layer 5 were formed.
[0067]
Next, a pipe material (a second hollow metal tube) made of Inconel 601 and having an outer diameter of about 4.58 mm, an inner diameter of 2 mm, and a length of 30 mm was prepared and sandwiched between the semi-cylindrical members. In the above, both semi-cylindrical members were laser-welded to the original cylindrical shape.
[0068]
Then, the surface of the joined cylindrical member 2 is subjected to the same masking as that of the fifth embodiment, and the inner surface of both ends of the pipe member incorporated at the center is masked at 2 mm. 9A and 9B, the inner surface of the pipe was subjected to the same etching treatment as in Example 5 using Mech Nickel Roughener 1870, so that the central portion of the inner surface of the pipe material was 26 mm wide as shown in FIGS. 9A and 9C. A concave portion 7a is formed in the bottom portion, and a plurality of fine holes 7b are formed in the bottom portion to make the pipe member a conductive hollow porous tube 6. In addition, a bottom portion is formed all around the central portion 24mm of the outer cylindrical member 2. A large number of recesses 7a each having a diameter of about 0.5 mm and having fine holes 7b were formed, thereby completing the tubular fuel cell unit 1.
The formation of the concave portion 7a and the fine hole 7b (through hole) by etching the central pipe material may be performed before the cylindrical member 2 is incorporated.
[0069]
(Example 9)
FIG. 10A shows a structural example of a fuel cell stack including the tubular fuel cell body 1 according to the seventh embodiment, and a plurality of (three in the figure) fuel cell stacks are shown in the figure. The cell body 1 for a tubular fuel cell is provided, and these cell bodies 1 are in contact with the Ni-Cr-based heat-resistant alloy plate 12 in the outermost hollow cylindrical member 2 made of Inconel, and both ends of the heat-resistant alloy plate 12 are: Similarly, it is connected to a terminal rod 13 made of a Ni-Cr heat-resistant alloy.
[0070]
Then, the temperature is raised to the operating temperature while the terminal rod 13 is electrically connected between the Inconel pipe 6 serving as a conductive hollow porous tube located at the center of the cell body 1 and the fuel is injected into the Inconel pipe 6. By supplying a gas (for example, hydrogen) and supplying an oxidizing gas (for example, air) around the cell body 1, a current flows between the pipe 6 and the terminal rod 13. A desired current and voltage can be obtained by preparing a plurality of such fuel cell stacks and connecting them in parallel or in series with the terminal rod 13 as a positive terminal and the pipe 6 as a negative terminal.
[0071]
At this time, in the conventional cylindrical cell shown in FIG. 13, the cathode electrode 55 and the heat-resistant metal plate 56 for current collection are only partially in contact with each other. In the current collection from a certain electrode portion, current collection loss occurs due to the resistance in the surface direction of the cathode electrode 55, whereas in the cell body 1 of the present invention, as shown in FIG. Since the entire surface of the electrode 3 is in contact with the hollow cylindrical member 2 having conductivity, current collection from the entire surface of the electrode 3 is enabled, and only the resistance in the thickness direction of the electrode 3 is obtained. The current collection loss from the electrode portion located at a position distant from the plate 12 is also extremely small.
[0072]
(Example 10)
FIGS. 11A to 11C show another example of wiring between cells in a fuel cell stack including the tubular fuel cell body 1 according to the seventh embodiment. In the tenth embodiment, the single cells are connected in series, while the single cells are connected in parallel.
That is, in the tubular fuel cell unit 1, both the air electrode 3 and the fuel electrode 5 are in contact with the hollow cylindrical member 2 made of Inconel and the pipe 6, respectively, which are good electrical conductors. Since the wiring is possible, the cells can be freely arranged, and the cell bodies 1 can be easily wired in series as shown in FIG. 11, and a desired current and voltage can be obtained. .
[0073]
【The invention's effect】
As described above, the cell body for a tubular fuel cell of the present invention has a battery element formed on the inner peripheral surface of a hollow metal tube body having a through hole. No tensile stress is applied, and the heat resistance and thermal shock resistance are excellent. In addition, since the hollow metal tube functions as a current collector in contact with the entire surface of one of the electrode layers, the current collection loss is greatly reduced. This is an extremely excellent effect that the above-mentioned process can be performed. Further, by disposing a conductive hollow porous tube in contact with the other electrode layer at the center of the cell body, not only can the cell damage due to thermal stress be prevented more effectively, but also the conductive hollow porous tube can be prevented. The tube can function as a current collector for the gas pipe and the other electrode layer, so that the structure of the gas introduction portion can be simplified and the current collection loss can be reduced.
[0074]
Further, in the method for manufacturing a tubular fuel cell according to the present invention, since the battery element is formed on the inner peripheral surface of the hollow metal tube, the through-hole is formed by, for example, a chemical etching process. Since the electrode layer and the electrolyte layer are formed on a smooth surface, a dense and thin film can be formed, and a high-performance cell body having excellent heat resistance, thermal shock resistance, and low power generation loss can be obtained. .
[0075]
Furthermore, since the solid oxide fuel cell stack and the fuel cell of the present invention use the above-mentioned tubular fuel cell, the gas pipe and the gas seal structure are simple, and the heat resistance and the startability are excellent. Power generation loss is small.
[Brief description of the drawings]
1 (a) and 1 (b) are a cross-sectional view and a vertical cross-sectional view, respectively, showing the shape of a tubular fuel cell body according to the present invention.
FIGS. 2 (a) to 2 (c) are a perspective view and a cross-sectional view schematically illustrating a method for manufacturing a tubular fuel cell body according to the present invention.
3 (a) to 3 (d) are cross-sectional views for explaining a method of processing a joint end in the manufacturing method shown in FIG. 2;
FIG. 4 is a longitudinal sectional view showing an insulating structure at an end of the cell body for a tubular fuel cell of the present invention.
FIG. 5 is a transverse sectional view and a longitudinal sectional view showing the structure of the tubular fuel cell body according to the first and second embodiments of the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view and a vertical cross-sectional view showing a structure of a tubular fuel cell unit according to a third and a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a longitudinal sectional view and a transverse sectional view showing the structure of a tubular fuel cell unit according to a fourth embodiment of the present invention.
8A and 8B are a cross-sectional view and a vertical cross-sectional view illustrating a structure of a tubular fuel cell unit according to a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a transverse sectional view and a longitudinal sectional view showing the structure of a tubular fuel cell unit according to seventh and eighth embodiments of the present invention.
FIG. 10 is a schematic explanatory view showing a structural example of a fuel cell stack in which cell bodies for tubular fuel cells of the present invention are connected in parallel.
FIG. 11 is a schematic explanatory view showing a structural example of a fuel cell stack in which tubular fuel cell units of the present invention are connected in series.
12A and 12B are a cross-sectional view and a vertical cross-sectional view, respectively, showing the shape of a conventional cylindrical fuel cell.
FIG. 13 is a schematic explanatory view showing the structure of a fuel cell stack using the tubular fuel cell body shown in FIG.
[Explanation of symbols]
1 Cell body for tubular fuel cell
2 Hollow metal tube
3 Air electrode layer
4 Electrode layer recess
5 Fuel layer
6. Conductive hollow porous tube
7 Through hole
7a recess
7b micropore