JP2004318795A - 構造化データの受信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信側において構造化データの断片の一部または全部を必要に応じて能動的に取得・統合することを可能とする構造化データの受信方法を提供する。
【解決手段】複数の断片データと、前記各断片データを受信側で統合して木構造を有する構造化データを生成するための情報である前記各断片データに対応したそれぞれの断片構成情報とを受信する。前記断片構成情報は、前記各断片データから対応する前記断片データを識別する識別情報を有する参照情報と、前記対応する断片データの前記生成される構造化データにおける接続位置に関する位置情報とを含む。受信した前記各断片構成情報に含まれる前記位置情報と前記参照情報とに基づき、受信した前記断片データを統合して前記構造化データを生成する。
【選択図】 図4
【解決手段】複数の断片データと、前記各断片データを受信側で統合して木構造を有する構造化データを生成するための情報である前記各断片データに対応したそれぞれの断片構成情報とを受信する。前記断片構成情報は、前記各断片データから対応する前記断片データを識別する識別情報を有する参照情報と、前記対応する断片データの前記生成される構造化データにおける接続位置に関する位置情報とを含む。受信した前記各断片構成情報に含まれる前記位置情報と前記参照情報とに基づき、受信した前記断片データを統合して前記構造化データを生成する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチメディアコンテンツの内容を記述した構造化メタデータ等の構造化データの受信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディアコンテンツの内容を記述する枠組みの標準規格として、MPEG−7(ISO/IEC 15938)が規定されている。MPEG−7とは、マルチメディアコンテンツを時間的及び空間的に構造化し、マルチメディアコンテンツの内容を木構造を用いて記述する構造化メタデータの規格である。
【0003】
MPEG−7メタデータは、木構造で構造化されていることを特徴とし、XML(Extensible Markup Language)を用いてテキスト形式で記述する。MPEG−7メタデータにおけるXMLの要素及び属性のフォーマットは、XMLスキーマを用いて定義されている。
【0004】
MPEG−7規格は複数のパートで構成される。パート1のMPEG−7システム(ISO/IEC 15938−1)は、メタデータの伝送・蓄積のための枠組みや、メタデータの圧縮方法等を規定している。
【0005】
MPEG−7システムでは、MPEG−7メタデータを断片化して伝送する。受信側では、受信したメタデータの断片を逐次統合することにより、MPEG−7メタデータを動的に生成する。
【0006】
図23は、MPEG−7システムにおけるMPEG−7記述ストリームの構造を示す概念図である。MPEG−7記述ストリームは、デコーダ初期構成(DecoderInit)と、それに続く複数のアクセスユニット(Access Unit:AU)により構成される。デコーダ初期構成は、受信側のデコーダが動作するための各種初期設定を含む。アクセスユニットは、単一時間に処理する最小の処理単位であり、複数のフラグメント更新ユニット(Fragment Update Unit:FUU)により構成される。フラグメント更新ユニットは、メタデータの断片を伝送する単位であり、フラグメント更新コマンド(FU Command)、フラグメント更新コンテクスト(FU Context)、フラグメント更新ペイロード(FU Payload)より構成される。フラグメント更新コマンドは、断片の処理方法を示すコマンドであり、「追加(add)」、「置換(replace)」、「削除(delete)」、「リセット(reset)」の4種類のコマンドがある。フラグメント更新コンテクストは、受信側に生成されるメタデータツリーにおける、コマンドを適用すべきノードを示すパス情報である。フラグメント更新ペイロードは、メタデータの断片を格納する。
【0007】
フラグメント更新ユニットによるメタデータの動的な生成について、より詳しく説明する。図24は、フラグメント更新ユニットの「追加」コマンドによるメタデータツリーへの断片の追加を示す概念図である。図の右側は受信側に生成されるメタデータツリーであり、初期段階では、実線で描かれた部分が生成されていると仮定する(点線の部分は生成されていないと仮定する)。次に、図の左側のフラグメント更新ユニットを処理する。このフラグメント更新ユニットにおけるフラグメント更新コマンドは「追加」コマンドである。フラグメント更新コンテクストは受信側に生成されているメタデータツリー上のノードを指定し、フラグメント更新ペイロードはメタデータの断片を格納している。このフラグメント更新ユニットが処理されると、フラグメント更新コンテクストの指定するノードにフラグメント更新ペイロードの格納する断片が追加される。すなわち、図の右側の点線部分が生成される。
【0008】
送信側は、「追加」コマンドに加えて「置換」、「削除」、「リセット」コマンドを利用して、受信側に生成されるメタデータツリーを動的に更新することもできる。
【0009】
なお、以上のMPEG−7システムによるMPEG−7メタデータ伝送の枠組みは、伝送する対象をXMLスキーマを用いてフォーマットが定義されたXMLデータとしているため、MPEG−7メタデータのみならず、XMLスキーマを用いてフォーマットが定義されたあらゆるXMLデータ、すなわち構造化データの伝送に利用することができる。
【0010】
【非特許文献1】
規格番号: ISO/IEC 15938−1:2002
標題: Information technology −− Multimedia content description interface
−− Part 1: Systems
入手先: ISO (http://www.iso.ch/) または財団法人 日本規格協会 (http://www.jsa.or.jp/)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のMPEG−7システムによるMPEG−7メタデータの伝送方法によれば、送信側がMPEG−7メタデータを断片化して送信し、受信側のMPEG−7メタデータを動的に生成・更新することができる。また、伝送の対象はMPEG−7メタデータのみならず、XMLスキーマを用いてフォーマットが定義されたあらゆるXMLデータ、すなわち構造化データである。しかし、受信側が構造化データの断片の一部または全部を必要に応じて能動的に取得・統合したり、断片を取得・統合するタイミングを受信側が決定したりできないことが課題であった。
【0012】
そこで本発明は、構造化データを断片化して伝送・受信するシステムにおいて、送信側が受信側の構造化データを動的に生成・更新するだけでなく、受信側が構造化データの断片の一部または全部を必要に応じて能動的に取得・統合する、さらには、受信側が断片を取得・統合するタイミングを決定することを可能とするための構造化データの受信方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決するために本発明は、下記の構造化データの受信方法を提供するものである。
(1) 複数の断片データと、前記各断片データを受信側で統合して木構造を有する構造化データを生成するための情報である前記各断片データに対応したそれぞれの断片構成情報とを受信する構造化データの受信方法であって、
前記断片構成情報は、前記各断片データから対応する前記断片データを識別する識別情報を有する参照情報と、前記対応する断片データの前記生成される構造化データにおける接続位置に関する位置情報とを含むものであり、
受信した前記各断片構成情報に含まれる前記位置情報と前記参照情報とに基づき、受信した前記各断片データを統合して前記構造化データを生成することを特徴とする構造化データの受信方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
<基本構成>
本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの一実施例においては、元の構造化データ(例えばMPEG−7メタデータや、XMLスキーマを用いてフォーマットが定義されたXMLデータ等)を複数の断片に分割する、あるいは、構造化データとして統合されるべき複数の断片データを作成すると共に、それぞれの断片データに関して、元の構造化データ(あるいは、断片を統合して生成されるべき構造化データ)における断片データの位置を指定する位置情報と、断片データを指定する参照情報とを含む断片構成情報を作成するものである。この断片構成情報に含まれる参照情報は、少なくとも断片データの存在場所に関係する情報を有する断片データに関する参照情報である。参照情報に、断片データの内容等に関する情報をも記述し、ユーザーやアプリケーションが断片データを処理するための判断材料とするようにしてもよい。
【0015】
<受信/統合>
また、上記伝送・受信システムにおいては、断片構成情報に含まれる元の構造化データ(あるいは、断片を統合して生成されるべき構造化データ)における断片データの位置を指定する位置情報と、断片データを指定する参照情報とに基づき、断片データを構造化データ上に配置し、元の構造化データを再構成するものである。
<<第1実施例(参照のみ、放送)>>
<システム構成>
図1は、本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第1実施例を示す構成図である。本実施例では、送信者(テレビ局)がコンテンツデータ(番組)とそれに関する構造化されたメタデータ(構造化データ)を含むメタデータストリームを送信し、受信者(視聴者)がそれらを受信する。
【0016】
送信者は、コンテンツデータとそれに関するメタデータを作成する。コンテンツデータは、放送を介して受信者へ送信される。メタデータは複数の断片データに分割されると共に、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成される。断片データ及び断片構成情報を並べてメタデータストリームを作成し、放送を介して受信者へ送信する。受信者は、コンテンツデータ及びメタデータストリームを放送より受信し、メタデータストリームから断片データ及び断片構成情報を抽出し、断片データ及び断片構成情報よりメタデータを再構成する。再構成されたメタデータは、コンテンツデータの検索や視聴等に利用される。
【0017】
<メタデータ(XML)の説明>
本実施例で扱うメタデータは、MPEG−7メタデータ等の構造化されたメタデータ(構造化データ)であり、XMLを用いてテキスト形式で記述される。メタデータにおけるXMLの要素及び属性のフォーマットは、XMLスキーマを用いて定義される。
【0018】
<断片化処理>
図2は、本実施例における、メタデータの断片化処理の概略を示す図である。メタデータ(構造化データ)は複数の断片データに分割されるとともに、それぞれの断片データに断片データを一意に識別するIDが付加される。さらに、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成される。なお、メタデータを分割して断片データを生成する代わりに、統合して生成されるメタデータを想定して断片データを作成してもよい。
【0019】
<断片構成情報の構造>
図3は、本実施例の断片構成情報の構造を示す図である。断片構成情報は、位置情報と参照情報より構成される。位置情報は、XPath及びpositionにより構成され、それらを用いて、受信側に生成される構造化データにおける断片データの最上位ノードを配置すべき位置を指定する。参照情報は、ID参照、要素名、及び要素タイプにより構成される。ID参照は、断片データに付加されたIDを用いて断片データを指定する。要素名は、断片データの最上位ノードのXMLにおける要素名を記述する。要素タイプは、断片データの最上位ノードのXMLスキーマにおける要素タイプ名を記述する。
【0020】
<位置情報の説明>
次に、位置情報における、XPath及びpositionを用いた位置指定方法について説明する。XPathは、XMLパス言語(XPath)を用いて、受信側に生成される構造化データにおける特定のノードを指定する。positionは、その値として“prevSibling”あるいは“lastChild”のいずれかの値をとる。positionの値が“prevSibling”であるとき、位置情報によって指定されるノードは、XPathで指定されるノードの直前の兄弟ノードとなる。positionの値が“lastChild”であるとき、位置情報によって指定されるノードは、XPathで指定されるノードの最後の子ノードとなる。
【0021】
<位置情報の具体例>
つぎに、位置情報の指定方法について、具体例を用いて詳細に説明する。
【0022】
図4は、あるノードの最初の子ノードを指定する場合の位置情報の指定方法の例である。断片データの最上位ノード‘d’を構造化データにおけるノード‘a’の最初の子ノードとして配置する場合、XPathでノード‘a’の現在の最初の子ノードであるノード‘b’を指定し、positionの値を“prevSibling”とする。すると、断片データの最上位ノード‘d’はノード‘b’の直前の兄弟ノード、すなわちノード‘a’の最初の子ノードとして配置される。
【0023】
図5は、あるノードの最初及び最後以外の子ノードを指定する場合の位置情報の指定方法の例である。断片データの最上位ノード‘d’を構造化データにおけるノード‘a’の最初及び最後以外の子ノードとして配置する場合、XPathでノード‘a’の子ノード‘c’を指定し、positionの値を“prevSibling”とする。すると、断片データの最上位ノード‘d’はノード‘c’の直前の兄弟ノード、すなわちノード‘a’の子ノードとして配置される。
【0024】
図6は、あるノードの最後の子ノードを指定する場合の位置情報の指定方法の例である。断片データの最上位ノード‘d’を構造化データにおけるノード‘a’の最後の子ノードとして配置する場合、XPathでノード‘a’を指定し、positionの値を“lastChild”とする。すると、断片データの最上位ノード‘d’はノード‘a’の最後の子ノードとして配置される。
【0025】
図7は、子ノードを持たないノードの子ノードを指定する場合の位置情報の指定方法の例である。断片データの最上位ノード‘d’を構造化データにおけるノード‘b’の子ノードとして配置する場合、XPathでノード‘b’を指定し、positionの値を“lastChild”とする。すると、断片データの最上位ノード‘d’はノード‘b’の子ノードとして配置される。
【0026】
<断片構成情報のバイナリエンコード>
なお、本実施例の断片構成情報は、含まれる情報を適当な手段を用いてバイナリデータに変換し、バイナリデータとして表現してもよい。
【0027】
<送信>
次に、本実施例の送信者における、コンテンツデータ及びメタデータの送信方法について説明する。
【0028】
送信者は、複数の断片データ、及びそれらに対応する断片構成情報を適当な順番で並べ、メタデータストリームを作成する。断片データと断片構成情報を並べる順番は、断片データと断片構成情報を混合して並べてもよいし、初めに全ての断片構成情報を並べ、次に全ての断片データを並べてもよい。ただし、断片データ同士は任意の順番に並べてよいが、断片構成情報同士は、それらに含まれる位置情報の示す構造化データにおけるノードに関して、深さ優先順あるいは幅優先順に並べなければならない。
【0029】
図8は、送信者における、コンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成図である。
【0030】
コンテンツデータ記憶部はコンテンツデータを記憶し、メタデータストリーム記憶部は前述のメタデータストリームを記憶している。
【0031】
コンテンツデータ送信制御部は、あらかじめ決められたスケジュールに従ってコンテンツデータをコンテンツデータ記憶部より入力し、多重化部へ出力する。
【0032】
メタデータストリーム送信制御部は、メタデータストリームをカルーセル伝送するために、あらかじめ決められたカルーセル伝送の頻度や周期に基づいてメタデータストリーム記憶部よりメタデータストリームを入力し、多重化部へ出力する。
【0033】
多重化部は、コンテンツデータ送信制御部より入力されるコンテンツデータ、及びメタデータストリーム送信制御部より入力されるメタデータストリームとを多重化し、多重化ストリームを放送へ出力する。
【0034】
<受信>
図9は、受信者における、コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【0035】
分離部は、放送より入力される多重化ストリームをコンテンツデータとメタデータストリームとに分離し、コンテンツデータをユーザーまたはアプリケーションへ出力し、メタデータストリームをメタデータストリーム分離部へ出力する。
【0036】
メタデータストリーム分離部は、分離部より入力されるメタデータストリームを断片データと断片構成情報とに分離し、断片データを断片データ一時記憶部へ出力し、断片構成情報をメタデータ統合部へ出力する。
【0037】
断片データ一時記憶部は、例えばメモリ等で構成され、メタデータストリーム分離部より入力される断片データを一時的に記憶する。メタデータ統合部より断片データのIDのリストを要求された場合には、記憶している断片データのIDのリストをメタデータ統合部へ出力する。メタデータ統合部より断片データのIDと共にIDによって特定される断片データを要求された場合には、そのIDによって特定される断片データをメタデータ統合部へ出力すると共に、その断片データをメモリから消去する。
【0038】
メタデータ統合部は、メタデータストリーム分離部より入力される断片構成情報を、後述の断片構成情報の処理方法に従って処理し、断片構成情報、あるいは断片構成情報に含まれる参照情報をメタデータ記憶部に記憶されているメタデータ(構造化データ)に付加する。また、ユーザーまたはアプリケーションからメタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおける参照情報の解決を指示された場合には、後述の参照情報の処理方法に従って、断片データ一時記憶部から断片データを取得してメタデータに付加すると共に、関連する断片構成情報を処理する。
【0039】
メタデータ記憶部は、メタデータを記憶するための記憶媒体であり、メタデータ統合部がデータの書き込み及び読み取りを行う。また、ユーザーまたはアプリケーションからデータを読み取ることもできる。
【0040】
ユーザーまたはアプリケーションは、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおけるの任意の参照情報について、その参照先の断片データが必要であれば、その参照情報の解決をメタデータ統合部に指示する。さらに、参照情報を解決して得られたメタデータをメタデータ記憶部から読み取り、それに含まれる任意の参照情報について、その参照先の断片データが必要であれば、メタデータ統合部への参照情報の解決の指示を繰り返し行う。必要な断片データを参照する参照情報がなければ、最終的に得られたメタデータをそれぞれの用途に使用する。
【0041】
<断片構成情報の処理方法>
次に、断片構成情報の処理方法について説明する。まず、断片構成情報より位置情報と参照情報を抽出する。位置情報に含まれるXPathの指定するノードがメタデータ記憶部に記憶されている構造化データ(メタデータ)上に存在する場合には、位置情報(XPath及びposition)が指定する位置に参照情報を付加する。ただし、その際に、構造化データ上に存在する参照情報は、参照情報に含まれる要素名を持つ要素として扱う。位置情報に含まれるXPathの指定するノードがメタデータ記憶部に記憶されている構造化データ上に存在しない場合には、構造化データをXPathに従ってルートノードから可能な限り辿ったときの最後のノード(このノードは参照情報となるはずである。)の最後の子ノードとして断片構成情報を付加する。
【0042】
断片構成情報の処理方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0043】
図10は、断片構成情報の処理方法について、位置情報に含まれるXPathの指定するノードが構造化データ上に存在する場合の例である。XPathはノード121を指定しており、positionの値は“lastChild”である。これは断片データの最上位ノードをノード122の位置に配置するべきであることを意味し、参照情報をノード122の位置に付加する。
【0044】
図11は、断片構成情報の処理方法について、位置情報に含まれるXPathが構造化データ上の参照情報を指定している場合の例である。ノード131の位置に存在する参照情報には、ノード131の位置に配置されるべき断片データの最上位ノードの要素名‘b’が含まれているので、XPathがノード131を指定することがわかる。さらに、positionの値は“lastChild”であるので、参照情報をノード132の位置に付加する。
【0045】
図12は、断片構成情報の処理方法について、位置情報に含まれるXPathの指定するノードが構造化データ上に存在しない場合の例である。ノード141の位置には参照情報が存在するので、ノード141の位置に配置すべき断片データの最上位ノードの要素名が分かる。しかし、XPathはノード141の位置を指定しているので、XPathに従って構造化データをルートノードから辿るとノード141までは辿れるが、それ以降を辿ることはできない。従って、断片構成情報をノード141の位置に存在する参照情報の最後の子ノードとして追加する。
【0046】
<参照情報の解決方法>
次に、参照情報の解決方法について説明する。参照情報の解決は、参照情報に含まれるIDによって指定される断片データを取得し、参照情報を削除し、参照情報があった位置にその断片データを付加する。ただし、参照情報がその子ノードとして断片構成情報を(1つあるいは複数)持つ場合には、断片データを付加した後に、前述の断片構成情報の処理方法に従って断片構成情報を(複数の場合は前から順番に)処理する。
【0047】
<断片データの要否の判断方法>
断片データの要否の判断は、参照情報に含まれる要素タイプを基準として行う。構造化データにおけるXMLの要素及び属性のフォーマットはXMLスキーマを用いて定義されており、参照情報に含まれる要素タイプは参照する断片データの最上位ノードのXMLスキーマにおける要素タイプであるので、XMLスキーマによる構造化データのフォーマット定義を解釈すれば、要素タイプから断片データの大まかな内容を知ることができる。ユーザーまたはアプリケーションは、その大まかな内容によって断片データの要否を判断する。
<<第2実施例(参照のみ、放送とインターネット)>>
<システム構成>
図13は、本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第2実施例の構成図である。本実施例では、図1の第1実施例のシステム構成と同様に、送信者がコンテンツデータとメタデータストリームを放送を介して送信し、受信者がそれらを受信する。さらに、送信者は断片データの一部をインターネットに接続されたデータベースに格納し、受信者はインターネット経由でデータベースから断片データを取得する。
【0048】
送信者は、コンテンツデータとそれに関するメタデータ(構造化データ)を作成する。コンテンツデータは、放送を介して受信者へ送信される。メタデータは複数の断片データに分割されると共に、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成される。一部の断片データ及び全ての断片構成情報からメタデータストリームが作成され、放送を介して受信者へ送信されるとともに、残りの断片データがデータベースに格納される。受信者は、コンテンツデータ及びメタデータストリームを放送より受信し、メタデータストリームより断片データ及び断片構成情報を抽出し、さらにインターネット経由でデータベースから断片データを取得し、断片データ及び断片構成情報よりメタデータを再構成する。再構成されたメタデータは、コンテンツデータの検索や視聴等に利用される。
【0049】
<メタデータ(XML)の説明>
本実施例におけるメタデータは、第1実施例におけるメタデータと同じである。
【0050】
<断片化処理>
本実施例における断片化処理の方法は、第1実施例における断片化処理の方法と同じである。ただし、放送を介して送信する断片データには断片データを一意に識別するIDを付加し、データベースに格納する断片データは断片データ毎に一意のファイル名を付加してファイル形式でデータベースに格納する。データベースに格納された断片データがインターネットからURI(Uniform Resource Identifier)で参照できるようにデータベースを構築する。
【0051】
<断片構成情報の構造>
本実施例における断片構成情報の構造は、対応する断片データが放送を介して伝送される場合には、第1実施例における断片構成情報の構造と同じであり、その概要は図3に示される通りである。一方、対応する断片データがインターネットに接続されたデータベースに格納される場合には、それに対する断片構成情報の構造を図14に示すとおり、図3におけるID参照の代わりに参照情報にURI参照が含まれ、URIによって断片データを指定する。
【0052】
<放送での送信>
本実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータストリームの送信方法は、第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータストリームの送信方法と同じである。ただし、メタデータストリームには一部の断片データのみが含まる。
【0053】
<インターネットでの送信>
放送で送信されない一部の断片データは、前述の通りインターネットに接続されたデータベースに格納される。データベースは、インターネットに接続された受信者からURIと共に断片データファイルの取得が要求されると、そのURIに対応する断片データファイルを受信者へ送信する。
【0054】
<受信>
図15は、受信者における、コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【0055】
図15のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図における分離部、メタデータストリーム分離部、断片データ一時記憶部、メタデータ記憶部、及びユーザーまたはアプリケーションの構成及び動作は、図9の第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図におけるそれぞれの構成及び動作と同じである。
【0056】
メタデータ統合部の構成及び動作は、図9の第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図におけるメタデータ統合部の動作及び構成と同じである。ただし、参照情報を解決する際に、参照情報がID参照で断片データを指定している場合は、第1実施例と同様に断片データ一時記憶部より断片データを取得し、参照情報がURI参照で断片データを指定している場合は、URIで特定される断片データの受信を断片データ受信部に指示して断片データ受信部から断片データを取得する。
【0057】
断片データ受信部は、メタデータ統合部よりURIで特定される断片データの受信の指示があると、URIと共にそのURIで特定される断片データをインターネット経由でデータベースに要求し、データベースから送信される断片データを受信し、受信した断片データをメタデータ統合部へ出力する。
<<第3実施例(参照のみ、インターネット)>>
<システム構成>
図16は、本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第3実施例の構成図である。本実施例では、送信者(コンテンツプロバイダー)がコンテンツデータ(ビデオ、オーディオ等)とそれに関する構造化されたメタデータ(構造化データ)をインターネットに接続したデータベースに格納し、受信者(ユーザー)がインターネット経由でデータベースからそれらのデータを取得する。
【0058】
送信者は、コンテンツデータとそれに関するメタデータを作成する。コンテンツデータは、データベースに格納される。メタデータは複数の断片データに分割されると共に、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成され、断片データ及び断片構成情報がデータベースに格納される。受信者は、コンテンツデータ、断片データ、及び断片構成情報をインターネット経由でデータベースから取得し、断片データ及び断片構成情報よりメタデータを再構成する。再構成されたメタデータは、コンテンツデータの検索や視聴等に利用される。
【0059】
<メタデータ(XML)の説明>
本実施例におけるメタデータは、第1実施例におけるメタデータと同じである。
【0060】
<断片化処理>
本実施例における断片化処理の方法は、第1実施例における断片化処理の方法と同じである。ただし、断片データにIDは付加しない。また、断片データには一意のファイル名を付加して、ファイル形式でデータベースに格納する。データベースに格納された断片データは、インターネットからURIで参照できる。また、断片構成情報は、全ての断片構成情報をそれらに含まれる位置情報の指定する構造化データにおけるノードに関して、深さ優先順あるいは幅優先順に並べて断片構成情報ストリームを構成し、その断片構成情報ストリームをデータベースに格納する。
【0061】
<断片構成情報の構造>
本実施例における断片構成情報の構造は、図14の第2実施例における対応する断片データがインターネットに接続されたデータベースに格納される場合の断片構成情報の構造と同じである。
【0062】
<インターネットでの送信>
コンテンツデータ、断片データ、及び断片構成情報は、前述の通りインターネットに接続されたデータベースに格納される。データベースは、インターネットに接続された受信者からURIと共にコンテンツデータ、断片データ、あるいは断片構成情報のファイルの取得が要求されると、そのURIに対応するファイルを受信者へ送信する。
【0063】
<受信>
図17は、受信者における、コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【0064】
データ受信部は、ユーザーまたはアプリケーションより、コンテンツデータのURIと共にそのURIに対応するコンテンツデータの取得を指示されると、そのURIに対応するコンテンツデータをインターネット経由でデータベースに要求し、データベースが送信するそのURIに対応するコンテンツデータを受信し、受信したコンテンツデータをユーザーまたはアプリケーションへ出力する。また、メタデータ統合部より、断片構成情報ストリーム、あるいは断片データのURIと共にそのURIに対応する断片データの取得を指示されると、断片構成情報ストリーム、あるいはURIに対応する断片データをインターネット経由でデータベースに要求し、データベースが送信する断片構成情報ストリーム、あるいはURIに対応する断片データを受信し、受信した断片構成情報ストリーム、あるいはURIに対応する断片データをメタデータ統合部へ出力する。
【0065】
メタデータ統合部は、初めに断片構成情報ストリームの取得をデータ受信部へ指示し、データ受信部より入力される断片構成情報ストリームに含まれる断片構成情報を順に処理する。断片構成情報の処理方法は、第1実施例の断片構成情報の処理方法と同じである。また、ユーザーまたはアプリケーションからメタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおける参照情報の解決を指示された場合には、参照情報の処理方法に従って、参照情報に含まれるURIに対応する断片データの取得をデータ受信部へ指示し、データ受信部より入力される断片データをメタデータに付加すると共に、関連する断片構成情報を処理する。なお、参照情報の処理方法は、第1実施例の参照情報の処理方法と同じである。
【0066】
メタデータ記憶部の構成及び動作は、図9の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図におけるメタデータ記憶部の構成及び動作と同じである。
【0067】
ユーザーまたはアプリケーションの構成及び動作は、図9の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図におけるユーザーまたはアプリケーションの構成及び動作と同じである。ただし、コンテンツデータが必要な場合には、コンテンツデータのURIと共にそのURIに対応するコンテンツデータの取得をデータ受信部へ指示し、データ受信部よりコンテンツデータを入力する。
<<第4実施例(参照とコマンド、放送)>>
<システム構成>
本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第4実施例は、MPEG−7システムを利用した送信側によるメタデータの動的な生成・更新と、本発明の断片構成情報を利用した受信側による断片データの能動的な取得・統合とを同時に実現するものである。
【0068】
本実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成は、図1の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成と同じである。ただし、メタデータストリームの構造が異なる。
【0069】
<メタデータストリーム>
本実施例におけるメタデータストリームは、図23のMPEG−7システムにおけるMPEG−7記述ストリームを拡張したものである。本実施例のメタデータストリームは、デコーダ初期構成と、それに続く複数のアクセスユニットにより構成される。アクセスユニットは、複数のフラグメント更新ユニットにより構成される。ただし、本実施例では、MPEG−7システムにおけるフラグメント更新ユニットと同一の構造を持つフラグメント更新ユニット(1)の他に、断片構成情報を伝送するためのフラグメント更新ユニット(2)、及び断片データのみを含むフラグメント更新ユニット(3)を用いる。図18は、フラグメント更新ユニット(2)の構成図である。フラグメント更新ユニット(2)は、フラグメント更新コマンド、フラグメント更新コンテクスト、及び参照情報より構成される。MPEG−7システムにおけるフラグメント更新コンテクストは、本発明の断片構成情報に含まれる位置情報と同じ構造を持つものであり、フラグメント更新コンテクストと参照情報により断片構成情報を構成する。
【0070】
<断片化処理>
図19は、本実施例における、メタデータ(構造化データ)の断片化処理とメタデータストリーム作成の概略を示す図である。メタデータは複数の断片データに分割される。それぞれの断片データについて、フラグメント更新コマンド(ここでは「追加」コマンドを用いる)とフラグメント更新コンテクスト(位置情報)を付加してフラグメント更新ユニット(1)を作成するか(断片データがフラグメント更新ペイロードとなる)、あるいは、第1実施例における断片化処理と同様に断片構成情報を作成し、それにフラグメント更新コマンド(ここでは「追加」コマンドを用いる)を付加したフラグメント更新ユニット(2)と、断片データのみを含むフラグメント更新ユニット(3)とを作成する。便宜的に、フラグメント更新ユニット(3)に含まれる断片データを第1断片データ、フラグメント更新ユニット(1)に含まれる断片データを第2断片データとする。
【0071】
なお、メタデータを分割して断片データを作成する代わりに、統合して生成されるメタデータを想定して断片データを作成し、フラグメント更新ユニット(1)、またはフラグメント更新ユニット(2)とフラグメント更新ユニット(3)を作成してもよい。さらに、フラグメント更新コマンドに「置換」コマンド、「削除」コマンドや「リセット」コマンドを採用し、受信側の構造化メタデータツリーを動的に更新するようにしてもよい。以上の処理で作成されたフラグメント更新ユニット(1)、フラグメント更新ユニット(2)、及びフラグメント更新ユニット(3)を適当な数だけ並べてアクセスユニットを作成し、さらにアクセスユニットを並べ、先頭にデコーダ初期構成を付加してメタデータストリームを作成する。
【0072】
<送信>
本実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成は、図8の第1実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成と同じである。
【0073】
<受信>
本実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成は、図9の第1実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成と同じである。ただし、メタデータストリーム分離部及びメタデータ統合部の動作が異なる。
【0074】
メタデータストリーム分離部は、分離部より入力されるメタデータストリームをフラグメント更新ユニット(1)、フラグメント更新ユニット(2)、及びフラグメント更新ユニット(3)に分離し、フラグメント更新ユニット(1)及びフラグメント更新ユニット(2)をメタデータ統合部へ出力し、フラグメント更新ユニット(3)より断片データを抽出し、その断片データを断片データ一時記憶部へ出力する。
【0075】
メタデータ統合部は、メタデータストリーム分離部より入力されるフラグメント更新ユニット(1)を解釈し、フラグメント更新コマンドが「追加」コマンドの場合には、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおけるフラグメント更新コンテクストが指定する位置にフラグメント更新ペイロードに含まれる(フラグメント更新ユニット(1)に含まれる)断片データを付加し、フラグメント更新コマンドが「置換」コマンドの場合には、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおけるフラグメント更新コンテクストが指定する位置以下の部分データとフラグメント更新ペイロードに含まれる断片データとを置換し、フラグメント更新コマンドが「削除」コマンドの場合には、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおけるフラグメント更新コンテクストが指定する位置以下の部分データを削除し、フラグメント更新コマンドが「リセット」コマンドの場合には、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータを予め定められた初期状態に戻す。ただし、以上の処理において、メタデータにおけるフラグメント更新コンテクストが指定する位置のノードが存在しない場合は、そのノードを含む断片データが取得されるまでメタデータ上の対応する上位の参照情報の解決を続ける。参照情報の解決方法は、第1実施例における参照情報の解決方法と同じである。
【0076】
また、メタデータ統合部は、メタデータストリーム分離部より入力されるフラグメント更新ユニット(2)からフラグメント更新コマンドと断片構成情報(フラグメント構成コンテクスト、すなわち位置情報と、参照情報)を抽出し、フラグメント更新コマンドについては上記と同様に処理し、断片構成情報については第1実施例の断片構成情報の処理方法と同様の方法で処理する。
【0077】
また、メタデータ統合部は、ユーザーまたはアプリケーションからメタデータ記憶部に記憶されている構造化メタデータツリー上の参照情報の解決を指示された場合には、第1実施例における参照情報の解決方法と同様の方法でその参照情報を解決する。
<<第5実施例(参照とコマンド、放送とインターネット)>>
<システム構成>
本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第5実施例は、MPEG−7システムを利用した送信側によるメタデータの動的な生成・更新と、本発明の断片構成情報を利用した受信側による断片データの能動的な取得・統合とを同時に実現するものである。
【0078】
本実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成は、図13の第2実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成と同じである。ただし、メタデータストリームの構造が異なる。
【0079】
<メタデータストリーム>
本実施例におけるメタデータストリームの構造は、第4実施例のメタデータストリームの構造と同じである。ただし、第2実施例と同様に、一部の断片データはメタデータストリームに含めずに、インターネットに接続されたデータベースに格納する。
【0080】
<送信>
本実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成は、図13の第2実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成と同じである。
【0081】
<受信>
本実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成は、図15の第2実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成と同じである。ただし、メタデータストリーム分離部及びメタデータ統合部の動作が異なる。
【0082】
メタデータストリーム分離部の動作は、第4実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置のメタデータストリーム分離部の動作と同じである。
【0083】
メタデータ統合部の動作は、第4実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置のメタデータ統合部の動作と同じである。ただし、参照情報を解決する際に、参照情報がID参照で断片データを指定している場合は、第4実施例と同様に断片データ一時記憶部より断片データを取得し、参照情報がURI参照で断片データを指定している場合は、URIで特定される断片データの受信を断片データ受信部に指示して断片データ受信部から断片データを取得する。
<<受信プログラムによる受信装置の実現>>
ここで、上述した各実施例における受信装置を、コンピュータ上に実現させるための構造化データ受信プログラムを、第2実施例を取り上げて具体的に説明する。
【0084】
<受信システム>
図20に示すように第2実施例においては、コンピュータは、放送よりコンテンツデータ及びメタデータストリームを受信すると共に、インターネットを介してデータベースから断片データを受信する。さらに、メタデータストリーム及び断片データよりメタデータを再構成し、内部の記憶装置に記憶する。ユーザーは、コンピュータを操作することにより、メタデータを利用してコンテンツの検索を行ったり、コンテンツの視聴と同時にメタデータを表示したりする。
【0085】
<処理の流れ>
図21はコンピュータの構成図であり、図22は、そのコンピュータで実行される処理の流れである。
【0086】
まず、中央処理装置は、メインメモリ中の制御プログラム(構造化データ受信プログラム)の指令を受け、放送受信装置より入力される多重化ストリームより断片構成情報をコンテンツデータとメタデータストリームとに分離し、さらにメタデータストリームを断片データと断片構成情報とに分離し、分離される断片構成情報を順に処理する。その際、並行して分離されるコンテンツデータ及び断片データは、記憶装置に記憶する。
【0087】
断片構成情報の処理方法は、第2実施例における断片構成情報の処理方法と同じである。ただし、メタデータは記憶装置上に作成する。
【0088】
次に、中央処理装置は、全ての断片構成情報を処理していなければ、引き続き断片構成情報の処理を行い、全ての断片構成情報を処理していれば、入力装置より入力されるユーザーの指示を待つ。
【0089】
ユーザーより指示が入力されると、中央処理装置は、その指示がメタデータの出力であれば、出力装置へメタデータを出力する。ユーザーからの指示が参照情報の解決であれば、記憶装置に記憶されているメタデータにおけるユーザーより指示された参照情報を解決する。参照情報の解決方法は、第2実施例における参照情報の解決方法と同じである。ただし、参照情報の参照する断片データが放送で伝送されるメタデータストリームに含まれるものであれば、記憶装置に記憶されている断片データから該当のものを取得し、参照情報の参照する断片データがインターネットに接続されたデータベースに格納されているものであれば、インターネット通信装置によってデータベースから該当する断片データを取得する。ユーザーからの指示が終了であれば、処理を終了する。
【0090】
第2実施例以外の実施例における受信装置も同様にして構造化データ受信プログラムによってコンピュータ上に実現可能である。
【0091】
<その他>
なお、構造化データ受信プログラムは、これらを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワーク等を介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
<<第6実施例(参照の対象がストリームの場合)>>
<システム構成>
本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第6実施例は、断片構成情報における参照情報の参照する対象が断片データだけでなく他のメタデータストリームをも含み、メタデータ(構造化データ)の複数ストリームによる伝送、及び受信側による複数ストリームの再帰的な受信処理を実現するものである。
【0092】
本実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成は、図1の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成と同じである。ただし、断片化処理、送信方法、及び受信方法が異なる。
【0093】
<断片化処理>
図25は、本実施例における、メタデータの断片化処理の概略を示す図である。メタデータ(構造化データ)は複数の断片データに分割されるとともに、それぞれの断片データに断片データを一意に識別するIDが付加され、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成される。さらに、生成された断片化データに対して同様の断片化処理を行い、さらに小さな断片データに分割してもよい。2段目の断片化処理で生成された断片化データにさらに断片化処理を行う等、断片化処理は再帰的に何段でも繰り返してよい。このとき、2段目以降の断片化処理で作成される断片構成情報に含まれる位置情報は、元のメタデータ(構造化データ)における位置を示す情報ではなく、その断片化処理の対象の構造化データにおける位置を示す情報とする。なお、メタデータを分割して断片データを生成する代わりに、統合して生成されるメタデータを想定して断片データを作成してもよい。
【0094】
<送信>
本実施例の送信者における、コンテンツデータ及びメタデータの送信装置の構成は、図8の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータの送信装置の構成と同じである。ただし、メタデータストリームの構成方法が異なる。
【0095】
送信者は、複数の断片データ、及びそれらに対応する断片構成情報を適当な順番で並べ、メタデータストリームを作成する。ただし、再帰的に繰り返した断片化処理ごとに独立した複数のメタデータストリームを作成する。ある断片化処理に対応するメタデータストリームに含まれる情報は、その断片化処理で生成された断片化データのうち再帰的に断片化処理が行われなかった全ての断片化データと、全ての断片構成情報である。さらに、メタデータストリームに、それに対応する断片化処理の対象の断片データに付加されていたIDを付加する。ただし、最上位のメタデータストリームには、最上位のメタデータストリームであることを示すIDを付加する。
【0096】
<受信>
図26は、受信者における、コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【0097】
コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図における分離部、メタデータ記憶部、及びユーザーまたはアプリケーションの構成及び動作は、図9の第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図それぞれの構成及び動作と同じである。
【0098】
メタデータストリーム分離部は、分離部より入力される複数のメタデータストリームのうち、最上位のメタデータストリームを断片データと断片構成情報とに分離し、断片データを断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部へ出力し、断片構成情報をメタデータ統合部へ出力する。さらに、最上位のメタデータストリーム以外の全てのストリームをそのまま断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部へ出力する。
【0099】
断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部は、例えばメモリ等で構成され、メタデータストリーム分離部より入力される断片データ及びメタデータストリーム、及び、断片データ及びメタデータストリーム分離部より入力される断片データを一時的に記憶する。メタデータ統合部より断片データ及びメタデータストリームのIDのリストを要求された場合には、記憶している断片データ及びメタデータストリームのIDのリストをメタデータ統合部へ出力する。断片データ及びメタデータストリーム分離部より断片データまたはメタデータストリームのIDと共にIDによって特定される断片データまたはメタデータストリームを要求された場合には、そのIDによって特定される断片データまたはメタデータストリームを断片データ及びメタデータストリーム分離部へ出力すると共に、その断片データまたはメタデータストリームをメモリから消去する。
【0100】
断片データ及びメタデータストリーム分離部は、メタデータ統合部より断片データまたはメタデータストリームのIDと共にIDによって特定される断片データまたはメタデータストリームを要求された場合には、そのIDによって特定される断片データまたはメタデータストリームを断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部に要求し、断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部より出力される断片データまたはメタデータストリームを入力する。さらに、入力されたデータが断片データである場合には、その断片データをメタデータ統合部へ出力する。入力されたデータがメタデータストリームである場合には、そのメタデータストリームを(複数の)断片データと(複数の)断片構成情報とに分離し、断片データを断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部へ出力し、断片構成情報をメタデータ統合部へ出力する。
【0101】
メタデータ統合部は、メタデータストリーム分離部より入力される断片構成情報を、第1実施例における断片構成情報の処理方法と同様の方法で処理し、断片構成情報、あるいは断片構成情報に含まれる参照情報をメタデータ記憶部に記憶されているメタデータ(構造化データ)に付加する。また、ユーザーまたはアプリケーションからメタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおける参照情報の解決を指示された場合には、第1実施例における参照情報の処理方法と同様の方法で、断片データ及びメタデータストリーム分離部から断片データを取得してメタデータに付加すると共に、関連する断片構成情報を処理する。ただし、断片データ及びメタデータストリーム分離部から取得されるデータが(複数の)断片構成情報の場合には、それらの断片構成情報を第1実施例における断片構成情報の処理方法と同様の方法で処理し、断片構成情報、あるいは断片構成情報に含まれる参照情報をメタデータ記憶部に(すでに記憶されているメタデータとは別に)記憶し、それら全ての断片構成情報を処理して得られるメタデータを元のメタデータの所定の位置に付加する。さらに、断片データ及びメタデータストリーム分離部から取得される断片構成情報がメタデータストリームへの参照を含んでいる場合には、同様の処理を再帰的に繰り返す。
【0102】
【発明の効果】
以上の通り、本発明は下記の効果を有する。
(イ)送信側において、構造化データを再統合可能なように複数の断片データに分割して伝送することを可能とする。また、受信側において、断片データを統合するタイミングを決めることを可能とすると共に、構造化データの効率的な受信処理を可能とする。
(ロ)断片データを統合するための情報である断片構成情報に含まれる、断片データの接続位置に関する位置情報を、生成される構造化データにおけるノードを指定する情報と、その指定されたノードに対する前記対応する断片データの接続位置を指定する情報とを有するものとした場合には、構造化データを統合する位置を正確に指定することができる。
(ハ)断片データを統合するための情報である断片構成情報に含まれる、断片データを指定する参照情報が、参照する断片データの内容に関する情報を有する場合には、受信側において、断片データを選択的に受信・統合することが可能となり、構造化データの効率的な受信処理を可能とする。
(ニ)断片データを統合するための情報である断片構成情報に含まれる、断片データを指定する参照情報が、参照する断片データの最上位ノードの名前に関する情報を有する場合には、受信側において、参照されるデータを構造化データに統合しておらず、さらに他の断片構成情報に含まれる位置情報がその参照される断片データにおけるノードに対応する位置を指定している場合でも、その他の断片構成情報を適切に処理することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成図である。
【図2】第1実施例における構造化データの断片化処理の概略を示す図である。
【図3】第1実施例における断片構成情報の構造を示す図である。
【図4】第1実施例の断片構成情報における位置情報の指定方法の一例である。
【図5】第1実施例の断片構成情報における位置情報の指定方法の一例である。
【図6】第1実施例の断片構成情報における位置情報の指定方法の一例である。
【図7】第1実施例の断片構成情報における位置情報の指定方法の一例である。
【図8】第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成図である。
【図9】第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【図10】第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置における断片構成情報の処理方法の一例である。
【図11】第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置における断片構成情報の処理方法の一例である。
【図12】第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置における断片構成情報の処理方法の一例である。
【図13】第2実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成図である。
【図14】第2実施例における断片構成情報の構造を示す図である。
【図15】第2実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【図16】第3実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成図である。
【図17】第3実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【図18】第4実施例のメタデータストリームにおけるフラグメント更新ユニット(2)の構成図である。
【図19】第4実施例における構造化データの断片化処理とメタデータストリーム作成の概略を示す図である。
【図20】第2実施例における受信装置をコンピュータにより実現するための説明図である。
【図21】受信装置を実現するコンピュータの構成図である。
【図22】コンピュータで実行される構造化データ受信プログラムの処理の流れを示す図である。
【図23】MPEG−7システムにおけるMPEG−7記述ストリームの構造を示す概念図である。
【図24】MPEG−7システムにおける、フラグメント更新ユニットの「追加」コマンドによるメタデータツリーへの断片の追加を示す概念図ある。
【図25】第6実施例における構造化データの断片化処理の概略を示す図である。
【図26】第6実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチメディアコンテンツの内容を記述した構造化メタデータ等の構造化データの受信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディアコンテンツの内容を記述する枠組みの標準規格として、MPEG−7(ISO/IEC 15938)が規定されている。MPEG−7とは、マルチメディアコンテンツを時間的及び空間的に構造化し、マルチメディアコンテンツの内容を木構造を用いて記述する構造化メタデータの規格である。
【0003】
MPEG−7メタデータは、木構造で構造化されていることを特徴とし、XML(Extensible Markup Language)を用いてテキスト形式で記述する。MPEG−7メタデータにおけるXMLの要素及び属性のフォーマットは、XMLスキーマを用いて定義されている。
【0004】
MPEG−7規格は複数のパートで構成される。パート1のMPEG−7システム(ISO/IEC 15938−1)は、メタデータの伝送・蓄積のための枠組みや、メタデータの圧縮方法等を規定している。
【0005】
MPEG−7システムでは、MPEG−7メタデータを断片化して伝送する。受信側では、受信したメタデータの断片を逐次統合することにより、MPEG−7メタデータを動的に生成する。
【0006】
図23は、MPEG−7システムにおけるMPEG−7記述ストリームの構造を示す概念図である。MPEG−7記述ストリームは、デコーダ初期構成(DecoderInit)と、それに続く複数のアクセスユニット(Access Unit:AU)により構成される。デコーダ初期構成は、受信側のデコーダが動作するための各種初期設定を含む。アクセスユニットは、単一時間に処理する最小の処理単位であり、複数のフラグメント更新ユニット(Fragment Update Unit:FUU)により構成される。フラグメント更新ユニットは、メタデータの断片を伝送する単位であり、フラグメント更新コマンド(FU Command)、フラグメント更新コンテクスト(FU Context)、フラグメント更新ペイロード(FU Payload)より構成される。フラグメント更新コマンドは、断片の処理方法を示すコマンドであり、「追加(add)」、「置換(replace)」、「削除(delete)」、「リセット(reset)」の4種類のコマンドがある。フラグメント更新コンテクストは、受信側に生成されるメタデータツリーにおける、コマンドを適用すべきノードを示すパス情報である。フラグメント更新ペイロードは、メタデータの断片を格納する。
【0007】
フラグメント更新ユニットによるメタデータの動的な生成について、より詳しく説明する。図24は、フラグメント更新ユニットの「追加」コマンドによるメタデータツリーへの断片の追加を示す概念図である。図の右側は受信側に生成されるメタデータツリーであり、初期段階では、実線で描かれた部分が生成されていると仮定する(点線の部分は生成されていないと仮定する)。次に、図の左側のフラグメント更新ユニットを処理する。このフラグメント更新ユニットにおけるフラグメント更新コマンドは「追加」コマンドである。フラグメント更新コンテクストは受信側に生成されているメタデータツリー上のノードを指定し、フラグメント更新ペイロードはメタデータの断片を格納している。このフラグメント更新ユニットが処理されると、フラグメント更新コンテクストの指定するノードにフラグメント更新ペイロードの格納する断片が追加される。すなわち、図の右側の点線部分が生成される。
【0008】
送信側は、「追加」コマンドに加えて「置換」、「削除」、「リセット」コマンドを利用して、受信側に生成されるメタデータツリーを動的に更新することもできる。
【0009】
なお、以上のMPEG−7システムによるMPEG−7メタデータ伝送の枠組みは、伝送する対象をXMLスキーマを用いてフォーマットが定義されたXMLデータとしているため、MPEG−7メタデータのみならず、XMLスキーマを用いてフォーマットが定義されたあらゆるXMLデータ、すなわち構造化データの伝送に利用することができる。
【0010】
【非特許文献1】
規格番号: ISO/IEC 15938−1:2002
標題: Information technology −− Multimedia content description interface
−− Part 1: Systems
入手先: ISO (http://www.iso.ch/) または財団法人 日本規格協会 (http://www.jsa.or.jp/)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のMPEG−7システムによるMPEG−7メタデータの伝送方法によれば、送信側がMPEG−7メタデータを断片化して送信し、受信側のMPEG−7メタデータを動的に生成・更新することができる。また、伝送の対象はMPEG−7メタデータのみならず、XMLスキーマを用いてフォーマットが定義されたあらゆるXMLデータ、すなわち構造化データである。しかし、受信側が構造化データの断片の一部または全部を必要に応じて能動的に取得・統合したり、断片を取得・統合するタイミングを受信側が決定したりできないことが課題であった。
【0012】
そこで本発明は、構造化データを断片化して伝送・受信するシステムにおいて、送信側が受信側の構造化データを動的に生成・更新するだけでなく、受信側が構造化データの断片の一部または全部を必要に応じて能動的に取得・統合する、さらには、受信側が断片を取得・統合するタイミングを決定することを可能とするための構造化データの受信方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決するために本発明は、下記の構造化データの受信方法を提供するものである。
(1) 複数の断片データと、前記各断片データを受信側で統合して木構造を有する構造化データを生成するための情報である前記各断片データに対応したそれぞれの断片構成情報とを受信する構造化データの受信方法であって、
前記断片構成情報は、前記各断片データから対応する前記断片データを識別する識別情報を有する参照情報と、前記対応する断片データの前記生成される構造化データにおける接続位置に関する位置情報とを含むものであり、
受信した前記各断片構成情報に含まれる前記位置情報と前記参照情報とに基づき、受信した前記各断片データを統合して前記構造化データを生成することを特徴とする構造化データの受信方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
<基本構成>
本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの一実施例においては、元の構造化データ(例えばMPEG−7メタデータや、XMLスキーマを用いてフォーマットが定義されたXMLデータ等)を複数の断片に分割する、あるいは、構造化データとして統合されるべき複数の断片データを作成すると共に、それぞれの断片データに関して、元の構造化データ(あるいは、断片を統合して生成されるべき構造化データ)における断片データの位置を指定する位置情報と、断片データを指定する参照情報とを含む断片構成情報を作成するものである。この断片構成情報に含まれる参照情報は、少なくとも断片データの存在場所に関係する情報を有する断片データに関する参照情報である。参照情報に、断片データの内容等に関する情報をも記述し、ユーザーやアプリケーションが断片データを処理するための判断材料とするようにしてもよい。
【0015】
<受信/統合>
また、上記伝送・受信システムにおいては、断片構成情報に含まれる元の構造化データ(あるいは、断片を統合して生成されるべき構造化データ)における断片データの位置を指定する位置情報と、断片データを指定する参照情報とに基づき、断片データを構造化データ上に配置し、元の構造化データを再構成するものである。
<<第1実施例(参照のみ、放送)>>
<システム構成>
図1は、本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第1実施例を示す構成図である。本実施例では、送信者(テレビ局)がコンテンツデータ(番組)とそれに関する構造化されたメタデータ(構造化データ)を含むメタデータストリームを送信し、受信者(視聴者)がそれらを受信する。
【0016】
送信者は、コンテンツデータとそれに関するメタデータを作成する。コンテンツデータは、放送を介して受信者へ送信される。メタデータは複数の断片データに分割されると共に、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成される。断片データ及び断片構成情報を並べてメタデータストリームを作成し、放送を介して受信者へ送信する。受信者は、コンテンツデータ及びメタデータストリームを放送より受信し、メタデータストリームから断片データ及び断片構成情報を抽出し、断片データ及び断片構成情報よりメタデータを再構成する。再構成されたメタデータは、コンテンツデータの検索や視聴等に利用される。
【0017】
<メタデータ(XML)の説明>
本実施例で扱うメタデータは、MPEG−7メタデータ等の構造化されたメタデータ(構造化データ)であり、XMLを用いてテキスト形式で記述される。メタデータにおけるXMLの要素及び属性のフォーマットは、XMLスキーマを用いて定義される。
【0018】
<断片化処理>
図2は、本実施例における、メタデータの断片化処理の概略を示す図である。メタデータ(構造化データ)は複数の断片データに分割されるとともに、それぞれの断片データに断片データを一意に識別するIDが付加される。さらに、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成される。なお、メタデータを分割して断片データを生成する代わりに、統合して生成されるメタデータを想定して断片データを作成してもよい。
【0019】
<断片構成情報の構造>
図3は、本実施例の断片構成情報の構造を示す図である。断片構成情報は、位置情報と参照情報より構成される。位置情報は、XPath及びpositionにより構成され、それらを用いて、受信側に生成される構造化データにおける断片データの最上位ノードを配置すべき位置を指定する。参照情報は、ID参照、要素名、及び要素タイプにより構成される。ID参照は、断片データに付加されたIDを用いて断片データを指定する。要素名は、断片データの最上位ノードのXMLにおける要素名を記述する。要素タイプは、断片データの最上位ノードのXMLスキーマにおける要素タイプ名を記述する。
【0020】
<位置情報の説明>
次に、位置情報における、XPath及びpositionを用いた位置指定方法について説明する。XPathは、XMLパス言語(XPath)を用いて、受信側に生成される構造化データにおける特定のノードを指定する。positionは、その値として“prevSibling”あるいは“lastChild”のいずれかの値をとる。positionの値が“prevSibling”であるとき、位置情報によって指定されるノードは、XPathで指定されるノードの直前の兄弟ノードとなる。positionの値が“lastChild”であるとき、位置情報によって指定されるノードは、XPathで指定されるノードの最後の子ノードとなる。
【0021】
<位置情報の具体例>
つぎに、位置情報の指定方法について、具体例を用いて詳細に説明する。
【0022】
図4は、あるノードの最初の子ノードを指定する場合の位置情報の指定方法の例である。断片データの最上位ノード‘d’を構造化データにおけるノード‘a’の最初の子ノードとして配置する場合、XPathでノード‘a’の現在の最初の子ノードであるノード‘b’を指定し、positionの値を“prevSibling”とする。すると、断片データの最上位ノード‘d’はノード‘b’の直前の兄弟ノード、すなわちノード‘a’の最初の子ノードとして配置される。
【0023】
図5は、あるノードの最初及び最後以外の子ノードを指定する場合の位置情報の指定方法の例である。断片データの最上位ノード‘d’を構造化データにおけるノード‘a’の最初及び最後以外の子ノードとして配置する場合、XPathでノード‘a’の子ノード‘c’を指定し、positionの値を“prevSibling”とする。すると、断片データの最上位ノード‘d’はノード‘c’の直前の兄弟ノード、すなわちノード‘a’の子ノードとして配置される。
【0024】
図6は、あるノードの最後の子ノードを指定する場合の位置情報の指定方法の例である。断片データの最上位ノード‘d’を構造化データにおけるノード‘a’の最後の子ノードとして配置する場合、XPathでノード‘a’を指定し、positionの値を“lastChild”とする。すると、断片データの最上位ノード‘d’はノード‘a’の最後の子ノードとして配置される。
【0025】
図7は、子ノードを持たないノードの子ノードを指定する場合の位置情報の指定方法の例である。断片データの最上位ノード‘d’を構造化データにおけるノード‘b’の子ノードとして配置する場合、XPathでノード‘b’を指定し、positionの値を“lastChild”とする。すると、断片データの最上位ノード‘d’はノード‘b’の子ノードとして配置される。
【0026】
<断片構成情報のバイナリエンコード>
なお、本実施例の断片構成情報は、含まれる情報を適当な手段を用いてバイナリデータに変換し、バイナリデータとして表現してもよい。
【0027】
<送信>
次に、本実施例の送信者における、コンテンツデータ及びメタデータの送信方法について説明する。
【0028】
送信者は、複数の断片データ、及びそれらに対応する断片構成情報を適当な順番で並べ、メタデータストリームを作成する。断片データと断片構成情報を並べる順番は、断片データと断片構成情報を混合して並べてもよいし、初めに全ての断片構成情報を並べ、次に全ての断片データを並べてもよい。ただし、断片データ同士は任意の順番に並べてよいが、断片構成情報同士は、それらに含まれる位置情報の示す構造化データにおけるノードに関して、深さ優先順あるいは幅優先順に並べなければならない。
【0029】
図8は、送信者における、コンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成図である。
【0030】
コンテンツデータ記憶部はコンテンツデータを記憶し、メタデータストリーム記憶部は前述のメタデータストリームを記憶している。
【0031】
コンテンツデータ送信制御部は、あらかじめ決められたスケジュールに従ってコンテンツデータをコンテンツデータ記憶部より入力し、多重化部へ出力する。
【0032】
メタデータストリーム送信制御部は、メタデータストリームをカルーセル伝送するために、あらかじめ決められたカルーセル伝送の頻度や周期に基づいてメタデータストリーム記憶部よりメタデータストリームを入力し、多重化部へ出力する。
【0033】
多重化部は、コンテンツデータ送信制御部より入力されるコンテンツデータ、及びメタデータストリーム送信制御部より入力されるメタデータストリームとを多重化し、多重化ストリームを放送へ出力する。
【0034】
<受信>
図9は、受信者における、コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【0035】
分離部は、放送より入力される多重化ストリームをコンテンツデータとメタデータストリームとに分離し、コンテンツデータをユーザーまたはアプリケーションへ出力し、メタデータストリームをメタデータストリーム分離部へ出力する。
【0036】
メタデータストリーム分離部は、分離部より入力されるメタデータストリームを断片データと断片構成情報とに分離し、断片データを断片データ一時記憶部へ出力し、断片構成情報をメタデータ統合部へ出力する。
【0037】
断片データ一時記憶部は、例えばメモリ等で構成され、メタデータストリーム分離部より入力される断片データを一時的に記憶する。メタデータ統合部より断片データのIDのリストを要求された場合には、記憶している断片データのIDのリストをメタデータ統合部へ出力する。メタデータ統合部より断片データのIDと共にIDによって特定される断片データを要求された場合には、そのIDによって特定される断片データをメタデータ統合部へ出力すると共に、その断片データをメモリから消去する。
【0038】
メタデータ統合部は、メタデータストリーム分離部より入力される断片構成情報を、後述の断片構成情報の処理方法に従って処理し、断片構成情報、あるいは断片構成情報に含まれる参照情報をメタデータ記憶部に記憶されているメタデータ(構造化データ)に付加する。また、ユーザーまたはアプリケーションからメタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおける参照情報の解決を指示された場合には、後述の参照情報の処理方法に従って、断片データ一時記憶部から断片データを取得してメタデータに付加すると共に、関連する断片構成情報を処理する。
【0039】
メタデータ記憶部は、メタデータを記憶するための記憶媒体であり、メタデータ統合部がデータの書き込み及び読み取りを行う。また、ユーザーまたはアプリケーションからデータを読み取ることもできる。
【0040】
ユーザーまたはアプリケーションは、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおけるの任意の参照情報について、その参照先の断片データが必要であれば、その参照情報の解決をメタデータ統合部に指示する。さらに、参照情報を解決して得られたメタデータをメタデータ記憶部から読み取り、それに含まれる任意の参照情報について、その参照先の断片データが必要であれば、メタデータ統合部への参照情報の解決の指示を繰り返し行う。必要な断片データを参照する参照情報がなければ、最終的に得られたメタデータをそれぞれの用途に使用する。
【0041】
<断片構成情報の処理方法>
次に、断片構成情報の処理方法について説明する。まず、断片構成情報より位置情報と参照情報を抽出する。位置情報に含まれるXPathの指定するノードがメタデータ記憶部に記憶されている構造化データ(メタデータ)上に存在する場合には、位置情報(XPath及びposition)が指定する位置に参照情報を付加する。ただし、その際に、構造化データ上に存在する参照情報は、参照情報に含まれる要素名を持つ要素として扱う。位置情報に含まれるXPathの指定するノードがメタデータ記憶部に記憶されている構造化データ上に存在しない場合には、構造化データをXPathに従ってルートノードから可能な限り辿ったときの最後のノード(このノードは参照情報となるはずである。)の最後の子ノードとして断片構成情報を付加する。
【0042】
断片構成情報の処理方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0043】
図10は、断片構成情報の処理方法について、位置情報に含まれるXPathの指定するノードが構造化データ上に存在する場合の例である。XPathはノード121を指定しており、positionの値は“lastChild”である。これは断片データの最上位ノードをノード122の位置に配置するべきであることを意味し、参照情報をノード122の位置に付加する。
【0044】
図11は、断片構成情報の処理方法について、位置情報に含まれるXPathが構造化データ上の参照情報を指定している場合の例である。ノード131の位置に存在する参照情報には、ノード131の位置に配置されるべき断片データの最上位ノードの要素名‘b’が含まれているので、XPathがノード131を指定することがわかる。さらに、positionの値は“lastChild”であるので、参照情報をノード132の位置に付加する。
【0045】
図12は、断片構成情報の処理方法について、位置情報に含まれるXPathの指定するノードが構造化データ上に存在しない場合の例である。ノード141の位置には参照情報が存在するので、ノード141の位置に配置すべき断片データの最上位ノードの要素名が分かる。しかし、XPathはノード141の位置を指定しているので、XPathに従って構造化データをルートノードから辿るとノード141までは辿れるが、それ以降を辿ることはできない。従って、断片構成情報をノード141の位置に存在する参照情報の最後の子ノードとして追加する。
【0046】
<参照情報の解決方法>
次に、参照情報の解決方法について説明する。参照情報の解決は、参照情報に含まれるIDによって指定される断片データを取得し、参照情報を削除し、参照情報があった位置にその断片データを付加する。ただし、参照情報がその子ノードとして断片構成情報を(1つあるいは複数)持つ場合には、断片データを付加した後に、前述の断片構成情報の処理方法に従って断片構成情報を(複数の場合は前から順番に)処理する。
【0047】
<断片データの要否の判断方法>
断片データの要否の判断は、参照情報に含まれる要素タイプを基準として行う。構造化データにおけるXMLの要素及び属性のフォーマットはXMLスキーマを用いて定義されており、参照情報に含まれる要素タイプは参照する断片データの最上位ノードのXMLスキーマにおける要素タイプであるので、XMLスキーマによる構造化データのフォーマット定義を解釈すれば、要素タイプから断片データの大まかな内容を知ることができる。ユーザーまたはアプリケーションは、その大まかな内容によって断片データの要否を判断する。
<<第2実施例(参照のみ、放送とインターネット)>>
<システム構成>
図13は、本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第2実施例の構成図である。本実施例では、図1の第1実施例のシステム構成と同様に、送信者がコンテンツデータとメタデータストリームを放送を介して送信し、受信者がそれらを受信する。さらに、送信者は断片データの一部をインターネットに接続されたデータベースに格納し、受信者はインターネット経由でデータベースから断片データを取得する。
【0048】
送信者は、コンテンツデータとそれに関するメタデータ(構造化データ)を作成する。コンテンツデータは、放送を介して受信者へ送信される。メタデータは複数の断片データに分割されると共に、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成される。一部の断片データ及び全ての断片構成情報からメタデータストリームが作成され、放送を介して受信者へ送信されるとともに、残りの断片データがデータベースに格納される。受信者は、コンテンツデータ及びメタデータストリームを放送より受信し、メタデータストリームより断片データ及び断片構成情報を抽出し、さらにインターネット経由でデータベースから断片データを取得し、断片データ及び断片構成情報よりメタデータを再構成する。再構成されたメタデータは、コンテンツデータの検索や視聴等に利用される。
【0049】
<メタデータ(XML)の説明>
本実施例におけるメタデータは、第1実施例におけるメタデータと同じである。
【0050】
<断片化処理>
本実施例における断片化処理の方法は、第1実施例における断片化処理の方法と同じである。ただし、放送を介して送信する断片データには断片データを一意に識別するIDを付加し、データベースに格納する断片データは断片データ毎に一意のファイル名を付加してファイル形式でデータベースに格納する。データベースに格納された断片データがインターネットからURI(Uniform Resource Identifier)で参照できるようにデータベースを構築する。
【0051】
<断片構成情報の構造>
本実施例における断片構成情報の構造は、対応する断片データが放送を介して伝送される場合には、第1実施例における断片構成情報の構造と同じであり、その概要は図3に示される通りである。一方、対応する断片データがインターネットに接続されたデータベースに格納される場合には、それに対する断片構成情報の構造を図14に示すとおり、図3におけるID参照の代わりに参照情報にURI参照が含まれ、URIによって断片データを指定する。
【0052】
<放送での送信>
本実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータストリームの送信方法は、第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータストリームの送信方法と同じである。ただし、メタデータストリームには一部の断片データのみが含まる。
【0053】
<インターネットでの送信>
放送で送信されない一部の断片データは、前述の通りインターネットに接続されたデータベースに格納される。データベースは、インターネットに接続された受信者からURIと共に断片データファイルの取得が要求されると、そのURIに対応する断片データファイルを受信者へ送信する。
【0054】
<受信>
図15は、受信者における、コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【0055】
図15のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図における分離部、メタデータストリーム分離部、断片データ一時記憶部、メタデータ記憶部、及びユーザーまたはアプリケーションの構成及び動作は、図9の第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図におけるそれぞれの構成及び動作と同じである。
【0056】
メタデータ統合部の構成及び動作は、図9の第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図におけるメタデータ統合部の動作及び構成と同じである。ただし、参照情報を解決する際に、参照情報がID参照で断片データを指定している場合は、第1実施例と同様に断片データ一時記憶部より断片データを取得し、参照情報がURI参照で断片データを指定している場合は、URIで特定される断片データの受信を断片データ受信部に指示して断片データ受信部から断片データを取得する。
【0057】
断片データ受信部は、メタデータ統合部よりURIで特定される断片データの受信の指示があると、URIと共にそのURIで特定される断片データをインターネット経由でデータベースに要求し、データベースから送信される断片データを受信し、受信した断片データをメタデータ統合部へ出力する。
<<第3実施例(参照のみ、インターネット)>>
<システム構成>
図16は、本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第3実施例の構成図である。本実施例では、送信者(コンテンツプロバイダー)がコンテンツデータ(ビデオ、オーディオ等)とそれに関する構造化されたメタデータ(構造化データ)をインターネットに接続したデータベースに格納し、受信者(ユーザー)がインターネット経由でデータベースからそれらのデータを取得する。
【0058】
送信者は、コンテンツデータとそれに関するメタデータを作成する。コンテンツデータは、データベースに格納される。メタデータは複数の断片データに分割されると共に、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成され、断片データ及び断片構成情報がデータベースに格納される。受信者は、コンテンツデータ、断片データ、及び断片構成情報をインターネット経由でデータベースから取得し、断片データ及び断片構成情報よりメタデータを再構成する。再構成されたメタデータは、コンテンツデータの検索や視聴等に利用される。
【0059】
<メタデータ(XML)の説明>
本実施例におけるメタデータは、第1実施例におけるメタデータと同じである。
【0060】
<断片化処理>
本実施例における断片化処理の方法は、第1実施例における断片化処理の方法と同じである。ただし、断片データにIDは付加しない。また、断片データには一意のファイル名を付加して、ファイル形式でデータベースに格納する。データベースに格納された断片データは、インターネットからURIで参照できる。また、断片構成情報は、全ての断片構成情報をそれらに含まれる位置情報の指定する構造化データにおけるノードに関して、深さ優先順あるいは幅優先順に並べて断片構成情報ストリームを構成し、その断片構成情報ストリームをデータベースに格納する。
【0061】
<断片構成情報の構造>
本実施例における断片構成情報の構造は、図14の第2実施例における対応する断片データがインターネットに接続されたデータベースに格納される場合の断片構成情報の構造と同じである。
【0062】
<インターネットでの送信>
コンテンツデータ、断片データ、及び断片構成情報は、前述の通りインターネットに接続されたデータベースに格納される。データベースは、インターネットに接続された受信者からURIと共にコンテンツデータ、断片データ、あるいは断片構成情報のファイルの取得が要求されると、そのURIに対応するファイルを受信者へ送信する。
【0063】
<受信>
図17は、受信者における、コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【0064】
データ受信部は、ユーザーまたはアプリケーションより、コンテンツデータのURIと共にそのURIに対応するコンテンツデータの取得を指示されると、そのURIに対応するコンテンツデータをインターネット経由でデータベースに要求し、データベースが送信するそのURIに対応するコンテンツデータを受信し、受信したコンテンツデータをユーザーまたはアプリケーションへ出力する。また、メタデータ統合部より、断片構成情報ストリーム、あるいは断片データのURIと共にそのURIに対応する断片データの取得を指示されると、断片構成情報ストリーム、あるいはURIに対応する断片データをインターネット経由でデータベースに要求し、データベースが送信する断片構成情報ストリーム、あるいはURIに対応する断片データを受信し、受信した断片構成情報ストリーム、あるいはURIに対応する断片データをメタデータ統合部へ出力する。
【0065】
メタデータ統合部は、初めに断片構成情報ストリームの取得をデータ受信部へ指示し、データ受信部より入力される断片構成情報ストリームに含まれる断片構成情報を順に処理する。断片構成情報の処理方法は、第1実施例の断片構成情報の処理方法と同じである。また、ユーザーまたはアプリケーションからメタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおける参照情報の解決を指示された場合には、参照情報の処理方法に従って、参照情報に含まれるURIに対応する断片データの取得をデータ受信部へ指示し、データ受信部より入力される断片データをメタデータに付加すると共に、関連する断片構成情報を処理する。なお、参照情報の処理方法は、第1実施例の参照情報の処理方法と同じである。
【0066】
メタデータ記憶部の構成及び動作は、図9の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図におけるメタデータ記憶部の構成及び動作と同じである。
【0067】
ユーザーまたはアプリケーションの構成及び動作は、図9の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図におけるユーザーまたはアプリケーションの構成及び動作と同じである。ただし、コンテンツデータが必要な場合には、コンテンツデータのURIと共にそのURIに対応するコンテンツデータの取得をデータ受信部へ指示し、データ受信部よりコンテンツデータを入力する。
<<第4実施例(参照とコマンド、放送)>>
<システム構成>
本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第4実施例は、MPEG−7システムを利用した送信側によるメタデータの動的な生成・更新と、本発明の断片構成情報を利用した受信側による断片データの能動的な取得・統合とを同時に実現するものである。
【0068】
本実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成は、図1の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成と同じである。ただし、メタデータストリームの構造が異なる。
【0069】
<メタデータストリーム>
本実施例におけるメタデータストリームは、図23のMPEG−7システムにおけるMPEG−7記述ストリームを拡張したものである。本実施例のメタデータストリームは、デコーダ初期構成と、それに続く複数のアクセスユニットにより構成される。アクセスユニットは、複数のフラグメント更新ユニットにより構成される。ただし、本実施例では、MPEG−7システムにおけるフラグメント更新ユニットと同一の構造を持つフラグメント更新ユニット(1)の他に、断片構成情報を伝送するためのフラグメント更新ユニット(2)、及び断片データのみを含むフラグメント更新ユニット(3)を用いる。図18は、フラグメント更新ユニット(2)の構成図である。フラグメント更新ユニット(2)は、フラグメント更新コマンド、フラグメント更新コンテクスト、及び参照情報より構成される。MPEG−7システムにおけるフラグメント更新コンテクストは、本発明の断片構成情報に含まれる位置情報と同じ構造を持つものであり、フラグメント更新コンテクストと参照情報により断片構成情報を構成する。
【0070】
<断片化処理>
図19は、本実施例における、メタデータ(構造化データ)の断片化処理とメタデータストリーム作成の概略を示す図である。メタデータは複数の断片データに分割される。それぞれの断片データについて、フラグメント更新コマンド(ここでは「追加」コマンドを用いる)とフラグメント更新コンテクスト(位置情報)を付加してフラグメント更新ユニット(1)を作成するか(断片データがフラグメント更新ペイロードとなる)、あるいは、第1実施例における断片化処理と同様に断片構成情報を作成し、それにフラグメント更新コマンド(ここでは「追加」コマンドを用いる)を付加したフラグメント更新ユニット(2)と、断片データのみを含むフラグメント更新ユニット(3)とを作成する。便宜的に、フラグメント更新ユニット(3)に含まれる断片データを第1断片データ、フラグメント更新ユニット(1)に含まれる断片データを第2断片データとする。
【0071】
なお、メタデータを分割して断片データを作成する代わりに、統合して生成されるメタデータを想定して断片データを作成し、フラグメント更新ユニット(1)、またはフラグメント更新ユニット(2)とフラグメント更新ユニット(3)を作成してもよい。さらに、フラグメント更新コマンドに「置換」コマンド、「削除」コマンドや「リセット」コマンドを採用し、受信側の構造化メタデータツリーを動的に更新するようにしてもよい。以上の処理で作成されたフラグメント更新ユニット(1)、フラグメント更新ユニット(2)、及びフラグメント更新ユニット(3)を適当な数だけ並べてアクセスユニットを作成し、さらにアクセスユニットを並べ、先頭にデコーダ初期構成を付加してメタデータストリームを作成する。
【0072】
<送信>
本実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成は、図8の第1実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成と同じである。
【0073】
<受信>
本実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成は、図9の第1実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成と同じである。ただし、メタデータストリーム分離部及びメタデータ統合部の動作が異なる。
【0074】
メタデータストリーム分離部は、分離部より入力されるメタデータストリームをフラグメント更新ユニット(1)、フラグメント更新ユニット(2)、及びフラグメント更新ユニット(3)に分離し、フラグメント更新ユニット(1)及びフラグメント更新ユニット(2)をメタデータ統合部へ出力し、フラグメント更新ユニット(3)より断片データを抽出し、その断片データを断片データ一時記憶部へ出力する。
【0075】
メタデータ統合部は、メタデータストリーム分離部より入力されるフラグメント更新ユニット(1)を解釈し、フラグメント更新コマンドが「追加」コマンドの場合には、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおけるフラグメント更新コンテクストが指定する位置にフラグメント更新ペイロードに含まれる(フラグメント更新ユニット(1)に含まれる)断片データを付加し、フラグメント更新コマンドが「置換」コマンドの場合には、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおけるフラグメント更新コンテクストが指定する位置以下の部分データとフラグメント更新ペイロードに含まれる断片データとを置換し、フラグメント更新コマンドが「削除」コマンドの場合には、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおけるフラグメント更新コンテクストが指定する位置以下の部分データを削除し、フラグメント更新コマンドが「リセット」コマンドの場合には、メタデータ記憶部に記憶されているメタデータを予め定められた初期状態に戻す。ただし、以上の処理において、メタデータにおけるフラグメント更新コンテクストが指定する位置のノードが存在しない場合は、そのノードを含む断片データが取得されるまでメタデータ上の対応する上位の参照情報の解決を続ける。参照情報の解決方法は、第1実施例における参照情報の解決方法と同じである。
【0076】
また、メタデータ統合部は、メタデータストリーム分離部より入力されるフラグメント更新ユニット(2)からフラグメント更新コマンドと断片構成情報(フラグメント構成コンテクスト、すなわち位置情報と、参照情報)を抽出し、フラグメント更新コマンドについては上記と同様に処理し、断片構成情報については第1実施例の断片構成情報の処理方法と同様の方法で処理する。
【0077】
また、メタデータ統合部は、ユーザーまたはアプリケーションからメタデータ記憶部に記憶されている構造化メタデータツリー上の参照情報の解決を指示された場合には、第1実施例における参照情報の解決方法と同様の方法でその参照情報を解決する。
<<第5実施例(参照とコマンド、放送とインターネット)>>
<システム構成>
本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第5実施例は、MPEG−7システムを利用した送信側によるメタデータの動的な生成・更新と、本発明の断片構成情報を利用した受信側による断片データの能動的な取得・統合とを同時に実現するものである。
【0078】
本実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成は、図13の第2実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成と同じである。ただし、メタデータストリームの構造が異なる。
【0079】
<メタデータストリーム>
本実施例におけるメタデータストリームの構造は、第4実施例のメタデータストリームの構造と同じである。ただし、第2実施例と同様に、一部の断片データはメタデータストリームに含めずに、インターネットに接続されたデータベースに格納する。
【0080】
<送信>
本実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成は、図13の第2実施例の送信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成と同じである。
【0081】
<受信>
本実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成は、図15の第2実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成と同じである。ただし、メタデータストリーム分離部及びメタデータ統合部の動作が異なる。
【0082】
メタデータストリーム分離部の動作は、第4実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置のメタデータストリーム分離部の動作と同じである。
【0083】
メタデータ統合部の動作は、第4実施例の受信者におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置のメタデータ統合部の動作と同じである。ただし、参照情報を解決する際に、参照情報がID参照で断片データを指定している場合は、第4実施例と同様に断片データ一時記憶部より断片データを取得し、参照情報がURI参照で断片データを指定している場合は、URIで特定される断片データの受信を断片データ受信部に指示して断片データ受信部から断片データを取得する。
<<受信プログラムによる受信装置の実現>>
ここで、上述した各実施例における受信装置を、コンピュータ上に実現させるための構造化データ受信プログラムを、第2実施例を取り上げて具体的に説明する。
【0084】
<受信システム>
図20に示すように第2実施例においては、コンピュータは、放送よりコンテンツデータ及びメタデータストリームを受信すると共に、インターネットを介してデータベースから断片データを受信する。さらに、メタデータストリーム及び断片データよりメタデータを再構成し、内部の記憶装置に記憶する。ユーザーは、コンピュータを操作することにより、メタデータを利用してコンテンツの検索を行ったり、コンテンツの視聴と同時にメタデータを表示したりする。
【0085】
<処理の流れ>
図21はコンピュータの構成図であり、図22は、そのコンピュータで実行される処理の流れである。
【0086】
まず、中央処理装置は、メインメモリ中の制御プログラム(構造化データ受信プログラム)の指令を受け、放送受信装置より入力される多重化ストリームより断片構成情報をコンテンツデータとメタデータストリームとに分離し、さらにメタデータストリームを断片データと断片構成情報とに分離し、分離される断片構成情報を順に処理する。その際、並行して分離されるコンテンツデータ及び断片データは、記憶装置に記憶する。
【0087】
断片構成情報の処理方法は、第2実施例における断片構成情報の処理方法と同じである。ただし、メタデータは記憶装置上に作成する。
【0088】
次に、中央処理装置は、全ての断片構成情報を処理していなければ、引き続き断片構成情報の処理を行い、全ての断片構成情報を処理していれば、入力装置より入力されるユーザーの指示を待つ。
【0089】
ユーザーより指示が入力されると、中央処理装置は、その指示がメタデータの出力であれば、出力装置へメタデータを出力する。ユーザーからの指示が参照情報の解決であれば、記憶装置に記憶されているメタデータにおけるユーザーより指示された参照情報を解決する。参照情報の解決方法は、第2実施例における参照情報の解決方法と同じである。ただし、参照情報の参照する断片データが放送で伝送されるメタデータストリームに含まれるものであれば、記憶装置に記憶されている断片データから該当のものを取得し、参照情報の参照する断片データがインターネットに接続されたデータベースに格納されているものであれば、インターネット通信装置によってデータベースから該当する断片データを取得する。ユーザーからの指示が終了であれば、処理を終了する。
【0090】
第2実施例以外の実施例における受信装置も同様にして構造化データ受信プログラムによってコンピュータ上に実現可能である。
【0091】
<その他>
なお、構造化データ受信プログラムは、これらを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワーク等を介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
<<第6実施例(参照の対象がストリームの場合)>>
<システム構成>
本発明を適用したコンテンツデータ及びメタデータ伝送・受信システムの第6実施例は、断片構成情報における参照情報の参照する対象が断片データだけでなく他のメタデータストリームをも含み、メタデータ(構造化データ)の複数ストリームによる伝送、及び受信側による複数ストリームの再帰的な受信処理を実現するものである。
【0092】
本実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成は、図1の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成と同じである。ただし、断片化処理、送信方法、及び受信方法が異なる。
【0093】
<断片化処理>
図25は、本実施例における、メタデータの断片化処理の概略を示す図である。メタデータ(構造化データ)は複数の断片データに分割されるとともに、それぞれの断片データに断片データを一意に識別するIDが付加され、それぞれの断片データに対応する断片構成情報が作成される。さらに、生成された断片化データに対して同様の断片化処理を行い、さらに小さな断片データに分割してもよい。2段目の断片化処理で生成された断片化データにさらに断片化処理を行う等、断片化処理は再帰的に何段でも繰り返してよい。このとき、2段目以降の断片化処理で作成される断片構成情報に含まれる位置情報は、元のメタデータ(構造化データ)における位置を示す情報ではなく、その断片化処理の対象の構造化データにおける位置を示す情報とする。なお、メタデータを分割して断片データを生成する代わりに、統合して生成されるメタデータを想定して断片データを作成してもよい。
【0094】
<送信>
本実施例の送信者における、コンテンツデータ及びメタデータの送信装置の構成は、図8の第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータの送信装置の構成と同じである。ただし、メタデータストリームの構成方法が異なる。
【0095】
送信者は、複数の断片データ、及びそれらに対応する断片構成情報を適当な順番で並べ、メタデータストリームを作成する。ただし、再帰的に繰り返した断片化処理ごとに独立した複数のメタデータストリームを作成する。ある断片化処理に対応するメタデータストリームに含まれる情報は、その断片化処理で生成された断片化データのうち再帰的に断片化処理が行われなかった全ての断片化データと、全ての断片構成情報である。さらに、メタデータストリームに、それに対応する断片化処理の対象の断片データに付加されていたIDを付加する。ただし、最上位のメタデータストリームには、最上位のメタデータストリームであることを示すIDを付加する。
【0096】
<受信>
図26は、受信者における、コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【0097】
コンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図における分離部、メタデータ記憶部、及びユーザーまたはアプリケーションの構成及び動作は、図9の第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図それぞれの構成及び動作と同じである。
【0098】
メタデータストリーム分離部は、分離部より入力される複数のメタデータストリームのうち、最上位のメタデータストリームを断片データと断片構成情報とに分離し、断片データを断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部へ出力し、断片構成情報をメタデータ統合部へ出力する。さらに、最上位のメタデータストリーム以外の全てのストリームをそのまま断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部へ出力する。
【0099】
断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部は、例えばメモリ等で構成され、メタデータストリーム分離部より入力される断片データ及びメタデータストリーム、及び、断片データ及びメタデータストリーム分離部より入力される断片データを一時的に記憶する。メタデータ統合部より断片データ及びメタデータストリームのIDのリストを要求された場合には、記憶している断片データ及びメタデータストリームのIDのリストをメタデータ統合部へ出力する。断片データ及びメタデータストリーム分離部より断片データまたはメタデータストリームのIDと共にIDによって特定される断片データまたはメタデータストリームを要求された場合には、そのIDによって特定される断片データまたはメタデータストリームを断片データ及びメタデータストリーム分離部へ出力すると共に、その断片データまたはメタデータストリームをメモリから消去する。
【0100】
断片データ及びメタデータストリーム分離部は、メタデータ統合部より断片データまたはメタデータストリームのIDと共にIDによって特定される断片データまたはメタデータストリームを要求された場合には、そのIDによって特定される断片データまたはメタデータストリームを断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部に要求し、断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部より出力される断片データまたはメタデータストリームを入力する。さらに、入力されたデータが断片データである場合には、その断片データをメタデータ統合部へ出力する。入力されたデータがメタデータストリームである場合には、そのメタデータストリームを(複数の)断片データと(複数の)断片構成情報とに分離し、断片データを断片データ及びメタデータストリーム一時記憶部へ出力し、断片構成情報をメタデータ統合部へ出力する。
【0101】
メタデータ統合部は、メタデータストリーム分離部より入力される断片構成情報を、第1実施例における断片構成情報の処理方法と同様の方法で処理し、断片構成情報、あるいは断片構成情報に含まれる参照情報をメタデータ記憶部に記憶されているメタデータ(構造化データ)に付加する。また、ユーザーまたはアプリケーションからメタデータ記憶部に記憶されているメタデータにおける参照情報の解決を指示された場合には、第1実施例における参照情報の処理方法と同様の方法で、断片データ及びメタデータストリーム分離部から断片データを取得してメタデータに付加すると共に、関連する断片構成情報を処理する。ただし、断片データ及びメタデータストリーム分離部から取得されるデータが(複数の)断片構成情報の場合には、それらの断片構成情報を第1実施例における断片構成情報の処理方法と同様の方法で処理し、断片構成情報、あるいは断片構成情報に含まれる参照情報をメタデータ記憶部に(すでに記憶されているメタデータとは別に)記憶し、それら全ての断片構成情報を処理して得られるメタデータを元のメタデータの所定の位置に付加する。さらに、断片データ及びメタデータストリーム分離部から取得される断片構成情報がメタデータストリームへの参照を含んでいる場合には、同様の処理を再帰的に繰り返す。
【0102】
【発明の効果】
以上の通り、本発明は下記の効果を有する。
(イ)送信側において、構造化データを再統合可能なように複数の断片データに分割して伝送することを可能とする。また、受信側において、断片データを統合するタイミングを決めることを可能とすると共に、構造化データの効率的な受信処理を可能とする。
(ロ)断片データを統合するための情報である断片構成情報に含まれる、断片データの接続位置に関する位置情報を、生成される構造化データにおけるノードを指定する情報と、その指定されたノードに対する前記対応する断片データの接続位置を指定する情報とを有するものとした場合には、構造化データを統合する位置を正確に指定することができる。
(ハ)断片データを統合するための情報である断片構成情報に含まれる、断片データを指定する参照情報が、参照する断片データの内容に関する情報を有する場合には、受信側において、断片データを選択的に受信・統合することが可能となり、構造化データの効率的な受信処理を可能とする。
(ニ)断片データを統合するための情報である断片構成情報に含まれる、断片データを指定する参照情報が、参照する断片データの最上位ノードの名前に関する情報を有する場合には、受信側において、参照されるデータを構造化データに統合しておらず、さらに他の断片構成情報に含まれる位置情報がその参照される断片データにおけるノードに対応する位置を指定している場合でも、その他の断片構成情報を適切に処理することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成図である。
【図2】第1実施例における構造化データの断片化処理の概略を示す図である。
【図3】第1実施例における断片構成情報の構造を示す図である。
【図4】第1実施例の断片構成情報における位置情報の指定方法の一例である。
【図5】第1実施例の断片構成情報における位置情報の指定方法の一例である。
【図6】第1実施例の断片構成情報における位置情報の指定方法の一例である。
【図7】第1実施例の断片構成情報における位置情報の指定方法の一例である。
【図8】第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ送信装置の構成図である。
【図9】第1実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【図10】第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置における断片構成情報の処理方法の一例である。
【図11】第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置における断片構成情報の処理方法の一例である。
【図12】第1実施例のコンテンツデータ及びメタデータ受信装置における断片構成情報の処理方法の一例である。
【図13】第2実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成図である。
【図14】第2実施例における断片構成情報の構造を示す図である。
【図15】第2実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【図16】第3実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ伝送システムの構成図である。
【図17】第3実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
【図18】第4実施例のメタデータストリームにおけるフラグメント更新ユニット(2)の構成図である。
【図19】第4実施例における構造化データの断片化処理とメタデータストリーム作成の概略を示す図である。
【図20】第2実施例における受信装置をコンピュータにより実現するための説明図である。
【図21】受信装置を実現するコンピュータの構成図である。
【図22】コンピュータで実行される構造化データ受信プログラムの処理の流れを示す図である。
【図23】MPEG−7システムにおけるMPEG−7記述ストリームの構造を示す概念図である。
【図24】MPEG−7システムにおける、フラグメント更新ユニットの「追加」コマンドによるメタデータツリーへの断片の追加を示す概念図ある。
【図25】第6実施例における構造化データの断片化処理の概略を示す図である。
【図26】第6実施例におけるコンテンツデータ及びメタデータ受信装置の構成図である。
Claims (1)
- 複数の断片データと、前記各断片データを受信側で統合して木構造を有する構造化データを生成するための情報である前記各断片データに対応したそれぞれの断片構成情報とを受信する構造化データの受信方法であって、
前記断片構成情報は、前記各断片データから対応する前記断片データを識別する識別情報を有する参照情報と、前記対応する断片データの前記生成される構造化データにおける接続位置に関する位置情報とを含むものであり、
受信した前記各断片構成情報に含まれる前記位置情報と前記参照情報とに基づき、受信した前記各断片データを統合して前記構造化データを生成することを特徴とする構造化データの受信方法。
Priority Applications (1)
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2003
- 2003-06-27 JP JP2003184504A patent/JP2004318795A/ja not_active Withdrawn
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