JP2004317151A - 農業用フィルムの診断方法および診断プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】残存耐用年数を認知し、適正な時期での張替えを促すための診断方法を提供する。
【解決手段】▲1▼屋外に展張後特定の展張期間(β)経過した後の農業用フィルムの一部分(診断フィルム)の、強度特性および/または光線透過特性にかかる実測データを測定するステップ、
▲2▼該診断フィルムと同種の配合及びフィルム厚みを有する標準フィルムにおいて、擬似経時変化処理を与えたときの、経時期間と、強度特性および/または光線透過特性との相関関係を示す標準データ群を作成又は予め作成した標準データ群を選択するステップ、
▲3▼各特性データにおいて、該診断フィルムから得られた実測データ(1)、標準フィルムから得られた標準データ群、展張期間(β)を比較するステップ、
▲4▼比較結果から、各々設定した算出式に基づいて、残存耐用年数又は耐久度合を算出するステップ、を有する農業用フィルムの診断方法。
【選択図】 図2
【解決手段】▲1▼屋外に展張後特定の展張期間(β)経過した後の農業用フィルムの一部分(診断フィルム)の、強度特性および/または光線透過特性にかかる実測データを測定するステップ、
▲2▼該診断フィルムと同種の配合及びフィルム厚みを有する標準フィルムにおいて、擬似経時変化処理を与えたときの、経時期間と、強度特性および/または光線透過特性との相関関係を示す標準データ群を作成又は予め作成した標準データ群を選択するステップ、
▲3▼各特性データにおいて、該診断フィルムから得られた実測データ(1)、標準フィルムから得られた標準データ群、展張期間(β)を比較するステップ、
▲4▼比較結果から、各々設定した算出式に基づいて、残存耐用年数又は耐久度合を算出するステップ、を有する農業用フィルムの診断方法。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋外に長期に展張される農業用フィルムの残存耐用年数又は耐久度合を推定するための診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、植物の施設栽培を行うために、塩化ビニル系樹脂やポリオレフィン系樹脂からなる農業用フィルムを温室に展張することが行われている。
特にポリオレフィン系樹脂製の農業用フィルムは、従来耐久品といっても3〜4年の製品であったが、近年、本出願人等により5年以上、望ましくは10年の展張を目標とした超耐久品の開発がされ、市販が開始されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように長期展張を目標とした農業用フィルムを使用した場合、実際に使用する温室の、気温や台風などの環境条件の違いや、使用殺菌剤の種類や使用頻度等の使用方法の違いによって、各農家における農業用フィルムの耐用年数が自ずから異なってきてしまう恐れがある。そのため、必要時期に突然破断を起こしたり、また気づかないうちに透明性が低下して、植物の生育に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
すなわち本願発明の目的は、長期展張農業用フィルムを使用する農家が、その商品の性能を最大限に活用できるよう、特定期間経過後の使用フィルムの一部分を診断することにより、残存耐用年数を認知し、適正な時期での張替えを促すための診断方法を提供するものである。なお、今まで、農業用フィルムの残存耐用年数を診断するという発想もそのようなシステム自体も存在していない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明の要旨は、屋外に長期展張される農業用フィルムの残存耐用年数又は耐久度合を推定するための診断方法であって、
▲1▼屋外に展張後特定の展張期間(β)経過した後の農業用フィルムの一部分(診断フィルム)の、強度特性および/または光線透過特性にかかる実測データを測定するステップ、
▲2▼該診断フィルムと同種の配合及びフィルム厚みを有する標準フィルムにおいて、擬似経時変化処理を与えたときの、経時期間と、強度特性および/または光線透過特性との相関関係を示す標準データ群を作成又は予め作成した標準データ群を選択するステップ、
▲3▼各特性データにおいて、該診断フィルムから得られた実測データ(1)、標準フィルムから得られた標準データ群、展張期間(β)を比較するステップ、
▲4▼比較結果から、各々設定した算出式に基づいて、残存耐用年数又は耐久度合を算出するステップ、
を有する農業用フィルムの診断方法にある。
【0006】
更に、該ステップ▲3▼が、各特性データにおいて、該診断フィルムから得られた実測データを、対応する標準フィルムの標準データ群にプロットして算出経時期間(α)を算出し、算出経時期間(α)と実際の展張期間(β)を比較するステップである請求項1記載の農業用フィルムの診断方法にある。
【0007】
また、a)診断対象フィルムに関する製品情報、実展張期間、および特性に関する実測データを入力させる手順と、b)複数の標準フィルムの特性データ群の中から、該製品情報に応じた標準フィルムの標準データ群を選択させる手順と、c)各特性データごとに、実測データと、標準データ群を比較し、実測データに対応する算出経時期間(α)を算出する手段と、d)算出経時期間(α)と実展張期間(β)の大小を比較する手段と、e)比較結果に応じて、予め設定した関係式から、残存耐用年数を算出する手段とを、少なくともコンピュータに実行させる農業用フィルムの診断プログラムにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本願発明の対象となる農業用フィルムとは、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂を主体とする農業用フィルムが挙げられるが、本願発明は、特に、屋外の長期間展張により劣化しやすい性質をもつポリオレフィン系樹脂製農業用フィルムに適用することが好ましい。
なお、本願発明で長期展張とは少なくとも2年以上、好ましくは5年以上、更に好ましくは6年以上の長期展張を意味する。
【0009】
具体的に、好ましく適用できるポリオレフィン系樹脂製農業用フィルムとしては、ポリオレフィン系樹脂を主体とした層を少なくとも3層有してなり、かつ、温室展張時に内側となる面に、防曇塗膜、例えばコロイド状無機微粒子と熱可塑性バインダーを主成分とする防曇塗膜が形成されてなる農業用フィルム、また、更にその外側となる面に、耐久性向上を目的とする塗膜、例えばアクリル系樹脂を主成分とする塗膜が形成された農業用フィルムが挙げられる。
【0010】
(ステップ▲1▼−1)
屋外に展張した後特定期間(β)経過した後の農業用フィルムの一部分(以下「診断フィルム」という)を入手する。
特定期間(β)とは、実際の展張期間を意味するが、たいていは各農家が農業用フィルム製品を購入してから診断を行うまでの期間となる。
具体的には診断の希望者(農家等)は、診断依頼時に、製品の購入時期または購入からの展張期間を明記して診断者に連絡する。特定期間(以下実展張期間という。β)のデータは後述の比較ステップに必要となる。
更に診断希望者は、診断対象となる農業用フィルムの種類(製品名やメーカー名、フィルムの樹脂種類、フィルム厚み種別)を診断依頼時に連絡することが好ましい。
【0011】
診断フィルムの入手方法としては、例えば温室に展張しているフィルムの一部を切り取り、その部分は別フィルムで補修して入手する方法、予め製品フィルムに添付され屋外に展張された診断用部分フィルムを入手する方法など、適宜採用することができる。また、入手するフィルムとしては、一番強度的に劣化しやすい部位から入手することが好ましく、例えば、フィルム製造時に形成された折り目部分が存する部位を含む範囲を入手すると良い。また、少なくとも20cm×20cmの大きさ以上のフィルムを入手することが好ましい。
【0012】
(ステップ▲1▼―2)
ステップ▲1▼−1により入手した診断フィルムについて、その強度特性および/または光線透過特性に係る実測データを測定する。
強度特性データは、必須のデータであり、強度特性データとしては、引張破断強度、引張破断伸び率、衝撃強度等から、適宜選択した測定方法による特性を示し、必要であれば2種の特性を組み合わせればよい。好ましくは、引張破断強度と、引張破断伸び率を測定する。また、フィルムに対して横方向と縦方向の2方向の強度特性データを測定することや、複数箇所の部位を選択して複数データを入手することも好ましい。
光線透過特性データとしては、全光線透過率や、可視光線透過率、直進光透過率、散乱光透過率、ヘイズ値、等から、適宜選択した測定方法による特性を得ればよい。
これらの特性は、JISやASTMなどの試験規格に準じた方法で行えばよく、標準サンプルの測定方法と同等の方法で行えばよい。
【0013】
(ステップ▲2▼)
該診断フィルムと同種の配合及びフィルム厚みを有する標準フィルムにおいて、擬似経時変化処理を与えたときの、強度特性データおよび/または光線透過特性データの標準データ群を作成、又は好ましくは予め作成しておく。
用意しておく標準データ群は次のようにして求めることが出来る。まず、農業用フィルムの製品名別又は樹脂種別、厚み別、配合剤等の違いによる各製品に応じた複数の標準フィルムを作製する。通常は、診断フィルムの製品名の連絡を診断希望者から受けることにより、これらを特定できるが、不明な場合は分析測定を行えばよい。なお、配合は全く同一である必要はなく、樹脂の種類が同種で、主な配合添加剤の種類と添加量が同等であればよい。
【0014】
該標準フィルムについて、それぞれUV照射等による促進劣化試験を行い、経時毎の強度特性データ等を計測し、好ましくはグラフ化する。このようにして擬似経時変化による経時期間と強度特性等の相関関係を示す標準データ等を入手する。代表的なデータ群の実例として、横軸にUV照射時間から算出された擬似経時軸を有し、縦軸に引張破断強度等のデータ軸を有した場合、グラフは経時的に強度が低下する右下がりの直線又は二次曲線を描くグラフとなる。用いる標準フィルムの種類によって、低下率や、低下曲線の特徴(直線的に低下するタイプ、初期に低下率が高いタイプ、後期に低下率が高いタイプなど)が異なってくる。サンプルの促進劣化試験は、劣化の一番の原因であるUV劣化を意識したUV照射を用いることが好ましいが、そのほか、熱劣化を意識した加熱試験、農薬劣化を意識した硫黄処理試験、摩擦劣化を意識した磨耗試験などを適宜採用、併用してもよく、農業用フィルムが適用される環境に合わせて、これら促進劣化試験の試験種を異ならせてもよい。
【0015】
(ステップ▲3▼)
各特性データにおいて、該診断フィルムで得られた実測データ、該標準フィルムで得られた標準データ群、実展張期間(β)を比較するステップ
比較方法の一つ(▲3▼−1)としては、診断フィルムから得られた実測データ、例えば強度特性データ(s1)を、それに対応する製品の標準フィルムから得られた強度特性データ群(S)を示すグラフ上にプロットし、その強度特性データ(s1)に対応する算出経時期間(sα)を得る。そして診断希望者から連絡を受けた実際の使用期間(β)とグラフから得た算出経時期間(sα)とを比較する。sα≦βであった場合、予想していた標準データより、該診断フィルムの劣化はさほど進んでいないこととなり、sα>βであった場合には、使用環境の過酷等の原因により、該農業用フィルムの劣化は、予想より進んでいることが判る。
他の比較方法としては、診断フィルムの実際の使用期間(β)を標準フィルムのデータ群と照らし合わせて、β期間に対応する強度特性データ数値(s1‘)を読み取り、実際の強度特性データ(s1)と比較する方法も挙げられる。
【0016】
(ステップ▲4▼)
比較結果から、各々設定した算出式に基づいて、該農業用フィルムの残存耐用年数又は耐久度合を表示する。
各強度特性等の標準データ群には、使用限度の目安となる数値又は%をその製品の要求性能に応じて適宜設定しておき、例えば、引張破断強度が初期の50%程度以下になる時(X)は、取替時(設定耐用年数)としておく。
【0017】
算出式残存耐用年数を推定する方法の例を図1、図2を参照にして説明する。上記比較結果より、α≦βであった場合には、X−αの期間からX−βの期間の間の期間を残存耐用年数とする(図1)。例えば、X−{(a+β)/2}とする。一方、α>βであった場合には、X−αとするか、又は、標準グラフ曲線に比べ実際の劣化グラフ曲線の増減率が高い可能性があるため、補正曲線を求めて、その補正曲線における使用限度に対応する年数(X‘)を求め、X’−βの期間とする(図2)。補正曲線は、例えば、初期の値と、実際の使用期間βと実際の強度特性データs1のプロット位置の値を通過するように標準データ群のグラフを修正することにより得られる。
【0018】
なお、これらの比較および算出を,複数の強度特性データについて行った場合、また強度特性データと光線透過特性データを組み合わせて行った場合、強度特性データのうち、最も劣化度が高い(耐用年数が短い)と判断される結果を総合判断においては優先することが好ましい。
残存耐用年数は、日単位といった細かな表示より、年単位又は月単位に切り捨てて表示することが好ましい。
また、残存耐用年数の表示に代えて、耐久度合を示す記号(Aランク等)で表示することも好ましい。
【0019】
これらのステップ▲2▼▲3▼▲4▼の評価判断作業は図−6のようにプログラム化して、具体的にコンピュータを用いて実現することが出来る。なお、入力順序等は特にこの順序に制限されない。
例えば、コンピュータの記録手段には予め複数の標準フィルムのデータ群を蓄積しておき、診断対象となる農業用フィルムの製品名か、個々に樹脂種別、厚み、主配合種に係る製品情報を入力(ステップa−1)させる手段を有し、その製品情報に応じて該診断フィルムに対応する(同一製品又は類似組成の)標準フィルムのデータ群を選択、呼び出す(ステップb)手段を有する。
診断フィルムの実際の展張期間(β)を入力し(ステップa−2)、診断対象フィルムの各特性の実測データ(s1、t1、e1)を入力させる手段も有する(ステップa−3)。
【0020】
コンピュータの算出手段では、各特性データごとに、実測データ(1)と、グラフ化した標準データ群を比較し、実測データに対応する算出経時期間(α)を算出する(ステップc)。
得られた算出経時期間(α)と実際の展張期間(β)の大小を比較し(ステップd)、比較結果に応じて、予め設定または選択した設定耐用年数(X)とα又はβの関係式から、各特性データにおける残存耐用年数(Z)を算出する(ステップe)。
複数の特性データにつき、上記の比較・算出を行った場合は、その結果を集計し、予め設定した条件(例えば強度特性から得られた結果のうち最小の値を選択するなど)に基づき総合判断としての残存耐用年数(Z)を算出し(ステップf)、結果を出力表示する。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて説明するが、本願発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0022】
(診断対象フィルムの入手)
日本各地(4ヶ所)で試験展張した後、3年(=β)経過した農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの屋根部の一部を、50cm×50cmのサイズで切り取り、診断対象フィルムとした。
(診断対象フィルムのデータ測定)
▲1▼ 直進光線透過率の測定
入手したサンプルをやわらかいスポンジでフィルムに傷がつかない程度に洗浄し、汚れ等を含まないフィルム自身の直進光線透過率(555nmにおける平行光線透過率)を、分光光度計(日立製作所製330型)にて測定し、結果を表−1中に記載した。
【0023】
▲2▼ 引張破断強度、及び引張破断伸びの測定
入手したフィルムの引張破断強度、及び引張破断伸度をJIS−K6732の測定方法に準拠して、23℃におけるフィルム流れ方向(タテ方向)について測定し、結果を表−1中に記載した。
【0024】
(標準フィルムのデータ群の作成)
診断対象フィルムと同一製品について、UV促進劣化試験を行い、経時毎の直進光線透過率、及び引張破断強度、引張破断伸度を測定し、それぞれの測定項目に関して、経時変化標準グラフを作成した。(図−3、4、5)
(比較・評価)
▲1▼、▲2▼で得られたデータを、経時変化標準グラフと比較し、以下の方法で残存耐用年数を算出し、表−1中に記載した。
尚、耐用年数は、初期物性値の30%に低下した時点(X=5年)とした。
【0025】
(残存耐用年数算出方法)
1)▲1▼で得られた直進光線透過率データ(t1)から経時変化標準グラフにおける経時年数(α)を算出する。
2)経時データを実際の展張年月(β)を比較する
3)α<βの場合、耐用年数−{(α+β)/2} を残存耐用年数とした
β<αの場合、耐用年数−α を残存耐用年数とした
4)▲2▼で得られた引張破断強度データ(s1)、引張破断伸度データ(e1)についても上記1)〜3)と同様の方法で残存耐用年数を算出し、その年数と3)で算出された残存耐用年数を比較し、短い方を最終的な残存耐用年数とした。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【発明の効果】
本発明によれば、各環境条件、使用条件により実際の耐用年数が異なる長期展張農業用フィルムの、実際の残存耐用年数を認知し、適正な時期での張替えを促すことができるので、展張中の突然の破断等の問題を事前に回避することができ、その商品の性能を最大限に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、α≦βの場合の、残存耐用年数算出例
【図2】本発明における、α>βの場合の、残存耐用年数算出例
【図3】本発明実施例における標準フィルムの直進光線透過率の経時グラフ
【図4】本発明実施例における標準フィルムの引張破断強度の経時グラフ
【図5】本発明実施例における標準フィルムの引張破断伸度の経時グラフ
【図6】本発明の診断プログラムの動作を示すフローチャート
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋外に長期に展張される農業用フィルムの残存耐用年数又は耐久度合を推定するための診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、植物の施設栽培を行うために、塩化ビニル系樹脂やポリオレフィン系樹脂からなる農業用フィルムを温室に展張することが行われている。
特にポリオレフィン系樹脂製の農業用フィルムは、従来耐久品といっても3〜4年の製品であったが、近年、本出願人等により5年以上、望ましくは10年の展張を目標とした超耐久品の開発がされ、市販が開始されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように長期展張を目標とした農業用フィルムを使用した場合、実際に使用する温室の、気温や台風などの環境条件の違いや、使用殺菌剤の種類や使用頻度等の使用方法の違いによって、各農家における農業用フィルムの耐用年数が自ずから異なってきてしまう恐れがある。そのため、必要時期に突然破断を起こしたり、また気づかないうちに透明性が低下して、植物の生育に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
すなわち本願発明の目的は、長期展張農業用フィルムを使用する農家が、その商品の性能を最大限に活用できるよう、特定期間経過後の使用フィルムの一部分を診断することにより、残存耐用年数を認知し、適正な時期での張替えを促すための診断方法を提供するものである。なお、今まで、農業用フィルムの残存耐用年数を診断するという発想もそのようなシステム自体も存在していない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明の要旨は、屋外に長期展張される農業用フィルムの残存耐用年数又は耐久度合を推定するための診断方法であって、
▲1▼屋外に展張後特定の展張期間(β)経過した後の農業用フィルムの一部分(診断フィルム)の、強度特性および/または光線透過特性にかかる実測データを測定するステップ、
▲2▼該診断フィルムと同種の配合及びフィルム厚みを有する標準フィルムにおいて、擬似経時変化処理を与えたときの、経時期間と、強度特性および/または光線透過特性との相関関係を示す標準データ群を作成又は予め作成した標準データ群を選択するステップ、
▲3▼各特性データにおいて、該診断フィルムから得られた実測データ(1)、標準フィルムから得られた標準データ群、展張期間(β)を比較するステップ、
▲4▼比較結果から、各々設定した算出式に基づいて、残存耐用年数又は耐久度合を算出するステップ、
を有する農業用フィルムの診断方法にある。
【0006】
更に、該ステップ▲3▼が、各特性データにおいて、該診断フィルムから得られた実測データを、対応する標準フィルムの標準データ群にプロットして算出経時期間(α)を算出し、算出経時期間(α)と実際の展張期間(β)を比較するステップである請求項1記載の農業用フィルムの診断方法にある。
【0007】
また、a)診断対象フィルムに関する製品情報、実展張期間、および特性に関する実測データを入力させる手順と、b)複数の標準フィルムの特性データ群の中から、該製品情報に応じた標準フィルムの標準データ群を選択させる手順と、c)各特性データごとに、実測データと、標準データ群を比較し、実測データに対応する算出経時期間(α)を算出する手段と、d)算出経時期間(α)と実展張期間(β)の大小を比較する手段と、e)比較結果に応じて、予め設定した関係式から、残存耐用年数を算出する手段とを、少なくともコンピュータに実行させる農業用フィルムの診断プログラムにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本願発明の対象となる農業用フィルムとは、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂を主体とする農業用フィルムが挙げられるが、本願発明は、特に、屋外の長期間展張により劣化しやすい性質をもつポリオレフィン系樹脂製農業用フィルムに適用することが好ましい。
なお、本願発明で長期展張とは少なくとも2年以上、好ましくは5年以上、更に好ましくは6年以上の長期展張を意味する。
【0009】
具体的に、好ましく適用できるポリオレフィン系樹脂製農業用フィルムとしては、ポリオレフィン系樹脂を主体とした層を少なくとも3層有してなり、かつ、温室展張時に内側となる面に、防曇塗膜、例えばコロイド状無機微粒子と熱可塑性バインダーを主成分とする防曇塗膜が形成されてなる農業用フィルム、また、更にその外側となる面に、耐久性向上を目的とする塗膜、例えばアクリル系樹脂を主成分とする塗膜が形成された農業用フィルムが挙げられる。
【0010】
(ステップ▲1▼−1)
屋外に展張した後特定期間(β)経過した後の農業用フィルムの一部分(以下「診断フィルム」という)を入手する。
特定期間(β)とは、実際の展張期間を意味するが、たいていは各農家が農業用フィルム製品を購入してから診断を行うまでの期間となる。
具体的には診断の希望者(農家等)は、診断依頼時に、製品の購入時期または購入からの展張期間を明記して診断者に連絡する。特定期間(以下実展張期間という。β)のデータは後述の比較ステップに必要となる。
更に診断希望者は、診断対象となる農業用フィルムの種類(製品名やメーカー名、フィルムの樹脂種類、フィルム厚み種別)を診断依頼時に連絡することが好ましい。
【0011】
診断フィルムの入手方法としては、例えば温室に展張しているフィルムの一部を切り取り、その部分は別フィルムで補修して入手する方法、予め製品フィルムに添付され屋外に展張された診断用部分フィルムを入手する方法など、適宜採用することができる。また、入手するフィルムとしては、一番強度的に劣化しやすい部位から入手することが好ましく、例えば、フィルム製造時に形成された折り目部分が存する部位を含む範囲を入手すると良い。また、少なくとも20cm×20cmの大きさ以上のフィルムを入手することが好ましい。
【0012】
(ステップ▲1▼―2)
ステップ▲1▼−1により入手した診断フィルムについて、その強度特性および/または光線透過特性に係る実測データを測定する。
強度特性データは、必須のデータであり、強度特性データとしては、引張破断強度、引張破断伸び率、衝撃強度等から、適宜選択した測定方法による特性を示し、必要であれば2種の特性を組み合わせればよい。好ましくは、引張破断強度と、引張破断伸び率を測定する。また、フィルムに対して横方向と縦方向の2方向の強度特性データを測定することや、複数箇所の部位を選択して複数データを入手することも好ましい。
光線透過特性データとしては、全光線透過率や、可視光線透過率、直進光透過率、散乱光透過率、ヘイズ値、等から、適宜選択した測定方法による特性を得ればよい。
これらの特性は、JISやASTMなどの試験規格に準じた方法で行えばよく、標準サンプルの測定方法と同等の方法で行えばよい。
【0013】
(ステップ▲2▼)
該診断フィルムと同種の配合及びフィルム厚みを有する標準フィルムにおいて、擬似経時変化処理を与えたときの、強度特性データおよび/または光線透過特性データの標準データ群を作成、又は好ましくは予め作成しておく。
用意しておく標準データ群は次のようにして求めることが出来る。まず、農業用フィルムの製品名別又は樹脂種別、厚み別、配合剤等の違いによる各製品に応じた複数の標準フィルムを作製する。通常は、診断フィルムの製品名の連絡を診断希望者から受けることにより、これらを特定できるが、不明な場合は分析測定を行えばよい。なお、配合は全く同一である必要はなく、樹脂の種類が同種で、主な配合添加剤の種類と添加量が同等であればよい。
【0014】
該標準フィルムについて、それぞれUV照射等による促進劣化試験を行い、経時毎の強度特性データ等を計測し、好ましくはグラフ化する。このようにして擬似経時変化による経時期間と強度特性等の相関関係を示す標準データ等を入手する。代表的なデータ群の実例として、横軸にUV照射時間から算出された擬似経時軸を有し、縦軸に引張破断強度等のデータ軸を有した場合、グラフは経時的に強度が低下する右下がりの直線又は二次曲線を描くグラフとなる。用いる標準フィルムの種類によって、低下率や、低下曲線の特徴(直線的に低下するタイプ、初期に低下率が高いタイプ、後期に低下率が高いタイプなど)が異なってくる。サンプルの促進劣化試験は、劣化の一番の原因であるUV劣化を意識したUV照射を用いることが好ましいが、そのほか、熱劣化を意識した加熱試験、農薬劣化を意識した硫黄処理試験、摩擦劣化を意識した磨耗試験などを適宜採用、併用してもよく、農業用フィルムが適用される環境に合わせて、これら促進劣化試験の試験種を異ならせてもよい。
【0015】
(ステップ▲3▼)
各特性データにおいて、該診断フィルムで得られた実測データ、該標準フィルムで得られた標準データ群、実展張期間(β)を比較するステップ
比較方法の一つ(▲3▼−1)としては、診断フィルムから得られた実測データ、例えば強度特性データ(s1)を、それに対応する製品の標準フィルムから得られた強度特性データ群(S)を示すグラフ上にプロットし、その強度特性データ(s1)に対応する算出経時期間(sα)を得る。そして診断希望者から連絡を受けた実際の使用期間(β)とグラフから得た算出経時期間(sα)とを比較する。sα≦βであった場合、予想していた標準データより、該診断フィルムの劣化はさほど進んでいないこととなり、sα>βであった場合には、使用環境の過酷等の原因により、該農業用フィルムの劣化は、予想より進んでいることが判る。
他の比較方法としては、診断フィルムの実際の使用期間(β)を標準フィルムのデータ群と照らし合わせて、β期間に対応する強度特性データ数値(s1‘)を読み取り、実際の強度特性データ(s1)と比較する方法も挙げられる。
【0016】
(ステップ▲4▼)
比較結果から、各々設定した算出式に基づいて、該農業用フィルムの残存耐用年数又は耐久度合を表示する。
各強度特性等の標準データ群には、使用限度の目安となる数値又は%をその製品の要求性能に応じて適宜設定しておき、例えば、引張破断強度が初期の50%程度以下になる時(X)は、取替時(設定耐用年数)としておく。
【0017】
算出式残存耐用年数を推定する方法の例を図1、図2を参照にして説明する。上記比較結果より、α≦βであった場合には、X−αの期間からX−βの期間の間の期間を残存耐用年数とする(図1)。例えば、X−{(a+β)/2}とする。一方、α>βであった場合には、X−αとするか、又は、標準グラフ曲線に比べ実際の劣化グラフ曲線の増減率が高い可能性があるため、補正曲線を求めて、その補正曲線における使用限度に対応する年数(X‘)を求め、X’−βの期間とする(図2)。補正曲線は、例えば、初期の値と、実際の使用期間βと実際の強度特性データs1のプロット位置の値を通過するように標準データ群のグラフを修正することにより得られる。
【0018】
なお、これらの比較および算出を,複数の強度特性データについて行った場合、また強度特性データと光線透過特性データを組み合わせて行った場合、強度特性データのうち、最も劣化度が高い(耐用年数が短い)と判断される結果を総合判断においては優先することが好ましい。
残存耐用年数は、日単位といった細かな表示より、年単位又は月単位に切り捨てて表示することが好ましい。
また、残存耐用年数の表示に代えて、耐久度合を示す記号(Aランク等)で表示することも好ましい。
【0019】
これらのステップ▲2▼▲3▼▲4▼の評価判断作業は図−6のようにプログラム化して、具体的にコンピュータを用いて実現することが出来る。なお、入力順序等は特にこの順序に制限されない。
例えば、コンピュータの記録手段には予め複数の標準フィルムのデータ群を蓄積しておき、診断対象となる農業用フィルムの製品名か、個々に樹脂種別、厚み、主配合種に係る製品情報を入力(ステップa−1)させる手段を有し、その製品情報に応じて該診断フィルムに対応する(同一製品又は類似組成の)標準フィルムのデータ群を選択、呼び出す(ステップb)手段を有する。
診断フィルムの実際の展張期間(β)を入力し(ステップa−2)、診断対象フィルムの各特性の実測データ(s1、t1、e1)を入力させる手段も有する(ステップa−3)。
【0020】
コンピュータの算出手段では、各特性データごとに、実測データ(1)と、グラフ化した標準データ群を比較し、実測データに対応する算出経時期間(α)を算出する(ステップc)。
得られた算出経時期間(α)と実際の展張期間(β)の大小を比較し(ステップd)、比較結果に応じて、予め設定または選択した設定耐用年数(X)とα又はβの関係式から、各特性データにおける残存耐用年数(Z)を算出する(ステップe)。
複数の特性データにつき、上記の比較・算出を行った場合は、その結果を集計し、予め設定した条件(例えば強度特性から得られた結果のうち最小の値を選択するなど)に基づき総合判断としての残存耐用年数(Z)を算出し(ステップf)、結果を出力表示する。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて説明するが、本願発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0022】
(診断対象フィルムの入手)
日本各地(4ヶ所)で試験展張した後、3年(=β)経過した農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの屋根部の一部を、50cm×50cmのサイズで切り取り、診断対象フィルムとした。
(診断対象フィルムのデータ測定)
▲1▼ 直進光線透過率の測定
入手したサンプルをやわらかいスポンジでフィルムに傷がつかない程度に洗浄し、汚れ等を含まないフィルム自身の直進光線透過率(555nmにおける平行光線透過率)を、分光光度計(日立製作所製330型)にて測定し、結果を表−1中に記載した。
【0023】
▲2▼ 引張破断強度、及び引張破断伸びの測定
入手したフィルムの引張破断強度、及び引張破断伸度をJIS−K6732の測定方法に準拠して、23℃におけるフィルム流れ方向(タテ方向)について測定し、結果を表−1中に記載した。
【0024】
(標準フィルムのデータ群の作成)
診断対象フィルムと同一製品について、UV促進劣化試験を行い、経時毎の直進光線透過率、及び引張破断強度、引張破断伸度を測定し、それぞれの測定項目に関して、経時変化標準グラフを作成した。(図−3、4、5)
(比較・評価)
▲1▼、▲2▼で得られたデータを、経時変化標準グラフと比較し、以下の方法で残存耐用年数を算出し、表−1中に記載した。
尚、耐用年数は、初期物性値の30%に低下した時点(X=5年)とした。
【0025】
(残存耐用年数算出方法)
1)▲1▼で得られた直進光線透過率データ(t1)から経時変化標準グラフにおける経時年数(α)を算出する。
2)経時データを実際の展張年月(β)を比較する
3)α<βの場合、耐用年数−{(α+β)/2} を残存耐用年数とした
β<αの場合、耐用年数−α を残存耐用年数とした
4)▲2▼で得られた引張破断強度データ(s1)、引張破断伸度データ(e1)についても上記1)〜3)と同様の方法で残存耐用年数を算出し、その年数と3)で算出された残存耐用年数を比較し、短い方を最終的な残存耐用年数とした。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【発明の効果】
本発明によれば、各環境条件、使用条件により実際の耐用年数が異なる長期展張農業用フィルムの、実際の残存耐用年数を認知し、適正な時期での張替えを促すことができるので、展張中の突然の破断等の問題を事前に回避することができ、その商品の性能を最大限に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、α≦βの場合の、残存耐用年数算出例
【図2】本発明における、α>βの場合の、残存耐用年数算出例
【図3】本発明実施例における標準フィルムの直進光線透過率の経時グラフ
【図4】本発明実施例における標準フィルムの引張破断強度の経時グラフ
【図5】本発明実施例における標準フィルムの引張破断伸度の経時グラフ
【図6】本発明の診断プログラムの動作を示すフローチャート
Claims (3)
- 屋外に長期展張される農業用フィルムの残存耐用年数又は耐久度合を推定するための診断方法であって、
▲1▼屋外に展張後特定の展張期間(β)経過した後の農業用フィルムの一部分(診断フィルム)の、強度特性および/または光線透過特性にかかる実測データを測定するステップ、
▲2▼該診断フィルムと同種の配合及びフィルム厚みを有する標準フィルムにおいて、擬似経時変化処理を与えたときの、経時期間と、強度特性および/または光線透過特性との相関関係を示す標準データ群を作成又は予め作成した標準データ群を選択するステップ、
▲3▼各特性データにおいて、該診断フィルムから得られた実測データ(1)、標準フィルムから得られた標準データ群、展張期間(β)を比較するステップ、
▲4▼比較結果から、各々設定した算出式に基づいて、残存耐用年数又は耐久度合を算出するステップ、
を有する農業用フィルムの診断方法。 - 該ステップ▲3▼が、各特性データにおいて、該診断フィルムから得られた実測データを、対応する標準フィルムの標準データ群にプロットして算出経時期間(α)を算出し、算出経時期間(α)と実際の展張期間(β)を比較するステップである請求項1記載の農業用フィルムの診断方法。
- a)診断対象フィルムに関する製品情報、実展張期間、および特性に関する実測データを入力させる手順と、b)複数の標準フィルムの特性データ群の中から、該製品情報に応じた標準フィルムの標準データ群を選択させる手順と、c)各特性データごとに、実測データと、標準データ群を比較し、実測データに対応する算出経時期間(α)を算出する手段と、d)算出経時期間(α)と実展張期間(β)の大小を比較する手段と、e)比較結果に応じて、予め設定した関係式から、残存耐用年数を算出する手段とを、少なくともコンピュータに実行させる農業用フィルムの診断プログラム。
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