JP2004316554A - Warm-up control device of internal combustion engine - Google Patents

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To properly perform preheating always without waste in a warm-up control device for preheating an internal combustion engine so as to facilitate the starting of the internal combustion engine prior to the starting of the same. <P>SOLUTION: In order to perform the warm-up of the internal combustion engine before starting, a heat storage tank 48, a water pump 46 for heat storage, and a channel change-over valve 42 are provided. When door opening in a vehicle is recognized, a preheat treatment is executed so as to supply a warm cooling water inside the heat storage tank 48 to the internal combustion engine 10. An execution history is of the preheat treatment is created and the history is cleared when the internal combustion engine is started. Upon requesting of re-preheating, when the execution history is present, the repreheating is allowed, and when the execution history is cleared, the re-preheating is inhibited. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の暖機制御装置に係り、特に、内燃機関の始動前に、その始動を容易ならしめるべく内燃機関をプレヒートする装置として好適な内燃機関の暖機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開2002−59729号公報に開示されるように、内燃機関の暖機を促進させるために、内燃機関の始動に先立って、内燃機関のプレヒートを行う装置が知られている。この装置は、内燃機関の冷却経路中に配置された蓄熱タンクを備えている。蓄熱タンクには、内燃機関の暖機時に、80℃程度に加熱された冷却水が蓄えられる。蓄熱タンクに蓄えられた温暖な冷却水は、内燃機関が停止して、内燃機関が十分に冷却された時点でも暖かい状態に維持される。プレヒートの際には、蓄熱タンクに蓄えられている温暖な冷却水が、主として吸気ポート付近が暖められるように内燃機関に対して供給される。
【0003】
蓄熱タンクに蓄えられている温暖な冷却水は、その量が有限であるため、プレヒートの実施可能回数も自ずと有限となる。一方、プレヒートが実施されれば、内燃機関の温度は一時的には上昇するものの、その後内燃機関が始動されることなく放置されれば、その温度は再び低下して、プレヒートの実施に伴う始動性向上効果が望めない状態となる。このため、上記従来の装置において、冷間時の始動性を効果的に向上させるためには、内燃機関が始動される直前にプレヒートが実施され、その後、内燃機関の温度が十分に上昇した時点で始動動作が開始されることが望ましい。
【0004】
上記従来の装置では、運転席のドアが開けられた時点が、プレヒートの実施開始タイミングとされている。つまり、この装置は、内燃機関の停止中に、ドアスイッチによって運転席側の開扉が検知されると、その時点で蓄熱タンク内の冷却水を用いたプレヒートを実施し始める。車両の運転者は、運転者側のドアを開けて車両に乗り込み、その後、一連の動作の流れとして内燃機関を始動するのが通常である。従って、上述したタイミングでプレヒートが実施されれば、多くの場合は、プレヒートが開始された後、内燃機関の温度が適当に上昇した時点で内燃機関の始動が開始されることになる。このため、上記従来の装置によれば、冷間時における内燃機関の始動性を、プレヒートを実施することで効果的に向上させることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−59729号公報
【特許文献2】
特開2002−38947号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置は、プレヒートを実行するか否かを運転席側のドアが開いたか否かのみに基づいて判断しているため、プレヒートの実施が真に求められる場合に無駄なくプレヒートを実施することができない。具体的には、上記従来の装置によれば、内燃機関が停止された後、運転者が降車のために開扉を行った場合に無駄なプレヒートを実施してしまうことがある。反対に、上記従来の装置によれば、運転者が、乗車後長い時間が経過した時点で始動動作を開始したような場合には、その始動に先立つ適切なプレヒートを実施することができない。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の始動に先立って、常に無駄なく適切にプレヒートを実施することのできる内燃機関の暖機制御装置を提供することを目的とする。
より具体的には、本発明は、内燃機関の停止後に無駄なプレヒートを実施することのない内燃機関の暖機制御装置、および内燃機関の始動直前に適切なプレヒートを実施することのできる内燃機関の暖機制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の暖機制御装置であって、
始動前の内燃機関を暖機するためのプレヒート機構と、
車両における開扉に伴う開扉事象を認識する開扉事象認識手段と、
前記開扉事象が認識された場合に、前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施するプレヒート実施手段と、
前記プレヒート処理の実施履歴を作成する実施履歴作成手段と、
内燃機関の始動と共に前記実施履歴をクリアする実施履歴クリア手段と、
前記実施履歴が存在する場合は再プレヒートの実施を許可し、その実施履歴がクリアされている場合は再プレヒートの実施を禁止する再プレヒート実施許否決定手段と、
再プレヒートの要求条件が成立し、かつ、再プレヒートの実施が許可されている場合に再び前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施する再プレヒート実施手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明は、内燃機関の暖機制御装置であって、
始動前の内燃機関を暖機するためのプレヒート機構と、
車両における開扉に伴う開扉事象を認識する開扉事象認識手段と、
前記開扉事象が認識された場合に、前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施するプレヒート実施手段と、
内燃機関の温度が再プレヒート要求温度以下に低下した場合に再び前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施する再プレヒート実施手段と、
プレヒート処理が実施される毎に、その実施に伴う内燃機関の到達温度に基づいて再プレヒート要求温度を設定する再プレヒート要求温度設定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、第3の発明は、内燃機関の暖機制御装置であって、
始動前の内燃機関を暖機するためのプレヒート機構と、
車両における開扉に伴う開扉事象を認識する開扉事象認識手段と、
前記開扉事象が認識された場合に、前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施するプレヒート実施手段と、
運転席に運転者が着座しているか否かを判定する着座判定手段と、
運転席に運転者が着座していると判定される場合は、前記開扉事象の認識に伴う前記プレヒート処理の実施を禁止する開扉プレヒート禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、第4の発明は、第3の発明において、前記着座判定手段は、内燃機関が停止した後、前記開扉事象が初めて認識されるまでは運転席に運転者が着座していると判定することを特徴とする。
【0012】
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
内燃機関の始動時に、その始動に先立って生ずる始動前事象を認識する始動前事象認識手段と、
前記始動前事象が認識された場合に、前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施する始動時プレヒート実施手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0014】
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図を示す。本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10は、シリンダヘッド12およびシリンダブロック14を備えている。シリンダヘッド12およびシリンダブロック14の内部には、冷却水を流通させるための冷却水通路が設けられている(その詳細は図示省略)。
【0015】
シリンダヘッド12内部の冷却水通路は、主配管16介してラジエタ18の一端に連通している。ラジエタ18の他端は、主配管20を介してバイパス差圧弁付きサーモスタット22に連通している。バイパス差圧弁付きサーモスタット22には、主配管20の反対側に、シリンダブロック14の内部を横断する冷却水通路24、シリンダヘッド12へと向かうバイパス通路26、およびウォータポンプ28が連通している。バイパス差圧弁付きサーモスタット22は、冷却水温が低い間は、サーモスタットにより主配管20を閉塞し、冷却水温が十分に高い場合は主配管20を開放する。また、パイパス差圧弁付きサーモスタット22は、バイパス差圧弁により、必要に応じてバイパス通路26を閉塞することができる。
【0016】
ウォータポンプ28は、内燃機関10を動力源とする機械式のポンプであり、その作動中は、バイパス差圧弁付きサーモスタット22の近傍に流入してきた冷却水を吸い込んで、シリンダブロック14内部の冷却水通路(図示せず)に吐出することができる。シリンダブロック14およびシリンダヘッド12の内部には、ウォータポンプ28から吐出された冷却水が、シリンダブロック14およびシリンダヘッド12を順次冷却した後に主配管16へ流出するように冷却水通路が形成されている。
【0017】
既述した主配管16には、スロットルボディ30に通じる配管32が連通している。スロットルボディ30には、配管32と連通する冷却水の通路(図示せず)が設けられている。この通路は、一端において配管32と連通していると共に、その他端において配管34と連通している。そして、その配管34は、シリンダブロック14内の冷却水通路24と連通する配管36に通じている。これらの配管32,34によれば、スロットルボディ30の周囲に冷却水を循環させることができ、スロットルボディの氷着を防ぐことができる。
【0018】
シリンダヘッド12には、主配管16に加えて、キャビンヒータ38に通じる配管40が連通している。キャビンヒータ38は、車室内の暖房に用いられるヒータである。キャビンヒータ38の他端は流路切り替え弁42に通じる配管43に連通している。
【0019】
流路切り替え弁42には、既述した2つの配管36,43に加えて、3本目の配管44が連通している。この配管44は、蓄熱用ウォータポンプ46を介して蓄熱タンク48の流入口に連通している。流路切り替え弁42は、外部から供給される駆動信号により、キャビンヒータ38が配管36に連通する第1状態、蓄熱用ウォータポンプ46が配管36に連通する第2状態、およびキャビンヒータ38と蓄熱用ウォータポンプ46とが導通する第3状態を選択的に実現することのできる3方向弁である。
【0020】
蓄熱用ウォータポンプ46は、電動リレー50のオン・オフに応じて作動・非作動状態を切り換えることのできる電動ポンプであり、その作動時には、流路切り替え弁42側から吸い込んだ冷却水を蓄熱タンク48に向けて吐出することができる。蓄熱タンク48は、その内外での熱伝導を十分に抑制することのできるタンクであり、本実施形態では、温暖な冷却水をその内部に蓄える目的で用いられる。蓄熱タンク48の流出口は、配管52を介して主配管16に連通している。
【0021】
図1に示すように、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60には、シリンダヘッド12に配置された第1水温センサ62、および蓄熱タンク48の流出口に配置された第2水温センサ64が接続されている。第1水温センサ62によれば、シリンダヘッド12の温度を、主配管16や配管40と連通する部分の近傍において計測することができる。第2水温センサ64によれば、蓄熱タンク48から流出する冷却水の温度を計測することができる。
【0022】
ECU60には、更に、ドアスイッチ66、回転数センサ68、着座センサ70、ブレーキスイッチ72、シートベルトスイッチ74、パーキングブレーキスイッチ76およびキーシリンダースイッチ78が接続されている。ドアスイッチ66は、運転者側のドアが開くことによりオンとなるスイッチである。回転数センサ68は、機関回転数NEに応じた出力を発するセンサである。着座センサ70は、運転席に運転者の荷重が加わっているか否かに応じた出力を発するセンサである。ブレーキスイッチ72は、ブレーキペダルが踏み込まれることによりオンとなるスイッチである。シートベルトスイッチ74は、運転席のシートベルトが装着されることによりオンとなるスイッチである。パーキングブレーキスイッチ76は、パーキングブレーキがかけられているか否かに応じた出力を発するスイッチである。そして、キーシリンダースイッチ78は、キーシリンダにキーが挿入されているか否か、更には、挿入されたキーがどの位置に操作されているか等に応じた出力を発するスイッチである。
【0023】
[基本動作の説明]
次に、図1に示すシステムの基本動作を説明する。図1に示すシステムは、(1)内燃機関10の始動に先立って行われるプレヒートの実施中、(2)その始動の後、内燃機関10の温度が低い期間中、および(3)暖機が十分に進んだ後において、それぞれ異なる冷却水循環経路を形成する。以下、個々の状況下で形成される循環経路について説明する。
【0024】
(1)プレヒート実行中
本実施形態のシステムは、内燃機関10の始動時に、その始動に先立ってプレヒート処理を実行することとしている。プレヒート処理の前提として、本実施形態のシステムは、内燃機関10が十分に暖機されている期間中に、温暖な冷却水を予め蓄熱タンク48に蓄える。プレヒート処理では、その温暖な冷却水が蓄熱タンク48から内燃機関10へと供給される。プレヒート処理によれば、内燃機関10の温度、特に吸気ポート近傍の温度を高めることができ、その結果、内燃機関10の始動性を高めることができる。
【0025】
図1において、実線で示す矢印は、プレヒート実行中における冷却水の流通経路を示す。プレヒートの実行中は、バイパス差圧弁付きサーモスタット22が、バイパス通路26を閉鎖する状態となると共に、流路切り替え弁42が、配管36を蓄熱用ウォータポンプ46に連通させるように制御される。更に、ECU60は、プレヒート実行中は蓄熱用ウォータポンプ46が作動するように電動リレー50を制御する。この場合、蓄熱用ウォータポンプ46から吐出された冷却水が蓄熱タンク48流入することにより、蓄熱タンク48に蓄えられている温暖な冷却水がシリンダヘッド12に向かって流出する。シリンダヘッド12に流入した温暖な冷却水は、その内部を通過してシリンダブロック14へと流通する。そして、シリンダブロック14から流出する冷却水が、配管24を通り、流路切り替え弁42を通って蓄熱用ウォータポンプ46に到達することにより冷却水の循環が成立する。冷却水が上記の経路で循環する過程で、シリンダヘッド12は、特にその吸気ポート近傍の部分が暖められる。その結果、始動時における燃料の気化性が向上し、内燃機関10の始動性が改善される。
【0026】
(2)内燃機関の低温運転中
内燃機関10の運転中は、蓄熱用ウォータポンプ46が停止状態に維持されると共に、流路切り替え弁42が、キャビンヒータ38と配管36とを連通させる状態に制御される。また、内燃機関10を動力源とする機械式のウォータポンプ28は、内燃機関10が始動されると同時にその作動を開始する。
【0027】
図1中に破線で示す矢印は、内燃機関10の運転中に実現される冷却水の流通経路を示す。内燃機関10の始動後、その暖機が十分に進行していない間、つまり、冷却水温が低い間は、バイパス差圧弁付きサーモスタット22により主配管20が閉塞状態とされる。この場合、主配管16からラジエタ18を経由して主配管20に至る経路は閉じられた系となり、その系内では冷却水の流通が生じない。このため、内燃機関10の暖機が十分に進むまでの間は、ウォータポンプ28により吐出された冷却水は、シリンダブロック14およびシリンダヘッド12を通過した後、配管40、キャビンヒータ38、流路切り替え弁42を通過してシリンダブロック14内の冷却水通路24に還流する。この間、ラジエタ18による冷却水の冷却が行われないため、冷却水温度は早期に上昇し、内燃機関10の暖機が速やかに進められる。
【0028】
(3)暖機進行後
内燃機関10の暖機が十分に進むと、つまり、冷却水温度が十分に上昇すると、サーモスタットが開いて主配管20が開放される。主配管20が開放されると、主配管16からラジエタ18を経由して主配管20に至る経路に冷却水が流通し始める。その結果、図1中に破線で示す全ての矢印に対応する冷却水の流通経路が実現される。この状態が形成されると、以後、ラジエタ18による熱交換が行われることにより、冷却水温度は80℃程度の設定温度に維持される。
尚、内燃機関10の暖機が完了すると、適当なタイミングで一時的に流路切り替え弁42が既述した第3状態、つまり、キャビンヒータ38を蓄熱用ウォータポンプ46に連通させる状態とされ、かつ、蓄熱用ウォータポンプ46が作動状態とされる。この状態が形成されると、キャビンヒータ38を通過して流通してくる温暖な冷却水が流路切り替え弁42から蓄熱用ウォータポンプ46に流入し、更に、蓄熱タンク48に流入する。その結果、蓄熱タンク48には、温暖な冷却水が蓄えられる。
【0029】
[プレヒート制御の詳細な説明]
既述した通り、本実施形態のシステムは、内燃機関10の始動に先立ってプレヒート処理を行う。蓄熱タンク48に蓄えられている温暖な冷却水の量は有限であるから、プレヒート処理は、内燃機関10が現実に始動される時点で暖められているように、効率的に無駄なく実施することが望ましい。以下、このような要求を満たすべく本実施形態の装置が実行するプレヒート制御、および再プレヒート制御の内容について説明する。
【0030】
図2は、本実施形態においてECU60が実行するプレヒート制御のフローチャートを示す。
図2に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10が停止中であるか否かが判別される(ステップ100)。
内燃機関10が既に始動している場合は、プレヒートを実施する必要がない。このため、本ステップ100で内燃機関10が停止中でないと判別された場合は、以後何ら処理が実行されることなく速やかに今回の処理サイクルが終了される。
【0031】
内燃機関10が停止中であると判別された場合は、次に、運転席のドアが開かれたか否か、より具体的には、運転席側のドアスイッチ66がオフからオンに変化したか否かが判別される(ステップ102)。
運転者は、通常、運転席側のドアを開けて車両に乗り込み、その後一連の流れで内燃機関10を始動させるのが通常である。この場合、運転席側のドアが開いた時点でプレヒート処理を開始すると、内燃機関10が始動されるタイミングと、内燃機関10の温度が最高点付近となる期間とを合わせることができる。このため、本実施形態の装置は、運転席側のドアが開かれた時点で、先ず初回のプレヒート処理を実行することとしている。従って、本ステップ102において、運転席のドアが開かれたとの判別がなされた場合は、以後、プレヒート処理、およびその処理に付随する処理を進めるべく、ステップ104以降の処理が実行される。一方、運転席のドアが開かれていないと判別された場合は、それらの処理(ステップ104〜110の処理)がジャンプされ、速やかにステップ112以降の処理が実行される。
【0032】
すなわち、図2に示すルーチンによれば、車両において運転席側のドアが開かれると、先ず、プレヒート処理が実行される(ステップ104)。
本ステップ104では、具体的には、既述したプレヒート実行中における循環経路(上記(3)参照)を形成するため、配管36と蓄熱用ウォータポンプ46とが連通するように流路切り替え弁42が制御され、かつ、蓄熱用ウォータポンプ46が作動状態とされる。更に、バイパス差圧弁付きサーモスタット22がバイパス通路26を閉塞する状態となる。このような状態が形成されると、蓄熱タンク48内の温暖な冷却水が内燃機関10に供給されることにより、内燃機関10の温度が上昇する。
本ステップ104では、更に、予め定めた量の冷却水が蓄熱タンク48から流出した時点で、冷却水の循環を停止させるための処理、つまり、流路切り替え弁42を、キャビンヒータ38と配管36とが連通する状態とし、かつ、蓄熱用ウォータポンプ46の作動を停止させる処理が行われる。その結果、プレヒート処理は、蓄熱タンク48内に、温暖な冷却水が未だ残されている状態で終了される。
【0033】
図2に示すルーチンでは、次に、内燃機関10の到達温度、つまり、上述したプレヒート処理が実施されることにより到達した内燃機関10の温度が検出される(ステップ106)。
尚、内燃機関10の到達温度としては、シリンダヘッド12に配置されている第1水温センサ62により検出された検出値、或いは冷却水温などに基づいて推定される内燃機関10の暖機状態を表す推定値を用いることができる。
【0034】
次に、上記の如く検出された到達温度に基づいて、再プレヒート要求温度が設定される(ステップ108)。
内燃機関10の温度は、今回のプレヒート処理が終了した後、時間の経過と共に低下する。このため、運転者が車両に乗り込んだ後、しばらくの間内燃機関10を始動しないような場合は、今回のプレヒート処理に起因する始動性改善効果は小さなものとなる。そこで、本実施形態の装置は、プレヒート処理の終了後、始動がなされる前に内燃機関10の温度が低下したような場合には、再度プレヒート処理を行ってその温度の上昇を図ることとしている。
【0035】
再度のプレヒート処理の実施タイミングについては、例えば、プレヒート処理の終了後所定時間が経過した時点、或いは、内燃機関10の温度が既定の下限温度を下回った時点などとして決定することも可能である。しかしながら、前者の決定手法によれば、内燃機関10の温度が大幅に低下しているにも関わらず、所定時間が経過していないとして再プレヒートが行われず、その結果、所望の始動性が得られない事態や、さほど温度が低下していない段階で無駄に再度のプレヒート処理が実施されてしまう事態が生じ得る。また、後者の決定手法によれば、プレヒート処理の終了後における内燃機関10の到達温度が、上記既定の下限温度を僅かに上回るに過ぎないような場合に、再度のプレヒート処理が実質的に連続的に要求され、その結果、蓄熱タンク48内の冷却水が一度期に無駄に消費されてしまう事態が生ずる。
【0036】
本実施形態のシステムは、これらの不都合を防ぐべく、上記ステップ108において、プレヒート後の到達温度に基づいて、その温度より所定温度(例えば5℃)だけ低い温度を再プレヒート要求温度に設定する。そして、後に詳細に説明する通り、プレヒート処理の終了後、内燃機関10の温度がその再プレヒート要求温度以下に低下したら、その時点で再度プレヒート処理の実施を要求することとしている。このような処理によれば、温暖な冷却水を無駄なく使用しつつ、始動前の内燃機関10の温度を、効率的に高い温度に保つことができる。
【0037】
図2に示すルーチンでは、次に、プレヒート履歴フラグのセット処理、つまり、プレヒート履歴フラグをONとする処理が実行される(ステップ110)。
上記ステップ110の処理の終了後、および上記ステップ102の条件不成立時には、内燃機関10が始動されたか否かが判別される(ステップ112)。
つまり、運転席のドアが開かれてプレヒートが実行された場合にはその後に、また、運転席のドアが開かれていないと判断された場合にはその直後に、内燃機関10が始動されたか否かが判別される。その結果、内燃機関10の始動が判別されなかった場合は、そのまま今回の処理サイクルが終了される。一方、その始動が判別された場合は、プレヒート履歴フラグのリセット処理、つまり、プレヒート履歴フラグをOFFとする処理が実行される(ステップ114)。
【0038】
以上説明したステップ110〜114の処理によれば、運転者が運転席のドアを開けて車両に乗り込んだ後(プレヒートが開始された後)、内燃機関10が始動されるまでの間だけプレヒート履歴フラグをONとし、内燃機関10が始動されると同時に、そのフラグをOFFとすることができる。
【0039】
図3は、本実施形態においてECU60が実行する再プレヒート制御のフローチャートを示す。
図3に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10が停止中であるか否かが判別される(ステップ120)。
内燃機関10が既に始動している場合は、再プレヒートを実施する必要がない。このため、本ステップ120で内燃機関10が停止中でないと判別された場合は、以後何ら処理が実行されることなく速やかに今回の処理サイクルが終了される。
【0040】
内燃機関10が停止中であると判別された場合は、次に、プレヒート履歴フラグがONであるか否かが判別される(ステップ122)。
【0041】
プレヒート履歴フラグは、既述した通り、運転席のドアが開かれた後、内燃機関10が始動されるまでの間だけONとされるフラグである。従って、このフラグがONでないと判別された場合は、内燃機関10は、始動を待って停止しているのではなく、作動停止が指令されたことにより停止しているものと認識することができる。内燃機関10が作動を停止することで停止状態にある場合は、再プレヒート処理を実行する必要がない。このため、上記ステップ122においてプレヒート履歴フラグがONでないと判別された場合は、以後速やかに今回の処理サイクルが終了される。
【0042】
一方、上記ステップ122において、プレヒート履歴フラグがONであると判別された場合は、内燃機関10が、始動を待って停止していると認識することができる。この場合、次に、内燃機関10の温度が再プレヒート要求温度を下回っているか否かが判別される(ステップ124)。
内燃機関10の温度が再プレヒート要求温度を下回っていないと判別された場合は、未だ前回のプレヒートの効果が残っており、再プレヒートを行わずとも良好な始動性が得られると判断できる。この場合、以後、何ら処理が進められることなく今回の処理サイクルが終了される。
【0043】
これに対して、内燃機関10の温度が再プレヒート要求温度を下回っていると判別された場合は、次に、着座検出が行われる(ステップ126)。
着座検出は、運転席に運転者が着座しているか否かを判断するための処理であり、具体的には、▲1▼着座センサ70により運転者の荷重が検出されているか、▲2▼ブレーキスイッチ72によりブレーキペダルの踏み込みが検出されているか、▲3▼シートベルトスイッチ74により運転席シートベルトの装着が検出されているかなどが判別される。本ステップ126では、それらの何れかが検出されることにより、運転者の着座が判定される。
【0044】
運転席ドアの開扉に伴うプレヒート処理は、そのドアが開かれさえすれば、運転者が車両に乗り込まなくても実施される。従って、プレヒート履歴フラグは、運転席のドアが単に開かれるだけでもONとなる。上記ステップ126において運転者の着座が判定された場合は、単にドアが開かれただけではなく、運転者は車両に乗り込んでいると判断できる。従って、この場合は、再度プレヒート処理を実施して内燃機関10の温度を高める意味があると判断できる。一方、運転者の着座が判定されない場合は、ドアを開けた使用者は車両に乗り込んでいないと判断できる。つまり、この場合は、車両の使用者が単にドアを開けただけである可能性を推認することができる。そして、その使用者に内燃機関10を始動する意図がないのであれば、プレヒート処理を再度行う必要はない。
【0045】
図3に示すルーチンでは、上記ステップ126において、運転者の着座が判定されなかった場合は、次に、始動意思の検出が行われる(ステップ128)。
始動意思の検出は、内燃機関10の始動に先立つ何らかの事象が生じているか否かを判断する処理であり、具体的には、▲1▼パーキングブレーキスイッチ76によりパーキングブレーキの解除が検出されているか、▲2▼キーシリンダースイッチ78によりシリンダへのキーの挿入が検出されているかなどが検出される。本ステップ128では、それらの何れかが検出されると、運転者が始動の意図を有していると判定される。
【0046】
上記ステップ126において運転者の着座が判定されず、かつ、上記ステップ128において運転者の始動の意図が認識されない場合は、車両のドアが単に開かれただけであり、再度のプレヒート処理は実施すべきでないと判断できる。ECU60は、この場合、以後何ら処理を進めることなく今回の処理サイクルを終了させる。
【0047】
一方、上記ステップ126,128において、運転者の着座或いは始動意図が検知された場合は、内燃機関10の始動性を確保しておくべく、必要に応じてプレヒート処理は再度実行すべきと判断することができる。ECU60は、この場合、プレヒート許可条件が成立しているか否かを判別する(ステップ130)。
ここで、プレヒート許可条件とは、上述した種々の条件に加えてプレヒート処理の実施時に成立しているべき条件である。つまり、蓄熱タンク48内に貯留されている温暖な冷却水が内燃機関10に供給されることにより、内燃機関10を十分に暖機できるかどうかを判断するための条件であり、例えば、蓄熱タンク48に貯留されている冷却水の温度が所定値を超えていること、或いは、プレヒート処理を実現するための種々の要素にフェールが生じていないこと、などがその条件に該当する。
【0048】
プレヒート許可条件が成立していない場合は、以後速やかに今回の処理サイクルが終了される。一方、その条件が成立している場合は、プレヒート処理が実行される(ステップ132)。
尚、本ステップ132で実行されるプレヒート処理は、上記ステップ104において実行されるプレヒート処理と異なるところがないため、ここではその詳細な説明は省略する。
【0049】
プレヒート処理が終了すると、以後、上述したステップ108および110の場合と同様に、内燃機関10の到達温度の検出(ステップ134)、および再プレヒート要求温度の設定処理(ステップ136)が実行された後、今回の処理サイクルが終了される。
【0050】
以上説明した通り、図3に示すルーチンによれば、プレヒート履歴フラグがONでない場合に再度のプレヒート処理を禁止することにより、運転状態であった内燃機関10が停止した後に、プレヒート処理が実行されるのを防ぐことができる。このため、本実施形態のシステムによれば、内燃機関10が停止した後に、運転者が長期に渡って運転席に着座し続けた場合に、プレヒート処理が無駄に実行されるのを確実に防ぐことができる。
【0051】
また、図3に示すルーチンによれば、運転者の着座、或いは内燃機関10の始動意図が検知されない場合は、内燃機関10の温度が低下しても、再度のプレヒート処理を禁止することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、車両の使用者が、内燃機関10の始動意図を持たずに単に運転席ドアを開けたような場合に、プレヒート処理が無駄に実行されるのを防ぐことができる。
【0052】
更に、図2および図3に示すルーチンによれば、プレヒート処理が実行される毎に、その処理の直後における内燃機関10の到達温度に比して適度に低い温度を再プレヒート要求温度とすることができる。再プレヒート設定温度がこのように設定されると、プレヒート処理の終了後に内燃機関10の到達温度が再プレヒート要求温度と殆ど変わらないという事態が生ずるのを防ぎ、再度のプレヒート処理が連続的に要求されるのを防ぐことができる。このため、本実施形態のシステムによれば、蓄熱タンク48内の温暖な冷却水を一度期に消費してしまうような無駄なプレヒート処理が実施されるのを確実に防止することができる。
【0053】
このように、本実施形態のシステムは、内燃機関10の始動が予期されない状況下で無駄なプレヒート処理が実行されるのを防ぎつつ、その始動が予期される状況下では、プレヒート処理を繰り返し実施することで、内燃機関10が良好な始動性を発揮し得る状態を維持することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、運転者が通常の流れに従って内燃機関10を始動する場合に限らず、運転者が通常と異なる流れに従って内燃機関10を始動するような場合にも、内燃機関10に対して良好な始動性を付与することができる。
【0054】
ところで、上述した実施の形態1においては、図3に示すルーチンにおいて、内燃機関10の温度が再プレヒート要求温度を下回らない限りは、運転者が始動の意思を示したとしても再度のプレヒート処理を実施しないこととしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、内燃機関10の始動性を高めるためには、その始動が開始されるに先だって、蓄熱タンク48内の温暖な冷却水はその全てがプレヒートのために消費されることが望ましい。このため、内燃機関10の始動意思が認められた場合には、内燃機関10の温度が再プレヒート要求温度を下回っていなくても、その時点で再度のプレヒート処理を実行することとしてもよい。
【0055】
尚、上述した実施の形態1においては、流路切り替え弁42、蓄熱用ウォータポンプ46、蓄熱タンク48、および配管44,52が前記第1または2の発明における「プレヒート機構」に、また、上記ステップ124〜130において判断される条件が前記第1の発明における「再プレヒートの要求条件」に、それぞれ相当している。また、実施の形態1においては、ECU60が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1または第2の発明における「開扉事象認識手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1または第2の発明における「プレヒート実施手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第1の発明における「実施履歴作成手段」が、上記ステップ114の処理を実行することにより前記第1の発明における「実施履歴クリア手段」が、上記ステップ122の処理を実行することにより前記第1の発明における「再プレヒート実施許否決定手段」が、上記ステップ132の処理を実行することにより前記第1または第2の発明における「再プレヒート実施手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU60が、上記ステップ108および136の処理を実行することにより前記第2の発明における「再プレヒート要求温度設定手段」が実現されている。
【0056】
更に、上述した実施の形態1においては、上記ステップ128において判断される事象が前記第5の発明における「始動前事象」に相当していると共に、ECU60が、上記ステップ128の処理を経て上記ステップ132の処理を実行することにより前記第5の発明おける「始動時プレヒート実施手段」が実現されている。
【0057】
実施の形態2.
次に、図4および図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1の装置は、プレヒート履歴フラグの状態を見て再度のプレヒート処理の実行可否を判断することで、内燃機関10が運転状態から停止した後、運転者が長期に渡って降車しなかった場合に、無駄なプレヒート処理が実行されるのを防止することとしている。
【0058】
しかしながら、実施の形態1の装置が実行するプレヒート制御(図2)では、内燃機関10の停車中に運転席ドアが開かれさえすれば、プレヒート処理が実行される。つまり、図2に示すプレヒート制御によれば、内燃機関10が運転状態から停止した後、運転者が降車のために運転席側のドアを開くことにより、プレヒート処理の実行条件が成立し、プレヒート処理が実行されてしまう。
【0059】
そこで、本実施形態では、運転席側の席が開かれた際に、運転者が運転席に着座しているか否かを確認し、その着座が認められる場合には、開扉に伴うプレヒート制御の実施を禁止する処理をプレヒート制御に組み込むこととした。このような処理が組み込まれると、運転者が車両に乗り込むためにドアを開けた場合にのみプレヒート処理を実施することができ、運転者が車両から降りるためにドアを開けた際に無駄にプレヒート処理が実施されるのを防ぐことができる。
【0060】
図4は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU60が実行するプレヒート制御のフローチャートを示す。
図4に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10が停止中であるか否かが判別される(ステップ140)。
内燃機関10が既に始動している場合は、プレヒートを実施する必要がない。このため、本ステップ140で内燃機関10が停止中でないと判別された場合は、以後何ら処理が実行されることなく速やかに今回の処理サイクルが終了される。
【0061】
内燃機関10が停止中であると判別された場合は、次に、運転席のドアが開かれたか否かが判別される(ステップ142)。
その結果、運転席のドアが開かれたと判別された場合、つまり、運転席側のドアスイッチの出力がOFFからONに変化したと判別された場合は、次に、着座検出が行われる(ステップ144)。
一方、運転席のドアは開かれていないと判別された場合は、着座検出の処理がジャンプされ、以後速やかにステップ146の処理が実行される。
【0062】
上記ステップ144において、着座検出は、実施の形態1におけるステップ126の場合と同様の手法で行われる。着座検出により運転者の着座が認められる場合は、運転者が運転席に座った状態で車両のドアを内側から開けたと推定できる。そして、この場合は、直ちにプレヒート処理を行う必要がないと判断することができる。一方、着座検出により運転者の着座が認められない場合は、運転者が車両の外側からドアを開けたと推定でき、従って、その後直ちにプレヒート処理を実施すべきと判断することができる。
【0063】
図4に示すルーチンでは、上記ステップ144において運転者の着座が認められた場合、上記ステップ142において運転席ドアの開扉が認められなかった場合と同様に、始動意思の検出が実行される(ステップ146)。
始動意思の検出は、実施の形態1におけるステップ128の場合と同様の手法で行われる。
【0064】
上記ステップ144において運転者が運転席に着座していると判定され、かつ、上記ステップ146において始動の意思が検知できないと判定された場合は、運転者が、内燃機関10を停止させた後、単に車室内に残っているだけであると判断することができ、更に、プレヒート処理の実施は必要ないと判断することができる。ECU60は、この場合、以後何ら処理を進めることなく今回の処理サイクルを終了させる。
【0065】
一方、上記ステップ144において運転者の着座が認められない場合は、内燃機関10の始動が予期できるため、プレヒート処理を実行すべきと判断することができる。また、上記ステップ146において始動意思が検出された場合は、現に始動操作が行われているのであるから、運転者が着座しているか否かを問わずプレヒート処理を実行すべきと判断することができる。ECU60は、この場合、以後プレヒート許可条件が成立していることを条件に(ステップ148)、プレヒート処理を実行する(ステップ150)。
尚、ステップ148および150の処理は、それぞれ、実施の形態1におけるステップ130および104の処理と同様であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
【0066】
以上説明した通り、図4に示すルーチンによれば、運転者が内燃機関10を停止させた後、降車の目的でドアを開けた際に、その開扉を受けて無駄にプレヒート処理が実施されるのを防ぐことができる。また、このルーチンによれば、始動の意思が認められる場合には、開扉の有無や着座の有無に関わらずプレヒート処理の実施の許可することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、運転者が車両に乗り込むためにドアを開けた場合や、運転者が一時的に停止させた内燃機関10を乗車したまま再始動させようとする場合など、実施の意味がある状況下ではプレヒート処理の実施を許可しつつ、無駄なプレヒート処理の実施を有効に防ぐことができる。
【0067】
ところで、上述した実施の形態1または2においては、着座センサ70や、ブレーキスイッチ72、或いはシートベルトスイッチ74等の出力に基づいて着座検出を行うこととしているが(上記ステップ126,144参照)、その検出の手法はこれに限定されるものではない。以下、図5を参照して、それらのセンサやスイッチ類を用いずに簡易的に着座の有無を検出する手法を説明する。
【0068】
図5は、図1に示す構成において、ECU60に、着座センサ70、ブレーキスイッチ72、およびシートベルトスイッチ74を用いずに着座判定を実行させるためのルーチンのフローチャートである。
図5に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10が停止中であるか否かが判別される(ステップ160)。
【0069】
その結果、内燃機関10が停止中でないと判別された場合は、以後何ら処理が進められることなく今回の処理サイクルが終了される。一方、内燃機関10が停止中であると判別された場合は、次に、前回の処理サイクルから今回の処理サイクルにかけてイグニッションスイッチがONからOFFに変化したかが判別される(ステップ162)。
【0070】
上記ステップ162の条件が成立する場合は、今回の処理サイクルが、内燃機関10が停止した直後に実行されているサイクルであると認識することができる。この場合、ECU60は、次に着座フラグのセット処理、つまり、着座フラグをONとする処理を実行する(ステップ164)。
【0071】
一方、上記ステップ162において、イグニッションスイッチのONからOFFへの変化が認められないと判別された場合は、内燃機関10が今回の処理サイクル以前から停止していたと判断することができる。この場合、ステップ164の処理がジャンプされ、着座フラグは、前回の処理サイクル時の状態に維持される。
【0072】
図5に示すルーチンでは、次に、ドアスイッチ66の出力に基づいて運転席のドアが開かれたか否かが判別される(ステップ166)。
その結果、運転席のドアの開扉が認められると判別された場合は、着座フラグのリセット処理、つまり、着座フラグをOFFとする処理が実行される(ステップ168)。
一方、上記の開扉が認められないと判別された場合は、着座フラグの状態を維持すべく、ステップ168の処理がジャンプされ、その後速やかに今回の処理サイクルが終了される。
【0073】
以上説明した処理によれば、着座フラグは、内燃機関10が停止すると同時にON状態とされ、その後、運転席のドアが初めて開かれるまで、ON状態に維持される。そして、着座フラグは、内燃機関10の停止後初めて運転席のドアの開かれると同時にOFFとされ、以後内燃機関10の停止中はOFF状態のまま維持される。
【0074】
車両の運転者は、通常、内燃機関10を停止させた後、運転席側のドアを開けて降車する。このような通常の流れを前提とすると、上述した着座フラグのON・OFFは、運転者が運転席に着座しているか否かと合致する。このため、着座判定は、簡易的には、既述した着座フラグの状態に基づいて実行することができる。従って、実施の形態1または2の装置において、ECU60に図5に示すルーチンを実行させる場合には、図3に示すステップ126、或いは図4に示すステップ144において、着座判定を着座フラグの状態に基づいて実行させることが可能である。この場合、着座センサ70、ブレーキスイッチ72、およびシートベルトスイッチ74をシステムの構成から除外することができるため、その構成をより簡易にすることが可能である。
【0075】
また、上述した実施の形態1または2においては、運転席側のドアが開いたか否かを、ドアスイッチ66の出力に基づいて判断することとしているが、その判断の手法もこれに限定されるものではない。すなわち、ドアが開いたか否かは、ドアロックが解除されたか否かに基づいて判断することとしてもよい。
【0076】
更に、上述した実施の形態1または2においては、キーシリンダにキーが挿入されているか否かに基づいて始動意思の有無を判断することとしているが、その判断の手法はこれに限定されるものではない。すなわち、始動意思の有無は、キーシリンダに挿入されているキーがイグニッションスイッチONの位置に操作されているか否かに基づいて判断することとしてもよい。
【0077】
尚、上述した実施の形態2においては、流路切り替え弁42、蓄熱用ウォータポンプ46、蓄熱タンク48、および配管44,52が前記第3の発明における「プレヒート機構」に相当している。また、実施の形態2においては、ECU60が、上記ステップ142の処理を実行することにより前記第3の発明における「開扉事象認識手段」が、上記ステップ150の処理を実行することにより前記第3の発明における「プレヒート実施手段」が、上記ステップ144の処理を実行することにより前記第3の発明における「着座判定手段」および「開扉プレヒート禁止手段」が、それぞれ実現されている。
【0078】
また、上述した実施の形態2においては、ECU60に、上記図5に示すルーチンを実行させることにより、前記第4の発明における「着座判定手段」を実現することができる。
更に、上述した実施の形態2においては、上記ステップ146において判断される事象が前記第5の発明における「始動前事象」に相当していると共に、ECU60が、上記ステップ146の処理を経て上記ステップ150の処理を実行することにより前記第5の発明おける「始動時プレヒート実施手段」が実現されている。
【0079】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
第1の発明によれば、運転者が乗車した後、内燃機関が始動されるまでの間はプレヒートの実施履歴が形成されているため、再プレヒートの実施が許可される。一方、内燃機関が停止した後、運転者が降車するまでの間は、プレヒートの実施履歴がクリアされているため、再プレヒートの実施が禁止される。このため、本発明によれば、内燃機関の停止後に無駄なプレヒートが実施されるのを防ぐことができる。
【0080】
第2の発明によれば、プレヒートが実施される毎に、その実施に伴う内燃機関の到達温度に基づいて再プレヒート要求温度を設定することができる。このため、本発明によれば、運転者が乗車した後、内燃機関が始動されない状態が維持された場合に、適当な間隔をあけてプレヒートを繰り返すことができる。換言すると、プレヒートの実施直後に、内燃機関の温度が再プレヒートの要求温度に達していないという状況が生ずるのを防止し、再プレヒートが無駄に連続的に繰り返されるのを防ぐことができる。
【0081】
第3の発明によれば、運転席に運転者が着座していると判定される場合は、開扉に伴うプレヒートを禁止することができる。このため、本発明によれば、内燃機関の停止後に無駄なプレヒートが実施されるのを防ぐことができる。
【0082】
第4の発明によれば、内燃機関が停止した後、開扉事象が認識されたか否かに基づき運転席に運転者が着座しているか否かを判断することができる。このため、本発明によれば、開扉事象を認識するための機構の他、特別なセンサ等を設けることなく運転者の着座判定を行うことができる。
【0083】
第5の発明によれば、内燃機関の始動に先立って生ずる始動前事象が認識された場合には、プレヒートを実施することができる。このため、本発明によれば、運転者が乗車した直後であるか、或いは、内燃機関が停止された直後であるか、更には、ドアが開閉された直後であるか等とは無関係に、内燃機関が始動される直前において、内燃機関の温度上昇を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態1において実行されるプレヒート制御ルーチンのフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1において実行される再プレヒート制御ルーチンのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2において実行されるプレヒート制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2において実行される着座判定ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
12 シリンダヘッド
14 シリンダブロック
18 ラジエタ
22 バイパス差圧弁付きサーモスタット
28 ウォータポンプ(機械式)
42 流路切り替え弁
46 蓄熱用ウォータポンプ
48 蓄熱タンク
60 ECU(Electronic Control Unit)
62 第1水温センサ
64 第2水温センサ
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a warming-up control device for an internal combustion engine, and more particularly to a warming-up control device for an internal combustion engine that is suitable as a device for preheating the internal combustion engine before the start of the internal combustion engine in order to facilitate the starting.
[0002]
[Prior art]
BACKGROUND ART Conventionally, as disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-59729, there is known an apparatus that preheats an internal combustion engine prior to starting the internal combustion engine in order to promote warm-up of the internal combustion engine. This device includes a heat storage tank arranged in a cooling path of an internal combustion engine. Cooling water heated to about 80 ° C. is stored in the heat storage tank when the internal combustion engine is warmed up. The warm cooling water stored in the heat storage tank is kept warm even when the internal combustion engine is stopped and the internal combustion engine is sufficiently cooled. At the time of preheating, warm cooling water stored in the heat storage tank is supplied to the internal combustion engine such that mainly the vicinity of the intake port is warmed.
[0003]
Since the amount of the warm cooling water stored in the heat storage tank is finite, the number of times that the preheating can be performed naturally becomes finite. On the other hand, if the preheating is performed, the temperature of the internal combustion engine temporarily rises, but if the internal combustion engine is left without being started thereafter, the temperature drops again, and the startup accompanying the execution of the preheating is performed. In this state, the effect of improving the performance cannot be expected. For this reason, in the above-described conventional apparatus, in order to effectively improve the cold startability, preheating is performed immediately before the internal combustion engine is started, and thereafter, when the temperature of the internal combustion engine is sufficiently increased. It is desirable that the starting operation is started by the following.
[0004]
In the above-described conventional device, the point in time when the door of the driver's seat is opened is the pre-heating start timing. That is, when the opening of the driver's seat side is detected by the door switch while the internal combustion engine is stopped, the device starts performing preheating using the cooling water in the heat storage tank at that time. Generally, a driver of a vehicle opens the door on the driver side and gets on the vehicle, and then starts the internal combustion engine as a series of operation flows. Therefore, if the preheating is performed at the above-described timing, in many cases, after the preheating is started, the start of the internal combustion engine is started when the temperature of the internal combustion engine appropriately rises. Therefore, according to the above-described conventional apparatus, the startability of the internal combustion engine in a cold state can be effectively improved by performing the preheating.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2002-59729 A
[Patent Document 2]
JP-A-2002-38947
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the above-described conventional apparatus determines whether or not to perform preheating based only on whether or not the door on the driver's seat side is opened, the preheating is performed without waste when the execution of preheating is truly required. Cannot be implemented. Specifically, according to the above-described conventional apparatus, useless preheating may be performed when the driver opens the door to get off after the internal combustion engine is stopped. Conversely, according to the above-described conventional apparatus, when the driver starts the start operation after a long time has elapsed after getting on the vehicle, it is not possible to perform appropriate preheating prior to the start.
[0007]
The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to provide a warm-up control device for an internal combustion engine capable of always performing appropriate preheating without waste before starting the internal combustion engine. I do.
More specifically, the present invention relates to a warm-up control device for an internal combustion engine that does not perform useless preheating after the internal combustion engine is stopped, and an internal combustion engine that can perform appropriate preheating immediately before starting the internal combustion engine It is an object of the present invention to provide a warm-up control device.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
A first invention is a warm-up control device for an internal combustion engine, in order to achieve the above object,
A preheating mechanism for warming up the internal combustion engine before starting,
An opening event recognition means for recognizing an opening event associated with the opening of the vehicle;
When the door opening event is recognized, a preheating performing unit that performs a preheating process using the preheating mechanism,
Execution history creating means for creating an execution history of the preheating process,
Implementation history clearing means for clearing the implementation history with the start of the internal combustion engine,
If the execution history exists, the re-preheat execution permission / prohibition determining means for permitting the execution of the re-preheat, and prohibiting the execution of the re-preheat when the execution history is cleared,
A re-preheating execution unit that performs the pre-heating process using the pre-heating mechanism again when the required condition of the re-heating is satisfied, and the execution of the re-heating is permitted.
It is characterized by having.
[0009]
Further, a second invention is a warm-up control device for an internal combustion engine,
A preheating mechanism for warming up the internal combustion engine before starting,
An opening event recognition means for recognizing an opening event associated with the opening of the vehicle;
When the door opening event is recognized, a preheating performing unit that performs a preheating process using the preheating mechanism,
When the temperature of the internal combustion engine falls below the re-preheat required temperature, re-preheat performing means for performing the pre-heat treatment using the pre-heat mechanism again,
Each time the preheat process is performed, a re-preheat request temperature setting unit that sets a re-preheat request temperature based on the attained temperature of the internal combustion engine accompanying the execution,
It is characterized by having.
[0010]
Further, a third invention is a warm-up control device for an internal combustion engine,
A preheating mechanism for warming up the internal combustion engine before starting,
An opening event recognition means for recognizing an opening event associated with the opening of the vehicle;
When the door opening event is recognized, a preheating performing unit that performs a preheating process using the preheating mechanism,
Seat determination means for determining whether the driver is seated in the driver's seat,
When it is determined that the driver is seated in the driver's seat, door opening preheating prohibition means for prohibiting the execution of the preheating process with recognition of the door opening event,
It is characterized by having.
[0011]
In a fourth aspect based on the third aspect, the seat determination means determines that the driver is seated in the driver's seat after the internal combustion engine is stopped until the door opening event is recognized for the first time. It is characterized by doing.
[0012]
According to a fifth aspect of the present invention, in any one of the first to fourth aspects,
A pre-start event recognizing means for recognizing a pre-start event occurring prior to the start of the internal combustion engine,
When the pre-start event is recognized, a start-time preheat performing means for performing a preheat process using the preheat mechanism,
It is characterized by having.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. Elements common to the drawings are denoted by the same reference numerals, and redundant description will be omitted.
[0014]
Embodiment 1 FIG.
[Description of system configuration]
FIG. 1 is a diagram for explaining the configuration of the first embodiment of the present invention. The system according to the present embodiment includes an internal combustion engine 10. The internal combustion engine 10 includes a cylinder head 12 and a cylinder block 14. Cooling water passages for flowing cooling water are provided inside the cylinder head 12 and the cylinder block 14 (the details thereof are not shown).
[0015]
A cooling water passage inside the cylinder head 12 communicates with one end of a radiator 18 via a main pipe 16. The other end of the radiator 18 communicates with a thermostat 22 with a bypass differential pressure valve via a main pipe 20. A cooling water passage 24 traversing the inside of the cylinder block 14, a bypass passage 26 toward the cylinder head 12, and a water pump 28 communicate with the thermostat 22 with a bypass differential pressure valve on the opposite side of the main pipe 20. The thermostat 22 with the bypass differential pressure valve closes the main pipe 20 by the thermostat while the cooling water temperature is low, and opens the main pipe 20 when the cooling water temperature is sufficiently high. In addition, the thermostat 22 with the bypass differential pressure valve can close the bypass passage 26 as needed by the bypass differential pressure valve.
[0016]
The water pump 28 is a mechanical pump that uses the internal combustion engine 10 as a power source. During operation, the water pump 28 sucks cooling water flowing into the vicinity of the thermostat 22 with a bypass differential pressure valve, and cools the cooling water inside the cylinder block 14. It can be discharged into a passage (not shown). A cooling water passage is formed inside the cylinder block 14 and the cylinder head 12 so that the cooling water discharged from the water pump 28 flows into the main pipe 16 after cooling the cylinder block 14 and the cylinder head 12 sequentially. I have.
[0017]
A pipe 32 communicating with the throttle body 30 communicates with the main pipe 16 described above. The throttle body 30 is provided with a coolant passage (not shown) communicating with the pipe 32. This passage communicates with the pipe 32 at one end and communicates with the pipe 34 at the other end. The pipe 34 communicates with a pipe 36 that communicates with the cooling water passage 24 in the cylinder block 14. According to these pipes 32 and 34, cooling water can be circulated around the throttle body 30, and icing of the throttle body can be prevented.
[0018]
In addition to the main pipe 16, a pipe 40 communicating with the cabin heater 38 communicates with the cylinder head 12. The cabin heater 38 is a heater used for heating the cabin. The other end of the cabin heater 38 communicates with a pipe 43 communicating with a flow path switching valve 42.
[0019]
A third pipe 44 communicates with the flow path switching valve 42 in addition to the two pipes 36 and 43 described above. The pipe 44 communicates with an inlet of a heat storage tank 48 via a heat storage water pump 46. The flow path switching valve 42 is in a first state in which the cabin heater 38 is in communication with the pipe 36, a second state in which the heat storage water pump 46 is in communication with the pipe 36, and in accordance with a drive signal supplied from the outside. A three-way valve that can selectively realize a third state in which communication with the water pump 46 is performed.
[0020]
The heat storage water pump 46 is an electric pump that can be switched between an active state and an inactive state in accordance with the on / off state of the electric relay 50. When the water pump 46 is in operation, cooling water sucked from the flow path switching valve 42 side is stored in the heat storage tank. 48 can be discharged. The heat storage tank 48 is a tank that can sufficiently suppress heat conduction inside and outside thereof, and is used in the present embodiment for storing warm cooling water therein. The outlet of the heat storage tank 48 communicates with the main pipe 16 via a pipe 52.
[0021]
As shown in FIG. 1, the system according to the present embodiment includes an ECU (Electronic Control Unit) 60. The ECU 60 is connected with a first water temperature sensor 62 disposed on the cylinder head 12 and a second water temperature sensor 64 disposed on the outlet of the heat storage tank 48. According to the first water temperature sensor 62, the temperature of the cylinder head 12 can be measured in the vicinity of a portion communicating with the main pipe 16 and the pipe 40. According to the second water temperature sensor 64, the temperature of the cooling water flowing out of the heat storage tank 48 can be measured.
[0022]
The ECU 60 is further connected with a door switch 66, a rotation speed sensor 68, a seat sensor 70, a brake switch 72, a seat belt switch 74, a parking brake switch 76, and a key cylinder switch 78. The door switch 66 is a switch that is turned on when a driver's door is opened. The rotation speed sensor 68 is a sensor that outputs an output according to the engine rotation speed NE. The seating sensor 70 is a sensor that outputs an output according to whether or not a driver's load is applied to the driver's seat. The brake switch 72 is a switch that is turned on when a brake pedal is depressed. The seat belt switch 74 is a switch that is turned on when a seat belt of a driver's seat is worn. The parking brake switch 76 is a switch that outputs an output according to whether the parking brake is applied. The key cylinder switch 78 is a switch that issues an output according to whether or not a key is inserted into the key cylinder, and further, to which position the inserted key is being operated.
[0023]
[Explanation of basic operation]
Next, the basic operation of the system shown in FIG. 1 will be described. The system shown in FIG. 1 includes (1) during the preheating performed prior to the start of the internal combustion engine 10, (2) during the period in which the temperature of the internal combustion engine 10 is low after the start, and (3) during warm-up. After proceeding sufficiently, different cooling water circulation paths are formed. Hereinafter, the circulation path formed under each situation will be described.
[0024]
(1) During preheating
In the system of the present embodiment, when the internal combustion engine 10 is started, a preheating process is performed prior to the start. As a premise of the preheating process, the system of the present embodiment stores warm cooling water in the heat storage tank 48 in advance while the internal combustion engine 10 is sufficiently warmed up. In the preheating process, the warm cooling water is supplied from the heat storage tank 48 to the internal combustion engine 10. According to the preheating process, the temperature of the internal combustion engine 10, particularly the temperature near the intake port, can be increased, and as a result, the startability of the internal combustion engine 10 can be enhanced.
[0025]
In FIG. 1, arrows indicated by solid lines indicate the flow paths of the cooling water during the execution of the preheating. During the execution of the preheating, the thermostat 22 with the bypass differential pressure valve closes the bypass passage 26, and the flow path switching valve 42 is controlled so that the pipe 36 communicates with the heat storage water pump 46. Further, the ECU 60 controls the electric relay 50 so that the heat storage water pump 46 operates during the execution of the preheating. In this case, the cooling water discharged from the heat storage water pump 46 flows into the heat storage tank 48, so that the warm cooling water stored in the heat storage tank 48 flows out toward the cylinder head 12. The warm cooling water that has flowed into the cylinder head 12 passes through the inside and flows to the cylinder block 14. Then, the cooling water flowing out of the cylinder block 14 passes through the pipe 24, reaches the heat storage water pump 46 through the flow path switching valve 42, and thereby circulates the cooling water. In the process of circulating the cooling water through the above-described path, the cylinder head 12 is particularly heated at a portion near the intake port. As a result, the fuel vaporization at the time of starting is improved, and the startability of the internal combustion engine 10 is improved.
[0026]
(2) During low-temperature operation of the internal combustion engine
During the operation of the internal combustion engine 10, the heat storage water pump 46 is maintained in a stopped state, and the flow path switching valve 42 is controlled so that the cabin heater 38 communicates with the pipe 36. The mechanical water pump 28 that uses the internal combustion engine 10 as a power source starts its operation at the same time that the internal combustion engine 10 is started.
[0027]
The arrows indicated by broken lines in FIG. 1 indicate the flow paths of the cooling water realized during the operation of the internal combustion engine 10. After the internal combustion engine 10 is started, while the warm-up is not sufficiently advanced, that is, while the cooling water temperature is low, the main pipe 20 is closed by the thermostat 22 with the bypass differential pressure valve. In this case, the path from the main pipe 16 to the main pipe 20 via the radiator 18 is a closed system, and no cooling water flows in the system. For this reason, until the internal combustion engine 10 is sufficiently warmed up, the cooling water discharged by the water pump 28 passes through the cylinder block 14 and the cylinder head 12 and then passes through the pipe 40, the cabin heater 38, the flow path The refrigerant is returned to the cooling water passage 24 in the cylinder block 14 through the switching valve 42. During this time, since the cooling water is not cooled by the radiator 18, the temperature of the cooling water rises early, and the warm-up of the internal combustion engine 10 proceeds promptly.
[0028]
(3) After warming up
When the warm-up of the internal combustion engine 10 proceeds sufficiently, that is, when the cooling water temperature rises sufficiently, the thermostat opens and the main pipe 20 is opened. When the main pipe 20 is opened, the cooling water starts flowing from the main pipe 16 to the main pipe 20 via the radiator 18. As a result, the flow path of the cooling water corresponding to all the arrows shown by the broken lines in FIG. 1 is realized. When this state is formed, the cooling water temperature is maintained at a set temperature of about 80 ° C. by performing heat exchange by the radiator 18 thereafter.
When the warm-up of the internal combustion engine 10 is completed, the flow path switching valve 42 is temporarily set at an appropriate timing to the above-described third state, that is, the state in which the cabin heater 38 is communicated with the heat storage water pump 46, At the same time, the heat storage water pump 46 is activated. When this state is formed, warm cooling water flowing through the cabin heater 38 flows into the heat storage water pump 46 from the flow path switching valve 42, and further flows into the heat storage tank 48. As a result, warm cooling water is stored in the heat storage tank 48.
[0029]
[Detailed description of preheat control]
As described above, the system of the present embodiment performs the preheating process before starting the internal combustion engine 10. Since the amount of warm cooling water stored in the heat storage tank 48 is finite, the preheating process should be performed efficiently and without waste as if the internal combustion engine 10 was warmed when it was actually started. Is desirable. Hereinafter, the contents of the preheat control and the re-preheat control executed by the apparatus of the present embodiment to satisfy such a request will be described.
[0030]
FIG. 2 shows a flowchart of the preheat control executed by the ECU 60 in the present embodiment.
In the routine shown in FIG. 2, first, it is determined whether or not the internal combustion engine 10 is stopped (step 100).
When the internal combustion engine 10 has already started, it is not necessary to perform preheating. Therefore, if it is determined in step 100 that the internal combustion engine 10 is not stopped, the current processing cycle is immediately terminated without performing any processing thereafter.
[0031]
If it is determined that the internal combustion engine 10 is stopped, then it is determined whether or not the driver's seat door has been opened, more specifically, whether the driver's seat side door switch 66 has changed from off to on. It is determined whether or not it is (step 102).
Normally, the driver usually opens the door on the driver's seat side and gets into the vehicle, and then starts the internal combustion engine 10 in a series of flows. In this case, when the preheating process is started when the driver's seat side door is opened, the timing at which the internal combustion engine 10 is started can be matched with the period when the temperature of the internal combustion engine 10 is near the highest point. For this reason, the apparatus of the present embodiment executes the first preheating process first when the driver's seat side door is opened. Therefore, if it is determined in step 102 that the door of the driver's seat has been opened, the processes from step 104 onward are performed to proceed with the preheating process and the processes accompanying the process. On the other hand, when it is determined that the driver's seat door is not opened, the processing (the processing of steps 104 to 110) is jumped, and the processing of step 112 and thereafter is executed immediately.
[0032]
That is, according to the routine shown in FIG. 2, when the driver's seat side door is opened in the vehicle, first, the preheating process is executed (step 104).
In this step 104, specifically, in order to form the circulation path (see (3) above) during the execution of the preheating, the flow path switching valve 42 is connected so that the pipe 36 and the heat storage water pump 46 communicate with each other. Is controlled, and the heat storage water pump 46 is brought into an operating state. Further, the thermostat 22 with the bypass differential pressure valve blocks the bypass passage 26. When such a state is formed, warm cooling water in the heat storage tank 48 is supplied to the internal combustion engine 10, so that the temperature of the internal combustion engine 10 increases.
In step 104, when the predetermined amount of the cooling water has flowed out of the heat storage tank 48, the process for stopping the circulation of the cooling water, that is, the flow path switching valve 42 is connected to the cabin heater 38 and the pipe 36 Are communicated with each other, and the operation of stopping the operation of the heat storage water pump 46 is performed. As a result, the preheating process is terminated in a state where warm cooling water is still left in the heat storage tank 48.
[0033]
In the routine shown in FIG. 2, next, the attained temperature of the internal combustion engine 10, that is, the temperature of the internal combustion engine 10 reached by performing the above-described preheating process is detected (step 106).
Note that the temperature reached by the internal combustion engine 10 indicates a warm-up state of the internal combustion engine 10 estimated based on a detection value detected by the first water temperature sensor 62 disposed on the cylinder head 12 or a cooling water temperature. Estimates can be used.
[0034]
Next, a required reheat temperature is set based on the attained temperature detected as described above (step 108).
The temperature of the internal combustion engine 10 decreases with the passage of time after the end of the current preheating process. For this reason, when the driver does not start the internal combustion engine 10 for a while after getting into the vehicle, the effect of improving the startability due to the current preheating process is small. Therefore, when the temperature of the internal combustion engine 10 decreases before the start after the preheating process is completed, the apparatus of the present embodiment performs the preheating process again to increase the temperature. .
[0035]
The timing of performing the preheating process again can be determined, for example, as a point in time when a predetermined time has elapsed after the end of the preheating step, or as a point in time when the temperature of the internal combustion engine 10 has fallen below a predetermined lower limit temperature. However, according to the former determination method, even though the temperature of the internal combustion engine 10 has dropped significantly, re-heating is not performed because the predetermined time has not elapsed, and as a result, a desired startability is obtained. There may be a situation where the preheating process is not performed or a situation where the preheating process is wastefully performed at a stage where the temperature is not so reduced. Further, according to the latter determination method, when the attained temperature of the internal combustion engine 10 after the end of the preheating process is slightly higher than the predetermined lower limit temperature, the reheating process is substantially continuously performed. As a result, the cooling water in the heat storage tank 48 may be wasted once in a period.
[0036]
In order to prevent these inconveniences, the system of the present embodiment sets a temperature lower than the preheated temperature by a predetermined temperature (for example, 5 ° C.) as the required reheat temperature in step 108 based on the attained temperature after the preheat. Then, as will be described in detail later, if the temperature of the internal combustion engine 10 drops below the required re-preheat temperature after the end of the pre-heat process, it is requested to perform the pre-heat process again at that time. According to such processing, the temperature of the internal combustion engine 10 before starting can be efficiently maintained at a high temperature while using warm cooling water without waste.
[0037]
In the routine shown in FIG. 2, next, a process of setting a preheat history flag, that is, a process of turning on a preheat history flag is executed (step 110).
After the end of the processing of step 110 and when the condition of step 102 is not satisfied, it is determined whether or not the internal combustion engine 10 has been started (step 112).
That is, whether the internal combustion engine 10 has been started after the driver's seat door has been opened and the preheating has been performed, or immediately after it has been determined that the driver's seat door has not been opened. It is determined whether or not it is. As a result, if the start of the internal combustion engine 10 is not determined, the current processing cycle is terminated. On the other hand, if the start is determined, a process of resetting the preheat history flag, that is, a process of turning off the preheat history flag is executed (step 114).
[0038]
According to the processing of steps 110 to 114 described above, after the driver opens the door of the driver's seat and gets on the vehicle (after the preheating is started), the preheating history is kept until the internal combustion engine 10 is started. The flag can be turned on, and at the same time the internal combustion engine 10 is started, the flag can be turned off.
[0039]
FIG. 3 shows a flowchart of the re-preheat control executed by the ECU 60 in the present embodiment.
In the routine shown in FIG. 3, first, it is determined whether or not the internal combustion engine 10 is stopped (step 120).
If the internal combustion engine 10 has already been started, it is not necessary to perform re-preheating. Therefore, if it is determined in step 120 that the internal combustion engine 10 is not stopped, the current processing cycle is immediately terminated without performing any processing thereafter.
[0040]
When it is determined that the internal combustion engine 10 is stopped, it is next determined whether or not the preheat history flag is ON (step 122).
[0041]
As described above, the preheat history flag is a flag that is turned ON only after the door of the driver's seat is opened until the internal combustion engine 10 is started. Therefore, when it is determined that this flag is not ON, it is possible to recognize that the internal combustion engine 10 is not stopped by waiting for starting, but is stopped by an operation stop command. . When the internal combustion engine 10 is stopped by stopping operation, it is not necessary to execute the re-preheating process. Therefore, if it is determined in step 122 that the preheat history flag is not ON, the current processing cycle is immediately terminated.
[0042]
On the other hand, when it is determined in step 122 that the preheat history flag is ON, it can be recognized that the internal combustion engine 10 has stopped after waiting for starting. In this case, it is next determined whether or not the temperature of the internal combustion engine 10 is lower than the required reheat temperature (step 124).
When it is determined that the temperature of the internal combustion engine 10 is not lower than the required reheat temperature, it can be determined that the effect of the previous preheat still remains, and that good startability can be obtained without performing the reheat. In this case, the current processing cycle ends without any further processing.
[0043]
On the other hand, when it is determined that the temperature of the internal combustion engine 10 is lower than the required reheat temperature, next, seating detection is performed (step 126).
The seating detection is a process for determining whether or not the driver is sitting in the driver's seat. Specifically, (1) whether the driver's load is detected by the seating sensor 70, (2) It is determined whether the brake switch 72 detects that the brake pedal is depressed, or (3) whether the seat belt switch 74 detects that the driver's seat belt is worn. In this step 126, the driver's seating is determined by detecting any one of them.
[0044]
The preheating process accompanying the opening of the driver's seat door is performed even if the driver does not get into the vehicle as long as the door is opened. Therefore, the preheat history flag is turned ON even if the driver's seat door is simply opened. When it is determined in step 126 that the driver is seated, it is not only that the door is opened but also that the driver is in the vehicle. Therefore, in this case, it can be determined that it is meaningful to perform the preheating process again to increase the temperature of the internal combustion engine 10. On the other hand, when it is not determined that the driver is seated, it can be determined that the user who has opened the door is not in the vehicle. That is, in this case, it is possible to infer the possibility that the user of the vehicle simply opened the door. Then, if the user does not intend to start the internal combustion engine 10, there is no need to perform the preheating process again.
[0045]
In the routine shown in FIG. 3, if it is determined in step 126 that the driver is not seated, then a start intention is detected (step 128).
The detection of the start intention is a process of determining whether or not any event prior to the start of the internal combustion engine 10 has occurred. Specifically, (1) whether the release of the parking brake is detected by the parking brake switch 76 (2) It is detected by the key cylinder switch 78 whether or not the insertion of the key into the cylinder is detected. In this step 128, when any of them is detected, it is determined that the driver has the intention of starting.
[0046]
If the driver's seat is not determined in step 126 and the driver's intention to start is not recognized in step 128, the vehicle door is simply opened, and the preheating process is performed again. You can judge that you should not In this case, the ECU 60 ends the current processing cycle without performing any processing thereafter.
[0047]
On the other hand, when the driver's seating or starting intention is detected in steps 126 and 128, it is determined that the preheating process should be executed again as necessary in order to secure the startability of the internal combustion engine 10. be able to. In this case, the ECU 60 determines whether the preheat permission condition is satisfied (step 130).
Here, the preheat permission condition is a condition that should be satisfied at the time of performing the preheat process in addition to the various conditions described above. In other words, this is a condition for determining whether or not the warm cooling water stored in the heat storage tank 48 is supplied to the internal combustion engine 10 so that the internal combustion engine 10 can be sufficiently warmed up. The condition is that the temperature of the cooling water stored in 48 exceeds a predetermined value, or that no failure occurs in various elements for realizing the preheating process.
[0048]
If the preheat permission condition is not satisfied, the current processing cycle is immediately terminated. On the other hand, if the condition is satisfied, a preheat process is executed (step 132).
Note that the preheating process executed in step 132 does not differ from the preheating process executed in step 104, and thus a detailed description thereof is omitted here.
[0049]
After the preheating process is completed, after the detection of the attained temperature of the internal combustion engine 10 (step 134) and the setting process of the required re-preheat temperature (step 136) are performed, as in the case of steps 108 and 110 described above. , The current processing cycle ends.
[0050]
As described above, according to the routine shown in FIG. 3, when the preheat history flag is not ON, the preheat process is prohibited, so that the preheat process is executed after the operating internal combustion engine 10 is stopped. Can be prevented. For this reason, according to the system of this embodiment, when the driver continues to sit in the driver's seat for a long time after the internal combustion engine 10 is stopped, it is possible to reliably prevent the preheating process from being performed needlessly. be able to.
[0051]
Further, according to the routine shown in FIG. 3, when the driver's seating or the intention to start the internal combustion engine 10 is not detected, even if the temperature of the internal combustion engine 10 decreases, the preheating process can be prohibited again. . For this reason, according to the system of the present embodiment, when the user of the vehicle simply opens the driver's seat door without intending to start the internal combustion engine 10, the preheat process is not performed wastefully. Can be prevented.
[0052]
Further, according to the routine shown in FIG. 2 and FIG. 3, each time the preheating process is executed, a temperature that is appropriately lower than the ultimate temperature of the internal combustion engine 10 immediately after the preheating process is set as the re-heating required temperature. Can be. When the re-heat setting temperature is set in this manner, it is possible to prevent a situation in which the temperature reached by the internal combustion engine 10 hardly changes from the required re-heat temperature after the end of the pre-heat process. Can be prevented. For this reason, according to the system of the present embodiment, it is possible to reliably prevent the useless preheating process that consumes the warm cooling water in the heat storage tank 48 once a period.
[0053]
As described above, the system according to the present embodiment prevents the useless preheating process from being performed in a situation where the start of the internal combustion engine 10 is not expected, and repeatedly performs the preheating process in a situation where the startup is expected. By doing so, it is possible to maintain a state in which the internal combustion engine 10 can exhibit good startability. For this reason, according to the system of the present embodiment, not only when the driver starts the internal combustion engine 10 according to a normal flow, but also when the driver starts the internal combustion engine 10 according to a flow different from the normal flow, Good startability can be imparted to the internal combustion engine 10.
[0054]
By the way, in the first embodiment described above, in the routine shown in FIG. 3, as long as the temperature of internal combustion engine 10 does not fall below the re-preheat request temperature, even if the driver indicates the intention to start, the pre-heat process is performed again. Although not implemented, the present invention is not limited to this. That is, in order to enhance the startability of the internal combustion engine 10, it is desirable that all of the warm cooling water in the heat storage tank 48 be consumed for preheating before the start of the start. For this reason, when the intention to start the internal combustion engine 10 is recognized, even if the temperature of the internal combustion engine 10 is not lower than the required reheat temperature, the preheat process may be executed again at that time.
[0055]
In the above-described first embodiment, the flow path switching valve 42, the heat storage water pump 46, the heat storage tank 48, and the pipes 44 and 52 correspond to the “preheating mechanism” in the first or second aspect of the invention. The conditions determined in steps 124 to 130 correspond to the “re-reheat requirement” in the first invention, respectively. In the first embodiment, the ECU 60 executes the process of step 102, and the “door opening event recognition unit” in the first or second invention executes the process of step 104. The “preheat execution means” in the first or second invention executes the processing in step 110, and the “execution history creation means” in the first invention executes the processing in step 114. The "execution history clearing means" in the first invention executes the processing of step 122, and the "re-preheat execution permission / inhibition determination means" in the first invention executes the processing of step 132. The "re-preheat execution means" in the first or second invention is realized respectively.
Further, in the above-described first embodiment, the “re-preheat request temperature setting means” in the second aspect of the present invention is realized by the ECU 60 executing the processes of steps 108 and 136.
[0056]
Further, in the first embodiment, the event determined in step 128 corresponds to the “pre-start event” in the fifth aspect of the present invention, and the ECU 60 executes the process in step 128 through the process in step 128. By executing the process of 132, the “starting-time preheating executing means” in the fifth invention is realized.
[0057]
Embodiment 2 FIG.
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. The device of the above-described first embodiment determines whether or not the preheating process can be performed again by checking the state of the preheating history flag, so that after the internal combustion engine 10 is stopped from the operating state, the driver can get off for a long time. If this is not done, useless preheating processing is prevented from being executed.
[0058]
However, in the preheat control (FIG. 2) executed by the device of the first embodiment, the preheat process is executed as long as the driver's seat door is opened while the internal combustion engine 10 is stopped. That is, according to the preheat control shown in FIG. 2, after the internal combustion engine 10 is stopped from the operating state, the driver opens the driver's seat side door to get off, so that the execution condition of the preheat process is satisfied, Processing is executed.
[0059]
Therefore, in the present embodiment, when the driver's seat is opened, it is checked whether or not the driver is seated in the driver's seat. The process that prohibits the implementation of the above is incorporated into the preheat control. When such a process is incorporated, the preheat process can be performed only when the driver opens the door to get into the vehicle, and the preheat process is wastefully performed when the driver opens the door to get off the vehicle. The processing can be prevented from being performed.
[0060]
FIG. 4 shows a flowchart of the preheating control executed by the ECU 60 in the present embodiment to realize the above functions.
In the routine shown in FIG. 4, first, it is determined whether or not the internal combustion engine 10 is stopped (step 140).
When the internal combustion engine 10 has already started, it is not necessary to perform preheating. Therefore, if it is determined in step 140 that the internal combustion engine 10 is not stopped, the current processing cycle is immediately terminated without performing any processing thereafter.
[0061]
If it is determined that the internal combustion engine 10 is stopped, it is next determined whether or not the driver's seat door has been opened (step 142).
As a result, if it is determined that the driver's seat door has been opened, that is, if it is determined that the output of the driver's seat side door switch has changed from OFF to ON, then seating detection is performed (step 144).
On the other hand, if it is determined that the driver's seat door has not been opened, the process of seating detection is jumped, and the process of step 146 is executed immediately thereafter.
[0062]
In step 144, the seating detection is performed in the same manner as in step 126 in the first embodiment. When the driver is seated by seat detection, it can be estimated that the driver opened the door of the vehicle from the inside while sitting in the driver's seat. In this case, it can be determined that it is not necessary to immediately perform the preheating process. On the other hand, if the driver is not seated by the seating detection, it can be estimated that the driver has opened the door from outside the vehicle, and thus it can be determined that the preheating process should be performed immediately thereafter.
[0063]
In the routine shown in FIG. 4, when the driver is seated in step 144, detection of the intention to start is executed in the same manner as in the case where the driver's door is not opened in step 142 (step 142). Step 146).
The detection of the starting intention is performed by the same method as in step 128 in the first embodiment.
[0064]
If it is determined in step 144 that the driver is sitting in the driver's seat, and if it is determined in step 146 that the intention of starting cannot be detected, the driver stops the internal combustion engine 10 after It can be determined that it is merely left in the cabin, and further, it can be determined that it is not necessary to perform the preheating process. In this case, the ECU 60 ends the current processing cycle without performing any processing thereafter.
[0065]
On the other hand, if the driver is not seated in step 144, the start of the internal combustion engine 10 can be expected, so that it can be determined that the preheating process should be performed. Further, if the intention to start is detected in step 146, it means that the starting operation is actually being performed, so that it is determined that the preheating process should be performed regardless of whether the driver is seated or not. it can. In this case, the ECU 60 executes the preheat process (step 150) on condition that the preheat permission condition is satisfied (step 148).
Note that the processes of steps 148 and 150 are the same as the processes of steps 130 and 104 in the first embodiment, respectively, and thus detailed description thereof will be omitted.
[0066]
As described above, according to the routine shown in FIG. 4, when the driver stops the internal combustion engine 10 and then opens the door for the purpose of getting off, the door is opened and the preheating process is performed wastefully. Can be prevented. Further, according to this routine, when the intention to start is recognized, the execution of the preheating process can be permitted regardless of the presence or absence of the door opening or the seating. For this reason, according to the system of the present embodiment, when the driver opens the door to get into the vehicle, or when the driver tries to restart the engine 10 with the temporarily stopped internal combustion engine 10 For example, it is possible to effectively prevent the useless preheating process while permitting the execution of the preheating process in a meaningful situation.
[0067]
By the way, in the above-described first or second embodiment, the seating is detected based on the output of the seating sensor 70, the brake switch 72, the seat belt switch 74, and the like (see steps 126 and 144). The detection method is not limited to this. Hereinafter, a method of simply detecting the presence or absence of a seat without using these sensors and switches will be described with reference to FIG.
[0068]
FIG. 5 is a flowchart of a routine for causing the ECU 60 to execute the seating determination without using the seating sensor 70, the brake switch 72, and the seat belt switch 74 in the configuration shown in FIG.
In the routine shown in FIG. 5, first, it is determined whether or not the internal combustion engine 10 is stopped (step 160).
[0069]
As a result, if it is determined that the internal combustion engine 10 is not stopped, the current processing cycle ends without any further processing. On the other hand, if it is determined that the internal combustion engine 10 is stopped, it is next determined whether or not the ignition switch has changed from ON to OFF from the previous processing cycle to the current processing cycle (step 162).
[0070]
When the condition of step 162 is satisfied, it can be recognized that the current processing cycle is a cycle executed immediately after the internal combustion engine 10 stops. In this case, the ECU 60 then performs a setting process of the seating flag, that is, a process of turning on the seating flag (step 164).
[0071]
On the other hand, if it is determined in step 162 that the ignition switch has not been changed from ON to OFF, it can be determined that the internal combustion engine 10 has been stopped before the current processing cycle. In this case, the process of step 164 is jumped, and the seating flag is maintained at the state of the previous processing cycle.
[0072]
In the routine shown in FIG. 5, it is next determined whether or not the driver's seat door has been opened based on the output of the door switch 66 (step 166).
As a result, if it is determined that the driver's seat door is to be opened, a reset process of the seating flag, that is, a process of turning off the seating flag is executed (step 168).
On the other hand, if it is determined that the door is not opened, the process of step 168 is jumped in order to maintain the state of the seating flag, and the current processing cycle is immediately terminated.
[0073]
According to the processing described above, the seating flag is turned on at the same time when the internal combustion engine 10 is stopped, and thereafter, is kept on until the door of the driver's seat is opened for the first time. Then, the seating flag is turned off at the same time when the door of the driver's seat is opened for the first time after the internal combustion engine 10 is stopped, and thereafter, is kept off while the internal combustion engine 10 is stopped.
[0074]
The driver of the vehicle usually stops the internal combustion engine 10 and then opens the door on the driver's seat side and gets off the vehicle. Assuming such a normal flow, ON / OFF of the above-mentioned seating flag coincides with whether or not the driver is sitting in the driver's seat. Therefore, the seating determination can be simply performed based on the state of the seating flag described above. Therefore, when the ECU 60 executes the routine shown in FIG. 5 in the device according to the first or second embodiment, in step 126 shown in FIG. 3 or step 144 shown in FIG. It is possible to execute based on. In this case, since the seat sensor 70, the brake switch 72, and the seat belt switch 74 can be excluded from the configuration of the system, the configuration can be further simplified.
[0075]
Further, in the above-described first or second embodiment, whether or not the door on the driver's seat side is opened is determined based on the output of the door switch 66, but the determination method is also limited to this. Not something. That is, whether or not the door has been opened may be determined based on whether or not the door lock has been released.
[0076]
Further, in the above-described first or second embodiment, the presence or absence of a start intention is determined based on whether or not a key is inserted into a key cylinder. However, the method of the determination is not limited to this. is not. That is, the presence or absence of the intention to start may be determined based on whether or not the key inserted into the key cylinder is operated to the position where the ignition switch is turned on.
[0077]
In the second embodiment described above, the flow path switching valve 42, the heat storage water pump 46, the heat storage tank 48, and the pipes 44 and 52 correspond to the "preheating mechanism" in the third aspect of the invention. In the second embodiment, the “opening event recognition means” in the third aspect of the present invention executes the process of step 142, and the ECU 60 executes the process of step 142. The “preheating execution means” of the third invention executes the processing of step 144, thereby realizing the “seating determination means” and the “door opening preheating inhibition means” of the third invention.
[0078]
Further, in the above-described second embodiment, by causing the ECU 60 to execute the routine shown in FIG. 5, the "seating determination means" in the fourth invention can be realized.
Further, in the above-described second embodiment, the event determined in step 146 corresponds to the “pre-start event” in the fifth aspect of the present invention, and the ECU 60 executes By executing the process 150, the “starting-time preheating execution means” in the fifth invention is realized.
[0079]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, it has the following effects.
According to the first aspect of the present invention, since the pre-heating execution history is formed until the internal combustion engine is started after the driver gets on the vehicle, the execution of the re-preheating is permitted. On the other hand, after the internal combustion engine is stopped, until the driver gets off the vehicle, the execution history of the preheating is cleared, so that the execution of the reheating is prohibited. Therefore, according to the present invention, it is possible to prevent unnecessary preheating from being performed after the internal combustion engine is stopped.
[0080]
According to the second aspect, every time the preheating is performed, the required reheating temperature can be set based on the attained temperature of the internal combustion engine accompanying the execution. Therefore, according to the present invention, after the driver gets on the vehicle, if the state where the internal combustion engine is not started is maintained, the preheating can be repeated at appropriate intervals. In other words, it is possible to prevent a situation that the temperature of the internal combustion engine has not reached the required temperature for re-preheating immediately after the pre-heating is performed, and it is possible to prevent the re-heating from being continuously repeated unnecessarily.
[0081]
According to the third aspect, when it is determined that the driver is seated in the driver's seat, the preheating accompanying the door opening can be prohibited. Therefore, according to the present invention, it is possible to prevent unnecessary preheating from being performed after the internal combustion engine is stopped.
[0082]
According to the fourth aspect, after the internal combustion engine is stopped, it can be determined whether or not the driver is seated in the driver's seat based on whether or not the door opening event has been recognized. Therefore, according to the present invention, it is possible to determine the seating of the driver without providing a special sensor or the like in addition to the mechanism for recognizing the door opening event.
[0083]
According to the fifth aspect, when a pre-start event that occurs prior to the start of the internal combustion engine is recognized, preheating can be performed. For this reason, according to the present invention, whether immediately after the driver gets on the vehicle, or immediately after the internal combustion engine is stopped, or further, immediately after the door is opened and closed, Immediately before the internal combustion engine is started, the temperature of the internal combustion engine can be increased.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram for explaining a system configuration according to a first embodiment of the present invention;
FIG. 2 is a flowchart of a preheat control routine executed in the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a flowchart of a re-preheat control routine executed in the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a flowchart of a preheat control routine executed in a second embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a flowchart of a seating determination routine executed in a second embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10 Internal combustion engine
12 cylinder head
14 cylinder block
18 Radiator
22 Thermostat with bypass differential pressure valve
28 Water pump (mechanical type)
42 Flow path switching valve
46 Water pump for heat storage
48 heat storage tank
60 ECU (Electronic Control Unit)
62 1st water temperature sensor
64 Second water temperature sensor

Claims (5)

始動前の内燃機関を暖機するためのプレヒート機構と、
車両における開扉に伴う開扉事象を認識する開扉事象認識手段と、
前記開扉事象が認識された場合に、前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施するプレヒート実施手段と、
前記プレヒート処理の実施履歴を作成する実施履歴作成手段と、
内燃機関の始動と共に前記実施履歴をクリアする実施履歴クリア手段と、
前記実施履歴が存在する場合は再プレヒートの実施を許可し、その実施履歴がクリアされている場合は再プレヒートの実施を禁止する再プレヒート実施許否決定手段と、
再プレヒートの要求条件が成立し、かつ、再プレヒートの実施が許可されている場合に再び前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施する再プレヒート実施手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の暖機制御装置。
A preheating mechanism for warming up the internal combustion engine before starting,
An opening event recognition means for recognizing an opening event associated with the opening of the vehicle;
When the door opening event is recognized, a preheating performing unit that performs a preheating process using the preheating mechanism,
Execution history creating means for creating an execution history of the preheating process,
Implementation history clearing means for clearing the implementation history with the start of the internal combustion engine,
If the execution history exists, the re-preheat execution permission / prohibition determining means for permitting the execution of the re-preheat, and prohibiting the execution of the re-preheat when the execution history is cleared,
A re-preheating execution unit that performs the pre-heating process using the pre-heating mechanism again when the required condition of the re-heating is satisfied, and the execution of the re-heating is permitted.
A warm-up control device for an internal combustion engine, comprising:
始動前の内燃機関を暖機するためのプレヒート機構と、
車両における開扉に伴う開扉事象を認識する開扉事象認識手段と、
前記開扉事象が認識された場合に、前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施するプレヒート実施手段と、
内燃機関の温度が再プレヒート要求温度以下に低下した場合に再び前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施する再プレヒート実施手段と、
プレヒート処理が実施される毎に、その実施に伴う内燃機関の到達温度に基づいて再プレヒート要求温度を設定する再プレヒート要求温度設定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の暖機制御装置。
A preheating mechanism for warming up the internal combustion engine before starting,
An opening event recognition means for recognizing an opening event associated with the opening of the vehicle;
When the door opening event is recognized, a preheating performing unit that performs a preheating process using the preheating mechanism,
When the temperature of the internal combustion engine falls below the re-preheat required temperature, re-preheat performing means for performing the pre-heat treatment using the pre-heat mechanism again,
Each time the preheat process is performed, a re-preheat request temperature setting unit that sets a re-preheat request temperature based on the attained temperature of the internal combustion engine accompanying the execution,
A warm-up control device for an internal combustion engine, comprising:
始動前の内燃機関を暖機するためのプレヒート機構と、
車両における開扉に伴う開扉事象を認識する開扉事象認識手段と、
前記開扉事象が認識された場合に、前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施するプレヒート実施手段と、
運転席に運転者が着座しているか否かを判定する着座判定手段と、
運転席に運転者が着座していると判定される場合は、前記開扉事象の認識に伴う前記プレヒート処理の実施を禁止する開扉プレヒート禁止手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の暖機制御装置。
A preheating mechanism for warming up the internal combustion engine before starting,
An opening event recognition means for recognizing an opening event associated with the opening of the vehicle;
When the door opening event is recognized, a preheating performing unit that performs a preheating process using the preheating mechanism,
Seat determination means for determining whether the driver is seated in the driver's seat,
When it is determined that the driver is seated in the driver's seat, door opening preheating prohibition means for prohibiting the execution of the preheating process with recognition of the door opening event,
A warm-up control device for an internal combustion engine, comprising:
前記着座判定手段は、内燃機関が停止した後、前記開扉事象が初めて認識されるまでは運転席に運転者が着座していると判定することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の暖機制御装置。4. The internal combustion engine according to claim 3, wherein the seat determination unit determines that the driver is seated in a driver seat after the internal combustion engine is stopped until the door opening event is recognized for the first time. 5. Warm-up control device. 内燃機関の始動時に、その始動に先立って生ずる始動前事象を認識する始動前事象認識手段と、
前記始動前事象が認識された場合に、前記プレヒート機構を用いたプレヒート処理を実施する始動時プレヒート実施手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の暖機制御装置。
A pre-start event recognizing means for recognizing a pre-start event occurring prior to the start of the internal combustion engine,
When the pre-start event is recognized, a start-time preheat performing means for performing a preheat process using the preheat mechanism,
The warm-up control device for an internal combustion engine according to any one of claims 1 to 4, further comprising:
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