【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、得られる硬化物の弾性・可とう性・耐水性に優れ、特に床材に好適に用いることができるエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂はその硬化物が密着性や耐水性、耐薬品性等の耐食性に優れることから、塗料、床剤、接着剤、電子・電気部品用などの幅広い分野において、各種の用途に応じた硬化剤と配合して使用されている。中でも、揮発性成分を含まず、常温で硬化させて使用する塗料、床剤、接着剤用途等においては、分子中にアミノ基を有する種々のアミン系硬化剤が従来使用されている。
【0003】
特に土木建築分野においては、硬化後の温度、湿度等の気候の変化や重量物等による衝撃に対する劣化、即ち亀裂の発生や侵食、剥離といった問題があり、硬化性とともに硬化物の弾性、可とう性、耐水性に優れる硬化剤が求められており、例えばポリエーテルポリアミンとしてジェファーミンが提供されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
【非特許文献1】
サンテクノケミカル株式会社ホームページ、製品紹介 機能化学品 [平成15年4月8日検索]、インターネット<URL:http://www.sun−techno.co.jp/>
【0005】
しかし、前記非特許文献1に記載されたジェファーミンは、プロピレンオキシド、エチレンオキシドを骨格とし、末端にアミノ基のみを有する構造であることから可とう性に優れるものの、硬化物の耐水性が満足できるレベルではなく、特に湿度の調節が難しい分野では使用できず、改良が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、硬化物の弾性、可とう性に優れ、高い耐水性が要求される床材に好適に用いることができるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこの様な課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂と下記特定の構造を有するアミン系硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物の弾性、可とう性、耐水性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、エポキシ樹脂(A)と下記一般式(1)
【化3】
(式中、Rは炭素数5〜10のアルキル基であり、mは3〜20の整数である。)及び/又は下記一般式(2)
【化4】
(式中、nは3〜25の整数である。)
で示されるアミン系硬化剤(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物及びこれを用いた床材を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するエポキシ樹脂(A)としては、分子内にアミノ基と反応することができるエポキシ基を有するものであれば、その構造が特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、単独でも、2種以上の混合物としても使用することができる。また、前記エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部とカルボン酸やフェノール類とを予め反応させて得られる、変性エポキシ樹脂であっても良く、更に反応性希釈剤を含有するものであっても良い。これらの中でも、工業的に入手が容易で、得られる硬化物の耐食性等に優れる点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
【0010】
前記反応性希釈剤としては、エポキシ樹脂組成物の粘度や反応速度を調製する等の目的で併用できるものであり、例えば、アルキルフェノール、長鎖(炭素原子数12〜13)アルコール等のモノグリシジルエーテル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等が挙げられ、得られる硬化物の所望の特性により、適宜選択することが好ましい。これらの反応性希釈剤の使用割合としては、エポキシ樹脂(A)100重量部中5〜30重量部であることが、作業性が良好であり、且つ得られる硬化物の耐食性に優れる点から特に好ましい。
【0011】
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)のエポキシ当量としては特に制限されるものではないが、作業性が良好で且つ硬化物の弾性に優れる点から140〜600g/eqであることが好ましく、特にこれらの効果が顕著である点から160〜220g/eqであることが好ましい。
【0012】
本発明で用いるアミン系硬化剤(B)は下記一般式(1)
【化5】
(式中、Rは炭素数5〜10のアルキル基であり、mは3〜20の整数である。)及び/又は下記一般式(2)
【化6】
(式中、nは3〜25の整数である。)で示される化合物からなるものであり、これらは単独でも、2種を混合して使用することも可能であり、また長さの異なる化合物の混合物としても使用可能である。
【0013】
前記一般式(1)中のRとしては、硬化物の弾性、可とう性と耐水性のバランスに優れる点から炭素数5〜10のアルキル基であることを必須とし、同様の理由からプロピレンオキシドの繰り返し単位数であるmとしては3〜20の整数であることを必須とする。前記一般式(1)中のRが炭素数4以下のアルキル基である場合には得られる硬化物の耐水性が不足し、炭素数11以上のアルキル基では得られる硬化物の弾性において満足できるレベルではない為、好ましくない。これらは目的とする弾性、可とう性、耐水性のレベルにより適宜選択されるものであるが、特に可とう性が必要である場合にはRが炭素数8〜10のアルキル基であり、mが15〜20の整数である化合物を用いることが好ましく、耐水性が必要である場合には、Rが炭素数6〜10のアルキル基であり、mが5〜20の整数である化合物を用いることが好ましい。
【0014】
前記一般式(1)の製造方法としては特に制限されるものではなく、例えば、パラ位にアルキル基を有するフェノールを開始剤として所望の繰り返し単位数になるモル比でプロピレンオキシドを反応させた後、末端のヒドロキシ基をアミノ基に転化する方法が挙げられる。
【0015】
また、前記一般式(2)中のnとしては硬化物の弾性、可とう性と耐水性のバランスに優れる点から3〜25の整数であることを必須とし、目的とする弾性、可とう性、耐水性のレベルにより適宜選択されるものであるが、エポキシ樹脂(A)との相溶性に優れ、且つ可とう性と耐水性のバランスに優れる点からnが6〜15の整数であることが好ましい。前記一般式(2)中のnが2以下の場合は得られる硬化物の耐水性が不足し、nが26以上では硬化物の弾性において満足できるレベルではないため、好ましくない。
【0016】
前記一般式(2)の製造方法としては特に制限されるものではなく、例えば、所望の長さを有するアルキルアルコールにジプロピレンオキシドを反応させた後、末端のヒドロキシ基をアミノ基に転化する方法が挙げられる。
【0017】
前記一般式(1)及び(2)で表される化合物の具体的なものとしては、下記構造式(1−1)〜(1−10)及び(2−1)〜(2−10)で示されるものを挙げることができる。
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、その好ましい特性を損なわない範囲で、必要に応じて前記アミン系硬化剤(B)以外のエポキシ樹脂用硬化剤を併用することができる。特に強度に優れる硬化物を必要とする床材等では、エポキシ樹脂用硬化剤として変性脂肪族ポリアミンを併用することが好ましい。
【0021】
前記変性脂肪族ポリアミンとしては、例えば、メタキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、N−アミノエチルピペラジン等の脂肪族ポリアミンとフェノール類とホルムアルデヒドから得られる化合物とを反応させて得られるもの(マンニッヒ変性物)、前記脂肪族ポリアミン中のアミノ基の一部をエポキシ樹脂と予め反応させて得られるアダクト物、前記脂肪族ポリアミンとアクリロニトリルとを反応させて得られるシアノエチル化物等が挙げられる。市販品としては、「アデカハードナーEH−210」「アデカハードナーEH−220」(以上、旭電化工業株式会社製)、「フジキュアー5410」「フジキュアー5420」(以上、富士化成工業株式会社製)、「ラッカマイドWH−137」「ラッカマイドWH−630」(以上、大に本インキ化学工業株式会社製)等が挙げられる。
【0022】
前記変性脂肪族ポリアミンの使用量としては、特に制限されるものではなく、所望とする成形硬化物の特性により適宜選択されるものであるが、得られる硬化物の弾性と耐水性のバランスに優れる点から、アミン系硬化剤(B)100重量部に対し、20〜100重量部であることが好ましい。
【0023】
更に、必要に応じて各種の硬化促進剤を配合することも可能であり、前記硬化促進剤としては、例えば、2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン(DBU)等の第三級アミン類、2−メチル−4−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類、フェノール、クレゾール等のフェノール類が挙げられる。
【0024】
本発明におけるエポキシ樹脂(A)とアミン系硬化剤(B)の配合比としては特に制限されるものではないが、得られる成形硬化物の弾性、耐水性に優れる点から、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基とアミン系硬化剤(B)及びこれ以外のエポキシ樹脂用硬化剤の活性水素基の合計とのモル比(エポキシ基/活性水素基の合計)が100/60〜100/120であることが好ましく、これらの効果が顕著である点から、100/80〜100/100であることが特に好ましい。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて他の添加剤、例えば、防錆顔料、着色顔料、体質顔料などの充填剤(C)、酸化防止剤、ハジキ防止剤、ダレとめ剤、粒展剤、消泡剤、紫外線吸収剤、分散剤、チキソ付与剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0026】
特に床材の用途においては充填剤(C)を配合することが好ましく、前記充填剤(C)としては例えば、亜鉛粉末、リンモリブデン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、クロム酸バリウム、アルミニウム、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン、硫化亜鉛、弁柄、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン等が挙げられ、これらは1種類で用いることもできるし、2種類以上で併用することも可能である。これら充填剤(C)の配合量は特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂(A)とアミノ系硬化剤(B)を含むエポキシ樹脂用硬化剤との合計100重量部に対し30〜70重量部であることが好ましい。
【0027】
前記充填剤(C)及び前記添加剤のエポキシ樹脂組成物への配合方法は特に制限されるものではないが、例えば、充填剤(C)及び添加剤を混合ミキサー、ボールミル等の装置を用いて十分に混練、均一に分散させたペーストを予め用意し、これと本発明で用いるエポキシ樹脂(A)とを更に前記装置を用いて混練、分散させた後、所望の配合比にて本発明で用いるアミノ系硬化剤(B)及びこれ以外のエポキシ樹脂用硬化剤を混合する方法が挙げられる。
【0028】
本発明のエポキシ樹脂組成物はその用途として特に制限されるものではなく、従来エポキシ樹脂が使用されている分野、例えば塗料、注型、接着剤等に使用できるが、特に室温で硬化させる床材として好適に用いることができる。
【0029】
また、場合によっては本発明のエポキシ樹脂組成物を有機溶剤等に溶解した後加熱硬化によってその成形硬化物を得ることも可能であり、この際に使用できる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類等が挙げられる。
【0030】
本発明のエポキシ樹脂組成物の使用方法としても特に制限されるものではなく、例えば、刷毛塗り、噴霧塗装、へら塗り、浸漬塗装、流し込み塗装、ローラー塗装によって、または適当な装置から接着剤滴として付着させることによって適用することも可能である。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例、試験例及び比較試験例を挙げて更に詳細に説明する。
【0032】
実施例1〜6、及び比較例1〜8
表1−1〜2に示す配合にてまずエポキシ樹脂と充填剤をボールミルにて混練した後、アミン系硬化剤及び他の硬化剤を配合し、均一になるまでへらにてこんごうすることによって、エポキシ樹脂組成物を調製した。なお、実施例・比較例ではアミン系硬化剤(B)として、以下の構造で示される化合物を使用した。
【化9】
【化10】
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
表1−1〜2の脚注
表1−1〜2中の830、850、MXDA、IPDA、D−230、D−400、T−403、WH−137、WH−630は下記の化合物を示す。
830:EPICLON 830 (ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量170g/eq)
850:EPICLON 850 (ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量188g/eq)
MXDA:メタキシリレンジアミン
IPDA:イソホロンジアミン
D−230:ジェファーミン (末端アミノ化ポリプロピレングリコール、分子量 約230 サンテクノケミカル株式会社製)
D−400:ジェファーミン (末端アミノ化ポリプロピレングリコール、分子量 約400 サンテクノケミカル株式会社製)
T−403:ジェファーミン (プロピレンオキサイド骨格のトリアミン、分子量 約440 サンテクノケミカル株式会社製)
WH−137:ラッカマイド (変性脂肪族ポリアミン、粘度900mPa・s、活性水素当量90g/eq、大日本インキ化学工業株式会社製)
WH−630:ラッカマイド (変性脂肪族ポリアミン、粘度1800mPa・s、活性水素当量80g/eq、大日本インキ化学工業株式会社製)
充填剤:NS200D(日東粉化商事株式会社)
【0036】
試験例1〜6、及び比較試験例1〜8
実施例1〜6及び比較例1〜8で得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、以下の試験を行った。なお、試験に用いる成形硬化物を得る際の養生条件は25℃×7日間である。
【0037】
ショアD硬度
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、スレート板に1.0kg/m3の塗布量になるように流し込み塗装し、20℃、65%RHに調整した恒温恒湿室に静置した。16時間後、及び24時間後の塗装表面の硬度を、ショアD硬度計を用いて測定を行った。
【0038】
耐水白化試験
ショアD硬度に用いた塗板と同じものを用い、20℃、65%RHに調整した恒温恒湿室内にて塗装16時間後に直径が1cmになるように水滴をたらし、そのまま3時間更に静置する。その後、水滴をふき取り、表面を目視にて確認する。
○:表面に白化跡が残らない。
×:表面に白化跡が残る。
【0039】
表面性
ショアD硬度に用いた塗板と同じものを用い、20℃、65%RHに調整した恒温恒湿室内に静置する。静置7日経過後、表面状態を目視にて観測する。
○:鏡面性良好。
△:部分的に鏡面性あり。
×:鏡面性なし。
【0040】
引張試験・圧縮試験
JIS K 6911に従って引張試験と圧縮試験を行った。
以上の試験結果を試験例及び比較試験例として表2−1〜2に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた試験例1〜8では、得られる成形硬化物の弾性、可とう性に優れ、且つ、耐水性も良好であることを確認した。
しかしながら、比較例では何れも耐水性が悪く、可とう性にも劣り、満足できるレベルではない事を確認した。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、硬化物の弾性、可とう性に優れ、高い耐水性が要求される床材に好適に用いることができるエポキシ樹脂組成物を提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an epoxy resin composition which is excellent in elasticity, flexibility and water resistance of a cured product obtained, and which can be particularly preferably used for flooring.
[0002]
[Prior art]
Epoxy resin has excellent corrosion resistance such as adhesion, water resistance, chemical resistance, etc., so it can be cured according to various applications in a wide range of fields such as paints, flooring agents, adhesives, and electronic and electric parts. It is used in combination with an agent. Above all, various amine-based curing agents having an amino group in the molecule have been conventionally used in paints, flooring agents, adhesives, and the like which are used after being cured at room temperature without containing volatile components.
[0003]
Particularly in the field of civil engineering and construction, there are problems such as changes in climate such as temperature and humidity after curing and impacts due to heavy objects, such as cracks, erosion, and peeling. There is a demand for a curing agent having excellent properties and water resistance. For example, Jeffamine is provided as a polyether polyamine (for example, see Non-Patent Document 1).
[0004]
[Non-patent document 1]
Sun Techno Chemical Co., Ltd. homepage, product introduction Functional chemicals [Search on April 8, 2003], Internet <URL: http: // www. sun-techno. co. jp / >
[0005]
However, Jeffamine described in Non-Patent Document 1 has a structure in which propylene oxide and ethylene oxide are used as skeletons and has only an amino group at a terminal, so that the flexibility is excellent, but the water resistance of the cured product can be satisfied. It cannot be used in a field where it is difficult to control the humidity, not the level, and the improvement is required.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above circumstances, an object of the present invention is to provide an epoxy resin composition which can be suitably used for flooring materials which are required to have high elasticity and flexibility of a cured product and high water resistance. is there.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve such problems, and as a result, an epoxy resin composition containing an epoxy resin and an amine-based curing agent having the following specific structure has elasticity and flexibility of the obtained cured product. The present invention was found to be excellent in water resistance and water resistance and completed the present invention.
[0008]
That is, the present invention relates to an epoxy resin (A) and the following general formula (1)
Embedded image
(Wherein, R is an alkyl group having 5 to 10 carbon atoms, and m is an integer of 3 to 20) and / or the following general formula (2)
Embedded image
(In the formula, n is an integer of 3 to 25.)
And an epoxy resin composition characterized by containing an amine-based curing agent (B) represented by the formula (1) and a floor material using the same.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The structure of the epoxy resin (A) used in the present invention is not particularly limited as long as the epoxy resin (A) has an epoxy group capable of reacting with an amino group in the molecule. Resins, bisphenol F-type epoxy resins, phenol novolak-type epoxy resins, naphthol-type epoxy resins, dicyclopentadiene-phenol-type epoxy resins, and the like can be used alone or as a mixture of two or more. Further, a modified epoxy resin obtained by previously reacting a part of the epoxy group in the epoxy resin with a carboxylic acid or a phenol may be used, and may further contain a reactive diluent. . Among these, bisphenol A type epoxy resins and bisphenol F type epoxy resins are preferred from the viewpoint that they are easily available industrially and the obtained cured product has excellent corrosion resistance and the like.
[0010]
The reactive diluent may be used in combination for the purpose of adjusting the viscosity and reaction rate of the epoxy resin composition, and includes, for example, monoglycidyl ethers such as alkylphenols and long-chain (12 to 13 carbon atoms) alcohols. , Dipropylene glycol, polypropylene glycol, neopentyl glycol, diglycidyl ether such as 1,6-hexanediol, trimethylolpropane triglycidyl ether, and the like, and may be appropriately selected depending on desired properties of the obtained cured product. preferable. The proportion of these reactive diluents to be used is preferably 5 to 30 parts by weight based on 100 parts by weight of the epoxy resin (A) from the viewpoint of good workability and excellent corrosion resistance of the obtained cured product. preferable.
[0011]
The epoxy equivalent of the epoxy resin (A) used in the present invention is not particularly limited, but is preferably 140 to 600 g / eq from the viewpoint of good workability and excellent elasticity of the cured product. It is preferably 160 to 220 g / eq from the viewpoint that the effect of (1) is remarkable.
[0012]
The amine-based curing agent (B) used in the present invention has the following general formula (1)
Embedded image
(Wherein, R is an alkyl group having 5 to 10 carbon atoms, and m is an integer of 3 to 20) and / or the following general formula (2)
Embedded image
Wherein n is an integer of 3 to 25. These compounds may be used singly or as a mixture of two kinds, and compounds having different lengths may be used. Can also be used as a mixture.
[0013]
R in the general formula (1) must be an alkyl group having 5 to 10 carbon atoms from the viewpoint of excellent balance between elasticity, flexibility and water resistance of the cured product. M, which is the number of repeating units, must be an integer of 3 to 20. When R in the general formula (1) is an alkyl group having 4 or less carbon atoms, the obtained cured product has insufficient water resistance, and an alkyl group having 11 or more carbon atoms is satisfactory in the elasticity of the obtained cured product. It is not preferable because it is not a level. These are appropriately selected depending on the desired level of elasticity, flexibility, and water resistance. In particular, when flexibility is required, R is an alkyl group having 8 to 10 carbon atoms, and m Is preferably an integer of 15 to 20, and when water resistance is required, a compound in which R is an alkyl group having 6 to 10 carbon atoms and m is an integer of 5 to 20 is used. Is preferred.
[0014]
The production method of the general formula (1) is not particularly limited. For example, after reacting propylene oxide at a molar ratio of a desired number of repeating units with phenol having an alkyl group at the para position as an initiator, And a method of converting a terminal hydroxy group into an amino group.
[0015]
Further, it is essential that n in the general formula (2) is an integer of 3 to 25 from the viewpoint of excellent balance between elasticity, flexibility and water resistance of the cured product. N is an integer of 6 to 15, which is appropriately selected depending on the level of water resistance, from the viewpoint of excellent compatibility with the epoxy resin (A) and excellent balance between flexibility and water resistance. Is preferred. When n in the general formula (2) is 2 or less, the obtained cured product has insufficient water resistance, and when n is 26 or more, the elasticity of the cured product is not at a satisfactory level.
[0016]
The production method of the general formula (2) is not particularly limited. For example, a method of reacting an alkyl alcohol having a desired length with dipropylene oxide and then converting a terminal hydroxy group to an amino group. Is mentioned.
[0017]
Specific examples of the compounds represented by the general formulas (1) and (2) include the following structural formulas (1-1) to (1-10) and (2-1) to (2-10). The following can be mentioned.
[0018]
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[0019]
Embedded image
[0020]
A curing agent for epoxy resin other than the amine-based curing agent (B) can be used together with the epoxy resin composition of the present invention, if necessary, as long as the preferable properties are not impaired. Particularly for flooring materials and the like that require a cured product having excellent strength, it is preferable to use a modified aliphatic polyamine as a curing agent for an epoxy resin.
[0021]
Examples of the modified aliphatic polyamine include those obtained by reacting an aliphatic polyamine such as metaxylenediamine, triethylenetetramine, N-aminoethylpiperazine, and a compound obtained from phenols and formaldehyde (modified Mannich). And adducts obtained by reacting a part of the amino groups in the aliphatic polyamine with an epoxy resin in advance, and cyanoethylated compounds obtained by reacting the aliphatic polyamine with acrylonitrile. Commercially available products include “ADEKA HARDNER EH-210” and “ADEKA HARDNER EH-220” (all manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.), “Fuji Cure 5410” and “Fuji Cure 5420” (all manufactured by Fuji Kasei Kogyo Co., Ltd.), “ Lacamide WH-137 "and" Lacamide WH-630 "(both manufactured mainly by Ink Chemical Industry Co., Ltd.) and the like.
[0022]
The amount of the modified aliphatic polyamine to be used is not particularly limited and is appropriately selected depending on the characteristics of a desired cured product, but is excellent in the balance between elasticity and water resistance of the resulting cured product. From the viewpoint, the content is preferably 20 to 100 parts by weight based on 100 parts by weight of the amine-based curing agent (B).
[0023]
Further, if necessary, various curing accelerators can be blended. Examples of the curing accelerator include 2,4,6-tri (dimethylaminomethyl) phenol, benzyldimethylamine and 1,8 -Tertiary amines such as diazabicyclo [5,4,0] undecene (DBU), imidazoles such as 2-methyl-4-ethylimidazole, phosphines such as triphenylphosphine, and phenols such as phenol and cresol. Is mentioned.
[0024]
The mixing ratio of the epoxy resin (A) and the amine-based curing agent (B) in the present invention is not particularly limited, but the epoxy resin (A) is excellent in the elasticity and water resistance of the obtained molded cured product. The molar ratio (total of epoxy groups / active hydrogen groups) of the epoxy groups of the above to the total of active hydrogen groups of the amine-based curing agent (B) and the other curing agent for epoxy resin is 100/60 to 100/120. It is preferable that these effects are remarkable, and it is particularly preferable that the ratio be 100/80 to 100/100.
[0025]
The epoxy resin composition of the present invention may further contain, if necessary, other additives, for example, a filler (C) such as a rust preventive pigment, a coloring pigment, an extender pigment, an antioxidant, an anti-cissing agent, a sagging agent, Various additives such as a granulating agent, an antifoaming agent, an ultraviolet absorber, a dispersant, and a thixotropic agent can be blended.
[0026]
In particular, it is preferable to add a filler (C) for use as a flooring material. Examples of the filler (C) include zinc powder, aluminum phosphomolybdate, zinc phosphate, aluminum phosphate, barium chromate, and aluminum. , Graphite, carbon black, titanium oxide, zinc sulfide, red iron oxide, barium sulfate, calcium carbonate, talc, kaolin and the like. These can be used alone or in combination of two or more. is there. The blending amount of the filler (C) is not particularly limited, but may be 30 to 70 parts by weight based on 100 parts by weight of the epoxy resin (A) and the epoxy resin curing agent containing the amino curing agent (B). It is preferably in parts by weight.
[0027]
The method of compounding the filler (C) and the additive into the epoxy resin composition is not particularly limited. For example, the filler (C) and the additive may be mixed using an apparatus such as a mixing mixer or a ball mill. A paste which has been sufficiently kneaded and uniformly dispersed is prepared in advance, and this and the epoxy resin (A) used in the present invention are further kneaded and dispersed using the above-mentioned apparatus. A method of mixing the amino-based curing agent (B) to be used and a curing agent for other epoxy resins is used.
[0028]
The epoxy resin composition of the present invention is not particularly limited in its use, and can be used in fields where epoxy resins are conventionally used, for example, paints, castings, adhesives, etc. Can be suitably used.
[0029]
In some cases, the epoxy resin composition of the present invention can be dissolved in an organic solvent or the like and then cured by heating to obtain a molded cured product.Examples of the organic solvent that can be used in this case include toluene and xylene. And ethers such as diethylene glycol diethyl ether, and cellosolves such as butyl cellosolve.
[0030]
There is no particular limitation on the method of using the epoxy resin composition of the present invention.For example, brush coating, spray coating, spatula coating, dip coating, pouring coating, roller coating, or as an adhesive droplet from a suitable device. It is also possible to apply by attaching.
[0031]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, Comparative Examples, Test Examples, and Comparative Test Examples.
[0032]
Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 to 8
By kneading the epoxy resin and the filler first in a ball mill in the composition shown in Tables 1-1 and 1-2, compounding an amine-based curing agent and other curing agents, and kneading with a spatula until uniform, An epoxy resin composition was prepared. In Examples and Comparative Examples, a compound represented by the following structure was used as the amine-based curing agent (B).
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[0033]
[Table 1]
[0034]
[Table 2]
[0035]
Footnotes 830, 850, MXDA, IPDA, D-230, D-400, T-403, WH-137, and WH-630 in Tables 1-1 and 1-2 in Tables 1-1 and 1-2 show the following compounds.
830: EPICLON 830 (Bisphenol F liquid epoxy resin, manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, epoxy equivalent 170 g / eq)
850: EPICLON 850 (bisphenol A liquid epoxy resin, manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, epoxy equivalent 188 g / eq)
MXDA: meta-xylylenediamine IPDA: isophoronediamine D-230: Jeffamine (terminally aminated polypropylene glycol, molecular weight about 230 manufactured by Sun Techno Chemical Co., Ltd.)
D-400: Jeffamine (terminally aminated polypropylene glycol, molecular weight about 400 manufactured by San Techno Chemical Co., Ltd.)
T-403: Jeffamine (triamine having a propylene oxide skeleton, molecular weight: about 440, manufactured by Sun Techno Chemical Co., Ltd.)
WH-137: lactamide (modified aliphatic polyamine, viscosity 900 mPa · s, active hydrogen equivalent 90 g / eq, manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc.)
WH-630: Lacamide (modified aliphatic polyamine, viscosity 1800 mPa · s, active hydrogen equivalent 80 g / eq, manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc.)
Filler: NS200D (Nitto Powder Chemical Co., Ltd.)
[0036]
Test Examples 1 to 6 and Comparative Test Examples 1 to 8
The following tests were performed using the epoxy resin compositions obtained in Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 to 8. The curing conditions for obtaining the molded cured product used in the test are 25 ° C. × 7 days.
[0037]
Shore D hardness Using the obtained epoxy resin composition, the slate plate was poured and applied so as to have a coating amount of 1.0 kg / m 3 , and was left still in a constant temperature and humidity chamber adjusted to 20 ° C. and 65% RH. did. The hardness of the coated surface after 16 hours and 24 hours was measured using a Shore D hardness meter.
[0038]
Water whitening test Using the same coated plate as used for Shore D hardness, water droplets were dropped in a constant temperature and humidity room adjusted to 20 ° C and 65% RH so that the diameter became 1 cm after coating for 16 hours, and left for 3 hours Let stand still. Thereafter, the water droplets are wiped off, and the surface is visually checked.
:: No whitening marks remain on the surface.
×: Whitening marks remain on the surface.
[0039]
Using the same coating plate as used for the surface shore D hardness, it is allowed to stand in a constant temperature and humidity room adjusted to 20 ° C. and 65% RH. After 7 days of standing, the surface condition is visually observed.
:: Good specularity.
Δ: Partially specular.
×: No specularity.
[0040]
Tensile test and compression test A tensile test and a compression test were performed according to JIS K 6911.
The above test results are shown in Tables 2-1 and 2 as test examples and comparative test examples.
[0041]
[Table 3]
[0042]
[Table 4]
[0043]
In Test Examples 1 to 8 using the epoxy resin composition of the present invention, it was confirmed that the obtained molded cured product had excellent elasticity and flexibility, and also had good water resistance.
However, in each of the comparative examples, it was confirmed that the water resistance was poor and the flexibility was inferior, and that the levels were not at a satisfactory level.
[0044]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide an epoxy resin composition which is excellent in elasticity and flexibility of a cured product and can be suitably used for flooring which requires high water resistance.