JP2004315577A - Crystalline resin composition and crystalline composite molded product - Google Patents

Crystalline resin composition and crystalline composite molded product Download PDF

Info

Publication number
JP2004315577A
JP2004315577A JP2003107914A JP2003107914A JP2004315577A JP 2004315577 A JP2004315577 A JP 2004315577A JP 2003107914 A JP2003107914 A JP 2003107914A JP 2003107914 A JP2003107914 A JP 2003107914A JP 2004315577 A JP2004315577 A JP 2004315577A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystalline
resin composition
thermoplastic resin
crystallization
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003107914A
Other languages
Japanese (ja)
Inventor
Hideki Kawajiri
秀樹 川尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Araco Co Ltd
Original Assignee
Araco Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Araco Co Ltd filed Critical Araco Co Ltd
Priority to JP2003107914A priority Critical patent/JP2004315577A/en
Publication of JP2004315577A publication Critical patent/JP2004315577A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a crystalline resin composition which well maintains biodegradability and has an improved crystallization performance. <P>SOLUTION: The crystalline resin composition comprises a biodegradable crystalline thermoplastic resin material such as polylactate and particles comprising a wood material. The particles comprising the wood material and contained in the crystalline resin composition has a biodegradable property. The particles act as a nucleating agent existing in the crystalline thermoplastic resin material, when the crystalline thermoplastic resin material is cooled and solidified from a softened state. The wood material particles enable the achievement of at least one, preferably all, of the start of the crystallization of the crystalline thermoplastic resin material from a higher temperature, the increase of a crystallization rate, and the improvement of the final crystallization degree. The crystalline resin composition well holds the biodegradability and simultaneously has improved crystallinity. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、結晶性を有する樹脂組成物に関し、成形材料または成形材料のバインダとして適する樹脂組成物、結晶性複合成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内装材や建築物のドアなどの内装材において、石油資源に由来するプラスチックボードの代替として、生物資源である木質材料、例えば、ケナフを利用したボードが開発されている。このケナフのボードは、例えば、ポリエチレンやPETなどの結晶性の熱可塑性樹脂をバインダに用いて製造する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、ケナフ等の木質材料は、生物資源であり生分解性を有する。そこで、バインダとして生分解性の樹脂材料を利用することにより、生分解性が良好なボードを得ることができる。生分解性の材料としては、化学変性デンプンやセルロース系樹脂、結晶性ポリエステルがあり、例えばポリ乳酸は、発酵によって大量生産できるため、実用可能性が高い。しかしながら、ポリ乳酸は、ポリオレフィンや現在使用しているポリエステルと比較して耐熱性や耐劣化性などの面で劣ることが問題となっている。そして、これらの物性を高めるためにポリ乳酸の結晶化度を増大させる試みが為されている。すなわち、結晶核剤として無機物の粒子やプラスチックの粒子を混合する方法が示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−371455号公報
【特許文献2】
特開平8−193165号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラスチック、無機物粒子の多くは生分解性が低い。
そこで、本発明では、生分解性が良好に維持され、且つ結晶化性能が向上されている結晶性樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、併せて、本発明では、生分解性が良好に維持され、且つ結晶化性能が向上されている結晶性複合成形体を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは、生分解性が高く、結晶核剤として作用し得る材料について鋭意研究の結果、木質材料の粒子を結晶性熱可塑性樹脂を核剤として利用できることを見出し、以下の発明を完成するにいたった。すなわち、本発明では、ポリ乳酸などの生分解性を有する結晶性熱可塑性樹脂材料と、木質材料より成る粒子とを含有する結晶性樹脂組成物を提供する。
この結晶性樹脂組成物に含まれる木質材料より成る粒子は、天然の物質から構成されており、生分解性が高い。また、この木質材料は、軟化状態から冷却固化される結晶性熱可塑性樹脂材料中に存在して結晶核剤として作用する。したがって、この結晶性樹脂組成物は、生分解性を良好に保持したまま結晶性が向上されている。
この結晶性樹脂組成物は、好ましくは生分解性を有する結晶性熱可塑性樹脂材料100重量部に対して、木質材料より成る粒子を1重量部以上30重量部以下含有する。この組成であると、結晶性熱可塑性樹脂材料による特性、特に剛性や接着強度などが維持され、且つ結晶性が向上されている。
また、前記木質材料より成る粒子の粒径は200μm以下であると、結晶性能を良好に向上させることができ、また、粒子の形成が容易であり、好ましい。
この木質材料より成る粒子は、靭皮植物の芯材を含むことが好ましい。靭皮植物の芯材は、靭皮植物の繊維を利用する場合、廃棄されてしまうため、これを利用することにより、資源のより有効な利用が可能となる。特に、靭皮植物由来の木質繊維材料を用いて成形体を成形する場合に、本発明によって提供される結晶性樹脂組成物をバインダとして利用することにより、靭皮植物の利用率が向上する。
本発明で提供される結晶性樹脂組成物は、バインダとして利用可能であり、木質繊維材料が、上記いずれかの結晶性樹脂組成物によって結合されている結晶性複合成形体とすることができる。この成形体は、生分解性を備える木質繊維材料が生分解性を備える結晶性樹脂組成物で結合されているため、生分解性が良好に維持されている。また、成形体中において結晶性樹脂組成物は、結晶化部分がより多い状態で存在することが可能である。これにより、耐熱性、耐劣化性等の物性がより高い生分解性の成形体とされる。本発明に係る結晶性複合成形体では、好ましくは結晶化度が40%を超える。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る結晶性樹脂組成物および結晶性複合成形体の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る結晶性樹脂組成物(以下、「本組成物」ともいう。)は、生分解性を有する結晶性熱可塑性樹脂材料と、木質材料より成る粒子とを含有する。
【0007】
生分解性を有する結晶性熱可塑性樹脂材料としては、公知の樹脂材料から選択することができる。例えば、化学変性デンプン、セルロース系樹脂、結晶性ポリエステルを挙げることができる。好ましくは、結晶性ポリエステルとされ、具体的には、脂肪族ポリエステルが生分解性および結晶性の両方の観点において好ましい。
【0008】
セルロース系樹脂としては、例えば、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、アセチルプロピオニルセルロースなどを挙げることができ、また、ベンジル化セルロースを挙げることができる。
化学変性デンプン系樹脂としては、例えば、高置換度エステル化デンプン、エステル化ビニルエステルグラフト重合デンプン、エステル化ポリエステルグラフト重合デンプンなどのデンプンエステルを挙げることができる。また、エーテル化ビニルエステルグラフト重合デンプン、エーテル化ポリエステルグラフト重合デンプンなどのデンプンエーテルや、ポリエステルグラフト重合デンプンを挙げることができる。
【0009】
脂肪族ポリエステルとしては、例えば、脂肪族系グリコール類と脂肪族多塩基酸(その無水物を含む)とを反応させて得られる脂肪族系グリコール/多塩基酸ポリエステルを挙げることができる。このようなポリエステル樹脂を得るための脂肪族系グリコールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどがあり、また、エチレンオキシドも利用できる。また、多塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸などを用いることができる。
【0010】
脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステルを用いることが好ましい。例えば、乳酸、リンゴ酸、グルコース酸などのオキシ酸の重合体またはこれらの共重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートなどの二塩基酸ポリエステルを挙げることができる。また、特に、ポリ乳酸や、ポリ乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリカプロラクトン、カプロラクトンと他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリー3−ヒドロキシ酪酸エステルなど、ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステルがより好ましい。
【0011】
生分解性ポリエステルは、微生物(菌類を含む)によって産生させられるものが好ましい。例えば、微生物由来のポリ−3−ヒドロキシ酪酸エステル、ポリ乳酸を用いることが好ましい。これらは単独であるいは複数を混合して用いることができる。より好ましくは、結晶性熱可塑性樹脂は、ポリ乳酸とされる。ポリ乳酸は、安価で入手しやすい。また、より高い結晶化度を得やすい。
【0012】
木質材料より成る粒子は、種々の木質材料、すなわち広葉樹、針葉樹、熱帯樹など種々の木本類または多年草、一年草を問わず種々の草本類に由来する材料より成る粒子である。木質材料は、自然保護の観点から、廃材やパルプ製造過程で廃棄される部分、サトウキビのバガスなどであることが好ましい。また、同様に、栽培可能な一年草などであることが好ましい。具体的には、麻、サイザル、ワラ、ジュート、ケナフなどを挙げることができ、いわゆる靭皮植物が好ましい。また、特に、これらの靭皮植物において、特に廃棄されることの多い部分、すなわち、繊維以外の部分を用いることが、資源の有効利用の観点で好ましい。具体的には、例えば、芯材(コア)部分であり、繊維材料として積極的に利用されているケナフの芯材、いわゆるケナフコアは好適である。
【0013】
木質材料より成る粒子の大きさは、粒径は200μm以下である。ここで粒径とは、木質材料粒子を球形とみなしたときに相当する外径であり、種々の形状の粒子の最大長である。粒径が200μmを超えると、結晶性熱可塑性樹脂の結晶化における核となりにくい。また、結晶性樹脂組成物の表面が粗面になるなど、当該結晶性樹脂組成物の物性などに影響するおそれがある。より好ましくは、木質材料の粒子の粒径は、5μm以上20μm以下であると、結晶性熱可塑性樹脂組成物の物性を良好に保持させて結晶性能を向上させることができる。
【0014】
このような木質材料の粒子の製造方法は、特に限定されないが、典型的には、乾燥させた木質材料をミルなどで機械的に粉砕する。例えば、木質材料としてケナフコアを用いる場合、公知の方法でチップ状に細分してから粉砕し、目標の粒径の粉を製造することができる。
【0015】
本組成物中の熱可塑性樹脂材料と粒子との配合割合は、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂材料100重量部に対して粒子が1重量部以上30重量部以下である。木質材料粒子が1重量部より少ないと、好ましい程度の結晶性能の向上、特に結晶化速度の上昇または降温時の結晶化開始温度の上昇がみられない。一方、木質材料粒子が30重量部を超えると得られる成形体が脆くなりやすい。好ましくは、熱可塑性樹脂材料100重量部に対して木質材料粒子5〜10重量部である。
【0016】
本組成物の好ましい形態は、例えば、ポリ乳酸100重量部に対して、ケナフコアより成る粒径1〜200μmの木質材料粒子を1重量部以上30重量部以下含む結晶性樹脂組成物である。より好ましくは、ポリ乳酸100重量部に対してケナフコアより成る平均粒径100μmの木質材料粒子を5重量部含有する結晶性樹脂組成物である。これらの形態では、ポリ乳酸及びケナフコアは、共に容易に入手でき、且つ安価である。
【0017】
この結晶性樹脂組成物は、粉末状、粒子状、ペレット状など任意の大きさの固形物に調製することができる。また、熱可塑性樹脂材料が有機溶媒に溶解された溶液や、ディスパージョン、エマルションなどの分散液に調製することもできる。溶液や分散液の場合、木質材料より成る粒子は、少なくとも所定時間だけ分散状態を保持可能に含有されていれば良い。例えば、コロイド粒子として分散状態に安定化されていても良いし、常時は沈殿しており、攪拌などによって所定時間分散状態を保持するように含有されていても良い。
なお、本結晶性樹脂組成物には、上述のような溶液や分散液の他、分散助剤としての界面活性剤、着色剤などの副資材が含まれていても良い。
【0018】
本組成物によれば、結晶核剤としての木質材料粒子が、生分解性の結晶性熱可塑性樹脂に混合されているため、生分解性の結晶性熱可塑性樹脂は、その生分解性の悪化が良好に抑制されており、且つ結晶化温度がより高く、また結晶化速度も速い。したがって、本組成物を結晶性熱可塑性樹脂の軟化温度から降温によって結晶化温度で結晶化させることにより、より短期間で良好な結晶化度まで結晶化を進行させることができる。この様にして得られる固化物は結晶化度が高い。このため得られる固形物(本組成物)は、耐熱性が向上しており、また、生分解速度や加水分解速度が抑制されて耐劣化性が向上している。
【0019】
本組成物は、成形材料とすることができ、射出成形、ブロー成形、押出し成形など公知の成形方法によって成形体とすることができる。本組成物から成形される成形体としては、例えば、フィルム、袋、内装材(ボード)、マルチングマットなどを挙げることができる。なお、これらの成形体は、本発明に係る結晶性樹脂組成物の組成を備える部分を含む範囲において、本明細書の結晶性樹脂組成物に含まれるものである。
【0020】
本組成物は、チップ、繊維、粉などに形成された他の小片材料を結合して所定の形状の成形体を作成するためのバインダとして好適に利用することができる。小片材料は、プラスチック、ゴム、金属類、また無機材料、木質材料などより成る群から選択される1または2以上の材料から構成されているものを使用できる。本組成物の濡れ性および接着性などの観点からは、プラスチック、ゴム、木質材料の結合に好適であり、より好ましくは、木質材料の小片材料へのバインダとして適用される。なお、木質材料は、前述の通りの材料である。
【0021】
木質材料は、チップ状、薄片状など種々の形状とされるが、好ましくは、繊維とされる。以下、木質繊維材料と本組成物とを含有する結晶性複合成形体(以下「本成形体」ともいう。)の製造方法について説明する。本成形体の製造方法は、木質繊維材料と本発明に係る結晶性樹脂組成物とを含有する成形材料を用意する成形材料形成工程と、得られる成形材料を結晶性樹脂組成物中の結晶性熱可塑性樹脂の軟化温度以上の温度で加熱加圧する成形工程と、成形材料を前記成形工程によって付与された形状に、結晶化温度で所定時間保持する結晶化工程とを備える。
【0022】
(成形材料形成工程)
木質繊維材料は、公知の湿式または乾式による開繊方法によって木質材料より得られる種々の長さ、太さの繊維である。ケナフの繊維材料は、例えば、採取後のケナフの茎部分を水中に所定時間晒して外皮を微生物などに分解させて除去した後で、繊維部分を採取し、これをカード、フリース、エアレイ、あるいはディスクリファイナなど公知の開繊処理にかけて処理することによって得ることができる。
【0023】
木質繊維材料は、所望の目付けとなるように堆積などによって集合状態とされる。その後、適宜、木質繊維材料を圧締や絡締などによって圧縮状態にして、その嵩を軽減するとともに所定の形状を保持させる。例えば、ボード成形用の成形材料とする場合には、カードなどによって開繊された繊維材料を、所定の目付けとなるようにベルトコンベヤなどに堆積させ、次いで、ニードルパンチすることによって、ハンドリングしやすい帯状のウェブに形成できる。
【0024】
木質繊維材料への本組成物の添加方法は、特に限定されない。例えば、本組成物を粉体または溶液または分散液などの液状体に調製した場合、前記ウェブに、またはウェブに形成する前の集合体に、噴霧、塗布などの方法によって所望の量の本組成物を添加することができる。また、ウェブのように所定の形状を保持する繊維材料に付与する場合は、本組成物を含む浴へ成形材料の含浸によって添加しても良い。これらの方法では、良好に木質繊維材料と本組成物とを分散状態に配合することができる。
なお、本組成物を繊維状に形成して、木質繊維材料と混合して圧縮状態にすることにより、例えば、木質繊維材料と本組成物繊維材料とが均一に分散された成形材料とすることもできる。
【0025】
好ましくは、ポリ乳酸および木質材料粒子は、水を分散媒とするディスパージョンに調製する。分散媒が水であると、環境、特に作業環境が悪化しにくい。ディスパージョン等の分散液や溶液では、木質繊維材料との配合割合を、液中の本組成物の濃度や木質繊維材料への塗布量を調節することで、簡単に調節できる。したがって、より少ない本組成物を良好に分散状態に付与することが可能となる。
【0026】
本組成物のディスパージョンの調製方法の一例を説明する。発酵などによって製造されたポリ乳酸(L体95%以上)に木質材料の粒子を添加して混錬し、押出しによってペレットを作成する。次に、これを有機溶媒に溶かし、分散安定化剤を含む水に投入し、攪拌してディスパージョンに調製することができる。分散安定化剤は、例えば、ポリビニルアルコールと、カチオン性高分子化合物またはアニオン性高分子化合物とを用いることができる。カチオン性高分子化合物としては、例えば、平均分子量30万以上のカチオン性高分子化合物を良好に用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸のジアルキルアミノアルキルエステルや、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの単独重合体やこれらの共重合体を挙げることができる。アニオン性高分子化合物としては、例えば、平均分子量100万以上のアニオン性高分子化合物を良好に用いることができる。具体的には、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体、不飽和スルホン酸系単量体の単独重合体やこれらの単量体相互の共重合体などを挙げることができる。これらの配合は、例えば重量比で平均分子量30万以上のカチオン性高分子化合物または平均分子量100万以上のアニオン性高分子化合物:ポリビニルアルコール=8:2〜1:9の割合で使用する。
【0027】
ここで、成形体における木質繊維材料と本組成物との配合割合は、特に限定されない。例えば、自動車や建築物の内装材として使用する場合、木質繊維材料50〜90重量部に対して本組成物10〜40重量部の範囲であることが好ましい。木質繊維材料が50重量部未満であると、ポリ乳酸の割合が多くなることによって、高比重となりやすく、またコストが高くなる。一方、木質繊維材料が90重量部を超えると、すなわち本組成物が10重量部未満であると、木質繊維材料どうしの結合が不足し、脆くなりやすい。
【0028】
(成形工程)
木質繊維材料に本組成物が分散状態で混合した状態の成形材料を、本組成物の熱可塑性樹脂が軟化する温度で加圧して成形する。成形工程は、公知の木質繊維材料と熱可塑性樹脂材料とを用いる成形体の製造方法と同様の方法で行うことができる。すなわち、成形材料を予め本組成物中の熱可塑性樹脂が軟化する温度以上の温度に加熱してから、所定の温度に調節された成形型/温度調節されていない成形型によってプレスしても良い。あるいは、成形材料中の熱可塑性樹脂を軟化させられる温度に調節された成形型を用いて、加熱と加圧とを同時に行っても良い。成形工程により、成形材料は種々の形状に成形される。軟化状態では、本組成物は、柔軟であるため、種々の絞り形状などへの成形も可能である。
【0029】
(結晶化工程)
成形工程後、成形された成形材料を、結晶化温度(降温時結晶化開始温度から終了温度の間の温度)まで冷却して所定時間、この温度範囲内に保持して、熱可塑性樹脂を結晶化させる。この工程は、典型的には、所定の温度、すなわち、成形体を上記結晶化温度に保持し得る温度に加熱された型による型締めである。本組成物は、結晶核剤として木質材料粒子を含有する。したがって、木質材料粒子を含有しない結晶性熱可塑性樹脂と比較してより高い温度での結晶化およびより短時間での結晶化の完了が可能である。また、結晶化度のより高い成形体を得ることも可能である。例えば、ポリ乳酸100重量部に対し、相当粒径100μmのケナフコアを木質材料粒子として5重量部含有する本組成物では、100℃で30秒間型締めすることにより、結晶化度40%を超える結晶化が可能である。この後、冷却し、適宜端末のカットなどをすることで、所望の形状の本成形体が得られる。
【0030】
本組成物を用いて加熱加圧を利用して成形体を製造する方法では、本組成物の結晶化温度が高く、また、より速い速度で結晶化が進行するため、結晶化工程が短時間で済む。具体的には、より短い型締め時間で、形状が安定化された成形体を得ることができる。したがって、結晶化工程によって成形体の製造におけるサイクルタイムが長くなることを抑制できる。したがって、木質繊維材料と本組成物とから成形材料を形成する工程から、成形工程を経て結晶化工程までを一連のラインとして行うことが可能である。すなわち、生分解性を有する結晶性熱可塑性樹脂を用いて、効率良く耐久性の良い本成形体を製造することができる。
【0031】
得られる本成形体は結晶化度が高いため、本組成物中の熱可塑性樹脂のみを用いた場合より耐熱性、耐劣化性が向上されており、耐久性が向上している。また、本成形体中の木質繊維材料、生分解性を有する結晶性熱可塑性樹脂、及び木質材料粒子のいずれもが生分解性を有しており、生分解によってより多くの部分を消失させることができる。結晶核剤としての木質材料粒子を添加することにより、より少ない熱可塑性樹脂(ポリ乳酸)を用いて良好に木質繊維材料どうしを結合させることができ、資源をより有効に使用した耐久性に優れる成形体となっている。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
ポリ乳酸(L体95%以上)100重量部に100μmのケナフコアを5重量部添加し、押出し機を用いてペレットを作成し、試料1とした。次に、このペレットを有機溶媒に溶解し、分散安定化剤を含む水に添加し、攪拌してディスパージョンを調製した。
ケナフより採取したケナフ繊維をカードによって開繊し、ウェブに形成後、ディスパージョンを重量比がケナフ繊維:ポリ乳酸(ケナフコアを含む)=70:30となるように塗布して複合材料とした。この複合材料を230℃に加熱した成形型でプレスし、次いで複合材料の内部温度が210℃となるように加熱した後、100℃に加熱した型で30秒間型締めすることにより、寸法安定化されたボード状の成形体が得られた。
(比較例1)
ポリ乳酸(L体95%以上)のみを用いて実施例1と同様にしてペレットを作成し、比較試料1とした。また、実施例1と同様にして複合材料を作成し、この複合材料を230℃に加熱した成形型でプレスした後、複合材料を内部温度が210℃となるように加熱して、100℃に加熱した型で型締めした。型締め時間を180秒とすることにより、寸法安定化されたボード状の成形体が得られた。
(比較例2)
ポリ乳酸(L体95%以上)100重量部にタルク粒子を5重量部添加して、実施例1と同様にしてペレットを作成し、比較試料2とした。また、実施例1と同様にして複合材料を作成し、この複合材料を230℃に加熱した成形型でプレスした後、複合材料を内部温度が210℃となるように加熱し、100℃に加熱した型で型締めした。型締め時間を60秒とすることにより、寸法安定化されたボード状の成形体が得られた。
【0033】
(結晶化の測定)
試料1及び比較試料1,2の結晶化温度、結晶化熱量、及び結晶化度について、示差走査熱量分析(DSC)により測定した。測定は、DSC−50(SIMADZU製)を用い、各試料を10mgずつアルミニウムセルに取り、210℃まで昇温後、降温して測定した。
結果を表1に示す。なお、結晶化度は、重量分率とし、ポリ乳酸の100%結晶化した場合の熱量93J/gに基づいて、結晶化熱量から算出した。すなわち、
結晶化度(%)={(測定に基づく結晶化熱量)/93}×100
として求めた。
【0034】
【表1】

Figure 2004315577
【0035】
表1に示すように、木質材料粒子であるケナフコアを含む試料1は、結晶核剤を含まない比較試料1と比較して約20℃以上高い温度から結晶化を開始する。また、結晶化度は10%以上高かった。この結晶化温度および結晶化度は、タルクを結晶核剤とする比較試料2に匹敵もしくはより高く、生分解性を有する木質材料粒子を添加することにより、良好にポリ乳酸の結晶性能を向上できたことが明らかとなった。また、試料1は、比較試料1及び2のいずれと比較しても結晶化熱量が大きいことから、結晶化速度が速く、より短時間での結晶化が可能であることが数値からも明確となった。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、生分解性が良好に維持され、且つ結晶化性能が向上されている結晶性樹脂組成物を提供することにより、また、生分解性が良好に維持され、且つ結晶化性能が向上されている結晶性複合成形体を提供することにより、生分解性が良好で、且つ結晶化度の大きい成形体が得られる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin composition having crystallinity, and relates to a resin composition and a crystalline composite molded article suitable as a molding material or a binder for the molding material.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In interior materials such as interior materials of automobiles and doors of buildings, boards using wood materials, for example, kenaf, which are biological resources, have been developed as alternatives to plastic boards derived from petroleum resources. There is a method of manufacturing this kenaf board using, for example, a crystalline thermoplastic resin such as polyethylene or PET as a binder (for example, see Patent Document 1).
Here, wood materials such as kenaf are biological resources and have biodegradability. Therefore, by using a biodegradable resin material as the binder, a board with good biodegradability can be obtained. Biodegradable materials include chemically modified starch, cellulosic resins, and crystalline polyesters. Polylactic acid, for example, can be mass-produced by fermentation, and thus has high practicality. However, there is a problem that polylactic acid is inferior in heat resistance and deterioration resistance as compared with polyolefins and polyesters currently used. Attempts have been made to increase the crystallinity of polylactic acid in order to enhance these physical properties. That is, a method of mixing inorganic particles and plastic particles as a crystal nucleating agent is disclosed (for example, see Patent Document 2).
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-371455 [Patent Document 2]
JP-A-8-193165
[Problems to be solved by the invention]
However, many of plastic and inorganic particles have low biodegradability.
Therefore, an object of the present invention is to provide a crystalline resin composition in which biodegradability is well maintained and crystallization performance is improved.
In addition, it is another object of the present invention to provide a crystalline composite molded article having good biodegradability and improved crystallization performance.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors have conducted extensive studies on a material that is highly biodegradable and can act as a crystal nucleating agent, and as a result, have found that particles of woody material can be used as a nucleating agent using a crystalline thermoplastic resin. Heading, the following invention was completed. That is, the present invention provides a crystalline resin composition containing a crystalline thermoplastic resin material having biodegradability such as polylactic acid and particles made of a wood material.
The particles made of a woody material contained in the crystalline resin composition are composed of natural substances and have high biodegradability. Further, this woody material exists in the crystalline thermoplastic resin material which is cooled and solidified from the softened state and acts as a crystal nucleating agent. Therefore, the crystalline resin composition has improved crystallinity while maintaining good biodegradability.
The crystalline resin composition preferably contains 1 to 30 parts by weight of particles made of a woody material based on 100 parts by weight of a biodegradable crystalline thermoplastic resin material. With this composition, the characteristics of the crystalline thermoplastic resin material, particularly the rigidity and adhesive strength, are maintained, and the crystallinity is improved.
When the particle size of the woody material is 200 μm or less, the crystal performance can be improved satisfactorily, and the particles can be easily formed, which is preferable.
The particles made of the woody material preferably include a core material of a bast plant. Since the core material of the bast plant is discarded when the fiber of the bast plant is used, more effective use of resources can be achieved by using this. In particular, when a molded article is formed using a wood fiber material derived from a bast plant, the utilization rate of the bast plant is improved by using the crystalline resin composition provided by the present invention as a binder.
The crystalline resin composition provided by the present invention can be used as a binder, and can be a crystalline composite molded article in which a wood fiber material is bound by any of the crystalline resin compositions described above. In this molded product, the biodegradable wood fiber material is bonded with the biodegradable crystalline resin composition, so that the biodegradability is favorably maintained. Further, the crystalline resin composition can exist in a state where the crystallized portion is more in the molded article. Thereby, a biodegradable molded body having higher physical properties such as heat resistance and deterioration resistance is obtained. In the crystalline composite molded article according to the present invention, the degree of crystallinity preferably exceeds 40%.
[0006]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Embodiments of the crystalline resin composition and the crystalline composite molded article according to the present invention will be described in detail.
The crystalline resin composition according to the present invention (hereinafter, also referred to as “the present composition”) contains a crystalline thermoplastic resin material having biodegradability and particles made of a woody material.
[0007]
The biodegradable crystalline thermoplastic resin material can be selected from known resin materials. For example, chemically modified starch, cellulose resin, and crystalline polyester can be used. Preferably, it is a crystalline polyester, and specifically, an aliphatic polyester is preferred in terms of both biodegradability and crystallinity.
[0008]
Examples of the cellulosic resin include acetyl cellulose, acetyl butyl cellulose, acetyl propionyl cellulose, and the like, and benzylated cellulose.
Examples of the chemically modified starch-based resin include starch esters such as highly substituted esterified starch, esterified vinyl ester graft polymerized starch, and esterified polyester graft polymerized starch. Further, starch ethers such as etherified vinyl ester graft polymerized starch and etherified polyester graft polymerized starch, and polyester graft polymerized starch can be mentioned.
[0009]
Examples of the aliphatic polyester include an aliphatic glycol / polybasic acid polyester obtained by reacting an aliphatic glycol with an aliphatic polybasic acid (including an anhydride thereof). Examples of the aliphatic glycol for obtaining such a polyester resin include ethylene glycol, 1,4-butanediol, 1,6-hexanediol, decamethylene glycol, neopentyl glycol, and 1,4-cyclohexanedimethanol. Yes, and also ethylene oxide can be used. As the polybasic acid, succinic acid, adipic acid, suberic acid, sebacic acid, dodecanoic acid, succinic anhydride, adipic anhydride and the like can be used.
[0010]
It is preferable to use a polylactic acid-based aliphatic polyester as the aliphatic polyester. Examples thereof include polymers of oxyacids such as lactic acid, malic acid and glucose acid or copolymers thereof, and dibasic acid polyesters such as polybutylene succinate, polyethylene succinate and polybutylene adipate. In addition, particularly, polylactic acid, a copolymer of polylactic acid and another hydroxycarboxylic acid, a polycaprolactone, a copolymer of caprolactone and another hydroxycarboxylic acid, and a hydroxycarboxylic acid such as a poly-3-hydroxybutyrate ester. Aliphatic polyesters are more preferred.
[0011]
Preferably, the biodegradable polyester is produced by a microorganism (including fungi). For example, it is preferable to use microbial poly-3-hydroxybutyrate and polylactic acid. These can be used alone or in combination of two or more. More preferably, the crystalline thermoplastic resin is polylactic acid. Polylactic acid is inexpensive and easily available. Further, it is easy to obtain a higher crystallinity.
[0012]
Particles composed of woody materials are particles composed of materials derived from various woody materials, that is, various woody species such as broadleaf trees, conifers, and tropical trees, or various herbs regardless of perennial and annual grasses. The woody material is preferably a waste material, a portion discarded in a pulp manufacturing process, sugarcane bagasse or the like from the viewpoint of nature protection. Similarly, it is preferably a cultivable annual plant. Specific examples include hemp, sisal, straw, jute, kenaf and the like, and a so-called bast plant is preferable. In addition, in particular, in these bast plants, it is preferable to use a part that is frequently discarded, that is, a part other than the fiber, from the viewpoint of effective use of resources. Specifically, for example, a kenaf core material that is a core material (core) portion and is actively used as a fiber material, that is, a kenaf core is preferable.
[0013]
The size of the particles made of the woody material is 200 μm or less. Here, the particle size is an outer diameter corresponding to a case where the wood material particles are regarded as spherical, and is the maximum length of particles having various shapes. When the particle size exceeds 200 μm, it does not easily become a nucleus in crystallization of the crystalline thermoplastic resin. In addition, there is a possibility that the properties of the crystalline resin composition may be affected, such as a rough surface of the crystalline resin composition. More preferably, when the particle size of the woody material is 5 μm or more and 20 μm or less, the physical properties of the crystalline thermoplastic resin composition can be maintained well, and the crystal performance can be improved.
[0014]
The method for producing such wood material particles is not particularly limited, but typically, the dried wood material is mechanically pulverized with a mill or the like. For example, when kenaf core is used as a woody material, it can be divided into chips by a known method and then pulverized to produce a powder having a target particle size.
[0015]
The mixing ratio of the thermoplastic resin material and the particles in the present composition is not particularly limited, but the particles are 1 part by weight or more and 30 parts by weight or less based on 100 parts by weight of the thermoplastic resin material. When the amount of the woody material particles is less than 1 part by weight, a favorable degree of improvement in crystallization performance, in particular, no increase in crystallization rate or increase in crystallization start temperature at the time of temperature decrease is observed. On the other hand, if the wood material particles exceed 30 parts by weight, the obtained molded body tends to be brittle. Preferably, the wood material particles are 5 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the thermoplastic resin material.
[0016]
A preferred embodiment of the present composition is, for example, a crystalline resin composition containing 1 to 30 parts by weight of wood material particles of kenaf core having a particle size of 1 to 200 μm per 100 parts by weight of polylactic acid. More preferably, it is a crystalline resin composition containing 5 parts by weight of a wood material particle having an average particle size of 100 μm comprising kenaf core per 100 parts by weight of polylactic acid. In these forms, polylactic acid and kenaf core are both readily available and inexpensive.
[0017]
The crystalline resin composition can be prepared into a solid having an arbitrary size such as a powder, a particle, and a pellet. Further, it can also be prepared as a solution in which a thermoplastic resin material is dissolved in an organic solvent, or a dispersion such as a dispersion or an emulsion. In the case of a solution or a dispersion, particles made of a woody material may be contained so as to be able to maintain a dispersed state for at least a predetermined time. For example, it may be stabilized in a dispersed state as colloidal particles, or may be contained in such a way that it is always precipitated and kept in a dispersed state by stirring or the like for a predetermined time.
The present crystalline resin composition may contain, in addition to the above-mentioned solution and dispersion liquid, auxiliary materials such as a surfactant and a colorant as a dispersing aid.
[0018]
According to the present composition, since the woody material particles as the nucleating agent are mixed with the biodegradable crystalline thermoplastic resin, the biodegradable crystalline thermoplastic resin is deteriorated in its biodegradability. Is suppressed well, the crystallization temperature is higher, and the crystallization speed is faster. Therefore, by crystallizing the present composition at the crystallization temperature by lowering the temperature from the softening temperature of the crystalline thermoplastic resin to the crystallization temperature, crystallization can be advanced to a good degree of crystallinity in a shorter period of time. The solidified product thus obtained has a high crystallinity. For this reason, the obtained solid (the present composition) has improved heat resistance, and the biodegradation rate and the hydrolysis rate are suppressed, and the deterioration resistance is improved.
[0019]
The present composition can be used as a molding material, and can be formed into a molded article by a known molding method such as injection molding, blow molding, or extrusion molding. Examples of the molded article formed from the present composition include a film, a bag, an interior material (board), and a mulching mat. In addition, these molded articles are included in the crystalline resin composition of the present specification in a range including a portion including the composition of the crystalline resin composition according to the present invention.
[0020]
The present composition can be suitably used as a binder for forming a molded article having a predetermined shape by binding other small piece materials formed on chips, fibers, powders, and the like. As the small piece material, one composed of one or more materials selected from the group consisting of plastics, rubbers, metals, inorganic materials, woody materials and the like can be used. From the viewpoints of wettability and adhesiveness of the present composition, the composition is suitable for bonding plastics, rubber, and wood materials, and is more preferably applied as a binder to small pieces of wood materials. Note that the woody material is a material as described above.
[0021]
The wood material has various shapes such as a chip shape and a flake shape, and is preferably a fiber. Hereinafter, a method for producing a crystalline composite molded article containing the wood fiber material and the present composition (hereinafter, also referred to as “the present molded article”) will be described. The method for producing the present molded article includes a molding material forming step of preparing a molding material containing a wood fiber material and the crystalline resin composition according to the present invention, and the resulting molding material having a crystallinity in the crystalline resin composition. The method includes a molding step of heating and pressing at a temperature equal to or higher than the softening temperature of the thermoplastic resin, and a crystallization step of maintaining the molding material in the shape given by the molding step at a crystallization temperature for a predetermined time.
[0022]
(Molding material forming process)
The wood fiber material is a fiber of various lengths and thicknesses obtained from the wood material by a known wet or dry fiber opening method. The fiber material of kenaf, for example, after exposing the stem portion of the collected kenaf to water for a predetermined time to decompose the outer skin into microorganisms and the like and removing the fiber portion, collect the fiber portion, and curd it, fleece, airlay, or It can be obtained by subjecting to a known fiber opening treatment such as a disc refiner.
[0023]
The wood fiber material is brought into an aggregated state by deposition or the like so as to have a desired basis weight. Thereafter, the wood fiber material is appropriately compressed by pressing or entanglement to reduce its bulk and maintain a predetermined shape. For example, in the case of forming a molding material for board molding, a fiber material opened by a card or the like is deposited on a belt conveyor or the like so as to have a predetermined basis weight, and then, is easily handled by needle punching. It can be formed into a strip web.
[0024]
The method for adding the present composition to the wood fiber material is not particularly limited. For example, when the present composition is prepared in a liquid state such as a powder or a solution or a dispersion, the desired amount of the present composition may be applied to the web or an aggregate before forming the web by a method such as spraying or coating. Can be added. In addition, when applied to a fiber material having a predetermined shape such as a web, it may be added to a bath containing the present composition by impregnation of a molding material. According to these methods, the wood fiber material and the present composition can be blended in a dispersed state.
The composition is formed into a fibrous form, mixed with a wood fiber material and brought into a compressed state, for example, to obtain a molding material in which the wood fiber material and the fiber material of the present composition are uniformly dispersed. You can also.
[0025]
Preferably, the polylactic acid and the wood material particles are prepared in a dispersion using water as a dispersion medium. If the dispersion medium is water, the environment, particularly the working environment, is unlikely to deteriorate. In a dispersion or solution of a dispersion or the like, the mixing ratio with the wood fiber material can be easily adjusted by adjusting the concentration of the present composition in the liquid or the amount of application to the wood fiber material. Therefore, it is possible to satisfactorily impart a smaller amount of the present composition to a dispersed state.
[0026]
An example of a method for preparing a dispersion of the present composition will be described. Woody material particles are added to polylactic acid (95% or more L-form) produced by fermentation or the like, kneaded, and extruded to form pellets. Next, this is dissolved in an organic solvent, poured into water containing a dispersion stabilizer, and stirred to prepare a dispersion. As the dispersion stabilizer, for example, polyvinyl alcohol and a cationic polymer compound or an anionic polymer compound can be used. As the cationic polymer compound, for example, a cationic polymer compound having an average molecular weight of 300,000 or more can be favorably used. Specific examples thereof include a dialkylaminoalkyl ester of (meth) acrylic acid, a homopolymer of dialkylaminoalkyl (meth) acrylamide, and a copolymer thereof. As the anionic polymer compound, for example, an anionic polymer compound having an average molecular weight of 1,000,000 or more can be favorably used. Specific examples thereof include a homopolymer of an unsaturated monocarboxylic acid monomer, an unsaturated dicarboxylic acid monomer, and an unsaturated sulfonic acid monomer, and a copolymer of these monomers. be able to. These compounds are used, for example, in a ratio by weight of a cationic polymer compound having an average molecular weight of 300,000 or more or an anionic polymer compound having an average molecular weight of 1,000,000 or more: polyvinyl alcohol = 8: 2 to 1: 9.
[0027]
Here, the mixing ratio of the wood fiber material and the present composition in the molded product is not particularly limited. For example, when used as an interior material for an automobile or a building, the composition is preferably in a range of 10 to 40 parts by weight based on 50 to 90 parts by weight of a wood fiber material. If the wood fiber material is less than 50 parts by weight, the ratio of polylactic acid is increased, so that the specific gravity tends to be high and the cost is high. On the other hand, if the wood fiber material exceeds 90 parts by weight, that is, if the composition is less than 10 parts by weight, the bonding between the wood fiber materials is insufficient, and the wood fiber material tends to be brittle.
[0028]
(Molding process)
A molding material in which the present composition is mixed with a wood fiber material in a dispersed state is molded by applying pressure at a temperature at which the thermoplastic resin of the present composition softens. The molding step can be performed by a method similar to the method of producing a molded body using a known woody fiber material and a thermoplastic resin material. That is, the molding material may be heated in advance to a temperature equal to or higher than the temperature at which the thermoplastic resin in the composition softens, and then pressed by a molding die adjusted to a predetermined temperature / a molding die not temperature-controlled. . Alternatively, heating and pressurization may be performed simultaneously using a molding die adjusted to a temperature at which the thermoplastic resin in the molding material can be softened. The molding material is molded into various shapes by the molding process. In the softened state, the present composition is flexible, so that it can be formed into various drawn shapes and the like.
[0029]
(Crystallization step)
After the molding step, the molded material is cooled to a crystallization temperature (a temperature between the crystallization start temperature and the end temperature at the time of temperature decrease) and held for a predetermined time within this temperature range to crystallize the thermoplastic resin. To This step is typically mold clamping with a mold heated to a predetermined temperature, that is, a temperature at which the molded body can be maintained at the crystallization temperature. The composition contains wood material particles as a nucleating agent. Therefore, crystallization at a higher temperature and crystallization can be completed in a shorter time as compared with a crystalline thermoplastic resin containing no wood material particles. It is also possible to obtain a molded product having a higher crystallinity. For example, in the present composition containing 5 parts by weight of kenaf core having an equivalent particle diameter of 100 μm as wood material particles with respect to 100 parts by weight of polylactic acid, a crystal having a crystallinity exceeding 40% is obtained by clamping at 100 ° C. for 30 seconds. Is possible. Thereafter, the molded body is cooled, and the terminal is appropriately cut to obtain a main molded body having a desired shape.
[0030]
In the method for producing a molded body using heating and pressurization using the present composition, the crystallization temperature of the present composition is high, and the crystallization proceeds at a higher rate, so that the crystallization step is short. Only needs to be done. Specifically, a molded body having a stabilized shape can be obtained with a shorter mold clamping time. Therefore, it is possible to suppress an increase in the cycle time in the production of the molded body due to the crystallization step. Therefore, it is possible to perform a series of lines from the step of forming a molding material from the wood fiber material and the present composition to the crystallization step through the molding step. That is, the molded article can be efficiently and durably manufactured using the biodegradable crystalline thermoplastic resin.
[0031]
Since the obtained molded article has a high degree of crystallinity, heat resistance and deterioration resistance are improved and durability is improved as compared with the case where only the thermoplastic resin in the present composition is used. In addition, all of the wood fiber material, the crystalline thermoplastic resin having biodegradability, and the wood material particles in the molded article have biodegradability, and more parts are lost by biodegradation. Can be. By adding wood material particles as a crystal nucleating agent, wood fiber materials can be satisfactorily bonded to each other using less thermoplastic resin (polylactic acid), and the durability is improved by using resources more effectively. It is a molded body.
[0032]
【Example】
(Example 1)
5 parts by weight of 100 μm kenaf core was added to 100 parts by weight of polylactic acid (95% or more in L form), and pellets were prepared using an extruder to obtain Sample 1. Next, the pellets were dissolved in an organic solvent, added to water containing a dispersion stabilizer, and stirred to prepare a dispersion.
The kenaf fiber collected from the kenaf was opened with a card and formed into a web, and then the dispersion was applied so that the weight ratio was kenaf fiber: polylactic acid (including kenaf core) = 70: 30 to obtain a composite material. The composite material is pressed in a mold heated to 230 ° C., then heated so that the internal temperature of the composite material becomes 210 ° C., and then clamped in a mold heated to 100 ° C. for 30 seconds to stabilize the dimensions. The obtained board-shaped molded body was obtained.
(Comparative Example 1)
Pellets were prepared in the same manner as in Example 1 using only polylactic acid (95% or more in L form), and Comparative Sample 1 was obtained. Further, a composite material was prepared in the same manner as in Example 1, and after pressing this composite material in a mold heated to 230 ° C., the composite material was heated to an internal temperature of 210 ° C. The mold was closed with a heated mold. By setting the mold clamping time to 180 seconds, a dimensionally stabilized board-shaped molded body was obtained.
(Comparative Example 2)
Pellets were prepared in the same manner as in Example 1 by adding 5 parts by weight of talc particles to 100 parts by weight of polylactic acid (95% or more in L form), and a comparative sample 2 was obtained. Further, a composite material was prepared in the same manner as in Example 1, and after pressing this composite material in a mold heated to 230 ° C., the composite material was heated to an internal temperature of 210 ° C. and heated to 100 ° C. The mold was closed with the mold. By setting the mold clamping time to 60 seconds, a dimensionally stabilized board-shaped molded product was obtained.
[0033]
(Measurement of crystallization)
The crystallization temperature, heat of crystallization, and crystallinity of Sample 1 and Comparative Samples 1 and 2 were measured by differential scanning calorimetry (DSC). The measurement was performed by using DSC-50 (manufactured by SIMADZU), taking 10 mg of each sample in an aluminum cell, heating to 210 ° C., and then lowering the temperature.
Table 1 shows the results. The degree of crystallinity was calculated from the heat of crystallization based on a heat fraction of 93 J / g when 100% of the polylactic acid was crystallized as a weight fraction. That is,
Crystallinity (%) = {(heat of crystallization based on measurement) / 93} × 100
Asked.
[0034]
[Table 1]
Figure 2004315577
[0035]
As shown in Table 1, sample 1 containing kenaf core, which is a wood material particle, starts crystallization at a temperature higher by about 20 ° C. or more than comparative sample 1 not containing a nucleating agent. The crystallinity was higher by 10% or more. The crystallization temperature and the degree of crystallization are comparable to or higher than Comparative Sample 2 using talc as a crystal nucleating agent, and the addition of biodegradable wood material particles can improve the crystal performance of polylactic acid satisfactorily. It became clear that. Further, since the heat of crystallization of Sample 1 is larger than that of Comparative Samples 1 and 2, it is clear from the numerical values that the crystallization speed is high and crystallization can be performed in a shorter time. became.
[0036]
【The invention's effect】
In the present invention, by providing a crystalline resin composition in which the biodegradability is maintained well and the crystallization performance is improved, the biodegradability is maintained well and the crystallization performance is improved. By providing the crystalline composite molded article described above, a molded article having good biodegradability and high crystallinity can be obtained.

Claims (7)

生分解性を有する結晶性熱可塑性樹脂材料と、
木質材料より成る粒子とを含有する結晶性樹脂組成物。
A crystalline thermoplastic resin material having biodegradability,
A crystalline resin composition containing particles made of a woody material.
生分解性を有する結晶性熱可塑性樹脂材料100重量部に対して、木質材料より成る粒子を1重量部以上30重量部以下含有する、結晶性樹脂組成物。A crystalline resin composition comprising 1 to 30 parts by weight of particles made of a woody material with respect to 100 parts by weight of a biodegradable crystalline thermoplastic resin material. 前記木質材料より成る粒子の粒径は200μm以下である、請求項1または2に記載の結晶性組成物。The crystalline composition according to claim 1, wherein the particles made of the woody material have a particle size of 200 μm or less. 前記木質材料より成る粒子は、靭皮植物の芯材を含む、請求項1から3のいずれかに記載の結晶性樹脂組成物。The crystalline resin composition according to any one of claims 1 to 3, wherein the particles made of the woody material include a core material of a bast plant. 木質繊維材料が、請求項1から4のいずれかに記載の結晶性樹脂組成物によって結合されている、結晶性複合成形体。A crystalline composite molded article, wherein a wood fiber material is bound by the crystalline resin composition according to any one of claims 1 to 4. 木質繊維材料を50重量部以上90重量部以下と、
生分解性を有する結晶性熱可塑性樹脂材料を7重量部以上39.6重量部以下と、
木質材料より成る粒子を0.1重量部以上12重量部以下と
を含有する、結晶性複合成形体。
50 to 90 parts by weight of wood fiber material,
7 to 39.6 parts by weight of a biodegradable crystalline thermoplastic resin material,
A crystalline composite molded article containing 0.1 to 12 parts by weight of particles made of a woody material.
結晶化度が40%を超える、請求項5または6に記載の結晶性複合成形体。7. The crystalline composite molded article according to claim 5, wherein the degree of crystallinity exceeds 40%.
JP2003107914A 2003-04-11 2003-04-11 Crystalline resin composition and crystalline composite molded product Pending JP2004315577A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003107914A JP2004315577A (en) 2003-04-11 2003-04-11 Crystalline resin composition and crystalline composite molded product

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003107914A JP2004315577A (en) 2003-04-11 2003-04-11 Crystalline resin composition and crystalline composite molded product

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004315577A true JP2004315577A (en) 2004-11-11

Family

ID=33469621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003107914A Pending JP2004315577A (en) 2003-04-11 2003-04-11 Crystalline resin composition and crystalline composite molded product

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004315577A (en)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008081588A (en) * 2006-09-27 2008-04-10 Toppan Printing Co Ltd Resin composition and molding and floor material each using the same composition
WO2008044457A1 (en) * 2006-10-11 2008-04-17 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Method for production of molded article of plant-derived composite material, molded article of plant-derived composite material, method for production of plant-derived composite material, and plant-derived composite material

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008081588A (en) * 2006-09-27 2008-04-10 Toppan Printing Co Ltd Resin composition and molding and floor material each using the same composition
WO2008044457A1 (en) * 2006-10-11 2008-04-17 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Method for production of molded article of plant-derived composite material, molded article of plant-derived composite material, method for production of plant-derived composite material, and plant-derived composite material
JP2008093956A (en) * 2006-10-11 2008-04-24 Toyota Boshoku Corp Vegetable composite material molded body, manufacturing thereof, and vegetable composite material, and manufacturing method thereof
EP2072202A1 (en) * 2006-10-11 2009-06-24 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Method for production of molded article of plant-derived composite material, molded article of plant-derived composite material, method for production of plant-derived composite material, and plant-derived composite material
EP2072202A4 (en) * 2006-10-11 2010-11-17 Toyota Boshoku Kk Method for production of molded article of plant-derived composite material, molded article of plant-derived composite material, method for production of plant-derived composite material, and plant-derived composite material
US7906569B2 (en) 2006-10-11 2011-03-15 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Method for production of molded article of plant-derived composite material, molded article of plant-derived composite material, method for production of plant-derived composite material, and plant-derived composite material

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Prasad et al. Banana fiber reinforced low-density polyethylene composites: effect of chemical treatment and compatibilizer addition
CN112521730B (en) Biodegradable composite material and preparation method thereof
Shesan et al. Fiber-matrix relationship for composites preparation
WO2005087468A1 (en) Process for producing woody molding
US20060084728A1 (en) Polymer composites containing keratin
CA2217541A1 (en) Biologically degradable polymer mixture
WO2013029018A1 (en) Macrophyte-based bioplastic
JP2005504184A (en) Composite structure
CN101358037A (en) Biodegradable composite, product made therefrom, and method of manufacture thereof
Jadhav et al. Potential of polylactide based nanocomposites-nanopolysaccharide filler for reinforcement purpose: A comprehensive review
JP4499013B2 (en) Manufacturing method of wood-based fiber molded body
CN102321377B (en) Mildewproof plastic wood decorative plate and preparation method thereof
CN109504042A (en) PHA modified TPS/PBAT biodegradable resin and preparation method thereof
Nurul Fazita et al. Woven natural fiber fabric reinforced biodegradable composite: processing, properties and application
JP5251098B2 (en) Method for producing molded thermoplastic composition
CN111406089A (en) Improved process for manufacturing composite products
Aigbodion et al. Eco-friendly polymer composite: State-of-arts, opportunities and challenge
JP2000273800A (en) Paper-made foam and its production
JP2004315577A (en) Crystalline resin composition and crystalline composite molded product
JP3317624B2 (en) Method for producing biodegradable composite material
JP4021754B2 (en) Manufacturing method of molded body
CN115368720A (en) Degradable polymer nano composite material and preparation method thereof
Saifullah et al. Valorisation of Agricultural Residue Bio-Mass Date Palm Fibre in Dry-Blended Polycaprolactone (PCL) Bio-Composites for Sustainable Packaging Applications
Shahril et al. Effect of chemical modifier on the properties of polypropylene (PP)/Coconut fiber (CF) in automotive application
JP2009096875A (en) Method for producing thermoplastic resin composition, and method for producing molded article

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041025

A521 Written amendment

Effective date: 20050128

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050311

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050311