【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、係合機能を有する清掃用布帛に関するものであり、より詳細にはモップのような清掃具へ清掃用布帛を取り付けて使用するに際して、面ファスナーフック材との着脱が容易であり、繰り返し洗濯後においても係合力が維持され、かつ優れた払拭効果を有する清掃用布帛および該布帛を備えてなる清掃具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、モップ等の清掃用具に清掃用布帛を面ファスナーにより係止する方式は広く採用されており、清掃用布帛の片面およびこれを固定する支持体面に係合性を有するシートを縫製または接着による貼り合わせる等の処理が施された清掃具が普及している。
しかしながら、前記布帛または装着ホルダーに係合性を有するシートを装着させるための工数が増えると共にコスト高を招いている。
【０００３】
そこで、清掃用布帛のベース組織中にループを有する繊維糸条を挿入し、該布帛裏面に露出したループ群を形成させることにより、面ファスナーループ機能が備わった清掃用布帛として供給し該布帛を、面ファスナーフック材を備えた装着ホルダーに係止して使用するモップが提案されている（特許文献１参照）。
【０００４】
しかしながら、かかるモップは製品コストを抑制できる点は改善されているが、ループを有する繊維糸条を面ファスナーループ材として充分機能させるためには、面ファスナーフック材を厳選する必要があり、汎用性という点では制限されるものであった。すなわち、繊維糸条の表面に存在するループの密度およびその高さにより係合性を発現させる点では不十分といえるものであった。
さらに、かかるモップは繰り返し洗濯を行うと、係合面となるループ繊維が複雑に絡んでしまい係合力が著しく低下するという問題点が指摘されていた。
【０００５】
一方、面ファスナーループ機能を有する清掃用部材として不織布を用いた清掃具も提案されている（特許文献２参照）。かかる清掃具も面ファスナーフック材を備えた装着ホルダーへ係止させて使用することが可能である。しかしながら、不織布製の清掃用部材は使い捨てを前提としているため、安価に供給することが重視されており、洗濯耐久性については問題とされていなかった。
【０００６】
【特許文献１】
国際公開第８８／０１８４５号パンフレット
【特許文献２】
特開２００１−１３７１６９号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の背景に鑑みてなされたものであって、その目的は、改良された係合機能を備え、広範囲な面ファスナー雄材との係合が達成でき、かつ繰り返し洗濯後においても優れた係合力を維持することのできる清掃用布帛を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、清掃面の裏面に係合面を有する清掃用布帛であって、該係合面に捲縮率が２〜１５％である合成繊維フィラメント加工糸から形成されるパイル状ループを有することを特徴とする清掃用布帛である。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の清掃用布帛は、清掃面とその裏面に係合面を有する構造であり、該清掃面と反対側の裏面、すなわち係合面に捲縮率が２〜１５％である合成繊維フィラメント加工糸からなるパイル状ループが形成されている。
本発明のパイル状ループとは、後述する清掃面に形成されるループパイルとは異なり、使用される繊維の単繊維繊度、強度の点においても、係合性が要求される物性を備えるものであり、拭取り性が要求される清掃面に設けられるループパイルとは明確に区別されるものである。
【００１０】
まず、本発明において、係合面を構成するパイル状ループを形成させるため使用する合成繊維フィラメント加工糸は捲縮率が２〜１５％であることが重要である。
捲縮率が２％未満であると立設したパイル状ループが得られず、係合性が得られない。
一方、捲縮率が１５％を超えると形成されるパイル状ループに面ファスナーフック材の各素子が割り込めないために係合性が弱くなり、さらに繰り返し洗濯後にループ繊維が絡んでしまい係合力を損なう。
【００１１】
したがって、優れた係合力と洗濯耐久性を併せもつ清掃用布帛とするためには、捲縮加工糸には適度な捲縮が必要であり、捲縮率は５〜１５％が好ましく、より好ましくは６〜１２％である。なお、捲縮率は後述する方法により求めることができ、ループ状パイルを形成する合成繊維フィラメント加工糸を布帛から解舒して求めてもよいし、該フィラメント糸を編製する前に予め測定しておいてもよい。
【００１２】
本発明のループ状パイルは、上記した捲縮加工糸を布帛の地糸として製編し、布帛の表面に露出させることで係合面を形成する。また、該ループ状パイルは、編針のラッチの運動を制御（ラッチオープナーによる）することにより形成させる方法も挙げられる。
本発明において、ループ状パイルは、係合面に起立した状態で存在し、該ループ状パイルの高さは０．５〜３．０ｍｍ、存在密度は２５〜４０個／ｉｎｃｈ２となるよう構成することが好ましい。
【００１３】
ここで、パイル状ループは、清掃具に設けられた面ファスナーフック材と係合されるため、着脱時に清掃面の形態に影響を及ぼすことがあってはならない。したがって、単に裏面に形成されているだけでは消費性能上、耐久性に劣るものになってしまう。
したがって、本発明のパイル状ループの形成においては上述した方法が採用されるが、パイル状ループとなる糸が清掃面に露出するような組織は不可であり、裏面にのみ該パイル状ループとなる糸を配置することが重要である。
【００１４】
かかる観点から本発明のパイル状ループの形成には、水溶性ポリビニルアルコール系繊維のような溶解性繊維を特定の組織となるよう編立して前駆体となる布帛とした後、該溶解性繊維が溶解する温度にて溶脱することにより、パイル状ループを形成させる方法が好ましい。溶解性繊維を活用することにより、編組織に自由度を与えることができ、繰り返し洗濯に耐えるパイル状ループを容易に形成させることができる。
【００１５】
本発明に用いることのできる溶解性繊維としては、水溶性ポリビニルアルコール系繊維、スルフォイソフタル変性ポリエステル繊維等が挙げられるが、溶解温度制御が容易な水溶性ポリビニルアルコール系繊維を用いることが好ましい。該ポリビニルアルコール繊維は、ポリビニルアルコール樹脂やその共重合体樹脂を乾湿式紡糸法や溶融紡糸法により紡糸することで得ることができる。また、市販されている水溶性繊維（例えば、株式会社ニチビ製「ソルブロン」、株式会社クラレ製「クラロンＫ−ＩＩ」や「ミントバール」等）を用いてもよい。
【００１６】
本発明の清掃用布帛の清掃面を構成する組織は、例えば鹿の子、メッシュ、ワッフル等の凹凸を有する組織等が挙げられるが、目的とする用途に応じて適宜選定すればよい。
【００１７】
中でも本発明の清掃用布帛の清掃面は、カットパイルおよび／またはループパイルを有することが好ましく、カットパイルは自由度が高く床等の平坦な表面を清掃する場合に好適であり、一方、ループパイルは集束性が高いことが特徴であり、塵の払拭性に好適である。したがって、該カットパイル、ループパイルは、それぞれ単独に存在させてもよいが、混在させることが好ましい。
【００１８】
また、本発明にいうカットパイルは、清掃面の起毛処理等により形成される方法により形成されるものやモール糸を清掃面に配することで形成されるものも含み、製編織の機構により形成されるものに何ら限定されるものではない。
【００１９】
本発明の清掃用布帛を使用する対象としては、埃、塵および油分等があり、払拭性は清掃用布帛に要求される基本的な性能であり、これを高めることは非常に重要である。
【００２０】
このため、極細繊維が広く清掃用布帛に活用されており、好ましい態様ではあるが、これに限定する必要はない。すなわち、清掃具としては店頭で販売される商品もあれば、レンタルによる商品も多い中で、レンタル商品には洗濯再汚染の問題が存在し、極細繊維ではこの問題が解決できないといった状況にあるため、極細繊維を清掃用布帛に使用することが必ずしも最良の選択ではない。
したがって、本発明に使用し得る繊維としては極細繊維も可能であるが、用途によっては単繊維繊度の太い繊維でもかまわない。
【００２１】
なお、本発明で使用することのできる極細繊維としては、２種以上の互いに非相溶性の繊維形成性熱可塑性重合体が組み合わされてなる剥離分割型複合繊維や、易溶出性成分と難溶出性成分によって構成され、易溶出成分を溶出し難溶出成分を複数個に分割する海島型複合繊維を用いることができる。
かかる剥離分割型複合繊維の複合形態は平板型、花弁型、放射型、くさび型など種々のものを使用することができる。
【００２２】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図１は、本発明の清掃用布帛の一例を示す模式図であり、具体的な態様例としてダブルニット地の断面模式図を示すものである。
清掃面１を構成しているカットパイル糸２と係合面を構成するパイル状ループ３を連結させる連結糸４により構成されている。パイル状ループ３を形成する合成繊維フィラメント加工糸は清掃面には存在せず、裏面すなわち係合面にのみ存在していることがわかる。
なお、ここでカットパイル糸とはモール糸を使用したものであり、モール糸を構成する花糸には剥離分割型複合繊維を使用している。
【００２３】
図２は、本発明の清掃用布帛を得るための編立組織図の一例を示したものである。
図中、Ｆ１からＦ６は給糸口を示したもので、編製上これらが繰り返しの単位となって編立られる。
Ｆ３にはパイル状ループ３を形成する合成繊維フィラメント加工糸を供給し、Ｆ６には上記した水溶性繊維５を供給する。
【００２４】
図３は本発明の清掃具の一例を示す模式図であり、本発明の清掃用布帛の使用法を示すものである。
本発明の清掃用布帛を、面ファスナーフック材を備えた柄付き基台（ホルダー）に係合装着したモップの分解斜視図である。本発明の清掃用布帛６が柄付き基台７に貼着された面ファスナーフック材８と係合装着されて、モップ９を構成する。モップ９は床面、壁面、ガラス面、又は天井面などの払拭に用いることができる。
【００２５】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
また、本発明における各物性値は以下の方法により測定または評価した。
【００２６】
（１）捲縮率
合成繊維フィラメント加工糸をカセ取機で５５００ｄｔｅｘのカセとなるまで糸条を巻き取った後、カセの下端中央に１０ｇの荷重を吊るし、上部でこのカセを固定し、０．００９ｃＮ／ｄｔｅｘの荷重が掛かった状態で９０℃にて３０分間熱水処理を行った。次いで、無荷重状態で室温に放置して乾燥した後、再び１０ｇの荷重をかけて５分間放置後の糸長を測定し、これをＬ１（ｍｍ）とした。次に１ｋｇの荷重を掛け、３０秒間放置後の糸長を測定し、これをＬ２（ｍｍ）とするとき、下記式により算出した。
捲縮率（％）＝｛（Ｌ２−Ｌ１）／Ｌ２｝×１００
【００２７】
（２）引張りせん断強さ（シアー強度）
ＪＩＳ Ｌ−３４１６に準拠して測定を行った。
なお、面ファスナーフック材として、係合素子の形状が２段やじり形状で、係合素子密度４４本／ｃｍ２、素子高さ１．５ｍｍ、素子厚み０．６ｍｍ、最大やじり幅１ｍｍの「ＫＭファスナーレールＸ６３２０−３」（株式会社クラレ製）を使用した。
なお、引張りせん断強さは洗濯前、洗濯後それぞれについて、着脱回数１回後と１０回後について測定した。
また、洗濯は中性洗剤を用いて３０℃にて１５分間連続洗濯後、すすぎ１０分間および遠心脱水３分間行った。
【００２８】
（３）払拭性
汚染物質として黒色のスプレーグリス（住鉱潤滑剤株式会社製、αモリブデンスプレー）を１ｇ／ｍ２付着させたアクリル板（幅１０ｍｍ、長さ５０ｍｍ）を摩擦試験機（ＪＩＳ Ｌ０８４９に準拠した摩擦試験機）の平面試験台に仮接着し、摩擦用布として清掃用布帛を装着した摩擦子を用いて拭取り試験を実施した。拭取り荷重は２００ｇ、拭取り幅は２０ｍｍ、拭取り応力は１００ｇ／ｍｍの条件で拭取りを５回行い、拭取り前後の透過光率を色差計（日本電色工業株式会社製、Ｚ−３００Ａ）により測定し、下記式により拭取り率を算出した。
拭取り率（％）＝｛（Ｗｎ−Ｗ０）／Ｗｂ−Ｗ０｝×１００
Ｗｂ：アクリル板の透過率
Ｗｎ：払拭後の透過率
Ｗ０：払拭前の透過率
【００２９】
実施例１
（１）合成繊維フィラメント加工糸（パイル状ループ形成用繊維）の製造
１４０ｄｔｅｘ／１４フィラメントのナイロン製マルチフィラメントを仮撚数２０００Ｔ／Ｍ、１段ヒーター温度１８０℃、２段ヒーター温度１６０℃の条件にて仮撚加工を施して、捲縮率が１２％である仮撚糸を得た。
（２）カットパイル糸の製造
ポリエチレンテレフタレートとナイロン６が交互に配置された１１分割型複合繊維（株式会社クラレ製、「ＷＲＡＭＰ」）１６５ｄｔｅｘ／４８フィラメントの延伸糸を仮撚数２３５０Ｔ／Ｍ、１段ヒーター温度１８０℃、２段ヒーター温度１７０℃により仮撚加工を施した。
次に、芯糸原糸として１１０ｄｔｅｘ／１０フィラメントのナイロン製熱融着糸（東レ株式会社製、「エルダー」）とナイロンスパン糸６０／２（東レ株式会社製）とを用意し、また、押さえ糸として２０ｄｔｅｘ／５フィラメントのナイロン仮撚糸と前記ナイロン製融着糸を準備した。
さらに、花糸として上記の１６５ｄｔｅｘ／４８フィラメントの仮撚加工を施した複合繊維（株式会社クラレ製、「ＷＲＡＭＰ」）を準備し、これらをモール撚糸機に供給して花糸の高さが３ｍｍである１６５０ｄｔｅｘのモール糸を製造した。
（３）編立
編立には３０インチ１０ゲージのダブルニット丸編機を用いて、図２に示した編組織により製編し、本発明の清掃用布帛を得た。
なお、給糸口Ｆ１、Ｆ４にはレギュラーポリエステル仮撚糸３３０ｄｔｅｘ／９６フィラメントを２本供給し、給糸口Ｆ２、Ｆ５に前記モール糸を供給し、Ｆ３には前記パイル状ループ形成用合成繊維フィラメント加工糸１５５ｄｔｅｘ／１４フィラメント（東レ株式会社製、ナイロン＃１２００）を供給し、Ｆ６には水溶性ポリビニルアルコール系繊維（株式会社ニチビ製、「ソルブロン」）３０ｄｔｅｘを供給して編地を得た。
（４）パイル状ループ形成
得られた編地を８０℃の温水に接触させて上記水溶性繊維を溶脱させてパイル状ループを形成させた。
得られた清掃用布帛には、高さ１．７ｍｍのパイル状ループが生地の面に対してほぼ垂直に２７個／ｉｎｃｈ２の密度で立設しており、係合面が形成されていた。結果を表１に示す。
【００３０】
比較例１
実施例１において、パイル状ループ用繊維として１４０ｄｔｅｘ／１４フィラメントのナイロン製マルチフィラメントを、仮撚加工を施さずに生糸のまま供給したこと以外は実施例１と同様にして清掃用布帛を得た。
実施例１と同様にしてパイル状ループの形成を行い、係合面には２７個／ｉｎｃｈ２のパイル状ループが形成されていたが、係合面のパイル状ループが起き上がらず（高さ０．２ｍｍ）、係合力が損なわれる結果となった。（表１）
【００３１】
比較例２
実施例１において、１４０ｄｔｅｘ／１４フィラメントのナイロン製マルチフィラメントを仮撚数２４５０Ｔ／Ｍ、１段ヒーター温度１８０℃、２段ヒーター温度１４０℃の条件にて仮撚加工を施して、捲縮率が１８％である仮撚糸を得た。
得られた仮撚糸を用いたこと以外は、実施例１と同様にして編立し、清掃用布帛を得た。
得られた清掃用布帛の係合面には、高さ１．１ｍｍのパイル状ループが２７個／ｉｎｃｈ２の密度で形成されていたが、捲縮が発現して係合素子が陥没し難い緻密な捲縮となり、洗濯後における係合力が大きく低下した。（表１）
【００３２】
【表１】
【００３３】
表１から明らかなように、払拭性の点では各例とも大差なく満足されるが、係合強力の点では比較例１は全く係合せず、また比較例２では洗濯前には係合強力が弱いものの係合性を示したが、洗濯後は繊維が絡まって係合素子が入り込まない状態になっために係合性を示さなくなっている。
【００３４】
【発明の効果】
本発明により、新たに係合機能を有するシートを貼り合わせることなく、低コストな清掃用布帛を提供することが出来る。また、本発明の清掃用布帛は、洗濯後においても係合力が維持され繰り返し洗濯して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の清掃用布帛の一例を示す断面模式図
【図２】本発明の清掃用布帛を得るための編立組織図の一例
【図３】本発明の清掃具の一例を示す模式図
【符号の説明】
１：清掃面
２：カットパイル糸
３：パイル状ループ
４：連結糸
５：水溶性繊維
６：清掃用布帛
７：柄付き基台
８：面ファスナーフック材
９：モップ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a cleaning cloth having an engaging function, and more particularly, when attaching and using the cleaning cloth to a cleaning tool such as a mop, it is easy to attach and detach the hook-and-loop fastener material, The present invention relates to a cleaning cloth which maintains an engaging force even after repeated washing and has an excellent wiping effect, and a cleaning tool provided with the cloth.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a method of locking a cleaning cloth to a cleaning tool such as a mop with a hook-and-loop fastener has been widely adopted, and a sheet having an engaging property is sewn or adhered to one side of the cleaning cloth and a surface of a support for fixing the same. Cleaning tools that have been subjected to processing such as lamination by the use of such devices have become widespread.
However, the number of steps for mounting the sheet having the engaging property on the cloth or the mounting holder is increased, and the cost is increased.
[0003]
Therefore, by inserting a fiber thread having a loop into the base structure of the cleaning cloth to form a group of loops exposed on the back of the cloth, the cloth is supplied as a cleaning cloth having a hook-and-loop fastener function, and the cloth is supplied. There has been proposed a mop which is used by being hooked to a mounting holder provided with a hook-and-loop fastener material (see Patent Document 1).
[0004]
However, although such a mop has been improved in that the cost of the product can be reduced, it is necessary to carefully select a hook-and-loop fastener material in order for the fiber yarn having a loop to function sufficiently as a hook-and-loop fastener material. It was limited in that respect. In other words, it was not sufficient in terms of expressing the engagement by the density and height of the loop existing on the surface of the fiber yarn.
Further, it has been pointed out that if such a mop is repeatedly washed, loop fibers serving as an engagement surface are complicatedly entangled and the engagement force is significantly reduced.
[0005]
On the other hand, a cleaning tool using a nonwoven fabric as a cleaning member having a hook-and-loop fastener function has also been proposed (see Patent Document 2). Such a cleaning tool can also be used by being locked to a mounting holder provided with a hook-and-loop fastener material. However, since the cleaning member made of nonwoven fabric is assumed to be disposable, it is important to supply it inexpensively, and washing durability has not been a problem.
[0006]
[Patent Document 1]
International Publication No. 88/01845 pamphlet [Patent Document 2]
JP 2001-137169 A
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above background, and an object of the present invention is to provide an improved engagement function, achieve engagement with a wide range of male hook-and-loop fasteners, and excel after repeated washing. An object of the present invention is to provide a cleaning cloth capable of maintaining an engaging force.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention relates to a cleaning cloth having an engaging surface on a back surface of a cleaning surface, wherein a pile-shaped loop formed from a synthetic fiber filament yarn having a crimp rate of 2 to 15% is formed on the engaging surface. It is a cleaning cloth characterized by having.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The cleaning fabric of the present invention has a structure having an engaging surface on a cleaning surface and a back surface thereof, and a synthetic fiber filament having a crimp rate of 2 to 15% on the back surface opposite to the cleaning surface, that is, the engaging surface. A pile-like loop made of a processed yarn is formed.
The pile-shaped loop of the present invention is different from a loop pile formed on a cleaning surface to be described later, and is a single fiber fineness of a used fiber, and has a property that requires an engaging property in terms of strength. Yes, it is clearly distinguished from a loop pile provided on a cleaning surface that requires wiping properties.
[0010]
First, in the present invention, it is important that the synthetic fiber filament processed yarn used for forming the pile-shaped loop constituting the engagement surface has a crimp rate of 2 to 15%.
If the crimp rate is less than 2%, a pile-shaped loop standing up cannot be obtained, and the engagement property cannot be obtained.
On the other hand, when the crimping ratio exceeds 15%, the engaging property is weakened because each element of the hook-and-loop fastener material cannot interrupt the pile-shaped loop formed, and the loop fiber becomes entangled after repeated washing to reduce the engaging force. Spoil.
[0011]
Therefore, in order to obtain a cleaning cloth having both excellent engaging force and washing durability, a crimped yarn must have an appropriate crimp, and a crimp rate is preferably 5 to 15%, more preferably. Is 6 to 12%. The crimp ratio can be obtained by a method described later, and may be obtained by unwinding a synthetic fiber filament processing yarn forming a loop-shaped pile from a fabric, or may be measured in advance before knitting the filament yarn. You may keep it.
[0012]
The loop-shaped pile of the present invention forms the engagement surface by knitting the above-mentioned crimped yarn as a ground yarn of a fabric and exposing it on the surface of the fabric. In addition, a method of forming the loop-shaped pile by controlling the movement of a latch of a knitting needle (by a latch opener) may be mentioned.
In the present invention, the loop-shaped pile is present in an upright state on the engagement surface, and the height of the loop-shaped pile is 0.5 to 3.0 mm and the existing density is 25 to 40 pieces / inch 2. Is preferred.
[0013]
Here, since the pile-shaped loop is engaged with the hook-and-loop fastener material provided on the cleaning tool, it should not affect the shape of the cleaning surface at the time of attachment and detachment. Therefore, mere formation on the rear surface results in poor durability in terms of consumption performance.
Therefore, in the formation of the pile-shaped loop of the present invention, the above-mentioned method is adopted, but a structure in which the yarn forming the pile-shaped loop is exposed on the cleaning surface is not allowed, and the pile-shaped loop is formed only on the back surface. It is important to arrange the yarn.
[0014]
From such a viewpoint, the formation of the pile-shaped loop of the present invention is performed by knitting a soluble fiber such as a water-soluble polyvinyl alcohol-based fiber into a specific structure to form a fabric serving as a precursor, and then forming the soluble fiber. It is preferable to form a pile-like loop by leaching at a temperature at which the compound is dissolved. By utilizing the dissolvable fiber, a degree of freedom can be given to the knitted structure, and a pile-shaped loop that can withstand repeated washing can be easily formed.
[0015]
Examples of the soluble fiber that can be used in the present invention include a water-soluble polyvinyl alcohol-based fiber and a sulfoisophthal-modified polyester fiber, and it is preferable to use a water-soluble polyvinyl alcohol-based fiber that can easily control the dissolution temperature. The polyvinyl alcohol fiber can be obtained by spinning a polyvinyl alcohol resin or a copolymer resin thereof by a dry-wet spinning method or a melt spinning method. Further, commercially available water-soluble fibers (for example, “SOLBRON” manufactured by Nichibi Co., Ltd., “Kuraron K-II” or “Mintbar” manufactured by Kuraray Co., Ltd.) may be used.
[0016]
The structure constituting the cleaning surface of the cleaning cloth of the present invention includes, for example, a structure having irregularities such as a falcon, a mesh, and a waffle, and may be appropriately selected depending on the intended use.
[0017]
Among them, the cleaning surface of the cleaning fabric of the present invention preferably has a cut pile and / or a loop pile, and the cut pile has a high degree of freedom and is suitable for cleaning a flat surface such as a floor. The pile is characterized by high convergence, and is suitable for dust wiping. Therefore, the cut pile and the loop pile may be present independently, but are preferably mixed.
[0018]
In addition, the cut pile referred to in the present invention includes those formed by a method formed by raising the cleaning surface or the like and those formed by arranging molding yarns on the cleaning surface, and is formed by a weaving mechanism. It is not limited to what is performed.
[0019]
The object to which the cleaning cloth of the present invention is used includes dust, dust and oil, and the wiping property is a basic performance required for the cleaning cloth, and it is very important to enhance this.
[0020]
For this reason, microfibers are widely used for cleaning cloths, which is a preferred embodiment, but is not limited to this. In other words, while some cleaning tools are sold in stores and many are rental products, rental products have a problem of washing recontamination, and ultrafine fibers cannot solve this problem. Using microfibers for cleaning fabrics is not always the best option.
Therefore, ultrafine fibers can be used as the fibers that can be used in the present invention, but depending on the application, fibers having a single fiber fineness may be used.
[0021]
The ultrafine fibers that can be used in the present invention include exfoliated splittable composite fibers in which two or more types of mutually incompatible fiber-forming thermoplastic polymers are combined, and easily eluting components and hardly eluting components. It is possible to use sea-island composite fibers composed of a soluble component, which elutes easily eluting components and divides hardly eluting components into a plurality of components.
As the composite form of the exfoliated splittable composite fiber, various types such as a flat type, a petal type, a radial type and a wedge type can be used.
[0022]
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to the drawings.
FIG. 1 is a schematic diagram showing an example of the cleaning cloth of the present invention, and shows a schematic cross-sectional view of a double knitted fabric as a specific example of the embodiment.
A connecting thread 4 connects a cut pile thread 2 constituting a cleaning surface 1 and a pile loop 3 constituting an engaging surface. It can be seen that the synthetic fiber filament yarn forming the pile loop 3 does not exist on the cleaning surface but exists only on the back surface, that is, on the engagement surface.
Here, the cut pile yarn is a yarn using a molding yarn, and the split yarn type composite fiber is used for the flower yarn constituting the molding yarn.
[0023]
FIG. 2 shows an example of a knitting structure diagram for obtaining the cleaning cloth of the present invention.
In the drawing, F1 to F6 indicate yarn feeders, which are knitted as a repeating unit in knitting.
The synthetic fiber filament forming the pile-shaped loop 3 is supplied to F3, and the water-soluble fiber 5 is supplied to F6.
[0024]
FIG. 3 is a schematic view showing an example of the cleaning tool of the present invention, and shows how to use the cleaning cloth of the present invention.
FIG. 3 is an exploded perspective view of a mop in which the cleaning cloth of the present invention is engaged with a base (holder) having a handle provided with a hook-and-loop fastener material. The cleaning cloth 6 of the present invention is engaged with and attached to the hook-and-loop fastener material 8 stuck to the base 7 with a handle, thereby forming a mop 9. The mop 9 can be used for wiping a floor surface, a wall surface, a glass surface, a ceiling surface, or the like.
[0025]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
Each physical property value in the present invention was measured or evaluated by the following methods.
[0026]
(1) Crimping rate After winding the synthetic fiber filament processed yarn into a 5500 dtex kerf with a razor, a load of 10 g is hung at the center of the lower end of the louver, and this louver is fixed at the upper part. Hot water treatment was performed at 90 ° C. for 30 minutes with a load of .009 cN / dtex applied. Next, after leaving to stand at room temperature without any load and drying, a 10 g load was applied again, and the yarn length after standing for 5 minutes was measured, and this was taken as L1 (mm). Next, a 1 kg load was applied, and the yarn length after being left for 30 seconds was measured. When this was taken as L2 (mm), it was calculated by the following equation.
Crimp rate (%) = {(L2-L1) / L2} × 100
[0027]
(2) Tensile shear strength (shear strength)
The measurement was performed according to JIS L-3416.
As the hook-and-loop fastener material, "KM" having a two-stage engagement element shape with an engagement element density of 44 pieces / cm 2 , an element height of 1.5 mm, an element thickness of 0.6 mm, and a maximum edge width of 1 mm was used. Fastener rail X6320-3 "(manufactured by Kuraray Co., Ltd.) was used.
In addition, the tensile shear strength was measured before and after washing, respectively, once and 10 times after attaching and detaching.
Washing was performed for 15 minutes at 30 ° C. using a neutral detergent, followed by rinsing for 10 minutes and centrifugal dehydration for 3 minutes.
[0028]
(3) An acrylic plate (width 10 mm, length 50 mm) to which 1 g / m 2 of black spray grease (manufactured by Sumiko Lubricant Co., Ltd., α-molybdenum spray) was attached as a wiping contaminant was tested by a friction tester (JIS L0849). Was temporarily bonded to a flat test table of a friction tester according to the above standard, and a wiping test was performed using a friction element equipped with a cleaning cloth as a friction cloth. The wiping load was 200 g, the wiping width was 20 mm, and the wiping stress was 100 g / mm. The wiping was performed five times, and the transmittance of light before and after wiping was measured using a colorimeter (Z-D 300A), and the wiping rate was calculated by the following equation.
Wiping rate (%) = {(W n -W 0) / W b -W 0} × 100
W b : transmittance of acrylic plate W n : transmittance after wiping W 0 : transmittance before wiping
Example 1
(1) Production of Synthetic Fiber Filament Yarn (Pile-Shaped Loop-Forming Fiber) Nylon multifilament of 140 dtex / 14 filaments with false twist number of 2000 T / M, 1st stage heater temperature of 180 ° C, 2nd stage heater temperature of 160 ° C To give a false twisted yarn having a crimp rate of 12%.
(2) Manufacture of cut pile yarn 11-split composite fiber (“WRAMP”, manufactured by Kuraray Co., Ltd.) in which polyethylene terephthalate and nylon 6 are alternately arranged is used. False twisting was performed at a step heater temperature of 180 ° C and a two-step heater temperature of 170 ° C.
Next, a 110 dtex / 10 filament heat-sealed nylon yarn (manufactured by Toray Industries, Inc., "Elder") and a nylon spun yarn 60/2 (manufactured by Toray Industries, Inc.) are prepared as core yarns. As a result, a nylon false twisted yarn of 20 dtex / 5 filament and the above-mentioned fused nylon yarn were prepared.
Further, as a yarn, a composite fiber ("WRAMP", manufactured by Kuraray Co., Ltd.) which has been subjected to the false twisting of the above-mentioned 165 dtex / 48 filaments is prepared, and is supplied to a molding twisting machine so that the height of the yarn is 3 mm. Of 1650 dtex was manufactured.
(3) Knitting Knitting was performed using a 30-inch 10 gauge double knit circular knitting machine with the knitting structure shown in FIG. 2 to obtain the cleaning cloth of the present invention.
In addition, two regular polyester false twisted yarns 330 dtex / 96 filaments are supplied to the yarn feeders F1 and F4, the molding yarn is supplied to the yarn feeders F2 and F5, and the synthetic fiber filament processed yarn for forming a pile-shaped loop is supplied to F3. 155 dtex / 14 filaments (Nylon # 1200, manufactured by Toray Industries, Inc.) were supplied, and 30 dtex of water-soluble polyvinyl alcohol-based fibers (manufactured by Nichibi Co., Ltd., “Solbron”) were supplied to F6 to obtain a knitted fabric.
(4) Formation of pile-shaped loop The obtained knitted fabric was brought into contact with hot water at 80 ° C to elute the water-soluble fiber to form a pile-shaped loop.
In the obtained cleaning cloth, a pile-shaped loop having a height of 1.7 mm was erected substantially perpendicularly to the surface of the cloth at a density of 27 pieces / inch 2 to form an engaging surface. . Table 1 shows the results.
[0030]
Comparative Example 1
In Example 1, a cleaning fabric was obtained in the same manner as in Example 1 except that nylon multifilaments of 140 dtex / 14 filaments were supplied as raw threads without performing false twisting as pile-shaped loop fibers. .
A pile-shaped loop was formed in the same manner as in Example 1. A pile-shaped loop of 27 pieces / inch 2 was formed on the engagement surface. However, the pile-shaped loop of the engagement surface did not rise (height: 0). .2 mm), resulting in impaired engagement force. (Table 1)
[0031]
Comparative Example 2
In Example 1, a multi-filament made of nylon of 140 dtex / 14 filaments was subjected to false twisting under the conditions of a number of false twists of 2450 T / M, a single-stage heater temperature of 180 ° C., and a two-stage heater temperature of 140 ° C. A false twist yarn of 18% was obtained.
Knitting was performed in the same manner as in Example 1 except that the obtained false twisted yarn was used, to obtain a cleaning cloth.
Although a pile-shaped loop having a height of 1.1 mm was formed at a density of 27 pieces / inch 2 on the engaging surface of the obtained cleaning cloth, crimps appeared and the engaging element was unlikely to be depressed. The crimp was dense, and the engaging force after washing was significantly reduced. (Table 1)
[0032]
[Table 1]
[0033]
As is clear from Table 1, the wiping properties are satisfied with no significant difference in each case. However, in terms of the engaging strength, Comparative Example 1 does not engage at all, and Comparative Example 2 does not engage before washing. Although it was weak, it showed an engaging property, but after washing, the fiber became entangled and the engaging element did not enter, so that it did not show the engaging property.
[0034]
【The invention's effect】
According to the present invention, a low-cost cleaning cloth can be provided without newly attaching a sheet having an engaging function. In addition, the cleaning cloth of the present invention maintains the engaging force even after washing, and can be repeatedly washed and used.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing an example of a cleaning cloth of the present invention. FIG. 2 is an example of a knitting structure diagram for obtaining a cleaning cloth of the present invention. FIG. 3 shows an example of a cleaning tool of the present invention. Schematic diagram [Explanation of reference numerals]
1: cleaning surface 2: cut pile yarn 3: pile loop 4: connecting yarn 5: water-soluble fiber 6: cleaning fabric 7: base with handle 8: hook-and-loop fastener 9: mop
