JP2004310357A - ファイル管理方法及びシステム、並びにファイル管理プログラム及びファイル管理プログラムを記録した媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】グループウェア等の共有システムの管理者が、退避・保管すべきデータファイルの選択をいちいち判別しなくてもよい手段を提供すること等。
【解決手段】サーバーシステムが、クライアントシステムからデータアクセス要求を受けると、当該アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績との関連付けをアクセスログファイルに記録する。更に、サーバーシステムは、アクセス実績の期間指定に応じて、アクセスログファイルから最近アクセスされたアクセス対象ファイルのアクセス対象ファイル識別子を抽出する。そして、サーバーシステムは、ファイル管理情報テーブルに記憶されているアクセス対象ファイル識別子のうち、アクセスログファイルから抽出したアクセス対象ファイル識別子と一致しないアクセス対象ファイル識別子をデータアーカイブ対象ファイルとして出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】サーバーシステムが、クライアントシステムからデータアクセス要求を受けると、当該アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績との関連付けをアクセスログファイルに記録する。更に、サーバーシステムは、アクセス実績の期間指定に応じて、アクセスログファイルから最近アクセスされたアクセス対象ファイルのアクセス対象ファイル識別子を抽出する。そして、サーバーシステムは、ファイル管理情報テーブルに記憶されているアクセス対象ファイル識別子のうち、アクセスログファイルから抽出したアクセス対象ファイル識別子と一致しないアクセス対象ファイル識別子をデータアーカイブ対象ファイルとして出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイル管理方法及びシステム、並びにファイル管理プログラム及びファイル管理プログラムに係り、特にグループウェア等の共有システムにおけるデータアーカイブに関する。
【0002】
【従来の技術】
グループウェア(代表的なものとして、電子掲示板・スケジュール管理・ファイル管理・ワークフロー管理・電子メール等があり、それら個別のソフトウェアあるいはそれらを統合したソフトウェアをいう。)等の多数の利用者が情報を共有するシステム(以下「共有システム」と略す。)においては、当該情報をデータファイル(情報保持できる最小単位のデータから単一のデータファイル、データファイルの集合であるデータベースをも含むものとする。)として一元的に管理しなければならない。この一元的な管理とは、データファイルが物理的に一つの記憶装置に格納される必要はないが、少なくとも同一データへの排他制御等が管理ソフトウェアによって行われ、情報の整合性が保たれているという状態を意味する。
【0003】
共有システムは多数の利用者が使用し、双方向でのコミュニケーションが可能であるので、情報量の増大を招きやすい。双方向でのコミュニケーションの例としては、ある利用者の発信した情報を踏まえて、さらに他の利用者が情報を発信する行為等がある。そのコミュニケーション過程を残す為にも、システム利用者によって積極的に情報を削除されることはあまりなく、共有システムの種類によっては管理者のみしか情報削除権限を与えていないものもある。
【0004】
情報量に比例してデータファイルのデータ量も増大するので、共有システムの規模が大きくなればなるほど著しいデータ量の増大が起こりやすくなる。その結果、データファイルサーバーのレスポンスが悪化したり、記憶装置の容量を越え、頻繁に管理者が補助記憶装置の拡張作業を行わなければならないといった問題があった。
【0005】
一般に、記憶装置のデータ容量当たりの単位コスト(以下「単位コスト」と略す。)は、アクセス速度が速いものほど高価で、低速になるほど安価であるという正比例関係が成り立っている。例えば、主記憶装置であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)は補助記憶装置であるハードディスク装置(以下「HDD」と略す。)よりもアクセス速度が速いが、単位コストも高い。同様に、同じ補助記憶装置であってもHDDは磁気テープ装置よりもアクセス速度が速く、単位コストが高い。
【0006】
管理者が拡張に使用する補助記憶装置については、通常使用している補助記憶装置と同等のアクセス速度でなければシステム全体の処理速度を悪化させてしまう。共有システムのサーバーでは通常HDDを補助記憶装置として使用している為、システム全体の処理速度を悪化させないように単純にHDDを増設すればよいが、不必要なデータも安価な補助記憶装置とは言えないHDDに格納してしまう非効率な状態が生じていた。
【0007】
かかる問題を解決する為の従来技術としては、共有システムの管理者が利用者にとって必要でなさそうなデータファイルを選択し、HDDより安価でアクセス速度が低速の補助記憶装置である磁気テープ装置や光ディスク(コンパクトディスク、レーザーディスク、光磁気ディスク等)等にデータファイルの退避、保管を行うことにより解決を図っていた。また、利用者が削除を希望するデータファイルを共有システム管理者に書面あるいは電子メール等で申請した場合には、管理者が当該データファイルの退避・保管を行っていた。
【0008】
退避、保管するデータファイルの選択・実行の手段としては、都度共有システムの管理者がコマンド命令等により指定することや、事前に一定条件・時期の元に自動実行するように共有システムに記憶させておく方法があった。条件の例として「退避元記憶装置の残記憶容量が特定容量を下回った場合」等があり、時期の例として「共有システムのリアルタイム処理を全て終えた時(一般的に昼間にリアルタイム処理を行わせ、夜間にバッチ処理を行わせる事が多い。)」等がある。
【0009】
ここで、出願人は以上のような従来技術に関する先行技術文献を把握していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例にあっては、共有システムの管理者が退避、保管するデータファイルの選択を行う場合、システム利用者が当該データファイルを使用しているかどうかの判別を行うことが困難であるという不都合があった。
【0011】
また、共有システムの運用を継続するにつれて、共有システムで管理されているデータファイルの増大を招いてしまうという不都合があった。
【0012】
更に、退避先補助記憶装置は退避元補助記憶装置よりもアクセス速度が遅い、もしくは共有システム自体からの使用ができない(光ディスク等は読み取り装置内にセットされてない事もありえる)のが通常であるので、共有システム利用者にとってアクセスしたいデータファイルへの待ち時間を悪化させるという不都合があった。特に共有システム自体から使用ができない補助記憶装置にデータファイルが退避されている場合は、システム管理者がデータファイルを退避前の補助記憶装置に戻す等により管理者負担が著しく、利用者にとっては当該データが削除されてしまいどこにも保管されていないのではないかと誤認させてしまうといった不都合があった。
【0013】
これに加え、共有システム利用者がデータファイルを増大させないようにする仕組みが共有システムに備わっておらず、共有システムが管理するデータファイルの増大に歯止めが掛けられないといった不都合があった。
【0014】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来技術の有する不都合を改善し、特に共有システムの管理者が、退避、保管するデータファイルの選択を判別しなくても良い手段を提供することを目的とする。
【0015】
また、グループウェア等の共有システムで管理するデータファイルの増大を防ぐ為の手段を提供することを目的とする。
【0016】
更に、共有システムの利用者が参照を指示したアーカイブ済みのデータファイルが削除され、どこにも保管されていないのではないかと利用者に誤認させない為の手段を提供することを目的とする。
【0017】
これに加え、共有システム利用者がデータファイルを増大させないようにする為に、共有システム管理者が共有システムから課金データを取得する為の手段を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為、本発明では、グループウェア等の共有システムにおけるクライアントシステムと、当該クライアントシステムのデータアクセス要求に対してデータアクセスを提供するサーバーシステムとを備えている。
【0019】
また、前記サーバーシステムは、前記のデータアクセス要求の対象となる複数のデータアクセス対象ファイルと、前記の複数のデータアクセス対象ファイルについて、アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績とを関連付けてそれぞれ記憶したアクセスログファイルと、前記のデータアクセス対象ファイル毎に、アクセス対象ファイル識別子を記憶したファイル管理情報テーブルとを備えている。
【0020】
ここでいうアクセス対象ファイル識別子とは、前記のデータアクセス対象ファイルをユニークに特定する為の情報であり、一例としてファイル名と当該ファイルパスとの組み合わせ等がある。
【0021】
また、ここでいうアクセス実績とは、前記のデータアクセス対象ファイルへのデータアクセスを記録する情報であり、一例としてアクセス時間やアクセス時刻、アクセス実績フラグ等がある。
【0022】
ここで、前記のサーバーシステムは、前記のクライアントシステムからデータアクセス要求を受けると、当該データアクセスを要求されたデータアクセス対象ファイルの、当該アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績との関連付けをアクセスログファイルに記録する。
【0023】
更に、前記のサーバーシステムは、前記のアクセス実績の期間指定に応じて、前記のアクセスログファイルから最近アクセスされたアクセス対象ファイルの前記のアクセス対象ファイル識別子を抽出する。
【0024】
これに加え、前記のサーバーシステムは、前記のファイル管理情報テーブルに記憶されているアクセス対象ファイル識別子のうち、前記のアクセスログファイルから抽出した前記のアクセス対象ファイル識別子と一致しないアクセス対象ファイル識別子をデータアーカイブ対象ファイルとして出力する。
【0025】
本発明によると、当該出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、一定期間使用されていない前記のデータアクセス対象ファイルだけを自動的に選択して、アーカイブ処理することが可能になる為、従来のようにグループウェア等の共有システムの管理者等が、アーカイブ対象となる前記のデータアクセス対象ファイルの選択を判別しなくても良い。
【0026】
また、本発明によると、当該出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、一定期間使用されていない前記のデータアクセス対象ファイルだけを自動的に選択して、アーカイブ処理することが可能になる為、従来と異なりグループウェア等の共有システムで管理するデータファイルの増大を容易に防ぐことができる。
【0027】
更に、他の発明では、前記のサーバーシステムが、前記のデータアクセス対象ファイルが移動されたことを利用者に認識させる、ファイル不存在お知らせファイルを備えている。
【0028】
そして、前記サーバーシステムは、前記の出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、前記のデータアクセス対象ファイルとファイル不存在お知らせファイルとを置換する。
【0029】
本発明によると、グループウェア等の共有システム利用者が、アーカイブ済みの前記データアクセス対象ファイルの参照を指示した場合、ファイル不存在お知らせファイルが参照される為、当該データアクセス対象ファイルが削除されどこにも保管されていないのではないかと利用者に誤認させない。
【0030】
これに加え、他の発明では、前記のファイル管理情報テーブルが、前記のアクセス対象ファイル識別子毎に、当該ファイルのファイル容量とファイル所有者識別子とを関連付けてそれぞれ記憶している。
【0031】
そして、前記のサーバーシステムは、課金演算が指示されると、前記のファイル管理情報テーブルの記録に基づいて、前記のファイル所有者識別子毎に前記のファイル容量を集計し、当該集計結果を前記のファイル容量に応じた課金をするために所定のファイルに書き出す。
【0032】
本発明によると、前記の所定のファイルに前記の集計結果が保持される為、従来とは異なりグループウェア等の共有システム管理者が、前記の集計結果を元にして課金を行うことが可能になる。
【0033】
これにより、前述の目的を達成しようとするものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
【0035】
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
【0036】
図1に示すシステムは、グループウェア等の共有システムにおけるデータアーカイブシステムの構成図である。
【0037】
ここで、グループウェア等の共有システムとは、グループウェア等の多数の利用者が情報を共有するシステムのことを意味する。更にここで、グループウェア等とは、代表的なものとして電子掲示板・スケジュール管理・ファイル管理・ワークフロー管理・電子メール等があり、それら個別のソフトウェアあるいはそれらを統合したソフトウェアのことを指している。
【0038】
以下、図1に示すシステムにおける各構成要素について説明する。
【0039】
まず、図1に示すシステムには、グループウェア等の共有システムにおけるクライアント側のソフトウェア101が存在する。このソフトウェア101の具体的な例としては、Lotus社の Notes(R)、マイクロソフト社のOutlook Express(R)等がある。以下このソフトウェア101を「グループウェア等のクライアント」と称する。
【0040】
次に、グループウェア等のクライアント側のソフトウェアに対応する、サーバー側のソフトウェアとしてソフトウェア102が存在する。また、ソフトウェア102は、グループウェア等の共有システムにおいて、データファイルサーバーとしての機能を有する。更に、ソフトウェア102は、グループウェア等の共有システムにおいて、アプリケーションサーバーとしての機能を有するものもある。このソフトウェア102の具体的な例としては、Lotus社の Domino(R)、sendmail等がある。以下、このソフトウェア102を「アーカイブ対象サーバー」と称する。
【0041】
また、アーカイブ対象サーバー102は、グループウェア等の共有システムにおいてクライアント101が使用するデータファイルであるアーカイブ対象ファイル111を保持している。ここでアーカイブ対象ファイル111とは、必ずしも単一のファイルを意味するものではなく、いくつかのデータファイルの集合をも含む意味で使用する。更にアーカイブ対象サーバー102は、そのアーカイブ対象ファイル111へのグループウェア等のクライアント101からのアクセスを記録するアクセスログファイル112を保持している。これに加え、アーカイブ対象サーバー102は、アーカイブ対象ファイル111のファイル管理の為にファイル管理情報テーブル113を有している。以上の3つのファイルを、アーカイブ対象サーバー102は管理し、情報の更新等を行う。
【0042】
続いて、アーカイブ対象サーバー102が管理するアーカイブ対象ファイル111に対して行われたアクセスのアクセスログを管理・解析・整理を行うソフトウェア103が存在する。また、ソフトウェア103はアーカイブ処理のトリガー(処理開始の契機となる信号等)を受信する役割を担っている。以下、ソフトウェア103を「ログ解析サーバー」と称する。
【0043】
また、ログ解析サーバー103は、アクセスログファイル114を保持している。このアクセスログファイル114は、先に説明したアーカイブ対象サーバー102が保持するアクセスログファイル112と同種のファイルである。更に、ログ解析サーバー103は、移動ファイルリスト115を保持している。ここで、移動ファイルリスト115とは、アーカイブ処理によって、既にアーカイブしたデータファイルを、再度アーカイブしない為に使用されるファイルである。
【0044】
また更に、本実施形態のアーカイブ処理を主導して実行するソフトウェア104が存在する。以下、ソフトウェア104を「アーカイブ処理サーバー」と称する。
【0045】
これに加え、アーカイブ対象サーバー102から、アーカイブ処理したアーカイブ対象ファイル111を格納するバックアップファイル116を保持する、バックアップファイル管理ソフトウェア105が存在する。以下、ソフトウェア105を「バックアップサーバー」と称する。ここで、バックアップファイル116とは、アーカイブ対象ファイル111と同様に、必ずしも単一のファイルを意味するものではなく、いくつかのデータファイルの集合をも含む意味で使用する。
【0046】
以上が図1に示すシステムの各構成要素であり、これらの構成要素のうち各ファイルのデータ構造や、データ項目について以下に説明する。
【0047】
まず、アーカイブ対象ファイル111は前述の通り共有システムにおいて使用されるデータファイルである。そして、本実施形態によるアーカイブ処理はアーカイブ対象ファイル111のデータ構造を特に限定せず、どのようなデータ構造であっても良い。
【0048】
次に、アーカイブ対象ファイルが保持するアクセスログファイル112は、どのアーカイブ対象ファイル111が、どの端末によって、どの時刻に、どのような処理がなされたかの情報を記録する各項目を有している。その項目の一例として、「アクセスファイル名」、「パス名」、「アクセス端末識別子」、「アクセス時刻」、「処理内容」等がある。また、アクセスログファイル112では、それらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、アクセスログファイル112は「アクセスファイル名」、「パス名」、「アクセス端末識別子」、「アクセス時刻」、「処理内容」の各項目を有しているものとして説明する。
【0049】
続いて、ファイル管理情報テーブル113は、個別のアーカイブ対象ファイル111を識別するデータ(ファイル名等)と、そのアーカイブ対象ファイル111が記憶媒体上のどこに存在するかの論理的な位置情報(パスやURL等)とを記録する各項目を有している。更に、そのアーカイブ対象ファイル111が以前アーカイブ処理されたものであるか否かを記録する項目も有している。以上の項目の一例として、「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」等がある。ここで、「アーカイブ実行フラグ」とは、対象のアーカイブ対象ファイル111をアーカイブ処理してもよいかを、「OFF」と「ON」との値で管理する項目である。以下の説明においては、「OFF」の値がアーカイブ処理対象であるデータを表し、「ON」の値がアーカイブ処理対象ではないデータを表すものとする。また、ファイル管理情報テーブル113では、それらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、ファイル管理情報テーブル113は「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」の各項目を有しているものとして説明する。
【0050】
また、ログ解析サーバー103が保持するアクセスログファイル114は、アーカイブ対象サーバー102が保持するアクセスログファイル112と同種のデータ構造をしている。以下アクセスログファイル112と同様に、アクセスログファイル114は、「アクセスファイル名」、「パス名」、「アクセス端末識別子」、「アクセス時刻」、「処理内容」の各項目を有しているものとして説明する。
【0051】
続いて、移動ファイルリスト115は、いつ、どの場所(パス等の論理的な場所を表す。)のどのアーカイブ対象ファイル111が、バックアップファイル116のどの場所(パス等の論理的な場所を表す。)のどのファイルとして格納されたのかという情報を記録する各項目を有している。その項目の一例として、「ファイル移動時刻」、「移動元ファイル名」、「移動元パス名」、「移動先ファイル名」、「移動先パス名」等がある。また、移動ファイルリスト115では、それらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、移動ファイルリスト115は、「ファイル移動時刻」、「移動元ファイル名」、「移動元パス名」、「移動先ファイル名」、「移動先パス名」の各項目を有しているものとして説明する。
【0052】
更に、バックアップファイル116は前述の通り、アーカイブ処理によって、アーカイブ対象ファイル111に格納されているデータファイルの移動先ファイルである。そして、アーカイブ対象ファイル111と同様に、バックアップファイル116のデータ構造はどのようなものであっても良い。
【0053】
以上が図1に示すシステム構成要素とデータ構造についての説明であり、このうち各構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105はコンピュータネットワークで相互に通信が行える状態になっている。このコンピュータネットワークは、インターネット、LAN、WAN、無線通信網、フレームリレー等電気的な通信が行えるものならば何でも良い。
【0054】
次に、図1に示すシステム構成要素がどのように相互の働きかけを行い、データアーカイブ処理が実行するかの説明を行う。
【0055】
ここでは、まず通常運用時の図1に示すシステムの処理を説明し、その後にデータアーカイブ実行時の図1に示すシステムの処理を説明する。ここで通常運用時とは、グループウェア等の共有システムが運用され、利用者の指示を元にしてコンピュータに使用されている時を意味する。またデータアーカイブ実行時とは、グループウェア等の共有システムの運用が一旦停止され、データファイルのアーカイブがシステムによりなされる時を意味する。
【0056】
まず、グループウェア等の共有システムの利用者(以下「利用者」と略す。)の指示に基づいてコンピュータがグループウェア等のクライアント101を起動する。そして、利用者の指示に基づき、コンピュータがグループウェア等のクライアント101を使用することによりグループウェア等の共有システム利用環境が提供される。
【0057】
ここで、利用者の指示に基づいてコンピュータがグループウェア等のクライアント101にデータファイルの参照・使用・変更等を指示すると、グループウェア等のクライアント101はアーカイブ対象サーバー102が保持するアーカイブ対象ファイル111へアクセスを行う。このアクセスがされる毎に、アーカイブ対象サーバー102は、どのデータファイルに対して、どの端末が、どの時刻に、アーカイブ対象ファイル111のどのデータ(ファイルを含む)にどのような処理(参照・使用・変更等)を行ったかの情報(以下、「アクセスログ」と略す。)を取得し、アクセスログファイル112に保存する。
【0058】
更に、先のアクセスがされアーカイブ対象ファイル111の保持しているデータ(ファイルを含む)が追加(新規作成を含む)されたり、削除されたりすると、その内容を都度アーカイブ対象サーバー102はファイル管理情報テーブル113に反映し最新の状態を保つ。この際に、アーカイブ対象ファイル111の保持しているデータが新規作成された場合、ファイル管理情報テーブル113での「アーカイブ実行フラグ」の値は「OFF」(アーカイブ処理対象)に設定される。
【0059】
ここで、アーカイブ対象サーバー102が、アクセスを行った端末を判別するにはIPアドレス、MACアドレス、OSのネットワーク機能により管理されている端末識別データ等を利用する方法がある。更に、アーカイブ対象サーバー102がアクセスされた時刻を判別するには、アーカイブ対象サーバー102と連携しているシステム(OS等)の時間情報等を利用する方法がある。これに加え、アーカイブ対象サーバー102がアーカイブ対象ファイル111のどのデータ(ファイルを含む)にどのような作業が行われたかを判別するには、ファイル管理情報テーブル113が持っている、「ファイル名」項目と「パス名」項目とを利用する。
【0060】
次に、アーカイブ対象サーバー102がログ解析サーバー103にアクセスログファイル112に保存しているアクセスログを転送し、ログ解析サーバー103は受信したアクセスログをアクセスログファイル114に保存する。もしくは、ログ解析サーバー103がアーカイブ対象サーバー102に命令し、アクセスログファイル112に保存されているアクセスログを取得して、アクセスログファイル114に保存する。
【0061】
ここでのアクセスログ転送処理は、上述したアクセスログが発生する毎や、アクセスログファイル112において、一定データ容量を超えた時、アクセスログ件数が一定件数以上になった時、設定された一定の時刻になった時等の各種条件を複数組み合わせた条件に合致したときに実行される。以上の条件は、利用者の指示に基づきコンピュータがアーカイブ対象サーバー102もしくはログ解析サーバー103に事前に設定することにより自動実行される。
【0062】
ここで、上述の設定をアーカイブ対象サーバー102に行った場合はログ解析サーバー103へのアクセスログ自動送信が行われる。また、上述の設定をログ解析サーバー103に行った場合はアーカイブ対象サーバー104へのアクセスログ自動要求が行われる。以上の転送処理の対象アクセスログは、前回ログ解析サーバー103への転送時以降にアクセスログファイル112に蓄積したアクセスログである。
【0063】
以上が、グループウェア等の共有システムの通常運用時における図1のシステムの動作である。ここで、コンピュータがログ解析サーバー103にアーカイブ処理実行トリガーを送信し、ログ解析サーバー103を起動することにより、データファイルのアーカイブ処理が開始される。
【0064】
ここでいうアーカイブ処理実行トリガーとは、アーカイブ処理の実行開始を知らせる信号である。このアーカイブ処理実行トリガーは、ジョブスケジューラ機能を持つソフトウェア(UNIX(R)のシェル等)の指示に基づいてコンピュータがログ解析サーバー103に自動送信する場合や、利用者の指示に基づきコンピュータが送信する場合がある。前者の場合のアーカイブ処理実行トリガー送信処理は、前述のアクセスログ転送と同様に、利用者の指示に基づいてコンピュータが実行条件を複数組み合わせて、事前にジョブスケジューラ機能を持つソフトウェアに設定することにより自動実行される。
【0065】
また、アーカイブ処理時における図1のシステムの動作の概略を、ここで先に説明しておく。
【0066】
まず、アクセスログファイル114に記録されているアクセスログは、通常運用時にアクセスされたアーカイブ対象ファイル111がどれであるかという情報(「アクセスファイル名」、「パス名」)を保持している。その為、ファイル管理情報テーブル113に記録されているデータのうち、アクセスログファイル114に記録されているアクセスログに存在しないものは、アクセスがなされてないアーカイブ対象ファイル111のデータファイルであるといえる。この、アクセスがなされてないアーカイブ対象ファイル111のデータファイルが、原則として以下のアーカイブ処理の対象になり、バックファイル116に移動される。ここで、アクセスがなされてないアーカイブ対象ファイル111のデータファイルが全てアーカイブ処理されるわけではない。このうち、以前アーカイブ処理されたデータファイルについては除外し、再度のアーカイブを防いでいる。この判定に使用されているのが、ファイル管理情報テーブル113の「アーカイブ実行フラグ」の項目であり、通常は「OFF」(アーカイブ処理対象)の値に設定され、アーカイブ処理されたものについては「ON」(アーカイブ処理対象外)の値が設定される。(後述)
【0067】
以下、アーカイブ処理時における図1のシステムの動作について詳細に説明する。
【0068】
まず、上述の通りコンピュータはアーカイブ処理実行トリガーを送信することによりログ解析サーバー103を起動する。起動されたログ解析サーバー103はアーカイブ対象サーバー102に未送信分アクセスログの送信要求を行う。ここでいう未送信分アクセスログとは、アーカイブ処理実行トリガー受信前に最後に行われたアクセスログ転送以後に、アーカイブ対象サーバー102で取得されたアクセスログファイル112に保存されているアクセスログである。
【0069】
また、ログ解析サーバー103はアーカイブ対象サーバー102に命令して、アーカイブ対象ファイル111のアクセス制御の設定を行わせる。ここでいうアクセス制御の設定とは、アーカイブ処理実行中に、グループウェア等のクライアント101が通常運用によるアーカイブ対象ファイル111へのアクセスが行えないように設定することを意味する。これは、アーカイブ処理実行中にアーカイブ対象ファイル111への情報改変等が行われると、グループウェア等の共有システムにおいて整合性が取れなくなってしまう為である。ここでのアクセス制御の例としては、アーカイブ対象ファイル111に使用不可フラグ等を設定する方法等がある。
【0070】
次に、ログ解析サーバー103は、アクセスログファイル114に格納されているアクセスログを用いて、アーカイブ対象ファイル111において通常運用時に使用されたデータファイルの一覧(以下、「使用データファイルリスト」と称す。)のファイルを作成する。ここでのアクセスログファイル114は「アクセスファイル名」、「パス名」、「アクセス時刻」が結びついた情報を既に有している。その情報を利用してログ解析サーバー103が「アクセス時刻」の期間の指定(いつからいつまでか)を指定し、「アクセスファイル名」、「パス名」の組み合わせのデータを抽出することにより使用データファイルリストは作成される。
【0071】
また、ここでのログ解析サーバー103が行う「アクセス時刻」の期間の指定は、利用者の指示に基づきコンピュータが命令する方法がある。更に、事前に、利用者の指示に基づいてコンピュータがログ解析サーバー103に設定しておく方法もある。
【0072】
ここでいう使用データファイルリストとは、個別のアーカイブ対象ファイル111を識別するデータ(ファイル名等)と、当該アーカイブ対象ファイル111の論理的な位置情報(パスやURL等)とを結びつけたファイルである。以下、使用データファイルリストは「使用ファイル名」、「パス名」の各項目を有しているものとして説明する。
【0073】
続いて、ログ解析サーバー103は、アーカイブ処理サーバー104を起動し、作成した使用データファイルリストをアーカイブ処理サーバー104に転送する。これは、実際にアーカイブ処理を主導するのはアーカイブ処理サーバー104である為である。
【0074】
次に、アーカイブ処理サーバー104は、ファイル管理情報テーブル113のデータ(「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」等)を一行ずつ読み込む(以下、「読み込んだデータ」と略す。)。ここで、読み込んだデータの「アーカイブ実行フラグ」の値が「ON」(既にアーカイブ処理されている)である場合は、ファイル管理情報テーブル113の次の行を読み込み、「OFF」である行までこれを繰り返す。読み込んだデータの「アーカイブ実行フラグ」の値が「OFF」である行には以下の処理を行う。つまりファイル管理情報テーブル113のデータのうち、「アーカイブ実行フラグ」が「OFF」である行全てに、以下の処理を行うことになる。
【0075】
次に、読み込んだデータが使用データファイルリストに存在するかどうか、「ファイル名」と「パス名」との組み合わせを基準にして比較処理する。
【0076】
この比較処理の結果、読み込んだデータが使用データファイルリストに存在した場合(マッチした場合)は、アーカイブ処理サーバー104はファイル管理情報テーブル113から次の行のデータを読み込む。先の比較処理の結果、存在しなかった場合(アンマッチの場合)は、アーカイブ処理サーバー104は読み込んだデータのうち「ファイル名」と「パス名」とを不使用データリストファイル(後述)として出力し、ファイル管理情報テーブル113から次の行のデータを読み込む。
【0077】
以上の処理を、ファイル管理情報テーブル113のデータを読み込めなくなるまで(ファイルが終了するまで)行う。
【0078】
ここで、ファイル管理情報テーブル113も使用データファイルリストも、個別のファイルを識別するデータ(ファイル名等)とファイルの位置情報(パスやURL等)とが紐づいたデータを保持しているので上述の比較処理を行うことができる。また、ここでいう不使用データリストは、ファイル管理情報テーブル113より継承した個別のファイルを識別するデータ(ファイル名等)とファイルの位置情報(パスやURL等)とが紐づいたデータを保持している。以下、不使用データリストは「ファイル名」、「パス名」の各項目を有しているとして説明する。
【0079】
ここで、ファイル管理情報テーブル113は、上述したアーカイブ処理実行トリガー転送の直前、つまり通常運用時が終了した時点でのアーカイブ対象サーバー102が保持しているアーカイブ対象ファイル111の状態を示している。また、使用データファイルリストは、アクセスログファイル114のアクセスログにより作成されているので、通常運用時にアクセスされたデータファイルの一覧を保持している。この為、ファイル管理情報テーブル113のデータのうち、使用データファイルリストに含まれないデータは、指定された一定の期間アクセスされなかったアーカイブ対象ファイルを表すことになる。また、ファイル管理情報テーブル113において「アーカイブ実行フラグ」が「ON」であるデータについては、以前にアーカイブ処理されていることを表す(後述)ので、アーカイブ対象である不使用データリストから除外している。
【0080】
このように、上述のファイル管理情報テーブル113と使用データファイルリストのマッチング処理により、不使用データリストが作成される。そしてこの不使用データリストは、アーカイブ対象ファイル111のうちグループウェア等の共有システムの通常運用時に、指定された一定の期間に一度も使用されなかったデータの情報(「ファイル名」と「パス名」)を保持している。
【0081】
続いて、アーカイブ処理サーバー104は上述の処理で作成された不使用データリストのデータ(「ファイル名」と「パス名」)を一行ずつ読み込む(以下、「読み込んだデータ」と略す。)。更に、アーカイブ処理サーバー104は、読み込んだ「ファイル名」と「パス名」との組み合わせが示すアーカイブ対象ファイル111のデータファイルを、バックアップファイル116にコピーする。このコピー処理が正常に終了すると、アーカイブ処理サーバー104は、コピーしたアーカイブ対象ファイル111のデータファイルをアーカイブ対象ファイル111から削除する。更に、アーカイブ処理サーバー104は、当該データファイルを削除した論理的な場所に同一のファイル名で、データ不存在お知らせファイル(後述)を記録し、不使用データリストから次の行を読み込む。
【0082】
また、アーカイブ処理サーバー104は、以上のようなバックアップファイル116へのデータコピーの際に、いつ、どの場所(パス等の論理的な場所を表す。)のどのアーカイブ対象ファイル111が、バックアップファイル116のどの場所(パス等の論理的な場所を表す。)のどのファイルとして格納されたのかという紐付けファイル(以下「紐付けファイル」と称す。)を作成し、情報を保存する。以下、紐付けファイルは、以上のような情報を格納する為の「移動時刻」、「移動元ファイル名」、「移動元パス名」、「移動先ファイル名」、「移動先パス名」の各項目を有しているものとして説明する。
【0083】
以上の処理を、アーカイブ処理サーバー104は不使用データリストを読み込めなくなるまで(ファイルが終了するまで)行う。これにより、アーカイブ対象ファイル111のうち、不使用であったものをバックアップサーバー105が保持するバックアップファイル116に移動すること(アーカイブ処理)ができる。
【0084】
ここで、先のデータ不存在お知らせファイルとは、アーカイブ対象ファイル111からアーカイブされた対象ファイルが、バックアップファイル116に移動されたことを、グループウェア等の共有システム利用者にお知らせする小容量(数十〜数百KB程度)のデータファイルである。
【0085】
また、このデータ不存在お知らせファイルは、共有システムを通してシステム利用者からバックアップファイル116に移動されたデータファイルへのアクセス要求がアーカイブ対象サーバー102になされた時に、利用者に内容が参照される。その内容としては、文字や画像等の情報により、利用者が使用しようとしたデータファイルが移動されたことを知ることができるものであれば何でも良い。また、このデータ不存在お知らせファイルは、データ内容を一定にした方が容量効率が良く、その雛型は図1に示すどの構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105が管理していてもかまわない。
【0086】
このデータ不存在お知らせファイルを、アーカイブ対象のデータファイルと同一場所(パス等の論理的な場所を表す。)、同一ファイル名で上書き処理することにより、システム利用者がデータファイルの移動が行われた事を知る事ができる。更に、このデータ不存在お知らせファイルはアーカイブ対象のデータファイルよりも小容量のファイルであるので、アーカイブ対象ファイル111が記録されている媒体の空き容量を増やす事ができる。
【0087】
以上のように、アーカイブ処理サーバー104がデータファイルのアーカイブ処理を終えると、アーカイブ処理サーバー104は作成した紐付けファイルをログ解析サーバー103に転送する。更に、ログ解析サーバー103は、受信した紐付けファイルの内容を移動ファイルリスト115に保存する。
【0088】
続いて、ログ解析サーバー103は、受信した紐付けファイルのデータ(「移動元ファイル名」と「移動元パス名」)を一行ずつ読み込む(以下、「読み込んだデータ」と略す。)。ここで、ログ解析サーバー103は、読み込んだ「移動元ファイル名」と「移動元パス名」との組み合わせと、一致する「ファイル名」と「パス名」との組み合わせをもつファイル管理情報テーブル113のデータを検索する。そして、この検索の結果が一致したファイル管理情報テーブル113の「アーカイブ実行フラグ」の値を「ON」(アーカイブ処理対象でない)に設定し、受信した紐付けファイルのデータから次の行を読み込み、上記の処理を繰り返す。以上の処理を、ログ解析サーバー103は受信した紐付けファイルのデータを読み込めなくなるまで(ファイルが終了するまで)行う。この処理により、データ不存在お知らせファイルがアーカイブ処理されることを防ぐことが可能となる。
【0089】
以上のようにデータアーカイブ処理が行われると、ログ解析サーバー103はアーカイブ処理サーバー104とバックアップサーバー105を終了させる。ここで、グループウェア等の共有システムにおける通常運用時の状態が整う為、ログ解析サーバー103がアーカイブ対象サーバー102へアーカイブ対象ファイル111のアクセス制御の設定を解除させる。以上のような処理が正常に終了すると、ログ解析サーバー103は自動的に終了する。このような一連の処理により、再びグループウェア等の共有システムの通常運用が可能になる。
【0090】
通常運用時に、先のデータアーカイブ処理によりアーカイブ対象ファイル111から移動されたデータファイルへのアクセス要求が生じた場合、上書きを行ったデータ不存在お知らせファイルが呼び出され、画面上に表示されることにより利用者に当該データファイルの移動が行われた事を知らせる。
【0091】
更に、ファイル管理情報テーブル113において「アーカイブ実行フラグ」の値が「ON」(アーカイブ処理対象外)であるデータ不存在お知らせファイルが、共有システム管理者等により通常のデータファイルへの置き換え等が行われると、ファイル管理情報テーブル113での「アーカイブ実行フラグ」の値は「OFF」に設定される。
【0092】
また、アーカイブ対象サーバー102及びアーカイブ対象ファイル111と、バックアップサーバー105及びバックアップファイル116とは物理的に異なる種類の記憶媒体に格納されることが好ましい。これは、アーカイブ対象ファイル111を、バックアップファイル116よりも容量当たりの単位コスト(以下「単位コスト」と略す。)が高い記憶媒体に記録することにより、平均的な単位コストを抑制することができる為である。この例として、アーカイブ対象サーバー102及びアーカイブ対象ファイル111をハードディスク装置に、バックアップサーバー105及びバックアップファイル116を大容量テープ装置にそれぞれ記憶することにより、平均単位コストを抑制することが可能である。
【0093】
更に、図1における構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105が行う処理は、全てコンピュータがプログラム等を解釈し、実行することにより行われるものである。
【0094】
このように、本実施形態によれば、先の図1のシステムにおける通常運用時及びアーカイブ処理時の動作によって、グループウェア等の共有システムの管理者が退避、保管するデータファイルの選択を判別しなくても良い手段を提供することができる。
【0095】
また、先の図1のシステムにおけるアーカイブ処理時に保存された、データ不存在お知らせファイルが利用者に参照されることにより、利用者が参照を指示したデータファイルが削除されてしまい、どこにも保管されていないのではないかと誤認させない為の手段を提供することができる。
【0096】
これに加え、ファイル管理情報テーブル113に「アーカイブ実行フラグ」の項目を保持することにより、データ不存在お知らせファイルをアーカイブ処理してしまうという、アーカイブ処理における誤動作を防ぐ為の手段を提供することができる。
【0097】
更に、先の図1のシステムにおけるアーカイブ処理時の動作によって、グループウェア等の共有システムで管理するデータファイルの増大を防ぐ為の手段を提供することができる。
【0098】
[実施形態2]
【0099】
次に、本発明の他の実施形態を図2に基づいて説明する。ここで上記実施形態と同一の構成部分については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0100】
図2に示すシステムは、図1に示すグループウェア等の共有システムにおけるデータアーカイブシステムの構成図に、課金データ取得サーバー106と課金データファイル117とを加えたシステムの構成図である。
【0101】
ここで、図2に示すシステムにおける各構成要素は、課金データ取得サーバー106、課金データファイル117、ファイル管理情報テーブル118以外は図1に示すシステムにおける各構成要素と同種のものであるので重複説明を省く。
また、図2におけるファイル管理情報テーブル118は、図1におけるファイル管理情報テーブル113と同種のものではあるが、そのデータ構造に差異がある為、違う符合を付している。
【0102】
以下、課金データ取得サーバー106、課金データファイル117、更にファイル管理情報テーブル118について説明する。
【0103】
まず、課金データ取得サーバー106はアーカイブ対象ファイル111のデータ保持単位(ファイル等)毎のデータ量を監視し、そのデータ量の情報を取得する役割をもつソフトウェアである。また、課金データ取得サーバー106は課金データファイル117を管理し、情報の更新等をおこなう。
【0104】
次に、課金データファイル117は、アーカイブ対象ファイル111のデータ保持単位(ファイル等)毎のデータ量を管理する為のファイルである。この課金データファイル117は、データ保持単位(ファイル等)を識別する情報と、データ量と、そのデータ量であった時刻と、どの端末の管理ファイルであるかとを記録する各項目を有している。その項目の一例として、「課金ファイル名」、「課金ファイルパス名」、「データ容量」、「データ取得時刻」、「データ所有端末識別子」等がある。また、課金データファイル117はそれらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、課金データファイル117は、「課金ファイル名」、「課金ファイルパス名」、「データ容量」、「データ取得時刻」、「データ所有端末識別子」の各項目を有しているものとして説明する。
【0105】
続いて、ファイル管理情報テーブル118は、実施形態1で説明したように個別のアーカイブ対象ファイル111を識別するデータ(ファイル名等)と、そのアーカイブ対象ファイル111が記憶媒体上のどこに存在するかの論理的な位置情報(パスやURL等)とを記録する各項目を有している。更に、そのアーカイブ対象ファイル111が以前アーカイブ処理されたものであるか否かを記録する項目も有している。以上の項目の一例として、「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」等がある。
【0106】
更にこの実施形態2においてファイル管理情報テーブル118は、そのアーカイブ対象ファイル111における、データ量と、管理を行っている端末を識別する情報とを記録する各項目を有している。その項目の一例として、「ファイルデータ量」、「管理端末識別子」等がある。また、ファイル管理情報テーブル118では、それらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、ファイル管理情報テーブル118は「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」、「ファイルデータ量」、「管理端末識別子」の各項目を有しているものとして説明する。
【0107】
以上が図2に示すシステム構成要素とデータ構造についての説明であり、このうち各構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105,106はコンピュータネットワークで相互に通信が行える状態になっている。このコンピュータネットワークは、インターネット、LAN、WAN、無線通信網、フレームリレー等電気的な通信が行えるものならば何でも良い。
【0108】
次に、図2に示すシステム構成要素がどのように相互の働きかけを行い、データアーカイブ処理及び課金データの取得が実行されるのかの説明を行う。ここで上記実施形態と同一の処理内容については重複説明を省略し、簡単に説明することとする。
【0109】
ここでは、まず通常運用時の図2に示すシステムの処理を説明し、その後にデータアーカイブ実行時の図2に示すシステムの処理を説明する。ここで通常運用時とは、グループウェア等の共有システムが運用され、利用者の指示を元にしてコンピュータに使用されている時を意味する。またデータアーカイブ実行時とは、グループウェア等の共有システムの運用が一旦停止され、データファイルのアーカイブがシステムによりなされる時を意味する。
【0110】
まず、グループウェア等の共有システムの利用者(以下「利用者」と略す。)の指示に基づいてコンピュータがグループウェア等のクライアント101を起動する。そして、利用者の指示に基づき、コンピュータがグループウェア等のクライアント101を使用することによりグループウェア等の共有システム利用環境が提供される。
【0111】
ここで、利用者の指示に基づいてコンピュータがグループウェア等のクライアント101にデータファイルの参照・使用・変更等を指示すると、グループウェア等のクライアント101はアーカイブ対象サーバー102が保持するアーカイブ対象ファイル111へアクセスを行う。このアクセスがされる毎に、アーカイブ対象サーバー102は、どのデータファイルに対して、どの端末が、どの時刻に、アーカイブ対象ファイル111のどのデータ(ファイルを含む)にどのような処理(参照・使用・変更等)を行ったかの情報(以下、「アクセスログ」と略す。)を取得し、アクセスログファイル112に保存する。
【0112】
更に、先のアクセスがされアーカイブ対象ファイル111の保持しているデータ(ファイルを含む)が追加(新規作成を含む)されたり、削除されたりすると、その内容を都度アーカイブ対象サーバー102はファイル管理情報テーブル118に反映し最新の状態を保つ。ここで反映される内容とは、「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」、「ファイルデータ量」、「管理端末識別子」の各項目のことである。
【0113】
このうち「管理端末識別子」については、当該ファイルが新規作成された時に、作成をコンピュータに指示した端末の識別情報を保持しており、その後当該ファイルにデータの改変が加えられても変更はされない。しかし、共有システムの管理者等の指示に基づいて、コンピュータが当該ファイルの管理端末の変更を指令すると、「管理端末識別子」の情報は変更される。
【0114】
また実施形態1と同様に、アーカイブ対象ファイル111の保持しているデータが新規作成された場合、ファイル管理情報テーブル118での「アーカイブ実行フラグ」の値は「OFF」(アーカイブ処理対象)に設定される。
【0115】
ここで、アーカイブ対象サーバー102が、アクセスを行った端末を判別するにはIPアドレス、MACアドレス、OSのネットワーク機能により管理されている端末識別データ等を利用する方法がある。更に、アーカイブ対象サーバー102がアクセスされた時刻を判別するには、アーカイブ対象サーバー102と連携しているシステム(OS等)の時間情報等を利用する方法がある。これに加え、アーカイブ対象サーバー102がアーカイブ対象ファイル111のどのデータ(ファイルを含む)にどのような作業が行われたかを判別するには、ファイル管理情報テーブル118が持っている、「ファイル名」項目と「パス名」項目とを利用する。
【0116】
次に、アーカイブ対象サーバー102がログ解析サーバー103にアクセスログファイル112に保存しているアクセスログを転送し、ログ解析サーバー103は受信したアクセスログをアクセスログファイル114に保存する。もしくは、ログ解析サーバー103がアーカイブ対象サーバー102に命令し、アクセスログファイル112に保存されているアクセスログを取得して、アクセスログファイル114に保存する。このアーカイブ対象サーバー102から、ログ解析サーバー103へのアクセスログ転送処理の内容は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0117】
続いて、課金データ取得サーバー106がファイル管理情報テーブル118から、「ファイル名」、「パス名」、「ファイルデータ量」、「管理端末識別子」の各項目データを全件、又は一部取得する。更に、課金データ取得サーバー106は取得処理を行った時刻の情報を連携しているシステム等から取得する。以上のような取得データを、以下「課金データ」と称す。
【0118】
そして、課金データ取得サーバー106は上述のような課金データを、課金データファイル117の「課金ファイル名」、「課金ファイルパス名」、「データ容量」、「データ取得時刻」、「データ所有端末識別子」の各項目にそれぞれ格納する。
【0119】
この課金データ取得処理の実行タイミングは、共有システムの管理者等の指示に基づいて、コンピュータが課金データ取得サーバー106に事前に設定することにより自動実行される。その実行開始条件は、設定された一定の時刻になった時、一定データ容量を超えた時、データアーカイブ処理実行前や後等の、各種条件を複数組み合わせた条件に合致したときに実行される。また、この課金データ取得処理の実行は、先のアクセスログ転送処理と連動して実行される必要は無い。つまり、先のアクセスログ転送処理が行われた後等に必ず実行されるわけではなく、アクセスログ転送処理と課金データ取得処理とは、別々の実行条件が設定されていてもかまわない。
【0120】
以上が、グループウェア等の共有システムの通常運用時における図2のシステムの動作である。ここで実施形態1と同様に、コンピュータがログ解析サーバー103にアーカイブ処理実行トリガーを送信し、ログ解析サーバー103を起動することにより、データファイルのアーカイブ処理が開始される。
【0121】
ここでの、アーカイブ処理時における図2のシステムの各動作については実施形態1と同様であるので重複説明を省略する。
【0122】
以上のように通常運用時において、課金データ取得サーバー117により課金データファイル106に課金データが保存される。また、この課金データを元にして「データ所有端末識別子」毎の「データ容量」、「データ取得時刻」を使用した課金算出処理が行うことが可能になる。例えば、課金データファイル106から取得した課金データに「データ取得時刻」の期間の指定(いつからいつまでか)を行い対象データの抽出を行う。そしてその対象データを「データ所有端末識別子」毎にソートし、「データ所有端末識別子」毎にサマリーする。更に、サマリーしたデータの各レコードの「データ容量」に一定の課金係数で計算処理を行う等の、各種課金算出処理方法がある。
【0123】
また、図2における構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105,106が行う処理は、実施形態1と同様に全てコンピュータがプログラム等を解釈し、実行することにより行われるものである。
【0124】
このように、本実施形態によれば、先の図2のシステムにおける通常運用時の課金データ取得サーバー106の処理によって、共有システム管理者が共有システムから課金データを取得する為の手段を提供することができる。
【0125】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、アーカイブ対象ファイルに出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、一定期間使用されていないデータアクセス対象ファイルだけを自動的に選択して、アーカイブ処理することが可能になる為、従来のようにグループウェア等の共有システムの管理者等が、アーカイブ対象となる前記のデータアクセス対象ファイルの選択を判別しなくてもよい。
【0126】
また、アーカイブ対象ファイルに出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、一定期間使用されていない前記のデータアクセス対象ファイルだけを自動的に選択して、アーカイブ処理することが可能になる為、従来と異なりグループウェア等の共有システムで管理するデータファイルの増大を容易に防ぐことができる、という従来にない優れたファイル管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム全体の構成図である。
【図2】図1に示すシステム構成図に、課金データ取得サーバー106と課金データファイル117とを加え、ファイル管理情報テーブル113をファイル管理情報テーブル118に変更した、本発明の一実施形態を示すシステム全体の構成図である。
【符号の説明】
101 グループウェア等のクライアント
102 アーカイブ対象サーバー
103 ログ解析サーバー
104 アーカイブ処理サーバー
105 バックアップサーバー
106 課金データ取得サーバー
111 アーカイブ対象ファイル
112 アクセスログファイル
113 ファイル管理情報テーブル
114 アクセスログファイル
115 移動ファイルリスト
116 バックアップファイル
117 課金データファイル
118 ファイル管理情報テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイル管理方法及びシステム、並びにファイル管理プログラム及びファイル管理プログラムに係り、特にグループウェア等の共有システムにおけるデータアーカイブに関する。
【0002】
【従来の技術】
グループウェア(代表的なものとして、電子掲示板・スケジュール管理・ファイル管理・ワークフロー管理・電子メール等があり、それら個別のソフトウェアあるいはそれらを統合したソフトウェアをいう。)等の多数の利用者が情報を共有するシステム(以下「共有システム」と略す。)においては、当該情報をデータファイル(情報保持できる最小単位のデータから単一のデータファイル、データファイルの集合であるデータベースをも含むものとする。)として一元的に管理しなければならない。この一元的な管理とは、データファイルが物理的に一つの記憶装置に格納される必要はないが、少なくとも同一データへの排他制御等が管理ソフトウェアによって行われ、情報の整合性が保たれているという状態を意味する。
【0003】
共有システムは多数の利用者が使用し、双方向でのコミュニケーションが可能であるので、情報量の増大を招きやすい。双方向でのコミュニケーションの例としては、ある利用者の発信した情報を踏まえて、さらに他の利用者が情報を発信する行為等がある。そのコミュニケーション過程を残す為にも、システム利用者によって積極的に情報を削除されることはあまりなく、共有システムの種類によっては管理者のみしか情報削除権限を与えていないものもある。
【0004】
情報量に比例してデータファイルのデータ量も増大するので、共有システムの規模が大きくなればなるほど著しいデータ量の増大が起こりやすくなる。その結果、データファイルサーバーのレスポンスが悪化したり、記憶装置の容量を越え、頻繁に管理者が補助記憶装置の拡張作業を行わなければならないといった問題があった。
【0005】
一般に、記憶装置のデータ容量当たりの単位コスト(以下「単位コスト」と略す。)は、アクセス速度が速いものほど高価で、低速になるほど安価であるという正比例関係が成り立っている。例えば、主記憶装置であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)は補助記憶装置であるハードディスク装置(以下「HDD」と略す。)よりもアクセス速度が速いが、単位コストも高い。同様に、同じ補助記憶装置であってもHDDは磁気テープ装置よりもアクセス速度が速く、単位コストが高い。
【0006】
管理者が拡張に使用する補助記憶装置については、通常使用している補助記憶装置と同等のアクセス速度でなければシステム全体の処理速度を悪化させてしまう。共有システムのサーバーでは通常HDDを補助記憶装置として使用している為、システム全体の処理速度を悪化させないように単純にHDDを増設すればよいが、不必要なデータも安価な補助記憶装置とは言えないHDDに格納してしまう非効率な状態が生じていた。
【0007】
かかる問題を解決する為の従来技術としては、共有システムの管理者が利用者にとって必要でなさそうなデータファイルを選択し、HDDより安価でアクセス速度が低速の補助記憶装置である磁気テープ装置や光ディスク(コンパクトディスク、レーザーディスク、光磁気ディスク等)等にデータファイルの退避、保管を行うことにより解決を図っていた。また、利用者が削除を希望するデータファイルを共有システム管理者に書面あるいは電子メール等で申請した場合には、管理者が当該データファイルの退避・保管を行っていた。
【0008】
退避、保管するデータファイルの選択・実行の手段としては、都度共有システムの管理者がコマンド命令等により指定することや、事前に一定条件・時期の元に自動実行するように共有システムに記憶させておく方法があった。条件の例として「退避元記憶装置の残記憶容量が特定容量を下回った場合」等があり、時期の例として「共有システムのリアルタイム処理を全て終えた時(一般的に昼間にリアルタイム処理を行わせ、夜間にバッチ処理を行わせる事が多い。)」等がある。
【0009】
ここで、出願人は以上のような従来技術に関する先行技術文献を把握していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例にあっては、共有システムの管理者が退避、保管するデータファイルの選択を行う場合、システム利用者が当該データファイルを使用しているかどうかの判別を行うことが困難であるという不都合があった。
【0011】
また、共有システムの運用を継続するにつれて、共有システムで管理されているデータファイルの増大を招いてしまうという不都合があった。
【0012】
更に、退避先補助記憶装置は退避元補助記憶装置よりもアクセス速度が遅い、もしくは共有システム自体からの使用ができない(光ディスク等は読み取り装置内にセットされてない事もありえる)のが通常であるので、共有システム利用者にとってアクセスしたいデータファイルへの待ち時間を悪化させるという不都合があった。特に共有システム自体から使用ができない補助記憶装置にデータファイルが退避されている場合は、システム管理者がデータファイルを退避前の補助記憶装置に戻す等により管理者負担が著しく、利用者にとっては当該データが削除されてしまいどこにも保管されていないのではないかと誤認させてしまうといった不都合があった。
【0013】
これに加え、共有システム利用者がデータファイルを増大させないようにする仕組みが共有システムに備わっておらず、共有システムが管理するデータファイルの増大に歯止めが掛けられないといった不都合があった。
【0014】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来技術の有する不都合を改善し、特に共有システムの管理者が、退避、保管するデータファイルの選択を判別しなくても良い手段を提供することを目的とする。
【0015】
また、グループウェア等の共有システムで管理するデータファイルの増大を防ぐ為の手段を提供することを目的とする。
【0016】
更に、共有システムの利用者が参照を指示したアーカイブ済みのデータファイルが削除され、どこにも保管されていないのではないかと利用者に誤認させない為の手段を提供することを目的とする。
【0017】
これに加え、共有システム利用者がデータファイルを増大させないようにする為に、共有システム管理者が共有システムから課金データを取得する為の手段を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為、本発明では、グループウェア等の共有システムにおけるクライアントシステムと、当該クライアントシステムのデータアクセス要求に対してデータアクセスを提供するサーバーシステムとを備えている。
【0019】
また、前記サーバーシステムは、前記のデータアクセス要求の対象となる複数のデータアクセス対象ファイルと、前記の複数のデータアクセス対象ファイルについて、アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績とを関連付けてそれぞれ記憶したアクセスログファイルと、前記のデータアクセス対象ファイル毎に、アクセス対象ファイル識別子を記憶したファイル管理情報テーブルとを備えている。
【0020】
ここでいうアクセス対象ファイル識別子とは、前記のデータアクセス対象ファイルをユニークに特定する為の情報であり、一例としてファイル名と当該ファイルパスとの組み合わせ等がある。
【0021】
また、ここでいうアクセス実績とは、前記のデータアクセス対象ファイルへのデータアクセスを記録する情報であり、一例としてアクセス時間やアクセス時刻、アクセス実績フラグ等がある。
【0022】
ここで、前記のサーバーシステムは、前記のクライアントシステムからデータアクセス要求を受けると、当該データアクセスを要求されたデータアクセス対象ファイルの、当該アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績との関連付けをアクセスログファイルに記録する。
【0023】
更に、前記のサーバーシステムは、前記のアクセス実績の期間指定に応じて、前記のアクセスログファイルから最近アクセスされたアクセス対象ファイルの前記のアクセス対象ファイル識別子を抽出する。
【0024】
これに加え、前記のサーバーシステムは、前記のファイル管理情報テーブルに記憶されているアクセス対象ファイル識別子のうち、前記のアクセスログファイルから抽出した前記のアクセス対象ファイル識別子と一致しないアクセス対象ファイル識別子をデータアーカイブ対象ファイルとして出力する。
【0025】
本発明によると、当該出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、一定期間使用されていない前記のデータアクセス対象ファイルだけを自動的に選択して、アーカイブ処理することが可能になる為、従来のようにグループウェア等の共有システムの管理者等が、アーカイブ対象となる前記のデータアクセス対象ファイルの選択を判別しなくても良い。
【0026】
また、本発明によると、当該出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、一定期間使用されていない前記のデータアクセス対象ファイルだけを自動的に選択して、アーカイブ処理することが可能になる為、従来と異なりグループウェア等の共有システムで管理するデータファイルの増大を容易に防ぐことができる。
【0027】
更に、他の発明では、前記のサーバーシステムが、前記のデータアクセス対象ファイルが移動されたことを利用者に認識させる、ファイル不存在お知らせファイルを備えている。
【0028】
そして、前記サーバーシステムは、前記の出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、前記のデータアクセス対象ファイルとファイル不存在お知らせファイルとを置換する。
【0029】
本発明によると、グループウェア等の共有システム利用者が、アーカイブ済みの前記データアクセス対象ファイルの参照を指示した場合、ファイル不存在お知らせファイルが参照される為、当該データアクセス対象ファイルが削除されどこにも保管されていないのではないかと利用者に誤認させない。
【0030】
これに加え、他の発明では、前記のファイル管理情報テーブルが、前記のアクセス対象ファイル識別子毎に、当該ファイルのファイル容量とファイル所有者識別子とを関連付けてそれぞれ記憶している。
【0031】
そして、前記のサーバーシステムは、課金演算が指示されると、前記のファイル管理情報テーブルの記録に基づいて、前記のファイル所有者識別子毎に前記のファイル容量を集計し、当該集計結果を前記のファイル容量に応じた課金をするために所定のファイルに書き出す。
【0032】
本発明によると、前記の所定のファイルに前記の集計結果が保持される為、従来とは異なりグループウェア等の共有システム管理者が、前記の集計結果を元にして課金を行うことが可能になる。
【0033】
これにより、前述の目的を達成しようとするものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
【0035】
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
【0036】
図1に示すシステムは、グループウェア等の共有システムにおけるデータアーカイブシステムの構成図である。
【0037】
ここで、グループウェア等の共有システムとは、グループウェア等の多数の利用者が情報を共有するシステムのことを意味する。更にここで、グループウェア等とは、代表的なものとして電子掲示板・スケジュール管理・ファイル管理・ワークフロー管理・電子メール等があり、それら個別のソフトウェアあるいはそれらを統合したソフトウェアのことを指している。
【0038】
以下、図1に示すシステムにおける各構成要素について説明する。
【0039】
まず、図1に示すシステムには、グループウェア等の共有システムにおけるクライアント側のソフトウェア101が存在する。このソフトウェア101の具体的な例としては、Lotus社の Notes(R)、マイクロソフト社のOutlook Express(R)等がある。以下このソフトウェア101を「グループウェア等のクライアント」と称する。
【0040】
次に、グループウェア等のクライアント側のソフトウェアに対応する、サーバー側のソフトウェアとしてソフトウェア102が存在する。また、ソフトウェア102は、グループウェア等の共有システムにおいて、データファイルサーバーとしての機能を有する。更に、ソフトウェア102は、グループウェア等の共有システムにおいて、アプリケーションサーバーとしての機能を有するものもある。このソフトウェア102の具体的な例としては、Lotus社の Domino(R)、sendmail等がある。以下、このソフトウェア102を「アーカイブ対象サーバー」と称する。
【0041】
また、アーカイブ対象サーバー102は、グループウェア等の共有システムにおいてクライアント101が使用するデータファイルであるアーカイブ対象ファイル111を保持している。ここでアーカイブ対象ファイル111とは、必ずしも単一のファイルを意味するものではなく、いくつかのデータファイルの集合をも含む意味で使用する。更にアーカイブ対象サーバー102は、そのアーカイブ対象ファイル111へのグループウェア等のクライアント101からのアクセスを記録するアクセスログファイル112を保持している。これに加え、アーカイブ対象サーバー102は、アーカイブ対象ファイル111のファイル管理の為にファイル管理情報テーブル113を有している。以上の3つのファイルを、アーカイブ対象サーバー102は管理し、情報の更新等を行う。
【0042】
続いて、アーカイブ対象サーバー102が管理するアーカイブ対象ファイル111に対して行われたアクセスのアクセスログを管理・解析・整理を行うソフトウェア103が存在する。また、ソフトウェア103はアーカイブ処理のトリガー(処理開始の契機となる信号等)を受信する役割を担っている。以下、ソフトウェア103を「ログ解析サーバー」と称する。
【0043】
また、ログ解析サーバー103は、アクセスログファイル114を保持している。このアクセスログファイル114は、先に説明したアーカイブ対象サーバー102が保持するアクセスログファイル112と同種のファイルである。更に、ログ解析サーバー103は、移動ファイルリスト115を保持している。ここで、移動ファイルリスト115とは、アーカイブ処理によって、既にアーカイブしたデータファイルを、再度アーカイブしない為に使用されるファイルである。
【0044】
また更に、本実施形態のアーカイブ処理を主導して実行するソフトウェア104が存在する。以下、ソフトウェア104を「アーカイブ処理サーバー」と称する。
【0045】
これに加え、アーカイブ対象サーバー102から、アーカイブ処理したアーカイブ対象ファイル111を格納するバックアップファイル116を保持する、バックアップファイル管理ソフトウェア105が存在する。以下、ソフトウェア105を「バックアップサーバー」と称する。ここで、バックアップファイル116とは、アーカイブ対象ファイル111と同様に、必ずしも単一のファイルを意味するものではなく、いくつかのデータファイルの集合をも含む意味で使用する。
【0046】
以上が図1に示すシステムの各構成要素であり、これらの構成要素のうち各ファイルのデータ構造や、データ項目について以下に説明する。
【0047】
まず、アーカイブ対象ファイル111は前述の通り共有システムにおいて使用されるデータファイルである。そして、本実施形態によるアーカイブ処理はアーカイブ対象ファイル111のデータ構造を特に限定せず、どのようなデータ構造であっても良い。
【0048】
次に、アーカイブ対象ファイルが保持するアクセスログファイル112は、どのアーカイブ対象ファイル111が、どの端末によって、どの時刻に、どのような処理がなされたかの情報を記録する各項目を有している。その項目の一例として、「アクセスファイル名」、「パス名」、「アクセス端末識別子」、「アクセス時刻」、「処理内容」等がある。また、アクセスログファイル112では、それらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、アクセスログファイル112は「アクセスファイル名」、「パス名」、「アクセス端末識別子」、「アクセス時刻」、「処理内容」の各項目を有しているものとして説明する。
【0049】
続いて、ファイル管理情報テーブル113は、個別のアーカイブ対象ファイル111を識別するデータ(ファイル名等)と、そのアーカイブ対象ファイル111が記憶媒体上のどこに存在するかの論理的な位置情報(パスやURL等)とを記録する各項目を有している。更に、そのアーカイブ対象ファイル111が以前アーカイブ処理されたものであるか否かを記録する項目も有している。以上の項目の一例として、「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」等がある。ここで、「アーカイブ実行フラグ」とは、対象のアーカイブ対象ファイル111をアーカイブ処理してもよいかを、「OFF」と「ON」との値で管理する項目である。以下の説明においては、「OFF」の値がアーカイブ処理対象であるデータを表し、「ON」の値がアーカイブ処理対象ではないデータを表すものとする。また、ファイル管理情報テーブル113では、それらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、ファイル管理情報テーブル113は「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」の各項目を有しているものとして説明する。
【0050】
また、ログ解析サーバー103が保持するアクセスログファイル114は、アーカイブ対象サーバー102が保持するアクセスログファイル112と同種のデータ構造をしている。以下アクセスログファイル112と同様に、アクセスログファイル114は、「アクセスファイル名」、「パス名」、「アクセス端末識別子」、「アクセス時刻」、「処理内容」の各項目を有しているものとして説明する。
【0051】
続いて、移動ファイルリスト115は、いつ、どの場所(パス等の論理的な場所を表す。)のどのアーカイブ対象ファイル111が、バックアップファイル116のどの場所(パス等の論理的な場所を表す。)のどのファイルとして格納されたのかという情報を記録する各項目を有している。その項目の一例として、「ファイル移動時刻」、「移動元ファイル名」、「移動元パス名」、「移動先ファイル名」、「移動先パス名」等がある。また、移動ファイルリスト115では、それらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、移動ファイルリスト115は、「ファイル移動時刻」、「移動元ファイル名」、「移動元パス名」、「移動先ファイル名」、「移動先パス名」の各項目を有しているものとして説明する。
【0052】
更に、バックアップファイル116は前述の通り、アーカイブ処理によって、アーカイブ対象ファイル111に格納されているデータファイルの移動先ファイルである。そして、アーカイブ対象ファイル111と同様に、バックアップファイル116のデータ構造はどのようなものであっても良い。
【0053】
以上が図1に示すシステム構成要素とデータ構造についての説明であり、このうち各構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105はコンピュータネットワークで相互に通信が行える状態になっている。このコンピュータネットワークは、インターネット、LAN、WAN、無線通信網、フレームリレー等電気的な通信が行えるものならば何でも良い。
【0054】
次に、図1に示すシステム構成要素がどのように相互の働きかけを行い、データアーカイブ処理が実行するかの説明を行う。
【0055】
ここでは、まず通常運用時の図1に示すシステムの処理を説明し、その後にデータアーカイブ実行時の図1に示すシステムの処理を説明する。ここで通常運用時とは、グループウェア等の共有システムが運用され、利用者の指示を元にしてコンピュータに使用されている時を意味する。またデータアーカイブ実行時とは、グループウェア等の共有システムの運用が一旦停止され、データファイルのアーカイブがシステムによりなされる時を意味する。
【0056】
まず、グループウェア等の共有システムの利用者(以下「利用者」と略す。)の指示に基づいてコンピュータがグループウェア等のクライアント101を起動する。そして、利用者の指示に基づき、コンピュータがグループウェア等のクライアント101を使用することによりグループウェア等の共有システム利用環境が提供される。
【0057】
ここで、利用者の指示に基づいてコンピュータがグループウェア等のクライアント101にデータファイルの参照・使用・変更等を指示すると、グループウェア等のクライアント101はアーカイブ対象サーバー102が保持するアーカイブ対象ファイル111へアクセスを行う。このアクセスがされる毎に、アーカイブ対象サーバー102は、どのデータファイルに対して、どの端末が、どの時刻に、アーカイブ対象ファイル111のどのデータ(ファイルを含む)にどのような処理(参照・使用・変更等)を行ったかの情報(以下、「アクセスログ」と略す。)を取得し、アクセスログファイル112に保存する。
【0058】
更に、先のアクセスがされアーカイブ対象ファイル111の保持しているデータ(ファイルを含む)が追加(新規作成を含む)されたり、削除されたりすると、その内容を都度アーカイブ対象サーバー102はファイル管理情報テーブル113に反映し最新の状態を保つ。この際に、アーカイブ対象ファイル111の保持しているデータが新規作成された場合、ファイル管理情報テーブル113での「アーカイブ実行フラグ」の値は「OFF」(アーカイブ処理対象)に設定される。
【0059】
ここで、アーカイブ対象サーバー102が、アクセスを行った端末を判別するにはIPアドレス、MACアドレス、OSのネットワーク機能により管理されている端末識別データ等を利用する方法がある。更に、アーカイブ対象サーバー102がアクセスされた時刻を判別するには、アーカイブ対象サーバー102と連携しているシステム(OS等)の時間情報等を利用する方法がある。これに加え、アーカイブ対象サーバー102がアーカイブ対象ファイル111のどのデータ(ファイルを含む)にどのような作業が行われたかを判別するには、ファイル管理情報テーブル113が持っている、「ファイル名」項目と「パス名」項目とを利用する。
【0060】
次に、アーカイブ対象サーバー102がログ解析サーバー103にアクセスログファイル112に保存しているアクセスログを転送し、ログ解析サーバー103は受信したアクセスログをアクセスログファイル114に保存する。もしくは、ログ解析サーバー103がアーカイブ対象サーバー102に命令し、アクセスログファイル112に保存されているアクセスログを取得して、アクセスログファイル114に保存する。
【0061】
ここでのアクセスログ転送処理は、上述したアクセスログが発生する毎や、アクセスログファイル112において、一定データ容量を超えた時、アクセスログ件数が一定件数以上になった時、設定された一定の時刻になった時等の各種条件を複数組み合わせた条件に合致したときに実行される。以上の条件は、利用者の指示に基づきコンピュータがアーカイブ対象サーバー102もしくはログ解析サーバー103に事前に設定することにより自動実行される。
【0062】
ここで、上述の設定をアーカイブ対象サーバー102に行った場合はログ解析サーバー103へのアクセスログ自動送信が行われる。また、上述の設定をログ解析サーバー103に行った場合はアーカイブ対象サーバー104へのアクセスログ自動要求が行われる。以上の転送処理の対象アクセスログは、前回ログ解析サーバー103への転送時以降にアクセスログファイル112に蓄積したアクセスログである。
【0063】
以上が、グループウェア等の共有システムの通常運用時における図1のシステムの動作である。ここで、コンピュータがログ解析サーバー103にアーカイブ処理実行トリガーを送信し、ログ解析サーバー103を起動することにより、データファイルのアーカイブ処理が開始される。
【0064】
ここでいうアーカイブ処理実行トリガーとは、アーカイブ処理の実行開始を知らせる信号である。このアーカイブ処理実行トリガーは、ジョブスケジューラ機能を持つソフトウェア(UNIX(R)のシェル等)の指示に基づいてコンピュータがログ解析サーバー103に自動送信する場合や、利用者の指示に基づきコンピュータが送信する場合がある。前者の場合のアーカイブ処理実行トリガー送信処理は、前述のアクセスログ転送と同様に、利用者の指示に基づいてコンピュータが実行条件を複数組み合わせて、事前にジョブスケジューラ機能を持つソフトウェアに設定することにより自動実行される。
【0065】
また、アーカイブ処理時における図1のシステムの動作の概略を、ここで先に説明しておく。
【0066】
まず、アクセスログファイル114に記録されているアクセスログは、通常運用時にアクセスされたアーカイブ対象ファイル111がどれであるかという情報(「アクセスファイル名」、「パス名」)を保持している。その為、ファイル管理情報テーブル113に記録されているデータのうち、アクセスログファイル114に記録されているアクセスログに存在しないものは、アクセスがなされてないアーカイブ対象ファイル111のデータファイルであるといえる。この、アクセスがなされてないアーカイブ対象ファイル111のデータファイルが、原則として以下のアーカイブ処理の対象になり、バックファイル116に移動される。ここで、アクセスがなされてないアーカイブ対象ファイル111のデータファイルが全てアーカイブ処理されるわけではない。このうち、以前アーカイブ処理されたデータファイルについては除外し、再度のアーカイブを防いでいる。この判定に使用されているのが、ファイル管理情報テーブル113の「アーカイブ実行フラグ」の項目であり、通常は「OFF」(アーカイブ処理対象)の値に設定され、アーカイブ処理されたものについては「ON」(アーカイブ処理対象外)の値が設定される。(後述)
【0067】
以下、アーカイブ処理時における図1のシステムの動作について詳細に説明する。
【0068】
まず、上述の通りコンピュータはアーカイブ処理実行トリガーを送信することによりログ解析サーバー103を起動する。起動されたログ解析サーバー103はアーカイブ対象サーバー102に未送信分アクセスログの送信要求を行う。ここでいう未送信分アクセスログとは、アーカイブ処理実行トリガー受信前に最後に行われたアクセスログ転送以後に、アーカイブ対象サーバー102で取得されたアクセスログファイル112に保存されているアクセスログである。
【0069】
また、ログ解析サーバー103はアーカイブ対象サーバー102に命令して、アーカイブ対象ファイル111のアクセス制御の設定を行わせる。ここでいうアクセス制御の設定とは、アーカイブ処理実行中に、グループウェア等のクライアント101が通常運用によるアーカイブ対象ファイル111へのアクセスが行えないように設定することを意味する。これは、アーカイブ処理実行中にアーカイブ対象ファイル111への情報改変等が行われると、グループウェア等の共有システムにおいて整合性が取れなくなってしまう為である。ここでのアクセス制御の例としては、アーカイブ対象ファイル111に使用不可フラグ等を設定する方法等がある。
【0070】
次に、ログ解析サーバー103は、アクセスログファイル114に格納されているアクセスログを用いて、アーカイブ対象ファイル111において通常運用時に使用されたデータファイルの一覧(以下、「使用データファイルリスト」と称す。)のファイルを作成する。ここでのアクセスログファイル114は「アクセスファイル名」、「パス名」、「アクセス時刻」が結びついた情報を既に有している。その情報を利用してログ解析サーバー103が「アクセス時刻」の期間の指定(いつからいつまでか)を指定し、「アクセスファイル名」、「パス名」の組み合わせのデータを抽出することにより使用データファイルリストは作成される。
【0071】
また、ここでのログ解析サーバー103が行う「アクセス時刻」の期間の指定は、利用者の指示に基づきコンピュータが命令する方法がある。更に、事前に、利用者の指示に基づいてコンピュータがログ解析サーバー103に設定しておく方法もある。
【0072】
ここでいう使用データファイルリストとは、個別のアーカイブ対象ファイル111を識別するデータ(ファイル名等)と、当該アーカイブ対象ファイル111の論理的な位置情報(パスやURL等)とを結びつけたファイルである。以下、使用データファイルリストは「使用ファイル名」、「パス名」の各項目を有しているものとして説明する。
【0073】
続いて、ログ解析サーバー103は、アーカイブ処理サーバー104を起動し、作成した使用データファイルリストをアーカイブ処理サーバー104に転送する。これは、実際にアーカイブ処理を主導するのはアーカイブ処理サーバー104である為である。
【0074】
次に、アーカイブ処理サーバー104は、ファイル管理情報テーブル113のデータ(「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」等)を一行ずつ読み込む(以下、「読み込んだデータ」と略す。)。ここで、読み込んだデータの「アーカイブ実行フラグ」の値が「ON」(既にアーカイブ処理されている)である場合は、ファイル管理情報テーブル113の次の行を読み込み、「OFF」である行までこれを繰り返す。読み込んだデータの「アーカイブ実行フラグ」の値が「OFF」である行には以下の処理を行う。つまりファイル管理情報テーブル113のデータのうち、「アーカイブ実行フラグ」が「OFF」である行全てに、以下の処理を行うことになる。
【0075】
次に、読み込んだデータが使用データファイルリストに存在するかどうか、「ファイル名」と「パス名」との組み合わせを基準にして比較処理する。
【0076】
この比較処理の結果、読み込んだデータが使用データファイルリストに存在した場合(マッチした場合)は、アーカイブ処理サーバー104はファイル管理情報テーブル113から次の行のデータを読み込む。先の比較処理の結果、存在しなかった場合(アンマッチの場合)は、アーカイブ処理サーバー104は読み込んだデータのうち「ファイル名」と「パス名」とを不使用データリストファイル(後述)として出力し、ファイル管理情報テーブル113から次の行のデータを読み込む。
【0077】
以上の処理を、ファイル管理情報テーブル113のデータを読み込めなくなるまで(ファイルが終了するまで)行う。
【0078】
ここで、ファイル管理情報テーブル113も使用データファイルリストも、個別のファイルを識別するデータ(ファイル名等)とファイルの位置情報(パスやURL等)とが紐づいたデータを保持しているので上述の比較処理を行うことができる。また、ここでいう不使用データリストは、ファイル管理情報テーブル113より継承した個別のファイルを識別するデータ(ファイル名等)とファイルの位置情報(パスやURL等)とが紐づいたデータを保持している。以下、不使用データリストは「ファイル名」、「パス名」の各項目を有しているとして説明する。
【0079】
ここで、ファイル管理情報テーブル113は、上述したアーカイブ処理実行トリガー転送の直前、つまり通常運用時が終了した時点でのアーカイブ対象サーバー102が保持しているアーカイブ対象ファイル111の状態を示している。また、使用データファイルリストは、アクセスログファイル114のアクセスログにより作成されているので、通常運用時にアクセスされたデータファイルの一覧を保持している。この為、ファイル管理情報テーブル113のデータのうち、使用データファイルリストに含まれないデータは、指定された一定の期間アクセスされなかったアーカイブ対象ファイルを表すことになる。また、ファイル管理情報テーブル113において「アーカイブ実行フラグ」が「ON」であるデータについては、以前にアーカイブ処理されていることを表す(後述)ので、アーカイブ対象である不使用データリストから除外している。
【0080】
このように、上述のファイル管理情報テーブル113と使用データファイルリストのマッチング処理により、不使用データリストが作成される。そしてこの不使用データリストは、アーカイブ対象ファイル111のうちグループウェア等の共有システムの通常運用時に、指定された一定の期間に一度も使用されなかったデータの情報(「ファイル名」と「パス名」)を保持している。
【0081】
続いて、アーカイブ処理サーバー104は上述の処理で作成された不使用データリストのデータ(「ファイル名」と「パス名」)を一行ずつ読み込む(以下、「読み込んだデータ」と略す。)。更に、アーカイブ処理サーバー104は、読み込んだ「ファイル名」と「パス名」との組み合わせが示すアーカイブ対象ファイル111のデータファイルを、バックアップファイル116にコピーする。このコピー処理が正常に終了すると、アーカイブ処理サーバー104は、コピーしたアーカイブ対象ファイル111のデータファイルをアーカイブ対象ファイル111から削除する。更に、アーカイブ処理サーバー104は、当該データファイルを削除した論理的な場所に同一のファイル名で、データ不存在お知らせファイル(後述)を記録し、不使用データリストから次の行を読み込む。
【0082】
また、アーカイブ処理サーバー104は、以上のようなバックアップファイル116へのデータコピーの際に、いつ、どの場所(パス等の論理的な場所を表す。)のどのアーカイブ対象ファイル111が、バックアップファイル116のどの場所(パス等の論理的な場所を表す。)のどのファイルとして格納されたのかという紐付けファイル(以下「紐付けファイル」と称す。)を作成し、情報を保存する。以下、紐付けファイルは、以上のような情報を格納する為の「移動時刻」、「移動元ファイル名」、「移動元パス名」、「移動先ファイル名」、「移動先パス名」の各項目を有しているものとして説明する。
【0083】
以上の処理を、アーカイブ処理サーバー104は不使用データリストを読み込めなくなるまで(ファイルが終了するまで)行う。これにより、アーカイブ対象ファイル111のうち、不使用であったものをバックアップサーバー105が保持するバックアップファイル116に移動すること(アーカイブ処理)ができる。
【0084】
ここで、先のデータ不存在お知らせファイルとは、アーカイブ対象ファイル111からアーカイブされた対象ファイルが、バックアップファイル116に移動されたことを、グループウェア等の共有システム利用者にお知らせする小容量(数十〜数百KB程度)のデータファイルである。
【0085】
また、このデータ不存在お知らせファイルは、共有システムを通してシステム利用者からバックアップファイル116に移動されたデータファイルへのアクセス要求がアーカイブ対象サーバー102になされた時に、利用者に内容が参照される。その内容としては、文字や画像等の情報により、利用者が使用しようとしたデータファイルが移動されたことを知ることができるものであれば何でも良い。また、このデータ不存在お知らせファイルは、データ内容を一定にした方が容量効率が良く、その雛型は図1に示すどの構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105が管理していてもかまわない。
【0086】
このデータ不存在お知らせファイルを、アーカイブ対象のデータファイルと同一場所(パス等の論理的な場所を表す。)、同一ファイル名で上書き処理することにより、システム利用者がデータファイルの移動が行われた事を知る事ができる。更に、このデータ不存在お知らせファイルはアーカイブ対象のデータファイルよりも小容量のファイルであるので、アーカイブ対象ファイル111が記録されている媒体の空き容量を増やす事ができる。
【0087】
以上のように、アーカイブ処理サーバー104がデータファイルのアーカイブ処理を終えると、アーカイブ処理サーバー104は作成した紐付けファイルをログ解析サーバー103に転送する。更に、ログ解析サーバー103は、受信した紐付けファイルの内容を移動ファイルリスト115に保存する。
【0088】
続いて、ログ解析サーバー103は、受信した紐付けファイルのデータ(「移動元ファイル名」と「移動元パス名」)を一行ずつ読み込む(以下、「読み込んだデータ」と略す。)。ここで、ログ解析サーバー103は、読み込んだ「移動元ファイル名」と「移動元パス名」との組み合わせと、一致する「ファイル名」と「パス名」との組み合わせをもつファイル管理情報テーブル113のデータを検索する。そして、この検索の結果が一致したファイル管理情報テーブル113の「アーカイブ実行フラグ」の値を「ON」(アーカイブ処理対象でない)に設定し、受信した紐付けファイルのデータから次の行を読み込み、上記の処理を繰り返す。以上の処理を、ログ解析サーバー103は受信した紐付けファイルのデータを読み込めなくなるまで(ファイルが終了するまで)行う。この処理により、データ不存在お知らせファイルがアーカイブ処理されることを防ぐことが可能となる。
【0089】
以上のようにデータアーカイブ処理が行われると、ログ解析サーバー103はアーカイブ処理サーバー104とバックアップサーバー105を終了させる。ここで、グループウェア等の共有システムにおける通常運用時の状態が整う為、ログ解析サーバー103がアーカイブ対象サーバー102へアーカイブ対象ファイル111のアクセス制御の設定を解除させる。以上のような処理が正常に終了すると、ログ解析サーバー103は自動的に終了する。このような一連の処理により、再びグループウェア等の共有システムの通常運用が可能になる。
【0090】
通常運用時に、先のデータアーカイブ処理によりアーカイブ対象ファイル111から移動されたデータファイルへのアクセス要求が生じた場合、上書きを行ったデータ不存在お知らせファイルが呼び出され、画面上に表示されることにより利用者に当該データファイルの移動が行われた事を知らせる。
【0091】
更に、ファイル管理情報テーブル113において「アーカイブ実行フラグ」の値が「ON」(アーカイブ処理対象外)であるデータ不存在お知らせファイルが、共有システム管理者等により通常のデータファイルへの置き換え等が行われると、ファイル管理情報テーブル113での「アーカイブ実行フラグ」の値は「OFF」に設定される。
【0092】
また、アーカイブ対象サーバー102及びアーカイブ対象ファイル111と、バックアップサーバー105及びバックアップファイル116とは物理的に異なる種類の記憶媒体に格納されることが好ましい。これは、アーカイブ対象ファイル111を、バックアップファイル116よりも容量当たりの単位コスト(以下「単位コスト」と略す。)が高い記憶媒体に記録することにより、平均的な単位コストを抑制することができる為である。この例として、アーカイブ対象サーバー102及びアーカイブ対象ファイル111をハードディスク装置に、バックアップサーバー105及びバックアップファイル116を大容量テープ装置にそれぞれ記憶することにより、平均単位コストを抑制することが可能である。
【0093】
更に、図1における構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105が行う処理は、全てコンピュータがプログラム等を解釈し、実行することにより行われるものである。
【0094】
このように、本実施形態によれば、先の図1のシステムにおける通常運用時及びアーカイブ処理時の動作によって、グループウェア等の共有システムの管理者が退避、保管するデータファイルの選択を判別しなくても良い手段を提供することができる。
【0095】
また、先の図1のシステムにおけるアーカイブ処理時に保存された、データ不存在お知らせファイルが利用者に参照されることにより、利用者が参照を指示したデータファイルが削除されてしまい、どこにも保管されていないのではないかと誤認させない為の手段を提供することができる。
【0096】
これに加え、ファイル管理情報テーブル113に「アーカイブ実行フラグ」の項目を保持することにより、データ不存在お知らせファイルをアーカイブ処理してしまうという、アーカイブ処理における誤動作を防ぐ為の手段を提供することができる。
【0097】
更に、先の図1のシステムにおけるアーカイブ処理時の動作によって、グループウェア等の共有システムで管理するデータファイルの増大を防ぐ為の手段を提供することができる。
【0098】
[実施形態2]
【0099】
次に、本発明の他の実施形態を図2に基づいて説明する。ここで上記実施形態と同一の構成部分については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0100】
図2に示すシステムは、図1に示すグループウェア等の共有システムにおけるデータアーカイブシステムの構成図に、課金データ取得サーバー106と課金データファイル117とを加えたシステムの構成図である。
【0101】
ここで、図2に示すシステムにおける各構成要素は、課金データ取得サーバー106、課金データファイル117、ファイル管理情報テーブル118以外は図1に示すシステムにおける各構成要素と同種のものであるので重複説明を省く。
また、図2におけるファイル管理情報テーブル118は、図1におけるファイル管理情報テーブル113と同種のものではあるが、そのデータ構造に差異がある為、違う符合を付している。
【0102】
以下、課金データ取得サーバー106、課金データファイル117、更にファイル管理情報テーブル118について説明する。
【0103】
まず、課金データ取得サーバー106はアーカイブ対象ファイル111のデータ保持単位(ファイル等)毎のデータ量を監視し、そのデータ量の情報を取得する役割をもつソフトウェアである。また、課金データ取得サーバー106は課金データファイル117を管理し、情報の更新等をおこなう。
【0104】
次に、課金データファイル117は、アーカイブ対象ファイル111のデータ保持単位(ファイル等)毎のデータ量を管理する為のファイルである。この課金データファイル117は、データ保持単位(ファイル等)を識別する情報と、データ量と、そのデータ量であった時刻と、どの端末の管理ファイルであるかとを記録する各項目を有している。その項目の一例として、「課金ファイル名」、「課金ファイルパス名」、「データ容量」、「データ取得時刻」、「データ所有端末識別子」等がある。また、課金データファイル117はそれらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、課金データファイル117は、「課金ファイル名」、「課金ファイルパス名」、「データ容量」、「データ取得時刻」、「データ所有端末識別子」の各項目を有しているものとして説明する。
【0105】
続いて、ファイル管理情報テーブル118は、実施形態1で説明したように個別のアーカイブ対象ファイル111を識別するデータ(ファイル名等)と、そのアーカイブ対象ファイル111が記憶媒体上のどこに存在するかの論理的な位置情報(パスやURL等)とを記録する各項目を有している。更に、そのアーカイブ対象ファイル111が以前アーカイブ処理されたものであるか否かを記録する項目も有している。以上の項目の一例として、「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」等がある。
【0106】
更にこの実施形態2においてファイル管理情報テーブル118は、そのアーカイブ対象ファイル111における、データ量と、管理を行っている端末を識別する情報とを記録する各項目を有している。その項目の一例として、「ファイルデータ量」、「管理端末識別子」等がある。また、ファイル管理情報テーブル118では、それらの項目の情報が紐付けされたデータ構造である。以下、ファイル管理情報テーブル118は「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」、「ファイルデータ量」、「管理端末識別子」の各項目を有しているものとして説明する。
【0107】
以上が図2に示すシステム構成要素とデータ構造についての説明であり、このうち各構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105,106はコンピュータネットワークで相互に通信が行える状態になっている。このコンピュータネットワークは、インターネット、LAN、WAN、無線通信網、フレームリレー等電気的な通信が行えるものならば何でも良い。
【0108】
次に、図2に示すシステム構成要素がどのように相互の働きかけを行い、データアーカイブ処理及び課金データの取得が実行されるのかの説明を行う。ここで上記実施形態と同一の処理内容については重複説明を省略し、簡単に説明することとする。
【0109】
ここでは、まず通常運用時の図2に示すシステムの処理を説明し、その後にデータアーカイブ実行時の図2に示すシステムの処理を説明する。ここで通常運用時とは、グループウェア等の共有システムが運用され、利用者の指示を元にしてコンピュータに使用されている時を意味する。またデータアーカイブ実行時とは、グループウェア等の共有システムの運用が一旦停止され、データファイルのアーカイブがシステムによりなされる時を意味する。
【0110】
まず、グループウェア等の共有システムの利用者(以下「利用者」と略す。)の指示に基づいてコンピュータがグループウェア等のクライアント101を起動する。そして、利用者の指示に基づき、コンピュータがグループウェア等のクライアント101を使用することによりグループウェア等の共有システム利用環境が提供される。
【0111】
ここで、利用者の指示に基づいてコンピュータがグループウェア等のクライアント101にデータファイルの参照・使用・変更等を指示すると、グループウェア等のクライアント101はアーカイブ対象サーバー102が保持するアーカイブ対象ファイル111へアクセスを行う。このアクセスがされる毎に、アーカイブ対象サーバー102は、どのデータファイルに対して、どの端末が、どの時刻に、アーカイブ対象ファイル111のどのデータ(ファイルを含む)にどのような処理(参照・使用・変更等)を行ったかの情報(以下、「アクセスログ」と略す。)を取得し、アクセスログファイル112に保存する。
【0112】
更に、先のアクセスがされアーカイブ対象ファイル111の保持しているデータ(ファイルを含む)が追加(新規作成を含む)されたり、削除されたりすると、その内容を都度アーカイブ対象サーバー102はファイル管理情報テーブル118に反映し最新の状態を保つ。ここで反映される内容とは、「ファイル名」、「パス名」、「アーカイブ実行フラグ」、「ファイルデータ量」、「管理端末識別子」の各項目のことである。
【0113】
このうち「管理端末識別子」については、当該ファイルが新規作成された時に、作成をコンピュータに指示した端末の識別情報を保持しており、その後当該ファイルにデータの改変が加えられても変更はされない。しかし、共有システムの管理者等の指示に基づいて、コンピュータが当該ファイルの管理端末の変更を指令すると、「管理端末識別子」の情報は変更される。
【0114】
また実施形態1と同様に、アーカイブ対象ファイル111の保持しているデータが新規作成された場合、ファイル管理情報テーブル118での「アーカイブ実行フラグ」の値は「OFF」(アーカイブ処理対象)に設定される。
【0115】
ここで、アーカイブ対象サーバー102が、アクセスを行った端末を判別するにはIPアドレス、MACアドレス、OSのネットワーク機能により管理されている端末識別データ等を利用する方法がある。更に、アーカイブ対象サーバー102がアクセスされた時刻を判別するには、アーカイブ対象サーバー102と連携しているシステム(OS等)の時間情報等を利用する方法がある。これに加え、アーカイブ対象サーバー102がアーカイブ対象ファイル111のどのデータ(ファイルを含む)にどのような作業が行われたかを判別するには、ファイル管理情報テーブル118が持っている、「ファイル名」項目と「パス名」項目とを利用する。
【0116】
次に、アーカイブ対象サーバー102がログ解析サーバー103にアクセスログファイル112に保存しているアクセスログを転送し、ログ解析サーバー103は受信したアクセスログをアクセスログファイル114に保存する。もしくは、ログ解析サーバー103がアーカイブ対象サーバー102に命令し、アクセスログファイル112に保存されているアクセスログを取得して、アクセスログファイル114に保存する。このアーカイブ対象サーバー102から、ログ解析サーバー103へのアクセスログ転送処理の内容は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0117】
続いて、課金データ取得サーバー106がファイル管理情報テーブル118から、「ファイル名」、「パス名」、「ファイルデータ量」、「管理端末識別子」の各項目データを全件、又は一部取得する。更に、課金データ取得サーバー106は取得処理を行った時刻の情報を連携しているシステム等から取得する。以上のような取得データを、以下「課金データ」と称す。
【0118】
そして、課金データ取得サーバー106は上述のような課金データを、課金データファイル117の「課金ファイル名」、「課金ファイルパス名」、「データ容量」、「データ取得時刻」、「データ所有端末識別子」の各項目にそれぞれ格納する。
【0119】
この課金データ取得処理の実行タイミングは、共有システムの管理者等の指示に基づいて、コンピュータが課金データ取得サーバー106に事前に設定することにより自動実行される。その実行開始条件は、設定された一定の時刻になった時、一定データ容量を超えた時、データアーカイブ処理実行前や後等の、各種条件を複数組み合わせた条件に合致したときに実行される。また、この課金データ取得処理の実行は、先のアクセスログ転送処理と連動して実行される必要は無い。つまり、先のアクセスログ転送処理が行われた後等に必ず実行されるわけではなく、アクセスログ転送処理と課金データ取得処理とは、別々の実行条件が設定されていてもかまわない。
【0120】
以上が、グループウェア等の共有システムの通常運用時における図2のシステムの動作である。ここで実施形態1と同様に、コンピュータがログ解析サーバー103にアーカイブ処理実行トリガーを送信し、ログ解析サーバー103を起動することにより、データファイルのアーカイブ処理が開始される。
【0121】
ここでの、アーカイブ処理時における図2のシステムの各動作については実施形態1と同様であるので重複説明を省略する。
【0122】
以上のように通常運用時において、課金データ取得サーバー117により課金データファイル106に課金データが保存される。また、この課金データを元にして「データ所有端末識別子」毎の「データ容量」、「データ取得時刻」を使用した課金算出処理が行うことが可能になる。例えば、課金データファイル106から取得した課金データに「データ取得時刻」の期間の指定(いつからいつまでか)を行い対象データの抽出を行う。そしてその対象データを「データ所有端末識別子」毎にソートし、「データ所有端末識別子」毎にサマリーする。更に、サマリーしたデータの各レコードの「データ容量」に一定の課金係数で計算処理を行う等の、各種課金算出処理方法がある。
【0123】
また、図2における構成要素ソフトウェア101,102,103,104,105,106が行う処理は、実施形態1と同様に全てコンピュータがプログラム等を解釈し、実行することにより行われるものである。
【0124】
このように、本実施形態によれば、先の図2のシステムにおける通常運用時の課金データ取得サーバー106の処理によって、共有システム管理者が共有システムから課金データを取得する為の手段を提供することができる。
【0125】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、アーカイブ対象ファイルに出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、一定期間使用されていないデータアクセス対象ファイルだけを自動的に選択して、アーカイブ処理することが可能になる為、従来のようにグループウェア等の共有システムの管理者等が、アーカイブ対象となる前記のデータアクセス対象ファイルの選択を判別しなくてもよい。
【0126】
また、アーカイブ対象ファイルに出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、一定期間使用されていない前記のデータアクセス対象ファイルだけを自動的に選択して、アーカイブ処理することが可能になる為、従来と異なりグループウェア等の共有システムで管理するデータファイルの増大を容易に防ぐことができる、という従来にない優れたファイル管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム全体の構成図である。
【図2】図1に示すシステム構成図に、課金データ取得サーバー106と課金データファイル117とを加え、ファイル管理情報テーブル113をファイル管理情報テーブル118に変更した、本発明の一実施形態を示すシステム全体の構成図である。
【符号の説明】
101 グループウェア等のクライアント
102 アーカイブ対象サーバー
103 ログ解析サーバー
104 アーカイブ処理サーバー
105 バックアップサーバー
106 課金データ取得サーバー
111 アーカイブ対象ファイル
112 アクセスログファイル
113 ファイル管理情報テーブル
114 アクセスログファイル
115 移動ファイルリスト
116 バックアップファイル
117 課金データファイル
118 ファイル管理情報テーブル
Claims (10)
- グループウェア等の共有システムにおけるクライアントシステムと、当該クライアントシステムのデータアクセス要求に対してデータアクセスを提供するサーバーシステムとを備え、
前記サーバーシステムが、
前記データアクセス要求の対象となる複数のデータアクセス対象ファイルと、前記複数のデータアクセス対象ファイルについて、アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績とを関連付けてそれぞれ記憶したアクセスログファイルと、
前記データアクセス対象ファイル毎に、アクセス対象ファイル識別子を記憶したファイル管理情報テーブルと、を備えたシステムにおいて、
前記サーバーシステムが、前記クライアントシステムからデータアクセス要求を受けると、当該データアクセスを要求されたデータアクセス対象ファイルの、当該アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績との関連付けをアクセスログファイルに記録するステップと、
前記サーバーシステムが、前記アクセス実績の期間指定に応じて、前記アクセスログファイルから最近アクセスされたアクセス対象ファイルの前記アクセス対象ファイル識別子を抽出するステップと、
前記サーバーシステムが、前記ファイル管理情報テーブルに記憶されているアクセス対象ファイル識別子のうち、前記アクセスログファイルから抽出した前記アクセス対象ファイル識別子と一致しないアクセス対象ファイル識別子をデータアーカイブ対象ファイルとして出力するステップと、を実行することを特徴とするファイル管理方法。 - 請求項1記載のファイル管理方法において、
前記サーバーシステムが、前記データアクセス対象ファイルが移動されたことを利用者に認識させる、ファイル不存在お知らせファイルを備え、
前記サーバーシステムは、前記データアーカイブ対象ファイルとして出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、前記データアクセス対象ファイルとファイル不存在お知らせファイルとを置換するステップを実行することを特徴とするファイル管理方法。 - 請求項1記載のファイル管理方法において、
前記ファイル管理情報テーブルが、前記アクセス対象ファイル識別子毎に、当該ファイルのファイル容量とファイル所有者識別子とを関連付けてそれぞれ記憶し、
前記サーバーシステムは、課金演算が指示されると、
前記ファイル管理情報テーブルの記録に基づいて、前記ファイル所有者識別子毎に前記ファイル容量を集計し、当該集計結果を前記ファイル容量に応じた課金をするために所定のファイルに書き出すことを特徴としたファイル管理方法。 - グループウェア等の共有システムにおけるクライアントシステムと、当該クライアントシステムのデータアクセス要求に対してデータアクセスを提供するサーバーシステムとを備え、
前記サーバーシステムが、
前記データアクセス要求の対象となる複数のデータアクセス対象ファイルと、前記複数のデータアクセス対象ファイルについて、アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績とを関連付けてそれぞれ記憶したアクセスログファイルと、
前記データアクセス対象ファイル毎に、アクセス対象ファイル識別子を記憶したファイル管理情報テーブルと、を備えたシステムにおいて、
前記サーバーシステムが、前記クライアントシステムからデータアクセス要求を受けると、当該データアクセスを要求されたデータアクセス対象ファイルの、当該アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績との関連付けをアクセスログファイルに記録するステップと、
前記サーバーシステムが、前記アクセス実績の期間指定に応じて、前記アクセスログファイルから最近アクセスされたアクセス対象ファイルの前記アクセス対象ファイル識別子を抽出するステップと、
前記サーバーシステムが、前記ファイル管理情報テーブルに記憶されているアクセス対象ファイル識別子のうち、前記アクセスログファイルから抽出した前記アクセス対象ファイル識別子と一致しないアクセス対象ファイル識別子をデータアーカイブ対象ファイルとして出力するステップと、を実行することを特徴とするファイル管理システム。 - 請求項4記載のファイル管理システムにおいて、
前記サーバーシステムが、前記データアクセス対象ファイルが移動されたことを利用者に認識させる、ファイル不存在お知らせファイルを備え、
前記サーバーシステムは、前記データアーカイブ対象ファイルとして出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、前記データアクセス対象ファイルとファイル不存在お知らせファイルとを置換するステップを実行することを特徴とするファイル管理システム。 - 請求項4記載のファイル管理システムにおいて、
前記ファイル管理情報テーブルが、前記アクセス対象ファイル識別子毎に、当該ファイルのファイル容量とファイル所有者識別子とを関連付けてそれぞれ記憶し、
前記サーバーシステムは、課金演算が指示されると、
前記ファイル管理情報テーブルの記録に基づいて、前記ファイル所有者識別子毎に前記ファイル容量を集計し、当該集計結果を前記ファイル容量に応じた課金をするために所定のファイルに書き出すことを特徴としたファイル管理システム。 - グループウェア等の共有システムにおけるクライアントシステムのデータアクセス要求に対してデータアクセスを提供するサーバーシステムであって、
前記サーバーシステムが、
前記データアクセス要求の対象となる複数のデータアクセス対象ファイルと、前記複数のデータアクセス対象ファイルについて、アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績とを関連付けてそれぞれ記憶したアクセスログファイルと、
前記データアクセス対象ファイル毎に、アクセス対象ファイル識別子を記憶したファイル管理情報テーブルと、を備えたサーバーシステムにおいて、
当該サーバーシステムのコンピュータに、
前記クライアントシステムからデータアクセス要求を受けると、当該データアクセスを要求されたデータアクセス対象ファイルの、当該アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績との関連付けをアクセスログファイルに記録するステップと、
前記アクセス実績の期間指定に応じて、前記アクセスログファイルから最近アクセスされたアクセス対象ファイルの前記アクセス対象ファイル識別子を抽出するステップと、
前記ファイル管理情報テーブルに記憶されているアクセス対象ファイル識別子のうち、前記アクセスログファイルから抽出した前記アクセス対象ファイル識別子と一致しないアクセス対象ファイル識別子をデータアーカイブ対象ファイルとして出力するステップと、を実行させることを特徴としたファイル管理プログラム。 - 請求項7記載のファイル管理プログラムにおいて、
前記サーバーシステムが、前記データアクセス対象ファイルが移動されたことを利用者に認識させる、ファイル不存在お知らせファイルを備え、
前記サーバーシステムのコンピュータに、前記データアーカイブ対象ファイルとして出力されたアクセス対象ファイル識別子に基づいて、前記データアクセス対象ファイルとファイル不存在お知らせファイルとを置換するステップを実行させることを特徴としたファイル管理プログラム。 - 請求項7記載のファイル管理プログラムにおいて、
前記ファイル管理情報テーブルが、前記アクセス対象ファイル識別子毎に、当該ファイルのファイル容量とファイル所有者識別子とを関連付けてそれぞれ記憶し、
前記サーバーシステムのコンピュータに、課金演算が指示されると、 前記ファイル管理情報テーブルの記録に基づいて、前記ファイル所有者識別子毎に前記ファイル容量を集計し、当該集計結果を前記ファイル容量に応じた課金をするために所定のファイルに書き出す処理を実行させることを特徴としたファイル管理プログラム。 - 請求項7、8、又は9に記載のプログラムを記録した記録媒体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003101878A JP2004310357A (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | ファイル管理方法及びシステム、並びにファイル管理プログラム及びファイル管理プログラムを記録した媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003101878A JP2004310357A (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | ファイル管理方法及びシステム、並びにファイル管理プログラム及びファイル管理プログラムを記録した媒体 |
Publications (1)
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---|---|---|---|---|
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- 2003-04-04 JP JP2003101878A patent/JP2004310357A/ja active Pending
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