JP2004307900A - Method of producing organic-inorganic composite material containing metal ultra-fine particles - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子を含む溶液中で金属超微粒子を調製することによる金属超微粒子を含有する有機無機複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や金属は、粒子径がナノメートルサイズのいわゆる超微粒子とよばれるサイズまで小さくなると自由電子の数が激減し、量子サイズ効果と呼ばれるバルクの状態とは異なる性質が発現することが知られている。しかしながら、超微粒子は表面エネルギーが高く、粒子同士が不可逆的に凝集する傾向が高いという間題点があるだけでなく、サイズがナノメートルオーダーであるため、取り扱いが非常に困難である。したがって、超微粒子の凝集を抑制しつつ、より実用的な機能性材料として応用するためには、このような超微粒子を高分子や無機材料等と何らかの形で複合化して固定する方法が採られている。
【0003】
超微粒子の製造方法としては、気相法のガス中分散法、液相法の金属イオン還元法等が知られているが、液相中で調製する方法のほうが、超微粒子の表面修飾・凝集抑制、高分子等との複合化等が容易である。
従来、高分子を含む溶液中で金属超微粒子を製造する方法としては、高分子および金属塩を含む溶液中に還元剤を添加する方法や、各種エネルギー線の照射、または加熱操作により金属塩を分解して金属超微粒子を製造する方法等がある。
【0004】
低分子型還元剤を用いる方法としては、金属塩を含む溶液中に水素を注入する、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ヒドラジンなどを添加するなどの方法が知られている。
特許文献1には、ピロリドン基を有するポリマーおよび金属塩を含む溶液中に水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)等の還元剤を添加することにより、金属塩を安定化させた高分子複合体を調製する方法が記載されている。
【0005】
エネルギー線を照射する方法としては、金属塩を含む溶液に電子線、紫外線、可視光、マイクロ波、超音波等を照射する方法が知られている。
特許文献2には、還元性の有機溶媒に金属塩を溶解または分散させた後、マイクロ波を照射することによって、金属塩を還元させ、金属超微粒子を調製する方法が記載されている。
SDSまたはPEG水溶液中で超音波照射することにより、Au、Pd超微粒子を調製する例(非特許文献1参照)や、ポリエチレングリコールモノラウレート等の保護剤の存在下で、可視光または紫外光を照射することにより、Pt、Rhなどの超微粒子を調製する例(非特許文献2参照)も報告されている。
【0006】
加熱する方法としては、金属塩の分解温度まで溶媒を加熱する方法や、金属塩を含む溶液にエタノールなどのアルコールを添加して還流するアルコール還流法(非特許文献3および非特許文献4参照)等が知られている。
【0007】
特許文献3には、金属と親和性のあるポリマー鎖と金属と親和性の無いまたは低いポリマー鎖を有するブロックポリマーおよび金属塩を、それらが溶解可能な金属イオンを還元する能力のある高沸点の溶剤と低沸点の溶剤とからなる混合溶媒に溶解させた後、低温において低沸点の溶剤を除去してブロックポリマーのミクロ相分離構造を形成させた後、高温において高沸点の溶剤を除去しながら金属イオンを還元し、金属超微粒子を含む高分子複合体を得る方法が記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−224006号公報
【特許文献2】
特開2000−256707公報
【特許文献3】
特開2000−72952公報
【非特許文献1】
大阪冶金会会誌、第40巻、39頁(2000年)
【非特許文献2】
高分子論文集、第52巻12号、809頁(1995年)
【非特許文献3】
触媒、第41巻7号、521頁(1999年)
【非特許文献3】
高分子、43巻12月号、(1994年)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
低分子型還元剤または水素分子を添加する方法では、還元剤によっては高分子も還元されることがあるため、用いる高分子が限定されるという問題点や還元剤の毒性・危険性等の問題がある。
電子線、紫外線、マイクロ波、超音波などのエネルギー線を用いる場合、エネルギー線を照射する工程が含まれるため、生産性が低い、高コストであるなどの問題や高分子によっては劣化するなどの問題がある。
加熱する方法を用いる場合、高分子によっては劣化するなどの問題がある。
【0010】
本発明の目的は、低分子型還元剤の添加、エネルギー線の照射または加熱操作をすることなく、より簡便な手法で金属超微粒子を含む有機無機複合材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、高分子(A)、該高分子を溶解する溶媒(B)および任意成分である他の成分(C)からなる溶液中において、高分子(A)または該高分子を溶解する溶媒(B)の少なくとも一方が還元性を有し、任意成分である他の成分(C)が還元性を有さない成分である溶液中に、少なくとも一種の金属塩を溶解させ、溶媒の沸点、溶媒中における該金属塩の分解温度または100℃のいずれか最も低い温度より低い温度で、外部より水素分子および低分子分解型還元剤の添加並びにエネルギー線および超音波の照射をすることなく高分子(A)および/または溶媒(B)の還元性により前記金属塩を還元して金属超微粒子を得ることを特徴とする金属超微粒子を含有する有機無機複合材料の製造方法に関する本発明を完成するに至った。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の金属超微粒子を含む有機・無機複合材料の製造方法においては、高分子(A)と該高分子を溶解させる溶媒(B)とを含む溶液のうち高分子(A)および/または高分子を溶解させた溶媒(B)が還元性を有することが必要である。該高分子(A)または該高分子を溶解する溶媒(B)は単独の成分でも良いが、2種類以上の高分子または溶媒の混合物であっても良い。高分子(A)の配合量は、高分子(A)の溶媒(B)に対する溶解性を考慮して適宜決定され得るが、高分子(A)と溶媒(B)の合計量に対して30〜1.0質量%の範囲内であるのが溶液の取り扱い性などの点から好ましい。
【0013】
還元性を有する溶媒としては、ピリジンおよびピリジン誘導体、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、アセトン、アルコール類、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機アミド類、エチレンジアミンなどの有機アミン類が挙げられるが上記化合物に限定されるものではない。
【0014】
還元性を有する高分子としては、溶媒に溶解するものであることが必要であり、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドンなどのビニル化合物およびその誘導体が挙げられるが、上記化合物に限定されるものではない。
【0015】
また、溶媒が還元性を有する場合、高分子は還元性を示さなくてもよく、この場合、溶媒に溶解するものであれば、いかなる高分子を用いてもよい。ただし、高分子が存在しないと前記のとおり、超微粒子は凝集しやすいため、超微粒子の安定化保護剤として高分子の添加は必要である。
逆に高分子が還元性を有する場合には、溶媒は還元性を示さなくてもよく、この場合、高分子を溶解可能なものであれば、いかなる溶媒を用いてもよい。
【0016】
また、任意に添加され得るその他成分(C)は、還元性を有さない成分であれば、特に限定はなく、例えば、他の高分子、溶媒、または金属塩の安定化保護剤として、アミノ基、ピリジル基、チオール基等を有する低分子化合物などが挙げられる。その他成分(C)の配合量は、その機能が損なわれない範囲において、高分子(A)と溶媒(B)とからなる溶液に溶解し得る量であればいくらでもよい。
【0017】
金属塩としては、上記溶媒に溶解するものであることが必要であるが、上記金属塩の種類は特に限定されるものではなく、得られる超微粒子を構成する金属の種類に応じていかなる種類の金属塩をも使用することができる。金属塩としては、例えば、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩、アセチルアセトナト塩を挙げることができる。金属種としては還元性を示す高分子または溶媒によって、容易に還元される貴金属元素等であることが望ましく、例えば、Au、Ag、Pt、Pd、Rhなどの金属元素が挙げられる。
【0018】
金属塩が溶媒中に溶解するかどうかについては、本発明を実施するに当たって選択した金属塩及び溶媒の組み合わせ、および溶媒に対する金属塩の量によって決定される。溶媒に対して金属塩が溶解しにくい場合、金属塩をあらかじめ別の溶媒に溶解させた後、前記溶媒と混合することができる。例えば、金属塩をあらかじめ水に溶解させた後、アルコール類やアミド類などの別の溶媒と混合して用いてもよい。金属塩の配合量は上記のように溶解性を考慮して適宜決定され得るが、高分子(A)、溶媒(B)およびその他の成分(C)の合計量100質量部に対して0.001〜5質量部の範囲内であるのが好ましく、0.01〜1.0質量部の範囲内であるのがより好ましい。
【0019】
また、溶媒中に溶解させる金属塩の種類は、必ずしも一種類に限定されるものではない。超微粒子を構成する金属の種類に応じて複数の種類の金属塩を使用することができる。
【0020】
本発明における金属超微粒子を含む有機・無機複合材料の製造方法については、最終的に高分子、金属塩、溶媒からなる構成であれば、高分子および金属塩の溶解手順については特に限定されるものではない。例えば、溶媒に高分子を溶解させた後、金属塩を溶解させてもよく、逆に溶媒に金属塩を溶解させた後、高分子を溶解させてもよい。また、高分子を溶解させた溶液と金属塩を溶解させた溶液とを混合してもよい。
【0021】
本発明における金属超微粒子を含む有機無機複合材料の製造時の温度は、100℃以下で、溶媒の沸点以下、かつその溶媒中における金属塩の分解温度以下であればよく、できれば常温であることが簡便であり望ましい。
【0022】
本方法により得られた金属超微粒子を含有する有機無機複合材料は、非線形光学材料、光波長カットフィルター、超微粒子担持触媒、導電性ペースト・接着剤等の導電性材料、ハードコート性または高屈折率または抗菌・抗カビ性等を有する各種コーティング材料などに利用できる。
本発明における金属超微粒子の平均粒径は1.0〜1000nmの範囲内であるのが好ましいが、前記種々の用途毎に最適な粒径を選択し得るものである。該金属微粒子の粒径は、含有する高分子(A)、溶媒(B)、その他の成分(C)および金属塩の種類および配合量並びに金属微粒子の作製環境など種々の要因によって変化させることが可能である。
【0023】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0024】
<実施例1>
ジメチルスルホキシドにポリビニルアルコール(クラレ製 ポバール PVA−117)を加熱溶解させ10質量%としたもの5gを静置し、常温まで自然冷却させた。次に、ジメチルスルホキシド5gに硝酸銀0.03gを溶解させ、前記ポリビニルアルコールを溶解させたジメチルスルホキシド溶液と常温で混合すると硝酸銀の還元が進行し、銀超微粒子を含むポリビニルアルコール溶液が得られた。
また、ポリビニルアルコールを溶解させたジメチルスルホキシド溶液に、直接硝酸銀を溶解させた場合も同様に、銀超微粒子を調製することができた。
得られた銀超微粒子を含むポリビニルアルコール複合材料を真空乾燥させた後、透過型電子顕微鏡により観察したところ、図1に示すように20nm以下の銀超微粒子が生成していることを確認することができた。
【0025】
<実施例2>
ジメチルスルホキシドにポリビニルアルコール(クラレ製 ポバール PVA−117)を加熱溶解させ10質量%としたもの5gを静置し、常温まで自然冷却させた。次に、水5gに硝酸銀0.03gを溶解させ、前記ポリビニルアルコールを溶解させたジメチルスルホキシド溶液と常温で混合すると硝酸銀の還元が進行し、銀超微粒子を含むポリビニルアルコール溶液が得られた。
また、この場合、水とジメチルスルホキシドの作用によって、ポリビニルアルコールのゲル化が進行し、金属超微粒子含有ゲルを得ることができた。
【0026】
<実施例3>
水にポリビニルアルコール(クラレ製 ポバール PVA−117)を加熱溶解させ10質量%としたものを静置し、常温まで自然冷却させた。次に、前記ポリビニルアルコール水溶液とN,N−ジメチルホルムアミドを1:1の質量比で混合した。次に前記混合溶液10gに硝酸銀0.03gを加え、撹拌することで前記溶液に溶解させたところ、すぐに硝酸銀の還元が進行し、銀超微粒子を含むポリビニルアルコール溶液が得られた。
また、この場合、水とジメチルホルムアミドの作用によって、ポリビニルアルコールのゲル化が進行し、金属超微粒子含有ゲルを得ることができた。
【0027】
<実施例4>
水にポリビニルアルコール(クラレ製 ポバール PVA−117)を加熱溶解させ10質量%としたものを静置し、常温まで自然冷却させた。次に、前記ポリビニルアルコール水溶液とエチレングリコールを1:1の質量比で混合した。次に前記混合溶液10gに硝酸銀0.03gを加え、撹拌することで前記溶液に溶解させたところ、すぐに硝酸銀の還元が進行し、銀超微粒子を含むポリビニルアルコール溶液が得られた。
【0028】
<実施例5>
ジメチルスルホキシドにポリビニルピロリドン(和光純薬製)を溶解させ5質量%とした。次に、前記ポリビニルピロリドン水溶液10gに硝酸銀0.03gを加え、撹拌することで前記溶液に溶解させたところ、すぐに硝酸銀の還元が進行し、銀超微粒子を含むポリビニルピロリドン溶液が得られた。
【0029】
<実施例6>
水にポリビニルピロリドン(和光純薬製)を溶解させ5質量%とした。次に、前記ポリビニルピロリドン水溶液10gに硝酸銀0.03gを加え、撹拌することで前記溶液に溶解させたところ、ゆっくりと硝酸銀の還元が進行し、1日後には透明な溶液が薄く茶色に着色しており、銀超微粒子を含むポリビニルピロリドン溶液が得られたことがわかった。
【0030】
<実施例7>
ジメチルスルホキシドにポリアクリル酸(和光純薬製)を溶解させ5質量%とした。次に、前記ポリアクリル酸水溶液10gに硝酸銀0.03gを加え、撹拌することで前記溶液に溶解させたところ、すぐに硝酸銀の還元が進行し、銀超微粒子を含むポリビニルピロリドン溶液が得られた。
【0031】
<実施例8>
ジメチルスルホキシドにポリ(オキシエチレン)ジプロピルアミン(和光純薬製)を溶解させ5質量%とした。次に、前記ポリ(オキシエチレン)ジプロピルアミン溶液10gに硝酸銀0.03gを加え、撹拌することで前記溶液に溶解させ、1日静置したところ、硝酸銀の還元が進行し、銀超微粒子を含むポリ(オキシエチレン)ジプロピルアミン溶液が得られた。
【0032】
<実施例9>
ジメチルスルホキシドにポリビニルアルコール(クラレ製 ポバール PVA−117)を加熱溶解させ5質量%としたものを静置し、常温まで自然冷却させた。次に、前記ポリビニルアルコール溶液10gに酢酸銀0.03gを加え、しばらく静置すると硝酸銀の還元が進行し、銀超微粒子を含むポリビニルアルコール溶液が得られた。
【0033】
<実施例10>
ジメチルスルホキシドにポリビニルアルコール(クラレ製 ポバール PVA−117)を加熱溶解させ5質量%としたものを静置し、常温まで自然冷却させた。次に、前記ポリビニルアルコール溶液5gにヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物0.03gを溶解させ、1日静置するとヘキサクロロ白金酸の還元が進行し、白金超微粒子を含むポリビニルアルコール溶液が得られた。
【0034】
<比較例1>
ジメチルスルホキシド10gに硝酸銀0.03gを溶解させた後、室温で静置すると沈殿物が得られた。これは、生成した超微粒子の安定化保護剤として働く高分子が存在しなかったために、超微粒子の凝集が進行し、沈殿物が得られたと考えられる。したがって、超微粒子を得るためには、安定化保護剤として働く高分子の添加が必要である。
【0035】
<比較例2>
水にポリアクリル酸(和光純薬製)を溶解させ5質量%とした。次に、前記ポリアクリル酸水溶液10gに硝酸銀0.03gを加え、撹拌することで前記溶液に溶解させ、1日静置したが、溶液は透明なままであった。これは、溶媒および高分子の両方に還元性がないため、硝酸銀の還元が進行しなかったものと思われる。
【0036】
<比較例3>
水にポリビニルアルコール(クラレ製 ポバール PVA−117)を加熱溶解させ10質量%としたもの5gを静置し、常温まで自然冷却させた。次に、水5gに硝酸銀0.03gを溶解させ、前記ポリビニルアルコール水溶液と常温で混合した後、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬製)0.03gを加えたところ、硝酸銀の還元が進行し、銀超微粒子を含むポリビニルアルコール水溶液が得られたが、水溶液がしばらく発泡し続けた。
また、同様の条件でポリビニルアルコールと硝酸銀を溶解させた水溶液から、キャストフィルムを調製し、水100dm3に水素化ホウ素ナトリウム0.3gを溶解させた水溶液に、前記フィルムを浸漬したところ、硝酸銀の還元の進行と同時に、フィルムの収縮が発生した。
前記結果は、ポリビニルアルコールフィルムが低分子分解型還元剤により変質したためである。つまり、低分子分解型還元剤によって変質しやすい高分子を用いる場合、本発明の方法によれば、低分子分解型還元剤を用いることなく金属超微粒子を含有する有機無機複合材料を製造することが可能であることから、本発明が有用であることがわかる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、各種還元剤の添加や各種エネルギー線の照射、加熱操作などの外部からのエネルギーを付与することなく金属超微粒子を含む有機・無機複合材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリビニルアルコール中に分散した銀超微粒子の透過型電子顕微鏡写真[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an organic-inorganic composite material containing ultrafine metal particles by preparing ultrafine metal particles in a solution containing a polymer.
[0002]
[Prior art]
It is known that the number of free electrons in semiconductors and metals decreases dramatically when the particle size decreases to a size called so-called ultrafine particles of nanometer size, and a property different from the bulk state called the quantum size effect appears. I have. However, ultrafine particles not only have problems such as high surface energy and high tendency of particles to irreversibly aggregate, and are very difficult to handle because they are on the order of nanometers. Therefore, in order to suppress the agglomeration of ultrafine particles and apply it as a more practical functional material, a method has been adopted in which such ultrafine particles are combined with a polymer or an inorganic material in some form and fixed. ing.
[0003]
As a method for producing ultrafine particles, a gas-phase dispersion method in a gas phase method, a metal ion reduction method in a liquid phase method, and the like are known. Suppression, compounding with polymers, etc. are easy.
Conventionally, as a method of producing ultrafine metal particles in a solution containing a polymer, a method of adding a reducing agent to a solution containing a polymer and a metal salt, irradiation of various energy rays, or a heating operation is used to produce a metal salt. There is a method of producing ultrafine metal particles by decomposition.
[0004]
As a method using a low-molecular-weight reducing agent, a method of injecting hydrogen into a solution containing a metal salt, a method of adding sodium borohydride, potassium borohydride, hydrazine, or the like is known.
Patent Document 1 discloses that a polymer complex having a metal salt stabilized by adding a reducing agent such as sodium borohydride (NaBH 4 ) to a solution containing a polymer having a pyrrolidone group and a metal salt. A method is described.
[0005]
As a method of irradiating an energy beam, a method of irradiating a solution containing a metal salt with an electron beam, ultraviolet light, visible light, microwave, ultrasonic wave, or the like is known.
Patent Literature 2 describes a method of dissolving or dispersing a metal salt in a reducing organic solvent and then irradiating a microwave to reduce the metal salt to prepare ultrafine metal particles.
Examples of preparing ultrafine particles of Au and Pd by irradiating ultrasonic waves in an aqueous solution of SDS or PEG (see Non-Patent Document 1), and in the presence of a protective agent such as polyethylene glycol monolaurate, visible light or ultraviolet light Irradiation of Pt, Rh, etc. to prepare ultrafine particles (see Non-Patent Document 2).
[0006]
Examples of the heating method include a method of heating a solvent to a decomposition temperature of a metal salt and an alcohol reflux method of adding an alcohol such as ethanol to a solution containing a metal salt and refluxing the solution (see Non-Patent Documents 3 and 4). Etc. are known.
[0007]
Patent Document 3 discloses that a block polymer and a metal salt having a polymer chain having an affinity for a metal and a polymer chain having no or low affinity for a metal have a high boiling point having a capability of reducing a metal ion in which they can be dissolved. After dissolving in a mixed solvent consisting of a solvent and a low-boiling solvent, removing the low-boiling solvent at a low temperature to form a microphase-separated structure of the block polymer, and then removing the high-boiling solvent at a high temperature A method of reducing a metal ion to obtain a polymer composite containing ultrafine metal particles is described.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-5-224006 [Patent Document 2]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-256707 [Patent Document 3]
JP 2000-72952 [Non-Patent Document 1]
Osaka Metallurgy Association, Vol. 40, p. 39 (2000)
[Non-patent document 2]
Journal of Polymers, Vol. 52, No. 12, p. 809 (1995)
[Non-Patent Document 3]
Catalyst, Vol. 41, No. 7, page 521 (1999)
[Non-Patent Document 3]
Polymer, Vol. 43, December, (1994)
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
In the method of adding a low-molecular type reducing agent or a hydrogen molecule, depending on the reducing agent, a polymer may also be reduced, so that the polymer to be used is limited and problems such as toxicity and danger of the reducing agent. There is.
When energy beams such as electron beams, ultraviolet rays, microwaves, and ultrasonic waves are used, the process of irradiating the energy beams is included, resulting in problems such as low productivity and high cost, and deterioration of some polymers. There's a problem.
When the heating method is used, there is a problem such as deterioration depending on a polymer.
[0010]
An object of the present invention is to provide an organic-inorganic composite material containing ultrafine metal particles by a simpler method without adding a low-molecular-weight reducing agent, irradiating an energy ray or performing a heating operation.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in order to solve the above-mentioned problems, and as a result, have found that a polymer (A), a solvent (B) that dissolves the polymer, and an optional component (C) in a solution comprising the polymer (A). In a solution in which at least one of the polymer (A) or the solvent (B) for dissolving the polymer has a reducing property, and the optional component (C) is a non-reducing component. Dissolving at least one metal salt and adding a hydrogen molecule and a low-molecular decomposition type reducing agent from outside at a temperature lower than the lowest point of the boiling point of the solvent, the decomposition temperature of the metal salt in the solvent or 100 ° C. And ultrafine metal particles obtained by reducing the metal salt by reducing properties of the polymer (A) and / or the solvent (B) without irradiation with energy rays and ultrasonic waves. Organic-inorganic composites This has led to the completion of the present invention relates to a method of manufacturing.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on embodiments of the invention.
In the method for producing an organic-inorganic composite material containing ultrafine metal particles according to the present invention, the polymer (A) and / or the polymer (A) and / or the solvent (B) in which the polymer is dissolved are contained in the solution containing the polymer (A) It is necessary that the solvent (B) in which the molecules are dissolved has a reducing property. The polymer (A) or the solvent (B) that dissolves the polymer may be a single component, or may be a mixture of two or more polymers or solvents. The blending amount of the polymer (A) can be appropriately determined in consideration of the solubility of the polymer (A) in the solvent (B), but is 30% based on the total amount of the polymer (A) and the solvent (B). It is preferable to be within the range of 1.0 to 1.0% by mass from the viewpoint of the handleability of the solution.
[0013]
Examples of the reducing solvent include pyridine and pyridine derivatives, dimethyl sulfoxide, ethylene glycol, acetone, alcohols, organic amides such as N, N-dimethylformamide, and organic amines such as ethylenediamine, but are not limited to the above compounds. It is not done.
[0014]
The polymer having a reducing property needs to be soluble in a solvent, and examples thereof include vinyl compounds such as polyvinyl alcohol, polyvinyl butyral, and polyvinylpyrrolidone, and derivatives thereof, but are not limited to the above compounds. Not something.
[0015]
When the solvent has a reducing property, the polymer may not show the reducing property. In this case, any polymer may be used as long as it is soluble in the solvent. However, as described above, since the ultrafine particles are easily aggregated without the presence of the polymer, it is necessary to add the polymer as a stabilizing protective agent for the ultrafine particles.
Conversely, when the polymer has a reducing property, the solvent does not need to show the reducing property. In this case, any solvent may be used as long as the polymer can be dissolved.
[0016]
The other component (C) which can be arbitrarily added is not particularly limited as long as it is a component having no reducing property. For example, as another polymer, a solvent, or a stabilizing protective agent for a metal salt, amino And low-molecular compounds having a pyridyl group, a thiol group and the like. The compounding amount of the other component (C) may be any amount as long as it can be dissolved in a solution comprising the polymer (A) and the solvent (B) as long as its function is not impaired.
[0017]
As the metal salt, it is necessary that the metal salt is soluble in the solvent, but the type of the metal salt is not particularly limited, and any type of metal salt may be used depending on the type of metal constituting the obtained ultrafine particles. Metal salts can also be used. Examples of metal salts include halides, nitrates, sulfates, acetates, perchlorates, and acetylacetonates. The metal species is desirably a noble metal element or the like that is easily reduced by a reducing polymer or a solvent, and examples thereof include metal elements such as Au, Ag, Pt, Pd, and Rh.
[0018]
Whether a metal salt dissolves in a solvent is determined by the combination of the metal salt and the solvent selected in practicing the present invention, and the amount of the metal salt relative to the solvent. When the metal salt is difficult to dissolve in the solvent, the metal salt can be dissolved in another solvent in advance and then mixed with the solvent. For example, the metal salt may be dissolved in water in advance, and then mixed with another solvent such as alcohols or amides. The amount of the metal salt can be appropriately determined in consideration of the solubility as described above. However, the amount is 0.1 to 100 parts by mass of the total amount of the polymer (A), the solvent (B), and the other component (C). It is preferably in the range of 001 to 5 parts by mass, and more preferably in the range of 0.01 to 1.0 part by mass.
[0019]
Further, the type of the metal salt dissolved in the solvent is not necessarily limited to one type. A plurality of types of metal salts can be used depending on the type of metal constituting the ultrafine particles.
[0020]
Regarding the method for producing an organic-inorganic composite material containing ultrafine metal particles in the present invention, the dissolving procedure of the polymer and the metal salt is particularly limited as long as it finally comprises a polymer, a metal salt, and a solvent. Not something. For example, after dissolving the polymer in the solvent, the metal salt may be dissolved, or conversely, after dissolving the metal salt in the solvent, the polymer may be dissolved. Further, a solution in which a polymer is dissolved and a solution in which a metal salt is dissolved may be mixed.
[0021]
The temperature at the time of manufacturing the organic-inorganic composite material containing ultrafine metal particles in the present invention is 100 ° C. or lower, the boiling point of the solvent or lower, and the metal salt decomposition temperature in the solvent may be lower than the temperature, preferably room temperature. Is simple and desirable.
[0022]
Organic-inorganic composite materials containing ultrafine metal particles obtained by this method include non-linear optical materials, optical wavelength cut filters, ultrafine particle supported catalysts, conductive materials such as conductive pastes and adhesives, hard coat properties or high refraction. It can be used for various coating materials having an antibacterial and antifungal property.
The average particle size of the ultrafine metal particles in the present invention is preferably in the range of 1.0 to 1000 nm, but an optimum particle size can be selected for each of the various uses. The particle size of the metal fine particles can be changed by various factors such as the type and amount of the polymer (A), solvent (B), other component (C) and metal salt contained therein, and the environment in which the metal fine particles are produced. It is possible.
[0023]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto.
[0024]
<Example 1>
5 g of polyvinyl alcohol (Poval PVA-117, manufactured by Kuraray Co., Ltd.) dissolved in dimethyl sulfoxide to 10% by mass was allowed to stand, and allowed to cool naturally to room temperature. Next, silver nitrate (0.03 g) was dissolved in dimethyl sulfoxide (5 g), and the mixture was mixed at room temperature with a dimethyl sulfoxide solution in which the polyvinyl alcohol was dissolved. The reduction of silver nitrate proceeded, and a polyvinyl alcohol solution containing ultrafine silver particles was obtained.
Similarly, when silver nitrate was directly dissolved in a dimethyl sulfoxide solution in which polyvinyl alcohol was dissolved, silver ultrafine particles could be prepared similarly.
After vacuum drying the obtained polyvinyl alcohol composite material containing the ultrafine silver particles, observation with a transmission electron microscope confirms that ultrafine silver particles of 20 nm or less are generated as shown in FIG. Was completed.
[0025]
<Example 2>
5 g of polyvinyl alcohol (Poval PVA-117, manufactured by Kuraray Co., Ltd.) dissolved in dimethyl sulfoxide to 10% by mass was allowed to stand, and allowed to cool naturally to room temperature. Next, 0.03 g of silver nitrate was dissolved in 5 g of water, and the mixture was mixed at room temperature with a dimethyl sulfoxide solution in which the polyvinyl alcohol was dissolved, whereby the reduction of silver nitrate proceeded, and a polyvinyl alcohol solution containing ultrafine silver particles was obtained.
In this case, the action of water and dimethyl sulfoxide caused gelation of polyvinyl alcohol to proceed, and a gel containing ultrafine metal particles could be obtained.
[0026]
<Example 3>
A solution prepared by heating and dissolving polyvinyl alcohol (Poval PVA-117 manufactured by Kuraray Co., Ltd.) in water to a concentration of 10% by mass was allowed to stand, and was naturally cooled to room temperature. Next, the polyvinyl alcohol aqueous solution and N, N-dimethylformamide were mixed at a mass ratio of 1: 1. Next, when 0.03 g of silver nitrate was added to 10 g of the mixed solution and dissolved in the solution by stirring, reduction of silver nitrate immediately proceeded, and a polyvinyl alcohol solution containing ultrafine silver particles was obtained.
In this case, gelation of polyvinyl alcohol progressed by the action of water and dimethylformamide, and a gel containing ultrafine metal particles could be obtained.
[0027]
<Example 4>
A solution prepared by heating and dissolving polyvinyl alcohol (Poval PVA-117 manufactured by Kuraray Co., Ltd.) in water to a concentration of 10% by mass was allowed to stand, and was naturally cooled to room temperature. Next, the polyvinyl alcohol aqueous solution and ethylene glycol were mixed at a mass ratio of 1: 1. Next, when 0.03 g of silver nitrate was added to 10 g of the mixed solution and dissolved in the solution by stirring, the reduction of silver nitrate immediately proceeded, and a polyvinyl alcohol solution containing ultrafine silver particles was obtained.
[0028]
<Example 5>
Polyvinylpyrrolidone (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was dissolved in dimethyl sulfoxide to give 5% by mass. Next, when 0.03 g of silver nitrate was added to 10 g of the aqueous solution of polyvinylpyrrolidone and dissolved in the solution by stirring, the reduction of silver nitrate immediately proceeded, and a polyvinylpyrrolidone solution containing ultrafine silver particles was obtained.
[0029]
<Example 6>
Polyvinylpyrrolidone (manufactured by Wako Pure Chemical Industries) was dissolved in water to a concentration of 5% by mass. Next, when 0.03 g of silver nitrate was added to 10 g of the aqueous solution of polyvinylpyrrolidone and dissolved in the solution by stirring, the reduction of silver nitrate progressed slowly, and after one day, the transparent solution turned light brown in color. It was found that a polyvinylpyrrolidone solution containing ultrafine silver particles was obtained.
[0030]
<Example 7>
Polyacrylic acid (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was dissolved in dimethyl sulfoxide to give 5% by mass. Next, 0.03 g of silver nitrate was added to 10 g of the aqueous solution of polyacrylic acid and dissolved in the solution by stirring. The reduction of silver nitrate immediately proceeded, and a polyvinylpyrrolidone solution containing ultrafine silver particles was obtained. .
[0031]
Example 8
Poly (oxyethylene) dipropylamine (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was dissolved in dimethyl sulfoxide to give 5% by mass. Next, 0.03 g of silver nitrate was added to 10 g of the poly (oxyethylene) dipropylamine solution, dissolved in the solution by stirring, and allowed to stand for 1 day. A poly (oxyethylene) dipropylamine solution was obtained.
[0032]
<Example 9>
A solution prepared by heating and dissolving polyvinyl alcohol (Poval PVA-117 manufactured by Kuraray Co., Ltd.) in dimethyl sulfoxide to a concentration of 5% by mass was allowed to stand, and was naturally cooled to room temperature. Next, 0.03 g of silver acetate was added to 10 g of the polyvinyl alcohol solution, and the mixture was allowed to stand for a while, whereby reduction of silver nitrate proceeded, and a polyvinyl alcohol solution containing ultrafine silver particles was obtained.
[0033]
<Example 10>
A solution prepared by heating and dissolving polyvinyl alcohol (Poval PVA-117 manufactured by Kuraray Co., Ltd.) in dimethyl sulfoxide to a concentration of 5% by mass was allowed to stand, and was naturally cooled to room temperature. Next, after dissolving 0.03 g of hexachloroplatinic acid (IV) hexahydrate in 5 g of the polyvinyl alcohol solution and allowing it to stand for 1 day, reduction of hexachloroplatinic acid proceeds, and a polyvinyl alcohol solution containing ultrafine platinum particles is obtained. Was done.
[0034]
<Comparative Example 1>
After dissolving 0.03 g of silver nitrate in 10 g of dimethyl sulfoxide, the mixture was allowed to stand at room temperature to obtain a precipitate. This is presumably because the polymer acting as a stabilizing protective agent for the generated ultrafine particles was not present, so that the aggregation of the ultrafine particles proceeded and a precipitate was obtained. Therefore, in order to obtain ultrafine particles, it is necessary to add a polymer that functions as a stabilizing protective agent.
[0035]
<Comparative Example 2>
Polyacrylic acid (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was dissolved in water to make 5% by mass. Next, 0.03 g of silver nitrate was added to 10 g of the aqueous solution of polyacrylic acid, and dissolved in the solution by stirring. The solution was allowed to stand for 1 day, but the solution remained transparent. This is presumably because the reduction of silver nitrate did not proceed because neither the solvent nor the polymer had a reducing property.
[0036]
<Comparative Example 3>
5 g of polyvinyl alcohol (Poval PVA-117 manufactured by Kuraray Co., Ltd.) dissolved in water to make it 10% by mass was allowed to stand, and allowed to cool naturally to room temperature. Next, 0.03 g of silver nitrate was dissolved in 5 g of water, mixed with the aqueous solution of polyvinyl alcohol at room temperature, and then 0.03 g of sodium borohydride (manufactured by Wako Pure Chemical Industries) was added. An aqueous polyvinyl alcohol solution containing ultrafine silver particles was obtained, but the aqueous solution continued to foam for a while.
Further, a cast film was prepared from an aqueous solution in which polyvinyl alcohol and silver nitrate were dissolved under the same conditions, and the film was immersed in an aqueous solution in which 0.3 g of sodium borohydride was dissolved in 100 dm 3 of water. Simultaneously with the reduction, the film contracted.
The above result is because the polyvinyl alcohol film was altered by the low-molecular decomposition type reducing agent. In other words, when using a polymer that is easily degraded by a low-molecular decomposition type reducing agent, according to the method of the present invention, it is possible to produce an organic-inorganic composite material containing ultrafine metal particles without using a low-molecular decomposition type reducing agent. Is possible, so that the present invention is useful.
[0037]
【The invention's effect】
According to the production method of the present invention, an organic-inorganic composite material containing ultrafine metal particles can be obtained without adding external energy such as addition of various reducing agents, irradiation of various energy rays, and heating operation.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a transmission electron micrograph of ultrafine silver particles dispersed in polyvinyl alcohol.
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