【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォーム、エラストマー、フィルム、合成皮革、接着剤、塗料等に用いられるダイマー酸系ポリエステルポリウレタン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン樹脂は高弾性、柔軟性、耐摩耗性等に優れ、フォーム、エラストマー、フィルム、合成皮革、接着剤、塗料等多くの分野に幅広く用いられている。
【0003】
ポリウレタン樹脂は主としてポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール等のポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネートとを必須成分として反応して得られる。しかしながら、この内、原料としてポリエステルポリオールを用いたものはポリエーテルポリオールを用いたものに比べ、力学的物性、耐摩耗性、耐油性、耐溶剤性の面で優れる反面、耐加水分解性に劣るという問題がある。
【0004】
これらの問題を解決するものとして、カルボン酸成分としてダイマー酸を使用するダイマー酸系ポリエステルポリオールが使用されており、耐加水分解性や撥水性が良好なことから各種用途に使用されている。しかしながら、一般に使用されているダイマー酸は、分子中に官能基を1つしか持たないモノマー酸を含んでいるため、得られたポリエステルポリウレタン樹脂はモノマー酸に由来した低分子量成分が残存し、これが揮発成分やブリード成分の原因となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のタイマー酸系ポリエステルポリウレタン樹脂の特徴である耐加水分解性、撥水性、柔軟性、物理的強度等を損なうことなく、揮発成分、及びブリード成分を大幅に低減したダイマー酸系ポリエステルポリウレタン樹脂を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明者等は、モノマー酸含有量が1%未満かつトリマー酸含有量が25%未満であるダイマー酸をカルボン酸成分として使用することで、従来のダイマー酸系ポリエステルポリウレタン樹脂の特徴を維持しながら、揮発成分、及びブリード成分を大幅に低減することができることを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明においてダイマー酸系ポリエステルポリオールは、ダイマー酸とポリオールから合成される。
【0008】
本発明に用いられるダイマー酸とは、樹液や穀類から得られる植物性脂肪酸の重合によって得られるカルボン酸である。植物性脂肪酸としてはオレイン酸、リノール酸等の不飽和酸とパルチミン酸や、ステアリン酸等との混合物が用いられる。重合によって得られるカルボン酸は、炭素数36のニ塩基酸(ダイマー酸)が主成分であるが、少量の炭素数18の一塩基酸(モノマー酸)および炭素数54の三塩基酸(トリマー酸)を含有している。また、ダイマー酸を更に水素添加する事によって得られる水添ダイマー酸も、本発明に用いられるダイマー酸の範疇に含めている。
【0009】
本発明においてダイマー酸は、モノマー酸含有量が1%未満かつトリマー酸含有量が25%未満である必要がある。モノマー酸含有量が1%以上であると、得られたポリエステルポリウレタン樹脂は、モノマー酸に由来した低分子量成分が残存し、揮発成分やブリード成分となり、ポリウレタン製品への使用が制限される。またトリマー酸含有量が25%を超える場合には、得られたポリエステルポリウレタン樹脂は、高粘度また高架橋密度となるためにポリウレタン製品への使用が制限される。ここで言う%は質量%のことである。
【0010】
本発明においてダイマー酸とともに他のカルボン酸を併用できる。他のカルボンとしては、例えばマロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバジン酸、1,9−ノナメチレンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,11−ウンデカメチレンジカルボン酸、1,12−ドデカメチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸を、また例えばオルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸もしくはフェナンスレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、あるいはそれらの無水物あるいは各種の誘導体を挙げることができ、これらは二種以上の混合物として用いることもできる。
【0011】
ポリオール成分としては、一般にポリエステルポリオールに使用されるものであればよく、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタメチルグリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼンもしくはp−キシレングリコールなどのグリコール類、および、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトールなどのポリヒドロキシ化合物が挙げられる。
【0012】
以上に掲げられたような諸原料を用いて前記ポリエステルポリオールを調製するには、真空および/または触媒を用いて行なう従来公知のエステル化技術が採用でき、中でも代表的のものとしては、常圧下にダイマー酸とポリオールとを反応させる方法、真空下でエステル化せしめる方法、トルエンの如き不活性溶剤の存在下にエステル化を行ったのち、縮合水と溶剤とを共沸させて反応系外に除去せしめる方法などがある。
【0013】
触媒の存在しない系で反応を行うことも無論可能ではあるが、通常は、エステル化反応を円滑に進行させるために、無機酸または有機酸類、
Li,Na,K,Rb,Ca,Mg,Sr,Zn,Al,Ti,V,Cr,Mn,Fc,Co,Ni,Cu,Zr,Pd,Sn,SbもしくはPbなどの金属の塩化物、酸化物、水酸化物または酢酸、シュウ酸、オクチル酸、ラウリル酸もしくはナフテン酸などのカルボン酸塩類;ナトリウム・メチラート、ナトリウム・エチラート、アルミニウム・トリイソプロポキサイド、イソプロピル・チタネートもしくはn−ブチル・チタネートなどのアルコラート類;ナトリウム・フェノラートなどのフェノラート類;あるいはAl,Ti,Zn,Sn,ZrもしくはPbなどの金属のその他の有機金属化合物などの如き、通常のエステル化用およびエステル交換用に使用されているすべての触媒を用いることができる。その際の触媒の使用量は前記ポリエステルポリオール調製用諸原料総量に対して0.00001〜約5質量%なる範囲内、好ましくは0.0005〜2質量%なる範囲内が適当である。そして、この際の反応温度は通常、100〜250℃の範囲である。
【0014】
本発明のダイマー酸系ポリエステルポリウレタン樹脂は、前記のポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを必須成分として反応して得られるものであるが、所望の物性及び形態(フォーム、フィルム、成型物など)を得るために必要に応じて更に、鎖伸長剤、発泡剤、整泡剤、触媒、界面活性剤、顔料、染料、難燃剤、安定剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などを加えて反応及び/または加工することもできる。
【0015】
本発明に用いることのできるポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネートもし2,6−トリレンジイソシアネートまたはこれらの混合物、m−もしくはp−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、(ジフエニルメタン−4,4’−ジイソシアネート)
3,3’−ジメチル−ジフェニルメタン−4,4−ビフェニレンジイソシアネート、3,3−ジクロル−4,4−ビフェニレンジイソシアネート、4,4−ビフェニレンジイソシアネートまたは1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イホソロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、及びジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートおよびこれらの各種誘導体等を挙げることができるがこれら例示に限定されるものではない
【0016】
これらのポリイソシアネートは併用してもよく、希望する樹脂物性に合わせるために適宜選択すれば良い。
【0017】
以上の原料を用いて従来公知の方法例えばワンショット法、プレポリマー法等種々の方法により所望の物性及び形態を得ることができる。プレポリマー法の場合には、ダイマー酸系ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとをあらかじめ反応させ一種のプレポリマーを得、次いでフォーム製造ではこれに発泡剤,触媒、整泡剤及びその他添加剤の存在下反応させる、エラストマー製造ではこのプレポリマーに鎖伸長剤やポリオール成分を加え架橋反応させる。ワンショット法の場合は、触媒、発泡剤、整法剤等のその他添加剤の存在下にダイマー酸系ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させる。
【0018】
そしてこれら反応を各種成分を溶融した状態で行っても良いし、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、イソプロパノール、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、トリクレン等の1種または2種以上からなる溶媒中で行っても良い。
【0019】
本発明において、本発明の効果が損なわれない限りはダイマー酸系ポリエステルポリオールと組み合わせて、他のポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどを併用してもよい。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。ポリカーボネートポリオールとしては、多価アルコールとジエチルカーボネートの脱メタノール縮合反応、あるいは多価アルコールとジフェニルカーボネートの脱フェノール縮合反応あるいは多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール反応によって得られるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0020】
本発明は、耐加水分解性に優れ、また、揮発成分及びブリード成分を大幅に低減したダイマー酸系ポリエステルポリウレタン樹脂を与えることができるため、低揮発性及び低ブリード性が要求されるポリウレタン製品分野に用いることができる。
【0021】
【実施例】
次に本発明の実施例につき説明するが、これらに限定するものではない。文中「部」、「%」は質量基準であるものとする。
【0022】
合成例1 2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール310部、ダイマー酸(モノマー酸:0.3%、トリマー酸:20%、ダイマー酸:79.5%)700部および触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を仕込み、常圧下で窒素ガスを通じつつ、約200℃で縮合水を流出させながら脱水エステル化反応を行い、酸価0.39mgKOH/g、水酸基価90.2mgKOH/g数平均分子量1544のポリエステルポリオールを得た。
【0023】
合成例2 ジエチレングリコール220部、ダイマー酸(モノマー酸:0.3%、トリマー酸:20%、ダイマー酸:79.5%)790部および触媒としてテトラブチルチタネートを0.05部仕込み、合成例1と同様の方法にて数平均分子量1548のポリエステルポリオールを合成した。
【0024】
合成例3 モノマー酸:2%、ダイマー酸:78%、トリマー酸:20%のダイマー酸を使用した他は、合成例1と同様の方法にてポリエステルポリオールを合成した。
【0025】
合成例4 モノマー酸:2%、ダイマー酸:78%、トリマー酸:20%のダイマー酸を使用した他は、合成例2と同様の方法にてポリエステルポリオールを合成した。
【0026】
【表1】
【0027】
実施例1 合成例1で得られたポリエステルポリオール100部に、TDI−60 30部を加え、アプリケータでガラス板に塗布した後、80℃×24時間エージングし、膜厚
25μのポリウレタンフィルムを作成した。
【0028】
実施例2 ポリオールとして合成例2で得られたポリエステルポリオール100部を使用する他はすべて実施例1と同様の方法でポリウレタンフィルムを得た。
【0029】
比較例1 ポリオールとして合成例3で得られたポリエステルポリオール100部を使用する他はすべて実施例1と同様の方法でポリウレタンフィルムを得た。
【0030】
比較例2 ポリオールとして合成例4で得られたポリエステルポリオール100部を使用する他はすべて実施例1と同様の方法でポリウレタンフィルムを得た。
【0031】
<揮発成分の定量>得られた各ウレタンフィルムを5×5mmにカットする。カットしたフィルムをバイアル瓶に入れ、ヘッドスペースサンプラーにセットし、120℃×30分加温後、揮発した成分をGC−MS(日立製作所製 M−7200A)により定量した。その結果を表2に示す。
【0032】
<ブリード性評価>得られたフィルムを1週間放置後の外観を目視で確認した。その結果を表2に示す。
○:ブリードなし
×:ブリードあり
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、耐加水分解性に優れた、揮発成分及びブリード成分を大幅に低減したポリエステルポリウレタン樹脂が得られる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a dimer acid-based polyester polyurethane resin used for foams, elastomers, films, synthetic leathers, adhesives, paints and the like.
[0002]
[Prior art]
Polyurethane resins are excellent in elasticity, flexibility, abrasion resistance and the like, and are widely used in many fields such as foams, elastomers, films, synthetic leathers, adhesives, and paints.
[0003]
A polyurethane resin is obtained mainly by reacting a polyhydroxy compound such as a polyester polyol or a polyether polyol with a polyisocyanate as essential components. However, among these, those using a polyester polyol as a raw material are superior in mechanical properties, abrasion resistance, oil resistance, and solvent resistance as compared with those using a polyether polyol, but are inferior in hydrolysis resistance. There is a problem.
[0004]
In order to solve these problems, a dimer acid-based polyester polyol using dimer acid as a carboxylic acid component has been used, and has been used in various applications because of its excellent hydrolysis resistance and water repellency. However, since generally used dimer acid contains a monomer acid having only one functional group in the molecule, the obtained polyester polyurethane resin has a low molecular weight component derived from the monomer acid, which is It causes volatile components and bleed components.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a dimer acid system in which volatile components and bleed components are significantly reduced without impairing hydrolysis resistance, water repellency, flexibility, physical strength, etc., which are characteristics of conventional timer acid polyester polyurethane resins. An object is to provide a polyester polyurethane resin.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in order to solve the above problems, and as a result, have completed the present invention. That is, the present inventors use a dimer acid having a monomer acid content of less than 1% and a trimer acid content of less than 25% as a carboxylic acid component, thereby obtaining the characteristics of the conventional dimer acid polyester polyurethane resin. It has been found that volatile components and bleed components can be significantly reduced while maintaining the same.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the present invention, the dimer acid-based polyester polyol is synthesized from a dimer acid and a polyol.
[0008]
The dimer acid used in the present invention is a carboxylic acid obtained by polymerization of vegetable fatty acids obtained from sap or cereals. As the vegetable fatty acid, a mixture of an unsaturated acid such as oleic acid and linoleic acid with palmitic acid, stearic acid and the like is used. The carboxylic acid obtained by the polymerization is mainly composed of dibasic acid having 36 carbon atoms (dimer acid), but a small amount of monobasic acid having 18 carbon atoms (monomer acid) and tribasic acid having 54 carbon atoms (trimer acid). ). Further, hydrogenated dimer acid obtained by further hydrogenating dimer acid is also included in the category of dimer acid used in the present invention.
[0009]
In the present invention, the dimer acid needs to have a monomer acid content of less than 1% and a trimer acid content of less than 25%. When the content of the monomeric acid is 1% or more, the obtained polyester polyurethane resin has a low molecular weight component derived from the monomeric acid remaining, becomes a volatile component or a bleed component, and its use in a polyurethane product is restricted. When the trimer acid content exceeds 25%, the obtained polyester polyurethane resin has a high viscosity and a high crosslinking density, so that its use in polyurethane products is limited. Here,% means mass%.
[0010]
In the present invention, another carboxylic acid can be used together with the dimer acid. Other carboxyls include, for example, malonic acid, succinic acid, maleic acid, fumaric acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, 1,9-nonamethylene dicarboxylic acid, 1,10- Aliphatic dicarboxylic acids such as decamethylene dicarboxylic acid, 1,11-undecamethylene dicarboxylic acid, 1,12-dodecamethylene dicarboxylic acid, and the like, for example, orthophthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, naphthalenedicarboxylic acid, anthracene dicarboxylic acid or Examples thereof include aromatic dicarboxylic acids such as phenanthylene dicarboxylic acid, and anhydrides or various derivatives thereof, and these can be used as a mixture of two or more kinds.
[0011]
As the polyol component, those generally used for polyester polyols may be used, such as ethylene glycol, 1,3-propylene glycol, diethylene glycol, 1,4-butylene glycol, 2-methyl-1,3-propanediol, Glycols such as 1,5-pentamethyl glycol, neopentyl glycol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 1,6-hexamethylene glycol, bishydroxyethoxybenzene or p-xylene glycol, and glycerin and trimethylol Examples thereof include polyhydroxy compounds such as propane, hexanetriol, triethanolamine, and pentaerythritol.
[0012]
In order to prepare the polyester polyol using the raw materials listed above, a conventionally known esterification technique performed using a vacuum and / or a catalyst can be employed. A method of reacting a dimer acid and a polyol, a method of esterification under vacuum, esterification in the presence of an inert solvent such as toluene, and then azeotropically condensing water and a solvent to outside the reaction system. There is a method to remove it.
[0013]
Although it is of course possible to carry out the reaction in a system in the absence of a catalyst, usually, an inorganic acid or an organic acid,
Metal chlorides such as Li, Na, K, Rb, Ca, Mg, Sr, Zn, Al, Ti, V, Cr, Mn, Fc, Co, Ni, Cu, Zr, Pd, Sn, Sb or Pb; Oxides, hydroxides or carboxylate salts such as acetic acid, oxalic acid, octylic acid, lauric acid or naphthenic acid; sodium methylate, sodium ethylate, aluminum triisopropoxide, isopropyl titanate or n-butyl titanate Phenolates such as sodium phenolate; or other organometallic compounds of metals such as Al, Ti, Zn, Sn, Zr or Pb, and are used for ordinary esterification and transesterification. All known catalysts can be used. The amount of the catalyst used in this case is suitably in the range of 0.00001 to about 5% by mass, preferably in the range of 0.0005 to 2% by mass, based on the total amount of the raw materials for preparing the polyester polyol. The reaction temperature at this time is usually in the range of 100 to 250 ° C.
[0014]
The dimer acid-based polyester polyurethane resin of the present invention is obtained by reacting the above-mentioned polyester polyol and polyisocyanate as essential components, but in order to obtain desired physical properties and forms (foams, films, molded products, etc.). If necessary, a chain extender, a foaming agent, a foam stabilizer, a catalyst, a surfactant, a pigment, a dye, a flame retardant, a stabilizer, a filler, a plasticizer, an antistatic agent, etc. are added to the reaction and / or Alternatively, it can be processed.
[0015]
Examples of the polyisocyanate that can be used in the present invention include 2,4-tolylene diisocyanate, 2,6-tolylene diisocyanate or a mixture thereof, m- or p-phenylene diisocyanate, p-xylene diisocyanate, ethylene diisocyanate, tetramethylene. -1,4-diisocyanate, hexamethylene-1,6-diisocyanate, (diphenylmethane-4,4′-diisocyanate)
3,3′-dimethyl-diphenylmethane-4,4-biphenylene diisocyanate, 3,3-dichloro-4,4-biphenylene diisocyanate, 4,4-biphenylene diisocyanate or 1,5-naphthalene diisocyanate, tolidine diisocyanate, ifosolone diisocyanate, Examples include, but are not limited to, cyclohexane diisocyanate, toluidine diisocyanate, crude diphenylmethane diisocyanate, diphenylmethane diisocyanate, triphenylmethane triisocyanate, and various derivatives thereof.
These polyisocyanates may be used in combination, and may be appropriately selected in accordance with desired resin properties.
[0017]
Using the above-mentioned raw materials, desired physical properties and forms can be obtained by various known methods such as a one-shot method and a prepolymer method. In the case of the prepolymer method, a dimer acid-based polyester polyol and a polyisocyanate are preliminarily reacted to obtain a kind of prepolymer, which is then reacted with a foaming agent, a catalyst, a foam stabilizer and other additives in foam production. In the production of an elastomer, a chain extender or a polyol component is added to the prepolymer to cause a crosslinking reaction. In the case of the one-shot method, a dimer acid-based polyester polyol and a polyisocyanate are reacted in the presence of other additives such as a catalyst, a foaming agent and a regulator.
[0018]
These reactions may be performed in a state in which the various components are melted, or one of dimethylformamide, diethylformamide, dimethylsulfoxide, dimethylacetamide, tetrahydrofuran, cyclohexanone, methyl ethyl ketone, isopropanol, toluene, xylene, ethyl cellosolve, tricrene, or the like. It may be performed in a solvent composed of two or more kinds.
[0019]
In the present invention, other polyester polyols, polycaprolactone polyols, polyether polyols, polycarbonate polyols and the like may be used in combination with the dimer acid-based polyester polyol as long as the effects of the present invention are not impaired. Examples of the polyether polyol include polyethylene glycol, polypropylene glycol, polybutylene glycol, polytetramethylene glycol, and the like. Examples of the polycarbonate polyol include a polycarbonate polyol obtained by a demethanol condensation reaction of a polyhydric alcohol and diethyl carbonate, a dephenol condensation reaction of a polyhydric alcohol and diphenyl carbonate, or a deethylene glycol reaction of a polyhydric alcohol and ethylene carbonate. .
[0020]
INDUSTRIAL APPLICABILITY The present invention can provide a dimer acid-based polyester polyurethane resin excellent in hydrolysis resistance and significantly reduced in volatile components and bleed components, and thus is required to have low volatility and low bleed property. Can be used.
[0021]
【Example】
Next, examples of the present invention will be described, but the present invention is not limited thereto. In the description, “parts” and “%” are based on mass.
[0022]
Synthesis Example 1 310 parts of 2-normalbutyl-2-ethyl-1,3-butanediol, 700 parts of dimer acid (monomer acid: 0.3%, trimer acid: 20%, dimer acid: 79.5%) and catalyst , A dehydration esterification reaction was carried out at a temperature of about 200 ° C. while flowing out condensed water while passing nitrogen gas under normal pressure, and an acid value of 0.39 mg KOH / g and a hydroxyl value of 90.2 mg KOH / g were added. A polyester polyol having a g-number average molecular weight of 1544 was obtained.
[0023]
Synthesis Example 2 220 parts of diethylene glycol, 790 parts of dimer acid (monomer acid: 0.3%, trimer acid: 20%, dimer acid: 79.5%) and 0.05 part of tetrabutyl titanate as a catalyst were prepared. A polyester polyol having a number average molecular weight of 1548 was synthesized in the same manner as described above.
[0024]
Synthesis Example 3 A polyester polyol was synthesized in the same manner as in Synthesis Example 1, except that dimer acid of 2% of monomeric acid, 78% of dimer acid, and 20% of trimer acid was used.
[0025]
Synthesis Example 4 A polyester polyol was synthesized in the same manner as in Synthesis Example 2, except that dimer acid of 2% of monomeric acid, 78% of dimer acid, and 20% of trimer acid was used.
[0026]
[Table 1]
[0027]
Example 1 30 parts of TDI-60 was added to 100 parts of the polyester polyol obtained in Synthesis Example 1 and applied to a glass plate with an applicator, followed by aging at 80 ° C. for 24 hours to form a 25 μm-thick polyurethane film. did.
[0028]
Example 2 A polyurethane film was obtained in the same manner as in Example 1 except that 100 parts of the polyester polyol obtained in Synthesis Example 2 was used as the polyol.
[0029]
Comparative Example 1 A polyurethane film was obtained in the same manner as in Example 1 except that 100 parts of the polyester polyol obtained in Synthesis Example 3 was used as the polyol.
[0030]
Comparative Example 2 A polyurethane film was obtained in the same manner as in Example 1 except that 100 parts of the polyester polyol obtained in Synthesis Example 4 was used as the polyol.
[0031]
<Quantitative Determination of Volatile Components> Each of the obtained urethane films is cut into 5 × 5 mm. The cut film was placed in a vial, set in a headspace sampler, heated at 120 ° C. for 30 minutes, and then the volatile components were quantified by GC-MS (M-7200A manufactured by Hitachi, Ltd.). Table 2 shows the results.
[0032]
<Evaluation of bleeding property> The appearance of the obtained film after standing for one week was visually checked. Table 2 shows the results.
○: No bleed ×: With bleed [0033]
[Table 2]
[0034]
【The invention's effect】
According to the present invention, a polyester polyurethane resin having excellent hydrolysis resistance and significantly reduced volatile components and bleed components can be obtained.