【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質アスファルト組成物及び混合物の製造法に関し、特に道路舗装用アスファルト、とりわけ排水性舗装体に好適な組成物の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
道路舗装材として、現在、アスファルトが主に使用されているが、交通量の増加、重車両交通の増大化により、夏場の路面温度上昇時に交差点部や重車両交通地域において轍掘れが発生し、路面が波打つ問題や、積雪寒冷地域においてはタイヤチェーン等により舗装体が摩耗してしまう等の問題が指摘されている。
【0003】
従来、これらの問題の解決のために、アスファルト改質材として高分子量のゴムや樹脂を添加することにより、アスファルトの感温性を改良し、骨材との接着性を向上させ、低温時の撓み性等を付与して、舗装用バインダーとしてのアスファルトの性能を改善できることは公知である。
【0004】
また、近年、舗装の滑り抵抗性を高めるために、また、自動車による水はねを防止し、雨天に自動車が高速走行しているときに起きるハイドロプレーニング現象やスモーキング現象を防止し、道路走行時の安全性を向上するために、さらには通行車両増大や高速化に伴う騒音低減を目的とした道路周辺住民に対する騒音環境対策として、開粒度混合物を用いた排水性舗装が広く採用されてきている。
排水性舗装とは、空隙率が15%以上の開粒度アスファルト混合物より構成されており、舗装表面に降った雨水がこの空隙を通って排水されるものである。排水性舗装により路面に水の滞留が無く、自動車走行時に発生するハイドロプレーニング現象、スリップ、スモーキングによる視界不良、雨天・夜間走行時の車両のヘッドライトによるまぶしさが解消され、交通事故が防止されると同時に、空隙に走行音が吸収され走行車両の騒音が低減できる。
排水性舗装体用のアスファルト混合物は、空隙率が15%以上であるため骨材同士の接触面積が小さい。そのため排水性舗装においては、骨材の飛散防止や轍掘れ防止のために骨材把握力や粘着力、すなわちタフネス、テナシティ等の機械的強度が大きなアスファルト組成物が要求される。また、低温(例えば60℃)における高粘度および車両通行時の石飛の指標とされているカンタブロ損失率の向上が必要とされる。このため改質材の分子量アップ、添加量アップ等の方法が試みられているが、反面、高温での溶融粘度が高くなり、施工性が著しく阻害されている。
これらの問題を解決する手段としてスチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーが主として検討され、現在のアスファルト組成物の主流となっているが、アスファルトへの溶解性が不十分であり、多量に添加した場合、組成物の安定性が低下する欠点がある。
【0005】
従来は、セミブローンアスファルトとストレートアスファルトに2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体(以下クロロプレン称す)と熱可塑性エラストマーを配合した組成物がある(例えば特許文献1参照)が、このような組成物では排水性舗装用に用いる場合、軟化点、タフネス、テナシティ、伸度が不十分であった。これらアスファルト組成物(プレミックスタイプ)はアスファルトとスチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーとを加熱混合して得られるが、排水性舗装用に用いるためには多量の共重合体を含有させなくてはならず、共重合体の熱劣化の問題や骨材との混練り時の作業性が劣る欠点があった。またアスファルトにクロロプレンラテックスと熱可塑性エラストマーラテックスを加熱混合して得られる改質アスファルト組成物がある(例えば特許文献2参照)が熱可塑性エラストマーを乳化する工程でコストがかかる欠点があった。
【0006】
【特許文献1】特開平9−95616号公報(第2頁:請求項1〜2、第5〜6頁:実施例1〜3)
【0007】
【特許文献2】特開2002−188012号公報(第2頁:請求項1〜3、第5頁:実施例1〜12)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来のアスファルト組成物が有する課題を解決し、汎用のプレミックスタイプのアスファルト組成物にクロロプレンラテックスを添加することにより、高い機械的強度と低温(60℃)での高い粘度及び高温(200℃)での低い粘度、組成物としての安定性、さらにはその組成物を用いたアスファルト舗装体が良好なカンタブロ損失率を有した高度にバランスのとれた排水性舗装用のアスファルト組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体を、アスファルトに加熱溶融混合してなるアスファルト組成物(I)に2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体(II)(以下クロロプレン系重合体(II)と称す)を混合して得られたアスファルト組成物が各々単独で配合したアスファルト組成物に比べ、機械的強度(具体的にはタフネス、テナシティ)、低温粘度、伸度が高く、組成物としての安定性も良好で、高温での溶融粘度が低く、その組成物を用いたアスファルト舗装体はカンタブロ損失率を低く抑えることが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、アスファルトに対し、重量平均分子量が5万〜40万で、ビニル芳香族化合物の含有量が重合体組成物全量基準で20〜50質量%である(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体1〜15質量%を加熱溶融混合してなるアスファルト組成物(I)100質量部に対し、クロロプレン系重合体(II)を組成物全量基準で0.5〜10質量%を混合してなることを特徴とするアスファルト組成物の製造法である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるアスファルトは、天然系のアスファルト及び石油系のアスファルトがあげられる。天然系のアスファルトはギルンナイト、グラハマライト、トリニダット等があり、石油系アスファルトには原油の蒸留により得られる各種針入度のストレートアスファルト、ストレートアスファルトに空気を吹き込んで酸化重合して得られるブローンアスファルト、セミブローンアスファルトがある。
これらは2種以上混合して使用することもできる。
【0012】
上に例示した天然アスファルトおよび石油アスファルトは、一般に道路舗装用として知られているアスファルトである。本発明のアスファルトとして最も好ましいものは、ストレートアスファルトで単独使用することが好ましく、特に25℃針入度が20〜150、好ましくは40〜120の範囲に入るものが好ましい。また、轍掘れを防止するには60℃でのアスファルト粘度が4万Pa.s以上であることが好ましい。
【0013】
本発明で用いる(A)成分は、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とからなる共重合体で、ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用される。これらのうち特に好ましいものはスチレンである。
共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用される。これらのうち、好ましいものは1,3−ブタジエン、イソプレンであり、特に好ましいものは1,3−ブタジエンである。
【0014】
本発明に用いる(A)共重合体中のビニル芳香族化合物の含有量は共重合体全量基準で20〜50質量%、好ましくは25〜40質量%である。20質量%未満ではアスファルト組成物の軟化点が低くなり、50質量%を超えるとアスファルト組成物の伸びが低下し、タフネス、テナシティ等の機械的強度も低下する。
【0015】
共重合体の重量平均分子量は5万〜40万の範囲が好ましく、特に9万〜30万の範囲が好ましい。重量平均分子量が5万未満ではアスファルト組成物のタフネス、テナシティが不十分であり、40万を超えるとタフネス、テナシティは大きいが高温での溶融粘度が高くなり施工性が悪くなる。
なお、この重量平均分子量はGPC法により測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
【0016】
本発明で用いる(B)成分は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体で、ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用される。これらのうち特に好ましいものはスチレンである。
共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用される。これらのうち、好ましいものは1,3−ブタジエン、イソプレンであり、特に好ましいものは1,3−ブタジエンである。
【0017】
本発明に用いる(B)ブロック共重合体中のビニル芳香族化合物の含有量は、ブロック共重合体全量基準で20〜50質量%、好ましくは25〜40質量%である。20質量%未満ではアスファルト組成物の軟化点が低くなり、50質量%を超えるとアスファルト組成物の伸びが低下し、タフネス、テナシティ等の機械的強度も低下する。
【0018】
ブロック共重合体の重量平均分子量は5万〜40万の範囲が好ましく、特に9万〜30万の範囲が好ましい。重量平均分子量が5万未満ではアスファルト組成物のタフネス、テナシティが不十分であり、40万を超えるとタフネス、テナシティは大きいが高温での溶融粘度が高くなり施工性が悪くなる。
なお、この重量平均分子量はGPC法により測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
【0019】
従来技術においては、SBRあるいはSBSブロック共重合体が一般にアスファルト改質材として使用されており、ブロック共重合体の場合には、ブロック共重合体中のスチレンブロック部とブタジエンブロック部が各々アスファルト成分に溶解することにより、分散性が発現していることが知られている。プレミックスタイプのアスファルト改質材は、より分散性を付与するために石油樹脂等の相溶化剤を添加して混練分散させる場合もある。
【0020】
本発明のアスファルト組成物はクロロプレン系重合体(II)とブロック共重合体を併用することによって相乗効果が発現して、各々単独でアスファルトに配合して得られたアスファルト組成物と比べて格段に物性バランスが向上するものである。
【0021】
本発明のアスファルト組成物(I)における(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体の割合は、組成物全量基準で1〜15質量%である。(A)、(B)の割合が1質量%未満では(II)成分を添加した場合効果が小さく、15質量%を超えた組成物では(II)成分を添加すると、高温での溶融粘度が高くなり施工性が悪くなる。
【0022】
本発明で用いる(I)成分は、150〜250℃に加熱されたアスファルトに(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体及び/又は(B)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体を添加し撹拌後、ホモジナイザ、ホモミキサまたはコロイドミル等の混合機で分散・溶融させて得られる。分散・溶融性を向上させるために石油樹脂等の相溶化剤を添加してもよい。
【0023】
本発明に用いる(A)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体の重合方法としては、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合などが挙げられるが、中でも乳化重合法が好ましい。乳化重合法について、より詳細に記せば、乳化剤としては炭素数が6〜22の飽和または不飽和の脂肪酸のアルカリ金属塩、ロジン酸または不均化ロジン酸のアルカリ金属塩、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが用いられる。
連鎖移動剤はアルキルメルカプタン、ジアルキルキサントゲンジスルフィドなどが用いられる。
重合開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物類が用いられる。
重合温度は0〜55℃、単量体転化率は50〜100%の範囲で実施される。単量体転化率が100%に達する前に重合を停止させる場合の重合禁止剤としては、例えば、チオジフェニルアミン、4−ターシャリーブチルカテコール、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール、ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジメチルジチオカーバメートなどが用いられる。
【0024】
本発明に用いる(B)ブロック共重合体は公知のアニオン重合により製造されるが、ブロック共重合体の製造に使用される不活性炭化水素溶媒としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して使用される。これらの不活性炭化水素溶媒中で、金属リチウム化合物を重合開始剤として例えばスチレンを重合させ、次いでブタジエンを重合させ、再度スチレンを重合させる方法で、GPC法における重量平均分子量が5〜50万の範囲になるように金属リチウム化合物を制御して調製される。
【0025】
本発明で用いる(II)成分は、2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体である。
2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体とは2−クロロ−1,3−ブタジエンの単独重合体及び共重合体であり、共重合可能な単量体の一例を挙げれば、1−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、スチレン、硫黄、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどである。共重合体中の2−クロロ−1,3−ブタジエンの割合は、本発明の特性を発現させるために50質量%以上、好ましくは75質量%以上であることが好ましい。
2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体とは2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの単独重合体及び共重合体であり、共重合可能な単量体の一例を挙げれば、1−クロロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、スチレン、硫黄、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどである。共重合体中の2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの割合は、本発明の特性を発現させるために50質量%以上、好ましくは75質量%以上であることが好ましい。
【0026】
本発明で用いる2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体を得るための重合方法としては、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合などが挙げられるが、中でも乳化重合法が好ましい。
乳化重合法について、より詳細に記せば、乳化剤としては、炭素数が6〜22の飽和または不飽和の脂肪酸のアルカリ金属塩、ロジン酸または不均化ロジン酸のアルカリ金属塩、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが用いられる。
連鎖移動剤はアルキルメルカプタン、ジアルキルキサントゲンジスルフィドなどが用いられる。
重合開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、又は過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物類が用いられる。
重合温度は0〜55℃、単量体転化率は50〜100%の範囲で用いられる。単量体転化率が100%に達する前に重合を停止させる場合の重合禁止剤としては、例えば、チオジフェニルアミン、4−ターシャリーブチルカテコール、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール、ジエチルヒドロキシルアミンなどが用いられる。
【0027】
本発明の組成物における2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体(II)の重量平均分子量が10万〜30万であることが好ましい。
なお、この重量平均分子量はGPC法により測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
【0028】
本発明の組成物におけるクロロプレン系重合体(II)の割合は、組成物全量基準で0.5〜10質量%、好ましくは1〜7質量%である。0.5質量%未満では機械的強度、すなわちタフネス、テナシティが低く、一方10質量%を超えると高温での溶融粘度が高くなり施工性が悪くなる。
【0029】
クロロプレン系重合体及び2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体はラテックス状が好ましい。
【0030】
本発明のアスファルト組成物には、必要により従来アスファルト組成物に慣用されている各種添加材、例えばシリカ、タルク、炭酸カルシウム、各種鉱物、ガラス等の繊維状および粉末状充填材、補強材、鉱物質の骨材、顔料あるいはパラフィン系、ナフテン系およびアロマ系のプロセスオイルなどの軟化剤、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、ゴム粉末、剥離防止剤、分散剤、安定剤、凍結防止剤等を本発明の効果を阻害しない範囲で添加してもよい。
【0031】
更に、本発明のアスファルト混合物とは前述のアスファルト組成物と骨材、具体的には5号、6号、7号等の単粒度砕石、粗砂、細砂、スクリーニングス等の天然骨材、人工骨材からなるものであり、その構成比は道路、通路として構造物の機能を全うするものであればいずれでもかまわない。
【0032】
本発明のアスファルト混合物を道路舗装用として用いる場合、その作製法は、事前に攪拌型加熱溶解釜、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等によりアスファルト組成物(I)とクロロプレン系重合体(II)の混合物を作製後、アスファルトプラントのミキサー内で各種加熱骨材混合物及びフィラーとともに混合する方法と、アスファルトプラントのミキサー内で各種加熱骨材混合物とアスファルト組成物(I)を混合する際にクロロプレン系重合体(II)を添加混合する方法であり、各成分の混合温度は、通常160〜210℃で行うことが好ましい。
【0033】
本発明のアスファルト混合物の施工方法は、舗装用アスファルト組成物を所定の温度で骨材、フィラー等と混合し、舗装場所に敷設し、転圧することにより行うことができる。骨材、フィラー等の混合温度は、通常170〜200℃で行うことができる。また、転圧時の温度は、通常160〜180℃で行うことができる。また、効果的な排水性舗装とするためには空隙率を15〜25%をすることが好ましい。
【0034】
「実施例」
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。なお、以下の説明における部および%は質量基準に基づく。
【0035】
共重合体、ブロック共重合体、2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体およびアスファルト組成物の評価は、次の評価方法により行った。
(1)共重合体、ブロック共重合体、2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw);GPC装置[東ソー(株)製 HLC−8120型]で測定し、標準ポリスチレンで換算した。
(2)針入度、軟化点、伸度
JIS K2207に準拠して測定した。
(3)タフネス、テナシティ
「舗装試験法便覧(社団法人日本道路協会刊行)」に準じて測定した。
(4)溶融粘度
200℃でブルックフィールド型粘度計により測定した。
(5)低温粘度
「舗装試験法便覧(社団法人日本道路協会刊行)」に準じて測定した。
【0036】
アスファルト混合物の物性測定:
カンタブロ損失率:新潟県姫川産の6号砕石。粗砂、新潟県青海町産の石粉を用い空隙率約20%の混合物を作製後、日本道路公団規格カンタブロ試験方法(JHS231−1992)にて測定した。
【0037】
「実施例1〜13」
共重合体の調整:
50リットルのステンレス製重合缶を用いて、ブタジエン7kg、スチレン3kg、純水20kg、乳化剤として不均化ロジン酸450g、分散剤としてアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム9g、電解質としてNaPO4 20g、触媒としてパラメンタンハイドロパーオキサイド(PMHP)5g、FeSO4・7H2O 3g、EDTA・Na4 2g、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)5g、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン17gを加え5℃で重合を行い、重合率60%でジメチルジチオカーバメートを加えて重合を停止させた。その後脱気・濃縮処理をして表1に示す固形分濃度50%の共重合体ラテックスを得た。
【0038】
ブロック共重合体の調整:
30リットルのステンレス製重合缶を用いて、シクロヘキサン溶媒11kg、スチレン200g、テトラヒドロフラン10g、開始剤としてn−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で0.1g)を仕込み、スチレンの重合を開始し、スチレンが完全に重合してからブタジエン1400gとスチレン200gとの混合物を添加し、重合を継続した。内容物が完全に重合した後、更にスチレン200gを加え重合を完結させた。
同様に開始剤量を変えて表1に示すブロック共重合体を作製した。
【0039】
クロロプレン重合体の調整:
クロロプレン重合体を得るための重合は、内容積200リットルのステンレス製重合缶を用いて、窒素雰囲気中で重合温度40℃で過硫酸カリウムを連続的に添加しながら行った。重合処方を表2に示した。モノマーの転化率が約85%に達した時点で、ターシャリーブチルカテコールを加えて重合を停止した。未反応単量体を減圧除去し、クロロプレン重合体ラテックスを得た。
【0040】
アスファルト組成物(I)の調整:
表1に示す共重合体及び/又はブロック共重合体を表3に示す配合により、昭和シェル(株)社製ストレートアスファルト60−80に180℃で加熱溶融させてアスファルト組成物(I)を得た。
【0041】
アスファルト組成物試験:
表4、表5に示す配合により、180℃にて加熱溶融した攪拌下のアスファルト組成物(I)に、既述の方法で得られたラテックス(表中の添加量は固形分の量で示した)を所定量逐次添加し、溶融混合した。完全溶融混合後、さらに約10分間養生脱泡し、評価サンプルとした。得られたアスファルト組成物は高いタフネス、テナシティおよび軟化点、40万poise以上の60℃粘度、低い200℃粘度を有し、組成物としての安定性も問題なかった。
【0042】
アスファルト混合物試験:
6号砕石/粗砂/石粉=82/13/5の比率の骨材を所定量、約200℃に加熱後、190℃に温調された30kgミキサーにて30秒間混合後、骨材に対してアスファルト組成物(I)及びクロロプレン系重合体(II)の合計が5質量%となるように表4、表5に示す配合に従って添加して3分間混合し、所定の金型に入れて突き固め、空隙率約20%の供試体を作製した。この供試体のカンタブロ損失率はいずれも低く良好であった。なお、骨材に対するアスファルト組成物の添加量は、日本道路公団規格JHS232「排水性アスファルト混合物の付着試験方法」の最適アスファルト組成物量から求めた。
組成物物性、混合物物性共に優れ、高度にバランスのとれたアスファルト組成物、混合物であることが確認された。
【0043】
「比較例1〜7」
昭和シェル(株)社製ストレートアスファルト60−80とクロロプレン系重合体及びブロック共重合体を表6記載の所定量にて、実施例と同様に評価した。組成物としては伸度、タフネス、テナシティ及び60℃粘度が低く、混合物としてはカンタブロ損失率が高く、満足できるものではなかった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【発明の効果】
本発明のアスファルト組成物の製造法は、高い機械的強度と低温での高い粘度及び高温での低い粘度を有し、組成物としての安定性にも優れ、更にその混合物は良好な施工性と優れたカンタブロ損失率を有する優れた排水性舗装体を与える。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a method for producing a modified asphalt composition and a mixture, and particularly to a method for producing a composition suitable for asphalt for road pavement, especially for drainable pavement.
[0002]
[Prior art]
Currently, asphalt is mainly used as a road pavement material, but due to increased traffic and heavy vehicle traffic, rut digging occurs at intersections and heavy vehicle traffic areas when the road surface temperature rises in the summer, It has been pointed out that the road surface is wavy, and in snowy and cold areas, the pavement is worn by tire chains and the like.
[0003]
Conventionally, in order to solve these problems, the addition of high molecular weight rubber or resin as an asphalt modifier improves the temperature sensitivity of asphalt, improves the adhesion to aggregate, and improves the It is known that the performance of asphalt as a pavement binder can be improved by imparting flexibility or the like.
[0004]
In recent years, in order to improve the slip resistance of pavement, and also to prevent splashing by cars, to prevent hydroplaning and smoking phenomena that occur when cars are running at high speeds in rainy weather, Drainage pavement using open-grain mixture has been widely adopted as a measure to reduce the noise caused by increasing the number of vehicles and speeding up, and to reduce the noise caused by increasing the speed of traffic. .
The drainage pavement is composed of an open-grain asphalt mixture having a porosity of 15% or more, and rainwater falling on the pavement surface is drained through the void. Drainable pavement prevents water from stagnating on the road surface, and eliminates hydroplaning phenomena that occur when driving a car, poor visibility due to slipping and smoking, and glare caused by the headlights of vehicles during rainy and nighttime driving, preventing traffic accidents. At the same time, the traveling sound is absorbed in the gap, and the noise of the traveling vehicle can be reduced.
Since the asphalt mixture for drainage pavement has a porosity of 15% or more, the contact area between aggregates is small. Therefore, in the drainage pavement, an asphalt composition having a large mechanical strength such as an aggregate grasping force and an adhesive force, that is, toughness, tenacity, etc., is required to prevent scattering and rutting of the aggregate. In addition, there is a need to improve the cantaburo loss rate, which is an index of high viscosity at low temperatures (for example, 60 ° C.) and hopping during vehicle traffic. For this reason, methods of increasing the molecular weight of the modifier and increasing the amount of the modifier have been tried, but on the other hand, the melt viscosity at high temperatures is increased, and the workability is significantly impaired.
As means for solving these problems, thermoplastic elastomers such as styrene-butadiene copolymer, styrene-butadiene block copolymer, and styrene-isoprene block copolymer have been mainly studied, and have become the mainstream of current asphalt compositions. However, there is a drawback that the solubility in asphalt is insufficient, and when added in a large amount, the stability of the composition is reduced.
[0005]
Conventionally, there is a composition in which a 2-chloro-1,3-butadiene-based polymer (hereinafter, referred to as chloroprene) and a thermoplastic elastomer are blended into semi-blown asphalt and straight asphalt (for example, see Patent Document 1). When the composition was used for drainage pavement, the softening point, toughness, tenacity, and elongation were insufficient. These asphalt compositions (premix type) are obtained by heating and mixing asphalt with a thermoplastic elastomer such as a styrene-butadiene copolymer, a styrene-butadiene block copolymer, or a styrene-isoprene block copolymer. In order to use the copolymer for pavement, it is necessary to contain a large amount of copolymer, which has a problem of thermal deterioration of the copolymer and a disadvantage that workability at the time of kneading with the aggregate is inferior. Further, there is a modified asphalt composition obtained by heating and mixing chloroprene latex and thermoplastic elastomer latex with asphalt (see, for example, Patent Document 2), but there is a disadvantage that the process of emulsifying the thermoplastic elastomer requires a cost.
[0006]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-95616 (page 2: claims 1-2, pages 5-6: Examples 1-3)
[0007]
[Patent Document 2] Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-188012 (Page 2: Claims 1 to 3, Page 5: Examples 1 to 12)
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the problems of such a conventional asphalt composition, and by adding chloroprene latex to a general-purpose premix type asphalt composition, provides high mechanical strength and high low-temperature (60 ° C.). Viscosity and low viscosity at high temperature (200 ° C.), stability as a composition, and asphalt pavement using the composition for highly balanced drainage pavement with good cantablon loss rate It is intended to provide an asphalt composition.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above problems, and as a result, (A) a copolymer obtained by copolymerizing a vinyl aromatic compound and a conjugated diene compound and / or (B) a vinyl aromatic compound A 2-chloro-1,3 is added to an asphalt composition (I) obtained by heating and mixing a block copolymer composed of a polymer block mainly composed of a compound and a polymer block mainly composed of a conjugated diene compound into asphalt. Asphalt compositions obtained by mixing butadiene-based polymer and / or 2,3-dichloro-1,3-butadiene-based polymer (II) (hereinafter referred to as chloroprene-based polymer (II)) alone Higher mechanical strength (specifically, toughness and tenacity), lower temperature viscosity, higher elongation, better stability as a composition, and lower melt viscosity at high temperature , Asphalt pavement using the composition is found that it is possible to suppress the Kantaburo loss rate, thereby completing the present invention.
[0010]
That is, the present invention provides (A) a vinyl aromatic compound having a weight average molecular weight of 50,000 to 400,000 and a content of a vinyl aromatic compound of 20 to 50 mass% based on the total amount of a polymer composition, based on asphalt. And / or a block copolymer comprising a polymer block mainly composed of a vinyl aromatic compound and (B) a copolymer block mainly composed of a vinyl aromatic compound and a polymer block mainly composed of a conjugated diene compound. A chloroprene polymer (II) is mixed with 0.5 to 10% by mass based on 100% by mass of an asphalt composition (I) obtained by heating and melting and mixing 1 to 15% by mass of the chloroprene-based polymer (II). A method for producing an asphalt composition characterized by the following.
[0011]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
Asphalt used in the present invention includes natural asphalt and petroleum asphalt. Natural asphalts include gilnite, grahamalite, and trinidat, and petroleum asphalts include straight asphalts of various penetrations obtained by distillation of crude oil, blown asphalts obtained by oxidative polymerization by blowing air into straight asphalts, and semi-finished asphalts. There is blown asphalt.
These may be used in combination of two or more.
[0012]
The natural and petroleum asphalts exemplified above are asphalts generally known for road paving. The most preferable asphalt of the present invention is preferably used alone as a straight asphalt, and particularly preferably, one having a 25 ° C penetration of 20 to 150, preferably 40 to 120. In order to prevent rut digging, the asphalt viscosity at 60 ° C. is 40,000 Pa.s. It is preferably at least s.
[0013]
The component (A) used in the present invention is a copolymer comprising a vinyl aromatic compound and a conjugated diene compound. Examples of the vinyl aromatic compound include styrene, p-methylstyrene, α-methylstyrene, vinylxylene, and monochlorobenzene. Styrene, dichlorostyrene, monobromostyrene and the like are mentioned, and these are used alone or in combination of two or more. Of these, particularly preferred is styrene.
Examples of the conjugated diene compound include 1,3-butadiene, isoprene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, and 1,3-pentadiene, and these may be used alone or in combination of two or more. Among these, preferred are 1,3-butadiene and isoprene, and particularly preferred is 1,3-butadiene.
[0014]
The content of the vinyl aromatic compound in the copolymer (A) used in the present invention is 20 to 50% by mass, preferably 25 to 40% by mass based on the total amount of the copolymer. If it is less than 20% by mass, the softening point of the asphalt composition will be low, and if it exceeds 50% by mass, the elongation of the asphalt composition will decrease, and the mechanical strength such as toughness and tenacity will also decrease.
[0015]
The weight average molecular weight of the copolymer is preferably in the range of 50,000 to 400,000, particularly preferably in the range of 90,000 to 300,000. If the weight average molecular weight is less than 50,000, the toughness and tenacity of the asphalt composition will be insufficient, and if it exceeds 400,000, the toughness and tenacity will be large, but the melt viscosity at high temperatures will be high and workability will be poor.
In addition, this weight average molecular weight is measured by the GPC method and is obtained in terms of polystyrene.
[0016]
The component (B) used in the present invention is a block copolymer composed of a polymer block mainly composed of a vinyl aromatic compound and a polymer block mainly composed of a conjugated diene compound. Examples of the vinyl aromatic compound include styrene. , P-methylstyrene, α-methylstyrene, vinylxylene, monochlorostyrene, dichlorostyrene, monobromostyrene and the like, and these are used alone or in combination of two or more. Of these, particularly preferred is styrene.
Examples of the conjugated diene compound include 1,3-butadiene, isoprene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, and 1,3-pentadiene, and these may be used alone or in combination of two or more. Among these, preferred are 1,3-butadiene and isoprene, and particularly preferred is 1,3-butadiene.
[0017]
The content of the vinyl aromatic compound in the block copolymer (B) used in the present invention is 20 to 50% by mass, preferably 25 to 40% by mass, based on the total amount of the block copolymer. If it is less than 20% by mass, the softening point of the asphalt composition will be low, and if it exceeds 50% by mass, the elongation of the asphalt composition will decrease, and the mechanical strength such as toughness and tenacity will also decrease.
[0018]
The weight average molecular weight of the block copolymer is preferably in the range of 50,000 to 400,000, particularly preferably in the range of 90,000 to 300,000. If the weight average molecular weight is less than 50,000, the toughness and tenacity of the asphalt composition will be insufficient, and if it exceeds 400,000, the toughness and tenacity will be large, but the melt viscosity at high temperatures will be high and workability will be poor.
In addition, this weight average molecular weight is measured by the GPC method and is obtained in terms of polystyrene.
[0019]
In the prior art, an SBR or SBS block copolymer is generally used as an asphalt modifier, and in the case of a block copolymer, a styrene block portion and a butadiene block portion in the block copolymer each have an asphalt component. It is known that dispersibility is expressed by dissolving in water. The premix type asphalt modifier may be kneaded and dispersed by adding a compatibilizer such as a petroleum resin in order to impart more dispersibility.
[0020]
The asphalt composition of the present invention exhibits a synergistic effect by using the chloroprene-based polymer (II) and the block copolymer in combination, and is remarkably compared with the asphalt composition obtained by blending each asphalt alone. This improves the balance of physical properties.
[0021]
A copolymer obtained by copolymerizing (A) a vinyl aromatic compound and a conjugated diene compound in the asphalt composition (I) of the present invention and / or (B) a polymer block mainly composed of a vinyl aromatic compound; The proportion of the block copolymer composed of a polymer block mainly composed of a conjugated diene compound is 1 to 15% by mass based on the total amount of the composition. When the ratio of (A) and (B) is less than 1% by mass, the effect is small when the component (II) is added, and when the component (II) is added in a composition exceeding 15% by mass, the melt viscosity at a high temperature becomes low. And the workability deteriorates.
[0022]
The component (I) used in the present invention is a copolymer obtained by copolymerizing (A) a vinyl aromatic compound and a conjugated diene compound on asphalt heated to 150 to 250 ° C. and / or (B) a vinyl aromatic compound. A block copolymer consisting of a polymer block mainly composed of an aromatic group compound and a polymer block mainly composed of a conjugated diene compound is added, stirred, and then dispersed and melted with a mixer such as a homogenizer, a homomixer or a colloid mill. Can be A compatibilizing agent such as a petroleum resin may be added to improve the dispersibility / meltability.
[0023]
Examples of the polymerization method of the copolymer obtained by copolymerizing (A) the vinyl aromatic compound and the conjugated diene compound used in the present invention include emulsion polymerization, solution polymerization, suspension polymerization, and bulk polymerization. Among them, the emulsion polymerization method is preferable. More specifically, the emulsion polymerization method includes, as an emulsifier, an alkali metal salt of a saturated or unsaturated fatty acid having 6 to 22 carbon atoms, an alkali metal salt of rosin acid or disproportionated rosin acid, β-naphthalenesulfonic acid For example, an alkali metal salt of a formalin condensate, polyoxyethylene alkyl ether or the like is used.
As the chain transfer agent, alkyl mercaptan, dialkyl xanthogen disulfide and the like are used.
Organic peroxides such as potassium persulfate, ammonium persulfate, sodium persulfate, hydrogen peroxide and benzoyl peroxide are used as the polymerization initiator.
The polymerization is carried out at a temperature of 0 to 55C and a monomer conversion rate of 50 to 100%. When the polymerization is terminated before the monomer conversion reaches 100%, examples of the polymerization inhibitor include thiodiphenylamine, 4-tert-butylcatechol, and 2,2-methylenebis-4-methyl-6-tertiary. Butylphenol, diethylhydroxylamine, N, N-dimethyldithiocarbamate and the like are used.
[0024]
The block copolymer (B) used in the present invention is produced by a known anionic polymerization. Examples of the inert hydrocarbon solvent used for producing the block copolymer include butane, pentane, hexane, heptane, octane. , Cyclopentane, cyclohexane, methylcyclohexane, benzene, toluene, ethylbenzene, xylene and the like. These are used alone or in combination of two or more. In these inert hydrocarbon solvents, for example, styrene is polymerized using a metal lithium compound as a polymerization initiator, then butadiene is polymerized, and styrene is polymerized again.The weight average molecular weight in the GPC method is 50,000 to 500,000. It is prepared by controlling the metal lithium compound so as to be in the range.
[0025]
The component (II) used in the present invention is a 2-chloro-1,3-butadiene polymer and / or a 2,3-dichloro-1,3-butadiene polymer.
The 2-chloro-1,3-butadiene-based polymer is a homopolymer or a copolymer of 2-chloro-1,3-butadiene. One example of a copolymerizable monomer is 1-chloro-1. -1,3-butadiene, 2,3-dichloro-1,3-butadiene, 1,3-butadiene, 2-methyl-1,3-butadiene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, styrene, sulfur Acrylonitrile, methacrylonitrile, acrylic acid, methacrylic acid, acrylate, methacrylate, and the like. The proportion of 2-chloro-1,3-butadiene in the copolymer is preferably at least 50% by mass, and more preferably at least 75% by mass in order to exhibit the characteristics of the present invention.
The 2,3-dichloro-1,3-butadiene-based polymer is a homopolymer and a copolymer of 2,3-dichloro-1,3-butadiene, and examples of a copolymerizable monomer are as follows. , 1-chloro-1,3-butadiene, 2-chloro-1,3-butadiene, 1,3-butadiene, 2-methyl-1,3-butadiene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, styrene , Sulfur, acrylonitrile, methacrylonitrile, acrylic acid, methacrylic acid, acrylate, methacrylate, and the like. The proportion of 2,3-dichloro-1,3-butadiene in the copolymer is preferably at least 50% by mass, more preferably at least 75% by mass in order to exhibit the characteristics of the present invention.
[0026]
Polymerization methods for obtaining the 2-chloro-1,3-butadiene-based polymer and the 2,3-dichloro-1,3-butadiene-based polymer used in the present invention include emulsion polymerization, solution polymerization, suspension polymerization, Bulk polymerization and the like can be mentioned, and among them, the emulsion polymerization method is preferable.
More specifically, the emulsifier includes an alkali metal salt of a saturated or unsaturated fatty acid having 6 to 22 carbon atoms, an alkali metal salt of rosin acid or disproportionated rosin acid, β-naphthalene sulfone. An alkali metal salt of a formalin condensate of an acid, polyoxyethylene alkyl ether, or the like is used.
As the chain transfer agent, alkyl mercaptan, dialkyl xanthogen disulfide and the like are used.
As the polymerization initiator, organic peroxides such as potassium persulfate, ammonium persulfate, sodium persulfate, hydrogen peroxide, and benzoyl peroxide are used.
The polymerization temperature is in the range of 0 to 55 ° C, and the monomer conversion is in the range of 50 to 100%. When the polymerization is terminated before the monomer conversion reaches 100%, examples of the polymerization inhibitor include thiodiphenylamine, 4-tert-butylcatechol, and 2,2-methylenebis-4-methyl-6-tertiary. Butylphenol, diethylhydroxylamine and the like are used.
[0027]
The weight average molecular weight of the 2-chloro-1,3-butadiene polymer and / or 2,3-dichloro-1,3-butadiene polymer (II) in the composition of the present invention is 100,000 to 300,000. Is preferred.
In addition, this weight average molecular weight is measured by the GPC method and is obtained in terms of polystyrene.
[0028]
The proportion of the chloroprene polymer (II) in the composition of the present invention is 0.5 to 10% by mass, preferably 1 to 7% by mass, based on the total amount of the composition. If it is less than 0.5% by mass, the mechanical strength, that is, toughness and tenacity are low, while if it exceeds 10% by mass, the melt viscosity at a high temperature becomes high and the workability is deteriorated.
[0029]
The chloroprene polymer and the 2,3-dichloro-1,3-butadiene polymer are preferably in latex form.
[0030]
The asphalt composition of the present invention includes, as necessary, various additives conventionally used in asphalt compositions, such as silica, talc, calcium carbonate, various minerals, fibrous and powdery fillers such as glass, reinforcing materials, and minerals. Quality aggregates, pigments or softeners such as paraffinic, naphthenic and aroma-based process oils, coumarone indene resin, terpene resin, petroleum resin, rubber powder, anti-peeling agent, dispersant, stabilizer, antifreeze And the like may be added as long as the effects of the present invention are not impaired.
[0031]
Furthermore, the asphalt mixture of the present invention refers to the above-mentioned asphalt composition and aggregate, specifically, natural aggregates such as single-grained crushed stones such as No. 5, No. 6, and No. 7, coarse sand, fine sand, and screenings; It is made of artificial aggregate, and its composition ratio may be any as long as it fulfills the function of the structure as a road or a passage.
[0032]
When the asphalt mixture of the present invention is used for road pavement, its preparation method is as follows. ), A method of mixing with the various heated aggregate mixtures and fillers in a mixer of an asphalt plant, and a method of mixing the various heated aggregate mixtures with the asphalt composition (I) in a mixer of an asphalt plant. This is a method in which the system polymer (II) is added and mixed, and the mixing temperature of each component is usually preferably from 160 to 210 ° C.
[0033]
The method for applying the asphalt mixture of the present invention can be carried out by mixing the asphalt composition for pavement with an aggregate, a filler or the like at a predetermined temperature, laying the pavement at a pavement location, and compacting it. The mixing temperature of the aggregate, the filler, and the like can be generally set to 170 to 200 ° C. Moreover, the temperature at the time of compaction can be usually set at 160 to 180 ° C. Further, in order to make the drainage pavement effective, it is preferable to set the porosity to 15 to 25%.
[0034]
"Example"
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but these Examples do not limit the present invention. In the following description, parts and% are based on mass.
[0035]
Evaluation of the copolymer, the block copolymer, the 2-chloro-1,3-butadiene-based polymer, the 2,3-dichloro-1,3-butadiene-based polymer and the asphalt composition was performed by the following evaluation method. Was.
(1) Weight average molecular weight (Mw) of copolymer, block copolymer, 2-chloro-1,3-butadiene-based polymer, 2,3-dichloro-1,3-butadiene-based polymer; GPC device [ HLC-8120 manufactured by Tosoh Corporation] and converted into standard polystyrene.
(2) Penetration, softening point, elongation
It was measured in accordance with JIS K2207.
(3) Toughness, Tena City
The measurement was carried out according to the “Pavement Test Method Handbook (published by the Japan Road Association)”.
(4) Melt viscosity
It was measured at 200 ° C. with a Brookfield viscometer.
(5) Low temperature viscosity
The measurement was carried out according to the “Pavement Test Method Handbook (published by the Japan Road Association)”.
[0036]
Measurement of physical properties of asphalt mixture:
Kantaburo loss rate: No. 6 crushed stone from Himekawa, Niigata Prefecture. After preparing a mixture having a porosity of about 20% using coarse sand and stone powder from Aomi Town, Niigata Prefecture, the mixture was measured according to the Japan Highway Public Corporation Kantaburo test method (JHS231-1992).
[0037]
"Examples 1 to 13"
Preparation of copolymer:
Using a 50 liter stainless steel polymerization can, 7 kg of butadiene, 3 kg of styrene, 20 kg of pure water, 450 g of disproportionated rosin acid as an emulsifier, 9 g of sodium alkylnaphthalene sulfonate as a dispersant, 20 g of NaPO4 as an electrolyte, and paramenthan hydro as a catalyst 5 g of peroxide (PMHP), 3 g of FeSO4.7H2O, 2 g of EDTA.Na4, 5 g of sodium formaldehyde sulfoxylate (SFS), and 17 g of t-dodecylmercaptan as a molecular weight regulator were added, and polymerization was carried out at 5 [deg.] C., and the polymerization rate was 60%. Then, dimethyldithiocarbamate was added to terminate the polymerization. Thereafter, a deaeration and concentration treatment was performed to obtain a copolymer latex having a solid content concentration of 50% shown in Table 1.
[0038]
Preparation of block copolymer:
Using a 30-liter stainless steel polymerization vessel, 11 kg of cyclohexane solvent, 200 g of styrene, 10 g of tetrahydrofuran, and an n-butyllithium cyclohexane solution (0.1 g in pure content) as an initiator were charged, and polymerization of styrene was started. After complete polymerization, a mixture of 1400 g of butadiene and 200 g of styrene was added, and the polymerization was continued. After the content was completely polymerized, 200 g of styrene was further added to complete the polymerization.
Similarly, block copolymers shown in Table 1 were prepared by changing the amount of the initiator.
[0039]
Preparation of chloroprene polymer:
The polymerization for obtaining the chloroprene polymer was carried out in a nitrogen-containing atmosphere at a polymerization temperature of 40 ° C. while continuously adding potassium persulfate using a 200-liter stainless steel polymerization vessel. The polymerization recipe is shown in Table 2. When the conversion of the monomer reached about 85%, tertiary butyl catechol was added to terminate the polymerization. Unreacted monomers were removed under reduced pressure to obtain a chloroprene polymer latex.
[0040]
Preparation of asphalt composition (I):
The copolymers and / or block copolymers shown in Table 1 were melted by heating at 180 ° C. in straight asphalt 60-80 manufactured by Showa Shell Co., Ltd. according to the formulation shown in Table 3 to obtain asphalt composition (I). Was.
[0041]
Asphalt composition test:
According to the formulations shown in Tables 4 and 5, the asphalt composition (I) heated and melted at 180 ° C. was mixed with the latex obtained by the above-mentioned method (the amount of addition in the tables is indicated by the solid content. Was added sequentially and melt-mixed. After the complete melting and mixing, curing and defoaming were further performed for about 10 minutes to obtain evaluation samples. The asphalt composition obtained had a high toughness, tenacity and softening point, a viscosity of 60,000 ° C. or more, and a low viscosity of 200 ° C., which was not less than 400,000 poise.
[0042]
Asphalt mixture test:
No. 6 crushed stone / coarse sand / stone powder = 82/13/5 A predetermined amount of aggregate was heated to about 200 ° C., and then mixed with a 30 kg mixer controlled at 190 ° C. for 30 seconds. The asphalt composition (I) and the chloroprene-based polymer (II) were added according to the formulations shown in Tables 4 and 5 so that the total of the asphalt composition (I) and the chloroprene-based polymer (II) was 5% by mass, mixed for 3 minutes, put in a predetermined mold, and thrusted. The specimen was hardened to produce a specimen having a porosity of about 20%. The cantabulo loss rate of each of the test specimens was low and good. The amount of the asphalt composition added to the aggregate was determined from the optimum amount of the asphalt composition according to the Japan Highway Public Corporation Standard JHS232 “Adhesion test method for drainable asphalt mixture”.
Both the composition properties and the mixture properties were excellent, and it was confirmed that the asphalt composition and the mixture were highly balanced.
[0043]
"Comparative Examples 1 to 7"
Straight asphalt 60-80 manufactured by Showa Shell Co., Ltd., a chloroprene-based polymer and a block copolymer were evaluated in the same manner as in the examples at predetermined amounts shown in Table 6. As a composition, elongation, toughness, tenacity and viscosity at 60 ° C. were low, and as a mixture, the loss rate of cantablo was high, and it was not satisfactory.
[0044]
[Table 1]
[0045]
[Table 2]
[0046]
[Table 3]
[0047]
[Table 4]
[0048]
[Table 5]
[0049]
[Table 6]
[0050]
【The invention's effect】
The method for producing the asphalt composition of the present invention has high mechanical strength, high viscosity at low temperature and low viscosity at high temperature, and has excellent stability as a composition, and the mixture has good workability. An excellent drainage pavement having an excellent cantablo loss rate is provided.