JP2004301580A - 複合材料の衝撃層間剥離検出方法および装置 - Google Patents
複合材料の衝撃層間剥離検出方法および装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複合材料に発生する衝撃層間剥離の同定および大きさと位置を検出することができる非破壊検査方法および装置を提供する。
【解決手段】ゼロ次Sモード(S0モード)の板波超音波を用いて、複合材料の衝撃層間剥離を非破壊で検出する方法であって、複合材料の表面に、板波送信探触子と板波受信探触子の距離を一定に保ち、一定方向に移動させながら、板波送信探触子から超音波を発信し、板波受信探触子で超音波を受信し、衝撃層間剥離を通過した低振幅の波形を計測してS0モードの到達時間を計測すること(第一走査)、及び、S0モードの受信波形の最大振幅を測定すること(第二走査)により、衝撃層間剥離の位置と大きさを検出する複合材料の衝撃層間剥離検出方法及びこれを具現化した装置。
【選択図】 図2
【解決手段】ゼロ次Sモード(S0モード)の板波超音波を用いて、複合材料の衝撃層間剥離を非破壊で検出する方法であって、複合材料の表面に、板波送信探触子と板波受信探触子の距離を一定に保ち、一定方向に移動させながら、板波送信探触子から超音波を発信し、板波受信探触子で超音波を受信し、衝撃層間剥離を通過した低振幅の波形を計測してS0モードの到達時間を計測すること(第一走査)、及び、S0モードの受信波形の最大振幅を測定すること(第二走査)により、衝撃層間剥離の位置と大きさを検出する複合材料の衝撃層間剥離検出方法及びこれを具現化した装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチックの衝撃荷重により発生する層間剥離の検出方法およびその検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化プラスチック複合材料は軽量でかつ高強度、高剛性を有するため、航空宇宙分野における輸送機の構造材料などとして幅広い分野に適用されている。通常は積層材料として用いられているが、その層間強度が低いため整備作業時における工具の落下等の衝撃荷重によっても容易に層間剥離が発生する。
この層間剥離は特に圧縮強度と剛性を低下させるために、複合材料構造体の安全性を確保するため、非破壊検査すべき主要な損傷と位置付けられている。従来、非破壊検査には超音波探傷やX線による手法が用いられていたが、装置が複雑で高価であること、さらに超音波探傷においては検査対象範囲全体を点走査する必要があるため、膨大な時間がかかることなどの問題があった。
そのため、500kHz前後の周波数の板波を複合材料内部に伝播させて探傷する手法が提案されている。この板波法は板波送信探触子および受信探触子間の線上における表面および内部損傷を同時に検出することができ、さらに伝播時の拡散損失が少ないので、検査対象範囲が広範囲に及ぶため、非破壊検査時間の大幅な短縮が達成させるといった利点がある。
そこで、複合材料に板波を伝播させ、その受信波形の変化から層間剥離を検出する手法が提案されている。
例えば、R. A. Badcockらは、擬似等方CFRP板の衝撃損傷の存在を板波ゼロ次対称モード(S0モード)の減衰から検出する方法を提案している(非特許文献1参照)。
また、 K. S. Tanらは(Composites Science and Technology, 53, 1995, p77)において、一方向強化GFRP板の擬似層間剥離の存在をS0モードの減衰から検出する方法を提案している(非特許文献2参照)。
さらに、N. Guoらは、直交積層CFRP板の擬似層間剥離の存在をS0モードの反射波から検出し、位置標定する方法を提案している(非特許文献3参照)。
【0003】
【非特許文献1】
Smart Materials and Structures, 9, 2000, p291
【非特許文献2】
Composites Science and Technology, 53, 1995, p77
【非特許文献3】
Materials Evaluation, 46, 1994, p404
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、複合材料の損傷の有無を検出することができても、その損傷が層間剥離であると同定するには至っていない。さらに実際に生じた衝撃層間剥離の大きさと位置を検出するには至っていない。本発明はこれらの課題を解決するため、複合材料に発生する衝撃層間剥離の同定および大きさと位置を検出することができる非破壊検査方法および装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はS0モードを複合材料表面より表面繊維方向に送信し、その透過波を受信するまでの到達時間および受信波形の最大振幅を計測することにより、到達時間が短くなる箇所を層間剥離箇所として同定し、層間剥離の発生前後での到達時間差からその大きさを検出し、さらに受信波形の最大振幅の急激な低下箇所として層間剥離端部の位置を検出する複合材料の衝撃層間剥離検出方法である。
すなわち、ゼロ次Sモード(S0モード)の板波超音波を用いて、複合材料の衝撃層間剥離を非破壊で検出方法であって、複合材料の表面に、板波送信探触子と板波受信探触子の距離を一定に保ち、一定方向に移動させながら、板波送信探触子から超音波を発信し、板波受信探触子で超音波を受信し、衝撃層間剥離を通過した低振幅の波形を計測してS0モードの到達時間を計測する(第一走査)こと、及び、S0モードの受信波形の最大振幅を測定すること(第二走査)により、衝撃層間剥離の位置と大きさを検出する複合材料の衝撃層間剥離検出方法、及び、ゼロ次Sモード(S0モード)の超音波の発生装置、一対の送信探触子と受信探触子、送信探触子と受信探触子の距離を一定に保つ保持器、一対の板波送信探触子と板波受信探触子を一定方向に移動させる移動装置、板波送信探触子から超音波を発信し、板波受信探触子で超音波を受信し、衝撃層間剥離を通過した低振幅の波形を計測してS0モードの到達時間を計測する計測装置、及びS0モードの受信波形の最大振幅を測定する測定装置からなる複合材料の衝撃層間剥離検出装置を提供する。
S0モードを複合材料表面より表面繊維方向に送信する板波送信器と、その透過波を受信するための板波受信器、透過波の到達時間および受信波形の最大振幅を計測するための板波計測装置を備え、到達時間が短くなる箇所を層間剥離箇所として同定し、層間剥離の発生前後での到達時間差からその大きさを検出し、さらに受信波形の最大振幅の急激な低下箇所として層間剥離端部の位置を検出することができることが判り、複合材料の衝撃層間剥離検出方法及び装置を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
本実施例で用いた複合材料は炭素繊維強化エポキシ複合材料(CFRP)である東レ製一方向プリプレグT800H/3631を積層させて作製した。積層構成は[0/903]Sおよび[0/90]2S、寸法は長さ300mm、幅300mm、厚さ1mmとした。衝撃層間剥離の発生には落錘試験装置を用いて行った。直径15mmの半球形圧子によって総重量2kg、水平高さ500mmの自由落下により落錘試験を行った。
繊維強化プラスチックにおいて衝撃荷重が加わった際に、最下層間に最大の層間剥離が発生し、かつその層間剥離は最下層の繊維方向に沿って長さが最大になることが理論的、実験的に証明されている。すなわち最下層の繊維方向(0°方向)に沿って板波を伝播させると板波は層間剥離部で0°層とその他の層に分離して伝播することになる。ここで、板波の伝播速度はVP=(E/ρ)0.5で表される。Eは伝播方向の複合材料のヤング率、ρは複合材料の密度である。0°層のヤング率は最も高いため、その板波速度は最大となる。すなわち、層間剥離を通過して検出されるのは層間剥離部において0°層を伝播してきた板波となる。
複合材料の他の損傷であるマトリックスクラックおよび繊維破断は複合材料のヤング率を低下させるために板波速度を低下させ、唯一層間剥離が板波速度を向上させることになる。したがって、0°方向に沿った板波速度を計測することによって、板波速度の増加として層間剥離の同定が可能となる。
【0007】
さらにその大きさの同定手法を以下に述べる。層間剥離の長さをLとすると層間剥離がない場合、板波が距離Lを伝播する時間t1はL/VLであり、層間剥離がある場合、板波が距離Lを伝播する時間t2はL/V0となる。ここで、VL は無損傷の複合材料の板波速度、V0は0°層のみの板波速度である。したがって、層間剥離のある場合とない場合の受信探触子における板波到達時間差をΔtとすると層間剥離長さは次式(1)
【式1】
として計算できることになる。以上より、衝撃層間剥離の生じた複合材料の0°方向に沿った板波到達時間を計測することにより層間剥離の同定、その位置次元位置および大きさの検出が可能となる。
またK. S. Tanらによって板波は層間剥離部おいて顕著な減衰を生じることが明らかになっている。すなわち、受信探触子を走査し、検出波形の振幅を測定することで、急激な振幅低下として層間剥離端部の位置の検出が可能となっている。以上のことを利用した2回の線走査からなる層間剥離の同定およびその大きさと位置を同定する手法を開発した。
【0008】
【実施例】
図1に本研究で用いた超音波計測システムを示す。発信には任意波形発生装置(Agilent製33250A)を用いて300kHz、5サイクルの正弦波にHamming窓関数を掛けたバースト波を発生させた。発生信号を高速バイポーラー増幅器(NF製HSA4011)を用いて増幅し、送信用可変角探触子(Panametric製V414−SB)に入力した。純粋なS0モードを伝播させるため、入射角はSnellの法則によるθ=sin−1(VW/VL)を満たす角度に設定した。
ここで、VW可変角くさび(Panametric製ABWX−2001)の縦波速度(2720m/s)、VLは複合材料のS0モード速度である。受信にはAEセンサ(富士セラミックス製M304A)を用い、受信信号は増幅器(富士セラミックス製A1002)にて増幅し、デジタルオシロスコープ(Tektronix製TDS7054)に入力した。さらに、デジタルオシロスコープにて100回の平均化処理を行いS/N比を向上させた。また任意波形発生装置からトリガ信号をデジタルオシロスコープに入力し、波形発生時間の計測を可能とした。
【0009】
図2に本手法の概略図を示す。第一走査は送信探触子と受信探触子間を一定距離を保ったまま(210mm)、表面繊維方向(X軸方向)と直角方向(Y軸方向)に移動させ、X軸方向に伝播するS0モードの到達時間を測定した。なお到達時間は波形発生時間から受信探触子にて受信された受信波形の最初のピークが到達するまでの時間とした。衝撃層間剥離の存在する線上においては板波速度の増加、すなわち透過波の到達時間の減少として層間剥離が同定される。また本研究では衝撃層間剥離の形状を楕円形状と仮定した。したがって、第一走査により層間剥離の短軸長さ(Y軸方向に沿った長さ)が検出され、さらにその長軸長さ(X軸方向に沿った長さ)も式(1)により検出が可能となるため、層間剥離の大きさが検出できる。さらに層間剥離の存在する一次元位置(Y座標の位置)も検出できる。
第二走査では層間剥離長軸端部のX座標位置を検出することを目的として行った。送信探触子を検査対象範囲端部に固定し、受信探触子のみをX軸方向に沿って走査し、検出信号の最大振幅の測定を行った。走査は第一走査で検出された長軸の存在する線上のみで行った。
なおすべての走査は衝撃面上にて1cm毎に行い、層間剥離が検出された際には検出精度を向上させるため層間剥離近傍領域では5mm毎で行った。
本手法の妥当性を検証するために、衝撃試験によって発生した層間剥離の位置と大きさを超音波探傷装置(東レ(株)製PA101)を用いて超音波Cスキャン法により観察した。
【0010】
(実施例1)
図3に第一走査によって得られた[0/903]Sおよび[0/90]2Sにおける衝撃試験前後の受信波の到達時間を示す。本研究で作製した複合材料の不均質性のため多少のばらつきはあるものの、両方の複合材料において、層間剥離の存在に対応する顕著な到達時間の減少(あるいは板波速度の増加)が確認された。到達時間の減少する範囲より層間剥離の短軸長さはそれぞれ25mm、10mmと推定することができる。さらに計測された衝撃試験前後の受信波の到達時間差と式(1)を用いて層間剥離長さを計算した結果を図4に示す。なお式(1)の右辺には表1に示す一方向強化材の材料物性値により計算した板波速度を用いた。
【0011】
【表1】
これより[0/903]Sおよび[0/90]2Sにおける長軸長さとそのY軸座標はそれぞれ44mm、10.5cmおよび61mm、11cmと推定することができた。
図5に第二走査によって得られた受信波形の最大振幅の推移を示す。なお第二走査は第一走査により推定された層間剥離長軸の存在するY軸座標10cmおよび11cmの線上のみで行った。また参考のため層間剥離の存在しないY軸座標7cmにおける結果も併せて示した。図5より層間剥離の有無に関わらず拡散減衰のために受信探触子が送信探触子から離れるにつれて緩やかな振幅の低下が見られる。しかし層間剥離の存在する線上においては両方の試験片ともに急激な振幅低下が見られた。これは層間剥離の存在に起因しており、急激な振幅低下位置が層間剥離端部の位置に対応する。したがって、層間剥離の長軸の端部位置はそれぞれX座標で11cmおよび10.5cmと推定することができる。
本手法により同定され、推定された層間剥離の位置および大きさの妥当性を検証するために行った超音波Cスキャン法の結果を図6に示す。併せて本手法によって得られた結果も示す。図6より本手法により推定した衝撃層間剥離の位置および大きさともに非常に精度よく検出できていることがわかる。
以上の測定結果より、上記した本発明の衝撃層間剥離検出方法の有効性が確認された。
【0012】
【発明の効果】
以上のことから本発明によって板波S0モードの到達時間および最大振幅の測定を行うことで、複合材料における衝撃層間剥離の存在の同定、さらにその大きさと位置を検出することができる。本手法は従来の超音波Cスキャン法で行う検査対象範囲の全点走査の必要がなく2回の線走査のみで検査が可能であるため、検査時間の大幅な短縮が達成され、かつ従来の板波法では行えなかった層間剥離の同定、その大きさと位置の検出を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合材料の層間剥離検出装置の概略断面図である。
【図2】本発明の複合材料の層間剥離検出方法の概略平面図である。
【図3】第一走査により得られた衝撃損傷前後の板波到達時間:(a) [0/903]S、(b) [0/90]2S。
【図4】板波到達時間差から求めた層間剥離長軸長さ:(a) [0/903]S、(b) [0/90]2S。
【図5】受信波形の最大振幅の推移:(a) [0/903]S、(b) [0/90]2S。
【図6】本手法および超音波Cスキャン法に検出された層間剥離の位置および大きさ:(a) [0/903]S、(b) [0/90]2S。
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチックの衝撃荷重により発生する層間剥離の検出方法およびその検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化プラスチック複合材料は軽量でかつ高強度、高剛性を有するため、航空宇宙分野における輸送機の構造材料などとして幅広い分野に適用されている。通常は積層材料として用いられているが、その層間強度が低いため整備作業時における工具の落下等の衝撃荷重によっても容易に層間剥離が発生する。
この層間剥離は特に圧縮強度と剛性を低下させるために、複合材料構造体の安全性を確保するため、非破壊検査すべき主要な損傷と位置付けられている。従来、非破壊検査には超音波探傷やX線による手法が用いられていたが、装置が複雑で高価であること、さらに超音波探傷においては検査対象範囲全体を点走査する必要があるため、膨大な時間がかかることなどの問題があった。
そのため、500kHz前後の周波数の板波を複合材料内部に伝播させて探傷する手法が提案されている。この板波法は板波送信探触子および受信探触子間の線上における表面および内部損傷を同時に検出することができ、さらに伝播時の拡散損失が少ないので、検査対象範囲が広範囲に及ぶため、非破壊検査時間の大幅な短縮が達成させるといった利点がある。
そこで、複合材料に板波を伝播させ、その受信波形の変化から層間剥離を検出する手法が提案されている。
例えば、R. A. Badcockらは、擬似等方CFRP板の衝撃損傷の存在を板波ゼロ次対称モード(S0モード)の減衰から検出する方法を提案している(非特許文献1参照)。
また、 K. S. Tanらは(Composites Science and Technology, 53, 1995, p77)において、一方向強化GFRP板の擬似層間剥離の存在をS0モードの減衰から検出する方法を提案している(非特許文献2参照)。
さらに、N. Guoらは、直交積層CFRP板の擬似層間剥離の存在をS0モードの反射波から検出し、位置標定する方法を提案している(非特許文献3参照)。
【0003】
【非特許文献1】
Smart Materials and Structures, 9, 2000, p291
【非特許文献2】
Composites Science and Technology, 53, 1995, p77
【非特許文献3】
Materials Evaluation, 46, 1994, p404
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、複合材料の損傷の有無を検出することができても、その損傷が層間剥離であると同定するには至っていない。さらに実際に生じた衝撃層間剥離の大きさと位置を検出するには至っていない。本発明はこれらの課題を解決するため、複合材料に発生する衝撃層間剥離の同定および大きさと位置を検出することができる非破壊検査方法および装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はS0モードを複合材料表面より表面繊維方向に送信し、その透過波を受信するまでの到達時間および受信波形の最大振幅を計測することにより、到達時間が短くなる箇所を層間剥離箇所として同定し、層間剥離の発生前後での到達時間差からその大きさを検出し、さらに受信波形の最大振幅の急激な低下箇所として層間剥離端部の位置を検出する複合材料の衝撃層間剥離検出方法である。
すなわち、ゼロ次Sモード(S0モード)の板波超音波を用いて、複合材料の衝撃層間剥離を非破壊で検出方法であって、複合材料の表面に、板波送信探触子と板波受信探触子の距離を一定に保ち、一定方向に移動させながら、板波送信探触子から超音波を発信し、板波受信探触子で超音波を受信し、衝撃層間剥離を通過した低振幅の波形を計測してS0モードの到達時間を計測する(第一走査)こと、及び、S0モードの受信波形の最大振幅を測定すること(第二走査)により、衝撃層間剥離の位置と大きさを検出する複合材料の衝撃層間剥離検出方法、及び、ゼロ次Sモード(S0モード)の超音波の発生装置、一対の送信探触子と受信探触子、送信探触子と受信探触子の距離を一定に保つ保持器、一対の板波送信探触子と板波受信探触子を一定方向に移動させる移動装置、板波送信探触子から超音波を発信し、板波受信探触子で超音波を受信し、衝撃層間剥離を通過した低振幅の波形を計測してS0モードの到達時間を計測する計測装置、及びS0モードの受信波形の最大振幅を測定する測定装置からなる複合材料の衝撃層間剥離検出装置を提供する。
S0モードを複合材料表面より表面繊維方向に送信する板波送信器と、その透過波を受信するための板波受信器、透過波の到達時間および受信波形の最大振幅を計測するための板波計測装置を備え、到達時間が短くなる箇所を層間剥離箇所として同定し、層間剥離の発生前後での到達時間差からその大きさを検出し、さらに受信波形の最大振幅の急激な低下箇所として層間剥離端部の位置を検出することができることが判り、複合材料の衝撃層間剥離検出方法及び装置を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
本実施例で用いた複合材料は炭素繊維強化エポキシ複合材料(CFRP)である東レ製一方向プリプレグT800H/3631を積層させて作製した。積層構成は[0/903]Sおよび[0/90]2S、寸法は長さ300mm、幅300mm、厚さ1mmとした。衝撃層間剥離の発生には落錘試験装置を用いて行った。直径15mmの半球形圧子によって総重量2kg、水平高さ500mmの自由落下により落錘試験を行った。
繊維強化プラスチックにおいて衝撃荷重が加わった際に、最下層間に最大の層間剥離が発生し、かつその層間剥離は最下層の繊維方向に沿って長さが最大になることが理論的、実験的に証明されている。すなわち最下層の繊維方向(0°方向)に沿って板波を伝播させると板波は層間剥離部で0°層とその他の層に分離して伝播することになる。ここで、板波の伝播速度はVP=(E/ρ)0.5で表される。Eは伝播方向の複合材料のヤング率、ρは複合材料の密度である。0°層のヤング率は最も高いため、その板波速度は最大となる。すなわち、層間剥離を通過して検出されるのは層間剥離部において0°層を伝播してきた板波となる。
複合材料の他の損傷であるマトリックスクラックおよび繊維破断は複合材料のヤング率を低下させるために板波速度を低下させ、唯一層間剥離が板波速度を向上させることになる。したがって、0°方向に沿った板波速度を計測することによって、板波速度の増加として層間剥離の同定が可能となる。
【0007】
さらにその大きさの同定手法を以下に述べる。層間剥離の長さをLとすると層間剥離がない場合、板波が距離Lを伝播する時間t1はL/VLであり、層間剥離がある場合、板波が距離Lを伝播する時間t2はL/V0となる。ここで、VL は無損傷の複合材料の板波速度、V0は0°層のみの板波速度である。したがって、層間剥離のある場合とない場合の受信探触子における板波到達時間差をΔtとすると層間剥離長さは次式(1)
【式1】
として計算できることになる。以上より、衝撃層間剥離の生じた複合材料の0°方向に沿った板波到達時間を計測することにより層間剥離の同定、その位置次元位置および大きさの検出が可能となる。
またK. S. Tanらによって板波は層間剥離部おいて顕著な減衰を生じることが明らかになっている。すなわち、受信探触子を走査し、検出波形の振幅を測定することで、急激な振幅低下として層間剥離端部の位置の検出が可能となっている。以上のことを利用した2回の線走査からなる層間剥離の同定およびその大きさと位置を同定する手法を開発した。
【0008】
【実施例】
図1に本研究で用いた超音波計測システムを示す。発信には任意波形発生装置(Agilent製33250A)を用いて300kHz、5サイクルの正弦波にHamming窓関数を掛けたバースト波を発生させた。発生信号を高速バイポーラー増幅器(NF製HSA4011)を用いて増幅し、送信用可変角探触子(Panametric製V414−SB)に入力した。純粋なS0モードを伝播させるため、入射角はSnellの法則によるθ=sin−1(VW/VL)を満たす角度に設定した。
ここで、VW可変角くさび(Panametric製ABWX−2001)の縦波速度(2720m/s)、VLは複合材料のS0モード速度である。受信にはAEセンサ(富士セラミックス製M304A)を用い、受信信号は増幅器(富士セラミックス製A1002)にて増幅し、デジタルオシロスコープ(Tektronix製TDS7054)に入力した。さらに、デジタルオシロスコープにて100回の平均化処理を行いS/N比を向上させた。また任意波形発生装置からトリガ信号をデジタルオシロスコープに入力し、波形発生時間の計測を可能とした。
【0009】
図2に本手法の概略図を示す。第一走査は送信探触子と受信探触子間を一定距離を保ったまま(210mm)、表面繊維方向(X軸方向)と直角方向(Y軸方向)に移動させ、X軸方向に伝播するS0モードの到達時間を測定した。なお到達時間は波形発生時間から受信探触子にて受信された受信波形の最初のピークが到達するまでの時間とした。衝撃層間剥離の存在する線上においては板波速度の増加、すなわち透過波の到達時間の減少として層間剥離が同定される。また本研究では衝撃層間剥離の形状を楕円形状と仮定した。したがって、第一走査により層間剥離の短軸長さ(Y軸方向に沿った長さ)が検出され、さらにその長軸長さ(X軸方向に沿った長さ)も式(1)により検出が可能となるため、層間剥離の大きさが検出できる。さらに層間剥離の存在する一次元位置(Y座標の位置)も検出できる。
第二走査では層間剥離長軸端部のX座標位置を検出することを目的として行った。送信探触子を検査対象範囲端部に固定し、受信探触子のみをX軸方向に沿って走査し、検出信号の最大振幅の測定を行った。走査は第一走査で検出された長軸の存在する線上のみで行った。
なおすべての走査は衝撃面上にて1cm毎に行い、層間剥離が検出された際には検出精度を向上させるため層間剥離近傍領域では5mm毎で行った。
本手法の妥当性を検証するために、衝撃試験によって発生した層間剥離の位置と大きさを超音波探傷装置(東レ(株)製PA101)を用いて超音波Cスキャン法により観察した。
【0010】
(実施例1)
図3に第一走査によって得られた[0/903]Sおよび[0/90]2Sにおける衝撃試験前後の受信波の到達時間を示す。本研究で作製した複合材料の不均質性のため多少のばらつきはあるものの、両方の複合材料において、層間剥離の存在に対応する顕著な到達時間の減少(あるいは板波速度の増加)が確認された。到達時間の減少する範囲より層間剥離の短軸長さはそれぞれ25mm、10mmと推定することができる。さらに計測された衝撃試験前後の受信波の到達時間差と式(1)を用いて層間剥離長さを計算した結果を図4に示す。なお式(1)の右辺には表1に示す一方向強化材の材料物性値により計算した板波速度を用いた。
【0011】
【表1】
これより[0/903]Sおよび[0/90]2Sにおける長軸長さとそのY軸座標はそれぞれ44mm、10.5cmおよび61mm、11cmと推定することができた。
図5に第二走査によって得られた受信波形の最大振幅の推移を示す。なお第二走査は第一走査により推定された層間剥離長軸の存在するY軸座標10cmおよび11cmの線上のみで行った。また参考のため層間剥離の存在しないY軸座標7cmにおける結果も併せて示した。図5より層間剥離の有無に関わらず拡散減衰のために受信探触子が送信探触子から離れるにつれて緩やかな振幅の低下が見られる。しかし層間剥離の存在する線上においては両方の試験片ともに急激な振幅低下が見られた。これは層間剥離の存在に起因しており、急激な振幅低下位置が層間剥離端部の位置に対応する。したがって、層間剥離の長軸の端部位置はそれぞれX座標で11cmおよび10.5cmと推定することができる。
本手法により同定され、推定された層間剥離の位置および大きさの妥当性を検証するために行った超音波Cスキャン法の結果を図6に示す。併せて本手法によって得られた結果も示す。図6より本手法により推定した衝撃層間剥離の位置および大きさともに非常に精度よく検出できていることがわかる。
以上の測定結果より、上記した本発明の衝撃層間剥離検出方法の有効性が確認された。
【0012】
【発明の効果】
以上のことから本発明によって板波S0モードの到達時間および最大振幅の測定を行うことで、複合材料における衝撃層間剥離の存在の同定、さらにその大きさと位置を検出することができる。本手法は従来の超音波Cスキャン法で行う検査対象範囲の全点走査の必要がなく2回の線走査のみで検査が可能であるため、検査時間の大幅な短縮が達成され、かつ従来の板波法では行えなかった層間剥離の同定、その大きさと位置の検出を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合材料の層間剥離検出装置の概略断面図である。
【図2】本発明の複合材料の層間剥離検出方法の概略平面図である。
【図3】第一走査により得られた衝撃損傷前後の板波到達時間:(a) [0/903]S、(b) [0/90]2S。
【図4】板波到達時間差から求めた層間剥離長軸長さ:(a) [0/903]S、(b) [0/90]2S。
【図5】受信波形の最大振幅の推移:(a) [0/903]S、(b) [0/90]2S。
【図6】本手法および超音波Cスキャン法に検出された層間剥離の位置および大きさ:(a) [0/903]S、(b) [0/90]2S。
Claims (5)
- ゼロ次Sモード(S0モード)の板波超音波を用いて、複合材料の衝撃層間剥離を非破壊で検出する方法であって、複合材料の表面に、板波送信探触子と板波受信探触子の距離を一定に保ち、一定方向に移動させながら、板波送信探触子から超音波を発信し、板波受信探触子で超音波を受信し、衝撃層間剥離を通過した低振幅の波形を計測してS0モードの到達時間を計測すること(第一走査)、及び、S0モードの受信波形の最大振幅を測定すること(第二走査)により、衝撃層間剥離の位置と大きさを検出する複合材料の衝撃層間剥離検出方法。
- 低振幅の波形の計測を高感度のセンサシステムで行う請求項1に記載した複合材料の衝撃層間剥離検出方法。
- 送信超音波として300kHzの板波S0モードを用いる請求項1又は請求項2に記載した複合材料の衝撃層間剥離検出方法。
- 衝撃層間剥離の形状を楕円形状として検出する請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載した複合材料の衝撃層間剥離検出方法。
- ゼロ次Sモード(S0モード)の板波超音波の発生装置、一対の送信探触子と受信探触子、送信探触子と受信探触子の距離を一定に保つ保持器、一対の板波送信探触子と板波受信探触子を一定方向に移動させる移動装置、板波送信探触子から超音波を発信し、板波受信探触子で超音波を受信し、衝撃層間剥離を通過した低振幅の波形を計測してS0モードの到達時間を計測する計測装置、及びS0モードの受信波形の最大振幅を測定する測定装置からなる複合材料の衝撃層間剥離検出装置。
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JPWO2020149196A1 (ja) * | 2019-01-15 | 2020-07-23 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003093061A patent/JP2004301580A/ja active Pending
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