【０００１】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、可剥性の非粘着皮膜性冷剤及びその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、身体を冷やしたり温めたりすることが緊張感を癒すのに良い方法とされている。特にエアゾール剤は冷却効果に優れ、噴射剤などが持つ蒸発潜熱が効果的に被塗面を冷却させるのに適している。この原理を用い、例えば液化ガスのみ、もしくは液化ガスと低沸点溶剤であるイソペンタンなどをエアゾール容器に入れ、それらを身体の一部に吹き付ける事によって、液化ガス、低沸点溶剤などの揮発成分が気化しその気化時の気化潜熱によって、身体の一部を冷やすようにした物があり、これらは打ち身、捻挫などの一時的な冷却剤として販売されている。然しながら、これらはＬＰＧ、ＤＭＥやＦ１３４ａ等の液化ガスや、低沸点溶剤である低分子量炭化水素油などを直接身体に塗布することになるので、瞬時にそれら揮発成分が気化してしまい短時間（瞬間）の冷却でしかない。又、短時間（瞬間）の冷却時間に大きな効果を得る目的のために、噴射量を大きくしたものが多い（単位量当たりの蒸発潜熱が決まっているために量が必要となる）。そのために冷却温度（降下温度）が異常に高くなる場合があり、凍傷を起こす確立も高かった為に、それらの製品には○○秒以上噴射しないでくださいなどの表示がされていたにも係わらず避けられない事故があった。又、一方では噴射量が多いにも拘わらず、冷却効果（持続時間など）が少ないという不満など多くの課題がある。このために従来の方法では応急処置的な冷却剤としての製品しか作ることが出来ず、緊張感を十分癒せるようなエアゾール製品は出来なかった。
【０００３】
上記の事情に鑑み、本願発明は、凍傷や過剰冷却が起こらず適温を保てるように温度調整がし易く、且つ、冷却保持時間（冷却持続時間）の長い、可剥性の非粘着皮膜性冷剤およびその製造方法を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項１の発明は水と樹脂成分からなる含水樹脂溶液と高級アルコールと揮発成分からなる可剥性の非粘着皮膜性冷剤を提供する。
本願の請求項２の発明は高級アルコールと含水樹脂溶液は、揮発成分を加えない限り相溶・溶解等、均一混合できない性質であることを特徴とする請求項１記載の可剥性の非粘着皮膜性冷剤を提供する。
本願の請求項３の発明は含水樹脂溶液が水性エマルジョンであることを特徴とする請求項１〜２のいずれかに記載の可剥性の非粘着皮膜性冷剤を提供する。
本願の請求項４の発明は高級アルコールが摂氏５度以上の融点をもつものであることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の可剥性の非粘着皮膜性冷剤を提供する。
本願の請求項５の発明は塗布時、発泡状態で噴霧し比較的速やかに被塗面に対して可剥性の非粘着性皮膜となることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の可剥性の非粘着皮膜性冷剤を提供する。
本願の請求項６の発明は塗布時、微泡霧状態で噴霧し比較的速やかに被塗面に対して可剥性の非粘着性皮膜となることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の可剥性の非粘着皮膜性冷剤を提供する。
本願の請求項７の発明は医薬品、医薬部外品もしくは化粧料成分を加えたことを特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載の可剥性の非粘着皮膜性冷剤を提供する。
本願の請求項８の発明は上記非粘着皮膜性冷剤が揮発成分として噴射剤を包含すると共に、エアゾール容器に封入されたものであり、噴射剤によって、高級アルコール、含水樹脂溶液及び揮発成分等の内容物が容器から吐出噴射され、揮発成分の気化が含水樹脂溶液中の水分の気化を誘い、その両者の気化潜熱によって被塗面を冷却するものであることを特徴とする請求項１〜７のいずれかに記載の可剥性の非粘着皮膜性冷剤を提供する。
本願の請求項９の発明は高級アルコールを適量エアゾール容器に分注し、次いで含水樹脂溶液を含む成分混合溶液を加充填した後、噴射剤を充填し、容器内で、充填した該噴射剤によって高級アルコールを溶解させ製品化したことを特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載の可剥性の非粘着皮膜性冷剤の製造方法を提供する。
【０００５】
先ず基本的な作用要素を述べる。本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤は▲１▼水と樹脂成分からなる含水樹脂溶液と▲２▼高級アルコールと▲３▼揮発成分から構成されている。▲３▼揮発成分と▲２▼高級アルコールは本願の発明品を使用した時に最も先行的に働く、すなわち本願の可剥性の非粘着皮膜性冷剤の内容組成物（以下単に内容組成物という）を被塗布箇所へ塗布した直後に、内容組成物の一部として含んでいた揮発成分が気化する。すると該揮発成分に溶け込んでいた高級アルコールが吐き出され固体となるので（高級アルコールは揮発成分に溶解しており、本願に用いる高級アルコールは常温では固体である為）すぐに被塗布箇所に塗布された内容組成物の表面を高級アルコールの固体が覆うこととなる。尚、高級アルコールの含有量は塗布された後の内容組成物の乾燥速度と剥離性、加えて樹脂膜の厚さと剥離時の皮膜の扱い易さなどに影響する。ここで更に噴射剤の気化が進むと、内容組成物の内部にも順次固形物が存在するようになる。
【０００６】
本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤に用いる揮発成分は、樹脂成分が皮膜を形成する際、樹脂皮膜や樹脂含水溶液に溶け込んだ状態や、樹脂皮膜や樹脂含水溶液に付着した状態であってもよく、両方の状態で混在しているものであってもよい。この揮発成分は、被塗布箇所上で蒸発、気化し易い物質で、沸点は４５℃以下のものが好ましい。例えばイソペンタン、ノルマルペンタン等の低級炭化水素やエーテル、メチラールなど、さらに、ＬＰＧ、ジメチルエーテル（ＤＭＥ）及び１３４ａ、１５２ａ、１４２ｂ等のＨＦＣ等々、通常のエアゾール製品に用いられる液化ガスを用いてもよい。このように、揮発成分は、冷却作用を果たすと同時にエアゾールの噴射剤や樹脂成分の溶剤として用いられるものなど、他の作用を果たすものであってもよいが、いずれの場合であっても、樹脂皮膜や樹脂含水溶液の表面及び／又は内部から、揮発成分が揮発し、その揮発する際の気化潜熱によって、被塗布箇所を冷却することができる充分な性質と配合量を確保する必要がある。使用量としては内容組成物総量中、通常１０〜９５重量％、好ましくは２５〜７５重量％用いる。
【０００７】
本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤に用いる高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール（パルミチルアルコール）、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコールなど一般式Ｒ−ＯＨ（Ｒは飽和のアルキル基または不飽和のアルケニル基）などで表される化合物、ヤシ油アルコール、牛脂アルコール等を用いる事が出来る。但し、これらの内、揮発成分が気化し、温度降下をした時点の温度では固体である高級アルコールを用いることが大切であり、この点から述べると、高級アルコール自体の融点が５度以上であることが好ましく、融点が常温付近以上であるものがより好ましく、効果を得やすい。
【０００８】
この点ではラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール（パルミチルアルコール）、ステアリルアルコールを用いることが好ましい。しかし、例えば常温で液体であるイソステアリルアルコールと常温で固体であるパルミチルアルコールを混合することによって、パルミチルアルコールの融点を常温付近に下げるように混合使用することは有効であり、本願の発明を実施する上で、高級アルコールの融点を調整することによって揮発成分への混合、溶解性をあげる事により、製造のし易い処方とする事が出来る。即ち、これらは必要に応じて、単体、もしくは混合して用いる事が出来る。使用量としては内容組成物総量中、通常０．１〜６０重量％、好ましくは０．５〜３５重量％用いる。
【０００９】
次に本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤に用いる樹脂液の説明をする。樹脂含水溶液は含水溶液自体が皮膜を形成すると共に、高級アルコール皮膜の繋がり性を改良し、同時に該高級アルコール皮膜を強靱にする。また、樹脂自体の持つ可剥性（必要に応じ可塑剤、離型助剤と組み合わせる事によって可剥性を向上させる事もある）が皮膜性エアゾール組成物に適切な可剥性をもたらす。高級アルコールの固形物だけでは感触が悪いだけでなく固形物同士のつながりが小さいためにパサパサした脆い皮膜しか形成されないのと、扱いにくさがある。樹脂含水溶液を該高級アルコールと共存させることによって扱いやすく感触のよい皮膜を形成する。
【００１０】
また、含水樹脂溶液は当然のことながら、水を含んでいるので噴射剤の気化とともにこの水も蒸発することになるので、噴射剤と水（及びその他の成分）の比を調整することによって適度な冷却温度を持つ可剥性の非粘着皮膜性冷剤を完成することができる。
【００１１】
揮発成分の蒸発潜熱が高い場合、揮発成分がそのまま気化する時には冷却保持時間が短い上、温度降下が大きすぎて凍傷など起こす原因となるが、含水樹脂溶液中の水によって、先ず該水を冷却して蓄令し、該冷却水が２次的に徐々に放冷する事となるので長時間適切な温度で被塗布箇所を冷やす事となる。
【００１２】
尚、本願発明において、非粘着性とは噴射した後の内容組成物の皮膜が固化中または固化後の皮膜等が人の手に付着しない性質となっていることを言うものである。又、可剥性とは道具などを使うことなく、被塗布箇所から手で容易にはがし取れる状態をいう。
【００１３】
本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤に用いる樹脂成分としては、ＰＶＰ、ＰＶＰ／ＶＡ共重合体、１０，０００〜１０，０００，０００の範囲にある分子量を持つセルロース誘導体、メトキシエチレン無水マレイン酸共重体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸エステル／メタクリル酸エステル共重合体、ビニルメチルエーテル／マレイン酸ブチル共重合体、ピニルピロリドン／ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体カチオン化物、セルロースエーテルの第４級化誘導体（ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロースエーテルを、例えば、グリッジルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン化剤を用いて第４級化したもの）、アクリル酸ヒドロキシプロピル／メタクリル酸ブチルアミノエチル／アクリル酸オクチルアミド共重合体等一般の化粧品に用いられる合成樹脂高分子化合物のほか、澱粉系、アルギン系その他天然高分子、天然ラテックス、合成ラテックス等を例示することが出来る。これらはそれぞれ単独もしくは２種以上の混合物として用い水性エマルジョン、もしくは水との溶解又は混合溶液として樹脂含水溶液とすることが出来る。
【００１４】
本願発明を実施するに当たり、効果的で扱い易い含水樹脂溶液としては水性エマルジョン樹脂を用いるのが最も好ましい。本願に用いる典型的なエマルジョン樹脂としては、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリルエマルジョン、アクリル酸アルキルスチレン共重合体エマルジョン、アクリル酸アミド・スチレン共重合体エマルジョン、アクリル酸コポリマーエマルジョン、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルジョン等のエマルジョンが例示出来る。
【００１５】
本願発明品は内容組成物が総合的において可剥性を持つ製剤に仕上げればよく、本願の可剥性の非粘着皮膜性冷剤に用いる樹脂成分としては、上記の他、内容成分は総合的に乾燥後もしくは半乾燥後において、いわゆる使用済み後における廃棄処理困難となるような粘着性や接着性を示さないならば、これらの他の樹脂も当然使用可能である。
【００１６】
皮膜としては柔軟性のある皮膜を生成する樹脂が好ましいので、皮膜性樹脂は、樹脂自体が硬化後でも柔軟であるものを用いることが、より好ましい皮膜性冷却剤を得やすい。勿論、単独では硬質の皮膜を形成する樹脂であっても、２種類以上の混合物とすることで柔軟性が付与され、もしくは可塑効果剤等によって剥離性のある柔軟な皮膜を形成するものであれば使用することに問題を生じない。本願発明を実施するに当たり何系（何性）の樹脂を用いるのが適当か等の選択は、処理の使用感や要望や、他の混合物との関係によって、自由に決定すればよい。
【００１７】
可塑効果剤について説明する。可塑効果剤としては一般的に樹脂の可塑剤として使用される脂肪酸エステル類、無機酸エステル類等のエステル類の他、使用する皮膜性樹脂に混合する事によって、皮膜性樹脂に可塑性や柔軟性、保湿性を与え、結果的に可塑効果を得ることの出来る成分であれば可塑効果剤として使用出来る。
【００１８】
即ち、本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤に用いる可塑効果剤としては、前述した脂肪酸エステル類、例えばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチルなど、無機酸エステル類、例えばリン酸トリクレジル、リン酸トリステアリル、リン酸トリパルミチルなどの他、セタノール、ステアリルアルコール、オレインアルコール、ラウリルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコールなどの高級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、及び界面活性剤等が好ましい。このうちでも界面活性剤は洗浄性、浸透性、起泡性など界面活性剤本来の機能があるため、化粧品等身体に使用する本願発明に用いる可塑効果剤としては、特に好適である。
【００１９】
塗布により形成される樹脂皮膜は、厚い程、又、体積のある程、掴みやすく被塗布箇所から取り外し廃棄し易く、そのためにも、樹脂皮膜は発泡体であるほうが好ましい。発泡性の樹脂皮膜を形成するには、界面活性剤等の発泡剤を用いることが適当である。このような発泡剤として用いる界面活性剤としては、非イオン、アニオン、カチオン、両性活性剤等いずれでも良く、界面活性剤の種類は特に限定されない。非イオン性界面活性剤の一例をあげればモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ジエチレングリコール、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド等を用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウム等を例示し得る。カチオン性界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等を例示し得る。両性界面活性剤としては、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸コラーゲンペプチドカリウム、ステアリルジメチルアミノ酢酸ペタイン、ステアリン酸グリチルレチニル等を例示し得る。
【００２０】
使用する界面活性剤としては、水に可溶なものが好ましいが、もちろん水に難溶な場合でも、処方的に異状（製品として容器や噴射装置内で詰まりが生ずる等の異状）を起こさないものなら使用可能であり、また、アルコール類や界面活性剤を加えて可溶化して用いることも可能である。この界面活性剤の配合量は０．１〜２５％、好ましくは０．５〜１５％配合であるが、共に配合する水溶性樹脂や非粘着樹脂、高級アルコール及びその他の配合成分によって、或いは希望する発泡状態を考慮して、最適な界面活性剤を選択して使用すれば良く、発泡状態で吐出するのでなければ使用するに及ばない。
【００２１】
その他の配合成分としては、上記の各成分の他、アロマ成分、植物抽出液、殺菌剤、消毒剤、抗菌剤、香料、防臭剤、消臭剤、着色剤など種々の添加物を配合することも可能である。殺菌・抗菌剤としてはインドメタシン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、クレゾール、クロキシレノール、クロルクレゾール、チモール、パラクロルフェノール、レゾルシン、感光素１０１号、感光素２０１号、感光素３０１号、感光素４０１号、クロラミンＴ、チアントール、塩化リゾチーム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、クロロブタノール、トリクロロカルバニド、３−トリフルオルメチル−４−４−ジクロロカルバニリド（ハロカルバン）、ヘキサクロロヘン、ホウ酸、ホウ砂、シソエキス、からしエキス、しょうがエキス、ワサビエキスなどを挙げることが出来、一般的に、０．０００５〜５重量パーセントの範囲で、それぞれの薬剤に対しての適量を添加すればよい。又、医薬品、医薬部外品、化粧品などに仕上げる目的で、上記以外の有効成分、保湿剤などを加えることも可能であり、本願発明を逸脱するものでは無い。
【００２２】
本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤をエアゾールとする場合の噴射剤としては前に述べてきた、ＤＭＥ、ＬＰＧ及び１３４ａ、１５２ａ、１４２ｂ等のＨＦＣ等々の液化ガスを用いることが出来る。この液化ガスが噴射剤として機能すると同時に、揮発成分として働き、液化ガスの蒸発潜熱によって冷却剤として作用するものである。噴射剤としては前記液化ガスの他、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス、窒素ガスなどの圧縮ガスを単独もしくは液化ガスに添加して用いることが出来る。配合量としては、噴射性を得ることを条件として使用されるガスの種類によって適宜変更し得るが、液化ガスの場合であれば、一般的には噴射剤を含めた全内容組成物中の、１０〜９９重量％とすることが適当である。
【００２３】
内容組成物中にエタノール、ＩＰＡなどの低級アルコールを加えても使用できる。エタノール、ＩＰＡ等の低級アルコールを用いる場合には量によって皮膚刺激を起こす可能性がある為、少量に押さえるのが好ましい。
【００２４】
【実施例】次に、本願発明の理解を高めるために、５種の実施例（実施例１〜５）を比較例１〜３と共に表１に示すが、本願発明はこの実施例に限定して理解されるべきではない。表に示す配合成分のエアゾール製剤を調製し、噴射剤と共にエアゾール容器に充填し、エアゾール製品とし、被塗布箇所として、それぞれを被験者の腕に噴射塗布させ、冷却効果の冷却感、持続性等について総合判定の評価を行ったところ、表下の如き結果を得た。これらの各評価基準を次に示す。
冷却効果；常温に於いてアルコール温度計に２秒間直接噴射塗布した後、２１度以上温度降下するものをＡ、１０度〜２０度温度降下を示すものをＢ、その他をＣとした。
持続性；約１０センチメートルの距離から約２秒間、被験者の腕に噴射塗布した後に、被験者が冷却感を感じている時間が、噴射後３１秒以上であったものをＡ、１６〜３０秒であったものをＢ、１５秒以内であったものをＣとした。
温度微調整機能；処方上、揮発性成分または／および揮発性成分とその他内容物比率などの微調整によって、冷却剤（内容成分）としての効果温度設定が調整可能（容易性）か否かを試験し、８℃以内の範囲で設定可能な物をＡ、１５℃以内の範囲で設定可能な物をＢ、それ以上もしくは設定不可能な物をＣとした。
取り外し易さ；それぞれ、冷却効果が切れた時点で、取り外す（去る）ことができるか否かを試験し、容易に取り外せるものをＡ、取り外せるものをＢ、取り外し困難な物をＣ、本項目に関係の無いものを−とした。
化粧品適合性；人体に使用するときに人の肌に対して全く問題なく使用できるものをＡ、用いる原料の公害（有害）性の問題、または／および人体に１時間程度付着使用して問題を生じる可能性のある要因を含むものをＢ、化粧品として用いない方が良いもの、およびＢ以上の危険性が高いものをＣとした。
温度制御性；約１０センチメートルの距離から約２秒間、被験者の腕に噴射塗布した場合に、適度の冷却感があるか否かを試験したものであり、適度の冷却感が感じられるものをＡ、冷却するがひりひり感などの刺激のあるものをＢ、ひりひり感などの刺激のきついものをＣとした。
総合判定；上記の各試験項目を総合的に考慮し、皮膜性冷剤として、優れたものをＡ、使用可能なものをＢ、使用に適さないものをＣとした。
【００２５】
以上の結果、冷却効果の点では各実施例と各比較例において大きな差は認められないものもあったが、効果の持続性や温度制御性、特に温度微調整機能と化粧品適合性においては、各実施例は各比較例に比して優れた結果を示した。また、各実施例においては、取り外し易さも良好であり、特に、発泡助剤を含有して発泡状態で塗布される実施例は、他の実施例に比して、より良好な取り外し性を示した。尚、樹脂成分のない各比較例にあたっては、取り外しには無関係である。このような結果から、各実施例では総合判定として良好なＡであり、比較例については不適当なＢ及びＣであった。加えて実施例２のＤＭＥ４０パーセントの内１０パーセントをメチラールに置き換え試作し、筆で被塗布箇所に塗布してテストしたところ実施例２と同様、総合判定Ａの結果を得た。
【００２６】
【表 １】
【００２７】
次に、防虫忌避剤として仕上げた場合の本願発明の実施例を示す。
先ず、内容積約１００ｍｌのアルミ製耐圧容器にミリスチルアルコールを３ｇ分注した後、アクリル酸アルキル共重合エマルジョン（２５重量パーセント）、ＤＥＥＴ（５重量パーセント）、エチルアルコール（１８重量パーセント）、ブチレングリコール（２重量パーセント）、精製水（４９重量パーセント）、トリＰＯＥリン酸アルキルエーテル（１重量パーセント）を混合溶解した液を２５ｇ加充した。その後、耐圧容器にエアゾールバルブを取り付けた後、ジメチルエーテル（ＤＭＥ）ガス４３ｇを加圧充填し、可剥性の非粘着皮膜性冷剤のエアゾールとした。
この可剥性の非粘着皮膜性冷剤のエアゾールのバルブ部にボタンをつけた後、首の周辺に内容物を吐出噴射させ皮膚上に被膜させたところ、冷感のある気持ちの良い防虫忌避効果が持続した。
【００２８】
次に、皮膚消毒剤として仕上げた場合の本願発明の実施例を示す。
先ず、内容積約１００ｍｌのアルミ製耐圧容器にミリスチルアルコールを２．５ｇ分注した後、アクリル酸アルキル共重合エマルジョン（２８．５重量パーセント）、グルコン酸クロルヘキシジン（０．３重量パーセント）、アロエ抽出液（０．１重量パーセント）、しそ抽出液（０．１重量パーセント）、エチルアルコール（２０重量パーセント）、ブチレングリコール（２重量パーセント）、精製水（４９重量パーセント）を混合溶解した液を２５ｇ加充した。その後、耐圧容器にエアゾールバルブを取り付けた後、ジメチルエーテル（ＤＭＥ）ガスと液化石油ガス（ＬＰＧ）の混合噴射剤（ＤＭＥ８０重量パーセント・ＬＰＧ２０重量パーセント）の４５ｇを加圧充填し、可剥性の非粘着皮膜性冷剤のエアゾールとした。
この可剥性の非粘着皮膜性冷剤のエアゾールのバルブ部にボタンをつけた後、手のひらに吐出噴射させた、噴射物を取り外したところ冷水で湿したコットン様の可剥性の非粘着皮膜性冷剤が得られたので、これで腕の皮膚の周辺を清拭し消毒したところ冷感のある気持ちの良い消毒が出来た。
【００２９】
【発明の効果】
以上、本願発明は、化粧品や医薬品、医薬部外品等人体に使用するものとして仕上げたときには、人の顔や、身体、手、足、頭等、人体の適宜箇所に載置するなど、人の体の一部を覆うようにして使用することも出来るし、一度手のひらに吐出して後、手のひらから取り外し、顔や、身体、手、足、頭等、人体の適宜箇所に載置することが出来る。また、本願発明は処方によっては、冷水で浸したコットンのような状態にも出来るので、一度手のひらに吐出して後、手のひらから取り外した冷水で浸したコットン状で、顔や、身体、手、足、頭等、人体の適宜箇所を拭うような形で使用することが出来る。いずれの場合にも、冷却時間が長く、さらに、凍傷等の過剰冷却の起こすこともなく、手軽に且つ何処でも簡単に用いることの出来る可剥性の非粘着皮膜性冷剤を提供する事が出来たものである。
又、本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤を用いるに当っては、人（例えば顔、腕、足、筋肉や炎症部分等）の他、器具、道具、食品等の人以外の各種物品（例えば、夏期の駐車自動車の高温になったハンドル）等、種々の被塗布物に対して、塗布するだけで、冷却作用を発揮するものである。これらの冷却に際しても、本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤は、処方上で自由に適度の冷却温度に調整することが出来るので、刺激が少ない、凍傷を生じることがないように設定できるものである。
また、本願発明の可剥性の非粘着皮膜性冷剤は、持続性のある皮膜性冷剤を得ることが出来るため、一度の噴射塗布で暫くの時間冷却が可能となる。よって殆ど一度の噴射で満足できる冷却状態を得ることが出来、何度も噴射する必要がないので経済的である。さらに、使用する樹脂を選ぶ事によって、人体、器具、道具、食品などあらゆるものに使用できる。また、発泡剤を含有し、発泡状態で噴射されるものとした場合には、外部との遮断性をよくする事となるために、より冷却効果を長く維持することが出来るものである。
特に人体用剤としては本願の優れた可剥性と温度制御性を用いることによって、安価で且長時間処置可能な（処理時間が十分とれる）一液性冷却化粧用パック剤や、リラックス効果を得るための冷却パック剤、炎症を和らげる冷却効果を持つ殺菌剤含有の冷却清拭パック剤、防虫忌避剤を配合し、夏の暑い日に効果的である冷却効果のある防虫忌避剤など種々の製品に発展させることが出来る。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a peelable non-adhesive film-forming cooling agent and a method for producing the same.
[0002]
Problems to be solved by the prior art and the invention
Traditionally, cooling or warming the body has been a good way to relieve tension. In particular, the aerosol agent has an excellent cooling effect, and the latent heat of evaporation of the propellant or the like is suitable for effectively cooling the surface to be coated. Using this principle, for example, a liquefied gas alone, or a liquefied gas and a low-boiling solvent, such as isopentane, are placed in an aerosol container and sprayed on a part of the body, whereby volatile components such as the liquefied gas and the low-boiling solvent are vaporized. There are some products that cool parts of the body by the latent heat of vaporization during vaporization, and these are sold as temporary coolants such as bruises and sprains. However, in these methods, liquefied gas such as LPG, DME and F134a, and low-molecular-weight hydrocarbon oil as a low-boiling solvent are applied directly to the body. (Instantaneous) cooling. In many cases, the injection amount is increased for the purpose of obtaining a great effect in a short (instantaneous) cooling time (the amount is necessary because the latent heat of evaporation per unit amount is determined). As a result, the cooling temperature (falling temperature) may be abnormally high, and the probability of causing frostbite was also high. There was an unavoidable accident. On the other hand, there are many problems such as dissatisfaction that the cooling effect (such as the duration) is small despite the large injection amount. For this reason, the conventional method can only produce a product as a first-aid coolant, and cannot produce an aerosol product that can sufficiently relieve tension.
[0003]
In view of the above-mentioned circumstances, the present invention provides a peelable non-adhesive film cooling system that is easy to adjust the temperature so as to maintain an appropriate temperature without causing frostbite or excessive cooling, and has a long cooling holding time (cooling duration). An agent and a method for producing the same are provided.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The invention of claim 1 of the present application provides a water-soluble resin solution comprising water and a resin component, and a peelable non-adhesive film-forming cooling agent comprising a higher alcohol and a volatile component.
The invention according to claim 2 of the present application is characterized in that the higher alcohol and the water-containing resin solution have such properties that they cannot be uniformly mixed and dissolved or dissolved unless a volatile component is added. Provide a film-forming cooling agent.
The invention of claim 3 of the present application provides the peelable non-adhesive film-forming cooling agent according to any one of claims 1 to 2, wherein the aqueous resin solution is an aqueous emulsion.
The invention according to claim 4 of the present application provides the peelable non-adhesive film-forming cooling agent according to any one of claims 1 to 3, wherein the higher alcohol has a melting point of 5 ° C or more. I do.
The invention according to claim 5 of the present application is characterized in that at the time of application, the composition is sprayed in a foamed state to form a non-adhesive film that can be peeled off relatively quickly on the surface to be coated. The present invention provides a non-adhesive film-forming cooling agent as described above.
The invention according to claim 6 of the present application is characterized in that, at the time of application, the composition is sprayed in a fine bubble mist state to form a non-adhesive film that can be peeled relatively quickly on the surface to be coated. The present invention provides a peelable non-adhesive film-forming cooling agent as described in
The invention of claim 7 of the present application provides a peelable non-adhesive film-forming cooling agent according to any one of claims 1 to 6, to which a pharmaceutical, a quasi-drug or a cosmetic ingredient is added. .
The invention of claim 8 of the present application is one wherein the non-adhesive film-forming cooling agent contains a propellant as a volatile component and is sealed in an aerosol container. Depending on the propellant, a higher alcohol, a water-containing resin solution, a volatile component, etc. The content of (1) is ejected and ejected from the container, the vaporization of volatile components induces vaporization of water in the water-containing resin solution, and the coated surface is cooled by latent heat of vaporization of both. 7. A peelable non-adhesive film-forming cooling agent according to any one of items 7 to 7.
In the invention of claim 9 of the present application, an appropriate amount of a higher alcohol is dispensed into an aerosol container, and after a component mixed solution containing a water-containing resin solution is added and filled, a propellant is filled, and in the container, the filled propellant is used. The method for producing a peelable non-adhesive film-forming cooling agent according to any one of claims 1 to 8, wherein a higher alcohol is dissolved to produce a product.
[0005]
First, the basic operation elements will be described. The peelable non-adhesive film-forming cooling agent of the present invention comprises (1) a water-containing resin solution composed of water and a resin component, (2) a higher alcohol, and (3) a volatile component. (3) Volatile components and (2) higher alcohols work most predominantly when the present invention is used, that is, the content composition of the peelable non-adhesive film-forming cooling agent of the invention (hereinafter simply referred to as content composition). ) Is applied to the application site, and the volatile components contained as a part of the content composition are vaporized. Then, the higher alcohol dissolved in the volatile component is discharged and solidified (since the higher alcohol is dissolved in the volatile component and the higher alcohol used in the present invention is a solid at room temperature), it is immediately applied to the application site. The solid of the higher alcohol covers the surface of the content composition. The content of the higher alcohol affects the drying speed and releasability of the content composition after being applied, as well as the thickness of the resin film and the ease of handling of the film at the time of release. Here, as the propellant evaporates further, solids will sequentially be present inside the content composition.
[0006]
The volatile component used in the peelable non-adhesive film-forming cooling agent of the present invention is a state in which the resin component is dissolved in the resin film or the resin-containing aqueous solution or adheres to the resin film or the resin-containing aqueous solution when forming the film. Or may be mixed in both states. This volatile component is a substance that easily evaporates and evaporates on the application site, and preferably has a boiling point of 45 ° C. or less. For example, a liquefied gas used in ordinary aerosol products, such as lower hydrocarbons such as isopentane and normal pentane, ethers, methylal, and the like, LPG, dimethyl ether (DME), and HFCs such as 134a, 152a, and 142b may be used. As described above, the volatile component may perform other functions, such as a propellant for an aerosol or a solvent for a resin component, while performing a cooling function, but in any case, Volatile components are volatilized from the surface and / or inside of the resin film or the resin-containing aqueous solution, and it is necessary to secure sufficient properties and a sufficient amount of the component to be cooled by the latent heat of vaporization at the time of volatilization. . The amount used is usually 10 to 95% by weight, preferably 25 to 75% by weight, based on the total amount of the content composition.
[0007]
Examples of the higher alcohol used for the peelable non-adhesive film-forming cooling agent of the present invention include general formulas R-OH (R is a saturated alcohol) such as lauryl alcohol, myristyl alcohol, cetanol (palmityl alcohol), stearyl alcohol, and isostearyl alcohol. Compounds represented by an alkyl group or unsaturated alkenyl group), coconut oil alcohol, tallow alcohol, and the like can be used. However, among them, it is important to use a higher alcohol which is a solid at the temperature at which the volatile component evaporates and the temperature drops, and from this point, the melting point of the higher alcohol itself is 5 degrees or more. It is more preferable that the melting point is around room temperature or higher, and the effect is easily obtained.
[0008]
In this regard, it is preferable to use lauryl alcohol, myristyl alcohol, cetanol (palmityl alcohol), and stearyl alcohol. However, for example, by mixing isostearyl alcohol, which is liquid at room temperature, and palmityl alcohol, which is solid at room temperature, it is effective to use a mixture so as to lower the melting point of palmityl alcohol to around room temperature. In carrying out the method, the melting point of the higher alcohol is adjusted to increase the mixing and solubility of the higher alcohol with the volatile component, whereby a formulation that can be easily manufactured can be obtained. That is, these can be used alone or as a mixture as needed. The amount used is usually 0.1 to 60% by weight, preferably 0.5 to 35% by weight, based on the total amount of the content composition.
[0009]
Next, the resin liquid used for the peelable non-adhesive film-forming cooling agent of the present invention will be described. The aqueous resin solution forms a film by itself, improves the connectivity of the higher alcohol film, and at the same time makes the higher alcohol film tough. In addition, the peelability of the resin itself (the peelability may be improved by combining with a plasticizer and a mold release aid as necessary) brings appropriate peelability to the film-forming aerosol composition. The use of higher alcohol solids alone is not easy to handle because it not only has a bad feel, but also forms a brittle film that is crisp due to the small connection between the solids. By making the aqueous solution containing a resin coexist with the higher alcohol, a film that is easy to handle and has a good feel is formed.
[0010]
In addition, since the water-containing resin solution naturally contains water, the water also evaporates as the propellant evaporates. Therefore, by adjusting the ratio of the propellant to water (and other components), the water content is adjusted appropriately. It is possible to complete a peelable non-adhesive film-forming coolant having a suitable cooling temperature.
[0011]
When the latent heat of vaporization of the volatile component is high, when the volatile component evaporates as it is, the cooling holding time is short, and the temperature drop is too large, which causes frostbite.However, the water is first cooled by the water in the aqueous resin solution. Then, the cooling water is gradually and secondarily gradually cooled, so that the application site is cooled at an appropriate temperature for a long time.
[0012]
In the present invention, non-adhesive means that the film of the content composition after spraying has a property such that the film or the like during or after solidification does not adhere to human hands. The term "peelability" refers to a state in which the material can be easily peeled off by hand without using a tool or the like.
[0013]
PVP, PVP / VA copolymer, cellulose derivative having a molecular weight in the range of 10,000 to 10,000,000, methoxyethylene Maleic anhydride copolymer, polyvinyl alcohol, polyvinyl acetate, alkyl acrylate copolymer, acrylate / methacrylate copolymer, vinyl methyl ether / butyl maleate copolymer, pinylpyrrolidone / dimethylaminoethyl methacrylate Cationized copolymers and quaternized derivatives of cellulose ethers (eg, cellulose ethers such as hydroxyethylcellulose, methylcellulose, ethylcellulose, butylcellulose, hydroxypropylmethylcellulose, and the like; Quaternized using a cationizing agent such as amide), hydroxypropyl acrylate / butylaminoethyl methacrylate / octylamide acrylate copolymer, and other synthetic resin polymer compounds used in general cosmetics. Examples include starch-based, algin-based and other natural polymers, natural latex, and synthetic latex. Each of these can be used alone or as a mixture of two or more, and can be an aqueous emulsion or a resin-containing aqueous solution as a solution or mixed solution with water.
[0014]
In carrying out the present invention, it is most preferable to use an aqueous emulsion resin as the effective and easy-to-handle aqueous resin solution. Typical emulsion resins used in the present application include an alkyl acrylate copolymer emulsion, an acrylic emulsion, an alkyl acrylate copolymer emulsion, an acrylamide / styrene copolymer emulsion, an acrylic acid copolymer emulsion, and vinylpyrrolidone / styrene. An emulsion such as a copolymer emulsion can be exemplified.
[0015]
The product of the invention of the present application may be finished in a formulation in which the content composition is comprehensively peelable, and as the resin component used for the peelable non-adhesive film-forming cooling agent of the present application, in addition to the above, the content component is comprehensive. If, after drying or semi-drying, the resin does not show tackiness or adhesiveness that makes it difficult to dispose after use, these other resins can of course be used.
[0016]
Since a resin that forms a flexible film is preferable as the film, it is easy to obtain a more preferable film-forming coolant by using a film-forming resin that is flexible even after the resin itself is cured. Needless to say, even if a resin alone forms a hard film, flexibility is imparted by using a mixture of two or more kinds of resins, or a resin that forms a peelable flexible film by using a plasticizer or the like. If it does not cause any problems. In practicing the present invention, the selection of what kind (property) of the resin to use, and the like, may be freely determined depending on the feeling of use and demand for treatment and the relationship with other mixtures.
[0017]
The plasticizer will be described. As the plasticizer, in addition to esters such as fatty acid esters and inorganic acid esters, which are generally used as plasticizers for resins, by mixing with the filmable resin to be used, plasticity and flexibility can be obtained. Any component that can provide moisture retention and consequently obtain a plasticizing effect can be used as a plasticizing effect agent.
[0018]
That is, as the plasticizer used in the peelable non-adhesive film-forming cooling agent of the present invention, the above-mentioned fatty acid esters such as dimethyl phthalate, diethyl phthalate, dibutyl phthalate, butyl stearate, butyl myristate, etc. , Inorganic acid esters such as tricresyl phosphate, tristearyl phosphate, tripalmityl phosphate and the like, higher alcohols such as cetanol, stearyl alcohol, olein alcohol, lauryl alcohol, octyl alcohol, decyl alcohol, ethylene glycol, propylene glycol And glycols such as dipropylene glycol, butylene glycol, glycerin, diglycerin and polyethylene glycol, and a surfactant. Among them, the surfactant has a function inherent to the surfactant such as detergency, permeability and foaming property, and is therefore particularly suitable as a plasticizer used in the present invention which is used for the body such as cosmetics.
[0019]
The thicker and thicker the resin film formed by coating, the easier it is to grasp and easily discard it from the portion to be coated and discarded. Therefore, it is preferable that the resin film is a foam. In order to form a foamable resin film, it is appropriate to use a foaming agent such as a surfactant. The surfactant used as such a foaming agent may be any of nonionic, anionic, cationic and amphoteric surfactants, and the type of the surfactant is not particularly limited. Examples of nonionic surfactants include glyceryl monostearate, ethylene glycol monostearate, propylene glycol monostearate, diethylene glycol monostearate, and monoethanolamide of coconut oil fatty acid. Examples of the anionic surfactant include zinc laurate, magnesium stearate, sodium lauryl sulfate, and sodium polyoxyethylene lauryl ether phosphate. Examples of the cationic surfactant include stearyltrimethylammonium chloride, distearyldimethylammonium chloride, benzethonium chloride, lauryltrimethylammonium chloride, and alkyltrimethylammonium chloride. Examples of the amphoteric surfactant include β-laurylaminopropionate sodium, lauryldimethylaminoacetate betaine, coconut oil fatty acid collagen peptide potassium, stearyldimethylaminoacetate petaine, and glycyrrhetinyl stearate.
[0020]
The surfactant to be used is preferably a water-soluble one, but of course, even if it is hardly soluble in water, it does not cause any abnormalities in the prescription (such as clogging in a container or a spraying device as a product). Any of these can be used, and it is also possible to add alcohols or a surfactant to solubilize and use. The compounding amount of this surfactant is 0.1 to 25%, preferably 0.5 to 15%, but depending on the water-soluble resin, non-adhesive resin, higher alcohol and other compounding components to be mixed together, or It is sufficient to select and use the most suitable surfactant in consideration of the foaming state to be generated, and it is not necessary to use the surfactant unless it is discharged in the foaming state.
[0021]
As other compounding components, besides the above-mentioned components, various additives such as aroma components, plant extracts, disinfectants, disinfectants, antibacterial agents, fragrances, deodorants, deodorants, coloring agents, etc. Is also possible. Disinfectants and antibacterial agents include indomethacin, benzoic acid, sodium benzoate, salicylic acid, sodium salicylate, sorbic acid, potassium sorbate, dehydroacetic acid, sodium dehydroacetate, ethyl paraoxybenzoate, ethyl paraoxybenzoate, butyl paraoxybenzoate, propyl paraoxybenzoate, paraoxyl Methyl benzoate, isopropylmethylphenol, orthophenylphenol, cresol, cloxylenol, chlorcresol, thymol, parachlorophenol, resorcinol, photosensitizer 101, photosensitizer 201, photosensitizer 301, photosensitizer 401, chloramine T , Thiantol, Lysozyme chloride, Chlorhexidine gluconate, Chlorhexidine hydrochloride, Phenoxyethanol, Chlorobutanol, Trichlorocarbanide, 3-Trifluoromethyl 4-4-dichlorocarbanilide (halocarban), hexachlorophen, boric acid, borax, perilla extract, mustard extract, ginger extract, wasabi extract and the like can be given, and generally 0.0005-5 weight An appropriate amount for each drug may be added in the percentage range. In addition, other active ingredients and humectants other than those described above can be added for the purpose of finishing pharmaceuticals, quasi-drugs, cosmetics, etc., and do not depart from the present invention.
[0022]
A liquefied gas such as DME, LPG, and HFC such as 134a, 152a and 142b, which have been described above, can be used as the propellant when the strippable non-adhesive film-forming coolant of the present invention is used as an aerosol. . The liquefied gas functions as a propellant and at the same time acts as a volatile component, and acts as a coolant by the latent heat of vaporization of the liquefied gas. As the propellant, in addition to the liquefied gas, a compressed gas such as carbon dioxide gas, nitrous oxide gas, and nitrogen gas can be used alone or added to the liquefied gas. The compounding amount can be appropriately changed depending on the type of gas used as a condition for obtaining the jetting property, but in the case of a liquefied gas, generally, in the entire content composition including the propellant, Suitably, it is 10 to 99% by weight.
[0023]
It can also be used by adding a lower alcohol such as ethanol or IPA to the content composition. When a lower alcohol such as ethanol or IPA is used, skin irritation may occur depending on the amount thereof, so it is preferable to keep the amount to a small amount.
[0024]
EXAMPLES Next, in order to enhance understanding of the present invention, five examples (Examples 1 to 5) are shown in Table 1 together with Comparative Examples 1 to 3, but the present invention is not limited to these Examples. Should not be understood. Prepare an aerosol formulation of the compounding ingredients shown in the table, fill it into an aerosol container together with a propellant, make an aerosol product, spray-apply each to the subject's arm as a place to be applied, cool feeling of cooling effect, sustainability etc. When the comprehensive judgment was evaluated, the following results were obtained. Each of these evaluation criteria is shown below.
Cooling effect: A sample was directly sprayed and applied to an alcohol thermometer at room temperature for 2 seconds, and a temperature drop of 21 ° C or more was indicated by A, and a temperature drop of 10 to 20 ° C was indicated by B, and others were indicated by C.
Persistence: After spraying on the subject's arm for about 2 seconds from a distance of about 10 cm, the subject feels a cooling sensation for more than 31 seconds after spraying, A, 16 to 30 seconds Was B and C was within 15 seconds.
Temperature fine-tuning function: Determines whether the effect temperature setting as a coolant (content component) can be adjusted (easily) by fine-tuning the volatile component or / and the volatile component to other content ratio in the formulation. A test was conducted, and a product that can be set within a range of 8 ° C. was A, a product that could be set within a range of 15 ° C. was B, and a product that could not be set any more or more was C.
Ease of removal; When the cooling effect has ceased, test whether it can be removed (leave), and if it can be easily removed, A can be easily removed, B can be easily removed, C can not be easily removed, this item Unrelated items were marked as-.
A. Cosmetic compatibility; A that can be used without any problem on human skin when used on human body, A, the problem of pollution (harmfulness) of raw materials used, and / or the problem of attaching to human body for about 1 hour B includes factors that may occur, C indicates that it is better not to use it as cosmetics, and C indicates that the risk is higher than B.
Temperature controllability: Tested whether or not there was an appropriate cooling sensation when spray-applied to the subject's arm from a distance of about 10 cm for about 2 seconds. A: Cooled, but irritating, such as tingling, B; C, irritating, stimulating, etc., C.
Comprehensive judgment: Considering the above test items comprehensively, A was excellent as a film-forming coolant, B was usable when it was usable, and C was not suitable for use.
[0025]
As a result of the above, in terms of cooling effect, there was a case in which a large difference was not observed between each example and each comparative example, but in the effect persistence and temperature controllability, particularly in the temperature fine adjustment function and cosmetic compatibility, Each example showed excellent results as compared with each comparative example. Further, in each of the examples, the ease of removal is also good, and particularly, the examples containing a foaming aid and applied in a foamed state show better detachability than the other examples. Was. In each of the comparative examples having no resin component, the removal was irrelevant. From these results, A was good as a comprehensive judgment in each example, and B and C were inappropriate for the comparative example. In addition, 10% of the 40% DME in Example 2 was replaced with methylal to produce a prototype, which was applied to a portion to be coated with a brush and tested. As in Example 2, a result of comprehensive judgment A was obtained.
[0026]
[Table 1]
Next, examples of the present invention when finished as an insect repellent will be described.
First, 3 g of myristyl alcohol was dispensed into an aluminum pressure-resistant container having an internal volume of about 100 ml, and then an alkyl acrylate copolymer emulsion (25% by weight), DEET (5% by weight), ethyl alcohol (18% by weight), butylene glycol (2% by weight), purified water (49% by weight) and tri-POE alkyl ether phosphate (1% by weight) were mixed and dissolved in 25 g. Then, after attaching an aerosol valve to the pressure-resistant container, 43 g of dimethyl ether (DME) gas was charged under pressure to obtain a peelable non-adhesive film-forming aerosol.
After attaching a button to the valve part of the aerosol of this peelable non-adhesive film-based cooling agent, the contents are discharged and sprayed around the neck and coated on the skin. The effect lasted.
[0028]
Next, examples of the present invention when finished as a skin disinfectant will be described.
First, 2.5 g of myristyl alcohol was dispensed into a pressure-resistant aluminum container having an internal volume of about 100 ml, and then an alkyl acrylate copolymer emulsion (28.5% by weight), chlorhexidine gluconate (0.3% by weight), and aloe extraction were extracted. Liquid (0.1% by weight), perilla extract (0.1% by weight), ethyl alcohol (20% by weight), butylene glycol (2% by weight), and purified water (49% by weight) mixed and dissolved in 25 g. Added. Then, after attaching an aerosol valve to the pressure-resistant container, 45 g of a mixed propellant of dimethyl ether (DME) gas and liquefied petroleum gas (LPG) (80% by weight of DME and 20% by weight of LPG) is pressurized and filled. An aerosol of an adhesive film-forming cooling agent was used.
This peelable non-adhesive film is a cotton-like peelable non-adhesive film that is sprayed and ejected to the palm after attaching a button to the valve part of the aerosol of the cooling agent. Since the cooling agent was obtained, the area around the skin of the arm was wiped and disinfected.
[0029]
【The invention's effect】
As described above, when the invention of the present application is finished for use on the human body such as cosmetics, pharmaceuticals, and quasi-drugs, the human face, body, hands, feet, head, etc. It can be used so as to cover a part of the body, or it can be ejected to the palm once, removed from the palm, and placed on the human body, such as the face, body, hands, feet, head, etc. Can be done. In addition, depending on the prescription, the present invention can also be made into a state like cotton soaked with cold water, so once discharged to the palm, once in the form of cotton soaked with cold water removed from the palm, face, body, hands, It can be used in such a form as to wipe off appropriate parts of the human body such as feet and head. In any case, it is possible to provide a peelable non-adhesive film-based cooling agent that can be used easily and easily anywhere without long cooling time and without excessive cooling such as frostbite. It was done.
In addition, in using the peelable non-adhesive film-forming cooling agent of the present invention, in addition to humans (for example, face, arms, legs, muscles, inflamed parts, etc.), tools, tools, foods, etc. A cooling effect is exhibited only by applying to various objects to be coated, such as various articles (for example, a handlebar of a parked car in summer where the temperature becomes high). During these coolings, the peelable non-adhesive film-forming coolant of the present invention can be adjusted to an appropriate cooling temperature freely on formulation, so that it is less irritating and does not cause frostbite. It can be set.
In addition, since the peelable non-adhesive film-forming coolant of the present invention can obtain a long-lasting film-forming coolant, cooling can be performed for a while by spray coating once. Therefore, a satisfactory cooling state can be obtained with almost one injection, and it is economical because there is no need to inject repeatedly. Furthermore, by selecting the resin to be used, it can be used for all kinds of things such as the human body, tools, tools, and food. Further, when the composition contains a foaming agent and is sprayed in a foamed state, the property of shielding from the outside is improved, so that the cooling effect can be maintained for a longer time.
In particular, by using the excellent strippability and temperature controllability of the present invention as a human agent, a one-pack cooling cosmetic pack which can be treated at a low cost and can be treated for a long time (sufficient processing time) and a relaxing effect can be obtained. A cooling pack agent for obtaining, a wiping pack containing a bactericide having a cooling effect to relieve inflammation, a compound containing an insect repellent, and a variety of insect repellents with a cooling effect that are effective on hot summer days Can be developed into products.