【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、受話部を有する上部筺体と、送話部を有する下部筺体とを、ヒンジ部を介して回動自在に連結した携帯電話機などの二つ折れ式携帯無線機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般的な二つ折れ式携帯電話機は、受話部を有する上部筺体と、送話部を有する下部筺体とを、ヒンジ部を介して回動自在に連結して構成され、アンテナは、下部筺体にその連結側となる一端部から突出するように設けられている（例えば特許文献１）。このように、アンテナを下部筺体の連結側端部から突出させることで、使用者の頭部から離れる方向にアンテナが延伸するため、アンテナが人体から受ける影響を軽減でき、アンテナ利得の低下を抑制することができる。
【０００３】
二つ折れ式携帯電話機の他の例として、受話部を有する上部筺体と、送話部を有する下部筺体とを、ヒンジ部を介して回動自在に連結すると共に、アンテナを、下部筺体の背面から下部筺体の後方側に突出するように設けたものも知られている（例えば特許文献２）。この携帯電話機の場合、下部筺体の背面から下部筺体後方側にアンテナが突出することから、引き出したアンテナを使用者の頭部から十分に離してアンテナの感度を改善することができる。
【０００４】
さらに、最近の二つ折れ式携帯電話機には、下部筺体の内部にアンテナを内蔵させたものもある。
【０００５】
【特許文献１】
登録特許第２５７６３６７号公報
【特許文献２】
特開２００１−２５７５１４号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、アンテナの利得は人体の影響を受けて劣化しやすいので、アンテナの設置位置は使用形態を考慮して決定する必要がある。例えば、アンテナの利得は、アンテナと人体間の距離に大きく影響されるので、所望の通信利得を確保するためには、アンテナと人体間の距離に配慮することが重要となる。とくに、上述したような二つ折れ式携帯電話機で、下部筺体にアンテナを設けた携帯電話機の場合、音声通話時には、上部筺体と下部筺体を開いて、上部筺体の受話部を耳に当てると共に下部筺体の送話部を口許に近づけて使用するので、下部筺体に設けられたアンテナと人体間の距離を取ることが難しく、通信利得が劣化するという問題点を有する。さらに、下部筺体の内部にアンテナを内蔵させた構成の二つ折れ式携帯電話機では、アンテナを下部筺体以上に使用者の頭部から離すことができないので、通信利得の劣化を改善するのは容易でない。
【０００７】
この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、通話時に使用者の頭部とアンテナ間に一定の距離を確保できて通話時利得を改善できる二つ折れ式携帯無線機を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項１にかかる二つ折れ式携帯無線機は、受話部を有する上部筺体と、送話部を有し前記上部筺体にヒンジ部を介して回動可能に連結された下部筺体とを備え、前記下部筺体の前記上部筺体との連結側となる一端部を、その一端部内にアンテナ素子を内蔵したアンテナ部とした二つ折れ式携帯無線機であって、使用状態での前記下部筺体の前面からの前記ヒンジ部の突出寸法を、１０．５ｍｍ以上としたことを特徴とする。
【０００９】
この発明の請求項３にかかる二つ折れ式携帯無線機は、受話部を有する上部筺体と、送話部を有し前記上部筺体にヒンジ部を介して回動可能に連結された下部筺体とを備え、前記下部筺体の前記上部筺体との連結側となる一端部にこの端部から突出するホイップアンテナを設けた二つ折れ式携帯無線機であって、前記下部筺体の前面から前記ホイップアンテナの中心軸までの筺体厚み方向距離をＺｍｍとするとき、前記下部筺体の前面からの前記ヒンジ部の突出寸法を、（１０．５−Ｚ）ｍｍ以上としたことを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
実施の形態１．
図１（Ａ），（Ｂ）は、この発明の実施の形態１による二つ折れ式携帯電話機の展開状態および閉じ状態を示す正面図である。この二つ折れ式携帯電話機１は、受話部であるスピーカ５を有する上部筺体２と、送話部であるマイク６を有する下部筺体３とを備え、下部筺体３はヒンジ部４を介して前記上部筺体２に回動可能に連結されている。上部筺体２の前面には、前記スピーカ５のほかに、情報を表示するためのディスプレイ７が設けられている。下部筺体３の前面には、前記マイク６のほかに、電話番号や文字を入力するためのダイヤルボタン、ディスプレイ７に表示される場面によって異なる機能が割り当てられたセレクタなどからなる操作部８が設けられている。使用時には上部筺体２と下部筺体３がヒンジ部４を回動中心として図１（Ａ）のように展開され、非使用時には図１（Ｂ）のように上部筺体２と下部筺体３が重なって、下部筺体３の操作部８を上部筺体２が覆うように折り畳まれる。なお、下部筺体３の長さは１００ｍｍ程度、幅は５０ｍｍ程度、厚さ（下部筺体３の背面から操作部８が設けられた前面までの高さ）は１５ｍｍ程度とされている。折り畳み状態での携帯電話機１全体の厚さは２５ｍｍ程度とされている。
【００１１】
図２（Ａ），（Ｂ）は、この二つ折れ式携帯電話機１の展開状態および閉じ状態を示す右側面図および左側面図である。下部筺体３の上部筺体２への連結側である一端部は、内部にアンテナ素子１０（図３）を内蔵したアンテナ部９とされている。すなわち、図２（Ａ）において、下部筺体３におけるヒンジ部４の下位置から上部筺体２への連結側端部までの部分（図２（Ａ）で破線で区切られた部分）がアンテナ部９とされている。なお、下部筺体３の前面（操作部８が設けられた面）とアンテナ部９の同じく前面とは略面一であるものとして以下の説明を進める。そして、前記アンテナ素子１０に給電することにより、アンテナ部９全体がアンテナとして作用する。
【００１２】
前記ヒンジ部４は、例えば下部筺体３に一体形成されその前面側に突出する左右一対のブラケット４ａ，４ａと、上部筺体２の一端部に一体形成された回転軸４ｂとからなり、その回転軸４ｂが前記左右のブラケット４ａ，４ａで回転自在に支持されることで、下部筺体３が上部筺体２に回動可能に連結される。このヒンジ部４は、使用状態において下部筺体３の前面から前面側（図２（Ａ）の矢印Ａの方向）へ所定寸法Ｘだけ張り出すように設けられる。この張り出し寸法Ｘは、１０．５〜３５．０ｍｍに設定されている。
【００１３】
この二つ折れ式携帯電話機１を用いて通話する場合、使用者は携帯電話機１を図３に概略断面図で示すように展開状態とし、その上部筺体２のスピーカ５を耳に当て、下部筺体３のマイク６が口許にくるように下部筺体３を保持する。このとき、下部筺体３の前面側に突出するヒンジ部４が、使用者の頭部Ｈに接触する。この使用状態で、上部筺体２の背面は、アンテナ部９からの電波を反射する反射板として作用するので、通話時利得の改善に有利となる。とくに、使用状態での下部筺体３の前面からのヒンジ部４の突出量Ｘを１０．５〜３５．０ｍｍとしているので、従来の携帯電話機よりもアンテナ部９を使用者の頭部Ｈから離すことができ、通話時利得を改善することができる。
【００１４】
図４（Ａ），（Ｂ）は、この実施の形態１の二つ折れ式携帯電話機１における前記ヒンジ部４の下部筺体３の前面からの突出量Ｘを１０．５〜３５．０ｍｍとした根拠を説明するために、従来の二つ折れ式携帯電話機で行った通話試験の説明図である。この場合の従来の二つ折れ式携帯電話機１１も、図４（Ｂ）のように、上部筺体１２と下部筺体１３とがヒンジ部１４を介して回動自在に連結され、下部筺体１３のヒンジ部１４設置位置から連結側端部までがアンテナ素子（図示せず）を内蔵したアンテナ部１９とされている。ただし、下部筺体１３の前面からのヒンジ部１４の突出寸法Ｙは、試験に用いた種々の従来の携帯電話機では８〜１０ｍｍ程度である。
【００１５】
図５（Ａ），（Ｂ）は、この従来の携帯電話機１１を図４（Ａ）のように使用して、アンテナ素子が内蔵されたアンテナ部１９と頭部Ｈとの距離を変えることにより、通信利得がどのように推移するか試験した結果を示す説明図である。具体的には、図４（Ａ）のように、上部筺体１２のスピーカ（図示せず）を頭部Ｈの耳に当て、下部筺体１３のマイク（図示せず）が口許にくるように下部筺体１３を保持しながら、下部筺体１３のマイクを少しずつ遠ざけることで、アンテナ部１９と頭部Ｈとの距離を変化させた。具体的には、ヒンジ部１４と頭部Ｈとの距離を、０ｍｍ（ヒンジ部１４と頭部Ｈが密着した状態）〜２５ｍｍの範囲で変化させ、所定距離（２．５ｍｍ）ごとに通話時利得を測定した。なお、この試験において、携帯電話機１１が使用した信号の周波数は８００ＭＨｚである。図５（Ａ）は測定結果の一例を示すデータであり、図５（Ｂ）はそのデータをグラフ化したものである。この測定結果は、ヒンジ部１４と頭部Ｈとの距離と、通信利得との関係を示すものであるが、下部筺体１３の前面からのヒンジ部１４の突出寸法Ｙ（８〜１０ｍｍ）を前記データに加算することにより、アンテナ部１９と頭部Ｈとの距離と読み替えることができる。
【００１６】
図５（Ａ），（Ｂ）の測定結果によると、ヒンジ部１４と頭部Ｈとの距離を離すほど通話時利得が順調に改善することが理解できる。例えば、図５（Ａ）に示されるように、ヒンジ部１４が頭部Ｈに密着しているヒンジ部・頭部間距離０ｍｍ（アンテナ部１９と頭部Ｈとの距離は８〜１０ｍｍ）での通話時利得は−１４．６３ｄＢｄであるのに対して、ヒンジ部１４と頭部Ｈ間の距離が１０ｍｍ（アンテナ部１９との距離は１８〜２０ｍｍ）での通話時利得は−１３．６５ｄＢｄに上昇し、さらにヒンジ部１４と頭部Ｈ間の距離が２５ｍｍ（アンテナ部１９との距離は３３〜３５ｍｍ）での通話時利得は−１２．５３ｄＢｄに上昇している。このように、上記試験結果は、頭部Ｈとアンテナ部１９との距離が大きくなるほど通話時利得が改善されることを示しているので、この実施の形態１による二つ折れ式携帯電話機１においても、頭部Ｈと下部筺体３との間に位置するヒンジ部４を大きくすることで頭部Ｈとアンテナ部９との距離を大きくすることが、通話時利得の改善に有効な手段となる。
【００１７】
このような理由により、この実施の形態１による二つ折れ式携帯電話機１では、使用状態での下部筺体３の前面からのヒンジ部９の突出寸法Ｘ（図２（Ａ））を、１０．５〜３５．０ｍｍの範囲に設定している。すなわち、この値は、上記試験において通話時利得の改善が見られるヒンジ部１４と頭部Ｈ間の距離（２．５〜２５ｍｍ）に、ヒンジ部１９の突出寸法Ｙ（８〜１０ｍｍ）を加算した値である。このように、下部筺体３の前面からのヒンジ部４の突出寸法を設定することにより、通話時に自然に人体頭部Ｈに接触することになるヒンジ部４のために、頭部Ｈとアンテナ部９間の距離を大きくすることができ、ヒンジ部１４の突出寸法Ｙが８〜１０ｍｍ程度である従来の携帯電話機１１に比べて通話時利得を改善することができる。なお、上記試験は８００ＭＨｚの周波数帯で行ったが、それ以外の周波数帯、例えば２ＧＨｚの周波数帯を用いても同様の効果が得られる。また、アンテナ利得に着目する限り、ヒンジ部９の突出寸法Ｘを３５．０ｍｍよりも大きくすることによりさらに改善された効果を期待できる。しかし、ヒンジ部９の突出寸法Ｘを大きくすると、マイクと口許の距離も大きくなり、マイクに入力される話者音声が劣化し、背景雑音が大きくなるという問題が生じる。したがって、ヒンジ部寸法をを３５ｍｍ程度までにすることにより、良好なアンテナ特性を実現でき、かつ、良好なマイク感度（話者音声入力をＳとした場合のＳ／Ｎ比）をも実現できる。
【００１８】
実施の形態２．
前記実施の形態１では、下部筺体３における連結側の端部が、アンテナ素子１０を内蔵したアンテナ部９とされた携帯電話機１の場合について説明したが、これに限らず、下部筺体３における連結側の端部からホイップアンテナを突出させた二つ折れ式携帯電話機の場合にも、下部筺体３の前面側に突出するヒンジ部４の突出寸法を同様の考え方で設定して、通話時利得を改善することができる。この二つ折れ式携帯電話機の場合、下部筺体３の前面からホイップアンテナの中心軸までの筺体厚さ方向の距離をＺｍｍとすると、実施の形態１におけるヒンジ部４の突出寸法Ｘ（１０．５〜３５．０ｍｍ）から上記値Ｚを引いた値、｛（１０．５〜３５．０）−Ｚ｝ｍｍを下部筺体の前面側に突出するヒンジ部の突出寸法として設定すれば良い。
【００１９】
これにより、使用時に人体頭部と下部筺体との間に介在するヒンジ部のために、人体頭部とホイップアンテナの中心軸との距離は、１０．５〜３５．０ｍｍとなるので、実施の形態１の場合と同様に通話時利得を改善することができる。
【００２０】
なお、ヒンジ部の突出寸法が（３５．０−Ｚ）ｍｍよりも大きくてもよいことは上記実施の形態１と同様である。
【００２１】
また、以上の各実施の形態１，２では、携帯電話機の場合を例示して説明したが、これに限らず、例えば二つ折れ式トランシーバーに適用しても同様に通話時利得を改善することができる。
【００２２】
【発明の効果】
この発明のうち請求項１にかかるものは、受話部を有する上部筺体と、送話部を有し前記上部筺体にヒンジ部を介して回動可能に連結された下部筺体とを備え、前記下部筺体の前記上部筺体との連結側となる一端部を、その一端部内にアンテナ素子を内蔵したアンテナ部とした二つ折れ式携帯無線機であって、使用状態での前記下部筺体の前面からの前記ヒンジ部の突出寸法を、１０．５ｍｍ以上としたので、通話時に使用者の頭部とアンテナ間に従来よりも大きな距離を確保でき、従来と比べて通話利得を改善できる。
【００２３】
この発明のうち請求項３にかかるものは、受話部を有する上部筺体と、送話部を有し前記上部筺体にヒンジ部を介して回動可能に連結された下部筺体とを備え、前記下部筺体の前記上部筺体との連結側となる一端部にこの端部から突出するホイップアンテナを設けた二つ折れ式携帯無線機であって、前記下部筺体の前面から前記ホイップアンテナの中心軸までの筺体厚み方向距離をＺｍｍとするとき、使用状態での前記下部筺体の前面からの前記ヒンジ部の突出寸法を、（１０．５−Ｚ）ｍｍ以上としたので、通話時に使用者の頭部とホイップアンテナ間に従来よりも大きな距離を確保でき、従来と比べて通話利得を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（Ａ）はこの発明の実施の形態１にかかる二つ折れ式携帯電話機の展開状態を示す正面図、（Ｂ）は同携帯電話機の閉じ状態を示す正面図である。
【図２】（Ａ）は同携帯電話機の展開状態を示す右側面図、（Ｂ）は同携帯電話機の閉じ状態を示す左側面図である。
【図３】同携帯電話機の使用状態を示す説明図である。
【図４】（Ａ）は従来の携帯電話機による試験の説明図、（Ｂ）は試験に使用した携帯電話機の展開状態を示す側面図である。
【図５】（Ａ）は試験結果のデータを示す図、（Ｂ）は同試験結果をグラフ化した図である。
【符号の説明】
１ 二つ折れ式携帯電話機、２ 上部筺体、３ 下部筺体、４ ヒンジ部、５スピーカ（受話部）、６ マイク（送話部）、９ アンテナ部、１０ アンテナ素子。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a two-fold type portable wireless device such as a mobile phone in which an upper housing having a receiver and a lower housing having a transmitter are rotatably connected via a hinge.
[0002]
[Prior art]
A general two-fold type mobile phone is configured such that an upper housing having a receiver and a lower housing having a transmitter are rotatably connected via a hinge, and an antenna is provided in the lower housing. It is provided so as to protrude from one end portion on the connection side (for example, Patent Document 1). In this way, by projecting the antenna from the connection side end of the lower housing, the antenna extends in the direction away from the user's head, so that the effect of the antenna on the human body can be reduced and the decrease in antenna gain is suppressed. can do.
[0003]
As another example of a two-fold type mobile phone, an upper housing having a receiver and a lower housing having a transmitter are rotatably connected via a hinge, and an antenna is provided on the back of the lower housing. There is also known one provided so as to protrude from the rear of the lower housing (for example, Patent Document 2). In the case of this mobile phone, since the antenna protrudes from the rear surface of the lower housing to the rear side of the lower housing, the extracted antenna can be sufficiently separated from the head of the user to improve the sensitivity of the antenna.
[0004]
Furthermore, some recent folding type mobile phones have a built-in antenna inside a lower housing.
[0005]
[Patent Document 1]
Registered Patent No. 2576367 [Patent Document 2]
JP 2001-257514 A
[Problems to be solved by the invention]
Generally, the gain of an antenna is apt to be deteriorated due to the influence of a human body. Therefore, it is necessary to determine the installation position of the antenna in consideration of the usage form. For example, since the gain of an antenna is greatly affected by the distance between the antenna and a human body, it is important to consider the distance between the antenna and the human body in order to secure a desired communication gain. Particularly, in the case of a two-fold type mobile phone as described above, in the case of a mobile phone provided with an antenna in the lower housing, during a voice call, open the upper housing and the lower housing, touch the earpiece of the upper housing to the ear, Since the transmitter of the housing is used close to the mouth, it is difficult to maintain a distance between the antenna provided on the lower housing and the human body, and there is a problem that the communication gain is deteriorated. Furthermore, in a two-fold type mobile phone with a built-in antenna inside the lower housing, the antenna cannot be separated from the user's head more than the lower housing, so it is easy to improve the deterioration of communication gain. Not.
[0007]
The present invention has been made in view of the above points, and provides a two-fold type portable wireless device that can secure a certain distance between a user's head and an antenna during a call and improve a gain during a call. With the goal.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
A two-fold type portable wireless device according to claim 1 of the present invention includes an upper housing having a receiver, and a lower housing having a transmitter and rotatably connected to the upper housing via a hinge. A two-fold type portable wireless device in which one end of the lower housing, which is connected to the upper housing, is an antenna unit having an antenna element built in the one end thereof, wherein the lower part is in use. The projection of the hinge part from the front surface of the housing is 10.5 mm or more.
[0009]
A two-fold type portable wireless device according to claim 3 of the present invention includes an upper housing having a receiver, and a lower housing having a transmitter and rotatably connected to the upper housing via a hinge. A two-fold type portable wireless device provided with a whip antenna protruding from this end at one end of the lower housing that is connected to the upper housing, wherein the whip antenna is provided from the front of the lower housing. When the distance in the thickness direction of the housing to the central axis is Z mm, the protrusion of the hinge portion from the front surface of the lower housing is (10.5-Z) mm or more.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Embodiment 1 FIG.
FIGS. 1A and 1B are front views showing a folded state and a closed state of a two-fold type mobile phone according to Embodiment 1 of the present invention. The two-fold type mobile phone 1 includes an upper housing 2 having a speaker 5 serving as a receiving unit and a lower housing 3 having a microphone 6 serving as a transmitting unit. It is rotatably connected to the upper housing 2. A display 7 for displaying information is provided on the front surface of the upper housing 2 in addition to the speaker 5. On the front surface of the lower housing 3, in addition to the microphone 6, an operation unit 8 including dial buttons for inputting telephone numbers and characters, a selector to which different functions are assigned depending on the scene displayed on the display 7, and the like are provided. Has been. When used, the upper housing 2 and the lower housing 3 are unfolded around the hinge 4 as shown in FIG. 1A, and when not used, the upper housing 2 and the lower housing 3 overlap as shown in FIG. 1B. , The operation unit 8 of the lower housing 3 is folded by the upper housing 2. The length of the lower housing 3 is about 100 mm, the width is about 50 mm, and the thickness (the height from the rear surface of the lower housing 3 to the front surface where the operation unit 8 is provided) is about 15 mm. The overall thickness of the mobile phone 1 in the folded state is about 25 mm.
[0011]
FIGS. 2A and 2B are a right side view and a left side view showing the folded state and the closed state of the two-fold type mobile phone 1, respectively. One end of the lower housing 3 on the side connected to the upper housing 2 is an antenna unit 9 having an antenna element 10 (FIG. 3) built therein. That is, in FIG. 2A, a portion from the position below the hinge portion 4 in the lower housing 3 to the end on the connection side to the upper housing 2 (the portion separated by a broken line in FIG. 2A) is the antenna portion 9. It has been. The following description will be made on the assumption that the front surface of the lower housing 3 (the surface on which the operation unit 8 is provided) and the same front surface of the antenna unit 9 are substantially flush. By feeding power to the antenna element 10, the entire antenna section 9 functions as an antenna.
[0012]
The hinge part 4 includes, for example, a pair of left and right brackets 4 a, 4 a integrally formed on the lower housing 3 and protruding from the front side thereof, and a rotating shaft 4 b integrally formed on one end of the upper housing 2. The lower housing 3 is rotatably connected to the upper housing 2 by rotatably supporting the lower housing 4b by the left and right brackets 4a. The hinge portion 4 is provided so as to protrude from the front surface of the lower housing 3 by a predetermined dimension X from the front surface side (in the direction of arrow A in FIG. 2A) in use. The overhang dimension X is set to 10.5 to 35.0 mm.
[0013]
When making a call using the two-fold type mobile phone 1, the user puts the mobile phone 1 in an unfolded state as shown in a schematic cross-sectional view in FIG. The lower housing 3 is held so that the microphone 3 of the camera 3 is in the mouth. At this time, the hinge part 4 protruding to the front side of the lower housing 3 comes into contact with the head H of the user. In this state of use, the rear surface of the upper housing 2 acts as a reflector for reflecting radio waves from the antenna section 9, which is advantageous for improving the gain during a call. In particular, since the projection amount X of the hinge portion 4 from the front surface of the lower housing 3 in the use state is set to 10.5 to 35.0 mm, the antenna portion 9 is separated from the head H of the user as compared with the conventional mobile phone. Can improve the gain during a call.
[0014]
FIGS. 4A and 4B show that the amount X of projection of the hinge portion 4 from the front surface of the lower housing 3 in the two-fold type mobile phone 1 of the first embodiment is set to 10.5 to 35.0 mm. FIG. 4 is an explanatory diagram of a call test performed on a conventional two-fold type mobile phone to explain the basis. In this case, the conventional two-fold type portable telephone 11 also has an upper housing 12 and a lower housing 13 rotatably connected via a hinge portion 14 as shown in FIG. An antenna portion 19 having an antenna element (not shown) is built from the installation position of the portion 14 to the connection side end. However, the protrusion Y of the hinge portion 14 from the front surface of the lower housing 13 is about 8 to 10 mm in various conventional mobile phones used for the test.
[0015]
FIGS. 5 (A) and 5 (B) show a case where the distance between an antenna section 19 having a built-in antenna element and a head H is changed by using the conventional mobile phone 11 as shown in FIG. 4 (A). FIG. 9 is an explanatory diagram showing a result of a test on how the communication gain changes. Specifically, as shown in FIG. 4 (A), the speaker (not shown) of the upper housing 12 is put on the ear of the head H, and the lower microphone 13 (not shown) of the lower housing 13 is brought to the mouth. The distance between the antenna section 19 and the head H was changed by gradually moving the microphone of the lower housing 13 while holding the housing 13. Specifically, the distance between the hinge portion 14 and the head H is changed in a range of 0 mm (in a state in which the hinge portion 14 and the head H are in close contact) to 25 mm, and the distance between the hinge portion 14 and the head H is changed every predetermined distance (2.5 mm). The gain was measured. In this test, the frequency of the signal used by the mobile phone 11 is 800 MHz. FIG. 5A is data showing an example of the measurement results, and FIG. 5B is a graph of the data. The measurement results show the relationship between the distance between the hinge part 14 and the head H and the communication gain. The protrusion dimension Y (8 to 10 mm) of the hinge part 14 from the front surface of the lower housing 13 is determined by By adding to the data, it can be read as the distance between the antenna unit 19 and the head H.
[0016]
According to the measurement results of FIGS. 5A and 5B, it can be understood that the longer the distance between the hinge portion 14 and the head H, the more smoothly the gain during a call is improved. For example, as shown in FIG. 5A, the distance between the hinge and the head where the hinge 14 is in close contact with the head H is 0 mm (the distance between the antenna 19 and the head H is 8 to 10 mm). Is -14.63 dBd, whereas the communication gain is -13.65 dBd when the distance between the hinge 14 and the head H is 10 mm (the distance from the antenna 19 is 18 to 20 mm). , And the gain during a call increases to -12.53 dBd when the distance between the hinge portion 14 and the head H is 25 mm (the distance to the antenna portion 19 is 33 to 35 mm). As described above, the test results show that the longer the distance between the head H and the antenna unit 19 is, the more the gain during a call is improved, so that the two-fold type mobile phone 1 according to the first embodiment has the following advantages. Also, increasing the distance between the head H and the antenna 9 by increasing the size of the hinge 4 located between the head H and the lower housing 3 is an effective means for improving the gain during a call. .
[0017]
For this reason, in the two-fold type mobile phone 1 according to the first embodiment, the protrusion dimension X (FIG. 2A) of the hinge portion 9 from the front surface of the lower housing 3 in use is set to 10. It is set in the range of 5 to 35.0 mm. That is, this value is obtained by adding the protruding dimension Y (8 to 10 mm) of the hinge portion 19 to the distance (2.5 to 25 mm) between the hinge portion 14 and the head H at which the gain during a call is improved in the above test. Value. In this manner, by setting the projection size of the hinge portion 4 from the front surface of the lower housing 3, the hinge portion 4 that naturally comes into contact with the human head H during a call can be used. 9 can be increased, and the gain during a call can be improved as compared with the conventional mobile phone 11 in which the protrusion dimension Y of the hinge portion 14 is about 8 to 10 mm. Although the above test was performed in the 800 MHz frequency band, similar effects can be obtained by using other frequency bands, for example, a 2 GHz frequency band. Further, as far as the antenna gain is focused, further improved effects can be expected by setting the protrusion dimension X of the hinge portion 9 to be larger than 35.0 mm. However, when the protrusion dimension X of the hinge portion 9 is increased, the distance between the microphone and the mouth is also increased, and the speaker voice input to the microphone is deteriorated, which causes a problem that background noise increases. Therefore, by setting the size of the hinge portion to about 35 mm, it is possible to realize good antenna characteristics, and also to realize good microphone sensitivity (S / N ratio when a speaker's voice input is S).
[0018]
Embodiment 2 FIG.
In the first embodiment, the description has been given of the case of the mobile phone 1 in which the end on the connection side in the lower housing 3 is the antenna unit 9 having the antenna element 10 built therein. However, the present invention is not limited to this, and the connection in the lower housing 3 is not limited thereto. In the case of a two-fold type mobile phone having a whip antenna protruding from the end on the side, the projection size of the hinge portion 4 protruding to the front side of the lower housing 3 is set in the same way as described above, and the gain at the time of talking is improved. Can be improved. In the case of this two-fold type mobile phone, assuming that the distance in the thickness direction of the housing from the front surface of the lower housing 3 to the center axis of the whip antenna is Z mm, the protrusion dimension X (10.5 (30.5 mm) minus the above value Z, {(10.5-35.0) -Z} mm may be set as the projection size of the hinge portion projecting toward the front side of the lower housing.
[0019]
As a result, the distance between the human head and the central axis of the whip antenna becomes 10.5 to 35.0 mm due to the hinge portion interposed between the human head and the lower housing during use. As in the case of the first embodiment, the gain during a call can be improved.
[0020]
Note that, as in the first embodiment, the protrusion dimension of the hinge portion may be larger than (35.0-Z) mm.
[0021]
In each of Embodiments 1 and 2 described above, the case of a mobile phone has been described as an example. However, the present invention is not limited to this. Can be.
[0022]
【The invention's effect】
The invention according to claim 1 includes an upper housing having a receiver, a lower housing having a transmitter and rotatably connected to the upper housing via a hinge portion, and A two-fold type portable wireless device in which one end portion of the housing that is connected to the upper housing is an antenna portion having an antenna element built in the one end portion, which is viewed from the front of the lower housing in use. Since the protrusion of the hinge portion is 10.5 mm or more, a larger distance between the user's head and the antenna can be ensured during a call than in the past, and the speech gain can be improved as compared with the conventional case.
[0023]
According to a third aspect of the present invention, there is provided an upper housing having a receiver, and a lower housing having a transmitter and rotatably connected to the upper housing via a hinge portion, wherein the lower housing has A two-fold type portable wireless device provided with a whip antenna protruding from this end at one end of the housing that is connected to the upper housing, wherein the whip antenna extends from a front surface of the lower housing to a central axis of the whip antenna. When the distance in the thickness direction of the housing is Z mm, the projection size of the hinge portion from the front surface of the lower housing in use is (10.5-Z) mm or more. A larger distance can be secured between the whip antennas than before, and the communication gain can be improved as compared with the conventional case.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a front view showing an unfolded state of a two-fold type mobile phone according to a first embodiment of the present invention, and FIG. 1B is a front view showing a closed state of the mobile phone.
FIG. 2A is a right side view showing an expanded state of the mobile phone, and FIG. 2B is a left side view showing a closed state of the mobile phone.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing a use state of the mobile phone.
FIG. 4A is an explanatory view of a test using a conventional mobile phone, and FIG. 4B is a side view showing a developed state of the mobile phone used for the test.
FIG. 5A is a diagram showing data of test results, and FIG. 5B is a graph of the test results.
[Explanation of symbols]
1. Two-fold type mobile phone, 2 upper housing, 3 lower housing, 4 hinges, 5 speakers (receiver), 6 microphones (transmitter), 9 antennas, 10 antenna elements.
