JP2004294289A - 表示パネルの輝度値測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表示パネル2に格子パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データから各表示画素の位置を検出し、校正パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データから表示パネルの位置を検出して、これらを各表示画素、表示パネルの基準位置とする。次に、輝度値測定用表示パネル2に校正パターンを表示してパネルのセット位置を表示パネルの基準位置に校正した後、検査パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データから各表示画素の輝度値を得る。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶表示パネルや有機エレクトロルミネッセンス表示パネル等の表示パネルの輝度値測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の表示パネルは、表示画面上に多数の表示画素が配置され、各表示画素が電界印加等により点滅制御されて画像等を表示するものである。液晶表示パネルの場合は液晶表示画素への電界印加により画素部分の液晶分子の向きが変わることで光透過率が変化し、有機エレクトロルミネッセンス表示パネルの場合は有機エレクトロルミネッセンス表示画素への電界印加により画素部分の有機エレクトロルミネッセンスが自発光して点灯状態になる。
【0003】
点灯状態の表示画素は、その明るさが輝度値として表され、表示パネルは、用途に合わせて、この輝度値が基準値範囲内に納まるように製造される。
【0004】
従来の表示パネルの輝度値測定方法として、点灯している液晶表示パネルをCCDカメラで撮像し、各表示画素に対応するCCDカメラの複数のフォトセルによる測定値の平均値をもって表示画素の点灯輝度とする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−222316号公報 (段落番号0018〜0020、図2)
【0006】
特許文献1では、薄膜トランジスタ、ゲート線およびデータ線を遮光する格子状のブラックストライプが輝度測定値に影響するので、このブラックストライプに対応するCCDカメラのフォトセルによる測定値は上記平均値算出には用いず、ブラックストライプの影響を除外している。
【0007】
しかし、ひとつの表示画素に対応する他のフォトセルによる測定値は全て単純に平均して表示画素の輝度代表値としている。ひとつの表示画素のエッジに対応するフォトセルの測定値も加えて算出する単純平均値は、経験的に実際の輝度とはずれがある。
【0008】
また、実際の輝度測定に際しては、検査テーブル上に液晶表示パネルを載せるたびに、表示画素のレベルで考えると、若干位置がずれるものであるが、この位置ずれにより測定値の平均値、すなわち、表示画素の輝度値が変動してしまう、また、輝度値算出の計算がその都度変わり煩雑になるという問題がある。
【0009】
更に、また、表示パネルの表示画素の大きさ、形状は、鮮明な表示を得るために、用途により種々のものが使用されている。特許文献1の測定方法では、種々の寸法形状の表示画素を測定すると、表示画素のエッジ状態が異なって、撮像画素と表示画素との重なり面積が一定でなく、その影響で測定値の平均値(表示画素の輝度代表値)が変わってしまうという問題もある。
【0010】
また、特許文献1では触れられていないが、この方法で正確に輝度測定するには、CCDカメラのレンズ歪で撮像が歪み、後の輝度算出が困難になるので、これを歪のない位置に校正する複雑な計算を行わなければならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、大きさ、形状が異なる種々の表示画素の輝度測定を正確に行うことのできる表示パネルの輝度値測定方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、測定台上に基準表示パネルをセットして該表示パネルに格子パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データから各表示画素の位置を検出して、各表示画素の基準位置として記憶する表示画素位置設定工程と、上記基準表示パネルに校正用パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データから表示パネルの位置を検出して、表示パネルの基準位置として記憶する表示パネル位置設定工程と、上記表示画素位置設定工程および表示パネル位置設定工程終了後に、測定台上に上記基準表示パネルと同型の輝度値測定用表示パネルをセットして該表示パネルに上記校正用パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データと上記表示パネルの基準位置とから上記輝度値測定用表示パネルの画像を上記基準位置に校正する表示パネル画像校正工程と、次いで、上記輝度値測定用表示パネルに検査パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データを上記表示パネル画像校正工程で得た校正値で各画素位置を上記表示画素の基準位置に校正して各表示画素の輝度値を得る輝度値取得工程とを具備することを特徴とする。
【0013】
上記輝度値取得工程において、ひとつのカラー表示画素を構成する隣り合うR、G、Bの表示画素の集まりをひとつの表示画素として処理して、カラー表示画素の輝度値を得ると、カラー表示パネルのカラー輝度測定ができる。
【0014】
上記発明において、表示パネルを撮像する撮像素子が多数の撮像画素を有し、複数の撮像画素がひとつの表示画素に対向し、上記輝度値取得工程において、各撮像画素の出力のそれぞれに、該撮像画素と表示画素との重なり面積を乗じて、これらの和を表示画素全面積で除した値を該表示画素の輝度値とすることができる。
【0015】
また、上記発明において、表示パネルを撮像する撮像素子が多数の撮像画素を有し、複数の撮像画素がひとつの表示画素に対向し、上記輝度値取得工程において、ひとつの表示画素と100%重なる中央部対向撮像画素の出力は、補正せずに該撮像画素の出力とし、上記表示画素と部分的に重なるエッジ部対向撮像画素の出力は、重なり面積および上記中央部対向撮像画素のうちの隣接する撮像画素の出力とに応じたエッジ補正を行い、上記の補正のない、あるいは、エッジ補正した撮像画素の出力のそれぞれに、該撮像画素と表示画素との重なり面積を乗じて、これらの和を表示画素全面積で除した値を該表示画素の輝度値とすると、より正確な輝度値が得られる。
【0016】
また、上記発明において、撮像する手段がカメラであって、カメラのレンズ歪で歪んだままの表示画素の位置を、上記表示画素位置設定工程における基準位置とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、この発明方法を用いる液晶表示パネルの輝度値測定装置の例を示す斜視図である。
【0019】
図1において、1は、輝度測定する液晶表示パネルを載せる測定台、2は、この測定台1上にセットされる液晶表示パネル、3は、液晶表示パネル2の上方に配置され、液晶表示パネル2が表示する画像を撮影するCCDカメラ、4はその撮像素子、5はレンズである。6は液晶表示パネル制御回路、7は画像処理装置、8は輝度値測定装置全体の制御装置である。
【0020】
上記CCDカメラ3の撮像素子4には、周知のように、多数の撮像画素を有する。
【0021】
上記液晶表示パネル制御回路6は、液晶表示パネル2に接続されていて、表示パネル2の各表示画素を点滅制御する。上記画像処理装置7は撮像素子4に接続されていて、撮像素子4で得られる撮像データが入力される。制御装置8は、上記液晶表示パネル制御回路6および画像処理装置7に接続されていて、これらを制御する。
【0022】
この輝度値測定装置では、液晶表示パネル制御回路6の制御により液晶表示パネル2に所望のパターンを表示し、この表示されたパターンをCCDカメラ3で撮像し、CCDカメラ3はその撮像データを画像処理装置7に送る。画像処理装置7では、種々の画像処理が行われ、液晶表示パネルの各表示画素の輝度値が得られる。液晶表示パネル制御回路6と画像処理装置7との作動タイミングは、制御装置8により同期が取られる。
【0023】
図2は、この発明の表示パネルの輝度値測定方法を説明するフローチャートである。図2の(a)と(b)は、測定台1上にセットされた液晶表示パネル自体とその中の液晶表示画素の基準位置を設定するフローである。図2では、(a)の次に(b)を実行する例を示したが、(b)の次に(a)を実行するようにしてもよい。図2の(c)と(d)は、液晶表示パネルのセット位置を校正して各液晶表示画素の輝度を測定するフローである。
【0024】
一品種の液晶表示パネルの輝度測定を開始するには、先ず、その中のひとつの液晶表示パネルについて図2の(a)と(b)を実行する。次いで、全ての液晶表示パネルについて図2の(c)と(d)を順次実行していく。
【0025】
[基準液晶表示パネル画素位置の設定(図2(a))]
ステップ101で、ひとつの液晶表示パネル2を測定台1上にセットし、この液晶表示パネル2と液晶表示パネル制御回路6とを結線する。
【0026】
ステップ102で、液晶表示パネル制御回路6を駆動して、適宜の格子パターンを液晶表示パネル2に表示する。
【0027】
格子パターンとは、液晶表示画素の分布状態、各表示画素の位置(座標)をCCDカメラ撮像により得るために使用する表示パターンである。図3の(a)に液晶表示パネルの表示画素を模式的に示したが、これらの表示画素er11、eg11、eb11、er12、eg12、eb12、‥‥、ermn、egmn、ebmnを全部点灯してしまうと、各表示画素撮像データは一様になって、表示画素を識別することができない。そこで、例えば、図3(b)に示したように、上下とも飛び飛びの表示画素を点灯して、格子状にしたものである。このように格子状に点灯すれば、撮像データからひとつひとつの表示画素er11、er12、‥‥、ermnを識別することができる。また、液晶表示パネル2の表示画面全体の撮像をCCDカメラ3で目視することもできる。
【0028】
図3において、上下の列の表示画素が外側に湾曲して示してある。この湾曲は、CCDカメラ3のレンズ5による撮像の歪を説明したものである。従来の輝度測定で高精度の測定を行う場合は、歪んだ画像自体を補正するために、画像原点から画像上の各点がどれくらい離れているかをパラメータ化して複雑な計算を行い、画像自体を歪補正し、その後に計測しているが、この発明では、基準の表示画素位置を最初に計測して記憶し、輝度測定の際は、測定毎に基準位置を構成するので、画像自体の歪補正をすることなくそのまま測定することができる。
【0029】
この発明における「格子パターン」は、点灯表示画素の周囲の表示画素が消灯している状態を意味し、図3の他に、図4の例を例示することができる。図4(a)は、千鳥状に点灯した例、(b)は、上下左右2画素飛びに点灯した例、(c)は、左右2画素飛びに、上下2列飛びに千鳥状に点灯した例である。
【0030】
図2のステップ103では、CCDカメラ3での目視から、測定台1上の液晶表示パネル2の所望位置からのずれ(平面上の位置、傾き)を修正し、液晶表示パネル2を基準位置にセットする。
【0031】
次に、この状態で、ステップ104で、CCDカメラ3が撮像し、撮像データを画像処理装置7に送る(画像入力)。
【0032】
画像処理装置7では、次のステップ105で、この撮像データから各表示画素er11、er12、‥‥、ermnの重心位置(図3(b)のgr11、gr12、‥‥、grmn)を算出する。非点灯とした他の表示画素eg11、eb11、eg12、eb12、‥‥、egmn、ebmnについては、点灯表示画素の間を補間して各表示画素の重心位置を算出する。
【0033】
図4のような格子パターンの場合にも、計算式は異なるが、同様に補間することができる。
【0034】
画像処理装置7では、更に、ステップ106で、これらの重心位置を基準液晶表示画素位置としてメモリに記憶させる。ステップ106の終了信号が、画像処理装置7から制御装置8へ送られる。
【0035】
[基準液晶表示パネル位置の設定(図2(b))]
制御装置8は、ステップ106の終了信号を受けると、液晶表示パネル制御回路6へ次の動作開始を指示する。液晶表示パネル制御回路6は、この指示を受けて、格子パターン表示から位置校正用パターン表示に切り替える。液晶表示パネル2の表示パターンは、位置校正用パターンになる(ステップ107)。なお、液晶表示パネルの姿勢は、ステップ104終了の姿勢のままである。
【0036】
この位置校正用パターンは、表示パネルの位置をCCDカメラ撮像により得るために使用する表示パターンである。位置校正用パターンは、例えば、図5に示すような、液晶表示パネル画面上の適宜の2か所の位置P1S、P2Sを検出できるパターンである。この2か所の点を基準位置として、液晶表示パネルの姿勢(位置、傾き)を規定するもので、2点P1S、P2Sは互いにやや離れた点とすることが望ましい。
【0037】
ステップ108で、位置校正用パターンが表示された液晶表示パネル2の画面をCCDカメラ3が撮像し、撮像データを画像処理装置7に送る(画像入力)。
【0038】
ステップ109で、画像処理装置7では、撮像データから2点の位置P1S、P2Sを検出して、これらを基準液晶表示パネル位置としてメモリに記憶する。ステップ109の終了信号が、画像処理装置7から制御装置8へ送られる。
【0039】
これでこの品種の液晶表示パネルの基準液晶表示パネル画素位置と基準液晶表示パネル位置が得られたので、液晶表示パネル2を測定台1上から取り外す(ステップ110)。
【0040】
これで基準液晶表示パネル画素位置と基準液晶表示パネル位置との設定が終了し、制御装置8は、ステップ109の終了信号を受けて、液晶表示パネル制御回路6へ次の動作開始を指示する。
【0041】
次に、この輝度測定装置を用いて、基準設定のできた上記品種の液晶表示パネルを順次輝度測定する。以下に、ひとつの液晶表示パネルの輝度測定について説明する。
【0042】
[輝度測定する液晶表示パネルの画像位置の校正(図2(c))]
ステップ111で、液晶表示パネル2を測定台1上にセットし、この液晶表示パネル2と液晶表示パネル制御回路6とを結線する。ここでの液晶表示パネル2のセット姿勢(位置、傾き)は、CCDカメラの撮像画素レベルで微細に見ると、毎回ばらつき、図5の2点鎖線のように、上記の基準液晶表示パネル位置(実線)ともずれている。したがって、このずれに応じて、液晶表示画素位置もずれている。
【0043】
液晶表示パネル2のセットを終了すると、ステップ112で、液晶表示パネル制御回路6を駆動して、この位置校正用パターンを液晶表示パネル2に表示する。
【0044】
ステップ113で、位置校正用パターンが表示された液晶表示パネル2の画面をCCDカメラ3が撮像し、撮像データを画像処理装置7に送る(画像入力)。
【0045】
次のステップ114で、画像処理装置7では、撮像データから2点の位置P1、P2を検出する。
【0046】
画像処理装置7では、更に、ステップ115で、図形処理により、2点の位置P1、P2と基準液晶表示パネル位置の2点P1S、P2Sとの差分から画像を校正し、あたかもCCDカメラ3の撮像が基準液晶表示パネル位置にある液晶表示パネルの撮像のように撮像データを変換する。
【0047】
[液晶表示画素の輝度値取得(図2(d))]
この画像校正処理が終了すると、画像処理装置7から終了信号が制御装置8に送られ、この終了信号を受けた制御装置8からの指令により、液晶表示パネル制御回路6は、位置校正用パターン表示から検査パターンに切り替える(ステップ116)。なお、液晶表示パネルの姿勢は、ステップ113終了の姿勢のままである。
【0048】
液晶表示パネル2に表示された検査パターンを、ステップ117で、CCDカメラ3が撮像し、撮像データを画像処理装置7に送る(画像入力)。CCDカメラ3から画像処理装置7に送られる画像データは、ステップ115で得られた画像校正処理により、基準液晶表示パネル位置にある液晶表示パネルの撮像の画像データとなる。
【0049】
画像処理装置7では、この画像データから、後に説明する方法で各表示画素の輝度値を取得する(ステップ118)。
【0050】
検査パターンは、図6の例のように、パネルの所定位置に所定の画像を表示したり、全面を特定の色、明るさ等で表示して輝度を測定し、基準値内にあるか否かを判定する。測定する液晶表示パネルの種類、測定目的により種々のパターンが選定される。複数種類の検査パターンでの測定が必要な場合は、ステップ116〜118を繰り返す。
【0051】
輝度値取得、すなわち、輝度測定が終了した液晶表示パネル2は取り外す(ステップ119)。
【0052】
次の液晶表示パネルの輝度測定も、ステップ111〜119を繰り返す。パネルのセット位置は毎回ずれるけれども、校正処理により、常に基準液晶表示パネル位置での測定を行うことができる。
【0053】
上記検査パターンの場合は、必ずしも格子パターンにはならず、もし前述した重心位置データがなければ、隣の表示画素も点灯していて、表示画素を識別できないことが頻繁に起こる。しかし、この発明では、重心位置データを使用して、撮像データから各表示画素の位置を識別する。なお、CCDカメラによる目視あるいは表示画素の設計データとから表示画素の寸法形状、面積も得ることができる。
【0054】
次に、液晶表示画素の輝度値取得方法を、図7を参照して、詳細に説明する。
【0055】
図7(a)は、位置補正されたCCDカメラの撮像データのうちのひとつの表示画素EのCCDカメラ撮像の拡大図である。p11〜pmnは、表示画素Eに対向するCCDカメラ3の撮像画素である。
【0056】
表示画素Eが点灯していると、各撮像画素p11〜pmnでは、受光光量に応じて出力を生じる。この出力は対向する表示画素の面積におよそ対応し、図7(b)に示すように、全面が表示画素に対向する撮像画素(例えばpij)では、ほぼ一様のハイレベルの出力となる。一部が表示画素に対向する撮像画素(例えばpi1)、いわゆるエッジ部分の撮像画素では、およそ対向面積に応じた出力となる。
【0057】
位置補正されたCCDカメラの撮像データから表示画素Eの輝度値を得るには以下のような処理を行う。
【0058】
表示画素Eの輝度値は、この発明では、各撮像画素p11〜pmnの若干の修正を加えた出力(輝度値)に該画素の表示画素と対向している割合を乗じ、この値を該画素の面積で除した値を輝度代表値として得る。すなわち、各撮像画素の修正輝度値をL11〜Lmn、各撮像画素の表示画素と対向している面積をS11〜Smnとすると、表示画素Eの輝度値は、
Σ(Lij×Sij)/ΣSij
となる。
【0059】
上式中、Σはijの11からmnまでの和を意味する。
【0060】
上式中、ΣSijは表示画素Eの面積であって、上述したように、CCDカメラによる目視あるいは表示画素の設計データから得られる。
【0061】
上式中、Lijは、以下のようにして得ることができる。
【0062】
(1)全面が表示画素に対向して100%重なる中央部対向撮像画素のハイレベル出力は、補正なしに輝度値Lijとする。
【0063】
(2)表示画素に全く対向していない撮像画素の出力は0とする。
【0064】
(3)一部が表示画素に対向するエッジ部分のエッジ部対向撮像画素ではエッジ補正を行い、図7(b)に示すように、例えば、撮像画素pi1では、隣接する撮像画素pi2の出力li2と撮像画素pi1の出力とから、四角形部分FGHJと三角形部分FGKとの和を補正輝度値とするように、重なり面積および中央部対向撮像画素のうちの隣接する撮像画素の出力とに応じたエッジ補正を行う。
【0065】
上記のエッジ補正は、ひとつの表示画素の全面積に対してエッジ部分の面積が比較的大きい場合、言い換えると、ひとつの表示画素と重なる表示画素数が比較的少ない場合に、高精度の輝度測定を行うのに特に有効である。
【0066】
逆に、ひとつの表示画素の全面積に対してエッジ部分の面積が比較的小さい場合、言い換えると、ひとつの表示画素と重なる表示画素数が比較的多い場合には、エッジ補正を行わず、各撮像画素の出力のそれぞれに、該撮像画素と表示画素との重なり面積を乗じて、これらの和を表示画素全面積で除した値を該表示画素の輝度値とする、すなわち、エッジ部分でも、Lijとしてエッジ補正を行わないで撮像画素の出力をそのまま用いるのが、高精度の輝度測定を行うのに有効である。
【0067】
撮像に使用するカメラとしてカラーCCDカメラを用いて、RGBの単色でない複合カラーの輝度測定を行う場合は、上述した輝度値取得工程において、ひとつのカラー表示画素を構成する隣り合うR、G、Bの表示画素、例えば、図3(a)のermn、egmn、ebmnの輝度値Lrmn、Lgmn、Lbmnを順次得るようにする。
【0068】
カラー表示画素の測定の場合は、測定目的に応じて、R、G、Bを全て均等レベルの点灯状態、つまり白色ないし灰色に表示して測定したり、R、G、Bの点灯レベルに差をつけて着色表示して測定したりする。
【0069】
この実施の形態では液晶表示パネルについて説明したが、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル等の場合にも同様の方法で、この発明を実施することができる。
【0070】
【発明の効果】
この発明によれば、上述したように、基準表示パネルに格子パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データから各表示画素の位置を検出して、各表示画素の基準位置として記憶し、また、校正用パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データから表示パネルの位置を検出して、表示パネルの基準位置として記憶して、輝度測定用の準備工程終了し、その後に、基準表示パネルと同型の輝度値測定用表示パネルをセットして該表示パネルに校正用パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データと上記表示パネルの基準位置とから上記輝度値測定用表示パネルの画像を上記基準位置に校正し、次いで、上記輝度値測定用表示パネルに検査パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データを上記基準位置に校正して各表示画素の輝度値を得るようにしたから、表示パネルのセッティングに多少のずれがあっても輝度測定の演算が統一され、正確に輝度値を得ることができる。また、格別のセッティング変更、部品交換等をしなくても、種々の寸法形状の表示画素について精度のよい輝度測定ができる。更に、また、カメラのレンズ歪の校正の複雑な計算が不要である、という効果がある。
【0071】
また、この発明によれば、表示画素のエッジが部分的に重なるカメラの撮像画素について、重なり面積および中央部対向撮像画素のうちの隣接する撮像画素の出力とに応じたエッジ補正を行うようにしたから、より正確な測定輝度値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の表示パネルの輝度値測定方法を用いる測定装置の例を示す斜視図。
【図2】この発明の表示パネルの輝度値測定方法を説明するフローチャート。
【図3】格子パターンを模式的に説明する説明図で、(a)は、全表示画素、(b)は、全表示画素中の格子パターンに点灯した表示画素を示す。
【図4】(a)〜(c)は、それぞれ格子パターンの例を示す説明図。
【図5】位置校正用パターンの例を示す正面図。
【図6】検査パターンの例を示す正面図。
【図7】(a)は、表示画素とこれに対向する撮像画素との関係を模式的に示す拡大正面図、(b)は、(a)のB−B線上の撮像がその輝度出力とエッジ補正を説明する説明図。
【符号の説明】
1 測定台
2 液晶表示パネル
3 CCDカメラ
4 撮像素子
5 レンズ
6 液晶表示パネル制御回路
7 画像処理装置
8 制御装置
er11〜ermn、E 表示画素
p11〜pmn 撮像画素
Claims (5)
- 測定台上に基準表示パネルをセットして該表示パネルに格子パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データから各表示画素の位置を検出して、各表示画素の基準位置として記憶する表示画素位置設定工程と、
上記基準表示パネルに校正用パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データから表示パネルの位置を検出して、表示パネルの基準位置として記憶する表示パネル位置設定工程と、
上記表示画素位置設定工程および表示パネル位置設定工程終了後に、測定台上に上記基準表示パネルと同型の輝度値測定用表示パネルをセットして該表示パネルに上記校正用パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データと上記表示パネルの基準位置とから上記輝度値測定用表示パネルの画像を上記基準位置に校正する表示パネル画像校正工程と、
次いで、上記輝度値測定用表示パネルに検査パターンを表示してこれを撮像し、この撮像データを上記表示パネル画像校正工程で得た校正値で各画素位置を上記表示画素の基準位置に校正して各表示画素の輝度値を得る輝度値取得工程と
を具備することを特徴とする表示パネルの輝度値測定方法。 - 上記輝度値取得工程において、ひとつのカラー表示画素を構成する隣り合うR、G、Bの表示画素の集まりをひとつの表示画素として処理して、カラー表示画素の輝度値を得る
請求項1記載の表示パネルの輝度値測定方法。 - 表示パネルを撮像する撮像素子が多数の撮像画素を有し、複数の撮像画素がひとつの表示画素に対向し、上記輝度値取得工程において、
各撮像画素の出力のそれぞれに、該撮像画素と表示画素との重なり面積を乗じて、これらの和を表示画素全面積で除した値を該表示画素の輝度値とする
請求項1記載の表示パネルの輝度値測定方法。 - 表示パネルを撮像する撮像素子が多数の撮像画素を有し、複数の撮像画素がひとつの表示画素に対向し、上記輝度値取得工程において、
ひとつの表示画素と100%重なる中央部対向撮像画素の出力は、補正せずに該撮像画素の出力とし、
上記表示画素と部分的に重なるエッジ部対向撮像画素の出力は、重なり面積および上記中央部対向撮像画素のうちの隣接する撮像画素の出力とに応じたエッジ補正を行い、
上記の補正のない、あるいは、エッジ補正した撮像画素の出力のそれぞれに、該撮像画素と表示画素との重なり面積を乗じて、
これらの和を表示画素全面積で除した値を該表示画素の輝度値とする
請求項1記載の表示パネルの輝度値測定方法。 - 撮像する手段がカメラであって、カメラのレンズ歪で歪んだままの表示画素の位置を、上記表示画素位置設定工程における基準位置とする
請求項1記載の表示パネルの輝度値測定方法。
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JP2008209146A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Yokogawa Electric Corp | 欠陥検査装置および欠陥検査方法 |
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