JP2004294275A - Method for measuring element distribution in depth direction and measuring instrument therefor - Google Patents

Method for measuring element distribution in depth direction and measuring instrument therefor Download PDF

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alkali metal
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Yoko Tada
陽子 多田
Yuji Kataoka
祐治 片岡
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Fujitsu Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To measure an element distribution of the region extremely shallow from the surface of a sample while suppressing the mixing of the atom layer in the vicinity of the surface of the sample. <P>SOLUTION: The method for measuring the element distribution in a depth direction has a process for adding an alkali metal to the surface of the sample, a process for irradiating the measuring region of the surface of the sample with primary ions comprising alkali metal ions and a process for performing the mass separation of secondary ions discharged from the measuring region by irradiation with primary ions and measuring the discharged quantity of specific secondary ions to analyze the element distribution. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次イオン質量分析法により試料の深さ方向の元素分布(濃度分布)を測定する深さ方向元素分布測定方法及び深さ方向元素分布測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CMOSトランジスタでは、PN接合部やゲート絶縁膜などの形成プロセスにおける不純物元素の濃度分布の制御によって、その電気特性に大きな影響を与える。従って、CMOSトランジスタの製造及び開発では、基板あるいは薄膜の表面から極めて浅い領域での不純物元素の濃度分布を深さ方向で高精度に把握する必要がある。
【0003】
試料の深さ方向の元素の濃度分布の測定には、二次イオン質量分析(Secondary Ion Mass Spectrometry、以下、SIMSと表す。)装置が用いられている。
【0004】
図1は、SIMS装置の主要部を示す斜視図である。
【0005】
SIMS装置は、図1に示すように、試料10が取り付けられる試料操作台11と、セシウムイオン(以下、Csと表す。)を加速して試料へ照射するセシウムイオン銃12と、酸素イオン(以下、O と表す。)を加速して試料へ照射する酸素イオン銃13と、イオンの量を測定する四重極型質量分析器15と、イオン量を測定する検出器16と、イオン照射による試料の帯電状態を補正する電子銃14とより構成される。
【0006】
Cs及びO は一次イオンと呼ばれ、試料10にこれらのいずれかを照射する。試料操作台11は互いに直交するX,Y,Z方向への移動と傾斜及び回転が可能になっており、これにより試料10への一次イオンの照射角度及び照射位置を変更できるようになっている。一次イオンを試料10に照射すると、試料10の表面がスパッタエッチングされ、試料10を構成する元素のイオン(以下、二次イオンと表す。)、中性粒子及び電子が放出される。これらのうち、二次イオンが四重極型質量分析器15において物理的に質量分離されて、特定の二次イオンのみが通過するようになっている。検出器16は電子倍増管やファラデーカップよりなり、四重極型質量分析器15を通過した二次イオンの数をイオン強度に変換する。このイオン強度から試料の元素分布が分析される。
【0007】
このように、SIMSでは一次イオンの照射により試料から放出される二次イオンを基に元素分布を分析するが、二次イオンとならずに中性粒子の状態で放出されるものもある。このため、反応性の高い一次イオンを試料表面に供給し、化学反応により二次イオンの発生率を上げることによって検出感度を高めている。このような理由から、通常、正の二次イオンを検出するためには酸素イオン(O )照射し、負の二次イオンを検出するためにはセシウムイオン(Cs)などのアルカリ金属イオンを照射する。
【0008】
一次イオンを試料10に連続的に照射すると、試料10の表面より深さ方向にスパッタエッチングが進行し、試料10の内部が次々に表面に現れながら二次イオンが連続的に放出される。従って、二次イオン強度は測定時間の経過とともに、試料10の深さ方向の濃度の変化を反映することになる。これにより、試料10の深さ方向の元素の濃度分布の情報を得ることができる。この方法は、D−SIMS(Dynamic Secondary Ion Mass Spectrometry)と呼ばれている。
【0009】
【非特許文献1】
K.Wittmaack, Journal of Vacuum Science and Technology, B18,1(2000)
【非特許文献2】
B.Schueler and D.F.Reich, Journal of Vacuum Science and Technology, B18,296(2000)
【非特許文献3】
R.Kansnavi, Y.Sun, G.Mount, P.Pianetta, P.B.Griggin, and J.D.Plummer, Electrochemical and Solid State Letter, 4,G1(2001)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図1に示すSIMS装置を用い、シリコンのみからなる単体のシリコン基板を試料とし、この表面の垂線方向に対して45°をなす角度から一次イオンとしてCsを連続的に照射して、これによりシリコン基板から放出される二次イオンである29Si強度を測定した。この測定結果について、横軸を一次イオンであるCsの照射時間とし、縦軸を29Si強度として図3のグラフに示す。
【0011】
シリコン基板はどの深さでもシリコン濃度が一定であるから、理想的な測定であれば、一定の29Si強度が得られるはずである。しかしながら、図3から明らかなように、Csの照射開始から約0.6分までの間は29Si強度は時間とともに上昇し、約0.6分経過した後にほぼ一定値となる。このように照射初期のイオン強度が安定しない期間は遷移領域(Transient領域)と呼ばれ、イオン強度が安定する期間は定常領域と呼ばれている。このように、遷移領域では二次イオンの強度が不安定であるため、測定を精度良く行うことができない。しかし、この間も試料のスパッタエッチングは進行してしまうので、二次イオンの強度が安定するまでにスパッタエッチングされた部分の濃度を知ることができない。
【0012】
SIMSによって試料表面から極めて浅い領域の測定するためには、遷移領域をできるだけ短縮し、二次イオン強度を測定の初期から安定させなければならない。この遷移領域は、図2に示すように、一次イオンの照射量又は二次イオン化率が不安定で、一次イオンの供給量と二次イオンの放出量が平衡状態となっていないために生じる。この場合、一次イオンの供給量は照射によって供給される一次イオンと試料表面に残留する一次イオンを含んだ量である。また、一次イオンの加速エネルギーが大きい場合も、一次イオンの照射によって試料10の表面近傍の原子層が多層に亘って交じり合ったミキシング層41を生じ、このミキシング層41より放出される二次イオン強度を測定することになるので、試料本来の濃度分布を測定することにはならない。
【0013】
従って、SIMSによって試料表面から極めて浅い領域での測定するためには、▲1▼試料表面を穏やかにスパッタエッチングし、ミキシング層の深さを狭めること、▲2▼スパッタエッチングにより試料表面に残留する一次イオンの濃度を測定の初期から一定にし、一次イオンの供給量と二次イオンの放出量を平衡状態にして、遷移領域を短縮すること、▲3▼一次イオンの照射に加え、一次イオンと同じ元素を試料表面に供給することによって定常領域と同量の元素を測定の初期から試料表面に存在させて遷移領域を短縮すること、が必要である。
【0014】
従来、主として上記の▲1▼の手法を用いて、一次イオンであるO あるいはCsの照射を低加速化する試みが数多く実施されている。近年では、一次イオンの加速エネルギーを150eVまで低下させて測定した例が報告されている。しかし、このような低加速エネルギーで、一次イオンビームのスポットを絞ること、つまり、一次イオンの収束性を確保することは難しいため、一次イオンの電流密度が低下してしまう。従って、一次イオンによるスパッタエッチングが生じにくく、二次イオンが十分に放出されないので、二次イオン強度を測定することが難しくなる。このような理由から、実用上、500eV以上の一次イオンエネルギーが必要とされるので、▲1▼の手法により極めて浅い領域での測定することは難しい。
【0015】
そこで、上記の▲2▼及び▲3▼の観点から、試料表面に酸素ガスを吹きつけ,試料表面の酸化を促進させながら深さ方向分析を行う方法が非特許文献1及び2に記載されている。また、一次イオンであるO の試料表面への入射角度を試料表面に対して垂線方向に近づけて、試料表面に酸素を残留させて酸化を促進させながら深さ方向の元素濃度を測定する方法が同文献に記載されている。このように、一次イオンとしてO を照射する場合には、▲2▼及び▲3▼の手法により、試料表面への酸素供給量を増やし、一次イオンによるスパッタエッチングを行うことによって遷移領域を短縮することが検討されている。
【0016】
一次イオンとしてCsを照射する場合においても、▲2▼及び▲3▼の手法により遷移領域の短縮できると考えられる。しかしながら、一次イオンとしてCsを照射する場合には、O を照射する場合と同じようにCsの照射と同時にセシウムをガス状で供給することは金属元素であるため難しい。また、測定の初期から十分な二次イオンが放出されるほどのCsを照射すると、上記したミキシング層の幅が大きくなるので試料本来の元素濃度を測定することができない。従って、Csを照射する場合には▲2▼及び▲3▼の手法を行うことは難しく、▲1▼の手法以外の試みは未だ行われていない(例えば、非特許文献3参照。)。
【0017】
本発明は、上記した点を鑑みて、試料の表面近傍の原子層のミキシングを抑制しつつ、試料表面から極めて浅い領域の元素分布を測定する深さ方向元素分布測定方法及び深さ方向元素分布測定装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、試料の表面にアルカリ金属を含有させる工程と、前記アルカリ金属のイオンよりなる一次イオンを前記試料の表面の測定領域に照射する工程と、前記一次イオンの照射により前記測定領域から放出された二次イオンを質量分離し、特定の二次イオンの放出量を測定して元素分布を分析する工程と
を有する深さ方向元素分布測定方法により解決する。
【0019】
上記した深さ方向元素分布測定方法において、前記試料の表面に前記アルカリ金属を含有させる工程は、前記アルカリ金属を前記試料の表面にイオン注入することにより行うことを特徴とする。また、更に、前記アルカリ金属のイオン注入は、100eV以下の加速エネルギーにより行うことを特徴とする。
【0020】
また、上記した深さ方向元素分布測定方法において、前記試料の表面に前記アルカリ金属を含有させる工程は、前記アルカリ金属を前記試料の表面に蒸着することにより行うことを特徴とする。
【0021】
または、上記した課題は、試料の表面にアルカリ金属を蒸着する蒸着部と、前記試料の表面に前記アルカリ金属のイオンよりなる一次イオンを照射するイオン源と、前記試料の表面から放出された二次イオンを質量分離する質量分析部と、前記質量分析部によって質量分離された特定の前記二次イオンを検出する検出部とを有することを特徴とする深さ方向元素分布測定装置により解決する。
【0022】
上記した深さ方向元素分布測定方法及び深さ方向元素分布測定装置によれば、アルカリ金属よりなる一次イオンを照射する前に、予めアルカリ金属を試料の表面に含有させるので、アルカリ金属イオンの照射の初期におけるアルカリ金属の供給不足を試料に含有させたアルカリ金属によって補うことができる。これにより、遷移領域を短縮できるので、試料表面から極めて浅い領域の元素の濃度分布を分析することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
【0024】
(第一の実施の形態)
本実施の形態では、図1に示す二次イオン質量分析装置を用いて、シリコン基板の深さ方向の不純物の濃度分布を測定する。この測定方法について図5(a) 〜(c)に沿って説明する。
【0025】
まず、シリコン基板20を二次イオン質量分析装置内の試料操作台11に取り付けて二次イオン質量分析装置内を真空引きした後、図5(a)に示すように、シリコン基板20の表面の垂線方向に対して0°の角度からCsを100eVの加速エネルギーによりデフォーカス状態でプレ照射する。このように100eV以下の加速エネルギーで照射を行えば、Csはシリコン基板の表面をスパッタエッチングせずに試料の表面近傍に注入される。これにより、図5(b)に示すように、セシウム注入層51をシリコン基板20の表面近傍に形成する。
【0026】
次に、試料操作台11を傾けた後、図5(c)に示すように、シリコン基板20の表面の垂線方向に対し45°をなす角度からプレ照射時と同じCsを500eVの加速エネルギーによりフォーカス状態で本照射する。このように、加速エネルギーは150eV以上であれば二次イオンの強度が測定できる程度に試料表面がスパッタエッチングされる。また、加速エネルギーを250eV以上とすれば、二次イオンの強度をより精度よく測定することができる。この本照射によりシリコン基板20の表面から放出された二次イオンは四重極型質量分析計15により質量分離され、特定の二次イオンのみ四重極型質量分析計15を通過し、検出器16によって検出されイオン強度として出力される。このようにして、シリコン基板20の深さ方向の元素分布を分析することにより、シリコン基板20に含まれる深さ方向の不純物の濃度分布を測定することができる。
【0027】
本発明者は上記の測定方法による遷移領域の短縮化を確認するために、以下の実験を行った。
【0028】
遷移領域の短縮化の効果を明確にするため、シリコン濃度が均一なシリコンのみからなる単体のシリコン基板を試料として用いた。このシリコン基板に対してCsによるプレ照射をデフォーカス状態で行った。照射条件は、照射角度を試料表面の垂線方向に対して0°、ビーム径を約500μm、加速エネルギーを100eV,電流量を10nA,及び走査範囲を1000μm×1000μmとした。また、照射時間は5,10,20,30,及び60分の5つの条件で行った。これら各々の条件について、Csによる本照射をフォーカス状態で行った。照射条件は、照射角度を試料表面の垂線方向に対して45°,ビーム径を約5μm,加速エネルギーを500eV,電流量を14nA,及び走査範囲を350μm×350μmとした。この本照射によりシリコン基板から放出される二次イオンである29Siの強度を測定した。この実験による測定結果を、横軸にCsの本照射時間とし、縦軸に29Siの強度として図4に示す。
【0029】
図4によれば、照射時間0〜0.5分の29Si強度に着目すると、プレ照射の時間を長くすることによって、29Si強度が増加していることがわかる。これに伴い、プレ照射を行わない場合、遷移領域が約0.6分であるのに対して、プレ照射を行った場合、本照射初期の29Si強度が安定するので、遷移領域が半分の0.3分程度となる。
このように、本実施の形態による測定方法によれば、後に一次イオンとするCsを試料表面近傍に予め注入することによって、本照射の初期において一次イオンの供給を補うことができるので、二次イオンのイオン化率が上がり遷移領域を短くすることできる。従って、シリコン基板表面の極めて浅い領域に形成されるCMOS等の素子の不純物領域に対しても濃度分布を測定することができる。
【0030】
(第二の実施の形態)
第一の実施の形態では、後に一次イオンとするCsを試料表面に注入して、シリコン基板の不純物領域の濃度分布を測定した。本実施の形態では、試料表面にセシウム層を形成して測定する。これについて以下に説明する。
【0031】
図6は、本実施の形態に係るSIMS装置の模式図である。
【0032】
本実施の形態のSIMS装置は、図1に示すSIMS装置の構造に加え、更にシリコン基板20の表面にセシウムを蒸着するために、セシウム源27と、通電により高温を発生する電極26と,配線28及び電流導入端子25と、遮蔽板29とを備えている。
【0033】
電流導入端子26から供給される電流は、配線28を介して電極26に流れる。この電流によって電極26が高温になり、セシウム源27からセシウムが蒸発し、遮蔽板29に遮られていない対向するシリコン基板20の表面の部分にセシウムが蒸着されるようになっている。
上記のSIMS装置を用いたシリコン基板の不純物領域の元素分布の測定方法について、図7に沿って説明する。
【0034】
まず、チャンバ31内を真空引きした後、電極26に電流を流してセシウムを蒸発させて、図7(a)に示すように、シリコン基板の表面にセシウムを蒸着させる。これにより、図7(b)に示すように、厚さ数〜数10Åのセシウム層52をシリコン基板20の表面に形成する。
【0035】
次に、セシウムイオン銃22よりCsをシリコン基板の表面に本照射する。これにより、図7(c)に示すように、シリコン基板20の表面から二次イオンが放出される。本照射条件は第一の実施の形態と同じである。この照射によって試料20の表面から放出された二次イオンは四重極型質量分析計23により質量分離され、特定の二次イオンのみ四重極型質量分析計23を通過し、検出器24によって検出され、イオン強度として出力される。
【0036】
本実施の形態によれば、第一の実施の形態と同様に、後に一次イオンとして照射するセシウムをシリコン基板の表面に予め蒸着し、これにより本照射の初期において一次イオンの供給を補うので、遷移領域を短くすることできる。従って、シリコン基板表面の極めて浅い領域に形成されるCMOS等の素子の不純物領域に対しても濃度分布を測定することができる。
【0037】
(第三の実施の形態)
本実施の形態では、第二の実施の形態とは異なる構造のSIMS装置について説明する。
【0038】
図8は、本実施の形態に係るSIMS装置の模式図を示している。
【0039】
本実施の形態に係るSIMS装置は、図6に示す第二の実施の形態に係るSIMS装置と比較して、セシウムを試料20の表面に蒸着するための蒸着チャンバ31bと試料の濃度分布の測定を行う分析チャンバ31aとの二個にチャンバを設けている点が異なる。
【0040】
分析チャンバ31aと蒸着チャンバ31bは搬送路30によって繋がれており、蒸着チャンバ31b内でセシウム層52をシリコン基板20の表面に形成した後、真空状態を解くことなく、分析チャンバ31aにシリコン基板20を搬送することが可能になっている。特に図示しないが、シリコン基板20の搬送は、例えばロボットアームによって行う。また、搬送路30には分析チャンバ31aと蒸着チャンバ31b内の雰囲気が互いに混じり合わないように、これらのチャンバ31a,31bを空間的に分離する開閉自在のシャッターが設けられていることが好ましい。
【0041】
これを用いた測定方法は、第二の実施の形態で示した方法と同じであるので、ここではその説明を省略する。
【0042】
本実施の形態のSIMS装置によれば、チャンバを蒸着チャンバと分析チャンバとに分割することによって、分析チャンバ内に蒸着元素が付着することが妨げられるので、分析チャンバを清浄な状態に保つことができ、より高精度の元素分布の測定を行うことができる。
【0043】
(その他の実施の形態)
上記した実施の形態では、Cs注入層又はセシウム層を形成した後にCsを一次イオンとして照射したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、セシウム代わりにリチウムを用いてもよい。また、これらに限らずその他のアルカリ金属(ナトリウム、カリウム、及びルビジウム)であってもよい。アルカリ金属のイオンを一次イオンとすれば、測定に充分な二次イオン化率を得ることができる。
【0044】
また、上記した実施の形態では、同じ装置内でCs注入層又はセシウム層をシリコン基板の表面に形成したが、これらの層を別の装置を用いて形成した後にSIM装置へ搬送してシリコン基板の深さ方向の濃度分布を測定してもよい。
【0045】
さらに、CMOS同様に表面近傍の極めて浅い領域に不純物が注入される半導体素子に対しても本発明の測定方法及び測定装置を用いて元素分布を測定することができる。本発明において、測定対象はシリコン基板である必要はなく、SiGe,GaAs及びInP等の化合物半導体基板であってもよい。さらに、上記したような半導体基板でなくとも、表面から極めて薄い領域において元素分布の測定が必要とされるものに対しても本発明を幅広く適用することができる。
【0046】
(付記1)試料の表面にアルカリ金属を含有させる工程と、前記アルカリ金属のイオンよりなる一次イオンを前記試料の表面の測定領域に照射する工程と、前記一次イオンの照射により前記測定領域から放出された二次イオンを質量分離し、特定の二次イオンの放出量を測定して元素分布を分析する工程とを有する深さ方向元素分布測定方法。
【0047】
(付記2)前記試料の表面に前記アルカリ金属を含有させる工程は、前記アルカリ金属を前記試料の表面にイオン注入することにより行うことを特徴とする付記1に記載の深さ方向元素分布測定方法。
【0048】
(付記3)前記アルカリ金属のイオン注入は、100eV以下の加速エネルギーにより行うことを特徴とする付記2に記載の深さ方向元素分布測定方法。
【0049】
(付記4)前記試料の表面に前記アルカリ金属を含有させる工程は、前記アルカリ金属を前記試料の表面に蒸着することにより行うことを特徴とする付記1に記載の深さ方向元素分布測定方法。
【0050】
(付記5)前記一次イオンの加速エネルギーは250eV以上とすることを特徴とする付記1に記載の深さ方向元素分布測定方法。
【0051】
(付記6)前記アルカリ金属はセシウム,リチウム,ナトリウム,カリウム及びルビジウムのいずれか一つであることを特徴とする付記1に記載の深さ方向元素分布測定方法。
【0052】
(付記7)前記試料は半導体基板であることを特徴とする付記1に記載の深さ方向元素分布測定方法。
【0053】
(付記8)試料の表面にアルカリ金属を蒸着する蒸着部と、前記試料の表面に前記アルカリ金属のイオンよりなる一次イオンを照射するイオン源と、前記試料の表面から放出された二次イオンを質量分離する質量分析部と、前記質量分析部によって質量分離された特定の前記二次イオンを検出する検出部とを有することを特徴とする深さ方向元素分布測定装置。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の深さ方向元素分布測定方法及び深さ方向元素分布測定装置によれば、後に一次イオンとするアルカリ金属イオンを試料表面近傍に予め含有させることによって、本照射の初期において一次イオンの供給を補うことができるので、二次イオンのイオン化率が上がり遷移領域を短くすることできる。従って、試料表面の極めて浅い領域に対してもその構成元素の濃度分布を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来のSIMS装置の主要部を示す斜視図である。
【図2】図2は、従来のSIMSによる課題を示す断面図である。
【図3】図3は、従来のSIMSによる試料の深さ方向の元素分布の測定方法によって得られた実験結果を示すグラフである。
【図4】図5は、本発明の第一の実施の形態に係るSIMSによる試料の深さ方向の元素分布の測定方法によって得られた実験結果を示すグラフである。
【図5】図5(a), (b), (c)は、本発明の第一の実施の形態に係る試料の深さ方向の元素分布の測定方法を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の第二の実施の形態に係るSIMS装置を示す模式図である。
【図7】図7(a), (b), (c)は、本発明の第二及び第三の実施の形態に係る試料の深さ方向の元素分布の測定方法を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の第三の実施の形態に係るSIMS装置を示す模式図である。
【符号の説明】
10・・・試料, 11・・・試料操作台, 12・・・セシウムイオン銃,
13・・・酸素イオン銃, 14・・・電子銃,
15・・・四重極型質量分析計, 16・・検出器, 20・・・シリコン基板,
21・・・試料操作台, 22・・セシウムイオン銃,
23・・・四重極型質量分析計, 25・・検出器,
25・・・電流導入端子, 26・・・電極, 27・・・セシウム源,
28・・・配線, 29・・・遮蔽板, 30・・・搬送路,
31・・・チャンバ, 31a・・・分析チャンバ,
31b・・・蒸着チャンバ, 41・・・ミキシング層,
51・・・Cs注入層, 52・・セシウム層
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a depth direction element distribution measuring method and a depth direction element distribution measuring device for measuring a depth direction element distribution (concentration distribution) of a sample by secondary ion mass spectrometry.
[0002]
[Prior art]
In a CMOS transistor, controlling the concentration distribution of an impurity element in a process of forming a PN junction, a gate insulating film, and the like has a great influence on its electrical characteristics. Therefore, in the manufacture and development of CMOS transistors, it is necessary to grasp the concentration distribution of impurity elements in a region extremely shallow from the surface of a substrate or a thin film in the depth direction with high accuracy.
[0003]
A secondary ion mass spectrometry (hereinafter, SIMS) apparatus is used for measuring the concentration distribution of the elements in the depth direction of the sample.
[0004]
FIG. 1 is a perspective view showing a main part of the SIMS device.
[0005]
As shown in FIG. 1, the SIMS apparatus includes a sample operation table 11 on which a sample 10 is mounted, a cesium ion gun 12 for accelerating cesium ions (hereinafter, referred to as Cs + ) and irradiating the sample with oxygen ions ( The oxygen ion gun 13 for accelerating and irradiating the sample with O 2 + ), a quadrupole mass analyzer 15 for measuring the amount of ions, a detector 16 for measuring the amount of ions, An electron gun 14 for correcting the charged state of the sample due to the irradiation.
[0006]
Cs + and O 2 + are called primary ions, and irradiate the sample 10 with any of these. The sample operation table 11 can be moved, tilted, and rotated in X, Y, and Z directions orthogonal to each other, so that the irradiation angle and irradiation position of the primary ions on the sample 10 can be changed. . When the primary ions are irradiated on the sample 10, the surface of the sample 10 is sputter-etched, and ions (hereinafter, referred to as secondary ions) of elements constituting the sample 10, neutral particles, and electrons are emitted. Of these, secondary ions are physically mass-separated in the quadrupole mass analyzer 15 so that only specific secondary ions pass through. The detector 16 includes an electron multiplier and a Faraday cup, and converts the number of secondary ions that have passed through the quadrupole mass spectrometer 15 into ion intensity. The element distribution of the sample is analyzed from the ionic strength.
[0007]
As described above, in SIMS, the element distribution is analyzed based on the secondary ions emitted from the sample by the irradiation of the primary ions. However, some of them are emitted as neutral particles without being secondary ions. For this reason, primary ions with high reactivity are supplied to the sample surface, and the detection sensitivity is increased by increasing the generation rate of secondary ions by a chemical reaction. For these reasons, usually, oxygen ions (O 2 + ) are irradiated to detect positive secondary ions, and alkali metal such as cesium ions (Cs + ) are detected to detect negative secondary ions. Irradiate ions.
[0008]
When the primary ions are continuously irradiated on the sample 10, sputter etching proceeds in the depth direction from the surface of the sample 10, and secondary ions are continuously emitted while the inside of the sample 10 appears on the surface one after another. Therefore, the secondary ion intensity reflects a change in the concentration of the sample 10 in the depth direction as the measurement time elapses. Thereby, information on the concentration distribution of the element in the depth direction of the sample 10 can be obtained. This method is called D-SIMS (Dynamic Secondary Ion Mass Spectrometry).
[0009]
[Non-patent document 1]
K. Wittmaack, Journal of Vacuum Science and Technology, B18, 1 (2000)
[Non-patent document 2]
B. Schueller and D.S. F. Reich, Journal of Vacuum Science and Technology, B18, 296 (2000).
[Non-Patent Document 3]
R. Kansavi, Y .; Sun, G .; See Mount, P.M. Pianetta, P .; B. Griggin, and J.M. D. Plummer, Electrochemical and Solid State Letter, 4, G1 (2001)
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
Using the SIMS apparatus shown in FIG. 1, a single silicon substrate made of only silicon is used as a sample, and Cs + is continuously irradiated as primary ions from an angle of 45 ° with respect to a perpendicular direction of the surface, thereby obtaining 29 Si - intensity, which is a secondary ion emitted from the silicon substrate, was measured. The measurement results are shown in the graph of FIG. 3 where the horizontal axis is the irradiation time of Cs + as the primary ion and the vertical axis is 29 Si intensity.
[0011]
Since the silicon substrate has a constant silicon concentration at any depth, a constant 29 Si - strength should be obtained in an ideal measurement. However, as is apparent from FIG. 3, the 29 Si intensity increases with time from the start of Cs + irradiation to about 0.6 minutes, and becomes almost constant after about 0.6 minutes. The period during which the ion intensity in the initial stage of the irradiation is not stable is called a transition region (Transient region), and the period during which the ion intensity is stable is called the steady region. As described above, since the intensity of the secondary ions is unstable in the transition region, the measurement cannot be performed accurately. However, since the sputter etching of the sample proceeds during this time, the concentration of the sputter-etched portion cannot be known until the intensity of the secondary ions is stabilized.
[0012]
In order to measure an extremely shallow region from the sample surface by SIMS, the transition region must be shortened as much as possible, and the secondary ion intensity must be stabilized from the beginning of the measurement. As shown in FIG. 2, this transition region occurs because the irradiation amount of the primary ions or the secondary ionization rate is unstable, and the supply amount of the primary ions and the emission amount of the secondary ions are not in an equilibrium state. In this case, the supply amount of the primary ions is an amount including the primary ions supplied by irradiation and the primary ions remaining on the sample surface. In addition, even when the acceleration energy of the primary ions is large, the irradiation of the primary ions causes the mixing layer 41 in which the atomic layers near the surface of the sample 10 intersect in multiple layers, and the secondary ions emitted from the mixing layer 41 are generated. Since the intensity is measured, the concentration distribution inherent in the sample is not measured.
[0013]
Therefore, in order to perform measurement in an extremely shallow region from the sample surface by SIMS, (1) the sample surface is gently sputter-etched to reduce the depth of the mixing layer, and (2) the sample layer remains on the sample surface by sputter etching. The primary ion concentration is kept constant from the beginning of the measurement, the supply amount of the primary ions and the emission amount of the secondary ions are in equilibrium, and the transition region is shortened. (3) In addition to the irradiation of the primary ions, It is necessary to shorten the transition region by supplying the same element to the sample surface so that the same amount of elements as the steady region is present on the sample surface from the beginning of the measurement.
[0014]
Conventionally, many attempts have been made to lower the irradiation of primary ions O 2 + or Cs + mainly by using the above method (1). In recent years, there has been reported an example in which the acceleration energy of primary ions is reduced to 150 eV and measured. However, it is difficult to narrow the spot of the primary ion beam with such a low acceleration energy, that is, to secure the convergence of the primary ions, so that the current density of the primary ions is reduced. Therefore, sputter etching by primary ions is unlikely to occur, and secondary ions are not sufficiently emitted, making it difficult to measure the secondary ion intensity. For this reason, the primary ion energy of 500 eV or more is practically required, and it is difficult to measure in an extremely shallow region by the method (1).
[0015]
Therefore, from the viewpoints of (2) and (3) above, Non-Patent Documents 1 and 2 disclose methods of blowing oxygen gas onto a sample surface and performing a depth direction analysis while promoting oxidation of the sample surface. I have. Further, the incident angle of the primary ions O 2 + on the sample surface is made closer to the direction perpendicular to the sample surface, and oxygen is left on the sample surface to promote oxidation and measure the element concentration in the depth direction. The method is described in the literature. As described above, when irradiating O 2 + as primary ions, the supply amount of oxygen to the sample surface is increased by the methods (2) and (3), and the transition region is formed by performing sputter etching using the primary ions. Shortening is being considered.
[0016]
Even when Cs + is irradiated as primary ions, it is considered that the transition region can be shortened by the methods (2) and (3). However, when irradiating Cs + as primary ions, it is difficult to supply cesium in gaseous form simultaneously with Cs + irradiation, as in the case of irradiating O 2 + , because it is a metal element, so it is difficult. Further, if Cs + is irradiated such that sufficient secondary ions are emitted from the beginning of the measurement, the width of the mixing layer becomes large, so that the original element concentration of the sample cannot be measured. Therefore, when irradiating Cs + , it is difficult to perform the methods (2) and (3), and no attempt has been made other than the method (1) (for example, see Non-Patent Document 3).
[0017]
In view of the foregoing, the present invention provides a depth direction element distribution measuring method and a depth direction element distribution for measuring element distribution in an extremely shallow region from a sample surface while suppressing mixing of an atomic layer near the surface of the sample. It is an object to provide a measuring device.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
The above-described problems include a step of allowing the surface of the sample to contain an alkali metal, a step of irradiating primary ions composed of the ions of the alkali metal to a measurement region on the surface of the sample, and the irradiation of the primary ions from the measurement region. Mass-separating the released secondary ions, analyzing the element distribution by measuring the amount of specific secondary ions released, and solving the elemental distribution in the depth direction.
[0019]
In the above-described method for measuring the element distribution in the depth direction, the step of allowing the surface of the sample to contain the alkali metal is performed by ion-implanting the alkali metal into the surface of the sample. Further, the ion implantation of the alkali metal is performed with an acceleration energy of 100 eV or less.
[0020]
In the above-described method for measuring the element distribution in the depth direction, the step of including the alkali metal on the surface of the sample is performed by vapor-depositing the alkali metal on the surface of the sample.
[0021]
Alternatively, the above-described problem may be solved by a vapor deposition unit that vapor-deposits an alkali metal on the surface of a sample, an ion source that irradiates the surface of the sample with primary ions composed of ions of the alkali metal, and an ion source that emits an alkali metal from the surface of the sample. The problem is solved by a depth direction element distribution measuring device, comprising: a mass spectrometer for mass-separating secondary ions; and a detector for detecting the specific secondary ion mass-separated by the mass spectrometer.
[0022]
According to the above-described depth direction element distribution measuring method and depth direction element distribution measuring apparatus, before irradiating the primary ion composed of an alkali metal, the alkali metal is previously contained on the surface of the sample, so that the irradiation of the alkali metal ion is performed. Insufficient supply of alkali metal in the initial stage can be compensated by the alkali metal contained in the sample. Thus, the transition region can be shortened, so that the concentration distribution of elements in an extremely shallow region from the sample surface can be analyzed.
[0023]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0024]
(First embodiment)
In this embodiment mode, the concentration distribution of impurities in the depth direction of the silicon substrate is measured using the secondary ion mass spectrometer shown in FIG. This measuring method will be described with reference to FIGS.
[0025]
First, after attaching the silicon substrate 20 to the sample operation table 11 in the secondary ion mass spectrometer and evacuating the interior of the secondary ion mass spectrometer, as shown in FIG. Cs + is pre-irradiated in a defocused state with an acceleration energy of 100 eV from an angle of 0 ° with respect to the perpendicular direction. When irradiation is performed at an acceleration energy of 100 eV or less, Cs + is injected into the vicinity of the surface of the sample without sputter etching the surface of the silicon substrate. Thereby, as shown in FIG. 5B, the cesium injection layer 51 is formed near the surface of the silicon substrate 20.
[0026]
Next, after tilting the sample operation table 11, as shown in FIG. 5C, the same Cs + as in the pre-irradiation was applied at an acceleration energy of 500 eV from an angle of 45 ° with respect to the perpendicular direction of the surface of the silicon substrate 20. To perform main irradiation in a focus state. Thus, if the acceleration energy is 150 eV or more, the sample surface is sputter-etched to such an extent that the intensity of the secondary ions can be measured. When the acceleration energy is 250 eV or more, the intensity of the secondary ions can be measured more accurately. Secondary ions emitted from the surface of the silicon substrate 20 by this main irradiation are mass-separated by the quadrupole mass spectrometer 15, and only specific secondary ions pass through the quadrupole mass spectrometer 15, and 16 and output as ion intensity. Thus, by analyzing the element distribution in the depth direction of the silicon substrate 20, the concentration distribution of the impurity in the depth direction contained in the silicon substrate 20 can be measured.
[0027]
The inventor conducted the following experiment in order to confirm that the transition region was shortened by the above-described measurement method.
[0028]
In order to clarify the effect of shortening the transition region, a single silicon substrate made of only silicon having a uniform silicon concentration was used as a sample. The silicon substrate was pre-irradiated with Cs + in a defocused state. The irradiation conditions were as follows: the irradiation angle was 0 ° with respect to the direction perpendicular to the sample surface, the beam diameter was about 500 μm, the acceleration energy was 100 eV, the current amount was 10 nA, and the scanning range was 1000 μm × 1000 μm. The irradiation was performed under five conditions of 5, 10, 20, 30, and 60 minutes. Under each of these conditions, the main irradiation with Cs + was performed in a focused state. The irradiation conditions were as follows: the irradiation angle was 45 ° with respect to the direction perpendicular to the sample surface, the beam diameter was about 5 μm, the acceleration energy was 500 eV, the current amount was 14 nA, and the scanning range was 350 μm × 350 μm. The intensity of 29 Si as secondary ions emitted from the silicon substrate by the main irradiation was measured. The measurement results of this experiment are shown in FIG. 4 as the main irradiation time of Cs + on the horizontal axis and the intensity of 29 Si on the vertical axis.
[0029]
According to FIG. 4, focusing on the 29 Si intensity of the irradiation time from 0 to 0.5 minute, it can be seen that the 29 Si intensity is increased by increasing the pre-irradiation time. Accordingly, when the pre-irradiation is not performed, the transition region is about 0.6 minutes. On the other hand, when the pre-irradiation is performed, the 29 Si - intensity at the beginning of the main irradiation is stabilized, so that the transition region is reduced to half About 0.3 minutes.
As described above, according to the measuring method of the present embodiment, the supply of primary ions can be supplemented at the initial stage of the main irradiation by injecting Cs + , which will be primary ions later, into the vicinity of the sample surface in advance. The ionization rate of the next ion increases, and the transition region can be shortened. Therefore, the concentration distribution can be measured even in an impurity region of an element such as a CMOS formed in a very shallow region on the surface of the silicon substrate.
[0030]
(Second embodiment)
In the first embodiment, Cs +, which is to be primary ions later, is implanted into the sample surface, and the concentration distribution in the impurity region of the silicon substrate is measured. In this embodiment mode, measurement is performed by forming a cesium layer on a sample surface. This will be described below.
[0031]
FIG. 6 is a schematic diagram of the SIMS device according to the present embodiment.
[0032]
The SIMS device according to the present embodiment has the same structure as the SIMS device shown in FIG. 1, and further includes a cesium source 27, an electrode 26 that generates a high temperature by energization, and a wiring for depositing cesium on the surface of the silicon substrate 20. 28, a current introduction terminal 25, and a shielding plate 29.
[0033]
The current supplied from the current introduction terminal 26 flows to the electrode 26 via the wiring 28. This current raises the temperature of the electrode 26, evaporates cesium from the cesium source 27, and deposits cesium on the surface of the opposing silicon substrate 20 that is not shielded by the shielding plate 29.
A method for measuring the element distribution in the impurity region of the silicon substrate using the SIMS apparatus will be described with reference to FIG.
[0034]
First, after the inside of the chamber 31 is evacuated, cesium is evaporated by applying a current to the electrode 26, and cesium is vapor-deposited on the surface of the silicon substrate as shown in FIG. As a result, a cesium layer 52 having a thickness of several to several tens of degrees is formed on the surface of the silicon substrate 20 as shown in FIG.
[0035]
Next, the surface of the silicon substrate is fully irradiated with Cs + from the cesium ion gun 22. As a result, as shown in FIG. 7C, secondary ions are emitted from the surface of the silicon substrate 20. This irradiation condition is the same as in the first embodiment. Secondary ions released from the surface of the sample 20 by this irradiation are mass-separated by the quadrupole mass spectrometer 23, and only specific secondary ions pass through the quadrupole mass spectrometer 23 and are detected by the detector 24. Detected and output as ionic strength.
[0036]
According to this embodiment, as in the first embodiment, cesium to be subsequently irradiated as primary ions is previously deposited on the surface of the silicon substrate, thereby supplementing the supply of primary ions in the initial stage of main irradiation. The transition region can be shortened. Therefore, the concentration distribution can be measured even in an impurity region of an element such as a CMOS formed in a very shallow region on the surface of the silicon substrate.
[0037]
(Third embodiment)
In this embodiment, a SIMS device having a structure different from that of the second embodiment will be described.
[0038]
FIG. 8 is a schematic diagram of a SIMS device according to the present embodiment.
[0039]
The SIMS device according to the present embodiment is different from the SIMS device according to the second embodiment shown in FIG. 6 in that a deposition chamber 31b for depositing cesium on the surface of the sample 20 and a measurement of the concentration distribution of the sample. In that two chambers are provided, one for analysis chamber 31a and the other for analysis chamber 31a.
[0040]
The analysis chamber 31a and the deposition chamber 31b are connected by the transfer path 30, and after the cesium layer 52 is formed on the surface of the silicon substrate 20 in the deposition chamber 31b, the silicon substrate 20 is transferred to the analysis chamber 31a without releasing the vacuum state. Can be transported. Although not particularly shown, the transfer of the silicon substrate 20 is performed by, for example, a robot arm. In addition, it is preferable that the transfer path 30 be provided with an openable / closable shutter that spatially separates the chambers 31a and 31b so that the atmospheres in the analysis chamber 31a and the vapor deposition chamber 31b are not mixed with each other.
[0041]
The measuring method using this is the same as the method described in the second embodiment, and the description is omitted here.
[0042]
According to the SIMS apparatus of the present embodiment, since the chamber is divided into the deposition chamber and the analysis chamber, deposition elements are prevented from adhering to the inside of the analysis chamber, so that the analysis chamber can be kept clean. The element distribution can be measured with higher accuracy.
[0043]
(Other embodiments)
In the embodiment described above, Cs + after forming the injection layer or cesium layer was irradiated with Cs + as primary ion, the present invention is not limited thereto. For example, lithium may be used instead of cesium. In addition, other alkali metals (sodium, potassium, and rubidium) may be used. If the alkali metal ions are used as primary ions, a secondary ionization rate sufficient for measurement can be obtained.
[0044]
Further, in the above-described embodiment, the Cs + implanted layer or the cesium layer is formed on the surface of the silicon substrate in the same device, but these layers are formed using another device, and then transported to the SIM device and transferred to the SIM device. The concentration distribution in the depth direction of the substrate may be measured.
[0045]
Further, the element distribution can be measured using a measuring method and a measuring apparatus of the present invention for a semiconductor element in which an impurity is implanted into a very shallow region near the surface, similarly to a CMOS. In the present invention, the measurement target does not need to be a silicon substrate, but may be a compound semiconductor substrate such as SiGe, GaAs, and InP. Furthermore, the present invention can be widely applied to not only the semiconductor substrate as described above but also a substrate that requires measurement of element distribution in a region extremely thin from the surface.
[0046]
(Supplementary Note 1) A step of allowing the surface of the sample to contain an alkali metal, a step of irradiating a measurement region on the surface of the sample with primary ions composed of the ions of the alkali metal, and an emission from the measurement region by irradiation of the primary ion Mass-separating the obtained secondary ions, and analyzing the element distribution by measuring the emission amount of the specific secondary ions.
[0047]
(Supplementary Note 2) The method for measuring the element distribution in the depth direction according to Supplementary Note 1, wherein the step of including the alkali metal in the surface of the sample is performed by ion-implanting the alkali metal into the surface of the sample. .
[0048]
(Supplementary note 3) The method for measuring the element distribution in the depth direction according to supplementary note 2, wherein the ion implantation of the alkali metal is performed with an acceleration energy of 100 eV or less.
[0049]
(Supplementary Note 4) The method for measuring the element distribution in the depth direction according to Supplementary Note 1, wherein the step of including the alkali metal on the surface of the sample is performed by depositing the alkali metal on the surface of the sample.
[0050]
(Supplementary note 5) The method for measuring the element distribution in the depth direction according to Supplementary note 1, wherein the acceleration energy of the primary ion is 250 eV or more.
[0051]
(Supplementary note 6) The method for measuring the element distribution in the depth direction according to supplementary note 1, wherein the alkali metal is any one of cesium, lithium, sodium, potassium, and rubidium.
[0052]
(Supplementary Note 7) The method for measuring the element distribution in the depth direction according to Supplementary Note 1, wherein the sample is a semiconductor substrate.
[0053]
(Supplementary Note 8) A deposition unit that deposits an alkali metal on the surface of the sample, an ion source that irradiates the surface of the sample with primary ions composed of the alkali metal ions, and a secondary ion emitted from the surface of the sample. A depth direction element distribution measuring device comprising: a mass spectrometer for mass separation; and a detector for detecting the specific secondary ion mass-separated by the mass spectrometer.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, according to the depth direction element distribution measuring method and the depth direction element distribution measuring apparatus of the present invention, by preliminarily including alkali metal ions to be primary ions in the vicinity of the sample surface, it is possible to perform the main irradiation. Since the supply of the primary ions can be supplemented in the initial stage, the ionization rate of the secondary ions can be increased and the transition region can be shortened. Therefore, the concentration distribution of the constituent elements can be measured even in a very shallow region of the sample surface.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a main part of a conventional SIMS device.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a problem with a conventional SIMS.
FIG. 3 is a graph showing an experimental result obtained by a conventional SIMS method for measuring the element distribution in the depth direction of a sample.
FIG. 4 is a graph showing experimental results obtained by a method for measuring the element distribution in the depth direction of a sample by SIMS according to the first embodiment of the present invention.
FIGS. 5A, 5B, and 5C are cross-sectional views illustrating a method for measuring the element distribution in the depth direction of a sample according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a schematic diagram showing a SIMS device according to a second embodiment of the present invention.
FIGS. 7A, 7B, and 7C are cross-sectional views illustrating a method for measuring the element distribution in the depth direction of a sample according to the second and third embodiments of the present invention. .
FIG. 8 is a schematic diagram showing a SIMS device according to a third embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10 ... sample, 11 ... sample operation table, 12 ... cesium ion gun,
13 ... oxygen ion gun, 14 ... electron gun,
15: quadrupole mass spectrometer, 16: detector, 20: silicon substrate,
21 ... sample operation table, 22 ... cesium ion gun,
23 ... quadrupole mass spectrometer, 25 ... detector
25 ... current introduction terminal, 26 ... electrode, 27 ... cesium source,
28: wiring, 29: shielding plate, 30: transport path,
31 ... chamber, 31a ... analysis chamber,
31b: evaporation chamber, 41: mixing layer,
51 ... Cs + injection layer, 52..Cesium layer

Claims (5)

試料の表面にアルカリ金属を含有させる工程と、
前記アルカリ金属のイオンよりなる一次イオンを前記試料の表面の測定領域に照射する工程と、
前記一次イオンの照射により前記測定領域から放出された二次イオンを質量分離し、特定の二次イオンの放出量を測定して元素分布を分析する工程と
を有する深さ方向元素分布測定方法。
A step of containing an alkali metal on the surface of the sample,
Irradiating primary ions composed of the alkali metal ions to a measurement region on the surface of the sample,
Mass-separating secondary ions emitted from the measurement region by the irradiation of the primary ions, and measuring the amount of emission of specific secondary ions to analyze the element distribution.
前記試料の表面に前記アルカリ金属を含有させる工程は、前記アルカリ金属を前記試料の表面にイオン注入することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の深さ方向元素分布測定方法。2. The method according to claim 1, wherein the step of allowing the alkali metal to be contained in the surface of the sample is performed by ion-implanting the alkali metal into the surface of the sample. 前記アルカリ金属のイオン注入は、100eV以下の加速エネルギーにより行うことを特徴とする請求項2に記載の深さ方向元素分布測定方法。3. The method according to claim 2, wherein the ion implantation of the alkali metal is performed with an acceleration energy of 100 eV or less. 前記試料の表面に前記アルカリ金属を含有させる工程は、前記アルカリ金属を前記試料の表面に蒸着することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の深さ方向元素分布測定方法。The method for measuring the distribution of elements in the depth direction according to claim 1, wherein the step of including the alkali metal on the surface of the sample is performed by depositing the alkali metal on the surface of the sample. 試料の表面にアルカリ金属を蒸着する蒸着部と、
前記試料の表面に前記アルカリ金属のイオンよりなる一次イオンを照射するイオン源と、
前記試料の表面から放出された二次イオンを質量分離する質量分析部と、
前記質量分析部によって質量分離された特定の前記二次イオンを検出する検出部と
を有することを特徴とする深さ方向元素分布測定装置。
A deposition unit for depositing an alkali metal on the surface of the sample,
An ion source that irradiates the surface of the sample with primary ions composed of the alkali metal ions,
A mass spectrometer for mass-separating secondary ions emitted from the surface of the sample,
A detector for detecting the specific secondary ion mass-separated by the mass analyzer.
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