【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、HDD(ハードディスクドライブ)等に用いられる磁気ディスク用基板の洗浄方法及び製造方法並びに磁気ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、情報記録技術、特に磁気記録技術は、急速なIT産業の発達に伴い飛躍的な技術革新が要請されている。HDD等に搭載される磁気ディスクでは、高容量化の要請により40Gbit/inch2〜100Gbit/inch2以上の情報記録密度を実現できる技術が求められている。
このような高い情報記録密度を達成するためのアプローチとして、スペーシングロスを改善してS/N比を向上させるために、磁気ディスクの磁性層と、磁気ヘッドの記録再生素子との間隙(磁気的スペーシング)を20nm以下にまで狭めることが求められている。また、この磁気的スペーシングを達成する観点から、磁気ヘッドの浮上量は15nm以下に低浮上量化することが求められている。
【0003】
磁気ヘッドがこの程度までに低浮上量化した場合、磁気ヘッドと磁気ディスクとの距離が非常に狭いので、例えば数μm程度の異物が磁気ディスク表面に付着していると、磁気ヘッドがこれに接触してクラッシュ障害を発生するという問題がある。また、MRヘッドの場合、磁気ヘッドが直接異物に接触しなくても、異物付近を通過する際の熱的な変動により、読み取り値に影響を及ぼすサーマルアスペリティ障害を起こすことがある。
ところで、このようなクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の原因となる異物は、磁気ディスク表面に直接付着する場合だけではなく、たとえば磁気ディスク用基板の表面に異物が付着したまま磁性層等が成膜され、磁気ディスク表面に突起物となって現れる場合もある。
磁気ディスク用基板の製造過程において何らかの異物が基板表面に付着することは避けられないため、通常は、成膜工程の前に、基板表面に付着した異物等を除去する目的で洗浄が行われる。
【0004】
従来の磁気ディスク用基板の洗浄方法としては、超純水による洗浄、洗浄剤による洗浄、酸・アルカリなどの薬液を用いる洗浄などの方法が一般的である。また、洗浄効果を上げるため、これらの洗浄と超音波を組み合わせた洗浄法も行われている。下記特許文献1には、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、洗剤による超音波洗浄と純水による超音波洗浄との間にスクラブ洗浄を行う洗浄法が開示されている。また、下記特許文献2には、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、化学強化工程の後に、基板を所定温度まで徐冷し、次いで急冷して析出した溶融塩を洗浄によって除去する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−74653号公報
【特許文献2】
特開平9−124345号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の超純水、洗浄剤、酸・アルカリ薬液などを用いた洗浄方法や、これに超音波洗浄、スクラブ洗浄などを組み合わせた洗浄方法を行っても、異物の種類や大きさによっては十分に除去できない場合があり、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害が発生することがある。
そこで本発明は、磁気ディスク用基板の表面に付着した異物を除去し、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生を防止して、高記録密度化に好適な磁気ディスク用基板の洗浄方法及び磁気ディスク用基板の製造方法並びに磁気ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の洗浄方法を行っても、その洗浄済みディスク基板を用いて磁気ディスクを製造し、HDDに搭載すると、前述のヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害が発生する場合がある原因を調査したところ、これらの障害が発生した磁気ディスク基板の表面には、鉄等の金属粒子が異物として付着している場合が多いことを発見した。
本発明者らは更に検討を進めた結果、基板表面で鉄等の金属粒子が化学的に変質している場合、或いは基板と鉄等の金属粒子の界面に化学的な変質層が存在する場合などでは、従来の洗浄方法を用いても、そのような金属粒子を完全には除去できないことを突き止めた。磁気ディスクの場合、磁気ヘッドの低浮上量化により、磁気ヘッドと磁気ディスクの間の距離が非常に狭いので、数μm程度の大きさの異物があっても上述の障害を引き起こす原因となる。
【0008】
磁気ディスク用の基板としては、平滑で剛性が高いことからガラス基板を用いることが多くなっているが、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程のうち、たとえば化学強化工程では、300℃〜400℃程度の加熱が行われるため、この際、鉄などの異物が基板表面に付着し易く、また使用する化学強化溶液の影響で、基板表面に付着した鉄などの異物が化学的に変質する場合がある。化学的に変質した異物は基板表面に対する付着力がより強固になるものと考えられる。前記特許文献2には、化学強化工程の後に、例えば基板を200℃程度まで徐冷し、次いで室温程度まで急冷して析出した溶融塩を洗浄によって除去する方法が示されているが、本発明者らの検討によると、基板表面に固着した鉄などの異物はそれでも完全には除去されないことを突き止めた。
【0009】
また、ガラス基板の主表面上にテクスチャーを付与する研磨加工を行う場合、ガラス基板は金属表面の基板に比べて硬度が高く硬いため、テープで研磨してテクスチャーを形成したときに、研磨砥粒や微小異物などの噛み込みが起こり、ガラス基板は絶縁体であるので、テープ研磨時の摩擦により生成する静電気力によって、この噛み込みが解消され難く、基板表面に異物として付着し易い。また、上述の化学強化工程で、基板表面に付着した鉄などの金属粒子も、テクスチャー加工時の押圧力とガラス基板に対する静電的な結合力により、基板表面により強固に付着するものと考えられる。
本発明者らは、このような一連の得られた知見に基づきさらに研究を進めた結果、磁気ディスク用基板表面を室温より低い温度、好ましくは氷点下に冷却することにより、たとえば化学的に変質し、基板表面に付着した金属粒子等の異物であっても、冷却に伴う基板と異物との熱膨張差によって基板に対する異物の付着力が弱まり、基板から異物を除去し易くなることを見い出し、以下の構成を有する発明を完成するに到った。
【0010】
(構成1)磁気ディスク用基板上の異物を除去するための洗浄方法であって、前記基板の少なくとも表面を室温より低い温度に冷却し、前記基板とその表面の異物との冷却により生じる熱膨張差を利用して基板から異物を除去することを特徴とする磁気ディスク用基板の洗浄方法。
(構成2)磁気ディスク用基板上の異物を除去するための洗浄方法であって、前記基板の少なくとも表面を氷点下に冷却することを特徴とする磁気ディスク用基板の洗浄方法。
(構成3)前記基板の少なくとも表面を液体窒素を利用して冷却することを特徴とする構成1又は2記載の磁気ディスク用基板の洗浄方法。
(構成4)前記磁気ディスク用基板がガラス基板であることを特徴とする構成1乃至3の何れかに記載の磁気ディスク用基板の洗浄方法。
(構成5)構成1乃至4の何れかに記載の磁気ディスク用基板の洗浄方法による洗浄工程を含むことを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。
(構成6)構成5に記載の製造方法によって得られた磁気ディスク用基板上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
(構成7)ロード・アンロード方式用磁気ディスクに用いる基板である構成5に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
【0011】
本発明に係る磁気ディスク用基板の洗浄方法は、構成1にあるように、磁気ディスク用基板上の異物を除去するため、基板の少なくとも表面を室温より低い温度に冷却し、基板とその表面の異物との冷却により生じる熱膨張差を利用して基板から異物を除去することを特徴としている。
本発明の磁気ディスク用基板の洗浄方法では、基板とその表面に付着している金属、有機物等の異物との材料の違いにより、基板と異物との界面で冷却に伴う熱膨張差による界面での亀裂等の欠陥の発生又は既存の欠陥及び隙間の拡大により、界面は界面剥離の発生した状態、または界面剥離が発生し易い状態になる。これによって、基板表面に強固に付着していた異物の付着力が弱まり、あとは機械的な力を作用させるだけで基板から異物を容易に剥離除去することができる。従来は洗浄除去が困難であった、例えば化学的に変質し基板表面に強固に付着した金属粒子等の異物であっても、本発明の洗浄方法によれば容易に除去することが可能である。
【0012】
本発明の洗浄方法における基板の冷却方法としては、例えば、液体窒素に基板を浸漬させて接触させたり、液体窒素で冷却された冷却板に基板を接近又は接触させる方法が挙げられる。液体窒素を用いる方法は、基板をたとえば氷点下に冷却することが容易で簡便な手段であるため、特に好適である。勿論、本発明における冷却方法はこれに限定される必要はない。
また、本発明の洗浄方法においては、基板表面を少なくとも室温よりも低い温度に冷却する必要がある。ここで、室温とは20℃である。特に好ましくは、基板表面を氷点下に冷却することである。基板表面を氷点下に冷却することにより、基板と異物との熱膨張差による界面での亀裂等の発生がより大きくなり、それだけ基板に対する異物の付着力の低下が大きくなるので、好ましい。
また、本発明の洗浄方法においては、基板の冷却速度は全く任意である。つまり、ゆっくり冷却していってもよいし、速く冷却(急冷)してもよい。但し、基板と異物の熱膨張差による界面での作用を増加させるという点では、冷却速度は速いほうが好ましい。具体的には、100℃/分〜1200℃/分の冷却速度が好ましい。
基板の冷却後に、付着力の弱まった異物を基板から除去する目的で行う洗浄方法としては、例えば超音波洗浄、スクラブ洗浄など、従来公知の洗浄法を任意に適用することができる。
【0013】
本発明における磁気ディスク用基板としては、金属製基板、ガラス基板が挙げられるが、平滑性と剛性の優れたガラス基板を用いるのが特に好ましい。また、ガラス基板を用いる場合に、特に本発明の基板の洗浄方法が好適である。
ガラス基板のガラスとしては、例えばアルミノシリケートガラスやソーダライムガラス等が挙げられる。アルミノシリケートガラスであれば化学強化ガラスとすることで高い剛性を得ることができるので好ましい。
また、アモルファスガラス又は、アモルファスと結晶を備える結晶化ガラスを用いることができる。
このようなガラスとしては、アモルファスのアルミノシリケートガラスとして、SiO2:58〜75重量%、Al2O3:5〜23重量%、Li2O:3〜10重量%、Na2O:4〜13重量%を主成分として含有するアルミノシリケートガラスからなることが好ましい。
更に、前記ガラス基板の組成を、SiO2:62〜75重量%、Al2O3:5〜15重量%、Li2O:4〜10重量%、Na2O:4〜12重量%、ZrO2:5.5〜15重量%を主成分として含有するとともに、Na2O/ZrO2の重量比が0.5〜2.0、Al2O3/ZrO2の重量比が0.4〜2.5であるアルミノシリケートガラスであることが好ましい。
また、ZrO2の未溶解物が原因で生じるガラス基板表面の突起を無くすためには、モル%表示で、SiO2を57〜74%、ZnO2を0〜2.8%、Al2O3を3〜15%、LiO2を7〜16%、Na2Oを4〜14%含有する化学強化用ガラス等を使用することが好ましい。
【0014】
このようなアルミノシリケートガラスは、化学強化することによって、抗折強度が増加し、圧縮応力層の深さも深く、ヌープ硬度にも優れる。化学強化の方法としては、従来より公知の化学強化法であれば特に限定されないが、実用上、低温型イオン交換法による化学強化が好ましい。
ガラス基板として上記の化学強化ガラス基板を用いる場合、テクスチャーを付与する研磨加工は化学強化処理後に行なう事が好ましい。化学強化処理の前にテクスチャーを形成すると、化学強化処理におけるイオン交換の過程でテクスチャー形状が乱される場合があるので好ましくない。
ガラス基板の直径サイズについては特に限定はないが、実用上、モバイル用途のHDDとして使用されることに多い2.5インチサイズ以下の小型磁気ディスクに対しては、耐衝撃性が高く、高記録密度化を可能とする磁気ディスク用ガラス基板を提供できる本発明は有用性が高い。また、ガラス基板の厚さは、0.1mm〜1.5mm程度が好ましい。特に、0.1mm〜0.9mm程度の薄型基板により構成される磁気ディスクの場合では、耐衝撃性が高い磁気ディスク用ガラス基板を提供できる本発明は有用性が高く好適である。
【0015】
本発明の磁気ディスク用基板上に、少なくとも磁性層を形成することにより、高記録密度化に適した磁気ディスクが得られる。磁性層としては、hcp結晶構造のCo系合金磁性層を用いると、保磁力(Hc)が高く高記録密度化に資することができる。
また必要に応じて、基板と磁性層との間に、磁性層の結晶粒や配向性を制御するために下地層を形成することも好ましい。
なお、磁気ディスクを製造するにあたっては、静止対向型成膜方法を用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、少なくとも磁性層を形成することが好ましい。
また、磁性層の上に保護層を設けることが好適である。保護層を設けることにより、磁気ディスク上を浮上飛行する磁気記録ヘッドから磁気ディスク表面を保護することができる。保護層の材料としては、たとえば炭素系保護層が好適である。また、上記保護層上に更に潤滑層を設けることが好ましい。潤滑層を設けることにより、磁気記録ヘッドと磁気ディスク間の磨耗を抑止でき、磁気ディスクの耐久性を向上させることができる。潤滑層の材料としては、たとえばPFPE(パーフロロポリエーテル)が好ましい。
本発明に係る基板の洗浄方法を適用して製造された磁気ディスク用基板を用いて得られる磁気ディスクは、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生を防止でき、LUL(ロード・アンロード)耐久性にも優れるので、LUL方式の磁気ディスク装置に搭載する磁気ディスクに好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る基板の洗浄方法の第1の実施形態を示すもので、磁気ディスク用ガラス基板を液体窒素に接触させる冷却方法を用いた洗浄方法を説明するための構成図である。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の冷却方法は、図1に示すように、ガラス基板支持治具2、冷却槽3、冷却槽カバー4、液体窒素5、液体窒素タンク6、配管7、バルブ8及び注入口9から構成される装置を用いる。液体窒素タンク6に貯蔵されている液体窒素5は配管7を通り、バルブ8を開放することにより冷却槽3に取り付けられた注入口9から冷却槽3内に導入される。冷却槽3は二重構造で断熱された槽であり、磁気ディスク用ガラス基板1の冷却を行っていないときは、ガラス基板支持治具2は冷却槽3から取り出され、液体窒素5の蒸発を防ぐために冷却槽3は冷却槽カバー4により蓋をされている。
なお、磁気ディスク用ガラス基板1は、基板製造工程において、例えば、主表面の鏡面研磨加工工程の後に実施される化学強化工程を終えたガラス基板、或いは化学強化工程の後に実施されるテクスチャー研磨加工工程を終えたガラス基板であることが本発明の作用が十分に得られるので特に好適である。
【0017】
磁気ディスク用ガラス基板1を冷却するときは、磁気ディスク用ガラス基板1をガラス基板支持治具2に設置して、冷却槽カバー4を開き、磁気ディスク用ガラス基板1を設置したガラス基板支持治具2を冷却槽3内に導入して、磁気ディスク用ガラス基板1の全面が液体窒素5に接触するまで浸漬させる。この時、磁気ディスク用ガラス基板1表面に固着している金属、有機物などの異物は氷点下に冷却されたことにより付着力が弱まったことで一部の異物は基板より離脱する。所定時間、例えば3秒以上の浸漬後、磁気ディスク用ガラス基板1を設置したガラス基板支持治具2を液体窒素5から引き上げて冷却槽3から取り出し、冷却槽カバー4を閉じる。冷却後の磁気ディスク用ガラス基板1に対して超純水を用いた超音波洗浄工程を行う。磁気ディスク用ガラス基板1を冷却したことにより基板表面に残存している付着力が弱まった異物は超音波による機械的な力を加えることにより容易に除去される。また、同時に冷却槽3から磁気ディスク用ガラス基板1を引き上げたときに磁気ディスク用ガラス基板1表面で生じた結露による汚れも除去される。
超音波洗浄工程終了後の磁気ディスク用ガラス基板1に対して乾燥工程を行い洗浄を終了する。なお、超音波洗浄工程の前に、冷却後基板表面に残存している異物を除去する目的でスクラブ洗浄を行ってもよい。
【0018】
図2は本発明に係る基板の洗浄方法の第2の実施形態を示すもので、磁気ディスク用ガラス基板を液体窒素で冷却された冷却板に接近させる冷却方法を用いた洗浄方法を説明するための構成図である。なお、前述の図1と同一の箇所には同一の符号を付している。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の冷却方法は、図2に示すように、ガラス基板支持治具2、冷却槽3、冷却槽カバー4、液体窒素5、液体窒素タンク6、配管7、バルブ8、注入口9、冷却板10、圧力弁11及びフィン12から構成される装置を用いる。液体窒素5は図1の装置と同様の方法で、冷却槽3と冷却板10で密閉された空間13内に導入される。この空間13内の圧力は圧力弁11で調整される。冷却板10は金属製で、磁気ディスク用ガラス基板1の両面に対面するフィン12を有している。磁気ディスク用ガラス基板1に対面するフィン12の表面積は磁気ディスク用ガラス基板1の表面積より大きいものとする。
磁気ディスク用ガラス基板1を冷却するときは、冷却槽カバー4を開き、磁気ディスク用ガラス基板1をガラス基板支持治具2に設置して、冷却槽3に導入し、磁気ディスク用ガラス基板1の両面の全面が冷却板10のフィン12に対面するまで接近させる。所定時間、氷点下まで冷却後、磁気ディスク用ガラス基板1を設置したガラス基板支持治具2を冷却槽3から取り出す。冷却後の工程は前述の第1の実施形態と同様とする。
【0019】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の(1)粗ラッピング工程(粗研削工程)、(2)形状加工工程、(3)精ラッピング工程(精研削工程)、(4)端面鏡面加工工程、(5)主表面鏡面研磨加工工程、(6)化学強化工程、を経て本実施例の磁気ディスク用ガラス基板を製造した。なお、化学強化工程の後で、本発明の磁気ディスク用基板の洗浄方法による洗浄を行った。
【0020】
(1)粗ラッピング工程
まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより直径66mmφ、厚さ1.5mmの円盤状のアルミノシリケートガラスからなるガラス基板を得た。なお、この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状のガラス基板を得てもよい。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO2:58〜75重量%、Al2O3:5〜23重量%、Li2O:3〜10重量%、Na2O:4〜13重量%を含有する化学強化ガラスを使用した。次いで、ガラス基板に寸法精度及び形状精度の向上させるためラッピング工程を行った。このラッピング工程は両面ラッピング装置を用い、粒度#400の砥粒を用いて行なった。具体的には、はじめに粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重を100kg程度に設定して、上記ラッピング装置のサンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μm程度にラッピングした。
【0021】
(2)形状加工工程
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けると共に、外周端面の研削をして直径を65mmφとした後、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施した。このときのガラス基板端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度であった。なお、一般に、2.5インチ型HDD(ハードディスクドライブ)では、外径が65mmの磁気ディスクを用いる。
(3)精ラッピング工程
次に、砥粒の粒度を#1000に変え、ガラス基板表面をラッピングすることにより、表面粗さをRmaxで2μm程度、Raで0.2μm程度とした。上記ラッピング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽(超音波印加)に順次浸漬して、超音波洗浄を行なった。
(4)端面鏡面加工工程
次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面(内周、外周)の表面の粗さを、Rmaxで1μm、Raで0.3μm程度に研磨した。そして、上記端面鏡面加工を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
【0022】
(5)主表面鏡面研磨加工工程
次に、上述したラッピング工程で残留した傷や歪みの除去するための第1研磨工程を両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、このキャリアをサンギアとインターナルギアとに噛合させ、上記ガラス基板を上下定番によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して回転させることによって、ガラス基板が定盤上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、研磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液としては酸化セリウム(平均粒径1.3μm)を研磨剤として分散したRO水とし、荷重:100g/cm2、研磨時間:15分とした。上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
【0023】
次いで上記の第1研磨工程で使用したものと同じタイプの両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェード)の研磨パッドに変えて第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えばガラス基板主表面の表面粗さをRmaxで8nm程度以下の平滑な鏡面に仕上げるための鏡面研磨加工である。研磨条件は、研磨液としては酸化セリウム(平均粒径0.8μm)を分散したRO水とし、荷重:100g/cm2、研磨時間を5分とした。上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
【0024】
(6)化学強化工程
次に、上記鏡面研磨を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化液を用意し、この化学強化溶液を380℃に加熱し、上記ガラス基板を約4時間浸漬して化学強化処理を行なった。化学強化を終えたガラス基板を硫酸、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
上記洗浄を終えたガラス基板表面の目視検査及び光の反射・散乱・透過を利用した精密検査を実施した結果、ガラス基板表面に異物付着による数μm程度の大きさの突起が発見された。この突起を更に詳しく分析したところ、鉄を主成分とするものであるが、化学的に変質していることが判った。
【0025】
次に、前述の図1に示した装置を用いて、このガラス基板の冷却を行った。すなわち、液体窒素が導入されている冷却槽3内に上記ガラス基板を浸漬させて、氷点下に冷却した。浸漬時間は5秒間とした。冷却後、ガラス基板を冷却槽3から取り出し、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
上記洗浄を終えたガラス基板表面を再び、目視検査及び光の反射・散乱・透過を利用した精密検査を実施した結果、ガラス基板表面に異物付着による突起は発見されなかった。
なお、得られたガラス基板の外径は65mm、内径は20mm、板厚は0.635mmであった。
【0026】
(実施例2)
実施例1で得られた磁気ディスク用ガラス基板に以下の成膜工程を施して、磁気ディスクを得た。
枚葉式スパッタリング装置を用いて、上記ガラス基板上に、シード層、下地層、磁性層、保護層及び潤滑層を順次形成した。
シード層は、CrTi薄膜(膜厚300オングストローム)からなる第1のシード層と、AlRu薄膜(膜厚:400オングストローム)からなる第2のシード層を形成した。下地層は、CrW薄膜(膜厚:100オングストローム)で、磁性層の結晶構造を良好にするために設けた。なお、このCrW薄膜は、Cr:90at%、W:10at%の組成比で構成されている。
磁性層は、CoPtCrB合金からなり、膜厚は、200オングストロームである。この磁性層のCo、Pt、Cr、B の各含有量は、Co:73at%、Pt:7at%、Cr:18at%、B:2at%である。
保護層は、磁性層が磁気ヘッドとの接触によって劣化することを防止するためのもので、膜厚50オングストロームの水素化カーボンからなり、耐磨耗性が得られる。潤滑層は、パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤をディップ法により形成し、膜厚は9オングストロームである。
【0027】
次に、得られた磁気ディスクを以下のようにして評価した。
〔信頼性評価〕
得られた磁気ディスクについて、グライド特性評価を行ったところ、タッチダウンハイトは、4.5nmであった。タッチダウンハイトは、浮上しているヘッドの浮上量を順に下げていき(例えば磁気ディスクの回転数を低くしていく)、磁気ディスクと接触し始める浮上量を求めて、磁気ディスクの浮上量の能力を測るものであるが、通常、40Gbit/in2以上の記録密度が求められるHDDでは、タッチダウンハイトは5nm以下であることが求められる。
また、ヘッド浮上時の浮上量を12nmとし、70℃、80%RH環境下で、ヘッドのロード・アンロード動作を繰り返して行うLUL耐久性について試験したところ、60万回のLUL連続試験後でも、ヘッドクラッシュ障害は発生しなかった。通常に使用されるHDDでは、LUL回数が60万回を越えるには10年間程度の使用が必要とされている。
また、フライングハイト12nmのGMRヘッドを用いてサーマルアスペリティ(TA)試験を行った。磁気ディスクの回転数は、5400rpmとし、磁気ヘッドのスライダーはNPAB(負圧型)スライダーを用い、記録再生を行った。そして、サーマルアスペリティの生じた箇所を磁気ディスク面に対してカウントする(TA個数)。通常、TA個数は磁気ディスク面当り5個以下であることが要求されるが、本実施例の磁気ディスクでは、サーマルアスペリティ障害は発生せず、TA個数はゼロであった。
【0028】
(比較例)
実施例1における化学強化工程の最後に通常の洗浄を実施したが、本発明による冷却工程を含む洗浄は実施しなかったこと以外は実施例1と同様の製造方法により、磁気ディスク用ガラス基板を製造し、更にこのガラス基板を用いて実施例2と同様に磁気ディスクを製造した。
得られた磁気ディスクのグライド特性評価を行ったところ、タッチダウンハイトは、6.4nmであった。さらに、LUL耐久性について試験したところ、40万回のLUL動作でヘッドクラッシュにより故障した。また、サーマルアスペリティ試験を行ったところ、サーマルアスペリティ障害も発生し、TA個数は6個であった。
【0029】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の磁気ディスク用基板の洗浄方法によれば、基板表面を室温より低い温度に冷却することにより、基板表面に強固に付着した、例えば化学的に変質した金属粒子異物であっても容易に除去することが出来る。
また、液体窒素を利用することにより、基板表面を氷点下に冷却することができ、基板からの異物の剥離をより促進することができる。また、液体窒素を用いることにより、デバイスでの腐食や汚染の心配が無く、取り扱いも容易で簡便な方法である。
また、このような本発明の基板の洗浄方法を適用した磁気ディスク用基板を用いて磁気ディスクを製造することにより、低浮上量化に対するヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生を防止でき、信頼性の高い、高記録密度化に好適な磁気ディスクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ディスク基板の洗浄方法の第1の実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明に係る磁気ディスク基板の洗浄方法の第2の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 磁気ディスク用ガラス基板
2 ガラス基板支持治具
3 冷却槽
5 液体窒素
6 液体窒素タンク
10 冷却板
12 フィン[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for cleaning and manufacturing a magnetic disk substrate used for an HDD (hard disk drive) and the like, and a method for manufacturing a magnetic disk.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Today, information recording technology, particularly magnetic recording technology, is required to undergo dramatic technological innovation with the rapid development of the IT industry. For a magnetic disk mounted on an HDD or the like, a technology capable of realizing an information recording density of 40 Gbit / inch 2 to 100 Gbit / inch 2 or more has been required due to a demand for higher capacity.
As an approach for achieving such a high information recording density, in order to improve a spacing loss and an S / N ratio, a gap (magnetic field) between a magnetic layer of a magnetic disk and a recording / reproducing element of a magnetic head is required. (Spatial spacing) is required to be reduced to 20 nm or less. From the viewpoint of achieving this magnetic spacing, it is required that the flying height of the magnetic head be reduced to 15 nm or less.
[0003]
When the flying height of the magnetic head is reduced to this level, the distance between the magnetic head and the magnetic disk is very small.For example, if foreign matter of about several μm adheres to the surface of the magnetic disk, the magnetic head comes into contact with it. And cause a crash failure. Further, in the case of the MR head, even if the magnetic head does not directly contact the foreign matter, a thermal asperity failure that affects a read value may occur due to a thermal fluctuation when passing near the foreign matter.
By the way, the foreign substance causing such a crash failure or thermal asperity failure is not limited to the case where the foreign substance adheres directly to the surface of the magnetic disk. In some cases, projections appear on the surface of the magnetic disk.
Since it is inevitable that some foreign matter adheres to the substrate surface during the manufacturing process of the magnetic disk substrate, cleaning is usually performed before the film forming step for the purpose of removing the foreign matter or the like adhered to the substrate surface.
[0004]
Conventional methods for cleaning a magnetic disk substrate include cleaning with ultrapure water, cleaning with a cleaning agent, and cleaning with a chemical such as acid or alkali. Further, in order to enhance the cleaning effect, a cleaning method combining these cleaning and ultrasonic waves is also performed. Patent Document 1 listed below discloses a cleaning method in which scrub cleaning is performed between ultrasonic cleaning with a detergent and ultrasonic cleaning with pure water in a method for manufacturing a glass substrate for an information recording medium. Patent Document 2 below discloses a method of manufacturing a glass substrate for a magnetic disk, in which, after a chemical strengthening step, the substrate is gradually cooled to a predetermined temperature, and then rapidly cooled to remove precipitated molten salts by washing. Have been.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2002-74653 A [Patent Document 2]
JP-A-9-124345
[Problems to be solved by the invention]
However, even if a conventional cleaning method using ultrapure water, a cleaning agent, an acid / alkali chemical solution, or a cleaning method combining this with ultrasonic cleaning, scrub cleaning, etc. is performed, depending on the type and size of the foreign matter, In some cases, it cannot be sufficiently removed, and a head crash failure or a thermal asperity failure may occur.
Therefore, the present invention provides a magnetic disk substrate cleaning method and a magnetic disk substrate suitable for increasing the recording density by removing foreign substances adhering to the surface of the magnetic disk substrate, preventing the occurrence of head crash failure and thermal asperity failure. It is an object of the present invention to provide a method for manufacturing a substrate for use and a method for manufacturing a magnetic disk.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have found that, even when the conventional cleaning method is performed, when a magnetic disk is manufactured using the cleaned disk substrate and mounted on an HDD, the above-described head crash failure or thermal asperity failure may occur. As a result, it was found that metal particles such as iron are often attached as foreign matter on the surface of the magnetic disk substrate where these failures occurred.
The present inventors have further studied and found that, when metal particles such as iron are chemically altered on the substrate surface, or when a chemically altered layer is present at the interface between the substrate and the metal particles such as iron. Have found that such a metal particle cannot be completely removed even by using a conventional cleaning method. In the case of a magnetic disk, the distance between the magnetic head and the magnetic disk is very small due to the low flying height of the magnetic head. Therefore, even if there is a foreign matter having a size of about several μm, the above-described obstacle may be caused.
[0008]
As a substrate for a magnetic disk, a glass substrate is often used because of its smoothness and high rigidity. In a manufacturing process of a glass substrate for a magnetic disk, for example, in a chemical strengthening process, about 300 ° C. to 400 ° C. In this case, foreign substances such as iron are likely to adhere to the substrate surface at this time, and foreign substances such as iron adhered to the substrate surface may be chemically altered due to the effect of the chemical strengthening solution used. . It is considered that the chemically altered foreign matter has a stronger adhesion to the substrate surface. Patent Document 2 discloses a method in which, after a chemical strengthening step, for example, a substrate is gradually cooled to about 200 ° C., and then rapidly cooled to about room temperature to remove deposited molten salts by washing. According to the study by the inventors, it has been found that foreign matters such as iron adhered to the substrate surface are still not completely removed.
[0009]
In addition, when performing a polishing process for imparting a texture to the main surface of a glass substrate, the glass substrate has a higher hardness and a higher hardness than a substrate having a metal surface. Since the glass substrate is an insulator, the entrapment is difficult to be eliminated by an electrostatic force generated by friction at the time of polishing the tape, and the glass substrate is likely to adhere as a foreign substance to the substrate surface. Further, it is considered that metal particles such as iron adhered to the substrate surface in the above-described chemical strengthening step also adhere more firmly to the substrate surface due to the pressing force at the time of texturing and the electrostatic bonding force to the glass substrate. .
The present inventors have further studied based on such a series of obtained findings, and as a result, by cooling the surface of the magnetic disk substrate to a temperature lower than room temperature, preferably below freezing, for example, the surface is chemically altered. Even when foreign matter such as metal particles adhered to the substrate surface, it was found that the adhesion of the foreign matter to the substrate was weakened by the difference in thermal expansion between the substrate and the foreign matter due to cooling, and the foreign matter was easily removed from the substrate. The invention having the configuration described above has been completed.
[0010]
(Configuration 1) A cleaning method for removing foreign matter on a magnetic disk substrate, wherein at least the surface of the substrate is cooled to a temperature lower than room temperature, and thermal expansion caused by cooling of the substrate and the foreign matter on the surface is performed. A method for cleaning a substrate for a magnetic disk, comprising removing foreign matter from the substrate using the difference.
(Structure 2) A cleaning method for removing foreign matter on a magnetic disk substrate, wherein at least a surface of the substrate is cooled below freezing.
(Structure 3) The method for cleaning a magnetic disk substrate according to Structure 1 or 2, wherein at least the surface of the substrate is cooled using liquid nitrogen.
(Structure 4) The method for cleaning a magnetic disk substrate according to any one of structures 1 to 3, wherein the magnetic disk substrate is a glass substrate.
(Structure 5) A method for manufacturing a magnetic disk substrate, comprising a cleaning step by the method for cleaning a magnetic disk substrate according to any one of Structures 1 to 4.
(Structure 6) A method for manufacturing a magnetic disk, comprising forming at least a magnetic layer on a magnetic disk substrate obtained by the manufacturing method according to structure 5.
(Structure 7) The method for manufacturing a magnetic disk substrate according to Structure 5, which is a substrate used for a load / unload type magnetic disk.
[0011]
In the method for cleaning a magnetic disk substrate according to the present invention, at least the surface of the substrate is cooled to a temperature lower than room temperature in order to remove foreign substances on the magnetic disk substrate, as described in the first aspect. The method is characterized in that a foreign substance is removed from a substrate by utilizing a difference in thermal expansion caused by cooling with the foreign substance.
In the method for cleaning a magnetic disk substrate according to the present invention, the difference between the substrate and the foreign matter such as a metal or an organic substance adhered to the surface of the substrate causes a difference in thermal expansion due to cooling at the interface between the substrate and the foreign matter. Due to the generation of defects such as cracks or the expansion of existing defects and gaps, the interface is in a state where interface separation has occurred or a state where interface separation is likely to occur. As a result, the adhesive force of the foreign matter firmly adhered to the substrate surface is weakened, and the foreign matter can be easily separated and removed from the substrate only by applying a mechanical force. Conventionally, it is difficult to remove by cleaning, for example, even foreign substances such as metal particles which are chemically altered and firmly adhere to the substrate surface can be easily removed by the cleaning method of the present invention. .
[0012]
Examples of the method for cooling the substrate in the cleaning method of the present invention include a method in which the substrate is immersed in liquid nitrogen and brought into contact therewith, or a method in which the substrate is brought close to or in contact with a cooling plate cooled with liquid nitrogen. The method using liquid nitrogen is particularly preferable because it is easy and simple means to cool the substrate to, for example, below freezing. Of course, the cooling method in the present invention does not need to be limited to this.
Further, in the cleaning method of the present invention, it is necessary to cool the substrate surface to at least a temperature lower than room temperature. Here, the room temperature is 20 ° C. Particularly preferably, the substrate surface is cooled below freezing. Cooling the substrate surface below the freezing point is preferable because cracks and the like at the interface due to the difference in thermal expansion between the substrate and the foreign matter are further increased, and the adhesive force of the foreign matter to the substrate is reduced accordingly.
In the cleaning method of the present invention, the cooling rate of the substrate is completely arbitrary. That is, cooling may be performed slowly or rapidly (rapid cooling). However, it is preferable that the cooling rate be high in order to increase the effect at the interface due to the difference in thermal expansion between the substrate and the foreign matter. Specifically, a cooling rate of 100 ° C./min to 1200 ° C./min is preferable.
As a cleaning method performed for the purpose of removing foreign substances having weakened adhesion from the substrate after cooling the substrate, conventionally known cleaning methods such as ultrasonic cleaning and scrub cleaning can be arbitrarily applied.
[0013]
Examples of the magnetic disk substrate in the present invention include a metal substrate and a glass substrate, and it is particularly preferable to use a glass substrate having excellent smoothness and rigidity. When a glass substrate is used, the method for cleaning a substrate of the present invention is particularly suitable.
Examples of the glass for the glass substrate include aluminosilicate glass and soda lime glass. Aluminosilicate glass is preferably used because it is possible to obtain high rigidity by using chemically strengthened glass.
In addition, amorphous glass or crystallized glass including amorphous and crystal can be used.
Such glass, as an amorphous aluminosilicate glass, SiO 2: 58-75 wt%, Al 2 O 3: 5~23 wt%, Li 2 O: 3~10 wt%, Na 2 O: 4~ It is preferable to use an aluminosilicate glass containing 13% by weight as a main component.
Furthermore, the composition of the glass substrate, SiO 2: 62~75 wt%, Al 2 O 3: 5~15 wt%, Li 2 O: 4~10 wt%, Na 2 O: 4~12 wt%, ZrO 2 : containing 5.5 to 15% by weight as a main component, a Na 2 O / ZrO 2 weight ratio of 0.5 to 2.0, and an Al 2 O 3 / ZrO 2 weight ratio of 0.4 to 2.0. Preferably, it is 2.5 aluminosilicate glass.
Further, in order to eliminate projections on the glass substrate surface caused by undissolved ZrO 2 , 57 to 74% of SiO 2 , 0 to 2.8% of ZnO 2 , and Al 2 O 3 in terms of mol% It is preferable to use a glass for chemical strengthening containing 3 to 15%, 7 to 16% of LiO 2 and 4 to 14% of Na 2 O.
[0014]
Such an aluminosilicate glass is enhanced in bending strength by chemical strengthening, has a deep compressive stress layer, and is excellent in Knoop hardness. The method of chemical strengthening is not particularly limited as long as it is a conventionally known chemical strengthening method, but in practice, chemical strengthening by a low-temperature ion exchange method is preferable.
When the above-mentioned chemically strengthened glass substrate is used as the glass substrate, it is preferable that the polishing treatment for imparting texture is performed after the chemical strengthening treatment. It is not preferable to form a texture before the chemical strengthening treatment because the texture shape may be disturbed in the course of ion exchange in the chemical strengthening treatment.
The diameter size of the glass substrate is not particularly limited. However, in practice, a small magnetic disk having a size of 2.5 inches or less, which is often used as an HDD for mobile use, has high impact resistance and high recording performance. The present invention, which can provide a glass substrate for a magnetic disk capable of increasing the density, has high utility. Further, the thickness of the glass substrate is preferably about 0.1 mm to 1.5 mm. In particular, in the case of a magnetic disk composed of a thin substrate having a thickness of about 0.1 mm to 0.9 mm, the present invention which can provide a glass substrate for a magnetic disk having high impact resistance is highly useful and suitable.
[0015]
By forming at least a magnetic layer on the magnetic disk substrate of the present invention, a magnetic disk suitable for high recording density can be obtained. When a Co-based alloy magnetic layer having an hcp crystal structure is used as the magnetic layer, the coercive force (Hc) is high, which can contribute to higher recording density.
It is also preferable to form an underlayer between the substrate and the magnetic layer, if necessary, in order to control crystal grains and orientation of the magnetic layer.
In manufacturing a magnetic disk, it is preferable to form at least a magnetic layer by DC magnetron sputtering using a stationary facing film formation method.
It is preferable to provide a protective layer on the magnetic layer. By providing the protective layer, the surface of the magnetic disk can be protected from the magnetic recording head flying over the magnetic disk. As a material for the protective layer, for example, a carbon-based protective layer is suitable. Further, it is preferable to further provide a lubricating layer on the protective layer. By providing the lubricating layer, wear between the magnetic recording head and the magnetic disk can be suppressed, and the durability of the magnetic disk can be improved. As a material of the lubricating layer, for example, PFPE (perfluoropolyether) is preferable.
The magnetic disk obtained by using the magnetic disk substrate manufactured by applying the substrate cleaning method according to the present invention can prevent a head crash failure and a thermal asperity failure from occurring, and has LUL (load / unload) durability. Therefore, it is suitable for a magnetic disk mounted on a LUL type magnetic disk device.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 shows a first embodiment of a method of cleaning a substrate according to the present invention, and is a configuration diagram for explaining a cleaning method using a cooling method of bringing a glass substrate for a magnetic disk into contact with liquid nitrogen.
As shown in FIG. 1, the method for cooling a glass substrate for a magnetic disk according to the present embodiment includes a glass substrate support jig 2, a cooling bath 3, a cooling bath cover 4, a liquid nitrogen 5, a liquid nitrogen tank 6, a pipe 7, a valve, and the like. 8 and an inlet 9 are used. The liquid nitrogen 5 stored in the liquid nitrogen tank 6 passes through the pipe 7 and is introduced into the cooling tank 3 from an inlet 9 attached to the cooling tank 3 by opening a valve 8. The cooling tank 3 is a double-insulated tank. When the magnetic disk glass substrate 1 is not cooled, the glass substrate supporting jig 2 is taken out of the cooling tank 3 and the liquid nitrogen 5 is evaporated. To prevent this, the cooling tank 3 is covered by a cooling tank cover 4.
In the substrate manufacturing process, the glass substrate for a magnetic disk 1 is, for example, a glass substrate that has undergone a chemical strengthening process performed after a mirror polishing process of a main surface, or a texture polishing process that is performed after the chemical strengthening process. It is particularly preferable that the glass substrate has been subjected to the steps since the effects of the present invention can be sufficiently obtained.
[0017]
When cooling the magnetic disk glass substrate 1, the magnetic disk glass substrate 1 is set on the glass substrate support jig 2, the cooling tank cover 4 is opened, and the glass substrate support jig on which the magnetic disk glass substrate 1 is set is opened. The tool 2 is introduced into the cooling bath 3 and is immersed until the entire surface of the magnetic disk glass substrate 1 contacts the liquid nitrogen 5. At this time, foreign substances such as metals and organic substances adhered to the surface of the glass substrate 1 for the magnetic disk are cooled below the freezing point and their adhesion is weakened, so that some foreign substances are separated from the substrate. After immersion for a predetermined time, for example, 3 seconds or more, the glass substrate supporting jig 2 on which the magnetic disk glass substrate 1 is installed is pulled out of the liquid nitrogen 5 and taken out of the cooling bath 3, and the cooling bath cover 4 is closed. An ultrasonic cleaning step using ultrapure water is performed on the cooled glass substrate 1 for a magnetic disk. The foreign matter whose adhesion has weakened due to the cooling of the magnetic disk glass substrate 1 is easily removed by applying a mechanical force by ultrasonic waves. At the same time, when the glass substrate 1 for a magnetic disk is pulled up from the cooling bath 3, dirt caused by condensation on the surface of the glass substrate 1 for a magnetic disk is also removed.
After the ultrasonic cleaning step, a drying step is performed on the magnetic disk glass substrate 1 to complete the cleaning. Before the ultrasonic cleaning step, scrub cleaning may be performed for the purpose of removing foreign matter remaining on the substrate surface after cooling.
[0018]
FIG. 2 shows a second embodiment of the method for cleaning a substrate according to the present invention, which is for explaining a cleaning method using a cooling method of bringing a glass substrate for a magnetic disk close to a cooling plate cooled with liquid nitrogen. FIG. The same parts as those in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals.
As shown in FIG. 2, the method for cooling a glass substrate for a magnetic disk according to the present embodiment includes a glass substrate support jig 2, a cooling tank 3, a cooling tank cover 4, a liquid nitrogen 5, a liquid nitrogen tank 6, a pipe 7, a valve, and the like. 8, an inlet 9, a cooling plate 10, a pressure valve 11, and a fin 12 are used. The liquid nitrogen 5 is introduced into the space 13 enclosed by the cooling tank 3 and the cooling plate 10 in the same manner as in the apparatus shown in FIG. The pressure in the space 13 is adjusted by the pressure valve 11. The cooling plate 10 is made of metal and has fins 12 facing both surfaces of the glass substrate 1 for a magnetic disk. The surface area of the fin 12 facing the magnetic disk glass substrate 1 is larger than the surface area of the magnetic disk glass substrate 1.
When cooling the magnetic disk glass substrate 1, the cooling bath cover 4 is opened, the magnetic disk glass substrate 1 is set on the glass substrate support jig 2, introduced into the cooling bath 3, and the magnetic disk glass substrate 1 is cooled. Are brought close to each other until the entire surfaces of both sides face the fins 12 of the cooling plate 10. After cooling to below the freezing point for a predetermined time, the glass substrate supporting jig 2 on which the magnetic disk glass substrate 1 is installed is taken out of the cooling bath 3. Steps after cooling are the same as those in the first embodiment.
[0019]
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. Note that the present invention is not limited to the following examples.
(Example 1)
The following (1) rough lapping step (rough grinding step), (2) shape processing step, (3) fine lapping step (fine grinding step), (4) end face mirror polishing step, (5) main surface mirror polishing step The glass substrate for a magnetic disk of this example was manufactured through (6) chemical strengthening step. After the chemical strengthening step, the magnetic disk substrate was cleaned by the cleaning method of the present invention.
[0020]
(1) Rough Lapping Step First, a disk-shaped glass substrate made of aluminosilicate glass having a diameter of 66 mm and a thickness of 1.5 mm was obtained from molten glass by direct pressing using an upper mold, a lower mold, and a body mold. In this case, in addition to the direct press, a disk-shaped glass substrate may be obtained by cutting a sheet glass formed by a down-draw method or a float method with a grinding wheel. As the aluminosilicate glass, SiO 2: 58~75 wt%, Al 2 O 3: 5~23 wt%, Li 2 O: 3~10 wt%, Na 2 O: 4~13 chemical containing wt% Tempered glass was used. Next, a lapping process was performed on the glass substrate to improve dimensional accuracy and shape accuracy. This lapping step was performed using a double-sided lapping apparatus and abrasive grains having a grain size of # 400. Specifically, first, using alumina abrasive grains having a grain size of # 400, setting the load to about 100 kg, and rotating the sun gear and the internal gear of the wrapping device, both surfaces of the glass substrate housed in the carrier are exposed. Lapping was performed to an accuracy of 0 to 1 μm and a surface roughness (Rmax) of about 6 μm.
[0021]
(2) Shape Processing Step Next, a hole is formed in the center of the glass substrate using a cylindrical grindstone, and the outer peripheral end surface is ground to a diameter of 65 mmφ. Then, predetermined holes are formed on the outer peripheral end surface and the inner peripheral end surface. Beveled. At this time, the surface roughness of the end face of the glass substrate was about 4 μm in Rmax. In general, a 2.5-inch HDD (hard disk drive) uses a magnetic disk having an outer diameter of 65 mm.
(3) Fine Lapping Step Next, the particle size of the abrasive grains was changed to # 1000, and the surface of the glass substrate was wrapped to make the surface roughness about 2 μm in Rmax and about 0.2 μm in Ra. The glass substrate after the lapping step was sequentially immersed in each of washing tanks (ultrasonic application) of a neutral detergent and water to perform ultrasonic cleaning.
(4) End Mirror Finishing Step Next, the surface roughness of the end face (inner circumference, outer circumference) of the glass substrate was polished to about 1 μm in Rmax and about 0.3 μm in Ra by rotating the glass substrate by brush polishing. Then, the surface of the glass substrate which had been subjected to the end surface mirror finishing was washed with water.
[0022]
(5) Main Surface Mirror Polishing Step Next, a first polishing step for removing scratches and distortion remaining in the above-described lapping step was performed using a double-side polishing apparatus. In the double-side polishing apparatus, a glass substrate held by a carrier is brought into close contact between an upper and lower platen to which a polishing pad is attached, and this carrier is meshed with a sun gear and an internal gear to squeeze the glass substrate by an upper and lower standard. . Then, by supplying a polishing liquid between the polishing pad and the polishing surface of the glass substrate and rotating the glass substrate, the glass substrate revolves while rotating on the surface plate to simultaneously grind both surfaces. Specifically, a polishing step was performed using a hard polisher (hard urethane foam) as the polisher. The polishing conditions were as follows: a polishing liquid was RO water in which cerium oxide (average particle size: 1.3 μm) was dispersed as a polishing agent; a load: 100 g / cm 2 ; and a polishing time: 15 minutes. The glass substrate after the first polishing step was sequentially immersed in each of a cleaning tank of a neutral detergent, pure water, pure water, IPA (isopropyl alcohol), and IPA (steam drying), ultrasonically cleaned, and dried. .
[0023]
Next, the second polishing step was performed using a double-side polishing apparatus of the same type as that used in the first polishing step, changing the polisher to a soft polisher (suede) polishing pad. This second polishing step is, for example, a mirror polishing for finishing the surface roughness of the main surface of the glass substrate to a smooth mirror surface of about 8 nm or less in Rmax while maintaining the flat surface obtained in the first polishing step. Processing. The polishing conditions were as follows: a polishing liquid was RO water in which cerium oxide (average particle size: 0.8 μm) was dispersed; a load: 100 g / cm 2 ; and a polishing time was 5 minutes. The glass substrate having been subjected to the second polishing step was sequentially immersed in cleaning tanks of a neutral detergent, pure water, pure water, IPA and IPA (steam drying), ultrasonically cleaned, and dried.
[0024]
(6) Chemical Strengthening Step Next, the glass substrate after the above-mentioned mirror polishing was chemically strengthened. For the chemical strengthening, a chemical strengthening solution prepared by mixing potassium nitrate and sodium nitrate was prepared, and the chemical strengthening solution was heated to 380 ° C., and the glass substrate was immersed for about 4 hours to perform a chemical strengthening treatment. The chemically strengthened glass substrate was sequentially immersed in cleaning tanks of sulfuric acid, a neutral detergent, pure water, pure water, IPA, and IPA (steam drying), ultrasonically cleaned, and dried.
As a result of a visual inspection of the surface of the glass substrate after the above-mentioned cleaning and a precision inspection using reflection, scattering, and transmission of light, a protrusion having a size of about several μm due to adhesion of foreign matter was found on the surface of the glass substrate. A more detailed analysis of these protrusions revealed that the protrusions were mainly composed of iron, but were chemically altered.
[0025]
Next, the glass substrate was cooled using the apparatus shown in FIG. That is, the glass substrate was immersed in the cooling tank 3 into which liquid nitrogen was introduced, and cooled to below freezing. The immersion time was 5 seconds. After cooling, the glass substrate was taken out of the cooling tank 3 and immersed in each of cleaning tanks of pure water, IPA, and IPA (steam drying), ultrasonically washed, and dried.
A visual inspection and a precision inspection using reflection, scattering, and transmission of light were performed again on the glass substrate surface after the above-mentioned cleaning, and as a result, no protrusion due to adhesion of foreign matter was found on the glass substrate surface.
In addition, the outer diameter of the obtained glass substrate was 65 mm, the inner diameter was 20 mm, and the plate thickness was 0.635 mm.
[0026]
(Example 2)
The glass substrate for a magnetic disk obtained in Example 1 was subjected to the following film forming process to obtain a magnetic disk.
Using a single-wafer sputtering apparatus, a seed layer, an underlayer, a magnetic layer, a protective layer, and a lubricating layer were sequentially formed on the glass substrate.
As the seed layer, a first seed layer made of a CrTi thin film (thickness: 300 Å) and a second seed layer made of an AlRu thin film (thickness: 400 Å) were formed. The underlayer was a CrW thin film (thickness: 100 angstroms) provided to improve the crystal structure of the magnetic layer. Note that this CrW thin film is composed of a composition ratio of Cr: 90 at% and W: 10 at%.
The magnetic layer is made of a CoPtCrB alloy and has a thickness of 200 angstroms. The contents of Co, Pt, Cr, and B in this magnetic layer are Co: 73 at%, Pt: 7 at%, Cr: 18 at%, and B: 2 at%.
The protective layer is for preventing the magnetic layer from being deteriorated due to contact with the magnetic head, and is made of hydrogenated carbon having a thickness of 50 angstroms, and provides abrasion resistance. The lubricating layer is formed by dipping a liquid lubricant of perfluoropolyether and has a thickness of 9 Å.
[0027]
Next, the obtained magnetic disk was evaluated as follows.
[Reliability evaluation]
When the glide characteristics of the obtained magnetic disk were evaluated, the touchdown height was 4.5 nm. The touchdown height is obtained by sequentially lowering the flying height of the flying head (for example, by lowering the rotation speed of the magnetic disk), obtaining the flying height at which the magnetic disk starts to contact, and calculating the flying height of the magnetic disk. To measure the performance, usually, an HDD which requires a recording density of 40 Gbit / in 2 or more is required to have a touchdown height of 5 nm or less.
Further, when the flying height at the time of flying of the head was set to 12 nm and the load and unloading operations of the head were repeated under the environment of 70 ° C. and 80% RH, the LUL durability was tested. No head crash failures occurred. In the case of a HDD that is normally used, it is necessary to use the HDD for about 10 years before the number of LUL operations exceeds 600,000.
Further, a thermal asperity (TA) test was performed using a GMR head having a flying height of 12 nm. The rotation speed of the magnetic disk was set to 5400 rpm, and recording and reproduction were performed using an NPAB (negative pressure type) slider as the slider of the magnetic head. Then, the position where the thermal asperity has occurred is counted with respect to the magnetic disk surface (TA number). Normally, the number of TAs is required to be 5 or less per magnetic disk surface. However, in the magnetic disk of this embodiment, no thermal asperity failure occurred, and the number of TAs was zero.
[0028]
(Comparative example)
Normal cleaning was performed at the end of the chemical strengthening step in Example 1, but a glass substrate for a magnetic disk was manufactured by the same manufacturing method as in Example 1 except that cleaning including a cooling step according to the present invention was not performed. A magnetic disk was manufactured in the same manner as in Example 2 using this glass substrate.
When the glide characteristics of the obtained magnetic disk were evaluated, the touchdown height was 6.4 nm. Further, when the test was conducted for the LUL durability, a failure occurred due to a head crash after 400,000 times of LUL operations. When a thermal asperity test was performed, a thermal asperity failure occurred, and the number of TAs was six.
[0029]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the method for cleaning a magnetic disk substrate of the present invention, the substrate surface is cooled to a temperature lower than room temperature, thereby firmly adhering to the substrate surface, for example, chemically deteriorated metal. Even foreign particles can be easily removed.
In addition, by using liquid nitrogen, the surface of the substrate can be cooled below freezing, and the separation of foreign matter from the substrate can be further promoted. In addition, by using liquid nitrogen, there is no need to worry about corrosion or contamination in the device, and the method is easy and convenient to handle.
In addition, by manufacturing a magnetic disk using the magnetic disk substrate to which the substrate cleaning method of the present invention is applied, it is possible to prevent the occurrence of a head crash failure or a thermal asperity failure with respect to a low flying height, and to improve reliability. A high-density magnetic disk suitable for high recording density can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram showing a first embodiment of a method for cleaning a magnetic disk substrate according to the present invention.
FIG. 2 is a configuration diagram showing a second embodiment of the method for cleaning a magnetic disk substrate according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Glass substrate for magnetic disks 2 Glass substrate support jig 3 Cooling tank 5 Liquid nitrogen 6 Liquid nitrogen tank 10 Cooling plate 12 Fin