JP2004289894A - Ultrasonic motor - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機械の駆動装置として使用することができる超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
棒状の形状を有する超音波モータとして、特開平7−107756号公報には、ステータリングと、ランジュバン型の振動子と、ロータにて構成された超音波モータが開示されている。ここで振動子は、圧電セラミックスと金属端子からなり、圧電セラミックスと金属端子の形状や大きさ等は振動子の長さ振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数が略等しくなるように設定されている。さらに圧電セラミックスは、分極の向きが逆となっている略2等分された駆動部を備えている。このような超音波モータでは、圧電セラミックスに所定の交流電圧を印加することによって振動子の先端に楕円運動が生じ、これによってロータを所定方向に回転させることができる。また、圧電セラミックスに印加する交流電圧の位相を180度ずらすことによって、楕円運動の回転の向きを逆転させることができ、これによってロータの回転方向を逆転させることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−107756号公報(第2図、第7〜10段落)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような棒状の形状を有する超音波モータでは、被駆動体に接する部分の楕円運動は同一面内でしか発生させることができない。したがって、この超音波モータを、例えば、リニアモータとして使用する場合には被駆動体を一方向にしか移動させることができない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、被駆動体に任意の動きを生じさせることができる超音波モータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、互いに直交するY方向とX方向とZ方向にそれぞれ面を有する略直方体形状のベース部と、
前記ベース部のZ方向面の一面に配設された略円錐形状のホーン部と、
前記ホーン部の頂点近傍に設けられ、被駆動体と接する接頭部と、
前記ベース部のY方向面の両面に前記X方向に分けて設けられ、Y方向に分極された略矩形の4つの圧電駆動部と、
前記ベース部を保持する保持手段と、
を具備し、
前記圧電駆動部に所定周波数の電圧を印加することによって前記接頭部に所定の振動を生じさせ、前記被駆動体を動かすことを特徴とする超音波モータ、が提供される。
【0006】
このような超音波モータにおいては、4つの圧電駆動部を位相をずらして変位させることによって、接頭部に種々の方向の振動を生じさせることができる。このため、被駆動体を接頭部の動きに合わせて適切に配置しておくことによって、被駆動体に所定の動きを生じさせることができる。例えば、X−Yステージをスライドさせるためには、従来は1方向にのみ駆動させることができる2台の超音波モータを組み合わせて用いる必要があった。しかし、本発明の超音波モータを用いれば、1台でX−Yステージをスライドさせることができ、駆動源の配置スペースを省スペース化することができる。なお、圧電駆動部は具体的には、Z方向を長手方向とし、X方向を幅方向とし、Y方向を厚さ方向とし、表裏面に電極が設けられた略矩形の圧電セラミック素子である。
【0007】
4つの圧電駆動部の分極の向きには限定はないが、例えば、4つの圧電駆動部の分極の向きを、同一面に設けられた2つの圧電駆動部ではY方向において逆向きとし、かつ、Z方向面の中心を通るZ軸について対称な位置にある2つの圧電駆動部ではY方向において逆向きとする。この場合には、4つの圧電駆動部をベース部を共通電極として同位相の駆動電圧で駆動することによって、被駆動体に所定の動きを生じさせることができる。この場合には駆動電源を安価に構成することができる利点がある。
【0008】
本発明の超音波モータにおいては、ベース部に、ホーン部が設けられていないZ方向面の中央部からホーン部に向かって形成された孔部を形成し、保持手段がこの孔部内の圧電駆動部のZ方向の中央部に相当する位置でベース部を保持していることが好ましい。このようにしてベース部を保持する理由の1つは、ベース部に生ずる種々の振動の節が圧電駆動部のZ方向の中央部に相当する位置にあたることである。またベース部には、ベース部におけるZ方向面の対角に位置し、かつ、孔部と連通するように孔部と平行に設けられた別の4つの孔部を形成することが好ましい。これら別の4つの孔部をベース部に形成することによって、ベース部は変形しやすくなり、圧電駆動部の振動が効率よくベース部の振動を励起する。接頭部は、Z方向に垂直な方向を径方向とする略円盤状の形状とすることが好ましい。被駆動体は接頭部の振動方向に応じて、適宜、接頭部の表面または側面に接するように配置する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の超音波モータに用いられる圧電アクチュエータ10の概略構造を示す説明図であり、図1(a)は圧電アクチュエータ10の概略斜視図であり、図1(b)は圧電アクチュエータ10の構造を示すために圧電アクチュエータ10を分解してその部品を示した説明図である。
【0010】
圧電アクチュエータ10は、直方体形状のベース部11と、ベース部11のZ方向面(Z軸に垂直な面)に配設された略円錐状のホーン部12と、ベース部11のY方向面(Y軸に垂直な面)に設けられた圧電駆動部14a・14b・15a・15b(以下、「圧電駆動部14a等」という)と、を有している。
【0011】
ベース部11は、圧電駆動部14a等を所定の周波数で駆動した際に圧電駆動部14a等に生ずる変位に追従して弾性変形を起こし、振動が減衰し難い材料、例えば、リン青銅やチタン、ステンレス等の金属材料からなる。ホーン部12はベース部11と一体であることが好ましい。
【0012】
ベース部11のY方向面の一方には圧電セラミック板21が取り付けられ、この圧電セラミック板21の裏面全体には共通電極22cが形成され、その表面にはX方向に分かれた実質的に同一形状を有する2つの駆動電極22a・22bが形成されており、駆動電極22aと共通電極22cによって挟まれた部分が圧電駆動部14aとなり、駆動電極22bと共通電極22cによって挟まれた部分が圧電駆動部14bとなっている。圧電駆動部14aと圧電駆動部14bでは、圧電セラミック板21の分極方向は、図1(b)中に矢印+Pおよび矢印−Pで示されるように逆向きとなっている。
【0013】
同様に、ベース部11のY方向面の別の面には圧電セラミック板23が取り付けられ、この圧電セラミック板23の裏面全体には共通電極24cが形成され、その表面にX方向に分かれた実質的に同一形状を有する2つの駆動電極24a・24bが形成されており、駆動電極24aと共通電極24cによって挟まれた部分が圧電駆動部15aとなり、駆動電極24bと共通電極24cによって挟まれた部分が圧電駆動部15bとなっている。圧電駆動部15aと圧電駆動部15bでは、圧電セラミック板23の分極方向は、図1(b)中に矢印−Qおよび矢印+Qで示されるように逆向きとなっている。
【0014】
このように圧電駆動部14a・14b・15a・15bにおける分極の向きはZ軸について対称となっている。つまり、Z軸について対称位置にある圧電駆動部14aと圧電駆動部15bでは、分極の向きはベース部11から外側に向かっている。換言すれば、圧電駆動部14aと圧電駆動部15bの分極の向きはY方向においては逆向きである。また、Z軸について対称位置にある圧電駆動部14bと圧電駆動部15aでは、分極の向きは外側からベース部11に向かっており、圧電駆動部14bと圧電駆動部15aの分極の向きもまたY方向においては逆向きである。
【0015】
ここで、圧電駆動部14a等の基本的な駆動原理について説明する。図2は圧電アクチュエータ10の基本的な変位形態を示す説明図である。図2(a)は圧電アクチュエータ10が具備する圧電駆動部14a等の変位形態の一例を示しており、図2(b)は図2(a)に示す圧電駆動部14a等の変位によって圧電アクチュエータ10のベース部11(およびホーン部12)に生ずる変位(ねじり変位)を模式的に示している。
【0016】
直流電圧を共通電極22cが負極(アース電極)となり、駆動電極22a・22bが正極(高電位電極)となるように印加すると、電界の向きと分極の向きが同じである圧電駆動部14aにはZ方向で伸張する変位が生じ、一方、電界の向きと分極の向きが逆となる圧電駆動部14bにはZ方向で収縮する変位が生じる。これによって圧電セラミック板21には扇形に変形するような変位が生ずる。同様に、共通電極24cが負極となり、駆動電極24a・24bが正極となるように直流電圧を印加すると、電界の向きと分極の向きが逆である圧電駆動部15aにはZ方向で収縮する変位が生じ、一方、電界の向きと分極の向きが同じである圧電駆動部15bにはZ方向で伸張する変位が生じる。これによって圧電セラミック板23も扇形に変形する。
【0017】
このように圧電セラミック板21においては圧電駆動部14aと圧電駆動部14bの伸縮が逆であり、圧電セラミック板23においては圧電駆動部15aと圧電駆動部15bの伸縮が逆であり、さらに圧電駆動部14a等の変位はZ軸について対称である。これによりホーン部12側からベース部11側を見て、ベース部11のZ方向面近傍にはZ軸を中心として時計回り(CW)の変位が生じ、ベース部11のZ方向中央部にはZ軸を中心とした反時計回り(CCW)の変位が生じる。このような変位によってベース部11にはねじり変位が生ずる。
【0018】
なお、ホーン部12の先端にはベース部11のZ方向面近傍と同じ時計回り(CW)の変位が生ずる。このような圧電駆動部14a等の変位をベース部11に効率的に伝えるために、圧電セラミック板21・23のベース部11への取り付けには、エポキシ樹脂等の硬質接着剤が好適に用いられる。また、直流駆動において伸縮変位量を大きくとるためには圧電セラミック板21・23として圧電定数d31の大きい材料が好ましいが、後述するように圧電アクチュエータ10は超音波モータとして好適に用いられ、その場合には圧電駆動部14a等を共振駆動させる。このために、圧電セラミック板21・23としては機械的品質係数Qmが大きく、誘電損失δが小さい材料が好適に用いられる。
【0019】
図2に示した圧電アクチュエータ10の変位形態は直流駆動の場合であり、圧電アクチュエータ10を共振駆動させた場合には、上述したねじりモードの振動に加えて他の振動モードの振動、例えば、Z方向での伸縮振動が生ずる。図3は、圧電アクチュエータ10の共振特性の一例を示すグラフであり、図3(a)はZ軸伸縮振動の速度と周波数との関係を、図3(b)はねじり振動の速度と周波数との関係を、それぞれ示している。各グラフの極大を示す周波数はそれぞれ何らかのモードの共振周波数である。圧電アクチュエータ10を所定の周波数で共振駆動した場合には、このような種類の異なる複数の振動モードが合わされた複雑な振動が発生する。そこで次に圧電アクチュエータ10を用いた超音波モータの構成とその駆動方法等について説明する。
【0020】
図4は超音波モータ100の構造を示す概略側面図であり、図5は超音波モータ100の概略平面図であり、図6は超音波モータ100の概略底面図である。ここでは、超音波モータ100を略垂直姿勢で保持した形態を示す。超音波モータ100は圧電アクチュエータ10のホーン部12の先端にヘッド13が設けられた構造を有しており、ヘッド13は金属球16に接している。なお、この金属球16は被駆動体の一例である。ヘッド13が金属球16を支持する力を予圧として利用し、換言すれば、金属球16に掛かる重力を利用して、ヘッド13と金属球16との間に摩擦力を生じさせている。
【0021】
ベース部11には、ベース部11を保持するためのネジ穴26が形成されており、ネジ穴26の周囲4箇所(Z方向面の対角位置)にはネジ穴26と平行にネジ穴26と連通する4つの孔部27が形成されている。これらネジ穴26と孔部27はベース部11の底面からホーン部12の底面近傍までの深さを有している。ネジ穴26においては、圧電駆動部14a等のZ方向中央部に相当する位置までしかネジが切られていない。
【0022】
ネジ穴26に嵌合されるボルト28は、両端にネジ切りされたネジ切り部28a・28bを有し、ネジ切り部28a・28bの間には円柱部28cが形成された構造を有している。ボルト28のネジ切り部28aは、ネジ穴26の奥部のネジが切られている部分の先端まで挿入され、これによってベース部11はボルト28によって保持される。円柱部28cの外径はネジ穴26の内径よりも短くなっており、これによって円柱部28cはベース部11とは接触しない。さらにボルト28のネジ切り部28bはボルト28を固定するための固定部材29と嵌合されており、これによって超音波モータ100が固定されている。
【0023】
ホーン部12は、後述するように、圧電駆動部14a等を共振駆動させた際にベース部11で発生する超音波振動を効率的にヘッド13へ伝えるために、また、超音波モータ100全体での超音波振動のロスを少なくするために、リン青銅やチタン、ステンレス等の金属材料からなり、前述したように、ホーン部12はベース部11と一体であることが好ましい。ホーン部12はベース部11で生じた振動を拡大する役割を果たす。これと同様の理由によりヘッド13もまたホーン部12と一体であることが好ましい。ヘッド13の上面には金属球16を支持することができるように窪みが設けられている
【0024】
次に、超音波モータ100の駆動形態について説明する。前述したように、ベース部11は金属材料で構成されているために、圧電セラミック板21・23にそれぞれ設けられた共通電極22c・24cはベース部11と導通する。そこで、圧電駆動部14a等を駆動するためのアース電極をベース部11に取り付ける。駆動電極22a・22b・24a・24bには、例えば、実質的に超音波モータ100が共振駆動する周波数の1位相の交流電圧V=V0sin(2πft)(V0;ゼロ−ピーク電圧値、f;周波数、t;時間)を印加する。
【0025】
圧電駆動部14a等を駆動した際にベース部11からヘッド13に至る部分に生ずる基本的な振動モードは4種類あり、これら4種類の振動モードのうちの少なくとも2つの振動が重なることによって金属球16を動かすことができる。以下、各振動モードについて概説する。
【0026】
第1の振動モードは、先に図2に示したねじりモードである。図7はベース部11のねじりモードによる変形の様子を模式的に示す説明図である。前述したように、圧電駆動部14a・14bでは分極の向きが逆であり、また、圧電駆動部15a・15bでは分極の向き逆であり、かつ、圧電駆動部14a・14b・15a・15bにおける分極の向きは、Z軸について対称となっている。なお、図7には圧電駆動部14a等の分極の向きは示していない。
【0027】
このため、例えば、駆動電極22a・22b・24a・24bに0V〜V0へ上昇する電圧が掛かる際には、図7(a)に示すように、ベース部11にはZ軸を回転中心とする時計回りのねじり変位(CW)が生じる。続いて電圧VがV0〜−V0へ降下する際には、図7(b)に示すように、この時計回りのねじり変位(CW)の向きが逆転した反時計回りのねじり変位(CCW)が生ずる。さらに電圧が−V0〜V0へ上昇する際には、図7(a)と同じ時計回りのねじり変位(CW)が生ずる。このようにして駆動電極22a・22b・24a・24bに同位相の交流電圧を印加した際には、ベース部11にZ軸回りのねじり振動が生じ、このねじり振動はホーン部12を介してヘッド13に伝えられ、ヘッド13にねじり振動が生ずる。
【0028】
なお、このねじりモードによる振動は、圧電駆動部14a等のZ方向中央部を振動の節とする。ボルト28はベース部11のZ方向中央部でベース部11を保持しているために、超音波モータ100ではボルト28がベース部11のねじり振動を妨げ難い構造となっている。また、ベース部11の内部に孔部27が形成されているためにベース部11は変形しやすくなっており、ベース部11にねじり振動を効果的に発生させることができる。
【0029】
第2の振動モードはZ方向の伸縮モード(以下「Z軸伸縮モード」という)である。このZ軸伸縮モードが発生する原因としては、以下に説明する3種類がある。図8は超音波モータ100に生ずるZ軸伸縮モードの発生形態を示す説明図であり、図8(a)は圧電セラミック板21の変形の様子を示した平面図であり、図8(b)はZ軸伸縮モードのZ方向の変位を示す説明図であり、図8(c)はねじれ振動によるベース部11のZ方向長さの変化を示す説明図であり、図8(d)・(e)は圧電駆動部14a等からベース部11へ伝わる力の不完全さによって生ずるZ方向での変位の説明図である。
【0030】
図8(a)に示すように、圧電セラミック板21の無変形時のZ方向長さをL、圧電セラミック板21が扇形に変形した際のZ方向長さの長い方をL1、短い方のL2とすると、圧電セラミック板21の変形後の平均のZ方向長さはL(=(L1+L2)/2)となる。同様に、圧電セラミック板23が扇形に変形した際の正味のZ方向長さ(平均値)も変形前と変形後と変わらない。しかし、図8(b)に示すように、圧電駆動部14a等のZ方向の中心位置と、圧電セラミック板21・23の変形によってベース部11からヘッド13に至る部分でのZ方向伸縮の節とが一致しないために、ベース部11からヘッド13に至る部分ではZ方向で伸縮振動が生ずる。また図8(c)に示すように、前述したねじりモードが生ずる際に、これに付随してベース部11のZ方向長さが微小に変化する。但し、この効果は小さい。
【0031】
さらに圧電セラミック板21・23は接着剤を用いてベース部11に取り付けられることが一般的である。図8(d)に示すように、圧電駆動部14a等が変形する際の引張応力Ut、圧縮応力Ucに基づく剪断力がベース部11へ完全に伝えられれば、原則としてベース部11にZ方向の伸縮振動は生じない。しかし、実際には、接着剤の層が緩衝層となる等の要因によって圧電駆動部14a等の変形による剪断力がベース部11へ完全には伝わり難く、図8(e)に示されるように、これによって圧電駆動部14a・15bによる引張応力と圧電駆動部14b・15aによる圧縮応力(逆に、圧電駆動部14a・15bの圧縮応力と圧電駆動部14b・15aの引張応力)に差が生じ、ベース部11からヘッド13に至る部分でZ方向の伸縮振動が生ずる。
【0032】
第3の振動モードは、ヘッド13に生ずる径方向振動のモードである。図9の断面図に示すように、特定の共振周波数において、ヘッド13には径方向に伸縮する振動が生ずる。
【0033】
第4の振動モードは擬似曲げモードである。この擬似曲げモードについて説明するために、まず曲げモードについて説明する。図10はX方向の曲げモードを示す説明図である。駆動電極22a・22bに電圧V=V0sin(2πft)を印加し、駆動電極24a・24b(図示せず)に電圧V=−V0sin(2πft)を印加すると、圧電セラミック板21・23はそれぞれZ−X面について対称となるように扇形に変位するため、これによってヘッド13がX方向に弧を描くように、ベース部11からヘッド13に至る部分に、曲げモードの振動が発生する。
【0034】
ところが、駆動電極22a・22b・24a・24bに電圧V=V0sin(2πft)を印加すると、先に図2に示したように、圧電駆動部14a等にはZ軸回りに対称な変位が生ずるために、理想的な状態、つまり、圧電駆動部14a等の駆動特性が同じであり、かつ、圧電駆動部14a等がベース部11に付与する力が同じである等、超音波モータ100の構造がZ軸について対称である状態においては、原理的には曲げモードの振動は生じないと考えられる。
【0035】
しかしながら、後述するように超音波モータ100では、先に説明した曲げモードが現れる共振周波数近傍に共振点が現れ、実際に超音波モータ100は金属球16を時計回り(CW)に回転させることができる。したがって、駆動電極22a・22b・24a・24bに電圧V=V0sin(2πft)を印加した場合には、厳密に言えば曲げモードではないが、この曲げモードに近い別の振動モードが発生すると考えられる。ここではこの「曲げモードに近い別の振動モード」を「擬似曲げモード」ということとする。
【0036】
次に、超音波モータ100を駆動させた場合の金属球16の動きについて説明する。ここでは、共通電極22c・24cと導通するベース部11をアース電極とし、駆動電極22a・22b・24a・24bに交流電圧V=V0sin(2πft)を印加することによって、圧電駆動部14a等を駆動する場合について説明する。
【0037】
図11は超音波モータ100の主要部分の寸法を示す説明図である。図11(a)・(b)はそれぞれ図4および図6と同等であるために、図11(a)・(b)には超音波モータ100の各部を示す符号は記していない。図11に示される数値の単位は「mm」である。また、表1は超音波モータ100に現れる振動モードと、各振動モードの共振周波数を示す一覧である。なお、本発明の超音波モータは図11に示す形状に限定されるものではなく、超音波モータ100の共振周波数は、その大きさや形状、用いられている金属材料や環境温度等によって変化する。
【0038】
【表1】
【0039】
周波数が約109kHzでは、1次の擬似曲げモードを主とし、少しの1次のZ方向伸縮モード(120kHzの共振の低周波数側の裾)と、僅かの1次のねじりモード(145kHzの共振の低周波数側の裾)によって、金属球16を動かす。このような3種類の振動モードが合わさる、つまり、ヘッド13がZ軸の近傍で揺れ、かつ、Z方向に伸縮しながら、しかもZ軸回りの回転の力が金属球16に作用することによって、金属球16を時計回り(CW)に回転させることができる。なお、擬似曲げモードの正確な運動軌跡が不明であるために、ここではヘッド13を金属球16との間の力の経時変化についての詳細な説明は行わず、実際に金属球16を動かすことができるという事実のみの記載に止める。
【0040】
周波数が約145kHzでは、1次のねじりモードと、1次のZ方向伸縮モード(120kHzの共振の高周波数側の裾)とによって、金属球16を動かす。この場合には、ヘッド13は、(a)+Zの向き(ベース部11からヘッド13に向かう向き)に伸張しながらZ軸回りに反時計回り(CCW)に回転する運動と、(b)−Zの向き(ヘッド13からベース部11に向かう向き)に縮退しながら時計回り(CW)に回転する運動とを交互に繰り返す。(a)の運動では、金属球16に掛かる重力の向きとヘッド13が伸張する向きとが逆であるために金属球16とヘッド13との間の摩擦力が大きくなり、金属球16はヘッド13の(a)の運動による力を受けて反時計回り(CCW)に回転しようとする。これに対し、ヘッド13が(b)の運動を行う際には、金属球16に掛かる重力の向きとヘッド13が後退する向きが同じであるために金属球16とヘッド13との間の摩擦力が小さくなり、しかも145kHzという周波数では金属球16がこのヘッド13の運動に追従することができずに、金属球16とヘッド13との間が滑る。この結果として、金属球16にはヘッド13の(a)の運動による力が支配的に作用することとなり、これによって金属球16には反時計回り(CCW)の回転が生ずる。
【0041】
周波数が約190kHzでは、2次のねじりモードと、1次のヘッド13の径方向モードとによって、金属球16を動かす。図12はこの190kHzにおいてヘッド13に生ずる振動を模式的に示す説明図である。2次のねじりモードによる回反振動S1と、ヘッド13の1次の径方向振動S2とが合成されることによって、ヘッド13の表面には、渦巻状の振動Sが生ずる。
【0042】
先に示した図4に示されているように、金属球16とヘッド13との間には圧力N(=接触圧/単位径)が作用しているから、ヘッド13の静止時の直径をrとすると、直径rが長くなる(ヘッド13が拡がる)ときには圧力Nは小さくなり、逆に直径rが短くなるときには圧力Nが大きくなる。このため、ヘッド13が反時計回り(CCW)に回転する際にヘッド13の直径が短くなると金属球16は反時計回り(CCW)に回転し、ヘッド13が時計回り(CW)に回転する際にヘッド13の直径が短くなると金属球16は時計回り(CW)に回転する。駆動電圧がV=V0sin(2πft)の場合には、金属球16が反時計回り(CCW)に回転するように渦巻状の振動が発生する。なお、圧電駆動部14a等の駆動電圧がV=−V0sin(2πft)の場合には、金属球16が時計回り(CW)に回転するように渦巻状の振動が発生する。
【0043】
周波数が約221〜226kHzでは、3次のねじりモードとZ方向伸縮モードとによって金属球16を反時計回り(CCW)に回転させ、周波数が約227〜235kHzでは、3次のねじりモードとZ方向伸縮モードとによって金属球16を時計回り(CW)に回転させる。これは、約226.5kHzにおいて、ねじりモードとZ方向伸縮モードの位相が180度ずれる現象が起こることによる。
【0044】
図13はこのような位相の変化を示す説明図であり、図13(a)は金属球16を時計回り(CW)に回転させる場合を、図13(b)は金属球16を反時計回り(CCW)に回転させる場合をそれぞれ示しており、Nはヘッド13と金属球16との間の圧力を、Utrはヘッド13のねじれ変位を、UaxはZ方向変位を示している。ねじれ変位Utrは横軸よりも上にあるときには時計回り(CW)であり、横軸よりも下にあるときには反時計回り(CCW)である。また、圧力Nはヘッド13のZ方向における振動と同期しており、ヘッド13が上昇(+Zの向きに変位)する際に大きくなり、下降(−Zの向きに変位)する際に小さくなる。
【0045】
図13(a)では、Z方向変位Uaxが大きくなるときにねじれ変位Utrが大きくなっているので、金属球16は時計回り(CW)に回転する。なお、この場合には、圧力Nとねじれ変位Utrとの間では理論的には位相差は生じないが、実測によれば図13(a)に示されるように、ねじれ変位Utrの位相が90度進んでいた。この金属球16が時計回り(CW)に回転するときのねじれ変位UtrとZ方向変位Uaxの理論的に位相差のない状態を基準とすると、図13(b)に示されるように、約221〜226kHzではねじれ変位UtrとZ方向変位Uaxの位相が180度ずれて、Z方向変位Uaxが大きくなるときにねじれ変位Utrが小さくなるので、金属球16は反時計回り(CCW)に回転する。なお、221〜235kHzの範囲において金属球16が回転しているときには、Z方向伸縮モードは正確には、共振状態ではないこととなる。
【0046】
上述した周波数よりも高い周波数においても、上述した各種の振動モードの組合せによって、金属球16を所定の方向に回転させることができる。例えば、約400kHzにおいては6次のねじれモードとZ方向伸縮モードによって金属球16を反時計回り(CCW)に回転させることができ、約472kHz〜480kHzにおいては高次のねじれモードとZ方向伸縮モードによって、3次のねじれモードとZ方向伸縮モードが発生する場合と同様に、金属球16を反時計回り(CCW)または時計回り(CW)に回転させることができ、約1.02MHzにおいてはさらに高次のねじれモードとZ方向伸縮モードによって金属球16を反時計回り(CCW)または時計回り(CW)に回転させることができる。
【0047】
超音波モータ100における圧電駆動部14a等の駆動方法は、上述した方法に限られず、例えば、駆動電極22a・22b・24a・24bに同位相の電圧V=−V0sin(2πft)を印加してもよい。この場合には上述した各共振周波数において金属球16の回転方向が逆転する。
【0048】
また、駆動電極22a・22bに電圧V=V0sin(2πft)を印加して圧電駆動部14a・14bを駆動し、圧電駆動部15a・15bを駆動させないという方法で金属球16を動かすこともできる。この場合には駆動周波数が109kHzのときにZ−X面内における1次の曲げモード(先に図10に示した曲げモードと同様)の振動が生ずるために、これとZ方向伸縮モードの振動が重なり合うことによって、金属球16をY軸回りに回転させることができる。また、駆動周波数が181kHzの場合にはZ−X面内における2次の曲げモードの振動が生じるために、これとZ方向伸縮モードの振動とが重なり合うことによって金属球16をY軸回りに回転させることができる。なお、駆動周波数が109kHzの場合と181kHzの場合では金属球16の回転の向きは逆である。
【0049】
さらに、駆動電極22a・22bに電圧V=V0sin(2πft)を印加して圧電駆動部14a・14bを駆動し、圧電駆動部15a・15bを駆動させない場合には、駆動周波数110kHzにおいてY−Z面内における1次の曲げモードの振動が生ずるために、これとZ方向伸縮モードの振動とが重なり合うことによって、金属球16をX軸回りに回転させることができる。また、駆動周波数184kHzにおいてY−Z面内における2次の曲げモードの振動が生じるために、これとZ方向伸縮モードの振動との重なりによって金属球16をX軸回りに回転させることができる。なお、駆動周波数が110kHzの場合と184kHzの場合では金属球16の回転の向きは逆である。
【0050】
さらにまた、駆動電極22a・22bには電圧V=V0sin(2πft)を印加し、同時に駆動電極24a・24bには電圧V=−V0sin(2πft)を印加することによって、圧電駆動部14a等を駆動することもできる。この場合には、所定の共振周波数およびその近傍において、金属球16にY軸回りの回転またはX軸回りの回転を生じさせることができる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、1枚の圧電セラミック板21に分極の向きの異なる2つの圧電駆動部14a・14bを形成した形態を示したが、図14の平面図に示すように、表裏面に電極(図示せず)が形成された2枚の圧電セラミック板31a・31bを所定の間隔を空けてベース部11に貼り付けることによって、圧電駆動部32a・32bを形成してもよい。同様にして、表裏面に電極(図示せず)が形成された2枚の圧電セラミック板33a・33bを所定の間隔を空けてベース部11に貼り付けることによって、圧電駆動部34a・34bを形成することができる。
【0052】
また、圧電駆動部14a等における分極の向きは、図1に示した状態に限定されない。例えば、図15は図4と同様に示す平面図であり、圧電駆動部14aの分極の向きは矢印+Pの向きのまま、圧電駆動部14bの分極の向きを矢印−Pから矢印+Pの向きに変える(以下「圧電駆動部14b´」いう)。また、圧電駆動部15bの分極の向きは矢印+Qの向きのまま、圧電駆動部15aの分極の向きを矢印−Qから矢印+Qの向きに変える(以下「圧電駆動部15a´」いう)。この場合において、圧電駆動部14a・15bには電圧V=V0sin(2πft)を印加し、圧電駆動部14b´・15a´には電圧V=−V0sin(2πft)を印加すれば、結果的に、圧電駆動部14a・15bの伸縮と圧電駆動部14b´・15a´の伸縮の位相を180度ずらすことができるために、圧電駆動部14a等を電圧V=V0sin(2πft)で駆動する場合と同様に、金属球16をZ軸回りに回転させることができる。また、圧電駆動部14a・14b´を電圧V=V0sin(2πft)で駆動し、かつ、圧電駆動部15a´・15bを電圧V=−V0sin(2πft)で駆動することによって、金属球16にY軸回りまたはX軸回りの回転を生じさせることができる。
【0053】
上記説明においては被駆動体として金属球16を例示したが、被駆動体はこれに限定されるものではない。例えば、Z方向を長手方向とするスピンドルのZ方向端面にヘッド13の表面を押し当てれば、このスピンドルを回転させることができる。また、ヘッド13のステージの裏面に押し当て、金属球16をX軸回りまたはY軸回りに回転させる駆動条件において超音波モータ100を駆動すると、このステージをX−Y方向に移動させることができる。超音波モータ100のZ方向が水平方向となるように超音波モータ100を保持する場合等には、超音波モータ100のヘッド13と被駆動体との間に適切な摩擦力が作用するように、超音波モータ100を被駆動体に押圧すればよい。
【0054】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、4つの圧電駆動部の変位の位相をずらすことによって、接頭部に種々の方向の振動を生じさせることができる。このため、被駆動体を接頭部の動きに合わせて適切に配置しておくことによって、被駆動体に所定の動きを生じさせることができる。例えば、本発明の超音波モータは、X−Yステージをスライドさせるための駆動装置や、各種回転装置の回転モータ、として用いることができる。本発明の超音波モータによれば、各種機械の駆動源を省スペース化し、各種機械を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波モータに用いられる圧電アクチュエータの概略構造を示す説明図。
【図2】図1に示す圧電アクチュエータの基本的な変位形態を示す説明図。
【図3】圧電アクチュエータの共振周波数を示すグラフ。
【図4】本発明に係る超音波モータの構造を示す概略側面図。
【図5】図4に示す超音波モータの概略平面図。
【図6】図4に示す超音波モータの概略底面図。
【図7】超音波モータのベース部のねじりモードによる変形を模式的に示す説明図。
【図8】超音波モータ100に生ずる伸縮モードの発生形態を示す説明図。
【図9】ヘッドに生ずる径方向の伸縮振動を示す断面図。
【図10】X方向の曲げモードを示す説明図。
【図11】超音波モータの主要部分の寸法を示す説明図。
【図12】周波数190kHzにおいてヘッドに生ずる振動を模式的に示す説明図。
【図13】周波数221〜235kHzにおける振動モードの位相差を示す説明図。
【図14】圧電駆動部の別の配設形態を示す平面図。
【図15】圧電駆動部のさらに別の配設形態を示す平面図。
【符号の説明】
10;圧電アクチュエータ
11;ベース部
12;ホーン部
13;ヘッド
14a・14b・14b´;圧電駆動部
15a・15a´・15b;圧電駆動部
16;金属球
21;圧電セラミック板
22a・22b;駆動電極
22c;共通電極
23;圧電セラミック板
24a・24b;駆動電極
24c;共通電極
26;ネジ穴
27;孔部
28;ボルト
28a・28b;ネジ切り部
28c;円柱部
29;固定部材
31a・31b;圧電セラミック板
32a・32b;圧電駆動部
33a・33b;圧電セラミック板
34a・34b;圧電駆動部
100;超音波モータ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ultrasonic motor that can be used as a driving device for various machines.
[0002]
[Prior art]
As an ultrasonic motor having a rod shape, Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-107756 discloses an ultrasonic motor including a stator ring, a Langevin type vibrator, and a rotor. Here, the vibrator is made of a piezoelectric ceramic and a metal terminal, and the shapes and sizes of the piezoelectric ceramic and the metal terminal are set so that the resonance frequency of the length vibration of the vibrator and the resonance frequency of the bending vibration are substantially equal. I have. Further, the piezoelectric ceramic has a substantially equally divided drive unit in which the directions of polarization are reversed. In such an ultrasonic motor, an elliptical motion is generated at the tip of the vibrator by applying a predetermined AC voltage to the piezoelectric ceramic, whereby the rotor can be rotated in a predetermined direction. Further, by shifting the phase of the AC voltage applied to the piezoelectric ceramics by 180 degrees, the direction of rotation of the elliptical motion can be reversed, whereby the rotation direction of the rotor can be reversed.
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-7-107756 (FIG. 2, paragraphs 7 to 10)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the ultrasonic motor having such a rod-like shape, the elliptical motion of the portion in contact with the driven body can be generated only in the same plane. Therefore, when this ultrasonic motor is used, for example, as a linear motor, the driven body can be moved only in one direction.
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to provide an ultrasonic motor capable of causing a driven body to make an arbitrary movement.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, a substantially rectangular parallelepiped base portion having surfaces in the Y direction, the X direction, and the Z direction orthogonal to each other,
A substantially conical horn portion disposed on one surface of the Z-direction surface of the base portion;
A prefix provided near the apex of the horn portion and in contact with the driven body;
Four substantially rectangular piezoelectric driving units provided on both surfaces of the base unit in the Y direction and separated in the X direction and polarized in the Y direction;
Holding means for holding the base portion;
With
An ultrasonic motor is provided, wherein a predetermined vibration is applied to the prefix by applying a voltage of a predetermined frequency to the piezoelectric driving unit to move the driven body.
[0006]
In such an ultrasonic motor, vibrations in various directions can be generated in the prefix by displacing the four piezoelectric driving units with their phases shifted. Therefore, by arranging the driven body appropriately in accordance with the movement of the prefix, it is possible to cause the driven body to make a predetermined movement. For example, in order to slide the XY stage, it has conventionally been necessary to use a combination of two ultrasonic motors that can be driven only in one direction. However, if the ultrasonic motor of the present invention is used, the XY stage can be slid by one unit, and the space for disposing the driving source can be saved. Note that the piezoelectric drive unit is specifically a substantially rectangular piezoelectric ceramic element having a longitudinal direction in the Z direction, a width direction in the X direction, a thickness direction in the Y direction, and electrodes provided on the front and back surfaces.
[0007]
There is no limitation on the direction of polarization of the four piezoelectric driving units. For example, the directions of polarization of the four piezoelectric driving units are opposite to each other in the Y direction for the two piezoelectric driving units provided on the same surface, and The two piezoelectric driving units symmetrically positioned with respect to the Z-axis passing through the center of the Z-direction plane have opposite directions in the Y-direction. In this case, by driving the four piezoelectric driving units with the same phase driving voltage using the base unit as a common electrode, it is possible to cause the driven body to move in a predetermined manner. In this case, there is an advantage that the drive power supply can be configured at low cost.
[0008]
In the ultrasonic motor according to the present invention, a hole is formed in the base from the center of the Z-direction surface where the horn is not provided to the horn, and the holding means includes a piezoelectric drive in the hole. It is preferable that the base portion is held at a position corresponding to the center of the portion in the Z direction. One of the reasons for holding the base portion in this way is that the nodes of various vibrations generated in the base portion are located at positions corresponding to the center of the piezoelectric drive portion in the Z direction. Further, it is preferable to form another four holes provided in the base portion in a diagonal of the Z-direction surface of the base portion and provided in parallel with the holes so as to communicate with the holes. By forming these other four holes in the base portion, the base portion is easily deformed, and the vibration of the piezoelectric driving portion efficiently excites the vibration of the base portion. It is preferable that the prefix has a substantially disk shape whose radial direction is a direction perpendicular to the Z direction. The driven body is appropriately arranged so as to be in contact with the surface or side surface of the prefix depending on the vibration direction of the prefix.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is an explanatory view showing a schematic structure of a
[0010]
The
[0011]
The
[0012]
A piezoelectric
[0013]
Similarly, a piezoelectric
[0014]
Thus, the directions of polarization in the
[0015]
Here, the basic driving principle of the
[0016]
When a DC voltage is applied such that the
[0017]
As described above, in the piezoelectric
[0018]
At the tip of the
[0019]
The displacement mode of the
[0020]
FIG. 4 is a schematic side view showing the structure of the
[0021]
A
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
Next, the driving mode of the
[0025]
There are four basic vibration modes generated in the portion from the
[0026]
The first vibration mode is the torsional mode previously shown in FIG. FIG. 7 is an explanatory view schematically showing a state of deformation of the
[0027]
Therefore, for example, the
[0028]
Note that the vibration in the torsion mode has a central portion in the Z direction such as the
[0029]
The second vibration mode is an expansion / contraction mode in the Z direction (hereinafter, referred to as “Z-axis expansion / contraction mode”). There are three types of causes for the Z-axis expansion / contraction mode described below. 8A and 8B are explanatory diagrams showing a mode of occurrence of a Z-axis expansion / contraction mode generated in the
[0030]
As shown in FIG. 8 (a), the Z-direction length of the piezoelectric
[0031]
Further, the piezoelectric
[0032]
The third vibration mode is a mode of radial vibration generated in the
[0033]
The fourth vibration mode is a pseudo bending mode. To describe the pseudo bending mode, the bending mode will be described first. FIG. 10 is an explanatory diagram showing a bending mode in the X direction. The voltage V = V is applied to the
[0034]
However, the voltage V = V is applied to the
[0035]
However, as described later, in the
[0036]
Next, the movement of the
[0037]
FIG. 11 is an explanatory diagram showing the dimensions of the main part of the
[0038]
[Table 1]
[0039]
When the frequency is about 109 kHz, the first-order pseudo bending mode is mainly used, and the first-order Z-direction expansion and contraction mode (lower-frequency side of the resonance at 120 kHz) and the slightly first-order torsion mode (the resonance at 145 kHz) are used. The
[0040]
When the frequency is about 145 kHz, the
[0041]
At a frequency of about 190 kHz, the
[0042]
As shown in FIG. 4 described above, since the pressure N (= contact pressure / unit diameter) is acting between the
[0043]
When the frequency is about 221 to 226 kHz, the
[0044]
FIG. 13 is an explanatory view showing such a phase change. FIG. 13A shows the case where the
[0045]
In FIG. 13A, since the torsional displacement Utr increases when the Z-direction displacement Uax increases, the
[0046]
Even at a frequency higher than the above-described frequency, the
[0047]
The method of driving the
[0048]
The voltage V = V is applied to the
[0049]
Further, the voltage V = V is applied to the
[0050]
Furthermore, the voltage V = V is applied to the
[0051]
Although the embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to such embodiments. For example, the form in which two
[0052]
Further, the direction of the polarization in the
[0053]
In the above description, the
[0054]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, vibrations in various directions can be generated in the prefix by shifting the phases of displacement of the four piezoelectric driving units. Therefore, by arranging the driven body appropriately in accordance with the movement of the prefix, it is possible to cause the driven body to make a predetermined movement. For example, the ultrasonic motor of the present invention can be used as a driving device for sliding an XY stage or a rotating motor of various rotating devices. ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the ultrasonic motor of this invention, the drive source of various machines can save space, and various machines can be reduced in size.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view showing a schematic structure of a piezoelectric actuator used in an ultrasonic motor according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory view showing a basic displacement mode of the piezoelectric actuator shown in FIG.
FIG. 3 is a graph showing a resonance frequency of a piezoelectric actuator.
FIG. 4 is a schematic side view showing the structure of an ultrasonic motor according to the present invention.
FIG. 5 is a schematic plan view of the ultrasonic motor shown in FIG.
FIG. 6 is a schematic bottom view of the ultrasonic motor shown in FIG.
FIG. 7 is an explanatory view schematically showing deformation of a base portion of the ultrasonic motor in a torsion mode.
FIG. 8 is an explanatory diagram showing a mode of occurrence of an expansion / contraction mode generated in the
FIG. 9 is a cross-sectional view illustrating radial expansion and contraction vibration generated in the head.
FIG. 10 is an explanatory diagram showing a bending mode in the X direction.
FIG. 11 is an explanatory view showing dimensions of main parts of the ultrasonic motor.
FIG. 12 is an explanatory view schematically showing vibration generated in a head at a frequency of 190 kHz.
FIG. 13 is an explanatory diagram showing a phase difference of a vibration mode at frequencies 221 to 235 kHz.
FIG. 14 is a plan view showing another arrangement of the piezoelectric driving unit.
FIG. 15 is a plan view showing still another arrangement of the piezoelectric driving unit.
[Explanation of symbols]
10; piezoelectric actuator
11; base part
12; Horn part
13; head
14a, 14b, 14b '; piezoelectric drive unit
15a, 15a ', 15b; piezoelectric drive unit
16; metal ball
21; piezoelectric ceramic plate
22a ・ 22b; drive electrode
22c; common electrode
23; piezoelectric ceramic plate
24a and 24b; drive electrodes
24c; common electrode
26; Screw hole
27; hole
28; bolt
28a, 28b; threaded part
28c; cylindrical part
29; fixing member
31a and 31b; piezoelectric ceramic plates
32a, 32b; piezoelectric drive unit
33a, 33b; piezoelectric ceramic plate
34a, 34b; piezoelectric drive unit
100; ultrasonic motor
Claims (5)
前記ベース部のZ方向面の一面に配設された略円錐形状のホーン部と、
前記ホーン部の頂点近傍に設けられ、被駆動体と接する接頭部と、
前記ベース部のY方向面の両面に前記X方向に分けて設けられ、Y方向に分極された略矩形の4つの圧電駆動部と、
前記ベース部を保持する保持手段と、
を具備し、
前記圧電駆動部に所定周波数の電圧を印加することによって前記接頭部に所定の振動を生じさせ、前記被駆動体を動かすことを特徴とする超音波モータ。A substantially rectangular parallelepiped base portion having surfaces in X direction, Y direction, and Z direction orthogonal to each other;
A substantially conical horn portion disposed on one surface of the Z-direction surface of the base portion;
A prefix provided near the apex of the horn portion and in contact with the driven body;
Four substantially rectangular piezoelectric driving units provided on both surfaces of the base unit in the Y direction and separated in the X direction and polarized in the Y direction;
Holding means for holding the base portion;
With
An ultrasonic motor, wherein a predetermined vibration is applied to the prefix by applying a voltage of a predetermined frequency to the piezoelectric driving unit to move the driven body.
前記保持手段は、前記孔部内の前記圧電駆動部の前記Z方向の中央部に相当する位置で、前記ベース部を保持していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波モータ。The base portion has a hole formed from the center of the Z-direction surface where the horn portion is not provided toward the horn portion,
3. The ultra-high-pressure supercharger according to claim 1, wherein the holding unit holds the base at a position corresponding to a center of the piezoelectric driving unit in the Z direction in the hole. 4. Sound wave motor.
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