JP2004288751A - 発光素子モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、発光素子の高精度、高安定な波長制御が可能になるように、駆動回路等の放熱特性を向上させた発光素子モジュールを提供することを目的とする。また、発光素子モジュールの構成部品の筐体内部への設置を容易にして、組み立て性のよい発光素子モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置されたヒートシンクと、発光素子モジュールの筐体の内部に配置されたキャリアと、該キャリアの上面に搭載された断熱材と、前記キャリアの上面に搭載され、光通信用の変調光を出射する発光素子と、前記ヒートシンクと前記断熱材とにまたがって搭載された駆動回路用基板と、駆動回路用基板に搭載され、前記発光素子を駆動する駆動回路とを有する発光素子モジュールである。
【選択図】 図4
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置されたヒートシンクと、発光素子モジュールの筐体の内部に配置されたキャリアと、該キャリアの上面に搭載された断熱材と、前記キャリアの上面に搭載され、光通信用の変調光を出射する発光素子と、前記ヒートシンクと前記断熱材とにまたがって搭載された駆動回路用基板と、駆動回路用基板に搭載され、前記発光素子を駆動する駆動回路とを有する発光素子モジュールである。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子と該発光素子を駆動する駆動回路とを有する発光素子モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムの構成を図1に示す。図1に示すように、光通信システムは光送信機81と光受信機82との間を光ファイバ83で接続している。光送信機81は発光素子モジュール84を内蔵し、光受信機82は受光素子モジュール85を内蔵する。光送信機81が内蔵する発光素子モジュール84から出射した光通信用の変調光は、光ファイバ83を伝搬する間に光ファイバの分散により歪を受ける。このため、この歪が大きいと光受信機82の内蔵する受光素子モジュール85では正常な信号を再生することが出来なくなる。歪は発光素子モジュール81の出射する光通信用の変調光の波長に大きく依存するため、発光素子モジュール81の出射する光通信用の変調光の波長を一定に維持する必要がある。波長は発光素子モジュールの温度に敏感であるため、発光素子モジュールの温度を出来る限り安定に保つことが要求される。
【0003】
従来の発光素子モジュール84の平面図を図2に、図2のA−A’線での断面図を図3に示す(例えば、特許文献1参照。)。図2、図3において、101はモジュール筺体、102はペルチェクーラ、103は光出力部、104はレンズ、105は金属ブロック、107は電界吸収型変調器集積回路DFB型のレーザ素子、108はモニター用受光素子、110はセラミック製基板、112は信号入力ピン、113は増幅回路素子、115はボンディングワイヤである。
【0004】
図2、図3に示すように、モジュール筺体101の内部にペルチェクーラ102と、その上面に搭載されるレンズ104を取り付けた金属ブロック105と、レーザ素子107、及びモニター用受光素子108等を備える。これらでレーザ素子107の出力光強度と動作温度の制御を行う結果、光出力部103から得られる光出力の出力光強度と波長が安定化される。モジュール筺体101の外部から信号入力ピン112に入力された変調信号は、モジュール筺体101を貫通するセラミック製基板110の上の配線を介して増幅回路素子113に到達する。セラミック製基板110の上に搭載された増幅回路素子113で信号処理された後、ボンディングワイヤ115で結線されたレーザ素子107を駆動する。
【0005】
このような構造の発光素子モジュールでは、増幅回路素子113で発生した熱はセラミック製基板110を通して外部に伝導することになるが、セラミック製基板110は薄いため、ヒートシンクとして十分に機能せず、この結果、増幅回路素子113の温度が上がり、発光素子モジュール内部の温度が上昇することになる。このため、レーザ素子107及びペルチェクーラ102が加熱され、レーザ素子107の高精度、高安定な波長制御が不可能になってしまう。
【0006】
また、発光素子モジュールの組み立て工程では、モジュール筺体101へのセラミック製基板110の取り付けがペルチェクーラ102の取り付けに先行するため、セラミック製基板110が取り付けられたモジュール筺体101の内部にペルチェクーラ102、金属ブロック105を順次実装する際に、モジュール筺体101のセラミック製基板110が障害となる。特に、レーザ素子107を搭載した金属ブロック105をペルチェクーラ102上に設置するときは、レーザ素子107と増幅回路素子113とをボンディングワイヤで結線できる距離であって、レーザ素子107と光出力部103との精密な相対位置になるように金属ブロック105を位置決めすることが必要となる。この位置決めには、中央近くまで突き出たセラミック製基板110が障害となり、表面実装による自動化を図ることが不可能になる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−91695号公報 (第1図、第2図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するために、発光素子の高精度、高安定な波長制御が可能になるように、駆動回路等の放熱特性を向上させた発光素子モジュールを提供することを目的とする。また、発光素子モジュールの構成部品の筐体内部への設置を容易にして、組み立て性のよい発光素子モジュールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本願第一発明は、発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置されたヒートシンクと、発光素子モジュールの筐体の内部に配置されたキャリアと、該キャリアの上面に搭載された断熱材と、該キャリアの上面に搭載され、光通信用の変調光を出射する発光素子と、該ヒートシンクと該断熱材とにまたがって搭載された駆動回路用基板と、該駆動回路用基板に搭載され、該発光素子を駆動する駆動回路と、を有する発光素子モジュールである。
【0010】
本願第一発明により、駆動回路等の放熱特性を向上させた発光素子モジュールとすることができ、また、発光素子モジュールの構成部品の筐体内部への設置を容易にして、組み立て性のよい発光素子モジュールとすることができる。
【0011】
本願第二発明は、発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置されたヒートシンクと、発光素子モジュールの筐体の内部に配置されたキャリアと、該キャリアの上面に搭載された断熱材と、該キャリアの上面に搭載されたサブキャリアと、該サブキャリアの上面に搭載され、光通信用の変調光を出射する発光素子と、該ヒートシンクと該断熱材とにまたがって搭載された駆動回路用基板と、該駆動回路用基板に搭載され、該発光素子を駆動する駆動回路と、を有する発光素子モジュールである。
【0012】
本願第二発明により、駆動回路等の放熱特性を向上させた発光素子モジュールとすることができ、また、発光素子モジュールの構成部品の筐体内部への設置を容易にして、組み立て性のよい発光素子モジュールとすることができる。
【0013】
本願第三発明は、本願第一又は第二発明において、駆動回路用基板とヒートシンクとの間の熱抵抗が駆動回路用基板と断熱材との間の熱抵抗よりも小さいことを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第三発明により、駆動回路用基板からヒートシンクへの熱伝導の効率を向上させた発光素子モジュールとすることができる。
【0014】
本願第四発明は、本願第一、第二、又は第三発明において、さらに、前記キャリアの上面に搭載され、前記発光素子からの後方光の出力強度をモニターする受光素子を有することを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第四発明により、発光素子モジュールからの出力を安定化することができる。
【0015】
本願第五発明は、本願第一、第二、第三、又は第四発明における発光素子は、半導体レーザと該半導体レーザからの前方光を変調する変調器とから構成されていることを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第五発明により、発光素子モジュールの波長を安定化することができ、又半導体レーザの発振波長幅を狭くすることができる。
【0016】
本願第六発明は、本願第一、第二、第三、第四、又第五発明において、さらに、キャリアの上面に搭載され、発光素子からの後方光の波長を検出する波長検出素子を有することを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第六発明により、発光素子モジュールの高精度、高安定な波長制御を可能する。
【0017】
本願第七発明は、本願第六発明の波長検出素子が、発光素子からの後方光の一部の出力強度を検出する第一の受光素子と、発光素子からの後方光の一部を波長によって異なる透過率で透過させる分光板と、分光板を透過した後方光の一部の出力強度を検出する第二の受光素子と、を備えていることを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第七発明により、発光素子モジュールの高精度、高安定な波長制御を可能する。
【0018】
本願第八発明は、本願第六発明の波長検出素子が、発光素子からの後方光の一部を波長によって異なる透過率で透過させ、一部を波長によって異なる反射率で反射する波長板と、波長板を透過した後方光の出力強度を検出する第一の受光素子と、波長板で反射した後方光の出力強度を検出する第二の受光素子とを備えていることを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第八発明により、発光素子モジュールの高精度、高安定な波長制御を可能する。
【0019】
本願第九発明は、本願第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、又は第八発明において、さらに、発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置され、前記キャリアを搭載する温度制御素子を有することを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第九発明により、発光素子モジュールの波長を安定化することができる。
【0020】
本願第十発明は、本願第九発明の温度制御素子がペルチェ素子であることを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第十発明により、発光素子モジュールの波長を安定化することができる。
なお、これらの構成は可能な限り組み合わせることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態である発光素子モジュールの内部平面図を図4に、図4におけるA−A’
線での断面図を図5に示す。図4、図5において、10は発光素子モジュール、11はヒートシンク、12は駆動回路、13は駆動回路用基板、14は接続基板、15は筺体、16は筺体の内部底面、17はアイソレータ、18はレンズ、22は発光素子、23は受光素子、24はキャリア、25は温度制御素子、26は断熱材、27は電極板である。
【0022】
図4、図5に示すように、筺体15の内部底面16には温度制御素子25が設置される。温度制御素子25としては、ペルチェ素子又はヒータが適用できる。温度制御素子を設けることにより、発光素子22の温度を一定に保つことができ、発光素子モジュールの波長を安定化することができた。発光素子としては、変調器集積型DFBや直接変調型DFBなどが使用できる。
【0023】
温度制御素子25の上面にはキャリア24が搭載され、さらにキャリア24の上面には発光素子22、レンズ18、アイソレータ17、受光素子23が搭載される。発光素子22は前方と後方の両方に変調光を出射する。前方への変調光を前方光、後方への変調光を後方光と呼ぶ。前方光はレンズ18によって集光され、アイソレータ17を介して、発光素子モジュール10の外部に出力する。アイソレータ17は外部からの戻り光が発光素子22に結合して発光素子22の動作に影響することを防止するために設けられる。前方光と後方光は出力強度が相関関係にあるため、後方光を受光素子23で受光して、後方光の出力強度が一定になるように制御することによって、発光素子モジュールの出力を安定化することができる。
【0024】
発光素子22の近傍には、サーミスタ(図示せず)が搭載され、発光素子モジュール10の周囲温度又は発光素子モジュール10の内部温度が変動しても、発光素子22の動作温度が一定に保たれるように温度制御素子25を制御する。
【0025】
筺体の内部底面16には温度制御素子25と一定距離をおいてヒートシンク11が設置される。ヒートシンク11と筺体の内部底面16との接合はロウ付け固定となっている。ヒートシンク11には駆動回路用基板13が半田付け固定で搭載され、駆動回路用基板13には、さらに駆動回路12が搭載される。駆動回路12は発光素子22を駆動する。駆動回路12は電力消費が大きく、放熱機構がなければ駆動回路12で発生した熱が駆動回路12の周辺に輻射して発光素子22を加熱、又は発光素子モジュール10の内部に蓄積されて発光素子22を加熱することになる。駆動回路用基板13には、駆動回路12で発生した熱を良好に熱伝導するために、CuWが適用されている。駆動回路用基板13の上面は、駆動回路12がベアチップ状態で搭載する領域、その周辺に適宜設けられる電源端子や接地端子のための領域、キャパシタ等の電子部品の搭載領域を持つ。本発明では、駆動回路12で発生した熱は駆動回路用基板13を介して、ヒートシンク11に伝導し、筺体15を通って筺体の外部に放熱される。ヒートシンク11の材質としてはCuWの表面を金メッキしたものが好適であるが、アルミニウム、金、銅などの金属あるいはセラミックスなどの熱伝導性の良好な材料であればよい。
【0026】
一方、駆動回路用基板13は、ヒートシンク11と断熱材26とにまたがって搭載される。断熱材26は、筺体の内部底面16に設置せず、キャリア24の上面に搭載することによってキャリア24のスペースを有効に利用し、発光素子モジュール全体の小型化を図っている。また、断熱材26をヒートシンク11に並行して設置することにより、昇温したヒートシンク11から発光素子22への熱輻射を遮る効果を得ることができる。断熱材26には熱伝導率の小さいガラスが好適であるが、エンジニアリングプラスチックに代表される有機材料や断熱性セラミック材料等の低熱伝導材料であればよい。
【0027】
駆動回路用基板13がヒートシンク11に面接触して密着するように、ヒートシンク11の上面と断熱材26の上面とはその高さが一致するか、あるいはヒートシンク11の上面が断熱材26の上面より若干高めになるように設定される。このように設定することにより、駆動回路用基板13がヒートシンク11に密着することによって、駆動回路用基板13からヒートシンク11への良好な熱伝導が確保される。また、前述したように、断熱材26はヒートシンク11よりも熱伝導率が高い材料が選定される。従って、駆動回路12で発生した熱がキャリア24に伝導する割合は小さく、大部分はヒートシンク11を伝導して筺体外部に放熱されることになる。
【0028】
さらに、駆動回路用基板13とヒートシンク11との間の熱抵抗を駆動回路用基板13と断熱材26との間の熱抵抗よりも小さくすることが好ましい。駆動回路用基板13とヒートシンク11との間の熱抵抗を駆動回路用基板13と断熱材26との間の熱抵抗よりも小さくすることによって、駆動回路12で発生した熱が断熱材26よりもヒートシンク11を伝導して、筺体外部に放熱されやすくなる。例えば、駆動回路用基板13とヒートシンク11との接触面積を駆動回路用基板13と断熱材26との接触面積よりも広くすることによって、熱抵抗を小さくすることができる。
【0029】
筺体15の側部に設置される電極板27は、アルミナセラミックス等の電気絶縁材料の表面に金属配線層を施したものである。電極板27は筺体15の側部を貫通するように嵌めこまれている。電極板27と筺体15の側部貫通孔内面とは銀ロウ等のロウ材を介して接合される。筺体外部から入力される信号は、電極板27からボンディングワイヤで直接に駆動回路12に入力されるか、又は接続基板14が必要に応じて設けられ、電極板27から接続基板14を経由してボンディングワイヤで駆動回路12に入力される。発光素子22への変調信号は、電極板27の入力端子(図示せず)から発光素子22に至る距離が最短になるように、電極板27の上面やキャリア24の上面に設けられたマイクロストリップラインを介してボンディングワイヤで発光素子22へ接続されることが望ましい。その他の制御信号や電源は接続基板14など他の経路を経由して駆動回路12に接続されてもよい。
【0030】
本実施の形態では、駆動回路12は電極板27ではなく、駆動回路用基板13に搭載することから、筺体15の内部への電極板27の突き出し長は、電極板27から駆動回路用基板13へのボンディングワイヤのボンディング領域が確保できる程度の短さでよい。このため、図2、図3に示す従来構造のような筺体の内部への突き出しがなくなり、筺体15の内部に温度制御素子25やキャリア24を実装するための作業空間が確保される。
【0031】
本発明の発光素子モジュールの製造方法について図4、図5を用いて説明する。まず、ロウ付けなどによって電極板27が取り付けられた筺体15を準備し、次に筺体の内部底面16の所定の位置にヒートシンク11をロウ付けし、さらに温度制御素子25を所定の位置に半田付けする。次に、別工程でキャリア24の上面に断熱材26をロウ付けによって取り付けておき、断熱材26の取り付いたキャリア24を温度制御素子25の上面に固定する。さらに、別工程で駆動回路12を駆動回路用基板13に搭載しておき、ヒートシンク11と断熱材26とにまたがって、駆動回路用基板13を銀ペーストあるいは半田を用いて固定する。固定した駆動回路用基板13と発光素子22又は電極板27との間はワイヤボンディングを実施する。このように、本実施の形態で説明する発光素子モジュールでは、電極板27の筺体内部への突き出しは僅かであるため、ヒートシンク11や温度制御素子25を筺体の内部底面16に半田付けする工程では作業が容易になる。
【0032】
従って、本実施の形態で説明した発光素子モジュールは、駆動回路等の放熱特性を向上させることができた。また、発光素子等を搭載したキャリアを発光素子モジュールの筐体内部へ設置することを容易にして組み立て性を向上させることができた。
【0033】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態である発光素子モジュールの内部平面図を図6に、図6におけるA−A’
線での断面図を図7に示す。図6、図7において、10は発光素子モジュール、11はヒートシンク、12は駆動回路、13は駆動回路用基板、14は接続基板、15は筺体、16は筺体の内部底面、17はアイソレータ、18はレンズ、19はサブキャリア、22は発光素子、23は受光素子、24はキャリア、25は温度制御素子である。
【0034】
図6、図7に示すように、筺体15の内部底面16には温度制御素子25が設置される。温度制御素子25としては、ペルチェ素子又はヒータが適用できる。温度制御素子25の上面にはキャリア24が搭載され、さらにキャリア24の上面にはサブキャリア19、レンズ18、アイソレータ17、受光素子23が搭載される。サブキャリア19の上面には発光素子22が搭載される。
【0035】
サブキャリア構成とすることにより、精密な位置合わせの必要な複数の精密光学部品を別工程でサブキャリア19に搭載して、サブキャリア19をさらにキャリア24に搭載すると、発光素子モジュールの製造工程が簡易になる。また、サブキャリア構成としても、駆動回路12で発生した熱をヒートシンク11経由で筺体15の外部に放熱するため特性には影響しない。
【0036】
発光素子が半導体レーザと外部変調器で構成され、これらをサブキャリアに搭載した例を図8に示す。図8において、19はサブキャリア、20は半導体レーザ、21は外部変調器、28は金属配線である。
【0037】
半導体レーザを信号で変調すると、波長が変動したり発振波長幅が広くなったりすることから、発光素子モジュールを高速の光通信システムに適用する場合は、半導体レーザを一定出力で駆動し、外部変調器で変調する構成が好適である。半導体レーザには波長が安定で、発振波長幅の狭いDFB(Distributed Feedback)型半導体レーザ等が適用されることがある。外部変調器には変調特性の良好な電界吸収型変調器が好適である。半導体レーザ20の光出力を精密に位置決めして外部変調器21に結合させる必要があることから、発光素子モジュールの組み立て工程とは別の工程で、サブキャリア19上に半導体レーザ20と外部変調器21とを搭載して、サブキャリア19を図6、図7で示すキャリア24に固定すると、発光素子モジュールの製造工程が簡易になる。
【0038】
従って、本実施の形態で説明した発光素子モジュールは、サブキャリ構成とすることにより、発光素子モジュールの製造を容易にした。また、駆動回路等の放熱特性を向上させることができた。さらに、サブキャリア等を搭載したキャリアを発光素子モジュールの筐体内部へ設置することを容易にして組み立て性を向上させることができた。
【0039】
(実施の形態3)
本発明の発光素子モジュールは、発光素子の発振する波長を精密制御するために、発光素子からの後方光の波長を検出する波長検出素子を付加したものである。波長検出素子を付加した発光素子モジュールの実施の形態について説明する。本実施の形態に使用する波長検出素子を付加したキャリアを図9に示す。図9において、17はアイソレータ、18はレンズ、19はサブキャリア、20は半導体レーザ、21は外部変調器、24はキャリア、30は分光板、31は第一の受光素子、32は第二の受光素子、33はレンズである。
【0040】
図9ではサブキャリア19の上面に半導体レーザ20と外部変調器21を搭載しているが、半導体レーザ20と外部変調器21を直接、キャリア24に搭載してもよい。また、外部変調器と半導体レーザが一体集積された外部変調器付半導体レーザを用いてもよく、さらに、外部変調器21を用いることなく、半導体レーザ20を直接変調する構成でもよい。図9に示すキャリア等が図4、図5に示す発光素子モジュール10、又は図6、図7に示す発光素子モジュール10の内部に配置される。
【0041】
図9に示すように、半導体レーザ20の後方に、半導体レーザ20からの後方光を平行ビームにするレンズ33と、平行ビームの一部に挿入される分光板30と、分光板30の後方に分光板30を透過してきた光を受光する第一の受光素子31と、レンズ33から分光板30を透過せずに直接到達する光を受光する第二の受光素子32とが配置されている。分光板30は平行ビームの波長によって透過率が異なる特性であればよい。例えば、エタロンを分光板として適用することができる。
【0042】
第二の受光素子32は、半導体レーザ20の後方光をモニターして、後方光の出力強度が一定になるように制御することによって、発光素子モジュールの出力を安定化する。第一の受光素子31は分光板30を透過した後方光をモニターする。分光板30は波長によって透過率が異なるため、半導体レーザからの後方光出力が一定であれば、波長によって第一の受光素子31が受光する光強度は異なる。波長に対する受光素子への入力光強度の例を図10に示す。第二の受光素子32への入力光強度は、波長に対して一定であるが、第一の受光素子31への入力光強度は波長によって異なる。そこで、第一の受光素子31への入力強度が一定になるように、又は、第二の受光素子32への入力光強度と第一の受光素子31への入力光強度の比が一定になるように、半導体レーザの発振する波長を制御する。発振する波長の制御方法としては、例えば、半導体レーザの発振する波長が温度によって変化することを利用して、所定の波長で発振するように半導体レーザの周囲温度を制御する。
【0043】
このような波長検出素子を付加することによって、半導体レーザの高精度、高安定な波長制御が可能になる。
【0044】
他の波長検出素子を付加したキャリアを図11に示す。図11において、17はアイソレータ、18はレンズ、19はサブキャリア、20は半導体レーザ、21は外部変調器、24はキャリア、31は第一の受光素子、32は第二の受光素子、33はレンズ、34は波長板である。
【0045】
図11ではサブキャリア19の上面に半導体レーザ20と外部変調器21を搭載しているが、半導体レーザ20と外部変調器21を直接、キャリア24に搭載してもよい。また、外部変調器と半導体レーザが一体集積された外部変調器付半導体レーザを用いてもよく、さらに、外部変調器21を用いることなく、半導体レーザ20を直接変調する構成でもよい。図11に示すキャリア等が図4、図5に示す発光素子モジュール10、又は図6、図7に示す発光素子モジュール10の内部に配置される。
【0046】
図11に示すように、半導体レーザ20の後方に、半導体レーザ20からの後方光を平行ビームにするレンズ33と、平行ビームに挿入される波長板34と、波長板34の後方に波長板34を透過してきた光を受光する第一の受光素子31と、波長板34を反射してきた光を受光する第二の受光素子32とが配置されている。波長板は平行ビームの波長によって透過率及び反射率が異なり、平行ビームの波長によらず透過率及と反射率との和が一定である特性であればよい。例えば、エタロンを波長板として適用することができる。
【0047】
ここで、波長板34への入射角が大きい場合には、入射光の偏波状態で分光特性が劣化する場合がある。これを避けるには、波長板34への入射角が小さくなるように、波長板34の面の傾きを設定すればよい。波長板34への入射角が小さくなるようにし過ぎて設定すると、第二の受光素子32とレンズ33あるいは半導体レーザ20との間隔が狭くなるため、第二の受光素子32の配置が困難になるときがある。このような場合には、分光板のp波入射面又はs波入射面とレーザ光の偏光面とを一致させる設定が有効である。エタロン等の波長依存性の強い素子を波長板として用いるためには、偏波依存性への影響を小さくできるよう入射角を15度以下に設定することが好ましい。レーザ光のように偏波消光比が高い光が波長板に直接入射する図11の構成の場合には、上記説明したように偏光面を一致させるような入射条件の規定により波長板への入射角を大きく設定することができる。
【0048】
本構成では、第二の受光素子32への入力強度は半導体レーザ20の波長変化と強度変化の両方で生じるので、第二の受光素子32への入力強度のみをモニターして半導体レーザ20の光強度を一定に制御する方法は採用できない。波長に対する受光素子への入力光強度の例を図12に示す。本構成で半導体レーザ20の光強度を一定に制御するためには、第一の受光素子31と第二の受光素子32への入力強度を同時にモニターし、両者の和を一定とする制御をする必要がある。その上で、第一の受光素子31若しくは第二の受光素子32への入力強度が一定になるように、又は、第一の受光素子31への入力光強度と第二の受光素子32への入力光強度との比が一定になるような制御をすれば、半導体レーザの発振波長と光強度を一定にすることができる。
【0049】
このような波長検出素子を付加することによって、半導体レーザの高精度、高安定な波長制御が可能になる。また、2つの受光素子を近接して配置できない場合に、このような波長検出素子が有効である。
【0050】
図13に波長検出素子を付加したキャリアを有する別の例を示す。図13において、17はアイソレータ、18はレンズ、19はサブキャリア、20は半導体レーザ、21は外部変調器、24はキャリア、30は分光板、31は第一の受光素子、32は第二の受光素子、33はレンズ、35はビームスプリッタである。図13では、図11の波長板に替えて波長依存性のないビームスプリッタ35を用い、ビームスプリッタ35を通過した光ビーム中に分光板30を挿入するものである。
【0051】
図13ではサブキャリア19の上面に半導体レーザ20と外部変調器21を搭載しているが、半導体レーザ20と外部変調器21を直接、キャリア24に搭載してもよい。また、外部変調器と半導体レーザが一体集積された外部変調器付半導体レーザを用いてもよく、さらに、外部変調器21を用いることなく、半導体レーザ20を直接変調する構成でもよい。図13に示すキャリア等が図4、図5に示す発光素子モジュール10、又は図6、図7に示す発光素子モジュール10の内部に配置される。
【0052】
図13に示すように、半導体レーザ20の後方に、半導体レーザ20からの後方光を平行ビームにするレンズ33と、平行ビームの一部に挿入されるビームスプリッタ35と、分光板30と、分光板30の後方に分光板30を透過してきた光を受光する第一の受光素子31と、レンズ33からビームスプリッタ35で反射された光を受光する第二の受光素子32とが配置されている。ビームスプリッタ35は平行ビームの波長に依存せず、一定の分岐比を有するものであればよい。分光板30は平行ビームの波長によって透過率が異なる特性であればよい。例えば、エタロンを分光板として適用することができる。
【0053】
第二の受光素子32は、半導体レーザ20の後方光をモニターして、後方光の出力強度が一定になるように制御することによって、発光素子モジュールの出力を安定化する。第一の受光素子31は分光板30を透過した後方光をモニターする。分光板30は波長によって透過率が異なるため、半導体レーザからの後方光出力が一定であれば、波長によって第一の受光素子31が受光する光強度は異なる。波長に対する受光素子への入力光強度の前述した図10のようであれば、第二の受光素子32への入力光強度は、波長に対して一定であるが、第一の受光素子31への入力光強度は波長によって異なる。そこで、第一の受光素子31への入力強度が一定になるように、又は、第二の受光素子32への入力光強度と第一の受光素子31への入力光強度の比が一定になるように、前述した制御方法で半導体レーザの発振する波長を制御する。
【0054】
このような波長検出素子を付加することによって、半導体レーザの高精度、高安定な波長制御が可能になる。また、 2つの受光素子を近接して配置できない場合に、このような波長検出素子が有効である。
【0055】
従って、本実施の形態で説明した波長検出素子を付加した発光素子モジュールは、発光素子の高精度、高安定な波長制御を可能にすることができた。また、駆動回路等の放熱特性を向上させることができた。さらに、発光素子等を搭載したキャリアを発光素子モジュールの筐体内部へ設置することを容易にして組み立て性を向上させることができた。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば発光素子モジュールに搭載する駆動回路等の放熱特性を向上させることができ、発光素子の高精度、高安定な波長制御が可能になる。また、発光素子を搭載したキャリアの設置を容易にして組み立て性のよい発光素子モジュールとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光通信システムの構成を説明する図である。
【図2】従来の発光素子モジュール84の平面図である。
【図3】従来の発光素子モジュール84の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態である発光素子モジュールの内部平面図である。
【図5】本発明の実施の形態である発光素子モジュールの断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態である発光素子モジュールの内部平面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である発光素子モジュールの断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態である発光素子モジュールに配置されるサブキャリアの状態を説明する図である。
【図9】本実施の形態に使用する波長検出素子を付加したキャリアを説明する図である。
【図10】波長に対する受光素子への入力光強度の例を説明する図である。
【図11】本実施の形態に使用する他の波長検出素子を付加したキャリアを説明する図である。
【図12】波長に対する受光素子への入力光強度の例を説明する図である。
【図13】本実施の形態に使用する他の波長検出素子を付加したキャリアを説明する図である。
【符号の説明】
10:発光素子モジュール
11:ヒートシンク
12:駆動回路
13:駆動回路用基板
14:接続基板
15:筺体
16:筺体の内部底面
17:アイソレータ
18:レンズ
19:サブキャリア
20:半導体レーザ
21:外部変調器
22:発光素子
23:受光素子
24:キャリア
25:温度制御素子
26:断熱材
27:電極板
30:分光板
31:第一の受光素子
32:第二の受光素子
33:レンズ
34:波長板
35:ビームスプリッタ
81:光送信機
82:光受信機
83:光ファイバ
84:発光素子モジュール
85:受光素子モジュール
101:モジュール筺体
102:ペルチェクーラ
103:光出力部
104:レンズ
105:金属ブロック
107:電界吸収型変調器集積回路DFB型のレーザ素子
108:モニター用受光素子
110:セラミック製基板
112:信号入力ピン
113:増幅回路素子
115:ボンディングワイヤ
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子と該発光素子を駆動する駆動回路とを有する発光素子モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムの構成を図1に示す。図1に示すように、光通信システムは光送信機81と光受信機82との間を光ファイバ83で接続している。光送信機81は発光素子モジュール84を内蔵し、光受信機82は受光素子モジュール85を内蔵する。光送信機81が内蔵する発光素子モジュール84から出射した光通信用の変調光は、光ファイバ83を伝搬する間に光ファイバの分散により歪を受ける。このため、この歪が大きいと光受信機82の内蔵する受光素子モジュール85では正常な信号を再生することが出来なくなる。歪は発光素子モジュール81の出射する光通信用の変調光の波長に大きく依存するため、発光素子モジュール81の出射する光通信用の変調光の波長を一定に維持する必要がある。波長は発光素子モジュールの温度に敏感であるため、発光素子モジュールの温度を出来る限り安定に保つことが要求される。
【0003】
従来の発光素子モジュール84の平面図を図2に、図2のA−A’線での断面図を図3に示す(例えば、特許文献1参照。)。図2、図3において、101はモジュール筺体、102はペルチェクーラ、103は光出力部、104はレンズ、105は金属ブロック、107は電界吸収型変調器集積回路DFB型のレーザ素子、108はモニター用受光素子、110はセラミック製基板、112は信号入力ピン、113は増幅回路素子、115はボンディングワイヤである。
【0004】
図2、図3に示すように、モジュール筺体101の内部にペルチェクーラ102と、その上面に搭載されるレンズ104を取り付けた金属ブロック105と、レーザ素子107、及びモニター用受光素子108等を備える。これらでレーザ素子107の出力光強度と動作温度の制御を行う結果、光出力部103から得られる光出力の出力光強度と波長が安定化される。モジュール筺体101の外部から信号入力ピン112に入力された変調信号は、モジュール筺体101を貫通するセラミック製基板110の上の配線を介して増幅回路素子113に到達する。セラミック製基板110の上に搭載された増幅回路素子113で信号処理された後、ボンディングワイヤ115で結線されたレーザ素子107を駆動する。
【0005】
このような構造の発光素子モジュールでは、増幅回路素子113で発生した熱はセラミック製基板110を通して外部に伝導することになるが、セラミック製基板110は薄いため、ヒートシンクとして十分に機能せず、この結果、増幅回路素子113の温度が上がり、発光素子モジュール内部の温度が上昇することになる。このため、レーザ素子107及びペルチェクーラ102が加熱され、レーザ素子107の高精度、高安定な波長制御が不可能になってしまう。
【0006】
また、発光素子モジュールの組み立て工程では、モジュール筺体101へのセラミック製基板110の取り付けがペルチェクーラ102の取り付けに先行するため、セラミック製基板110が取り付けられたモジュール筺体101の内部にペルチェクーラ102、金属ブロック105を順次実装する際に、モジュール筺体101のセラミック製基板110が障害となる。特に、レーザ素子107を搭載した金属ブロック105をペルチェクーラ102上に設置するときは、レーザ素子107と増幅回路素子113とをボンディングワイヤで結線できる距離であって、レーザ素子107と光出力部103との精密な相対位置になるように金属ブロック105を位置決めすることが必要となる。この位置決めには、中央近くまで突き出たセラミック製基板110が障害となり、表面実装による自動化を図ることが不可能になる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−91695号公報 (第1図、第2図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するために、発光素子の高精度、高安定な波長制御が可能になるように、駆動回路等の放熱特性を向上させた発光素子モジュールを提供することを目的とする。また、発光素子モジュールの構成部品の筐体内部への設置を容易にして、組み立て性のよい発光素子モジュールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本願第一発明は、発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置されたヒートシンクと、発光素子モジュールの筐体の内部に配置されたキャリアと、該キャリアの上面に搭載された断熱材と、該キャリアの上面に搭載され、光通信用の変調光を出射する発光素子と、該ヒートシンクと該断熱材とにまたがって搭載された駆動回路用基板と、該駆動回路用基板に搭載され、該発光素子を駆動する駆動回路と、を有する発光素子モジュールである。
【0010】
本願第一発明により、駆動回路等の放熱特性を向上させた発光素子モジュールとすることができ、また、発光素子モジュールの構成部品の筐体内部への設置を容易にして、組み立て性のよい発光素子モジュールとすることができる。
【0011】
本願第二発明は、発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置されたヒートシンクと、発光素子モジュールの筐体の内部に配置されたキャリアと、該キャリアの上面に搭載された断熱材と、該キャリアの上面に搭載されたサブキャリアと、該サブキャリアの上面に搭載され、光通信用の変調光を出射する発光素子と、該ヒートシンクと該断熱材とにまたがって搭載された駆動回路用基板と、該駆動回路用基板に搭載され、該発光素子を駆動する駆動回路と、を有する発光素子モジュールである。
【0012】
本願第二発明により、駆動回路等の放熱特性を向上させた発光素子モジュールとすることができ、また、発光素子モジュールの構成部品の筐体内部への設置を容易にして、組み立て性のよい発光素子モジュールとすることができる。
【0013】
本願第三発明は、本願第一又は第二発明において、駆動回路用基板とヒートシンクとの間の熱抵抗が駆動回路用基板と断熱材との間の熱抵抗よりも小さいことを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第三発明により、駆動回路用基板からヒートシンクへの熱伝導の効率を向上させた発光素子モジュールとすることができる。
【0014】
本願第四発明は、本願第一、第二、又は第三発明において、さらに、前記キャリアの上面に搭載され、前記発光素子からの後方光の出力強度をモニターする受光素子を有することを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第四発明により、発光素子モジュールからの出力を安定化することができる。
【0015】
本願第五発明は、本願第一、第二、第三、又は第四発明における発光素子は、半導体レーザと該半導体レーザからの前方光を変調する変調器とから構成されていることを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第五発明により、発光素子モジュールの波長を安定化することができ、又半導体レーザの発振波長幅を狭くすることができる。
【0016】
本願第六発明は、本願第一、第二、第三、第四、又第五発明において、さらに、キャリアの上面に搭載され、発光素子からの後方光の波長を検出する波長検出素子を有することを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第六発明により、発光素子モジュールの高精度、高安定な波長制御を可能する。
【0017】
本願第七発明は、本願第六発明の波長検出素子が、発光素子からの後方光の一部の出力強度を検出する第一の受光素子と、発光素子からの後方光の一部を波長によって異なる透過率で透過させる分光板と、分光板を透過した後方光の一部の出力強度を検出する第二の受光素子と、を備えていることを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第七発明により、発光素子モジュールの高精度、高安定な波長制御を可能する。
【0018】
本願第八発明は、本願第六発明の波長検出素子が、発光素子からの後方光の一部を波長によって異なる透過率で透過させ、一部を波長によって異なる反射率で反射する波長板と、波長板を透過した後方光の出力強度を検出する第一の受光素子と、波長板で反射した後方光の出力強度を検出する第二の受光素子とを備えていることを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第八発明により、発光素子モジュールの高精度、高安定な波長制御を可能する。
【0019】
本願第九発明は、本願第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、又は第八発明において、さらに、発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置され、前記キャリアを搭載する温度制御素子を有することを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第九発明により、発光素子モジュールの波長を安定化することができる。
【0020】
本願第十発明は、本願第九発明の温度制御素子がペルチェ素子であることを特徴とする発光素子モジュールである。
本願第十発明により、発光素子モジュールの波長を安定化することができる。
なお、これらの構成は可能な限り組み合わせることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態である発光素子モジュールの内部平面図を図4に、図4におけるA−A’
線での断面図を図5に示す。図4、図5において、10は発光素子モジュール、11はヒートシンク、12は駆動回路、13は駆動回路用基板、14は接続基板、15は筺体、16は筺体の内部底面、17はアイソレータ、18はレンズ、22は発光素子、23は受光素子、24はキャリア、25は温度制御素子、26は断熱材、27は電極板である。
【0022】
図4、図5に示すように、筺体15の内部底面16には温度制御素子25が設置される。温度制御素子25としては、ペルチェ素子又はヒータが適用できる。温度制御素子を設けることにより、発光素子22の温度を一定に保つことができ、発光素子モジュールの波長を安定化することができた。発光素子としては、変調器集積型DFBや直接変調型DFBなどが使用できる。
【0023】
温度制御素子25の上面にはキャリア24が搭載され、さらにキャリア24の上面には発光素子22、レンズ18、アイソレータ17、受光素子23が搭載される。発光素子22は前方と後方の両方に変調光を出射する。前方への変調光を前方光、後方への変調光を後方光と呼ぶ。前方光はレンズ18によって集光され、アイソレータ17を介して、発光素子モジュール10の外部に出力する。アイソレータ17は外部からの戻り光が発光素子22に結合して発光素子22の動作に影響することを防止するために設けられる。前方光と後方光は出力強度が相関関係にあるため、後方光を受光素子23で受光して、後方光の出力強度が一定になるように制御することによって、発光素子モジュールの出力を安定化することができる。
【0024】
発光素子22の近傍には、サーミスタ(図示せず)が搭載され、発光素子モジュール10の周囲温度又は発光素子モジュール10の内部温度が変動しても、発光素子22の動作温度が一定に保たれるように温度制御素子25を制御する。
【0025】
筺体の内部底面16には温度制御素子25と一定距離をおいてヒートシンク11が設置される。ヒートシンク11と筺体の内部底面16との接合はロウ付け固定となっている。ヒートシンク11には駆動回路用基板13が半田付け固定で搭載され、駆動回路用基板13には、さらに駆動回路12が搭載される。駆動回路12は発光素子22を駆動する。駆動回路12は電力消費が大きく、放熱機構がなければ駆動回路12で発生した熱が駆動回路12の周辺に輻射して発光素子22を加熱、又は発光素子モジュール10の内部に蓄積されて発光素子22を加熱することになる。駆動回路用基板13には、駆動回路12で発生した熱を良好に熱伝導するために、CuWが適用されている。駆動回路用基板13の上面は、駆動回路12がベアチップ状態で搭載する領域、その周辺に適宜設けられる電源端子や接地端子のための領域、キャパシタ等の電子部品の搭載領域を持つ。本発明では、駆動回路12で発生した熱は駆動回路用基板13を介して、ヒートシンク11に伝導し、筺体15を通って筺体の外部に放熱される。ヒートシンク11の材質としてはCuWの表面を金メッキしたものが好適であるが、アルミニウム、金、銅などの金属あるいはセラミックスなどの熱伝導性の良好な材料であればよい。
【0026】
一方、駆動回路用基板13は、ヒートシンク11と断熱材26とにまたがって搭載される。断熱材26は、筺体の内部底面16に設置せず、キャリア24の上面に搭載することによってキャリア24のスペースを有効に利用し、発光素子モジュール全体の小型化を図っている。また、断熱材26をヒートシンク11に並行して設置することにより、昇温したヒートシンク11から発光素子22への熱輻射を遮る効果を得ることができる。断熱材26には熱伝導率の小さいガラスが好適であるが、エンジニアリングプラスチックに代表される有機材料や断熱性セラミック材料等の低熱伝導材料であればよい。
【0027】
駆動回路用基板13がヒートシンク11に面接触して密着するように、ヒートシンク11の上面と断熱材26の上面とはその高さが一致するか、あるいはヒートシンク11の上面が断熱材26の上面より若干高めになるように設定される。このように設定することにより、駆動回路用基板13がヒートシンク11に密着することによって、駆動回路用基板13からヒートシンク11への良好な熱伝導が確保される。また、前述したように、断熱材26はヒートシンク11よりも熱伝導率が高い材料が選定される。従って、駆動回路12で発生した熱がキャリア24に伝導する割合は小さく、大部分はヒートシンク11を伝導して筺体外部に放熱されることになる。
【0028】
さらに、駆動回路用基板13とヒートシンク11との間の熱抵抗を駆動回路用基板13と断熱材26との間の熱抵抗よりも小さくすることが好ましい。駆動回路用基板13とヒートシンク11との間の熱抵抗を駆動回路用基板13と断熱材26との間の熱抵抗よりも小さくすることによって、駆動回路12で発生した熱が断熱材26よりもヒートシンク11を伝導して、筺体外部に放熱されやすくなる。例えば、駆動回路用基板13とヒートシンク11との接触面積を駆動回路用基板13と断熱材26との接触面積よりも広くすることによって、熱抵抗を小さくすることができる。
【0029】
筺体15の側部に設置される電極板27は、アルミナセラミックス等の電気絶縁材料の表面に金属配線層を施したものである。電極板27は筺体15の側部を貫通するように嵌めこまれている。電極板27と筺体15の側部貫通孔内面とは銀ロウ等のロウ材を介して接合される。筺体外部から入力される信号は、電極板27からボンディングワイヤで直接に駆動回路12に入力されるか、又は接続基板14が必要に応じて設けられ、電極板27から接続基板14を経由してボンディングワイヤで駆動回路12に入力される。発光素子22への変調信号は、電極板27の入力端子(図示せず)から発光素子22に至る距離が最短になるように、電極板27の上面やキャリア24の上面に設けられたマイクロストリップラインを介してボンディングワイヤで発光素子22へ接続されることが望ましい。その他の制御信号や電源は接続基板14など他の経路を経由して駆動回路12に接続されてもよい。
【0030】
本実施の形態では、駆動回路12は電極板27ではなく、駆動回路用基板13に搭載することから、筺体15の内部への電極板27の突き出し長は、電極板27から駆動回路用基板13へのボンディングワイヤのボンディング領域が確保できる程度の短さでよい。このため、図2、図3に示す従来構造のような筺体の内部への突き出しがなくなり、筺体15の内部に温度制御素子25やキャリア24を実装するための作業空間が確保される。
【0031】
本発明の発光素子モジュールの製造方法について図4、図5を用いて説明する。まず、ロウ付けなどによって電極板27が取り付けられた筺体15を準備し、次に筺体の内部底面16の所定の位置にヒートシンク11をロウ付けし、さらに温度制御素子25を所定の位置に半田付けする。次に、別工程でキャリア24の上面に断熱材26をロウ付けによって取り付けておき、断熱材26の取り付いたキャリア24を温度制御素子25の上面に固定する。さらに、別工程で駆動回路12を駆動回路用基板13に搭載しておき、ヒートシンク11と断熱材26とにまたがって、駆動回路用基板13を銀ペーストあるいは半田を用いて固定する。固定した駆動回路用基板13と発光素子22又は電極板27との間はワイヤボンディングを実施する。このように、本実施の形態で説明する発光素子モジュールでは、電極板27の筺体内部への突き出しは僅かであるため、ヒートシンク11や温度制御素子25を筺体の内部底面16に半田付けする工程では作業が容易になる。
【0032】
従って、本実施の形態で説明した発光素子モジュールは、駆動回路等の放熱特性を向上させることができた。また、発光素子等を搭載したキャリアを発光素子モジュールの筐体内部へ設置することを容易にして組み立て性を向上させることができた。
【0033】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態である発光素子モジュールの内部平面図を図6に、図6におけるA−A’
線での断面図を図7に示す。図6、図7において、10は発光素子モジュール、11はヒートシンク、12は駆動回路、13は駆動回路用基板、14は接続基板、15は筺体、16は筺体の内部底面、17はアイソレータ、18はレンズ、19はサブキャリア、22は発光素子、23は受光素子、24はキャリア、25は温度制御素子である。
【0034】
図6、図7に示すように、筺体15の内部底面16には温度制御素子25が設置される。温度制御素子25としては、ペルチェ素子又はヒータが適用できる。温度制御素子25の上面にはキャリア24が搭載され、さらにキャリア24の上面にはサブキャリア19、レンズ18、アイソレータ17、受光素子23が搭載される。サブキャリア19の上面には発光素子22が搭載される。
【0035】
サブキャリア構成とすることにより、精密な位置合わせの必要な複数の精密光学部品を別工程でサブキャリア19に搭載して、サブキャリア19をさらにキャリア24に搭載すると、発光素子モジュールの製造工程が簡易になる。また、サブキャリア構成としても、駆動回路12で発生した熱をヒートシンク11経由で筺体15の外部に放熱するため特性には影響しない。
【0036】
発光素子が半導体レーザと外部変調器で構成され、これらをサブキャリアに搭載した例を図8に示す。図8において、19はサブキャリア、20は半導体レーザ、21は外部変調器、28は金属配線である。
【0037】
半導体レーザを信号で変調すると、波長が変動したり発振波長幅が広くなったりすることから、発光素子モジュールを高速の光通信システムに適用する場合は、半導体レーザを一定出力で駆動し、外部変調器で変調する構成が好適である。半導体レーザには波長が安定で、発振波長幅の狭いDFB(Distributed Feedback)型半導体レーザ等が適用されることがある。外部変調器には変調特性の良好な電界吸収型変調器が好適である。半導体レーザ20の光出力を精密に位置決めして外部変調器21に結合させる必要があることから、発光素子モジュールの組み立て工程とは別の工程で、サブキャリア19上に半導体レーザ20と外部変調器21とを搭載して、サブキャリア19を図6、図7で示すキャリア24に固定すると、発光素子モジュールの製造工程が簡易になる。
【0038】
従って、本実施の形態で説明した発光素子モジュールは、サブキャリ構成とすることにより、発光素子モジュールの製造を容易にした。また、駆動回路等の放熱特性を向上させることができた。さらに、サブキャリア等を搭載したキャリアを発光素子モジュールの筐体内部へ設置することを容易にして組み立て性を向上させることができた。
【0039】
(実施の形態3)
本発明の発光素子モジュールは、発光素子の発振する波長を精密制御するために、発光素子からの後方光の波長を検出する波長検出素子を付加したものである。波長検出素子を付加した発光素子モジュールの実施の形態について説明する。本実施の形態に使用する波長検出素子を付加したキャリアを図9に示す。図9において、17はアイソレータ、18はレンズ、19はサブキャリア、20は半導体レーザ、21は外部変調器、24はキャリア、30は分光板、31は第一の受光素子、32は第二の受光素子、33はレンズである。
【0040】
図9ではサブキャリア19の上面に半導体レーザ20と外部変調器21を搭載しているが、半導体レーザ20と外部変調器21を直接、キャリア24に搭載してもよい。また、外部変調器と半導体レーザが一体集積された外部変調器付半導体レーザを用いてもよく、さらに、外部変調器21を用いることなく、半導体レーザ20を直接変調する構成でもよい。図9に示すキャリア等が図4、図5に示す発光素子モジュール10、又は図6、図7に示す発光素子モジュール10の内部に配置される。
【0041】
図9に示すように、半導体レーザ20の後方に、半導体レーザ20からの後方光を平行ビームにするレンズ33と、平行ビームの一部に挿入される分光板30と、分光板30の後方に分光板30を透過してきた光を受光する第一の受光素子31と、レンズ33から分光板30を透過せずに直接到達する光を受光する第二の受光素子32とが配置されている。分光板30は平行ビームの波長によって透過率が異なる特性であればよい。例えば、エタロンを分光板として適用することができる。
【0042】
第二の受光素子32は、半導体レーザ20の後方光をモニターして、後方光の出力強度が一定になるように制御することによって、発光素子モジュールの出力を安定化する。第一の受光素子31は分光板30を透過した後方光をモニターする。分光板30は波長によって透過率が異なるため、半導体レーザからの後方光出力が一定であれば、波長によって第一の受光素子31が受光する光強度は異なる。波長に対する受光素子への入力光強度の例を図10に示す。第二の受光素子32への入力光強度は、波長に対して一定であるが、第一の受光素子31への入力光強度は波長によって異なる。そこで、第一の受光素子31への入力強度が一定になるように、又は、第二の受光素子32への入力光強度と第一の受光素子31への入力光強度の比が一定になるように、半導体レーザの発振する波長を制御する。発振する波長の制御方法としては、例えば、半導体レーザの発振する波長が温度によって変化することを利用して、所定の波長で発振するように半導体レーザの周囲温度を制御する。
【0043】
このような波長検出素子を付加することによって、半導体レーザの高精度、高安定な波長制御が可能になる。
【0044】
他の波長検出素子を付加したキャリアを図11に示す。図11において、17はアイソレータ、18はレンズ、19はサブキャリア、20は半導体レーザ、21は外部変調器、24はキャリア、31は第一の受光素子、32は第二の受光素子、33はレンズ、34は波長板である。
【0045】
図11ではサブキャリア19の上面に半導体レーザ20と外部変調器21を搭載しているが、半導体レーザ20と外部変調器21を直接、キャリア24に搭載してもよい。また、外部変調器と半導体レーザが一体集積された外部変調器付半導体レーザを用いてもよく、さらに、外部変調器21を用いることなく、半導体レーザ20を直接変調する構成でもよい。図11に示すキャリア等が図4、図5に示す発光素子モジュール10、又は図6、図7に示す発光素子モジュール10の内部に配置される。
【0046】
図11に示すように、半導体レーザ20の後方に、半導体レーザ20からの後方光を平行ビームにするレンズ33と、平行ビームに挿入される波長板34と、波長板34の後方に波長板34を透過してきた光を受光する第一の受光素子31と、波長板34を反射してきた光を受光する第二の受光素子32とが配置されている。波長板は平行ビームの波長によって透過率及び反射率が異なり、平行ビームの波長によらず透過率及と反射率との和が一定である特性であればよい。例えば、エタロンを波長板として適用することができる。
【0047】
ここで、波長板34への入射角が大きい場合には、入射光の偏波状態で分光特性が劣化する場合がある。これを避けるには、波長板34への入射角が小さくなるように、波長板34の面の傾きを設定すればよい。波長板34への入射角が小さくなるようにし過ぎて設定すると、第二の受光素子32とレンズ33あるいは半導体レーザ20との間隔が狭くなるため、第二の受光素子32の配置が困難になるときがある。このような場合には、分光板のp波入射面又はs波入射面とレーザ光の偏光面とを一致させる設定が有効である。エタロン等の波長依存性の強い素子を波長板として用いるためには、偏波依存性への影響を小さくできるよう入射角を15度以下に設定することが好ましい。レーザ光のように偏波消光比が高い光が波長板に直接入射する図11の構成の場合には、上記説明したように偏光面を一致させるような入射条件の規定により波長板への入射角を大きく設定することができる。
【0048】
本構成では、第二の受光素子32への入力強度は半導体レーザ20の波長変化と強度変化の両方で生じるので、第二の受光素子32への入力強度のみをモニターして半導体レーザ20の光強度を一定に制御する方法は採用できない。波長に対する受光素子への入力光強度の例を図12に示す。本構成で半導体レーザ20の光強度を一定に制御するためには、第一の受光素子31と第二の受光素子32への入力強度を同時にモニターし、両者の和を一定とする制御をする必要がある。その上で、第一の受光素子31若しくは第二の受光素子32への入力強度が一定になるように、又は、第一の受光素子31への入力光強度と第二の受光素子32への入力光強度との比が一定になるような制御をすれば、半導体レーザの発振波長と光強度を一定にすることができる。
【0049】
このような波長検出素子を付加することによって、半導体レーザの高精度、高安定な波長制御が可能になる。また、2つの受光素子を近接して配置できない場合に、このような波長検出素子が有効である。
【0050】
図13に波長検出素子を付加したキャリアを有する別の例を示す。図13において、17はアイソレータ、18はレンズ、19はサブキャリア、20は半導体レーザ、21は外部変調器、24はキャリア、30は分光板、31は第一の受光素子、32は第二の受光素子、33はレンズ、35はビームスプリッタである。図13では、図11の波長板に替えて波長依存性のないビームスプリッタ35を用い、ビームスプリッタ35を通過した光ビーム中に分光板30を挿入するものである。
【0051】
図13ではサブキャリア19の上面に半導体レーザ20と外部変調器21を搭載しているが、半導体レーザ20と外部変調器21を直接、キャリア24に搭載してもよい。また、外部変調器と半導体レーザが一体集積された外部変調器付半導体レーザを用いてもよく、さらに、外部変調器21を用いることなく、半導体レーザ20を直接変調する構成でもよい。図13に示すキャリア等が図4、図5に示す発光素子モジュール10、又は図6、図7に示す発光素子モジュール10の内部に配置される。
【0052】
図13に示すように、半導体レーザ20の後方に、半導体レーザ20からの後方光を平行ビームにするレンズ33と、平行ビームの一部に挿入されるビームスプリッタ35と、分光板30と、分光板30の後方に分光板30を透過してきた光を受光する第一の受光素子31と、レンズ33からビームスプリッタ35で反射された光を受光する第二の受光素子32とが配置されている。ビームスプリッタ35は平行ビームの波長に依存せず、一定の分岐比を有するものであればよい。分光板30は平行ビームの波長によって透過率が異なる特性であればよい。例えば、エタロンを分光板として適用することができる。
【0053】
第二の受光素子32は、半導体レーザ20の後方光をモニターして、後方光の出力強度が一定になるように制御することによって、発光素子モジュールの出力を安定化する。第一の受光素子31は分光板30を透過した後方光をモニターする。分光板30は波長によって透過率が異なるため、半導体レーザからの後方光出力が一定であれば、波長によって第一の受光素子31が受光する光強度は異なる。波長に対する受光素子への入力光強度の前述した図10のようであれば、第二の受光素子32への入力光強度は、波長に対して一定であるが、第一の受光素子31への入力光強度は波長によって異なる。そこで、第一の受光素子31への入力強度が一定になるように、又は、第二の受光素子32への入力光強度と第一の受光素子31への入力光強度の比が一定になるように、前述した制御方法で半導体レーザの発振する波長を制御する。
【0054】
このような波長検出素子を付加することによって、半導体レーザの高精度、高安定な波長制御が可能になる。また、 2つの受光素子を近接して配置できない場合に、このような波長検出素子が有効である。
【0055】
従って、本実施の形態で説明した波長検出素子を付加した発光素子モジュールは、発光素子の高精度、高安定な波長制御を可能にすることができた。また、駆動回路等の放熱特性を向上させることができた。さらに、発光素子等を搭載したキャリアを発光素子モジュールの筐体内部へ設置することを容易にして組み立て性を向上させることができた。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば発光素子モジュールに搭載する駆動回路等の放熱特性を向上させることができ、発光素子の高精度、高安定な波長制御が可能になる。また、発光素子を搭載したキャリアの設置を容易にして組み立て性のよい発光素子モジュールとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光通信システムの構成を説明する図である。
【図2】従来の発光素子モジュール84の平面図である。
【図3】従来の発光素子モジュール84の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態である発光素子モジュールの内部平面図である。
【図5】本発明の実施の形態である発光素子モジュールの断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態である発光素子モジュールの内部平面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である発光素子モジュールの断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態である発光素子モジュールに配置されるサブキャリアの状態を説明する図である。
【図9】本実施の形態に使用する波長検出素子を付加したキャリアを説明する図である。
【図10】波長に対する受光素子への入力光強度の例を説明する図である。
【図11】本実施の形態に使用する他の波長検出素子を付加したキャリアを説明する図である。
【図12】波長に対する受光素子への入力光強度の例を説明する図である。
【図13】本実施の形態に使用する他の波長検出素子を付加したキャリアを説明する図である。
【符号の説明】
10:発光素子モジュール
11:ヒートシンク
12:駆動回路
13:駆動回路用基板
14:接続基板
15:筺体
16:筺体の内部底面
17:アイソレータ
18:レンズ
19:サブキャリア
20:半導体レーザ
21:外部変調器
22:発光素子
23:受光素子
24:キャリア
25:温度制御素子
26:断熱材
27:電極板
30:分光板
31:第一の受光素子
32:第二の受光素子
33:レンズ
34:波長板
35:ビームスプリッタ
81:光送信機
82:光受信機
83:光ファイバ
84:発光素子モジュール
85:受光素子モジュール
101:モジュール筺体
102:ペルチェクーラ
103:光出力部
104:レンズ
105:金属ブロック
107:電界吸収型変調器集積回路DFB型のレーザ素子
108:モニター用受光素子
110:セラミック製基板
112:信号入力ピン
113:増幅回路素子
115:ボンディングワイヤ
Claims (10)
- 発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置されたヒートシンクと、
発光素子モジュールの筐体の内部に配置されたキャリアと、
該キャリアの上面に搭載された断熱材と、
該キャリアの上面に搭載され、光通信用の変調光を出射する発光素子と、
該ヒートシンクと該断熱材とにまたがって搭載された駆動回路用基板と、
該駆動回路用基板に搭載され、該発光素子を駆動する駆動回路と、
を有する発光素子モジュール。 - 発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置されたヒートシンクと、
発光素子モジュールの筐体の内部に配置されたキャリアと、
該キャリアの上面に搭載された断熱材と、
該キャリアの上面に搭載されたサブキャリアと、
該サブキャリアの上面に搭載され、光通信用の変調光を出射する発光素子と、
該ヒートシンクと該断熱材とにまたがって搭載された駆動回路用基板と、
該駆動回路用基板に搭載され、該発光素子を駆動する駆動回路と、
を有する発光素子モジュール。 - 請求項1又は2に記載の発光素子モジュールにおいて、前記駆動回路用基板と前記ヒートシンクとの間の熱抵抗が前記駆動回路用基板と前記断熱材との間の熱抵抗よりも小さいことを特徴とする発光素子モジュール。
- 請求項1、2、又は3において、さらに、前記キャリアの上面に搭載され、前記発光素子からの後方光の出力強度をモニターする受光素子を有することを特徴とする発光素子モジュール。
- 請求項1、2、3、又は4に記載の発光素子は、半導体レーザと該半導体レーザからの前方光を変調する変調器とから構成されていることを特徴とする発光素子モジュール。
- 請求項1、2、3、4、又は5において、さらに、前記キャリアの上面に搭載され、前記発光素子からの後方光の波長を検出する波長検出素子を有することを特徴とする発光素子モジュール。
- 請求項6に記載の波長検出素子は、前記発光素子からの後方光の一部の出力強度を検出する第一の受光素子と、前記発光素子からの後方光の一部を波長によって異なる透過率で透過させる分光板と、該分光板を透過した後方光の一部の出力強度を検出する第二の受光素子と、を備えていることを特徴とする発光素子モジュール。
- 請求項6に記載の波長検出素子は、前記発光素子からの後方光の一部を波長によって異なる透過率で透過させ、一部を波長によって異なる反射率で反射する波長板と、該波長板を透過した前記後方光の出力強度を検出する第一の受光素子と、該波長板で反射した前記後方光の出力強度を検出する第二の受光素子とを備えていることを特徴とする発光素子モジュール。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8において、さらに、前記発光素子モジュールの筐体の内部底面に設置され、前記キャリアを搭載する温度制御素子を有することを特徴とする発光素子モジュール。
- 請求項9に記載の前記温度制御素子がペルチェ素子であることを特徴とする発光素子モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003076620A JP2004288751A (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 発光素子モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003076620A JP2004288751A (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 発光素子モジュール |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004288751A true JP2004288751A (ja) | 2004-10-14 |
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Family Applications (1)
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JP2003076620A Pending JP2004288751A (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 発光素子モジュール |
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JP (1) | JP2004288751A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100645622B1 (ko) | 2004-12-01 | 2006-11-15 | 삼성전기주식회사 | 광변조기 모듈 패키지 |
JP2015177115A (ja) * | 2014-03-17 | 2015-10-05 | 三菱電機株式会社 | 光モジュール、光モジュールの製造方法 |
-
2003
- 2003-03-19 JP JP2003076620A patent/JP2004288751A/ja active Pending
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