JP2004288653A - 電池ケース用表面処理鋼板、電池ケースおよびそれを用いた電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池ケース内面においては、内部抵抗の低い表面処理層を有し、電池ケース外面においては、高品質でしかも連続成形性にも優れた表面処理層を有する電池ケースを提供する。
【解決手段】内面に、リン含有量が0.1〜1.0重量%のニッケル−リン合金層が形成されていることを特徴とする電池ケース。また、電池ケースの内面側になる面にニッケル−リン合金層が形成されていることを特徴とする電池ケース用表面処理鋼板。前記電池ケースを用いて、この電池ケース内部に、正極側活物質、負極側活物質を充填したものであることを特徴とする電池。また、ケース内面側になる面にニッケル−リン合金めっきを施すことを特徴とする電池ケース用表面処理鋼板の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】内面に、リン含有量が0.1〜1.0重量%のニッケル−リン合金層が形成されていることを特徴とする電池ケース。また、電池ケースの内面側になる面にニッケル−リン合金層が形成されていることを特徴とする電池ケース用表面処理鋼板。前記電池ケースを用いて、この電池ケース内部に、正極側活物質、負極側活物質を充填したものであることを特徴とする電池。また、ケース内面側になる面にニッケル−リン合金めっきを施すことを特徴とする電池ケース用表面処理鋼板の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、電池ケース用表面処理鋼板、電池ケースおよびそれを用いた電池に関する。
従来、1次電池のアルカリマンガン電池や2次電池のニッケルカドニウム電池、さらに近年、新しい2次電池として需要の伸びが期待されているニッケル水素電池など強アルカリ液を封入する電池ケースには、冷延鋼板をプレス加工後、バレルめっきする方法のいわゆる後めっき法、あるいはニッケルめっき鋼板をプレス加工して電池ケースにするいわゆる先めっき法が採用されてきていて、従来多くの改良提案がされてきていて、本発明者らも先に内部抵抗の低い電池ケース用としてすぐれた表面処理鋼板について提案した。(国際公開番号WO95/11527)
さらに、近年、電池ケースのプレス成形法として、電池容量の増大を図るため、多段深絞り法に替わって、薄肉化する方法としてDI(drawing and ironing)成形法も用いられるようになった(特公平7−99686号公報)。このDI成形法やDTR(drawing thin and redraw)成形法は、底面厚よりケース側壁厚が薄くなる分だけ、正極、負極活物質が多く充填でき、電池の容量増加が図れるとともに、ケース底が厚いため、電池の耐圧強度の向上をも得られる利点がある。
ところで、DI成形法やDTR成形法は前述のように、電池容量の増大には有効な成形法であるが、一方成形性においては、従来法である多段深絞り成形法に比較して、材料の変形抵抗が大きいため、連続成形性において不利な側面を有する。
具体的には、DI成形法やDTR成形法のカッピング工程でのパウダリング性(めっき層の粉状脱落)が劣る場合、しごき工程でダイならびにパンチに付着し、その結果としてケース側壁に疵を生じることになる。この現象は深絞り成形でも同様のことが起こるが、DI成形法やDTR成形法は、ケース壁面の表面粗さが小さく、より光沢のある外観になることから、上記の疵が目立ちやすくなり、パウダリング性の良否は、DI成形法やDTR成形法のほうがより重要になる。
また、DI成形法やDTR成形法は絞り成形に比べて材料と工具の接触面圧が高いため、工具寿命の点から潤滑性の良好なことが求められる。従って、材料面からはパウダリング性が良好な材料が求められることになる。
具体的には、DI成形法やDTR成形法のカッピング工程でのパウダリング性(めっき層の粉状脱落)が劣る場合、しごき工程でダイならびにパンチに付着し、その結果としてケース側壁に疵を生じることになる。この現象は深絞り成形でも同様のことが起こるが、DI成形法やDTR成形法は、ケース壁面の表面粗さが小さく、より光沢のある外観になることから、上記の疵が目立ちやすくなり、パウダリング性の良否は、DI成形法やDTR成形法のほうがより重要になる。
また、DI成形法やDTR成形法は絞り成形に比べて材料と工具の接触面圧が高いため、工具寿命の点から潤滑性の良好なことが求められる。従って、材料面からはパウダリング性が良好な材料が求められることになる。
しかし、従来からケースの外面となる面には光沢ニッケルめっきされたそのままの材料が使用されており、この光沢ニッケルめっきはプレス成形時のパウダリング性に劣るという問題点を有する。さらに光沢めっきの場合、電析の結晶粒を微細化するための硫黄含有有機添加物(例えば=C−SO2−基を持つスルフォン酸など)を含んでおり、硫黄が電析時にめっき被膜中に吸着されているため、DI成形、DTR成形のしごき、および、ストレッチ工程での材料温度の上昇により、硫黄による脆化が助長されて、よりパウダリング性を劣化させるという問題点もある。
国際公開番号WO95/11527号パンフレット
特公平7−99686号公報
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、電池ケース内面においては、内部抵抗の低い表面処理層を有し、電池ケース外面においては、高品質でしかも連続成形性にも優れた表面処理層を有する電池ケースを提供せんとするものである。
また、電池ケースを作製するために好適に用いることができる表面処理鋼板を提供することをも技術的課題とする。
さらに本発明の他の技術的課題は、DI成形法やDTR成形後におけるケース抜け性(ストリッピング性)の向上にある。これは、ケース加工においては、前記のパウダリング性に加えプレス最終工程のパンチからケースを抜く場合の難易度(ストリッピング性)が重要であることに鑑みたものである。ストリッピング時においては、ケース端部につめをかけてポンチからケースを抜くのであるが、ストリッピング性が劣ると、ケース開口端に折れや裂けが生じる頻度が高くなり、生産性を阻害するという問題があった。
本発明の請求項1に記載の電池ケースは、内面に、リン含有量が0.1〜1.0重量%のニッケル−リン合金層が形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の電池ケースは、請求項1に記載の電池ケースが、絞り成形法、DI成形法又はDTR成形法によって得られたものであることを特徴とする。
請求項3に記載の電池ケースは、請求項1又は2に記載の前記ニッケル−リン合金層中のリン含有量が0.1〜1.0重量%の範囲にあることを特徴とする。
請求項4に記載の電池ケースは、請求項1〜3のいずれかに記載の前記ニッケル−リン合金層の厚さが0.1〜4.0μmの範囲にあることを特徴とする。
請求項5に記載の電池ケース用表面処理鋼板は、電池ケース用の表面処理鋼板であって、電池ケースの内面側になる面にニッケル−リン合金層が形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の電池ケース用表面処理鋼板は、請求項5に記載の前記ニッケル−リン合金層の厚さが0.1〜4.0μmの範囲にあることを特徴とする。
請求項7に記載の電池は、請求項1〜4のいずれかの電池ケースを用いて、この電池ケース内部に、正極側活物質、負極側活物質を充填したものであることを特徴とする。
請求項8に記載の電池ケース用表面処理鋼板の製造方法は、電池ケース用の表面処理鋼板を製造する方法であって、ケース内面側になる面にニッケル−リン合金めっきを施すことを特徴とする。
請求項2に記載の電池ケースは、請求項1に記載の電池ケースが、絞り成形法、DI成形法又はDTR成形法によって得られたものであることを特徴とする。
請求項3に記載の電池ケースは、請求項1又は2に記載の前記ニッケル−リン合金層中のリン含有量が0.1〜1.0重量%の範囲にあることを特徴とする。
請求項4に記載の電池ケースは、請求項1〜3のいずれかに記載の前記ニッケル−リン合金層の厚さが0.1〜4.0μmの範囲にあることを特徴とする。
請求項5に記載の電池ケース用表面処理鋼板は、電池ケース用の表面処理鋼板であって、電池ケースの内面側になる面にニッケル−リン合金層が形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の電池ケース用表面処理鋼板は、請求項5に記載の前記ニッケル−リン合金層の厚さが0.1〜4.0μmの範囲にあることを特徴とする。
請求項7に記載の電池は、請求項1〜4のいずれかの電池ケースを用いて、この電池ケース内部に、正極側活物質、負極側活物質を充填したものであることを特徴とする。
請求項8に記載の電池ケース用表面処理鋼板の製造方法は、電池ケース用の表面処理鋼板を製造する方法であって、ケース内面側になる面にニッケル−リン合金めっきを施すことを特徴とする。
本発明の電池ケースにおいて、ニッケル−リン合金めっき面を電池活物質接触面として、単独でまたはニッケル−コバルト合金面と組み合わせて電池活物質接触面として使用した場合には、従来のニッケル単独面の電池ケースを使用した場合より、電池性能において優れた効果が認められる。
本発明の表面処理鋼板について説明する。本発明の表面処理鋼板においては、電池ケースの内面側になる面と外面側になる面の表面処理層は異なった構成になっている。
まず、電池ケースの内面側になる面の表面処理層の第一の構成を詳細に説明する。第一の構成では内面側になる面にはニッケル−リン合金層が形成されている。この合金層を電池ケース内面に設けることにより、電池内部抵抗を低下させ電池性能たとえば電池寿命の向上を高めることができる。またニッケル−リン合金層を内層とする理由は、近年、DI成形法、DTR成形法等の缶成形方法の進歩によって缶材の厚さを薄くすることができるようになっているが、一方これらの電池における電池内部液は水酸化カリウムのような強アルカリであるため、このような強アルカリと接する缶内面の耐腐蝕性を金属ニッケル層より一層向上させておく必要があるためである。
まず、電池ケースの内面側になる面の表面処理層の第一の構成を詳細に説明する。第一の構成では内面側になる面にはニッケル−リン合金層が形成されている。この合金層を電池ケース内面に設けることにより、電池内部抵抗を低下させ電池性能たとえば電池寿命の向上を高めることができる。またニッケル−リン合金層を内層とする理由は、近年、DI成形法、DTR成形法等の缶成形方法の進歩によって缶材の厚さを薄くすることができるようになっているが、一方これらの電池における電池内部液は水酸化カリウムのような強アルカリであるため、このような強アルカリと接する缶内面の耐腐蝕性を金属ニッケル層より一層向上させておく必要があるためである。
なお、ニッケル−リン合金層の形成を電解めっき法で行った場合にはニッケル−リン合金層はアモルファス状態になっていて、リンの含有量に比例して耐腐蝕性が向上するが、同時にめっき層の硬度も増大する関係になっているために、硬度が上昇しすぎるとプレス成形時に内面層にクラックを生じて、鉄の素肌が露出して耐腐蝕性はかえって劣化してしまうことになる。そのため、リンの含有量を0.1〜1.0%の範囲に限定してプレス成形時にクラック発生を防止する必要がある。またニッケル−リン合金めっき層の厚みは0.1〜4.0μmであることが必要である。この理由はニッケル−リン合金層の厚みが0.1μm未満であると、電池内部抵抗の低減効果が得られないためであり、一方厚みが4μmを超えると、正極合剤との密着性向上効果が飽和に達し、不経済となるためである。
従ってニッケル−リン合金の単一層としないで、ニッケル−リン合金層の下層にさらにニッケル−コバルト合金層を形成せしめるような場合には上層のニッケル−リン合金層の厚みを薄くすることができる。
ニッケル−リン合金層はワット浴電解めっき法で形成することが好ましい。ワット浴では硫酸ニッケル100〜350g/l,塩化ニッケル10〜50g/l,亜りん酸5〜40g/lの混合溶液で50〜70℃、pH0.5〜1.5で電流密度3〜15A/dm2でめっきする。
ニッケル−リン合金層はワット浴電解めっき法で形成することが好ましい。ワット浴では硫酸ニッケル100〜350g/l,塩化ニッケル10〜50g/l,亜りん酸5〜40g/lの混合溶液で50〜70℃、pH0.5〜1.5で電流密度3〜15A/dm2でめっきする。
次に、電池ケースの外面側になる面の表面処理層の最表層には、下記の理由からニッケル−コバルト合金層が設けられている。すなわち、ニッケル−コバルト合金層は、従来のニッケルめっき単独層の場合に比較し、パウダリング性に優れ、DI成形法ならびにDTR成形法における成形性に優れているからである。なお電池ケース外面に形成させるニッケル−コバルト合金層は光沢めっき層とすることが好ましい。ニッケル−コバルト合金層は優れた金属光沢色を有していて、電池の商品価値を向上させることができるからである。
この光沢めっきの場合にはニッケル−コバルト合金めっきの浴組成に市販光沢剤又はサッカリン等の光沢剤を若干量添加して行う。
具体的にはニッケル−コバルト合金めっきはスルファミン酸ニッケル塩浴に硫酸コバルトを添加してニッケルめっき層中にコバルトを混入する方法で行う。より具体的な浴組成の一例としてはスルファミン酸ニッケル400〜800g/l,塩化ニッケル5〜10g/l,硫酸コバルト1〜30g/l,ほう酸20〜60g/lの浴で、pHを4.0とし、60℃で空気撹袢しつつ10A/dm2の電流密度で実施する。なお陰極には球状ニッケルをチタンバスケットに充填してポリプロピレン製バッグで覆ったものを使用する。
この光沢めっきの場合にはニッケル−コバルト合金めっきの浴組成に市販光沢剤又はサッカリン等の光沢剤を若干量添加して行う。
具体的にはニッケル−コバルト合金めっきはスルファミン酸ニッケル塩浴に硫酸コバルトを添加してニッケルめっき層中にコバルトを混入する方法で行う。より具体的な浴組成の一例としてはスルファミン酸ニッケル400〜800g/l,塩化ニッケル5〜10g/l,硫酸コバルト1〜30g/l,ほう酸20〜60g/lの浴で、pHを4.0とし、60℃で空気撹袢しつつ10A/dm2の電流密度で実施する。なお陰極には球状ニッケルをチタンバスケットに充填してポリプロピレン製バッグで覆ったものを使用する。
この発明の第二の構成としては、電池ケース内面をニッケル−リン合金層(表層)とニッケル−コバルト合金層(下層)の二層とし、電池ケース外面も下層を非光沢性ニッケル−コバルト合金層とし、表層を光沢性ニッケル−コバルト合金層とする場合がある。
電池ケースにこのような非光沢性ニッケル−コバルト合金層(下層)を形成させる理由は、その上層のニッケル−リン合金層やニッケル−コバルト合金層に、プレス時にクラックを生じた場合でも、電池内の強アルカリ液が鉄材と直接接触して液漏れのような重大事故の発生を防止する必要があるためである。組成をニッケル−コバルト合金とする理由は、この合金が耐アルカリ腐蝕性に優れていること、プレス成形地のめっき層の伸びが良いためにクラックを生じ難いこと、最表層と同一成分のニッケルを含んでいるために、下地の鉄とも最表層のニッケル−リン合金層とも密着性に優れていることなどが理由である。
電池ケースにこのような非光沢性ニッケル−コバルト合金層(下層)を形成させる理由は、その上層のニッケル−リン合金層やニッケル−コバルト合金層に、プレス時にクラックを生じた場合でも、電池内の強アルカリ液が鉄材と直接接触して液漏れのような重大事故の発生を防止する必要があるためである。組成をニッケル−コバルト合金とする理由は、この合金が耐アルカリ腐蝕性に優れていること、プレス成形地のめっき層の伸びが良いためにクラックを生じ難いこと、最表層と同一成分のニッケルを含んでいるために、下地の鉄とも最表層のニッケル−リン合金層とも密着性に優れていることなどが理由である。
鋼板と最表層との中間層となるニッケル−コバルト合金層はニッケル−コバルト合金めっきで形成することが好ましい。ニッケル−コバルト合金めっきはスルファミン酸ニッケル浴に硫酸コバルトを添加してニッケルめっき層中にコバルトを混入する方法で行う。より具体的な実施態様としては、スルファミン酸ニッケル400〜800g/l,塩化ニッケル5〜10g/l,硫酸コバルト1〜30g/l,ほう酸20〜60g/lの浴で、pHを4.0とし、60℃で空気撹袢しつつ10A/dm2の電流密度で実施する。なお陰極には球状ニッケルをチタンバスケットに充填してポリプロピレン製バッグで覆ったものを使用することが好ましい。
本発明でいう電池内層のニッケル−コバルト合金層中のコバルト分は0.1〜4.0%の範囲にあることが好ましい。0.1%未満ではコバルトに起因する耐腐蝕性効果が喪失するからで、4.0%を超えることは経済的に無駄だからである。ニッケル−リン合金層を形成する方法は、先に述べた方法でニッケル−コバルト合金めっき層を形成させた層上に第一の構成と同様の条件でめっき層を形成させる。上記、ニッケル−リン合金層またはニッケル−コバルト合金層の厚みはそれぞれ0.1〜4.0μmであることが望ましい。さらに好ましくは1.5〜2.0μmであることが望ましい。
次に本発明の表面処理鋼板の製造工程を図1に基づいて説明する。
(鋼板)
めっき原板として、通常低炭素アルミキルド鋼が好適に用いられる。さらにニオブ、ボロン、チタンを添加し非時効性極低炭素鋼も用いられる。通常、冷間圧延後、電解清浄、焼鈍、調質圧延した鋼帯を原板とする。
(鋼板)
めっき原板として、通常低炭素アルミキルド鋼が好適に用いられる。さらにニオブ、ボロン、チタンを添加し非時効性極低炭素鋼も用いられる。通常、冷間圧延後、電解清浄、焼鈍、調質圧延した鋼帯を原板とする。
(ニッケル−リン合金めっき)
前記原板をアルカリ電解脱脂、水洗、硫酸または塩酸の酸洗(電解または浸漬)、水洗後の前処理を行った後、鋼板の片面又は両面にニッケル−リン合金めっきを行う。ニッケル−リン合金めっきの浴は本発明では、ワット浴、スルファミン酸浴、塩化浴など公知のめっき浴のいずれであってもよい。
上記ニッケル−リン合金めっきの厚みが、電池ケース内面において0.1μm未満の場合は、ニッケル−リン合金めっき層中に存在するピンホールが多く、電池の電解液のアルカリ液中への鉄(鋼板)の溶出と鉄酸化物形成が多くなり好ましくない。また電池ケース外面においては耐食性が低くなり、同様に好ましくない。
次に、上記した電池ケース及び表面処理鋼板におけるニッケル−リン合金合金めっき及びニッケル−コバルト合金めっきの生成について述べると、ニッケル−リン合金めっきにおいてはニッケルめっき浴のワット浴亜りん酸を添加して行われる。具体的な一実施例には硫酸ニッケル(6水塩)300g/l,塩化ニッケル45g/l,ほう酸40g/lに亜りん酸をH3PO3として0.3〜2.0g/lの範囲で変量添加してニッケル層中に析出するりん量を調節する。
浴温は55〜60℃、pHは最大2.0が好ましい。この場合のめっき層の厚みは0.5〜4.0μmとすることが好ましい。
ニッケル・コバルト合金めっきの場合においても、ワット浴に硫酸コバルトを添加することによって、コバルトがニッケルと共析して表面処理層を形成する。
前記原板をアルカリ電解脱脂、水洗、硫酸または塩酸の酸洗(電解または浸漬)、水洗後の前処理を行った後、鋼板の片面又は両面にニッケル−リン合金めっきを行う。ニッケル−リン合金めっきの浴は本発明では、ワット浴、スルファミン酸浴、塩化浴など公知のめっき浴のいずれであってもよい。
上記ニッケル−リン合金めっきの厚みが、電池ケース内面において0.1μm未満の場合は、ニッケル−リン合金めっき層中に存在するピンホールが多く、電池の電解液のアルカリ液中への鉄(鋼板)の溶出と鉄酸化物形成が多くなり好ましくない。また電池ケース外面においては耐食性が低くなり、同様に好ましくない。
次に、上記した電池ケース及び表面処理鋼板におけるニッケル−リン合金合金めっき及びニッケル−コバルト合金めっきの生成について述べると、ニッケル−リン合金めっきにおいてはニッケルめっき浴のワット浴亜りん酸を添加して行われる。具体的な一実施例には硫酸ニッケル(6水塩)300g/l,塩化ニッケル45g/l,ほう酸40g/lに亜りん酸をH3PO3として0.3〜2.0g/lの範囲で変量添加してニッケル層中に析出するりん量を調節する。
浴温は55〜60℃、pHは最大2.0が好ましい。この場合のめっき層の厚みは0.5〜4.0μmとすることが好ましい。
ニッケル・コバルト合金めっきの場合においても、ワット浴に硫酸コバルトを添加することによって、コバルトがニッケルと共析して表面処理層を形成する。
(電池ケースの説明)
次に、上記表面処理鋼板を用いた電池ケースの作成について説明する。
本発明の電池ケースは、上記のようにして作成した表面処理鋼板を、プレスを用いて筒型状に成形し、電池ケースを作成する。
本発明者らは、上記の表面処理鋼板を用いてアルカリ乾電池用の電池ケースに適用すると、電池性能は従来の電池ケースよりも優れた電池性能を有することを見いだした。
次に、上記表面処理鋼板を用いた電池ケースの作成について説明する。
本発明の電池ケースは、上記のようにして作成した表面処理鋼板を、プレスを用いて筒型状に成形し、電池ケースを作成する。
本発明者らは、上記の表面処理鋼板を用いてアルカリ乾電池用の電池ケースに適用すると、電池性能は従来の電池ケースよりも優れた電池性能を有することを見いだした。
(電池ケース外面の構成)
本発明では、電池ケース外面の表面処理層の最表面には光沢性のニッケル−コバルト合金が形成されていることが好ましい。最表面に光沢性のニッケル−コバルト合金層が形成されていることによって、従来のニッケルめっき単独層が形成された表面処理鋼板をプレス成形する場合に比較してパウダリングを低く抑えることができる。また、ニッケル−コバルト合金層は、耐食性にも優れているからである。
なお、本発明では、光沢性のニッケル−コバルト合金層の下層には非光沢性のニッケル−コバルト合金層またはニッケル−リン合金層などの中間層を設けることもできる。このような中間層を設けることによって耐食性をさらに向上させ、電池ケースの外観全体の耐食性をも向上させることができるからである。
本発明では、電池ケース外面の表面処理層の最表面には光沢性のニッケル−コバルト合金が形成されていることが好ましい。最表面に光沢性のニッケル−コバルト合金層が形成されていることによって、従来のニッケルめっき単独層が形成された表面処理鋼板をプレス成形する場合に比較してパウダリングを低く抑えることができる。また、ニッケル−コバルト合金層は、耐食性にも優れているからである。
なお、本発明では、光沢性のニッケル−コバルト合金層の下層には非光沢性のニッケル−コバルト合金層またはニッケル−リン合金層などの中間層を設けることもできる。このような中間層を設けることによって耐食性をさらに向上させ、電池ケースの外観全体の耐食性をも向上させることができるからである。
(電池ケース内面の構成)
本発明では、電池ケース内面の表面処理層の第1の態様は、ニッケル−リン合金層が形成されている場合である。また第2の態様は、上層(表層)にニッケル−リン合金層が形成されており、その下層にニッケル−コバルト合金層が形成されている場合である。
本発明では、電池ケース内面の表面処理層の第1の態様は、ニッケル−リン合金層が形成されている場合である。また第2の態様は、上層(表層)にニッケル−リン合金層が形成されており、その下層にニッケル−コバルト合金層が形成されている場合である。
(実施例)
以下に実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1〜6]
板厚0.25mmの冷延・焼鈍済みの低炭素アルミキルド鋼板をめっき原板として用いた。めっき原板の鋼化学組成は下記の通りである。
C:0.04%(%は重量%を示す。以下すべて同じ)、Mn:0.19%、 Si:0.01%、P:0.012%、S:0.009%、 Al:0.064%、N:0.0028% 上記鋼板を、下記の条件でアルカリ電解脱脂した。
以下に実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1〜6]
板厚0.25mmの冷延・焼鈍済みの低炭素アルミキルド鋼板をめっき原板として用いた。めっき原板の鋼化学組成は下記の通りである。
C:0.04%(%は重量%を示す。以下すべて同じ)、Mn:0.19%、 Si:0.01%、P:0.012%、S:0.009%、 Al:0.064%、N:0.0028% 上記鋼板を、下記の条件でアルカリ電解脱脂した。
(アルカリ電解脱脂)
電解条件;
浴組成:苛性ソーダ 30g/l、
電流密度:5A/dm2(陽極処理)×10秒、
5A/dm2(陰極処理)×10秒、
浴温:70℃、
その後、硫酸酸洗(硫酸50g/l、浴温30℃、20秒浸漬)を行った後、下記の条件で両面にニッケル−リン合金めっきを行った。
電解条件;
浴組成:苛性ソーダ 30g/l、
電流密度:5A/dm2(陽極処理)×10秒、
5A/dm2(陰極処理)×10秒、
浴温:70℃、
その後、硫酸酸洗(硫酸50g/l、浴温30℃、20秒浸漬)を行った後、下記の条件で両面にニッケル−リン合金めっきを行った。
(ニッケル−リン合金めっき)
浴組成:硫酸ニッケル 300g/l
ほう酸 40g/l
塩化ニッケル 45g/l
ラウリル硫酸ソーダ 0.5g/l
亜りん酸 10g/l
浴温 : 55±2℃
pH : 1.5〜2.0
撹拌 : 空気撹拌
電流密度: 10A/dm2
アノード: ニッケルペレット(チタンバスケットにニッケルペレット充填、
ポリプロピレン製バッグでチタンバスケットを包む)
上記の条件で、両面にニッケル−リン合金めっきを行い、その厚みを上記条件で電解時間を変化させて、ニッケル−リン合金めっき厚を変化させた。なお、各面においてめっき厚みを変えたものも作成した。
浴組成:硫酸ニッケル 300g/l
ほう酸 40g/l
塩化ニッケル 45g/l
ラウリル硫酸ソーダ 0.5g/l
亜りん酸 10g/l
浴温 : 55±2℃
pH : 1.5〜2.0
撹拌 : 空気撹拌
電流密度: 10A/dm2
アノード: ニッケルペレット(チタンバスケットにニッケルペレット充填、
ポリプロピレン製バッグでチタンバスケットを包む)
上記の条件で、両面にニッケル−リン合金めっきを行い、その厚みを上記条件で電解時間を変化させて、ニッケル−リン合金めっき厚を変化させた。なお、各面においてめっき厚みを変えたものも作成した。
(ニッケル−コバルト合金めっき)
ニッケル−リン合金めっきを施した後、さらに電池外面に相当する面の表面のみに光沢性ニッケル−コバルト合金めっきを施す。この場合のニッケル−コバルト合金めっきはワット浴で行い、以下のようにワット浴に硫酸コバルトを各種添加してニッケルめっき層中にコバルトを含有させた。
浴組成
スルファミン酸ニッケル Ni(NH2SO3)・4H2O 600g/l
塩化ニッケル NiCl2・6H2O 10g/l
硫酸コバルト CoSO4・6H2O 5〜20g/l
硼酸 H3BO3 40g/l
浴pH:4(スルファミン酸で調整)
撹拌:空気撹拌
浴温度: 60℃
陰極電流密度:10A/dm2
アノード:Sペレット(INCO社製商品名、球状)をチタンバスケットに装填してポリプロレン製バッグで覆ったものを使用。
上記の条件で、硫酸コバルト添加量および電解時間を変えて、めっき被膜中のコバルト含有量、めっき厚を変化させた。
めっき層の厚みの測定はICPによって測定した。
ニッケル−リン合金めっきを施した後、さらに電池外面に相当する面の表面のみに光沢性ニッケル−コバルト合金めっきを施す。この場合のニッケル−コバルト合金めっきはワット浴で行い、以下のようにワット浴に硫酸コバルトを各種添加してニッケルめっき層中にコバルトを含有させた。
浴組成
スルファミン酸ニッケル Ni(NH2SO3)・4H2O 600g/l
塩化ニッケル NiCl2・6H2O 10g/l
硫酸コバルト CoSO4・6H2O 5〜20g/l
硼酸 H3BO3 40g/l
浴pH:4(スルファミン酸で調整)
撹拌:空気撹拌
浴温度: 60℃
陰極電流密度:10A/dm2
アノード:Sペレット(INCO社製商品名、球状)をチタンバスケットに装填してポリプロレン製バッグで覆ったものを使用。
上記の条件で、硫酸コバルト添加量および電解時間を変えて、めっき被膜中のコバルト含有量、めっき厚を変化させた。
めっき層の厚みの測定はICPによって測定した。
[実施例7〜10]
実施例1と同じめっき原板を用いて、両面に上記のニッケル−コバルト合金めっきを施した。その後、ケース外面となる面に実施例1と同じ条件でニッケル−コバルト合金めっきを施し、ついで実施例1と同じ条件でケース内面となる面にニッケル−リン合金めっきを施し表面処理鋼板を作成した。
実施例1と同じめっき原板を用いて、両面に上記のニッケル−コバルト合金めっきを施した。その後、ケース外面となる面に実施例1と同じ条件でニッケル−コバルト合金めっきを施し、ついで実施例1と同じ条件でケース内面となる面にニッケル−リン合金めっきを施し表面処理鋼板を作成した。
[比較例]
電池ケースの内面になる面に下記の条件でニッケルめっきを施した(ニッケル−リン合金めっきではない)。
ニッケルめっき
浴組成 : 硫酸ニッケル 300g/l
ほう酸 30g/l
塩化ニッケル 45g/l
ラウリル硫酸ソーダ 0.5g/l
浴温 : 50±2℃
pH : 4.0−4.5
撹拌 : 空気撹拌
電流密度: 15A/dm2
以上の実施例および比較例にもとづいて作成した資料を表1に一覧表として示す。
電池ケースの内面になる面に下記の条件でニッケルめっきを施した(ニッケル−リン合金めっきではない)。
ニッケルめっき
浴組成 : 硫酸ニッケル 300g/l
ほう酸 30g/l
塩化ニッケル 45g/l
ラウリル硫酸ソーダ 0.5g/l
浴温 : 50±2℃
pH : 4.0−4.5
撹拌 : 空気撹拌
電流密度: 15A/dm2
以上の実施例および比較例にもとづいて作成した資料を表1に一覧表として示す。
(電池ケース作製)
DI成形法による電池ケースの成形は、板厚0.38mmの上記表面処理鋼板を用い直径41mmのブランク径から直径20.5mmのカッピングの後、DI成形機でリドロ−および2段階のしごき成形を行って外径13.8mm、ケース壁0.20mm、高さ56mmに成形した。最終的に上部をトリミングして、高さ49.3mmのLR6型電池ケースを作製した。
一方、DTR成形法の電池ケースの作製は、板厚0.25mmの表面処理鋼板を用い、ブランク径58mmに打ち抜き、数回の絞り、再絞り成形によって外径13.8mm、ケース壁0.20mm、高さ49.3mmのLR6型電池ケースを作製した。
DI成形法による電池ケースの成形は、板厚0.38mmの上記表面処理鋼板を用い直径41mmのブランク径から直径20.5mmのカッピングの後、DI成形機でリドロ−および2段階のしごき成形を行って外径13.8mm、ケース壁0.20mm、高さ56mmに成形した。最終的に上部をトリミングして、高さ49.3mmのLR6型電池ケースを作製した。
一方、DTR成形法の電池ケースの作製は、板厚0.25mmの表面処理鋼板を用い、ブランク径58mmに打ち抜き、数回の絞り、再絞り成形によって外径13.8mm、ケース壁0.20mm、高さ49.3mmのLR6型電池ケースを作製した。
(電池の製造)
上記のようにして電池ケースを作成した後、次のようにして単3型(LR−6)アルカリマンガン電池を製造した。
まず、二酸化マンガンと黒鉛を重量比で10:1の割合で採取し、これに水酸化カリウム(8mol)を添加混合して、正極合剤を作製した。次いで、この正極合剤を金型中で加圧プレスして、所定寸法のドーナッツ形状の正極合剤ペレットを作製し、電池ケース内に圧挿入した。次に、負極集電棒をスポット溶接した負極板を電池ケースに装着した。
次いで、ビニロン製不織布からなるセパレータを、電池ケースに圧着したペレットの内周に沿って挿入し、亜鉛粒と酸化亜鉛を飽和させた水酸化カリウムからなる負極ゲルを電池ケース内に挿入した。さらに、負極板に絶縁体のガスケットを装着し、これを電池ケース内に挿入した後、カシメ加工を行ってアルカリマンガン電池の完成品を作製した。
上記のようにして電池ケースを作成した後、次のようにして単3型(LR−6)アルカリマンガン電池を製造した。
まず、二酸化マンガンと黒鉛を重量比で10:1の割合で採取し、これに水酸化カリウム(8mol)を添加混合して、正極合剤を作製した。次いで、この正極合剤を金型中で加圧プレスして、所定寸法のドーナッツ形状の正極合剤ペレットを作製し、電池ケース内に圧挿入した。次に、負極集電棒をスポット溶接した負極板を電池ケースに装着した。
次いで、ビニロン製不織布からなるセパレータを、電池ケースに圧着したペレットの内周に沿って挿入し、亜鉛粒と酸化亜鉛を飽和させた水酸化カリウムからなる負極ゲルを電池ケース内に挿入した。さらに、負極板に絶縁体のガスケットを装着し、これを電池ケース内に挿入した後、カシメ加工を行ってアルカリマンガン電池の完成品を作製した。
なお、黒鉛を電池ケースの内面に塗布することも電池性能を向上させ好ましい。この場合、黒鉛80重量部に熱硬化性エポキシ樹脂20重量部をメチルエチルケトンで希釈して、電池ケース内面にエアースプレイした後、150℃×15分乾燥させる。
このようにして作製した電池について以下のようにして電池性能を評価した。
この結果を表1に示す。なお、いずれの測定試験も1ケースずつの測定では誤差が大きいため、30ケースを1測定単位として3回繰り返し、測定を行った。
このようにして作製した電池について以下のようにして電池性能を評価した。
この結果を表1に示す。なお、いずれの測定試験も1ケースずつの測定では誤差が大きいため、30ケースを1測定単位として3回繰り返し、測定を行った。
表1において比較例はケース内面になる面にニッケルめっき単独層が形成されている表面処理鋼板を用いて電池ケースをプレス成形したものである。これに対して実施例1〜6はケース内面になる面にニッケル−リン合金めっき単独層が形成されている表面処理鋼板を用いて電池ケースをプレス成形した場合であり、また実施例7〜10はニッケル−コバルト合金めっき層を下層として表面層をニッケル−リン合金層とした表面処理鋼板を用いて電池ケースをプレス成形した場合である。
これらの電池ケースに活物質を充填して、LR−6サイズの電池を作成した。
20日間60℃保存した試料について2オームで連続放電させた場合の終止電圧0.9Vに到達するまでの持続時間(分)を測定した。この結果、実施例の本発明試料の持続時間は比較例より長く、本発明の表面処理鋼板で作成したアルカリ電池の性能が優れていることが明らかである。
なお、本発明は、電池ケースのケース壁を薄肉化する手段としてのDI成形法やDTR成形法に限らず、従来法の多段の深絞り成形法においても、電池性能、パウダリング性、疵付き性等の改善が得られ、好適に用いることができた。
これらの電池ケースに活物質を充填して、LR−6サイズの電池を作成した。
20日間60℃保存した試料について2オームで連続放電させた場合の終止電圧0.9Vに到達するまでの持続時間(分)を測定した。この結果、実施例の本発明試料の持続時間は比較例より長く、本発明の表面処理鋼板で作成したアルカリ電池の性能が優れていることが明らかである。
なお、本発明は、電池ケースのケース壁を薄肉化する手段としてのDI成形法やDTR成形法に限らず、従来法の多段の深絞り成形法においても、電池性能、パウダリング性、疵付き性等の改善が得られ、好適に用いることができた。
本発明のニッケル−リン合金めっき面を電池活物質接触面として単独でまたはニッケル−コバルト合金面と組み合わせた表面処理鋼板を使用した場合には、従来のニッケル単独面の表面処理鋼板を使用した場合より電池性能において優れた効果が認められる。
Claims (8)
- 内面に、リン含有量が0.1〜1.0重量%のニッケル−リン合金層が形成されている電池ケース。
- 請求項1に記載の電池ケースが、絞り成形法、DI成形法又はDTR成形法によって得られたものである電池ケース。
- 請求項1又は2に記載の前記ニッケル−リン合金層中のリン含有量が0.1〜1.0重量%の範囲にある電池ケース。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の前記ニッケル−リン合金層の厚さが0.1〜4.0μmの範囲にある電池ケース。
- 電池ケース用の表面処理鋼板であって、電池ケースの内面側になる面にニッケル−リン合金層が形成されている電池ケース用表面処理鋼板。
- 請求項5に記載の前記ニッケル−リン合金層の厚さが0.1〜4.0μmの範囲にある電池ケース用表面処理鋼板。
- 請求項1〜4のいずれかの電池ケースを用いて、この電池ケース内部に、正極側活物質、負極側活物質を充填した電池。
- 電池ケース用の表面処理鋼板を製造する方法であって、ケース内面側になる面にニッケル−リン合金めっきを施すことを特徴とする電池ケース用表面処理鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004206568A JP2004288653A (ja) | 1997-07-08 | 2004-07-13 | 電池ケース用表面処理鋼板、電池ケースおよびそれを用いた電池 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19637097 | 1997-07-08 | ||
JP2004206568A JP2004288653A (ja) | 1997-07-08 | 2004-07-13 | 電池ケース用表面処理鋼板、電池ケースおよびそれを用いた電池 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50844099A Division JP3595347B2 (ja) | 1997-07-08 | 1998-07-07 | 電池ケース用表面処理鋼板、電池ケースおよびそれを用いた電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004288653A true JP2004288653A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33301336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004206568A Pending JP2004288653A (ja) | 1997-07-08 | 2004-07-13 | 電池ケース用表面処理鋼板、電池ケースおよびそれを用いた電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004288653A (ja) |
-
2004
- 2004-07-13 JP JP2004206568A patent/JP2004288653A/ja active Pending
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Legal Events
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