JP2004286697A - 識別物質の使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブランドプロテクトや真贋確認等に使用する識別物質を取り付ける場所が商品の色合いや外観を損ねるなどの商品の色合いや外観の問題から限られないように取り付ける識別物質の量を規制して少なく使用できるようにし、識別物質を取り付けた商品や容器やラベルが不正に使い回されないようにする。
【解決手段】識別装置にて識別感知可能な識別物質の識別感知可能な重量換算最少使用量をMmin とし重量換算追加使用量をd(d>0)として、前記識別物質の使用量MをMmin +dに設定して使用し、その識別物質を二分割以上の複数に分割した重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )の各分割識別物質を識別すべき物品に取り付けて識別装置で識別する際に、分割した前記各々分割識別物質を、その分割状態を保持した状態又は全面的若しくは部分的に重ね合わせた状態で使用する。
【選択図】なし
【解決手段】識別装置にて識別感知可能な識別物質の識別感知可能な重量換算最少使用量をMmin とし重量換算追加使用量をd(d>0)として、前記識別物質の使用量MをMmin +dに設定して使用し、その識別物質を二分割以上の複数に分割した重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )の各分割識別物質を識別すべき物品に取り付けて識別装置で識別する際に、分割した前記各々分割識別物質を、その分割状態を保持した状態又は全面的若しくは部分的に重ね合わせた状態で使用する。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブランドプロテクト、真贋確認などに用いられる識別物質の使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブランドプロテクト、真贋確認等に使用する物質として、物質固有の物理現象を核磁気共鳴(NMR)、電子四重極共鳴(NQR)、電子スピン共鳴(ESR)などの方法あるいはこれらの複合方法によって検知する物質を使用する方法が知られている。(特表平10−509815)
【0003】
通常、これらの物質を感知に必要な必要量にて、ブランドプロテクトしたいものにコーティング、塗布あるいは練り込み等により取り付けて、その物質を感知するかしないかで真贋確認を行っている。
【0004】
【特許文献】
特表平10−509815号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、真贋確認等に使用する物質をブランドプロテクトしたい商品にコーティング、塗布などで取り付けたとき、商品の色合いや外観を損ねる恐れがあり、コーティング、塗布できる箇所が限られていた。
【0006】
また、商品が、例えば包装体によって包装されていて、商品と接触する内装体と、商品を陳列したり運びやすくするなどのために用いられている外装体などとからなる包装体に包まれているときは、通常、識別物質(真贋確認する物質)は包装体の外装容器に取り付けられるものであるが、その識別物質を取り付けた外装容器だけが、捨てられずにゴミ箱等から拾われるなどして使い回されたり、その外装容器の中身の商品が別の商品と入れ変えられたりして、偽物商品が出回る可能性がある。
【0007】
更に、商品や商品を包装した包装容器が、その商品本体や容器本体と、その本体の表面に貼着されたラベルなどとに分割される形態のときにも、識別物質がラベルだけに付いていると、識別物質が付いているラベルのみが使い回されて、そのラベルが別の物に貼着されて偽物が出回る可能性がある。
【0008】
そこで本発明は、ブランドプロテクトや真贋確認等に使用する識別物質をコ−ティング、塗布、練り込み等にて取り付ける場所が、商品の色合いや外観を損ねるなどの商品の色合いや外観の問題から限られないように、取り付ける識別物質の量を規制して、なるべく少なく使用できるようにすることにより、識別物質を取り付けた商品や容器やラベルが、不用意且つ不正に使い回されないようにするための識別物質の使用方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、識別装置(検知器)にて識別感知可能な識別物質の識別感知可能な重量換算最少使用量をMmin とし、重量換算追加使用量をd(d>0)として、前記識別物質の使用量MをMmin +dに設定して使用し、その識別物質を二分割以上の複数に分割した重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )の各分割識別物質を、識別すべき物品に取り付けて使用し、リーダーなどの識別装置で識別する際に、分割した前記各々分割識別物質を、その分割状態を保持した状態又は全面的若しくは部分的に重ね合わせた状態で、識別装置の感知領域内に集めて使用することを特徴とする識別物質の使用方法である。
M=Mmin +d (d>0)
Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn
(α1 ,α2 ,・・・αn >0)
【0010】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1記載の識別物質の使用方法において、前記追加使用量dを、識別装置の検知限界となる0より大を下限値とし、前記分割した各分割識別物質の重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )のうち最少分割使用量αmin を上限値として設定することを特徴とする識別物質の使用方法である。
0<d<αmin
【0011】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係る識別物質の使用方法において、前記分割した各々分割識別物質のうちの一つの分割識別物質を、識別装置のフィルタとして使用することを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0012】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項3に係る識別物質の使用方法において、前記識別装置のフィルタとして使用する分割識別物質の結着ベース材が、その分割識別物質を取り付け使用する物品の材質と基本的に同じ材料であることを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0013】
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項3に係る識別物質の使用方法において、前記識別装置のフィルタとして使用した分割識別物質の結着ベース材が、その分割識別物質を取り付け使用する物品の材質と基本的に同じ材料であって、その分割識別物質を取り付け使用する物品の材質が金属物質若しくは金属を含有する物質であれば金属含有材料を使い、プラスチック物質であればプラスチック材料を使うことを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0014】
本発明の請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至5のいずれか1項に係る識別物質の使用方法において、包材の内装材と外装材、容器の本体と蓋、商品とラベル、商品を包装する容器とラベルなどコンビネーション形態になっている対の各々物品に、前記分割識別物質をそれぞれ取り付けて使用することを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0015】
本発明の請求項7に係る発明は、上記請求項1乃至6のいずれか1項に係る識別物質の使用方法において、前記識別物質が、無線周波数領域で、核磁気共鳴(NMR)、核四極共鳴(NQR)、電子スピン共鳴(ESR)などの方法又はそれら方法の組合せによる方法により、特徴的な反応を示す識別可能な物質であることを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
本発明の識別物質としては、無線周波数領域で、磁気共鳴(NMR)、電子四重極共鳴(NQR)、電子スピン共鳴(ESR)、強磁性共鳴(FR)、フェリ磁性共鳴(SWR)、反フェリ磁性共鳴(AFER)、磁区壁共鳴(DWR)、スピン波共鳴(SWR)などの方法、または、それらを組合せた方法によって特徴的な反応を示す物質である。
【0018】
識別物質は、元素としてコバルト、鉄、マンガン、マグネシウム、シリコン、塩素、臭素などから構成される。
【0019】
識別物質の大きさとしては、0.1〜2μm程度の大きさの粒子で、これらが凝集して2〜50μm程度の大きさに存在することもある。
【0020】
本発明の識別物質を所定の基材に付着(結着)させる方法としては、必要量(所定重量換算量)の識別物質を、所定の重量比にて樹脂に練り込む、又はインクに混ぜる、又は接着剤に混ぜるなど色々な方法が考えられ、いずれの方法でも特に問題はない。
【0021】
また、分散性を上げるために、本発明における識別物質を構成する透磁率の高い粒子の表面を、シランカップリング剤等相溶化剤などでコーティングして樹脂に分散させても良い。
【0022】
また、混ぜる際、分散性を上げるために、本発明における識別物質の表面を、シランカップリング剤等相溶化剤などでコーティングして樹脂に分散させたり、相溶化剤を用いて分散性を上げても良い。
【0023】
本発明の識別物質の使用量は、検知器が、その識別物質の存在を感知(又は検知、検知)できる程度の量が必要であり、検知器が感知できる量は、識別物質の種類、検知器、周囲の雰囲気などによっても異なるが、例えば、その識別物質を付与したタグ(例えば、Micro−Tag:Microtag Temed Ltd.製)が取り付けられるブランドプロテクトや真贋確認を必要とする商品や包装容器等を構成する基材が、金属を含有していないときは、0.1g/m2 程度、金属を含有しているときは0.3g/m2 程度が適当である。
【0024】
検知に必要な面積としては、検知器が感知できる面積が必要であり、検知器が感知できる面積は、識別物質の種類、検知器、周囲の雰囲気などによっても異るが、特に識別物質が、検知器が検知するのに拾う領域に、どの位の量あるかが重要であり、識別物質の量が少なければ、広い面積を必要とするし、識別物質が多ければ、識別可能な面積は小さくても良い。
【0025】
本発明では、識別装置にて識別感知するための識別物質を、識別感知可能な重量換算最少使用量Mmin と、その最少使用量Mmin での識別感知性能の安定性を得るために、その最少使用量Mmin に、さらに重量換算追加使用量d(d>0)を加算した重量換算総使用量Mにて使用するものである。
M=Mmin +d (d>0)
【0026】
そして、総使用量Mの識別物質を二分割以上の複数に分割することにより、重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )の各分割識別物質を形成して、商品、包材、包装容器等の物品に、その各分割識別物質を、その分割状態を保持した状態、又は全面的若しくは部分的に重ね合わせた状態で、識別装置の感知領域内に集めて取り付けて使用するものである。
Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn
(α1 ,α2 ,・・・αn >0)
【0027】
また、各分割識別物質は、包材の内装材と外装材、容器の本体と蓋、商品とラベル、商品を包装する容器とラベルなどコンビネーション形態になっている対の各々物品等の識別すべき物品に取り付けて使用する。
【0028】
識別装置(検知器)で感知可能かどうかを判定するときは、重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (但しMmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )の各分割識別物質を、識別装置の感知領域内に、その分割状態を保持した状態、又は全面的若しくは部分的に重ね合わせるなどして検知器が感知できる範囲内に集めて判定を行う。この検知器による認識物質の有無(存在)の検知には、認識物質を検知するのに必要な使用量(総使用量M)が必要であり、この量Mは、識別物質を識別感知可能な重量換算最少使用量Mmin と、その最少使用量Mmin での識別感知性能の安定性を得るために、その最少使用量Mmin に、さらに加えるための重量換算追加使用量d(d>0)が必要となる。
【0029】
この分割以前の認識物質の重量換算総使用量M(=Mmin +d)のうち重量換算追加使用量dの設定範囲は、その下限は当然検知限界になる0より大であり、その上限は、前記分割した各分割識別物質の重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )のうち、最少となる最少分割使用量αmin である。
0<d≦αmin
【0030】
この上限の考え方は、識別物質をn分割した際、全部を集めなくても、n−1個分割したものを集めただけで感知されては、分割して使用する欠点になってしまう。この様な可能性があるのは、分割した際、一番少なく分割した分割識別物質の重量換算分割使用量αmin 以外を集めた時で、この時の量が、識別物質を識別感知可能な重量換算最少使用量Mmin より少なくなってくれれば良い。
【0031】
つまり、[検知可能な最少使用量Mmin ]>[重量換算総使用量M(=Mmin +d)]−[分割した際に一番少なく分割した分割識別物質の最少分割使用量αmin ]であり、下記の条件式
Mmin >M(=Mmin +d)−αmin
であり、この式を整理すると
0<d<αmin
となる。
【0032】
このように識別物質を分割して使用することにより、当然、分割した各々の分割識別物質の量は、分割以前の識別物質の量より少なくなり、しばしば問題となる識別物質の存在による識別物質の適用物品の外観不良の問題は解消される。
【0033】
更に、識別物質の存在による外観不良の問題を解消するために、分割した分割識別物質(重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・,αk ,・・・,αn )のうちの一部,例えば分割使用量α1 あるいはαk を含んだ識別物質をフィルタとして使用することもできる。識別装置(検知器)は、識別物質中に含まれるコバルト、鉄、マンガン、マグネシウム、シリコン、塩素、臭素などからなる元素を検知するセンサー部を備えた検知ヘッド部を備え、例えば、前記フィルタは検知ヘッド部内の検知センサー部(センサー素子)の窓部に塗布又は結着して取り付け使用される。それにより、例えば残りの分割使用量α2 あるいはαk+1 を含んだ識別物質(あるいは、その識別物質を取り付けた物品)が、前記識別装置に備えた分割使用量α1 あるいはαk を含んだ識別物質による前記フィルタとオーバーラップして検知される場合には、センサー素子の前面にて感知される識別物質の重量換算総使用量M(=Mmin +d)は、分割使用量α1 +分割使用量α2 、あるいは分割使用量αk +分割使用量αk+1 となって識別感知が可能となる。
【0034】
分割識別物質の一部(分割使用量α1 あるいはαk の分割識別物質)を使用して構成される前記フィルタは、所定の基材に取り付け、それをセンサー部に貼り付けるなどして使用してもよく、できれば、メインの識別物質(識別される物質)を取り付ける基材(商品や包装被識別体又は識別物質を取り付ける基材)と同じ基材あるいは準ずる基材に取り付けるのが良い。
【0035】
これは、識別物質を付与したタグが取り付けられるブランドプロテクトや真贋確認を必要とする商品や包装容器等を構成する基材が、金属を含有していない場合や、含有している場合など、基材の種類によって識別物質の必要量が異なり、フィルタを識別装置(検知器)に取り付けただけで検知したりする誤作動の可能性があるためである。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0037】
<実施例1>
識別物質として、Microtag Temed Ltd.製のMicro−Tag(金属がないときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.1g/m2)を、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)に、分割使用量α1 として0.03g/m2になるように練り込んで取り付けた
後、該樹脂を用いてPETボトルを成形した。
【0038】
次に、このPETボトルの外表面を装飾するために用いるシュリンクフィルム(一軸延伸フィルム:ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いた熱収縮性フィルム)に、識別物質としてMicro−Tag(金属がない時の識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.1g/m2)を、前記一軸延伸フィルムに使用した樹脂(例えばポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂)に、分割使用量α2 として0.08g/m2になるように練り込んで塗布して取り付けた(重量換算総使用量M=Mmin +d=α1 +α2 =0.03+0.08=0.11g/m2 とした)後、筒状シュリンクフィルムに加工して、該筒状シュリンクフィルム内にPETボトルを嵌入し、シュリンクフィルムを加熱処理して収縮させ、PETボトル胴部の外表面に密着させて巻き付けた。
【0039】
次に、識別物質を取り付けたシュリンクフィルムを巻き付ける以前の前記識別物質を取り付けた上記PETボトルと、識別物質を取り付けたシュリンクフィルムを、それぞれ単独にて個別に、識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、PETボトルに取り付けた識別物質及びシュリンクフィルムに取り付けた識別物質について、いずれもその識別物質の存在を検知器で感知されず、真贋確認ができなかった。
【0040】
次に、識別物質を取り付けたシュリンクフィルムを外表面に巻き付けた後の前記識別物質を取り付けたPETボトルの表面を、識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、シュリンクフィルムを巻き付ける以前の上記PETボトルに取り付けた識別物質とシュリンクフィルムに取り付けた識別物質とが一体化(Mmin +d=α1 +α2 =0.11g/m2 )されて、識別物質の存在を検知器で感知でき、真贋確認ができた。
【0041】
<実施例2>
識別物質として、Microtag Temed Ltd.製のMicro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、ガラス容器表面に分割使用量α1 として0.08g/m2になるようにコーティングして取り付け、このガラス容器の外表面に貼着するアルミ蒸着したラベルに、Micro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、分割使用量α2 として0.17g/m2になるように塗布して取り付け、このガラス容器を入れる外箱にも、Micro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、分割使用量α3 として0.08g/m2になるように塗布して取り付けた。
【0042】
このようにして、識別物質を取り付けたそれぞれ上記ガラス容器、ラベル、外箱の各々を個別に単独にて識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、それぞれに取り付けた識別物質の存在は、いずれも検知器で感知されず、真贋確認ができなかった。
【0043】
次に、識別物質を取り付けた上記ガラス容器に、識別物質を取り付けたラベルを貼着した後、該ラベルを貼着したガラス容器を識別物質を取り付けた外箱内に収納した(重量換算総使用量M=Mmin +d=α1 +α2 +α3 =0.08+0.17+0.08=0.33g/m2 とした)後、外箱の表面から、識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、上記ガラス容器、ラベル、外箱の各々に取り付けた識別物質が一体化(Mmin +d=α1 +α2 +α3 =0.33g/m2 )されて、識別物質の存在が検知器で感知でき、真贋確認ができた。
【0044】
また、外箱だけに識別物質としてMicro−Tagを塗布して取り付けたものを使い、中身のガラス容器及びラベルには、識別物質を取り付けないものを使用して、外箱の外側から識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、識別物質の存在は検知器では感知されず、真贋確認ができなかった。
【0045】
<実施例3>
識別物質としてMicrotag Temed Ltd.製のMicro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、アルミ缶の表面に、分割使用量α1 として0.1g/m2になるようにコーティングして取り付けた。
【0046】
次に、識別物質としてMicro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、アルミ蒸着フィルムに、分割使用量α2 として0.25g/m2になるようにコーティングして取り付け、識別装置(検知器)の検知センサー窓に装着するためのフィルタとした。そして、該フィルタを識別装置(検知器)の検知センサー窓に接着剤を介して貼り付けた。
【0047】
次に、上記識別物質をコーティングして取り付けたアルミ缶を、上記識別物質を取り付けたフィルタを装着した識別装置(検知器)で検知したところ、上記アルミ缶とフィルタの各々に取り付けた識別物質が一体化(Mmin +d=α1 +α2 =0.35g/m2 )されて、識別物質の存在が検知器で感知でき、真贋確認ができた。
【0048】
なお、上記識別物質をコーティングして取り付けたアルミ缶のみを、上記識別物質を取り付けたフィルタを装着しない識別装置(検知器)で検知しても、識別物質の存在を感知できなかった。
【0049】
なお、上記識別物質をコーティングしていないアルミ缶のみを、上記識別物質を取り付けたフィルタを装着した識別装置(検知器)で検知しても、当然識別物質の存在は感知できなかった。
【0050】
<比較例1>
上記実施例3においてフィルタを作製する際、識別物質としてMicro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、金属を含有していないフィルムに、分割使用量α1 として0.25g/m2になるようにコーティングして取り付けて、識別装置(検知器)の検知センサー窓に取り付るフィルタとした。そして該フィルタを識別装置(検知器)の検知センサー窓に接着剤を介して貼り付けて装着した。
【0051】
上記フィルタを取り付けた識別装置(検知器)で、識別物質をコーティングして取り付けたアルミ缶、又は識別物質をコーティングしていないアルミ缶を、それぞれ識別検査したところ、いずれも識別物質の存在を感知し、識別検査対象物である前記アルミ缶に識別物質が取り付けられているか否かに関わらず、感知し続けたため、識別検査対象物の真贋確認ができなかった。
【0052】
なお、この現象は、実施例1に示すように、識別物質(Micro−Tag)の金属のないときの識別感知必要量(検知可能な最少使用量Mmin )が0.1g/m2であり、その識別感知必要量Mmin よりも2倍以上の大幅に多い分割使用量α1 (α1 =0.25g/m2)の識別物質を金属がないフィルムに取り付けて形成したフィルタが識別装置のフィルタとして装着されているため、本発明の下記条件式、 M=Mmin +d (d>0)
Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn
(α1 ,α2 ,・・・αn >0)
において、d>0の条件が成立しなくなるためである。
【0053】
【発明の効果】
本発明の識別物質の使用方法は、識別感知にとって必要量の識別物質を、識別検査対象物に対して分割して取り付け使用するようにした識別物質の使用方法であり、真贋の識別検査対象物としての商品や製品など物品の外装材と内装材、包装容器の容器本体と容器蓋、あるいはラベルと容器等、幾つかのパーツに別れている物品に対して、識別感知可能な必要量の識別物質を、それぞれのパーツに対して分割使用するようにしたので、識別物質を取り付けた真正の物品の全部のパーツが揃わない限り、識別装置による識別物質の存在を識別感知可能な必要量を満たすことができず、そのために識別検査対象物に対する識別装置による識別物質の存在の感知ができない。
【0054】
したがって、真正の物品の全部のパーツが揃わない限り、真正物品、贋造物品のいずれであるかの確認ができないことになり、正規の物品の全部のパーツが揃って初めて真贋の確認が可能となるものである。
【0055】
また分割した識別物質の一部を識別装置(検知器)のフィルタとして使用することにより識別検査対象物である被検知体への識別物質の使用量を少なくでき、従来の問題であった識別物質を取り付けることによる検査対象物の外観上の変色等、見た目の問題も解消できた。更に本発明により、識別物質をフィルタとして使用する際の識別物質の取付用基材の材質を規定することにより、検知誤作動を無くすことができる効果がある。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブランドプロテクト、真贋確認などに用いられる識別物質の使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブランドプロテクト、真贋確認等に使用する物質として、物質固有の物理現象を核磁気共鳴(NMR)、電子四重極共鳴(NQR)、電子スピン共鳴(ESR)などの方法あるいはこれらの複合方法によって検知する物質を使用する方法が知られている。(特表平10−509815)
【0003】
通常、これらの物質を感知に必要な必要量にて、ブランドプロテクトしたいものにコーティング、塗布あるいは練り込み等により取り付けて、その物質を感知するかしないかで真贋確認を行っている。
【0004】
【特許文献】
特表平10−509815号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、真贋確認等に使用する物質をブランドプロテクトしたい商品にコーティング、塗布などで取り付けたとき、商品の色合いや外観を損ねる恐れがあり、コーティング、塗布できる箇所が限られていた。
【0006】
また、商品が、例えば包装体によって包装されていて、商品と接触する内装体と、商品を陳列したり運びやすくするなどのために用いられている外装体などとからなる包装体に包まれているときは、通常、識別物質(真贋確認する物質)は包装体の外装容器に取り付けられるものであるが、その識別物質を取り付けた外装容器だけが、捨てられずにゴミ箱等から拾われるなどして使い回されたり、その外装容器の中身の商品が別の商品と入れ変えられたりして、偽物商品が出回る可能性がある。
【0007】
更に、商品や商品を包装した包装容器が、その商品本体や容器本体と、その本体の表面に貼着されたラベルなどとに分割される形態のときにも、識別物質がラベルだけに付いていると、識別物質が付いているラベルのみが使い回されて、そのラベルが別の物に貼着されて偽物が出回る可能性がある。
【0008】
そこで本発明は、ブランドプロテクトや真贋確認等に使用する識別物質をコ−ティング、塗布、練り込み等にて取り付ける場所が、商品の色合いや外観を損ねるなどの商品の色合いや外観の問題から限られないように、取り付ける識別物質の量を規制して、なるべく少なく使用できるようにすることにより、識別物質を取り付けた商品や容器やラベルが、不用意且つ不正に使い回されないようにするための識別物質の使用方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、識別装置(検知器)にて識別感知可能な識別物質の識別感知可能な重量換算最少使用量をMmin とし、重量換算追加使用量をd(d>0)として、前記識別物質の使用量MをMmin +dに設定して使用し、その識別物質を二分割以上の複数に分割した重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )の各分割識別物質を、識別すべき物品に取り付けて使用し、リーダーなどの識別装置で識別する際に、分割した前記各々分割識別物質を、その分割状態を保持した状態又は全面的若しくは部分的に重ね合わせた状態で、識別装置の感知領域内に集めて使用することを特徴とする識別物質の使用方法である。
M=Mmin +d (d>0)
Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn
(α1 ,α2 ,・・・αn >0)
【0010】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1記載の識別物質の使用方法において、前記追加使用量dを、識別装置の検知限界となる0より大を下限値とし、前記分割した各分割識別物質の重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )のうち最少分割使用量αmin を上限値として設定することを特徴とする識別物質の使用方法である。
0<d<αmin
【0011】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係る識別物質の使用方法において、前記分割した各々分割識別物質のうちの一つの分割識別物質を、識別装置のフィルタとして使用することを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0012】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項3に係る識別物質の使用方法において、前記識別装置のフィルタとして使用する分割識別物質の結着ベース材が、その分割識別物質を取り付け使用する物品の材質と基本的に同じ材料であることを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0013】
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項3に係る識別物質の使用方法において、前記識別装置のフィルタとして使用した分割識別物質の結着ベース材が、その分割識別物質を取り付け使用する物品の材質と基本的に同じ材料であって、その分割識別物質を取り付け使用する物品の材質が金属物質若しくは金属を含有する物質であれば金属含有材料を使い、プラスチック物質であればプラスチック材料を使うことを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0014】
本発明の請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至5のいずれか1項に係る識別物質の使用方法において、包材の内装材と外装材、容器の本体と蓋、商品とラベル、商品を包装する容器とラベルなどコンビネーション形態になっている対の各々物品に、前記分割識別物質をそれぞれ取り付けて使用することを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0015】
本発明の請求項7に係る発明は、上記請求項1乃至6のいずれか1項に係る識別物質の使用方法において、前記識別物質が、無線周波数領域で、核磁気共鳴(NMR)、核四極共鳴(NQR)、電子スピン共鳴(ESR)などの方法又はそれら方法の組合せによる方法により、特徴的な反応を示す識別可能な物質であることを特徴とする識別物質の使用方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
本発明の識別物質としては、無線周波数領域で、磁気共鳴(NMR)、電子四重極共鳴(NQR)、電子スピン共鳴(ESR)、強磁性共鳴(FR)、フェリ磁性共鳴(SWR)、反フェリ磁性共鳴(AFER)、磁区壁共鳴(DWR)、スピン波共鳴(SWR)などの方法、または、それらを組合せた方法によって特徴的な反応を示す物質である。
【0018】
識別物質は、元素としてコバルト、鉄、マンガン、マグネシウム、シリコン、塩素、臭素などから構成される。
【0019】
識別物質の大きさとしては、0.1〜2μm程度の大きさの粒子で、これらが凝集して2〜50μm程度の大きさに存在することもある。
【0020】
本発明の識別物質を所定の基材に付着(結着)させる方法としては、必要量(所定重量換算量)の識別物質を、所定の重量比にて樹脂に練り込む、又はインクに混ぜる、又は接着剤に混ぜるなど色々な方法が考えられ、いずれの方法でも特に問題はない。
【0021】
また、分散性を上げるために、本発明における識別物質を構成する透磁率の高い粒子の表面を、シランカップリング剤等相溶化剤などでコーティングして樹脂に分散させても良い。
【0022】
また、混ぜる際、分散性を上げるために、本発明における識別物質の表面を、シランカップリング剤等相溶化剤などでコーティングして樹脂に分散させたり、相溶化剤を用いて分散性を上げても良い。
【0023】
本発明の識別物質の使用量は、検知器が、その識別物質の存在を感知(又は検知、検知)できる程度の量が必要であり、検知器が感知できる量は、識別物質の種類、検知器、周囲の雰囲気などによっても異なるが、例えば、その識別物質を付与したタグ(例えば、Micro−Tag:Microtag Temed Ltd.製)が取り付けられるブランドプロテクトや真贋確認を必要とする商品や包装容器等を構成する基材が、金属を含有していないときは、0.1g/m2 程度、金属を含有しているときは0.3g/m2 程度が適当である。
【0024】
検知に必要な面積としては、検知器が感知できる面積が必要であり、検知器が感知できる面積は、識別物質の種類、検知器、周囲の雰囲気などによっても異るが、特に識別物質が、検知器が検知するのに拾う領域に、どの位の量あるかが重要であり、識別物質の量が少なければ、広い面積を必要とするし、識別物質が多ければ、識別可能な面積は小さくても良い。
【0025】
本発明では、識別装置にて識別感知するための識別物質を、識別感知可能な重量換算最少使用量Mmin と、その最少使用量Mmin での識別感知性能の安定性を得るために、その最少使用量Mmin に、さらに重量換算追加使用量d(d>0)を加算した重量換算総使用量Mにて使用するものである。
M=Mmin +d (d>0)
【0026】
そして、総使用量Mの識別物質を二分割以上の複数に分割することにより、重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )の各分割識別物質を形成して、商品、包材、包装容器等の物品に、その各分割識別物質を、その分割状態を保持した状態、又は全面的若しくは部分的に重ね合わせた状態で、識別装置の感知領域内に集めて取り付けて使用するものである。
Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn
(α1 ,α2 ,・・・αn >0)
【0027】
また、各分割識別物質は、包材の内装材と外装材、容器の本体と蓋、商品とラベル、商品を包装する容器とラベルなどコンビネーション形態になっている対の各々物品等の識別すべき物品に取り付けて使用する。
【0028】
識別装置(検知器)で感知可能かどうかを判定するときは、重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (但しMmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )の各分割識別物質を、識別装置の感知領域内に、その分割状態を保持した状態、又は全面的若しくは部分的に重ね合わせるなどして検知器が感知できる範囲内に集めて判定を行う。この検知器による認識物質の有無(存在)の検知には、認識物質を検知するのに必要な使用量(総使用量M)が必要であり、この量Mは、識別物質を識別感知可能な重量換算最少使用量Mmin と、その最少使用量Mmin での識別感知性能の安定性を得るために、その最少使用量Mmin に、さらに加えるための重量換算追加使用量d(d>0)が必要となる。
【0029】
この分割以前の認識物質の重量換算総使用量M(=Mmin +d)のうち重量換算追加使用量dの設定範囲は、その下限は当然検知限界になる0より大であり、その上限は、前記分割した各分割識別物質の重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )のうち、最少となる最少分割使用量αmin である。
0<d≦αmin
【0030】
この上限の考え方は、識別物質をn分割した際、全部を集めなくても、n−1個分割したものを集めただけで感知されては、分割して使用する欠点になってしまう。この様な可能性があるのは、分割した際、一番少なく分割した分割識別物質の重量換算分割使用量αmin 以外を集めた時で、この時の量が、識別物質を識別感知可能な重量換算最少使用量Mmin より少なくなってくれれば良い。
【0031】
つまり、[検知可能な最少使用量Mmin ]>[重量換算総使用量M(=Mmin +d)]−[分割した際に一番少なく分割した分割識別物質の最少分割使用量αmin ]であり、下記の条件式
Mmin >M(=Mmin +d)−αmin
であり、この式を整理すると
0<d<αmin
となる。
【0032】
このように識別物質を分割して使用することにより、当然、分割した各々の分割識別物質の量は、分割以前の識別物質の量より少なくなり、しばしば問題となる識別物質の存在による識別物質の適用物品の外観不良の問題は解消される。
【0033】
更に、識別物質の存在による外観不良の問題を解消するために、分割した分割識別物質(重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・,αk ,・・・,αn )のうちの一部,例えば分割使用量α1 あるいはαk を含んだ識別物質をフィルタとして使用することもできる。識別装置(検知器)は、識別物質中に含まれるコバルト、鉄、マンガン、マグネシウム、シリコン、塩素、臭素などからなる元素を検知するセンサー部を備えた検知ヘッド部を備え、例えば、前記フィルタは検知ヘッド部内の検知センサー部(センサー素子)の窓部に塗布又は結着して取り付け使用される。それにより、例えば残りの分割使用量α2 あるいはαk+1 を含んだ識別物質(あるいは、その識別物質を取り付けた物品)が、前記識別装置に備えた分割使用量α1 あるいはαk を含んだ識別物質による前記フィルタとオーバーラップして検知される場合には、センサー素子の前面にて感知される識別物質の重量換算総使用量M(=Mmin +d)は、分割使用量α1 +分割使用量α2 、あるいは分割使用量αk +分割使用量αk+1 となって識別感知が可能となる。
【0034】
分割識別物質の一部(分割使用量α1 あるいはαk の分割識別物質)を使用して構成される前記フィルタは、所定の基材に取り付け、それをセンサー部に貼り付けるなどして使用してもよく、できれば、メインの識別物質(識別される物質)を取り付ける基材(商品や包装被識別体又は識別物質を取り付ける基材)と同じ基材あるいは準ずる基材に取り付けるのが良い。
【0035】
これは、識別物質を付与したタグが取り付けられるブランドプロテクトや真贋確認を必要とする商品や包装容器等を構成する基材が、金属を含有していない場合や、含有している場合など、基材の種類によって識別物質の必要量が異なり、フィルタを識別装置(検知器)に取り付けただけで検知したりする誤作動の可能性があるためである。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0037】
<実施例1>
識別物質として、Microtag Temed Ltd.製のMicro−Tag(金属がないときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.1g/m2)を、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)に、分割使用量α1 として0.03g/m2になるように練り込んで取り付けた
後、該樹脂を用いてPETボトルを成形した。
【0038】
次に、このPETボトルの外表面を装飾するために用いるシュリンクフィルム(一軸延伸フィルム:ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いた熱収縮性フィルム)に、識別物質としてMicro−Tag(金属がない時の識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.1g/m2)を、前記一軸延伸フィルムに使用した樹脂(例えばポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂)に、分割使用量α2 として0.08g/m2になるように練り込んで塗布して取り付けた(重量換算総使用量M=Mmin +d=α1 +α2 =0.03+0.08=0.11g/m2 とした)後、筒状シュリンクフィルムに加工して、該筒状シュリンクフィルム内にPETボトルを嵌入し、シュリンクフィルムを加熱処理して収縮させ、PETボトル胴部の外表面に密着させて巻き付けた。
【0039】
次に、識別物質を取り付けたシュリンクフィルムを巻き付ける以前の前記識別物質を取り付けた上記PETボトルと、識別物質を取り付けたシュリンクフィルムを、それぞれ単独にて個別に、識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、PETボトルに取り付けた識別物質及びシュリンクフィルムに取り付けた識別物質について、いずれもその識別物質の存在を検知器で感知されず、真贋確認ができなかった。
【0040】
次に、識別物質を取り付けたシュリンクフィルムを外表面に巻き付けた後の前記識別物質を取り付けたPETボトルの表面を、識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、シュリンクフィルムを巻き付ける以前の上記PETボトルに取り付けた識別物質とシュリンクフィルムに取り付けた識別物質とが一体化(Mmin +d=α1 +α2 =0.11g/m2 )されて、識別物質の存在を検知器で感知でき、真贋確認ができた。
【0041】
<実施例2>
識別物質として、Microtag Temed Ltd.製のMicro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、ガラス容器表面に分割使用量α1 として0.08g/m2になるようにコーティングして取り付け、このガラス容器の外表面に貼着するアルミ蒸着したラベルに、Micro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、分割使用量α2 として0.17g/m2になるように塗布して取り付け、このガラス容器を入れる外箱にも、Micro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、分割使用量α3 として0.08g/m2になるように塗布して取り付けた。
【0042】
このようにして、識別物質を取り付けたそれぞれ上記ガラス容器、ラベル、外箱の各々を個別に単独にて識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、それぞれに取り付けた識別物質の存在は、いずれも検知器で感知されず、真贋確認ができなかった。
【0043】
次に、識別物質を取り付けた上記ガラス容器に、識別物質を取り付けたラベルを貼着した後、該ラベルを貼着したガラス容器を識別物質を取り付けた外箱内に収納した(重量換算総使用量M=Mmin +d=α1 +α2 +α3 =0.08+0.17+0.08=0.33g/m2 とした)後、外箱の表面から、識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、上記ガラス容器、ラベル、外箱の各々に取り付けた識別物質が一体化(Mmin +d=α1 +α2 +α3 =0.33g/m2 )されて、識別物質の存在が検知器で感知でき、真贋確認ができた。
【0044】
また、外箱だけに識別物質としてMicro−Tagを塗布して取り付けたものを使い、中身のガラス容器及びラベルには、識別物質を取り付けないものを使用して、外箱の外側から識別装置(検知器)を用いて識別検査したところ、識別物質の存在は検知器では感知されず、真贋確認ができなかった。
【0045】
<実施例3>
識別物質としてMicrotag Temed Ltd.製のMicro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、アルミ缶の表面に、分割使用量α1 として0.1g/m2になるようにコーティングして取り付けた。
【0046】
次に、識別物質としてMicro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、アルミ蒸着フィルムに、分割使用量α2 として0.25g/m2になるようにコーティングして取り付け、識別装置(検知器)の検知センサー窓に装着するためのフィルタとした。そして、該フィルタを識別装置(検知器)の検知センサー窓に接着剤を介して貼り付けた。
【0047】
次に、上記識別物質をコーティングして取り付けたアルミ缶を、上記識別物質を取り付けたフィルタを装着した識別装置(検知器)で検知したところ、上記アルミ缶とフィルタの各々に取り付けた識別物質が一体化(Mmin +d=α1 +α2 =0.35g/m2 )されて、識別物質の存在が検知器で感知でき、真贋確認ができた。
【0048】
なお、上記識別物質をコーティングして取り付けたアルミ缶のみを、上記識別物質を取り付けたフィルタを装着しない識別装置(検知器)で検知しても、識別物質の存在を感知できなかった。
【0049】
なお、上記識別物質をコーティングしていないアルミ缶のみを、上記識別物質を取り付けたフィルタを装着した識別装置(検知器)で検知しても、当然識別物質の存在は感知できなかった。
【0050】
<比較例1>
上記実施例3においてフィルタを作製する際、識別物質としてMicro−Tag(金属があるときの識別感知必要量;検知可能な最少使用量Mmin として2cm×4cmの面積に0.3g/m2)を、金属を含有していないフィルムに、分割使用量α1 として0.25g/m2になるようにコーティングして取り付けて、識別装置(検知器)の検知センサー窓に取り付るフィルタとした。そして該フィルタを識別装置(検知器)の検知センサー窓に接着剤を介して貼り付けて装着した。
【0051】
上記フィルタを取り付けた識別装置(検知器)で、識別物質をコーティングして取り付けたアルミ缶、又は識別物質をコーティングしていないアルミ缶を、それぞれ識別検査したところ、いずれも識別物質の存在を感知し、識別検査対象物である前記アルミ缶に識別物質が取り付けられているか否かに関わらず、感知し続けたため、識別検査対象物の真贋確認ができなかった。
【0052】
なお、この現象は、実施例1に示すように、識別物質(Micro−Tag)の金属のないときの識別感知必要量(検知可能な最少使用量Mmin )が0.1g/m2であり、その識別感知必要量Mmin よりも2倍以上の大幅に多い分割使用量α1 (α1 =0.25g/m2)の識別物質を金属がないフィルムに取り付けて形成したフィルタが識別装置のフィルタとして装着されているため、本発明の下記条件式、 M=Mmin +d (d>0)
Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn
(α1 ,α2 ,・・・αn >0)
において、d>0の条件が成立しなくなるためである。
【0053】
【発明の効果】
本発明の識別物質の使用方法は、識別感知にとって必要量の識別物質を、識別検査対象物に対して分割して取り付け使用するようにした識別物質の使用方法であり、真贋の識別検査対象物としての商品や製品など物品の外装材と内装材、包装容器の容器本体と容器蓋、あるいはラベルと容器等、幾つかのパーツに別れている物品に対して、識別感知可能な必要量の識別物質を、それぞれのパーツに対して分割使用するようにしたので、識別物質を取り付けた真正の物品の全部のパーツが揃わない限り、識別装置による識別物質の存在を識別感知可能な必要量を満たすことができず、そのために識別検査対象物に対する識別装置による識別物質の存在の感知ができない。
【0054】
したがって、真正の物品の全部のパーツが揃わない限り、真正物品、贋造物品のいずれであるかの確認ができないことになり、正規の物品の全部のパーツが揃って初めて真贋の確認が可能となるものである。
【0055】
また分割した識別物質の一部を識別装置(検知器)のフィルタとして使用することにより識別検査対象物である被検知体への識別物質の使用量を少なくでき、従来の問題であった識別物質を取り付けることによる検査対象物の外観上の変色等、見た目の問題も解消できた。更に本発明により、識別物質をフィルタとして使用する際の識別物質の取付用基材の材質を規定することにより、検知誤作動を無くすことができる効果がある。
Claims (7)
- 識別装置(検知器)にて識別感知可能な識別物質の識別感知可能な重量換算最少使用量をMmin とし、重量換算追加使用量をd(d>0)として、前記識別物質の使用量MをMmin +dに設定して使用し、その識別物質を二分割以上の複数に分割した重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )の各分割識別物質を、識別すべき物品に取り付けて使用し、リーダーなどの識別装置で識別する際に、分割した前記各々分割識別物質を、その分割状態を保持した状態又は全面的若しくは部分的に重ね合わせた状態で、識別装置の感知領域内に集めて使用することを特徴とする識別物質の使用方法。
M=Mmin +d (d>0)
Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn
(α1 ,α2 ,・・・αn >0) - 請求項1記載の識別物質の使用方法において、前記追加使用量dを、識別装置の検知限界となる0より大を下限値とし、前記分割した各分割識別物質の重量換算分割使用量α1 ,α2 ,・・・αn (Mmin +d=α1 +α2 +・・・+αn )のうち最少分割使用量αmin を上限値として設定することを特徴とする識別物質の使用方法。
0<d<αmin - 請求項1又は2記載の識別物質の使用方法において、前記分割した各々分割識別物質のうちの一つの分割識別物質を、識別装置のフィルタとして使用することを特徴とする識別物質の使用方法。
- 請求項3記載の識別物質の使用方法において、前記識別装置のフィルタとして使用する分割識別物質の結着ベース材が、その分割識別物質を取り付け使用する物品の材質と基本的に同じ材料であることを特徴とする識別物質の使用方法。
- 請求項3記載の識別物質の使用方法において、前記識別装置のフィルタとして使用した分割識別物質の結着ベース材が、その分割識別物質を取り付け使用する物品の材質と基本的に同じ材料であって、その分割識別物質を取り付け使用する物品の材質が金属物質若しくは金属を含有する物質であれば金属含有材料を使い、プラスチック物質であればプラスチック材料を使うことを特徴とする識別物質の使用方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載の識別物質の使用方法において、包材の内装材と外装材、容器の本体と蓋、商品とラベル、商品を包装する容器とラベルなどコンビネーション形態になっている対の各々物品に、前記分割識別物質をそれぞれ取り付けて使用することを特徴とする識別物質の使用方法。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の識別物質の使用方法において、前記識別物質が無線周波数領域で、核磁気共鳴(NMR)、核四極共鳴(NQR)、電子スピン共鳴(ESR)などの方法又はそれら方法の組合せによる方法により、特徴的な反応を示す識別可能な物質であることを特徴とする識別物質の使用方法。
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