JP2004285850A - アクチュエータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン燃焼圧負荷外乱や渦電流が発生しても、フィードバック制御力に対して適正なフィードフォワード制御力を与え、非線形補償する関数によりコイル通電量を決定することで、高速、高精度、低振動、低騒音の電磁式アクチュエータ制御装置を得る。
【解決手段】A/D変換器などで変位測定値xの取り込みを行い(ステップST31)、その値に基づいて目標軌道を生成する(ステップST32)。そしてフィードフォワードとフィードバック制御則により制御力指令値F*を算出する(ステップST33)。電流指令値i*は、非線形性を補正する関数(例えば多項式近似関数)を用いて制御力指令値F*と変位xから求める(ステップST34)。そして電流指令値i*を駆動アンプへ出力する(ステップST35)。
【選択図】 図2
【解決手段】A/D変換器などで変位測定値xの取り込みを行い(ステップST31)、その値に基づいて目標軌道を生成する(ステップST32)。そしてフィードフォワードとフィードバック制御則により制御力指令値F*を算出する(ステップST33)。電流指令値i*は、非線形性を補正する関数(例えば多項式近似関数)を用いて制御力指令値F*と変位xから求める(ステップST34)。そして電流指令値i*を駆動アンプへ出力する(ステップST35)。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁力を用いて制御対象を制御するアクチュエータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁式のアクチュエータ制御装置は、上鉄心と下鉄心の間に可動子が配置されている。これら鉄心には、可動子を駆動する上コイル、下コイルが巻かれている。そして、この可動子は、可動子シャフトを有し、さらに、その先にはエンジンバルブ軸が連接されている。可動子シャフトは、上鉄心の上方および下鉄心の下方で、可動子シャフトに固定された上リテーナとケースの間のコイルばねと、可動子シャフトに固定された下リテーナとエンジンヘッドの間のコイルばねにより弾性支持するよう初期力を与えた状態で支持されている。そして、ケース上部に取り付けられた変位センサにより可動子の動きを検出する構造になっている。変位センサの出力は、CPU、A/D変換器、駆動回路からなる電子制御装置に入力されている。
【0003】
次に従来の電磁式のアクチュエータ制御装置の動作について説明する。
上コイル、下コイルに通電していないときは、上コイルばねと下コイルばねのばね力の釣合いによって可動子の位置が決まる。通常、この状態ではバルブの先端は中立位置にある。
バルブを閉弁位置に移動させるには上コイルに通電すると、上鉄心と可動子の間で磁路が形成され、可動子を上側に吸引する電磁力が発生する。この電磁力と上コイルばねと下コイルばねによるばね力が釣合う位置まで上方向へ可動子が移動する。上コイルに対する通電量は変位センサの検出値に基づいて制御装置の演算により決定する。可動子が上鉄心から離れている場合には通電量を大きく、可動子が上鉄心に近づいた場合には通電量を小さくする。以上のように、通電量を制御することで可動子に連結されているバルブの先端を弁座の位置まで移動させ閉弁状態となる。
バルブを閉弁位置で保持するためには、この状態で変位センサの検出値に基づいて制御装置で通電量を制御する。これらの動作により閉弁位置への移動および保持がなされる。
【0004】
逆に、バルブを開弁位置に移動させるには上コイルの通電を止める。そして、可動子を上側に吸引する電磁力がなくなると、上コイルばねと下コイルばねが発生する合力により可動子を下方向に移動させる。さらに、下コイルに通電すると下鉄心と可動子の間で磁路が形成され、可動子を下側に吸引する電磁力が発生する。これらの力と上コイルばねと下コイルばねが発生する合力が釣合う位置まで可動子は下方向へ移動する。下コイルに対する通電量は変位センサの検出値によって決定する。可動子が下鉄心から離れている場合には通電量を大きく、可動子が下鉄心に近づいた場合には通電量を小さくする。以上のように、通電量を制御することで可動子に連結されているバルブの先端を弁座から下方へ押し下げ、バルブと弁座の間に気路を形成し開弁状態となる。
バルブを開弁位置で保持するためには、この状態で変位センサの検出値に基づいて制御装置で通電量を制御する。求められる通電量を制御する。これらの動作により開弁位置への移動および保持がなされる。
以上が基本の動作であるが、排気バルブを内燃機関の運転に同期させて開閉駆動する際には、フィードフォワード電流成分Ifを算出した後フィードバック電流成分Ibを算出し、指令電流IはIfとIbの和として設定する。そして、励磁電流を電子制御装置の駆動回路から各電磁石のコイルに選択的に供給する(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−188470公報(P5〜P7、図1、図8)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁式のアクチュエータ制御装置では、フィードバック電流Ibとフィードフォワード電流Ifの和として最終的な電流指令Iが算出される。しかし、フィードバック電流Ibとフィードフォワード電流Ifを単純に加算しただけでは必要な力に対して最適な電流指令値とはいえず、振動および騒音が発生し、その抑制に限界があった。
【0007】
この発明に係るアクチュエータ制御装置では、上述のような課題を解決するためになされたもので、比例要素(P)、積分要素(I)と微分要素(D)を基にしたPID制御コントローラなどで算出したフィードバック制御力指令値F*を求め、この制御力指令値F*から電流指令値i*を算出する際に高精度かつ高速な演算で電流指令値i*を求めることができるので、振動や騒音を大幅に抑制することができる電磁式バルブ制御装置を得ることを目的とする。そして、1つの制御コントローラで複数の電磁式バルブを制御することが可能となり低コスト化を実現できる。
【0008】
また、バルブに加わる外乱と渦電流の発生による電磁力の遅れを考慮しているため、フィードバック制御力Fbにフィードフォワード制御力Ffを加えることで最適な制御力指令値F*を求め、高精度かつ高速な演算で電流指令値i*を求めることができるので、振動や騒音を大幅に抑制することができる電磁式バルブ制御装置を得るものである。
【0009】
さらに、可動子を一方で保持しているときの変位出力値を基準に他方で保持しているときの変位出力値をストロークに設定して、これを元に指令振幅を与える。そして、適当な時間サイクルで更新することで指令振幅および位置検出精度を高くすることができる。
さらにまた、磁束検出値から算出した制御力をフィードバックすることで電磁石の制御帯域は向上させ、高速でかつ高精度な制御力をあたえることを可能とし、さらに高速な電磁式アクチュエータ制御装置を得るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電磁式アクチュエータ制御装置は、制御対象の変位を検出する検出手段と、前記検出手段の出力信号から前記制御対象の目標軌道を生成し、前記生成された目標軌道に基づいて制御力指令値を算出し、この制御力指令値から多項式近似関数で近似された係数を乗じて制御電流指令値を出力する電流制御手段と、前記電流指令値に基づいて磁力を発生させて前記制御対象を駆動する駆動手段とを備えるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1を示すものである。この実施の形態では、発明のアクチュエータ制御装置を内燃機関のバルブの開閉に適用した実施形態として説明する。
図1において、11は固定部である筒型ケース、12は筒型ケース11の上部に取り付けられ上側の磁路を形成する上鉄心、12aは上鉄心12の内部に挿入し取り付けられた上部コイル、13は筒型ケース11の下部に取り付けられ下側の磁路を形成する下鉄心、13aは下鉄心13の内部に挿入し取り付けられた下部コイル、14は上鉄心12と下鉄心13の間に配置された可動子、19は可動子14に固定されたアクチュエータシャフト、15aはアクチュエータシャフト19に固定された上リテーナ、21は固定部であるエンジンヘッド部、17は上下方向に移動するようエンジンヘッド部21で摺動支持されたバルブ、16aはバルブ17に固定された下リテーナ、15は初期力を与えるよう圧縮状態で、一方を筒型ケース11にもう一方を上リテーナ15aに当接し下方向に力を発生している上コイルばね、16は初期力を与えるよう圧縮状態で、一方をエンジンヘッド部21にもう一方を下リテーナ16aに当接し上方向に力を発生している下コイルばねである。ここで、可動子14、アクチュエータシャフト19とバルブ17の構成が制御対象となる。18は可動子14の変位を検出する変位センサを示す。変位センサ18の出力を取り込み例えば電圧に変換する変位センサ回路22で変位検出手段を構成している。23は変位センサ回路22の電圧値をA/D変換して取り込み、例えばDSP(Digital Signal Processor)などで制御力指令値および電流指令値を演算する制御コントローラ(電流制御手段)、24は電流指令値に基づいて上部コイル12a、下部コイル13aに通電する駆動アンプである。ここで、駆動アンプ24とその電流指令値を供給する上部コイル12aと下部コイル13aとで駆動手段を構成する。
【0012】
図2は、制御コントローラ23内の処理フローを示しており、ST31は変位値xを制御コントローラ23内に取り込むステップ(例えばA/D変換処理)、ST32は変位値xに基づいて可動子14の目標軌道を生成するステップ、ST33は制御コントローラ内の制御力指令値F*を算出するステップ、ST34は制御コントローラ内の電流指令値i*を算出するステップ、ST35は駆動アンプへの電流指令値を出力するステップ(例えばD/A変換処理)である。
【0013】
図3は、図1の系を比例要素(P)、積分要素(I)と微分要素(D)で表した制御ブロック図で、41a、41b、41cはPID要素を含む位置フィードバック制御ゲイン、42a、42b、42cはPID要素を含む速度フィードバック制御ゲイン、43は制御力指令値F*から電流指令値i*を算出する非線形補償関数g(F*,x)、44は電流フィードバックゲイン、45はコイルの抵抗RとインダクタンスLの特性を示すブロック、46は電流値iと変位xから制御力指令値F*の発生を示す関数f(i,x)、47は可動子14を含む可動部の質量をmとしたとき制御力指令値F*から速度の変換を示すブロック、48は可動部の速度を積分して変位の変換を示すブロック、49は変位センサ出力を微分して速度に変換するブロック、50はばね定数kと同じフィードバックゲイン、51は電磁式駆動バルブの減衰係数、52は電磁式駆動バルブのばね定数を示す。
図4は、図3の非線形補償関数43の一例を示し、電磁力−起磁力の多項式近似関数の計算値と実測値の比較をあらわす。
【0014】
次に動作について説明する。図1において上コイルばね15は自然長より圧縮状態で配置されており、筒型ケース11側を支点として上リテーナ15aとシャフト19を下方向に押す力が作用している。また、下コイルばね16は自然長より圧縮状態で配置されており、エンジンヘッド部21を支点として下リテーナ16aとバルブ17を上方向に押す力が作用している。この2つの作用力がシャフト19の下端面とバルブ17の上端面の接触により釣合い、図のような中立位置で静止している。
【0015】
例えば、バルブ17を閉弁位置の上方向に移動させるには上部コイル12aに通電すると、上鉄心12と可動子14の間で磁路が形成され、可動子14を上側に吸引する電磁力が発生する。この電磁力が上コイルばね15と下コイルばね16によるばね力の合力が釣合う位置まで可動子14は上方向へ移動する。
このときの制御手順について、図2を用いて説明する。変位センサ18の出力は変位センサ回路22で電圧値に変換されA/D変換器(図示していない)でデジタル信号に変換されて制御コントローラ23へ入力される(ステップST31)。制御コントローラ23は変位値xに基づき目標軌道を生成する(ステップST32)。このとき目標軌道が上記のように閉弁位置の上方向へ移動するとき、DSPで制御力指令値F*(ステップST33)、電流指令値i*の手順で演算を行う(ステップST34)。電流指令値i*はD/A変換器(図示していない)でアナログ信号に変換され(ステップST35)、駆動アンプ24は上部コイル12aへ通電する。可動子14が上鉄心12から離れている場合には通電量は大きく、可動子14が上鉄心12に近づいた場合には通電量は小さくなる。以上のように、通電量を制御することで可動子14に接触しているバルブ17の先端を閉弁位置へ移動させる。
【0016】
制御力指令値F*は制御コントローラ23内の制御則により求められる。図3はその制御則を示し、x*を目標軌道の変位、xを実際の変位、Kp、Ki、KdはそれぞれPID制御を行う位置フィードバックゲイン、Kpv、Kiv、KdvはそれぞれPID制御を行う速度フィードバックゲイン、kをばねゲイン、sをラプラス演算子とすると、式(1)で表せる。
【0017】
【数1】
【0018】
なお、式(1)において、位置フィードバックゲインKi、Kd、速度フィードバックゲインKiv、Kdvについては、実際のモデルに対する目標性能によっては係数を0(ゼロ)に設定してもよい。
【0019】
ここで、F*の符号は駆動するコイルを表している。例えば、バルブを閉側に駆動する場合でF*>0となった場合、上部コイル12aで駆動することが基準となる。逆に、開側に駆動する場合F*<0となり、下部コイル13aで駆動することが基準となる。変位センサやコイルの取り付け方向によっては、符号が反対となるので矛盾が生じないように駆動コイルを選択することはいうまでもない。
【0020】
制御力指令値F*から電流指令値i*は、図4の非線型補償の多項式近似関数を用いる。図中の○印は実測値であり、横軸はある変位における起磁力(駆動電流値A×ターン数T)に対して縦軸は、そのときの電磁力(N)を示している。図4で○印の上から順に変位x(単位:mm)が、−3.59、−3.54、−3.49、−3.44、−3.39、−3.29、−3.14、−3.04、−2.89、−2.74、−2.49、−2.24、−1.74およびー0.74としたときの起磁力と電磁力を示している。例えば、x=−3.59mmにおいて、起磁力が0〜400ATまでは2次関数的に増加するのに対して、1000AT以上では比較的一定に増加する。他の変位についても起磁力が小さいところでは、2次関数的に変化し起磁力の大きなところでは一定に増加する傾向であり非線型性があるといえる。
【0021】
通常、制御力指令値F*から、電流指令値i*を求めるには、実験値の変位、起磁力、電磁力のマップデータを制御コントローラ内に持ち、制御力指令値F*とそのときの変位xから起磁力(AT)を求める。そして、コイルターン数(T)で除算することで電流指令値i*が求められる。
しかし、このような方法では比較や近似処理に時間がかかるため、電磁式バルブ制御装置のように高速な動作が必要な場合には好ましくない。そこで、制御力F*から制御電流指令値i*を求める方法として、以下の式(2)の多項式近似関数により求める。
【0022】
【数2】
【0023】
式(2)における行列Pは、ここでは7行3列の定数とし、実測データとの誤差が小さくなるように最小二乗法を用いて求める。図中の○印の実測値に対して求めた行列Pは以下の式(3)のようになる。
【0024】
【数3】
【0025】
式(2)を用いて電磁力指令値F*から電流指令値i*を求めて起磁力で表したグラフは、図4の実線で示している。このグラフからわかるように、この多項式近似を用いることで精度よい近似関数を得られることがわかる。なおかつ、乗算と加算で演算できるため、このような電磁式バルブ制御装置をDSPで駆動する場合に特に有効である。行列Pは7行3列の場合を示したが、精度を落としても高速である方が望ましい場合は、例えば3行3列として係数を定めても十分である。
以上、バルブ17を閉弁位置に移動する場合を説明したが開弁位置に移動させるにも目標軌道を与えることで同様に動作は可能である。
【0026】
電流制御手段は、制御力指令値と変位センサ出力値から高速、かつ、電磁石の非線形性を精度よく補償した電流指令値を求めることができる。したがって、指令値に近い制御力を得ることができ、低振動で低騒音の電磁式アクチュエータ制御装置が得られる。
【0027】
また、上記の実施の形態では、内燃機関のバルブのアクチュエータ制御装置として説明したが、内燃機関に限ることなく、流量制御のアクチュエータ制御装置であってもよく、制御対象の変位を検出できるものであれば、同様の効果を得ることができる。
【0028】
実施の形態2.
図5におけるフローチャート図は、実施の形態2の制御コントローラを表し、ST61は変位値xを制御コントローラ内に取り込む手段(例えばA/D変換器)、ST62は目標軌道生成手段、ST63は目標軌道がバルブ保持区間かどうかを判定する手段、ST64は保持時の電流指令値を設定する手段、ST65は目標軌道が自由運動区間かどうかを判定する手段、ST66は自由運動区間の電流指令値を0にする手段、ST67は制御則を実施し制御力F*を求める手段、ST68は制御力F*から制御電流指令値i*を求める手段、ST69は駆動アンプへ電流指令値i*を出力する手段を表す。
図6は、駆動パターン1を示し、可動子14が上鉄心12と下鉄心13に衝突するときの速度を低減してソフトランディングをする目標軌道を示す。図7は、バルブ17がエンジンヘッド部21に、可動子14が上鉄心12に、可動子14がバルブ17の軸に、可動子14が下鉄心13にそれぞれ接触するときの衝突速度を低減する目標軌道を示す。
【0029】
図5において、変位値xの取り込みを実行(ステップST61)した後で、その値に基づき目標軌道を生成する(ステップST62)。目標軌道に基づきバルブを保持区間であるかどうか判定する(ステップST63)。バルブ保持区間であれば、電流指令値i*=保持電流指令値ihに設定する(ステップST64)。バルブ保持区間でなければ、自由運動区間であるかどうか判定する(ステップST65)。自由運動区間であれば、電流指令値i*=0に設定する(ステップST66)。自由運動区間でなければ制御則を実施する(ステップST67)。制御則は、例えば、図3のようなコントローラ内のブロック線図である。制御則の実施により電流指令値i*=irに設定される(ステップST68)。そして電流指令値i*が駆動アンプへ出力される(ステップST69)。
【0030】
図6は、目標軌道例1を示す。この場合は、可動子14が上鉄心12と下鉄心13に接触するときの速度を低減してソフトランディングをする目標軌道である。区間0は保持区間をあらわし、バルブ開の状態でバルブが保持されるため、電流指令値i*=ihに設定される。区間1は自由運動区間を示し、電流指令値i*=0に設定される。区間2は制御則の実施により電流指令値i*=irとなる。区間3はバルブ閉の状態でバルブが保持されるため電流指令値i*=ih’に設定される。そして区間4は自由運動区間を示し、電流指令値i*=0に設定される。区間5は制御則の実施により電流指令値i*=ir’となる。そして区間6は、区間0と同様となる。このように、目標軌道の各区間で最適な電流値に制御しながらバルブ駆動が繰り返される。
【0031】
目標軌道例1では、バルブ閉位置でバルブ17がエンジンヘッド部21に、可動子14がアクチュエータシャフト19に衝突する際の速度の低減はしていない。しかし、場合によっては、このときの衝突の発生により振動や騒音が問題となる。その場合には、バルブ閉位置での衝突速度を落とすよう図7の目標軌道2のように設定する。開位置からスタートしたバルブは閉位置のところで速度を一旦低下させる。そして、しばらく保持した後で可動子14を上鉄心12に近づける。上鉄心接触位置からバルブ開位置に移動するときに、アクチュエータシャフト19がバルブ17へ接触するので、このときの速度も低減するように目標軌道を与える。そして、その後バルブ開位置へ移動する。
【0032】
目標軌道2の場合、制御の切り替えについて説明する。まず、区間0で開弁保持されていたバルブは電流指令値i*=ih0である。区間1は自由振動区間で電流指令値i*=0で、ばね力だけで自由に運動する。区間2では、制御則が実施され電流指令値i*=ir2となり、閉位置でバルブ17はエンジンヘッド部21に着座する。区間3では、電流指令値i*=ih3でバルブが保持され、その後区間4でバルブ閉保持位置に移動するとき、制御則が実施され電流指令値はi*=ir4となる。区間5では、バルブは閉保持される(ih*=ih5)。そのあと区間6で制御則が実施され電流指令値i*=ir6となる。区間7では電流指令値i*=ih7となりバルブが保持される。区間8は自由に運動する区間で電流指令値i*=0に設定される。区間9は制御則が実施され電流指令値i*=irに設定される。そして区間0のバルブ保持区間に移行しこの動作が繰り返される。
変位センサ出力値は、一方の鉄心の接触時を基準にして他方の鉄心接触時の変位値をストロークに設定する。時間的な変位出力値の変動や部品の熱変形の影響を小さくでき精度の良い変位値を得ることができる。したがって目標軌道からの偏差が小さくなるので、低振動で低騒音の電磁式アクチュエータ制御装置を得ることができる。
【0033】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、このように接触時については速度が0となるように目標軌道を与えることで各部品間の衝突速度を低減できるので、低振動で低騒音のバルブ制御装置を得る。また、時間的な変位出力値の変動や部品の熱変形の影響を小さくでき精度の良い変位値を得るので、低振動で低騒音の制御ができるという効果を奏する。
【0034】
実施の形態3.
図8は、図3のフィードバック制御則に対して、エンジン燃焼時の負荷外、Fdと、渦電流の発生icによる磁束の発生φcを考慮した制御モデルである。これらの影響を小さくするため、フィードバック制御力にフィードフォワード制御力Ffを加算する制御コントローラを備えている。
図9は、図8のフィードフォワード制御力Ffを可動子14の位置xの関数で与えた例である。図10は、フィードフォワード制御力Ffを位置xの区間により定数で与えた場合を示している。
【0035】
エンジン燃焼時に、バルブ17には負荷外乱Fdが発生する。この外乱Fdはバルブを開閉するタイミングで大きく変わるため、回転数、時間などを変数としたデータをあらかじめ用意しておく。渦電流ic(i,x)は、駆動電流iと変位xの関数でモデル化する。駆動電流iに対して、渦電流を考慮しなければφiの磁束が発生するが、渦電流icによる磁束φcを考慮すると、実際に発生する磁束φは以下の式(4)のようになる。
φ=φi−φc ・・・(4)
したがって、実際に可動子に発生する力は、
fm(φ)=f(φi)−f(φc)
となり、渦電流の発生により不足する制御力はf(φc)である。また、外乱により不足する制御力はFdである。したがって、あらかじめフィードフォワード制御力指令値Ff=f(φc)+Fdを与えることで、外乱と渦電流の影響を小さくすることができる。
したがって、制御則は以下の式で表せる。
【0036】
【数4】
【0037】
このようにフィードバック制御力に上記の式(5)のようにフィードフォワード制御力を与えることで、可動子軸に加わる外乱や可動子に発生する渦電流の影響を小さくすることができる。
なお、位置フィードバックゲインKi、Kd、速度フィードバックゲインKiv、Kdvについては、実際のモデルに対する目標性能によっては、係数を0(ゼロ)に設定してもよい。
【0038】
このように、この実施の形態によれば、渦電流による制御力不足および外乱による制御力不足を考慮したフィードフォワード制御力を制御力指令値に加えているので、これらの影響を小さくできるため目標軌道から遅れの小さくかつ、低振動で低騒音の制御ができるという効果を奏する。
【0039】
実施の形態4.
図11は、図5のステップST67、ST68に相当するブロックのフローチャート図を示す。制御則を実施し(ステップST81)、制御力指令値F*を算出する(ステップST82)。この後、可動子14の変位と定数aの比較を行い(ステップST83)、x>aの場合、行列P1を選択する(ステップST84)。そうでない場合は、行列P2を選択する(ステップST85)。そして電流指令値i*=irが算出される(ステップST86)。
行列P1、P2は、あらかじめ変位の範囲によって測定データあるいは解析データを基に近似された行列である。変位により行列を切り替えることで精度の良い電流指令値i*を求めることができる。この実施の形態4では、行列を2種類で説明したが、もちろんこのような行列を2種類以上用意して変位によって切り替えても良い。
【0040】
この実施の形態によれば、係数の行列を複数用意しておき、可動子と可動鉄心の距離により切り替えることでさらに精度のよい制御力指令値から制御電流値を求めることができ、なおかつ、さらに低振動で低騒音の制御ができるという効果を奏する。
【0041】
実施の形態5.
図12は、この実施の形態において図1の電磁式バルブ駆動制御装置に対して、磁束検出コイル25と磁束検出回路26を追加し、制御コントローラ23へ磁束検出値を取り込む例である。図13は磁束検出コイル25により上部コイル12a、下部コイル13aにより発生させた磁束変化を磁束検出回路で検出する概念図である。図14は磁束検出値を制御コントローラでフィードバックする制御ブロック図を示している。
図12、図13において、制御則により実施され上部コイル12aあるいは下部コイル13aに通電されたとき目標磁束φiが発生しようとする。しかし、このときこの磁束を打ち消す方向に主に可動子14に渦電流icが発生する。この渦電流の発生により、磁束φcが発生するため、目標磁束φiに対して実際の磁束φ=φi−φcとなるため、制御力Fも小さくなる。そこで磁束φを磁束検出コイル25で検出して、磁束検出回路26を通して制御コントローラ23内に取り込む。そして、検出磁束φと目標磁束φiから不足する電磁力を求め、これをフィードバックすることで電磁力の遅れを解消することができる。
【0042】
このようにこの実施の形態によれば、磁束検出値から算出した制御力をフィードバックすることで電磁石の制御帯域は向上し、したがって高速でかつ高精度な制御力をあたえることができ、かつ高速な制御が可能となるという効果を奏する。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、制御対象物の変位を検出し、その検出値から制御対象物の目標軌道を生成して、この目標軌道に基づいて制御力指令値を求め、この求められた制御力指令値と検出変位と多項式近似関数で近似された係数から制御電流指令値を算出する構成としたので、高速かつ、駆動手段の非線形性を精度よく補償でき、低振動で低騒音での制御ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による電磁式アクチュエータ制御装置を示す横断面図および全体構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による電磁式アクチュエータ制御装置のコントローラ部分を示すフローチャート図である。
【図3】この発明の実施の形態1による電磁式アクチュエータ制御装置の制御ブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1による非線形補償多項式近似関数により求めた電流指令値と実測値の比較を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電磁式アクチュエータ制御装置のエンジン駆動パターンに合わせた制御フローチャート図である。
【図6】この発明の実施の形態2による目標軌道1を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2によつ目標軌道2を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3による電磁式アクチュエータ制御装置の制御ブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態3によるフィードフォワード電流の補償関数である。
【図10】この発明の実施の形態3によるフィードフォワード電流の補償関数である。
【図11】この発明の実施の形態4による電磁式アクチュエータ制御装置の制御を示す制御フローチャート図である。
【図12】この発明の実施の形態5による電磁式アクチュエータ制御装置の横断面図および全体構成図である。
【図13】この発明の実施の形態5による磁束検出コイルと磁束検出回路の概念図である。
【図14】この発明の実施の形態5による制御ブロック線図である。
【符号の説明】
11 筒型ケース、12 上鉄心、12a 上部コイル、13 下鉄心、13a 下部コイル、14 可動子、15 上コイルばね、15a 上リテーナ、16 下コイルばね、16a下リテーナ、17 バルブ、18 変位センサ、19アクチュエータシャフト、21 エンジンヘッド部、22 変位センサ回路、23 制御コントローラ、24 駆動アンプ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁力を用いて制御対象を制御するアクチュエータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁式のアクチュエータ制御装置は、上鉄心と下鉄心の間に可動子が配置されている。これら鉄心には、可動子を駆動する上コイル、下コイルが巻かれている。そして、この可動子は、可動子シャフトを有し、さらに、その先にはエンジンバルブ軸が連接されている。可動子シャフトは、上鉄心の上方および下鉄心の下方で、可動子シャフトに固定された上リテーナとケースの間のコイルばねと、可動子シャフトに固定された下リテーナとエンジンヘッドの間のコイルばねにより弾性支持するよう初期力を与えた状態で支持されている。そして、ケース上部に取り付けられた変位センサにより可動子の動きを検出する構造になっている。変位センサの出力は、CPU、A/D変換器、駆動回路からなる電子制御装置に入力されている。
【0003】
次に従来の電磁式のアクチュエータ制御装置の動作について説明する。
上コイル、下コイルに通電していないときは、上コイルばねと下コイルばねのばね力の釣合いによって可動子の位置が決まる。通常、この状態ではバルブの先端は中立位置にある。
バルブを閉弁位置に移動させるには上コイルに通電すると、上鉄心と可動子の間で磁路が形成され、可動子を上側に吸引する電磁力が発生する。この電磁力と上コイルばねと下コイルばねによるばね力が釣合う位置まで上方向へ可動子が移動する。上コイルに対する通電量は変位センサの検出値に基づいて制御装置の演算により決定する。可動子が上鉄心から離れている場合には通電量を大きく、可動子が上鉄心に近づいた場合には通電量を小さくする。以上のように、通電量を制御することで可動子に連結されているバルブの先端を弁座の位置まで移動させ閉弁状態となる。
バルブを閉弁位置で保持するためには、この状態で変位センサの検出値に基づいて制御装置で通電量を制御する。これらの動作により閉弁位置への移動および保持がなされる。
【0004】
逆に、バルブを開弁位置に移動させるには上コイルの通電を止める。そして、可動子を上側に吸引する電磁力がなくなると、上コイルばねと下コイルばねが発生する合力により可動子を下方向に移動させる。さらに、下コイルに通電すると下鉄心と可動子の間で磁路が形成され、可動子を下側に吸引する電磁力が発生する。これらの力と上コイルばねと下コイルばねが発生する合力が釣合う位置まで可動子は下方向へ移動する。下コイルに対する通電量は変位センサの検出値によって決定する。可動子が下鉄心から離れている場合には通電量を大きく、可動子が下鉄心に近づいた場合には通電量を小さくする。以上のように、通電量を制御することで可動子に連結されているバルブの先端を弁座から下方へ押し下げ、バルブと弁座の間に気路を形成し開弁状態となる。
バルブを開弁位置で保持するためには、この状態で変位センサの検出値に基づいて制御装置で通電量を制御する。求められる通電量を制御する。これらの動作により開弁位置への移動および保持がなされる。
以上が基本の動作であるが、排気バルブを内燃機関の運転に同期させて開閉駆動する際には、フィードフォワード電流成分Ifを算出した後フィードバック電流成分Ibを算出し、指令電流IはIfとIbの和として設定する。そして、励磁電流を電子制御装置の駆動回路から各電磁石のコイルに選択的に供給する(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−188470公報(P5〜P7、図1、図8)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁式のアクチュエータ制御装置では、フィードバック電流Ibとフィードフォワード電流Ifの和として最終的な電流指令Iが算出される。しかし、フィードバック電流Ibとフィードフォワード電流Ifを単純に加算しただけでは必要な力に対して最適な電流指令値とはいえず、振動および騒音が発生し、その抑制に限界があった。
【0007】
この発明に係るアクチュエータ制御装置では、上述のような課題を解決するためになされたもので、比例要素(P)、積分要素(I)と微分要素(D)を基にしたPID制御コントローラなどで算出したフィードバック制御力指令値F*を求め、この制御力指令値F*から電流指令値i*を算出する際に高精度かつ高速な演算で電流指令値i*を求めることができるので、振動や騒音を大幅に抑制することができる電磁式バルブ制御装置を得ることを目的とする。そして、1つの制御コントローラで複数の電磁式バルブを制御することが可能となり低コスト化を実現できる。
【0008】
また、バルブに加わる外乱と渦電流の発生による電磁力の遅れを考慮しているため、フィードバック制御力Fbにフィードフォワード制御力Ffを加えることで最適な制御力指令値F*を求め、高精度かつ高速な演算で電流指令値i*を求めることができるので、振動や騒音を大幅に抑制することができる電磁式バルブ制御装置を得るものである。
【0009】
さらに、可動子を一方で保持しているときの変位出力値を基準に他方で保持しているときの変位出力値をストロークに設定して、これを元に指令振幅を与える。そして、適当な時間サイクルで更新することで指令振幅および位置検出精度を高くすることができる。
さらにまた、磁束検出値から算出した制御力をフィードバックすることで電磁石の制御帯域は向上させ、高速でかつ高精度な制御力をあたえることを可能とし、さらに高速な電磁式アクチュエータ制御装置を得るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電磁式アクチュエータ制御装置は、制御対象の変位を検出する検出手段と、前記検出手段の出力信号から前記制御対象の目標軌道を生成し、前記生成された目標軌道に基づいて制御力指令値を算出し、この制御力指令値から多項式近似関数で近似された係数を乗じて制御電流指令値を出力する電流制御手段と、前記電流指令値に基づいて磁力を発生させて前記制御対象を駆動する駆動手段とを備えるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1を示すものである。この実施の形態では、発明のアクチュエータ制御装置を内燃機関のバルブの開閉に適用した実施形態として説明する。
図1において、11は固定部である筒型ケース、12は筒型ケース11の上部に取り付けられ上側の磁路を形成する上鉄心、12aは上鉄心12の内部に挿入し取り付けられた上部コイル、13は筒型ケース11の下部に取り付けられ下側の磁路を形成する下鉄心、13aは下鉄心13の内部に挿入し取り付けられた下部コイル、14は上鉄心12と下鉄心13の間に配置された可動子、19は可動子14に固定されたアクチュエータシャフト、15aはアクチュエータシャフト19に固定された上リテーナ、21は固定部であるエンジンヘッド部、17は上下方向に移動するようエンジンヘッド部21で摺動支持されたバルブ、16aはバルブ17に固定された下リテーナ、15は初期力を与えるよう圧縮状態で、一方を筒型ケース11にもう一方を上リテーナ15aに当接し下方向に力を発生している上コイルばね、16は初期力を与えるよう圧縮状態で、一方をエンジンヘッド部21にもう一方を下リテーナ16aに当接し上方向に力を発生している下コイルばねである。ここで、可動子14、アクチュエータシャフト19とバルブ17の構成が制御対象となる。18は可動子14の変位を検出する変位センサを示す。変位センサ18の出力を取り込み例えば電圧に変換する変位センサ回路22で変位検出手段を構成している。23は変位センサ回路22の電圧値をA/D変換して取り込み、例えばDSP(Digital Signal Processor)などで制御力指令値および電流指令値を演算する制御コントローラ(電流制御手段)、24は電流指令値に基づいて上部コイル12a、下部コイル13aに通電する駆動アンプである。ここで、駆動アンプ24とその電流指令値を供給する上部コイル12aと下部コイル13aとで駆動手段を構成する。
【0012】
図2は、制御コントローラ23内の処理フローを示しており、ST31は変位値xを制御コントローラ23内に取り込むステップ(例えばA/D変換処理)、ST32は変位値xに基づいて可動子14の目標軌道を生成するステップ、ST33は制御コントローラ内の制御力指令値F*を算出するステップ、ST34は制御コントローラ内の電流指令値i*を算出するステップ、ST35は駆動アンプへの電流指令値を出力するステップ(例えばD/A変換処理)である。
【0013】
図3は、図1の系を比例要素(P)、積分要素(I)と微分要素(D)で表した制御ブロック図で、41a、41b、41cはPID要素を含む位置フィードバック制御ゲイン、42a、42b、42cはPID要素を含む速度フィードバック制御ゲイン、43は制御力指令値F*から電流指令値i*を算出する非線形補償関数g(F*,x)、44は電流フィードバックゲイン、45はコイルの抵抗RとインダクタンスLの特性を示すブロック、46は電流値iと変位xから制御力指令値F*の発生を示す関数f(i,x)、47は可動子14を含む可動部の質量をmとしたとき制御力指令値F*から速度の変換を示すブロック、48は可動部の速度を積分して変位の変換を示すブロック、49は変位センサ出力を微分して速度に変換するブロック、50はばね定数kと同じフィードバックゲイン、51は電磁式駆動バルブの減衰係数、52は電磁式駆動バルブのばね定数を示す。
図4は、図3の非線形補償関数43の一例を示し、電磁力−起磁力の多項式近似関数の計算値と実測値の比較をあらわす。
【0014】
次に動作について説明する。図1において上コイルばね15は自然長より圧縮状態で配置されており、筒型ケース11側を支点として上リテーナ15aとシャフト19を下方向に押す力が作用している。また、下コイルばね16は自然長より圧縮状態で配置されており、エンジンヘッド部21を支点として下リテーナ16aとバルブ17を上方向に押す力が作用している。この2つの作用力がシャフト19の下端面とバルブ17の上端面の接触により釣合い、図のような中立位置で静止している。
【0015】
例えば、バルブ17を閉弁位置の上方向に移動させるには上部コイル12aに通電すると、上鉄心12と可動子14の間で磁路が形成され、可動子14を上側に吸引する電磁力が発生する。この電磁力が上コイルばね15と下コイルばね16によるばね力の合力が釣合う位置まで可動子14は上方向へ移動する。
このときの制御手順について、図2を用いて説明する。変位センサ18の出力は変位センサ回路22で電圧値に変換されA/D変換器(図示していない)でデジタル信号に変換されて制御コントローラ23へ入力される(ステップST31)。制御コントローラ23は変位値xに基づき目標軌道を生成する(ステップST32)。このとき目標軌道が上記のように閉弁位置の上方向へ移動するとき、DSPで制御力指令値F*(ステップST33)、電流指令値i*の手順で演算を行う(ステップST34)。電流指令値i*はD/A変換器(図示していない)でアナログ信号に変換され(ステップST35)、駆動アンプ24は上部コイル12aへ通電する。可動子14が上鉄心12から離れている場合には通電量は大きく、可動子14が上鉄心12に近づいた場合には通電量は小さくなる。以上のように、通電量を制御することで可動子14に接触しているバルブ17の先端を閉弁位置へ移動させる。
【0016】
制御力指令値F*は制御コントローラ23内の制御則により求められる。図3はその制御則を示し、x*を目標軌道の変位、xを実際の変位、Kp、Ki、KdはそれぞれPID制御を行う位置フィードバックゲイン、Kpv、Kiv、KdvはそれぞれPID制御を行う速度フィードバックゲイン、kをばねゲイン、sをラプラス演算子とすると、式(1)で表せる。
【0017】
【数1】
【0018】
なお、式(1)において、位置フィードバックゲインKi、Kd、速度フィードバックゲインKiv、Kdvについては、実際のモデルに対する目標性能によっては係数を0(ゼロ)に設定してもよい。
【0019】
ここで、F*の符号は駆動するコイルを表している。例えば、バルブを閉側に駆動する場合でF*>0となった場合、上部コイル12aで駆動することが基準となる。逆に、開側に駆動する場合F*<0となり、下部コイル13aで駆動することが基準となる。変位センサやコイルの取り付け方向によっては、符号が反対となるので矛盾が生じないように駆動コイルを選択することはいうまでもない。
【0020】
制御力指令値F*から電流指令値i*は、図4の非線型補償の多項式近似関数を用いる。図中の○印は実測値であり、横軸はある変位における起磁力(駆動電流値A×ターン数T)に対して縦軸は、そのときの電磁力(N)を示している。図4で○印の上から順に変位x(単位:mm)が、−3.59、−3.54、−3.49、−3.44、−3.39、−3.29、−3.14、−3.04、−2.89、−2.74、−2.49、−2.24、−1.74およびー0.74としたときの起磁力と電磁力を示している。例えば、x=−3.59mmにおいて、起磁力が0〜400ATまでは2次関数的に増加するのに対して、1000AT以上では比較的一定に増加する。他の変位についても起磁力が小さいところでは、2次関数的に変化し起磁力の大きなところでは一定に増加する傾向であり非線型性があるといえる。
【0021】
通常、制御力指令値F*から、電流指令値i*を求めるには、実験値の変位、起磁力、電磁力のマップデータを制御コントローラ内に持ち、制御力指令値F*とそのときの変位xから起磁力(AT)を求める。そして、コイルターン数(T)で除算することで電流指令値i*が求められる。
しかし、このような方法では比較や近似処理に時間がかかるため、電磁式バルブ制御装置のように高速な動作が必要な場合には好ましくない。そこで、制御力F*から制御電流指令値i*を求める方法として、以下の式(2)の多項式近似関数により求める。
【0022】
【数2】
【0023】
式(2)における行列Pは、ここでは7行3列の定数とし、実測データとの誤差が小さくなるように最小二乗法を用いて求める。図中の○印の実測値に対して求めた行列Pは以下の式(3)のようになる。
【0024】
【数3】
【0025】
式(2)を用いて電磁力指令値F*から電流指令値i*を求めて起磁力で表したグラフは、図4の実線で示している。このグラフからわかるように、この多項式近似を用いることで精度よい近似関数を得られることがわかる。なおかつ、乗算と加算で演算できるため、このような電磁式バルブ制御装置をDSPで駆動する場合に特に有効である。行列Pは7行3列の場合を示したが、精度を落としても高速である方が望ましい場合は、例えば3行3列として係数を定めても十分である。
以上、バルブ17を閉弁位置に移動する場合を説明したが開弁位置に移動させるにも目標軌道を与えることで同様に動作は可能である。
【0026】
電流制御手段は、制御力指令値と変位センサ出力値から高速、かつ、電磁石の非線形性を精度よく補償した電流指令値を求めることができる。したがって、指令値に近い制御力を得ることができ、低振動で低騒音の電磁式アクチュエータ制御装置が得られる。
【0027】
また、上記の実施の形態では、内燃機関のバルブのアクチュエータ制御装置として説明したが、内燃機関に限ることなく、流量制御のアクチュエータ制御装置であってもよく、制御対象の変位を検出できるものであれば、同様の効果を得ることができる。
【0028】
実施の形態2.
図5におけるフローチャート図は、実施の形態2の制御コントローラを表し、ST61は変位値xを制御コントローラ内に取り込む手段(例えばA/D変換器)、ST62は目標軌道生成手段、ST63は目標軌道がバルブ保持区間かどうかを判定する手段、ST64は保持時の電流指令値を設定する手段、ST65は目標軌道が自由運動区間かどうかを判定する手段、ST66は自由運動区間の電流指令値を0にする手段、ST67は制御則を実施し制御力F*を求める手段、ST68は制御力F*から制御電流指令値i*を求める手段、ST69は駆動アンプへ電流指令値i*を出力する手段を表す。
図6は、駆動パターン1を示し、可動子14が上鉄心12と下鉄心13に衝突するときの速度を低減してソフトランディングをする目標軌道を示す。図7は、バルブ17がエンジンヘッド部21に、可動子14が上鉄心12に、可動子14がバルブ17の軸に、可動子14が下鉄心13にそれぞれ接触するときの衝突速度を低減する目標軌道を示す。
【0029】
図5において、変位値xの取り込みを実行(ステップST61)した後で、その値に基づき目標軌道を生成する(ステップST62)。目標軌道に基づきバルブを保持区間であるかどうか判定する(ステップST63)。バルブ保持区間であれば、電流指令値i*=保持電流指令値ihに設定する(ステップST64)。バルブ保持区間でなければ、自由運動区間であるかどうか判定する(ステップST65)。自由運動区間であれば、電流指令値i*=0に設定する(ステップST66)。自由運動区間でなければ制御則を実施する(ステップST67)。制御則は、例えば、図3のようなコントローラ内のブロック線図である。制御則の実施により電流指令値i*=irに設定される(ステップST68)。そして電流指令値i*が駆動アンプへ出力される(ステップST69)。
【0030】
図6は、目標軌道例1を示す。この場合は、可動子14が上鉄心12と下鉄心13に接触するときの速度を低減してソフトランディングをする目標軌道である。区間0は保持区間をあらわし、バルブ開の状態でバルブが保持されるため、電流指令値i*=ihに設定される。区間1は自由運動区間を示し、電流指令値i*=0に設定される。区間2は制御則の実施により電流指令値i*=irとなる。区間3はバルブ閉の状態でバルブが保持されるため電流指令値i*=ih’に設定される。そして区間4は自由運動区間を示し、電流指令値i*=0に設定される。区間5は制御則の実施により電流指令値i*=ir’となる。そして区間6は、区間0と同様となる。このように、目標軌道の各区間で最適な電流値に制御しながらバルブ駆動が繰り返される。
【0031】
目標軌道例1では、バルブ閉位置でバルブ17がエンジンヘッド部21に、可動子14がアクチュエータシャフト19に衝突する際の速度の低減はしていない。しかし、場合によっては、このときの衝突の発生により振動や騒音が問題となる。その場合には、バルブ閉位置での衝突速度を落とすよう図7の目標軌道2のように設定する。開位置からスタートしたバルブは閉位置のところで速度を一旦低下させる。そして、しばらく保持した後で可動子14を上鉄心12に近づける。上鉄心接触位置からバルブ開位置に移動するときに、アクチュエータシャフト19がバルブ17へ接触するので、このときの速度も低減するように目標軌道を与える。そして、その後バルブ開位置へ移動する。
【0032】
目標軌道2の場合、制御の切り替えについて説明する。まず、区間0で開弁保持されていたバルブは電流指令値i*=ih0である。区間1は自由振動区間で電流指令値i*=0で、ばね力だけで自由に運動する。区間2では、制御則が実施され電流指令値i*=ir2となり、閉位置でバルブ17はエンジンヘッド部21に着座する。区間3では、電流指令値i*=ih3でバルブが保持され、その後区間4でバルブ閉保持位置に移動するとき、制御則が実施され電流指令値はi*=ir4となる。区間5では、バルブは閉保持される(ih*=ih5)。そのあと区間6で制御則が実施され電流指令値i*=ir6となる。区間7では電流指令値i*=ih7となりバルブが保持される。区間8は自由に運動する区間で電流指令値i*=0に設定される。区間9は制御則が実施され電流指令値i*=irに設定される。そして区間0のバルブ保持区間に移行しこの動作が繰り返される。
変位センサ出力値は、一方の鉄心の接触時を基準にして他方の鉄心接触時の変位値をストロークに設定する。時間的な変位出力値の変動や部品の熱変形の影響を小さくでき精度の良い変位値を得ることができる。したがって目標軌道からの偏差が小さくなるので、低振動で低騒音の電磁式アクチュエータ制御装置を得ることができる。
【0033】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、このように接触時については速度が0となるように目標軌道を与えることで各部品間の衝突速度を低減できるので、低振動で低騒音のバルブ制御装置を得る。また、時間的な変位出力値の変動や部品の熱変形の影響を小さくでき精度の良い変位値を得るので、低振動で低騒音の制御ができるという効果を奏する。
【0034】
実施の形態3.
図8は、図3のフィードバック制御則に対して、エンジン燃焼時の負荷外、Fdと、渦電流の発生icによる磁束の発生φcを考慮した制御モデルである。これらの影響を小さくするため、フィードバック制御力にフィードフォワード制御力Ffを加算する制御コントローラを備えている。
図9は、図8のフィードフォワード制御力Ffを可動子14の位置xの関数で与えた例である。図10は、フィードフォワード制御力Ffを位置xの区間により定数で与えた場合を示している。
【0035】
エンジン燃焼時に、バルブ17には負荷外乱Fdが発生する。この外乱Fdはバルブを開閉するタイミングで大きく変わるため、回転数、時間などを変数としたデータをあらかじめ用意しておく。渦電流ic(i,x)は、駆動電流iと変位xの関数でモデル化する。駆動電流iに対して、渦電流を考慮しなければφiの磁束が発生するが、渦電流icによる磁束φcを考慮すると、実際に発生する磁束φは以下の式(4)のようになる。
φ=φi−φc ・・・(4)
したがって、実際に可動子に発生する力は、
fm(φ)=f(φi)−f(φc)
となり、渦電流の発生により不足する制御力はf(φc)である。また、外乱により不足する制御力はFdである。したがって、あらかじめフィードフォワード制御力指令値Ff=f(φc)+Fdを与えることで、外乱と渦電流の影響を小さくすることができる。
したがって、制御則は以下の式で表せる。
【0036】
【数4】
【0037】
このようにフィードバック制御力に上記の式(5)のようにフィードフォワード制御力を与えることで、可動子軸に加わる外乱や可動子に発生する渦電流の影響を小さくすることができる。
なお、位置フィードバックゲインKi、Kd、速度フィードバックゲインKiv、Kdvについては、実際のモデルに対する目標性能によっては、係数を0(ゼロ)に設定してもよい。
【0038】
このように、この実施の形態によれば、渦電流による制御力不足および外乱による制御力不足を考慮したフィードフォワード制御力を制御力指令値に加えているので、これらの影響を小さくできるため目標軌道から遅れの小さくかつ、低振動で低騒音の制御ができるという効果を奏する。
【0039】
実施の形態4.
図11は、図5のステップST67、ST68に相当するブロックのフローチャート図を示す。制御則を実施し(ステップST81)、制御力指令値F*を算出する(ステップST82)。この後、可動子14の変位と定数aの比較を行い(ステップST83)、x>aの場合、行列P1を選択する(ステップST84)。そうでない場合は、行列P2を選択する(ステップST85)。そして電流指令値i*=irが算出される(ステップST86)。
行列P1、P2は、あらかじめ変位の範囲によって測定データあるいは解析データを基に近似された行列である。変位により行列を切り替えることで精度の良い電流指令値i*を求めることができる。この実施の形態4では、行列を2種類で説明したが、もちろんこのような行列を2種類以上用意して変位によって切り替えても良い。
【0040】
この実施の形態によれば、係数の行列を複数用意しておき、可動子と可動鉄心の距離により切り替えることでさらに精度のよい制御力指令値から制御電流値を求めることができ、なおかつ、さらに低振動で低騒音の制御ができるという効果を奏する。
【0041】
実施の形態5.
図12は、この実施の形態において図1の電磁式バルブ駆動制御装置に対して、磁束検出コイル25と磁束検出回路26を追加し、制御コントローラ23へ磁束検出値を取り込む例である。図13は磁束検出コイル25により上部コイル12a、下部コイル13aにより発生させた磁束変化を磁束検出回路で検出する概念図である。図14は磁束検出値を制御コントローラでフィードバックする制御ブロック図を示している。
図12、図13において、制御則により実施され上部コイル12aあるいは下部コイル13aに通電されたとき目標磁束φiが発生しようとする。しかし、このときこの磁束を打ち消す方向に主に可動子14に渦電流icが発生する。この渦電流の発生により、磁束φcが発生するため、目標磁束φiに対して実際の磁束φ=φi−φcとなるため、制御力Fも小さくなる。そこで磁束φを磁束検出コイル25で検出して、磁束検出回路26を通して制御コントローラ23内に取り込む。そして、検出磁束φと目標磁束φiから不足する電磁力を求め、これをフィードバックすることで電磁力の遅れを解消することができる。
【0042】
このようにこの実施の形態によれば、磁束検出値から算出した制御力をフィードバックすることで電磁石の制御帯域は向上し、したがって高速でかつ高精度な制御力をあたえることができ、かつ高速な制御が可能となるという効果を奏する。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、制御対象物の変位を検出し、その検出値から制御対象物の目標軌道を生成して、この目標軌道に基づいて制御力指令値を求め、この求められた制御力指令値と検出変位と多項式近似関数で近似された係数から制御電流指令値を算出する構成としたので、高速かつ、駆動手段の非線形性を精度よく補償でき、低振動で低騒音での制御ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による電磁式アクチュエータ制御装置を示す横断面図および全体構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による電磁式アクチュエータ制御装置のコントローラ部分を示すフローチャート図である。
【図3】この発明の実施の形態1による電磁式アクチュエータ制御装置の制御ブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1による非線形補償多項式近似関数により求めた電流指令値と実測値の比較を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電磁式アクチュエータ制御装置のエンジン駆動パターンに合わせた制御フローチャート図である。
【図6】この発明の実施の形態2による目標軌道1を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2によつ目標軌道2を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3による電磁式アクチュエータ制御装置の制御ブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態3によるフィードフォワード電流の補償関数である。
【図10】この発明の実施の形態3によるフィードフォワード電流の補償関数である。
【図11】この発明の実施の形態4による電磁式アクチュエータ制御装置の制御を示す制御フローチャート図である。
【図12】この発明の実施の形態5による電磁式アクチュエータ制御装置の横断面図および全体構成図である。
【図13】この発明の実施の形態5による磁束検出コイルと磁束検出回路の概念図である。
【図14】この発明の実施の形態5による制御ブロック線図である。
【符号の説明】
11 筒型ケース、12 上鉄心、12a 上部コイル、13 下鉄心、13a 下部コイル、14 可動子、15 上コイルばね、15a 上リテーナ、16 下コイルばね、16a下リテーナ、17 バルブ、18 変位センサ、19アクチュエータシャフト、21 エンジンヘッド部、22 変位センサ回路、23 制御コントローラ、24 駆動アンプ。
Claims (6)
- 制御対象の変位を検出する検出手段と、前記検出手段の出力信号から前記制御対象の目標軌道を生成し、前記生成された目標軌道に基づいて制御力指令値を算出し、この制御力指令値から多項式近似関数で近似された係数を乗じて制御電流指令値を出力する電流制御手段と、前記電流指令値に基づいて磁力を発生させて前記制御対象を駆動する駆動手段とを備えたアクチュエータ制御装置。
- 前記電流制御手段は、前記検出される変位に応じて、係数行列を選択して駆動電流指令値を出力することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ制御装置。
- 前記電流制御手段は、前記検出変位と前記目標軌道に応じて決定されるフィードフォワード力を加算したフィードフォワード制御力に基づいて電流指令値を算出することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ制御装置。
- 前記電流制御手段は、制御対象が制御終端のとき速度零とするよう目標軌道を与えることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ制御装置。
- 前記電流制御手段は、前記制御対象の所定位置のときを基準として入力される前記変位値を校正することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ制御装置。
- 前記検出手段は、前記駆動手段で発生する磁力を検出するとともに、前記電流制御手段は、この検出値に基づいて制御力指示値を補償して算出することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ制御装置。
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-
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- 2003-03-19 JP JP2003076096A patent/JP2004285850A/ja active Pending
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