【0001】
【発明が属する技術分野】
膜による液体の分離技術に係わる技術分野。
【0002】
【従来の技術】
従来の膜による液・液分離技術では、油水分離やイオン除去、塩分除去等を行っているが、分離や回収のためのエネルギーを遠心力や毛管現象の水面上昇力を利用したものは検索分中には見つからなかった。類似技術としては、遠心力による分離では、固体を液体から回収する方法は既に固液分離技術として確立しているが、液・液分離の分野では見当たらなかった。毛管現象による分離では、特開2003−62408「液体分離方法及びこれを用いた濾過装置」があるが、該技術は固体と液体を分離する固液分離技術であり、更に、毛管現象によって外部壁面・膜間に滞留した液滴の除去法を示したものであり、毛管の気中開口端面の液滴を除去するものではない。毛管現象を継続させるためには毛管開口部の濡れ状態を解消する手段が必要であるが、該技術にはその記載がない。また、特表平8−509060「液体移動装置」では、毛管吸着力による固液分離が開示されているが、液・液分離の記載はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
逆浸透圧法では、高圧ポンプを作動させて淡水を得ていたが、特に、海水のような塩分濃度が高い場合は大きな電力が必要であったが発展途上国では充分な電力が得られない場合や淡水の製造コストが大きすぎて実用化できない場合があり、より小さなエネルギーで淡水を得る手段が求められていた。また、ナノ濾過や限外濾過では大流量の確保が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
発明の第一は、膜を用いた液・液分離装置において、膜に接する原水に回転による遠心力を作用させて透過水を得る手段を設けることで、原水の自重を容易に増加させ、原水よりも外側に固定配置された膜内壁に大きな正の圧力を印加することが可能となる。また、膜を隔てて外側に保水層を設けることで、遠心力で保水層中の水の自重が増加して膜外壁に大きな負圧を印加することができる。結果として原水側と透過水側に膜を挟んで大きな圧力差を発生させることが可能となり、時間当たりの透過水量を増加させることができる。
【0005】
第二では、逆浸透圧膜を用いた装置において前記の膜を挟んだ圧力差が、原水と透過水との浸透圧の差以上になるような遠心力付加手段を設けることで、高圧ポンプを用いずに透過水を得ることが可能となり、大きなエネルギー節減が可能となる。
【0006】
第三では、前記透過水水面の外側に撥水性の壁面を設けることで、前記保水層の外側開放端面から遠心力により飛散した透過水滴を撥水壁面が受け止める。壁面が撥水性である為、水滴が壁面を容易に移動することが可能となり、摩擦力や親水力によるエネルギー損失を最小にしてシステム全体の効率を向上させることが可能となる。
【0007】
第四では、膜を用いた液・液分離装置において、膜に接する透過水側に毛管現象による水面上昇力を作用させて透過水を得る毛管を設けたことを特徴とする膜を用いた液分離装置である。分離膜の透過水側に多数の毛管を配置して毛管吸引力を作用させることで分離膜を挟んで原水側と透過水側に圧力差を発生させることが可能となる。
【0008】
第五では、前記毛管現象による水面上昇力が原水と透過水との浸透圧の差以上になる手段を設けることで原水が逆浸透圧膜を透過することを可能とし、高圧ポンプを作動させずに透過水を得ることが可能となる。
【0009】
第六では、透過水滴の蒸散や機械的剥離による毛管の開放端面から液を除去する手段を設けたことで、継続的に毛管吸引力を作用させることが可能となる。
【0010】
第七では、膜を用いた液・液分離装置において、膜に接する原水に遠心力を作用させ、更に透過水側に毛管現象による水面上昇力を作用させて透過水を得る毛管を設けたことを特徴とする前記の膜を用いた液分離装置である。回転で発生する遠心力による膜を挟んだ圧力差と毛管吸引力による圧力差の相乗効果を得ることが可能となり、より小半径または低速回転でも効果を発揮できる。
【0011】
第八遠では、前記遠心力と毛管現象による水面上昇力の和が、原水と透過水との浸透圧の差以上になる手段を設けたことで、原水が逆浸透圧膜を透過することを可能とし、高圧ポンプを作動させずに透過水を得ることが可能となる。
【0012】
第九では、遠心力が毛管現象による水面上昇力以上となる手段を設けたことを特徴とする前記の膜を用いた液分離装置である。毛管開放端面に捕捉された水滴を物理的に剥離しようとした場合には、水滴と壁面に生ずる捕捉力以上の外力が必要とされる。遠心力を該捕捉力以上にすることで水滴を飛散させることが可能となり、毛管吸引力を持続させることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は実施形態の一例を示す、分離膜と毛細管及び気流または乾燥空気による水滴除去手段を設けた膜による液液分離装置の膜ユニットの説明図である。1は気流の方向を示す矢印、2は水蒸気、3は毛細管を設けた膜、4は保水層、5は分離膜、6は原水の通水路、7は原水の流れを示す矢印である。本形態では、原水(7)はスペーサで作られた通水路(6)により分離膜(5)に供給される。保水層(4)には予め透過液に浸漬させた透過液が保持されている。エアコンプレッサーで乾燥空気を矢印(1)方向に流すことで毛細管を設けた膜(3)と保水層(4)とは密着しているため毛細管開放端面から液滴が蒸気(2)となって蒸発することで毛細管開放端面が乾燥する。蒸気を冷却して分離液を得る。開放端面が乾燥することで、毛管吸引力が持続する。本形態では毛管吸引力で保水層(4)中の液に負圧が印加され、原水側(6)と保水層(4)側に圧力差が生じ、透過液の回収量を増加させることができる。
【0014】
本形態の分離膜は、RO膜、NF膜、UF膜、MF膜であってもよい。また、毛細管を設けた膜がUF膜、MF膜、貫通孔を持った多孔質膜であってもよい。更に、毛細管開放端面から液を除去する手段が送風による液滴の吹き飛ばしや、毛管膜への振動印加や回転によって強制的に液滴を除去してもよい。また、毛管吸引力を原水側と透過水側の浸透圧の差以上にすることで逆浸透膜を用いた液液分離にも応用できる。
【0015】
【実施例】
図2、図3、図4は本実施例である海水淡水化装置を説明する説明図である。図2は本装置の膜ユニットの斜視説明図である。本装置の構成は、8は透過水滴の飛散方向を示す矢印、9は毛細管膜(10)と撥水フィルム(14)間のスペーサ、10は耐圧強度15MPaのMF膜で構成された毛細管膜、11はMF膜の基材で構成された保水層、12は耐圧強度15MPaのRO膜で構成された分離膜、13はRO膜の基材で構成された通水路、14はフッ素樹脂フィルムで構成された撥水フィルム、15は回転槽の回転軸を示す破線、16は原水の流れを示す矢印である。図3は本装置の全体像を示す側面説明図である。17はエアフィルタ、18は空気取入口、19は装置の断面を説明する破線、20は回転脱塩槽、21は濃縮水排出口、22は濃縮水の流れを示す矢印、23は原水取水口、24はモータ、25はベルト、26はロータリージョイント、27は原水の流れを示す矢印、28は淡水と濃縮水との仕切り、29は透過水出口、30は淡水の流れを示す矢印、31は膜ユニット、32は膜端末に設けた濃縮水の水路、33は原水を膜に供給する原水管、34は槽壁である。図4は図3の回転脱塩槽(20)の一部の断面説明図である。35は槽内部の断面を説明する破線、36は膜ユニット、37は膜ユニット間の間隙、38は回転槽の回転軸を示す破線、39は透過水の流れを示す矢印、40は槽壁である。
【0016】
本装置の概要は、図2の膜ユニットを図3の原水管(33)の周囲に巻き付けた構成となっており、膜ユニット(31)及び原水管(33)をモータ(24)で回転させて原水取水口(23)から取水した原水を遠心力で膜ユニットに供給して透過水を得るものである。図3の原水管(33)から取水した原水は遠心力で図2の通水路(13)に供給される。本膜ユニット(31、36)は回転軸(15、38)を中心として回転しており、通水路中の原水(13)と気中開放端面を有する保水層(11)及び毛細管膜(10)の透過水との間に圧力差が発生する。該圧力差が海水と淡水との浸透圧の差以上になると透過水側に淡水が透過してくる。透過した微細水滴は遠心力で毛細管膜表面(10)から飛散してスペーサ(9)によって設けられた空洞を通過し、撥水フィルム(14)に衝突する。撥水フィルム上では遠心力により水滴が厚み方向に圧縮され集合して薄い水の層となり重力で下方へ移動して図4の膜ユニット間の間隙(37)から比較的に大きな水滴となって槽壁(40)へ飛ばされ、槽内壁面では比較的厚い水の層を形成して下方へ流れ、仕切り板(28)で透過水出口(29)へ導かれて回収される。一方濃縮された原水は円柱の最外周にある膜ユニット端面から濃縮水水路を通って槽の最下層に放出され、濃縮水排水口(21)から排水される。
【0017】
次に本装置の制御条件について述べる。世界の海水の平均的な塩分濃度は3〜4%程度であり淡水との浸透圧の差は約2.5MPaである。現在逆浸透膜法での実用的な加圧条件は5MPa以上である。一方、毛細管による吸引力は、毛細管の開放端面の開口直径に反比例する。また、遠心力は半径と回転数の自乗の積に比例する。本装置の毛細管膜であるMF膜の親水性を接触角がほぼ0と仮定するとMF膜の開口直径を0.1μmにすれば約3MPaの吸引力を得ることができる。更に本膜ユニットの最小半径を50mm、最大半径150mmとし、回転数を800rpmとすると半径50mmの位置にある膜には36Gの遠心力が印加される。即ち、RO膜を挟んで原水側と透過水側の圧力差は6.6MPa相当となる。このような条件で設定すると、{(遠心力+毛管吸引力6.6MPa)>(実用的加圧条件5MPa)>(遠心力3.6MPa)>(毛管吸引力3MPa)>(必要最低加圧力2.5MPa)}という関係となる。即ち実用的加圧条件をクリアするとともに、毛管吸引力と必要最低加圧力がほぼ等しく、回転数を落としても外側の膜ユニットの半径が大きいため透過水が得られる。また、800回転以上であれば遠心力が毛管吸引力を上回るため、透過水滴を飛散させて継続的な毛管吸引力を持続させることが可能となる。また、運転停止時には回転脱塩槽内に透過水を満たして、膜ユニットの保水層が乾燥するのを防止する。運転開始時には、該透過水を槽外に排出してから運転する。
【0018】
【発明の効果】
現在の高圧ポンプを用いた逆浸透膜方式では、1トンの淡水を得るのに5〜7KWhの電力を消費するが、本装置によれば毛管吸引力と遠心力を利用することで高圧ポンプの作動を必要としなくなるため1KWh程度に削減することが可能となる。従来の高圧ポンプ式のシステムでは膜の耐圧強度が7MPa以上を必要としないため15MPaの耐圧強度をもったものは開発されていないが、技術的には大きな障害とはならないため、本システムは現行技術で実現が可能であろうと思われる。また、小規模の装置であれば回転半径と回転数を調整して現行の膜強度内で設計が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の一例を示す、分離膜と毛細管及び気流または乾燥空気による水滴除去手段を設けた膜による液液分離装置の膜ユニットの説明図である。
【図2】本実施例の装置の膜ユニットの斜視説明図である。
【図3】本実施実施例の装置の全体像を示す側面説明図である。
【図4】図3の回転脱塩槽(20)の一部の断面説明図である。
【符号の説明】
1 気流の方向を示す矢印
2 水蒸気
3 毛細管を設けた膜
4 保水層
5 分離膜
6 原水の通水路
7 原水の流れを示す矢印
8 透過水滴の飛散方向を示す矢印
9 毛細管膜(10)と撥水フィルム(14)間のスペーサ
10 耐圧強度15MPaのMF膜で構成された毛細管膜
11 MF膜の基材で構成された保水層
12 耐圧強度15MPaのRO膜で構成された分離膜
13 RO膜の基材で構成された通水路
14 フッ素樹脂フィルムで構成された撥水フィルム
15 回転槽の回転軸を示す破線
16 原水の流れを示す矢印
17 エアフィルタ
18 空気取入口
19 装置の断面を説明する破線
20 回転脱塩槽
21 濃縮水排出口
22 濃縮水の流れを示す矢印
23 原水取水口
24 モータ
25 ベルト
26 ロータリージョイント
27 原水の流れを示す矢印
28 淡水と濃縮水との仕切り
29 透過水出口
30 淡水の流れを示す矢印
31 膜ユニット
32 膜端末に設けた濃縮水の水路
33 原水を膜に供給する原水管
34 槽壁
35 槽内部の断面を説明する破線
36 膜ユニット
37 膜ユニット間の間隙
38 回転槽の回転軸を示す破線
39 透過水の流れを示す矢印
40 槽壁[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
Technical field related to liquid separation technology using membranes.
[0002]
[Prior art]
The conventional liquid-liquid separation technology using membranes performs oil-water separation, ion removal, salt removal, etc., but the energy required for separation and recovery uses centrifugal force and the water rising force of the capillary phenomenon. Not found inside. As a similar technique, in the separation by centrifugal force, a method of recovering a solid from a liquid has already been established as a solid-liquid separation technique, but has not been found in the field of liquid-liquid separation. Japanese Patent Application Laid-Open No. 2003-62408 “Liquid Separation Method and Filtration Apparatus Using the Same” discloses a technique of solid-liquid separation for separating solids and liquids. -It shows the method of removing the liquid droplets staying between the membranes, and does not remove the liquid droplets at the air opening end surface of the capillary. In order to continue the capillary action, a means for eliminating the wet state of the capillary opening is necessary, but the technique does not describe it. Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 8-509060 "Liquid transfer device" discloses solid-liquid separation by capillary adsorption force, but does not describe liquid-liquid separation.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In the reverse osmosis method, fresh water was obtained by operating a high-pressure pump.In particular, large power was required when salt concentration such as seawater was high, but in developing countries when sufficient power was not available. In some cases, the production cost of fresh water is too large to be practically used, and a means for obtaining fresh water with smaller energy has been required. In nanofiltration and ultrafiltration, it has been required to secure a large flow rate.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The first aspect of the invention is that in a liquid / liquid separation device using a membrane, a means for obtaining a permeated water by applying a centrifugal force by rotation to the raw water in contact with the membrane to easily increase the weight of the raw water, It becomes possible to apply a large positive pressure to the inner wall of the film fixedly disposed outside. Further, by providing the water retention layer outside with the membrane interposed therebetween, the weight of water in the water retention layer increases due to centrifugal force, and a large negative pressure can be applied to the outer wall of the membrane. As a result, it is possible to generate a large pressure difference across the membrane between the raw water side and the permeated water side, and it is possible to increase the amount of permeated water per time.
[0005]
Second, in a device using a reverse osmotic pressure membrane, by providing a centrifugal force applying means such that the pressure difference across the membrane is equal to or greater than the osmotic pressure difference between raw water and permeated water, Permeated water can be obtained without using it, and large energy savings can be achieved.
[0006]
Third, by providing a water-repellent wall surface outside the permeated water surface, the water-repellent wall surface receives permeated water droplets scattered by centrifugal force from the outer open end surface of the water retention layer. Since the wall surface is water repellent, water droplets can easily move on the wall surface, and energy loss due to frictional force and hydrophilic force can be minimized, and the efficiency of the entire system can be improved.
[0007]
Fourth, in a liquid / liquid separation apparatus using a membrane, a liquid is provided using a membrane, wherein a capillary for obtaining permeated water is provided on the permeated water side in contact with the membrane by applying a water level rising force by capillary action. It is a separation device. By disposing a large number of capillaries on the permeated water side of the separation membrane and applying capillary suction, it is possible to generate a pressure difference between the raw water side and the permeated water side across the separation membrane.
[0008]
Fifth, by providing a means for raising the water level due to the capillary phenomenon to be equal to or greater than the osmotic pressure difference between the raw water and the permeated water, it is possible to allow the raw water to permeate the reverse osmosis membrane, without operating the high-pressure pump. It is possible to obtain permeated water.
[0009]
Sixth, the provision of the means for removing the liquid from the open end surface of the capillary by evaporation or permeation of permeated water droplets enables the continuous application of capillary suction force.
[0010]
Seventh, in a liquid-liquid separation device using a membrane, a centrifugal force is applied to the raw water in contact with the membrane, and further, a capillary is provided on the permeated water side to obtain a permeated water by applying a water surface rising force due to a capillary phenomenon. A liquid separation apparatus using the above membrane. A synergistic effect of the pressure difference across the membrane due to the centrifugal force generated by rotation and the pressure difference due to the capillary suction force can be obtained, and the effect can be exerted even with a smaller radius or lower speed rotation.
[0011]
At the eighth point, by providing means for making the sum of the centrifugal force and the water level rising force due to the capillary phenomenon equal to or more than the difference in osmotic pressure between the raw water and the permeated water, the raw water permeates the reverse osmosis membrane. As a result, permeated water can be obtained without operating the high-pressure pump.
[0012]
In a ninth aspect, there is provided a liquid separation apparatus using the above-mentioned membrane, wherein a means for making the centrifugal force equal to or higher than the water level rising force due to the capillary phenomenon is provided. In order to physically separate water droplets captured on the open end face of the capillary, an external force greater than the capturing force generated on the water droplets and the wall surface is required. By making the centrifugal force equal to or higher than the trapping force, water droplets can be scattered, and the capillary suction force can be maintained.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 is an explanatory view of a membrane unit of a liquid-liquid separation device that shows an example of an embodiment and is provided with a separation membrane, a capillary, and a means for removing water droplets by airflow or dry air. 1 is an arrow indicating the direction of the air flow, 2 is water vapor, 3 is a membrane provided with a capillary, 4 is a water retention layer, 5 is a separation membrane, 6 is a flow path of raw water, and 7 is an arrow showing the flow of raw water. In this embodiment, the raw water (7) is supplied to the separation membrane (5) by a water passage (6) made of a spacer. The water retaining layer (4) holds a permeated liquid previously immersed in the permeated liquid. By flowing dry air in the direction of the arrow (1) with an air compressor, the membrane (3) provided with the capillary and the water retaining layer (4) are in close contact with each other, so that droplets form vapor (2) from the open end face of the capillary. The evaporation causes the open end face of the capillary to dry. The vapor is cooled to obtain a separated liquid. As the open end surface dries, the capillary suction force is maintained. In the present embodiment, a negative pressure is applied to the liquid in the water retention layer (4) by the capillary suction force, and a pressure difference is generated between the raw water side (6) and the water retention layer (4), thereby increasing the amount of permeated liquid recovered. it can.
[0014]
The separation membrane of this embodiment may be an RO membrane, NF membrane, UF membrane, or MF membrane. Further, the membrane provided with the capillary may be a UF membrane, an MF membrane, or a porous membrane having a through hole. Further, the means for removing the liquid from the open end face of the capillary may blow off the liquid droplet by blowing air or forcibly remove the liquid droplet by applying vibration or rotating the capillary membrane. Further, by making the capillary suction force equal to or greater than the difference in osmotic pressure between the raw water side and the permeated water side, it can be applied to liquid-liquid separation using a reverse osmosis membrane.
[0015]
【Example】
FIGS. 2, 3, and 4 are explanatory views illustrating the seawater desalination apparatus according to the present embodiment. FIG. 2 is an explanatory perspective view of the membrane unit of the present apparatus. The configuration of this apparatus is as follows: 8 is an arrow indicating the direction of scattering of the transmitted water droplets, 9 is a spacer between the capillary membrane (10) and the water-repellent film (14), 10 is a capillary membrane composed of an MF membrane with a pressure resistance of 15 MPa, 11 is a water retention layer composed of a MF membrane substrate, 12 is a separation membrane composed of an RO membrane having a pressure resistance of 15 MPa, 13 is a water passage composed of an RO membrane substrate, and 14 is a fluororesin film. A water-repellent film, 15 is a broken line indicating the rotation axis of the rotary tank, and 16 is an arrow indicating the flow of raw water. FIG. 3 is an explanatory side view showing an overall image of the present apparatus. 17 is an air filter, 18 is an air inlet, 19 is a broken line for explaining a cross section of the apparatus, 20 is a rotary desalination tank, 21 is a concentrated water discharge port, 22 is an arrow indicating the flow of concentrated water, and 23 is a raw water intake port. , 24 is a motor, 25 is a belt, 26 is a rotary joint, 27 is an arrow indicating the flow of raw water, 28 is a partition between fresh water and concentrated water, 29 is a permeate outlet, 30 is an arrow indicating the flow of fresh water, and 31 is an arrow indicating the flow of fresh water. A membrane unit, 32 is a concentrated water channel provided at a membrane terminal, 33 is a raw water pipe for supplying raw water to the membrane, and 34 is a tank wall. FIG. 4 is an explanatory sectional view of a part of the rotary desalination tank (20) of FIG. 35 is a dashed line for explaining a cross section inside the tank, 36 is a membrane unit, 37 is a gap between the membrane units, 38 is a dashed line showing the rotation axis of the rotary tank, 39 is an arrow showing the flow of permeated water, and 40 is a tank wall. is there.
[0016]
The outline of this apparatus is such that the membrane unit of FIG. 2 is wound around the raw water pipe (33) of FIG. 3, and the membrane unit (31) and the raw water pipe (33) are rotated by a motor (24). The raw water taken from the raw water intake (23) is supplied to the membrane unit by centrifugal force to obtain permeated water. Raw water taken from the raw water pipe (33) in FIG. 3 is supplied to the water passage (13) in FIG. 2 by centrifugal force. The membrane unit (31, 36) rotates about a rotation axis (15, 38), and the raw water (13) in the water passage, the water retaining layer (11) having an open end in the air, and the capillary membrane (10). And a pressure difference is generated with the permeated water. When the pressure difference exceeds the osmotic pressure difference between seawater and freshwater, freshwater permeates to the permeate side. The transmitted fine water droplets are scattered by the centrifugal force from the capillary membrane surface (10), pass through the cavity provided by the spacer (9), and collide with the water-repellent film (14). On the water-repellent film, the water droplets are compressed in the thickness direction by the centrifugal force and aggregate to form a thin water layer, and move downward by gravity to form relatively large water droplets from the gap (37) between the membrane units in FIG. It is blown to the tank wall (40), forms a relatively thick layer of water on the inner wall surface of the tank, flows downward, and is guided to the permeated water outlet (29) by the partition plate (28) to be collected. On the other hand, the concentrated raw water is discharged from the membrane unit end face at the outermost periphery of the cylinder through the concentrated water channel to the lowermost layer of the tank, and is discharged from the concentrated water drain port (21).
[0017]
Next, control conditions of the present apparatus will be described. The average salinity of world seawater is about 3-4%, and the difference in osmotic pressure with freshwater is about 2.5 MPa. At present, practical pressure conditions in the reverse osmosis membrane method are 5 MPa or more. On the other hand, the suction force by the capillary is inversely proportional to the opening diameter of the open end face of the capillary. The centrifugal force is proportional to the product of the radius and the square of the rotation speed. Assuming that the contact angle of the MF membrane, which is the capillary membrane of the apparatus, is about 0, a suction force of about 3 MPa can be obtained if the opening diameter of the MF membrane is 0.1 μm. Further, when the minimum radius of the membrane unit is set to 50 mm, the maximum radius is set to 150 mm, and the number of revolutions is set to 800 rpm, a centrifugal force of 36 G is applied to the membrane at the position of the radius 50 mm. That is, the pressure difference between the raw water side and the permeated water side across the RO membrane is equivalent to 6.6 MPa. Under these conditions, {(centrifugal force + capillary suction force 6.6 MPa)> (practical pressurizing condition 5 MPa)> (centrifugal force 3.6 MPa)> (capillary suction force 3 MPa)> (required minimum pressing force) 2.5 MPa)}. That is, while clearing the practical pressurizing condition, the capillary suction force and the required minimum pressure are almost equal, and even if the number of rotations is reduced, the permeated water can be obtained because the radius of the outer membrane unit is large. In addition, if the rotation speed is 800 rotations or more, the centrifugal force exceeds the capillary suction force, so that it is possible to scatter the permeated water droplets and maintain the continuous capillary suction force. Further, when the operation is stopped, the rotary desalination tank is filled with permeated water to prevent the water retaining layer of the membrane unit from drying. At the start of operation, the operation is performed after the permeated water is discharged out of the tank.
[0018]
【The invention's effect】
In the reverse osmosis membrane system using the current high-pressure pump, 5 to 7 kWh of electric power is consumed to obtain 1 ton of fresh water. However, according to the present apparatus, the high-pressure pump is used by utilizing the capillary suction force and the centrifugal force. Since the operation is not required, it can be reduced to about 1 KWh. A conventional high-pressure pump system has not been developed with a pressure resistance of 15 MPa because the pressure resistance of the membrane does not require 7 MPa or more. However, this system is not technically a major obstacle, so this system is currently used. It seems that technology will make this possible. In addition, in the case of a small-scale apparatus, it is possible to adjust the radius of gyration and the number of revolutions and to design within the current film strength.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating an example of an embodiment of a membrane unit of a liquid-liquid separation device including a separation membrane, a capillary, and a membrane provided with a water droplet removing unit using an airflow or dry air.
FIG. 2 is an explanatory perspective view of a membrane unit of the apparatus of the present embodiment.
FIG. 3 is an explanatory side view showing an overall image of the apparatus of the present embodiment.
FIG. 4 is an explanatory sectional view of a part of the rotary desalination tank (20) of FIG. 3;
[Explanation of symbols]
1 arrow indicating the direction of air flow 2 water vapor 3 membrane provided with capillaries 4 water retention layer 5 separation membrane 6 water flow passage 7 raw water flow arrow 8 indicating flow direction of raw water arrow 9 indicating scattering direction of transmitted water droplets 9 capillary membrane (10) and repellent Spacer 10 between water films (14) Capillary membrane 11 composed of MF film with pressure resistance of 15 MPa Water retention layer composed of MF film base material Separation film 13 composed of RO film with pressure resistance of 15 MPa Water passage 14 composed of a base material Water repellent film 15 composed of a fluororesin film 15 Broken line indicating the rotation axis of the rotating tank 16 Arrow 17 indicating the flow of raw water 17 Air filter 18 Air intake 19 Broken line for explaining the cross section of the device Reference Signs List 20 rotary desalination tank 21 concentrated water discharge port 22 arrow indicating concentrated water flow 23 raw water intake port 24 motor 25 belt 26 rotary joint 27 arrow indicating raw water flow 28 light Partition between water and concentrated water 29 Permeated water outlet 30 Arrow indicating the flow of fresh water 31 Membrane unit 32 Concentrated water channel 33 provided at the end of membrane 33 Raw water pipe 34 for supplying raw water to membrane Tank wall 35 Explanation of cross section inside tank Dashed line 36 Membrane unit 37 Gap between membrane units 38 Dashed line 39 indicating the rotation axis of the rotating tank Arrow 40 indicating the flow of permeated water 40 Tank wall