JP2004283240A - 薄板形ブーメラン - Google Patents

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英 俊 陳
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Abstract

【課題】薄くて軽く、飛行軌跡が安定である上、室内の狭い場所でも楽しく使用できる薄板形ブーメランを提供する。
【解決手段】薄板材から、全体の大部分が同一の平面上にあり、且つ、ほぼ円盤状の中心部と、該中心部の周縁から外へ延長してなる複数の翼部とを有するように形成してなり、前記複数の翼部は、前記中心部の周縁より、前記平面上に、ほぼ前記中心部の中心点からの放射線に沿って外へ延長してなる複数の基部と、該複数の基部それぞれの先端から、前記平面上に、所定の回転方向へ鈍角を挟んで湾曲するように延長してなる複数の主翼と、該複数の主翼それぞれの前記回転方向の反対側にある後縁から前記平面の同一側へ反り返るように延長してなる複数の副翼とからなる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄板形ブーメランに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブーメランは、元々オーストラリアの原住民の狩猟道具であるが、その投げられてから円や楕円形のカーブを描いて投擲者の手元へ飛んで戻るという特殊な性質で、現代人のわれわれにも歓迎されている運動や遊戯用道具として歓迎されている。図1に示すブーメラン5は典型的なものであるが、図2に示すブーメラン6はそれを変形したものである。この従来の2本又は3本の翼部を有するブーメラン5,6は、翼部の横断面が飛行機の羽根の横断面とほぼ同じ形状を呈している。前記翼部により、飛行機の上昇と同じ原理で、回転時の揚力差を利用し、上昇しながら左回して円や楕円形のカーブを描いて投擲者の手元に戻ることができる。しかしながら、上記のブーメラン5,6は、厚くて重いため人を傷付け易く、且つ、飛行時の回転半径が大きいため、室内または敷地の割合に狭いスタジアムや公園では使用できないという欠点があるので、図3のような薄板形ブーメラン7が提案されている。
【0003】
図3に示すブーメラン7は、薄板材からなり、その翼部の横断面が山形状を呈しており、かなり薄くて軽いので、人を傷付ける虞がないのみならず、飛行の回転半径が小さいので、室内の狭い場所でも使用できるが、飛行高度が固定であるため、天井が比較的に低い室内で投げて遊んでいる時、ブーメランは飛行中に天井と衝突して急に墜落する場合がある。その外、飛行の距離のみが2〜3メートルほど短いので、飛行軌跡が単調で、遊びを楽しむことができない場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記に鑑み、本発明の目的は、従来の問題を解消することができる薄板形ブーメランを提供しようとすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、発明者は、薄板材から、全体の大部分が同一の平面上にあり、且つ、ほぼ円盤状の中心部と、該中心部の周縁から外へ延長してなる複数の翼部とを有するように形成してなり、前記複数の翼部は、前記中心部の周縁より、前記平面上に、ほぼ前記中心部の中心点からの放射線に沿って外へ延長してなる複数の基部と、該複数の基部それぞれの先端から、前記平面上に、所定の回転方向へ鈍角を挟んで湾曲するように延長してなる複数の主翼と、該複数の主翼それぞれの前記回転方向の反対側にある後縁から前記平面の同一側へ反り返るように延長してなる複数の副翼とからなることを特徴とする薄板形ブーメランを提供する。
【0006】
この構成による薄板形ブーメランは、かなり薄くて軽いので、人を傷付ける虞がない上、主翼から一側へ反り返って邪魔板になる面積の小さい副翼だけにより、この側の圧力を上げて揚力を発生させる一方、翼部を前記ブーメランの中心部の周縁から外へ真っ直ぐに延長させてはなく、その尻尾を所定の回転方向へ湾曲させて翼部と中心部の中心点との間に偏移量を形成させたため、飛行距離が前記従来の薄板形ブーメランよりやや大きく、飛行軌跡が変化に富んで室内の狭い場所でも遊びを楽しむことができる。また、前記基部と前記主翼との間に挟んだ角度、即ち前記偏移量を調整することにより飛行高度が異なる各種のブーメランを製造することができるので、使用者は室内の天井の高度に応じて適当なブーメランを使用することができ、従来の飛行中に天井と衝突して急に墜落することを生じない。また、本発明のブーメランは、主翼から一側へ反り返っている副翼を設けているため、薄板への補強機能を有するので、かなり薄い薄板、特に弾性のある薄い薄板で構成しても良い。
【0007】
そして、前記副翼と前記主翼との間の角度は鈍角であることが好ましいが、前記薄板材が折り曲げ可能な板材からなり、且つ、前記副翼と前記主翼との間の角度が前記副翼と前記主翼との間の境界線に沿って折り曲げることによって調整できるように構成されれば、更に好ましい。それにより、投擲者は、必要に応じて前記副翼と前記主翼との間の角度を変えてブーメランの飛行距離を調整することができる
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、右利きの人専用のものを例として本発明の薄板形ブーメランの好ましい実施形態を詳しく説明する。左利きの人専用の薄板形ブーメランについては、右利きの人専用の薄板形ブーメランと鏡面対称を呈するので、説明を省略する。なお、以下の説明においては、そのサイズに拘わらず、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0009】
図4は、本発明の薄板形ブーメランの好ましい実施形態を示す上面図である。
図示のように、この薄板形ブーメラン1は、折り曲げ可能な薄板材(例えば2mm以下のプラスチック板)から、全体の大部分が同一の平面上にあるように形成されてなる。図示のように、薄板形ブーメラン1は、主として、ほぼ円盤状の中心部10と、中心部10の周縁から外へ延長してなる複数の翼部20とを有する。本実施形態において、翼部20は三本あり、三本の翼部20は中心部10の周縁にほぼ同一の角距離おきに展開している。
【0010】
更に詳しく説明すると、中心部10は、その重心になる中心点11を有する。
複数(三本)の翼部20は、図4及び図5に示すように、中心部10の周縁より、前記平面上に、ほぼ中心部10の中心点11からの放射線に徐々にずれるように外へ延長してなる複数の基部21と、複数の基部21それぞれの先端から、前記平面上に、所定の回転方向へ鈍角θ1を挟んで湾曲するように延長してなる複数の主翼22と、複数の主翼22それぞれの前記回転方向の反対側にある後縁221から前記平面の同一側へ鈍角θ2を挟んで反り返るように延長してなる複数の副翼23とからなる。
【0011】
また、副翼23の主翼22における後縁221と遠ざかってい後縁231は主翼22の前縁222と平行しており、且つ、副翼23の主翼22における後縁221と連接している前縁232と主翼22における後縁221とからなる境界線の延長線が中心部10の中心点11を通過していない。即ち、図6に示すように、翼部20と中心部10との間に、翼部20の主翼22の後縁221から中心部10の中心点11までに偏移量Xが形成してある。そして、副翼23の幅が主翼22の幅より狭く、基部21の幅が主翼22の幅より広い。主翼22の長さが基部21の長さとほぼ同等である。
【0012】
それにより、図6及び図7に示すように、投擲者は、まず親指と人さし指とで、ブーメランの全体がほぼ地面に垂直し、且つ副翼23が突出してある面を右へ向かわせるように、ブーメラン1の複数の主翼22の一つを挟んで持ち、前進方向Iへ投げると、ブーメラン1は前進方向Iへ前進しながら回転方向IIへ反時計方向に回転し、この時、上下の揚力差によってブーメランは、まずやや左へ前進し、そして、前後の揚力差によって徐々に右の方へ倒れて平らな飛行姿勢で上へ上昇し、円や楕円形のカーブを描いてから投擲者の手元へ戻るように飛行することができる。また、ブーメラン1の翼部20の尻尾は、所定の回転方向へ湾曲して翼部20と中心部10の中心点11との間に偏移量Xが形成されているため、前記前後の揚力差を低下させることができるので、飛行の上昇高度を低めに押さえ、室内の飛行中に天井と衝突して急に墜落することを避ける上、製造時に異なる偏移量を採用すれば異なる飛行軌跡があるので、変化に富んで室内の狭い場所でも遊びを楽しむことができる。
【0013】
なお、基部21と主翼22との間に挟んだ角度θ1または副翼23の幅を変えて前記偏移量Xを調整することにより、上昇高度(飛行高度)を変えることができるので、例えば初心者の練習用やベテラン用など各種の飛行高度が異なるブーメランを製造することができる。また、この実施例のブーメランは折り曲げ可能な材料からなるため、副翼23と主翼22との間の境界線221(232)に沿って折り曲げて副翼23と主翼22との間の角度θ2を調整することができるので、必要に応じてブーメランの飛行距離を調整することができる。即ち、前記偏移量X及び前記角度θ2を変えることにより、飛行距離が例えば4〜15メートルほどのブーメランを製造することができる。それにより、飛行軌跡が変化に富むので、室内の狭い場所でも、遊びを楽しむことができる。
【0014】
図8は、本発明の薄板形ブーメランの他の例である。上記実施形態と異なる点は、中心部10のほぼ中心位置に円形の通孔12が形成してあることにある。それにより、ブーメラン1の重さを一層に低減させることができる。通孔12は、円形に限らず、三角形や四角形などを開けてもよい。
【0015】
【発明の効果】
本発明の薄板形ブーメランは、薄くて軽く、飛行軌跡が安定である上、飛行時の距離を自由に調節でき、室内の狭い場所でも楽しく使用できる。また、製造者にとっては、前記偏移量Xを調整することにより、例えば初心者の練習用やベテラン用など各種の飛行高度が異なるブーメランを製造することができる。
【0016】
以上説明した実施の形態は、あくまでも本発明の技術的内容を明らかにする意図のものにおいてなされたものであり、本発明はそうした具体例に限定して狭義に解釈されるものではなく、本発明の精神とクレームに述べられた範囲で、いろいろと変更して実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の2本の翼部を有するブーメランの斜視図である。
【図2】従来の3本の翼部を有するブーメランの上面図である。
【図3】従来の薄板形ブーメランの上面図である。
【図4】本発明の薄板形ブーメランの好ましい実施形態の上面図である。
【図5】図4の5−5線の断面図である。
【図6】前記実施形態において翼部と中心部の中心点との偏移量Xを説明するための図である。
【図7】本発明の薄板形ブーメランの投擲状態の説明図である。
【図8】本発明の薄板形ブーメランの他の例の上面図である。
【符号の説明】
1 ブーメラン
10 中心部
11 中心点
12 通孔
20 翼部
21 基部
22 主翼
221 後縁
222 前縁
23 副翼
231 後縁
232 前縁

Claims (9)

  1. 薄板材から、全体の大部分が同一の平面上にあり、且つ、ほぼ円盤状の中心部と、該中心部の周縁から外へ延長してなる複数の翼部とを有するように形成してなり、
    前記複数の翼部は、
    前記中心部の周縁より、前記平面上に、ほぼ前記中心部の中心点からの放射線に沿って外へ延長してなる複数の基部と、
    該複数の基部それぞれの先端から、前記平面上に、所定の回転方向へ鈍角を挟んで湾曲するように延長してなる複数の主翼と、
    該複数の主翼それぞれの前記回転方向の反対側にある後縁から前記平面の同一側へ反り返るように延長してなる複数の副翼と、からなることを特徴とする薄板形ブーメラン。
  2. 前記副翼と前記主翼との間の角度は鈍角であることを特徴とする請求項1に記載の薄板形ブーメラン。
  3. 前記薄板材は折り曲げ可能な板材からなり、前記副翼と前記主翼との間の角度は前記副翼と前記主翼との間の境界線に沿って折り曲げることによって調整できることを特徴とする請求項1に記載の薄板形ブーメラン。
  4. 前記複数の基部は、前記中心部の周縁より、前記中心部の中心点からの放射線に徐々にずれるように延長してなることを特徴とする請求項1に記載の薄板形ブーメラン。
  5. 前記翼部は三本あり、該三本の翼部は前記中心部の周縁に同一の角距離おきに展開していることを特徴とする請求項1に記載の薄板形ブーメラン。
  6. 前記副翼の前記主翼における後縁と遠ざかってい後縁が前記主翼の前縁と平行しており、且つ、前記副翼の前記主翼における後縁と連接している前縁と前記主翼における後縁とからなる境界線の延長線が前記中心部の中心点を通過していないことを特徴とする請求項1に記載の薄板形ブーメラン。
  7. 前記副翼の幅が前記主翼の幅より狭く、前記基部の幅が前記主翼の幅より広いことを特徴とする請求項1に記載の薄板形ブーメラン。
  8. 前記主翼の長さが前記基部の長さとほぼ同等であることを特徴とする請求項1に記載の薄板形ブーメラン。
  9. 前記中心部のほぼ中心位置には円形の通孔が形成してあることを特徴とする請求項1に記載の薄板形ブーメラン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101459501B1 (ko) * 2014-05-01 2014-11-10 (주)경남산업 양손 부메랑
CN110772809A (zh) * 2019-11-04 2020-02-11 许壹琳 飞去来器发射装置及其飞去来器叶片

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