JP2004277512A - Acrylic hybrid polymer - Google Patents

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JP2004277512A
JP2004277512A JP2003069001A JP2003069001A JP2004277512A JP 2004277512 A JP2004277512 A JP 2004277512A JP 2003069001 A JP2003069001 A JP 2003069001A JP 2003069001 A JP2003069001 A JP 2003069001A JP 2004277512 A JP2004277512 A JP 2004277512A
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acrylic
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acrylic hybrid
mass
hybrid polymer
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Application number
JP2003069001A
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Japanese (ja)
Inventor
Yasuji Yamada
保治 山田
Junichi Oku
淳一 奥
Toshimi Torii
敏巳 鳥居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya Institute of Technology NUC
Tamura Plastic Mfg Co Ltd
Original Assignee
Nagoya Institute of Technology NUC
Tamura Plastic Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an acrylic hybrid polymer excellent in light transmittance, moldability, heat resistance and wear resistance. <P>SOLUTION: The acrylic hybrid polymer is obtained by subjecting a PMMA-based polymer having a trimethoxysilyl group and tetramethoxysilane to sol-gel reaction. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系ポリマーと金属酸化物(金属酸化物に類似する物質も含む)とが共有結合によって複合されたアクリル系ハイブリッドポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリメタクリル酸メチル(以下「PMMA」と略する場合がある)、ポリアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸シクロヘキシルや、これらの共重合体、ポリアクリロニトリル等のアクリル系ポリマーは、透光性や寸法安定性に優れており、成型した表面の平滑性も良好という優れた成形性を有している。このため、これらの特性を生かして様々な分野に広く用いられている。さらに、これらのアクリル系ポリマーにシリカ粉末などの無機系粉末を含有させて、耐熱性や耐摩耗性の向上を図ることも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アクリル系ポリマーに無機系粉末を含有させた場合、耐熱性や耐摩耗性については向上するものの、含有されている無機系粉末によって光が散乱することとなる。このため、アクリル系ポリマーが白濁し、透光性が損なわれてしまうという問題があった。また、無機系粉末を含有するアクリル系ポリマーを成型した場合、その成型品の表面に無機系粉末に起因する凹凸が生じ、平滑性も損なわれることとなる。すなわち、こうした無機系粉末含有アクリル系ポリマーでは、耐熱性及び耐摩耗性の向上と引き換えに、アクリル系ポリマーの二大長所である透明性と良好な成型性とが失われてしまう。
【0004】
この点、特許文献1に記載されているように、屈折率がアクリル系ポリマーに近い無機系粉末をアクリル系ポリマーに含有させることにより、透光性の低下を小さくすることも考えられる。
【0005】
【特許文献1】
特開平08−311238号公報
【0006】
すなわち、この無機系粉末含有アクリル系ポリマーは、無機系粉末の屈折率の値がマトリックスとなるアクリル系ポリマーの屈折率の値に近いため、無機粉末とマトリックスとの界面での光の散乱が防止され、透光性の低下を小さくすることができる。
【0007】
しかしながら、この無機系粉末含有アクリル系ポリマーは、無機系粉末が単にアクリル系ポリマーの中に機械的に混合されているにすぎないため、透明樹脂と無機系粉末との界面において剥離現象が生じやすく、耐熱性や耐摩耗性が低下するおそれがある。また、無機系粉末に起因して生じる成型品の表面の凹凸については、なんらの解決もなされていない。
【0008】
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、透光性、成型性に優れているとともに、耐熱性及び耐摩耗性にも優れたアクリル系ハイブリッドポリマーを提供することを解決すべき課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、平均粒径がサブミクロンオーダーという極めて小さな無機系微粒子を含有させたアクリル系ポリマーについて、既に特許出願を行っている(特願2002−232258)。この無機系微粒子含有アクリル系ポリマーでは、含有されている無機微粒子の粒径が極めて小さいため、光の散乱が起こり難くなり、透明性が維持される。また、その成型品の表面粗さも極めて小さくなり、平滑性も保たれる。発明者らは、無機系微粒子をさらに小さくした究極の形態として、分子レベルで制御された無機微粒子をアクリル系ポリマーに共有結合させることを考えた。そして、鋭意研究を行った結果、究極の無機系微粒子含有アクリル系ポリマーとして、本発明のアクリル系ハイブリッドポリマーを完成させる至った。
【0010】
すなわち、本発明のアクリル系ハイブリッドポリマーは、アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーと金属アルコキシドとをゾル−ゲル反応させて得られる生成物であることを特徴とする。
【0011】
本発明のアクリル系ハイブリッドポリマーでは、前躯体としてアルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーが用いられる。この前駆体は、(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系モノマーと、アルコキシシリル基を有するアクリル系モノマーとを共重合させることによって、容易に合成することができる。アルコキシシリル基を有するアクリル系モノマーとしては特に限定はないが、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等を用いることができる。こうして得られたアルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーと金属アルコキシドとをゾル−ゲル反応で縮合させ、アクリル系ポリマーから枝分かれした金属酸化物骨格(ここで「金属酸化物骨格」とは「金属酸化物骨格に類似する骨格」も含む概念である)を形成させることにより、本発明のアクリル系ハイブリッドポリマーを容易に得ることができる。このアクリル系ハイブリッドポリマーは、アクリル系ポリマーと金属酸化物骨格とが分子レベルの均質さでハイブリッド化されている。このため、従来のシリカ粒子等の無機微粒子を分散させたアクリル系ポリマーと比較して、透光性及び成型した場合の表面の平滑性に極めて優れている。また、このアクリル系ハイブリッドポリマーは、金属酸化物骨格がアクリル系ポリマー鎖に共有結合されているため、金属骨格とアクリル系ポリマー鎖との間は強固に結合しており、その間で剥離するおそれも少ない。さらに、金属酸化物骨格は異なるアクリル系ポリマー間を架橋するため、その3次元網目構造によって耐熱性及び耐摩耗性も大きくなる。
【0012】
したがって、本発明のアクリル系ハイブリッドポリマーは、透光性及び成型性に優れるとともに、耐熱性及び耐摩耗性にも優れている。
【0013】
アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーと金属アルコキシドとのゾル−ゲル反応は、水及び塩酸、硫酸、硝酸等の酸触媒存在下、あるいは水及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の塩基触媒存在下において進行させることができる。反応温度は、溶媒の沸点以下で行われうるが、一般には室温〜100°Cで行われる。
【0014】
アクリル系ポリマーとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸シクロヘキシルやこれらの共重合体、ポリアクリロニトリル等、構造材料として利用できるアクリル系ポリマーであれば採用することができる。この中でもポリメタクリル酸メチル及びその共重合体は透明性が高く、加工も容易であるため、特に好ましい。
【0015】
また、アルコキシシリル基としては、水の存在下において金属アルコキシドとの間でゾル−ゲル反応で縮合するものであればよく、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等を採用することができる。発明者らの試験結果によれば、アルコキシシリル基がトリメトキシシリル基である場合、ゾル−ゲル反応による縮合が容易に進行することを確認している。
【0016】
金属アルコキシドとしては、水の存在下においてゾル−ゲル反応により分子間で縮合するものであればよく、例えば 一般式がRSi(OR)4−m(ここでRはアルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基等の炭化水素基を表し、mは0〜3の整数を表す)で表される各種のシリコンアルコキシド、一般式がRAl(OR)3−m(ここでRはアルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基等の炭化水素基を表し、mは0〜2の整数を表す)で表される各種のアルミニウムアルコキシド、一般式がRTi(OR)4−m(ここでRはアルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基等の炭化水素基を表し、mは0〜3の整数を表す)で表される各種のチタンアルコキシド、RZr(OR)4−m(ここでRはアルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基等の炭化水素基を表し、mは0〜3の整数を表す)で表される各種のジルコニウムアルコキシド等を用いることができる。さらにこれらの金属アルコキシドを混合して用いることも可能である。
【0017】
これらの金属アルコキシドの中でも、シリコンアルコキシドが特に好ましい。シリコンアルコキシドはゾル−ゲル反応を容易に起こすことができるため、アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーとのハイブリッド化が容易となる。また、他の金属アルコキシドと比較して安価であるため、アクリル系ハイブリッドポリマーの製造コストの低廉化が可能となる。
【0018】
金属アルコキシドとしてシリコンアルコキシドを用いる場合において、シリコンアルコキシドはテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン及びジメチルジメトキシシランの少なくとも1種とすることができる。これらの化合物は、水の存在によって容易にゾル−ゲル反応による縮合が進行し、ポリシロキサン鎖が形成される。また、これらのうちどの化合物をどれだけ用いるかによって、生成するポリシロキサン鎖中のメチル基の存在割合を変化させることが可能となり、アクリル系ハイブリッドポリマーの特性をコントロールすることが可能となる。発明者らの試験結果によれば、テトラメトキシシラン又はメチルトリメトキシシランを単独で用いた場合、得られるアクリル系ハイブリッドポリマーの表面硬度が硬くなり、透明性も優れたものとなる。
【0019】
シリコンアルコキシドとしてテトラメトキシシラン及び/又はメチルトリメトキシシランを用いた場合、アクリル系ハイブリッドポリマー中のシリコン含有量は、二酸化ケイ素換算で1〜50質量%とすることが好ましい。シリコン含有量が50質量%を超えた場合、脆くなりクラックが生じやすくなる。また、シリコン含有量が1質量%未満では、耐熱性や耐摩耗性の向上効果を十分に発揮することができない。より好ましくは5〜30質量%である。発明者らの試験結果によれば、シリコン含有量が5〜30質量%であれば、鉛筆硬度をH以上とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施例1〜54について、比較例1〜7と比較しつつ説明するが、もとより本発明は、以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
【0021】
(実施例1〜6)
実施例1〜6のアクリル系ハイブリッドポリマーは、トリメトキシシリル基を有するポリメタクリル酸メチルとテトラメトキシシランとをゾル−ゲル反応させて得られる生成物であり、以下のようにして合成した。
【0022】
すなわち、メタクリル酸メチル(以下「MMA」と略す)とメタクリロキシプロピルトリメチルシラン(以下「MPS」と略す)とをモル比換算でMMA:MPS=9:1となるように秤り取り、さらに開始剤として少量の過酸化ベンゾイルとともにパイレックス(登録商標)製のアンプル管に入れ、真空ラインに取り付けた。このアンプル管をドライアイス−メタノール浴で冷却した後、解凍して脱気した後、再び凍結し溶封する。こうして封管されたアンプル管を80°Cの恒温槽中で24時間保って共重合させた後、開封して重合を停止させた。さらに、ポリマーの濃度が約10質量%となるようにベンゼンを加えて希釈した後、滴下ロートに入れ、10〜15倍容量のメタノール中に滴下し、共重合で得られたポリマーを沈殿させた。さらに20分間攪拌を行った後、静置し、デカンテーションによって沈殿を取り出し、メタノール洗浄して、一晩真空乾燥を行った。こうして、次の式で示される前駆体ポリマー(1)を得た。
【0023】
【化1】

Figure 2004277512
【0024】
この前駆体ポリマー(1)を約1.2g秤り取り、約10質量%の濃度のTHF溶液を作成する。この溶液中にテトラメトキシシラン(以下「TMOS」と略す)をいろいろな混合比(二酸化ケイ素換算で、実施例1で1質量%、実施例2で3質量%、実施例3で5質量%、実施例4で10質量%、実施例5で20質量%、実施例6で30質量%)となるように加え、さらに、TMOS:水:HClが質量比で1:4:0.01となるように塩酸溶液を加えた後、攪拌して均一溶液とする。こうして得られた溶液のうち約1.5gをL×W×T=76mm×26mm×3mmのスライドグラス上に塗布し、大気中で25〜28°Cの温度とし、湿度を約30%に調整しながら換気を行いつつ乾燥させ、約100μmの厚みの実施例1〜6のフィルムを得た。これら実施例1〜6のフィルムは、乾燥中にゾル−ゲル反応による縮合反応が進行し、次式で示されるように、PMMA相当部分(A)とシリカ相当部分(B)とからなるアクリル系ハイブリッドポリマー(2)となっている。
【0025】
【化2】
Figure 2004277512
【0026】
(実施例7〜12)
実施例7〜12のアクリル系ハイブリッドポリマーは、前駆体ポリマー(1)とハイブリッド化させるシリコンアルコキシドとしてメチルトリメトキシシラン(以下「MTMS」と略す)を用いた。他の合成条件及びフィルム作成条件は実施例1〜6の場合と同様である。また、シリカ含有量は、二酸化ケイ素換算で、実施例7で1質量%、実施例8で3質量%、実施例9で5質量%、実施例10で10質量%、実施例11で20質量%、実施例12で30質量%とした。こうして得られたアクリル系ハイブリッドポリマー(3)は、次式で示されるように、PMMA相当部分(A)とシリカ相当部分(C)とからなる。
【0027】
【化3】
Figure 2004277512
【0028】
(実施例13〜18)
実施例13〜18のアクリル系ハイブリッドポリマーは、前駆体ポリマー(1)とハイブリッド化させるためのシリコンアルコキシドとしてジメチルジメトキシシラン(以下「DMDMS」と略す)を用いた。他の合成条件は実施例1〜6と同様である。また、シリカ含有量は、二酸化ケイ素換算で、実施例13で1質量%、実施例14で3質量%、実施例15で5質量%、実施例16で10質量%、実施例17で20質量%、実施例18で30質量%とした。こうして得られたアクリル系ハイブリッドポリマー(4)は、次式で示されるように、PMMA相当部分(A)とシリカ相当部分(D)とからなる。
【0029】
【化4】
Figure 2004277512
【0030】
(実施例19〜54)
実施例19〜54のアクリル系ハイブリッドポリマーは、実施例1〜6と同様の操作によって得られる生成物であり、その組成割合は表1に示すとおりである。
【0031】
【表1】
Figure 2004277512
【0032】
また、ゾル−ゲル反応を金型容器内で行って約100μmの厚みのシートとし、これを裁断することにより、後述する引張強度試験用試験片とした。
【0033】
(比較例1〜6)
比較例1〜6は、シリカ微粒子をPMMAに含有させたシリカ微粒子含有アクリル樹脂であり、以下のようにして製造した。
【0034】
すなわち、まずメチルエチルケトンにPMMA(住友化学工業株式会社製)を溶解させたPMMA溶液(PMMA濃度:15質量%)を用意する。そしてこのPMMA溶液に、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名「MEK−ST」、粒子径:10〜15nm、Si0含有率:30.5質量%)を、PMMA(住友化学工業株式会社製)に対して、それぞれ1、3、5、10、20及び30質量%となるように所定量加え、攪拌混合する。こうしてコロイダルシリカがPMMA溶液に均一に分散するように調整されたPMMA−シリカ組成物を水平台上に置かれた直径90〜95mmのシャーレに流延させ、半日間室温で放置しメチルエキルケトンを揮発させた後、80°Cで2日間の乾燥を行い、比較例1〜6のフィルムを得た。なお、フィルムの厚みは100μmとなるように調節した。
【0035】
(比較例7)
比較例7は、MMAだけを用いて実施例1と同様の方法で重合した後、実施例1と同様の方法でフィルム状に成形したものである。
【0036】
<評価>
上記のようにして得られた、実施例1〜18のフィルム及び比較例1〜6のシリカ微粒子含有アクリル樹脂からなるフィルムについて、光透過率測定、外観観察、ガラス転移温度測定及び鉛筆硬度試験を行った。また、実施例19〜54のフィルム及び比較例7のPMMA単味のフィルムについて引張試験を行った。
【0037】
(光透過率測定)
光透過率測定は、ダブルビーム分光光度計(日立製作所製、商品名「HITACHI200−10型」)を用い、380〜780nmの波長範囲で行った。その結果、図1及び図2に示すように、シリコンアルコキシドとしてTMOS及びMTMSを用いた実施例1〜12では、シリカ含有量が30質量%までの間、測定されたすべての波長範囲において光透過率が88%を超えていた。これに対し、シリカ微粒子含有アクリル樹脂のフィルムからなる比較例1〜6の場合には、図4に示すように、シリカ含有量の増大による光透過率の低下が大きかった。また、図3に示すように、シリコンアルコキシドとしてDMDMSを用いた場合には、シリカ含有量が10質量%までの間、測定されたすべての波長範囲において光透過率が88%を超えており、やはり高い光透過性を示した。
【0038】
実施例1〜6における高い光透過性は、次の2つの理由により説明される。すなわち、▲1▼実施例1〜12のアクリル系ハイブリッドポリマーでは、PMMAとシリカ相当部分であるシロキサン骨格とが分子レベルでハイブリッド化されており、比較例1〜6のシリカ微粒子含有アクリル樹脂よりさらに細かくシリカ相当部分が分散されていること。▲2▼シリカの屈折率(1.46)とPMMAの屈折率(1.48〜1.52)とは非常に近く、PMMAとシリカ相当部分との界面での光の散乱が起こり難いこと。
【0039】
(外観観察)
外観観察による評価結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
Figure 2004277512
【0041】
表2に示すように、実施例1〜18ではクラックの発生が無く、成型性に優れていることが分かる。また、シリコンアルコキシドとしてTMOS及びMTMSを用いた実施例1〜12では、シリカ含有量が30質量%まで無色透明が維持され、比較例1〜6と同様に透明性に優れていることが分かった。さらに、シリコンアルコキシドとしてDMDMSを用いた実施例13〜18では、シリカ含有量が10質量%までの実施例13〜16では無色透明であった。以上の結果は、光透過率の測定結果と整合するものである。
【0042】
(ガラス転移温度測定)
ガラス転移温度測定は、示差走査熱量測定装置(Mettler社製、商品名「TA3000 Thermal Analysis System」)を用い、昇温速度を10°C/minとし、窒素気流下(流量50ml/min)中で測定した。その結果、図5に示すように、シリコンアルコキシドとしてTMOS及びMTMSを用いた実施例1〜12では、ガラス転移温度が120°C以上となり、大きな耐熱性を示すことが分かった。また、シリコンアルコキシドとしてDMDMSを用いた実施例13〜15においても、ガラス転移温度が115°C前後となり、耐熱性に優れていた。これに対し、微粒子含有アクリル樹脂のフィルムからなる比較例1〜6では、ガラス転移温度が105°C前後となり、PMMA単味の材料とほとんど変わらなかった。
【0043】
(鉛筆硬度試験)
鉛筆硬度試験は、井本製作所製の鉛筆硬度試験機を用い、フィルム表面の鉛筆硬度をJIS K−5600に準じて測定を行った。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
Figure 2004277512
【0045】
表3から分かるように、シリコンアルコキシドとしてTMOS及びMTMSを用いた実施例1〜12では、すべて鉛筆硬度がH以上となり、シリカ含有量が増大するにつれて硬度が上昇することが分かった。また、シリコンアルコキシドとしてDMDMSを用いた実施例13〜17でも鉛筆硬度がHとなった。これに対し、微粒子含有アクリル樹脂のフィルムからなる比較例1〜6では、鉛筆硬度がFと柔らかかった。以上のことから、実施例1〜17のアクリル系ハイブリッドポリマーは、耐摩耗性に優れることが分かった。
【0046】
(引張試験)
引張試験は、JTトーシ社製卓上引張試験機「リトルセンスター(LSC−05/30)」を用い、チャック間距離20mm、引張速度5mm/nin、気温22〜25°C、湿度45〜55%の条件で測定した。測定用の試験片は、実施例19〜54及び比較例7のフィルムを60mm×40mmの短冊形に切り出したものであり、引張試験用用紙(L×W=60mm×40mmであって、中央を20mm×20mmに切り出したもの)に貼り付けて固定し、測定を行った。結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
Figure 2004277512
【0048】
PMMA単味からなる比較例7の測定値は引張強度60MPaであった。これに対し、表4に示すように、実施例19〜22、27、29、33、37〜40、43〜46、49〜52の引張強度は比較例7の引張強度の値を上回った。また、表4に示すように、実施例19〜54のうち、シリコンアルコキシドとしてTMOS(実施例19〜24及び実施例37〜42)及びMTMS(実施例25〜30及び実施例43〜48)を用いた場合の方が、シリコンアルコキシドとしてDMDMSを用いた場合(実施例31〜36及び実施例49〜54)を用いた場合よりも引張強度が大きいことが分かった。これは、TMOS及びMTMSがゾル−ゲル反応によってポリシロキサン結合による3次元ネットワークを形成するのに対し、DMDMSはゾル−ゲル反応によって、シリコンゴム様の2次元ポリマーとなることによると考えられる。また、シリコンアルコキシドとしてDMDMSを用い、シリコン含有量が多い実施例53及び実施例54では、低いヤング率を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜6の光透過率を示すグラフである。
【図2】実施例7〜12の光透過率を示すグラフである。
【図3】実施例13〜16の光透過率を示すグラフである。
【図4】比較例1〜6の光透過率を示すグラフである。
【図5】実施例1〜18及び比較例1〜6のガラス転移温度を示すグラフである。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to an acrylic hybrid polymer in which an acrylic polymer and a metal oxide (including a substance similar to a metal oxide) are complexed by a covalent bond.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, acrylic polymers such as polymethyl methacrylate (hereinafter sometimes abbreviated as “PMMA”), polymethyl acrylate, polyethyl methacrylate, polyhexyl methacrylate, and copolymers thereof, and polyacrylonitrile are known. It has excellent moldability such as excellent light transmittance and dimensional stability, and good smoothness of the molded surface. For this reason, these characteristics are utilized widely in various fields. Further, improvement of heat resistance and abrasion resistance is also performed by adding inorganic powder such as silica powder to these acrylic polymers.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, when an inorganic powder is contained in the acrylic polymer, heat resistance and abrasion resistance are improved, but light is scattered by the contained inorganic powder. For this reason, there has been a problem that the acrylic polymer becomes cloudy and the translucency is impaired. Further, when an acrylic polymer containing an inorganic powder is molded, irregularities due to the inorganic powder are generated on the surface of the molded product, and the smoothness is impaired. That is, in the case of such an acrylic polymer containing an inorganic powder, transparency and good moldability, which are the two major advantages of the acrylic polymer, are lost in exchange for the improvement of heat resistance and abrasion resistance.
[0004]
In this regard, as described in Patent Document 1, it is conceivable to reduce the decrease in light transmittance by adding an inorganic powder having a refractive index close to that of an acrylic polymer to the acrylic polymer.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 08-311238
In other words, in the acrylic polymer containing an inorganic powder, since the refractive index of the inorganic powder is close to the refractive index of the acrylic polymer serving as the matrix, scattering of light at the interface between the inorganic powder and the matrix is prevented. Thus, a decrease in light transmittance can be reduced.
[0007]
However, in this inorganic powder-containing acrylic polymer, since the inorganic powder is merely mechanically mixed into the acrylic polymer, a peeling phenomenon easily occurs at the interface between the transparent resin and the inorganic powder. , Heat resistance and abrasion resistance may be reduced. In addition, there has been no solution to the unevenness of the surface of the molded product caused by the inorganic powder.
[0008]
The present invention has been made in view of the above conventional circumstances, and it is necessary to solve the problem of providing an acrylic hybrid polymer which is excellent in translucency, moldability, and also excellent in heat resistance and abrasion resistance. It is an issue.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The inventors have already filed a patent application for an acrylic polymer containing an inorganic fine particle having an average particle diameter of a submicron order (Japanese Patent Application No. 2002-232258). In the acrylic polymer containing inorganic fine particles, since the particle diameter of the contained inorganic fine particles is extremely small, scattering of light hardly occurs and transparency is maintained. Also, the surface roughness of the molded product is extremely small, and the smoothness is maintained. The inventors have considered that as the ultimate form in which the inorganic fine particles are further reduced, the inorganic fine particles controlled at the molecular level are covalently bonded to the acrylic polymer. As a result of diligent research, the acrylic hybrid polymer of the present invention has been completed as the ultimate inorganic fine particle-containing acrylic polymer.
[0010]
That is, the acrylic hybrid polymer of the present invention is a product obtained by performing a sol-gel reaction between an acrylic polymer having an alkoxysilyl group and a metal alkoxide.
[0011]
In the acrylic hybrid polymer of the present invention, an acrylic polymer having an alkoxysilyl group is used as a precursor. This precursor can be easily synthesized by copolymerizing an acrylic monomer such as a (meth) acrylate and an acrylic monomer having an alkoxysilyl group. The acrylic monomer having an alkoxysilyl group is not particularly limited. For example, 3-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane, 3-methacryloxypropyltrimethoxylan, 3-methacryloxypropylmethyldiethoxysilane, 3-methacryloxy Propyltriethoxysilane or the like can be used. The thus obtained acrylic polymer having an alkoxysilyl group and a metal alkoxide are condensed by a sol-gel reaction, and a metal oxide skeleton branched from the acrylic polymer (here, the “metal oxide skeleton” is a metal oxide skeleton) Is a concept including "a skeleton similar to a skeleton"), the acrylic hybrid polymer of the present invention can be easily obtained. In this acrylic hybrid polymer, an acrylic polymer and a metal oxide skeleton are hybridized at a molecular level homogeneity. For this reason, compared with the conventional acrylic polymer in which inorganic fine particles such as silica particles are dispersed, it is extremely excellent in light transmittance and surface smoothness when molded. Further, in this acrylic hybrid polymer, since the metal oxide skeleton is covalently bonded to the acrylic polymer chain, the metal skeleton and the acrylic polymer chain are firmly bonded to each other, and there is a possibility that the acrylic skeleton is peeled therebetween. Few. Furthermore, since the metal oxide skeleton crosslinks between different acrylic polymers, its three-dimensional network structure increases heat resistance and wear resistance.
[0012]
Therefore, the acrylic hybrid polymer of the present invention is excellent not only in light transmission and moldability but also in heat resistance and abrasion resistance.
[0013]
The sol-gel reaction between an acrylic polymer having an alkoxysilyl group and a metal alkoxide is carried out in the presence of water and an acid catalyst such as hydrochloric acid, sulfuric acid and nitric acid, or in the presence of water and a base catalyst such as sodium hydroxide, potassium hydroxide and ammonia. You can proceed below. The reaction can be carried out at a temperature lower than the boiling point of the solvent, but is generally carried out at room temperature to 100 ° C.
[0014]
As the acrylic polymer, for example, an acrylic polymer that can be used as a structural material, such as polymethyl methacrylate, polymethyl acrylate, polyethyl methacrylate, polyhexyl methacrylate, or a copolymer thereof, or polyacrylonitrile is used. can do. Among them, polymethyl methacrylate and its copolymer are particularly preferable because of their high transparency and easy processing.
[0015]
Further, the alkoxysilyl group may be any as long as it condenses with a metal alkoxide by a sol-gel reaction in the presence of water, and examples thereof include a trimethoxysilyl group and a triethoxysilyl group. . According to the test results of the inventors, it has been confirmed that when the alkoxysilyl group is a trimethoxysilyl group, condensation by a sol-gel reaction proceeds easily.
[0016]
Any metal alkoxide may be used as long as it condenses between molecules by a sol-gel reaction in the presence of water. For example, the general formula is R m Si (OR) 4-m (where R is an alkyl group, an alkenyl group, Various silicon alkoxides represented by a hydrocarbon group such as a phenyl group or a cycloalkyl group, and m represents an integer of 0 to 3), and the general formula is R m Al (OR) 3-m (where R is Various hydrocarbon alkoxides such as an alkyl group, an alkenyl group, a phenyl group, and a cycloalkyl group, and m represents an integer of 0 to 2), and a general formula represented by R m Ti (OR) 4- m (wherein R represents an alkyl group, an alkenyl group, a phenyl group, a hydrocarbon group such as a cycloalkyl group, m represents an integer of 0 to 3) various titanium alkoxides represented by, R m Zr ( R) 4-m (wherein R is an alkyl group, an alkenyl group, a phenyl group, a hydrocarbon group such as a cycloalkyl group, m 13, various zirconium alkoxide represented by represents) an integer of 0 to 3 Can be used. Further, these metal alkoxides can be used as a mixture.
[0017]
Among these metal alkoxides, silicon alkoxide is particularly preferred. Since silicon alkoxide can easily cause a sol-gel reaction, it can be easily hybridized with an acrylic polymer having an alkoxysilyl group. Further, since it is cheaper than other metal alkoxides, the production cost of the acrylic hybrid polymer can be reduced.
[0018]
When a silicon alkoxide is used as the metal alkoxide, the silicon alkoxide can be at least one of tetramethoxysilane, methyltrimethoxysilane, and dimethyldimethoxysilane. In these compounds, condensation by a sol-gel reaction easily proceeds in the presence of water to form a polysiloxane chain. In addition, depending on which compound is used and how much, it is possible to change the ratio of the methyl group in the generated polysiloxane chain, and to control the characteristics of the acrylic hybrid polymer. According to the test results of the inventors, when tetramethoxysilane or methyltrimethoxysilane is used alone, the resulting acrylic hybrid polymer has a high surface hardness and excellent transparency.
[0019]
When tetramethoxysilane and / or methyltrimethoxysilane is used as the silicon alkoxide, the silicon content in the acrylic hybrid polymer is preferably 1 to 50% by mass in terms of silicon dioxide. If the silicon content exceeds 50% by mass, the silicon becomes brittle and cracks easily occur. On the other hand, if the silicon content is less than 1% by mass, the effect of improving heat resistance and wear resistance cannot be sufficiently exhibited. More preferably, it is 5 to 30% by mass. According to the test results of the inventors, if the silicon content is 5 to 30% by mass, the pencil hardness can be H or more.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, Examples 1 to 54 that embody the present invention will be described in comparison with Comparative Examples 1 to 7, but the present invention is not limited to the following Examples.
[0021]
(Examples 1 to 6)
The acrylic hybrid polymers of Examples 1 to 6 were products obtained by performing a sol-gel reaction between polymethyl methacrylate having a trimethoxysilyl group and tetramethoxysilane, and were synthesized as follows.
[0022]
That is, methyl methacrylate (hereinafter abbreviated as “MMA”) and methacryloxypropyltrimethylsilane (hereinafter abbreviated as “MPS”) are weighed out so that MMA: MPS = 9: 1 in terms of molar ratio, and the process is further started. A small amount of benzoyl peroxide as an agent was placed in a Pyrex (registered trademark) ampule tube, and attached to a vacuum line. The ampule tube is cooled in a dry ice-methanol bath, thawed and deaerated, then frozen again and sealed. The thus sealed ampule tube was kept in an 80 ° C. constant temperature bath for 24 hours to copolymerize, and then opened to stop the polymerization. Further, after adding and diluting benzene so that the concentration of the polymer becomes about 10% by mass, the solution is put into a dropping funnel and dropped into 10 to 15 times volume of methanol to precipitate a polymer obtained by copolymerization. . After further stirring for 20 minutes, the mixture was allowed to stand, the precipitate was taken out by decantation, washed with methanol, and vacuum dried overnight. Thus, a precursor polymer (1) represented by the following formula was obtained.
[0023]
Embedded image
Figure 2004277512
[0024]
About 1.2 g of the precursor polymer (1) is weighed to prepare a THF solution having a concentration of about 10% by mass. In this solution, tetramethoxysilane (hereinafter abbreviated as "TMOS") in various mixing ratios (in terms of silicon dioxide, 1% by mass in Example 1, 3% by mass in Example 2, 5% by mass in Example 3, (Example 10: 10% by mass, Example 5: 20% by mass, Example 6: 30% by mass), and the mass ratio of TMOS: water: HCl is 1: 4: 0.01. After adding the hydrochloric acid solution as described above, the mixture is stirred to obtain a uniform solution. About 1.5 g of the solution thus obtained is applied on a slide glass of L × W × T = 76 mm × 26 mm × 3 mm, and the temperature is adjusted to 25 to 28 ° C. in the atmosphere, and the humidity is adjusted to about 30%. It dried while ventilating, and obtained the film of Examples 1-6 of about 100 micrometers in thickness. In the films of Examples 1 to 6, the condensation reaction by the sol-gel reaction proceeds during drying, and as shown by the following formula, an acrylic-based film composed of a PMMA-equivalent part (A) and a silica-equivalent part (B). It is a hybrid polymer (2).
[0025]
Embedded image
Figure 2004277512
[0026]
(Examples 7 to 12)
In the acrylic hybrid polymers of Examples 7 to 12, methyltrimethoxysilane (hereinafter abbreviated as “MTMS”) was used as a silicon alkoxide to be hybridized with the precursor polymer (1). Other synthesis conditions and film forming conditions are the same as those in Examples 1 to 6. The silica content was calculated as 1% by mass in Example 7, 3% by mass in Example 8, 5% by mass in Example 9, 10% by mass in Example 10, and 20% by mass in Example 11 in terms of silicon dioxide. %, And 30% by mass in Example 12. The acrylic hybrid polymer (3) thus obtained is composed of a PMMA equivalent part (A) and a silica equivalent part (C) as shown by the following formula.
[0027]
Embedded image
Figure 2004277512
[0028]
(Examples 13 to 18)
In the acrylic hybrid polymers of Examples 13 to 18, dimethyldimethoxysilane (hereinafter abbreviated as "DMDMS") was used as a silicon alkoxide for hybridizing with the precursor polymer (1). Other synthesis conditions are the same as in Examples 1 to 6. The silica content was 1% by mass in Example 13, 3% by mass in Example 14, 5% by mass in Example 15, 10% by mass in Example 16, and 20% in Example 17 in terms of silicon dioxide. %, And 30% by mass in Example 18. The acrylic hybrid polymer (4) thus obtained is composed of a PMMA equivalent part (A) and a silica equivalent part (D) as shown by the following formula.
[0029]
Embedded image
Figure 2004277512
[0030]
(Examples 19 to 54)
The acrylic hybrid polymers of Examples 19 to 54 are products obtained by the same operation as in Examples 1 to 6, and the composition ratio is as shown in Table 1.
[0031]
[Table 1]
Figure 2004277512
[0032]
Further, a sol-gel reaction was carried out in a mold container to form a sheet having a thickness of about 100 μm, which was cut into a test piece for a tensile strength test described later.
[0033]
(Comparative Examples 1 to 6)
Comparative Examples 1 to 6 are silica fine particle-containing acrylic resins containing silica fine particles in PMMA, and were manufactured as follows.
[0034]
That is, first, a PMMA solution (PMMA concentration: 15% by mass) in which PMMA (manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.) is dissolved in methyl ethyl ketone is prepared. Then, colloidal silica (manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd., trade name “MEK-ST”, particle diameter: 10 to 15 nm, SiO 2 content: 30.5 mass%) was added to this PMMA solution by PMMA (Sumitomo Chemical Co., Ltd.). (Manufactured by the company), respectively, in predetermined amounts so as to be 1, 3, 5, 10, 20, and 30% by mass, respectively, and mixed with stirring. The PMMA-silica composition adjusted so that the colloidal silica was uniformly dispersed in the PMMA solution was cast on a Petri dish having a diameter of 90 to 95 mm placed on a horizontal table, and left at room temperature for half a day to obtain methyl ethyl ketone. After volatilizing, drying was performed at 80 ° C. for 2 days to obtain films of Comparative Examples 1 to 6. The thickness of the film was adjusted to be 100 μm.
[0035]
(Comparative Example 7)
In Comparative Example 7, after polymerization was performed in the same manner as in Example 1 using only MMA, a film was formed in the same manner as in Example 1.
[0036]
<Evaluation>
For the films of Examples 1 to 18 and the films of silica particles-containing acrylic resin of Comparative Examples 1 to 6 obtained as described above, the light transmittance measurement, the appearance observation, the glass transition temperature measurement and the pencil hardness test were performed. went. In addition, tensile tests were performed on the films of Examples 19 to 54 and the plain film of PMMA of Comparative Example 7.
[0037]
(Light transmittance measurement)
The light transmittance was measured using a double beam spectrophotometer (trade name: HITACHI 200-10, manufactured by Hitachi, Ltd.) in a wavelength range of 380 to 780 nm. As a result, as shown in FIGS. 1 and 2, in Examples 1 to 12 using TMOS and MTMS as the silicon alkoxide, light transmission was observed in all measured wavelength ranges until the silica content was up to 30% by mass. The rate was over 88%. On the other hand, in the case of Comparative Examples 1 to 6 made of an acrylic resin film containing silica fine particles, as shown in FIG. 4, the decrease in light transmittance due to an increase in the silica content was large. As shown in FIG. 3, when DMDMS was used as the silicon alkoxide, the light transmittance exceeded 88% in all the measured wavelength ranges while the silica content was up to 10% by mass, Again, high light transmittance was shown.
[0038]
The high light transmittance in Examples 1 to 6 is explained for the following two reasons. That is, (1) In the acrylic hybrid polymers of Examples 1 to 12, PMMA and a siloxane skeleton, which is a portion corresponding to silica, are hybridized at the molecular level, which is further higher than the silica fine particle-containing acrylic resins of Comparative Examples 1 to 6. The silica equivalent is finely dispersed. {Circle around (2)} The refractive index of silica (1.46) and the refractive index of PMMA (1.48 to 1.52) are very close to each other, and light scattering at the interface between PMMA and a portion corresponding to silica is unlikely to occur.
[0039]
(Appearance observation)
Table 2 shows the evaluation results obtained by observing the appearance.
[0040]
[Table 2]
Figure 2004277512
[0041]
As shown in Table 2, it can be seen that Examples 1 to 18 have no cracks and are excellent in moldability. In Examples 1 to 12 using TMOS and MTMS as the silicon alkoxide, it was found that the silica content was colorless and transparent up to 30% by mass, and the transparency was excellent as in Comparative Examples 1 to 6. . Furthermore, in Examples 13 to 18 using DMDMS as the silicon alkoxide, Examples 13 to 16 in which the silica content was up to 10% by mass were colorless and transparent. The above results are consistent with the measurement results of the light transmittance.
[0042]
(Glass transition temperature measurement)
The glass transition temperature was measured using a differential scanning calorimeter (trade name: “TA3000 Thermal Analysis System” manufactured by Mettler) at a temperature rising rate of 10 ° C./min and under a nitrogen stream (flow rate 50 ml / min). It was measured. As a result, as shown in FIG. 5, in Examples 1 to 12 using TMOS and MTMS as the silicon alkoxide, it was found that the glass transition temperature was 120 ° C. or higher, indicating a large heat resistance. Also, in Examples 13 to 15 using DMDMS as the silicon alkoxide, the glass transition temperature was around 115 ° C, and the heat resistance was excellent. On the other hand, in Comparative Examples 1 to 6 made of a film of an acrylic resin containing fine particles, the glass transition temperature was around 105 ° C., which was almost the same as that of a PMMA-only material.
[0043]
(Pencil hardness test)
The pencil hardness test was performed using a pencil hardness tester manufactured by Imoto Seisakusho, and the pencil hardness of the film surface was measured according to JIS K-5600. Table 3 shows the results.
[0044]
[Table 3]
Figure 2004277512
[0045]
As can be seen from Table 3, in Examples 1 to 12 using TMOS and MTMS as the silicon alkoxide, the pencil hardness was H or higher, and the hardness increased as the silica content increased. In Examples 13 to 17 using DMDMS as the silicon alkoxide, the pencil hardness was H. On the other hand, in Comparative Examples 1 to 6 made of the acrylic resin film containing fine particles, the pencil hardness was as soft as F. From the above, it was found that the acrylic hybrid polymers of Examples 1 to 17 were excellent in abrasion resistance.
[0046]
(Tensile test)
The tensile test was performed using a desktop tension tester “Little Senstar (LSC-05 / 30)” manufactured by JT Toshi, and the distance between the chucks was 20 mm, the tensile speed was 5 mm / nin, the temperature was 22 to 25 ° C., and the humidity was 45 to 55%. Was measured under the following conditions. The test piece for measurement is a film obtained by cutting the films of Examples 19 to 54 and Comparative Example 7 into a rectangular shape of 60 mm × 40 mm, and a tensile test sheet (L × W = 60 mm × 40 mm, and the center is (Cut out to 20 mm x 20 mm) and fixed, and the measurement was performed. Table 4 shows the results.
[0047]
[Table 4]
Figure 2004277512
[0048]
The measured value of Comparative Example 7 consisting of only PMMA was a tensile strength of 60 MPa. On the other hand, as shown in Table 4, the tensile strength of Examples 19 to 22, 27, 29, 33, 37 to 40, 43 to 46, and 49 to 52 exceeded the value of the tensile strength of Comparative Example 7. Further, as shown in Table 4, among Examples 19 to 54, TMOS (Examples 19 to 24 and Examples 37 to 42) and MTMS (Examples 25 to 30 and Examples 43 to 48) were used as silicon alkoxides. It was found that the tensile strength was higher when using DDMMS as the silicon alkoxide (Examples 31 to 36 and Examples 49 to 54). This is presumably because TMOS and MTMS form a three-dimensional network by polysiloxane bonds by a sol-gel reaction, whereas DMDMS becomes a two-dimensional polymer like silicon rubber by a sol-gel reaction. In addition, Examples 53 and 54 having a high silicon content using DMDMS as the silicon alkoxide exhibited low Young's modulus.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing light transmittance of Examples 1 to 6.
FIG. 2 is a graph showing light transmittances of Examples 7 to 12.
FIG. 3 is a graph showing light transmittances of Examples 13 to 16.
FIG. 4 is a graph showing light transmittances of Comparative Examples 1 to 6.
FIG. 5 is a graph showing glass transition temperatures of Examples 1 to 18 and Comparative Examples 1 to 6.

Claims (7)

アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーと金属アルコキシドとをゾル−ゲル反応させて得られる生成物であることを特徴とするアクリル系ハイブリッドポリマー。An acrylic hybrid polymer, which is a product obtained by performing a sol-gel reaction between an acrylic polymer having an alkoxysilyl group and a metal alkoxide. アクリル系ポリマーはポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1記載のアクリル系ハイブリッドポリマー。2. The acrylic hybrid polymer according to claim 1, wherein the acrylic polymer is polymethyl methacrylate. アルコキシシリル基はトリメトキシシリル基であることを特徴とする請求項1又は2記載のアクリル系ハイブリッドポリマー。3. The acrylic hybrid polymer according to claim 1, wherein the alkoxysilyl group is a trimethoxysilyl group. 金属アルコキシドはシリコンアルコキシドであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のアクリル系ハイブリッドポリマー。The acrylic hybrid polymer according to any one of claims 1 to 3, wherein the metal alkoxide is a silicon alkoxide. シリコンアルコキシドはテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン及びジメチルジメトキシシランから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載のアクリル系ハイブリッドポリマー。The acrylic hybrid polymer according to claim 4, wherein the silicon alkoxide is at least one selected from tetramethoxysilane, methyltrimethoxysilane, and dimethyldimethoxysilane. シリコンアルコキシドはテトラメトキシシラン及び/又はメチルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項4又は5記載のアクリル系ハイブリッドポリマー。The acrylic hybrid polymer according to claim 4 or 5, wherein the silicon alkoxide is tetramethoxysilane and / or methyltrimethoxysilane. シリコンの含有量が二酸化ケイ素換算で5〜30質量%とされていることを特徴とする請求項6記載のアクリル系ハイブリッドポリマー。7. The acrylic hybrid polymer according to claim 6, wherein the content of silicon is 5 to 30% by mass in terms of silicon dioxide.
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